(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】セルラ・アクセスノードのためのビーム選択
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20231011BHJP
H04W 72/04 20230101ALI20231011BHJP
H04W 16/18 20090101ALI20231011BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/04
H04W16/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022017912
(22)【出願日】2022-02-08
【審査請求日】2022-06-09
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ マッジ
(72)【発明者】
【氏名】ディーパック クマール ナヤック
(72)【発明者】
【氏名】スレッシュ カリヤナスンダラム
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-063369(JP,A)
【文献】国際公開第2020/055408(WO,A1)
【文献】特表2002-508895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える、アクセスノードにN本の無線ビーム構成を割り当てるための装置であって、
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記少なくとも1つのメモリに、前記アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージ領域に対する無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを格納するステップであって、各セルは、それぞれのセルをカバーするために複数の無線ビーム構成を動作させることが可能である、ステップと、
セルのカバレッジ領域が複数のサブ領域から構成されているように前記複数のセルの前記カバレッジ領域を、サブ領域に分割するステップと、
チャネル品質メトリックのセットを収集するステップであって、各チャネル品質メトリックが、前記サブ領域のうちの1つにおいて、前記ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示すステップと、
トラフィック密度パラメータを各サブ領域について収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータは、前記サブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットに対して、
a)前記無線ビーム構成のセットからN本の無線ビーム構成を選択するステップ、
b)前記チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングするステップであって、それによって、異なる数の無線ビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉メトリックを計算することによって、および、最大の信号対干渉メトリックを提供するセルを選択することによって、サブ領域のセルの関連付けを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、ステップ、
c)前記マッピングおよび前記トラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、該サービス性能は、該トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップ、
d)前記選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされた前記サービス性能を格納するステップ、のステップa)-d)を実行するステップと、
該格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択し、該N本の無線ビーム構成を前記アクセスノードに割り当てるステップ、
を実行させるように構成される、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、該少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記ビームライブラリ内のN本の無線ビーム構成の可能な組み合わせのうちの少なくとも大部分について、前記ステップa)-d)
を実行させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、前記サブ領域ごとに
前記繰り返しを複数回実行させるように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記N本の無線ビーム構成のセットについての最大スループットと最大カバレージとの間の目標を定義する公平性パラメータを決定させ、
前記公平性パラメータを使用することによって、ステップc)において、前記選択されたN本の無線ビーム構成についてのサービス性能を計算させ、
前記計算されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成の前記セットを選択させる
ように構成される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記N本の無線ビーム構成が、セルごとに決定された数の無線ビーム構成を含み、
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記ビームライブラリ内の前記無線ビーム構成から形成される選択木を使用するモンテカルロ木探索アルゴリズムを用いる使用することによって、
i)セルと該セルの無線ビーム構成を選択するステップであって、該無線ビーム構成は、もしあれば、該無線ビーム構成の格納されたサービス性能と、もしあれば、前記ステップaの以前の繰り返しで各無線ビーム構成が既に選択された回数とに基づいて選択される、ステップと、
ii)前記選択された無線ビーム構成が、前記選択木において、ステップa)の別の繰り返しにおいて以前に選択された無線ビーム構成にリンクされているかどうかを判定するステップであって、ここで、
前記別の無線ビーム構成が以前に選択されている場合、ステップi)に戻り、さらなる無線ビーム構成を選択し、
前記別の無線ビーム構成が以前に選択されていない場合、ステップiii)に進む、ステップと、
iii)前記N本の無線ビーム構成が選択されるように、残りの無線ビーム構成を任意に選択するステップと、
のステップを含む、ステップa)を実行させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
ステップb)において、少なくとも、
I.サブ領域について、異なるセルに関連する前記他のサブ領域を干渉源として考慮し、前記計算された信号対干渉メトリックに基づいて、前記サブ領域のセル関連付けを選択することによって、前記セルの各々の信号対干渉メトリックを計算するステップと、
II.ステップc)に進む前に、前記サブ領域および前記他のサブ領域についてステップI)を複数回繰り返すステップ、
を実行させるように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記アクセスノードの動作中にステップa)-d)を実行させ、
前記アクセスノードによって現在適用されている前記無線ビーム構成の変更を必要とする前記動作中のイベントを検出させ、
前記検出に応答して、前記ステップa)-d)の実行を中断させ、
利用可能な格納されたサービス性能に基づいてN本の無線ビーム構成の前記セットを選択させるように構成される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
アクセスノードにN本の無線ビーム構成を割り当てるためのコンピュータ実装方法であって、
前記アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージ領域のための無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを、少なくとも1つのメモリに格納するステップであって、各セルは、それぞれのセルをカバーするために複数の無線ビーム構成を動作させることが可能である、ステップと、
セルのカバレッジ領域が複数のサブ領域から構成されているように、前記複数のセルの前記カバレッジ領域を、サブ領域に分割するステップと、
チャネル品質メトリックのセットを収集するステップであって、各チャネル品質メトリックが、前記サブ領域のうちの1つにおいて、前記ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示すステップと、
トラフィック密度パラメータを各サブ領域について収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータは、前記サブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットに対して、
a)無線ビーム構成の前記セットからN本の無線ビーム構成を選択するステップ、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を、ステップaで選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングするステップであって、それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉メトリックを計算することによって、および、最大の信号対干渉メトリックを提供するセルを選択することによって、サブ領域のセルの関連付けを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、ステップ、
c)前記マッピングおよび前記トラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、該サービス性能は、該トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップ、
d)前記選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされた前記サービス性能を格納するステップ、
のステップa)-d)を実行するステップと、
該格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択し、該N本の無線ビーム構成を前記アクセスノードに割り当てるステップ、
を含む、方法。
【請求項9】
前記ステップa)-d)は、前記ビームライブラリ内のN本の無線ビーム構成の可能な組み合わせの少なくとも大部分について実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記繰り返しは、サブ領域ごとに複数回実行される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記N本の無線ビーム構成のセットに対する最大スループットと最大カバレージとの間の目標を定義する公平性パラメータを決定するステップと、
