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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】蓋装着装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
B65B7/28 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020052659
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021151883
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-04-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔公開事由〕 納品場所:片山食品株式会社 販売日 :2019年11月25日 〔公開事由〕 納品場所:南紀梅干株式会社 販売日 :2020年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】520102635
【氏名又は名称】エーエフエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】岡田 展久
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-083088(JP,A)
【文献】特開2004-359286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ状の容器本体を所定の搬送方向に蓋供給載置域及び蓋装着域を通して搬送するための容器搬送機構と、前記蓋供給載置域に配設された蓋供給載置機構と、前記蓋装着域に配設された蓋装着機構と、前記蓋供給載置域と前記蓋装着域との間の蓋仮装着域に配設された蓋仮装着機構と、前記蓋供給載置域と前記蓋仮装着域との間の前揃え域に配設された前揃え機構とを備え、前記蓋供給載置域においては、前記蓋供給載置機構によって蓋体が前記容器本体の開口側に供給載置され、前記前揃え域においては、前記前揃え機構によって前記蓋体及び前記容器本体の前端部が揃えられ、前記蓋仮装着域においては、前記蓋仮装着機構によって前記容器本体に供給された前記蓋体が前記容器本体の開口部に仮装着され、前記蓋装着域においては、前記蓋装着機構によって前記容器本体に仮装着された前記蓋体が前記容器本体の開口部に装着されることを特徴とする蓋装着装置。
【請求項2】
前記蓋仮装着機構は、前記蓋体を装着するための仮押圧ローラを備え、前記仮押圧ローラが前記容器本体の開口側に供給載置された前記蓋体の上面に作用することを特徴とする請求項1に記載の蓋装着装置。
【請求項3】
前記前揃え機構は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2揃え手段を備え、前記第1及び第2揃え手段は、旋回自在に装着された先端揃え部材と、前記容器本体に載置されて搬送される前記蓋体に作用する作用位置に向けて弾性的に偏奇する偏奇ばねと、前記先端揃え部材を前記作用位置に当接保持する当接ピンとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の蓋装着装置。
【請求項4】
トレイ状の容器本体を所定の搬送方向に蓋供給載置域及び蓋装着域を通して搬送するための容器搬送機構と、前記蓋供給載置域に配設された蓋供給載置機構と、前記蓋装着域に配設された蓋装着機構とを備え、
前記蓋供給載置機構は、蓋体を一つずつ供給するための蓋供給手段と、前記蓋体を前記容器本体の開口側に載置するための蓋載置手段とを備え、前記蓋載置手段は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2移動部材と、前記第1及び第2移動部材に前記搬送方向に間隔をおいて設けられた複数の第1及び第2支持部材とを備え、前記第1及び第2移動部材は、前記搬送方向両側に前記蓋体を支持する支持位置と前記蓋体の支持を解除する解除位置との間を移動自在であり、
前記蓋供給載置域においては、前記蓋供給載置機構の前記第1及び第2移動部材が前記支持位置から前記解除位置に移動することによって前記複数の第1及び第2支持部材に支持された前記蓋体が前記容器本体の開口側に供給載置され、前記蓋装着域においては、前記蓋装着機構によって前記容器本体に供給載置された前記蓋体が前記容器本体の開口部に装着されることを特徴とする蓋装着装置。
【請求項5】
前記蓋載置手段の前記複数の第1及び第2支持部材は、前記搬送方向下流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが前記搬送方向下流側に向けて段階的に漸減していることを特徴とする請求項4に記載の蓋装着装置。
【請求項6】
前記蓋載置手段の前記複数の第1及び第2支持部材は、前記搬送方向上流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが前記搬送方向上流側に向けて段階的に漸減していることを特徴とする請求項4に記載の蓋装着装置。
【請求項7】
前記蓋装着機構は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2蓋装着手段を備え、前記第1及び第2蓋装着手段は、前記容器本体及び前記蓋体の嵌合係合部を支持する第1及び第2支持プレートと、前記第1及び第2支持プレートの上側に配設された第1及び第2装着ローラとを備え、前記容器本体及び前記蓋体の前記嵌合係合部は、前記第1及び第2支持プレートと前記第1及び第2装着ローラとの間を通して移動されることを特徴とする請求項4に記載の蓋装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食物などを収容した容器本体に蓋体を被せて装着する蓋装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋装着装置として、例えば、カップ状の容器本体の開口部に蓋を被せて装着するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この蓋装着装置は、複数の容器受部を有する移送タレットを備え、この移送タレットの各容器受部に対応して蓋受けプレート及び昇降部材が設けられ、この移送タレットが所定方向に回動されることによって、各容器受部が蓋受けプレート及び昇降部材とともに蓋供給域及び蓋組付け域を通して移動される。
【0003】
