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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】撹拌装置および撹拌方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/805 20220101AFI20231012BHJP
   B01F 27/88 20220101ALI20231012BHJP
   B01F 33/501 20220101ALI20231012BHJP
   B01F 35/90 20220101ALI20231012BHJP
【FI】
B01F27/805
B01F27/88
B01F33/501
B01F35/90
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019181322
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021053599
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】599067053
【氏名又は名称】株式会社ピーエムティー
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 政幸
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-201395(JP,A)
【文献】特開2009-210563(JP,A)
【文献】特開2019-093319(JP,A)
【文献】特表2002-541882(JP,A)
【文献】特開平07-194969(JP,A)
【文献】特開平06-102280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 27/805
B01F 27/88
B01F 33/501
B01F 35/50
B01F 35/90
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撹拌羽を収納する撹拌羽収納部と、
容器を収納する容器収納部と、
前記容器内に被撹拌液を注入する被撹拌液注入部と、
前記被撹拌液を注入した前記容器を搬送する搬送と、
前記撹拌羽を着脱可能な撹拌部と、
前記撹拌羽による前記被撹拌液の撹拌を制御する制御部と、
前記容器を配置する容器配置部と、
を備える、撹拌装置であって、
前記撹拌部は、
前記撹拌羽を回転可能な撹拌羽回転部と、
前記撹拌羽を上下に移動可能な撹拌羽駆動部と、
前記撹拌羽回転部に前記撹拌羽を着脱する撹拌羽着脱部と、
前記容器を保持する容器保持部と、
を有し、
前記制御部は、
前記撹拌羽を前記撹拌羽回転部に取り付けて前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬するように前記撹拌部を制御し、かつ、
前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬した状態で、前記撹拌部と前記撹拌羽と前記容器とを一体的に前記容器配置部に搬送するように前記撹拌部を制御し、かつ、
前記容器保持部で前記容器を保持しながら前記容器配置部に前記容器を配置した状態で、前記容器の内部に注入されている前記被撹拌液を前記撹拌羽で撹拌するように前記撹拌部を制御する、撹拌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撹拌装置において、
前記撹拌羽収納部は、複数の前記撹拌羽を収納し、
前記制御部は、複数の前記撹拌羽のうちの1つを選択して、選択した撹拌羽を前記撹拌羽回転部に取り付けるように前記撹拌部を制御する、撹拌装置。
【請求項3】
請求項に記載の撹拌装置において、
複数の前記撹拌羽には、
第1サイズの第1撹拌羽と、
前記第1サイズよりも小さい第2サイズの第2撹拌羽と、
が含まれる、撹拌装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撹拌装置において、
前記撹拌部は、前記撹拌羽を水平方向にも移動可能に構成されている、撹拌装置。
【請求項5】
請求項に記載の撹拌装置において、
前記容器配置部は、
第1温度に保たれている高温槽と、
前記第1温度よりも低い第2温度に保たれている低温槽と、
を含み、
前記制御部は、
前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬した状態で、前記撹拌部と前記撹拌羽と前記容器とを一体的に前記高温槽と前記低温槽のいずれか一方の第1容器配置部に搬送するように前記撹拌部を制御し、かつ、
