(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】秒の指示を可能にする補助機能を備える時計
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
G04C3/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022051165
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-03-28
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・フルーリー
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ラゴルゲット
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116042(JP,A)
【文献】特開2015-184193(JP,A)
【文献】特開2015-169566(JP,A)
【文献】特開2013-228258(JP,A)
【文献】特開2007-40997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子測時器ムーブメントを含むアナログ表示時計(10)であって、前記電子測時器ムーブメントは、それぞれ時針(15)
、分針(16)
及び秒針に運動学的に接続する第1の電気モータ(13)
、第2の電気モータ(14)
及び第3の電気モータを備え、前記電気モータは、蓄電器(12)によって電力供給
され、前記測時器ムーブメントは、前記モータ及び制御部材(18)に接続する集積回路(17)も備え、前記集積回路(17)は、ユーザが前記制御部材(18)に要求すると、前記
第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して前記時針(15)及び前記分針(16)を毎秒6度の変位角速度で回転させるように構成し、前記時針(15)及び前記分針(16)が、同一直線上にあるように配設
され、前記時針(15)及び前記分針(16)が互いに重なり合
い、
前記集積回路(17)は、前記第1の電気モータ、前記第2の電気モータ及び前記第3の電気モータを制御して前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針をそれぞれ変位させるように構成し、前記制御部材からの要求後の最初の分の間、前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針が全て同一線上にあり、重なり合い、前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針を毎秒6度の変位角速度で回転させ、前記要求の61秒後から、前記分針(16)は、前記要求からの経過分数を指し示し、前記要求の3601秒後から、前記時針(15)は、前記要求からの経過時間数を指し示すようにすることを特徴とする、アナログ表示時計(10)。
【請求項2】
電子測時器ムーブメントを含むアナログ表示時計(10)であって、前記電子測時器ムーブメントは、それぞれ時針(15)、分針(16)及び秒針に運動学的に接続する第1の電気モータ(13)、第2の電気モータ(14)及び第3の電気モータを備え、前記電気モータは、蓄電器(12)によって電力供給され、前記測時器ムーブメントは、前記モータ及び制御部材(18)に接続する集積回路(17)も備え、前記集積回路(17)は、ユーザが前記制御部材(18)に要求すると、前記第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して前記時針(15)及び前記分針(16)を毎秒6度の変位角速度で回転させるように構成し、前記時針(15)及び前記分針(16)が、同一直線上にあるように配設され、前記時針(15)及び前記分針(16)が互いに重なり合い、
前記集積回路(17)は、前記制御部材(18)に要求すると、前記第3の電気モータを制御して前記秒針を変位させ、文字板上の特定の場所を指し示すように構成し、前記特定の場所は、同一線上にあり重なり合う前記時針(15)及び前記分針(16)が取っている機能を指定するものであることを特徴とする、アナログ表示時計(10)。
【請求項3】
前記集積回路(17)は、所定の継続時間の後、前記第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して同一直線上にあり重なり合う前記時針(15)及び前記分針(16)をそれぞれ変位させるように構成し、前記時針(15)及び前記分針(16)が、それぞれ現在時刻の時及び分を指し示すようにする、請求項1又は2に記載の時計(10)。