前記公平性パラメータを使用することによって、ステップc)において、前記選択されたN本の無線ビーム構成に対する前記サービス性能を計算するステップと、
前記計算されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成の前記セットを選択するステップと,
をさらに含む、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記N本の無線ビーム構成が、セルごとに決定された数の無線ビーム構成を含み、
ステップa)が、前記ビームライブラリ内の前記無線ビーム構成から形成される選択木を使用するモンテカルロ木探索アルゴリズムを使用することによって実行され、
i)セルと該セルの無線ビーム構成を選択するステップであって、該無線ビーム構成は、もしあれば、該無線ビーム構成の格納されたサービス性能と、もしあれば、前記ステップaの以前の繰り返しで各無線ビーム構成が既に選択された回数とに基づいて選択される、ステップと、
ii)前記選択された無線ビーム構成が、前記選択木において、ステップa)の別の繰り返しにおいて以前に選択された無線ビーム構成にリンクされているかどうかを決定するステップであって、前記別の無線ビーム構成が以前に選択されている場合、ステップi)に戻り、さらなる無線ビーム構成を選択する、前記別の無線ビーム構成が以前に選択されていない場合、ステップiii)に進む、ステップと、
iii) 前記N本の無線ビーム構成が選択されるように、残りの無線ビーム構成を任意に選択する、
のステップ
を含む、請求項8ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)において、少なくとも、
I.サブ領域について、異なるセルに関連する前記他のサブ領域を干渉源として考慮し、前記計算された信号対干渉メトリックに基づいて、前記サブ領域のセル関連付けを選択することによって、前記セルの各々の信号対干渉メトリックを計算するステップと、
II.ステップc)に進む前に、前記サブ領域および前記他のサブ領域についてステップI)を複数回繰り返すステップ、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップa)~d)がアクセスノードの動作中に実行され、
前記動作中に、前記アクセスノードによって現在適用されている前記無線ビーム構成の変更を必要とするイベントを検出すると、ステップa)~d)の前記実行が中断され、
N本の無線ビーム構成の前記セットが、利用可能な格納されたサービス性能に基づいて選択される、
請求項8ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体上に具現化され、コンピュータが読み取り可能なコンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラムコードは、N本の無線ビーム構成をアクセスノードに割り当てるためのコンピュータ処理を実行するようにコンピュータを構成し、
前記コンピュータ処理は、
前記アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージ領域のための無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを、少なくとも1つのメモリに格納するステップであって、各セルは、それぞれのセルをカバーするために複数の無線ビーム構成を動作させることが可能である、ステップと、
セルのカバレッジ領域が複数のサブ領域から構成されているように、前記複数のセルの前記カバレッジ領域を、チャネル品質メトリックのセットを収集するステップであって、各チャネル品質メトリックが、前記サブ領域のうちの1つにおいて、前記ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示すサブ領域に分割するステップと、
トラフィック密度パラメータを各サブ領域について収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータは、前記サブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットに対して、
a)無線ビーム構成の前記セットからN本の無線ビーム構成を選択するステップと、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングし、それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉メトリックを計算することによって、および、最大の信号対干渉メトリックを提供するセルを選択することによって、サブ領域のセルの関連付けを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、ステップと、
c)前記マッピングおよび前記トラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、該サービス性能は、該トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップと、
d)前記選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされた前記サービス性能を格納するステップと、
のステップa)-d)を実行するステップと、
該格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択し、該N本の無線ビーム構成を前記アクセスノードに割り当てるステップ、
を含む、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される様々な態様は、無線通信の分野に関し、特に、セルラ通信システムのアクセスノードのための無線ビームの選択に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信システムの現代のアクセスノードは、各種無線ビーム構成を介してセルを動作させるためのアンテナアレイおよび信号処理能力を備えている。アクセスノードは、アクセスノードのサイトから、ビーム方向および幅に関して様々な特性を有する無線ビームを生成することができる。複数のビームが同時に動作可能である。異なる組の無線ビーム構成は、セル内の端末装置の空間分布、それらのトラヒック要求、隣接セルからの干渉などに応じて、異なる性能特性を提供し得る。したがって、時々、無線ビーム構成のセットを更新する必要があり得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの態様は、独立請求項によって定義される。本発明のいくつかの実施形態は、従属請求項において定義される。
【0004】
独立請求項の技術的範囲に含まれない本明細書に記載された実施形態および特徴は、もしあれば、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な例として解釈されるべきである。本開示のいくつかの態様は、独立請求項によって定義される。
【0005】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードとは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、
少なくとも1つのメモリに、アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージエリアのための無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを格納するステップと、
カバレージエリアをサブ領域に分割するステップと、
各チャネル品質メトリックが、サブ領域のうちの1つにおいて、ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示す、チャネル品質メトリックのセットを収集するステップと、
各サブ領域のためのトラフィック密度パラメータを収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータはサブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
a)無線ビーム構成のセットからN本の無線ビーム構成を選択するステップ、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングするステップであって、それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、および、最大の信号対干渉指標を提供するセルを選択することによって、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉のメトリックを計算することによって、サブ領域のセルアソシエーションを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、
ステップ、
c)マッピングおよびトラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、サービス性能は、トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップ、
d)選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされたサービス性能を格納するステップ、を、N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットのために実行するステップと、
格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択するステップであって、N本の無線ビーム構成をアクセスノードに割り当てる、ステップと、
を実行させるように構成される、アクセスノードにN本の無線ビーム構成を割り当てるための装置が提供される。
【0006】
一実施形態では、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビームライブラリ内のN本の無線ビーム構成の可能な組合せのうちの少なくとも大部分について、装置にステップa)~d)を実行させるように構成される。
【0007】
一実施形態では、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、N本の無線ビーム構成の複数の異なるセット内の無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかを使用させ、ステップd)において、無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかの使用ごとにサービス・パフォーマンスを別々に格納させ、それによって、無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかのそれぞれについて複数のサービス・パフォーマンス値を格納させ、その後に実行されるステップa)において、格納された複数のサービス・パフォーマンス値を使用させるように構成される。
【0008】