前記容器保持部で前記容器を保持しながら前記第1容器配置部に前記容器を配置した状態で、前記容器の内部に注入されている前記被撹拌液を前記撹拌羽で撹拌するように前記撹拌部を制御し、かつ、
前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬した状態で、前記撹拌部と前記撹拌羽と前記容器とを一体的に前記第1容器配置部から他方の第2容器配置部に搬送するように前記撹拌部を制御し、かつ、
前記容器保持部で前記容器を保持しながら前記第2容器配置部に前記容器を配置した状態で、前記容器の内部に注入されている前記被撹拌液を前記撹拌羽で撹拌するように前記撹拌部を制御する、撹拌装置。
【請求項6】
請求項に記載の撹拌装置において、
前記制御部は、前記容器保持部で前記容器を保持しながら前記容器配置部に前記容器を配置した状態で、前記容器保持部を振動させることによって前記容器に振動を加えながら、前記容器の内部に注入されている前記被撹拌液を前記撹拌羽で撹拌するように前記撹拌部を制御する、撹拌装置。
【請求項7】
請求項1に記載の撹拌装置において、
前記撹拌羽着脱部は、
前記撹拌羽を挿入可能で、かつ、前記撹拌羽回転部と接続可能なチャックと、
前記チャックを回転させるためのチャック着脱ユニットと、
を有し、
前記制御部は、前記チャック着脱ユニットを使用して前記チャックを回転させることを通じて前記撹拌羽を前記チャックに固定することにより、前記撹拌羽回転部に前記撹拌羽を取り付けるように前記撹拌部を制御する、撹拌装置。
【請求項8】
撹拌羽を収納する撹拌羽収納部と、
容器を収納する容器収納部と、
前記容器内に被撹拌液を注入する被撹拌液注入部と、
前記被撹拌液を注入した前記容器を搬送する搬送と、
前記撹拌羽を着脱可能な撹拌部と、
前記撹拌羽による前記被撹拌液の撹拌を制御する制御部と、
前記容器を配置する容器配置部と、
を備え、
前記撹拌部は、
前記撹拌羽を回転可能な撹拌羽回転部と、
前記撹拌羽を上下に移動可能な撹拌羽駆動部と、
前記撹拌羽回転部に前記撹拌羽を着脱する撹拌羽着脱部と、
前記容器を保持する容器保持部と、
を有する、撹拌装置を使用した撹拌方法であって、
(a)前記制御部が、前記撹拌羽を前記撹拌羽回転部に取り付けて前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬するように前記撹拌部を制御する工程、
(b)前記制御部が、前記撹拌羽を前記被撹拌液に浸漬した状態で、前記撹拌部と前記撹拌羽と前記容器とを一体的に前記容器配置部に搬送するように前記撹拌部を制御する工程、
(c)前記制御部が、前記容器保持部で前記容器を保持しながら前記容器配置部に前記容器を配置した状態で、前記容器の内部に注入されている前記被撹拌液を前記撹拌羽で撹拌するように前記撹拌部を制御する工程、
を含む、撹拌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撹拌装置および撹拌技術に関し、例えば、容器に注入された被撹拌液を撹拌羽で撹拌する撹拌装置および撹拌技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-93319号公報(特許文献1)には、使用する際の種々の部品の取り付けや設定の手間を省略して、より安全に使用可能とする撹拌装置が記載されている。
【0003】
特開2011-245400号公報(特許文献2)には、ポリビーカ等の可撓性容器により液状物を撹拌混合する作業を安全かつ簡易に行なうことができる撹拌混合用安全治具と撹拌混合方法に関する技術が記載されている。
【0004】
特開平9-85073号公報(特許文献3)には、バリウム造影剤などの紛体の液状混濁物を得る際などに用いる紛体の液状混合撹拌装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-93319号公報
【文献】特開2011-245400号公報
