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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】眼内レンズ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
A61F2/16
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022517178
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 KR2020011051
(87)【国際公開番号】W WO2021075697
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0130027
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522104598
【氏名又は名称】ロゼック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ギョンジン
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-036770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0107873(US,A1)
【文献】特表2010-520011(JP,A)
【文献】特開2007-089810(JP,A)
【文献】特表2018-519981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球の内部に挿入されるオプティック部を含む眼内レンズであって、
前記オプティック部は、
前記眼球の視線の外方向を向き、内面および外面を有する前膜と、
前記前膜との間に内部空間を形成し、内面および外面を有する後膜と、
前記前膜と前記後膜の縁部同士が接合された接合部と、を含み、
前記前膜の内面および外面は、中央部を含む第1領域において、球面または偏心率が0.1以下の非球面を含み、前記第1領域と前記接合部との間の第2領域において、前記接合部に向かって曲率半径が連続的に増加する非球面を含み、
前記内部空間は、前記前膜の内面と前記後膜の内面に囲まれて内部に流動性素材が充填される密閉空間であり、
前記流動性素材の屈折率は、前記前膜または前記後膜を構成する物質の屈折率以下であり、
前記前膜及び前記後膜の調節状態に応じて前記内部空間の形状が変更される、眼内レンズ。
【請求項2】
前記内部空間は、前記前膜と前記後膜の中央部に形成される空間であって、外部に向かって膨らむように形成される中心空間と、
前記前膜と後膜の周辺部に形成される空間であって、前記接合部を形成するために前記前膜と前記後膜との間隔が減少する周辺空間と、を含む、請求項1に記載の眼内レンズ。
【請求項3】
前記中心空間に対応する位置に形成される前記前膜及び前記後膜の第1領域は、
前記前膜の内面の曲率が前記前膜の外面の曲率よりも大きく、前記後膜の内面の曲率が前記後膜の外面の曲率よりも大きく、前記眼内レンズを垂直に切断した断面図における前記前膜及び前記後膜の外面が球面を含む、請求項2に記載の眼内レンズ。
【請求項4】
前記周辺空間に対応する位置に形成される前記前膜及び前記後膜の第2領域は、
前記前膜の内面の曲率が前記前膜の外面の曲率と同じかそれより大きく、前記後膜の内面の曲率が前記後膜の外面の曲率と同じかそれより大きく、前記眼内レンズを垂直に切断した断面図における前記前膜及び後膜の内面が非球面である、請求項3に記載の眼内レンズ。
【請求項5】
前記前膜は、
前記眼内レンズを垂直に切断した垂直断面図において、
外面が外方に膨らんだ曲線を形成し、前記曲線は、前記第1領域で第1曲率半径Rを有する球面を含み、前記第2領域で前記第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面で形成される、請求項4に記載の眼内レンズ。
【請求項6】
前記第1曲率半径(R)よりも大きい曲率半径を有する非球面は、接合部側に行くほど曲率半径が連続的に増加する、請求項5に記載の眼内レンズ。
【請求項7】
前記接合部と前記第2領域との境界で、
前記前膜の内面の曲率は、前記前膜の外面の曲率の1倍~1.05倍であり、前記後膜の内面の曲率は、前記後膜の外面の曲率の1倍~1.05倍である、請求項6に記載の眼内レンズ。
【請求項8】
前記接合部は一体に形成される、請求項7に記載の眼内レンズ。
【請求項9】
前記接合部は、前記前膜と前記後膜とが延びて接着される、請求項7に記載の眼内レンズ。
【請求項10】
前記オプティック部の周面に設けられる1つ以上のハプティック部をさらに含む、請求項8又は9に記載の眼内レンズ。
【請求項11】
前記ハプティック部は、眼球内に設けられて固定されるコネクタ又は支持体に連結されるための連結手段をさらに備える、請求項10に記載の眼内レンズ。
【請求項12】
前記連結手段は、前記コネクタ又は支持体に設けられる雌型溝と、前記ハプティック部の端部に設けられた雄型突部である、請求項11に記載の眼内レンズ。
【請求項13】
前記内部空間の体積は前記オプティック部の5vol%~50vol%である、請求項12に記載の眼内レンズ。
【請求項14】
前記前膜及び前記後膜は、屈折率1.336以上の素材からなり、好ましくは屈折率1.45以上の素材からなる、請求項13に記載の眼内レンズ。
【請求項15】
前記流動性素材は、屈折率が1.336以上、好ましくは1.4以上である、請求項14に記載の眼内レンズ。
【請求項16】
前記前膜及び前記後膜の素材は、シリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマー(Silicone elastomer)、シリコーンポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、マイクロプレックスPMMA(Microplex PMMA)、アクリル樹脂(Acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、嫌水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(Butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane)、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、CAB(cellulose acetate butylate)、NVP(n-vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PEGMMA(polyethyleneh glycol methyl methacrylate)、及びシリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)のうちの少なくとも1種を含む、請求項15に記載の眼内レンズ。
【請求項17】
前記流動性素材は、シリコーン溶液(Silicon fluid)、シリコーン硬度10以下の物質又はMMA(Methyl methacrylate)を含む素材からなる、請求項16に記載の眼内レンズ。