一実施形態では、ステップa)において、格納されたサービス性能値に関してより大きなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率は、格納されたサービス性能値に関してより小さなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率よりも大きい。
【0009】
一実施形態では、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、N本の無線ビーム構成のセットについての最大スループットと最大カバレージとの間の目標を定義する公平性パラメータを決定させ、
ステップc)において、公平性パラメータを使用することによって、選択されたN本の無線ビーム構成についてのサービス・パフォーマンスを計算させ、計算されたサービス・パフォーマンスに基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択させるように構成される。
【0010】
一実施形態では、前記N本の無線ビーム構成は、セルごとに決定された数の無線ビーム構成を含み、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビームライブラリ内の無線ビーム構成から形成される選択ツリーを使用し、以下のステップを含むモンテカルロ木探索アルゴリズムを使用することによって、装置にステップa)を実行させるように構成される。i) セルおよび該セルに対する無線ビーム構成を選択するステップであって、該無線ビーム構成はもしあれば、無線ビーム構成の格納されたサービス性能と、もしあれば、各無線ビーム構成がステップaの以前の繰り返しにおいて既に選択された回数とに基づいて選択される、ステップ、ii) 選択された無線ビーム構成が、選択ツリーにおいて、ステップa)の別の繰り返しにおいて以前に選択された無線ビーム構成にリンクされているかどうかを判定するステップ、前記別の無線ビーム構成が以前に選択されている場合、ステップi)に戻り、さらなる無線ビーム構成を選択する、選択されたN本の無線ビーム構成についてのサービス・パフォーマンスを計算させ、計算されたサービス・パフォーマンスに基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択させるように構成される。前記別の無線ビーム構成が以前に選択されていない場合、ステップiii)に進み、iii)前記N本の無線ビーム構成が選択されるように、残りの無線ビーム構成を任意に選択する。
【0011】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、ステップb)において、少なくとも、I.サブ領域について、異なるセルに関連する他のサブ領域を干渉源として考慮し、計算された信号対干渉メトリックに基づいてサブ領域のセル関連を選択することによって、セルの各々の信号対干渉メトリックを計算するステップ、II.ステップc)に進む前に、サブ領域および他のサブ領域についてステップI)を複数回繰り返すステップ、を実行させるように構成される。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、アクセスノードの動作中にステップa)~d)を実行させ、アクセスノードによって現在適用されている無線ビーム構成の変更を必要とする動作中のイベントを検出させ、検出に応答して、ステップa)~d)を実行させ、利用可能な格納されたサービス・パフォーマンスに基づいてN本の無線ビーム構成のセットを選択させるように構成される。
【0013】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードとは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、
少なくとも1つのメモリに、アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージエリアのための無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを格納するステップと、
カバレージエリアをサブ領域に分割するステップと、
各チャネル品質メトリックが、サブ領域のうちの1つにおいて、ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示す、チャネル品質メトリックのセットを収集するステップと、
各サブ領域のためのトラフィック密度パラメータを収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータはサブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
a)無線ビーム構成のセットからN本の無線ビーム構成を選択するステップ、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングするステップであって、それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、および、最大の信号対干渉指標を提供するセルを選択することによって、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉のメトリックを計算することによって、サブ領域のセルアソシエーションを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、
ステップ、
c)マッピングおよびトラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、サービス性能は、トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップ、
d)選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされたサービス性能を格納するステップ、を、N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットのために実行するステップと、
格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択するステップであって、N本の無線ビーム構成をアクセスノードに割り当てる、ステップと、
を実行させるように構成される、アクセスノードにN本の無線ビーム構成を割り当てるための装置が提供される。
【0014】
一実施形態では、ステップa)~d)は、ビームライブラリ内のN本の無線ビーム構成の可能な組合せの少なくとも大部分について実行される。
【0015】
一実施形態では、無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかは、N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットにおいて使用され、方法は、ステップd)において、無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかの使用ごとのサービス・パフォーマンスを別々に格納し、それによって、無線ビーム構成のうちの少なくともいくつかのそれぞれのための複数のサービス・パフォーマンス値を格納し、その後に実行されるステップa)において、格納された複数のサービス・パフォーマンス値を使用することを備える。
【0016】
一実施形態では、ステップa)において、格納されたサービス性能値に関してより大きなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率は、格納されたサービス性能値に関してより小さなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率よりも大きい。
【0017】
一実施形態では、この方法は、N本の無線ビーム構成のセットについての最大スループットと最大カバレージとの間の目標を定義する公平性パラメータを決定することと、ステップc)において、公平性パラメータを使用することによって、選択されたN本の無線ビーム構成についてのサービス性能を計算することと、計算されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択することとをさらに備える。
【0018】
一実施形態では、前記N本の無線ビーム構成は、セルごとに決定された数の無線ビーム構成を含み、ステップa)は、ビームライブラリ内の無線ビーム構成から形成される選択ツリーを使用し、以下のステップを含むモンテカルロ木探索アルゴリズムを使用することによって実行される。
i)セルおよび該セルのための無線ビーム構成を選択するステップであって、無線ビーム構成は、もしあれば、無線ビーム構成の格納されたサービス性能、およびもしあれば、各無線ビーム構成がステップaの以前の繰り返しで既に選択された回数に基づいて、選択される、ステップと、
ii)選択された無線ビーム構成が、選択ツリーにおいて、ステップa)の別の繰り返し繁おいて以前に選択された無線ビーム構成にリンクされているかどうかを判定するステップ、前記別の無線ビーム構成が以前に選択されている場合、ステップi)に戻り、さらなる無線ビーム構成を選択する、前記別の無線ビーム構成が以前に選択されていない場合、ステップiii)に進む、
iii)前記N本の無線ビーム構成が選択されるように、残りの無線ビーム構成を任意に選択する。一実施形態では、本方法は、ステップb)において、少なくとも以下をさらに含む。
I.サブ領域について、異なるセルに関連する他のサブ領域を干渉源として考慮し、計算された信号対干渉メトリックに基づいてサブ領域のセル関連を選択することによって、セルの各々の信号対干渉メトリックを計算するステップ、および、
II.ステップc)に進む前に、サブ領域および他のサブ領域についてステップI)を複数回繰り返すステップ。
【0019】
一実施形態では、ステップa)~d)は、アクセスノードの動作中に実行され、アクセスノードによって現在適用されている無線ビーム構成の変更を必要とする動作中の事象を検出すると、ステップa)~d)の実行が中断され、N本の無線ビーム構成のセットが、利用可能な格納されたサービス・パフォーマンスに基づいて選択される。
【0020】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードとは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、
少なくとも1つのメモリに、アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージエリアのための無線ビーム構成のセットを定義するビームライブラリを格納するステップと、
カバレージエリアをサブ領域に分割するステップと、
各チャネル品質メトリックが、サブ領域のうちの1つにおいて、ビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示す、チャネル品質メトリックのセットを収集するステップと、
各サブ領域のためのトラフィック密度パラメータを収集するステップであって、該トラフィック密度パラメータはサブ領域内のデータトラフィックの量を示す、ステップと、