【請求項4】
前記集積回路(17)は、前記制御部材(18)に再度要求すると、前記第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して同一直線上にあり重なり合う前記時針(15)及び前記分針(16)をそれぞれ変位させるように構成し、前記時針(15)及び前記分針(16)が、それぞれ現在時刻の時及び分を指し示すようにする、請求項1又は2に記載の時計(10)。
【請求項5】
前記集積回路(17)は、前記第1の電気モータ、前記第2の電気モータ及び前記第3の電気モータを制御して前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針をそれぞれ変位させるように構成し、前記制御部材からの要求後の最初の分の間、前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針が全て同一線上にあり、重なり合い、前記時針(15)、前記分針(16)及び前記秒針を毎秒6度の変位角速度で回転させ、前記要求の61秒後から、前記分針(16)は、前記要求からの経過分数を指し示し、前記要求の3601秒後から、前記時針(15)は、前記要求からの経過時間数を指し示すようにする、請求項2並びに請求項2を引用する請求項3及び請求項4のいずれか一項に記載の時計(10)。
【請求項6】
前記集積回路(17)は、前記制御部材(18)に要求すると、前記第3の電気モータを制御して前記秒針を毎秒360度超の変位角速度、例えば、毎秒720度又は毎秒3600度の角速度で駆動させるように構成する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計(10)。
【請求項7】
前記集積回路(17)は、前記制御部材(18)に要求すると、前記第3の電気モータを制御して前記秒針を変位させ、文字板上の特定の場所を指し示すように構成し、前記特定の場所は、同一線上にあり重なり合う前記時針(15)及び前記分針(16)が取っている機能を指定するものである、請求項1及び請求項1を引用する請求項3及び請求項4のいずれか一項に記載の時計(10)。
【請求項8】
前記集積回路(17)は、前記第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して、前記時針(15)及び前記分針(16)が同一線上にあり、共通位置で互いに重なり合うように構成し、前記共通位置は、前記針が同一線上にあり重なり合うように変位される前に占めていた位置の間の等距離に位置する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計(10)。
【請求項9】
前記集積回路(17)は、前記制御部材(18)に要求すると、前記第1の電気モータ(13)及び前記第2の電気モータ(14)を制御して、前記時針(15)又は前記分針(16)が現在時刻の時又は分をそれぞれ指し示す初期の状態で占める位置から、もう一方の針が占める位置まで前記時針(15)又は前記分針(16)をそれぞれ変位させるように構成し、前記時針(15)及び前記分針(16)が同一線上にあり、互いに重なり合うようにする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計(10)。
【請求項10】
前記制御部材(18)は、単一可動要素から構成する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の時計。
【請求項11】
前記制御部材(18)は、時間設定りゅうずに対応する、請求項10に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計製造の分野に関し、より詳細には、電気機械時計、即ち、アナログ表示付き電子測時器ムーブメントを備える電気機械時計に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、補助機能を備える時計、即ち、時計のアナログ表示が、ユーザに現在時刻以外の情報を提供するように適合されている時計に関する。この補助機能は、有利には、秒を指し示すことを可能にする。
【背景技術】
【0003】
蓄電器によって電気エネルギーが供給される、アナログ表示付き電気機械測時器ムーブメントを含む時計は、当技術分野では周知である。
【0004】