この蓋装着装置においては、移送タレットの各容器受部が蓋供給域及び蓋組付け域を通して移送される間に、次のようにして蓋体の装着が行われる。容器受部に受け入れられた容器本体が蓋供給域まで移送されると、蓋供給装置から供給される蓋体が蓋受けプレートに供給され、この蓋受けプレートの蓋受け部に保持される。そして、この容器本体が蓋組付け域に移送されると、昇降部材が容器本体に向けて下降され、この昇降部材が蓋受けプレートに保持された蓋体を吸引保持して容器本体の開口部に搬送し、この昇降部材が更に下降することによって、蓋体が容器本体の開口部に押し付けられて装着され、蓋体の装着後に昇降部材が上昇し、蓋体が装着された容器本体は下流側に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-289702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
食物などを収容するための収容容器としては、収容すべき食物によって種々の形態のものが用いられており、例えばカップ状の容器本体と蓋体との組合せを用いる場合、上述した蓋装着装置を用いて蓋体を容器本体の開口部に装着することができるが、例えばトレイ状の容器本体と蓋体との組合せを用いる場合、このような蓋装着装置を用いて蓋体を容器本体に装着することができない。
【0006】
梅干し、漬物、佃煮などの食物は深さの浅い収容容器(トレイ状の容器本体と蓋体の組合せ)に収容して販売されることが多く、このようなトレイ状の容器本体に蓋体を自動的に装着することができる蓋装着装置の実現が望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、トレイ状の容器本体に蓋体を所要の通りに装着することができる蓋装着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の蓋装着装置は、トレイ状の容器本体を所定の搬送方向に蓋供給載置域及び蓋装着域を通して搬送するための容器搬送機構と、前記蓋供給載置域に配設された蓋供給載置機構と、前記蓋装着域に配設された蓋装着機構と、前記蓋供給載置域と前記蓋装着域との間の蓋仮装着域に配設された蓋仮装着機構と、前記蓋供給載置域と前記蓋仮装着域との間の前揃え域に配設された前揃え機構とを備え、前記蓋供給載置域においては、前記蓋供給載置機構によって蓋体が前記容器本体の開口側に供給載置され、前記前揃え域においては、前記前揃え機構によって前記蓋体及び前記容器本体の前端部が揃えられ、前記蓋仮装着域においては、前記蓋仮装着機構によって前記容器本体に供給された前記蓋体が前記容器本体の開口部に仮装着され、前記蓋装着域においては、前記蓋装着機構によって前記容器本体に仮装着された前記蓋体が前記容器本体の開口部に装着されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の蓋装着装置では、前記蓋仮装着機構は、前記蓋体を装着するための仮押圧ローラを備え、前記仮押圧ローラが前記容器本体の開口側に供給載置された前記蓋体の上面に作用することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の蓋装着装置では、前記前揃え機構は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2揃え手段を備え、前記第1及び第2揃え手段は、旋回自在に装着された先端揃え部材と、前記容器本体に載置されて搬送される前記蓋体に作用する作用位置に向けて弾性的に偏奇する偏奇ばねと、前記先端揃え部材を前記作用位置に当接保持する当接ピンとを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の蓋装着装置は、トレイ状の容器本体を所定の搬送方向に蓋供給載置域及び蓋装着域を通して搬送するための容器搬送機構と、前記蓋供給載置域に配設された蓋供給載置機構と、前記蓋装着域に配設された蓋装着機構とを備え、
前記蓋供給載置機構は、蓋体を一つずつ供給するための蓋供給手段と、前記蓋体を前記容器本体の開口側に載置するための蓋載置手段とを備え、前記蓋載置手段は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2移動部材と、前記第1及び第2移動部材に前記搬送方向に間隔をおいて設けられた複数の第1及び第2支持部材とを備え、前記第1及び第2移動部材は、前記搬送方向両側に前記蓋体を支持する支持位置と前記蓋体の支持を解除する解除位置との間を移動自在であり、
前記蓋供給載置域においては、前記蓋供給載置機構の前記第1及び第2移動部材が前記支持位置から前記解除位置に移動することによって前記複数の第1及び第2支持部材に支持された前記蓋体が前記容器本体の開口側に供給載置され、前記蓋装着域においては、前記蓋装着機構によって前記容器本体に供給載置された前記蓋体が前記容器本体の開口部に装着されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の蓋装着装置では、前記蓋載置手段の前記複数の第1及び第2支持部材は、前記搬送方向下流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが前記搬送方向下流側に向けて段階的に漸減していることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6記載の蓋装着装置では、前記蓋載置手段の前記複数の第1及び第2支持部材は、前記搬送方向上流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが前記搬送方向上流側に向けて段階的に漸減していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の蓋装着装置では、前記蓋装着機構は、前記搬送方向両側に配設された第1及び第2蓋装着手段を備え、前記第1及び第2蓋装着手段は、前記容器本体及び前記蓋体の嵌合係合部を支持する第1及び第2支持プレートと、前記第1及び第2支持プレートの上側に配設された第1及び第2装着ローラとを備え、前記容器本体及び前記蓋体の前記嵌合係合部は、前記第1及び第2支持プレートと前記第1及び第2装着ローラとの間を通して移動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の蓋装着装置によれば、蓋供給載置域においては、蓋供給載置機構によって蓋体が容器本体の開口側に供給載置され、また蓋装着域においては、蓋装着機構によって容器本体に供給載置された蓋体が容器本体の開口部に装着されるので、容器本体が蓋供給載置域及び蓋装着域を通して搬送される間にトレイ状の容器本体の開口部に蓋体を装着することができる。