【請求項18】
前記ハプティック部を2つ以上含むことで単一軸方向に形態変形することができるため、乱視矯正が可能である、請求項17に記載の眼内レンズ。
【請求項19】
オプティック部及びハプティック部を含む眼内レンズ中間体を製造する中間体製造ステップと、
前記オプティック部の中央部に内部空間を形成する内部空間形成ステップと、
前記内部空間に、前記眼内レンズ中間体を構成する物質の屈折率以下の屈折率を有する流動性素材を注入する注入ステップと、を含み、
前記オプティック部は、
眼球の視線の外方向を向き、内面および外面を有する前膜と、
前記前膜との間に内部空間を形成し、内面および外面を有する後膜と、
前記前膜と前記後膜の縁部同士が接合された接合部と、を含み、
前記前膜の内面および外面は、中央部を含む第1領域において、球面または偏心率が0.1以下の非球面を含み、前記第1領域と前記接合部との間の第2領域において、前記接合部に向かって曲率半径が連続的に増加する非球面を含み、
前記内部空間は、前記前膜の内面と前記後膜の内面に囲まれて内部に流動性素材が充填される密閉空間であり、前記前膜及び前記後膜の調節状態に応じて前記内部空間の形状が変更される、眼内レンズの製造方法。
【請求項20】
前記内部空間形成ステップは、前記内部空間の加工又は成形にレーザーが使用されるステップである、請求項19に記載の眼内レンズの製造方法。
【請求項21】
前記内部空間形成ステップは、前記内部空間が、前記前膜と後膜の中央部に形成される空間であって、外方に向かって膨らむように形成される中心空間と、前記前膜と後膜の周辺部に形成されて前記前膜と前記後膜との間隔が減少する周辺空間を形成し、
前記前膜は、前記中心空間に対応する第1領域で第1曲率半径(R)を有する球面を含み、前記周辺空間に対応する第2領域で前記第1曲率半径(R)よりも大きい曲率半径を有する非球面を含む、請求項20に記載の眼内レンズの製造方法。
【請求項22】
前記内部空間形成ステップで、前記内部空間は前記オプティック部の5vol%~50vol%で形成される、請求項21に記載の眼内レンズの製造方法。
【請求項23】
前記注入ステップの後、使用した注入手段を除去し、前記注入手段が残したトラックを処理する仕上げステップをさらに含む、請求項22に記載の眼内レンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、水晶体嚢(capsular sac)内に備えられる眼内レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
白内障のように水晶体に異常がある眼科的疾患の治療方法として、水晶体嚢(capsular sac)の内部にある水晶体(lens)内容物を除去し、その空間に、人工で製造した眼内レンズ(intraocular lens)を挿入する手術が、現在世界中で多く施行されている。
【0003】
眼内レンズを挿入する場合、眼内レンズは、天然水晶体に代えて患者に混濁のない視野を提供することができる。従来の眼内レンズ挿入手術の問題点は、手術後に水晶体嚢の前嚢と後嚢とが互いにくっ付いてしまい、チン小帯(Zonule of Zinn)の弛緩と収縮を伝達して水晶体の厚さを調節する本来の機能を喪失することである。
【0004】
つまり、手術後、患者の目は、見ようとする物体に応じて能動的な三次元的運動をして視野を確保するのではなく、眼内レンズで決まる度数による受動的な視野を確保するという問題点を持つ。
【0005】
かかる問題点を改善した調節性眼内レンズは、レンズの厚さ調節が可能であるものの、その変化程度が小さくて視力矯正効果が大きくなく、チン小帯の運動のうち二次元的運動のみを反映して調節力の範囲も狭いため、眼球自体の調節力に劣る45歳以上の患者のみに適用可能であるという限界点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ハプティック部から伝達された3次元の複合運動をレンズの屈折力の変化に転換させることができ、調節力が向上した眼内レンズを提供することにある。
【0007】
本発明は、一実施形態として、内部空間の流体がオプティック部の外部に連結されず、流圧を加えてオプティック部の厚さを調節する方式ではなく、別途のオプティック部厚さ調節手段を備えない新たな原理の眼内レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による眼内レンズは、眼球の内部に挿入されるオプティック部を含む眼内レンズであって、
前記オプティック部は、
前記眼球の視線の外方向を向く前膜と、
前記前膜との間に内部空間を形成する後膜と、
前記前膜と前記後膜の縁部同士が接合された接合部と、を含み、
前記前膜及び前記後膜は、所定の厚さで設けられ、それぞれ内面と外面を有し、
前記内部空間は、前記前膜の内面と前記後膜の内面に囲まれて内部に流動性素材が充填される密閉空間であり、前記前膜及び前記後膜の調節状態に応じて前記内部空間の形状が変更され、
前記内部空間は、前記前膜と前記後膜の中央部に形成される空間であって、外部に向かって膨らむように形成される中心空間と、
前記前膜と後膜の周辺部に形成される空間であって、接合部を形成するために前記前膜と前記後膜との間隔が減少する周辺空間と、を含むことができる。
【0009】
また、前記中心空間に対応する位置に形成される前記前膜及び前記後膜の第1領域は、
前記前膜の内面の曲率が前記前膜の外面の曲率よりも大きく、前記後膜の内面の曲率が前記後膜の外面の曲率よりも大きく、前記眼内レンズを垂直に切断した断面図における前記前膜及び前記後膜の外面が球面を含むことが良く、
前記周辺空間に対応する位置に形成される前記前膜及び前記後膜の第2領域は、
前記前膜の内面の曲率が前記前膜の外面の曲率と同じかそれより大きく、前記後膜の内面の曲率が前記後膜の外面の曲率と同じかそれより大きく、前記眼内レンズを垂直に切断した断面図における前記前膜及び後膜の内面が非球面であることが良く、
前記前膜は、
前記眼内レンズを垂直に切断した垂直断面図において、
外面が外方に膨らんだ曲線を形成し、前記曲線は、前記第1領域で第1曲率半径Rを有する球面を含み、前記第2領域で前記第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面で形成されることが好ましく、
前記第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面は、接合部側に行くほど曲率半径が連続的に増加することが好ましい。
【0010】
このとき、前記接合部と前記第2領域との境界で、
前記前膜の内面の曲率は、前記前膜の外面の曲率の1倍~1.05倍であり、前記後膜の内面の曲率は、前記後膜の外面の曲率の1倍~1.05倍であることができ、
前記接合部は、一体に形成されてもよく、前記接合部は、前記前膜及び前記後膜が延びて接着されてもよい。
【0011】
また、前記オプティック部の周面に設けられる1つ以上のハプティック部をさらに含む眼内レンズにおいて、前記ハプティック部は、眼球内に設けられて固定されるコネクタ又は支持体に連結されるための連結手段をさらに備えることができる。
【0012】
また、前記連結手段は、前記コネクタ又は支持体に設けられる雌型溝と、前記ハプティック部の端部に設けられる雄型突部であることができ、