アナログ表示は、それぞれが現在時刻の時及び分を指し示す2つの針、及び任意で、秒を指し示す第3の針から構成される。
【0005】
これらの針は、電気モータ、例えば針に特定のステッパ・モータによって、前記針が互いに独立に進行するように動かすことができる。そのような構成は、特に、前記針を駆動して特定の補助機能を実行可能にするのに有利であることがわかっている。
【0006】
例えば、特許文献1は、互いに独立して回転するように構成される時針及び分針を備える時計を記載しており、前記針は、英数字又は英数字の一部を伝える。これらの針は、時間、及び互いに対する針の配置に従って、ユーザにメッセージを表示することが意図される。
【0007】
そのような構成によって実行される別の公知の補助機能は、いくつかの時間帯の表示である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、少なくとも2つの針を有するアナログ表示時計を提供するこの目的を遂行するものであり、針は、補助機能を実施することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的で、本発明は、電子測時器ムーブメントを含むアナログ表示時計に関し、電子測時器ムーブメントは、それぞれ時針及び分針に運動学的に接続される第1の電気モータと第2の電気モータとを備え、前記電気モータは、蓄電器によって電力供給され、前記測時器ムーブメントは、前記モータ及び制御部材に接続される集積回路も備える。集積回路は、ユーザが制御部材に要求すると、第1の電気モータ及び第2の電気モータを制御して毎秒6度の変位角速度で時針及び分針を回転させるように構成され、時針及び分針が同一直線上にあるように配設し、時針及び分針が互いに重なり合うようにする。
【0011】
用語「同一線上にある」及び「重なる」は、時針及び分針の長手方向軸が平行であり、前記針が同じ趣旨で、同じ方向で向けられることを意味する。言い換えれば、時針及び分針は、同じ角度位置を占め、同時に同じ目盛りを示すため、情報の読取りがユーザにとって特に容易である。
【0012】
特定の実施形態では、本発明は、単独で、又は技術的に可能な組合せの全てにより、以下の特徴の1つ又は複数を更に含むことができる。
【0013】
本発明の特定の実施形態では、集積回路は、所定の継続時間の後、第1の電気モータ及び第2の電気モータを制御するように構成され、同一直線上にあり重なり合う時針及び分針をそれぞれ変位させ、時針及び分針がそれぞれ現在時刻の時及び分を指し示すようにする。
【0014】
本発明の特定の実施形態では、集積回路は、制御部材に再度要求すると、第1の電気モータ及び第2の電気モータを制御するように構成され、同一直線上にあり重なり合う時針及び分針をそれぞれ変位させ、時針及び分針がそれぞれ現在時刻の時及び分を指し示すようにする。
【0015】
本発明の特定の実施形態では、時計は、秒針に接続する第3のモータを含み、集積回路は、制御部材に要求すると、前記第3のモータを制御して前記秒針の進行を停止するように構成される。
【0016】
本発明の特定の実施形態では、時計は、秒針に接続する第3のモータを含み、集積回路は、制御部材に要求すると、前記第3のモータを制御して毎秒6度の変位角速度で秒針を回転させるように構成され、秒針が時針及び分針と同一直線上にあり、秒針、時針及び分針が互いに重なり合うようにする。
【0017】
本発明の特定の実施形態では、時計は、秒針に接続する第3のモータを備え、集積回路は、第1の電気モータ、第2の電気モータ及び第3の電気モータを制御して時針、分針及び秒針をそれぞれ変位させるように構成され、制御部材からの要求後の最初の分の間、時針、分針及び秒針が全て同一線上にあり、重なり合い、毎秒6度の変位角速度で回転し、前記要求の61秒後から、分針は、前記要求からの経過分数を指し示し、前記要求の3601秒後から、時針は、要求からの経過時間数を指し示すようにする。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、時計は、秒針に接続する第3のモータを備え、集積回路は、制御部材に要求すると、第3の電気モータを制御して秒針を毎秒360度超の変位角速度、例えば、毎秒720度の角速度又は毎秒3600度の角速度で駆動させるように構成される。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、時計は、秒針に接続する第3のモータを備え、集積回路は、制御部材に要求すると、第3の電気モータを制御して秒針を変位させ、文字板上の特定の場所を指し示すように構成され、特定の場所は、同一線上にあり重なり合う時針及び分針によって取られる機能を指定するものである。
