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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】電気ケトル
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20231012BHJP
   A47J 36/06 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
A47J27/21 101S
A47J36/06 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019025989
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020130459
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】木野 伸哉
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-000228(JP,A)
【文献】特開2013-236664(JP,A)
【文献】特開2002-360427(JP,A)
【文献】特表2014-505567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/21
A47J 36/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に設けられる注ぎ口部と、加熱源とを有する容器本体と、
前記容器本体に脱着可能に取り付けられる蓋体と、
前記容器本体の後側に取り付けられる取っ手と、
後側部分に形成されて前記容器本体の内部空間に連通する第1開口と、前側部分且つ左右方向中央部に形成される第2開口と、前記第1開口から前記第2開口まで延びる通路とを有すると共に、前記蓋体に内設される蒸気処理容器と、を備える電気ケトルであって、
前記通路は、前記蒸気処理容器の左右両側の領域それぞれに形成されており、
前記取っ手が斜め右下側に位置する状態、および、前記取っ手が斜め左下側に位置する状態で転倒している場合、天面側からみたときに、前記第2開口は、前記電気ケトルの最下位置から最上位置まで延びる直線の中点の位置よりも上側に存在する、電気ケトル。
【請求項2】
前記通路それぞれには、前記蒸気処理容器の中央領域を通る内側通路部が含まれている、請求項1に記載の電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「容器本体と、注出口と、前記容器本体内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器本体の上方に設けられる蓋体と、前記注出口の反対側に設けられる取手を有する液体加熱容器であって、前記蓋体は、前記容器本体内で発生する蒸気を回収する蒸気回収ユニットを有し、前記蒸気回収ユニットは、前記取手側に蒸気導入口を、前記注出口側に排水孔を有するとともに、内部に複数の迂回通路壁を有し、前記迂回通路壁は、前記注出口側に傾斜していることを特徴とする液体加熱容器」が提案されている(例えば、特開2014-000228号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-000228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような液体加熱容器は取手側に重心があるため、このような液体加熱容器が転倒した際、液体加熱容器は、図17に示される通り、天面側から見たときに取手が斜め右下側に位置する状態となるか、斜め左下側に位置する状態となることが多い。かかる状態において比較的多量の加熱液体が蒸気回収ユニットに浸入してきた場合、その加熱液体から生じる蒸気が出口孔から抜け出ることができずに蒸気溜まりとなって昇圧する領域が生じることがある。また、上述のような液体加熱容器では、図17に示されるように、液体加熱容器が転倒状態となった際に貯液空間として利用することができない通路が存在する。なお、これは、取手が斜め左下側に位置する状態となった場合にも生ずる。
【0005】
本発明の課題は、上述のような電気ケトルが転倒した際に、蒸気回収ユニット(蒸気処理容器)に蒸気溜まりをできにくくすることができると共に、蒸気回収ユニット内の蒸気通路を貯液空間として十分に利用することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気ケトルは、
前側に設けられる注ぎ口部と、加熱源とを有する容器本体と、
前記容器本体に脱着可能に取り付けられる蓋体と、
前記容器本体の後側に取り付けられる取っ手と、
後側部分に形成されて前記容器本体の内部空間に連通する第1開口と、前側部分且つ左右方向中央部に形成される第2開口と、前記第1開口から前記第2開口まで延びる通路とを有すると共に、前記蓋体に内設される蒸気処理容器と、を備え、
前記通路は、前記蒸気処理容器の左右両側の領域それぞれに形成されており、
前記取っ手が斜め右下側に位置する状態、および、前記取っ手が斜め左下側に位置する状態で転倒している場合、天面側からみたときに、前記第2開口は、前記電気ケトルの最下位置から最上位置まで延びる直線の中点の位置よりも上側に存在する。
【0007】
上記構成によれば、蒸気処理容器において、第1開口から前記第2開口まで延びる通路が左右両側の領域それぞれに形成されている。このため、この電気ケトルが転倒して液体容器内の加熱液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際において、例えば、第2開口に液面が達していない場合、上記左右いずれかの通路が第2開口まで通じているため(すなわち、天面側から見たときに電気ケトルの取っ手が斜め右下側に位置する状態になったとき右側の通路が第2開口に通じ、同取っ手が斜め左下側に位置する状態となったとき左側の通路が第2開口に通じる)、加熱液体から蒸気は第2開口から抜け出ることができる。このため、この電気ケトルが転倒して上述のいずれの状態になった場合であっても、蒸気処理容器内に昇圧領域が生じることを防ぐことができる。また、電気ケトルが転倒して液体容器内の加熱液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際において、左右の通路を貯液空間として利用することができる。このため、この電気ケトルでは、蒸気処理容器内の蒸気通路を貯液空間として十分に利用することができる。
【0008】
上述の通りであるから、この電気ケトルは、転倒した際に、蒸気処理容器に蒸気溜まりをできにくくすることができると共に、蒸気処理容器内の蒸気通路を貯液空間として十分に利用することができる。
【0009】
本発明では、
前記通路それぞれには、前記蒸気処理容器の中央領域を通る内側通路部が含まれていると好適である。
【0010】
上記構成によれば、蒸気処理容器内の通路が分岐している場合等において、電気ケトルが転倒して液体容器内の加熱液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際に、その加熱液体を複数の領域に段階的に貯留させることができる。このため、この電気ケトルでは、蒸気処理容器内の通路を貯液空間として有効利用しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る電気ケトルのケトル本体の外観斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る電気ケトルのケトル本体の正面図である。
図3図2のI-I断面図である。
図4図3のA部分の拡大図である。
図5】本発明の実施の形態に係る電気ケトルを構成する蒸気処理ユニットを構成する本体部材の平面図である。なお、本図中に示される下側蒸気通路形成リブの上端面のうち黒色で塗潰されている面は、カバー部材に形成される上側蒸気通路形成リブの下端面に当接する面である。また、本図において、上側が蒸気処理ユニットの右側に該当し、下側が蒸気処理ユニットの左側に該当し、左側が蒸気処理ユニットの前側に該当し、右側が蒸気処理ユニットの後側に該当する。
図6】本発明の実施の形態に係る電気ケトルを構成する蒸気処理ユニットを構成するカバー部材の裏面図である。なお、本図中に示される上側蒸気通路形成リブの下端面のうち黒色で塗潰されている面は、本体部材に形成される下側蒸気通路形成リブの上端面に当接する面である。また、本図において、上側が蒸気処理ユニットの左側に該当し、下側が蒸気処理ユニットの右側に該当し、左側が蒸気処理ユニットの前側に該当し、右側が蒸気処理ユニットの後側に該当する。
図7】本発明の実施の形態に係る電気ケトルを構成する蒸気処理ユニットの本体部材の底面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る電気ケトルを構成する蒸気処理ユニットの側面図である。
図9図7のI-I断面図である。
図10図8のII-II断面図である。
図11図8のII-II断面図であって、蒸気流れを示す図である。なお、本図中、通常の矢印は蒸気通路を通る蒸気の流れを示し、白抜き矢印は蒸気通路形成リブの下側の開口を通る蒸気の流れを示し、黒塗潰し矢印は蒸気通路形成リブの上側の開口を通る蒸気の流れを示している。
図12】本発明の実施の形態に係る蒸気処理ユニットを、図10に示されるIII-III線で切ったときの断面図である。
図13】本発明の実施の形態に係る蒸気処理ユニットを、図10に示されるIV-IV線で切ったときの断面図である。
図14】本発明の実施の形態に係る蒸気処理ユニットを、図10に示されるV-V線で切ったときの断面図である。
図15】本発明の実施の形態に係る蒸気処理ユニットを、図10に示されるVI-VI線で切ったときの断面図である。
図16】本発明の実施の形態に係る電気ケトルのケトル本体が転倒して液体容器内の液体が蒸気処理ユニットに浸入してきた場合における蒸気処理ユニット内の液面(本図中、破線で示されている。)を示す図である。
図17】従前の電気ケトルのケトル本体が転倒して液体容器内の液体が蒸気処理ユニットに浸入してきた場合における蒸気処理ユニット内の液面(本図中、破線で示されている。)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本発明の実施の形態に係る電気ケトルの構成>
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100は、主に、ケトル本体200(図1および図2参照)および電源台(図示せず)から構成される。なお、ケトル本体200は、電源台に着脱自在に載置される。電気ケトル100の使用者は、お湯を沸かしたいときにケトル本体200を電源台に載置し、お湯を使用するときにケトル本体200を電源台から取り外すことができる。ケトル本体200は、図1図3に示されるように、主に、本体ユニット300および蓋ユニット250から構成されている。なお、蓋ユニット250は、本体ユニット300に着脱自在に装着されている。電気ケトル100の使用者は、お湯を沸かすための水等を電気ケトル内の液体容器321(図3参照)に入れたいときにロックレバー機構255(後述)を解除状態にして本体ユニット300から蓋ユニット250を取り外し、お湯を沸かす前に蓋ユニット250を本体ユニット300に装着する。以下、本体ユニット300、蓋ユニット250および電源台について詳述する。
