IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成システム 図1
  • 特許-画像形成システム 図2
  • 特許-画像形成システム 図3
  • 特許-画像形成システム 図4
  • 特許-画像形成システム 図5
  • 特許-画像形成システム 図6
  • 特許-画像形成システム 図7
  • 特許-画像形成システム 図8
  • 特許-画像形成システム 図9
  • 特許-画像形成システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20231012BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231012BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20231012BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231012BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G06F3/0484
H04N1/00 350
H04N1/00 002Z
B41J29/46 Z
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 376
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019026479
(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2020135279
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】中越 勇輔
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220165(JP,A)
【文献】特開2015-179400(JP,A)
【文献】Mac People 2014.5,日本,株式会社KADOKAWA,2014年03月28日,第20巻,第5号,p.103
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/04895
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/46
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備え、
前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントを前記タッチパネルに対するタッチのログに基づいて特定し、前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントが特定の閾値以上である場合に、前記タッチパネルに表示されている画面のフリーズの異常を検出する画像形成システムであって、
前記タッチパネルに対する無効なタッチは、特定の動作を前記画像形成システムに開始させなかったタッチであり、
前記画像形成システムは、前記異常を回復するための回復処理を実行し、
前記異常を検出した場合に、前記回復処理の実行のスケジュールを追加し、
前記回復処理の実行のスケジュールが存在する場合に、前記回復処理を実行可能な状況であるとき、前記スケジュールを削除して前記回復処理を実行し、
新たに増えたログが、前記タッチパネルに対する有効なタッチのログである場合に、前記スケジュールを削除することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
タッチパネルを備え、
前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントを前記タッチパネルに対するタッチのログに基づいて特定し、前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントが特定の閾値以上である場合に、前記タッチパネルに表示されている画面のフリーズの異常を検出する画像形成システムであって、
前記タッチパネルに対する無効なタッチは、特定の動作を前記画像形成システムに開始させなかったタッチであり、
前記画像形成システムは、前記異常を回復するための回復処理を実行し、
前記異常を検出した場合に、前記回復処理の実行のスケジュールを追加し、
前記回復処理の実行のスケジュールが存在する場合に、前記回復処理を実行可能な状況であるとき、前記スケジュールを削除して、前記回復処理を開始するか否かの指示を利用者に要求する回復処理開始指示要求画面を前記タッチパネルに表示し、
新たに増えたログが、前記タッチパネルに対する有効なタッチのログである場合に、前記スケジュールを削除することを特徴とす画像形成システム。
【請求項3】
前記回復処理開始指示要求画面を前記タッチパネルに表示している状況を、前記回復処理を実行可能な状況ではないと判断することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記回復処理を実行中である状況を、前記回復処理を実行可能な状況ではないと判断することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
