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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】箱詰装置及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20231012BHJP
   B65B 35/36 20060101ALI20231012BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B65B5/08
B65B35/36
B25J13/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019216620
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021084680
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】相原 康佑
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-201584(JP,A)
【文献】特開2016-155562(JP,A)
【文献】特開2015-028459(JP,A)
【文献】特開2019-105610(JP,A)
【文献】特開2009-092401(JP,A)
【文献】特許第3575543(JP,B2)
【文献】特開2001-235425(JP,A)
【文献】特開2010-247869(JP,A)
【文献】特開昭52-112491(JP,A)
【文献】特開2004-323046(JP,A)
【文献】特開2019-006592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/08
B65B 35/36
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を箱に収容する箱詰装置であって、
ガイド部材と、ロボットアームと、制御装置とを備え、
前記ガイド部材は、前記箱の内部に配置可能に構成され、且つ、前記対象物の側面側をガイド可能に構成され、
前記ロボットアームは、
把持部を備え、この把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持可能に構成され、
前記把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持した状態でその位置を可変に構成され、
前記制御装置は、ガイド部材配置制御部と、収容制御部とを備え、
前記ガイド部材配置制御部は、前記箱の内部において前記ガイド部材を配置するように前記ロボットアームを制御し、
前記収容制御部は、前記対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように前記ロボットアームを制御し、
前記ガイド部材配置制御部は、前記対象物を前記箱の内部のn列目に収容した後、前記対象物を前記箱の内部のn+1列目に収容可能な位置に前記ガイド部材を移動させるように前記ロボットアームを制御し、
ここで、nは1以上の整数であるもの
【請求項2】
請求項1に記載の箱詰装置において、
前記把持部は、前記対象物の上部を把持するように構成されるもの。
【請求項3】
請求項2に記載の箱詰装置において、
前記ガイド部材は、掴み部を備え、
前記把持部は、前記掴み部を把持可能に構成されるもの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の箱詰装置において、
前記ガイド部材配置制御部は、前記対象物を前記箱の内部のn_max列目に収容するときに、前記箱の外側から前記箱の側面を押圧し、前記箱の内部のn_max列目に収容される前記対象物をガイド可能に前記ガイド部材を移動させるように前記ロボットアームを制御し、
ここで、n_maxは、前記箱に収容される前記対象物の最大列数を表すもの。
【請求項5】
対象物を箱に収容する箱詰装置であって、
ガイド部材と、ロボットアームと、制御装置とを備え、
前記ガイド部材は、前記箱の内部に配置可能に構成され、且つ、前記対象物の側面側をガイド可能に構成され、
前記ロボットアームは、
把持部を備え、この把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持可能に構成され、
前記把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持した状態でその位置を可変に構成され、
前記制御装置は、ガイド部材配置制御部と、収容制御部とを備え、
前記ガイド部材配置制御部は、前記箱の内部において前記ガイド部材を配置するように前記ロボットアームを制御し、
前記収容制御部は、前記対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように前記ロボットアームを制御し、
