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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】アルカンの酸化的脱水素化のための触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/28 20060101AFI20231011BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20231011BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20231011BHJP
   B01J 37/06 20060101ALI20231011BHJP
   C07C 11/04 20060101ALI20231011BHJP
   C07C 5/48 20060101ALI20231011BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
B01J23/28 Z
B01J37/10
B01J37/08
B01J37/06
C07C11/04
C07C5/48
C07B61/00 300
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021502887
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 IB2019056161
(87)【国際公開番号】W WO2020016828
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】62/700,468
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513269848
【氏名又は名称】ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、シャオリャン
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、マリー
(72)【発明者】
【氏名】シマンゼンコフ、ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、エレナ
(72)【発明者】
【氏名】サリバン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンヒ
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0207035(US,A1)
【文献】国際公開第2010/038676(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって決定されるように、1:0.30から1:0.70であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相は、X線回折(XRD)によって決定されるように、55重量%~80重量%である、酸化的脱水素触媒。
【請求項2】
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、10.35から1:0.65、又は1:0.32から1:0.38である、請求項1に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項3】
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.36から1:0.43、又は1:0.37から1:0.44、又は1:0.41から1:0.48、又は1:0.42から1:0.46である、請求項1に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項4】
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.44から1:0.52、又は1:0.45から1:0.54、又は1:0.50から1:0.59である、請求項1に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項5】
前記非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~75重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項6】
記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、65重量%~75重量%である、請求項1に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項7】
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.35から1:0.65、又は1:0.40から1:0.60である、請求項5に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項8】
前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、56重量%~66重量%である、請求項に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項9】
前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に、又は、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、請求項又はに記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項10】
モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって決定されるように、1:0.20から1:0.60であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相が、X線回折(XRD)によって決定されるように、55重量%~75重量%であり、
前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、酸化的脱水素触媒。
【請求項11】
前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、60重量%~65重量%である、請求項10に記載の酸化的脱水素触媒。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒を調製する方法であって、以下の工程:
(i)モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
(ii)前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
(iii)触媒が請求項1~5のいずれか1項に記載のものである場合、前記予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成する工程;
あるいは、触媒が請求項10又は11に記載のものである場合、前記予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成する工程;
あるいは、触媒が請求項又は10に記載のものである場合、前記予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成する工程及び前記触媒を酸溶液で洗浄する工程であり、ここで、前記酸溶液はシュウ酸を含み、0.05M~0.5Mの濃度である、工程;、
あるいは、触媒が請求項7~9のいずれか一項に記載のものである場合、前記予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項13】
前記工程(i)が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み、ここで、前記モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製され、及び/又は前記バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
酸化的脱水素反応器中で、エタン及び酸素を、請求項1~11のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒と接触させる工程を含み、エタン及び酸素が不活性希釈剤と組み合わされる、エタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年7月19日に出願された米国仮出願第62/700,468号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、エタンなどのアルカンの酸化的脱水素化のための触媒に関する。
【背景技術】
【0003】
アルカンのオレフィンへの転化は、多くの方法で達成することができる。最も広く実施されている方法は、熱分解技術である。この技術では、アルカンを、ミリ秒から数秒のオーダーの非常に短い時間、少なくとも700℃の温度にさらして、水素の損失を促進し、1つ以上の不飽和結合の形成を促進する。しかしながら、現在の熱分解プロセスは、そのプロセスを構築して操作するのに費用がかかるだけでなく、吸熱分解反応にかなりの熱が必要なためエネルギーを大量に消費する。
【0004】
これに代えて、アルカンのオレフィンへの転化は、酸化的脱水素化プロセス(ODH)を用いて達成することができる。このプロセスでは、1つ以上のアルカンの流れを、酸素の存在下、約300℃~750℃の温度で、酸化的脱水素触媒を通過させる。
【発明の概要】
【0005】
本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0006】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0007】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.70である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.65である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.59である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.32から1:0.38である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.36から1:0.43である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.37から1:0.44である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:1.41から1:0.48である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.42から1:0.46である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.44から1:0.52である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.45から1:0.54である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.50から1:0.59である。
【0008】
いくつかの実施形態では、触媒は、55重量%~80重量%の非晶質相を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、55重量%~75重量%の非晶質相を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、触媒は、約300℃~約400℃の35%転化温度を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約375℃の35%転化温度を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、触媒は、約65%~約99%のエチレンへの選択性を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約75%~約80%のエチレンへの選択性を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約80%~約90%のエチレンへの選択性を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度、及び約75%~約90%のエチレンへの選択性を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び約75%~約80%のエチレンへの選択性を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度、及び80%~90%のエチレンへの選択性を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0013】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0018】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0019】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0025】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.60であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0026】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%を超える。
【0027】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.24から1:0.58である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.53である。
【0028】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、60重量%~65重量%である。
【0029】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも21.7±0.2、23.5±0.5、25.0±0.3、25.6±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0030】
いくつかの実施形態では、触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、触媒は、65%~95%のエチレンへの選択性を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0033】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0038】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0039】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0045】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0046】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%を超える。
【0047】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.45である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.39である。
【0048】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~85重量%である。
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、65重量%~75重量%である。
【0049】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも12.7±0.3、23.5±0.5、25.7±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0050】
いくつかの実施形態では、触媒は、約320℃~約400℃の35%転化温度を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、触媒は、70%~95%のエチレンへの選択性を有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、80%~85%のエチレンへの選択性を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、触媒を酸溶液で洗浄することを含む方法によって調製される。
【0053】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。いくつかの実施形態では、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0057】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0058】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0063】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0064】
いくつかの実施形態では、酸溶液はシュウ酸を含む。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は約0.05M~約0.5Mである。
【0065】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.70であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0066】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%を超える。
【0067】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.65である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.40から1:0.60である。
【0068】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、56重量%~66重量%である。
【0069】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0070】
いくつかの実施形態では、触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、触媒は、65%~95%のエチレンへの選択性を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0073】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。いくつかの実施形態では、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0077】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0078】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0084】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は45重量%を超える。触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄することを含む方法によって調製される。
【0085】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約1:0.41である。
【0086】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、45重量%~75重量%である。
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、45重量%~55重量%である。
【0087】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、30.6±0.3、及び31.9±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも6.5±0.3、7.8±0.2、9.0±0.2、10.8±0.2、12.9±0.3、13.4±0.2、25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、29.8±0.2、30.6±0.3、31.5±0.3、31.9±0.2、34.2±0.3、及び35.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0088】
いくつかの実施形態では、触媒は、約350℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0089】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。いくつかの実施形態では、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0093】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0094】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0099】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0100】
いくつかの実施形態では、酸溶液はシュウ酸を含む。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は約0.05M~約0.5Mである。
【0101】
また、本開示で提供されるのは、エタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法である。本方法は、酸化的脱水素反応器中で、エタン及び酸素を、本明細書に開示される任意の酸化的脱水素触媒と接触させることを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、エタン及び酸素は、不活性希釈剤と組み合わされる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1】触媒1.2の粒子サイズグラフを示す。
図2】触媒1.7の粒子サイズグラフを示す。
図3】触媒1.8の粒子サイズグラフを示す。
図4】触媒1.11の粒子サイズグラフを示す。
図5】触媒1.12の粒子サイズグラフを示す。
図6】BJHの細孔サイズ分布を示す。
図7】選択した触媒の10,000倍の倍率の画像を示す。
図8】選択した触媒と比較ベースラインのPXRDスタックプロットを示す。
図9】選択した試料のPXRDスタックプロットとピークプロミネンスプロットを示す。
図10】選択した試料のPXRDスタックプロットとピークプロミネンスプロットを示す。
図11】例で説明した反応器1の図を示す。
図12】例で説明した反応器2の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0104】
ここで、開示された主題の特定の実施形態を詳細に参照する。その実施形態の例は、添付の図面に一部として示されている。開示された主題は、列挙した請求項に関連して説明されるが、例示された主題は、請求項を開示された主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0105】
範囲の形式で表される値は、範囲の限定として明示的に記載された数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値又は部分的な範囲を含むように(それぞれの数値と部分的な範囲とが明示的に記載されているかのように)、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%を含むだけでなく、その指定された範囲内の個々の値(例:1%、2%、3%、4%)と部分的な範囲(例:0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むように解釈されるべきである。「約XからY」という記述は、特に明記されていない限り、「約Xから約Y」と同じ意味である。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に明記されていない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味である。
【0106】
本開示では、「a」、「an」、又は「the」という用語は、文脈で明確に指示されていない限り、1つ又は複数を含むために使用される。「又は」という用語は、特に明記されていない限り、非排他的な「又は」を意味するために使用される。「A及びBの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味である。また、本明細書で使用され、他に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するものではないことを理解されたい。セクション見出しの使用は、本明細書の読み取りを支援することを目的としており、限定するものとして解釈されるべきではなく;セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクションの内外で生じ得る。本明細書で言及されているすべての刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個別に援用されるようにして、その全体が参照により本明細書に援用される。本明細書と参照により援用される文書とを用いる上で、これらの間に不整合が生じる場合、援用される参考文献は、本明細書を用いる上で補足的に用いることが考慮されるべきであり、調整できない不整合については、援用される文書ではなく本明細書の記載を用いる。
【0107】
本明細書に記載の製造方法では、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、その複数の行為を任意の順序で実行することができる。さらに、特定の複数の行為については、それらが別々に実行されることを請求項の文言が明示的に記載していない限り、同時に実行することができる。例えば、Xを実行するという請求項に記載された行為と、Yを実行するという請求項に記載された行為は、単一の操作内で同時に実行することができ、結果として得られるプロセスは、請求項に記載されたプロセスの文言通りの範囲内に含まれる。
【0108】
本開示で使用される「約」という用語は、値又は範囲において、ある程度の変動性を考慮に入れることができ、例えば、規定された値又は規定された範囲の限定の10%以内、5%以内、又は1%以内である。
【0109】
本開示で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%以上の大部分を指す。
【0110】
本開示で使用される「室温」という用語は、約15℃~約28℃の温度を指す。
【0111】
本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0112】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%を超える。
【0113】
特に明記しない限り、本開示で提供される触媒のモリブデンとバナジウムのモル比は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって決定される。例えば、触媒のモリブデンとバナジウムのモル比は、実施例のセクションに記載されているように決定することができる。当業者は、本明細書に開示される酸化的脱水素触媒について、モリブデンとバナジウムのモル比を決定するために追加の方法を使用できること、及び、他の方法を使用する場合、ICP-MSを使用した場合と比較して観察されるモリブデンとバナジウムの比が異なる場合があることを認識するであろう。これらの追加の方法には、粒子線励起X線(PIXE)、蛍光X線(XRF)、及び中性子活性化分析(NAA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
特に明記しない限り、本明細書に記載の酸化的脱水素触媒における非晶質相の重量百分率は、実施例のセクションに記載の方法Aを用いるX線回折(XRD)によって決定される。方法Aは、MoVOx直方晶相(文献ではM1相とも呼ばれる)をフィッティングするために使用され、HighScore Plus XRD分析ソフトウェアの文献結晶構造参照04-022-1665、又は文献結晶構造参照04-022-1665及び04-022-1664を用いる。試料が、フィッティングに用いられる04-022-1665及び04-022-1664の両方の構造参照と最もよく一致してこれらの組合せを反映する場合には、04-022-1665と04-022-1664の両方を使用して、結晶性MoVOx直方晶相の重量百分率を定量化することができる。次に、Kファクターアプローチ(O’Connor及びRaven(1988年、Powder Diffraction、3(1)、2頁-6頁)に記載されている)を用いて、非晶質含量の重量百分率を割り当てることができるように、結晶相の重量百分率が測定される。次いで、結晶化度(DOC)法を適用して、非晶質相の量を決定する。結晶化度(DOC)法では、分析における各成分による全体的な回折パターンに寄与する領域面積の強度の合計を、総結晶含量として割り当てる。予想される信号の差(Kファクターアプローチを介して外部標準によって決定される)が、非晶質相の量(すなわち、重量%)である。
【0115】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.70である。例えば、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.65、1:0.29から1:0.59、又は1:0.32から1:0.38であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.36から1:0.43である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.37から1:0.44である。
【0117】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:1.41から1:0.48である。例えば、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.42から1:0.46であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.44から1:0.52である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.45から1:0.54である。
