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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】固体冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 21/00 20060101AFI20231012BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
F25B21/00 A
F25B47/02 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021550529
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2020034167
(87)【国際公開番号】W WO2021065397
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】P 2019179628
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 昭雄
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-027611(JP,A)
【文献】特開2019-100592(JP,A)
【文献】特開2011-099672(JP,A)
【文献】特開平10-009725(JP,A)
【文献】国際公開第2012/168971(WO,A1)
【文献】特開2019-060544(JP,A)
【文献】特開平01-111174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0165595(US,A1)
【文献】特開2015-124927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 21/00
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体冷媒物質(22)と、該固体冷媒物質(22)が配置される内部流路(24,25)と、該固体冷媒物質(22)に熱量効果を誘発させる誘発部(23)とを有する少なくとも1つの固体冷却部(20)と、
少なくとも1つの第1熱交換器(11,16)と、
少なくとも1つの第2熱交換器(12)と、
前記第1熱交換器(11,16)と前記第2熱交換器(12)と前記内部流路(24,25)とが接続される少なくとも1つの熱媒体回路(C)と、
前記熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する往復搬送機構(30,50)と、
前記固体冷却部(20)により加熱した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ固体冷却部(20)により冷却した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で吸熱させる加熱運転と、
前記固体冷却部(20)により冷却した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で吸熱させ且つ固体冷却部(20)により加熱した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で放熱させる除霜運転とを切り換える運転切換機構(15,100)と
を備え、
前記固体冷媒物質は、磁気作業物質(22)であり、
前記誘発部は、前記磁気作業物質(22)に磁場変動を付与する磁場変調部(23)であり、
前記固体冷却部は、複数種の磁気作業物質(22)からなるカスケード式の磁気冷凍部(20)であり、
前記熱媒体回路(C)は、前記磁気冷凍部(20)の前記内部流路(24,25)とそれぞれ連通する、高温流出部(53)、高温流入部(54)、低温流出部(51)、及び低温流入部(52)を含み、
前記加熱運転では、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記高温流入部(54)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第2熱交換器(12)、及び前記低温流入部(52)を流れ、
前記除霜運転では、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記低温流入部(52)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第2熱交換器(12)、及び前記高温流入部(54)を流れ、
前記加熱運転から前記除霜運転へ切り換えた後、及び前記除霜運転から前記加熱運転へ切り換えた後の少なくとも一方において、前記磁気冷凍部(20)の高温端から低温端までの間の温度勾配の低下を抑制する抑制機構(A1,A2,50)を備えている
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項2】
請求項において、
前記抑制機構は、
前記低温流入部(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくする第1熱量調節部(A1)と、
前記高温流入部(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくする第2熱量調節部(A2)との少なくとも一方を有している
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項3】
請求項において、
前記第1熱量調節部(A1)は、前記低温流出部(51)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記低温流入部(52)に流入させる第1バイパス流路(71)と、該第1バイパス流路(71)の流路抵抗を調節する第1制御弁(73)とを有し、
前記第2熱量調節部(A2)は、前記高温流出部(53)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記高温流入部(54)に流入させる第2バイパス流路(72)と、該第2バイパス流路(72)の流路抵抗を調節する第2制御弁(74)とを有している
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1つにおいて、
前記抑制機構は、前記往復搬送機構(50)を含み、
前記往復搬送機構(50)は、前記熱媒体の流量を小さくすることにより前記磁気冷凍部(20)の前記温度勾配の低下を抑制する
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つにおいて、
前記少なくとも1つの固体冷却部(20)は、複数の固体冷却部(20)で構成され、
前記少なくとも1つの熱媒体回路(C)は、複数の熱媒体回路(C)で構成され、
前記少なくとも1つの第2熱交換器(12)は、複数の第2熱交換器(12)で構成され、
前記除霜運転は、除霜対象となる第2熱交換器(12)を変更するように複数の除霜動作が行われ、
前記各除霜動作では、一部の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ該一部の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を一部の前記第2熱交換器(12)で吸熱させる第1運転と、他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させる第2運転とが同時に実行される
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項6】
請求項において、
前記複数の熱媒体回路(C)は、補助熱交換器(82,84)をそれぞれ有し、
前記第2運転では、前記他の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)を迂回して前記補助熱交換器(82,84)で吸熱させ且つ前記他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させる
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項7】
請求項又はにおいて、
前記複数の熱媒体回路(C)は、前記第1熱交換器(11,16)をそれぞれ有し、
前記第1運転では、前記一部の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を一部の前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ該一部の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を一部の前記第2熱交換器(12)で吸熱させ、
前記第2運転では、前記他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を他の前記第2熱交換器(12)で放熱させ且つ該他の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を他の前記第1熱交換器(11,16)で吸熱させる
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【請求項8】
請求項において、
前記複数の第1熱交換器(11,16)の各々を通過して室内空間へ供給される空気をそれぞれ搬送するファン(13)を備え、
前記第1運転では、前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応する前記ファン(13)を運転し、
前記第2運転では、前記他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量を前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量よりも小さくする、又は該他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)を停止させる
ことを特徴とする固体冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された磁気冷凍装置は、複数のベッド、高温側熱交換器、及び低温側熱交換器を有する。ベッド、高温側熱交換器、及び低温側熱交換器は熱媒体回路に接続される。ベッドでは、磁気作業物質の磁場変動に伴い、磁気作業物質が発熱、あるいは吸熱する。熱媒体回路の熱媒体は、発熱する磁気作業物質により加熱される。あるいは、熱媒体回路の熱媒体は、吸熱する磁気作業物質により冷却される。このような動作により、高温側熱交換器の熱媒体と、低温側熱交換器の熱媒体との間に温度差が生じる。
【0003】
低温側熱交換器は、熱媒体の温度が低くなるので、低温側熱交換器の表面に霜が付くことがある。特許文献1では、高温側熱交換器に貯まった熱媒体を低温側熱交換器に搬送することで、低温側熱交換器を除霜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-507714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1では、高温側熱交換器に貯まった熱媒体を低温側熱交換器の除霜に利用している。しかし、高温側熱交換器内の熱媒体の熱だけでは、低温側熱交換器を十分に除霜できないことがあった。
【0006】
本開示は、低温側熱交換器の除霜に必要な熱を確保できる固体冷凍装置、特に磁気冷凍装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、固体冷凍装置において、固体冷媒物質(22)と、該固体冷媒物質(22)が配置される内部流路(24,25)と、該固体冷媒物質(22)に熱量効果を誘発させる誘発部(23)とを有する少なくとも1つの固体冷却部(20)と、少なくとも1つの第1熱交換器(11,16)と、少なくとも1つの第2熱交換器(12)と、前記第1熱交換器(11,16)と前記第2熱交換器(12)と前記内部流路(24,25)とが接続される少なくとも1つの熱媒体回路(C)と、前記熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する往復搬送機構(30,50)と、前記固体冷却部(20)により加熱した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ固体冷却部(20)により冷却した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で吸熱させる加熱運転と、前記固体冷却部(20)により冷却した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で吸熱させ且つ固体冷却部(20)により加熱した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で放熱させる除霜運転とを切り換える運転切換機構(15,100)とを備えている。
【0008】
第1の態様では、運転切換機構(15)により、加熱運転と除霜運転とが切り換えられる。除霜運転では、固体冷却部(20)により加熱した熱媒体が第2熱交換器(12)で放熱する。この結果、第2熱交換器(12)の除霜が行われる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記固体冷媒物質は、磁気作業物質(22)であり、前記誘発部は、前記磁気作業物質(22)に磁場変動を付与する磁場変調部(23)であり、前記固体冷却部は、複数種の磁気作業物質(22)からなるカスケード式の磁気冷凍部(20)であり、前記熱媒体回路(C)は、前記磁気冷凍部(20)の前記内部流路(24,25)とそれぞれ連通する、高温流出部(53)、高温流入部(54)、低温流出部(51)、及び低温流入部(52)を含み、前記加熱運転では、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記高温流入部(54)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第2熱交換器(12)、及び前記低温流入部(52)を流れ、前記除霜運転では、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記低温流入部(52)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第2熱交換器(12)、及び前記高温流入部(54)を流れる。
【0010】
第2の態様では、カスケード式の磁気冷凍部(20)を有する固体冷凍装置(磁気冷凍装置)において、加熱運転と除霜運転とが切り換えて行われる。除霜運転では、カスケード式の磁気冷凍部(20)により加熱された熱媒体の熱が、第2熱交換器(12)の除霜に利用される。
【0011】
第3の態様は、第2の態様において、前記加熱運転から前記除霜運転へ切り換えた後、及び前記除霜運転から前記加熱運転へ切り換えた後の少なくとも一方において、前記磁気冷凍部(20)の高温端から低温端までの間の温度勾配の低下を抑制する抑制機構(A1,A2,50)を備えている。
【0012】
第3の態様では、加熱運転から除霜運転へ切り換えた後、及び除霜運転から加熱運転へ切り換えた後の少なくとも一方において、抑制機構(A1,A2,50)が、カスケード式の磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制する。これにより、除霜運転の開始時、あるいは加熱運転の開始時において、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果が低下するのを抑制できる。
【0013】
第4の態様は、第3の態様において、前記抑制機構(A1,A2,50)は、前記低温流入部(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくする第1熱量調節部(A1)と、前記高温流入部(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくする第2熱量調節部(A2)との少なくとも一方を有している。
【0014】
第4の態様では、第1熱量調節部(A1)により、低温流入部(52)に流入する熱媒体の熱量を低減できる。これにより、カスケード式の磁気冷凍部(20)の低温端の温度上昇を抑制でき、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。第2熱量調節部(A2)により、高温流入部(54)に流入する熱媒体の熱量を増大できる。これにより、カスケード式の磁気冷凍部(20)の高温端の温度低下を抑制でき、磁気冷凍部(20)の温度勾配の上昇を抑制できる。
【0015】
第5の態様は、第4の態様において、前記第1熱量調節部(A1)は、前記低温流出部(51)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記低温流入部(52)に流入させる第1バイパス流路(71)と、該第1バイパス流路(71)の流路抵抗を調節する第1制御弁(73)とを有し、前記第2熱量調節部(A2)は、前記高温流出部(53)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記高温流入部(54)に流入させる第2バイパス流路(72)と、該第2バイパス流路(72)の流路抵抗を調節する第2制御弁(74)とを有している。
【0016】
第5の態様では、第1制御弁(73)により第1バイパス流路(71)を流れる熱媒体の流量を増大できる。これにより、低温流入部(52)に流入する熱媒体の熱量を低減できる。第2制御弁(74)により第2バイパス流路(72)を流れる熱媒体の流量を増大できる。これにより、高温流入部(54)に流入する熱媒体の熱量を増大できる。
【0017】
第6の態様は、第3~第5のいずれか1つの態様において、前記抑制機構は、前記往復搬送機構(50)を含み、前記往復搬送機構(50)は、前記熱媒体の流量を小さくすることにより前記磁気冷凍部(20)の前記温度勾配の低下を抑制する。
【0018】
第6の態様では、前記加熱運転から前記除霜運転へ切り換えた後、及び前記除霜運転から前記加熱運転へ切り換えた後の少なくとも一方において、往復搬送機構(50)が、熱媒体の流量を小さくする。これにより、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。
【0019】