前記対象物は、底部よりも上部が小さい複数の対象物で、
前記ガイド部材配置制御部は、すでに前記箱に収容された対象物の上に新たな対象物を配置する場合、前記箱の内部において前記箱に収容された対象物の側面側に前記ガイド部材を配置し、
前記収容制御部は、前記新たな対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように前記ロボットアームを制御するもの。
【請求項6】
請求項に記載の箱詰装置において、
前記収容制御部は、前記ガイド部材を利用して前記新たな対象物を収容するときに、前記新たな対象物の底部が前記すでに箱に収容された対象物の上部と接触する前に、前記把持の把持を解除するように前記ロボットアームを制御するもの。
【請求項7】
対象物を箱に収容する箱詰装置の制御装置であって、
前記箱詰装置は、
ガイド部材と、ロボットアームとを備え、
前記ガイド部材は、前記箱の内部に配置可能に構成され、且つ、前記対象物の側面側をガイド可能に構成され、
前記ロボットアームは、
把持部を備え、この把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持可能に構成され、
前記把持部が前記複数の対象物又は前記ガイド部材を把持した状態でその位置を可変に構成され、
本制御装置は、ガイド部材配置制御部と、収容制御部とを備え、
前記ガイド部材配置制御部は、前記箱の内部において前記ガイド部材を配置するように前記ロボットアームを制御し、
前記収容制御部は、前記対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように前記ロボットアームを制御し、
前記ガイド部材配置制御部は、前記対象物を前記箱の内部のn列目に収容した後、前記対象物を前記箱の内部のn+1列目に収容可能な位置に前記ガイド部材を移動させるように前記ロボットアームを制御し、
ここで、nは1以上の整数であるもの
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰装置及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場では、人が複数の対象物を箱に収納する代わりに、複数の対象物を箱に収容することができる箱詰装置を用いることがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-178801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対象物の底部が不安定な場合や、対象物が底部よりも上部が小さく且つこのような対象物を上下方向に積み重ねて箱に収容しようとする場合、収容中に対象物が倒れてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、対象物を箱に収容する際に、安定した作業を実施することができる箱詰装置及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、対象物を箱に収容する箱詰装置であって、ガイド部材と、ロボットアームと、制御装置とを備え、前記ガイド部材は、前記箱の内部に配置可能に構成され、且つ、前記対象物の側面側をガイド可能に構成され、前記ロボットアームは、把持部を備え、この把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持可能に構成され、前記把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持した状態でその位置を可変に構成され、前記制御装置は、ガイド部材配置制御部と、収容制御部とを備え、前記ガイド部材配置制御部は、前記箱の内部において前記ガイド部材を配置し、前記収容制御部は、前記対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように、前記ロボットアームを制御するものが提供される。
【0007】
このような箱詰装置によれば、対象物を箱に収容する際に、安定した作業を実施することができる、という有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】箱詰装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】制御装置4のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】制御部44の機能ブロック図である。
図4】ガイド部材8の前面斜視図である。
図5】ガイド部材8の背面斜視図である。
図6】箱7に容器5,6が収容された状態における箱7の内部を表す模式図である。
図7】箱7に容器5,6が収容された状態を平面から見た模式図である。
図8】箱7に容器5,6を収容している状態を表す模式図である。