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.50から1:0.59である。
【0119】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~80重量%である。例えば、触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%であってもよい。
【0120】
酸化的脱水素触媒は、約300℃~約400℃の35%転化温度を有することができる。酸化的脱水素触媒の35%転化温度は、実施例のセクションに記載されているように決定することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度を有する。例えば、触媒は、約310℃~約375℃の35%転化温度を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度を有する。例えば、酸化的脱水素触媒は、約360℃、365℃、370℃、375℃、又は約380℃の35%転化温度を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度を有する。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約300℃~約340℃、約310℃~約330℃、又は約315℃~約325℃の35%転化温度を有する。例えば、酸化的脱水素触媒は、約300℃、310℃、320℃、330℃、又は約340℃の35%転化温度を有することができる。
【0121】
酸化的脱水素触媒は、65%~99%のエチレンへの選択性を有することができる。本開示で使用される場合、「エチレンへの選択性」という句は、エチレンを形成する転化されたエタン又は反応したエタンのモル基準でのパーセンテージを指す。エチレンへの選択性は、実施例のセクションに記載されているように決定することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約70%、75%、80%、又は約85%のエチレンへの選択性を有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、75%~約99%、約75%~約95%、又は約80%~90%のエチレンへの選択性を有する。例えば、酸化的脱水素触媒は、約75%、80%、85%、90%、又は約95%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度、及び約75%~約90%のエチレンへの選択性を有する。例えば、触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び75%~80%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約350℃~約390℃の35%転化温度、及び75%~85%のエチレンへの選択性を有する。例えば、酸化的脱水素触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び75%~80%のエチレンへの選択性を有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約300℃~約340℃の35%転化温度、及び75%~99%のエチレンへの選択性を有する。例えば、酸化的脱水素触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度、及び80%~90%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0124】
酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とすることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0125】
酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約10μmの平均粒子サイズを有することができる。例えば、酸化的脱水素触媒は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μmの平均粒子サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約1μm~約6μmの平均粒子サイズを有する。
【0126】
酸化的脱水素触媒は、約1m/g~約50m/gのBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積を有することができる。例えば、触媒は、約1m/g~約20m/g又は約20m/g~約40m/gのBET表面積を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約1m/g~約5m/g、約5m/g~約10m/g、約10m/g~約15m/g、約15m/g~約20m/g、約20m/g~約25m/g、約25m/g~約30m/g、約30m/g~約35m/g、又は約35m/g~約40m/gのBET表面積を有する。
【0127】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物(例えば、均一又は不均一混合物)を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0128】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含むことができる。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:1から約7:5である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5であってもよい。いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:3である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせた後に添加することができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。例えば、界面活性剤はメチルセルロースであってもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤はアニオン界面活性剤である。アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、オクチル硫酸ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、マイクロ波を介してモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物である。例えば、触媒シードは、本開示に記載されている酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0134】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物である。例えば、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.25から1:0.40であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.35であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.13から1:0.17であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.14であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0135】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度に加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、水熱反応中の対応する飽和水蒸気圧よりも高い圧力下で、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1ポンド/平方インチ(psi)~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約900psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、100psi~約1,100psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下(例えば約400psi~約440psiの圧力下)、約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。
【0137】
酸化的脱水素触媒を調製する方法はまた、水熱反応中に、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)から選択される表面と接触させることを含んでもよい。ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)表面は、酸化的脱水素触媒の形成を促進することができる。例えば、水熱反応中、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラスライナー、ステンレス鋼ライナー、又はTEFLON(登録商標)ライナーを用いて含めることができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を形成する方法は、モリブデン及びバナジウムの水性混合物をガラスと接触させることを含む。例えば、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0138】
予備焼成された触媒を焼成するプロセスは、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0139】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0140】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.60であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0141】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.24から1:0.58である。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.53である。例えば、モリブデンとバナジウムのモル比は、約1:0.29、約1:0.32、約1:0.35、約1:0.38、約1:0.41、約1:0.44、約1:0.47、約1:0.50、又は約1:0.53であってもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。例えば、触媒の非晶質相は、60重量%~75重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、60重量%~65重量%、65重量%~70重量%、又は70重量%~75重量%である。
【0143】
触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有することができる。例えば、触媒は、約325℃~約375℃、又は約375℃~約425℃の35%転化温度を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約300℃~約325℃、約325℃~約350℃、約350℃~約375℃、約375℃~約400℃、又は約400℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0144】
触媒は、約65%~約95%のエチレンへの選択性を有することができる。例えば、触媒は、約65%~約70%、約70%~約75%、約75%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、又は約90%~約95%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも21.7±0.2、23.5±0.5、25.0±0.3、25.6±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0146】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0147】
酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約10μmの平均粒子サイズを有することができる。例えば、酸化的脱水素触媒は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μmの平均粒子サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約1μm~約6μmの平均粒子サイズを有する。
【0148】
酸化的脱水素触媒は、約1m/g~約50m/gのBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積を有することができる。例えば、触媒は、約1m/g~約20m/g又は約20m/g~約40m/gのBET表面積を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約1m/g~約5m/g、約5m/g~約10m/g、約10m/g~約15m/g、約15m/g~約20m/g、約20m/g~約25m/g、約25m/g~約30m/g、約30m/g~約35m/g、又は約35m/g~約40m/gのBET表面積を有する。
【0149】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、及び予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0150】
予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成することは、例えば、マッフル炉、焼成装置又はロータリーキルンで予備焼成された触媒を焼成することを含んでもよい。
【0151】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含むことができる。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:1から約7:5である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5であってもよい。いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:3である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせた後に添加することができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、オクチル硫酸ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、マイクロ波を介してモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物である。例えば、触媒シードは、本開示に記載されている酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0157】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物である。例えば、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.25から1:0.40であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.35であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.13から1:0.17であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.14であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0158】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度に加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、水熱反応中の対応する飽和水蒸気圧よりも高い圧力下で、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1ポンド/平方インチ(psi)~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約900psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、100psi~約1,100psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下(例えば約400psi~約440psiの圧力下)、約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。
【0160】
酸化的脱水素触媒を調製する方法はまた、水熱反応中に、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)から選択される表面と接触させることを含んでもよい。ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)表面は、酸化的脱水素触媒の形成を促進することができる。例えば、水熱反応中、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラスライナー、ステンレス鋼ライナー、又はTEFLON(登録商標)ライナーを用いて含めることができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を形成する方法は、モリブデン及びバナジウムの水性混合物をガラスと接触させることを含む。例えば、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0161】
予備焼成された触媒を焼成するプロセスは、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0162】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0163】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.55である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒の非晶質相は、約60重量%~約65重量%である。
【0164】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。
【0165】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも21.7±0.2、23.5±0.5、25.0±0.3、25.6±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0167】
いくつかの実施形態では、触媒は、約350℃~約425℃の35%転化温度、及び約70%~約90%のエチレンへの選択性を有する。
【0168】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0169】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.45である。例えば、モリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.30、1:0.30から1:0.35、1:0.35から1:0.40、又は1:0.40から1:0.45である。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.39である。
【0170】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~85重量%である。例えば、触媒の非晶質相は、55重量%~60重量%、60重量%~65重量%、65重量%~70重量%、又は70重量%~75重量%、75重量%~80重量%、又は80重量%~85重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、65重量%~75重量%である。
【0171】
触媒は、約320℃~約400℃の35%転化温度を有することができる。例えば、触媒は、約320℃~約340℃、約340℃~約360℃、約360℃~約380℃、又は約380℃~約400℃の35%転化温度を有することができる。
【0172】
触媒は、約70%~95%のエチレンへの選択性を有することができる。例えば、触媒は、80%~85%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0173】
酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも12.7±0.3、23.5±0.5、25.7±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0174】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0175】
酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約10μmの平均粒子サイズを有することができる。例えば、酸化的脱水素触媒は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μmの平均粒子サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約5μm、又は約1μm~約3μmの平均粒子サイズを有する。
【0176】
酸化的脱水素触媒は、約1m/g~約50m/gのBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積を有することができる。例えば、触媒は、約1m/g~約20m/g又は約20m/g~約40m/gのBET表面積を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約1m/g~約5m/g、約5m/g~約10m/g、約10m/g~約15m/g、約15m/g~約20m/g、約20m/g~約25m/g、約25m/g~約30m/g、約30m/g~約35m/g、又は約35m/g~約40m/gのBET表面積を有する。
【0177】
酸化的脱水素触媒は、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄することを含む方法によって調製される。
【0178】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含むことができる。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:1から約7:5である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5であってもよい。いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:3である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。
【0180】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせた後に添加することができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、オクチル硫酸ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、マイクロ波を介してモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物である。例えば、触媒シードは、本開示に記載されている酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0184】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物である。例えば、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.25から1:0.40であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.35であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.13から1:0.17であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.14であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0185】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度に加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、水熱反応中の対応する飽和水蒸気圧よりも高い圧力下で、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1ポンド/平方インチ(psi)~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約900psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、100psi~約1,100psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下(例えば約400psi~約440psiの圧力下)、約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。
【0187】
酸化的脱水素触媒を調製する方法はまた、水熱反応中に、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)から選択される表面と接触させることを含んでもよい。ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)表面は、酸化的脱水素触媒の形成を促進することができる。例えば、水熱反応中、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラスライナー、ステンレス鋼ライナー、又はTEFLON(登録商標)ライナーを用いて含めることができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を形成する方法は、モリブデン及びバナジウムの水性混合物をガラスと接触させることを含む。例えば、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0188】
予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成することは、例えば、マッフル炉、焼成装置又はロータリーキルンで予備焼成された触媒を焼成することを含んでもよい。
【0189】
予備焼成された触媒を焼成するプロセスは、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0190】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0191】
いくつかの実施形態では、触媒を洗浄するために用いられる酸溶液は、シュウ酸を含む。シュウ酸の濃度は、約0.05モル(M)~約0.5M、約0.1M~約0.36M、又は約0.15M~約0.3Mであってもよい。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は、約0.16M又は約0.3Mである。
【0192】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.45である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒の非晶質相は、約65重量%~約75重量%である。
【0193】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.35である。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。
【0194】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること、並びに約0.1M~約0.36Mのシュウ酸の濃度を有するシュウ酸溶液で触媒を洗浄することを含む方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は約0.16M~約0.3Mである。
【0195】
いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも12.7±0.3、23.5±0.5、25.7±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0196】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0197】
いくつかの実施形態では、触媒は、約320℃~約380℃の35%転化温度、及び約75%~約90%のエチレンへの選択性を有する。
【0198】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.70であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。
【0199】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、35重量%を超える。いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%を超える。
【0200】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.65である。例えば、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.40から1:0.60であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.55から1:0.65である。
【0201】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、35重量%~75重量%である。いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。例えば、触媒の非晶質相は、56重量%~66重量%であってもよい。
【0202】
触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約365℃~約405℃の35%転化温度を有する。