【文献】特開平9-85073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、ビーカや試験管などの容器に注入された被撹拌液を撹拌する際には、モータに取り付けられた撹拌羽が使用されることがある。ところが、ある容器の撹拌に使用された撹拌羽を別の容器の撹拌に使用すると、撹拌羽を介して、ある容器に注入された被撹拌液が別の容器の被撹拌液に混入してしまう。このことから、撹拌する容器毎に新規な撹拌羽を使用する必要があるが、現状では、撹拌羽を容器毎に手動で取り換えることが行なわれている。したがって、撹拌作業に費やされる人件費がかさむことになる。このため、撹拌羽の取り換えを含む一連の撹拌作業を自動化することが望まれている。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態における撹拌装置は、撹拌羽を収納する撹拌羽収納部と、容器を収納する容器収納部と、容器内に被撹拌液を注入する被撹拌液注入部と、被撹拌液を注入した容器を待機部に搬送する搬送機構と、撹拌羽を着脱可能な撹拌部と、撹拌羽による被撹拌液の撹拌を制御する制御部とを備える。ここで、撹拌部は、撹拌羽を回転可能な撹拌羽回転部と、撹拌羽を上下に移動可能な撹拌羽駆動部と、撹拌羽回転部に撹拌羽を着脱する撹拌羽着脱部と、容器を保持する容器保持部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、撹拌作業の自動化を実現できる撹拌装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態における撹拌装置の全体構成を示す模式図である。
図2】実施の形態における撹拌羽収納部の構成例を模式的に示す図である。
図3】実施の形態における撹拌部の模式的な構成を示す図である。
図4】実施の形態における撹拌部の模式的な構成を示す図である。
図5】実施の形態における撹拌部の模式的な構成を示す図である。
図6】実施の形態における撹拌部の搬送動作を模式的に示す図である。
図7】実施の形態における撹拌装置の動作を説明するフローチャートである。
図8】実施の形態における撹拌装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0012】
<撹拌装置の全体構成>
図1は、本実施の形態における撹拌装置1の全体構成を示す模式図である。
【0013】
図1において、本実施の形態における撹拌装置1は、例えば、第1サイズの撹拌羽100Aと第1サイズよりも小さな第2サイズの撹拌羽100Bとを収納する撹拌羽収納部10を有する。この撹拌羽収納部10には、複数の撹拌羽100Aと複数の撹拌羽100Bとが収納されている。なお、撹拌羽100Aと撹拌羽100Bとを区別する必要がない場合には、撹拌羽100Aと撹拌羽100Bとを合わせて撹拌羽100と呼ぶ。
【0014】
続いて、撹拌装置1は、互いにサイズの異なる容器110Aと容器110Bとを収納する容器収納部11も有している。この容器収納部11には、複数の容器110Aと複数の容器110Bとが収納されている。なお、容器110Aと容器110Bとを区別する必要がない場合には、容器110Aと容器110Bとを合わせて容器110と呼ぶ。この容器110は、例えば、ビーカや試験管などである。ここで、容器110Aと容器110Bには、例えば、被撹拌液が注入される。このとき、例えば、容器110Aに注入された被撹拌液の撹拌には、撹拌羽100Aが使用される。一方、例えば、容器110Bに注入された被撹拌液の撹拌には、撹拌羽100Bが使用される。
【0015】
次に、撹拌装置1は、容器110の内部に被撹拌液を注入する被撹拌液注入部12を有している。この被撹拌液注入部12は、例えば、天秤121を有しており、この天秤121上に容器110を配置できるように構成されている。そして、被撹拌液注入部12は、天秤121上に配置された容器110の内部に被撹拌液を注入することができるように構成されている。
【0016】
具体的に、被撹拌液注入部12には、例えば、液体が充填されたボトルと、このボトルに接続された液体チューブポンプと、この液体チューブポンプと接続されたノズルを有し、液体チューブポンプを動作させることよって、ボトルに充填されている液体をノズルから容器110に注入する。また、被撹拌液注入部12は、紛体を容器110に入れるための紛体供給機を有し、この紛体供給機によって、容器110の内部に紛体も入れられる。このように被撹拌液注入部12は、容器110に液体と紛体とを入れることができるように構成されていることになる。そして、被撹拌液注入部12では、容器110が配置されている天秤121によって、容器110に入れられる液体と紛体の量を正確に測定することができる。
【0017】
容器110に入れられる液体と紛体の混合液である被撹拌液は、例えば、インクサンプルやバリウム造影剤を挙げることができるが、これに限定されることなく、液体と紛体の混合物であって、紛体を液体中に均一に撹拌させる必要がある混合液を幅広く含む。
【0018】