図9】ロボットアーム3の把持部31によりガイド部材8の掴み部81を把持している状態を表す模式図である。
図10】ロボットアーム3の軌跡を表す模式図である。
図11】箱7に容器5を収容した後、ガイド部材8を収容している状態を表す模式図である。
図12】箱7の下段に容器5を収容した後、ガイド部83を利用して容器6を上段の1列目に収容する様子を表した模式図である。
図13】ガイド部83を利用して容器6を上段の2列目に収容する様子を表した模式図である。
図14】ガイド部83を利用して容器6を上段の最後の列(n_max列目)に収容する様子を表した模式図である。
図15】箱詰装置1の処理を表すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CLPD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
1.ハードウェア構成
本節では、箱詰装置1のハードウェア構成について説明する。箱詰装置1は、対象物を箱7に収容する装置である。特に、対象物は、底部よりも上部が小さい複数の対象物である。以下本実施形態において、一例として、対象物は、本体部よりも開口部の直径が小さい容器であるものとする。具体的には、複数の容器として、容器5,6(図6参照)が含まれる。また、容器5,6はそれぞれ、本体部51,61よりも開口部52,62の直径が小さい容器である(図6参照)。図1に示すように、箱詰装置1は、ガイド部材8、ロボットアーム3、制御装置4を備える。
【0012】
1.1 ガイド部材8
ガイド部材8は、箱7の内部に配置可能に構成され、且つ、複数の容器の側面側をガイド可能に構成される。図4及び図5に示すように、ガイド部材8は、掴み部81、連結部82、ガイド部83を備える。掴み部81は、後述のロボットアーム3の把持部31により把持される部分である。連結部82は、掴み部81とガイド部83を連結する部分である。本実施形態では、連結部82は、掴み部81の一端から湾曲して略垂直に設けられる。そして、連結部82の他端がガイド部83と接続される。ガイド部83は、容器の側面側をガイドする部材である。ここで、ガイド部材8の形状はこれに限定されず、適宜設計することができる。なお、箱7の内部のある列に容器6をk個配置する場合、ガイド部材8の幅が容器6の幅と(k-1)との積よりも大きな値を有するように実施することが好ましい。
【0013】
1.2 ロボットアーム3
ロボットアーム3は、把持部31を備える。この把持部31が複数の容器5,6又はガイド部材8を把持可能に構成される。また、把持部31が複数の容器5,6又はガイド部材8を把持した状態でその位置を可変に構成される。本実施形態では、把持部31は、容器5,6の開口部52,62を把持するように構成される。さらに、本実施形態では、把持部31は、ガイド部材8に設けられた掴み部81を把持することにより、ガイド部材8を把持可能となる。ここで、掴み部81の幅が容器5,6の開口部52,62の幅形状と略同一である場合、容器5,6の開口部52,62を把持するときと掴み部81を把持するときに特別な調整が不用となり、1つの把持部31で簡単に容器5,6の開口部52,62と掴み部81を把持することが可能になる。
【0014】
1.3 制御装置4
図2に示すように、制御装置4は、通信部42、記憶部43、制御部44を備え、これらが通信バス41を介して電気的に接続されている。
【0015】
通信部42は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0016】
記憶部43は、様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0017】
特に、記憶部43は、ガイド部材配置制御機能、容器収容制御機能、ガイド部材撤去制御機能を実現するプログラムを記憶する。また、記憶部43は、これ以外にも制御部44によって実行される種々のプログラム等を記憶している。
【0018】
制御部44は、箱詰装置1に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部44は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部44は、記憶部43に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、箱詰装置1に係る種々の機能を実現する。具体的には、ガイド部材配置制御機能、容器収容制御機能、ガイド部材撤去制御機能が該当する。すなわち、ソフトウェア(記憶部43に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部44)によって具体的に実現されることで、図3に示されるガイド部材配置制御部441、収容制御部442、ガイド部材撤去制御部443、判定部444として実行されうる。
【0019】