新たに増えたログが、前記タッチパネルに対する無効なタッチのログである場合に、前回の、前記タッチパネルに対する無効なタッチのログから特定の時間以上経過しているとき、前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントを1とすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記特定の閾値は、前記画面の種類に応じて設けられることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を形成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、画像形成装置に備わっているセンサーの検出値に基づいて異常の発生を検出した場合に、SC(サービスコール)を通知するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-248256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、画像形成装置に備わっているセンサーの検出値が正常範囲内ではない場合に異常の発生を判断するので、複数のデバイスにわたる制御や、利用者の操作などに基づいた、一連の流れに応じて発生する複雑な異常を検出することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、一連の流れに応じて発生する複雑な異常を検出することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、タッチパネルを備え、前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントを前記タッチパネルに対するタッチのログに基づいて特定し、前記タッチパネルに対する無効なタッチのカウントが特定の閾値以上である場合に、前記タッチパネルに表示されている画面のフリーズの異常を検出することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成システムは、タッチパネルに対する無効なタッチのカウントをタッチパネルに対するタッチのログに基づいて特定し、タッチパネルに対する無効なタッチのカウントが特定の閾値以上である場合に、タッチパネルに表示されている画面のフリーズの異常を検出するので、一連の流れに応じて発生する複雑な異常を検出することができる。
【0008】
本発明の画像形成システムは、前記異常を回復するための回復処理を実行しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成システムは、異常を回復するための回復処理を実行するので、異常に対応するための利用者の手間を抑えることができるとともに、異常を迅速に回復することができる。
【0010】
本発明の画像形成システムにおいて、前記特定の閾値は、前記画面の種類に応じて設けられても良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成システムは、画面のフリーズの異常を検出するための無効なタッチのカウントの閾値が、画面の種類に応じて設けられるので、画面の種類に応じて適切に画面のフリーズの異常を検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成システムは、一連の流れに応じて発生する複雑な異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの外観斜視図である。
図2図1に示すMFPのブロック図である。
図3図1に示すキオスク端末のブロック図である。
図4】回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリストに追加したり、これをスケジュールリストから削除したりする場合の図3に示すキオスク端末の動作のフローチャートである。
図5図4に示す無効タッチカウント特定処理のフローチャートである。
図6図5に示す無効タッチカウント整形処理のフローチャートである。
図7図4に示すキオスク端末画面特定処理のフローチャートである。
図8図4に示す異常操作有無整形処理のフローチャートである。
図9】異常が発生した場合の画像形成システム10の動作のフローチャートである。
図10図9に示す動作において表示される回復処理開始指示要求画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10の外観斜視図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20の機能を補強する機能補強装置としてのキオスク端末30とを備えている。MFP20と、キオスク端末30とは、隣り合って配置されている。画像形成システム10は、例えば、コンビニエンスストアなどの小売業の店舗などに設置される。
【0018】
MFP20と、キオスク端末30とは、LAN(Local Area Network)を介して互いに通信可能に接続されている。MFP20と、キオスク端末30との接続が切断されている状況としては、例えば、MFP20と、キオスク端末30とを接続するためのLANケーブルがMFP20およびキオスク端末30の少なくとも一方に接続されていない状況、MFP20およびキオスク端末30の少なくとも一方の電源が切断されている状況、MFP20と、キオスク端末30との間の通信を制御するアプリケーションソフトがMFP20およびキオスク端末30の少なくとも一方において動作していない状況などが存在する。
【0019】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0020】
図1および図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター22と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部24と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部25と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部26と、MFP20全体を制御する制御部27とを備えている。
【0021】
操作部21は、種々の情報を表示するとともに種々の操作が入力されるタッチパネル21aを備えている。
【0022】
記憶部26は、操作部21、プリンター22、スキャナー23などの、MFP20における各種のデバイスのログであるデバイスログ26aを記憶可能である。なお、ログとは、例えば「画面が触られた」、「○○の処理を開始する」、「状態が○○に変化した」などの記録を示すテキストである。
【0023】
