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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】端子挿入方法及び端子挿入装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/20 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
H01R43/20 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021157109
(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公開番号】P2023047915
(43)【公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 肇
(72)【発明者】
【氏名】高田 和彦
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-61387(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061663(WO,A1)
【文献】特開平4-236498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャックによって端子を把持し、ハウジングのキャビティに前記端子を挿入する端子挿入方法であって、
前記チャックに把持させた基準位置計測用被写体を撮影し、その撮影画像に基づいて基準位置を設定する基準位置設定処理と、
前記チャックに把持させた前記端子を撮影し、その撮影画像における前記端子の特定部位を対象として前記端子の傾きを求めるとともに、求めた傾きに基づいて前記端子の姿勢を補正する姿勢補正処理と、
姿勢を補正した前記端子を再度撮影し、その撮影画像に基づいて前記端子の位置を算出する端子位置算出処理と、
算出した前記端子の計測位置と前記基準位置との差を補正値として前記端子の位置を補正し、前記ハウジングの前記キャビティに前記端子を挿入する挿入処理と、
を含む、
端子挿入方法。
【請求項2】
正規の姿勢で前記チャックに把持させた前記端子を撮影し、その撮影画像を基準画像として登録しておき、
前記姿勢補正処理において、撮影画像における前記端子の特定部位と前記基準画像における前記端子の特定部位とを比較して前記端子の傾きを求める、
請求項1に記載の端子挿入方法。
【請求項3】
端子を把持するチャックと、
前記チャックに把持された前記端子を撮影する撮影部と、
前記チャックを移動させる駆動機構と、
前記駆動機構を制御して前記チャックに把持させた前記端子をハウジングのキャビティに挿入させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記チャックに把持させた基準位置計測用被写体を前記撮影部によって撮影させ、その撮影画像に基づいて基準位置を設定する基準位置設定部と、
前記チャックに把持させた前記端子を前記撮影部によって撮影させ、その撮影画像における前記端子の特定部位を対象として前記端子の傾きを求めるとともに、求めた傾きに基づいて前記端子の姿勢を補正する姿勢補正部と、
姿勢を補正した前記端子を前記撮影部によって再度撮影させ、その撮影画像に基づいて前記端子の位置を算出する端子位置算出部と、
算出した前記端子の計測位置と前記基準位置との差を補正値として前記端子の位置を補正し、前記駆動機構によって前記ハウジングの前記キャビティに前記端子を挿入させる端子挿入部と、
を有する、
端子挿入装置。
【請求項4】
前記制御部は、
正規の姿勢で前記チャックに把持させた前記端子を前記撮影部によって撮影させ、その撮影画像を基準画像として登録し、
前記姿勢補正部によって、撮影画像における前記端子の特定部位と前記基準画像における前記端子の特定部位とを比較して前記端子の傾きを求めさせる、