第7の態様は、第1の態様において、前記固体冷媒物質は、磁気作業物質(22)であり、前記誘発部は、前記磁気作業物質(22)に磁場変動を付与する磁場変調部(23)であり、前記固体冷却部は、1種類の磁気作業物質(22)からなる単層式の磁気冷凍部(20)であり、前記熱媒体回路(C)は、前記磁気冷凍部(20)の前記内部流路(24,25)とそれぞれ連通する、第1流出部(41)、第1流入部(42)、第2流出部(43)、及び第2流入部(44)を含み、前記加熱運転では、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記第1流出部(41)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記第1流入部(42)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記第2流出部(43)、前記第2熱交換器(12)、及び前記第2流入部(44)を流れ、前記除霜運転では、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記第1流出部(41)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記第1流入部(42)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記第2流出部(43)、前記第2熱交換器(12)、及び前記第2流入部(44)を流れる。
【0020】
第7の態様では、単層式の磁気冷凍部(20)を有する磁気冷凍装置(固体冷凍装置)において、加熱運転と除霜運転とが切り換えて行われる。除霜運転では、単層式の磁気冷凍部(20)により加熱された熱媒体の熱が、第2熱交換器(12)の除霜に利用される。
【0021】
第8の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記少なくとも1つの固体冷却部(20)は、複数の固体冷却部(20)で構成され、前記少なくとも1つの熱媒体回路(C)は、複数の熱媒体回路(C)で構成され、前記少なくとも1つの第2熱交換器(12)は、複数の第2熱交換器(12)で構成され、前記除霜運転は、除霜対象となる第2熱交換器(12)を変更するように複数の除霜動作が行われ、前記各除霜動作では、一部の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ該一部の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を一部の前記第2熱交換器(12)で吸熱させる第1運転と、他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させる第2運転とが同時に実行される。
【0022】
第8の態様の除霜運転では、除霜対象となる第2熱交換器(12)を変更することで、複数の第2熱交換器(12)の除霜を行うことができる。各除霜運転では、一部の第1熱交換器(11)で熱媒体が放熱する。このため、除霜運転では、実質的に加熱運転を継続できる。
【0023】
第9の態様は、第8の態様において、前記複数の熱媒体回路(C)は、補助熱交換器(82,84)をそれぞれ有し、前記第2運転では、前記他の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)を迂回して前記補助熱交換器(82,84)で吸熱させ且つ前記他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させる。
【0024】
第9の態様では、除霜動作の第2運転において、熱媒体が第1熱交換器(11)を迂回し、補助熱交換器(82,84)で吸熱する。
【0025】
第10の態様は、第8又は第9の態様において、前記複数の熱媒体回路(C)は、前記第1熱交換器(11,16)をそれぞれ有し、前記第1運転では、前記一部の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を一部の前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ該一部の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を一部の前記第2熱交換器(12)で吸熱させ、前記第2運転では、前記他の固体冷却部(20)により加熱した熱媒体を他の前記第2熱交換器(12)で放熱させ且つ該他の固体冷却部(20)により冷却した熱媒体を他の前記第1熱交換器(11,16)で吸熱させる。
【0026】
第10の態様の除霜運転では、第1運転において、熱媒体が第1熱交換器(11)で放熱し、第2熱交換器(12)で吸熱する。これにより、実質的に加熱運転が継続して行われる。第2運転において、熱媒体が第2熱交換器(12)で放熱し、第1熱交換器(11)で吸熱する。これにより、第2熱交換器(12)の除霜が行われる。
【0027】
第11の態様は、第10の態様において、前記複数の第1熱交換器(11,16)の各々を通過して室内空間へ供給される空気をそれぞれ搬送するファン(13)を備え、前記第1運転では、前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応する前記ファン(13)を運転し、前記第2運転では、前記他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量を前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量よりも小さくする、又は該他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)を停止させる。
【0028】
第11の態様では、第2運転において、熱媒体が吸熱する第1熱交換器(11)に対応するファン(13)の風量を小さくする、あるいは該ファン(13)を停止させる。これにより、第1熱交換器(11)における熱媒体の吸熱量を低減できる。
【0029】
第12の態様は、第1、8-11のいずれか1つの態様において、前記固体冷媒物質は、磁気作業物質(22)であり、前記誘発部は、前記磁気作業物質(22)に磁場変動を付与する磁場変調部(23)であり、前記固体冷却部は、磁気冷凍部(20)である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、実施形態1に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図2図2は、実施形態1に係る磁気冷凍ユニットの概略の構成図である。
図3図3は、実施形態1に係るカスケード式の磁気冷凍部の温度と磁気冷凍効果との関係を模式的に表した図である。
図4図4は、制御装置と、制御装置と信号の授受が行われる機器との関係を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態1に係る磁気冷凍ユニットの概略の構成図である。図5(A)は第1動作を示し、図5(B)は第2動作を示す。
図6図6は、実施形態1に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。
図7図7は、実施形態1に係る磁気冷凍装置において、暖房運転を説明するための配管系統図である。
図8図8は、実施形態1に係る磁気冷凍装置において、除霜運転を説明するための配管系統図である。
図9図9は、実施形態1に係るカスケード式の磁気冷凍部の温度と磁気冷凍効果の関係、及び磁気冷凍部の温度勾配の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態1の変形例1に磁気冷凍装置の配管系統図である。
図11図11は、実施形態1の変形例1に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。
図12図12は、実施形態1の変形例1に係る磁気冷凍装置において、暖房運転(通常動作)を説明するための配管系統図である。
図13図13は、実施形態1の変形例1に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(通常動作)を説明するための配管系統図である。
図14図14は、実施形態1の変形例1に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(バイパス動作)を説明するための配管系統図である。
図15図15は、実施形態1の変形例1に係る磁気冷凍装置において、暖房運転(バイパス動作)を説明するための配管系統図である。
図16図16は、実施形態1の変形例3に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図17図17は、実施形態1の変形例3に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。
図18図18は、実施形態1の変形例3に係る磁気冷凍装置において、暖房運転を説明するための配管系統図である。
図19図19は、実施形態1の変形例3に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図20図20は、実施形態1の変形例3に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図21図21は、実施形態1の変形例4に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図22図22は、実施形態1の変形例4に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図23図23は、実施形態1の変形例4に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図24図24は、実施形態1の変形例5に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図25図25は、実施形態1の変形例5に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図26図26は、実施形態1の変形例5に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図27図27は、実施形態1の変形例6に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図28図28は、実施形態2に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
図29図29は、実施形態2に係る磁気冷凍ユニットの概略の構成図である。
図30図30は、実施形態2に係る単層式の磁気冷凍部の温度と磁気冷凍効果との関係を模式的に表した図である。
図31図31は、実施形態2に係る磁気冷凍ユニットの概略の構成図である。図31(A)は第3動作を示し、図31(B)は第4動作を示す。
図32図32は、実施形態2に係る磁気冷凍ユニットの概略の構成図である。図32(A)は第5動作を示し、図31(B)は第6動作を示す。
図33図33は、実施形態2に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。
図34図34は、実施形態2に係る磁気冷凍装置において、暖房運転を説明するための配管系統図である。
図35図35は、実施形態2に係る磁気冷凍装置において、除霜運転を説明するための配管系統図である。
図36図36は、実施形態2の変形例1に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図37図37は、実施形態2の変形例1に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図38図38は、実施形態2の変形例2に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図39図39は、実施形態2の変形例2に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図40図40は、実施形態2の変形例3に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第1除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図41図41は、実施形態2の変形例3に係る磁気冷凍装置において、除霜運転(第2除霜動作)を説明するための配管系統図である。
図42図42は、実施形態2の変形例4に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0032】
《実施形態1》
本実施形態の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する。磁気冷凍装置(1)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置である。磁気冷凍装置(1)は、例えば空気調和装置に適用される。磁気冷凍装置(1)は、空調対象の空間の空気の温度を調節する。空調対象の空間は、室内空間である。磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0033】
図1に示すように、磁気冷凍装置(1)は、熱媒体が充填される熱媒体回路(C)を備える。熱媒体回路(C)では、充填された熱媒体が搬送される。熱媒体は、例えば冷媒、水、ブラインなどを含む。
【0034】
磁気冷凍装置(1)は、磁気冷凍ユニット(U)と、室内熱交換器(11)と、室外熱交換器(12)と、切換機構(15)と、制御装置(100)とを備える。本実施形態では、室内熱交換器(11)が第1熱交換器に対応し、室外熱交換器(12)が第2熱交換器に対応する。
【0035】
〈磁気冷凍ユニット〉
図2に示すように、磁気冷凍ユニット(U)は、固体冷凍部としての2つの磁気冷凍部(20)と、低温流出管(51)と、低温流入管(52)と、高温流出管(53)と、高温流入管(54)と、ユニット側ポンプ(55)とを有する。磁気冷凍ユニット(U)は、低温第1三方弁(56)と、低温第2三方弁(57)と、高温第1三方弁(58)と、高温第2三方弁(59)とを有する。2つの磁気冷凍部(20)は、第1磁気冷凍部(20A)と第2磁気冷凍部(20B)とで構成される。低温流出管(51)は低温流出部に対応し、低温流入管(52)は低温流入部に対応する。高温流出管(53)は高温流出部に対応し、高温流入管(54)は高温流入部に対応する。ユニット側ポンプ(55)及び複数の三方弁(56,57,58,59)により、往復搬送機構(50)が構成されている。
【0036】
各磁気冷凍部(20)は、ベッド(21)と、固体作業物質としての磁気作業物質(22)と、誘発部としての磁場変調部(23)とを有する。ベッド(21)は、中空状のケースないしカラムである。ベッド(21)の内部には、磁気作業物質(22)が充填される。
【0037】
磁気作業物質(22)は、磁場が印加される、あるいは印加された磁場が強くなることにより、発熱する。磁気作業物質(22)は、磁場が除去される、あるいは印加された磁場が弱くなると吸熱する。磁気作業物質(22)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.54、La(Fe1-xSix13、La(Fe1-xCoxSiy13、La(Fe1-xSix13y、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
【0038】
磁気冷凍部(20)は、複数種の磁気作業物質(22)を有するカスケード式である。図3に示すように、本例の磁気冷凍部(20)は、例えば5種類の磁気作業物質(22)から構成される。磁気冷凍部(20)では、その高温端から低温端に向かって、第1磁気作業物質(22a)、第2磁気作業物質(22b)、第3磁気作業物質(22c)、第4磁気作業物質(22d)、及び第5磁気作業物質(22e)が順に構成される。各磁気作業物質(22)の温度と磁気冷凍効果の特性は、互いに異なる。具体的には、これらの磁気作業物質(22)は、互いにキュリー温度が異なる。キュリー温度は、磁気作業物質の磁気冷凍効果が最も高くなる温度である。
【0039】
第1磁気作業物質(22a)のキュリー温度をTa、第2磁気作業物質(22b)のキュリー温度をTb、第3磁気作業物質(22c)のキュリー温度をTc、第4磁気作業物質(22d)のキュリー温度をTd、第5磁気作業物質(22e)をTeとすると、Ta>Tb>Tc>Td>Teの関係を満たしている。
【0040】
磁場変調部(23)は、磁気作業物質(22)に付与される磁場の強さを調節する。磁場変調部(33)は、固体冷媒物質としての磁気作業物質(22)に熱量効果を誘発させる誘発部である。磁場変調部(23)は、例えば磁場を変調可能な電磁石で構成される。磁場変調部(23)は、第1変調動作と第2変調動作とを行う。第1変調動作では、磁気作業物質(22)に磁場を印加する、あるいは印加された磁場を強くする。第2変調動作では、磁気作業物質(22)に印加された磁場を取り除く、あるいは印加された磁場を弱くする。
【0041】
各磁気冷凍部(20)のベッド(21)の内部のそれぞれには、第1内部流路(24)と第2内部流路(25)とが形成される。第1磁気冷凍部(20A)の第1内部流路(24)の低温端は、低温第1三方弁(56)を介して低温流出管(51)に接続する。第1磁気冷凍部(20A)の第2内部流路(25)の低温端は、低温第2三方弁(57)を介して低温流入管(52)に接続する。第2磁気冷凍部(20B)の第1内部流路(24)の高温端は、高温第2三方弁(59)を介して高温流入管(54)に接続する。第2磁気冷凍部(20B)の第2内部流路(25)の高温端は、高温第1三方弁(58)を介して高温流出管(53)に接続する。
【0042】
ユニット側ポンプ(55)は、高温流出管(53)に設けられる。ユニット側ポンプ(55)は、一方向式のポンプである。ユニット側ポンプ(55)は、高温流出管(53)の下流側に向かって熱媒体を搬送する。
【0043】
低温第1三方弁(56)の第1ポートは、低温流出管(51)に連通する。低温第1三方弁(56)の第2ポートは、第2磁気冷凍部(20B)の第1内部流路(24)の低温端に連通する。低温第1三方弁(56)の第3ポートは、第1磁気冷凍部(20A)の第1内部流路(24)の低温端に連通する。
【0044】
低温第2三方弁(57)の第1ポートは、低温流入管(52)に連通する。低温第2三方弁(57)の第2ポートは、第2磁気冷凍部(20B)の第2内部流路(25)の低温端に連通する。低温第2三方弁(57)の第3ポートは、第1磁気冷凍部(20A)の第2内部流路(25)の低温端に連通する。
【0045】
