(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】コンバインドサイクル発電プラント用のデュアルサイクルシステム
(51)【国際特許分類】
F01K 25/10 20060101AFI20231011BHJP
F02C 1/04 20060101ALI20231011BHJP
F02C 7/224 20060101ALI20231011BHJP
F01K 23/10 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
F01K25/10 U
F02C1/04
F02C7/224
F01K23/10 X
(21)【出願番号】P 2021567042
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 US2019031697
(87)【国際公開番号】W WO2020231380
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】513041244
【氏名又は名称】ミツビシ パワー アメリカズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mitsubishi Power Americas,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】シミン・デン
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/078688(WO,A1)
【文献】特表2008-506883(JP,A)
【文献】国際公開第2008/136119(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 25/08-25/10
F01K 23/10
F02C 1/04
F02C 6/18
F02C 7/18
F02C 7/224
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントであって、
ガスタービンエンジンであり、
圧縮空気を生成するための圧縮機と、
燃焼ガスを生成するために燃料および前記圧縮空気を受け取ることができる燃焼器と、
前記燃焼ガスを受け取り、排気ガスを生成するためのタービンと
を備えるガスタービンエンジンと、
前記排気ガスからの熱を利用して水から蒸気を生成するための熱回収蒸気発生器と、
前記熱回収蒸気発生器により生成された前記蒸気から動力を生み出すための蒸気タービンと、
前記燃焼器に入る前に前記燃料を液体からガスへ変換するための燃料再ガス化システムと、
発電機を駆動するために、ガス化された燃料から動力を生み出すため前記燃料再ガス化システムと流体連通し、その下流に配置された燃料膨張タービンと、
前記燃料再ガス化システムに入る液体燃料を気化させるように構成されたオーガニックランキンサイクル(ORC)システムと、
具備し、
前記ORCシステムが、
流体をポンプで送るための流体ポンプと、
前記流体を膨張させるため前記ポンプと流体連通し、前記ポンプの下流に配置されたORCタービンであって、前記発電機を駆動するように構成されたORCタービンと、
前記熱回収蒸気発生器からの低圧水を用いて前記流体を加熱するために前記ポンプおよび前記ORCタービンと流体連通し、前記ポンプおよび前記ORCタービンの間に設置された第1のORC熱交換器と、
前記流体を冷却するため前記ORCタービンおよび前記ポンプと流体連通し、前記ORCタービンおよび前記ポンプの間に配置された冷却源と
を備える、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項2】
前記流体ポンプから流れる前記流体と前記ORCタービンから流れる前記流体との間で熱を交換するために前記流体ポンプと前記第1のORC熱交換器との間に設置された回収熱交換器をさらに備える、請求項
1に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項3】
前記流体がプロパンを含む、請求項
1に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項4】
前記冷却源が、前記燃料再ガス
化システムからの液体燃料を含む、請求項
1に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項5】
前記燃料再ガス
化システムが、
液化された燃料を受け取るための燃料ポンプと、
前記燃料ポンプと流体連通し、前記燃料ポンプの下流に配置された第3のORC熱交換器であり、前記
ORCシステム用の凝縮器として機能するように構成される、第3のORC熱交換器と、
前記第3のORC熱交換器から流れるガス化された燃料を加熱するため前記第3のORC熱交換器から下流に配置された第2のORC熱交換器と
を備える、請求項
4に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項6】
前記
第2のORC熱交換器が、水からの熱を前記熱回収蒸気発生器から前記ガス化された燃料へ移動させる、請求項
5に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項7】
前
記燃料が、液化天然ガスを含む、請求項
5に記載のガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
【請求項8】
燃料システムを備えるガスタービンコンバインドサイクル発電プラントでの動作のためのオーガニックランキンサイクル(ORC)システムであって、前記ORCシステムが、
流体をポンプで送るための流体ポンプと、
前記流体を膨張させるため前記流体ポンプと流体連通し、前記流体ポンプの下流に配置されたORCタービンと、
前記燃料システムの燃料用の再ガス化および膨張システムであり、前記再ガス化および膨張システムが、前記ORCタービンの出口と前記ポンプの入口との間の前記流体を冷却するように構成される、再ガス化および膨張システムと、
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの熱回収蒸気発生器からの熱を用いて前記流体を加熱するために前記ポンプの出口と前記ORCタービンの入口との間に設置された第1の熱交換器と、
燃料が前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントのガスタービンエンジンに入る前に前記燃料から動力を生み出すための前記燃料システムの燃料膨張タービンと
、