請求項3に記載の端子挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子挿入方法及び端子挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケーブルの端部に設けられた端子をプラグハウジングに挿入する端子挿入装置が示されている。この装置では、端子に2方向からレーザをあてて、遮光された長さを測定し、端子の傾きを求めることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6842975号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、遮光された長さが最小となるまで端子を回転させて測定を繰り返すことにより端子の傾きを求めているため、端子の右回転と左回転で計測誤差が発生するおそれがある。
【0005】
また、端子の幅を求めることで端子の姿勢を検出するため、端子が右に傾いているか左に傾いているかに関わらず、端子を大きく回転させる必要が生じ、計測に時間がかかる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子の姿勢及び位置を迅速に測定してハウジングのキャビティへ円滑に挿入させることが可能な端子挿入方法及び端子挿入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0008】
チャックによって端子を把持し、ハウジングのキャビティに前記端子を挿入する端子挿入方法であって、
前記チャックに把持させた基準位置計測用被写体を撮影し、その撮影画像に基づいて基準位置を設定する基準位置設定処理と、
前記チャックに把持させた前記端子を撮影し、その撮影画像における前記端子の特定部位を対象として前記端子の傾きを求めるとともに、求めた傾きに基づいて前記端子の姿勢を補正する姿勢補正処理と、
姿勢を補正した前記端子を再度撮影し、その撮影画像に基づいて前記端子の位置を算出する端子位置算出処理と、
算出した前記端子の計測位置と前記基準位置との差を補正値として前記端子の位置を補正し、前記ハウジングの前記キャビティに前記端子を挿入する挿入処理と、
を含む、端子挿入方法。
【0009】
端子を把持するチャックと、
前記チャックに把持された前記端子を撮影する撮影部と、
前記チャックを移動させる駆動機構と、
前記駆動機構を制御して前記チャックに把持させた前記端子をハウジングのキャビティに挿入させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記チャックに把持させた基準位置計測用被写体を前記撮影部によって撮影させ、その撮影画像に基づいて基準位置を設定する基準位置設定部と、
前記チャックに把持させた前記端子を前記撮影部によって撮影させ、その撮影画像における前記端子の特定部位を対象として前記端子の傾きを求めるとともに、求めた傾きに基づいて前記端子の姿勢を補正する姿勢補正部と、
姿勢を補正した前記端子を前記撮影部によって再度撮影させ、その撮影画像に基づいて前記端子の位置を算出する端子位置算出部と、
算出した前記端子の計測位置と前記基準位置との差を補正値として前記端子の位置を補正し、前記駆動機構によって前記ハウジングの前記キャビティに前記端子を挿入させる端子挿入部と、
を有する、端子挿入装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端子の姿勢及び位置を迅速に測定してハウジングのキャビティへ円滑に挿入させることが可能な端子挿入方法及び端子挿入装置を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る端子挿入装置の概略斜視図である。
図2図2は、端子の形状を示す端子の正面図である。
図3図3は、端子挿入装置の機能を示す概略ブロック図である。
図4図4は、端子の挿入作業における処理の流れを説明するフローチャートである。
図5図5は、基準位置計測用被写体の撮影画像を示す模式図である。
図6図6は、端子の基準画像を示す模式図である。
図7図7は、端子の撮影画像を示す模式図である。
図8図8は、正規の姿勢とされた端子の撮影画像を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る端子挿入装置の概略斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る端子挿入装置100は、端子1を把持するチャック10と、ハウジング5を保持するハウジングホルダ20とを備えている。この端子挿入装置100は、チャック10に把持した端子1を、ハウジングホルダ20に保持されたハウジング5のキャビティ6に挿入する装置である。端子1は、導電性金属材料から形成されたもので、電線2の端部に接続されている。端子1は、ハウジング5のキャビティ6に挿入されて収容される。