高温第1三方弁(58)の第1ポートは、高温流出管(53)に連通する。高温第1三方弁(58)の第2ポートは、第2磁気冷凍部(20B)の第2内部流路(25)の高温端に連通する。高温第1三方弁(58)の第3ポートは、第1磁気冷凍部(20A)の第2内部流路(25)の高温端に連通する。
【0046】
高温第2三方弁(59)の第1ポートは、高温流入管(54)に連通する。高温第2三方弁(59)の第2ポートは、第2磁気冷凍部(20B)の第1内部流路(24)の高温端に連通する。高温第2三方弁(59)の第3ポートは、第1磁気冷凍部(20A)の第1内部流路(24)の高温端に連通する。
【0047】
各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポート、第2ポート、及び第3ポートをそれぞれ有する。なお、図面において、三方弁の第1ポートは1を丸で囲んだ記号とし、三方弁の第2ポートは2を丸で囲んだ記号とし、三方弁の第3ポートは3を丸で囲んだ記号としている。
【0048】
各三方弁(56,57,58,59)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポートと第2ポートとを連通させる。第2状態の各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポートと第3ポートとを連通させる。
【0049】
〈室内熱交換器〉
図1に示す室内熱交換器(11)は、利用熱交換器である。室内熱交換器(11)は、熱媒体と室内空気とを熱交換させる。室内熱交換器(11)の一端は、配管を介して第1四方切換弁(F1)の第2ポートと接続する。室内熱交換器(11)の他端は、配管を介して第2四方切換弁(F2)の第2ポートと接続する。
【0050】
〈室外熱交換器〉
室外熱交換器(12)は、熱源熱交換器である。室外熱交換器(12)は、熱媒体と室外空気とを熱交換させる。室外熱交換器(12)の一端は、配管を介して第1四方切換弁(F1)の第3ポートと接続する。室外熱交換器(12)の他端は、配管を介して第2四方切換弁(F2)の第3ポートと接続する。
【0051】
〈切換機構〉
切換機構(15)は、熱媒体回路(C)の熱媒体の流路を切り換える。切換機構(15)は、少なくとも暖房運転と除霜運転において、熱媒体の流路を切り換える。本実施形態の切換機構(15)は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転において、熱媒体の流路を切り換える。切換機構(15)は、各種の弁により構成される。
【0052】
具体的には、切換機構(15)は、第1四方切換弁(F1)及び第2四方切換弁(F2)を有する。各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポート、第2ポート、第3ポート、及び第4ポートをそれぞれ有する。なお、図面において、四方切換弁の第1ポートは1を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第2ポートは2を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第3ポートは3を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第4ポートは4を丸で囲んだ記号としている。
【0053】
各四方切換弁(F1,F2)は、第1状態(図1の実線で示す状態)と第2状態(図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポートと第2ポートとを連通させると同時に第3ポートと第4ポートとを連通させる。第2状態の各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートと第4ポートとを連通させる。
【0054】
第1四方切換弁(F1)の第1ポートは高温流入管(54)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第2ポートは室内熱交換器(11)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第3ポートは室外熱交換器(12)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第4ポートは低温流入管(52)に連通する。
【0055】
第2四方切換弁(F2)の第1ポートは高温流出管(53)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第2ポートは室内熱交換器(11)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第3ポートは室外熱交換器(12)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第4ポートは低温流出管(51)に連通する。
【0056】
〈制御装置〉
制御装置(100)は、磁気冷凍装置(1)を制御する。制御装置(100)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。
【0057】
図4に示すように、制御装置(100)は、磁気冷凍ユニット(U)及び切換機構(15)と通信回線を介して接続されている。制御装置(100)は、磁場変調部(23)、往復搬送機構(30,50)、切換機構(15)をそれぞれ制御する。
【0058】
磁気冷凍装置(1)では、切換機構(15)及び制御装置(100)が、少なくとも暖房運転及び除霜運転とを切り換える運転切換機構(15)を構成している。
【0059】
-磁気冷凍装置の運転動作-
磁気冷凍装置(1)は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。冷房運転では、室内空間の空気が冷却される。冷房運転は冷却運転に対応する。暖房運転では、室内空間の空気が加熱される。暖房運転は加熱運転に対応する。除霜運転では、室外熱交換器(12)の霜が融かされる。各運転について詳細に説明する。
【0060】
〈冷房運転〉
磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第1動作と第2動作との切換の周期は1秒程度である。
【0061】
図5(A)に示す第1動作では、第1磁気冷凍部(20A)が第1変調動作を行い、第2磁気冷凍部(20B)が第2変調動作を行う。低温第1三方弁(56)が第1状態に、低温第2三方弁(57)が第2状態に、高温第1三方弁(58)が第2状態に、高温第2三方弁(59)が第1状態にそれぞれ設定される。ユニット側ポンプ(55)が運転する。
【0062】
図5(B)に示す第2動作では、第1磁気冷凍部(20A)が第2変調動作を行い、第2磁気冷凍部(20B)が第1変調動作を行う。低温第1三方弁(56)が第2状態に、低温第2三方弁(57)が第1状態に、高温第1三方弁(58)が第1状態に、高温第2三方弁(59)が第2状態にそれぞれ設定される。ユニット側ポンプ(55)が運転する。
【0063】
図6に示す冷房運転では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。なお、便宜上、図面では、第1動作と第2動作の熱媒体の流れを同じ図に表している。また、図面では、第1熱交換器(11)及び第2熱交換器(12)のうち熱媒体が放熱する熱交換器にハッチングを付し、熱媒体が吸熱する熱交換器にドットを付している。
【0064】
冷房運転では、切換機構(15)が、各磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、室内熱交換器(11)、及び低温流入管(52)を流れるとともに、各磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、室外熱交換器(12)、及び高温流入管(54)を流れる流路を形成する。
【0065】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(12)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0066】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0067】
〈暖房運転〉
磁気冷凍ユニット(U)では、図5(A)に示す第1動作と、図5(B)に示す第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0068】
図7に示す暖房運転では、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に設定される。
【0069】
暖房運転では、切換機構(15)が、各磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、室内熱交換器(11)、及び高温流入管(54)を流れるとともに、各磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、室外熱交換器(12)、及び低温流入管(52)を流れる流路を形成する。
【0070】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。室外熱交換器(12)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0071】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0072】
〈除霜運転〉
除霜運転では、実質的には冷房運転と同様の動作が行われる。除霜運転は、例えば冬季の暖房運転中において、室外熱交換器(12)の表面に霜が付く条件が成立すると実行される。
【0073】
図8に示す除霜運転では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。除霜運転では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第1動作と第2動作との切換の周期は1秒程度である。
【0074】
除霜運転では、切換機構(15)が、各磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、室内熱交換器(11)、及び低温流入管(52)を流れるとともに、各磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、室外熱交換器(12)、及び高温流入管(54)を流れる流路を形成する。
【0075】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、その内部を流れる熱媒体により、室外熱交換器(12)の表面の霜が融かされる。室外熱交換器(12)の除霜に利用された熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0076】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0077】
-磁気冷凍部の温度勾配について-
暖房運転から除霜運転への切換後には、磁気冷凍部(20)における低温端から高温端までの温度勾配が低下することがある。具体的には、上述した暖房運転では、比較的高温の熱媒体が室内熱交換器(11)を流れ、比較的低温の熱媒体が室外熱交換器(12)を流れる。暖房運転から除霜運転へ切り換えると、室内熱交換器(11)側の高温の熱媒体が低温流入管(52)を介して、磁気冷凍部(20)の低温端側へ送られる。同時に、室外熱交換器(12)側の低温の熱媒体が高温流入管(54)を介して磁気冷凍部(20)の高温端側へ送られる。この結果、図9に示すように、磁気冷凍部(20)の低温端から高温端までの温度勾配L1が、L2のように低下してしまう可能性がある。
【0078】
除霜運転から暖房運転の切換後にも、磁気冷凍部(20)における低温端から高温端までの温度勾配が低下することがある。具体的には、上述した除霜運転では、比較的高温の熱媒体が室外熱交換器(12)を流れ、比較的低温の熱媒体が室内熱交換器(11)を流れる。除霜運転から暖房運転へ切り換えると、室外熱交換器(12)側の高温の熱媒体が低温流入管(52)を介して、磁気冷凍部(20)の低温端側へ送られる。同時に、室内熱交換器(11)側の低温の熱媒体が高温流入管(54)を介して磁気冷凍部(20)の高温端側へ送られる。この結果、図9に示すように、磁気冷凍部(20)の低温端から高温端までの温度勾配L1が、L2のように低下してしまう可能性がある。
【0079】
ここで、L1で示す温度勾配は、磁気冷凍ユニット(U)の通常運転時の温度勾配である。温度勾配L1は、磁気冷凍部(20)の低温端から高温端に向かって温度が高くなる傾向にある。温度勾配L1は、複数種の磁気作業物質(22a,22b,22c,22d,22e)の各々のキュリー温度に沿った勾配である。言い換えると、磁気冷凍部(20)において実際の温度が温度勾配L1に対応していると、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果が十分に発揮できる。
【0080】
本実施形態では、磁気冷凍部(20)の温度勾配L1が、例えばL2のように低下したとしても、図9に示すように、磁気冷凍部(20)における低温端と高温端との間の中間部分の温度は大きく変化しない。具体的には、複数種の磁気作業物質(22)のうち中間部分に対応する第3磁気作業物質(22c)の温度は大きく変化しない。このため、少なくとも第3磁気作業物質(22c)においては、所望の磁気冷凍効果を得ることができ、低下した温度勾配が徐々にL1へと近づいていく。この結果、除霜運転において、室外熱交換器(12)を十分に除霜できる。暖房運転において、室内熱交換器(11)の暖房能力を十分に発揮できる。
【0081】
-実施形態1の効果-
本形態の特徴は、磁気作業物質(22)と、該磁気作業物質(22)が配置される内部流路(24,25)と、該磁気作業物質(22)に磁場変動を付与する磁場変調部(23)とを有する少なくとも1つの磁気冷凍部(20)と、少なくとも1つの第1熱交換器(11,16)と、少なくとも1つの第2熱交換器(12)と、前記第1熱交換器(11,16)と前記第2熱交換器(12)と前記内部流路(24,25)とが接続される少なくとも1つの熱媒体回路(C)と、前記熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する往復搬送機構(30,50)と、前記磁気冷凍部(20)により加熱した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ磁気冷凍部(20)により冷却した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で吸熱させる加熱運転と、前記磁気冷凍部(20)により冷却した前記熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で吸熱させ且つ磁気冷凍部(20)により加熱した前記熱媒体を第2熱交換器(12)で放熱させる除霜運転とを切り換える運転切換機構(15,100)とを備えていることである。
【0082】
この特徴によれば、除霜運転において、磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体の熱を利用して、室外熱交換器(12)を除霜できる。加えて、室内熱交換器(11)で熱媒体へ吸熱した熱を利用して、室外熱交換器(12)を除霜できる。従って、室外熱交換器(12)を除霜するための熱を十分に確保できる。
【0083】
本形態の特徴は、前記磁気冷凍部(20)は、複数種の磁気作業物質(22)からなるカスケード式であり、前記熱媒体回路(C)は、前記磁気冷凍部(20)の前記内部流路(24,25)とそれぞれ連通する、高温流出部(53)、高温流入部(54)、低温流出部(51)、及び低温流入部(52)を含み、前記加熱運転では、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記高温流入部(54)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第2熱交換器(12)、及び前記低温流入部(52)を流れ、前記除霜運転では、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記低温流出部(51)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記低温流入部(52)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記高温流出部(53)、前記第2熱交換器(12)、及び前記高温流入部(54)を流れることである。
【0084】
この特徴によれば、カスケード式の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体の熱を利用して、室外熱交換器(12)を除霜できる。図9に示すように、カスケード式の磁気冷凍部(20)では、加熱運転(暖房運転)と除霜運転との切換時に温度勾配が低下することがある。しかしながら、このように温度勾配が低下したとしても、磁気冷凍部(20)の低温端と高温端との間の中間部分の温度はさほど変化しない。このため、磁気冷凍部(20)の中間部分(例えば第3磁気作業物質(22c))では、所望の磁気冷凍効果できる。この結果、磁気冷凍部(20)では、低温端から高温端までの温度勾配を徐々に回復させることができる。従って、除霜能力や暖房能力が大幅に低下することを抑制できる。
【0085】
《実施形態1の変形例1》
図10に示す実施形態1の変形例1は、上記実施形態1において、抑制機構が付加されている。抑制機構は、除霜運転の立ち上がり時、及び暖房運転の立ち上がり時において、カスケード式の磁気冷凍部(20)の高温端から低温端までの間の温度勾配の低下を抑制する。変形例1の抑制機構は、第1熱量調節部(A1)と、第2熱量調節部(A2)とを有する。
【0086】
第1熱量調節部(A1)は、第1バイパス流路(71)及び第1制御弁(73)を有している。第1熱量調節部(A1)は、低温流入管(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくする。第2熱量調節部(A2)は、第2バイパス流路(72)及び第2制御弁(74)を有している。第2熱量調節部(A2)は、高温流入管(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくする。
【0087】