また、蓋供給載置域と蓋装着域との間の蓋仮装着域に蓋仮装着機構が設けられているので、この蓋仮装着機構により容器本体に供給された蓋体を容器本体の開口部に仮装着することができ、これによって、下流側の蓋装着域において、仮装着された蓋体を容器本体の開口部に確実に取り付けることができる。更に、蓋供給載置域と蓋仮装着域との間の前揃え域に前揃え機構が設けられているので、この前揃え機構により蓋体及び容器本体の前端部を揃えることができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の蓋装着装置によれば、蓋仮装着機構は、蓋体を装着するための仮押圧ローラを備え、この仮押圧ローラが容器本体に供給載置された蓋体の上面に作用するので、この仮押圧ローラの作用によって蓋体を容器本体に仮装着することができ、これによって、下流側の蓋装着域において蓋体を容器本体に確実に装着することができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の蓋装着装置によれば、前揃え機構は、搬送方向両側に配設された第1及び第2揃え手段を備えているので、第1及び第2揃え手段によって蓋体を容器本体の開口部に揃えることができる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載の蓋装着装置によれば、蓋供給載置域に配設された蓋供給載置機構は蓋供給手段及び蓋載置手段を備え、この蓋載置手段は、第1及び第2移動部材と、第1及び第2移動部材に搬送方向に間隔をおいて設けられた複数の第1及び第2支持部材とを備えているので、蓋供給手段により蓋体を一つずつ蓋載置手段に供給することができ、またこの蓋載置手段により蓋体を容器本体の開口部に載置することができる。
【0020】
また、本発明の請求項5に記載の蓋装着装置によれば、蓋載置手段の複数の第1及び第2支持部材は、搬送方向下流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが搬送方向下流側に向けて段階的に漸減しているので、第1及び第2移動部材を両側に移動させることにより、複数の第1及び第2支持部材に支持された蓋体は搬送方向下流側から下方に落下するようになり、これによって、この蓋体をほぼ水平な状態でもって容器本体の開口部に載置することができる。
【0021】
また、本発明の請求項6記載の蓋装着装置によれば、蓋載置手段の複数の第1及び第2支持部材は、搬送方向上流側に向けて上方に傾斜して配置されているとともに、それらの内側への突出長さが搬送方向上流側に向けて段階的に漸減しているので、第1及び第2移動部材を両側に移動させることにより、複数の第1及び第2支持部材に支持された蓋体は搬送方向上流側から下方に落下するようになり、このようにしても蓋体をほぼ水平な状態でもって容器本体の開口部に載置することができる。
【0022】
また、本発明の請求項7に記載の蓋装着装置によれば、蓋装着機構は搬送方向両側に配設された第1及び第2蓋装着手段を備え、第1及び第2蓋装着手段は、下側に配設された第1及び第2支持プレートと、上側に配設された第1及び第2装着ローラとを備え、容器本体及び蓋体の嵌合係合部は第1及び第2支持プレートと第1及び第2装着ローラとの間を通して移動されるので、第1及び第2支持プレートと第1及び第2装着ローラにより、容器本体及び蓋体の嵌合係合部が所要の通りに係合され、かくして、蓋体を容器本体の開口部に確実に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に従う蓋装着装置を適用して蓋体を装着する収容容器の一例を、容器本体から蓋体を外した状態で示す斜視図。
図2図1の収容容器を、容器本体に蓋体を装着した状態で示す断面図。
図3】本発明に従う蓋装着装置の一実施形態を簡略的に示す断面図。
図4図3の蓋装着装置の全体を簡略的に示す平面図。
図5図3の蓋装着装置における蓋供給載置機構の蓋供給手段を示す平面図。
図6図5の蓋供給手段において、蓋供給部材が蓋体を吸着して送給する状態を示す平面図。
図7図5の蓋供給手段において、蓋供給部材が蓋体を吸着して蓋載置手段の上方まで搬送した状態を示す平面図。
図8図3の蓋装着装置における蓋供給載置機構の蓋載置手段及びこれに関連する構成を示す断面図。
図9図8の蓋載置手段を上方から見て示す断面図。
図10図8の蓋載置手段において、第1及び第2移動部材が外側に解除位置に向けて移動したときの状態を示す説明図。
図11図10に示す状態を上方から見て断面で示す説明図。
図12図8の蓋載置手段において、第1及び第2移動部材が解除位置まで移動したときの状態を示す説明図。
図13図1の蓋装着装置における前揃え機構及びそれに関連する構成を上方から見て示す断面図。
図14図13の前揃え機構により容器本体及び蓋体の前端を揃えた状態を上方から見て示す断面図。
図15図3の蓋装着装置における蓋仮装着機構及びこれに関連する構成を示す断面図。
図16図15の蓋仮装着機構を搬送方向下流側から見た断面図。
図17図3の蓋装着装置における蓋装着機構及びこれに関連する構成を示す断面図。
図18図17の蓋装着機構を搬送方向下流側から見た断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う蓋装着装置の一実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して、蓋装着装置を適用して蓋体を装着する収容容器の一例について説明する。
【0026】
図1及び図2において、図示の収容容器2は、トレイ状の容器本体4と、この容器本体4の開口部に装着される蓋体6から構成される。容器本体4は外形が矩形状であり、その外周部に上方に突出する環状係合突部8が設けられ、この環状係合突部8はこの容器本体4の全周に設けられている。また、蓋体6は、容器本体4に対応した形状であり、その外形が矩形状であり、その外周部に、容器本体4側の環状係合突部8に対応して環状係合凹部10が設けられ(容器本体4に環状係合突部11を設けることにより、その内側に環状係合凹部10が設けられる)、この環状係合凹部10は蓋体6の全周にわたって設けられている。容器本体4の環状係合突部8と蓋体6の環状係合凹部10は、収容容器2の環状の嵌合係合部を構成し、この環状係合突部8が環状係合凹部10に嵌め込まれて両者が嵌合係合される。この容器本体4及び蓋体6は、例えばプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなど)の成形により形成される。
【0027】
この収容容器2を用いるときには、容器本体4内に内容物12を収容した後にその開口部に蓋体6が被せられ、その後容器本体4の環状係合突部8と蓋体6の環状係合凹部10とが嵌め合され、このようにして容器本体4及び蓋体6の外周部が全周にわたって嵌合係合され、これによって、容器本体4から蓋体6が外れるのを防止し、内容物12を衛生的にパックすることができる。内容物12としては、梅干し、漬物、佃煮、総菜などの食物であり、このような食物を販売するときに用いられる。尚、容器本体4及び蓋体6は、内容物12の大きさ、その内容量などに応じて適宜の大きさや形状のものが用いられ、例えば外形が正方形状や細長い矩形状のもの、容器本体4の深さについても異なる深さのものなど種々のものがある。
【0028】