【0016】
図2は、端子の形状を示す端子の正面図である。
図2に示すように、端子1は、電線2との接続側と反対側である先端側に、角筒状に形成された電気接続部3を有している。電気接続部3は、底板部3aと、一対の側板部3bと、上板部3cとを有している。端子1には、電気接続部3に対して、先端側から相手端子のタブ(図示略)が挿し込まれる。これにより、端子1が相手端子と電気的に接続される。
【0017】
図1に示すように、チャック10は、端子チャック部11と、電線チャック部12とを有している。チャック10は、端子チャック部11が端子1を把持し、電線チャック部12が電線2を把持する。なお、チャック10は、端子1の軸心を中心として端子1を回動可能に駆動する。ハウジングホルダ20は、ハウジング5を保持する。ハウジング5は、合成樹脂から成形されたもので、端子1を収容する複数のキャビティ6を有している。ハウジングホルダ20は、複数のキャビティ6の後部側の開口部分をチャック10側へ向けてハウジング5を把持する。
【0018】
端子挿入装置100は、さらに、駆動機構30、カメラ40及び制御部50を備えている。
【0019】
駆動機構30は、チャック10を水平面内(X方向及びY方向)で移動させるとともに、上下方向(Z方向)へ移動させる。駆動機構30は、チャック10を移動させることにより、チャック10に把持させた端子1をハウジングホルダ20に保持されたハウジング5のキャビティ6へ挿入させる。
【0020】
カメラ40は、例えば、CCDカメラである。このカメラ40は、その撮影方向をチャック10側へ向けて配置されている。このカメラ40には、その撮影位置に、駆動機構30によって移動されるチャック10が配置される。これにより、カメラ40は、チャック10に把持された端子1を撮影する。
【0021】
図3は、端子挿入装置の機能を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、制御部50は、チャック10、ハウジングホルダ20及び駆動機構30に接続されており、これらのチャック10、ハウジングホルダ20及び駆動機構30の駆動部を制御する。また、制御部50には、カメラ40が接続されており、カメラ40から画像データが送信される。
【0022】
この制御部50は、基準位置設定部51と、姿勢補正部52と、端子位置算出部53と、端子挿入部54と、を有している。
【0023】
次に、上記端子挿入装置100における制御部50による端子1の挿入動作について、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
【0024】
まず、チャック10に、基準位置計測用被写体Aを把持させる。この基準位置計測用被写体Aは、例えば、丸棒状のピンからなるもので、この基準位置計測用被写体Aをチャック10における端子チャック部11に把持させる。
【0025】
この状態で、制御部50の基準位置設定部51が、基準位置設定処理を行う(S01)。具体的には、駆動機構30を駆動させて基準位置計測用被写体Aを把持したチャック10をカメラ40の撮影位置に配置させる。そして、チャック10に把持させた基準位置計測用被写体Aをカメラ40によって撮影させ、その撮影画像に基づいて基準位置を設定する。
【0026】
ここで、図5は、基準位置計測用被写体Aの撮影画像Gを示す模式図であり、基準位置設定部51は、この撮影画像Gにおける基準位置計測用被写体Aの中心の座標(X0,Z0)を基準位置Paに設定する。
【0027】
次に、チャック10がハウジング5のキャビティ6へ挿入する端子1を把持すると、制御部50の姿勢補正部52が、姿勢補正処理を行う(S02~S04)。
【0028】
具体的には、チャック10に端子1を把持させると(S02)、駆動機構30を駆動させてチャック10をカメラ40の撮影位置に配置させる。そして、チャック10に把持させた端子1をカメラ40によって撮影させ、その撮影画像Gにおける端子の特定部位を対象として端子1の傾きθを求める(S03)。このとき、姿勢補正部52は、基準画像Gbを用いて端子1の傾きθを求める。
【0029】
図6は、端子1の基準画像Gbを示す模式図である。図7は、端子1の撮影画像Gを示す模式図である。基準画像Gbは、例えば、正規の姿勢でチャック10に把持させた端子1を予め撮影し、その撮影画像を基準画像Gbとして登録したものである。