【0203】
触媒は、約65%~約95%のエチレンへの選択性を有することができる。例えば、触媒は、約65%~約80%のエチレンへの選択性を有することができる。
【0204】
酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とすることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0205】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0206】
酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約10μmの平均粒子サイズを有することができる。例えば、酸化的脱水素触媒は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μmの平均粒子サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約5μm、又は約1μm~約3μmの平均粒子サイズを有する。
【0207】
酸化的脱水素触媒は、約1m/g~約50m/gのBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積を有することができる。例えば、触媒は、約1m/g~約20m/g又は約20m/g~約40m/gのBET表面積を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約1m/g~約5m/g、約5m/g~約10m/g、約10m/g~約15m/g、約15m/g~約20m/g、約20m/g~約25m/g、約25m/g~約30m/g、約30m/g~約35m/g、又は約35m/g~約40m/gのBET表面積を有する。
【0208】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、及び予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製することができる。
【0209】
本明細書で使用される場合、「窒素雰囲気」という用語は、体積で95%を超える窒素の雰囲気を指す。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成することは、予備焼成された触媒を、体積で96%、97%、98%、99%、99.9%又は99.999%を超える窒素の雰囲気下で焼成することを含む。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成することは、予備焼成された触媒上に窒素雰囲気を流すことを含む。
【0210】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含むことができる。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:1から約7:5である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5であってもよい。いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:3である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせた後に添加することができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、オクチル硫酸ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、マイクロ波を介してモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物である。例えば、触媒シードは、本開示に記載されている酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0216】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物である。例えば、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.25から1:0.40であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.35であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.13から1:0.17であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.14であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0217】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度に加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、水熱反応中の対応する飽和水蒸気圧よりも高い圧力下で、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約900psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、100psi~約1,100psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下(例えば約400psi~約440psiの圧力下)、約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。
【0219】
酸化的脱水素触媒を調製する方法はまた、水熱反応中に、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)から選択される表面と接触させることを含んでもよい。ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)表面は、酸化的脱水素触媒の形成を促進することができる。例えば、水熱反応中、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラスライナー、ステンレス鋼ライナー、又はTEFLON(登録商標)ライナーを用いて含めることができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を形成する方法は、モリブデン及びバナジウムの水性混合物をガラスと接触させることを含む。例えば、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0220】
予備焼成された触媒を焼成するプロセスは、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0221】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0222】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.50から1:0.70である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒の非晶質相は、約55重量%~約70重量%である。
【0223】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.55から1:0.65である。例えば、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.57から1:0.60であってもよい。
【0224】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、及び予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製することができる。
【0225】
酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とすることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0226】
いくつかの実施形態では、触媒は、約370℃~約405℃の35%転化温度、及び約65%~約85%のエチレンへの選択性を有する。いくつかの実施形態では、触媒は、約370℃~約380℃の35%転化温度、及び約75%~約85%のエチレンへの選択性を有する。
【0227】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は45重量%を超える。
【0228】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。例えば、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約1:0.41であってもよい。
【0229】
いくつかの実施形態では、触媒の非晶質相は、45重量%~75重量%である。例えば、触媒の非晶質相は、45重量%~55重量%であってもよい。
【0230】
触媒は、約350℃~約425℃の35%転化温度を有することができる。例えば、触媒は、約380℃~約400℃の35%転化温度を有することができる。
【0231】
酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とすることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、30.6±0.3、及び31.9±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも6.5±0.3、7.8±0.2、9.0±0.2、10.8±0.2、12.9±0.3、13.4±0.2、25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、29.8±0.2、30.6±0.3、31.5±0.3、31.9±0.2、34.2±0.3、及び35.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0232】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、6.7±0.2、8.0±0.3、9.0±0.2、22.2±0.2、23.5±0.2、25.5±0.3、27.3±0.2、30.6±0.2、35.3±0.2、38.9±0.2、45.3±0.2、46.2±0.2、46.2±0.2、48.7±0.2、51.9±0.2、及び55.2±0.2から選択される少なくとも1つ又は複数のXRD回折ピーク(2θ度)を有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0233】
酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約10μmの平均粒子サイズを有することができる。例えば、酸化的脱水素触媒は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、又は約10μmの平均粒子サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、約0.5μm~約5μm、又は約1μm~約3μmの平均粒子サイズを有する。
【0234】
酸化的脱水素触媒は、約1m/g~約50m/gのBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積を有することができる。例えば、触媒は、約1m/g~約20m/g又は約20m/g~約40m/gのBET表面積を有することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、約1m/g~約5m/g、約5m/g~約10m/g、約10m/g~約15m/g、約15m/g~約20m/g、約20m/g~約25m/g、約25m/g~約30m/g、約30m/g~約35m/g、又は約35m/g~約40m/gのBET表面積を有する。
【0235】
触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄することを含む方法によって調製される。
【0236】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成することは、予備焼成された触媒を、体積で96%、97%、98%、99%、99.9%又は99.999%を超える窒素の雰囲気下で焼成することを含む。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成することは、予備焼成された触媒上に窒素雰囲気を流すことを含む。
【0237】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含むことができる。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:1から約7:5である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5であってもよい。いくつかの実施形態では、水性混合物中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約7:3である。例えば、水性混合物を調製するために使用される(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。
【0239】
いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせた後に添加することができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、オクチル硫酸ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウムをさらに含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、マイクロ波を介してモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物である。例えば、触媒シードは、本開示に記載されている酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0243】
いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物である。例えば、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む酸化的脱水素触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.20から1:0.45であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.05から1:0.25であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.25から1:0.40であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.10から1:0.20であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。いくつかの実施形態では、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.30から1:0.35であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.13から1:0.17であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.12から1:0.14であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0244】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度に加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、水熱反応中の対応する飽和水蒸気圧よりも高い圧力下で、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1ポンド/平方インチ(psi)~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約900psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、100psi~約1,100psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下(例えば約400psi~約440psiの圧力下)、約230℃の温度で加熱することを含んでもよい。
【0246】
酸化的脱水素触媒を調製する方法はまた、水熱反応中に、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)から選択される表面と接触させることを含んでもよい。ガラス、ステンレス鋼、又はTEFLON(登録商標)表面は、酸化的脱水素触媒の形成を促進することができる。例えば、水熱反応中、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、ガラスライナー、ステンレス鋼ライナー、又はTEFLON(登録商標)ライナーを用いて含めることができる。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を形成する方法は、モリブデン及びバナジウムの水性混合物をガラスと接触させることを含む。例えば、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0247】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成することは、予備焼成された触媒を、体積で96%、97%、98%、99%、又は99.9%を超える窒素の雰囲気下で焼成することを含む。
【0248】
予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成するプロセスは、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0249】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0250】
いくつかの実施形態では、触媒を洗浄するために用いられる酸溶液は、シュウ酸を含む。シュウ酸の濃度は、約0.05モル(M)~約0.5M、約0.1M~約0.36M、又は約0.15M~約0.3Mであってもよい。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は、約0.16M又は約0.3Mである。
【0251】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒の非晶質相は、約45重量%~約55重量%である。
【0252】
いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.39から1:0.43である。いくつかの実施形態では、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約0.41である。
【0253】
酸化的脱水素触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること、並びに約0.1M~約0.36Mのシュウ酸の濃度を有するシュウ酸溶液で触媒を洗浄することを含む方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、シュウ酸の濃度は約0.16M~約0.3Mである。
【0254】
酸化的脱水素触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とすることができ、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、30.6±0.3、及び31.9±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。いくつかの実施形態では、触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも6.5±0.3、7.8±0.2、9.0±0.2、10.8±0.2、12.9±0.3、13.4±0.2、25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、29.8±0.2、30.6±0.3、31.5±0.3、31.9±0.2、34.2±0.3、及び35.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0255】
いくつかの実施形態では、触媒は、約380℃~約400℃の35%転化温度、及び約60%~約75%のエチレンへの選択性を有する。
【0256】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.43から1:0.46である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び75%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0257】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.43から1:0.46である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度、及び80%を超えるエチレンへの選択性を有する。
【0258】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.41から1:0.48である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒は、モリブデン、バナジウム、及びアニオン界面活性剤を含む水性混合物を調製すること、混合物を約200℃~約250℃の温度で水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成して酸化的脱水素触媒を形成することを含む方法によって調製される。モリブデン、バナジウム、及びアニオン界面活性剤を含む水性混合物は、少なくとも、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることによって調製される。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製され、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は約1:1から約1:5である。例えば、(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は約1:3であってもよい。
【0259】
いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、及びアニオン界面活性剤の水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含めることができる。
【0260】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.41から1:0.48である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。触媒は、モリブデン、バナジウム、及びオクチル硫酸ナトリウムを含む水性混合物を調製することを含む方法によって調製することができる。この方法は、混合物を約200℃~約250℃の温度で水熱反応させて予備焼成された触媒を提供すること、予備焼成された触媒を約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成して酸化的脱水素触媒を形成することをさらに含む。モリブデン、バナジウム、及びオクチル硫酸ナトリウムを含む水性混合物は、少なくとも、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることによって調製される。モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製され、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:1から約1:5になる。例えば、(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は約1:3であってもよい。
【0261】
いくつかの実施形態では、モリブデン、バナジウム、及びオクチル硫酸ナトリウムの水性混合物を、水熱反応中、ガラスライナーによって含める。
【0262】
また、本開示で提供されるのは、酸化的脱水素触媒を含む組成物である。酸化的脱水素触媒は、本明細書に記載の任意の酸化的脱水素触媒であってもよい。
【0263】
組成物は、補助剤(adjuvant)をさらに含むことができる。補助剤は、支持体、結合剤、凝集剤、促進剤、酸化的脱水素触媒と少なくとも部分的に反応することができる剤、又はそれらの組合せとして機能することができる材料若しくは化合物であってもよい。いくつかの実施形態では、補助剤は、アルミナ、ゲータイト、又はそれらの組合せを含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、補助剤は、約40重量%~約80重量%、約50重量%~約70重量%、又は約55重量%~約65重量%の量で組成物中に存在する。例えば、組成物は、約55重量%、約60重量%、又は約65重量%の補助剤を含むことができる。
【0265】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、組成物の約20重量%~約60重量%、約30重量%~約50重量%、又は約35重量%~約45重量%の量で存在する。例えば、組成物は、約35重量%、約40重量%、又は約45重量%の酸化的脱水素触媒を含むことができる。
【0266】
いくつかの実施形態では、補助剤はアルミナである。アルミナは、酸化アルミニウム、アルミナ一水和物、アルミナ三水和物、アルミナ-シリカ、ボーキサイト、焼成アルミニウム、遷移アルミナ、焼成ハイドロタルサイト、又はそれらの組合せであってもよい。焼成アルミニウムは、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、又はそれらの組合せを含むことができる。本明細書で使用される場合、「ベーマイト」という用語は、限定されるものではないが、疑似ベーマイト(pseudoboehmites)を含む。いくつかの実施形態では、補助剤は疑似ベーマイトである。例えば、補助剤は、疑似ベーマイトVERSAL(商標)250であってもよい。VERSAL(商標)250は、分散性指数(%<1mu)が20~30、かさ密度が1立方フィート当たり12~16ポンド(lbs/ft)、表面積が1グラム当たり約320平方メートル(m/g)、強熱減量(LOI)が約26重量%である。VERSAL(商標)250の分散性指数は、揮発性物質を含まない基準で8グラムの試料と、アルミナ100g当たり約260ミリ当量の硝酸である96mlの0.22標準(N)硝酸溶液とを用いて決定することができ、酸性アルミナスラリーを、WARING(登録商標)ブレンダー中で低速(17000rpm)で5分間混合し、次いで、SEDIGRAPH(登録商標)PSAを用いて粒子サイズ分布を決定し、その結果は、サブミクロン粒子の重量%として報告される。
【0267】
いくつかの実施形態では、組成物は、酸化的脱水素触媒及びVERSAL(商標)250などの疑似ベーマイトを含む。酸化的脱水素触媒は、組成物の約20重量%~約60重量%であってもよく、疑似ベーマイトは、組成物の約40重量%~約80重量%であってもよい。例えば、酸化的脱水素触媒は、組成物の約30重量%~約50重量%であってもよく、疑似ベーマイトは、組成物の約50重量%~約70重量%であってもよい。いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒は、組成物の約40重量%であり、疑似ベーマイトは、組成物の約60重量%である。
【0268】
酸化的脱水素触媒及びアルミナ補助剤(疑似ベーマイトVERSAL(商標)250など)を含む組成物は、酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供すること、混合物を焼成して触媒組成物を提供することによって調製することができる。水は、約10重量%~約99重量%、約30重量%~約80重量%、又は約45重量%~約75重量%の量で混合物中に存在することができる。混合物中のアルミナと酸化的脱水素触媒の比は、約80:20から約40:60、又は約70:30から約50:50であってもよい。例えば、混合物中のアルミナと酸化的脱水素触媒の比は、約60:40であってもよい。
【0269】
いくつかの実施形態では、混合物を焼成する前にその混合物を加熱することによって、混合物中の実質的な量(substantial amount)の水を除去することができる。例えば、酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を、約60℃~約100℃、約70℃~約90℃、又は約75℃~約85℃の温度で加熱して、混合物中の実質的な量の水を除去することができる。いくつかの実施形態では、混合金属酸化物、アルミナ、及び水を含む混合物は、約70℃、80℃、又は約90℃からの温度で加熱することができる。酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物はまた、その混合物を加熱しながら撹拌することができる(例えばスターラーで撹拌)。実質的な量の水が除去された後、混合物はペーストの形態になり得る。
【0270】
触媒及びアルミナを含む混合物は、約300℃~約450℃又は約325℃~約375℃で焼成することができる。例えば、触媒及びアルミナを含む混合物は、約330℃、340℃、350℃、360℃、又は約370℃で焼成することができる。
【0271】
酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供すること;任意選択で混合物を加熱して実質的な量の水を除去すること;次いで、混合物を焼成して組成物を提供することによって組成物を調製する場合、アルミナの一部は、酸化的脱水素触媒と反応して、アルミナ反応(alumina reacted)酸化的脱水素触媒を形成することができ、一方、未反応のアルミナは、結合剤、支持体、促進剤、又はそれらの組合せとして機能することができる。
【0272】
いくつかの実施形態では、補助剤(adjuvant)は、アルミナ及びゲータイトを含む。アルミナは、約40重量%~約80重量%の量で組成物中に存在することができ、ゲータイトは、約1重量%~約20重量%の量で組成物中に存在することができる。例えば、アルミナは、約55重量%~約65重量%の量で存在することができ、ゲータイトは、約5重量%~約15重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、約60重量%のアルミナ及び約8重量%のゲータイトを含むことができる。
【0273】