前記内部空間の体積は、前記オプティック部の5vol%~50vol%であることがよく、
前記前膜及び前記後膜は、屈折率1.336以上の素材からなり、好ましくは屈折率1.45以上の素材からなることがよく、
前記流動性素材は、屈折率が1.336以上、好ましくは1.4以上であることがよい。
【0013】
また、前記前膜及び前記後膜の素材は、シリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマー(Silicone elastomer)、シリコーンポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、マイクロプレックスPMMA(Microplex PMMA)、アクリル樹脂(Acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、嫌水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(Butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane)、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、CAB(cellulose acetate butylate)、NVP(n-vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PEGMMA(polyethylen glycol methyl methacrylate)、及びシリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)のうちの少なくとも1種を含むことができ、
前記流動性素材は、シリコーン溶液(Silicon fluid)、シリコーン硬度10以下の物質又はMMA(Methyl methacrylate)を含む素材からなることができ、
前記ハプティック部を2つ以上含むことで単一軸方向に形態変形することができるため、乱視矯正が可能である。
【0014】
本発明の他の態様は、オプティック部及びハプティック部を含む眼内レンズ中間体を製造する中間体製造ステップと、
前記オプティック部の中央部に内部空間を形成する内部空間形成ステップと、
前記内部空間に流動性素材を注入する注入ステップと、を含む、眼内レンズの製造方法であり、
前記オプティック部は、眼球の視線の外方向を向く前膜と、
前記前膜との間に内部空間を形成する後膜と、
前記前膜と前記後膜の縁部同士が接合された接合部と、を含み、
前記前膜及び前記後膜は、所定の厚さで設けられ、それぞれ内面と外面を有し、
前記内部空間は、前記前膜の内面と前記後膜の内面に囲まれて内部に流動性素材が充填される密閉空間であり、前記前膜及び前記後膜の調節状態に応じて前記内部空間の形状が変更され、
前記内部空間形成ステップは、前記内部空間の加工又は成形にレーザーが使用されるステップであることが好ましい。
【0015】
また、前記内部空間形成ステップは、前記内部空間が前記前膜と後膜の中央部に形成される空間であって、外方に向かって膨らむように形成される中心空間と、前記前膜と後膜の周辺部に形成されて前記前膜と前記後膜との間隔が減少する周辺空間を形成し、
前記前膜は、前記中心空間に対応する第1領域で第1曲率半径Rを有する球面を含み、前記周辺空間に対応する第2領域で前記第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面を含むことができ、
前記内部空間形成ステップで、前記内部空間は、前記オプティック部の5vol%~50vol%で形成されることができ、
前記注入ステップの後、使用した注入手段を除去し、前記注入手段が残したトラックを処理する仕上げステップをさらに含むことが良い。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明の一実施形態による眼内レンズは、毛様体筋から発生してチン小帯及び水晶体嚢を介して伝達される複合運動によってオプティック部の形状の調節能力向上効果を提供する。
【0017】
本発明の一実施形態による眼内レンズの前膜と後膜の内面は、オプティック部の中央で外面よりも大きい曲率を有する形態を含むことにより、オプティック部の中央で外面が内面よりも大きい曲率を有する形態の場合よりも形態変形能力に優れるため、追加の調節力を得ることができる。
【0018】
また、内部空間の流体は、複雑な移動を必要としないため、別途の連結部の構成が含まれないことができるので、眼内レンズの耐久性が良くなるという効果がある。
【0019】
本発明の好適な一実施形態による眼内レンズを支持体及び連結手段と結合して眼内レンズ組立体として使用する場合、眼内レンズ支持体が外周面でチン小帯の複合運動を伝達し、眼内レンズは、連結手段を介して複合運動から屈折力の変化を生み出す。
【0020】
チン小帯のX軸、Y軸及びZ軸方向への運動まで含むねじれなどの複合運動は、ハプティック部を介して眼内レンズに正確に伝達されて微細な屈折力の差を生み出し、結果として眼内レンズの機能が向上する効果があり、連結手段の数と方向を調節して乱視を矯正する効果を得ることができる。
【0021】
本発明の一実施形態による眼内レンズは、大きな範囲の調節力を提供するので、眼球自体の調節力に劣る高齢の患者に限定されず、全年齢を対象とする視力矯正術に使用できるため、技術の適用範囲が拡張されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ヒトの眼球を示す断面図である。
図2】天然水晶体の構造を説明する断面図である。
図3】本発明の一実施形態による眼内レンズの断面図である。
図4】本発明の一実施形態による眼内レンズが支持体及び連結手段と結合して水晶体嚢に挿入された状態の断面図である。
図5】本発明の一実施形態による眼内レンズが支持体及び連結手段と結合して水晶体嚢に挿入された状態の断面図である。
図6】本発明の他の実施形態による眼内レンズが支持体及び連結手段と結合して水晶体嚢に挿入された状態の断面図である。
図7】近距離を注視する場合のチン小帯、水晶体の相互作用及び運動状態を示す状態図である。
図8】遠距離を注視する場合のチン小帯、水晶体の相互作用及び運動状態を示す状態図である。
図9】眼内レンズの連結手段を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、1)添付図面に示されている形状、大きさ、比率、角度、個数などは、概略的なものであって、多少変更できる。2)図面は、観察者の視線で図示されるため、図面を説明する方向や位置は観察者の位置に応じて多様に変更できる。3)図面番号が異なっても、同一の部分に対しては同一の符号が使用できる。
【0024】
4)「含む、有する、からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加できる。5)単数で説明される場合、多数とも解釈できる。6)形状、大きさの比較、位置関係などが「約、実質的」などで説明されなくても、通常の誤差範囲が含まれるように解釈される。
【0025】