a)無線ビーム構成のセットからN本の無線ビーム構成を選択するステップ、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにマッピングするステップであって、それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、および、最大の信号対干渉指標を提供するセルを選択することによって、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉のメトリックを計算することによって、サブ領域のセルアソシエーションを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、
ステップ、
c)マッピングおよびトラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算するステップであって、サービス性能は、トラフィック密度パラメータによって重み付けされる、ステップ、
d)選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされたサービス性能を格納するステップ、を、N本の無線ビーム構成の複数の異なるセットのために実行するステップと、
格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択するステップであって、N本の無線ビーム構成をアクセスノードに割り当てる、ステップと、
を実行させるように構成される、アクセスノードにN本の無線ビーム構成を割り当てるための装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して、以下に説明される。
【
図1】
図1は、本発明のいくつかの実施形態が適用され得る無線通信シナリオを示す。
【
図2】種々の無線ビーム構成を有するセルラ通信構成を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、複数のアクセスノードのための無線ビーム構成を選択するためのプロセスを示す。
【
図4】
図4は、一実施形態による、選択された無線ビーム構成のためのセルアソシエーションを作成するためのプロセスを示す。
【
図5】
図5は、コンピューティング・システム性能の際に公平性を考慮するための実施形態を示す。
【
図6A】
図6A~6Dは、一実施形態による無線ビーム構成を選択するために使用されるモンテカルロ木検索アルゴリズムのステップを示す。
【
図6B】
図6A~6Dは、一実施形態による無線ビーム構成を選択するために使用されるモンテカルロ木検索アルゴリズムのステップを示す。
【
図6C】
図6A~6Dは、一実施形態による無線ビーム構成を選択するために使用されるモンテカルロ木検索アルゴリズムのステップを示す。
【
図6D】
図6A~6Dは、一実施形態による無線ビーム構成を選択するために使用されるモンテカルロ木検索アルゴリズムのステップを示す。
【
図7】
図7は、一実施形態による、無線ビーム構成を選択するためのモンテカルロ木探索を使用するためのプロセスの流れ図を示す。
【
図8】
図7のプロセスにおいてシミュレーションステップを実行するためのプロセスのフロー図の一実施形態を示す図である。
【
図9】
図9は、プロセスの実行中に
図3のプロセスから出力を取得するためのプロセスの一実施形態を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態による装置の構造のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施形態は、実施例である。本明細書は、いくつかの場所で「1つの」、または「いくつかの」実施形態を指すことがあるが、これは、必ずしも、そのような各言及が同じ実施形態(複数可)に対するものであること、または特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて、他の実施形態を提供することもできる。さらに、「備える」および「含む」という用語は、記載された実施形態を、言及された特徴のみからなるように限定するものではないと理解されるべきであり、そのような実施形態は、具体的に言及されていない特徴/構造も含み得る。
【0023】
以下では、実施形態を適用することができるアクセスアーキテクチャの例として、長期進化型(LTE Advanced,LTE-A)または新しい無線(NR,5G)に基づく無線アクセスアーキテクチャを使用して、異なる例示的な実施形態を説明するが、実施形態をそのようなアーキテクチャに限定するものではない。当業者は、実施形態が、パラメータおよび手順を適切に調整することによって適切な手段を有する他の種類の通信ネットワークにも適用され得ることを理解する。
【0024】
適切なシステムのための他のオプションのいくつかの例は、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)無線アクセスネットワーク(UTRANまたはE-UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAと同じ)、無線ローカルエリアネットワーク(WLANまたはWiFi)、マイクロ波アクセスのためのワールドワイドインターオペラビリティ(WiMAX)、ブルートゥース(登録商標)、パーソナルコミュニケーションサービス(PCS)、ZigBee(登録商標)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、超広帯域(UWB)技術を使用するシステム、センサネットワーク、モバイルアドホックネットワーク(MANET)、およびインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0025】
図1は、単純化されたシステムアーキテクチャの例を示しており、いくつかの要素と機能エンティティを示しているだけであり、すべてが論理ユニットであり、その実装は示されているものとは異なる可能性がある。
図1に示す接続は論理的な接続である。実際の物理接続は異なる場合がある。システムは、典型的には、
図1に示されたもの以外の他の機能および構造も含むことは、当業者には明らかである。
【0026】
しかしながら、実施形態は、一例として与えられたシステムに限定されるものではなく、当業者は、必要な特性を備えた他の通信システムにこのソリューションを適用することができる。
【0027】
図1の例は、例示的な無線アクセスネットワークの一部を示す。
【0028】
図1は、セル内の1つ以上の通信チャネル上で、セルを提供するアクセスノード104(例えば、例えばNodeB)と無線接続するように構成された端末装置またはユーザ装置100および102を示す。例えばNodeBは、3GPP(登録商標)仕様で定義されているeNodeBまたはgNodeBを指す。ユーザデバイスから例えばNodeBへの物理リンクはアップリンクまたはリバースリンクと呼ばれ、例えばNodeBからユーザデバイスへの物理リンクはダウンリンクまたはフォワードリンクと呼ばれる。例えばNodeBまたはそれらの機能は、そのような用法に適した任意のノード、ホスト、サーバまたはアクセスポイントなどのエンティティを使用することによって実装されてもよいことが理解されるべきである。
【0029】
通信システムは、典型的には、複数の例えばノードBを含み、この場合、例えばノードBは、目的のために設計されたリンク、有線または無線を介して互いに通信するように構成されてもよい。これらのリンクは、シグナリング目的だけでなく、ある例えばノードBから別のノードBへのデータのルーティングにも使用される可能性がある。例えばNodeBは、それが結合されている通信システムの無線リソースを制御するように構成された計算装置である。ノードBはまた、基地局、アクセスポイント、アクセスノード、または無線環境で動作可能な中継局を含む任意の他のタイプのインターフェース装置と呼ばれることもある。例えばノードBは、トランシーバを含むか、またはトランシーバに結合される。例えばノードBのトランシーバから、ユーザデバイスへの双方向無線リンクを確立するアンテナユニットへの接続が提供される。アンテナユニットは、複数のアンテナ又はアンテナ素子を備えることができる。例えばNodeBは、さらに、コアネットワーク110(CNまたは次世代コアNGC)に接続される。システムに応じて、CN 側の対応物は、外部パケットデータネットワークへのユーザデバイス(UE)の接続を提供するためのサービスゲートウェイ(S-GW、ユーザデータパケットのルーティングと転送)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、またはモビリティ管理エンティティ(MME)などにすることができる。
【0030】
ユーザデバイス(UE、ユーザ機器、ユーザ端末、端末デバイスなどとも呼ばれる)は、エアインターフェース上のリソースが割り当てられ、割り当てられる1つのタイプの装置を示し、したがって、ユーザデバイスを用いて本明細書で説明される任意の特徴は、中継ノードなどの対応する装置を用いて実装され得る。
【0031】
そのような中継ノードの例は、基地局へのレイヤ3中継(セルフバックホール中継)である。5G仕様は、2つの中継器モード、すなわち、同じまたは異なるキャリアがアクセスリンクおよびバックホールリンクのために定義され得る帯域外中継器と、同じキャリア周波数または無線リソースがアクセスリンクおよびバックホールリンクの両方のために使用される帯域内中継器とを定義する。帯域内中継は、ベースライン中継シナリオと見なすことができる。中継ノードは、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノードと呼ばれる。また、複数の中継ホップに対する支持も組み込まれている。IAB動作は、CUといくつかのDUとを有するいわゆる分割アーキテクチャを想定する。IABノードは、2つの別個の機能、すなわち、IABノードのDU(分散ユニット)部分が、中継セル内のgNB(アクセスノード)機能を容易にする、すなわち、アクセスリンクとして働く機能と、バックホール接続を容易にするIABノードのモバイル終端(MT)部分とを含む。ドナーノード(DU部)は、IABノードのMT部と通信し、コアネットワークへの接続を再び持つCUへの有線接続を持つ。マルチホップシナリオでは、MT部分(子IABノード)は、親IABノードのDU部分と通信する。
【0032】
ユーザデバイスは、典型的には、加入者識別モジュール(SIM)を伴って、または伴わずに動作するワイヤレスモバイル通信デバイスを含むポータブルコンピューティングデバイスを指し、以下のタイプのデバイス、すなわち、移動局(携帯電話)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ハンドセット、ワイヤレスモデムを使用するデバイス(アラームまたは測定デバイスなど)、ラップトップおよび/またはタッチスクリーンコンピュータ、タブレット、ゲームコンソール、ノートブック、およびマルチメディアデバイスを含むが、これらに限定されない。ユーザデバイスは、ほぼ排他的なアップリンクのみのデバイスであってもよく、その一例は、ネットワークに画像またはビデオクリップをロードするカメラまたはビデオカメラであることを理解されたい。ユーザデバイスはまた、物のインターネット(IoT)ネットワークにおいて動作する能力を有するデバイスであってもよく、これは、人間対人間または人間対コンピュータの対話を必要とせずに、ネットワークを介してデータを転送する能力をオブジェクトに提供するシナリオである。ユーザデバイスは、クラウドを利用することもできる。アプリケーションによっては、ユーザデバイスが、無線部品(時計、イヤホン、または眼鏡など)を備えた小型携帯装置を備えていてもよく、計算はクラウド内で行われる。ユーザデバイス(または、いくつかの実施形態では、レイヤ3中継ノード)は、ユーザ機器機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。ユーザデバイスは、単にいくつかの名前または装置を挙げるだけで、加入者ユニット、移動局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、またはユーザ機器(UE)とも呼ばれ得る。