さらに、組成物が補助剤をさらに含む場合、補助剤は支持体であってもよい。支持体は、酸化的脱水素触媒の表面積を増加させる目的で、酸化的脱水素触媒が付着しているか、酸化的脱水素触媒が上に分散されているか、又はその両方である固体材料であってもよい。支持体は、アルミナ系支持体、マグネシア系支持体、シリカ系支持体、ジルコニア系支持体、ゼオライト系支持体、鉄系支持体、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、支持体は、組成物の約40重量%~約80重量%、約50重量%~約70重量%、又は約55重量%~約65重量%の量で存在する。例えば、組成物は、約55重量%、約60重量%、又は約65重量%の支持体を含むことができる。
【0274】
いくつかの実施形態では、補助剤は促進剤である。脱水素化プロセスのための酸化的脱水素化触媒に対する促進剤の効果は、例えば、強化されたアルカン転化(例えば、より低い35%転化温度)、エチレンへの選択性の向上、コークス形成の抑制、高い予熱温度の排除、及び酸化的脱水素触媒の安定性の向上を含み得る。
【0275】
促進剤は、約1重量%~約20重量%、約5重量%~約15重量%、又は約5重量%~約10重量%の量で組成物中に存在することができる。例えば、組成物は、約8重量%の促進剤を含むことができる。
【0276】
促進剤は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ゲータイト、又はそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、促進剤はベリリウムである。例えば、促進剤は、酸化ベリリウム(すなわち、ベリリア)であってもよい。酸化ベリリウムは、約1重量%~約20重量%、約5重量%~約15重量%、又は約5重量%~約10重量%の量で組成物中に存在することができる。例えば、組成物は、約8重量%の酸化ベリリウムを含むことができる。
【0277】
また、本明細書で提供されるのは、酸化的脱水素触媒及び補助剤を含む組成物である。酸化的脱水素触媒には、モリブデン、バナジウム、及び酸素が含まれる。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.32から1:0.59である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。補助剤はアルミナである。さらに、組成物は、酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供すること、混合物を焼成して組成物を提供することを含む方法によって調製される。
【0278】
いくつかの実施形態では、組成物は、約40重量%~約80重量%のアルミナ及び約20重量%~約60重量%の酸化的脱水素触媒を含む。
【0279】
本明細書でさらに提供されるのは、酸化的脱水素触媒及び疑似ベーマイト(例えば、VERSAL(登録商標)250)を含む組成物である。酸化的脱水素触媒には、モリブデン、バナジウム、及び酸素が含まれる。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は1:0.41から1:0.48である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。組成物は、酸化的脱水素触媒、アルミナ、及び水を含む混合物を提供することを含む方法によって調製される。この方法は、混合物を約70℃~約90℃の温度で加熱することによって実質的な量の水(例えば、50重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、90重量%超、又は95重量%超の水)を除去すること、次いで、混合物を約325℃~約375℃の温度で焼成して組成物を提供することをさらに含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、組成物は、約50重量%~約70重量%の疑似ベーマイト及び約30重量%~約50重量%の酸化的脱水素触媒を含む。
【0281】
また、本開示で提供されるのは、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒を調製する方法である。触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.32から1:0.59である。酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在する。この方法は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を調製すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を焼成して酸化的脱水素触媒を形成することを含む。
【0282】
モリブデンとバナジウムを含む水性混合物は、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることによって調製することができる。モリブデンを含む水性混合物は、(NHMo24・4HO及び第1の水から調製することができる。バナジウムを含む水性混合物は、VOSO・XHO及び第2の水から調製することができる。(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約0.5:1から約1:10、約1:1から約1:5、又は約1:2から約1:4であってもよい。例えば、(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比は、約1:3であってもよい。いくつかの実施形態では、(NHMo24・4HOとVOSO・XHOのモル比はまた、約1:1.5から約1:2であってもよい。
【0283】
第1及び第2の水は、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の水は、蒸留水である。
【0284】
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含むことができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せであってもよい。アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択することができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムである。
【0285】
混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃、約175℃~約275℃、又は約200℃~約250℃の温度で加熱することを含んでもよい。例えば、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含んでもよい。さらに、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psi、約700psi~約1,100psi、又は約800psi~約1,000psiの圧力下で加熱することを含んでもよい。
【0286】
いくつかの実施形態では、酸化的脱水素触媒を調製する方法は、焼成前に、予備焼成された触媒をアルコールで洗浄することを含まない。例えば、酸化的脱水素触媒を調製する方法は、予備焼成された触媒を、エタノールで洗浄することを含まなくてもよい。このように、予備焼成された触媒は、焼成中に予備焼成された触媒と反応する可能性がある残留アルコールを含まない可能性がある。さらに、例1.2に示されるように、エタノール洗浄なしで調製された酸化的脱水素触媒は、エタノール洗浄で調製された触媒と比較して、エチレンに対してより高い選択性を有することができることが予期せず発見された。
【0287】
予備焼成された触媒を焼成する工程は、約300℃~約500℃、約350℃~約450℃、又は約375℃~約425℃の温度で行うことができる。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃、385℃、395℃、405℃、415℃、又は約425℃で焼成することができる。いくつかの実施形態では、焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0288】
いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。例えば、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成することができる。いくつかの実施形態では、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0289】
また、本明細書に記載の任意の酸化的脱水素触媒又は酸化的脱水素組成物を用いた酸化的脱水素反応器におけるエタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法も、提供される。
【0290】
その後、エチレンを種々の生成物に転化することができる。例えば、エチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エチルベンゼン、直鎖アルコール、酢酸ビニル、アルカン、アルファオレフィン、種々の炭化水素系燃料、エタノールなどを含む多くの種々の化合物に転化することができる。次いで、これらの化合物を、当業者に周知の方法を用いてさらに処理して、他の価値ある化学物質及び消費者製品を得ることができる。
【0291】
本明細書に開示される非限定的な実施形態には以下が含まれる。
【0292】
実施形態A:モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって決定されるように、1:0.15から1:0.75であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は、X線回折(XRD)によって決定されるように、55重量%を超える。
【0293】
実施形態Aは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0294】
要素A1:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.70である。
要素A2:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.65である。
要素A3:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.59である。
要素A4:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.32から1:0.38である。
要素A5:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.36から1:0.43である。
要素A6:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.37から1:0.44である。
要素A7:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.41から1:0.48である。
要素A8:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.42から1:0.46である。
要素A9:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.44から1:0.52である。
要素A10:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.45から1:0.54である。
要素A11:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.50から1:0.59である。
【0295】
要素A12:触媒は、55重量%~80重量%の非晶質相を有する。
要素A13:触媒は、55重量%~75重量%の非晶質相を有する。
【0296】
要素A14:触媒は、約300℃~約400℃の35%転化温度を有する。
要素A15:触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度を有する。
要素A16:触媒は、約310℃~約375℃の35%転化温度を有する。
要素A17:触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度を有する。
要素A18:触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度を有する。
【0297】
要素A19:触媒は、65%~99%のエチレンへの選択性を有する。
要素A20:触媒は、75%~80%のエチレンへの選択性を有する。
要素A21:触媒は、80%~90%のエチレンへの選択性を有する。
【0298】
要素A22:触媒は、約310℃~約385℃の35%転化温度、及び約75%~約90%のエチレンへの選択性を有する。
要素A23:、触媒は、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び約75%~約80%のエチレンへの選択性を有する。
要素A24:触媒は、約310℃~約330℃の35%転化温度、及び80%~90%のエチレンへの選択性を有する。
【0299】
要素A25:触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成することを含む方法によって調製される。
【0300】
要素A26:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0301】
要素A27:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。
【0302】
要素A28:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。
【0303】
要素A29:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。
【0304】
要素A30:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。
【0305】
要素A31:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択されるアニオン界面活性剤さらに含む。
【0306】
要素A32:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、アニオン界面活性剤をさらに含み;アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0307】
要素A33:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、アニオン界面活性剤をさらに含み;アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0308】
要素A34:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0309】
要素A35:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。
【0310】
要素A36:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含み;モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である。
【0311】
要素A37:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。
【0312】
要素A38:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含み;モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0313】
要素A39:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
【0314】
要素A40:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0315】
要素A41:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0316】
要素A42:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
【0317】
要素A43:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0318】
要素A44:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0319】
要素A45:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0320】
要素A46:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。
【0321】
要素A47:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。
【0322】
要素A48:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0323】
要素A49:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
【0324】
要素A50:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃焼成される。
【0325】
要素A51:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約400℃焼成される。
【0326】
要素A52:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
【0327】
要素A53:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
【0328】
要素A54:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0329】
非限定的な例として、実施形態Aに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:A12、A14、及びA19;A12及びA25;A12、A25、A27、及びA28;A12、A25、A27、A28、A39、及びA50。
【0330】
実施形態B:モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.60であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0331】
実施形態Bは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0332】
要素B1:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.24から1:0.58である。
要素B2:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.53である。
【0333】
要素B3:触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。
要素B4:触媒の非晶質相は、60重量%~65重量%である。
【0334】
要素B5:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
要素B6:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも21.7±0.2、23.5±0.5、25.0±0.3、25.6±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0335】
要素B7:触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0336】
要素B8:触媒は、65%~95%のエチレンへの選択性を有する。
【0337】
要素B9:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること。
【0338】
要素B10:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0339】
要素B11:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。
【0340】
要素B12:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。
【0341】
要素B13:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。
【0342】
要素B14:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。
【0343】
要素B15:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択され;アニオン界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。
【0344】
要素B16:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0345】
要素B17:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0346】
要素B18:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0347】
要素B19:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。
【0348】
要素B20:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含み;モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0349】
要素B20:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。
【0350】
要素B21:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含み;モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0351】
要素B22:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;
ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
【0352】
要素B23:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;
ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0353】
要素B24:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0354】
要素B25:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
【0355】
要素B26:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0356】
要素B27:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0357】
要素B28:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0358】
要素B29:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。
【0359】
要素B30:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。
【0360】
要素B31:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0361】
要素B32:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
【0362】
要素B33:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
【0363】
要素B34:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0364】
要素B35:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
【0365】
要素B36:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
【0366】
要素B32:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成すること;ここで、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0367】
非限定的な例として、実施形態Bに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:B1及びB3;B1、B3、及びB5;B1、B3、B7、及びB8;B1、B3、B11、及びB12;並びにB1、B3、B11、B12、及びB27。
【0368】
実施形態C:モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.20から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0369】
実施形態Cは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0370】
要素C1:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.25から1:0.45である。
要素C2:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.29から1:0.39である。
【0371】
要素C3:触媒の非晶質相は、55重量%~85重量%である。
要素C4:触媒の非晶質相は、65重量%~75重量%である。
【0372】
要素C5:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
要素C6:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも12.7±0.3、23.5±0.5、25.7±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0373】
要素C7:触媒は、約320℃~約400℃の35%転化温度を有する。
【0374】
要素C8:触媒は、70%~95%のエチレンへの選択性を有する。
要素C9:触媒は、80%~85%のエチレンへの選択性を有する。
【0375】
要素C10:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること。
【0376】
要素C11:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0377】
要素C12:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。
【0378】
要素C13:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。
【0379】
要素C14:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。
【0380】
要素C15:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。
【0381】
要素C16:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される。
【0382】
要素C17:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0383】
要素C18:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0384】
要素C19:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0385】
要素C20:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。
【0386】
要素C20:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含み;モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0387】
要素C21:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。
【0388】
要素C22:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含み;モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0389】
要素C23:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
【0390】
要素C24:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0391】
要素C25:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0392】
要素C26:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
【0393】
要素C27:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0394】
要素C28:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0395】
要素C29:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0396】
要素C30:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。
【0397】
要素C31:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。
【0398】
要素C32:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0399】
要素C33:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
【0400】
要素C34:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で焼成される。
【0401】
要素C35:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約400℃で焼成される。
【0402】
要素C36:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
【0403】
要素C37:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