【0020】
本発明の特定の実施形態では、集積回路は、第1の電気モータ及び第2の電気モータを制御するように構成され、時針及び分針が、共通位置で同一線上にあり、互いに重なり合うようにし、共通位置は、前記針が同一線上にあり重なり合うように変位される前に占めていた位置の間の等距離に位置する。
【0021】
本発明の特定の実施形態では、集積回路は、制御部材に要求すると、第1の電気モータ及び第2の電気モータを制御して、現在時刻の時又は分をそれぞれ示す初期の状態で時針又は分針が占める位置から、もう一方の針が占める位置まで、時針又は分針をそれぞれ変位させるように構成され、時針及び分針が同一線上にあり、互いに重なり合うようにする。
【0022】
本発明の特定の実施形態では、制御部材は、単一要素から構成される。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、制御部材は、時間設定りゅうずに対応する。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として示す以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による時計の概略部分ブロック図であり、時針及び分針は、同一線上にあり、重なり合っている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書では、当業者に周知であるアナログ表示電気機械時計10の全ての構成要素、及び構成要素の構成は、簡略化した様式でのみ説明する。
【0027】
本発明による時計10は、ケースを含み、ガラス及び裏蓋は、ケースに一緒に固定され、内側体積部を画定する。
【0028】
この内側体積部内に、
図1に部分的、概略的に示す構成要素が収容され、構成要素は、文字板11と、電子回路を通じて電力を供給することを意図する蓄電器12と、歯車列を介して時針15及び分針16をそれぞれ回転可能にする2つの電気モータ13及び14とを含む。任意で、時計10は、秒針(図示せず)に接続する第3のモータを含み得る。
【0029】
より詳細には、本発明の好ましい実施形態では、時計10は、2つの針のみを含み、第1の電気モータ13は、時針15に運動学的に接続され、第2の電気モータ14は、分針16に運動学的に接続される。
【0030】
電子回路は、当業者に公知の様式で、水晶発振器(図示せず)を更に含み、水晶発振器は、例えばマイクロコントローラによって形成される集積回路17に関連付けられる。有利には、集積回路17は、常に、現在時刻、及び針のそれぞれの角度位置がわかる。
【0031】
ユーザが取り扱うことが意図される制御部材18は、集積回路17に接続される。
【0032】
制御部材18は、好ましくは、単一可動要素から構成し、例えば、この目的に適合される任意の構成要素、例えば、回転ベゼル、押しボタン、ケース又はガラスの接触面等によって形成される。また好ましくは、制御部材18は、りゅうずに対応し、りゅうずは、例えば、プッシュピースを有し、時間設定りゅうずを形成する。
【0033】
集積回路17は、制御部材18に要求すると、例えば、ユーザが制御部材18を押す又は引くと、第1の電気モータ13及び第2の電気モータ14をサーボ制御するように構成され、
図1に示すように、時針15及び分針16を同一線上に、互いに重なり合うように配置し、所定の機能を実施させるようにする。
【0034】
用語「同一線上にある」及び「重なる」は、時針及び分針の長手方向軸が平行であり、前記針が同じ趣旨で、同じ方向で向けられることを意味する。
【0035】
より詳細には、集積回路17は、第1の電気モータ13及び第2の電気モータ14を制御し、ユーザが制御部材18に要求すると、時針15及び分針16をそれぞれ変位させるように構成され、時針15及び分針16を同一線上に配置させ、時針15及び分針16を互いに重ね合わせ、重なり合う針を所定の速度で回転させるようにする。
【0036】
したがって、時針15及び分針16は、時針15及び分針16がそれぞれ現在時刻の時及び分を示す初期の状態から、時針15及び分針16が同一線上にあり、重なり合い、所定の速度で回転する中間状態に変位する。
【0037】
したがって、ユーザは、1本の針の移動しか視覚的に認知せず、これにより、1本の針によって提供される情報の読取りを容易にする。
【0038】
有利には、時針15及び分針16の駆動速度は、毎秒6度の角度変位に対応する。したがって、ユーザが視覚的に認知する針は、秒を示す。
【0039】