この容器本体4への蓋体6の装着は、例えば,図3及び図4に示す蓋装着装置22を用いて行うことができる。図示の蓋装着装置22は、トレイ状の容器本体4の開口部に蓋体6を供給載置するための蓋供給載置機構24と、容器本体4とこれに供給載置された蓋体6との前端側を揃えるための前揃え機構26と、容器本体4の開口部に蓋体6を仮装着するための蓋仮装着機構28と、容器本体4に仮装着された蓋体6を所要の通りに装着するための蓋装着機構30とを備え、これらが容器本体4の矢印32で示す搬送方向に見てこの記載順に配設されている。蓋供給載置機構24は蓋供給載置域Kに配設され、前揃え機構26は、蓋供給載置域Kの下流側に位置する前揃え域Fに配設され、蓋仮装着機構28は、前揃え域Fの下流側に位置する蓋仮装着域Pに配設され、蓋装着機構30は、蓋仮装着域Pの下流側に位置する蓋装着域Sに配設されている。
【0029】
このような構成に関連して、容器本体4を搬送経路Hを通して搬送するための容器搬送機構34が設けられ、この容器搬送機構34は、搬送経路Hに沿って位置する蓋供給載置域K、前揃え域F、蓋仮装着域P及び蓋装着域Sを通して容器本体4を所要の通りに搬送する。この容器搬送機構34は、無端ベルト状部材36を備え、この無端ベルト状部材36が、例えば駆動ローラ38及び複数の従動ローラ40,42,44に巻き掛けられ、その上走行部46は、従動ローラ44及び駆動ローラ38間を水平方向に、蓋供給載置域K、前揃え域F、蓋仮装着域P及び蓋装着域Sを通して搬送経路Hに沿って延びている。このような無端ベルト状部材36は、例えば複数の板状部材を無端状に連結するとともに、隣接する板状部材を相互に回動自在に連結することにより構成される。
【0030】
この無端ベルト状部材36には、その長手方向に間隔をおいて複数の当接押し部材48が取り付けられ、また駆動ローラ38は、電動モータの如き主駆動源50に駆動連結されている。このように構成されているので、主駆動源50が作動すると、無端ベルト状部材36の上走行部46は矢印36で示す方向に移動し、かかる上走行部46の移動に伴い、当接押し部材48は、後述するように無端ベルト状部材36上の容器本体4に当接して矢印32で示す方向に蓋供給載置域K、前揃え域F、蓋仮装着域P及び蓋装着域Sを通して押すようにして搬送する。
【0031】
この蓋装着装置22では、蓋供給載置機構24、前揃え機構26、蓋仮装着機構28及び蓋装着機構30は、装置本体フレーム52に取り付けられ、この装置本体フレーム52が例えば工場の床面54に設置される。蓋供給載置域Kの上流側には容器導入域Dが設けられ、この容器導入域Dの更に上流側には容器送給域Qが設けられている。容器導入域Dには容器導入機構60が配設され、容器送給域Qには容器送給機構62が設けられている。図示の容器導入機構60は、搬送経路Hの両側に配設された一対の導入ベルト手段64から構成され、この一対の導入ベルト手段64が容器本体4の両側部を挟持して無端ベルト状部材36(即ち、蓋供給載置域K)に向けて搬送する。また、図示の容器送給機構62は、送給ベルト手段66から構成され、この送給ベルト手段66は、上流側からの容器本体4を載せて容器導入機構60(即ち、容器導入域D)に向けて送給する。尚、容器本体4を蓋供給載置域Kに所要の通りに送給することができるときには、この容器送給機構62を省略することができる。
【0032】
また、容器装着域Sの下流側には容器排出域Rが設けられ、この容器排出域Rには容器排出機構68が設けられている。図示の容器排出機構68は、搬送経路Hの両側部に配設された一対の排出ベルト手段70から構成され、この一対の排出ベルト手段70は、蓋装着域Sからの容器本体4(蓋体6が装着された収容容器2)の両側部を支持して下流側に排出する。
【0033】
次に、この蓋装着装置22の各部の具体的構成について説明する。まず、図3とともに図5図12を参照して、蓋供給載置機構24について説明する。図示の蓋供給載置機構24は、蓋体6を一つずつ供給するための蓋供給手段72と、蓋供給手段72から供給された蓋体6を容器本体4の開口側に載置するための蓋載置手段74とを備え、蓋供給手段72及び蓋載置手段74は、蓋供給載置域Kの上方に配設されている。
【0034】
図5図7を参照して蓋供給手段72について説明すると、この蓋供給手段72は、蓋体6をストックして収容する蓋収容部76と、蓋収容部76に収容された蓋体6を一つずつ取り出すための蓋取出し手段78を備えている。主として図5を参照して、蓋収容部76は、下側に配置された2本の下棒状部材82と、搬送方向に見て左側に配設された2本の左棒状部材84(図5図7において、それらの一つのみ示す)と、搬送方向に見て右側に配設された2本の右棒状部材86(図3において2本示し、図5図7において1本のみ示す)とを備えている。下棒状部材84、左棒状部材84及び右棒状部材86は、図3に示すように、矢印32に示す搬送方向に向けて上方に傾斜して延び、これら棒状部材84~88によって上方が解放された収容空間88を規定し、かかる収容空間88に複数の蓋体4が積層状態に収容される。
【0035】
蓋収容部76の両側には第1及び第2蓋分離保持手段90,92が配設されている。第1及び第2蓋分離保持手段90,92は実質上同一の構成であり、シリンダ機構94(例えば、エアシリンダ機構から構成される)と、このシリンダ機構94の出力部に取り付けられた分離保持部材96とを備え、分離保持機構96の先端面に鋸歯状の凹凸98が設けられ、この凹凸98は、蓋収容部76に収容された蓋体6の上下方向に延びている。
【0036】
この実施形態では、左棒状部材84及び右棒状部材86の先端部内側に保持片100(図5参照)が設けられている。蓋収容部76の収容空間88は、蓋体6の供給方向(図3において左下方)に向けて斜め下方に延び、収容空間88に収容された蓋体6は蓋収容部76の棒状部材82~86に沿って斜め下方に自重でもって移動するが、複数の蓋体6のうち最下位のもの(蓋取出し手段78により取り出されるもの)がこれら保持片100に当接して図3及び図5に示す状態に保持される。
【0037】
また、蓋取出し手段78は、搬送経路Hの片側(この実施形態では、搬送経路Hの左側)に配設されたスライド機構102と、このスライド機構102により往復動される吸引取出し手段104とを備えている。スライド機構102は、装置本体フレーム52に装着された一対の取付部材106と、かかる一対の取付部材106間に取り付けられた一対の支持レール108とを備え、一対の支持レール108にスライド部材110が往復動自在に装着されている。このスライド部材110は、駆動手段(図示せず)(例えば、電動モータから構成される)により一対の支持レール108に沿って往復動され、矢印112で示す方向に一点鎖線110Aで示す取出位置と、矢印114で示す方向に一点鎖線110Bで示す供給位置との間を移動される。
【0038】
吸引取出し手段104は、このスライド部材110に取り付けられ、蓋収容部76の供給側に延びるアーム部材116と、このアーム部材116の先端部に取り付けられた一対の吸引保持部材118とを有している。アーム部材116は、搬送角度位置(図3及び図5図7に示す角度位置)とこの搬送角度位置から図3において時計方向に90度回動した供給角度位置(図示せず)との間を回動自在に装着されている。また、吸引保持部材118は、吸引ポンプの如き吸引源(図示せず)に連通されている。従って、吸引源からの吸引作用が働くと、一対の吸引保持部材118は蓋体6を後述すように吸引保持し、この吸引作用が停止すると、一対の吸引保持部材118は蓋体6の吸引保持を解除する。