【0404】
要素C38:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0405】
要素C39:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、酸溶液はシュウ酸を含む。
【0406】
要素C40:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄すること;ここで、酸溶液はシュウ酸を含み;シュウ酸の濃度は約0.05M~約0.5Mである。
【0407】
非限定的な例として、実施形態Cに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:C1及びC3;C1、C3、及びC5;C1、C3、C7、及びC8;C1、C3、及びC10;C1、C3、C12、及びC13;C1、C3、C12、C13、及びC39;並びにC1、C3、C12、C13、及びC40。
【0408】
実施形態D:モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.70であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は55重量%を超える。
【0409】
実施形態Dは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0410】
要素D1:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.65である。
要素D2:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.40から1:0.60である。
【0411】
要素D3:触媒の非晶質相は、55重量%~75重量%である。
要素D4:触媒の非晶質相は、56重量%~66重量%である。
【0412】
要素D5:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
要素D6:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0413】
要素D7:触媒は、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0414】
要素D8:触媒は、65%~95%のエチレンへの選択性を有する。
【0415】
要素D9:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること。
【0416】
要素D10:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0417】
要素D11:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。
【0418】
要素D12:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO・XHO及び第2の水から調製される。
【0419】
要素D13:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。
【0420】
要素D14:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。
【0421】
要素D15:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される界面活性剤を含む。
【0422】
要素D16:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0423】
要素D17:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0424】
要素D18:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0425】
要素D19:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。
【0426】
要素D20:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含み;モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0427】
要素D21:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。
【0428】
要素D22:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含み;モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0429】
要素D23:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
【0430】
要素D24:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0431】
要素D25:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含む。
【0432】
要素D26:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
【0433】
要素D27:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0434】
要素D28:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
【0435】
要素D29:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃からの温度で加熱することを含む。
【0436】
要素D30:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。
【0437】
要素D31:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。
【0438】
要素D32:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0439】
要素D33:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で焼成される。
【0440】
要素D34:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃焼成される。
【0441】
要素D35:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約400℃焼成される。
【0442】
要素D36:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
【0443】
要素D37:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
【0444】
要素D38:触媒は、以下を含む方法によって調製される:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、並びに予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること;ここで、前記予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0445】
非限定的な例として、実施形態Dに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:D1及びD3;D1、D3、及びD5;D1、D3、D7、及びD8;D1、D3、及びD9;並びにD1、D3、D11、及びD12。
【0446】
実施形態E:モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.30から1:0.50であり、酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、触媒の非晶質相は45重量%を超え、触媒は、モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供すること、混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成すること、予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成すること、並びに触媒を酸溶液で洗浄することを含む方法によって調製される。
【0447】
実施形態Eは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組合せで有することができる。
【0448】
要素E1:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.35から1:0.45である。
要素E2:触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、約1:0.41である。
【0449】
要素E3:触媒の非晶質相は、45重量%~75重量%である。
要素E4:触媒の非晶質相は、45重量%~55重量%である。
【0450】
要素E5:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
要素E6:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、30.6±0.3、及び31.9±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
要素E7:触媒は、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも6.5±0.3、7.8±0.2、9.0±0.2、10.8±0.2、12.9±0.3、13.4±0.2、25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、29.8±0.2、30.6±0.3、31.5±0.3、31.9±0.2、34.2±0.3、及び35.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる。
【0451】
要素E8:前記触媒が、約350℃~約425℃の35%転化温度を有する。
【0452】
要素E9:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む。
【0453】
要素E10:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;モリブデンを含む水性混合物は、少なくとも(NHMo24・4HO及び第1の水から調製される。
【0454】
要素E11:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供することは、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含み;バナジウムを含む水性混合物は、少なくともVOSO4・XH2O及び第2の水から調製される。
【0455】
要素E12:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含む。
【0456】
要素E13:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される。
【0457】
要素E14:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される界面活性剤を含む。
【0458】
要素E15:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0459】
要素E16:モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物は、界面活性剤をさらに含み;界面活性剤は、オクチル硫酸ナトリウムを含む。
【0460】
要素E17:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む。
【0461】
要素E18:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;ここで、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む。
【0462】
要素E19:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;ここで、触媒シードは、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含み;モリブデン及びバナジウムを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含み、触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、1:0.15から1:0.75である。
【0463】
要素E20:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;ここで、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む。
【0464】
要素E21::混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含み;ここで、触媒シードは、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含み;モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.05から1:0.60であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する。
【0465】
要素E22:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む。
要素E23:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
要素E24:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含む。
【0466】
要素E25:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む。
要素E26:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む。
【0467】
要素E27:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む。
要素E28:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む。
【0468】
要素E29:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む。
【0469】
要素E30:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をガラスライナーと接触させることを含む。
【0470】
要素E31:混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成することは、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む。
【0471】
要素E32:予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃焼成される。
要素E33:予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃焼成される。
要素E34:予備焼成された触媒は、約400℃焼成される。
【0472】
要素E35:予備焼成された触媒は、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される。
要素E36:予備焼成された触媒は、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される。
要素E37:予備焼成された触媒は、約400℃で約2時間焼成される。
【0473】
要素E38:酸溶液はシュウ酸を含む。
【0474】
要素E39:酸溶液はシュウ酸を含む;シュウ酸の濃度は約0.05M~約0.5Mである。
【0475】
非限定的な例として、実施形態Eに適用可能な例示的な要素の組合せには、以下が含まれる:E1及びE3;E1及びE4;E1、E3、及びE5;E1、E3、及びE8;E1、E3、E10、及びE11;E1、E3、E10、E11、及びE38;並びにE1、E3、E10、E11、及びE39。
【実施例
【0476】
[一般的な手順]
【0477】
<試薬>
製造業者から購入した試薬は、さらに精製することなく、受け取ったままの状態で使用した。すべての試薬は、アルミナを除いて、Sigma Aldrich(登録商標)から購入した。提供された分析証明書は、モリブデン酸アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)と酸化硫酸バナジウム(IV)水和物(VOSO・3.46HO及びVOSO・3.36HO)の水和物含有量を確立するために使用された。
【0478】
蒸留水は、CORNING(登録商標)MEGA-PURE(登録商標)12AシステムACSを蒸留装置として使用して、社内で調製した。
【0479】
<MRU>
エタンの酸化的脱水素化に関与する本明細書に記載の触媒の能力を、マイクロリアクターユニット(MRU)で試験した。
【0480】
MRUには、SS316Lステンレス鋼SWAGELOK(登録商標)管から作製した反応器管が含まれていた。この管は、外径0.5インチ、内径約0.4インチ、長さ約15インチであった。6-ポイントのWIKAインスツルメンツ社のK型熱電対(外径0.125インチ)を反応器の中心を通して軸方向に挿入し、これを用いて、触媒床内の温度を測定し、制御した。水/酸性酸凝縮物を収集するために、反応器の後に、室温のガラス密閉凝縮器を配置した。ガス生成物の流れは、ベントするか、あるいはサンプリングループを介してガスクロマトグラフィー(Agilent 6890N ガスクロマトグラフ、CHROMPERFECT(登録商標)-Analysis、バージョン6.1.10を使用)に送られた。
【0481】
MRUでの試験用触媒及び触媒材料を調製するために、触媒又は触媒材料を1インチの丸型ダイに装填し、8トンの圧縮力で10~15秒間の滞留時間、プレスした。次に、プレスされた触媒又は触媒材料を、乳鉢と乳棒を使用して細かく粉砕した。粉砕された触媒又は触媒材料をふるいにかけ、425μmから1mmの粒子サイズのものを収集して、MRUでの試験用に装填した。
【0482】
MRU実験では、触媒床のkが約6mLになるように、2.00gの触媒を石英砂と物理的に混合して触媒床を調製した。触媒床を、反応器の中央ゾーン(熱電対のポイント2とポイント5の間に位置する)に配置し、反応器の残りの領域を石英砂で満たした(図9及び図10)。次いで、この配置物を、グラスウールを用いて反応器の上部と下部で固定した。
【0483】
MRU試験では、予め混合した供給ガスを、反応器を通して供給した。反応器に入る予め混合した供給ガスは、36モル%のエタン、18モル%の酸素、及び46モル%の窒素であった。さらに、予め混合した供給ガスの流れを、較正したマスフローコントローラーによって調整し、触媒床内の触媒体積に基づいて、約3,000h-1のガス時間空間速度(GHSV)が得られるようにした。
【0484】
供給ガスの流量は、約70標準立方センチメートル/分(sccm)から約80sccm(例えば、約74.6sccm)であった。反応管に配置される触媒床は、触媒又は触媒材料及び充填剤を含むことができる。MRUの触媒床に関して、充填剤とは、エタンの酸化的脱水素化に関与しないか、MRU試験条件下での非選択的酸化などの他の触媒活性を有する材料を指す。充填剤は石英砂であった。触媒又は触媒材料と充填剤との比率は1:1(体積比)であった。35%転化温度は、2.90h-1の重量時間空間速度(WHSV)及び約3,000h-1のガス時間空間速度(GHSV)で決定され、WHSVは触媒の量又は触媒材料の調製に使用された触媒の量に基づいている。ここで、WHSVは、反応器への供給ガスの質量流量を触媒床の触媒の重量で割ったものとして定義され、GHSVは、反応器供給ガスの体積流量を触媒床の体積で割ったものとして定義される。
【0485】
典型的には、入口圧力は、約1ポンド/平方インチゲージ(psig)から約2.5psigの範囲であり、出口圧力は、約0psigから約0.5psigの範囲であった。触媒床を出るガス供給物をガスクロマトグラフィーによって分析して、様々な炭化水素(例えば、エタン及びエチレン)、並びに任意選択で、O、CO、及びCOなどの他のガスの百分率を決定した。
【0486】
反応器を出るガスを、ガスクロマトグラフィー(Agilent 6890N ガスクロマトグラフ、CHROMPERFECT(登録商標)-Analysis、バージョン6.1.10、データ評価用を使用)によって分析して、様々な炭化水素(例えば、エタン及びエチレン)、並びに任意選択で、O、CO、CO、アセチレンなどの他のガスの割合を決定した。
【0487】
触媒又は35%転化温度は、以下のように決定した。供給ガスの転化は、次の式を用いて、供給エタンの質量流量と比較した生成物中のエタンの質量流量の変化として計算した:

【0488】
上記の式において、Cは、エタンから別の生成物に転化された(すなわち、エタン転化)供給ガスの百分率であり、Xは、反応器から出るガス状流出物中の対応する化合物のモル濃度である。次に、エタン転化を温度の関数としてプロットして、線形代数方程式を取得した。エタン転化のための線形方程式を解いて、エタン転化が35%になる温度(すなわち、35%転化温度)を決定した。
【0489】
さらに、反応器から出るガスをガスクロマトグラフィーによって分析して、触媒のエチレンへの選択性(すなわち、エチレンを形成するエタンのモル基準でのパーセンテージ)を決定した。エチレンへの選択性は、次の式を用いて決定した。

【0490】
上記の式において、Sエチレンは、エチレンへの選択性であり、Xは、対応する温度で反応器から出るガス状流出物中の対応する化合物のモル濃度である。エチレンへの選択性は、特に明記されていない限り、35%転化温度で決定した。このように、35%転化温度を決定した後、選択性のための上記方程式を、35%転化温度でのXエチレン、XCO2、及びXCO の対応する値を用いて解いた。
【0491】
報告する場合、凝縮器内の水性凝縮液を収集するのに十分な時間(例えば、1~3日)、MRU試験を実行することによって、酢酸の生成を決定した。凝縮液の試料を収集した後、この試料を液体GC分析(Agilent 6890N ガスクロマトグラフ、CHROMPERFECT(登録商標)-Analysis、バージョン6.1.10、データ評価用を使用)に供した。液体GC分析を行うために、300~450mgの液体試料をシンチレーションバイアルに移した。次に、25mgのイソプロパノール(IPA)を内部標準として添加した。さらに、18~20mLの蒸留HOを添加して、試料を希釈した。次いで、調製した試料をGCバイアルに移し、オートサンプラーを用いて試験するために順番にセットした。GC分析は分割注入法であって、温度プログラムとFID検出器を用いた。さらに、試料中の酢酸含有量の計算に使用される相対応答係数を求めるために、3つのキャリブレーション標準のセットを2回実行した。
【0492】
<ICP-MS>
誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)は、ppb濃度範囲の元素を検出するのに十分な感度を有し、触媒又は触媒材料の元素組成を測定するために使用される分析技術であった。ICP-MS分析を、Agilent 7700X ICP-MSシステムで行った。外部標準キャリブレーションを用いて、元の試料中の原子濃度の定量的決定を行った。検量線を、試薬ブランクを差し引いた後に作成した。この分析では、濃度を、ng/mg(wt-ppm)又はμg/g(wt-ppm)単位で示した。
【0493】
10ミリグラム(mg)の触媒又は触媒材料を、3ミリリットル(mL)の10~15重量%NaOCl溶液、又は3mLの6.25~35.0モル(M)NaOH溶液のいずれかに入れることによって、試料を調製した。次いで、この溶液を、90℃の油浴中で丁寧に混合しながら加熱した。
【0494】
<ICP蒸解(Digestion)法>
触媒材料をシュウ酸溶液中で蒸解し(digested)、ICP-MSに適した均一な試料を生成した。
【0495】
約10mgの触媒材料と2~3gのシュウ酸をバイアルに加えた。次に、2~3mLの蒸留水を加えて、懸濁液を作製した。懸濁液を、油浴中で丁寧に混合しながら90℃に加熱した。触媒の溶解には、一般に、均一な青色の溶液を生成するのに24~72時間かかった。溶解が完了した後、得られた溶液を、最終容量60~80mLに希釈した。次いで、希釈した溶液を、5%硝酸を用いてさらに10~100倍に希釈し、ICP-MSで分析した。
【0496】
多元素スキャンでは、50以上の元素のトレース(ppb)レベルをスキャンするために、機器パラメータを最適化する。50以上の元素が多元素スキャンに含まれる。モリブデン元素とバナジウム元素をスキャンする場合、より高濃度のキャリブレーション標準が使用され、対象元素がパーセントレベルで検出されたため、機器の感度が低下した。これは、2つの元素のそれぞれのキャリブレーション標準を調製することによって行われた。これらのキャリブレーション標準は、高濃度のパーセンテージレベルで調製された。通常は、キャリブレーション標準は、ppmレベルの濃度で調製された。このICP-MSプログラムは、モリブデンとバナジウムの2つの元素のみが高精度で検出されるように開発された。検出器は、4つの元素のみに対して高いパーセンテージで較正されているため、通常ppmレベルの濃度に較正されている元素は排除されるであろう。
【0497】
<XRD>
機器
粉末X線回折法(PXRD)データを、SEMx IncorporatedのPANalytical AerisX線回折計を用いて収集した。この回折計は、X線管、試料ホルダー、X線検出器の3つの基本要素で構成されていた。X線は、陰極線管(Kα線=1.5418ÅのCu線源)で生成され、得られたX線は試料に向けられる。試料と検出器を回転させながら、反射X線の強度を記録して、特性X線スペクトルを生成した。試料から反射した入射X線がブラッグ方程式(nλ=2dsinθ)を満たすと、強め合う干渉が発生し、強度のピークが発生する(y軸)。X線回折計は、試料がX線ビームの経路を角度θで回転するように設定され、一方、X線検出器は、回折されたX線を収集するためにアーム上に取り付けられ、約5°から70°まで2θの角度で回転する(x軸)。
【0498】
定性的XRD分析とリートベルト解析を、HighScore Plus XRD分析ソフトウェアを用いて行った。試料を細かく粉砕して、粒子サイズを小さくし、均一な混合物を得た。次いで、それらをXRD試料ホルダーに装填し、XRDスペクトルを取得した。リートベルト解析の結果をHighScore Plus及びEDSの結果と組み合わせて、定性的分析及び定量的分析を行った。
【0499】
非晶質相の決定
非晶質相の重量百分率を、外部標準によって決定した。外部標準相を用いて、機器の強度定数Kファクターを決定する。外部標準としてコランダムを使用し、未知の試料を測定した直後に同じ機器構成で測定した。Kファクターアプローチは、O’Connor及びRaven:1988年、Powder Diffraction、3(1)、2頁-6頁に記載されている。各試料について、非晶質相に重量百分率を割り当てるために、結晶性MoVOx直方晶相の重量百分率を決定する必要があった。結晶化度(DOC)法は、以下の推定に基づく:領域面積の強度の合計が、分析における各成分による全体的な回折パターンに寄与した。このDOC法を用いて、非晶質相の量を決定した。結晶化度は、以下の式から定義された結晶性成分及び非晶質成分の下での領域面積の合計から計算した。
DOC=結晶領域面積/(結晶領域面積+非晶質領域面積)
【0500】
ここで、非晶質材料の重量分率を、以下の式から計算した。
非晶質=1-DOC
【0501】
直方晶系MoVO相は、結晶領域面積に寄与しているので、非晶質領域面積を決定するために定量化する必要があった。異なる材料及び背景が異なる効果を有するという事実を補うために、MoVTeNbOの試料を用いて、DOC法に必要ないくつかの定数を較正した。MoVO相を含む試料は、直方晶系MoVO相の重量百分率を有しており、これは、MoVTeNbOキャリブレーションに基づき、2つの元素(Mo及びV)のみを用いて定性的に決定された。
【0502】
M1相含量の決定
方法A:MoVO直方晶相(文献ではM1相とも呼ばれる)は、HighScore Plus XRD分析ソフトウェアの文献結晶構造参照04-022-1665を用いてフィッティングした。
方法B:MoVO直方晶相(文献ではM1相とも呼ばれる)は、結晶学的に類似した化合物の文献結晶構造データを用いてフィッティングした。
MoVOのXRDシミュレーションを以下の文献に記載されているように実行した:S.Ishikawa、D.Kobayashi、T.Konya、T.Murayama、N.Yasuda、M.Sadakane、W.Ueda.J.Phys.Chem.C、119巻、7195頁、(2015年)。
格子定数として、a=21.0083Å、b=26.4755Å、c=4.0111Åを利用した。
【0503】
比較生データの分析
PXRD生データも、プログラムSpyderを介し、Pythonコードを用いて分析した。コードはオーバーレイプロットを生成した。また、すべての極大値のピークプロミネンスを比較し、確立されたしきい値を満たすピークを有するプロットを生成することによって、データを分析した。関連する触媒ピークを、垂直線を有するプロットで強調表示し、相対ピーク強度の範囲をコードによって提供した。
【0504】
<SEM>
走査型電子顕微鏡(SEM)画像は、JSM-IT300LV InTouchScopeを使用して収集した。試料は、両面カーボンテープ付きのアルミニウムスタッドで調製した。試料をSEMステージでスキャンした。
【0505】
<SEM-EDS>
エネルギー分散型X線分光法(EDS)は、JEOL JED-2300 DRY SDDEDS検出器を用いて実施した。EDS分析のために、試料をSEMx Incorporatedに送った。試料を細かく粉砕して粒子サイズを小さくし、均一な混合物を得た。次いで、SEMによる分析のために、それらをEDSスタブ上に装填した。EDSを用いて元素分析と表面検査に行った。EDSは、試料の表面(たとえば、上部1~3ミクロン)の半定量的元素分析を提供する微量分析技術である。SEMを20~100,000倍の倍率で表面形態を調べるために使用する。EDS機器は、ナトリウムの原子番号と同じかそれ以上の原子番号を持つ元素を検出することができるが、軽元素機能も備えているため、炭素、窒素、酸素、およびフッ素も検出することができる。任意の所与の元素について推定される検出可能限界の下限は、一般に、約0.2~0.5重量%である。
【0506】
<SEMによるPSD>