制御部27は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部27のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部27のCPUは、記憶部26または制御部27のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0024】
制御部27は、記憶部26または制御部27のROMに記憶されているプログラムを実行することによって、操作部21、プリンター22、スキャナー23などの、MFP20における各種のデバイスを制御するデバイス制御部27aと、デバイスログ26aを管理するログ管理部27bとを実現する。ログ管理部27bは、デバイスログ26aの少なくとも一部を例えばSyslogプロトコルによってキオスク端末30に送信可能である。
【0025】
図3は、キオスク端末30のブロック図である。
【0026】
図1および図3に示すように、キオスク端末30は、種々の操作が入力される操作デバイスである操作部31と、写真を印刷する印刷デバイスである写真プリンター32と、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体と通信を行うメディアリーダー33と、画像形成システム10の利用料金を徴収する料金徴収装置34と、料金徴収装置34によって徴収した利用料金のレシートを印刷する印刷デバイスであるレシートプリンター35と、スピーカー36と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部37と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部38と、キオスク端末30全体を制御する制御部39とを備えている。
【0027】
操作部31は、種々の情報を表示するとともに種々の操作が入力されるタッチパネル31aを備えている。
【0028】
キオスク端末30のタッチパネル31aの画面サイズは、MFP20のタッチパネル21aの画面サイズより大きい。
【0029】
図1に示す画像形成システム10は、タッチパネル31aに表示されたメインメニュー画面41に対する操作に応じて様々なサービスを提供することができる。例えば、画像形成システム10は、スキャナー23によって原稿から読み取った画像をプリンター22によって印刷する「コピー」のサービス、スキャナー23によって原稿から読み取った画像をファックス通信部24(図2参照。)によってファックス送信する「ファックス」のサービス、スキャナー23によって原稿から読み取った画像をメディアリーダー33を介してUSBメモリーなどの外部の記憶媒体に保存する「スキャン」のサービス、図示していない外部のデータ管理システムによって管理されているデータを通信部37(図3参照。)および通信部25(図2参照。)経由で受信して、受信したデータに基づいてプリンター22または写真プリンター32(図3参照。)によって印刷を実行する「ネットワークプリント」のサービス、メディアリーダー33を介してUSBメモリーなどの外部の記憶媒体から取得した、または、通信部25および通信部37の少なくとも一方によって外部から無線通信で取得した文書データに基づいてプリンター22によって文書を印刷する「文書プリント」のサービス、メディアリーダー33を介してUSBメモリーなどの外部の記憶媒体から取得した、または、通信部25および通信部37の少なくとも一方によって外部から無線通信で取得した画像データに基づいて写真プリンター32によって写真を印刷する「写真プリント」のサービスなどが含まれる。また、画像形成システム10は、タッチパネル21aに対する特殊な操作に応じて、MFP20のメンテナンスのための「メンテナンス」のサービスを提供することもできる。
【0030】
写真プリンター32は、印刷した写真が取り出される写真取り出し口32aを備えている。
【0031】
料金徴収装置34は、硬貨が投入される硬貨投入口34aと、硬貨が返却される硬貨返却口34bとを備えている。
【0032】
レシートプリンター35は、印刷したレシートが取り出されるレシート取り出し口35aを備えている。
【0033】
記憶部38は、MFP20、操作部31、写真プリンター32、料金徴収装置34、スピーカー36などの、画像形成システム10における各種のデバイスのログであるデバイスログ38aと、「コピー」、「ファックス」、「スキャン」、「ネットワークプリント」、「文書プリント」、「写真プリント」、「メンテナンス」などの、画像形成システム10における各種のサービスのログであるサービスログ38bとを記憶可能である。
【0034】
記憶部38は、処理の実行のスケジュールを示すスケジュールリスト38cを記憶可能である。
【0035】
制御部39は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部39のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部39のCPUは、記憶部38または制御部39のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0036】
制御部39は、記憶部38または制御部39のROMに記憶されているプログラムを実行することによって、MFP20、操作部31、写真プリンター32、料金徴収装置34、スピーカー36などの、画像形成システム10における各種のデバイスを制御するデバイス制御部39aと、「コピー」、「ファックス」、「スキャン」、「ネットワークプリント」、「文書プリント」、「写真プリント」、「メンテナンス」などの、画像形成システム10における各種のサービスを制御するサービス制御部39bと、デバイスログ38aおよびサービスログ38bを管理するログ管理部39cとを実現する。ログ管理部39cは、MFP20から例えばSyslogプロトコルによって受信したログをデバイスログ38aに追加可能である。
【0037】
なお、画像形成システム10において、MFP20のタッチパネル21aは、基本的には利用されない。しかしながら、MFP20と同一のモデルのMFPは、画像形成システムの一部としてだけでなく、MFP単独で設置されることもある。したがって、MFP20は、タッチパネル21aを備えている。