続いて、撹拌装置1は、被撹拌液を注入した容器110を被撹拌液注入部12から待機ステージ13に搬送する搬送機構14を有している。この搬送機構14は、例えば、ロボットアームから構成されている。また、この搬送機構14は、容器収納部11に収納されている複数の容器110の中から1つの容器110を取り出して、この取り出した容器110を被撹拌液注入部12の天秤121上に配置するようにも構成されている。さらに、搬送機構14は、撹拌羽収納部10に収納されている複数の撹拌羽100の中から1つの撹拌羽100を取り出して、この取り出した撹拌羽100を撹拌羽置き場15に配置することができるように構成されている。すなわち、ロボットアームから構成される搬送機構14は、容器110の搬送および撹拌羽100の搬送を行なうことができるように構成されている。
【0019】
次に、図1に示すように、撹拌装置1は、撹拌羽置き場15に配置された撹拌羽100を着脱可能な撹拌部16を有している。この撹拌部16は、例えば、図1に示すx方向に移動可能に構成されており、特に、撹拌羽100を取り付けた状態で、撹拌部16はx方向に移動することができるように構成されている。なお、本実施の形態では、撹拌部16は、撹拌羽置き場15に配置されている撹拌羽100を着脱するように構成されているが、これに限らず、例えば、撹拌部16は、搬送機構14を使用することなく、撹拌羽収納部10に収納されている撹拌羽100を直接着脱できるように構成することもできる。さらに、撹拌部16は、待機ステージ13に配置されている容器110を保持することができるようにも構成されている。このように撹拌部16は、容器110と撹拌羽100の両方を保持した状態で移動可能なように構成されていることになる。
【0020】
具体的に、撹拌部16は、撹拌部16に撹拌羽100を取り付けた状態で、容器110上に移動し、この容器110の内部に注入されている被撹拌液に撹拌羽100を浸漬するように動作した後、この容器110も保持した状態で、容器110を容器配置部の一方である高温槽17に搬送できるように構成されている。ここで、高温槽17には、例えば、第1温度(40℃や80℃)の水などの液体が充填されており、撹拌部16は、待機ステージ13から搬送してきた容器110を高温槽17に配置するように構成されている。これにより、被撹拌液が入れられた容器110は、高温槽17において第1温度に保温される。この状態で、撹拌部16は、撹拌羽100を回転させるとともに上下方向(z方向)に往復動作させることができるように構成されており、これによって、容器110の内部に入れられている被撹拌液は、第1温度に保持された状態で撹拌される。すなわち、撹拌部16は、取り付けられている撹拌羽100を回転させることができるように構成されているとともに、上下方向に往復動作することができるように構成されている。つまり、撹拌部16は、撹拌羽100によって、容器110の内部に入れられている被撹拌液を撹拌できるように構成されている。なお、撹拌羽100は、水平方向(x方向+y方向)にも往復動作可能に構成されている。
【0021】
さらに、撹拌部16は、被撹拌液に浸漬されている撹拌羽100と容器110とを一体的に高温槽17から低温槽18に搬送できるように構成され、かつ、低温槽18に容器110を配置した状態で、容器110の内部に入れられている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌できるように構成されている。例えば、低温槽18には、第1温度よりも低い第2温度(4℃)の水などの液体が充填されており、被撹拌液が入れられた容器110は、低温槽18において第2温度に保温される。この状態で、撹拌部16は、撹拌羽100を回転させるとともに上下方向(z方向)に往復動作させることができるように構成されており、これによって、容器110の内部に入れられている被撹拌液は、第2温度に保持された状態で撹拌される。このとき、撹拌羽100は、水平方向(x方向+y方向)にも往復動作可能に構成されている。
【0022】
なお、撹拌部16は、低温槽18に容器110を配置した状態で、容器110の内部に入れられている被撹拌液を撹拌した後、被撹拌液に浸漬されている撹拌羽100と容器110とを一体的に再び待機ステージ13に移動するように構成されている。
【0023】
そして、撹拌装置1は、さらに液体注入部19を有している。この液体注入部19は、撹拌部16による撹拌工程が終了し、撹拌羽100が取り出されて待機ステージ13に配置されている容器110を配置する天秤191を有している。撹拌装置1では、ロボットアームからなる搬送機構14によって、待機ステージ13に配置されている容器110を液体注入部19の天秤191に配置するように構成されている。そして、液体注入部19は、天秤191に配置されている容器110に液体を注入するように構成されている。その後、液体注入部19で液体を注入された容器110は、容器収納部11へ戻される。
【0024】