第1バイパス流路(71)の一端は、低温流出管(51)に接続する。第1バイパス流路(71)の他端は、低温流入管(52)に接続する。第1バイパス流路(71)は、低温流出管(51)を流出した熱媒体を、室内熱交換器(11)を迂回して低温流入管(52)に流入させる。
【0088】
第1バイパス流路(71)には、第1制御弁(73)が設けられる。第1制御弁(73)は、第1バイパス流路(71)の流路抵抗を調節する。具体的には、第1制御弁(73)は、開閉弁で構成される。第1制御弁(73)は、その開度を細かく調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0089】
第2バイパス流路(72)の一端は、高温流出管(53)に接続する。第2バイパス流路(72)の他端は、高温流入管(54)に接続する。第2バイパス流路(72)は、高温流出管(53)を流出した熱媒体を、室外熱交換器(12)を迂回して高温流入管(54)に流入させる。
【0090】
第2バイパス流路(72)には、第2制御弁(74)が設けられる。第2制御弁(74)は、第1バイパス流路(71)の流路抵抗を調節する。具体的には、第2制御弁(74)は、開閉弁で構成される。第2制御弁(74)は、その開度を細かく調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0091】
-磁気冷凍装置の運転動作-
本変形例の磁気冷凍装置(1)の基本的な運転は、上述した実施形態1の運転と同じである。一方、本変形例の暖房運転は、通常動作とバイパス動作とを含む。本変形例の除霜運転は、通常動作とバイパス動作を含む。
【0092】
〈冷房運転〉
磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0093】
図11に示す冷房運転では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。第1制御弁(73)及び第2制御弁(74)が閉じられる。図面において、閉状態の制御弁(73,74)は黒塗りとし、開状態の制御弁(73,74)は白塗りとする。
【0094】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(12)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0095】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0096】
〈暖房運転の通常動作〉
磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0097】
図12に示す暖房運転の通常動作では、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に設定される。第1制御弁(73)及び第2制御弁(74)が閉じられる。
【0098】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。室外熱交換器(12)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0099】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0100】
〈除霜運転の通常動作〉
除霜運転の通常動作では、実質的には冷房運転と同様の動作が行われる。磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0101】
図13に示す除霜運転の通常動作では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。第1制御弁(73)及び第2制御弁(74)が閉じられる。
【0102】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、その内部を流れる熱媒体により、室外熱交換器(12)の表面の霜が融かされる。室外熱交換器(12)の除霜に利用された熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0103】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0104】
-磁気冷凍部の温度勾配について-
上述したように、暖房運転から除霜運転に切り換えた後、あるいは除霜運転から暖房運転に切り換えた後には、磁気冷凍部(20)における温度勾配が低下する可能性がある。上述したように、温度勾配L1(図9を参照)がL2まで低下したとしても、磁気冷凍部(20)の中間部分の磁気作業物質(22)により磁気冷凍効果を得ることができる。しかし、この場合には、磁気冷凍部(20)の温度勾配が元の状態に戻るまでに時間がかかり、除霜運転の立ち上げ時間が長くなる可能性がある。この結果、除霜運転の運転時間も長くなるという問題が生じ得る。同様に、暖房運転の立ち上げ時間が長くなり、室内の快適性が損なわれるという問題も生じ得る。そこで、本変形例では、暖房運転から除霜運転へ切り換えた後の除霜運転において、バイパス動作が行われ、その後に通常動作が行われる。同様に、本変形例では、除霜運転から暖房運転へ切り換えた後の暖房運転において、バイパス動作が行われ、その後に通常動作が行われる。
【0105】
〈除霜運転のバイパス動作〉
暖房運転中において、制御装置(100)に除霜運転を実行させる指令が入力されると、まず、制御装置(100)は除霜運転のバイパス動作を実行させる。
【0106】
図14に示す除霜運転のバイパス動作では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。第1制御弁(73)及び第2制御弁(74)が開けられる。
【0107】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の一部は、第1バイパス流路(71)を流れる。言い換えると、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の一部は、室内熱交換器(11)を迂回し、低温流入管(52)に流入する。磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の残部は、室内熱交換器(11)を流れ、低温流入管(52)に流入する。このため、除霜運転のバイパス動作では、低温流入管(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくできる。このようにして、磁気冷凍部(20)における低温端側の磁気作業物質(22)の温度上昇を抑制できる。
【0108】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の一部は、第2バイパス流路(72)を流れる。言い換えると、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の一部は、室外熱交換器(12)を迂回し、高温流入管(54)に流入する。磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の残部は、室外熱交換器(12)を流れ、高温流入管(54)に流入する。このため、除霜運転のバイパス動作では、高温流入管(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくできる。このようにして、磁気冷凍部(20)における高温端側の磁気作業物質(22)の温度低下を抑制できる。
【0109】
以上のようにして、除霜運転のバイパス動作では、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。加えて、室外熱交換器(12)に熱媒体の残部を流すことで、室外熱交換器(12)を除霜できる。この結果、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果を速やかに発揮でき、除霜運転の立ち上がり時間、ひいては除霜運転の運転時間を短縮できる。
【0110】
除霜運転のバイパス動作において所定の条件が成立すると、上述した除霜運転の通常動作へ切り換えられる。この条件は、磁気冷凍部(20)の温度勾配が定常状態に至ったことを示す条件である。具体的には、この条件は、例えば低温流入管(52)に流入する熱媒体の温度が所定値より低いこと、あるいは高温流入管(54)に流入する熱媒体の温度が所定値より高いことである。
【0111】
〈暖房運転のバイパス動作〉
除霜運転中において、制御装置(100)に暖房運転を実行させる指令が入力されると、まず、制御装置(100)は暖房運転のバイパス動作を実行させる。
【0112】
図15に示す暖房運転のバイパス動作では、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に設定される。第1制御弁(73)及び第2制御弁(74)が開けられる。
【0113】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の一部は、第1バイパス流路(71)を流れる。言い換えると、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の一部は、室外熱交換器(12)を迂回し、低温流入管(52)に流入する。磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体の残部は、室外熱交換器(12)を流れ、低温流入管(52)に流入する。このため、暖房運転のバイパス動作では、低温流入管(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくできる。このようにして、磁気冷凍部(20)における低温端側の磁気作業物質(22)の温度上昇を抑制できる。
【0114】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の一部は、第2バイパス流路(72)を流れる。言い換えると、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の一部は、室内熱交換器(11)を迂回し、高温流入管(54)に流入する。磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体の残部は、室内熱交換器(11)を流れ、高温流入管(54)に流入する。このため、暖房運転のバイパス動作では、高温流入管(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくできる。このようにして、磁気冷凍部(20)における高温端側の磁気作業物質(22)の温度低下を抑制できる。
【0115】
以上のようにして、暖房運転のバイパス動作では、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。加えて、室内熱交換器(11)に熱媒体の残部を流すことで、室内熱交換器(11)により室内を暖房できる。この結果、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果を速やかに発揮でき、暖房運転の立ち上がり時間を短縮できる。
【0116】
暖房運転のバイパス動作において所定の条件が成立すると、上述した暖房運転の通常動作へ切り換えられる。この条件は、磁気冷凍部(20)の温度勾配が定常の状態に至ったことを示す条件である。具体的には、この条件は、例えば低温流入管(52)に流入する熱媒体の温度が所定値より低いこと、あるいは高温流入管(54)に流入する熱媒体の温度が所定値より高いことである。
【0117】
-実施形態1の変形例1の効果-
本形態の特徴は、前記加熱運転から前記除霜運転へ切り換えた後、及び前記除霜運転から前記加熱運転へ切り換えた後の少なくとも一方において、前記磁気冷凍部(20)の高温端から低温端までの間の温度勾配の低下を抑制する抑制機構を備えていることである。
【0118】
この特徴によれば、加熱運転(暖房運転)から除霜運転の切換後において、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。この結果、除霜運転の立ち上がり時間を短縮でき、ひいては除霜運転の運転時間を短縮できる。同様に、除霜運転から暖房運転の切換後において、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。この結果、暖房運転の立ち上がり時間を短縮でき、室内の快適性を向上できる。
【0119】
本形態の特徴は、抑制機構が、前記低温流入部(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくする第1熱量調節部(A1)と、前記高温流入部(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくする第2熱量調節部(A2)との少なくとも一方を有していることである。
【0120】
この特徴によれば、低温流入管(52)に流入する熱媒体の熱量を小さくすることで、磁気冷凍部(20)の低温端の温度上昇を抑制できる。これにより、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。高温流入管(54)に流入する熱媒体の熱量を大きくすることで、磁気冷凍部(20)の高温端の温度低下を抑制できる。これにより、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。
【0121】
本形態の特徴は、前第1熱量調節部(A1)は、前記低温流出部(51)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記低温流入部(52)に流入させる第1バイパス流路(71)と、該第1バイパス流路(71)の流路抵抗を調節する第1制御弁(73)とを有し、前記第2熱量調節部(A2)は、前記高温流出部(53)を流出した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)又は前記第2熱交換器(12)を迂回して前記高温流入部(54)に流入させる第2バイパス流路(72)と、該第2バイパス流路(72)の流路抵抗を調節する第2制御弁(74)とを有することである。
【0122】
この特徴によれば、除霜運転のバイパス動作において、第1制御弁(73)を開けることで、低温流出管(51)から流出した熱媒体を、第1バイパス流路(71)を介して低温流入管(52)に送ることができる。同時に、除霜運転のバイパス動作において、第2制御弁(74)を開けることで、高温流出管(53)から流出した熱媒体を、第2バイパス流路(72)を介して高温流入管(54)に送ることができる。これにより、磁気冷凍部(20)の低温端の温度上昇、及び高温端の温度低下を抑制でき、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を十分に抑制できる。
【0123】
加えて、除霜運転のバイパス動作では、高温流出管(53)から流出した熱媒体の残部を室外熱交換器(12)に送ることができる。このため、この熱媒体により、室外熱交換器(12)を除霜できる。
【0124】
この特徴によれば、暖房運転のバイパス動作において、第1制御弁(73)を開けることで、低温流出管(51)から流出した熱媒体を、第1バイパス流路(71)を介して低温流入管(52)に送ることができる。同時に、暖房運転のバイパス動作において、第2制御弁(74)を開けることで、高温流出管(53)から流出した熱媒体を、第2バイパス流路(72)を介して高温流入管(54)に送ることができる。これにより、磁気冷凍部(20)の低温端の温度上昇、及び高温端の温度低下を抑制でき、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を十分に抑制できる。
【0125】
なお、実施形態1の変形例1においては、第1熱量調節部(A1)及び第2熱量調節部(A2)のうち一方を省略した構成としてもよい。除霜運転及び暖房運転のうち除霜運転のみ、上述したバイパス動作を実行してもよい。除霜運転及び暖房運転のうち暖房運転のみ、上述したバイパス動作を実行してもよい。
【0126】
《実施形態1の変形例2》
実施形態1の変形例2は、実施形態1と同様の熱媒体回路(C)を有する(図1を参照)。実施形態1の変形例2は、実施形態1の変形例1と異なる抑制機構を有する。変形例2の抑制機構は、往復搬送機構(50)を含んでいる。より具体的には、抑制機構は、ユニット側ポンプ(55)を含む。ユニット側ポンプ(55)は、流量が調節可能な可変容量式に構成される。
【0127】
変形例2では、暖房運転から除霜運転に切り換わった後、往復搬送機構(50)により、熱媒体の流量を小さくする動作が行われる。除霜運転から暖房運転に切り換わった後、往復搬送機構(50)により、熱媒体の流量を小さくする動作が行われる。これらの動作を流量低減動作と称する。
【0128】
〈除霜運転の流量低減動作〉
暖房運転から除霜運転に切り換わった後の除霜運転では、流量低減動作が行われ、次いで通常動作が行われる。
【0129】
除霜運転の流量低減動作では、ユニット側ポンプ(55)に搬送される熱媒体の流量V1が小さく制御される。ここで、流量V1は、除霜運転の通常動作の流量V2よりも小さい。このため、除霜運転の流量低減動作では、室内熱交換器(11)から低温流入管(52)に送られる比較的高温の熱媒体の流量が小さくなる。同時に、室外熱交換器(12)から高温流入管(54)に送られる比較的低温の熱媒体の流量が小さくなる。
【0130】
以上のようにして、除霜運転の流量低減動作では、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。この結果、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果を速やかに発揮でき、除霜運転の立ち上がり時間、ひいては除霜運転の運転時間を短縮できる。
【0131】
〈暖房運転の流量低減動作〉
除霜運転から暖房運転に切り換わった後の暖房運転では、流量低減動作が行われ、次いで通常動作が行われる。
【0132】
暖房運転の流量低減動作では、ユニット側ポンプ(55)に搬送される熱媒体の流量V3が小さく制御される。ここで、流量V3は、暖房運転の通常動作の流量V4よりも小さい。このため、暖房運転の流量低減動作では、室外熱交換器(12)から低温流入管(52)に送られる比較的高温の熱媒体の流量が小さくなる。同時に、室内熱交換器(11)から高温流入管(54)に送られる比較的低温の熱媒体の流量が小さくなる。
【0133】
以上のようにして、暖房運転の流量低減動作では、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。この結果、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果を速やかに発揮でき、暖房運転の立ち上がり時間を短縮できる。