【0038】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0039】
画像形成システム10は、タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズする異常によって利用することができなくなる場合がある。利用者は、一般的に、タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズした場合、画面を何度もタッチして反応を確かめる場合が多い。画像形成システム10は、このような異常な操作を検出することによって、タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズする異常を検出することができる。
【0040】
キオスク端末30は、タッチパネル31aに表示されている画面のフリーズの異常の回復処理を実行することができる。タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズする原因としては、制御部39のRAMの使用量が増大し過ぎているというものが存在するので、タッチパネル31aに表示されている画面のフリーズの異常の回復処理には、制御部39のRAMの回復が含まれる。また、タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズする原因としては、通信部37を介した通信の不良によってキオスク端末30の外部から応答が返ってこなくなっているというものが存在するので、タッチパネル31aに表示されている画面のフリーズの異常の回復処理には、通信部37を介した通信の強制終了が含まれる。また、タッチパネル31aに表示されている画面がフリーズする原因としては、プログラムの不具合が存在するので、タッチパネル31aに表示されている画面のフリーズの異常の回復処理には、サービスの強制終了が含まれる。
【0041】
まず、回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリスト38cに追加したり、これをスケジュールリスト38cから削除したりする場合のキオスク端末30の動作について説明する。
【0042】
図4は、回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリスト38cに追加したり、これをスケジュールリスト38cから削除したりする場合のキオスク端末30の動作のフローチャートである。
【0043】
ログ管理部39cは、デバイスログ38aおよびサービスログ38bの少なくとも一方にログが1つ増える度に、増えたログを対象にして図4に示す動作を実行する。
【0044】
図4に示すように、ログ管理部39cは、タッチパネル31aに対する無効なタッチのカウント(以下「無効タッチカウント」という。)を特定する無効タッチカウント特定処理を実行する(S101)。
【0045】
なお、タッチパネル31aに対する無効なタッチとは、例えばコピーの設定の変更やコピーの開始などの特定の動作を画像形成システム10に開始させることがないタッチである。一方、タッチパネル31aに対する有効なタッチとは、特定の動作を画像形成システム10に開始させるタッチである。したがって、特定の動作を開始させたタッチのログは、有効なタッチのログであり、特定の動作を開始させなかったタッチのログは、無効なタッチのログである。
【0046】
図5は、図4に示す無効タッチカウント特定処理のフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、ログ管理部39cは、日時をパースする整形を対象のログをコピーした文字列に対して実行する(S121)。例えば、対象のログが“2018/1/1 00:50:20 ・・・”という文字列である場合、ログ管理部39cは、S121の処理によって(2018/1/1 00:50:20,“・・・”)という文字列を生成する。なお、「・・・」には、ログの具体的な内容が記載されている。
【0048】
ログ管理部39cは、S121の処理の後、S121において生成した文字列に対して、ログの具体的な内容を無効タッチカウントに置き換える整形を実行する無効タッチカウント整形処理を実行する(S122)。
【0049】
図6は、図5に示す無効タッチカウント整形処理のフローチャートである。
【0050】
図6に示すように、ログ管理部39cは、対象のログに記載されている、ログの具体的な内容に基づいて、対象のログの種類を判定する(S141)。
【0051】
ログ管理部39cは、対象のログの種類が、タッチパネル31aに対する有効なタッチのログであるとS141において判定すると、S121において生成した文字列に対して、ログの具体的な内容を「count=-1」に置き換えて(S142)、図6に示す動作を終了する。
【0052】
ログ管理部39cは、対象のログの種類が、タッチパネル31aに対するタッチのログではない、すなわち、一般のログであるとS141において判定すると、S121において生成した文字列に対して、ログの具体的な内容を「count=“前回の無効タッチカウント”」に置き換えて(S143)、図6に示す動作を終了する。ここで、“前回の無効タッチカウント”とは、実際には、前回の無効タッチカウント整形処理において生成された文字列に含まれている、具体的な無効タッチカウントである。
【0053】
ログ管理部39cは、対象のログの種類が、タッチパネル31aに対する無効なタッチのログであるとS141において判定すると、前回の無効なタッチのログから例えば30秒などの特定の時間以上経過しているか否かを判断する(S144)。
【0054】
ログ管理部39cは、前回の無効なタッチのログから特定の時間以上経過しているとS144において判断すると、S121において生成した文字列に対して、ログの具体的な内容を「count=1」に置き換えて(S145)、図6に示す動作を終了する。
【0055】