【0033】
本明細書で説明する様々な技法を、サイバー物理システム(CPS)(物理エンティティを制御する協働する計算要素のシステム)に適用することもできる。CPSは、異なる位置の物理的オブジェクトに埋め込まれた大量の相互接続されたICT装置(センサ、アクチュエータ、プロセッサマイクロコントローラなど)の実装および活用を可能にすることができる。問題の物理システムが固有のモビリティを有するモバイルサイバー物理システムは、サイバー物理システムのサブカテゴリである。移動物理システムの例には、移動ロボット工学、および人間または動物によって輸送される電子機器が含まれる。
【0034】
さらに、装置は単一のエンティティとして示されているが、異なるユニット、プロセッサ、および/またはメモリユニット(すべてが
図1に示されているわけではない)を実装することができる。
【0035】
5Gは、複数入力・複数出力(MIMO)アンテナ、LTEよりもはるかに多くの基地局またはノード(いわゆるスモールセル概念)を使用することを可能にし、これには、より小さい局と協働して動作し、サービスの必要性、使用事例、および/または利用可能なスペクトルに応じて様々な無線技術を使用するマクロサイトが含まれる。5Gモバイル通信は、ビデオストリーミング、拡張現実、データ共有の異なる方法、および、車両安全、異なるセンサ、およびリアルタイム制御を含む(大規模な)装置タイプ通信(mMTC)などの様々な形態の装置タイプアプリケーションを含む、広範囲のユースケースおよび関連アプリケーションをサポートする。5Gは、複数の無線インターフェース、すなわち、6GHz未満、cmWaveおよびmmWaveを有することが期待され、また、LTEなどの既存のレガシー無線アクセス技術と統合されることが可能である。LTEとの統合は、少なくとも初期段階において、マクロカバレージがLTEによって提供され、5G無線インターフェースアクセスが、LTEへの凝集によって小セルから来るシステムとして実装され得る。つまり、5Gは、相互RAT運用性(LTE-5Gなど)と相互RI運用性(6GHz以下-cmWave、6GHz以下-cmWave-mmWaveなどの相互無線インタフェースの運用性)の双方をサポートする計画である。5Gネットワークで使用されると考えられる概念の1つは、複数の独立した専用の仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)を同じインフラストラクチャ内に作成して、待ち時間、信頼性、スループット、およびモビリティに関する異なる要件を持つサービスを実行できるネットワークスライシングである。
【0036】
LTEネットワークにおける現在のアーキテクチャは、無線において完全に分散され、典型的にはコアネットワークにおいて完全に集中される。5Gの低レイテンシアプリケーションとサービスは、ローカルブレークアウトとマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)につながる無線に含有量を近づけることを要求する。5Gは、分析および知識生成がデータのソースで行われることを可能にする。このアプローチは、ラップトップ、スマートフォン、タブレットおよびセンサのようなネットワークに連続的に接続されないリソースを活用することを必要とする。MECは、アプリケーションおよびサービスホスティングのための分散コンピューティング環境を提供する。それはまた、より速い応答時間のために、セルラー加入者に近接して含有量を格納し、処理する能力を有する。エッジコンピューティングは、ワイヤレスセンサネットワーク、モバイルデータ取得、モバイルシグネチャ解析、協調分散ピアツーピアアアドホックネットワーキング、およびローカルクラウド/フォグコンピューティングおよびグリッド/メッシュコンピューティング、デューコンピューティング、モバイルエッジコンピューティング、モバイルエッジコンピューティング、クラウドレット、分散データ格納および検索、自律自己回復ネットワーク、リモートクラウドサービス、拡張および仮想現実、データキャッシング、物のインターネット(大規模接続性および/またはレイテンシクリティカル)、クリティカル通信(自律車両、交通安全、リアルタイム解析、タイムクリティカル制御、ヘルスケアアプリケーション)としても分類可能な処理など、広範囲の技術をカバーする。
【0037】
通信システムはまた、公衆交換電話網やインターネットのような他のネットワーク112と通信したり、それらによって提供されるサービスを利用したりすることも可能である。通信ネットワークは、クラウド・サービスの使用をサポートすることもでき、例えば、コア・ネットワーク動作の少なくとも一部は、クラウド・サービスとして実行することができる(これは、
図1では「クラウド」114によって示されている)。通信システムはまた、例えばスペクトル共有において協働するための異なる操作者のネットワークのための設備を提供する、中央制御エンティティなどを備えてもよい。
【0038】
エッジクラウドは、ネットワーク機能仮想化(NFV)とソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)を利用することにより、無線アクセスネットワーク(RAN)に持ち込むことができる。エッジクラウドを使用することは、無線部分を備える遠隔無線ヘッドまたは基地局に動作可能に結合されたサーバ、ホスト、またはノードにおいて、少なくとも部分的に実行されるアクセスノード動作を意味することができる。ノード操作は、複数のサーバ、ノード、またはホストの間で分散されることも可能である。クラウドRANアーキテクチャの適用は、RAN側で実行されるRANリアルタイム機能(分散ユニット、DU 105において)と、集中的に実行される非リアルタイム機能(集中ユニット、CU 108において)とを可能にする。
【0039】
また、コアネットワーク動作と基地局動作との間の機能の分布は、LTEのものとは異なってもよく、存在しなくてもよいことを理解されたい。おそらく使用される他の技術進歩のいくつかは、ビッグデータとオールIPであり、これはネットワークの構築と管理方法を変更する可能性がある。
【0040】
5G(または新しい無線、NR)ネットワークは、コアと基地局またはノードB (gNB)の間にMECサーバを配置できる複数の階層をサポートするように設計されている。MECは、4Gネットワークにも適用できることを理解されたい。5Gはまた、例えばバックホールを提供することによって、5Gサービスのカバレージを強化または補完するために衛星通信を利用することができる。可能なユースケースは、機械対機械(M2M)または物のインターネット(IoT)装置、または車両(ビヒクル)に乗っている乗客のためのサービス継続性を提供すること、または重要な通信、ならびに将来の鉄道、海上、および/または航空通信のためのサービス利用可能性を保証することである。衛星通信は静止地球軌道(GEO)衛星システムを利用することができるが、低地球軌道(LEO)衛星システム、特にメガコンステレーション(数百の(ナノ)衛星が配備されるシステム)も利用できる。メガコンスタレーション内の各衛星109は、地上セルを作成するいくつかの衛星対応ネットワークエンティティをカバーし得る。地上セルは、地上中継ノードを介して、または地上または衛星内に位置するgNBによって生成され得る。
【0041】
図示のシステムは、無線アクセスシステムの一部の例に過ぎず、実際には、システムは、複数の例えばノードBを備えることができ、ユーザデバイスは、複数の無線セルへのアクセスを有することができ、システムは、物理層中継ノードまたは他のネットワーク素子などの他の装置も備えることができることは、当業者には明らかである。例えばノードBのうちの少なくとも1つは、ホーム例えばノードBであってもよい。また、無線通信システムの地理的領域には、複数の無線セルだけでなく、複数の異なる種類の無線セルが設けられていてもよい。無線セルは、通常数十キロメートルまでの直径を有する大きなセルであるマクロセル(またはアンブレラセル)、またはマイクロセル、フェムトセル、またはピコセルなどのより小さなセルとすることができる。
図1の例えばノードBは、任意の種類のこれらのセルを提供することができる。セルラ無線システムは、いくつかの種類のセルを含む多層ネットワークとして実装されてもよい。典型的には、多層ネットワークでは、1つのアクセスノードが1つの種類のセルを提供し、したがって、そのようなネットワーク構造を提供するために複数の例えばノードBが必要とされる。
【0042】
図2は、数のセル200、202、204が示されるシナリオを示す。各セルは、例えば、アクセスノード104と同様に、アクセスノードによって管理されてもよく、または、アクセスノードは、セクタ化を介して複数のセルを制御してもよい。しかしながら、以下の実施形態では、複数のアクセスノードによって管理される複数のセルを有するシナリオを考える。したがって、考慮中のカバレージ領域は、複数のセルの結合されたカバレージ領域である。
図2は、3つのセルのみを有する単純化されたシナリオを示すが、セルの数は、他のシナリオでは異なってもよい。
図2において、アクセスノードは、各セル200~204の中心に配置されてもよい。セルの結合されたカバレージエリアは、無線ビーム構成の異なる構成を介してアクセスノードによってカバーされ得る。無線ビーム構成は、ビーム方向およびビーム幅に関して、3次元で定義されてもよい。
図2では、無線ビームの構成が、六角形のセルの中心からスパンする点線の楕円で示されている。1つのアクセスノードは、
図2に示すように、セルのカバレッジ領域全体をカバーするために複数の無線ビーム構成を動作させることができる。場合によっては、セルの無線ビーム構成を変更した結果、セルの境界さえ変化する可能性があり、これは、隣接するセルに延びるいくつかの無線ビームによって示される。無線ビーム構成を適応させることによって、特に、セルとアクセスノードとの結合されたカバレージを考慮することによって、システムカバレージおよびパフォーマンスを改善することができる。無線ビームアロケータ(allocator、割当器)210は、以下に説明する実施形態にしたがって、無線ビーム構成を共同で選択し、アクセスノードおよびセルに割り当てる中央エンティティであってもよい。実施形態を説明する前に、以下で使用されるいくつかの用語およびパラメータを定義する。Cセルのセットを考え、各セルjにビームライブラリU
jからのN
Bビームが割り当てられるとする。B
j⊂U
jを、セルj内の選択されたビームとして定義する。ビームSoBのセットは、全てのセルにわたる全ての割り当てられたビームの和集合、 SoB=B
1∪B
2∪…∪B