走査型電子顕微鏡(SEM)、モデルJEOL-JSM300LVを使用して粒子サイズ分析をするために、試料をSEMx Incorporatedに送った。SEMを用いて、試料中の粒子を観察してカウントし、粒子サイズ分布(PSD)を取得した。PSD測定では、SEM装置を用いて異なる倍率で写真を撮影した。測定は、サイズ範囲(統計的母集団)をカバーするために、異なる倍率で400~800個の粒子について行われる。サイズをマイクロメートル単位の長さで測定し、粒子の最長寸法で測定する。SEMベースのPSDは、粒子が凝集している(くっついている)試料を分析するための方法として好ましい。なぜなら、この方法では、分析者が顕微鏡でこれを視覚的に確認し、凝集物ではなく個別の粒子を測定するという賢明な決定を行うことができるからである。統計及び分析は、SEMによって測定された総数に基づくものであった。
【0507】
<細孔容積、BET表面積分析及びBJH細孔サイズ分布分析>
ガス吸着マノメトリーという方法を用いて、液体窒素の温度(~77K)での窒素の吸着等温線を決定した。ガス圧の変化を測定することにより、吸着されたガスの量を評価した。等温窒素吸着プロセスを測定し、様々な理論/方程式を適用して表面積及び体積を計算した。
【0508】
総細孔容積を、相対圧力P/P=0.99での窒素ガスの取り込みによって計算した
【0509】
Brunauer-Emmett-Teller(BET)分析を適用して、固体試料の比表面積(m/g)を定量化した。BET評価を、窒素の多層吸着によって実行し、相対圧力の関数として測定した。固体が異なれば等温線の形状も大幅に異なる可能性があるため、比較するのは困難である。BET理論を適用すると、窒素多層吸着実験からいわゆる単分子層容量を決定することにより、固体の表面積をより定量的に比較することができる。単分子層容量は、総比表面積の表現であり、多孔質固体の外部領域と細孔領域の両方を含む。
【0510】
Barrett-Joyner-Halenda(BJH)法を使用して、細孔充填のケルビンモデル(cm/g・A)を用いて実験的に収集された吸着等温線から細孔サイズ(Å)分布を計算した。この手法は、試料の粒子サイズにより、外部領域とは無関係に細孔サイズ分布を特徴づけるものであり、メソ細孔及び小さなマクロ細孔に適用することができる。
【0511】
窒素物理吸着実験を、カルガリー大学によってTriStar(Micromeritics Instruments)で実行した。試料を77Kでの窒素吸着によって分析した。受け取ったままの(as-received)試料を物理吸着セルに装填した。
吸着実験の前に、試料を200℃で1時間脱気した。
【0512】
[合成の詳細]
【0513】
[例1]触媒1.1の合成
120mLのdHO中の(NHMo24・4HO(8.83g、7.14mmol、白色固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた600mLガラスライナー内で調製した。120mLのdHO中のVOSO・3.46HO(2.81g、12.47mmol、明るい青色の固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液にゆっくりと加えた。これにより、微細な懸濁液を含む暗紫色の溶液が得られた。ドデシル硫酸ナトリウム(2.71g、9.39mmol、白色固体)を反応混合物に加えた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0514】
ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、撹拌せずに、230℃のオーブンに20時間(反応温度まで1時間の傾斜時間)入れた。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを、500mLのdHOと500mLのエタノールですすいだ。濾液は紺色であり、生成物は灰色であった。
【0515】
灰色の生成物を、50mLのdHOとともに撹拌棒を備えた200mLのRBFに移した。100mLビーカー内で、4gのシュウ酸を50mLのdHO中に溶解した。シュウ酸溶液を200mLのRBFに移した。混合物を80℃で40分間撹拌(500rpm)した。ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙用いて濾過する前に、混合物を15分間冷却した。濾過ケークを500mLのdHOですすいだ。
【0516】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。粉末を2つの部分に分け、半分を石英分割管内で400℃で焼成し、残りの半分を石英分割管内で600℃で焼成した。両方の焼成を窒素雰囲気下で行った。400℃で焼成した部分を、本開示に記載されているように特性評価して調べた。
【0517】
特性評価:
触媒1.1の活性を表1に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aに示す。XRD回折図を図8に示す。ICP-MS元素分析を表9に示す。
【0518】
[例2]触媒1.2の合成
120mLのdHO中の(NHMo24・4HO(13.26g、10.73mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で調製した。120mLのdHO中のVOSO・3.46HO(7.21g、32.00mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に滴下して加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。固体のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(4.05g、14.04mmol、白色固体)を混合物に加えた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0519】
反応混合物をガラスライナーに移した。ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。加熱マントルとジャケット断熱材を使用して、反応器を230℃に20時間加熱した。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークをdHOですすいだ。生成物は、ベースラインと比較して密度が高かった。
【0520】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0521】
特性評価:
触媒1.2の活性を表1に示す。粒子サイズ分布の統計データを表2に示す。粒子サイズ分布グラフを図1に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6a及び表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表9に示す。
【0522】
[例3]触媒1.3の合成
180mLのdHO中の(NHMo24・4HO(13.26g、10.73mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で調製した。180mLのdHO中のVOSO・3.46HO(7.21g、32.00mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0523】
反応混合物を、マグネチックスターラーを備えたガラスライナーに移した。ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、撹拌せずに、230℃のオーブンに一晩(反応温度まで1時間の傾斜時間)入れた。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークをdHOですすいだ。生成物は、ベースラインと比較して密度が高かった。
【0524】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0525】
生成物を、窒素雰囲気下、石英分割管内で400℃で焼成した。
【0526】
特性評価:
触媒1.3の活性を表1に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aと表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表9に示す。
【0527】
[例4]予備焼成された触媒1.4の合成
100mLのdHO中の(NHMo24・4HO(26.52g、21.46mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で調製した。90mLのdHO中のVOSO・3.36HO(14.50g、64.87mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0528】
反応混合物を、マグネチックスターラーを備えたガラスライナーに移した。ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、マグネチックスターラープレートに接続した。加熱マントルと断熱材を使用して、232℃で26時間反応を加熱した(加熱マントルコントローラーを235℃に設定)。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを1.8LのdHOですすいだ。生成物は、暗紫色であった。
【0529】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、26.08gの生成物を回収した(推定収率98%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0530】
[例5]触媒1.5の合成
予備焼成触媒1.4の粉砕粉末(10.00g)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、9.30gの触媒を回収した。
【0531】
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で100mLの蒸留水に10.00gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、9.30gの焼成された予備焼成触媒1.4を加えた。溶液を6時間撹拌した。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、透明になるまでdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0532】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、1.07gの触媒を回収した(収率11%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0533】
特性評価:
10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと表7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0534】
[例6]触媒1.6の合成
予備焼成触媒1.4の粉砕粉末(8.45g)をビーカーに入れ、マッフル炉で焼成し、400℃で2時間焼成した後に、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、8.00gの緑色の触媒を回収した。
【0535】
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で100mLの蒸留水に3.00gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、8.45gの焼成された予備焼成触媒1.4を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、200mLのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0536】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0537】
特性評価:
触媒1.6の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0538】
[例7]触媒1.7の合成
100mLのdHO中の(NHMo24・4HO(26.52g、21.46mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で調製した。90mLのdHO中のVOSO・3.36HO(14.50g、64.87mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0539】
反応混合物(総量約285mL、すすぎ後に測定)を、ガラスライナーに移した。この混合物に、278.7mgの触媒1.6シードを加えた。
ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、プログラム可能なオーブンに入れた。230℃まで1時間の傾斜時間とし、230℃で24時間保持し、24時間かけて25℃まで冷却した。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを800mLのdHOですすいだ。濾液は濃紺色であり、生成物は暗紫色と薄灰色の混合物であった。
【0540】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、22.18gの生成物を回収した(推定収率81%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0541】
粉砕粉末(20.88g)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、20.04gの触媒を回収した。
【0542】
特性評価:
触媒1.7の活性を表1に示す。粒子サイズ分布の統計データを表2に示す。粒子サイズ分布グラフを図2に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aと表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表10に示す。
【0543】
[例8]触媒1.8の合成
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で185mLの蒸留水に3.75gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、15.01gの触媒1.8を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、1.1LのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0544】
濾液が透明ではなかったため、濾過ケークを250mLボトルに入れ、8000rpmで30分間遠心分離した。微細な懸濁液が沈降しなかったため、試料を10000rpmで30分間、再遠心分離した。微細な懸濁液が沈降しなかったため、試料を9000rpmで125分間、2回再遠心分離した。この時点で、母液の上半分(淡黄色/ライムグリーン色)を取り除き、試料の残りをブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、900mLのdHOですすいだ。
【0545】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、9.02gの触媒を回収した(推定収率60%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0546】
特性評価:
触媒1.8の活性を表1に示す。粒子サイズ分布の統計データを表2に示す。粒子サイズ分布グラフを図3に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと表7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0547】
[例9]触媒1.9の合成
100mLのdHO中の(NHMo24・4HO(26.50g、21.44mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で調製した。90mLのdHO中のVOSO・3.36HO(14.50g、64.87mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた250mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0548】
反応混合物(総量約260mL、すすぎ後に測定)を、マグネチックスターラーを備えたガラスライナーに移した。この混合物に、282.4mgの触媒1.5シードを加えた。ライナーを600mLのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、マグネチックスターラープレートに接続した。加熱マントルと断熱材を使用して、165℃で24時間反応を加熱した(加熱マントルコントローラーを167℃に設定)。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを800mLのdHOですすいだ。濾液はターコイズブルー(青緑色)/ピーコックブルー(光沢のある青色)であり、生成物は暗紫色であった。
【0549】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、28.96gの生成物を回収した(推定収率100%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0550】
粉砕粉末をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。
焼成後に、26.87gの触媒を回収した。
【0551】
特性評価:
触媒1.9の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aと表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0552】
[例10]触媒1.10の合成
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で250mLの蒸留水に2.50gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、10.00gの触媒1.9を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、500mLのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0553】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、5.72gの触媒を回収した(収率57%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0554】
特性評価:
触媒1.10の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと表7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0555】
[例11]触媒1.11の合成
330mLのdHO中の(NHMo24・4HO(88.40g、71.56mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた2LのRBF内で調製した。300mLのdHO中のVOSO・3.36HO(48.00g、214.74mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0556】
反応混合物(総量約735mL、すすぎ後に測定)を、ガラスライナーに移した。この混合物に、327.1mgの触媒1.5シードを加えた。ライナーを2LのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、オーバーヘッドスターラーに接続した。加熱マントルと断熱材を使用して、220℃で24時間反応を加熱した(加熱マントルコントローラーを245℃に設定)。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを1.8LのdHOですすいだ。濾液は希薄な紺色であり、生成物は暗紫色/灰色であった。
【0557】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、90.64gの生成物を回収した(推定収率99%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0558】
粉砕粉末(39.53)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、37.53gのオリーブグリーンの色合いの灰色の触媒を回収した。
【0559】
特性評価:
触媒1.11の活性を表1に示す。粒子サイズ分布の統計データを表2に示す。粒子サイズ分布グラフを図4に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aと表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表10に示す。
【0560】
[例12]触媒1.12の合成
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で100mLの蒸留水に3.75gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、10.00gの触媒1.11を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、1.2LのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0561】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、4.31gの触媒を回収した(収率43%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0562】
特性評価:
触媒1.12の活性を表1に示す。粒子サイズ分布の統計データを表2に示す。粒子サイズ分布グラフを図5に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと表7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0563】
[例13]触媒1.13の合成
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で152mLの蒸留水に5.64gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、15.03gの焼成された触媒1.11を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、900mLのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0564】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、6.50gの触媒を回収した(収率43%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0565】
特性評価:
触媒1.13の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0566】
[例14]触媒1.14の合成
330mLのdHO中の(NHMo24・4HO(88.40g、71.53mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた2LのRBF内で調製した。300mLのdHO中のVOSO・3.36HO(48.00g、214.74mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0567】
反応混合物(総量約830mL、すすぎ後に測定)を、ガラスライナーに移した。この混合物に、510.8mgの触媒シード2.1を加えた。ライナーを2LのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、オーバーヘッドスターラーに接続した。加熱マントルと断熱材を使用して、231℃で24時間反応を加熱した(加熱マントルコントローラーを242℃に設定)。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを1.2LのdHOですすいだ。濾液は希薄な紺色であり、生成物は暗紫色/灰色であった。
【0568】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、88.81gの生成物を回収した(推定収率97%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0569】
粉砕粉末(38.44g)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、36.09gのオリーブグリーンの色合いの灰色の触媒を回収した。
【0570】
特性評価:
触媒1.14の活性を表1に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。かさ密度を表5に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aと表6bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表10に示す。
【0571】
[例15]触媒1.15の合成
マグネチックスターラーを備えた500mLのRBF内で100mLの蒸留水に3.75gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、10.01gの焼成触媒1.14を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、500mLのdHOですすいだ。濾液はエメラルドグリーン色であり、生成物は非常に細かい灰色の粉末であった。
【0572】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、4.22gの触媒を回収した(収率42%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0573】
特性評価:
触媒1.15の活性を表1に示す。BET表面積と細孔容積のデータを表3に示す。BJH細孔サイズ分布曲線を図6に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aと表7bに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。ICP-MS元素分析を表11に示す。
【0574】
[例16]予備焼成された触媒1.16の合成
330mLのdHO中の(NHMo24・4HO(88.40g、71.53mmol、白色結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた2LのRBF内で調製した。300mLのdHO中のVOSO・3.36HO(48.00g、214.74mmol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、マグネチックスターラーを備えた500mLビーカー内で調製した。両方の溶液を60℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次に、青色のバナジウム溶液を、無色透明のモリブデン溶液に加えた。これにより、微細な懸濁液を含む濃い赤紫色の溶液が得られた。スラリーを60℃で30分間撹拌したままにした。
【0575】
反応混合物(総量約840mL、すすぎ後に測定)を、ガラスライナーに移した。この混合物に、1.00gの触媒2.1シードを加えた。ライナーを2LのParr反応器に装填し、ギャップをdHOで満たした。反応器を密閉し、ヘッドスペースを排気し、Nガスを10回再注入した。ヘッドスペースを15psigのNガスの下に置き、密閉した。反応器を、オーバーヘッドスターラーに接続した。加熱マントルと断熱材を使用して、232℃で24時間反応を加熱した(加熱マントルコントローラーを240℃に設定)。室温まで冷却したら、反応器を排気し、ブフナー漏斗と4枚の定性濾紙を用いて内容物を濾過した。濾過ケークを850mLのdHOですすいだ。濾液は希薄な紺色であり、生成物は暗紫色/灰色であった。
【0576】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、87.19gの生成物を回収した(推定収率95%)。乾燥粉末生成物を乳鉢と乳棒を用いて手作業で粉砕した。
【0577】
[例17]予備焼成された触媒1.17の合成
マグネチックスターラーを備えた1LのRBF内で450mLの蒸留水に16.20gのシュウ酸脱水物を溶解することによって、シュウ酸溶液を調製した。この溶液に、43.25gの予備焼成された触媒1.16を加えた。溶液を80℃の油浴中で3時間撹拌した。非常に穏やかな泡立ちが観察された。RBFの内容物を、ブフナー漏斗と4枚の定量濾紙を用いて濾過した。濾過ケークを、1200mLのdHOですすいだ。濾液は青/緑ターコイズ色(青緑色)であり、生成物は非常に細かい紫色の粉末であった。
【0578】
濾過ケークを90℃のオーブン内で一晩乾燥させ、22.60gの触媒を回収した(収率52%)。乾燥粉末生成物は、非常に細かい灰色の粉末であった。
【0579】
[例18]触媒1.18の合成
予備焼成された触媒1.17の粉末(10.06g)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、9.58gのオリーブグリーンの色合いの灰色の触媒を回収した。
【0580】
特性評価:
触媒1.18の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0581】
[例19]触媒1.19の合成
予備焼成された触媒1.17の粉末(10.00g)を石英ボートに入れ、石英管に配置した。この石英管を分割管状炉に装填した。次に、石英管を約85sccm(0.085標準リットル/分(slpm))の精製窒素で18時間パージした。次いで、窒素の流れを約30sccmに減らし、プログラム可能な分割管状炉で材料を焼成した。400℃まで4時間の傾斜時間とし、400℃で2時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、9.15gの暗紫色でほぼ黒色の触媒を回収した。
【0582】
特性評価:
触媒1.19の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表7aに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図10に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0583】
[例20]触媒1.20の合成
予備焼成された触媒1.16の粉末(20.82g)をビーカーに入れ、プログラム可能なマッフル炉で焼成した。280℃まで30分の傾斜時間とし、280℃で30分間保持し、400℃まで30分の傾斜時間とし、400℃で6時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、19.60gのオリーブグリーンの色合いの灰色の触媒を回収した。
【0584】
特性評価:
触媒1.20の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0585】
[例21]触媒1.21の合成