【0013】
1.本体ユニット
本体ユニット300は、図1図3に示されるように、主に、容器本体310および取っ手400から構成されている。以下、容器本体310および取っ手400について詳述する。
【0014】
(1)容器本体
容器本体310は、図3に示されるように、主に、容器ユニット320、外装体330、電装ユニット340および温度過昇防止装置350から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0015】
(1-1)容器ユニット
容器ユニット320は、図3に示されるように、主に、液体容器321、プリントヒータ322、支持金具(図示せず)から構成されている。
【0016】
液体容器321は、図3に示されるように、側壁部321A、底壁部321Bおよびフランジ部321Cから形成されている。側壁部321Aは、ステンレス鋼製の円筒状部位である。底壁部321Bは、ステンレス鋼の円盤部位である。フランジ部321Cは、円環体であって、図3に示されるように側壁部321Aの上端から外側に向かって延びている。また、この液体容器321の内周面には、フッ素樹脂等の耐蝕性樹脂(図示せず)が塗装されている。
【0017】
プリントヒータ322は、主に、加熱線(図示せず)および絶縁被覆層(図示せず)から構成されており、図3に示されるように液体容器321の底壁部321Bの下側面に接すようにその底壁部321Bに固定されている。加熱線は、液体容器321の底壁部321Bの下面側に設けられる絶縁体層上に、支持金具を避けるようにして印刷されている。そして、この加熱線は端子接続部分(図示せず)を除いて絶縁被覆層で覆われており、端子接続部分には電装ユニット340の接続端子(図示せず)が接触している。
【0018】
支持金具は、液体容器321の底壁部321Bに電装ユニット340や温度過昇防止装置350を取り付けると共に、外装体330の底壁部材333(後述)に対して液体容器321を固定するためのものであって、液体容器321の底壁部321Bの複数箇所から下方に向かって延びている。
【0019】
(1-2)外装体
外装体330は、図3に示されるように、側壁部材331、底壁部材333および肩部材335から構成されている。
【0020】
側壁部材331は、円筒形状の金属部材であって、本体ユニット300の外装体の一部としての役目を担う。この側壁部材331の上端側には、取っ手400を受け入れるための切欠き(図示せず)が形成されている。
【0021】
底壁部材333は、略円椀形状の樹脂部材であって、図1図3に示されるように、容器本体310の底側を覆っている。
【0022】
肩部材335は、図3および図4に示されるように液体容器321の上側に位置すると共に液体容器321のフランジ部321Cを介して連結される略円筒形状の樹脂部材であって、図1図4に示されるように、主に、本体部335A、注液口部335B、フランジ部(図示せず)、フランジ受け部335D、軒部335E、第1上側ビス受け部335F、第1下側ビス受け部335Gおよびブロック部335Hから形成されている。本体部335Aは、円筒形状を呈する樹脂成形体である。そして、この本体部335Aには、後述するロックレバー機構255(図1参照)のロックレバー255Aの爪部(図示せず)を収容することができる爪収容空間が形成されている。そして、蓋ユニット250が本体ユニット300に装着されている状態において、この爪収容空間にはその爪部が収容される。注液口部335Bは、液体容器321から流れてくる液体を一方向に向かって流すための部位であって、肩部材335の正面側に配設されている。フランジ部は、本体部335Aの上端から外側に延びた後に下方に向かって延びている。フランジ受け部335Dは、図4に示されるように本体部335Aの下端から内側に延びる円環状の部位であって、図4に示されるように円環状パッキンPKを介して液体容器321のフランジ部321Cを受けている。軒部335Eは、図4に示されるように肩部材335の背面側すなわち注液口部335Bの反対側に形成される部位であって、主に、庇部および側壁部から形成されている。庇部は、上側に膨れる湾曲壁であって、フランジ部の上側に位置しており外側に向かって延びている。側壁部は、庇部の両端から下方に向かって延びると共にフランジ部の後端から外方に向かって延びている。第1上側ビス受け部335Fは、軒部335Eの内側に一対形成されている。そして、この第1上側ビス受け部335Fには第1ビス孔が形成されている。この第1ビス孔は、ビスBS(図4参照)を通すための孔であって、奥行方向(前後方向)に沿って延びている。第1下側ビス受け部335Gは、本体部335Aの背面下側に一対形成されている。そして、図4に示される通り、この第1下側ビス受け部335Gには第2ビス孔が形成されている。この第2ビス孔は、ビスBS(図4参照)を通すための貫通孔であって、幅方向(左右方向)に沿って延びている。ブロック部335Hは、略角板状の部位であって、前後方向に沿って左右一対の貫通孔が形成されている。また、このブロック部335Hの両側面にはスライドレール部が形成されている。
【0023】
(1-3)電装ユニット
電装ユニット340は、図3に示されるように、主に、支持台(図示せず)、電気回路形成用金属板(図示せず)、電源台接続用接続端子部(図示せず)、一対のバイメタル型サーモスタット部(図示せず)および電源台接続ボスMEから構成されている。
【0024】
電装ユニット340は、支持金具を介して支持台に固定されている。支持台には、電気回路形成用金属板により電気回路が形成されている。なお、この電気回路には、電源台接続用端子部やバイメタル型サーモスタット部が組み込まれている。すなわち、ケトル本体200が電源台から取り外されたり、バイメタル型サーモスタット部が開状態となったりすると、この電気回路は開状態となる。
【0025】
バイメタル型サーモスタット部は、空焚きを防止するためのものであって、主に、接点(図示せず)、接点開放機構(図示せず)およびバイメタル(図示せず)から構成されている。なお、バイメタル型サーモスタット部は、2つ共に略中央部分の外周寄りに配置されている。バイメタルは、2つ共に略中央部分の外周寄りの加熱線上に絶縁被覆層を介して配置されている。また、このバイメタルは、常温においてプリントヒータ322に接するように配設されている。接点開放機構は、レバー機構である。この接点開放機構では、通常、レバー(図示せず)の先端部分が接点保持部材(図示せず)の直下に位置しており、バイメタルが規定温度以上の温度まで加熱されると、バイメタルの変形によってレバーの先端部分が下方に押し下げられ、その結果、レバーの先端部分により接点保持部材が下方に押し下げられて接点が開放される。
【0026】
電源台接続ボスMEは、電源台のボス受け部に着脱自在に嵌め込まれる。なお、電源台接続ボスMEが電源台のボス受け部に嵌め込まれると、電源台接続ボスMEに配設される2つの電源台接続用接続端子部と、電源台のボス受け部に配設される2つの接続端子部とがそれぞれ接続され、その結果、電源供給回路が形成される。すなわち、かかる場合において電源台が外部電源に接続されていれば、ケトル本体200内部の電気回路に通電が可能な状態、すなわちプリントヒータ322が加熱され得る状態となる。
【0027】
(1-4)温度過昇防止装置
温度過昇防止装置350は、主に、本体部材(図示せず)、ワンショット型サーモスタット(図示せず)およびコイルスプリング(図示せず)から構成されている。
【0028】
本体部材は、樹脂成形品であって、ワンショット型サーモスタットがコイルスプリングにより上方に付勢された状態となるようにワンショット型サーモスタットおよびコイルスプリングを収容している。また、このワンショット型サーモスタットの上面の長手方向中央部分には、感熱部(図示せず)が上方に向かって突出するように固定されている。すなわち、この感熱部は、コイルスプリングの付勢力によってプリントヒータの加熱線に絶縁被覆層を介して押し付けられている。このため、プリントヒータの加熱により液体容器321の底壁部321Bが変形したとしても感熱部は常にプリントヒータ322の加熱線上の絶縁被覆層に接触することができる。
【0029】
(2)取っ手
取っ手400は、使用者がケトル本体200を持ち運ぶ際に使用者によって把持されるものであって、図1および図3に示されるように、本体ユニット300の後方に配設されている。そして、この取っ手400は、図3に示されるように、主に、外装体410、電源スイッチ機構420および中間蒸気通路PVMから構成されている。
【0030】
外装体410は、図3に示されるように、側面視において略鉤型(逆L字型)の筒体であって、本体部材411およびカバー部材412から構成されている。そして、この外装体410の下垂部分の下端が自由端になっており、梁部分の下垂部分とは逆側の端部(すなわち、付根側の端部)が容器本体310の側壁部材331および肩部材335の背面側で結合されている。外装体410の梁部分は、図3に示されるように、蓋ユニット250が本体ユニット300に装着されている状態において蓋ユニット250と対向している。そして、この外装体410の梁部分の内部には、電源スイッチ機構420が配設されていると共に中間蒸気通路PVMが形成されている。また、図3に示されるように、この外装体410の梁部分の上側には、電源ボタン421を露出させるための開口AP(図4参照)が形成されている。
【0031】
電源スイッチ機構420は、図4に示されるように、主に、電源ボタン421、レバー型リフト機構422、板バネ部(図示せず)、可動接点(図示せず)、固定接点(図示せず)、押し棒(図示せず)、バイメタル424、収容部材425、区画パッキン427およびネオンランプ426から構成されている。なお、この電源スイッチ機構420は、電気線を介して本体ユニット300の電装ユニット340およびプリントヒータ322に接続されており、一つの電気回路を構成している。電源ボタン421は、透明の円柱体であって、前後方向に搖動に可能に収容部材425の上端部に軸支されていると共に、図4に示されるように外装体410の開口APから突出している。また、図4に示されるように、電源ボタン421は、その前端が収容部材425の直上に位置し、後端が収容部材425の後方に位置するように収容部材425の上端部に軸支されている。なお、この電源ボタン421は、レバー型リフト機構422がオン状態およびオフ状態のいずれの状態である場合においても取っ手400の先端側(容器本体側の反対側)に向かって傾いている。そして、この電源ボタン421は、図4に示されるようにレバー型リフト機構422のアーム部422aに係合されている。レバー型リフト機構422において、アーム部422aが前方に移動させられるとレバー体(図示せず)の先端部が支点(図示せず)を軸として下方に回動し、アーム部422aが後方に移動させられるとレバー体の先端部が支点を軸として上方に回動する。板バネ部は、レバー体の先端部に連結されている。可動接点は、板バネ部を介してレバー体に連結されている。固定接点は、可動接点に対向する位置に固定配置されている。押し棒は、レバー型リフト機構422の底板に形成される貫通孔に挿通されている。なお、この貫通孔は、レバー体の直下に形成されている。また、この貫通孔の長さは、押し棒よりも短い。バイメタル424は、レバー型リフト機構422の底板(図示せず)のレバー体配置側の反対側において押し棒と対向するように配置されている。そして、このバイメタル424は、規定の温度に達すると、上方に反るように変形する。なお、本発明の実施の形態において、このバイメタルの規定温度は、およそ100℃である。収容部材425には、レバー型リフト機構422、固定接点、可動接点、板バネ部、押し棒、バイメタルおよび区画パッキン427が収容されている。そして、この収容部材425は、区画パッキン427によって露出空間と機構収容空間に区画されている。露出空間は中間蒸気通路PVMと連通しており、機構収容空間は中間蒸気通路PVMから隔離されている。なお、本実施の形態において、露出空間にはバイメタル424が配置され、接点形成空間にはレバー型リフト機構422、固定接点、可動接点および板バネ部が配置されている。すなわち、水蒸気が中間蒸気通路PVMを通過する際、バイメタル424は水蒸気に曝されるが、レバー型リフト機構422、固定接点、可動接点および板バネ部が水蒸気に曝されることはない。