前記流体ポンプを出る前記流体と前記ORCタービンを出る前記流体との間で熱を交換するために前記流体ポンプの出口と前記第1の熱交換器の入口との間に設置された回収熱交換器と、
を備える、オーガニックランキンサイクルシステム。
【請求項9】
前記燃料および前記熱回収蒸気発生器と熱伝達する第2の熱交換器をさらに備える、請求項
8に記載のオーガニックランキンサイクルシステム。
【請求項10】
前記第2の熱交換器が、前記熱回収蒸気発生器からの低圧水を用いて前記燃料を加熱するように構成される、請求項
9に記載のオーガニックランキンサイクルシステム。
【請求項11】
前記燃料を気化させるため前記流体からの熱を移動させるために前記燃料および前記流体と熱伝達する第3の熱交換器をさらに備える、請求項
9に記載のオーガニックランキンサイクルシステム。
【請求項12】
前
記再ガス化および膨張システムが、
液化された燃料を受け取るための燃料ポンプと、
前記燃料ポンプの下流に配置され、前記燃料ポンプと流体連通している第3の熱交換器と、
前記第3の熱交換器の下流に配置され、前記第3の熱交換器と流体連通している第2の熱交換器と、
前記第2の熱交換器から燃料を受け取る前記燃料
膨張タービンと
を備える、請求項
8に記載のオーガニックランキンサイクルシステム。
【請求項13】
ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントを動作させる方法であって、
作動ポンプを使用して閉ループを通る作動流体を循環させるステップと、
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントからの熱を使用して第1の熱交換器を用いて前記作動流体を加熱するステップ
であって、前記第1の熱交換器は、前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントからの水および前記作動流体と流体連通している、ステップと、
作動流体タービンを通る前記加熱された作動流体を膨張させるステップと、
燃料再ガス化および膨張システムを用いて前記
作動流体タービンを出る前記作動流体を凝縮するステップと、
燃料タービンを介して前記燃料再ガス化および膨張システム
の燃料を膨張させるステップと、
前記作動流体タービンおよび前記燃料タービンを用いて電力を発電するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記作動ポンプから作動流体を受け取る回収熱交換器を用いて前記作動流体タービンを出る前記作動流体を冷却するステップをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
第1の外部熱源を用いて前記作動流体を加熱するステップが、前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの熱回収蒸気発生器からの水を用いて前記作動流体を加熱するステップを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記熱回収蒸気発生器からの前記水と熱伝達する第2の熱交換器を使用して前記燃料を加熱するステップをさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記燃料が液化された天然ガスであり、
前記燃料再ガス化および膨張システムを用いて前記作動流体タービンを出る前記作動流体を冷却するステップが、
前記作動ポンプの上流の前記作動流体と熱伝達する再ガス化熱交換器を介して燃料ポンプを用いて液化された天然ガスをポンプで送るステップと、
前記液化された天然ガスをガス化させ、前記作動流体を凝縮させるために前記再ガス化熱交換器内で熱を前記作動流体から前記液化された天然ガスへ移動させるステップと、
前記第2の熱交換器内で前記ガス化された天然ガスを加熱するステップと、
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントのガスタービンへ前記ガス化された天然ガスを供給するステップと
を含む、請求項
16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この文書は、限定としてではないが、概して、ガスタービンエンジン、熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを利用するコンバインドサイクル発電プラントに関係する。とりわけ、限定としてではないが、本出願は、液化天然ガス冷熱エネルギーを利用するものなどの補助的なサイクルの追加を介してコンバインドサイクル発電プラントの効率を高めるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラントでは、ガスタービンエンジンが、軸動力を使用する発電機を用いて電気を直接発電するために運転されることがある。ガスタービンエンジンの高温排気ガスが、さらに発電するために蒸気タービン軸を回転させるために使用されることが可能な蒸気を熱回収蒸気発生器(HRSG)の内部で発生させるために追加で使用されることがある。
【0003】
天然ガスは、ガスタービンエンジン用の燃料としてGTCC発電プラントではしばしば使用される。天然ガスは、世界的に2番目に大きなエネルギー源であり、当分のあいだその地位に留まることが期待される。天然ガス市場の主要な構成要素は、世界中に天然ガスを輸送するために使用される液化天然ガス(LNG)である。典型的には、LNGは、現在のところ、LNGが受け入れられる受入基地において海水からの熱を使用してオープンラック式気化器を介して再ガス化される。再ガス化プロセスは、海水の局所冷却という結果をもたらし、これが海洋生物への悪影響を含め環境上の難題を提起する。
【0004】
オーガニックランキンサイクル(ORC)は、熱源として海水を使用するLNGに利用可能な冷熱エネルギーの利点を使用してきている。しかしながら、このようなシステムは、その用途を限定されることがある。
【0005】
液体天然ガス再ガス化および膨張システムの例が、Amirらによる特許文献1、Mintaらによる特許文献2、およびOokaらによる特許文献3号に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第9,903,232号
【文献】米国特許第6,116,031号
【文献】米国特許第4,320,303号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、とりわけ、GTCC発電プラントにおいて解決すべき問題がLNGからの本来的な冷熱エネルギーの非効率的な利用を含み得ることを認識している。かなりの量のエネルギーが、容易に貯蔵され輸送され得る低温(約-160℃)LNGを生成するために天然ガスを冷却し液化するために消費される。低温LNGから利用可能な本来的な冷熱エネルギー/エクセルギーは、再ガス化中には効率的に利用されていない。