7)「~後、~前、次いで、後続して、この時」などの用語が使用されても、時間的位置を限定する意味では使用されない。8)「第1、第2、第3」などの用語は、単に区分の便宜のために選択的、交換的又は反復的に使用され、限定的な意味で解釈されない。
【0026】
9)「~上に、~上部に、~下部に、~の横に、~側面に、~間に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「直ちに」が使用されない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0027】
10)部分が「~又は」で電気的に接続される場合は、部分単独だけでなく、組み合わせも含まれるように解釈されるが、「~又は、~のうちの1つ」で電気的に接続される場合は、部分単独のみと解釈される。
【0028】
11)調節状態とは、調節性眼内レンズが屈折力を調節するために持つ他の形態を意味するもので、近所を見るときに屈折力が大きくなった形態を圧縮状態或いは調節性状態といい、遠所を見るときに屈折力が小さくなった形態を非圧縮状態或いは非調節性状態という。眼球に挿入される前の眼内レンズは、非圧縮状態或いは非調節性状態に近い。本明細書において、眼内レンズの形状を示すか或いは描写する内容は、非圧縮状態或いは非調節性状態に基づいて状況に合わせて解釈される。
【0029】
12)ジオプターとは、レンズや湾曲型ミラーの屈折力を測定する単位であって、メーターで特定された焦点距離の逆数と同一である。視力及びレンズの度数表記に主に使用され、一般にレンズの材質と相対的な屈折率によって異なるが、空気中で凸レンズの場合は陽(+)の値、凹レンズの場合は陰(-)の値を有する。
【0030】
13)オプティックとは、眼内レンズで光学的機能を行う部分であって、水晶体のように目に入る光を集めて網膜に像を結ばせる役割を果たす部分である。
【0031】
14)ハプティック部とは、一般的に眼内レンズでオプティック部が安定して機能することができるように、水晶体嚢の内部にオプティック部を固定して移動及びチルト(tilting)を防止するなどの役割を果たす部分である。本明細書では、眼内レンズがコネクタ又は支持体に結合される場合、コネクタ又は支持体に結合される連結手段をさらに含む構造を持つ意味で解釈される。
【0032】
15)「非球面」という用語が使用される場合、物体のいずれかの面における球面及び平面でない曲面を意味するものであって、曲面の曲率程度を計算するときに使用される曲率半径が一定でない面を含む形態を意味する。非球面において曲率半径が増加する形状は、放物線及び双曲線、楕円の一部のように球面ではなく、各区間に該当する曲率半径が曲線の弧に沿って進むにつれて増加する形態を意味する。
【0033】
16)第1曲率半径Rという用語が使用される場合、これは、特定の曲率半径値としての定数を意味するものではなく、ある曲面の曲率半径のうちの一つの適切な値を意味する概念で解釈される。
【0034】
17)主経線とは、乱視の軸を決定する方向の経線を意味し、経線とは、角膜前面中央の前極と眼球背面中心の後極とを結ぶ眼球外表面の線を意味する。
【0035】
図1はヒトの眼球の断面図である。眼内レンズは、水晶体嚢8の内部に挿入される人工水晶体レンズであって、瞳孔の後方に位置する天然水晶体5のレンズの役割を果たす部分であって、主に凸レンズの形状を有する。
【0036】
図2はヒトの水晶体の断面図である。天然水晶体は、中央部で前面5aが後面5bよりも曲率が小さい形状を有する。
【0037】
図3は本発明の一実施形態による眼内レンズの断面図である。眼内レンズ30は、瞳孔の後方に位置するオプティック部31と、オプティック部31から放射状に突出して連結手段などに固定されるハプティック部32とから構成される。オプティック部31は、前膜34、後膜35及び内部空間36を含む。前膜と後膜は、オプティック部の赤道又は赤道面を基準に区分される。前膜34と後膜35とは、オプティック部31の周面又は周辺部で出会い、直接連結されてもよく、他の部材又は接着素材で連結されてもよい。前膜34と後膜35とは、同一の材料で構成されて一体になることが好ましい。
【0038】
オプティック部31は、入ってくる光を集めて像が結ばれるようにして、実際の水晶体と類似の機能を行う部分である。ハプティック部32は、オプティック部の周辺部に位置してオプティック部31を支持、固定する手段であり、好ましくは、連結手段に結合される部分を提供し、水晶体嚢の運動をオプティック部31に伝達する機能を行うことができる。
【0039】
内部空間36は、前膜34と後膜35との間に位置する密閉空間である。オプティック部の定められた半径以内に存在して、内部空間36に存在する物質の移動は、制限的である。
【0040】
前膜34は、眼内レンズの挿入の際にオプティック部の視軸方向(Y方向)に位置して眼球の内部に挿入されて眼球の視線の外方向に向かい、屈折率1.336以上の素材からなることができ、好ましくは1.40以上、さらに好ましくは1.45以上の素材からなることができる。
【0041】
前膜34は、中央では薄く、赤道部側に行くほど厚さが厚くなるか維持される形状であり得る。前膜34は、中央を含む一部の領域で陰のジオプター値を持つことができる。また、前膜の内面は、前膜の外面よりも大きい曲率を有する領域を含む。
【0042】
後膜35は、眼内レンズの挿入時にオプティック部の視軸方向(Y方向)の反対方向に位置する。後膜35は、屈折率1.336以上の素材からなることができ、好ましくは1.40以上、さらに好ましくは1.45以上の素材からなることができ、前膜34と同様の素材から選択されて一体に製造されることができる。前膜34又は後膜35の素材としては、シリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマー(Silicone elastomer)、シリコーンポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、マイクロプレックスPMMA(Microplex PMMA)、アクリル樹脂(Acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、嫌水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(Butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane)、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、CAB(cellulose acetate butylate)、NVP(n-vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PEGMMA(polyethylen glycol methyl methacrylate)、及びシリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)のうちの少なくとも1種が使用できる。
【0043】
後膜34は、中央を含む一部の領域で陰のジオプター値を持つことができる。また、後膜の内面は、後膜の外面よりも大きい曲率を有する領域を含む。後膜35は、内面と外面との曲率差により、中央では薄く、赤道部側に行くほど厚さが厚くなるか維持される形状であり得る。