【0039】
このように構成されているので、蓋供給手段72からの蓋体6の供給は、次のように行われる。蓋体6を供給するときには、図5に示すように、蓋収容部76(収容空間88)に収容された蓋体6(最下位の蓋体6)は、左棒状部材84及び右棒状部材86の保持片100に当接する状態に保持されている。このような状態から蓋体6を取り出すには、図6に示すように、第1及び第2蓋分離保持手段90,92のシリンダ機構94が伸張し、それらの分離保持部材96が図6及び図7に示す挟持位置に保持される。即ち、第1蓋分離保持手段90の分離保持部材96は、一対の左棒状部材84間を通して積層状態(例えば、最下位から3つ程度)の蓋体6の片側部に作用し、また第2蓋分離保持手段92の分離保持部材96は、一対の右棒状部材86間を通して積層状態の蓋体6の他側部に作用し、積層状態の蓋体6の一部は、第1及び第2蓋分離保持手段90,92に挟持保持される。
【0040】
また、アーム部材116は、図3に示す搬送角度位置(この搬送角度位置においては、一対の吸引保持部材118は蓋収容部76に収容された蓋体6に対向するように位置する)に保持され、かかる状態において矢印112で示す方向に取出位置(図5において一点鎖線116Aに示す位置)に移動され、それらの前端部が最下位の蓋体6の上面120(図1及び図2参照)に接触する状態に位置付けられる。そして、このような状態にて吸引源(図示せず)からの吸引作用が一対の吸引保持部材118に作用し(例えば、図示しない開閉弁が開状態に保持される)、かかる吸引作用によって、最下位の蓋体6が一対の吸引保持部材118に吸引保持される。
【0041】
そして、図7に示すように、スライド部材110が矢印114で示す方向に供給位置(図5に一点鎖線110B,116Bで示す位置)に移動され、これによって、最下位の蓋体6は、吸引取出し手段104により蓋収容部76から取り出され、一対の吸引保持部材118に吸引保持された状態で供給位置に搬送される。スライド部材110が取出位置から供給位置に向けて移動すると、吸引保持部材118に吸引保持された最下位の蓋体6は、左右の側縁部が幾分弾性変形して第1及び第2蓋保持手段90,92の分離保持部材96から外れるとともに、左右の棒状部材84,86の保持片100を乗り越えて移動される。このとき、最下位から第2番目の蓋体6は、第1及び第2蓋分離保持手段90,92の分離保持部材96に挟持保持されているので、この第2番目の蓋体6が重なって取り出されることがなく、積層状態の蓋体6から最下位のものを確実に取り出して供給位置に搬送することができる。
【0042】
スライド部材110が供給位置まで移動すると、アーム部材116が搬送角度位置から供給角度位置に回動され、その後、吸引源からの吸引作用が解除される(例えば、図示しない開閉弁が閉状態に保持される)。このように吸引作用が解除されると、吸引保持部材118に保持された蓋体6は自重により下方に落下し、蓋体6の上面120を上にした状態で蓋載置手段74に載置される(図8参照)。
【0043】
蓋体6の上述した供給が終了すると、アーム部材116が供給角度位置から搬送角度位置に戻り、また第1及び第2蓋分離保持手段90,92のシリンダ機構94が収縮してそれらの分離保持部材96が後退位置(図5に示す位置)に後退し、分離保持部材96による挟持保持が解除され、これによって、積層状態の蓋体6は、最下位の蓋体6が左右の棒状部材84,86の保持片100に当接する位置まで移動される。蓋体6の供給においては、これらの動作が繰り返し遂行され、蓋収容部76内の蓋体6が一つずつ蓋載置手段74に供給される。
【0044】
次いで、図3とともに図8図12を参照して、蓋供給載置機構24の蓋載置手段74について説明する。図示の蓋載置手段74は、搬送経路Hの両側に配設された第1及び第2移動部材122,124と、これら第1及び第2移動部材122,124に設けられた複数の第1及び第2支持部材126,128とから構成されている。第1移動部材122は、装置本体フレーム52の左上補助プレート130の外側に配設され、図示していないが、この左上補助プレート130に近接及び離隔する方向に移動自在に装置本体フレーム52に支持されている。また、第2移動部材124は、右上補助プレート132の外側に配設され、図示していないが、この右上補助プレート132に近接及び離隔する方向に移動自在に装置本体フレーム52に支持されている。
【0045】
複数(この実施形態では、13個)の第1支持部材126(126a~126m)は第1移動部材122の内側面に設けられ、それらの先端部は、左上補助プレート130の対応する左貫通孔を通して内側に突出するように構成されている。また、複数の第2支持部材128(128a~128m)は第2移動部材124の内側面に設けられ、それらの先端部は右上補助プレート132の対応する右貫通孔を通して内側に突出するように構成されている(図9参照)。
【0046】
複数の第1支持部材126a~126m(第2支持部材128a~128m)に関連して、図8及び図9に示すように構成するのが好ましい。第1支持部材126a~126m(第2支持部材128a~128m)は、無端ベルト状部材36の上走行部46(即ち、これに載置された容器本体4)に対して、矢印32で示す搬送方向下流側に向けて上方に傾斜するように配置するのが好ましく、この上走行部46に対する傾斜角度αは10~30度、好ましくは15~20度であるのが望ましい(図8参照)。
【0047】
また、このことに関連して、第1支持部材126a~126m(第2支持部材128a~128m)の左上補助プレート130(右上補助プレート132)から内側への突出量は、矢印32で示す搬送方向下流側に向けて段階的に漸減するように構成するのが好ましく、図9に示すように、第1支持部材126a~126m(第2支持部材128a~128m)の突出量が一本ずつ段階的に漸減するようにしてもよく、或いはそれの突出量が複数本(例えば2~3本)ずつ段階的に漸減するようにするようにしてもよい。
【0048】
この実施形態では、第1移動部材122は、図示していないが、第1移動駆動源としての第1シリンダ機構の出力部に連結され、また第2移動部材124は、第2移動駆動源としての第2シリンダ機構の出力に連結され、第1及び第2シリンダ機構は例えばエアシリンダ機構から構成される。
【0049】
このように構成されているので、第1及び第2シリンダ機構が伸張されると、図9に示すように、第1及び第2移動部材122,124が左上補助プレート130及び右上補助プレート132に近接する支持位置に位置付けられる。この支持位置においては、複数の第1支持部材126a~126mは、左上補助プレート130を通してその内側に突出し、また複数の第2支持部材128a~128mは、右上補助プレート132を通してその内側に突出し、蓋供給手段72から供給された蓋体6を図8及び図9に示すように載置保持することができる。