ログ管理部39cは、前回の無効なタッチのログから特定の時間以上経過していないとS144において判断すると、S121において生成した文字列に対して、ログの具体的な内容を「count=“前回の無効タッチカウント+1”」に置き換えて(S146)、図6に示す動作を終了する。ここで、“前回の無効タッチカウント+1”とは、実際には、前回の無効タッチカウント整形処理において生成された文字列に含まれている、具体的な無効タッチカウントに1を加えた値である。
【0056】
例えば、ログ管理部39cは、S121において生成した文字列が(2018/1/1 00:50:20,“・・・”)である場合に、対象のログの種類が、タッチパネル31aに対する無効なタッチのログであって(S141で「無効なタッチのログ」)、前回の無効なタッチのログから特定の時間以上経過していないとき(S144でNO)、前回の無効タッチカウント整形処理において生成された文字列が(2018/1/1 00:50:00,count=5)であるとすると、S146の処理において(2018/1/1 00:50:20,count=6)という文字列を生成する。
【0057】
図5に示すように、ログ管理部39cは、S122の処理の後、S122において生成した文字列から日時を削除する整形を実行する(S123)。例えば、ログ管理部39cは、S122において生成した文字列が(2018/1/1 00:50:20,count=6)である場合、S123の処理において「count=6」という文字列を生成する。
【0058】
ログ管理部39cは、S123の処理の後、図5に示す動作を終了する。
【0059】
図4に示すように、ログ管理部39cは、S101の処理の後、キオスク端末30の画面、すなわち、タッチパネル31aに表示されている画面を特定するキオスク端末画面特定処理を実行する(S102)。
【0060】
図7は、図4に示すキオスク端末画面特定処理のフローチャートである。
【0061】
図7に示すように、ログ管理部39cは、対象のログの種類が、キオスク端末30の画面の遷移のログであるか否かを判断する(S161)。
【0062】
ログ管理部39cは、対象のログの種類が、キオスク端末30の画面の遷移のログであるとS161において判断すると、文字列「画面=“キオスク端末の画面の名称”」を生成する(S162)。ここで、“キオスク端末の画面の名称”とは、対象のログに含まれるキオスク端末30の画面の名称である。例えば、ログ管理部39cは、S162の処理において、「画面=“設定画面”」という文字列を生成する。
【0063】
ログ管理部39cは、対象のログの種類が、キオスク端末30の画面の遷移のログではないとS161において判断するか、S162の処理が終了すると、図7に示す動作を終了する。
【0064】
図4に示すように、ログ管理部39cは、S102の処理の後、これまでの無効タッチカウント特定処理において最後に特定された無効タッチカウントと、これまでのキオスク端末画面特定処理において最後に生成された文字列とを合成する(S103)。例えば、ログ管理部39cは、これまでの無効タッチカウント特定処理において最後に特定された無効タッチカウントが「count=6」であり、これまでのキオスク端末画面特定処理において最後に生成された文字列が「画面=“設定画面”」である場合、S103の処理において、文字列(count=6,画面=“設定画面”)を生成する。
【0065】
ログ管理部39cは、S103の処理の後、S103において生成した文字列に基づいて、異常操作の有無を特定する整形を実行する異常操作有無整形処理を実行する(S104)。
【0066】
図8は、図4に示す異常操作有無整形処理のフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、ログ管理部39cは、S103において生成した文字列に基づいて、無効タッチカウントが「-1」であるか否かを判断する(S181)。
【0068】
ログ管理部39cは、無効タッチカウントが「-1」であるとS181において判断すると、S103において生成した文字列を「無」に置き換えて(S182)、図8に示す動作を終了する。
【0069】
ログ管理部39cは、無効タッチカウントが「-1」ではないとS181において判断すると、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41であって、無効タッチカウントが30以上であるか否かを、S103において生成した文字列に基づいて判断する(S183)。
【0070】
ログ管理部39cは、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41であるが無効タッチカウントが30未満である、または、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41ではないとS183において判断すると、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41以外の画面であって、無効タッチカウントが15以上であるか否かを、S103において生成した文字列に基づいて判断する(S184)。
【0071】
ログ管理部39cは、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41であって、無効タッチカウントが30以上であるとS183において判断するか、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41以外の画面であって、無効タッチカウントが15以上であるとS184において判断すると、S103において生成した文字列を「有」に置き換えて(S185)、図8に示す動作を終了する。
【0072】
ログ管理部39cは、キオスク端末30の画面がメインメニュー画面41以外の画面であるが無効タッチカウントが15未満であるとS184において判断すると、S103において生成した文字列を「保留」に置き換えて(S186)、図8に示す動作を終了する。
【0073】
図4に示すように、ログ管理部39cは、S104の処理の後、直前のS104の異常操作有無整形処理において特定した文字列と、この異常操作有無整形処理の前回の異常操作有無整形処理において特定した文字列とが同一であるか否かを判断する(S105)。