【0030】
姿勢補正部52は、撮影した撮影画像Gにおける端子1の特定部位と、基準画像Gbにおける端子1の特定部位とを比較する。端子1の特定部位は、端子1における特徴となる部位であり、本例では、端子1の電気接続部3を構成する底板部3aを特定部位として用いている。具体的には、図6の基準画像Gbにおける端子1の電気接続部3の底板部3aと、図7の撮影画像Gにおける端子1の電気接続部3の底板部3aとを比較する。そして、この特定部位の比較によって撮影画像Gにおける端子1の傾きθを求める。
【0031】
姿勢補正部52は、求めた端子1の傾きθが、予め設定した基準値を超えている場合(S04でNo)、端子1の姿勢を傾きθのない正規の姿勢に補正する(S05)。具体的には、姿勢補正部52は、求めた端子1の傾きθに基づいて、チャック10の駆動部を駆動させることにより、端子1を軸回りに回動させ、正規の姿勢に補正する。
【0032】
次に、制御部50の端子位置算出部53が、正規の姿勢とされた端子1をカメラ40によって再度撮影させ、この撮影画像Gに基づいて、端子1の中心の左右方向(X方向)及び上下方向(Z方向)の計測位置Pを算出する(S06)。図8は、正規の姿勢とされた端子1をカメラ40によって再度撮影させた撮影画像Gを示す模式図である。
【0033】
その後、制御部50の端子挿入部54が、算出した端子1の計測位置Pの座標と、基準位置計測用被写体Aから求めた基準位置Paの座標(X0,Z0)とを比較し、これらの左右方向の差(ΔX)及び上下方向の差(ΔZ)を求める。そして、これらの左右方向の差(ΔX)及び上下方向の差(ΔZ)が、予め設定した基準値を超えている場合(S07でNo)、これらの差(ΔX,ΔZ)を補正値として端子1の位置を補正する(S08)。端子1の位置を補正したら、駆動機構30を駆動させ、チャック10に把持している端子1をハウジングホルダ20に保持されているハウジング5のキャビティ6に挿入する。
【0034】
なお、姿勢補正処理で求めた端子1の傾きθが、予め設定した基準値以内である場合(S04でYes)、端子1の姿勢の補正(S05)及び再度撮影した撮影画像Gに基づく位置算出(S06)は行わず、傾き判定に用いた撮影画像Gを計測位置Pの算出に用いる。
【0035】
また、計測位置Pの算出において、上下方向の差(ΔZ)及び左右方向の差(ΔX)が、予め設定した基準値以内である場合(S07でYes)、補正値0として端子1の位置補正を行わず(S09)、端子1をハウジング5のキャビティ6へ挿入する。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態に係る端子挿入方法及び端子挿入装置によれば、端子1の特定部位を対象として端子1の傾きを算出して姿勢を補正するので、姿勢の補正にかかる時間を短縮できる。また、端子1の姿勢を正しくした状態で端子1の位置の計測を行うので、端子1の形状に応じて生じる位置の計測誤差を抑制できる。したがって、端子1の姿勢及び位置を迅速に測定して補正し、ハウジング5のキャビティ6へ端子1を円滑に挿入させることができる。
【0037】
しかも、撮影画像Gにおける端子1の特定部位と、予め登録した基準画像Gbにおける端子1の特定部位とを比較することにより、端子1の傾きを容易にかつ精度よく求めることができる。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
ここで、上述した本発明に係る端子挿入方法及び端子挿入装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] チャック(10)によって端子(1)を把持し、ハウジング(5)のキャビティ(6)に前記端子(1)を挿入する端子挿入方法であって、
前記チャック(10)に把持させた基準位置計測用被写体(A)を撮影し、その撮影画像(G)に基づいて基準位置(Pa)を設定する基準位置設定処理と、
前記チャック(10)に把持させた前記端子(1)を撮影し、その撮影画像(G)における前記端子(1)の特定部位を対象として前記端子(1)の傾き(θ)を求めるとともに、求めた傾き(θ)に基づいて前記端子(1)の姿勢を補正する姿勢補正処理と、
姿勢を補正した前記端子(1)を再度撮影し、その撮影画像(G)に基づいて前記端子(1)の位置を算出する端子位置算出処理と、