【0050】
また、第1及び第2シリンダ機構(図示せず)が収縮されると、図12に示すように、第1及び第2移動部材122,124が左上補助プレート130及び右上補助プレート132から離隔する解除位置に位置付けられる。この解除位置においては、複数の第1支持部材126a~126mが左上補助プレート130の外側に位置するとともに、複数の第2支持部材128a~128mが右上補助プレートの外側に位置し、これによって、第1及び第2支持部材126(126a~126m),128(128a~128m)による支持状態が解除され、これらに支持されていた蓋体6は下方に自重落下して容器本体4の開口側に載置保持される。
【0051】
複数の第1支持部材126に関連して第1当接保持部材134が設けられ、この第1当接保持部材134が左上補助プレート130の一端部から内側に突出している。また、複数の第2支持部材128に関連して第2当接保持部材136が設けられ、この第2当接保持部材136が右上補助プレート132の一端部から内側に突出している。
【0052】
このように構成されているので、複数の第1及び第2支持部材126,128上に蓋体6が供給されると、この蓋体6は複数の第1及び第2支持部材126,128の傾斜方向に下側に移動する、即ち図8及び図9において左側に移動するが、第1及び第2当接保持部材134,136が設けられているので、供給された蓋体6の両側部はかかる第1及び第2当接保持部材134,136に当接してその移動が阻止され、この蓋体6は図8に示すとともに図9に一点鎖線で示す位置に保持される。
【0053】
この蓋装着装置22においては、図8に示すように、容器本体4は無端ベルト状部材36に載置された状態で当接押し部材48に押されながら矢印32で示す方向に移動され、蓋供給載置域K、前揃え域F及び蓋仮装着域Pにわたって左主側壁142及び右主側壁144に案内されて移動され、蓋仮装着域Pから蓋装着域Sにわたって左副側壁146及び右副側壁148に沿って移動される(図4参照)。尚、このような構成に代えて、例えば、左副側壁146及び右副側壁148を省略し、蓋供給載置域Kから蓋装着域Sにわたって左主側壁142及び右主側壁144を延ばすようにしてもよい。
【0054】
この実施形態では、無端ベルト状部材36は間欠的に移動され、容器本体4が図8に示すように蓋供給載置域Kまで搬送されると、無端ベルト状部材36の移動が一時的に停止され、無端ベルト状部材36上の容器本体4は、この蓋供給載置域K、即ち蓋載置手段74の下方(具体的には、蓋載置手段74に保持された蓋体6の下方)に位置付けられる。そして、このように位置付けられた状態において、容器本体4への蓋体6の載置が、例えば次のように行われる。
【0055】
容器本体4がこの蓋供給載置域Kに位置付けられると、蓋載置手段74の第1及び第2シリンダ機構(図示せず)が収縮され、第1及び第2支持部材126,128が支持位置(図9に示す位置)から解除位置(図12に示す位置)に向けて移動される。このとき、複数の第1及び第2支持部材126(126a~126m)、128(128a~128m)の内側への突出量が搬送方向下流側に向けて漸減しているので、第1及び第2移動部材122,124の矢印152,154への移動に伴い、第1及び第2支持部材126,128による蓋体6の支持状態は、その搬送方向における下流側の端部から解除され、例えば図10及び図11に示す状態では、搬送方向上流側から第4番目までの第1及び第2支持部材126a~126d,128a~128dが蓋体6を支持可能な状態となり、搬送方向上流側から第5番目以降の第1及び第2支持部材126e~126m,128e~128mは蓋体6から外側に外れて支持を解除した状態となっている。
【0056】
このような状態においては、図10に示すように、蓋体6は上流側から第4番目の第1及び第2支持部材126d、128dに支持され、これにより、蓋体6の下流側の端部は自重により下方に下がり(これにより、蓋体6の上流側の端部は幾分上方に上昇する)、蓋載置手段74に支持された蓋体6は略水平状態に保持なされる。
【0057】
そして、このような状態から第1及び第2移動部材122,124が更に解除位置まで移動されると、図12に示す状態となり、第1及び第2支持部材126(126a~126m),128(128a~128m)の全てが蓋体6から外側に外れ、これによって、蓋載置手段74による蓋体6の支持状態が解除される。このよう解除されると、この蓋体6は略水平状態でもって容器本体4の開口側に自重でもって落下し、容器本体4の開口側に水平状態でもって載置保持される。
【0058】
このようにして蓋体6の容器本体4への載置保持が終了すると、蓋載置手段74の第1及び第2シリンダ機構(図示せず)が伸張され、第1及び第2移動部材122,124並びに第1及び第2支持部材126(126a~126m),128(128a~128m)が解除位置から支持位置に戻され、蓋供給手段72から次の新しい蓋体6が上述したようにして第1及び第2支持部材126,128上に供給される。
【0059】
その後、無端ベルト状部材36の移動が再開され、その上走行部46が矢印32で示す方向に移動され、蓋体6を載置保持する容器本体4が前揃え域Fに向けて搬送される。
【0060】
例えば、上述した実施形態では、複数の第1及び第2支持部材126(126a~126m),128(128a~128m)は、搬送方向下流側に向けて上方に傾斜するように配置されているが、このような構成とは反対に、搬送方向上流側に向けて上方に傾斜するように配置するようにすることもでき、この場合、複数の第1及び第2支持部材126,128の内側への突出量は、搬送方向上流側に向けて段階的に漸減するように構成され、かく構成することにより、複数の第1及び第2支持部材126,128に支持された蓋体6は、搬送方向における上流側端部から落下し始めて容器本体4に供給載置される。
【0061】
また、上述した実施形態では、13個の第1及び第2支持部材126,128を搬送方向に間隔をおいて配設しているが、これら第1及び第2支持部材126,128の配置数及び配置間隔などについては蓋体6の大きさなどにより適宜設定することができ、例えば配置間隔を大きくして配置数を少なくするようにしてもよく、或いはこれらの配置数のみを増減するようにしてもよい。
【0062】
次に、前揃え域Fに配設された前揃え機構26について説明する。図13において、図示の前揃え機構26は、搬送経路Hの片側(搬送方向に見て左側)に配設された第1揃え手段156とその他側(搬送方向に見て右側)に配設された第2揃え手段158とを備えている。第1及び第2揃え手段156,158は実質上同一構成であり、以下第1揃え手段156(第2揃え手段158)について説明する。
【0063】