【0008】
本主題は、熱源として熱回収蒸気発生器(HRSG)からの低圧水およびコールドシンクとしてLNGを利用するためにオーガニックランキンサイクル(ORC)を使用することによるなどの、この問題および他の問題に対する解を提供するのに役立ち得る。並行して、直接天然ガス膨張サイクルもまた、加圧し再ガス化した燃料を膨張させることにより電力を作り出す。デュアルサイクルシステムへのORCサイクルと燃料膨張サイクル(直接天然ガス膨張サイクル)との組み合わせが、発電するための追加のタービンに動力を与えるために利用されることが可能であり、GTCC発電プラントの総合的な効率を向上させる。
【0009】
ある実施例では、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンエンジンと、熱回収蒸気発生器と、蒸気タービンと、燃料再ガス化システムおよび燃料膨張タービン(一括して「燃料再ガス化および膨張システム」とも本明細書では呼ばれる)を備えることができる。上記ガスタービンエンジンは、圧縮空気を発生させるための圧縮機と、燃焼ガスを生成するために燃料および上記圧縮空気を受け取ることができる燃焼器と、上記燃焼ガスを受け取り、排気ガスを発生させるためのタービンとを備えることができる。上記熱回収蒸気発生器は、上記排気ガスからの熱を利用して水から蒸気を発生させるように構成されことが可能である。上記蒸気タービンは、上記熱回収蒸気発生器により発生された蒸気から動力を生み出すように構成されることが可能である。上記燃料再ガス化システムは、上記流体を液体からガスへ変換するための上記燃焼器と流体連通されそして上流に配置されるように構成されることが可能である。上記燃料膨張タービンは、ガス化された燃料から動力を生み出すための上記燃料再ガス化プロセスと流体連通されそしてその下流に配置されるように構成されることが可能である。
【0010】
もう1つの実施例では、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントとの動作のためのオーガニックランキンサイクル(ORC)システムは、流体をポンプで送るための流体ポンプと、上記流体を膨張させるため上記流体ポンプと流体連通し、その下流に配置されたORCタービンと、上記ORCタービンの出口と上記ポンプの入口との間の上記流体を冷却するように構成された燃料用の再ガス化システムと、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの熱回収蒸気発生器からの熱を用いて上記流体を加熱するために上記ポンプの出口と上記ORCタービンの入口との間に設置された第1の熱交換器と、再ガス化された燃料が上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントのガスタービンエンジンに入る前に上記再ガス化された燃料から動力を生み出すための燃料膨張タービンとを備えることができる。
【0011】
さらなる実施例では、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントを動作させる方法は、作動ポンプを使用して閉ループを通る作動流体を循環させるステップと、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントからの熱を使用して第1の熱交換器を用いて上記作動流体を加熱するステップと、作動流体タービンを通る上記加熱された作動流体を膨張させるステップと、液体燃料再ガス化プロセスを用いて上記タービンを出る上記作動流体を凝縮するステップと、燃料タービンを通るガス燃料を膨張させるステップと、上記作動流体タービンおよび上記燃料タービンを用いて電力を発電するステップとを含むことができる。
【0012】
この概要は、本特許出願の主題の概要を提供するものである。これは、発明の排他的な説明または網羅的な説明を提供するものではない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】熱回収蒸気発生器(HRSG)および蒸気タービンと協働してガスタービンを動作させる従来型のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラントを図解する模式図である。
【
図2】追加の動力を発電するために作動流体タービンおよび天然ガスタービン使用するデュアルサイクルシステムを有する本出願のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラントを図解する模式図である。
【
図3】
図2のORCシステムならびに液体天然ガス(LNG)再ガス化および膨張システムを組み込んでいるデュアルサイクルシステムを図解する模式図である。
【
図4】
図3のORCシステムならびにLNG再ガス化および膨張システムサイクルの温度-エントロピー(T-s)図を示すグラフである。
【
図5】
図3のORCシステムならびにLNG再ガス化および膨張システムを動作させるための方法のステップを図解する線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面では、必ずしも等尺で描かれる必要がなく、同様の番号が、異なる図において類似の構成要素を記述することがある。異なる添え字を有する同様の番号は、類似の構成要素の異なる事例を表すことができる。図面は、概して、例としてではあるが限定としてではなく、本明細書で論じる様々な実施形態を図解する。
【0015】
図1は、ガスタービンエンジン(GTE)12、熱回収蒸気発生器(HRSG)14および蒸気タービン16を有する従来型のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラント10を図解する模式図である。GTE12は、発電機18と協働して使用されることがあり、そして蒸気タービン16は、発電機20と協働して使用されることがある。発電プラント10はまた、凝縮器22、燃料ガスヒータ30、凝縮液ポンプ40および給水ポンプ42も含むことができる。HRSG14は、低圧部44、中間圧部46および高圧部48を含むことができる。凝縮器22は、冷却システムの一部を形成でき、そして海水貫流冷却を用いる表面凝縮器を備えることができる。GTE12は、圧縮機50、燃焼器52およびタービン54を含むことができる。蒸気タービン16は、IP/HPスプール56およびLPスプール58を含むことができる。
【0016】
図2および