算出した前記端子(1)の計測位置(P)と前記基準位置(Pa)との差を補正値として前記端子(1)の位置を補正し、前記ハウジング(5)の前記キャビティ(6)に前記端子(1)を挿入する挿入処理と、
を含む、端子挿入方法。
【0040】
上記[1]の構成の端子挿入方法によれば、端子の特定部位を対象として端子の傾きを算出して姿勢を補正するので、姿勢の補正にかかる時間を短縮できる。また、端子の姿勢を正しくした状態で端子の位置の計測を行うので、端子形状に応じて生じる位置の計測誤差を抑制できる。したがって、端子の姿勢及び位置を迅速に測定して補正し、ハウジングのキャビティへ端子を円滑に挿入させることができる。
【0041】
[2] 正規の姿勢で前記チャック(10)に把持させた前記端子(1)を撮影し、その撮影画像を基準画像(Gb)として登録しておき、
前記姿勢補正処理において、撮影画像(G)における前記端子(1)の特定部位と前記基準画像(Gb)における前記端子(1)の特定部位とを比較して前記端子(1)の傾き(θ)を求める、
上記[1]に記載の端子挿入方法。
【0042】
上記[2]の構成の端子挿入方法によれば、撮影画像における端子の特定部位と、予め登録した基準画像における端子の特定部位とを比較することにより、端子の傾きを容易にかつ精度よく求めることができる。
【0043】
[3] 端子(1)を把持するチャック(10)と、
前記チャック(10)に把持された前記端子(1)を撮影する撮影部(カメラ40)と、
前記チャック(10)を移動させる駆動機構(30)と、
前記駆動機構(30)を制御して前記チャック(10)に把持させた前記端子(1)をハウジング(5)のキャビティ(6)に挿入させる制御部(50)と、
を備え、
前記制御部(50)は、
前記チャック(10)に把持させた基準位置計測用被写体(A)を前記撮影部(カメラ40)によって撮影させ、その撮影画像(G)に基づいて基準位置(Pa)を設定する基準位置設定部(51)と、
前記チャック(10)に把持させた前記端子(1)を前記撮影部(カメラ40)によって撮影させ、その撮影画像(G)における前記端子(1)の特定部位を対象として前記端子(1)の傾き(θ)を求めるとともに、求めた傾き(θ)に基づいて前記端子(1)の姿勢を補正する姿勢補正部(52)と、
姿勢を補正した前記端子(1)を前記撮影部(カメラ40)によって再度撮影させ、その撮影画像(G)に基づいて前記端子(1)の位置を算出する端子位置算出部(53)と、
算出した前記端子(1)の計測位置(P)と前記基準位置(Pa)との差を補正値として前記端子(1)の位置を補正し、前記駆動機構(30)によって前記ハウジング(5)の前記キャビティ(6)に前記端子(1)を挿入させる端子挿入部(54)と、
を有する、端子挿入装置。
【0044】
上記[3]の構成の端子挿入装置によれば、端子の特定部位を対象として端子の傾きを算出して姿勢を補正するので、姿勢の補正にかかる時間を短縮できる。また、端子の姿勢を正しくした状態で端子の位置の計測を行うので、端子形状に応じて生じる位置の計測誤差を抑制できる。したがって、端子の姿勢及び位置を迅速に測定して補正し、ハウジングのキャビティへ端子を円滑に挿入させることができる。
【0045】
[4] 前記制御部(50)は、
正規の姿勢で前記チャック(10)に把持させた前記端子(1)を前記撮影部(カメラ40)によって撮影させ、その撮影画像を基準画像(Gb)として登録し、
前記姿勢補正部(52)によって、撮影画像(G)における前記端子(1)の特定部位と前記基準画像(Gb)における前記端子(1)の特定部位とを比較して前記端子(1)の傾き(θ)を求めさせる、
上記[3]に記載の端子挿入装置。
【0046】
上記[4]の構成の端子挿入装置によれば、撮影画像における端子の特定部位と、予め登録した基準画像における端子の特定部位とを比較させることにより、端子の傾きを容易にかつ精度よく求めることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 端子
5 ハウジング
6 キャビティ
10 チャック
30 駆動機構
40 カメラ(撮影部)
50 制御部
51 基準位置設定部
52 姿勢補正部
53 端子位置算出部
54 端子挿入部
100 端子挿入装置
A 基準位置計測用被写体
G 撮影画像
Gb 基準画像
P 計測位置
Pa 基準位置
θ 傾き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8