【0032】
すなわち、使用者によって電源ボタン421が後方に押されると、それに連動してレバー型リフト機構422のアーム部422aが前方に押し出され、その結果、レバー体の先端部が下方に回動する。その結果、レバー体に連結される可動接点が下方に移動して固定接点に接触し、接点が閉じると共にレバー体によって押し棒がバイメタル側に押し出される。一方、押し棒がバイメタル側に押し出された状態でバイメタル424が水蒸気に曝されて規定の温度に達すると、バイメタル424が押し棒をレバー体側に押し出す。その結果、レバー体が上方に回動して固定接点から可動接点が離間すると共にアーム部422aが後方に移動させられ、さらに電源ボタン421が前方に押し戻される。
【0033】
ネオンランプ426は、図3および図4に示されるように、電源ボタン421の近傍に配置されている。そして、このネオンランプ426は、電源スイッチ機構420およびバイメタル型サーモスタット部の接点が閉じられた状態で点灯し、電源スイッチ機構420やバイメタル型サーモスタット部の接点が開放されたり、温度過昇防止装置350が動作したりすると消灯する。なお、上述の通り、電源ボタン421が透明体であるため、ネオンランプ426の点灯・消灯は使用者によって視認される。
【0034】
中間蒸気通路PVMは、図4に示されるように、取っ手400の上端部分基端側に形成されている。この中間蒸気通路PVMは、本体ユニット300に蓋ユニット250が装着されている状態で、蓋ユニット250の第1蒸気通路PV1および第2蒸気通路PV2(図4参照)に連通する。すなわち、本体ユニット300に蓋ユニット250が装着されている状態でプリントヒータ322によって内の液体が加熱されると、その液体は、沸騰して蒸気になり、第1蒸気通路PV1、中間蒸気通路PVMおよび第2蒸気通路PV2を通って外部空間に排出されるか、液体容器321に戻される。また、上述の通り、この中間蒸気通路PVMにはバイメタル424が露出されている。すなわち、蒸気が中間蒸気通路PVMに至ると、その蒸気の熱によってバイメタル424が加熱され、バイメタル424の温度が規定温度に達すると、上述の通り、固定接点から可動接点が離間し、プリントヒータ322への通電が遮断される。なお、バイメタル424は、一定温度まで冷却されると、自己復帰する。
【0035】
2.蓋ユニット
蓋ユニット250は、本体ユニット300の上方を覆う着脱自在の略円柱形の蓋体であって、図1図3に示されるように、主に、外装体251、注液通路開閉機構253、蒸気処理ユニット254およびロックレバー機構255から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0036】
(1)外装体
外装体251は、図3に示されるように、主に、上側パネル251Aおよび下側パネル251Bから構成されている。上側パネル251Aには、図1図3に示されるように、ロックレバー255Aおよび開閉ボタン253Aを外部に露出させるための開口が形成されている。そして、下側パネル251Bには、開口が形成されている。また、上側パネル251Aと下側パネル251Bとの間の空間には、注液通路開閉機構253および蒸気処理ユニット254が配設されると共に注液通路PLが形成されている。
【0037】
(2)注液通路開閉機構
注液通路開閉機構253は、注液通路PLを開閉するための機構であって、図3に示されるように、主に、開閉ボタン253A、コイルスプリング253B、開閉弁253Cおよび係止機構(図示せず)から構成されている。なお、注液通路PLは下側パネル251Bの注ぎ口側に形成されており、注液通路開閉機構253は、主に、上側パネル251Aと下側パネル251Bとの間の空間の注ぎ口側に配設されている。開閉ボタン253Aは、電気ケトル100の使用者によって操作される略円柱状の部材であって、上述の通り、外装体251の上側パネル251Aに露出している。また、この開閉ボタン253Aは、図3に示されるように、開閉弁253Cに連結されている。また、この開閉ボタン253Aは、コイルスプリング253Bによって上方に向かって付勢されている。そして、電気ケトル100の使用者によってコイルスプリング253Bの付勢力に抗して開閉ボタン253Aが下方に向かって押圧されると、その押圧動作に連動して開閉弁253Cが下に押し下げられ、注液通路PLが開放される。なお、このとき、係止機構によって開閉弁253Cの開状態が維持される。そして、使用者は、このように注液通路PLが開放された状態でケトル本体200を注ぎ口側に傾けることにより、液体容器321内部の液体を湯飲みや茶碗等の他の容器等にその液体を注ぐことができる。その後、その使用者によって開閉ボタン253Aがもう一度押圧されると、係止機構による開閉弁253Cの係止が解除され、コイルスプリング253Bの付勢力によって開閉弁253Cおよび開閉ボタン253Aが上方に押し戻され、開閉弁253Cにより注液通路PLが閉状態とされる。このとき、使用者がケトル本体200を注ぎ口側に傾けても、液体容器321内部の液体は、開閉弁253Cによって堰き止められる。
【0038】
(3)蒸気処理ユニット
蒸気処理ユニット254は、図5に示される本体部材254Aと、図6に示されるカバー部材254Bから構成されている。具体的には、下側蒸気通路形成リブRu1~18(後述)と上側蒸気通路形成リブRo1~18(後述)とが突き合わされるようにして本体部材254Aに対してカバー部材254Bが取り付けられて蒸気処理ユニット254が完成される。以下、本体部材254Aおよびカバー部材254Bについて詳述する。
【0039】
(3-1)本体部材
図5に示されるように、本体部材254Aには、下側容器部254a、下側囲い壁部254b、下側大円筒壁部254c、一対の下側小円筒壁部254d、第1蒸気ダクト部254e、第2蒸気ダクト部254fおよび複数の下側蒸気通路形成リブRu1~18から形成されている。また、この本体部材254Aには、蒸気出口としての主開口Amおよび副開口Asが形成されている。
【0040】
下側容器部254aは、図5に示されるように平面視において略楕円形を呈する椀状部位であって、蒸気処理ユニット254の底壁、および、側壁の底側部位を構成する。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、下側容器部254aの側壁部の上端面は、カバー部材254Bの上側本体部254nの側壁部の下端面と当接する。
【0041】
下側囲い壁部254bは、図5に示されるように平面視において略菱形を呈する筒状部位であって、下側容器部254aの内底面から上方に向かって延びている。そして、図5に示される通り、平面視において、この下側大円筒壁部254cの内側には下側大円筒壁部254cおよび一対の下側小円筒壁部254dが配設されている。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、下側囲い壁部254bの上端面は、カバー部材254Bの上側囲い壁部254oの下端面に当接する。
【0042】
下側大円筒壁部254cは、図5に示されるように平面視において下側囲い壁部254bの内側の略中央に配設されている(図5参照)。なお、この下側大円筒壁部254cは、下側容器部254aを貫通するように配設されている。すなわち、この下側大円筒壁部254cの内部空間は、下側容器部254aの下側の外部空間に連通している。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、下側大円筒壁部254cの上端面は、カバー部材254Bの上側大円筒壁部254pの下端面に当接する。なお、この下側大円筒壁部254cの内部空間には、開閉弁253Cの杵部が挿通される。
【0043】
下側小円筒壁部254dは、図5に示されるように下側大円筒壁部254cよりも小径の円筒壁部位であって、下側囲い壁部254bの内側において下側大円筒壁部254cの両脇に隣設されている。なお、この下側小円筒壁部254dは、下側容器部254aを貫通するように配設されている。すなわち、この下側小円筒壁部254dの内部空間は、下側容器部254aの下側の外部空間に連通している。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、下側小円筒壁部254dには、カバー部材254Bの上側小円筒壁部254qが嵌入される。
【0044】
第1蒸気ダクト部254eは、第1蒸気通路PV1を形成するための部位であって、本体ユニット300に対して蓋ユニット250が装着された状態において液体容器321内の液体から発生する蒸気を取っ手400の中間蒸気通路PVMに導く役割を担っている。すなわち、第1蒸気通路PV1は、液体容器321の内部空間および取っ手400の中間蒸気通路PVMに連通している。第1蒸気ダクト部254eは、図5に示されるように、主に、前壁部Wf、右側壁部Wr、左側壁部Wlおよび天壁部Wcから形成されている。前壁部Wf、右側壁部Wrおよび左側壁部Wlは、図5に示されるように下側容器部254aの内底面から上方に向かって延びている。また、右側壁部Wrは、図5に示されるように前壁部Wfの右側端から下側容器部254aの後側壁部まで延びている。また、左側壁部Wlは、図5に示されるように前壁部Wfの左側端から下側容器部254aの後側壁部まで延びている。そして、前壁部Wf、右側壁部Wr、左側壁部Wlおよび下側容器部254aの後側壁に囲まれる下側容器部254aの底壁部位には、図7に示されるように貫通孔Ptが形成されている。一方、前壁部Wf、右側壁部Wr、左側壁部Wlおよび下側容器部254aの後側壁に囲まれる空間の上側は、天壁部Wcによって覆われている。また、右側壁部Wr、左側壁部Wl、天壁部Wcおよび下側容器部254aの後側壁に囲まれる下側容器部254aの後側壁部には貫通孔(図示せず)が形成されている。すなわち、液体容器321内の液体から発生する蒸気は、貫通孔Bbを通って第1蒸気ダクト部254eの第1蒸気通路PV1、および、下側容器部254aの後側壁部の貫通孔を通って取っ手400の中間蒸気通路PVMに流入する。
【0045】