図3を参照して下記に非常に詳細に論じられるように、水は、HRSG14から供給されることが可能であり、オーガニックランキンサイクル(ORC)システム(
図3のORCシステム70)ならびに液体天然ガス(LNG)再ガス化および膨張システム(
図3のLNG再ガス化および膨張システム72)を用いて熱交換機能を提供できる。GTCC発電プラント10の動作が、
図1を参照して説明され、ORCシステム70ならびにLNG再ガス化および膨張システム72を用いないで動作する。
【0017】
周囲空気Aは、圧縮機50に入り得る。圧縮空気が、燃焼器52へ送り込まれ、燃料源60からの燃料と混合され、この燃料源60が、天然ガスまたは再ガス化LNGの供給源であってもよい。圧縮機50からの圧縮空気は、燃焼器52での燃焼のために燃料と混合されて、タービン54を回転させるための高エネルギーガスを生成する。タービン54の回転は、圧縮機50および発電機18を駆動するための回転軸動力を生成するために使用される。排気ガスEは、HRSG14に向けられ、HRSGにおいて排気ガスEは、蒸気を生成するために高圧部48、中間圧部46および低圧部44内の適切な水/蒸気配管と接する。蒸気は、蒸気ライン61C、61Bおよび61Aを介して蒸気タービン16のIP/HPスプール56およびLPスプール58へ配送されて、発電機20を運転するための回転軸動力を生み出す。排気ガスEは、煙突などのいずれかの適切なベント手段を利用してHRSG14を出ることができる。HRSG14は、可能性として環境に有害な物質を除去するために排気ガスEを調整するための適切な手段を追加で含むことができる。例えば、HRSG14は、選択触媒還元(SCR)排出量削減ユニットを含むことができる。
【0018】
HRSG14からの水はまた、矢印X-Xにより示されるように、水ライン66Aを用いて燃料ガスヒータ30のところで燃料加熱を実行するために使用されることがあり、そして水は次いで、ライン66Cおよび66Dを介して低圧部44へ戻されることがある。
【0019】
HRSG14の低圧部44の下流の燃料ガスに残っている熱は、典型的には廃棄され、HRSG14を出る排気ガスEの温度の上昇という結果だけをもたらす。本開示では、ORCシステム70(
図3)は、HRSG14ならびに再ガス化および膨張システム72(
図3)からの低温LNGに熱伝達で接続されることが可能であり、電力を発電するために1つまたは複数の追加のタービンを回転させる。
【0020】
図2は、熱源としてのHRSG14からの水ならびにコールドシンクとしての再ガス化および膨張システム72(
図3)からの液化天然ガス(LNG)を使用するORCシステム70(
図3)を含むように本開示にしたがって修正された
図1のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラント10を図解する模式図である。
図2は、
図1と同じまたは機能的に等価な構成要素を示すために適切である場合には同じ参照番号を利用し、新しい参照番号が追加の構成要素を示すために追加されることをともなう。
【0021】
特に、ライン74Aおよび74Bが、HRSG14の動作に第1の熱交換器76および第2の熱交換器78を接続するために追加される。図示した例では、熱交換器76および78は、並列に接続されて示される。他の実施例では、熱交換器76および78が、直列に接続されてもよく、いずれか一方が第1であるように構成されることをともなう。
図3を参照して論じたように、第1の熱交換器76は、ORCシステム70の一部分を構成することができ、そして第2の熱交換器78は、LNG再ガス化および膨張システム72の一部分を構成することができる。ORCシステム70ならびにLNG再ガス化および膨張システム72は、GTCC発電プラント10の総合的な効率および出力を大きくするために、
図2に示したように、GTCC発電プラント10と動作することに組み込まれることが可能であるデュアルサイクルシステム80を一緒に構成する。
【0022】
ライン74Aは、低圧部44のところでHRSG14から低圧水を取り出すように設置されることが可能である。他の実施例では、ライン74Aは、中間圧部46または高圧部48に接続されてもよい。複数の実施例では、ライン74Aは、HRSG14から蒸気を取り出すように構成されてもよい。低圧部44からのライン74A内の追加の低圧水は、生成されないまたは利用されない場合には別の方法では廃棄される熱を含有する。ORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72は、GTCC発電プラント10の性能に影響を与えずにこの容易に利用可能な熱源を利用できて、追加の動力を発電しそしてGTCC発電プラント10の総合的な効率を大きくする。ライン74Bは、熱交換器76および78においてORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72によって冷却された低圧水を低圧部44の入口へ戻すことができて、排気ガスEがHRSG14を出て大気にベントされる前に排気ガスEをさらに冷却する。
【0023】
図3は、ORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72を含んでいるデュアルサイクルシステム80を図解する模式図である。ある実施例、ORCシステム70では、プロパンが作動流体として使用されることがあり、ORCシステム70が、作動流体ポンプ82、第4の熱交換器(回収熱交換器として機能する)84、第1の熱交換器(プロパン過熱ヒータとして機能する)76、作動流体タービン86および第3の熱交換器(プロパン凝縮器として機能する)88を含むことができる。再ガス化および膨張システム72は、燃料源60、燃料ポンプ90、第3の熱交換器(燃料蒸発器として機能し、また「ガス化熱交換器」とも本明細書においては呼ばれる)88、第2の熱交換器(燃料過熱ヒータとして機能する)78および燃料タービン92を備えることができる。作動流体タービン86および燃料タービン92は、発電機94を駆動するように構成されることが可能である。再ガス化および膨張システム72は、燃料ガスヒータ30および燃焼器52に流体結合されることが可能である。
【0024】
図1のシステムと比較して、追加の動力が、作動流体タービン86および燃料タービン92を使用して発電されることが可能である。ORCシステム70では、熱エネルギーは、GTCC発電プラント10から、熱交換器76においてHRSG14の低圧部44から取り出されることが可能である。熱交換器88が、作動流体を凝縮するためにコールドシンクとして使用されることが可能である。さらにその上、再ガス化および膨張システム72では、熱エネルギーが、GTCC発電プラント10から、熱交換器78においてHRSG14の低圧部44から取り出されることが可能であり、この熱エネルギーは燃料タービン92へ送り込まれる燃料の温度を高くできる。デュアルサイクルシステム80は、HRSG E(