【0044】
内部空間36は、前膜34と後膜35の内面に囲まれた密閉空間である。本発明の一実施形態において、内部空間の形状は、前膜34の内面と後膜35の内面とがなす形状と一致し、形態が変化しても、外部との流体の流れを伴わず、体積は維持できる。内部空間36は、流動性素材で充填されるが、流動性素材は、前膜34又は後膜35の素材と同じかそれより小さい屈折率を有することができ、前膜及び後膜の素材と同じ屈折率を有する素材であることが好ましい。
【0045】
前膜34を構成する素材の屈折率をA、後膜35を構成する素材の屈折率をB、内部空間36を充填する流動性素材の屈折率をCとしたとき、CはA、Bのうち大きくない値と同じかそれより小さい。好ましくは、AとBは同じ値を有し、Cはそれと同じかそれより小さくてもよい。
【0046】
内部空間36は、中央では厚く、赤道部側に行くほど厚さが薄くなるか維持される形状を含み、他の形状であっても、全体オプティック部31が本発明の効果と同じ効果を持つようにする形状を含む。前膜34、後膜35及び内部空間36の素材の屈折率が全て同一である場合には、非調節性状態での屈折率が内部空間の形態に制限されないことができる。内部空間36は、眼内レンズ30の中央で陽(+)のジオプター値を持つ。
【0047】
内部空間36は、屈折率1.336以上の素材からなることができ、好ましくは1.4以上であることがよい。内部空間36は、シリコーン溶液(Silicon fluid)、シリコーン硬度10以下の物質、又はMMA(Methyl methacrylate)を含む素材からなることができる。ヒアルロン酸ナトリウム(Sodium hyaluronate)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methyl cellulose)、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)などがさらに含まれることができる。
【0048】
前膜の外面は、前膜34の外側である視野方向又は視軸方向面であって、中心軸に対して対称であり、視野方向に膨らんだ屈曲形態を含み、球面を含む形態を有する。前膜の外面は、非調節性状態で図2に示された実際水晶体の形状に対応する曲面5aと類似な球面、又は様々な曲率を有する非球面を含むことができる。
【0049】
前膜の内面は、後膜35に近い側の面であって、中心軸に対して対称であり、視野方向に膨らんだ屈曲形態を含み、非調節性状態で球面を含む。前膜34の内面曲率は、前膜中央部から眼内レンズの赤道部側に行くほど減少又は維持されることができる。
【0050】
後膜35の外面は、視野方向の反対方向に膨らんだ屈曲を含み、外面は、中心軸に対して対称であり、非調節性状態で球面及び非球面を含む。後膜35の外面は、前膜34の外面と対称であり、前膜34の外面よりも大きい曲率を有する球面を含むことができる。後膜35の外面は、前膜34の外面と非対称な曲面、又は実際水晶体の形状に対応する曲面5bと類似な曲面であり得る。
【0051】
後膜35の内面は、前膜34に近い側の面であって、中心軸に対して対称であり、視野方向(Y方向)の反対方向に膨らんだ屈曲形態を含み、非調節性状態で球面を含む。後膜35の内面曲率は、後膜中央部から赤道部側に行くほど減少又は維持されることができ、前膜34の内面と対称であり得る。
【0052】
内部空間36は、オプティック部の体積の5vol%~50vol%を占めることが好ましい。内部空間36の体積が5vol%より小さい場合には、内部空間36の厚さがあまり薄くなって形態変形が起こり難いため、追加の屈折力を得ることが難しい。内部空間36の体積が50vol%よりも大きい場合には、前膜34及び後膜35の厚さがあまり薄くなり、オプティック部全体の屈折率が低くなることができる。
【0053】
内部空間36が占める体積比率は、前膜34、後膜35の素材と屈折率によって異なるように決定されることができる。内部空間36が占める体積比率は、流動性素材の屈折率によって異なるように決定されることができる。また、内部空間36が占める体積比率は、患者の調節力又は所望の矯正視力を含む様々な条件によって異なるように決定されることができる。また、各内面及び外面の曲率は、方向が変わらず、オプティック部全体で一定のジオプター値を得るために調節される。
【0054】
以下では、オプティック部31を複数の領域に分けて説明する。
第1領域41は、オプティック部の中央部を含む領域であって、前膜34及び後膜35の内面と前膜及び後膜の外面とが、球面又は球面に近い非球面をなす領域である。第1領域41の前膜34及び後膜35の曲面の偏心率(Eccentricity)は、0.1以下であり、好ましくは0.05以下である。第1領域41は、第1曲率半径Rを有する球面を含むことができる。
【0055】
第2領域42は、オプティック部31の中央部の周辺に存在する領域であり、内部空間36の最大直径領域まで含む領域の前膜34及び後膜35を含む。第2領域42の前膜及び後膜の内面と前膜及び後膜の外面の曲面は、接合部39に行くほど曲率半径が増加する非球面を含む。第2領域42の前膜及び後膜の内面と前膜及び後膜の外面の曲面は、接合部39に行くほど曲率の減少率が大きくなる非球面を含むことができる。第2領域42の前膜及び後膜の内面と前膜及び後膜の外面の曲面は、隣接する第1領域41又は接合部39の球面又は非球面と連続的な曲面をなして延在する。
【0056】
接合部と第2領域との境界で前膜の内面が持つ曲率は、接合部と第2領域との境界で前膜の外面が持つ曲率の1倍~1.05倍であり、接合部と第2領域との境界で後膜の内面が持つ曲率は、接合部と第2領域との境界で後膜の外面が持つ曲率の1倍~1.05倍であり、好ましくは、対応する内面と外面の曲率は互いに同じであることが良い。
【0057】
本発明の一実施形態は、前膜と後膜が対称的に構成される眼内レンズである。前膜の内面は、中央で最も曲率が大きく、第2領域と接合部との境界で最も曲率が小さい。前膜の内面の曲率は、中央から接合部側に行くほど連続的に増加するが、曲率の変化率は一定でなく、中央から近いほど変化率が小さく、接合部に近づくほど変化率が大きくなる傾向性を持つ。これにより、第1領域における前膜の内面の曲率の変化量は、第2領域における前膜の内面の曲率の変化量よりも小さく、好ましくは第1領域における曲率の変化量が第2領域における曲率の変化量の0.3倍~0.5倍以内であり得る。前膜の外面の曲率は、中央から接合部側に行くほど連続的に増加し、第2領域と接合部との境界における曲率は、対応する位置で前膜の内面の曲率の1倍~0.95倍であり、好ましくは同一であり得る。前膜の外面は、接合部に延びながら、第2領域と接合部との境界における曲率が維持されるのがよい。
【0058】
第2領域42の前膜及び後膜の内面と前膜及び後膜の外面の曲面の偏心率は、0.1以上であってもよく、0.05以上であってもよい。第2領域42では、第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面を含む。また、第2領域42は、内部空間36の形態によっては存在しなくてもよい。
【0059】
第1領域41及び第2領域42には、オプティック部の内部空間36が存在する領域に対応する前面及び後面が含まれる。第1領域41と第2領域42における前膜34及び後膜35の外面は、内面よりも小さい曲率を含むことで陰(-)のジオプター値を持つことを可能にする。