第2蒸気ダクト部254fは、第2蒸気通路PV2の一部を形成するための部位であって、本体ユニット300に対して蓋ユニット250が装着された状態において中間蒸気通路PVMから戻ってくる蒸気を蒸気処理ユニット254の内部空間に導く役割を担っている。すなわち、中間蒸気通路PVMは、第2蒸気通路PV2に連通している。第2蒸気ダクト部254fは、丸管体であって、図5に示されるように第1蒸気ダクト部254eの右隣りに隣設されている。そして、この第2蒸気ダクト部254fは、図5に示されるように下側容器部254aの後側壁部を貫通した状態で固定されている。すなわち、中間蒸気通路PVMから戻ってくる蒸気は、第2蒸気ダクト部254fの内部を通って蒸気供給口BPから蒸気処理ユニット254の内部へ放出される。
【0046】
下側蒸気通路形成リブRu1~18は、図5に示されるように、下側容器部254aの側壁部と下側囲い壁部254bとの間の空間に配設される縦板部位であって、下側容器部254aの内底面から上方に向かって延びている。なお、この下側蒸気通路形成リブRu1~16は、第1下側蒸気通路形成リブRu1から第18下側蒸気通路形成リブRu18まで存在する。以下、これらの下側蒸気通路形成リブRu1~18について詳述する。
【0047】
第1下側蒸気通路形成リブRu1は、図5に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、平面視において第2蒸気ダクト部254fの右側に隣接されている。そして、この第1下側蒸気通路形成リブRu1は、図5に示されるように平面視において第2蒸気ダクト部254fの前端から僅かに前方に突出しており、その前端の位置で第2下側蒸気通路形成リブRu2と交差している。なお、図5に示されるように、平面視において第1下側蒸気通路形成リブRu1の後端は隙間を介して下側容器部254aの後側壁部と対向している。なお、図5に示される通り、この第1下側蒸気通路形成リブRu1は、平面視において下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0048】
第2下側蒸気通路形成リブRu2は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第3下側蒸気通路形成リブRu3の後側、第1蒸気ダクト部254eおよび第2蒸気ダクト部254fの前側に位置している。そして、この第2下側蒸気通路形成リブRu2は、図5に示されるように平面視において中央右寄りの位置で第1下側蒸気通路形成リブRu1の前端と交差している。そして、平面視において、この第2下側蒸気通路形成リブRu2の右端(後端)は隙間を介して下側容器部254aの右側壁部と対向しており、左端(前端)は隙間を介して第5下側蒸気通路形成リブRu5と対向している。
【0049】
第3下側蒸気通路形成リブRu3は、図5に示されるように下側容器部254aの右側壁部から左側壁部まで延びる、平面視においてジグザグ状を呈する縦板部位であって、下側囲い壁部254bの後側、第2下側蒸気通路形成リブRu2の前側に位置している。そして、図5に示されるように、この第3下側蒸気通路形成リブRu3には、第4下側蒸気通路形成リブRu4、第5下側蒸気通路形成リブRu5および第6下側蒸気通路形成リブRu6が交差している。
【0050】
第4下側蒸気通路形成リブRu4は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第2下側蒸気通路形成リブRu2の前側、第8下側蒸気通路形成リブRu8の後側に位置している。そして、この第4下側蒸気通路形成リブRu4は、図5に示されるように平面視において第3下側蒸気通路形成リブRu3の右側中央寄りの位置で第3下側蒸気通路形成リブRu3と交差している。また、平面視において、この第4下側蒸気通路形成リブRu4の右端(後端)は隙間を介して下側容器部254aの右側壁部と対向しており、左端(前端)は隙間を介して下側囲い壁部254bと対向している。なお、この第4下側蒸気通路形成リブRu4は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0051】
第5下側蒸気通路形成リブRu5は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第1蒸気ダクト部254eの前側、第3下側蒸気通路形成リブRu3の後側に位置している。そして、この第5下側蒸気通路形成リブRu5の前端(右端)は、第3下側蒸気通路形成リブRu3の中央左寄りの位置で第3下側蒸気通路形成リブRu3に交差している。なお、この第5下側蒸気通路形成リブRu5は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びており、その前端(右端)は、第3下側蒸気通路形成リブRu3および隙間を挟んで下側囲い壁部254bに対向している。
【0052】
第6下側蒸気通路形成リブRu6は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第1蒸気ダクト部254eの前側、第3下側蒸気通路形成リブRu3の後側に位置している。そして、この第6下側蒸気通路形成リブRu6の前端(右端)は、第3下側蒸気通路形成リブRu3の左側中央寄りの位置で第3下側蒸気通路形成リブRu3に交差している。なお、この第6下側蒸気通路形成リブRu6は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びており、その前端(右端)は、第3下側蒸気通路形成リブRu3および隙間を挟んで下側囲い壁部254bに対向している。
【0053】
第7下側蒸気通路形成リブRu7は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第3下側蒸気通路形成リブRu3の前側、第9下側蒸気通路形成リブRu9の後側に位置している。そして、この第7下側蒸気通路形成リブRu7の右端(前端)は隙間を介して下側囲い壁部254bと対向しており、左端(後端)は隙間を介して下側容器部254aの左側壁部と対向している。なお、この第7下側蒸気通路形成リブRu7は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0054】
第8下側蒸気通路形成リブRu8は、図5に示されるように平面視において左側から右側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第3下側蒸気通路形成リブRu3の前側、第10下側蒸気通路形成リブRu10の後側に位置している。そして、この第8下側蒸気通路形成リブRu8の左端(前端)は隙間を介して下側囲い壁部254bと対向しており、右端(後端)は隙間を介して下側容器部254aの右側壁部と対向している。なお、この第8下側蒸気通路形成リブRu8は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0055】
第9下側蒸気通路形成リブRu9は、図5に示されるように平面視において下側囲い壁部254bの左側壁部から左斜め前方に向かって延びる縦板部位であって、第7下側蒸気通路形成リブRu7の前側、第11下側蒸気通路形成リブRu11の後側に位置している。そして、この第9下側蒸気通路形成リブRu9の左端(前端)は隙間を介して第11下側蒸気通路形成リブRu11と対向している。
【0056】
第10下側蒸気通路形成リブRu10は、図5に示されるように平面視において下側囲い壁部254bの右側壁部から右斜め前方に向かって延びる縦板部位であって、第8下側蒸気通路形成リブRu8の前側、第12下側蒸気通路形成リブRu12の後側に位置している。そして、この第10下側蒸気通路形成リブRu10の右端(前端)は隙間を介して第12下側蒸気通路形成リブRu12と対向している。
【0057】
第11下側蒸気通路形成リブRu11は、図5に示されるように平面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、下側囲い壁部254bの前側、第13下側蒸気通路形成リブRu13および第15下側蒸気通路形成リブRu15の後側に位置している。そして、この第11下側蒸気通路形成リブRu11の右端(前端)は、第13下側蒸気通路形成リブRu13の後端で第13下側蒸気通路形成リブRu13と交差している。また、第11下側蒸気通路形成リブRu11の左端(後端)は、隙間を介して下側容器部254aの左側壁部と対向している。
【0058】
第12下側蒸気通路形成リブRu12は、図5に示されるように平面視において左側から右側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、下側囲い壁部254bの前側、第14下側蒸気通路形成リブRu14および第16下側蒸気通路形成リブRu16の後側に位置している。そして、この第12下側蒸気通路形成リブRu12の左端(前端)は、第14下側蒸気通路形成リブRu14の後端で第14下側蒸気通路形成リブRu14と交差している。また、第12下側蒸気通路形成リブRu12の右端(後端)は、隙間を介して下側容器部254aの右側壁部と対向している。
【0059】
第13下側蒸気通路形成リブRu13は、図5に示されるように、前後方向に沿って延びる縦板部位であって、平面視において第11下側蒸気通路形成リブRu11の前側、第17下側蒸気通路形成リブRu17の後側に位置している。そして、この第13下側蒸気通路形成リブRu13の前端は第17下側蒸気通路形成リブRu17の中央右寄りの位置で第17下側蒸気通路形成リブRu17と交差しており、後端は第11下側蒸気通路形成リブRu11の右端(前端)で第11下側蒸気通路形成リブRu11と交差している。また、第13下側蒸気通路形成リブRu13は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0060】
第14下側蒸気通路形成リブRu14は、図5に示されるように、前後方向に沿って延びる縦板部位であって、平面視において第12下側蒸気通路形成リブRu12の前側、第18下側蒸気通路形成リブRu18の後側に位置している。そして、この第14下側蒸気通路形成リブRu14の前端は第18下側蒸気通路形成リブRu18の中央左寄りの位置で第18下側蒸気通路形成リブRu18と交差しており、後端は第12下側蒸気通路形成リブRu12の左端(前端)で第12下側蒸気通路形成リブRu12と交差している。また、第14下側蒸気通路形成リブRu14は、図5に示されるように下側囲い壁部254bに向かって延びている。
【0061】
第15下側蒸気通路形成リブRu15は、図5に示されるように、前後方向に沿って延びる縦板部位であって、平面視において第11下側蒸気通路形成リブRu11の前側、下側容器部254aの前側壁部の後側に位置している。そして、この第15下側蒸気通路形成リブRu15の前端は隙間を介して下側容器部254aの前側壁部と対向しており、後端は隙間を介して第11下側蒸気通路形成リブRu11と対向している。
【0062】
第16下側蒸気通路形成リブRu16は、図5に示されるように、前後方向に沿って延びる縦板部位であって、平面視において第12下側蒸気通路形成リブRu12の前側、下側容器部254aの前側壁部の後側に位置している。そして、この第16下側蒸気通路形成リブRu16の前端は隙間を介して下側容器部254aの前側壁部と対向しており、後端は隙間を介して第12下側蒸気通路形成リブRu12と対向している。
【0063】