図2)を出る排気ガスの温度を下げることができる。LNGが(標準的な天然ガスに比して)向上した燃料品質を有しそして硫黄を含有しないという理由で、
図2のシステムの煙突温度を
図1のGTCC発電プラントなどの従来型のGTCC発電プラントよりも低くなることが容認される。
【0025】
ある実施形態では、ORCシステム70の作動流体は、プロパン(C3H8)であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、他の流体が使用されてもよい。例えば、様々な有機化合物が使用されてもよい。他の実施形態では、CO2、炭化水素流体、アンモニア(NH3)およびH2Sが使用されてもよい。他の流体が熱効率の増加をもたらし得るとはいえ、プロパンが産業では一般的に使用される。
【0026】
図3は、デュアルサイクルシステム80内部の場所を特定するためにカッコ付き参照番号(1)~(13)を用いて提供されている。場所(1)~(13)は、システム80の動作を論じるために
図3を参照して説明される。場所(1)~(13)はまた、
図4の温度-エントロピー(T-s)図および
図5のプロセスフローチャートにマッピングされる。
【0027】
低圧水は、場所(1)のところでHRSG14から取り出される。この低圧水は、
図2に示したように並列に第1の熱交換器76および第2の熱交換器78に供給されることが可能である。この低圧水が熱交換器76および78内で冷却された後で、例えば、熱が低圧水から取り出されてORCシステム70内の作動流体ならびに再ガス化および膨張システム72の燃料の温度を高めた後で、低圧水は、場所(2)のところでHRSG14に戻されることが可能である。
【0028】
ORCシステム70は、ORCシステム70用の凝縮器ならびに再ガス化および膨張システム72用のガス化器として機能できる第3の熱交換器88のところで開始できる。第3の熱交換器88のところでは、プロパンガスが場所(3)のところで凝縮されることが可能であり、作動流体ポンプ82へと流れることができる。液体プロパンは、(4)のところでより高い圧力へポンプ82により送られることが可能であり、次いで(5)のところで回収熱交換器84を使用してより高い温度に加熱されることが可能である。第1の熱交換器76は、(6)のところでプロパンをガス化できそして過熱できる。過熱されたプロパンは、次いで、作動流体タービン86に引き継がれることが可能であり、この作動流体タービンでは過熱されたプロパンが(7)のところで膨張されることが可能である。最後に、プロパンは、回収熱交換器84を通過でき、この回収熱交換機では、プロパンが液体に凝縮される第3の熱交換器88へ戻る前にプロパンが(8)のところで冷却される。
【0029】
燃料源60からの液体天然ガスは、(9)のところでポンプ90へ流れることができる。ポンプ90は、(10)のところで液体天然ガスの温度および圧力を高めることができる。次に、液体天然ガスは、(11)のところで気化できる第3の熱交換器88を通って流れることができる。気化した天然ガスは次いで、(12)のところで第2の熱交換器78内で過熱されることが可能である。燃料タービン92が次いで、(13)のところで過熱された天然ガスを膨張させるために使用されることが可能である。最後に、天然ガスは、燃料ガスヒータ30を通過し、次いでガスタービンエンジン12(
図2)内での燃焼のために燃焼器52へと進む。
【0030】
作動流体タービン86および燃料タービン92は、それぞれ作動流体(例えば、プロパン)および燃料(例えば、天然ガス)からエネルギーを取り出すために使用されることが可能である。実施例では、タービン86および92は、発電機94などの単一の発電機を駆動するために共通軸に結合されことが可能である。他の実施例では、タービン86および92の各々は、別々の独立した発電機を駆動するために別々の出力軸を設けられることが可能である。
【0031】
GTCC発電プラント10、ORCシステム70ならびに燃料再ガス化および膨張システム72の動作は、ソフトウェアを用いてモデル化されることが可能であり、ある実施例では、GTCCシステム10がGTProソフトウェアを使用してモデル化され、そしてデュアルサイクルシステム80がEbsilonソフトウェアを用いてモデル化された。モデリング目的用の例示的な発電プラントは、先進クラスのガスタービンを使用する2つの2オン1GTCCパワーアイランドの配置を含むことができる。蒸気ボトミングサイクルは、再加熱をともなう3つの圧力レベル(HP、IPおよびLP)を特徴とする典型的なHRSG配置に基づく。シミュレーションは、カリブ領域の典型的な周囲条件:1.013バール、28℃の乾燥管壁温度、および85%の相対湿度に基づいた。LNGが純メタン(CH4)から構成されると仮定した。
【0032】
2つのケースがシミュレーションされた。第1の基本ケースでは、
図1の従来型のGTCC発電プラント10が、液体天然ガス(LNG)燃料を使用して、GTProソフトウェアを使用してシミュレーションされた。第2の改善したケースでは、
図2の改造したGTCC発電プラント10が、LNG燃料、ならびにORCシステム70と再ガス化および膨張システム72とを用いるデュアルサイクルシステム80を使用してシミュレーションされた。シミュレーション結果は、0.73%ポイントのプラント正味効率(LHV)の増加が実現され得ることを示した。
【0033】
改善したケース(
図2)は、基本ケース(
図1)と比較して、GTCCシステム10の出力に負の影響を与えないという結果をもたらす。そうであるから、発電機94により生成される追加の動力が、ほとんどコストをかけずにまたはコストをかけずに得られることが可能である。
【0034】
本出願の改善したケースでは、HRSG14の煙突温度が、従来型のコンバインドサイクルよりも低くされ得る。シミュレーションしたケースに関して、煙突温度は、約60℃に低下され得る。このような温度は、A)LNGが「硫黄なしの」燃料であると考えられ、そのため燃料ガス露点に関する懸念が軽減される、およびB)上記温度が適切な回復力(50℃、典型例)で煙突へと排出するための最低燃料ガス温度よりもまだ高い、という理由で許容可能である。
【0035】
図4は、
図3の場所(1)と(2)との間のHRSG14、ORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72からの低圧水の温度-エントロピー(T-s)図を示しているグラフである。