第1揃え手段156(第2揃え手段158)は、蓋体6に作用する先端揃え部材160を備えている。左主側壁142(右主側壁144)の外面には取付ブラケット162(163)が取り付けられ、この取付ブラケット162(163)にピン164を介して先端揃え部材160が旋回自在に装着されている。この先端揃え部材160の一端側(先端側)は、左主側壁142(右主側壁144)に形成された挿通開口166(168)を通して内側に搬送経路Hに延びている。また、先端揃え部材160の他端側(後端側)には係止ピン170が装着され、この係止ピン170と取付ブラケット162(163)に装着された取付ピン172との間に偏倚ばね174(例えば、コイルばねから構成される)が介在されている。また、この先端揃え部材160に関連して、その回動を阻止するための当接ピン176が取付ブラケット162(163)に取り付けられている。
【0064】
このように構成されているので、第1揃え手段156の偏倚ばね174は先端揃え部材160を図13において時計方向に弾性的に偏倚し、その他端部が当接ピン176に当接することにより、図13に示す作用位置に保持され、この作用位置においては、その先端側は左主側壁142の挿通開口166を通して左側から搬送経路H内に突出する。また、第2揃え手段158の偏倚ばね174は先端揃え部材160を図13において反時計方向に弾性的に偏倚し、その他端部が当接ピン176に当接することにより、図13に示す作用位置に保持され、この作用位置においては、その先端側は右主側壁144の挿通開口168を通して右側から搬送経路H内に突出する。
【0065】
この前揃え機構26による先端揃えは、次のようにして行われる。例えば、図13に示すように、容器本体4に対して蓋体6が搬送方向下流側に幾分ずれた状態で前揃え域Fまで搬送されると、第1及び第2揃え手段156,158の先端揃え部材160の先端部が蓋体6の一端部(前端部)に作用し、容器本体4の矢印32で示す方向の移動に伴い、この蓋体6が容器本体4に重なるように相対的に後方に移動される。そして、この蓋体6が容器本体4に重なる状態まで相対的に移動されると、図14に示すように、蓋体6の他端部(後端部)が当接押し部材48に当接し、また第1及び第2揃え手段156,158の先端揃え部材160が容器本体4及び蓋体6の一端部に作用し、このようにして蓋体6の前揃えが行われ、容器本体4の開口側に蓋体6がきれいに重なった状態に保持される。
【0066】
このように重なった後は、当接押し部材48により容器本体4及び蓋体6が重なった状態で搬送方向下流側に搬送され、この搬送時には、図14から理解されるように、容器本体4及び蓋体6の移動に伴い、第1及び第2揃え手段156,158の先端揃え部材160が偏倚ばね174の偏倚作用に抗して外側に旋回され、第1揃え手段156の先端揃え部材160は容器本体4及び蓋体6の左側端部に作用し、また第2揃え手段158の先端揃え部材160は容器本体及び蓋体6の右側端部に作用し、これにより、容器本体4及び蓋体6の幅方向についてもきれいに重なり合い、容器本体4の開口部に蓋体6がきれいに重なった状態で仮装着域Pに向けて下流側に搬送される。
【0067】
この実施形態では、図8に示すように、当接押し部材48の先端部に搬送方向下流側(容器本体4に載置保持された蓋体6側)に開口する切欠き170が設けられている。この切欠き170による内面形状は、上方に向けて円弧状に延びた後水平方向に直線状に延びるようにするのが好ましい。
【0068】
第1及び第2揃え手段156,158により蓋体6が容器本体4に対して相対的に移動される際に、この蓋体6の他端側(後端側)が当接押し部材48に沿って上方に持ち上げられるおそれがあり、大きく持ち上げられると、容器本体4から外れて落下することがある。そこで、当接押し部材48にこのような切欠き170を設けることにより、仮に蓋体6の他端側が大きく持ち上げられたとしても、その他端部は切欠き170の円弧状内面に沿って移動されるのみで、その水平内面に当接してそれ以上の上方移動が阻止され、かくして、この蓋体6が容器本体4から外れて落下することを防ぐことができる。尚、蓋体6のこのような落下をより確実に防止するためには、当接押し部材48の上端部に2つ以上の切欠き170を設けることができる。
【0069】
蓋体6がきれいに重なった状態の容器本体4は、搬送方向下流側に蓋仮装着域Pに向けて搬送される。蓋仮装着域Pには蓋仮装着機構28が配設されており、次に、この蓋仮装着機構28について説明する。
【0070】
図15及び図16において、図示の蓋仮装着機構28は、上下方向に移動される昇降本体172を備え、この昇降本体172が蓋仮装着域Pの上方に配設されている。昇降本体172は、搬送方向に細長い断面コ字状であり、その片側壁174(左側壁)の内面に複数の左支持軸176が取り付けられ、これら左支持軸176に左仮押圧ローラ178が回転自在に装着されている。また、昇降本体172の他側壁180(右側壁)の内面に複数の右支持軸182が取り付けられ、これら右支持軸182に右仮押圧ローラ184が回転自在に装着されている。尚、この形態では、左右の仮押圧ローラ178,184を搬送方向に間隔をおいて5つ設けている(左仮押圧ローラ184については、図16において一つのみ示す)が、それらの個数については適宜設定することができ、例えば1~4個設けるようにしてもよく、或いは6個以上設けるようにしてもよい。
【0071】
この昇降本体172は、昇降用駆動源としての昇降シリンダ機構186(例えば、エアシリンダ機構から構成される)の出力部に取り付けられている。従って、昇降シリンダ機構186が収縮されると、昇降本体172は上昇して上昇位置(図15に一点鎖線で示すとともに、図6に実線で示す位置)に保持され、複数の左右の仮押圧ローラ178,184は、容器本体4に仮装着された蓋体6から上方に後退して作用することはない。また、昇降シリンダ機構186が伸張されると、昇降本体172は下降して仮装着位置(図15に実線で示すとともに、図6に一点鎖線で示す位置)に保持され、複数の左右の仮押圧ローラ178,184は、容器本体4に載置保持された蓋体6に作用して容器本体4に仮装着する。
【0072】
この蓋仮装着機構28による蓋体6の仮装着は、例えば、次のようにして行われる。即ち、搬送蓋体6を載置保持する容器本体4が蓋仮装着域Pまで搬送されると、昇降シリンダ機構186が伸張され、昇降本体172が仮装着位置に保持される。かかる仮装着位置に保持されると、昇降本体172の左右の仮押圧ローラ178,184が蓋体6の上面120、この例ではその幅方向中央部に作用して比較的軽く押圧し、この押圧力によって、容器本体4側の環状係合突部8と蓋体6側の環状係合凹部10とが弱く嵌合係合され、このようにして蓋体6が容器本体4に仮装着される。尚、このような仮装着の押圧状態においては、容器本体4に仮装着される蓋体6の移動によって、左右の仮押圧ローラ178,184は従動回転される。
【0073】