予備焼成された触媒1.16の粉末(21.5g)を石英ボートに入れ、石英管に配置した。この石英管を大型の分割管状炉に装填した。石英管をバルク窒素で3時間パージし、次いで、石英管を約400sccm(0.085標準リットル/分(slpm))の精製窒素で18時間パージした。この材料を、プログラム可能な分割管状炉で焼成した。400℃まで4時間の傾斜時間とし、400℃で2時間保持し、制御せずに室温まで冷却した。焼成後に、19.7gの暗紫色でほぼ黒色の触媒を回収した。
【0586】
特性評価:
触媒1.21の活性を表1に示す。SEM-EDS元素分析を表4に示す。10,000倍の倍率でのSEM画像を図7に示す。XRDで計算された相と非晶質相を表6aに示す。XRD回折図を図8に示す。対応するピークプロミネンスプロットを含むXRD回折図を図9に示す。プロミネンスプロットで特定されたピークのXRD範囲を表8に示す。
【0587】
[例22]触媒シード2.1の合成
10LのdHO中のシュウ酸(1102g、12.2mol、白色固体)の溶液を、オーバーヘッドスターラーを備えた大型容器で調製した。溶液を、均一(透明で無色)になるまで65℃で撹拌した。この溶液に、Nb・xHO(656.3g、2.0mmol、MWが265.81g/molの80%重量のNbから推定、白色結晶性固体)を添加し、白色の懸濁液を形成した。追加の1LのdHOを使用して容器の端を洗い流し、混合物を65℃で24~72時間撹拌して、無色透明の溶液を得た。均一になったら、溶液を室温まで冷却した。
【0588】
6LのdHO中のTe(OH)(10.54.6g、4.6mol、白色結晶性固体)の溶液を、オーバーヘッドスターラーを備えた大型容器内で調製した。追加の1LのdHOを使用して、容器の端を洗い流した。溶液を、均一(透明で無色)になるまで60℃で撹拌した。均一になったら、溶液を室温まで冷却した。
【0589】
16LのdHO中の(NHMo24・4HO(4865g、3.9mol、白色結晶性固体)の溶液を、ジャケット付きガラス反応器内で調製した。循環浴とシリコーンオイルを介して溶液を30~35℃に加熱した。追加の1LのdHOを使用して、容器の端を洗い流した。撹拌後、得られた混合物は、白色の、いくらか濁った溶液を形成した。7LのTeOH6(aq)溶液を、周囲温度で、撹拌した30~35℃の(NHMo24・4H(aq)の濁った溶液に、412mL/分の速度で移して、透明で無色の溶液を形成した(本明細書では「MoTe溶液」と称する)。テルル酸容器を1LのdHOですすぎ、すすぎをガラス反応器に移した。得られたMoTe溶液を、80℃に加熱した。MoTe溶液が80℃に達したら、28~30%水酸化アンモニウム溶液を1680~2000グラム(密度0.91g/cmで1.85~2.20Lと計算)使用して、MoTe溶液のpHを7.50±0.1に調整した。MoTe溶液を80℃で1時間撹拌した後、1270~1550グラム(密度1.85g/cmで0.69~0.84Lと計算)の95~98%硫酸を使用して、pHを7.50から5.00±0.1に調整した。得られたモリブドテルル酸アンモニウム水溶液(NHMoTeO24(aq)溶液を、予熱した60℃の水熱処理反応器に移した。ガラス反応器容器を2LのdHOですすぎ、すすぎを、予熱した(60℃)熱水反応器に移した。溶液を高圧反応器内の撹拌機を介して60℃で撹拌した。
【0590】
11LのdHO中のVOSO・3.41HO(4043g、18.1mol、明るい青色の結晶性固体)の溶液を、オーバーヘッドスターラーを備えた大型容器内で調製した。容器を1LのdHOですすいだ。溶液を、均一(透明で明るい青色)になるまで60℃で激しく撹拌した。均一になったら、このVOSO4(aq)溶液を高圧反応器内のMoTe溶液に367mL/分の速度で移した。この大型容器を2LのdHOですすぎ、すすぎをガラス反応器に移した。得られた黒色の溶液を60℃で30分間撹拌した。
【0591】
高圧反応器内のスラリーを、加熱マントルを使用して約5時間かけて160~165℃に加熱し、凝縮器に接続された背圧調整器を使用して圧力を95~105psigに維持した。反応物をゆっくりと撹拌し、スラリーがこれらの条件で24~48時間沈降するのを防いだ。反応器の表面温度が185℃を超えると、触媒の品質が低下することに留意する必要がある。次に、反応器を約30℃に冷却し、次いで濾過した。生成物を、200LのdHOを用いて、40L刻みで洗浄した。次に、生成物を90℃のオーブン内で3~5日間乾燥させた。乾燥したら、CHNS分析を実行して、次の仕様が満たされていることを確認した:N=0.90~1.75%、及びS<0.02%。次いで、生成物を125~500μmの範囲の粒子サイズに粉砕した。
【0592】
触媒試料を3つの石英ボートに入れ、それぞれ1000gの部分を保持できるようにした。これらのボートを、触媒焼成炉(CCF)の石英管に入れ、ボートを加熱ゾーンの中央に配置した。セラミックボートを、石英管内に水平に、その管の入口に配置した。これらは、窒素の流れを妨げるものとして機能し、窒素を管の壁に押し付け、加熱を促進することを目的としていた。管を密閉し、バルク窒素を207~948.22cc/分 sccmで8時間流した。8時間パージした後、供給ガスを精製窒素(触媒床容器で精製)に切り替えた。管を精製窒素で12時間パージした。管を、室温から600℃まで1.61℃/分の速度で6時間にわたって加熱した。温度を600℃に6時間保持した後、自然熱放散により管を周囲温度に冷却した。
【0593】
<マイクロ反応器ユニットの結果>
35%転化温度(℃)とエチレンへの選択性を、触媒1.1~1.3、1.6~1.15、及び1.21について、表1に示す。
【0594】
【表1】

【0595】
<粒子サイズ分布>
粒子サイズ分布統計データ(μm)を、触媒1.2、1.7、1.8、1.11、及び1.12について、表2に示す。
【0596】
【表2】

【0597】
<BET及びBJH分析>
BET表面積と細孔容積を、触媒1.1~1.3、1.11、1.12、未焼成の触媒1.14、触媒1.14、及び触媒1.15について、表3に示す。
【0598】
【表3】

【0599】
<SEM-EDS元素分析>
SEM-EDS元素分析の結果を、触媒1.1~1.3、1.5~1.15、及び1.18~1.21について、表4に示す。
【0600】
【表4】

【0601】
<かさ密度>
かさ密度を、触媒1.7~1.12及び1.14について、表5に示す。
【0602】
【表5】

【0603】
<XRDで計算された相及び非晶質相>
リートベルト解析(方法A)に従って計算された相、MoVOx相(M1相と等構造)の決定、及び非晶質含量を、触媒1.1~1.3、1.7、1.9、1.14、1.20、及び1.21について、表6aに示す。リートベルト解析(方法B)に従って計算された相、M1相の決定、及び非晶質含量を、触媒1.1~1.3、1.7、1.9、1.11、及び1.14について、表6bに示す。リートベルト解析(方法A)に従って計算された相、MoVOx相(M1相と等構造)の決定、及び非晶質含量を、触媒1.5、1.6、1.8、1.10、1.12、1.13、1.15、1.18、及び1.19について、表7aに示す。リートベルト解析(方法B)に従って計算された相、M1相の決定、及び非晶質含量を、触媒1.5、1.6、1.8、1.10、1.12、1.13、及び1.15について、表7bに示す。
【0604】
【表6A】



【0605】
【表6B】



【0606】
【表7A】



【0607】
【表7B】



【0608】
<PXRDスタックプロット>
ピークプロミネンスプロットで特定されたPXRDピークの範囲と、それらに対応する触媒1.2、1.3、1.5~1.15、及び1.18~1.12の強度を表8に示す。
【0609】
【表8】



【0610】
<ICP-MS元素分析>
触媒1.1、1.2、及び1.3のICP-MS元素分析を表9に示す。触媒1.7、1.11、及び1.14のICP-MS元素分析を表10に示し、触媒1.5、1.6、1.8、1.12、1.13、及び1.15のICP-MS元素分析を表11に示す。
【0611】
【表9】

【0612】
【表10】

【0613】
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0614】
本明細書に記載の触媒は、低級アルカンの酸化的脱水素化に有用である。
【0615】
<他の実施形態>
本発明をその詳細な説明に関連して説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び修正は、以下の請求項の範囲内にある。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲に係る発明の内容は、以下の通りである。
[項1] モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)によって決定されるように、1:0.15から1:0.75であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相は、X線回折(XRD)によって決定されるように、55重量%を超える、酸化的脱水素触媒。
[項2] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.20から1:0.70である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項3] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.25から1:0.65である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項4] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.29から1:0.59である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項5] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.32から1:0.38である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項6] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.36から1:0.43である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項7] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.37から1:0.44である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項8] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.41から1:0.48である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項9] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.42から1:0.46である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項10] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.44から1:0.52である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項11] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.45から1:0.54である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項12] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.50から1:0.59である、項1に記載の酸化的脱水素触媒。
[項13] 前記非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~80重量%である、項1~12のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項14] 前記非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~75重量%である、項1~12のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項15] 前記触媒が、約300℃~約400℃の35%転化温度を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項16] 前記触媒が、約310℃~約385℃の35%転化温度を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項17] 前記触媒が、約310℃~約375℃の35%転化温度を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項18] 前記触媒が、約360℃~約380℃の35%転化温度を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項19] 前記触媒が、約310℃~約330℃の35%転化温度を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項20] 前記触媒が、65%~99%のエチレンへの選択性を有する、項1~19のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項21] 前記触媒が、75%~80%のエチレンへの選択性を有する、項1~19のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項22] 前記触媒が、80%~90%のエチレンへの選択性を有する、項1~19のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項23] 前記触媒が、約310℃~約385℃の35%転化温度、及び約75%~約90%のエチレンへの選択性を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項24] 前記触媒が、約360℃~約380℃の35%転化温度、及び約75%~約80%のエチレンへの選択性を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項25] 前記触媒が、約310℃~約330℃の35%転化温度、及び80%~90%のエチレンへの選択性を有する、項1~14のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項26] 前記触媒が、以下を含む方法によって調製される、項1~25のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒:
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
前記予備焼成された触媒を焼成して触媒を形成する工程。
[項27] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む、項26に記載の酸化的脱水素触媒。
[項28] 前記モリブデンを含む水性混合物が、少なくとも(NH Mo 24 ・4H O及び第1の水から調製される、項27に記載の酸化的脱水素触媒。
[項29] 前記バナジウムを含む水性混合物が、少なくともVOSO ・XH O及び第2の水から調製される、項27又は28に記載の酸化的脱水素触媒。
[項30] 前記第1及び第2の水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項28又は29に記載の酸化的脱水素触媒。
[項31] 前記第1及び第2の水が蒸留水を含む、項30に記載の酸化的脱水素触媒。
[項32] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物が界面活性剤をさらに含む、項26~31のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項33] 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される、項32に記載の酸化的脱水素触媒。
[項34] 前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される、項33に記載の酸化的脱水素触媒。
[項35] 前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、項33に記載の酸化的脱水素触媒。
[項36] 前記アニオン界面活性剤がオクチル硫酸ナトリウムを含む、項33に記載の酸化的脱水素触媒。
[項37] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む、項26~36のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項38] 前記触媒シードが、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む、項37に記載の酸化的脱水素触媒。
[項39] モリブデン及びバナジウムを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である、項38に記載の酸化的脱水素触媒。
[項40] 前記触媒シードが、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む、項37に記載の酸化的脱水素触媒。
[項41] モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比が1:0.05から1:0.60であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;
酸素が、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する、
項40に記載の酸化的脱水素触媒。
[項42] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む、項26~41のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項43] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項26~41のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項44] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む、項26~41のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項45] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む、項26~44のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項46] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む、項26~44のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項47] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項26~41のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項48] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃からの温度で加熱することを含む、項26~41のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項49] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む、項26~48のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項50] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナーと接触させることを含む、項26~48のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項51] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む、項26~48のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項52] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項53] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項54] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項55] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項56] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項57] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で約2時間焼成される、項26~51のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項58] モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、ICP-MSによって決定されるように、1:0.20から1:0.60であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相は、XRDによって決定されるように、55重量%を超える、酸化的脱水素触媒。
[項59] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.24から1:0.58である、項58に記載の酸化的脱水素触媒。
[項60] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.29から1:0.53である、項58に記載の酸化的脱水素触媒。
[項61] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~75重量%である、項58~60のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項62] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、60重量%~65重量%である、項58~60のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項63] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項58~62のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項64] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも21.7±0.2、23.5±0.5、25.0±0.3、25.6±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項58~62のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項65] 前記触媒が、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する、項58~64のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項66] 前記触媒が、65%~95%のエチレンへの選択性を有する、項58~64のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項67] 前記触媒が、以下を含む方法によって調製される、項58~66のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒:
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
前記予備焼成された触媒を空気の存在下で焼成して触媒を形成する工程。
[項68] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む、項67に記載の酸化的脱水素触媒。
[項69] 前記モリブデンを含む水性混合物が、少なくとも(NH Mo 24 ・4H O及び第1の水から調製される、項68に記載の酸化的脱水素触媒。
[項70] 前記バナジウムを含む水性混合物が、少なくともVOSO ・XH O及び第2の水から調製される、項68又は69に記載の酸化的脱水素触媒。
[項71] 前記第1及び第2の水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項69又は70に記載の酸化的脱水素触媒。
[項72] 前記第1及び第2の水が蒸留水を含む、項69又は70に記載の酸化的脱水素触媒。
[項73] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物が界面活性剤をさらに含む、項67~72のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項74] 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される、項73に記載の酸化的脱水素触媒。
[項75] 前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される、項74に記載の酸化的脱水素触媒。
[項76] 前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、項74に記載の酸化的脱水素触媒。
[項77] 前記アニオン界面活性剤がオクチル硫酸ナトリウムを含む、項74に記載の酸化的脱水素触媒。
[項78] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む、項67~77のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項79] 前記触媒シードが、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む、項78に記載の酸化的脱水素触媒。
[項80] モリブデン及びバナジウムを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である、項79に記載の酸化的脱水素触媒。
[項81] 前記触媒シードが、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む、項78に記載の酸化的脱水素触媒。
[項82] モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比が1:0.05から1:0.60であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;
酸素が、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する、
項81に記載の酸化的脱水素触媒。
[項83] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項84] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項85] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項86] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む、項67~85のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項87] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む、項67~85のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項88] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項67~85のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項89] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む、項67~85のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項90] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む、項67~89のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項91] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナーと接触させることを含む、項67~89のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項92] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む、項67~89のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項93] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項94] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項95] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項96] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項97] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項98] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で約2時間焼成される、項67~82のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項99] モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、ICP-MSによって決定されるように、1:0.20から1:0.50であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相は、XRDによって決定されるように、55重量%を超える、酸化的脱水素触媒。
[項100] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.25から1:0.45である、項99に記載の酸化的脱水素触媒。
[項101] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.29から1:0.39である、項99に記載の酸化的脱水素触媒。