図4は、HRSG14内の場所(1)と(2)との間で利用可能な「自由」熱エネルギーおよび燃料源60のところなどの液体天然ガスから利用可能なコールドシンクを利用することによって、ORCシステム70が、タービン86のところで軸動力を得るために駆動され得ることを示している。さらにその上、液体天然ガスは、燃料タービン92を駆動するためにORCシステム70および(1)と(2)との間のHRSG14からの水の両方を用いて加熱されることが可能である。
図2によって描かれたような発明の実施形態では燃料ガスヒータ30(燃料タービン92の下流)に供給される天然ガスの温度は、
図1によって描かれたような典型的なLNGガス化システムによって燃料ガスヒータ30へ供給される天然ガスの温度と実質的に同じである。
【0036】
図5は、
図3のデュアルサイクルシステム80を動作させるための方法100のステップを図解する線図である。ステップ102において、有機作動流体が、ポンプ82などのポンプを使用して閉回路ループを通って循環されることが可能である。ステップ104において、ポンプ82を出る有機作動流体は、ORCシステム70の別の部分からの熱を使用して回収熱交換器84により加熱されることが可能である。ステップ106において、有機作動流体は、HRSG14からの熱を使用して第1の熱交換器76を用いて過熱されることが可能である。ステップ108において、過熱されガス化された作動流体は、タービン86で膨張されることが可能である。ステップ110において膨張した作動流体は、冷却のために回収熱交換器84を通過することが可能である。ステップ112において、作動流体は、ポンプ82へ戻る前に第3の熱交換器88を使用して液体へと凝縮されることが可能である。
【0037】
ステップ114において、燃料は、ポンプ90を使用して燃料源60からポンプで送られることが可能である。燃料は、第3の熱交換器88へポンプで送られることが可能であり、そこでは、ステップ116において、液体燃料が加熱されそしてガス化されることが可能である。ステップ118において、ガス化された燃料は、第2の熱交換器78を使用して過熱されることが可能である。ステップ120において、燃料は、タービン92内で膨張することができる。ステップ122において、燃料は、燃焼のために、燃料ガスヒータ30を通過した後などで、燃焼器52(
図2)へと進むことができる。
【0038】
一緒にデュアルサイクルシステム80としてORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72の動作が、それぞれステップ124および126においてタービン92および86を用いて発電するために使用されることが可能である。
【0039】
本出願のシステムおよび方法は、LNG燃料型GTCC発電プラントにおいてデュアルサイクルの適用により実現されることが可能な著しい性能向上を結果としてもたらす。ORCシステム70は、ORCシステム70内部の熱を効果的に再配分するために回収熱交換器を利用できて、再ガス化および膨張システム72ならびにORC70の性能を向上させる。ORCシステム70ならびに再ガス化および膨張システム72の上記の動作は、デュアルサイクルシステム80が追加の電力を発電するために使用されることが可能であるタービンに動力を供給することを可能にでき、これによりLNG燃料型GTCC発電プラントの総合的な効率を向上させる。加えて、環境的な利点が、LNG再ガス化プロセスにおいて海水の冷却を回避することにより達成され得る。
【0040】
様々な注記および実施例
実施例1は、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントなどの主題を含むことができるまたは使用でき、圧縮空気を発生させるための圧縮機、燃焼ガスを生成するために燃料および上記圧縮空気を受け取ることができる燃焼器ならびに上記燃焼ガスを受け取り、排気ガスを発生させるためのタービンを備えるガスタービンエンジンと、上記排気ガスからの熱を利用して水から蒸気を発生させるための熱回収蒸気発生器と、上記熱回収蒸気発生器によって発生された上記蒸気から動力を生み出すための蒸気タービンと、上記燃焼器に入る前に燃料を液体からガスへ変換するための燃料再ガス化システムと、ガス化された燃料から動力を生み出すため上記燃料再ガス化システムと流体連通し、その下流に配置された燃料膨張タービンとを具備する。
【0041】
実施例2は、上記燃料再ガス化および膨張システムに入る液体燃料を気化するように構成されたオーガニックランキンサイクル(ORC)システムを任意選択で含ませるために、実施例1の上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0042】
実施例3は、流体をポンプで送るための流体ポンプと、上記流体を膨張させるため上記ポンプと流体連通し、その下流に配置されたORCタービンと、上記熱回収蒸気発生器からの低圧水を用いて上記流体を加熱するために上記ポンプおよび上記ORCタービンと流体連通し、これらの間に設置された第1のORC熱交換器と、上記流体を冷却するため上記ORCタービンおよび上記ポンプと流体連通し、これらの間に配置された冷却源とを備えるORCを任意選択で含ませるために、実施例1または実施例2のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0043】
実施例4は、上記流体ポンプから流れる上記流体と上記ORCタービンから流れる上記流体との間で熱を交換するために上記流体ポンプと上記第1のORC熱交換器との間に設置された回収熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例1から実施例3のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0044】
実施例5は、プロパンを含む流体を任意選択で含ませるために、実施例1から実施例4のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0045】
実施例6は、上記燃料再ガス化および膨張システムからの液体燃料を含む冷却源を任意選択で含ませるために、実施例1から実施例5のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0046】
実施例7は、液化された燃料を受け取るための燃料ポンプと、上記燃料ポンプと流体連通し、その下流に配置された第3のORC熱交換器であって、上記第3のORC熱交換器が上記ORCシステム用の凝縮器として機能するように構成される、第3のORC熱交換器と、上記第3のORC熱交換器から流れるガス化された燃料を加熱するための第2のORC熱交換器とを備える、燃料再ガス化および膨張システムを任意選択で含ませるために、実施例1から実施例6のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0047】