なお、図3においては、単一の制御部44として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部44を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
2.機能構成
本節では、箱詰装置1の機能構成について説明する。図3に示すように、制御部44は、ガイド部材配置制御部441、収容制御部442、ガイド部材撤去制御部443、判定部444を備える。換言すると、制御装置4は、ガイド部材配置制御部441と、収容制御部442とを備える。
【0021】
(ガイド部材配置制御部441)
ガイド部材配置制御部441は、すでに箱7に収容された容器5の上に新たな容器6を配置する場合、箱7の内部において箱7に収容された容器5の側面側にガイド部材8を配置する。本実施形態では、ガイド部材配置制御部441は、ロボットアーム3を制御し、ガイド部材8の配置制御を実行するものである。具体的には、ロボットアーム3の把持部31を駆動させてガイド部材8の掴み部81を把持させるとともに、ガイド部材8の移動方向、移動速度、移動タイミング等を制御する。
【0022】
(収容制御部442)
収容制御部442は、新たな容器6をガイド部材8にガイドさせた状態で箱7に収容するように、ロボットアーム3を制御する。本実施形態では、収容制御部442は、ロボットアーム3を制御し、容器5,6の収容制御を実行するものである。具体的には、ロボットアーム3の把持部31を駆動させて容器5,6の開口部52,62を把持させるとともに、容器5,6の移動方向、移動速度、移動タイミング等を制御する。
【0023】
(ガイド部材撤去制御部443)
ガイド部材撤去制御部443をさらに備える。ガイド部材撤去制御部443は、箱7に対する容器5,6の箱詰めが完了した後に、ガイド部材8を箱7から取り除くようにロボットアーム3を制御する。本実施形態では、ガイド部材撤去制御部443は、ロボットアーム3を制御し、ガイド部材8の撤去制御を実行するものである。具体的には、ロボットアーム3の把持部31を駆動させてガイド部材8の掴み部81を把持させるとともに、ガイド部材8の移動方向、移動速度、移動タイミング等を制御する。
【0024】
(判定部444)
判定部444は、ロボットアーム3が把持する容器が、箱7の下段に収容される容器5であるか、箱7の上段に収容される容器6であるかを判定可能に構成される。ここで、箱7の下段及び上段は、上下2段に限られず、3段以上のうち、相対的な上下関係を表すものである。本実施形態では、判定部444は、箱7の下段に全ての容器5が収容されたことを判定可能に構成される。そして、判定部444により、箱7の下段に全ての容器5が収容されたと判定された場合、ガイド部材配置制御部441によりロボットアーム3が制御され、ガイド部材8が箱7の内部に配置される。その後、収容制御部442によりロボットアーム3が制御され、容器5の上に別の容器6を配置する。
【0025】
3.状態の箱7に容器5,6が収容された状態
図6及び図7に示すように、箱詰装置1により、複数の容器5,6が箱7に転倒しないように互いにわずかな隙間を有して収容される。箱7は、箱底面部71、箱底面部71から垂設する箱側面部72、及び上側に開口した箱開口部73により構成される。このとき、容器6の下部が容器5の上部に載置される。
【0026】
図8に示すように、容器5,6は、ロボットアーム3の把持部31により把持されて、箱7の内部に収容される。ここで、図8の例では、容器5を図示しているが、容器6の場合も同様である。
【0027】
ここで、ロボットアームは、2つのロボットアーム3で、それぞれの把持部31が複数の容器5又は容器6を交互に1つずつ把持してもよい。また、2つのロボットアーム3で、それぞれの把持部31が複数の容器5及び容器6を同時に1つずつ把持してもよい。
【0028】
また、図9に示すように、ロボットアーム3の把持部31により、ガイド部材8の掴み部81が把持される。
【0029】
ここで、図10に示すように、2つのロボットアーム3は、容器5,6を箱7に収容する前の位置(領域R1)から収容する位置(領域R2)までの間を、互いに逆方向に回転駆動するように構成されてもよい。これにより、2つのロボットアーム3が互いに干渉することを防止することができる。ここで、図10に示される領域R3は、ガイド部材8を待機させておく領域である。
【0030】
4.制御部44による制御
ガイド部材配置制御部441は、すでに箱7に収容された容器5の上に新たな容器6を配置する場合、箱7の内部において箱7に収容された容器5の側面側にガイド部材8を配置する。本実施形態では、図12に示すように、箱7の内部の下段に全ての容器5が収容された後、1列目の容器5の側面側にガイド部材8を配置する。さらに具体的には、容器5の側面側であって、箱7の箱開口部73より収容される容器6の側面をガイド可能な位置にガイド部材8のガイド部83が位置決めされる。ここで、図12では、視認性の向上のため、ガイド部材8のうちガイド部83以外の部分を省略している(図13も同様)。