Cである。以下では、ビームのセットは、無線ビーム構成のセットに等しいと理解され得る。ビームライブラリは、システム性能の最適化を可能にする方位角および仰角、方位角および仰角における異なるビーム指向方向を有する多数のビームを含み得ることを記しておく。
【0043】
ここで、注目するカバーエリア(セルの結合カバーエリア)を、座標(x,y,z)で識別される(x,y,z)サブエリアに離散化する。サブエリアはアクセスノードが提供するセルと等しい場合もあるし、セル内のサブエリアである場合もある。セルのカバレージエリアは、所望の空間分解能に応じて、複数のサブ領域を含むことができる。ネットワークカバレージエリアρ(x,y,z)内の各サブ領域に関連するトラフィック密度、(x,y,z)各サブ領域によって与えられるトラフィック密度は、単一セルのカバレージエリアよりも実質的により小さいてもよく、各サブ領域によってカバーされるエリアは、設計、例えば、利用可能な計算リソースにしたがって選択されてもよい。これらの座標は(r,θ,φ)ローカル座標系(GCS)に対応するが、ビームフォーミングゲイン計算の目的のために、位置(x,y,z)が関連付けられるセルのアクセスノードを中心とするローカル座標系に関する極座標c(x,y,z)を使用することがより好都合であり得ることに留意されたい。
【0044】
次に、アクセスノードのためにN本の無線ビーム構成を選択するためのプロセスを説明する。
図3は、無線ビーム・アロケータ210によって実行されるそのようなプロセスの実施形態を示す。無線ビーム・アロケータは、アクセス・ノードに接続することができ、無線アクセス・ネットワークまたはセルラ通信システムのコア・ネットワークに常駐することができる。
図3を参照すると、このプロセスは、アクセスノードによって管理される複数のセルのカバレージ領域のための1組の無線ビーム構成を定義するビームライブラリ320をメモリに格納することと、カバレージ領域をサブ領域に分割することと、例えば位置座標に関してサブ領域の定義をメモリ322に格納することと、各チャネル品質メトリックがサブ領域のうちの1つにおいてビームライブラリの無線ビーム構成のためのチャネル品質を示す1組のチャネル品質メトリックを収集することと(ブロック300)、各サブ領域のためのトラフィック密度パラメータを収集することと(ブロック302)、サブ領域におけるデータトラフィックの量を示すトラフィック密度パラメータを収集することと(ブロック304)、以下のステップa)~d)をN本の無線ビーム構成の複数の異なる組のために実行することとを含む。
a)無線ビーム構成のセットからN本の無線ビーム構成を選択し(ブロック306)、
b)チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を選択されたN本の無線ビーム構成のうちの1つでマッピングし(ブロック308)、
c)マッピングおよびトラフィック密度パラメータに基づいて、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能を計算し(ブロック310)、ここで、サービス性能はトラフィック密度パラメータによって重み付けされ、
d)選択されたN本の無線ビーム構成の各無線ビーム構成にリンクされたサービス性能を格納し(ブロック312)、格納されたサービス性能に基づいて、N本の無線ビーム構成のセットを選択し(ブロック314)、N本の無線ビーム構成のセットをアクセスノードに割り当てる。
【0045】
無線ビーム構成の同時選択によって提供される利点は、選択が局所最適化だけでなく、より広い領域に対して最適化された溶液を提供することである。したがって、より広いスケールで性能向上を得ることができる。また、各セルが別々に考慮され、相互に戦う可能性がある局所的推定の悪影響を低減する。一実施形態では、ブロック300および302は、アクセスノードの動作中に実行される。アクセスノードは、それらが動作する無線リンクからチャネル品質メトリックを収集することができる。チャネル品質メトリックの実施形態は、端末装置によって送信されたアップリンク基準信号から、および/または、アクセスノードによって送信されたダウンリンク基準信号から端末装置によって、アクセスノードによって測定された基準信号受信電力(RSRP)、アクセスノードおよび/または端末装置によって推定された経路損失、セルラ通信システムのためのシステム仕様において定義されたチャネル状態情報(CSI)またはチャネル品質インジケータ(CQI)、および信号対干渉雑音電力比(SINR)を含む。サブ領域当たりのトラフィック密度は、アクセスノードによって動作される各無線リンクのトラフィック量からアクセスノードによって測定され得る。アクセスノードは、アクセスノードによって実行される、全地球航法衛星システム、到来角度測位、および/またはマルチラテレーション測位(例えば、到来時間差、TDOA、測定)などの測位技法を使用することによって、端末装置をサブ領域にマッピングし得る。
【0046】
一実施形態では、ステップa)~d)は、ビームライブラリ内のN本の無線ビーム構成の可能な組合せの少なくとも大部分について実行される。一実施形態では、ステップa)からd)は、無線ビームライブラリ300の無線ビーム構成の少なくとも一部に対して、N本の無線ビーム構成の異なる組み合わせで、複数回実行される。例えば、所与の無線ビーム構成は、ステップa)からd)の異なる繰り返しにおいて、異なる組の他の無線ビーム構成と組み合わせることができ、したがって、異なる組の他の無線ビーム構成と共に無線ビーム構成によって提供される性能が評価されることになる。したがって、ステップa)~d)の各繰り返しにおいて、N本の無線ビーム構成の新しい組合せが試験され、その性能が評価され、格納される。一実施形態によると、ビームライブラリ300内の無線ビーム構成の大部分は、N本の無線ビーム構成の異なる複数の組み合わせでテストされる。
【0047】
次に、
図3のプロセスの様々なステップのいくつかの実施形態について説明する。
図4は、ブロック308の実施形態を示す。
図4の説明に進む前に、チャネル品質メトリックの実施形態として使用されることを定義する。信号対干渉(SIRまたはSINR)は、以下に記載される実施形態においてパラメータとして使用され、本文脈においてSINRを説明する。セルj=1,…,Cが、ビームライブラリU
(j)から選択されたビームN
Bから構成されるビームB
jを展開すると仮定する。G
b(x,y,z)は、量子化されたサブ領域(x,y,z)におけるビームのビーム形成利得を示す。T2C(.)を、どのセルが各サブ領域(x,y,z)にサービスを提供するかを規定するタイルーセル(サブ領域ーセルに等しい)関連T2C(x,y,z)を示すものとする。T2Cが選択されると、サブ領域(x,y,z)にサービスを提供する無線ビームは、ビームの利用可能なセット(GoB)の中で最高の受信電力を保証するものであってもよく、
【数1】
のように定義される。ここで、あるタイル対セル(T2C)の関連付けc(.)が与えられた場合にタイルまたはサブ領域(x,y,z)で受ける干渉I
T2C(x,y,z)を定義する。干渉は、同じセルに関連付けられていないすべてのタイル(x´,y´,z´)から来る信号に由来することがあり、
【数2】
のように書くことができる。ここで、L
j(x,y,z)は、ロケーション(x,y,z)におけるサービングアクセスノードjからのパス利得であり、η(x,y,z)は、タイル(x,y,z)への伝達がある時間の平均パーセンテージであり、
【数3】
のように計算される。次に、各サブ領域(x,y,z)で知覚されるSINRを、
【数4】
と定義する。ここで、σ
2は、熱雑音電力である。他の実施形態では、SINRは、異なる方法で測定または推定することができる。例えば、パラメータη(x,y,z)は、下側複雑さのために、省略されてもよく、または1に等しくセットされてもよい。別の実施形態では、ρ(x,y,z)(それぞれ、ρ(x´,y´,z´))を、サブ領域(x,y,z)(それぞれ、(x´,y´,z´))で実現できる対応するスペクトル効率に対する比率で置き換えることによって式(2)からη(x,y,z)を計算することができる。
【0048】
式(3)のSINR式は、各サブ領域をセルに割り当てるT2Cに依存する。次に、各サブ領域内の各(潜在的な)端末デバイスは、最高のSINRを提供するセルに接続することになるので、T2C自体はSINRに依存する。したがって、選択されたN個の無線ビーム構成のセットが実際にアクセスノードに展開される前に、端末装置によって実装されるタイル-セル間の関連付けT2C
*を事前に知ることを仮定することは非現実的である場合がある。しかし、それを推定し、SINRとT2Cの相互関係を切り離す良い方法は、T2C
*を、各サブエリア内の端末装置が一方的に逸脱する興味を持たないものと推定することである。言い換えれば、端末装置は、T2C
*(x,y,z)と異なるセルに接続しても、より高いSINRを達成できないと仮定することができる。
【数5】
と仮定する。ここで、
【数6】
である。技術的には、これはゲーム理論で知られているNash均衡である。このようなナッシュ均衡を計算するために、ゲーム理論においても知られている最良の応答アルゴリズムを使用することができる。最良応答アルゴリズムは、繰り返し的に動作し、各サブ領域について、他のサブ領域のセルアソシエーションが不変のままであるという仮定を用いて、最良のセルアソシエーションを見つける。
図4は、そのような最良応答アルゴリズムの実施形態を示す。
【0049】
図4を参照して、最良の応答アルゴリズムによるセル関連付けのためのメトリックとしてSINRを使用する一般的な概念を説明する。
この実施形態では、上記のステップbは、前記チャネル品質メトリックのセットに基づいて、各サブ領域を、ステップa)で選択されたN個の無線ビーム構成に対して最も高いチャネル品質メトリックを提供する無線ビームにをマッピングするステップであって、
それによって、異なる数のビームが異なるセルにマッピングされるように、セルの関連付けを実行し、サブ領域について、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮することにより、および、最大の信号対干渉指標を提供するセルを選択することによって、前記複数のセルのそれぞれについて、信号対干渉のメトリックを計算することによって、サブ領域のセルアソシエーションを1つずつ繰り返し、それによって、マッピングに少なくとも1つのセルの変更を誘導する、ステップを含む。複数の繰り返しは、サブ領域つき実行することができる。
図4に関してより詳細な実施形態を記述する。
ブロック400では、ブロック300で収集されたチャネル品質メトリックに基づいて、各サブ領域を、ブロック306で選択されたN本の無線ビームに対して最も高いチャネル品質を提供する無線ビームに関連付けることによって、最良応答アルゴリズムが初期化される。これは、各無線ビームがセルの1つにリンクされているので、基本的にはセル関連付けでもある。次に、ループ・ブロック402によって最良の応答が実行される。ブロック402において、サブ領域のセル関連付けは、異なるセルに関連付けられた他のサブ領域を干渉源として考慮し、最大の信号対干渉メトリックを提供するセルを選択することによって、サブ領域について、セルの各々についての信号対干渉メトリック(例えば、SINR