実施例8は、熱を上記熱回収蒸気発生器からの低圧水からガス化された燃料へ移動させることができる燃料熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例1から実施例7のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0048】
実施例9は、液化天然ガスを含む液体燃料を任意選択で含ませるために、実施例1から実施例8のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0049】
実施例10は、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントでの動作のためのオーガニックランキンサイクル(ORC)システムなどの主題を含むことができるまたは使用できき、流体をポンプで送るための流体ポンプと、上記流体を膨張させるため上記流体ポンプと流体連通し、それから下流に配置されたORCタービンと、上記ORCタービンの出口と上記ポンプの入口との間の上記流体を冷却するように構成された燃料用の再ガス化および膨張システムと、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの熱回収蒸気発生器からの熱を用いて上記流体を加熱するために上記ポンプの出口と上記ORCタービンの入口との間に設置された第1の熱交換器と、上記燃料が上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントのガスタービンエンジンに入る前に上記燃料から動力を生み出すための燃料膨張タービンとを備えることができる。
【0050】
実施例11は、上記流体ポンプを出る上記流体と上記ORCタービンを出る上記流体との間で熱を交換するために上記流体ポンプの出口と上記第1の熱交換器の入口との間に設置された回収熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例10の上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0051】
実施例12は、上記燃料および上記熱回収蒸気発生器と熱伝達する第2の熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例10または実施例11のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0052】
実施例13は、上記熱回収蒸気発生器からの低圧水を用いて上記燃料を加熱するように構成される第2の熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例10から実施例12のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0053】
実施例14は、上記燃料を気化させるため上記流体からの熱を移動させるために上記燃料および上記流体と熱伝達する第3の熱交換器を任意選択で含ませるために、実施例10から実施例13のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0054】
実施例15は、液化された燃料を受け取るための燃料ポンプと、上記燃料ポンプの下流に配置され、それと流体連通している第3の熱交換器と、上記第3の熱交換器の下流に配置され、それと流体連通している第2の熱交換器と、上記第2の熱交換器から燃料を受け取る上記燃料タービンとを備えることができる燃料再ガス化および膨張システムを任意選択で含ませるために、実施例10から実施例14のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0055】
実施例16は、ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントを動作させる方法などの主題を含むことができるまたは使用でき、作動ポンプを使用して閉ループを通る作動流体を循環させるステップと、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントからの熱を使用して第1の熱交換器を用いて上記作動流体を加熱するステップと、作動流体タービンを通る上記加熱された作動流体を膨張させるステップと、燃料再ガス化および膨張システムを用いて上記タービンを出る上記作動流体を凝縮するステップと、燃料タービンを通る上記燃料再ガス化および膨張システムのガス燃料を膨張させるステップと、上記作動流体タービンおよび上記燃料タービンを用いて電力を発電するステップとを含む。
【0056】
実施例17は、上記作動ポンプから作動流体を受け取る回収熱交換器を用いて上記作動流体タービンを出る上記作動流体を冷却するステップを任意選択で含ませるために、実施例16の上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0057】
実施例18は、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントの熱回収蒸気発生器からの水を用いて上記作動流体を加熱することにより第1の外部熱源を用いて上記作動流体を加熱するステップを任意選択で含ませるために、実施例16または実施例17のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0058】
実施例19は、上記熱回収蒸気発生器からの上記水と熱伝達する第2の熱交換器を使用して上記燃料を加熱するステップを任意選択で含ませるために、実施例16から実施例18のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0059】
実施例20は、上記作動ポンプの上流の上記作動流体と熱伝達する再ガス化熱交換器を介して燃料ポンプを用いて液化された天然ガスをポンプで送るステップと、上記液化された天然ガスをガス化させ、上記作動流体を凝縮させるために上記再ガス化熱交換器内で熱を上記作動流体から上記液化された天然ガスへ移動させるステップと、上記第2の熱交換器内で上記ガス化された天然ガスを加熱するステップと、上記ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントのガスタービンへ上記ガス化され天然ガスを供給するステップとによって、燃料再ガス化および膨張システムを用いて上記タービンを出る上記流体を冷却するステップを任意選択で含ませるために、実施例16から実施例19のうちの1つまたはいずれかの組み合わせの上記主題を含んでもよいし、任意選択で組み合わせられてもよい。