第17下側蒸気通路形成リブRu17は、図5に示されるように、平面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第13下側蒸気通路形成リブRu13の前側、下側容器部254aの前側壁部の後側に位置している。そして、この第17下側蒸気通路形成リブRu17は、図5に示されるように、中央右寄りの位置で第13下側蒸気通路形成リブRu13の前端と交差している。また、この第17下側蒸気通路形成リブRu17の右端(後端)は隙間を介して第14下側蒸気通路形成リブRu14と対向しており、左端(前端)は隙間を介して下側容器部254aの前側壁部と対向している。
【0064】
第18下側蒸気通路形成リブRu18は、図5に示されるように、平面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第14下側蒸気通路形成リブRu14の前側、下側容器部254aの前側壁部の後側に位置している。そして、この第18下側蒸気通路形成リブRu18は、図5に示されるように、中央左寄りの位置で第14下側蒸気通路形成リブRu14の前端と交差している。また、この第18下側蒸気通路形成リブRu18の左端(後端)は隙間を介して第13下側蒸気通路形成リブRu13と対向しており、右端(前端)は隙間を介して下側容器部254aの前側壁部と対向している。
【0065】
なお、上述の下側蒸気通路形成リブRu1~18のうち、第7下側蒸気通路形成リブRu7と第8下側蒸気通路形成リブRu8、第9下側蒸気通路形成リブRu9と第10下側蒸気通路形成リブRu10、第11下側蒸気通路形成リブRu11と第12下側蒸気通路形成リブRu12、第13下側蒸気通路形成リブRu13と第14下側蒸気通路形成リブRu14、第15下側蒸気通路形成リブRu15と第16下側蒸気通路形成リブRu16、第17下側蒸気通路形成リブRu17と第18下側蒸気通路形成リブRu18はそれぞれ左右対称の関係にある。
【0066】
主開口Amは、図5に示されるように平面視において下側囲い壁部254bの前側であって、下側囲い壁部254bの前側壁部、第13下側蒸気通路形成リブRu13、第14下側蒸気通路形成リブRu14、第17下側蒸気通路形成リブRu17および第18下側蒸気通路形成リブRu18に囲まれた領域に形成されている。なお、この主開口Amは、同領域の下側容器部254aの底壁部を貫通している。
【0067】
副開口Asは、図5に示されるように平面視において下側囲い壁部254bの後側壁部と第3下側蒸気通路形成リブRu3の間の領域であって、下側囲い壁部254bの右後側壁部の近傍に形成されている。なお、この副開口Asは、主開口Amと同様に同領域の下側容器部254aの底壁部を貫通している。
【0068】
(3-2)カバー部材
図6に示されるように、カバー部材254Bには、上側本体部254n、上側囲い壁部254o、上側大円筒壁部254p、一対の上側小円筒壁部254qおよび上側蒸気通路形成リブRo1~19が形成されている。
【0069】
上側本体部254nは、図6に示されるように、裏面視において略楕円形を呈する椀状部位であって、蒸気処理ユニット254の天壁、および、側壁の上側部位を構成する。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、上側本体部254nの側壁部の下端面下は、本体部材254Aの下側容器部254aの側壁部の上端面と当接する。
【0070】
上側囲い壁部254oは、図6に示されるように、裏面視において略菱形を呈する筒状部位であって、上側本体部254nの内天面から下方に向かって延びている。そして、図6に示される通り、裏面視において、この上側囲い壁部254oの内側には上側大円筒壁部254pおよび一対の上側小円筒壁部254qが配設されている。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、上側囲い壁部254oの下端面は、本体部材254Aの下側囲い壁部254bの上端面に当接する。
【0071】
上側大円筒壁部254pは、図6に示されるように裏面視において上側囲い壁部254oの内側の略中央に配設されている(図6参照)。なお、この上側大円筒壁部254pは、上側本体部254nを貫通するように配設されている。すなわち、この上側大円筒壁部254pの内部空間は、上側本体部254nの上側の外部空間に連通している。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、上側大円筒壁部254pの下端面は、本体部材254Aの下側大円筒壁部254cの上端面に当接する。なお、この上側大円筒壁部254pの内部空間には、開閉弁253Cの杵部が挿通される。
【0072】
上側小円筒壁部254qは、図6に示されるように上側大円筒壁部254pよりも小径の円筒壁部位であって、上側囲い壁部254oの内側において上側大円筒壁部254pの両脇に隣設されている。なお、この上側小円筒壁部254qは、上側本体部254nを貫通するように配設されている。すなわち、この上側小円筒壁部254qの内部空間は、上側本体部254nの下側の外部空間に連通している。そして、蒸気処理ユニット254が組み立てられる際、上側小円筒壁部254qには、本体部材254Aの下側小円筒壁部254dが嵌め込まれる。
【0073】
上側蒸気通路形成リブRo1~19は、図6に示されるように、上側本体部254nの側壁部と上側囲い壁部254oとの間の空間に配設される縦板部位であって、上側本体部254nの内天面から下方に向かって延びている。なお、この上側蒸気通路形成リブRo1~19は、第1上側蒸気通路形成リブRo1から第19上側蒸気通路形成リブRo19まで存在する。以下、これらの上側蒸気通路形成リブRo1~19について詳述する。
【0074】
第1上側蒸気通路形成リブRo1は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において上側本体部254nの後側壁部の左寄りの位置に位置している。そして、この第1上側蒸気通路形成リブRo1は、図6に示されるようにその前端の位置で第2上側蒸気通路形成リブRo2と交差している。なお、図6に示されるように、第1上側蒸気通路形成リブRo1の後端は、上側本体部254nの後側壁部に隣接されている。また、図6に示される通り、この第1上側蒸気通路形成リブRo1は、上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第1上側蒸気通路形成リブRo1の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第1下側蒸気通路形成リブRu1の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0075】
第2上側蒸気通路形成リブRo2は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第4上側蒸気通路形成リブRo4の後側、第1上側蒸気通路形成リブRo1の前側に位置している。そして、この第2上側蒸気通路形成リブRo2は、図6に示されるように裏面視において中央右寄りの位置で第1上側蒸気通路形成リブRo1の前端と交差している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第2上側蒸気通路形成リブRo2の右端(後端)は上側本体部254nの右側壁部に隣接しており、左端(前端)は隙間を介して第5上側蒸気通路形成リブRo5と対向している。ところで、第2上側蒸気通路形成リブRo2の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第2下側蒸気通路形成リブRu2の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0076】
第3a上側蒸気通路形成リブRo3aは、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜する縦板部位であって、第6上側蒸気通路形成リブRo6の前側、第7上側蒸気通路形成リブRo7の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aの左(前端)は上側本体部254nの左側壁部に隣接しており、右端(後端)は隙間を介して第6上側蒸気通路形成リブRo6と対向している。ところで、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aの下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第3下側蒸気通路形成リブRu3の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている左側の面に当接する。
【0077】
第3b上側蒸気通路形成リブRo3bは、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜する縦板部位であって、第4上側蒸気通路形成リブRo4の前側、第8上側蒸気通路形成リブRo8の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、この第3b上側蒸気通路形成リブRo3bの右(前端)は上側本体部254nの右側壁部に隣接しており、左端(後端)は隙間を介して第4上側蒸気通路形成リブRo4と対向している。ところで、第3b上側蒸気通路形成リブRo3bの下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第3下側蒸気通路形成リブRu3の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている右側の面に当接する。
【0078】
第4上側蒸気通路形成リブRo4は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第2上側蒸気通路形成リブRo2の前側、第3b上側蒸気通路形成リブRo3bの後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第4上側蒸気通路形成リブRo4の右端(後端)は上側本体部254nの右側壁部に隣接しており、左端(前端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向している。なお、この第4上側蒸気通路形成リブRo4は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第4上側蒸気通路形成リブRo4の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第4下側蒸気通路形成リブRu4の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0079】
第5上側蒸気通路形成リブRo5は、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第1上側蒸気通路形成リブRo1の右側、第6上側蒸気通路形成リブRo6の左側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第5上側蒸気通路形成リブRo5の後端(左端)は上側本体部254nの左側壁部の後側に隣接しており、前端(右端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向している。なお、この第5上側蒸気通路形成リブRo5は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第5上側蒸気通路形成リブRo5の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第5下側蒸気通路形成リブRu5の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0080】