(GoB,T2C)(x,y,z))を計算することによって、1つずつ繰り返しされる。選択における仮定は、他のサブ領域に対する選択が変化によって影響されないことであり得る。言い換えれば、選択は、他のサブ領域に対する選択の結果を考慮に入れない。この特性は、繰り返しを介して考慮される。ブロック402の基準(SINR)はブロック400の基準(例えば、RSRP)とは異なるので、ブロック402の繰り返し中に少なくとも1つのセル変更が生じる。これは、干渉シナリオおよび他のサブ領域のSINRメトリックの変化を引き起こし、さらなるセル変化を引き起こす可能性がある。したがって、各サブ領域は、
図4のプロセスにおいて2回以上繰り返しされてもよく、繰り返しを停止するための基準として、最大繰り返し回数が事前に定義されてもよい。別の基準は、サブ領域当たり1回の繰り返しを伴う繰り返しラウンド中のセル変更の数を評価することであってもよい。セル変化の数が閾値未満である場合、例えば、セル変化が発生しなかった場合、プロセスは終了することができる。
【0050】
一実施形態では、N本の無線ビーム構成のセットについて、平均SINRを最大化することと、より悪い利用者のSINRとの間の目標トレードオフを定義する公平性パラメータが使用され、ブロック314において、公平性パラメータを入力として使用することができる。ブロック314における目標は、N本の無線ビーム構成のセットが選択されるアクセスノードの結合カバレージエリアにおいて最良の性能を提供する無線ビーム構成のセットを見つけることであり得る。端末装置にわたって公平性を達成するために、効用関数f
α (.)は、
【数7】
のように定義することができる。ここで、αの異なる値は、下記の各ユーティリティー・メトリックに対応する。a.α=0最大合計SINR、b.α=1最大合計SINR(デシベル[dB])、c.α=∞最大分公平性、d.1<α<∞平均タイルと悪化したSINRタイルとの間の様々な程度のトレードオフ公平性メトリックαの機能は、以下の観点から理解することができる。選択α=0は、公平性メトリックが、より悪いタイルのSINRよりも平均SINRの優先を引き起こすことを示し、一方、選択α=∞またはαに対する非常に高い値の選択は、公平性メトリックが、平均SINRよりも悪いタイルのSINRの優先を引き起こすことを示す。αは、所望の公平性(例えば、平均SINRと最悪の場合のSINRとの間の優先度)にしたがって選択されてもよい。我々の目標は、サブ領域全体にわたるSINR分布の合計効用を最大にするビームの集合(GoB)を計算することであり、これは、
【数8】
のようにブロック314で計算することができる。ここで、パラメータは、
【数9】
ブロック310で計算されてもよく、r(GoB)は、サービス性能の実施形態、またはブロック306で選択された無線ビーム構成のセットの「報酬」とみなされてもよい。
図5は、報酬またはサービス・パフォーマンスを計算するための手順を示す。
図5を参照すると、ブロック500において公平性パラメータが定義され、ブロック502において、公平性パラメータを使用することによって、選択されたN本の無線ビーム構成に対するサービス性能が計算される。公平性はサービス性能の計算に含まれるので、公平性は、ブロック314におけるN本の無線ビーム構成のセットの選択におけるパラメータとして本質的に含まれる。
【0051】
ブロック306の実施形態では、モンテカルロ木探索(MCTS)アルゴリズムが、サービス性能のためにテストされるN本の無線ビーム構成を選択するために使用される。コンピュータサイエンスでは、MCTSは、複雑な決定論的問題を解くためにランダム性を使用する決定プロセスのための発見的探索アルゴリズムとして知られている。MCTSは、何度も繰り返される4ステップ手順である。次の4つのステップがあり、ルートノードからリーフノードが見つかるまで選択する。リーフノードは、木の終わりまでランダムにノードを選択することによって、このような子ノードシミュレーションに以前の繰り返し拡大で到達していない子ノードを持っているノードであり、したがって、結果はステップ1から3で選択したパス上のすべてのノードに対して格納されているシミュレーションのバックプロパゲーションの結果を生成する。
【0052】
MCTSを本実施の形態に反映させると、ノードは、新しい無線ビーム構成として理解してもよいし、別の観点からは、親ノードが表す無線ビーム構成の集合に新しい無線ビーム構成が追加された状態として理解してもよい。
図6A~6Dは、MCTSアルゴリズムによる選択手順を示す。「ツリー構造」の定義に関して、無線ビーム選択は、ツリー内の移動経路(過去の選択)に依存するか、または独立し得る所望の自由度を有し得る。例えば、無線ビーム構成の選択は、他の無線ビーム構成のいくつかの後続の選択を排除することができ、したがって、事前セットされた、または所定の「ツリー構造」に従う。しかし、他の実施形態では、アルゴリズムは、木のすべてのステップにおいて、ビームライブラリから任意の無線ビーム構成を選択する完全な自由度を有することができ、既に選択された無線ビーム構成は、同じ「木」に対して再び選択することができないというルールを有する。この場合、予めセットされた「ツリー構造」は存在しないが、ツリーブランチが選択によって形成される。
【0053】
図6Aを参照すると、選択フェーズは、ルートから、MCTSの以前の繰り返しにおいて拡張されていないリーフノードへの無線ビーム構成のセットを選択することを含むことができる。選択は、完全にランダムであってもよいし、決定論的特性を有していてもよい。過去の繰り返しで計算されたサービス・パフォーマンスは、上述したように、ノードごとに格納されてもよく、決定性のパラメータとして使用されてもよい。選択基準は、サービス・パフォーマンス(報酬)の平均および/またはサービス・パフォーマンスの最大を考慮に入れることができる。これにより、木探索手順をより有望な分岐に導くことが可能になる。ノードの選択基準として使用するためのメトリックは、
【数10】
のように定義される可能性がある。ここで、maxVSmean∈[0,1]は、選択における平均報酬と最大報酬との間の重量を定義する入力パラメータである。式(6)に記載されているように、別の基準は、ノードへのビジット数およびその親ノードへのビジット数とすることができる。パラメータC
exploration≧0は、ビジット数の重みを定義する。このパラメータは、選択におけるランダム特性を制御し、MCTSの選択および/または拡張ステップにおいてすべての無線ビーム構成が選択された後にゼロにセットされてもよい。その前に、パラメータを1にセットすることができる。式(6)の最大メトリックを提供する無線ビーム構成(ノード)を選択することができ、ブロック306のプロセスでまだ選択されていない少なくとも1つの子ノードを有するノード(無線ビーム構成)が見つかるまで選択を進めることができる。その後、プロセスは拡張ステップ(
図6B)に進み、そこでそのような子ノードの1つが選択される。選択は、子ノードが訪問されていないので、ビジット数を使用するパラメータを省略することができることを除いて、ランダムであっても、式(6)にしたがってもよい。拡張は、子ノードの探索として理解することができる。
【0054】
子ノードを選択すると、N本の無線ビーム構成に到達する残りの無線ビーム構成が、シミュレーションステップで選択される(
図6C)。選択は、任意であってもよく、例えば、ランダムであってもよい。シミュレーションを純粋にランダムにする代わりに、例えば、チャネル品質メトリックスを基準として使用することにより、「ダイス」をバランスさせることができる。一実施形態によると、シミュレーションステップ内の各ノードは、まずランダムにセルを選択し、その後、ランダムに、しかし、ある確率だけバイアスされたセルについての無線ビーム構成を選択することによって選択される。無線ビーム構成をランダムに選択する確率は、εである。チャネル品質メトリックに基づいて無線ビーム構成を選択する確率は、1-εである。ここで、0<ε<1である。チャネル品質メトリックは、既に選択された無線ビーム構成を用いてインクリメンタルRSRPまたは同様のメトリックを最大化する無線ビーム構成が選択されるように、基準として使用されてもよい。
【0055】
1組の無線ビーム(RSRP(GoB))のインクリメンタルRSRPは、
【数11】
として定義することができる。
【0056】
この実施形態が高速に結果を提供し、ブロック314のためのN本の無線ビーム構成の良好な組を迅速に見つけるのに有用である。別の実施形態では、無線ビーム構成が、ある確率によってランダムではあるが偏っているすべてのセルにわたって選択される。無作為に無線ビーム構成を選択する確率はεである。チャンネルクオリティメトリックに基づいて無線ビーム構成を選択する確率は、1-εである。一実施形態では、ε<<1、例えば、ε<0.1またはε<0.01またはε<0.001またはε=0。ε=0は、全ての無線ビーム構成が少なくとも1回選択された後に選択されてもよい。その前に、ε≠0を使用することができる。チャネル品質メトリックは、既に選択された無線ビーム構成を用いてインクリメンタルRSRPまたは同様のメトリックを最大化する無線ビーム構成が選択されるように、基準として再び使用されてもよい。この実施形態は、上述したものよりも遅いが、より良い探査をもたらすことができ、したがって、十分な処理時間が与えられた場合、ブロック314のためのより良いN無線ビーム構成のセットを提供することができる。N本の無線ビーム構成を選択すると、プロセスは、ブロック308および310に進むことができ、ここで、上述のように、セル関連付けが実行され(ブロック308)、サービス・パフォーマンスr(GoB)が計算される(ブロック310)。サービス・パフォーマンスを計算すると、サービス・パフォーマンスは、選択された各無線ビーム構成(
図6D)に逆伝播されてもよく、すなわち、同じサービス・パフォーマンスが、すべての無線ビーム構成に関連して格納されてもよい。ブロック304の手順を複数回実行すると、所与の無線ビーム構成が選択、拡張、および/またはシミュレーションにおいて複数回選択されるようになり、複数のサービス性能値が無線ビーム構成のために格納されるようになる。これは、高いサービス性能を提供する傾向を有する無線ビームを決定するのに役立ち、したがって、ブロック314で選択される可能性がより高い。言い換えれば、ステップブロック314において、格納されたサービス性能値に関してより大きなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率は、格納されたサービス性能値に関してより小さなサービス性能を有する無線ビーム構成を選択する確率よりも大きい。MCTSアルゴリズムの選択ステップについても同様である。
【0057】
図7は、ブロック304がMCTSアルゴリズムを使用することによって実行される実施形態を要約する流れ図を示す。簡単にするために、プロセスは、すべてのセルに対してX本の無線ビーム構成を選択すると仮定する。実際には、Xは、異なるセルに対して異なっていてもよい。
図7を参照すると、プロセスは、X未満の無線ビームが現在選択されているセルの選択から開始することができる。第1の繰り返しでは、セルのうちの任意の1つが選択されてもよい。ブロック702では、ブロック700で選択されたセルに対して無線ビーム構成が選択される。上述したように、無線ビーム構成は、例えば、数式(6)にしたがって選択されればよい。ブロック704において、選択された無線ビーム構成が、選択ツリーにおいて、まだ選択されていない無線ビーム構成にリンクされているかどうかが判定される。この判定を行うために、拡張ステップ(