[項102] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~85重量%である、項99~101のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項103] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、65重量%~75重量%である、項99~101のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項104] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも23.5±0.5、25.6±0.5、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項99~103のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項105] 触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも12.7±0.3、23.5±0.5、25.7±0.3、及び27.1±0.7に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項99~103のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項106] 前記触媒が、約320℃~約400℃の35%転化温度を有する、項99~105のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項107] 前記触媒が、70%~95%のエチレンへの選択性を有する、項99~106のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項108] 前記触媒が、80%~85%のエチレンへの選択性を有する、項99~106のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項109] 前記触媒が、以下を含む方法によって調製される、項99~108のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒:
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
前記予備焼成された触媒を空気焼成して触媒を形成する工程、
前記触媒を酸溶液で洗浄する工程。
[項110] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む、項109に記載の酸化的脱水素触媒。
[項111] 前記モリブデンを含む水性混合物が、少なくとも(NH Mo 24 ・4H O及び第1の水から調製される、項110に記載の酸化的脱水素触媒。
[項112] 前記バナジウムを含む水性混合物が、少なくともVOSO ・XH O及び第2の水から調製される、項110又は111に記載の酸化的脱水素触媒。
[項113] 前記第1及び第2の水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項111又は112に記載の酸化的脱水素触媒。
[項114] 前記第1及び第2の水が蒸留水を含む、項111又は112に記載の酸化的脱水素触媒。
[項115] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物が界面活性剤をさらに含む、項109~114のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項116] 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される、項115に記載の酸化的脱水素触媒。
[項117] 前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される、項116に記載の酸化的脱水素触媒。
[項118] 前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、項116に記載の酸化的脱水素触媒。
[項119] 前記アニオン界面活性剤がオクチル硫酸ナトリウムを含む、項116に記載の酸化的脱水素触媒。
[項120] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む、項109~119のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項121] 前記触媒シードが、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む、項120に記載の酸化的脱水素触媒。
[項122] モリブデン及びバナジウムを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である、項121に記載の酸化的脱水素触媒。
[項123] 前記触媒シードが、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む、項120に記載の酸化的脱水素触媒。
[項124] モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比が1:0.05から1:0.60であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;
酸素が、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する、
項123に記載の酸化的脱水素触媒。
[項125] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む、項109~124のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項126] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項109~124のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項127] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃からの温度で加熱することを含む、項109~124のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項128] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む、項109~127のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項129] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む、項109~127のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項130] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項109~124のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項131] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む、項109~124のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項132] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む、項109~131のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項133] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナーと接触させることを含む、項109~131のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項134] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む、項109~131のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項135] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項136] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項137] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項138] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項139] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項140] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で約2時間焼成される、項109~134のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項141] 酸溶液がシュウ酸を含む、項109~140のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項142] シュウ酸の濃度が約0.05M~約0.5Mである、項141に記載の酸化的脱水素触媒。
[項143] モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、ICP-MSによって決定されるように、1:0.30から1:0.70であり、
前記酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で前記触媒中に存在し、
前記触媒の非晶質相は、XRDによって決定されるように、55重量%を超える、酸化的脱水素触媒。
[項144] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.35から1:0.65である、項143に記載の酸化的脱水素触媒。
[項145] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.40から1:0.60である、項143に記載の酸化的脱水素触媒。
[項146] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、55重量%~75重量%である、項143~145のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項147] 前記触媒の非晶質相が、XRDによって決定されるように、56重量%~66重量%である、項143~145のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項148] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項143~147のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項149] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも22.3±0.4、25.0±0.2、26.2±0.2、29.4±0.3、32.6±0.2、及び33.4±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項143~147のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項150] 前記触媒が、約300℃~約425℃の35%転化温度を有する、項143~149のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項151] 前記触媒が、65%~95%のエチレンへの選択性を有する、項143~150のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項152] 前記触媒が、以下を含む方法によって調製される、項143~150のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒:
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
前記予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成する工程。
[項153] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む、項152に記載の酸化的脱水素触媒。
[項154] 前記モリブデンを含む水性混合物が、少なくとも(NH Mo 24 ・4H O及び第1の水から調製される、項153に記載の酸化的脱水素触媒。
[項155] 前記バナジウムを含む水性混合物が、少なくともVOSO ・XH O及び第2の水から調製される、項153又は154に記載の酸化的脱水素触媒。
[項156] 前記第1及び第2の水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項155に記載の酸化的脱水素触媒。
[項157] 前記第1及び第2の水が蒸留水を含む、項156に記載の酸化的脱水素触媒。
[項158] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物が界面活性剤をさらに含む、項152~157のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項159] 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される、項158に記載の酸化的脱水素触媒。
[項160] 前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される、項159に記載の酸化的脱水素触媒。
[項161] 前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、項159に記載の酸化的脱水素触媒。
[項162] 前記アニオン界面活性剤がオクチル硫酸ナトリウムを含む、項159に記載の酸化的脱水素触媒。
[項163] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む、項152~162のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項164] 前記触媒シードが、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む、項163に記載の酸化的脱水素触媒。
[項165] モリブデン及びバナジウムを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である、項164に記載の酸化的脱水素触媒。
[項166] 前記触媒シードが、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む、項163に記載の酸化的脱水素触媒。
[項167] モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比が1:0.05から1:0.60であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;
酸素が、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する、
項165に記載の酸化的脱水素触媒。
[項168] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む、項152~167のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項169] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項152~167のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項170] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含む、項152~167のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項171] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む、項152~170のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項172] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む、項152~170のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項173] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項152~167のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項174] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む、項152~167のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項175] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項176] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナーと接触させることを含む、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項177] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項178] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で焼成される、項152~177のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項179] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で焼成される、項152~177のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項180] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で焼成される、項152~177のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項181] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項182] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項183] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で約2時間焼成される、項152~174のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項184] モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む酸化的脱水素触媒であって、
触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比は、ICP-MSによって決定されるように、1:0.30から1:0.50であり、
酸素は、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で触媒中に存在し、
触媒の非晶質相は、XRDによって決定されるように、45重量%を超え、
以下を含む方法によって調製される、酸化的脱水素触媒:
モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程、
前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程、
前記予備焼成された触媒を窒素雰囲気下で焼成して触媒を形成する工程、
前記触媒を酸溶液で洗浄する工程。
[項185] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.35から1:0.45である、項184に記載の酸化的脱水素触媒。
[項186] 前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、約1:0.41である、項184に記載の酸化的脱水素触媒。
[項187] 前記非晶質相が、XRDによって決定されるように、45重量%~75重量%である、項184~186のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項188] 前記非晶質相が、XRDによって決定されるように、45重量%~55重量%である、項184~186のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項189] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも26.3±0.3及び29.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項184~188のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項190] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、30.6±0.3、及び31.9±0.2に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項184~188のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項191] 前記触媒が、XRD回折ピーク(2θ度)を、少なくとも6.5±0.3、7.8±0.2、9.0±0.2、10.8±0.2、12.9±0.3、13.4±0.2、25.4±0.2、26.3±0.3、25.6±0.2、28.3±0.3、29.3±0.2、29.8±0.2、30.6±0.3、31.5±0.3、31.9±0.2、34.2±0.3、及び35.4±0.3に有することを特徴とし、XRDはCuKα放射線を使用して得られる、項184~188のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項192] 前記触媒が、約350℃~約425℃の35%転化温度を有する、項184~191のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項193] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物を提供する工程が、モリブデンを含む水性混合物とバナジウムを含む水性混合物とを組み合わせることを含む、項184~192のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項194] 前記モリブデンを含む水性混合物が、少なくとも(NH Mo 24 ・4H O及び第1の水から調製される、項193に記載の酸化的脱水素触媒。
[項195] 前記バナジウムを含む水性混合物が、少なくともVOSO ・XH O及び第2の水から調製される、項193又は194に記載の酸化的脱水素触媒。
[項196] 前記第1及び第2の水が、蒸留水、脱イオン水、脱塩水、ミネラルウォーター、又はそれらの組合せから選択される、項195に記載の酸化的脱水素触媒。
[項197] 前記第1及び第2の水が蒸留水を含む、項196に記載の酸化的脱水素触媒。
[項198] モリブデン及びバナジウムを含む水性混合物が界面活性剤をさらに含む、項194~197のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項199] 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又はそれらの組合せから選択される、項198に記載の酸化的脱水素触媒。
[項200] 前記アニオン界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシル硫酸アンモニウム、又はそれらの組合せから選択される、項199に記載の酸化的脱水素触媒。
[項201] 前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムを含む、項199に記載の酸化的脱水素触媒。
[項202] 前記アニオン界面活性剤がオクチル硫酸ナトリウムを含む、項199に記載の酸化的脱水素触媒。
[項203] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、触媒シードの存在下でモリブデン及びバナジウムの水性混合物を加熱することを含む、項194~202のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項204] 前記触媒シードが、モリブデン及びバナジウムを含む組成物を含む、項203に記載の酸化的脱水素触媒。
[項205] モリブデン及びバナジウムを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、及び酸素を含む触媒を含み、前記触媒中のモリブデンとバナジウムのモル比が、ICP-MSによって決定されるように、1:0.15から1:0.75である、項204に記載の酸化的脱水素触媒。
[項206] 前記触媒シードが、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む組成物を含む、項203に記載の酸化的脱水素触媒。
[項207] モリブデン、バナジウム、ニオブ、及びテルルを含む前記組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ、及び酸素を含む触媒を含み、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとバナジウムのモル比が1:0.05から1:0.60であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、
ICP-MSによって決定されるように、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.40であり;
酸素が、少なくとも、存在する金属酸化物の原子価を満たす量で存在する、
項206に記載の酸化的脱水素触媒。
[項208] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約150℃~約300℃の温度で加熱することを含む、項184~207のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項209] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項184~207のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項210] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を約230℃の温度で加熱することを含む、項184~207のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項211] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約1psi~約1,500psiの圧力下で加熱することを含む、項184~210のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項212] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下で加熱することを含む、項184~210のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項213] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約200psi~約900psiの圧力下、約200℃~約250℃の温度で加熱することを含む、項184~207のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項214] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、モリブデン及びバナジウムの水性混合物を、約400psi~約440psiの圧力下、約230℃の温度で加熱することを含む、項184~207のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項215] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナー、ステンレス鋼、又はテフロンライナーと接触させることを含む、項184~214のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項216] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をガラスライナーと接触させることを含む、項184~214のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項217] 前記混合物を水熱反応させて予備焼成された触媒を形成する工程が、混合物をテフロンライナーと接触させることを含む、項184~214のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項218] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項219] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項220] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項221] 前記予備焼成された触媒が、約300℃~約500℃で約1時間~約24時間焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項222] 前記予備焼成された触媒が、約375℃~約425℃で約1時間~約4時間焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項223] 前記予備焼成された触媒が、約400℃で約2時間焼成される、項184~218のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項224] 酸溶液がシュウ酸を含む、項184~223のいずれか一項に記載の酸化的脱水素触媒。
[項225] シュウ酸の濃度が約0.05M~約0.5Mである、項224に記載の酸化的脱水素触媒。
[項226] 酸化的脱水素反応器中で、エタン及び酸素を、項1~225に記載の任意の酸化的脱水素触媒と接触させる工程を含む、エタンのエチレンへの酸化的脱水素化のための方法。
[項227] エタン及び酸素が不活性希釈剤と組み合わされる、項226に記載の方法。
図1
図2
図3
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図11
図12