【0134】
-実施形態1の変形例2の効果-
本形態の特徴は、前記抑制機構が、前記往復搬送機構(50)を含み、前記往復搬送機構(50)は、前記熱媒体の流量を小さくすることにより前記磁気冷凍部(20)の前記温度勾配の低下を抑制することである。
【0135】
この特徴によれば、除霜運転の流量低減動作において、ユニット側ポンプ(55)の流量を小さくすることで、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。暖房運転の流量低減動作において、ユニット側ポンプ(55)の流量を小さくすることで、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できる。熱媒体回路(C)は複雑にならない。
【0136】
なお、実施形態1の変形例2においては、除霜運転及び暖房運転のうち除霜運転のみ、上述した流量低減動作を実行してもよい。除霜運転及び暖房運転のうち暖房運転のみ、上述した流量低減動作を実行してもよい。
【0137】
抑制機構は、磁気冷凍部(20)の温度勾配の低下を抑制できるものであれば、他の構成であってもよい。抑制機構は、磁気冷凍部(20)の高温端寄りの部分を加熱する加熱部であってもよい。抑制機構は、磁気冷凍部(20)の低温端寄りの部分を冷却する冷却部であってもよい。
【0138】
《実施形態1の変形例3》
実施形態1の変形例3は、実施形態1と熱媒体回路(C)の構成が異なる。図16に示すように、本変形例は、複数の熱媒体回路(C)を有する。複数の熱媒体回路(C)は、第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)とで構成される。
【0139】
第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)のそれぞれの基本的な構成は、実施形態1の熱媒体回路(C)の構成と同じである。第1熱媒体回路(C1)は、第1磁気冷凍ユニット(U1)、第1室外熱交換器(12A)、第1四方切換弁(F1)、及び第2四方切換弁(F2)を有する。第2熱媒体回路(C2)は、第2磁気冷凍ユニット(U2)、第2室外熱交換器(12B)、第1四方切換弁(F1)、及び第2四方切換弁(F2)を有する。
【0140】
本変形例では、第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)との双方に1つの室内熱交換器(11)が共用されている。言い換えると、室内熱交換器(11)には、第1熱媒体回路(C1)に連通する流路と、第2熱媒体回路(C2)に連通する流路とが形成される。
【0141】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態1の変形例3は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0142】
〈冷房運転〉
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0143】
図17に示す冷房運転では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第2状態にそれぞれ設定される。
【0144】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0145】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第1室外熱交換器(12A)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0146】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0147】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第2室外熱交換器(12B)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0148】
〈暖房運転〉
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0149】
図18に示す暖房運転では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0150】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第1室外熱交換器(12A)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0151】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0152】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2室外熱交換器(12B)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0153】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0154】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。これらの除霜動作では、除霜対象となる室外熱交換器(12)、及び熱媒体を吸熱させる室外熱交換器(12)が互いに異なる。本例の除霜運転では、第1除霜動作と第2除霜動作とが少なくとも1回ずつ行われる。
【0155】
具体的に、第1除霜動作では、第1室外熱交換器(12A)を除霜対象とし、第2室外熱交換器(12B)で熱媒体が吸熱する。第2除霜動作では、第2室外熱交換器(12B)を除霜対象とし、第1室外熱交換器(12A)で熱媒体が吸熱する。
【0156】
これらの除霜動作では、一部加熱運転と、一部除霜運転とが同時に実行される。一部加熱運転は、一部の磁気冷凍ユニット(U)の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体を室内熱交換器(11)で放熱させ且つ該一部の磁気冷凍ユニット(U)の磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体を一部の室外熱交換器(12)で吸熱させる運転である。一部除霜運転は、他の磁気冷凍ユニット(U)の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の室外熱交換器(12)で放熱させる運転である。一部加熱運転は、第1運転に対応し、一部除霜運転は、第2運転に対応する。
【0157】
[第1除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)において一部除霜運転が実行され、第2熱媒体回路(C2)において一部加熱運転が実行される。
【0158】
図19に示す第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0159】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0160】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1室外熱交換器(12A)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0161】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2室外熱交換器(12B)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0162】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0163】
このように、第1除霜動作では、室内熱交換器(11)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第1室外熱交換器(12A)を除霜できる。
【0164】
[第2除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第2除霜動作では、第2熱媒体回路(C2)において一部除霜運転が実行され、第1熱媒体回路(C1)において一部加熱運転が実行される。
【0165】
図20に示す第2除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第2状態にそれぞれ設定される。
【0166】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第1室外熱交換器(12A)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0167】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0168】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0169】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2室外熱交換器(12B)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0170】
このように、第2除霜動作では、室内熱交換器(11)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第2室外熱交換器(12B)を除霜できる。
【0171】
-除霜運転時の磁気冷凍ユニットの出力制御-
各除霜動作では、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体が、室内熱交換器(11)を流れる。具体的には、第1除霜運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)の磁気冷凍部(20)により冷却された熱媒体が室内熱交換器(11)を流れる。第2除霜運転では、第2磁気冷凍ユニット(U2)の磁気冷凍部(20)により冷却された熱媒体が室内熱交換器(11)を流れる。このため、各除霜動作では、室内熱交換器(11)の暖房能力が低下し、室内の快適性が損なわれてしまう可能性がある。そこで、本変形例では、各除霜運転において、磁気冷凍ユニット(U)の出力を以下のように制御する。
【0172】
第1除霜動作では、第2磁気冷凍ユニット(U2)の出力を、第1磁気冷凍ユニット(U1)の出力よりも大きくする。具体的には、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2を、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1よりも大きくする。ここで、周波数は、第1動作と第2動作を単位時間あたりに切り換える回数である。言い換えると、周波数は、第1動作と第2動作とを切り換える周期の逆数である。本例では、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2を4Hzとし、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1を2Hzとする。これにより、第1除霜動作では、第2磁気冷凍ユニット(U2)による室内熱交換器(11)の加熱能力が大きくなり、且つ第1磁気冷凍ユニット(U1)による室内熱交換器(11)の冷却能力が小さくなる。この結果、第1除霜動作において、室内熱交換器(11)の暖房能力が低下することを抑制できる。
【0173】
第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)の出力を、第2磁気冷凍ユニット(U2)の出力よりも大きくする。具体的には、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1を、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2よりも大きくする。本例では、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1を4Hzとし、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2を2Hzとする。これにより、第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)による室内熱交換器(11)の加熱能力が大きくなり、且つ第2磁気冷凍ユニット(U2)による室内熱交換器(11)の冷却能力が小さくなる。この結果、第2除霜動作において、室内熱交換器(11)の暖房能力が低下することを抑制できる。
【0174】
このように本変形例の除霜運転では、一部加熱運転に対応する一部の磁気冷凍ユニット(U)の出力を、一部除霜運転に対応する他の磁気冷凍ユニット(U)の出力よりも大きくしている。これにより、除霜運転において、暖房能力が低下することを抑制できる。
【0175】
-実施形態1の変形例3の効果-
本形態の特徴は、前記少なくとも1つの磁気冷凍部(20)が、複数の磁気冷凍部(20)で構成され、前記少なくとも1つの熱媒体回路(C)は、複数の熱媒体回路(C)で構成され、前記少なくとも1つの第2熱交換器(12)は、複数の第2熱交換器(12)で構成され、前記除霜運転は、除霜対象となる第2熱交換器(12)を変更するように複数の除霜動作が行われ、前記各除霜動作では、一部の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体を前記第1熱交換器(11,16)で放熱させ且つ該一部の磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体を一部の前記第2熱交換器(12)で吸熱させる第1運転と、他の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させる第2運転とが同時に実行されることである。
【0176】
この特徴によれば、一部加熱運転(第1運転)において、室内熱交換器(11)で室内空気を加熱すると同時に、一部除霜運転(第2運転)において、室外熱交換器(12)を除霜できる。各除霜動作では、除霜対象となる室外熱交換器(12)が順に変更する。この結果、室内の暖房を実質的に継続しながら、全ての室外熱交換器(12)を除霜できる。
【0177】
なお、本変形例の複数の熱媒体回路(C)は、2つに限らず、N以上(N≧3)であってもよい。この場合、除霜対象となる室外熱交換器の数量はM以上(M≧3)となる。除霜運転では、除霜対象となる室外熱交換器(12)を変更するように複数の除霜動作が行われる。ある除霜動作において、2つ以上の室外熱交換器(12)を除霜対象としてもよい。例えば室外熱交換器(12)の数が3つである場合、ある除霜動作では、2つの室外熱交換器(12)を除霜し、他の1つの室外熱交換器(12)で熱媒体を吸熱させてもよい。複数の除霜動作を行う他の例(詳細は後述する)についても同様である。
【0178】
《実施形態1の変形例4》
実施形態1の変形例4は、実施形態1の変形例3の各熱媒体回路(C)にそれぞれ補助回路(80)を付加している。図21に示すように、複数の補助回路(80)は、第1補助回路(80A)と第2補助回路(80B)とで構成される。第1補助回路(80A)は、第1熱媒体回路(C1)に設けられる。第2補助回路(80B)は、第2熱媒体回路(C2)に設けられる。
【0179】
第1補助回路(80A)は、第1三方弁(T1)、第2三方弁(T2)、第1管(81)、及び第1補助熱交換器(82)を有する。
【0180】
第1三方弁(T1)の第1ポートは、第1磁気冷凍ユニット(U1)の低温流出管(51)に連通する。第1三方弁(T1)の第2ポートは第1管(81)の一端に連通する。第1三方弁(T1)の第3ポートは、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)の第1ポートに連通する。
【0181】
第2三方弁(T2)の第1ポートは、第1磁気冷凍ユニット(U1)の第1低温流入管(52)に連通する。第2三方弁(T2)の第2ポートは、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)の第4ポートに連通する。第2三方弁(T2)の第3ポートは第1管(81)の他端に連通する。
【0182】
第1管(81)は、第1三方弁(T1)と第2三方弁(T2)との間に接続する。第1補助熱交換器(82)は、第1管(81)に設けられる。第1補助熱交換器(82)は、室外空間に配置される。第1補助熱交換器(82)は、室外空気と熱媒体とを熱交換させる。
【0183】
第2補助回路(80B)は、第3三方弁(T3)、第4三方弁(T4)、第2管(83)、及び第2補助熱交換器(84)を有する。
【0184】
第3三方弁(T3)の第1ポートは、第2磁気冷凍ユニット(U2)の低温流出管(51)に連通する。第3三方弁(T3)の第2ポートは第2管(83)の一端に連通する。第3三方弁(T3)の第3ポートは、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)の第1ポートに連通する。
【0185】
第4三方弁(T4)の第1ポートは、第2磁気冷凍ユニット(U2)の第1低温流入管(52)に連通する。第4三方弁(T4)の第2ポートは、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)の第4ポートに連通する。第4三方弁(T4)の第3ポートは第2管(83)の他端に連通する。
【0186】
第2管(83)は、第3三方弁(T3)と第4三方弁(T4)との間に接続する。第2補助熱交換器(84)は、第2管(83)に設けられる。第2補助熱交換器(84)は、室外空間に配置される。第2補助熱交換器(84)は、室外空気と熱媒体とを熱交換させる。
【0187】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態1の変形例4は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0188】
〈冷房運転〉
実施形態1の変形例4の冷房運転は、実施形態1の変形例3の冷房運転と基本的に同様であるため、図示を省略する。
【0189】
冷房運転の第1熱媒体回路(C1)では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に設定される。第1磁気冷凍ユニット(U1)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、第1熱媒体回路(C1)では、第1室外熱交換器(12A)で熱媒体が放熱し、室内熱交換器(11)で熱媒体が吸熱する。