この機能は、時針15及び分針16のみから構成されるアナログ表示を備える時計10のケースでは特に有利である。
【0040】
実際、この場合、この特徴は、秒が指示されることによる利益から、ユーザが時間間隔をより正確に測定できることを可能にする。
【0041】
時計10が秒針を含む場合、秒針の進行を停止させることができる、又は前記秒針を時針15及び分針16と同一線上に重ね合わせて配置することができ、制御部材18に要求すると、前記時針15及び分針16並びに秒針は、互いに重なり合い、毎秒6度の角度変位で駆動することができる。
【0042】
この場合、制御部材は、有利には、全ての電気モータの同時制御、したがって、全ての針の同時変位を可能にする。
【0043】
代替的に又は追加として、集積回路17は、制御部材18に要求すると、クロノグラフ機能を実施するように構成することができる。より詳細には、集積回路17は、第1の電気モータ、第2の電気モータ及び第3の電気モータを制御して、時針15、分針16及び秒針をそれぞれ変位させるように構成され、制御部材からの要求後の最初の分の間、時針15、分針16及び秒針が全て同一線上にあり、重なり合い、時針15、分針16及び秒針を毎秒6度の変位角速度で回転させ、前記要求の61秒後から、分針16は、前記要求からの経過分数を示し、前記要求の3601秒後から、時針15は、要求からの経過時間数を示すようにする。
【0044】
また代替的に、集積回路17は、制御部材18に要求すると、第3の電気モータを制御するように構成され、秒針を毎秒360度超の変位角速度、例えば、毎秒720度又は毎秒3600度の角速度で駆動させる。したがって、秒針は、時針15及び分針16が秒を示す際、秒の小数部分を示すことができる。
【0045】
また代替的に、集積回路17は、制御部材18に要求すると、第3の電気モータを制御して秒針を変位させて文字板上の特定の場所を示すように構成され、特定の場所は、例えば、特定のマークを載せており、同一線上にあり重なり合う時針15及び分針16によって取られる機能、例えば、秒の指示又はクロノグラフ機能を指定している。
【0046】
秒針は一般に最長の針であるため、秒針がもたらす指示は、ユーザにとってかなり読みやすい。
【0047】
有利には、集積回路17は、例えば、制御部材18に対する連続的要求からの特定の遅延時間の後、又はユーザが時針15及び/若しくは分針16を所与の位置に配置した後、上述の機能の1つ又は複数を実施する、例えば、文字板上の専用の場所等を指し示すように構成することができる。
【0048】
本発明の例示的な実施形態では、制御部材18に要求すると、第1の電気モータ13及び第2の電気モータ14は、時針15及び分針16を変位させ、時針15及び分針16が同一線上にあり、互いに重なり合い、時針15及び分針16が共通位置に達するようにし、共通位置は、時針15及び分針16が初期の状態でそれぞれ占めていた位置の間の等距離に位置する。
【0049】
言い換えれば、所定の速度で回転する前に時針15及び分針16が達している共通位置は、前記時針15及び前記分針16が初期の状態にある際の位置によって形成される角度の二等分線の1つを画定する。
【0050】
代替的に、制御部材18に要求すると、第1の電気モータ13又は第2の電気モータ14はそれぞれ、時針15又は分針16が初期の状態でそれぞれが占めている位置から、もう一方の針が占める位置まで時針15又は分針16を変位させ、時針15及び分針16が同一線上にあり、互いに重なり合うようにする。
【0051】
言うまでもないが、時計10が秒針を含むケースでは、秒針は、第3の電気モータによって変位させることができ、制御部材18に要求すると、上記した共通位置又は時針15若しくは分針16の位置に対応する位置に到達させ、針が全て同一線上にあり、互いに重なり合うようにする。
【0052】
同一線上にあり、重なり合う時針15及び分針16の駆動は、所定の継続時間後、例えば、数秒後、数十秒後、又は制御部材18からの新たな要求の後、中断される。
【0053】
この場合、集積回路17は、所定の継続時間の後、又は制御部材18に再度要求すると、第1の電気モータ13及び第2の電気モータ14を制御し、時針15及び分針16をそれぞれ変位させるように構成され、時針15及び分針16がそれぞれ現在時刻の時及び分を示す最終状態を占めるようにする。
【0054】
言い換えれば、時針15及び分針16の最終状態は、時針15及び分針16が中間状態に変位していない場合の初期の状態に対応する。
【符号の説明】
【0055】
10 アナログ表示時計
12 蓄電器
13 第1の電気モータ
14 第2の電気モータ
15 時針
16 分針
17 集積回路
18 制御部材