【0060】
このような内面と外面との曲率差は、中央を含む領域で前膜34及び後膜35が陰(-)のジオプターを持つようにし、調節状態で形態変化を促進して追加の調節力を得るようにする。前膜34と後膜35の内面における曲率の方向は変わらず、曲率の大きさだけ変化して、外側に向かって膨らんだ曲面形状を有する。追加の調節力は、外面と内面の曲率の差によって変わり、これを調節して所望の度数と調節力を有する眼内レンズを得ることができる。前膜34と後膜35の内面における曲率の方向が変わる場合、前膜と後膜をなす素材の高い屈折率により曲率の方向が変わってなされる区間でのレンズの度数であるジオプター値が自然に続かないことがある。
【0061】
接合部39は、第2領域42の外側に位置する周辺領域であり、前膜34及び後膜35が延びて一体をなすか或いは接合され、内部空間36が存在しない領域である。接合部39の外面は球面を含む。接合部39の末端では、非球面を含むか或いは曲面の曲率方向が変わり得る。
【0062】
オプティック部31は、第1領域41、第2領域42及び接合部39で全体的に一定のジオプター値を持つように実施でき、第1領域41及び第2領域42で一定のジオプター値を持ち、接合部39で低いジオプター値を持つように実施できる。
【0063】
内部空間36は、前膜34及び後膜35の内面によって形成される密閉空間であり、中央部を含み、前方及び後方に膨らんだ曲面を含む中心空間37と、中央部の周辺に位置し、前膜34と後膜35との間隔が減少する周辺空間38と、を含む。
【0064】
中心空間37は、前膜34及び後膜35の第1領域41と互いに対応する領域であって、前方及び後方に外部に向かって膨らんだ曲面を有し、前膜34及び後膜35の周辺空間38側に行くほど厚くなる形態によって追加の調節力を有する。中心空間37は、球面を一部の領域で含む曲面形態を有する。
【0065】
周辺空間38は、前膜34及び後膜35の第2領域42と互いに対応する領域であって、それぞれ前方及び後方に膨らんだ曲面を含み、前膜34及び後膜35の周辺部に形成され、前膜と後膜とが出会う接合部39を形成するために、前膜34と後膜35との間隔が減少する空間である。周辺空間38は、内部空間36の形態によっては存在しなくてもよい。
【0066】
接合部39は、前膜34と後膜35とが接合されるか或いは一体に形成される部分を意味し、内部空間36及び内面が存在しない領域である。接合部39に対応する前膜34と後膜35は外面のみを有する。接合部39は、前膜及び後膜の素材に適した接着剤によって形成できる。
【0067】
図3に示すように、本発明の一実施形態は、最大直径3.6mmの内部空間36を持つため、直径2.4mm以下の区間が第1領域41であり、直径2.4mm~3.6mmの第2領域42を有する。前膜34の外面及び内面は、中央から直径2.4mmの区間で球面を形成し、直径2.4mm~3.6mmの区間で非球面の程度が増加する非球面を形成し、外側に行くほど曲率が小さくなる。前膜34の外面は、直径3.6mm以上の区間で球面を含む。第2領域42は、第1領域41の球面領域と接合部39の球面領域とを連結し、両領域の曲率が連続的に変わる。
【0068】
図4は本発明の他の実施形態による眼内レンズの断面図である。眼球レンズの前膜34及び後膜35の各面の曲率半径がmm単位で図面に表示された。第1領域41の中央における、前膜の外面の曲率半径は4.5mmであり、前膜の内面の曲率半径は3.6mmである。第1領域41の中央における、後膜の外面の曲率半径は3.75mmであり、後膜の内面の曲率半径は3.0mmである。
前膜34と後膜35の両方で共通に内面の曲率半径が外面よりも小さいため、曲面の曲率は内面でより大きい。前膜34と後膜35との関係では、後膜における曲率半径がより小さくて曲率が大きい。
さらに、曲率半径の数値による球面曲面の一部が図4の断面図の下部に示された。
【0069】
図5は本発明の別の実施形態による眼内レンズの断面図である。第1領域41の中央における、前膜の外面の曲率半径は3.79mmであり、前膜の内面の曲率半径は3.13mmである。第1領域41の中央における、後膜の外面の曲率半径は3.16mmであり、後膜の内面の曲率半径は2.61mmである。
さらに、本実施形態の曲率半径の数値による球面曲面の一部が図5の断面図の下部に示された。
【0070】
図6は本発明の他の実施形態である。第1領域41は直径3.0mm以下の領域であり、接合部は直径3.0mm~5.0mm以下の領域である。第1領域41の中央における、前膜の外面の曲率半径は3.24mmであり、前膜の内面の曲率半径は3.43mmである。第1領域41の中央における、後膜の外面の曲率半径は3.53であり、後膜の内面の曲率半径は2.9mmである。
【0071】
眼内レンズは、最大直径3.0mmの内部空間を持つため、直径3.0mm以下の区間が第1領域41であり、第2領域を含まない。前膜34の外面及び内面は、中央から直径3.0mmの区間で球面又は球面に近い非球面を形成し、前膜34の外面は、直径3.0mm~5.0mmの区間で球面又は非球面を含む。
【0072】
第2領域42における前膜の内面又は後膜の内面は、中央から離れるほど曲率の減少幅が大きくなることが好ましい。例えば、第2領域42の外側の端から第2領域42の中間までの曲率の変化量は、第2領域42の中央側の端から第2領域42の中間までの曲率の変化量の3倍以上であってもよい。
【0073】
本発明の一実施形態は、眼内レンズにおいて中心空間37、周辺空間38及び接合部39が持つ幅の関係を定める。
中心空間37の半径をx(mm)とし、中心軸を含む平面に切った断面における周辺空間38、接合部39の幅をそれぞれy、z(mm)とするとき、x、y、zは、下記式を満足することが好ましい。

【0074】
一実施形態において、x=1.2、y=0.6、z=1.0であるため、上記の数式に代入すると、左辺の値は0.6*1.0であるので0.6、右辺の値は1.6+0.3-1.2であるので0.7となり、不等式が成立する。周辺空間が存在しない一実施形態の場合は、x=1.5、y=0、z=1.0であるので、左辺の値は0、右辺の値は0.1となり、不等式が成立する。
【0075】
ハプティック部32は、オプティック部31の周面から外方に突出する構造を含む。ハプティック部の形態は限定されない。ハプティック部は、オプティック部の周面から外方に向かう放射状であってもよく、1つ又は2つ以上の突出構造を含んでもよく、ディスク、リング、チューブ又はトーラス(torus)の形態であってもよい。好ましくは、120度の間隔で3つの構造が形成できる。
【0076】
ハプティック部が3つ以下である場合、眼内レンズの挿入時に連結手段への結合が容易である。ハプティック部が4つ以上である場合でも、ハプティック部間の間隔が一定にならないように配列される場合に挿入が容易になることができる。
【0077】
ハプティック部が2つ又は3つ以上であっても、オプティック部の中心を通る1つの軸線に沿ってオプティック部に力を伝達することができるように配置される場合には、伝達される力によって、オプティック部が、1つの軸を短軸とする楕円形又はラグビーボールの形態に変形して最大屈折力の主経線が形成できるため、乱視に対する矯正効果を得ることができる。