このように構成されている撹拌装置1は、例えば、撹拌羽100による被撹拌液の撹拌を制御するなどの撹拌装置1を動作させるために必要な制御を行なう制御部20を有している。具体的に、制御部20は、例えば、ロボットアームからなる搬送機構14を制御して、容器収納部11から容器110を取り出す動作や、撹拌羽収納部10から撹拌羽100を取り出す動作を制御するように構成されている。さらに、制御部20は、撹拌部16による撹拌動作や、容器110の保持動作や、撹拌羽100と容器110の搬送動作などを制御するように構成されている。この制御部20は、例えば、コンピュータから構成されている。以上のようにして、本実施の形態における撹拌装置1が構成されている。
【0025】
<撹拌羽収納部の構成>
次に、撹拌羽収納部10の構成例について説明する。
【0026】
図2は、本実施の形態における撹拌羽収納部の構成例を模式的に示す図である。
【0027】
図2において、本実施の形態における撹拌羽収納部10は、受皿101の上方に配置されたラック102を有し、このラック102に相対的に大きなサイズの撹拌羽100Aと相対的に小さなサイズの撹拌羽100Bとが保持されている。大きなサイズの撹拌羽100Aは、大きなサイズの容器(110A)に注入された被撹拌液を撹拌するために使用される一方、小さなサイズの撹拌羽100Bは、小さなサイズの容器(110B)に注入された被撹拌液を撹拌するために使用される。このように撹拌羽収納部10には、サイズの相違する容器(110A、110B)に対応する複数のサイズの撹拌羽100を収納できるように構成されている。
【0028】
具体的に、図2に示すように、撹拌羽収納部10は、互いに異なるサイズの撹拌羽100Aと撹拌羽100Bが隣り合うように配置されている。そして、例えば、撹拌羽100Aに着目すると、この撹拌羽100Aは、羽部103と、引掛部104と、チャック部105とを有しており、引掛部104をラック102に引掛けることにより、撹拌羽100Aはラック102に保持される。同様に、撹拌羽100Bも、羽部103と、引掛部104と、チャック部105とを有しており、引掛部104をラック102に引掛けることにより、撹拌羽100Bもラック102に保持される。
【0029】
なお、撹拌羽100の羽部103は、被撹拌液の撹拌に使用される部位である。一方、撹拌羽100のチャック部105は、図1に示す撹拌部16に取り付ける部位である。
【0030】
以上のようにして、本実施の形態における撹拌羽収納部10が構成されている。
【0031】
<撹拌部の詳細構成および搬送動作>
続いて、撹拌部16の詳細な構成例について説明する。
【0032】
図3図5は、本実施の形態における撹拌部の模式的な構成を示す図である。
【0033】
図3図5において、本実施の形態における撹拌装置(1)は、撹拌部16をx方向に搬送する搬送レール201と、搬送レール201の延在方向(x方向)に沿って撹拌部16を搬送させるための搬送部202を有している。これにより、撹拌部16は、搬送部202によって一体的に搬送レール201の延在方向(x方向)に移動することができるように構成されている。
【0034】
そして、撹拌部16は、撹拌羽100と接続される撹拌モータ203Aを有している。この撹拌モータ203Aによって撹拌羽100は回転可能に構成されることになる。また、撹拌部16は、撹拌羽100を上下方向(z方向)に移動可能な撹拌羽駆動部203Bを有しており、撹拌羽100のみを上下方向(z方向)に往復動作させることができる。この結果、撹拌モータ203Aと撹拌羽駆動部203Bとの組み合わせによって、撹拌羽100は、回転可能で、かつ、上下方向(z方向)に往復動作可能に構成されている。さらに、撹拌羽100は、水平方向(x方向+y方向)にも往復動作可能に構成されている。
【0035】
ここで、撹拌羽100は、チャック206によって撹拌モータ203Aと接続されている。具体的に、チャック206は、撹拌羽100のチャック部105(図2参照)を挿入することができるように構成されている。そして、撹拌羽100のチャック部(105)をチャック206に挿入した後、チャック206を一方向に回転させることにより、撹拌羽100のチャック部(105)は締め付けられる。これにより、撹拌羽100はチャック206に固定される。一方、チャック206を逆方向に回転させると、チャック206による撹拌羽100の締め付けが緩まって、チャック206から撹拌羽100が取り外される。このように本実施の形態では、チャック206によって、撹拌羽100は撹拌モータ203Aに着脱可能に構成されることになる。
【0036】