【0190】
冷房運転の第2熱媒体回路(C2)では、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態に設定される。第2磁気冷凍ユニット(U2)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、第2熱媒体回路(C2)では、第2室外熱交換器(12B)で熱媒体が放熱し、室内熱交換器(11)で熱媒体が吸熱する。
【0191】
〈暖房運転〉
変形例4の暖房運転は、変形例3の暖房運転と基本的に同様であるため、図示を省略する。
【0192】
暖房運転の第1熱媒体回路(C1)では、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に設定される。第1磁気冷凍ユニット(U1)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、第1熱媒体回路(C1)では、第1室外熱交換器(12A)で熱媒体が吸熱し、室内熱交換器(11)で熱媒体が放熱する。
【0193】
暖房運転の第2熱媒体回路(C2)では、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態に設定される。第2磁気冷凍ユニット(U2)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。これにより、第2熱媒体回路(C2)では、第2室外熱交換器(12B)で熱媒体が吸熱し、室内熱交換器(11)で熱媒体が放熱する。
【0194】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。これらの除霜動作では、除霜対象となる室外熱交換器(12)、及び熱媒体を吸熱させる室外熱交換器(12)が互いに異なる。本例の除霜運転では、第1除霜動作と第2除霜動作とが少なくとも1回ずつ行われる。
【0195】
本変形例の除霜運転の一部除霜運転では、一部の磁気冷凍ユニット(U)の磁気冷凍部(20)により冷却された熱媒体が、室内熱交換器(11)を迂回し、補助熱交換器(82,84)で吸熱する。
【0196】
[第1除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)において一部除霜運転が実行され、第2熱媒体回路(C2)において一部加熱運転が実行される。
【0197】
図22に示す第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第2状態にそれぞれ設定される。第1三方弁(T1)が第1状態に、第2三方弁(T2)が第2状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0198】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1三方弁(T1)を通過し、第1管(81)に流入し、第1補助熱交換器(82)を流れる。第1補助熱交換器(82)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第1補助熱交換器(82)で吸熱した熱媒体は、第2三方弁(T2)を通過し、低温流入管(52)から第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0199】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1室外熱交換器(12A)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0200】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2室外熱交換器(12B)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0201】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0202】
このように、第1除霜動作では、室内熱交換器(11)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第1室外熱交換器(12A)を除霜できる。加えて、一部除霜運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体が、室内熱交換器(11)を迂回して第1補助熱交換器(82)を流れる。このため、室内熱交換器(11)の暖房能力の低下を抑制できる。
【0203】
[第2除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第2除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)において一部加熱運転が実行され、第2熱媒体回路(C2)において一部除霜運転が実行される。
【0204】
図23に示す第2除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第1状態にそれぞれ設定される。第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に、第3三方弁(T3)が第1状態に、第4三方弁(T4)が第2状態にそれぞれ設定される。
【0205】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第1室外熱交換器(12A)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0206】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0207】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第3三方弁(T3)を通過し、第2管(83)に流入し、第2補助熱交換器(84)を流れる。第2補助熱交換器(84)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2補助熱交換器(84)で吸熱した熱媒体は、第4三方弁(T4)を通過し、低温流入管(52)から第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0208】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2室外熱交換器(12B)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0209】
このように、第2除霜動作では、室内熱交換器(11)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第2室外熱交換器(12B)を除霜できる。加えて、一部除霜運転では、第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体が、室内熱交換器(11)を迂回して第2補助熱交換器(84)を流れる。このため、室内熱交換器(11)の暖房能力の低下を抑制できる。
【0210】
-実施形態1の変形例4の効果-
本形態の特徴は、前記複数の熱媒体回路(C)は、補助熱交換器(82,84)をそれぞれ有し、前記第2運転では、前記他の磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体を、前記第1熱交換器(11,16)を迂回して前記補助熱交換器(82,84)で吸熱させ且つ前記他の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体を除霜対象となる他の前記第2熱交換器(12)で放熱させることである。
【0211】
この特徴によれば、一部除霜運転(第2運転)において、磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が室内熱交換器(11)をバイパスし、補助熱交換器(82,84)で吸熱する。このため、一部除霜運転において、熱媒体が室内空気から吸熱することがなく、室内熱交換器(11)の暖房能力の低下を抑制できる。
【0212】
《実施形態1の変形例5》
図24に示す実施形態1の変形例5は、実施形態1の変形例3と室内熱交換器(11)の構成が異なる。本変形例の磁気冷凍装置(1)は、複数の室内熱交換器(11)を有する。複数の室内熱交換器(11)は、複数の熱媒体回路(C)にそれぞれ対応して設けられる。具体的には、複数の室内熱交換器(11)は、第1室内熱交換器(11A)と第2室内熱交換器(11B)とで構成される。第1室内熱交換器(11A)は、第1熱媒体回路(C1)に対応する。第2室内熱交換器(11B)は、第2熱媒体回路(C2)に対応する。第1室内熱交換器(11A)及び第2室内熱交換器(11B)は、同一の室内空間を空調の対象とする。
【0213】
磁気冷凍装置(1)は、複数のファン(13)を有する。複数のファン(13)は、第1ファン(13A)と第2ファン(13B)とで構成される。第1ファン(13A)は、第1室内熱交換器(11A)に対応する。第1ファン(13A)により搬送される空気は、第1室内熱交換器(11A)を通過し、室内空間へ供給される。第2ファン(13B)により搬送される空気は、第2室内熱交換器(11B)を通過し、室内空間へ供給される。
【0214】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態1の変形例5は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0215】
〈冷房運転〉
実施形態1の変形例5の冷房運転は、実施形態1の変形例3の冷房運転と基本的に同様であるため、図示を省略する。
【0216】
冷房運転では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第2状態にそれぞれ設定される。第1ファン(13A)及び第2ファン(13B)が運転する。各磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0217】
第1熱媒体回路(C1)では、第1室外熱交換器(12A)で熱媒体が放熱し、第1室内熱交換器(11A)で熱媒体が吸熱する。第2熱媒体回路(C2)では、第2室外熱交換器(12B)で熱媒体が放熱し、第1室内熱交換器(11A)で熱媒体が吸熱する。
【0218】
〈暖房運転〉
実施形態1の変形例4の暖房運転は、実施形態1の変形例3の暖房運転と基本的に同様であるため、図示を省略する。
【0219】
暖房運転では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第1状態にそれぞれ設定される。第1ファン(13A)及び第2ファン(13B)が運転する。各磁気冷凍ユニット(U)では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
【0220】
第1熱媒体回路(C1)では、第1室外熱交換器(12A)で熱媒体が吸熱し、第1室内熱交換器(11A)で熱媒体が放熱する。第2熱媒体回路(C2)では、第2室外熱交換器(12B)で熱媒体が吸熱し、第2室内熱交換器(11B)で熱媒体が放熱する。
【0221】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。これらの除霜動作では、除霜対象となる室外熱交換器(12)、及び熱媒体を吸熱させる室外熱交換器(12)が互いに異なる。本例の除霜運転では、第1除霜動作と第2除霜動作とが少なくとも1回ずつ行われる。
【0222】
[第1除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)において一部除霜運転が実行され、第2熱媒体回路(C2)において一部加熱運転が実行される。
【0223】
図25に示す第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0224】
第1除霜動作では、第1ファン(13A)が停止する。第1ファン(13A)は、一部除霜運転において熱媒体が吸熱する第1室内熱交換器(11A)に対応する。第2ファン(13B)が運転する。第2ファン(13B)は、一部加熱運転において熱媒体が放熱する第2室内熱交換器(11B)に対応する。
【0225】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室内熱交換器(11A)を流れる。第1室内熱交換器(11A)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。第1室内熱交換器(11A)に対応する第1ファン(13A)は停止している。このため、第1室内熱交換器(11A)における熱媒体と空気の熱交換は抑制される。第1室内熱交換器(11A)で冷却された空気は、室内空間へ供給されない。第1室内熱交換器(11A)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0226】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1室外熱交換器(12A)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0227】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2室外熱交換器(12B)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0228】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室内熱交換器(11B)を流れる。第2室内熱交換器(11B)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。第2室内熱交換器(11B)に対応する第2ファン(13B)は運転している。このため、第2室内熱交換器(11B)で加熱された空気は、室内空間へ供給される。第2室内熱交換器(11B)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0229】
このように、第1除霜動作では、第2室内熱交換器(11B)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第1室外熱交換器(12A)を除霜できる。第1室内熱交換器(11A)に対応する第1ファン(13A)を停止させるので、冷却された空気が室内空間へ供給されることを抑制できる。
【0230】
[第2除霜動作]
各磁気冷凍ユニット(U)では、実施形態1と同様、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。第2除霜動作では、第2熱媒体回路(C2)において一部除霜運転が実行され、第1熱媒体回路(C1)において一部加熱運転が実行される。
【0231】
図26に示す第2除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)の第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第1熱媒体回路(C1)の第2四方切換弁(F2)が第1状態に、第2熱媒体回路(C2)の第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2熱媒体回路(C2)の第2四方切換弁(F2)が第2状態にそれぞれ設定される。
【0232】
第2除霜動作では、第2ファン(13B)が停止する。第2ファン(13B)は、一部除霜運転において熱媒体が吸熱する第2室内熱交換器(11B)に対応する。第1ファン(13A)は運転する。第1ファン(13A)は、一部加熱運転において熱媒体が放熱する第1室内熱交換器(11A)に対応する。
【0233】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室外熱交換器(12A)を流れる。第1室外熱交換器(12A)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第1室外熱交換器(12A)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0234】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室内熱交換器(11A)を流れる。第1室内熱交換器(11A)では、熱媒体が室内空気へ放熱する。第1室内熱交換器(11A)に対応する第1ファン(13A)は運転している。このため、第1室内熱交換器(11A)で加熱された空気は、室内空間へ供給される。第1室内熱交換器(11A)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第1磁気冷凍ユニット(U1)に戻る。
【0235】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室内熱交換器(11B)を流れる。第2室内熱交換器(11B)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。第2室内熱交換器(11B)に対応する第2ファン(13B)は停止している。このため、第2室内熱交換器(11B)における熱媒体と空気の熱交換は抑制される。第2室内熱交換器(11B)で冷却された空気は、室内空間へ供給されない。第2室内熱交換器(11B)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0236】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2室外熱交換器(12B)を流れる。第2室外熱交換器(12B)では、熱媒体が室外空気へ放熱し、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2室外熱交換器(12B)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、第2磁気冷凍ユニット(U2)に戻る。
【0237】
このように、第2除霜動作では、第1室内熱交換器(11A)により室内の暖房を実質的に継続しながら、第2室外熱交換器(12B)を除霜できる。第2室内熱交換器(11B)に対応する第2ファン(13B)を停止させるので、冷却された空気が室内空間へ供給されることを抑制できる。
【0238】