【0078】
2つのハプティック部は、眼球への挿入時に水平方向に配置されることができるため、水晶体嚢の調節力を眼内レンズに1つの軸方向に伝達して非対称な形態変形を誘発する。ハプティック部が4つ以上であっても、それぞれのハプティック部がなす距離が一定に配置されず、水平方向に偏向して配置されることができ、この場合、ハプティック部が2つである場合と同様に、非対称な形態変化を誘導することができるため、乱視矯正効果を得ることができる。
【0079】
また、ハプティック部32の端は、眼内に備えられる眼内レンズ支持体又はコネクタに結合されて眼内レンズを固定、支持し、水晶体嚢の運動の伝達を受けることができる。このとき、連結手段によって連結でき、連結手段の方式及び形態は限定されない。
【0080】
本発明の一実施形態は、ハプティック部32の端又は一部が雄型突部を有し、雄型突部に嵌合される雌型溝を有するコネクタと支持体とが結合される。
【0081】
(実施例)
本発明の他の実施形態は、ハプティック部32の端が1つ以上の溝を備え、コネクタ又は支持体はハプティック部の溝と結合可能な形状を有する連結手段を備える。
【0082】
連結手段が形成されると、チン小帯の運動を伝達する力が支持台とハプティック部32を介して眼内レンズ30にさらに効果的に伝達されることができる。
【0083】
ハプティック部32は、オプティック部31の周辺部から突出した長さよりも突出する幅が大きく形成されることが好ましい。突出した長さよりも突出する幅が小さい場合、3軸方向に作用するねじれなどの力が上手く伝達できないため、突出する長さよりも幅が大きく形成されることは、運動伝達性能の向上において重要な要素である。また、ハプティック部32は、突出するほどその幅が増加することが好ましい。
【0084】
図9は本発明の一実施形態による連結手段を示す透視図である。ハプティック部32の端には連結手段として固定部33が設けられる。一実施形態において、固定部33は、突出する端に複数の凹部と凸部とが順次設けられる。固定部の中央には、凹部33aを基準として両側に凸部33bが設けられる。凸部33bと接触する両側面部33cは、曲面形状をなす。固定部33は、コネクタ50の溝に嵌め込まれて固定され、オプティック部31及びハプティック部32を支持する。
【0085】
図9には示されていないが、側面部33cにも凹部と凸部が形成できる。凹部と凸部を有する固定部33がハプティック部32の端に設けられることにより、コネクタ50の連結手段に結合されてX軸、Y軸だけでなく、Z軸にも作用する力を伝達する運動伝達能力が向上する。
【0086】
つまり、凹部33a及び凸部33bが設けられていない場合には、滑り等が発生して力の損失があり得るが、凹部及び凸部が設けられることにより、滑りを防止して運動伝達能力を向上させる。
【0087】
以下、上述したように構成された本発明の好適な一実施形態による眼内レンズが用いられる過程について説明する。
【0088】
本発明の一実施形態による眼内レンズが眼内支持体と連結手段によって結合されて組立体として使用されるとき、近距離を注視した場合、各構成の状態は、次のとおりである。
【0089】
図7に示されているように、遠距離を注視するとき、水晶体嚢8の第1小帯7aはぴんと張り、第2小帯7bは緩む。これにより、水晶体嚢8の赤道部がX方向に伸びる力を受け、水晶体嚢8の内部に位置した弾性を持つ眼内レンズ30も同じ方向に伸びるため、その厚さが薄くなったり位置が移動したりする。
【0090】
このとき、チン小帯7によって加えられる力は、X軸の一方向にのみ作用するのではなく、実質的にX、Y、Z三軸方向のベクトルが組み合わせられた複合運動をなす。
【0091】
図8に示されているように、近距離を注視するとき、水晶体嚢8の第1小帯7aは緩み、第2小帯7bはぴんと張る。これにより、水晶体嚢8の赤道部がY方向に伸びる力を受け、水晶体嚢8の内部に位置した弾性を持つ眼内レンズ30も同じ方向に伸びながら、その厚さが厚くなったり位置が移動したりする。
【0092】
このとき、チン小帯7により加えられる力は、単にY軸の一方向にのみ作用するのではなく、実質的にX、Y、Z三軸方向のベクトルが組み合わせられた複合運動をなし、このような複合運動(ねじれを含む)は、ハプティック部32を経て眼内レンズ30のオプティック部31に伝達される。
【0093】
オプティック部31の赤道部は内側に圧縮され、柔軟な材質の前膜34及び後膜35は形状が変形する。前膜34は、中央で周辺よりも薄い構造を持つため、前方に変位し、以前よりも大きな屈曲を有する。後膜35は、中央で周辺よりもさらに薄い構造を持つため、後方に変位し、以前よりも大きな屈曲を有する。
【0094】
前膜34と後膜35とは、互いに向かって離れるように変形するため、内部空間の中央で厚さが増加する。オプティック部31は、力が加わる前よりも大きい陽(+)のジオプター値を持つ形態に変形する。
【0095】
本発明の一実施形態による眼内レンズは、流体がオプティック部の外部と連結されるか或いは能動的に動いて流圧を加えてオプティック部の厚さを調節する原理ではないので、従来の流圧調節式眼内レンズとは異なり、前膜及び後膜の厚さ又は距離を変形させる手段を必須の構成要素としない。
【0096】
本発明の他の実施形態による眼内レンズの前膜34と後膜35とは、中央における内面と外面との曲率差により作られる中央が周辺よりも薄い構造を有し、この構造は、前膜34と後膜35の形態変化をよく起こして追加の調節力を提供することができるようにする。
【0097】
前膜34及び後膜35の中央部における内面の曲率が外面の曲率よりも大きい実施形態では、オプティック部の曲率変形がより容易に起こり得る。レンズの厚さの変化は、オプティック部31の中央で大きく起こるため、中央部の内面と外面との曲率差により厚さが周辺よりも薄い構造でより大きな曲率変化を期待することができて追加の調節力を得る。
【0098】
本発明の一実施形態は、前膜と後膜が赤道部に対して対称な形態を含む眼内レンズであり、別の実施形態は、前膜と後膜が天然水晶体と類似な非対称形態を含む眼内レンズである。
【0099】
以下、本発明の他の態様による眼内レンズを製造する方法について説明する。本態様の一実施形態による製造方法は、オプティック部及びハプティック部を有する眼内レンズ中間体を製造する中間体製造ステップ、眼内レンズ中間体に内部空間を形成する内部空間形成ステップ、及び内部空間に流動性素材を注入する注入ステップを含む。
【0100】
オプティック部は、眼球の視線の外方向を向く前膜、前膜との間に内部空間を形成する後膜、及び前膜と後膜の縁部同士が接合された接合部39を含み、前膜及び後膜は、それぞれ内面と外面を有し、内部空間は、前膜の内面と後膜の内面に囲まれ、前膜及び後膜の調節状態に応じて前記内部空間の形状が変わる。
【0101】
中間体製造ステップは、オプティック部及びハプティック部を含む眼内レンズ中間体を製造するステップである。中間体製造ステップは、予め選択された素材で加工され、オプティック部の赤道面を基準に区分される前膜及び後膜を含む。前膜と後膜は、同一の素材が選択されて一体に形成されることができ、異なる素材が選択されて製造された後で接合されることができる。
【0102】
中間体製造ステップで、前記オプティック部の前記前膜の外面が周辺部に行くほど曲率が減少する非球面区間を含み、前記非球面区間と連続的に続く球面区間を含む眼内レンズ中間体を製造することができる。