このとき、チャック206の回転は、図3図5に示す一対のチャック回転部204A、204Bによって自動で実施される。すなわち、例えば、チャック回転部204Aは、モータ205Aと接続されて回転するように構成されている。同様に、チャック回転部204Bは、モータ205Bと接続されて回転するように構成されている。この結果、チャック回転部204Aとチャック回転部204Bの両方をチャック206に接触させた後、モータ205Aでチャック回転部204Aを回転させるとともに、モータ205Bでチャック回転部204Bを回転させることにより、チャック206で撹拌羽100を撹拌モータ203Aに固定することができる。このことから、本実施の形態では、チャック206と一対のチャック回転部204A、204Bと一対のモータ205A、205Bとによって撹拌羽100の着脱を行なう撹拌羽着脱部が構成されることになる。特に、一対のチャック回転部204A、204Bは、チャック206を回転させるためのチャック着脱ユニットを構成することになる。
【0037】
次に、図3図5において、撹拌部16は、容器110を保持する一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bを有している。この一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bを容器110に接触させることにより、容器110は、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持される。さらに、撹拌部16では、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bは、容器110を保持するだけでなく、容器110を水平方向(x方向+y方向)に振動することができるようにも構成されている。
【0038】
続いて、図3図5において、撹拌部16は、例えば、撹拌羽100と容器110とを一体的に垂直方向(z方向)に移動させるための全体駆動部203Cを有している。これにより、撹拌部16は、容器110とは別に撹拌羽100を垂直方向に移動させる撹拌羽駆動部203Bと、撹拌羽100と容器110とを一体的に垂直方向に移動させる全体駆動部203Cとを有していることになる。
【0039】
具体的に、撹拌羽駆動部203Bは、撹拌モータ203Aと撹拌羽着脱部(チャック206と一対のチャック回転部204A、204Bと一対のモータ205A、205B)と撹拌羽100とを一体的に垂直方向に移動可能に構成されている。言い換えれば、撹拌羽駆動部203Bでは、容器保持部207A、207Bと容器110は移動することができない。このことから、容器保持部207A、207Bで容器110を固定した状態において、撹拌羽駆動部203Bで撹拌羽100を垂直方向に往復動作させることが可能となる結果、容器110に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌することができる。一方、全体駆動部203Cは、撹拌モータ203Aと撹拌羽駆動部203Bと撹拌羽着脱部(チャック206と一対のチャック回転部204A、204Bと一対のモータ205A、205B)と撹拌羽100と容器保持部207A、207Bと容器110とを一体的に垂直方向に移動することができるように構成されている。
【0040】
以上のようにして、本実施の形態における撹拌部16が構成されている。
【0041】
なお、本実施の形態では、チャック着脱ユニットであるチャック回転部204A、204Bを回転させることにより、チャック206を撹拌羽100のチャック部105(図2参照)に締め付けている。ただし、チャック着脱ユニットは、これに限らず、例えば、回転せずに単にチャック206を固定して保持するだけのチャック保持部から構成することができる。この場合、チャック206をチャック保持部で保持した状態で、撹拌モータ203Aを回転させることにより、チャック206を撹拌羽100のチャック部(105)に締め付ける。この結果、チャック206によって、撹拌羽100を撹拌モータ203Aに固定することができる。
【0042】
続いて、図3図5に示す撹拌部16の搬送動作について説明する。
【0043】
図6は、本実施の形態における撹拌部の搬送動作を模式的に示す図である。
【0044】