第6上側蒸気通路形成リブRo6は、図6に示されるように、裏面視において左側から右側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第5上側蒸気通路形成リブRo5の右斜め前側、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aの後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第6上側蒸気通路形成リブRo6の左端(後端)は上側本体部254nの左側壁部に隣接しており、右端(前端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向している。なお、この第6上側蒸気通路形成リブRo6は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第6上側蒸気通路形成リブRo6の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第6下側蒸気通路形成リブRu6の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0081】
第7上側蒸気通路形成リブRo7は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aの前側、第9上側蒸気通路形成リブRo9の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第7上側蒸気通路形成リブRo7の右端(前端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向しており、左端(後端)は隙間を介して上側本体部254nの左側壁部と対向している。なお、この第7上側蒸気通路形成リブRo7は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第7上側蒸気通路形成リブRo7の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第7下側蒸気通路形成リブRu7の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0082】
第8上側蒸気通路形成リブRo8は、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、第3b上側蒸気通路形成リブRo3bの前側、第10上側蒸気通路形成リブRo10の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第8上側蒸気通路形成リブRo8の左端(前端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向しており、右端(後端)は隙間を介して上側本体部254nの右側壁部と対向している。なお、この第8上側蒸気通路形成リブRo8は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第8上側蒸気通路形成リブRo8の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第8下側蒸気通路形成リブRu8の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0083】
第9上側蒸気通路形成リブRo9は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜する縦板部位であって、第7上側蒸気通路形成リブRo7の前側、第11上側蒸気通路形成リブRo11の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第9上側蒸気通路形成リブRo9の左端(前端)は隙間を介して第11上側蒸気通路形成リブRo11と対向しており、右端(後端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向している。なお、この第9上側蒸気通路形成リブRo9は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第9上側蒸気通路形成リブRo9の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第9下側蒸気通路形成リブRu9の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0084】
第10上側蒸気通路形成リブRo10は、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜する縦板部位であって、第8上側蒸気通路形成リブRo8の前側、第12上側蒸気通路形成リブRo12の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第10上側蒸気通路形成リブRo10の右端(前端)は隙間を介して第12上側蒸気通路形成リブRo12と対向しており、左端(後端)は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向している。なお、この第10上側蒸気通路形成リブRo10は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第10上側蒸気通路形成リブRo10の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第10下側蒸気通路形成リブRu10の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0085】
第11上側蒸気通路形成リブRo11は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、上側囲い壁部254oの前側、第13上側蒸気通路形成リブRo13および第15上側蒸気通路形成リブRo15の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、この第11上側蒸気通路形成リブRo11の右端(前端)は、第13上側蒸気通路形成リブRo13の後端で第13上側蒸気通路形成リブRo13と交差している。また、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第11下側蒸気通路形成リブRu11の左端(後端)は、上側本体部254nの左側壁部に隣接している。ところで、第11上側蒸気通路形成リブRo11の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第11下側蒸気通路形成リブRu11の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0086】
第12上側蒸気通路形成リブRo12は、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って後方に傾斜する縦板部位であって、上側囲い壁部254oの前側、第14上側蒸気通路形成リブRo14および第16上側蒸気通路形成リブRo16の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第12上側蒸気通路形成リブRo12の左端(前端)は、第14上側蒸気通路形成リブRo14の後端で第14上側蒸気通路形成リブRo14と交差している。また、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第12上側蒸気通路形成リブRo12の右端(後端)は、上側本体部254nの右側壁部と対向している。ところで、第12上側蒸気通路形成リブRo12の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第12下側蒸気通路形成リブRu12の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0087】
第13上側蒸気通路形成リブRo13は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において第11上側蒸気通路形成リブRo11の前側、第17上側蒸気通路形成リブRo17の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第13上側蒸気通路形成リブRo13の前端は第17上側蒸気通路形成リブRo17の中央右寄りの位置で第17上側蒸気通路形成リブRo17と交差しており、後端は第11上側蒸気通路形成リブRo11の右端(前端)で第11上側蒸気通路形成リブRo11と交差している。また、第13上側蒸気通路形成リブRo13は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第13上側蒸気通路形成リブRo13の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第13下側蒸気通路形成リブRu13の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0088】
第14上側蒸気通路形成リブRo14は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において第12上側蒸気通路形成リブRo12の前側、第18上側蒸気通路形成リブRo18の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第14上側蒸気通路形成リブRo14の前端は第18上側蒸気通路形成リブRo18の中央左寄りの位置で第18上側蒸気通路形成リブRo18と交差しており、後端は第12上側蒸気通路形成リブRo12の左端(前端)で第12上側蒸気通路形成リブRo12と交差している。また、第14上側蒸気通路形成リブRo14は、図6に示されるように上側囲い壁部254oに向かって延びている。ところで、第14上側蒸気通路形成リブRo14の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第14下側蒸気通路形成リブRu14の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0089】
第15上側蒸気通路形成リブRo15は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において第11上側蒸気通路形成リブRo11の前側、上側本体部254nの前側壁部の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第15上側蒸気通路形成リブRo15の前端は隙間を介して上側本体部254nの前側壁部と対向しており、後端は隙間を介して第11上側蒸気通路形成リブRo11と対向している。ところで、第15上側蒸気通路形成リブRo15の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第15下側蒸気通路形成リブRu15の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0090】