-実施形態1の変形例5の効果-
本形態の特徴は、前記複数の第1熱交換器(11,16)の各々を通過して室内空間へ供給される空気をそれぞれ搬送するファン(13)を備え、前記第1運転では、前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応する前記ファン(13)を運転し、前記第2運転では、前記他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量を前記一部の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)の風量よりも小さくする、又は該他の第1熱交換器(11,16)に対応するファン(13)を停止させることである。
【0239】
この特徴によれば、一部除霜運転において、熱媒体が吸熱する室内熱交換器(11)に対応するファン(13)を停止させるので、この室内熱交換器(11)において室内空気が冷えてしまうことを抑制できる。一部加熱運転において、熱媒体が放熱する室内熱交換器(11)に対応するファン(13)を運転させるので、この室内熱交換器(11)により室内空気を十分に加熱できる。
【0240】
なお、上記の例では、一部除霜運転において、熱媒体が吸熱する室内熱交換器(11)に対応するファン(13)を停止させている。しかし、このファン(13)の風量を低下させてもよい。この場合、このファン(13)の風量は、他の室内熱交換器(11)に対応するファン(13)の風量よりも小さくする。これにより、熱媒体が吸熱する室内熱交換器(11)において室内空気が冷えてしまうことを抑制できる。加えて、熱媒体が放熱する室内熱交換器(11)において室内空気を十分に加熱できる。
【0241】
《実施形態1の変形例6》
図27に示す実施形態1の変形例6は、実施形態1の変形例5と第1熱交換器の構成が異なる。変形例5の第1熱交換器は、熱媒体回路(C)の熱媒体と空気とを熱交換させる空気熱交換器(室内熱交換器(11))である。これに対し、変形例5の第1熱交換器は、熱媒体回路(C)の熱媒体と、他の熱媒体流路の熱媒体を熱交換させる利用熱交換器(16)である。第1熱媒体回路(C1)には、第1利用熱交換器(16A)が設けられる。第2熱媒体回路(C2)には、第2利用熱交換器(16B)が設けられる。
【0242】
第1利用熱交換器(16A)は、第1熱媒体回路(C1)と連通する伝熱流路と、第1二次流路(5)と連通する伝熱流路とを有している。第1利用熱交換器(16A)は、第1熱媒体回路(C1)の熱媒体と、第1二次流路(5)の熱媒体とを熱交換させる。第1二次流路(5)には、第1流体ポンプ(6)が設けられる。第1二次流路(5)を流れる熱媒体は、水、冷媒、ブラインなどを含む。
【0243】
同様に、第2利用熱交換器(16B)は、第2熱媒体回路(C2)と連通する伝熱流路と、第2二次流路(7)と連通する伝熱流路とを有している。第2利用熱交換器(16B)は、第2熱媒体回路(C2)の熱媒体と、第2二次流路(7)の熱媒体とを熱交換させる。第2二次流路(7)には、第2流体ポンプ(8)が設けられる。第2二次流路(7)を流れる熱媒体は、水、冷媒、ブラインなどを含む。
【0244】
第1二次流路(5)の熱媒体と第2二次流路(7)の熱媒体とは、同一の対象物を冷却又は加熱する。
【0245】
-磁気冷凍装置の運転動作-
本変形例の磁気冷凍装置(1)は、冷却運転、加熱運転、及び除霜運転を切り換えて行う。
【0246】
〈冷却運転〉
本変形例の冷却運転の熱媒体の流れは、実施形態1の変形例5の冷房運転の熱媒体の流れと基本的に同じである。詳細の説明は省略する。
【0247】
冷却運転では、第1流体ポンプ(6)及び第2流体ポンプ(8)が運転される。冷却運転中の第1利用熱交換器(16A)では、第1熱媒体回路(C1)の熱媒体が、第1二次流路(5)の熱媒体から吸熱する。この結果、第1二次流路(5)の熱媒体が冷却される。冷却運転中の第2利用熱交換器(16B)では、第2熱媒体回路(C2)の熱媒体が、第2二次流路(7)の熱媒体から吸熱する。この結果、第1二次流路(5)の熱媒体が冷却される。
【0248】
〈加熱運転〉
本変形例の加熱運転の熱媒体の流れは、実施形態1の変形例5の暖房運転の熱媒体の流れと基本的に同じである。詳細の説明は省略する。
【0249】
加熱運転では、第1流体ポンプ(6)及び第2流体ポンプ(8)が運転される。加熱運転中の第1利用熱交換器(16A)では、第1熱媒体回路(C1)の熱媒体が、第1二次流路(5)の熱媒体へ放熱する。この結果、第1二次流路(5)の熱媒体が加熱される。加熱運転中の第2利用熱交換器(16B)では、第2熱媒体回路(C2)の熱媒体が、第2二次流路(7)の熱媒体へ放熱する。この結果、第2二次流路(7)の熱媒体が加熱される。
【0250】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と第2除霜動作とを含む。
【0251】
[第1除霜動作]
本変形例の第1除霜動作の熱媒体の流れは、実施形態1の変形例5の第1除霜動作の熱媒体の流れと基本的に同じである。第1除霜動作では、第1熱媒体回路(C1)において一部除霜運転が実行され、第2熱媒体回路(C2)において一部加熱運転が実行される。詳細の説明は省略する。
【0252】
第1除霜動作では、第1流体ポンプ(6)が停止する。第1流体ポンプ(6)は、一部除霜運転において熱媒体が吸熱する第1利用熱交換器(16A)に対応する。第2流体ポンプ(8)が運転する。第2流体ポンプ(8)は、一部加熱運転において熱媒体が放熱する第2利用熱交換器(16B)に対応する。このため、第1利用熱交換器(16A)では、第1二次流路(5)の熱媒体が冷却されることを抑制できる。この結果、第1二次流路(5)及び第2二次流路(7)の加熱対象に対する加熱能力の低下を抑制できる。
【0253】
[第2除霜動作]
本変形例の第2除霜動作の熱媒体の流れは、実施形態1の変形例5の第2除霜動作の熱媒体の流れと基本的に同じである。第2除霜動作では、第2熱媒体回路(C2)において一部除霜運転が実行され、第1熱媒体回路(C1)において一部加熱運転が実行される。詳細の説明は省略する。
【0254】
第2除霜動作では、第2流体ポンプ(8)が停止する。第2流体ポンプ(8)は、一部除霜運転において熱媒体が吸熱する第2利用熱交換器(16B)に対応する。第1流体ポンプ(6)が運転する。第1流体ポンプ(6)は、一部加熱運転において熱媒体が放熱する第1利用熱交換器(16A)に対応する。このため、第2利用熱交換器(16B)では、第2二次流路(7)の熱媒体が冷却されることを抑制できる。この結果、第1二次流路(5)及び第2二次流路(7)の加熱対象に対する加熱能力の低下を抑制できる。
【0255】
なお、上記の例では、一部除霜運転において、熱媒体が吸熱する室内熱交換器(11)に対応する流体ポンプ(6,8)を停止させている。しかし、この流体ポンプ(6,8)の流量を低下させてもよい。この場合、この流体ポンプ(6,8)の流量は、他の室内熱交換器(11)に対応する流体ポンプ(6,8)の流量よりも小さくする。これにより、熱媒体が吸熱する利用熱交換器(16A,16B)において、二次流路(5,7)の熱媒体が冷えてしまうことを抑制できる。
【0256】
《実施形態2》
実施形態2は、単層式の磁気冷凍部(20)を有する。図28及び図29に示すように、実施形態2の磁気冷凍装置(1)の構成は、実施形態1の磁気冷凍ユニット(U)及び熱媒体回路(C)の構成と異なる。主として実施形態と異なる点について以下に説明する。
【0257】
図28に示すように、実施形態2の熱媒体回路(C)は、実施形態1の四方切換弁(F1,F2)を有していない。
【0258】
図29に示すように、磁気冷凍ユニット(U)は、磁気冷凍部(20)と、往復式ポンプ(30)と、第1流出管(41)と、第1流入管(42)と、第2流出管(43)と、第2流入管(44)と、第1ポンプ側配管(45)と、第2ポンプ側配管(46)とを有する。第1流出管(41)は第1流出部に対応し、第1流入管(42)は第1流入部に対応する。第2流出管(43)は第2流出部に対応し、第2流入管(44)は第2流出部に対応する。
【0259】
磁気冷凍部(20)は、ベッド(21)と、磁気作業物質(22)と、磁場変調部(23)とを有する。
【0260】
磁気冷凍部(20)は、1種類の磁気作業物質(22)からなる単層式である。この1種類の磁気作業物質(22)は、温度と磁気冷凍効果との間に、例えば図30の曲線Aに示すような関係がある。この1種類の磁気作業物質(22)のキュリー温度は、各内部流路(24,25)を流れる熱媒体の平均的な温度に設定される。
【0261】
ベッド(21)の内部には、第1内部流路(24)と第2内部流路(25)とが形成される。第1内部流路(24)の一端には、第1流出管(41)が接続される。第1内部流路(24)の他端には、第2流入管(44)が接続される。第2内部流路(25)の一端には、第1流入管(42)が接続される。第2内部流路(25)の他端には、第2流出管(43)が接続される。
【0262】
第1流出管(41)には、第1逆止弁(CV1)が設けられる。第1流入管(42)には、第2逆止弁(CV2)が設けられる。第2流出管(43)には、第3逆止弁(CV3)が設けられる。第2流入管(44)には、第4逆止弁(CV4)が設けられる。
【0263】
第1逆止弁(CV1)は、磁気冷凍部(20)の第1内部流路(24)から室内熱交換器(11)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第2逆止弁(CV2)は、室内熱交換器(11)から磁気冷凍部(20)の第2内部流路(25)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第3逆止弁(CV3)は、磁気冷凍部(20)の第2内部流路(25)から室外熱交換器(12)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第4逆止弁(CV4)は、室外熱交換器(12)から磁気冷凍部(20)の第2内部流路(25)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。
【0264】
往復式ポンプ(30)は、熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する。往復式ポンプ(30)は、往復搬送機構に対応する。往復式ポンプ(30)は、ピストンポンプで構成される。往復式ポンプ(30)は、ポンプケース(31)と、ピストン(32)と、駆動機構(図示省略)とを有する。ピストン(32)は、ポンプケース(31)の内部に配置される。ピストン(32)は、ポンプケース(31)の内部を2つの室に区画する。往復式ポンプ(30)には、第1ポート(33)と第2ポート(34)とが設けられる。ポンプケース(31)の一方の室が第1ポート(33)と連通し、他方の室が第2ポート(34)と連通する。
【0265】
第1ポンプ側配管(45)の一端は、第1ポート(33)に接続する。第1ポンプ側配管(45)の他端は、第1流入管(42)のうち第2逆止弁(CV2)の上流側に接続される。第2ポンプ側配管(46)の一端は、第2ポート(34)に接続する。第2ポンプ側配管(46)の他端は、第2流入管(44)のうち第4逆止弁(CV4)の上流側に接続される。
【0266】
駆動機構は、ピストン(32)に連結するロッドと、該ロッドに連結するクランクと、該クランクを駆動する電動機とを有する。電動機がクランクを回転駆動すると、ロッドが進退する。これにより、ポンプケース(31)内でピストン(32)の往復運動が行われる。
【0267】
具体的には、往復式ポンプ(30)では、第1搬送動作と第2搬送動作とが交互に繰り返し行われる。第1搬送動作(図31(A)及び図32(A)を参照)では、ピストン(32)が第1ポート(33)側に移動する。これにより、第1ポート(33)から熱媒体が吐出される。吐出された熱媒体は、第1流入管(42)、第2内部流路(25)、第2流出管(43)を順に流れる。第2搬送動作(図31(B)及び図32(B))では、ピストン(32)が第2ポート(34)側に移動する。これにより、第2ポート(34)から熱媒体が吐出される。吐出された熱媒体は、第2流入管(44)、第1内部流路(24)、及び第1流出管(41)を順に流れる。
【0268】
実施形態2の磁気冷凍装置(1)は、制御装置(100)を有している。制御装置(100)は、磁気冷凍ユニット(U)を制御する。
【0269】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態2の磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と、暖房運転と、除霜運転とを行う。
【0270】
〈冷房運転〉
冷房運転では、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。
【0271】
図31(A)に示すように、第3動作では、磁場変調部(23)の第1変調動作と、往復式ポンプ(30)の第1搬送動作とが同時に行われる。第3動作では、磁気冷凍部(20)の第2内部流路(25)で熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体は、第2流出管(43)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(31)の第2ポート(34)に流入する。
【0272】
図31(B)に示すように、第4動作では、磁場変調部(23)の第2変調動作と、往復式ポンプ(30)の第2搬送動作とが同時に行われる。第4動作では、磁気冷凍部(20)の第1内部流路(24)で熱媒体が冷却される。冷却された熱媒体は、第1流出管(41)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(31)の第1ポート(33)に流入する。
【0273】
図33に示すように、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(12)で放熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0274】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0275】
〈暖房運転〉
磁気冷凍ユニット(U)では、第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。
【0276】
図32(A)に示すように、第5動作では、磁場変調部(23)の第2変調動作と、往復式ポンプ(30)の第1搬送動作とが同時に行われる。第5動作では、磁気冷凍部(20)の第2内部流路(25)で熱媒体が冷却される。冷却された熱媒体は、第2流出管(43)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(31)の第2ポート(34)に流入する。
【0277】
図32(B)に示すように、第6動作では、磁場変調部(23)の第1変調動作と、往復式ポンプ(30)の第2搬送動作とが同時に行われる。第6動作では、磁気冷凍部(20)の第1内部流路(24)で熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体は、第1流出管(41)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(31)の第1ポート(33)に流入する。
【0278】
図34に示すように、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、熱媒体が室外空気から吸熱する。室外熱交換器(12)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0279】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気に放熱するする。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(11)で放熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0280】
〈除霜運転〉
図35に示す除霜運転では、基本的に冷房運転と同じ動作が行われる。磁気冷凍ユニット(U)では、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。
【0281】
磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、その内部を流れる熱媒体により、室外熱交換器(12)の表面の霜が融かされる。室外熱交換器(12)の除霜に利用された熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0282】
磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、熱媒体が室内空気から吸熱する。室内熱交換器(11)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
【0283】
-磁気冷凍部の温度勾配について-
暖房運転から除霜運転への切換後、あるいは除霜運転から暖房運転への切換後には、実施形態1と同様、磁気冷凍部(20)における温度勾配が低下する可能性がある。しかし、実施形態2の磁気冷凍部(20)は、単層式であるため、その磁気冷凍効果は温度勾配の変化に大きく影響しない。単層式の磁気冷凍部(20)は、カスケード式の磁気冷凍部(20)と比較して、温度による磁気冷凍効果の影響が小さいためである。このため、除霜運転の開始時、あるいは暖房運転の開始時において、磁気冷凍部(20)の磁気冷凍効果が大きく低下することはない。
【0284】
-実施形態2の効果-
本形態の特徴は、前記磁気冷凍部(20)は、1種類の前記磁気作業物質(22)からなる単層式であり、前記熱媒体回路(C)は、前記磁気冷凍部(20)の前記内部流路(24,25)とそれぞれ連通する、第1流出部(41)、第1流入部(42)、第2流出部(43)、及び第2流入部(44)を含み、前記加熱運転では、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記第1流出部(41)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記第1流入部(42)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記第2流出部(43)、前記第2熱交換器(12)、及び前記第2流入部(44)を流れ、前記除霜運転では、前記磁気冷凍部(20)により冷却した熱媒体が前記第1流出部(41)、前記第1熱交換器(11,16)、及び前記第1流入部(42)を流れるとともに、前記磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体が前記第2流出部(43)、前記第2熱交換器(12)、及び前記第2流入部(44)を流れることである。