【0074】
ログ管理部39cは、同一ではないとS105において判断すると、直前のS104の異常操作有無整形処理において特定した文字列を判定する(S106)。
【0075】
ログ管理部39cは、直前のS104の異常操作有無整形処理において特定した文字列が「有」であるとS106において判定すると、回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリスト38cに追加する(S107)。
【0076】
ログ管理部39cは、直前のS104の異常操作有無整形処理において特定した文字列が「無」であるとS106において判定すると、回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリスト38cから削除する(S108)。
【0077】
ログ管理部39cは、同一であるとS105において判断するか、直前のS104の異常操作有無整形処理において特定した文字列が「保留」であるとS106において判定するか、S107またはS108の処理を実行すると、図4に示す動作を終了する。
【0078】
次に、異常が発生した場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0079】
図9は、異常が発生した場合の画像形成システム10の動作のフローチャートである。
【0080】
図9に示すように、ログ管理部39cは、回復処理の実行のスケジュールがスケジュールリスト38cに存在すると判断するまで、回復処理の実行のスケジュールがスケジュールリスト38cに存在するか否かを判断する(S201)。
【0081】
ログ管理部39cは、回復処理の実行のスケジュールがスケジュールリスト38cに存在するとS201において判断すると、回復処理を実行可能な状況であるか否かを判断する(S202)。例えば、後述の回復処理開始指示要求画面42(図10参照。)をタッチパネル31aに表示している状況や、回復処理を実行中である状況は、回復処理を実行可能な状況ではない。
【0082】
ログ管理部39cは、回復処理を実行可能な状況ではないとS202において判断すると、S201の処理を実行する。
【0083】
ログ管理部39cは、回復処理を実行可能な状況であるとS202において判断すると、回復処理の実行のスケジュールをスケジュールリスト38cから削除して(S203)、回復処理を開始するか否かの指示を利用者に要求する回復処理開始指示要求画面42(図10参照。)をタッチパネル31aに表示する(S204)。ここで、回復処理開始指示要求画面42は、回復処理を開始することを指示するための「はい」ボタン42a(図10参照。)と、回復処理を開始しないことを指示するための「いいえ」ボタン42b(図10参照。)とを含んでいる。
【0084】
ログ管理部39cは、S204の処理の後、「はい」ボタン42aが押されたか否かを判断する(S205)。
【0085】
ログ管理部39cは、「はい」ボタン42aが押されたとS205において判断すると、タッチパネル31aにおける回復処理開始指示要求画面42の表示を終了して(S206)、回復処理を実行し(S207)、S201の処理を実行する。
【0086】
ログ管理部39cは、「はい」ボタン42aが押されていないとS205において判断すると、「いいえ」ボタン42bが押されたか否かを判断する(S208)。
【0087】
ログ管理部39cは、「いいえ」ボタン42bが押されていないとS208において判断すると、S205の処理を実行する。
【0088】
ログ管理部39cは、「いいえ」ボタン42bが押されたとS208において判断すると、タッチパネル31aにおける回復処理開始指示要求画面42の表示を終了して(S209)、S201の処理を実行する。
【0089】
以上に説明したように、画像形成システム10は、タッチパネル31aに対する無効なタッチのカウントをタッチパネル31aに対するタッチのログに基づいて特定し(S101)、タッチパネル31aに対する無効なタッチのカウントが特定の閾値以上である場合に(S183でYES、または、S184でYES)、タッチパネル31aに表示されている画面のフリーズの異常を検出する(S185)ので、一連の流れに応じて発生する複雑な異常を検出することができる。
【0090】
画像形成システム10は、異常を回復するための回復処理を実行する(S207)ので、異常に対応するための利用者の手間を抑えることができるとともに、異常を迅速に回復することができる。
【0091】
画像形成システム10は、画面のフリーズの異常を検出するための無効なタッチのカウントの閾値が、画面の種類に応じて設けられる(S183およびS184)ので、画面の種類に応じて適切に画面のフリーズの異常を検出することができる。なお、画像形成システム10は、メインメニュー画面41であるか否かに応じて閾値を変えているが、メインメニュー画面41以外の複数の画面の間で閾値が異なっても良い。
【0092】
画像形成システム10は、本実施の形態において、画像形成システム10に発生する異常をキオスク端末30によって検出する。しかしながら、画像形成システム10は、画像形成システム10に発生する異常を、MFP20によって検出しても良いし、MFP20およびキオスク端末30の両方によって検出しても良い。例えば、画像形成システム10は、画像形成システム10に発生する異常をMFP20およびキオスク端末30の両方によって検出する場合、MFP20に発生する異常をMFP20自身によって検出し、キオスク端末30に発生する異常をキオスク端末30自身によって検出しても良い。
【0093】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、コピー専用機、ファックス専用機、スキャナー専用機など、MFP以外の画像形成装置でも良い。
【符号の説明】
【0094】
10 画像形成システム
26a デバイスログ
31a タッチパネル
38a デバイスログ
38b サービスログ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10