図7B)においてノード(無線ビーム構成)に拡張が行われるときはいつでも。そのような無線ビーム構成がない場合、プロセスはブロック708に進み、N本の無線ビーム構成が既に選択されているかどうかがチェックされる。そうでない場合、プロセスはブロック700に戻り、MCTSの選択ステップを継続する。ブロック704における結果が、少なくとも1つの未踏無線ビーム構成が存在する場合、ブロック706におけるそのような無線ビーム構成に拡張がなされる。続いて、シミュレーションステップは、上述したように、残りの無線ビーム構成を選択するために実行され、したがって、残りの無線ビーム構成を選択し、N本の無線ビーム構成で終了する。
図8は、ブロック706におけるシミュレーションの実施形態を示す。
図8を参照すると、ブロック800において、目標X無線ビーム未満のセルが選択される。ブロック802において、選択されたセルの無線ビーム構成が選択される。上述のように、パラメータは、選択が無作為であるか決定論的であるかを決定する(ダイをローリングする)ために使用されてもよい。無線ビーム構成を選択すると、ブロック804において、N本の無線ビーム構成が現在選択されているかどうかがチェックされる。もしそうでなければ、プロセスはブロック800に戻る。そうでなければ、
図8のプロセスは終了する。
【0058】
その後、N本の無線ビーム構成のサービス性能r(GoB)がブロック710で計算され、サービス性能は、ブロック702およびブロック706(実行された場合)で選択されたすべての無線ビーム構成に逆伝播される。バックプロパゲーションは、上述したように、サービス・パフォーマンスを格納する実施形態として理解されてもよい。したがって、ブロック710は、ブロック308、310、および312を備えることができる。手順の別の繰り返しが実行される場合、手順は、
図7の「終了」から「開始」に進むことができ、
図7の手順(ブロック304)が何度も繰り返しされると、N本の無線ビーム構成が、MCTSアルゴリズムの選択ステップにおいて既に選択された状態になることができる。このような場合、
図7の手順は、ブロック708からブロック710に進み、ブロック706内の拡張およびシミュレーションは行わない。
【0059】
図3のプロセスに含まれるセルの数、上述のパラメータで選択される複雑さのレベル、および利用可能な計算資源に応じて、実行に時間がかかることがある。しかしながら、実施形態の1つの利点は、第1の繰り返しの後であっても、または数回の繰り返しの後であっても、結果を提供することである。したがって、アクセスノードによって現在使用されている無線ビーム構成を変更する必要がある場合、ブロック304のプロセスは、いつでも停止され得、N本の無線ビーム構成の新しいセットが、上述の任意の実施形態にしたがって選択され得(ブロック314)、アクセスノードに割り当てられ得る。
【0060】
図9は、ブロック304がアクセスノードの動作中に繰り返しされ、アクセスノードによって現在適用されている無線ビーム構成の変更を必要とする動作中の事象を検出すると、ブロック304は中断され、ブロック314は、ブロック304の繰り返しを実行する間に格納された利用可能なサービス・パフォーマンスを使用することによって実行される実施形態を示す。
図9を参照すると、システムの現在の状態は、アクセス・ノードが、例えば、
図3の処理の以前の実行にしたがって選択された現在適用されている無線ビーム構成でそれぞれのセルを動作させる.アクセス・ノードまたは別のネットワーク・ノードは、ブロック900において、アクセス・ノードの動作、例えば、トラフィック密度、セル内の無線リンク障害の数、報告されたチャネル品質メトリックを監視することができる。一方、
図3のプロセスのために、サブ領域のチャネル品質メトリックおよびトラフィック密度を収集することができ、一方、ブロック304は、上述した実施形態のいずれか1つによる無線ビームアロケータ210によって実行することができる。監視された動作における問題を検出すると、
図304のプロセスを停止し、N無線ビーム構成の新しいセットを提供するために、割り込み信号が無線ビームアロケータ210に送られる。中断に応答して、無線ビームアロケータは、ブロック314を実行し、アクセスノードのための無線ビーム構成の新しいセットを提供する。
【0061】
図10は、
図3のプロセスまたは上述の実施形態のいずれか1つを実行するための手段を備える装置を示す。装置は、少なくとも1つのプロセッサ10と、コンピュータプログラムコード(ソフトウェア)24を含む少なくとも1つのメモリ20とを備えることができ、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコード(ソフトウェア)は、少なくとも1つのプロセッサと共に、装置に
図3のプロセスまたは上述の実施形態のいずれか1つを実行させるように構成される。装置は、セルラ通信システムのネットワークインフラストラクチャに含まれる無線ビームアロケータ210のためのものであってもよい。装置は、無線ビームアロケータにおける本発明のいくつかの実施形態を実現する回路または電子装置であってもよい。上述の機能を実行する装置は、このように無線ビームアロケータに含まれてもよく、例えば、装置はチップ、チップセット、プロセッサ、マイクロコントローラ、または無線ビームアロケータのためのこのような回路の組み合わせなどの回路を含んでもよい。
【0062】
メモリ20は、半導体ベースのメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスおよびシステム、光メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ格納技術を使用して実装され得る。メモリ20は、ビームライブラリ320と、サブ領域の定義を格納するデータベース322とを含むことができる。さらに、少なくとも1つのメモリ20は、チャネル品質メトリックおよびトラフィック密度のためのデータベース26を格納することができる。別の実施形態では、トラフィック密度は、データベース322に格納され、チャネル品質メトリックは、ビームライブラリ320内の無線ビーム構成ごとに格納される。
【0063】
プロセッサは、物理回路または物理回路とソフトウェア24の組合せによって定義されるサブ回路またはサブ部として、データコレクタ部12および無線ビームアロケータ部14を備えることができる。データコレクタ12は、アクセスノードの動作中にチャネル品質メトリックおよびトラフィック密度を収集し、収集されたデータをメモリ20に格納することができる。無線ビームアロケータは、を備えることができる。上述の実施形態のうちのいずれか1つによるブロック306を実行するように構成されたビーム選択部16と、ビーム選択部によって選択された無線ビーム構成のためのサブ領域のセル関連付けを行うように構成されたサブ領域セルアロケータ部17と(上述の実施形態のうちのいずれか1つによるブロック308)、上述の実施形態のうちのいずれか1つによるブロック310および312を実行するように構成されたサービス性能推定部18とことであり、次に、無線ビームアロケータ14は、ブロック304の完了後、または割り込みを受信すると(
図9)、サービス性能推定モジュール18の結果に基づいて選択を実行することができる(ブロック314)。
【0064】
装置は、上述のように、装置にアクセスノードとの通信能力を提供するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを備える通信インタフェース22をさらに備えることができる。通信インタフェース22は、例えば、LTEまたは5Gインタフェースの仕様にしたがって、セルラー通信システムの要求されるインタフェースを介して通信を実現するために必要とされるハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。
【0065】
本出願で使用されるように、「回路」という用語は、(a)アナログおよび/またはデジタル回路のみにおける実装のようなハードウェアのみの回路実装、(b)(適用可能なものとして)回路およびソフトウェアおよび/またはファームウェアの組み合わせ、(i)プロセッサまたはプロセッサコアの組み合わせ、または(ii)デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア、および装置に特定の機能を実行させるために協働する少なくとも1つのメモリを含むプロセッサ/ソフトウェアの部分、および(c)ソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しない場合であっても、動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部のような回路、のうちの1つまたは複数を指す。「回路」のこの定義は、本出願におけるこの用語の使用に適用される。さらなる例として、本出願で使用されるように、用語「回路」はまた、単にプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはプロセッサの一部、例えば、マルチコアプロセッサの1つのコア、ならびにその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装を包含する。用語「回路」はまた、例えば、特定の素子、ベースバンド集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または本発明の実施形態による装置のためのフィールドプログラマブルグリッドアレイ(FPGA)回路に適用可能である場合、それらを包含する。
【0066】
図3またはその実施形態のいずれかに記載されたプロセスまたは方法は、1つまたは複数のコンピュータプログラムによって定義された1つまたは複数のコンピュータプロセスの形態で実行することもできる。コンピュータ・プログラムは、ソース・コード形成、物・コード形成、または何らかの中間形成であってもよく、プログラムを運ぶことができる任意のエンティティまたは装置であってもよい何らかの種類の搬送波に格納されてもよい。そのようなメディアは、一時的および/または非一時的なコンピュータ媒体、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ、電気メディア信号、電気通信信号、およびソフトウェア配信パッケージを含む。必要とされる処理能力に応じて、コンピュータプログラムは、単一の電子ディジタル処理ユニットで実行されてもよく、または、多数の処理ユニットに分散されてもよい。
【0067】
本明細書で説明される実施形態は、上記で定義されたワイヤレスネットワークに適用可能であるが、他のワイヤレスネットワークにも適用可能である。使用されるプロトコル、無線ネットワークの仕様、およびそれらのネットワーク要素は、急速に発展している。そのような開発は、記載された実施形態に追加の変化を必要とすることがある。したがって、すべての単語および発現は、広く解釈されるべきであり、それらは、実施形態を限定するためではなく、例示することを意図している。当業者には、技術が進歩するにつれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることが明らかであろう。実施形態は、上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で変更することができる。