【0031】
本実施形態では、箱詰装置1においては、ガイド部材配置制御部441は、新たな容器6を箱7の内部のn列目に収容した後、新たな容器6を箱の内部のn+1列目に収容可能な位置にガイド部材8を移動させるようにロボットアーム3を制御する。ここで、nは1以上の整数である。具体的には、上段の1列目における容器6の収容の際に、かかる容器6の側面側をガイド可能な位置にガイド部83を配置する。そして、上段の1列目へ全ての容器6を収容した後、図13に示すように、上段の2列目に収容する容器6の側面をガイド可能な位置にガイド部83を移動させるようにロボットアーム3を制御する。かかる処理を、n_max列目まで繰り返す。このとき、図14に示すように、ガイド部材配置制御部441は、新たな容器6を箱7の内部のn_max列目に収容するときに、箱7の外側から箱7の側面を押圧し、箱7の内部のn_max列目に収容される新たな容器6をガイド可能にガイド部材8を移動させるようにロボットアーム3を制御してもよい。ここで、n_maxは、箱に収容される容器の最大列数を表す。これにより、箱7の最終列においても容器6を適切にガイド可能となる。
【0032】
そして、ガイド部材撤去制御部443は、箱7に対する容器の箱詰めが完了した後に、ガイド部材8を箱7から取り除くようにロボットアーム3を制御する。これにより、
【0033】
このとき、ロボットアーム3は、容器6の底部が容器5の上部と接触するように容器6を収容してもよい。また、収容制御部442は、ガイド部材8を利用して新たな容器6を収容するときに、新たな容器6の底部がすでに箱7に収容された容器5の上部と接触する前に、把持部31の把持を解除するようにロボットアーム3を制御してもよい。この態様では、ガイド部材8のガイド部83により、容器6が容器5の真上に自然落下するため、途中で6の把持を開解除しても容器6が容器5の真上に位置合わせされた状態で収容される。これにより、図6及び図7に示される状態となる。
【0034】
このように、本実施形態では、箱7の下段に容器5を収容させるときにはガイド部材8を利用しないことで、ガイド部材8の制御をすることなく容器5を箱7に迅速に収容することができる。また、箱7に全ての容器5を収容した後、ガイド部材8を箱7の内部に配置することにより、箱7の上段に容器6を収容するときの位置合わせを簡単に実現することができる。さらに、ガイド部材8を利用することにより、本体部よりも開口部の直径が小さい複数の容器を上下方向に積み重ねて箱7に収容する際に、安定した作業を実施することが可能になる。
【0035】
5.箱詰装置1による処理
本節では、図15を用いて、箱詰装置1による処理について説明する。
【0036】
[ここから]
(アクティビティA11)
収容制御部442により制御されたロボットアーム3の把持部31を領域R1(図10参照)に移動させ、容器5の開口部52を把持する。
【0037】
(アクティビティA12)
続いて、収容制御部442により制御されたロボットアーム3の把持部31を領域R2(図10参照)に移動させ、容器5を箱7の中に収容する(収容に際して現在の段は、下段)。このとき、2つのロボットアーム3により、複数の容器5が交互に配置されてもよい。
【0038】
ロボットアーム3が箱7に収容する容器5について、下段への収容が未完である場合(つまり、箱7の下段が容器5で埋めつくされていない場合)、処理をアクティビティA11に戻す。一方、下段への収容が完了した場合(つまり、箱7の下段が容器5で埋めつくされた場合)、処理をアクティビティA13に進める。
【0039】
(アクティビティA13)
ガイド部材配置制御部441により制御されたロボットアーム3の把持部31を領域R3(図10参照)に移動させ、ガイド部材8を把持する。本実施形態では、把持部31により、ガイド部材8の掴み部81が把持される。
【0040】
(アクティビティA14~A16)
続いて、ガイド部材配置制御部441により制御されたロボットアーム3を領域R2(図10参照)に移動させ、ガイド部材8を箱7に移動する。このとき、ガイド部材8が容器5の側面側であって、容器6の側面をガイド可能な位置に位置決めされる。このとき、2つのロボットアーム3のうち、ガイド部材8を把持しているロボットアーム3は、位置決めされた位置に固定される。
【0041】
(アクティビティA17)
続いて、ガイド部材8を把持していない方のロボットアーム3であって、収容制御部442により制御されたロボットアーム3の把持部31を領域R1(図10参照)に移動させ、容器6の開口部62を把持する。
【0042】
(アクティビティA18及びA19)
続いて、収容制御部442により制御されたロボットアーム3の把持部31を領域R2(図10参照)に移動させ、容器6を箱7の中に収容する(収容に際して現在の段は、上段)。
【0043】