第16上側蒸気通路形成リブRo16は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において第12上側蒸気通路形成リブRo12の前側、上側本体部254nの前側壁部の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第16上側蒸気通路形成リブRo16の前端は隙間を介して上側本体部254nの前側壁部と対向しており、後端は隙間を介して第12上側蒸気通路形成リブRo12と対向している。ところで、第16上側蒸気通路形成リブRo16の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第16下側蒸気通路形成リブRu16の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0091】
第17上側蒸気通路形成リブRo17は、図6に示されるように裏面視において左側から右側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第13上側蒸気通路形成リブRo13の前側、上側本体部254nの前側壁部の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第17上側蒸気通路形成リブRo17は、中央右寄りの位置で第13上側蒸気通路形成リブRo13の前端と交差している。また、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第17上側蒸気通路形成リブRo17の右端(後端)は隙間を介して第14上側蒸気通路形成リブRo14と対向しており、左端(前端)は隙間を介して上側本体部254nの前側壁部と対向している。ところで、第17上側蒸気通路形成リブRo17の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第17下側蒸気通路形成リブRu17の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0092】
第18上側蒸気通路形成リブRo18は、図6に示されるように裏面視において右側から左側に向かうに従って前方に傾斜にする縦板部位であって、第14上側蒸気通路形成リブRo14の前側、上側本体部254nの前側壁部の後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第18上側蒸気通路形成リブRo18は、中央左寄りの位置で第14上側蒸気通路形成リブRo14の前端と交差している。また、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第18上側蒸気通路形成リブRo18の左端(後端)は隙間を介して第13上側蒸気通路形成リブRo13と対向しており、右端(前端)は隙間を介して上側本体部254nの前側壁部と対向している。ところで、第18上側蒸気通路形成リブRo18の下端面のうち図6において黒色で塗潰されている面は、蒸気処理ユニット254の完成時、第18下側蒸気通路形成リブRu18の上端面のうち図5において黒色で塗潰されている面に当接する。
【0093】
第19上側蒸気通路形成リブRo19は、図6に示されるように前後方向に沿って延びる縦板部位であって、裏面視において第2上側蒸気通路形成リブRo2の前側、上側囲い壁部254oの後側に位置している。そして、平面透視(裏面視とは左右が逆になる)において、第19上側蒸気通路形成リブRo19の前端は隙間を介して上側囲い壁部254oと対向しており、後端は隙間を介して第2上側蒸気通路形成リブRo2と対向している。なお、この第19上側蒸気通路形成リブRo19は、本体部材254Aの如何なる部位とも当接しない。
【0094】
なお、上述の上側蒸気通路形成リブRo1~19のうち、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aと第3b上側蒸気通路形成リブRo3b、第4上側蒸気通路形成リブRo4と第6上側蒸気通路形成リブRo6、第7上側蒸気通路形成リブRo7と第8上側蒸気通路形成リブRo8、第9上側蒸気通路形成リブRo9と第10上側蒸気通路形成リブRo10、第11上側蒸気通路形成リブRo11と第12上側蒸気通路形成リブRo12、第13上側蒸気通路形成リブRo13と第14上側蒸気通路形成リブRo14、第15上側蒸気通路形成リブRo15と第16上側蒸気通路形成リブRo16、第17上側蒸気通路形成リブRo17と第18上側蒸気通路形成リブRo18はそれぞれ左右対称の関係にある。
【0095】
(4)ロックレバー機構
ロックレバー機構255は、蓋ユニット250を本体ユニット300に係止するための機構であって、図1および図2に示されるように、主に、一対のロックレバー255Aおよびコイルスプリング(図示せず)から構成されている。ロックレバー255Aは、図1および図2に示されるように、左右方向に出没可能に上側パネル251Aに収容されている。そして、このロックレバー255Aは、上側パネル251Aにおいて、コイルスプリングを挟んで互いに対向するように配設されている。すなわち、一対のロックレバー255Aは、コイルスプリングにより左右外方に向かって付勢されている。このため、蓋ユニット250が本体ユニット300に装着されている状態では、肩部材335の本体部335Aに形成されている空間にロックレバー255Aの係止爪(図示せず)が収容され、その結果、蓋ユニット250が本体ユニット300に係止されている。そして、使用者が本体ユニット300から蓋ユニット250を取り外したい場合、使用者はコイルスプリングの付勢力に抗して両側のロックレバー255Aを中央に寄せるように挟み込んで、肩部材335の本体部335Aに形成されている空間から係止爪を引き抜き、そのままの状態で蓋ユニット250を上方に引き上げる。この結果、本体ユニット300から蓋ユニット250が取り外される。
【0096】
3.電源台
電源台は、主に、台座(図示せず)、ボス受け部(図示せず)、接続端子部(図示せず)、下側カバー(図示せず)、電源コード(図示せず)および電源プラグ(図示せず)から構成されている。
【0097】
台座は、略円盤状の部材であって、電源台の上側に配置されている。
【0098】
ボス受け部は、円筒体であって、台座の中央部から上方に向かって突出している。なお、このボス受け部には、上述の通り、本体ユニット300に配設されている電源台接続ボスMEを着脱自在に受け入れることができる。
【0099】
接続端子部は、ボス受け部に配設されており、上述の通り、ケトル本体200が電源台に載置された状態において、電源台接続ボスMEに配設される2つの電源台接続用接続端子部と接続される。また、この接続端子部には、電源コードが接続されている。また、その電源コードの先端には、外部電源接続用の電源プラグが取り付けられている。
【0100】
下側カバーは、略円盤状の部材であって、電源台の下側を覆っている。
【0101】
<蒸気処理ユニットにおける蒸気通路と蒸気の流れ>
以下、図7図15を用いて蒸気処理ユニット254における蒸気通路Pm(図10および図11参照)および蒸気の流れについて説明する。ところで、図7には蒸気処理ユニット254の底面図が示されており、図8には蒸気処理ユニット254の側面図が示されており、図9には図7のI-I断面図が示されており、図10には図8のII-II断面図が示されており、図11には図8のII-II断面図であって、蒸気流れを示す図が示されており、図12には蒸気処理ユニット254を、図10に示されるIII-III線で切ったときの断面図が示されており、図13には蒸気処理ユニット254を、図10に示されるIV-IV線で切ったときの断面図が示されており、図14には蒸気処理ユニット254を、図10に示されるV-V線で切ったときの断面図が示されており、図15には蒸気処理ユニット254を、図10に示されるVI-VI線で切ったときの断面図が示されている。なお、図10および図11の各部位の符号は、図5図6および図8に示される図面およびそこに記される符号から容易に導き出されるため、主要なものを除き省略した。
【0102】
蒸気処理ユニット254内の蒸気通路Pmは、図10に示されるように迷路型とされている。また、この蒸気処理ユニット254中の全て蒸気通路は、十分な量の蒸気が通過する通路面積を有しており、主通路として機能している。なお、蒸気が素通りしない程度の通路面積を有する通路を副通路と定義付けるが、この蒸気処理ユニット254内の蒸気通路には副通路は存在しない。
【0103】
図12に示される通り、第11下側蒸気通路形成リブRu11と第11上側蒸気通路形成リブRo11とで構成される蒸気通路形成壁には、左横および左下隅に開口AP11が形成されており、第12下側蒸気通路形成リブRu12と第12上側蒸気通路形成リブRo12とで構成される蒸気通路形成壁には、右横および右下隅に開口AP12が形成されている。
【0104】
図13に示される通り、第6下側蒸気通路形成リブRu6と第6上側蒸気通路形成リブRo6とで構成される蒸気通路形成壁には、左下隅に開口AP6が形成されており、第4下側蒸気通路形成リブRu4と第4上側蒸気通路形成リブRo4とで構成される蒸気通路形成壁には、右下隅に開口AP4が形成されている。
【0105】
図14に示される通り、第6下側蒸気通路形成リブRu6と第6上側蒸気通路形成リブRo6とで構成される蒸気通路形成壁には、左下隅に開口AP6が形成されており、第2下側蒸気通路形成リブRu2と第2上側蒸気通路形成リブRo2とで構成される蒸気通路形成壁には、右下隅に開口AP2が形成されている。
【0106】
図15に示される通り、第5上側蒸気通路形成リブRo5には、左下隅に開口AP5が形成されており、第2下側蒸気通路形成リブRu2と第2上側蒸気通路形成リブRo2とで構成される蒸気通路形成壁には、右下隅に開口AP2が形成されている。
【0107】
そして、蒸気処理ユニット254の蒸気通路Pmにおける蒸気の流れは図11に示される通りである。図11において、通常の矢印は、蒸気通路Pmを通る蒸気の流れを示し、白抜き矢印は、下側蒸気通路形成リブRu1,Ru2,Ru4,Ru5,Ru6,Ru11,Ru12および上側蒸気通路形成リブRo1,Ro2,Ro4,Ro5,Ro6,Ro11,Ro12から成る蒸気通路形成リブの下側の開口AP1,AP2,AP4,AP5,AP6,AP11,AP12を通る蒸気の流れを示し、黒塗潰し矢印は、第3下側蒸気通路形成リブRu3の上側の開口AP3を通る蒸気の流れを示している。すなわち、この蒸気通路Pmは立体的に構成されている。また、図11に示される通り、この蒸気通路には、複数の分岐点(図11中の「〇」印参照)および複数の合流点(図11中の「●」印参照)が存在している。そして、第2蒸気ダクト部254fから供給される蒸気は、蒸気通路Pmを通って、出口である主開口Amおよび副開口Asへと流れ、液体容器321の内部空間へと戻される。なお、蒸気通路Pmの途中で発生する凝縮液も、同様に、出口である主開口Amおよび副開口Asへと流れ、液体容器321の内部空間へと戻される。