【0060】
これらの非限定的な実施例の各々は、それ自体で主張できる、または他の実施例のうちの1つもしくは複数と様々な順序でもしくは組み合わせで組み合わせられてもよい。
【0061】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への言及を含む。図面は、図解として、発明が実行され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態はまた、「実施例」として本明細書では呼ばれる。このような実施例は、示したものまたは説明したものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者はまた、示されたまたは説明されたこれらの要素だけが与えられる実施例も予測する。その上、本発明者はまた、本明細書において示されたまたは説明された、いずれか、特定の実施例(またはその1つもしくは複数の態様)に関してあるいは他の実施例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、示されたもしくは説明されたこれらの要素(またはその1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせもしくは順序を使用する実施例も予測する。
【0062】
この文書と引用により組み込まれたいずれかの文書との間で一致しない使用法がある場合には、この文書における使用法が支配する。
【0063】
この文書では、「1つ(a)」または「1つ(an)」という用語は、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つもしくは複数」のいずれかの他の事例または使用法とは無関係に1つまたは1つよりも多くを含むように使用される。この文書では、「または(or)」という用語は、非限定的なオア(or)を呼ぶように使用され、そのため「AまたはB」は、別なふうに指示されない限り「Bを除くA」、「Aを除くB」、ならびに「AおよびB」を含む。この文書では、「含んでいる(including)」および「そこでは(in which)」という用語は、「備えている(comprising)」および「そこにおいて(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用される。また、別記の特許請求の範囲では、「含んでいる」および「備えている」という用語は、オープンである、すなわち、特許請求の範囲においてこのような用語の後に列挙されたものに加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成、フォーミュレーション、またはプロセスは、その請求項の範囲内になると依然として考えられる。その上、別記の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」、および「第3の」、などという用語は、単に符号として使用され、それらの対象物に数字的な必要条件を課すものではない。
【0064】
本明細書において説明した方法例は、少なくとも一部が機械にまたはコンピュータに実装されることがある。いくつかの実施例は、上記の実施例において記載したような方法を実行する電子デバイスを構成するために動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装形態は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、などのコードを含むことができる。このようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部分を形成してもよい。さらに、ある実施例では、コードは、実行中またはほかの時などで、1つまたは複数の揮発性の固定、または不揮発性の実体的コンピュータ可読媒体に実体的に記憶されることがある。これらの実体的なコンピュータ可読媒体の実施例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0065】
上記の説明は、例示的なものであり、限定するものではない。例えば、上に記載した実施例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用されることがある。他の実施形態は、上の記載を再吟味したときに当業者によってなどで使用されることが可能である。要約書は、読者が技術的開示の本質を迅速に確認することを可能にするために、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。要約書が、特許請求の範囲または意味を解釈するためまたは限定するために使用されないという理解で提示される。また、上記の詳細な説明では、様々な特徴が開示を合理化するために一緒にグループ化されることがある。これは、特許請求しない開示した特徴が、すべての請求項に対して必須であるものであるようには解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示した実施形態のすべてよりも少ない特徴に由来することがある。したがって、別記の特許請求の範囲は、実施例または実施形態として詳細な説明へとこれにより組み込まれ、各々の請求項が別々の実施形態としてそれ自体が主張していることをともない、このような実施形態が様々な組み合わせまたは順番で互いに組み合わせられ得ることが考えられる。発明の範囲は、別記の特許請求の範囲が権利を与える等価物の全体の範囲とともに、別記の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
10 ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電プラント
12 ガスタービンエンジン(GTE)
14 熱回収蒸気発生器(HRSG)
16 蒸気タービン
18 発電機
20 発電機
22 凝縮器
30 燃料ガスヒータ
40 凝縮液ポンプ
42 給水ポンプ
44 低圧部
46 中間圧部
48 高圧部
50 圧縮機
52 燃焼器
54 タービン
56 IP/HPスプール
58 LPスプール
60 燃料源
61 蒸気ライン
66 水ライン、ライン
70 オーガニックランキンサイクル(ORC)システム
72 液体天然ガス(LNG)再ガス化および膨張システム
74 ライン
76 第1の熱交換器
78 第2の熱交換器
80 デュアルサイクルシステム
82 作動流体ポンプ、ポンプ
84 第4の熱交換器、回収熱交換器
86 作動流体タービン
88 第3の熱交換器、プロパン凝縮器
90 燃料ポンプ、ポンプ
92 燃料タービン
94 発電機