図6において、まず、待機ステージ13上に容器110が配置されており、この容器110の内部には、被撹拌液が注入されている。そして、被撹拌液が注入されている容器110は、撹拌部16の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持されている。一方、撹拌羽100は、被撹拌液に浸漬しており、チャック206に対してチャック回転部204Aとチャック回転部204Bを使用することにより、チャック206で撹拌羽100は撹拌モータ203Aに固定されている。そして、撹拌モータ203Aに固定されている撹拌羽100は被撹拌液に浸漬している。この状態で、撹拌部16の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持されている容器110は、待機ステージ13から搬送される。このとき、図6に示すように、本実施の形態における撹拌部16の構成要素は、搬送部(202)と全体駆動部(203C)とを使用することにより、撹拌羽100および容器110とともに一体的に搬送される。具体的には、撹拌部16を構成する撹拌モータ203Aとチャック206とチャック回転部204A、204Bと撹拌羽100と容器保持部207A、207Bと容器110とが一体的に待機ステージ13から高温槽17に向って搬送される。
【0045】
その後、図6に示すように、容器保持部207A、207Bで保持している容器110を高温槽17に配置する。具体的には、高温槽17を満たしている第1温度の液体(水)に容器110が埋没しないように設けられているアダプタ171を介して、容器110を高温槽17に配置する。このようにして、本実施の形態における撹拌部16によれば、容器110と、容器110の内部に存在する被攪拌液に浸漬している撹拌羽100とを一体的に搬送することができる。つまり、本実施の形態における撹拌部16によれば、撹拌羽100を被攪拌液に浸漬した状態で、被攪拌液が入っている容器110を待機ステージ13から高温槽17に搬送することができる。
【0046】
<撹拌装置の動作>
本実施の形態における撹拌装置1は上記のように構成されており、以下に、その動作について、図面を参照しながら説明する。
【0047】
図7および図8は、本実施の形態における撹拌装置1の動作を説明するフローチャートである。以下では、図1図7および図8を使用して、本実施の形態における撹拌装置1の動作を説明することにする。
【0048】
図1において、まず、制御部20は、ロボットアームからなる搬送機構14を制御することにより、容器収納部11に収納されている複数の容器110の中から1つの容器110を搬送機構14で抽出した後、搬送機構14によって抽出された容器110を被撹拌液注入部12に設けられている天秤121上に配置する(図7のS101)。
【0049】
次に、制御部20によって被撹拌液注入部12を制御することにより、天秤121上に配置されている容器110の内部に、例えば、液体と紛体とからなる被撹拌液を注入する(図7のS102)。そして、制御部20は、ロボットアームからなる搬送機構14を制御することにより、天秤121上に配置されている容器110を待機ステージ13上に配置する。これにより、待機ステージ13には、被撹拌液が注入された容器110が配置されることになる(図7のS103)。
【0050】
続いて、制御部20は、例えば、搬送機構14を制御することにより、撹拌羽収納部10に収納されている複数の撹拌羽100の中から1つの撹拌羽100を搬送機構14で抽出した後(図7のS104)、搬送機構14で抽出された撹拌羽100を撹拌羽置き場15に配置する。ただし、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、ロボットアームからなる搬送機構14を使用せずに、撹拌羽収納部10から1つの撹拌羽100を抽出するように構成することもできる。
【0051】
そして、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、チャック206(図3図5参照)を使用して、撹拌モータ203A(図3図5参照)に撹拌羽100を取り付ける(図7のS105)。次に、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、撹拌モータ(203A)に取り付けられた撹拌羽100を待機ステージ13上に配置された容器110の内部に入れられている被撹拌液に浸漬する(図7のS106)。詳細には、制御部20は、撹拌羽100を撹拌モータ(203A)に取り付けるとともに撹拌羽100を被撹拌液に浸漬するように撹拌羽駆動部203B(図3図5参照)と撹拌羽着脱部(チャック回転部204A、204B、モータ205A、205B、チャック206(図3図5参照))を制御する。
【0052】
次に、制御部20は、撹拌羽100を被撹拌液に浸漬した状態で、撹拌羽100と容器110と撹拌部16の全体とを一体的に待機ステージ13から高温槽17に搬送するように撹拌部16を制御する(図7のS107)。つまり、図6に示すように、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、撹拌羽100を容器110の内部に入れられている被撹拌液に浸漬した状態で、容器110を待機ステージ13から高温槽17に搬送する。