【0103】
眼内レンズを垂直に切断した垂直断面図において、前膜の外面は外方に膨らんだ曲線を形成し、曲線は前膜の外面が第1曲率半径Rを有する球面を含み、中央部に形成される領域の周辺部で第1曲率半径Rよりも大きい曲率半径を有する非球面を含む眼内レンズ中間体を製造することができる。
【0104】
眼内レンズ中間体は、屈折率1.336以上の素材からなり、好ましくは屈折率1.45以上の素材からなる。
【0105】
前記眼内レンズ中間体は、シリコーン(Silicone)、シリコーンエラストマー(Silicone elastomer)、シリコーンポリマー(Silicone polymer)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethyl siloxane)、ポリイミド(Polyimide)、ポリブテステル(Polybutester)、マイクロプレックスPMMA(Microplex PMMA)、アクリル樹脂(Acrylic)、柔軟性アクリル(Flexible acrylic)、嫌水性アクリル(Hydrophobic acrylic)、紫外線吸収アクリレート(UV absorbing acrylate)、メタクリレートコポリマー(Methacrylate copolymer)、ブチルアクリレート(Butyl acrylate)、ポリシロキサンエラストマー(Polysiloxane elastomer)、紫外線吸収ポリシロキサン(UV absorbing polysiloxane )、コラーゲンコポリマー(Collagen copolymer)、CAB(cellulose acetate butylate)、NVP(n-vinyl pyrrolidone)、PVP(polyvinyl pyrrolidone)、MA(methacrylic acid)、GMA(glycerol methacrylate)、DMS(dimethyl siloxane)、PEGMMA(polyethylene glycol methyl methacrylate)、及びシリコーンヒドロゲル(Silicone hydrogels)のうちの少なくとも1種を含んで製造できる。
【0106】
内部空間形成ステップは、前膜及び後膜の内面により形成される密閉空間を内部に形成するステップである。前膜及び後膜が同じ素材で形成される場合、全体へのオプティック部が一体をなすので、レーザーを用いてオプティック部の外部を破壊することなく内部を直接加工することができる。
【0107】
内部空間は、前膜と後膜の中央部に形成される空間であって、外部に向かって膨らむように形成される中心空間と、前膜と後膜の周辺部に形成される空間であって、接合部を形成するために前膜と後膜との間隔が減少する周辺空間と、を含む。
【0108】
また、前膜は、中心空間に対応する第1領域で球面を含み、周辺空間に対応する第2領域で球面の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する非球面を形成するように製造できる。
【0109】
前膜と後膜の素材として異なる素材が選択される場合、中間体製造ステップで加工された前膜と後膜とが接着されて内部空間が形成されることができる。又は、内面が加工されていない状態の前膜と後膜とが結合され、以後にレーザーを介して内部空間が形成されてもよい。
【0110】
内部空間形成ステップでは、オプティック部の内部に発生する煙及び副生成物をオプティック部の外に排出することが可能な除去手段が導入されるステップをさらに含むことができる。
【0111】
本発明の一実施形態は、前膜と後膜の素子として同じ素材が選択され、内部空間形成ステップは、フェムト秒レーザー(Femtosecond laser)によって所定の厚さと曲率の内部空間を加工し、このとき、除去手段として針が用いられて煙を排出する。
【0112】
内部空間形成ステップで、前記内部空間は、オプティック部の5vol%~50vol%で形成されることが好ましい。
【0113】
内部空間形成ステップは、前膜と後膜が、第1領域において内面がそれぞれ対応する外面よりも大きな曲率をもって球面を含む曲面をなすように加工されることができる。前膜と後膜は、第2領域42において内面がそれぞれ対応する外面と同じかそれより大きい曲率を持つ非球面を含む曲面をなすように加工されることができる。
【0114】
注入ステップは、形成された内部空間に流動性素材を充填して屈折力を持たせるステップである。
【0115】
流動性素材は、眼内レンズ中間体を構成する物質の屈折率と同じかそれより小さい屈折率を有し、シリコーン溶液(Silicon fluid)、シリコーン硬度10以下の物質又はMMA(Methyl methacrylate)を含む素材であることが好ましい。流動性素材には、ヒアルロン酸ナトリウム(Sodium hyaluronate)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methyl cellulose)、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)などがさらに含まれることができる。流動性素材は、屈折率が1.336以上、好ましくは1.4以上である物質が使用できる。
【0116】
眼内レンズを垂直に切断した垂直断面図において、
中心空間、周辺空間、接合部39の幅をそれぞれx、y、z(mm)とするとき、x、y、zは下記式を満足する眼内レンズが製造できる。

【0117】
本発明の一実施形態において、注入ステップは、注入手段を用いて製造でき、内部空間形成ステップの除去手段が注入手段として使用できる。
【0118】
別の実施形態では、注入ステップの後、使用した注入手段を除去する分離ステップを含む。また、分離ステップの後、注入手段が残したトラック(track)が自然に詰まったり除去されたりする仕上げステップを含むことができる。
【0119】
仕上げステップは、注入手段が前膜又は後膜の内面と外面との間の位置まで移動した後、トラックに接着部材を注入してトラックを除去するステップを含むことができる。使用される接着部材は、前膜及び後膜の素材に応じて選択され、アクリル系素材を選択する場合には、アクリルボンドが使用されることが良い。
【0120】
本発明の別の実施形態では、除去手段が分離された後、新たな注入手段を用いて注入ステップを行い、注入ステップの後、注入手段を除去する分離ステップを行った。トラックが微細であって、接着剤を使わずに仕上げステップを行った。
【0121】
本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能であるのはもとより、それらの変更も請求の範囲の記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0122】
5 水晶体
7 チン小帯
8 水晶体嚢(Capsular sac)
30 眼内レンズ
31 オプティック部
32 ハプティック部
33 固定部
34 前膜
35 後膜
36 内部空間
50 コネクタ
図1
図2
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図9