【0285】
この特徴によれば、除霜運転において、単層式の磁気冷凍部(20)により加熱した熱媒体の熱を室外熱交換器(12)の除霜に利用できる。除霜運転では、室内熱交換器(11)において熱媒体に吸熱した熱も室外熱交換器(12)の除霜に利用できる。
【0286】
単層式の磁気冷凍部(20)は、その内部の温度により磁気冷凍効果が大きく低下することもない。このため、暖房運転と除霜運転の切換に伴い磁気冷凍部(20)の温度勾配が低下したとしても、磁気冷凍効果が大幅に低下することはない。
【0287】
《実施形態2の変形例1》
実施形態2の変形例1は、実施形態1の変形例3に対応している。図36に示すように、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、第1熱媒体回路(C1)及び第2熱媒体回路(C2)を有している。第1熱媒体回路(C1)は、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第1室外熱交換器(12A)を有する。第2熱媒体回路(C2)は、第2磁気冷凍ユニット(U2)及び第2室外熱交換器(12B)を有する。第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)との双方に1つの室内熱交換器(11)が共用されている。
【0288】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態2の変形例1は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0289】
〈冷房運転〉
冷房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。
【0290】
〈暖房運転〉
暖房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0291】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と第2除霜動作とを含む。第1除霜運転では、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われ、且つ室内熱交換器(11)により暖房が行われる。第2除霜運転では、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われ、且つ室内熱交換器(11)により暖房が行われる。
【0292】
[第1除霜動作]
図36に示す第1除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第3動作及び第4動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。
【0293】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。これにより、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。
【0294】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0295】
[第2除霜動作]
図37に示す第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第5動作及び第6動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。
【0296】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0297】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。これにより、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。
【0298】
-除霜運転時の磁気冷凍ユニットの出力制御-
第1除霜動作では、第2磁気冷凍ユニット(U2)の出力を、第1磁気冷凍ユニット(U1)の出力よりも大きくする。具体的には、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2を、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1よりも大きくする。この結果、第1除霜動作において、室内熱交換器(11)の暖房能力が低下することを抑制できる。
【0299】
第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)の出力を、第2磁気冷凍ユニット(U2)の出力よりも大きくする。具体的には、第1磁気冷凍ユニット(U1)の周波数f1を、第2磁気冷凍ユニット(U2)の周波数f2よりも大きくする。この結果、第2除霜動作において、室内熱交換器(11)の暖房能力が低下することを抑制できる。
【0300】
《実施形態2の変形例2》
実施形態2の変形例2は、実施形態1の変形例4に対応している。図38に示すように、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、実施形態1の変形例4と同様、第1補助回路(80A)と第2補助回路(80B)とを有する。
【0301】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態2の変形例2は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0302】
〈冷房運転〉
冷房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0303】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で冷却された熱媒体は、室内熱交換器(11)で吸熱する。
【0304】
〈暖房運転〉
暖房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0305】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0306】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と第2除霜動作とを含む。第1除霜運転では、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われ、且つ室内熱交換器(11)により暖房が行われる。第2除霜運転では、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われ、且つ室内熱交換器(11)により暖房が行われる。
【0307】
[第1除霜動作]
図38に示す第1除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第3動作及び第4動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。第1三方弁(T1)が第1状態に、第2三方弁(T2)が第2状態に、第3三方弁(T3)が第2状態に、第4三方弁(T4)が第1状態にそれぞれ設定される。
【0308】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。これにより、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1補助熱交換器(82)で吸熱する。
【0309】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0310】
[第2除霜動作]
図39に示す第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第5動作及び第6動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。第1三方弁(T1)が第2状態に、第2三方弁(T2)が第1状態に、第3三方弁(T3)が第1状態に、第4三方弁(T4)が第2状態にそれぞれ設定される。
【0311】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、室内熱交換器(11)で放熱する。
【0312】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。これにより、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2補助熱交換器(84)で吸熱する。
【0313】
《実施形態2の変形例3》
実施形態2の変形例3は、実施形態1の変形例5に対応している。図40に示すように、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、実施形態1の変形例5と同様、第1ファン(13A)及び第2ファン(13B)を有している。
【0314】
-磁気冷凍装置の運転動作-
実施形態2の変形例3は、冷房運転、暖房運転、及び除霜運転を行う。除霜運転は、第1除霜動作と、第2除霜動作とを含む。
【0315】
〈冷房運転〉
冷房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。第1ファン(13A)及び第2ファン(13B)は運転する。
【0316】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室内熱交換器(11A)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)で冷却された熱媒体は、第2室内熱交換器(11B)で吸熱する。
【0317】
〈暖房運転〉
暖房運転では、第1磁気冷凍ユニット(U1)及び第2磁気冷凍ユニット(U2)において、第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。第1ファン(13A)及び第2ファン(13B)は運転する。
【0318】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室内熱交換器(11A)で放熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2室内熱交換器(11B)で放熱する。
【0319】
〈除霜運転〉
除霜運転は、第1除霜動作と第2除霜動作とを含む。第1除霜運転では、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われ、且つ第2室内熱交換器(11B)により暖房が行われる。第2除霜運転では、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われ、且つ第1室内熱交換器(11A)により暖房が行われる。
【0320】
[第1除霜動作]
図40に示す第1除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第3動作及び第4動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第5動作と第6動作とが交互に繰り返し行われる。第1ファン(13A)は停止し、第2ファン(13B)は運転する。
【0321】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で放熱する。これにより、第1室外熱交換器(12A)の除霜が行われる。第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室内熱交換器(11A)を流れる。第1ファン(13A)は停止しているため、第1室内熱交換器(11A)の熱媒体と空気との伝熱が抑制される。
【0322】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で吸熱する。第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2室内熱交換器(11B)で放熱する。第2ファン(13B)は運転しているため、第2室内熱交換器(11B)の熱媒体と空気との伝熱が促進される。
【0323】
[第2除霜動作]
図41に示す第2除霜動作では、第1磁気冷凍ユニット(U1)において第5動作及び第6動作が交互に繰り返し行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)において第3動作と第4動作とが交互に繰り返し行われる。第1ファン(13A)は運転し、第2ファン(13B)は停止する。
【0324】
第1磁気冷凍ユニット(U1)により冷却された熱媒体は、第1室外熱交換器(12A)で吸熱する。第1磁気冷凍ユニット(U1)により加熱された熱媒体は、第1室内熱交換器(11A)で放熱する。第1ファン(13A)は運転しているため、第1室内熱交換器(11A)の熱媒体と空気との伝熱が促進される。
【0325】
第2磁気冷凍ユニット(U2)により加熱された熱媒体は、第2室外熱交換器(12B)で放熱する。これにより、第2室外熱交換器(12B)の除霜が行われる。第2磁気冷凍ユニット(U2)により冷却された熱媒体は、第2室内熱交換器(11B)を流れる。第2ファン(13B)は停止しているため、第2室内熱交換器(11B)の熱媒体と空気との伝熱が抑制される。
【0326】
《実施形態2の変形例4》
実施形態2の変形例4は、実施形態1の変形例6に対応している。図42に示すように、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、実施形態1の変形例6と同様、第1利用熱交換器(16A)及び第2利用熱交換器(16B)を有している。
【0327】
第1利用熱交換器(16A)は、第1熱媒体回路(C1)と連通する伝熱流路と、第1二次流路(5)と連通する伝熱流路とを有している。第1利用熱交換器(16A)は、第1熱媒体回路(C1)の熱媒体と、第1二次流路(5)の熱媒体とを熱交換させる。第1二次流路(5)には、第1流体ポンプ(6)が設けられる。
【0328】
第2利用熱交換器(16B)は、第2熱媒体回路(C2)と連通する伝熱流路と、第2二次流路(7)と連通する伝熱流路とを有している。第2利用熱交換器(16B)は、第2熱媒体回路(C2)の熱媒体と、第2二次流路(7)の熱媒体とを熱交換させる。第2二次流路(7)には、第2流体ポンプ(8)が設けられる。第1二次流路(5)の熱媒体と第2二次流路(7)の熱媒体とは、同一の対象物を冷却又は加熱する。
【0329】
実施形態2の変形例4においても、実施形態1の変形例6と同様にして、冷却運転、加熱運転、及び除霜運転が行われる。基本的な動作、及び作用効果は、実施形態1の変形例6と同様である。
【0330】
《その他の実施形態》
上述した各実施形態や各変形例においては、以下のような構成としてもよい。
【0331】
磁場変調部(23)は、例えば次の1)~4)の方式であってもよいし、それ以外の方式であってもよい。
【0332】
1)永久磁石を用いたリニア駆動型
2)永久磁石を用いた回転駆動型
3)電磁石を用いた静止型
4)電磁石と永久磁石を用いた静止型
【0333】
磁気冷凍装置(1)(固体冷凍装置)は、2つ以上の室内熱交換器(11)を有してもよいし、2つ以上の室外熱交換器(12)を有してもよい。
【0334】
磁気冷凍装置(1)(固体冷凍装置)は、冷蔵庫や冷凍庫の庫内の空気を冷却してもよい。この構成では、第1熱交換器(11)を熱源熱交換器とし、第2熱交換器(12)を利用熱交換器とする。利用熱交換器は、庫内の空気を冷却する熱交換器である。この場合、熱源熱交換器で熱媒体が放熱し、利用熱交換器で熱媒体が吸熱する運転が、加熱運転に対応する。熱源熱交換器で熱媒体が吸熱し、利用熱交換器で熱媒体が放熱する運転が、除霜運転に対応する。
【0335】
磁気冷凍装置(1)(固体冷凍装置)は、第1熱交換器(11)の熱媒体により温水を生成する給湯装置であってもよい。
【0336】
固体冷凍装置は、磁気作業物質(22)に磁気熱量効果を誘発する磁気冷凍装置以外の他の方式であってもよい。なお、ここでいう固体冷媒物質(22)は、柔軟結晶などの液体と固体の中間の性質を有するものも含む。
【0337】
他の方式の固体冷凍装置としては、1)固体冷媒物質に電気熱量効果を誘発する方式、2)固体冷媒物質に圧力熱量効果を誘発する方式、3)固体冷媒物質に弾性熱量効果を誘発する方式が挙げられる。
【0338】
1)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に電場変動を付与する。これにより固体冷媒物質が強誘電体から常誘電体へ相転移するなどして、固体冷媒物質が発熱または吸熱する。
【0339】
2)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に圧力変動を付与することで、固体冷媒物質が相転移し発熱または吸熱する。
【0340】
3)の方式の固体冷凍装置は、誘発部が固体冷媒物質に応力変動を付与することで、固体冷媒物質が相転移し発熱または吸熱する。
【0341】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0342】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0343】
以上説明したように、本開示は、固体冷凍装置、特に磁気冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0344】
1 磁気冷凍装置(固体冷凍装置)
11 室内熱交換器(第1熱交換器)
12 室外熱交換器(第2熱交換器)
13 ファン
15 切換機構(運転切換機構)
16 利用熱交換器(第1熱交換器)
20 磁気冷凍部 (固体冷凍部)
22 磁気作業物質 (固体作業物質)
23 磁場変調部 (誘発部)
30 往復式ポンプ(往復搬送機構)
41 第1流出部
42 第1流入部
43 第2流出部
44 第2流入部
50 往復搬送機構 (抑制機構)
51 低温流出部
52 低温流入部
53 高温流出部
54 高温流入部
71 第1バイパス流路
72 第2バイパス流路
73 第1制御弁
74 第2制御弁
82 第1補助熱交換器
84 第2補助熱交換器
A1 第1熱量調節部(抑制機構)
A2 第2熱量調節部(抑制機構)
100 制御装置(運転切換機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42