【0108】
ところで、図11に示される通り、主開口Amの周辺空間には、蒸気通路形成リブRu1~18,Ro1~19が一切配置されていない。このため、主開口Amの周辺空間は、連続する空間となっている。これは、凝縮液が発生した場合や、ケトル本体200の転倒時に液体容器321内の液体が流入してきた場合に、速やかにその液体を液体容器321に戻すためである。
【0109】
<転倒時液漏抑制機能>
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100のケトル本体200には、転倒時に液体容器321中の液体を蒸気処理ユニット254に導いて、同液体が外部へ漏洩するのを抑制する機能がある。以下、この機能について説明する。
【0110】
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100のケトル本体200が転倒した場合、ケトル本体200は、図16に示される通り、天面側から見たときに取手が斜め右下側に位置する状態となるか、斜め左下側に位置する状態となることが多い。かかる場合、液体容器321中の液体は、蒸気処理ユニット254の貫通孔Ptを通って第1蒸気ダクト部254eに流入する。そして、その液体は、取っ手400の中間蒸気通路PVMおよび蒸気処理ユニット254の第2蒸気ダクト部254fを通って蒸気処理ユニット254の内部へ流入する。このとき、その液体の液面は、例えば、図16の通りとなる(液面の位置は当然に液体容器中の液体の量に依存する。)。すなわち、この蒸気処理ユニット254では、蒸気通路Pmの片側の通路に満遍なく液体が行き渡ることになる。また、蒸気通路形成リブRo1~Ro9や蒸気通路形成リブRu1~Ru18は、上述のように、適切な各所で蒸気の通過を許すようになっている。このため、転倒時に沸騰した液体が蒸気処理ユニット254内に流れ込んだとしても、水面の各箇所が主開口Amや副開口As等の蒸気の抜け孔と空間的に連通し易くなっていることから、局所的に蒸気による圧力が高まることが防止され、注液口部335Bからの熱湯の吹き出しが生じ難くなる。なお、これは、ケトル本体200が、図16に示される側の反対側に傾倒している場合も同様である。
【0111】
<本発明の実施の形態に係る電気ケトルの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、図11に示されるように、左右両側の領域において、外側領域および内側領域の両領域に、分岐点や合流点を有する蒸気通路Pmが形成されている。このため、この電気ケトル100のケトル本体200が転倒して液体容器321内の加熱液体が蒸気処理ユニット254内に浸入してきた際において、例えば、主開口Amに液面が達していない場合、上記左右いずれかの蒸気通路Pmが主開口Amまで通じているため(すなわち、ケトル本体200を天面側から見たときにケトル本体200の取っ手400が斜め右下側に位置する状態になったとき右側の蒸気通路Pmが主開口Amに通じ、同取っ手400が斜め左下側に位置する状態となったとき左側の蒸気通路Pmが主開口Amに通じる)、加熱液体から蒸気は主開口Amから抜け出ることができる。このため、このケトル本体200が転倒して上述のいずれの状態になった場合であっても、蒸気処理ユニット254内に昇圧領域が生じることを防ぐことができる。また、ケトル本体200が転倒して液体容器321内の加熱液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際において、全蒸気通路Pmを貯液空間として利用することができる。このため、このケトル本体200では、蒸気処理ユニット254内の蒸気通路Pmを貯液空間として十分に利用することができる。
【0112】
(2)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、図11に示されるように、第2蒸気ダクト部254fの比較的近傍に配設される下側蒸気通路形成リブRu1,Ru2,Ru5,Ru4,Ru6および上側蒸気通路形成リブRo1,Ro2,Ro5,Ro4,Ro6において、蒸気を外側に案内する開口AP1、AP2、AP4、AP5、AP6が形成されている。このため、ケトル本体200が転倒して液体容器321内の液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際、第2蒸気ダクト部254fの比較的近傍の領域においてその液体を速やかに下側に誘導することができる。このため、ケトル本体200が転倒した時の姿勢を安定したものとすることができると共に、蒸気処理ユニット254内の蒸気通路Pmを貯液空間として有効に利用することができる。
【0113】
(3)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、図11に示されるように、第3下側蒸気通路形成リブRu3、第3a上側蒸気通路形成リブRo3aおよび第3b上側蒸気通路形成リブRo3bにより左右外側に蒸気遮断壁が形成され、中央に蒸気通路としての開口AP3が形成されている。すなわち、この蒸気通路形成リブでは、蒸気は、外側への流れが遮断され、中央を通るように誘導される。このため、ケトル本体200が転倒して液体容器321内の液体が蒸気処理容器内に浸入してきた際、第2蒸気ダクト部254f配設側の蒸気通路に液体が溜まってから液体がその逆側の蒸気通路に流入することになる。このため、この蒸気処理ユニット254では、ケトル本体200の転倒時、二つの領域に分けて段階に液体を貯留することができる。このため、このケトル本体200では、蒸気処理ユニット254内の蒸気通路Pmを貯液空間として有効利用しやすくすることができる。
【0114】
(4)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、蒸気出口である主開口Amの周辺空間には、蒸気通路形成リブRu1~18,Ro1~19が一切配置されていない。このため、この蒸気処理ユニット254では、蒸気通路Pm内に凝縮液が発生した場合や、ケトル本体200の転倒時に蒸気通路Pmの内部に液体容器321内の液体が流入してきた場合に、速やかにその液体を液体容器321に戻すことができる。
【0115】
(5)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、複数の分岐点および合流点を含む蒸気通路Pmが形成されている。このため、この蒸気処理ユニット254では、第2蒸気ダクト部254fから主開口Amおよび副開口Asに向かう蒸気は、分岐点で複数方向に拡散され、合流点で混合される。また、この蒸気処理ユニット254では、蒸気通路Pmに分岐点が設けているだけでなく、蒸気通路Pmが立体的に構成されている。このため、この蒸気処理ユニット254では、蒸気通路長を長くとることができる。したがって、この蒸気処理ユニット254では、分岐部や合流部がなく平面的である蒸気通路を有する従前の蒸気処理ユニット(蒸気回収ユニット)に比べ、出口としての主開口Amおよび副開口Asに至るまでに蒸気の勢いを落とすることができる。
【0116】
(6)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、下側囲い壁部254bおよび上側囲い壁部254oから構成される囲い壁部の周辺に、下側蒸気通路形成リブRu1~18および上側蒸気通路形成リブRo1~19から構成される複数の蒸気通路形成リブを配設することによって蒸気通路Pmを形成している。このため、第2蒸気ダクト部254fから主開口Amに至る蒸気通路では、蒸気が囲い壁部を回り込むかたちとなる。このため、この蒸気処理ユニット254では、蒸気通路長を長くとることができる。したがって、この蒸気処理ユニット254では、中央に囲い壁部がない従前の蒸気処理ユニット(蒸気回収ユニット)に比べ、出口としての主開口Amに至るまでに蒸気の勢いを落とすることができる。
【0117】
(7)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、第4下側蒸気通路形成リブRu4と第4上側蒸気通路形成リブRo4から構成される第4蒸気通路形成リブ、第5下側蒸気通路形成リブRu5と第5上側蒸気通路形成リブRo5から構成される第5蒸気通路形成リブ、第6下側蒸気通路形成リブRu6と第6上側蒸気通路形成リブRo6から構成される第6蒸気通路形成リブ、第7下側蒸気通路形成リブRu7と第7上側蒸気通路形成リブRo7から構成される第7蒸気通路形成リブ、第8下側蒸気通路形成リブRu8と第8上側蒸気通路形成リブRo8から構成される第8蒸気通路形成リブ、第13下側蒸気通路形成リブRu13と第13上側蒸気通路形成リブRo13から構成される第13蒸気通路形成リブ、第14下側蒸気通路形成リブRu14と第14上側蒸気通路形成リブRo14から構成される第14蒸気通路形成リブは、隙間を介して、下側囲い壁部254bおよび上側囲い壁部254oから構成される囲い壁部に対向している。このため、この蒸気処理ユニット254では、略中央に位置する囲い壁部を利用して効率的に蒸気を拡散させることができる。
【0118】
(8)
本発明の実施の形態に係る電気ケトル100の蒸気処理ユニット254では、第2蒸気ダクト部254fと、出口としての主開口Amとが、下側囲い壁部254bおよび上側囲い壁部254oから構成される囲い壁部を挟んで対向している。このため、この蒸気処理ユニット254では、囲い壁部の左右の蒸気流れを均等にさせることができる。このため、蒸気処理ユニット254の内部圧力のバランスを良好なものとすることができる。
【0119】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る蒸気処理ユニット254では開口AP1、AP2、AP3、AP4、AP5、AP6、AP11、AP12の開口面積は、蒸気が素通りする程度の大きさとされたが、これらの開口を、蒸気が素通りしない程度に小さくして副通路を形成してもよい。なお、このような変更を加えた場合であっても、蒸気通路Pmには合流点と分岐点が存在する。
【0120】
(B)
先の実施の形態に係る蒸気処理ユニット254には副開口Asが形成されていたが、副開口Asが形成されていなくてもよい。
【0121】
(C)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、副開口Asの周辺に蒸気通路形成リブを配設することを避けてもよい。
【0122】
(備考)
上記変形例(A)~(C)は各例単独で適用されてもよいし、変形例(A)と(B)の2例が組み合わされて適用されてもよいし、変形例(A)と(C)の2例が組み合わされて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0123】
200 :ケトル本体(電気ケトル)
250 :蓋ユニット(蓋体)
254 :蒸気処理ユニット(蒸気処理容器)
310 :容器本体
322 :プリントヒータ(加熱源)
335B :注液口部(注ぎ口部)
400 :取っ手
Am :主開口(第2開口)
As :副開口(第2開口)
BP :蒸気供給口(第1開口)
Pm :蒸気通路(通路)
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