この実施形態においては、昇降本体172に幅方向に間隔をおいて左右2列に仮押圧ローラ178,184を設けているが、このような構成に代えて、昇降本体172に1列の仮押圧ローラを設けるようにしてもよく、またこのような昇降本体を蓋体6の幅方向両側に設け、片方の昇降本体の仮押圧ローラが蓋体6の上面の片側部に作用し、他方の昇降本体の仮押圧ローラが蓋体6の上面の他側部に作用するようにしてもよい。或いは、これらの構成に代えて、一つの仮押圧ローラを昇降本体に設け、この一つの仮押圧ローラにより蓋体を仮装着するようにしてもよい。
【0074】
蓋体6が仮装着された容器本体4は、搬送方向下流側に蓋装着域Sに搬送され、この蓋装着域Sには蓋装着機構30が配設されている。図17及び図18において、図示の蓋装着機構30は、搬送経路Hの蓋装着域Sの両側に配設された第1及び第2蓋装着手段192,194を備え、第1及び第2蓋装着手段192,194は実質上同一の構成である。第1蓋装着手段192は、左主側壁142の内面に取り付けられた第1支持プレート196と、この第1支持プレート196の上側に配設された第1装着ローラ198とを備え、第1支持プレート196が無端ベルト状部材36の幅方向片側にて搬送方向に延びている。左主側壁142には更に第1支持軸200が設けられ、この第1支持軸200に第1装着ローラ198が回転自在に装着されている。
【0075】
また、第2蓋装着手段194は、右主側壁144の内面に取り付けられた第2支持プレート202と、この第2支持プレート202の上側に配設された第2装着ローラ204とを備え、第2支持プレート202が無端ベルト状部材36の幅方向他側にて搬送方向に延びている。右主側壁144には更に第2支持軸206が設けられ、この第2支持軸206に第2装着ローラ204が回転自在に装着されている。
【0076】
蓋体6が仮装着された容器本体4は、矢印32で示す方向に蓋装着域Sを通して搬送され、かかる搬送中に容器本体4及び蓋体6の嵌合係合部の片側部(左側部)に第1蓋装着手段192が作用し、それらの他側部(右側部)の嵌合係合部に第2蓋装着手段194が作用し、これら第1及び第2蓋装着手段192,194によって容器本体4の開口部に蓋体6が確実に装着され、蓋体6が装着された容器本体4(収容容器2)が下流側に搬送される。
【0077】
この蓋装着域Sにおいては、図18に示すように、容器本体4及び蓋体6の片側部(左側部)の嵌合係合部が第1蓋装着手段192の第1支持プレート196及び第1装着ローラ198間を通して搬送され、第1支持プレート196が容器本体4の環状係合突部8における左側部の基部下面に作用して下側を支持するとともに、第1ローラ198が蓋体6の環状係合突部11(環状係合凹部10を規定する突部)における左側部上面に作用して上側から押圧する。また、図17及び図18に示すように、容器本体4及び蓋体6の他側部(右側部)の嵌合係合部が第2蓋装着手段194の第2支持プレート202及び第2装着ローラ204間を通して搬送され、第2支持プレート202が容器本体4の環状係合突部8における右側部の基部下面に作用して下側を支持するとともに、第2装着ローラ204が蓋体6の環状係合突部11における右側部上面に作用して上側から押圧する。
【0078】
従って、蓋装着域Sにおいては、第1蓋装着手段192の第1支持プレート196及び第1装着ローラ198が容器本体4及び蓋体6の片側部(左側部)に作用するとともに、これと同時に、第2蓋装着手段194の第2支持プレート202及び第2装着ローラ204がそれらの他側部(右側部)作用し、容器本体4及び蓋体6の搬送方向の移動に伴い、それらの一端側(前端側)から他端側(後端側)まで連続的に作用し、これにより、容器本体4側の環状係合突部8が蓋体6側の環状係合凹部10に嵌め込まれて相互に係合され、かくして容器本体4の開口部に蓋体6を確実に装着することができる。
【0079】
尚、この実施形態では、容器本体4は第1及び第2支持プレート196,202に支持されて搬送されるために、無端ベルト状部材36から幾分上方に離れた状態で移動され、このことに関連して、第1及び第2支持プレート196,202の両端部を下方に向けて幾分円弧状に延びるように構成することができる。
【0080】
この実施形態では、第1蓋装着手段192の第1装着ローラ198及び第2蓋装着手段194の第2装着ローラ204が右主側壁142及び左主側壁144に固定的に設けられているが、第1装着ローラ198及び第2装着ローラ204については、第1支持プレート196及び第2支持プレート202に対して上下方向に位置調整自在に構成することもできる。
【0081】
例えば、第1蓋装着手段192の第1装着ローラ198については、第1昇降部材を設け、この第1昇降部材に第1装着ローラ196を回転自在に装着し、第1支持プレート196に対して第1昇降部材を上下方向に位置調整可能に構成するようにしてもよく、この場合、第1昇降部材を位置調整することにより、第1支持プレート196と第1装着ローラ198との間隔を調整することができる。
【0082】
また、第2蓋装着手段194の第2装着ローラ204についても同様に、第2昇降部材を設け、この第2昇降部材に第2装着ローラ204を回転自在に装着し、第2支持プレート202に対して第2昇降部材を上下方向に位置調整可能に構成するようにしてもよく、この場合、第2昇降部材を位置調整することにより、第2支持プレート202と第2装着ローラ204との間隔を調整することができる。
【0083】
尚、この実施形態では、第1及び第2支持プレート196,202と、一つの第1及び第2装着ローラ198,204とにより、容器本体4に蓋体6を装着しているが、このような構成に代えて、第1及び第2支持プレート196,202と、搬送方向に歯間隔をおいて回転自在に配設された複数の第1及び第2装着ローラとにより、蓋体6を装着するようにしてもよい。
【0084】
以上、本発明に従う蓋装着装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0085】
例えば、上述した実施形態では、蓋仮装着域Pにて容器本体4の開口部に蓋体6を仮装着し、その後蓋装着域Sに搬送して容器本体4に蓋体6を装着しているが、前揃え域Fにて前揃えした容器本体4及び蓋体6を蓋装着域Sに搬送して容器本体4に蓋体6を装着できる場合には、蓋仮装着域P(即ち、蓋仮装着機構28)を省略することができる。
【符号の説明】
【0086】
2 収容容器
4 容器本体
6 蓋体
8 環状係合突部
10環状係合凹部
22 蓋装着装置
24 蓋供給載置機構
26 前揃え機構
28 蓋仮装着機構
30 蓋装着機構
34 容器搬送機構
36 無端ベルト状部材
52 装置本体フレーム
72 蓋供給手段
74 蓋載置手段
76 蓋収容部
78 蓋取出し手段
126,126a~126m 第1支持部材
128,128a~128m 第2支持部材
156,158 揃え手段
172 昇降本体
178,184 仮押圧ローラ
192,194 蓋装着手段
196,202 支持プレート
198,204 装着ローラ
F 前揃え域
H 搬送経路
K 蓋供給載置域
P 蓋仮装着域
S 蓋装着域





図1
図2
図3
図4
図5
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