そして、上段のn列目の収容が未完である場合、容器6の収容を繰り返す(A17及びA18のループ)。一方、上段のn列目の収容が完了した場合、上段のn+1列目について同様に容器6の収容を繰り返す(A19及びA16を介して、再びA17及びA18のループ)。さらに、上段のn_max列目に達したときは、処理をアクティビティA20に進める。
【0044】
(アクティビティA20)
ガイド部材撤去制御部443により制御されたロボットアーム3によって、ガイド部材8が箱7から撤去される。換言すると、ガイド部材撤去制御部443は、箱7に対する容器5,6の箱詰めが完了した後に、ガイド部材8を箱7から取り除くようにロボットアーム3を制御する。その後、ガイド部材撤去制御部443により制御されたロボットアーム3を領域R3(図10参照)に移動させ、ガイド部材8を領域R3に戻し、処理を終了する。
[ここまで]
【0045】
6.変形例
判定部444による判定は、予め規定の個数をティーチングし、オープンループ制御によるものとして説明したが、判定に際して、カメラを利用したビジュアルフィードバック制御を実施してもよい。かかる場合、容器6の位置をカメラで認識して、ロボットアーム3を制御することとなる。
【0046】
7.結言
以上のように、本実施形態によれば、対象物を箱に収容する際に、安定した作業を実施することができる箱詰装置を実現することができる。
【0047】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記箱詰装置において、前記把持部は、前記対象物の上部を把持するように構成されるもの。
前記箱詰装置において、前記ガイド部材は、掴み部を備え、前記把持部は、前記掴み部を把持可能に構成されるもの。
前記箱詰装置において、前記ガイド部材配置制御部は、前記対象物を前記箱の内部のn列目に収容した後、前記対象物を前記箱の内部のn+1列目に収容可能な位置に前記ガイド部材を移動させるように前記ロボットアームを制御し、ここで、nは1以上の整数であるもの。
前記箱詰装置において、前記ガイド部材配置制御部は、前記対象物を前記箱の内部のn_max列目に収容するときに、前記箱の外側から前記箱の側面を押圧し、前記前記箱の内部のn_max列目に収容される前記対象物をガイド可能に前記ガイド部材を移動させるように前記ロボットアームを制御し、ここで、n_maxは、前記箱に収容される前記対象物の最大列数を表すもの。
前記箱詰装置において、前記対象物は、底部よりも上部が小さい複数の対象物で、前記ガイド部材配置制御部は、すでに前記箱に収容された対象物の上に新たな対象物を配置する場合、前記箱の内部において前記箱に収容された対象物の側面側に前記ガイド部材を配置し、前記収容制御部は、前記新たな対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように、前記ロボットアームを制御するもの。
前記箱詰装置において、前記収容制御部は、前記ガイド部材を利用して前記新たな対象物を収容するときに、前記新たな対象物の底部が前記すでに箱に収容された対象物の上部と接触する前に、前記把持の把持を解除するように前記ロボットアームを制御するもの。
対象物を箱に収容する箱詰装置の制御装置であって、前記箱詰装置は、ガイド部材と、ロボットアームとを備え、前記ガイド部材は、前記箱の内部に配置可能に構成され、且つ、前記対象物の側面側をガイド可能に構成され、前記ロボットアームは、把持部を備え、この把持部が前記対象物又は前記ガイド部材を把持可能に構成され、前記把持部が前記複数の対象物又は前記ガイド部材を把持した状態でその位置を可変に構成され、本制御装置は、ガイド部材配置制御部と、収容制御部とを備え、前記ガイド部材配置制御部は、前記箱の内部において前記ガイド部材を配置し、前記収容制御部は、前記対象物を前記ガイド部材にガイドさせた状態で前記箱に収容するように、前記ロボットアームを制御するもの。
もちろん、この限りではない。
【0048】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 :箱詰装置
3 :ロボットアーム
31 :把持部
4 :制御装置
41 :通信バス
42 :通信部
43 :記憶部
44 :制御部
441 :ガイド部材配置制御部
442 :収容制御部
443 :ガイド部材撤去制御部
444 :判定部
5 :容器
51 :本体部
52 :開口部
6 :容器
61 :本体部
62 :開口部
7 :箱
71 :箱底面部
72 :箱側面部
73 :箱開口部
8 :ガイド部材
81 :掴み部
82 :連結部
83 :ガイド部
R1 :領域
R2 :領域
R3 :領域
図1
図2
図3
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図5
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図10
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