【0053】
その後、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、容器110を高温槽17に配置する(図7のS108)。そして、制御部20は、撹拌モータ(203A)と撹拌羽駆動部(203B)と容器保持部(207A、207B)とを制御することにより、容器保持部(207A、207B)で容器110を保持しながら高温槽17に容器110を配置した状態で、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌する(図7のS109)。例えば、制御部20は、容器保持部(207A、207B)を水平方向(x方向+y方向)に振動させることによって容器110に振動を加えながら、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌するように撹拌モータ(203A)と撹拌羽駆動部(203B)と容器保持部(207A、207B)とを制御する。これにより、容器110の内部に入れられている被撹拌液は、第1温度(例えば、40℃や80℃)に保たれた状態で撹拌羽100によって撹拌されることになる。
【0054】
続いて、制御部20は、撹拌羽100を被撹拌液に浸漬した状態で、撹拌部16と撹拌羽100と容器110とを一体的に高温槽17から低温槽18に搬送するように撹拌部16を制御する(図7のS110)。
【0055】
その後、制御部20は、撹拌部16を制御することにより、容器110を低温槽18に配置する(図7のS111)。そして、制御部20は、撹拌モータ(203A)と撹拌羽駆動部(203B)と容器保持部(207A、207B)とを制御することにより、容器保持部(207A、207B)で容器110を保持しながら低温槽18に容器110を配置した状態で、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌する(図7のS112)。例えば、制御部20は、容器保持部(207A、207B)を水平方向(x方向+y方向)に振動させることによって容器110に振動を加えながら、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌するように撹拌モータ(203A)と撹拌羽駆動部(203B)と容器保持部(207A、207B)とを制御する。これにより、容器110の内部に入れられている被撹拌液は、第2温度(例えば、4℃)に保たれた状態で撹拌羽100によって撹拌されることになる。
【0056】
その後、制御部20は、撹拌羽100を被撹拌液に浸漬した状態で、撹拌部16と撹拌羽100と容器110とを一体的に低温槽18から待機ステージ13に搬送するように撹拌部16を制御する(図8のS113)。これにより、容器110は、待機ステージ13に配置される(図8のS114)。
【0057】
次に、制御部20によって撹拌部16を制御することにより、被撹拌液に浸漬されている撹拌羽100を容器110の内部から取り出した後、制御部20は、ロボットアームからなる搬送機構14を制御することにより、待機ステージ13に配置されている容器110を液体注入部19に設けられている天秤191上に配置する(図8のS115)。そして、制御部20は、液体注入部19を制御することにより、容器110に液体を注入する。その後、例えば、制御部20によって搬送機構14を制御することにより、液体注入部19の天秤191上に配置されている容器110を容器収納部11に収納する(図8のS116)。
【0058】
一方、制御部20によって撹拌部16を制御することにより、撹拌部16の撹拌モータ(203A)から撹拌羽100が取り外された後(図8のS117)、取り外された撹拌羽100を撹拌羽収納部10に収納する(図8のS118)。
【0059】
以上のようにして、本実施の形態における撹拌装置1が動作する。特に、本実施の形態における撹拌装置1では、例えば、容器110の抽出動作と、容器110への被撹拌液の注入動作と、撹拌羽100の抽出動作と、撹拌羽100の着脱動作と、撹拌羽100と容器110との一体搬送動作と、被撹拌液の撹拌動作などの全動作が自動化される。したがって、本実施の形態における撹拌装置1によれば、撹拌作業を自動化することができる。このことから、本実施の形態によれば、撹拌作業の無人化を実現することができる。つまり、本実施の形態における撹拌装置1を撹拌作業に使用することにより、撹拌作業に伴う人件費を削減することができる。さらには、撹拌作業の効率化も図ることができる。
【0060】
<実施の形態における特徴>
次に、本実施の形態における特徴点について説明する。
【0061】
本実施の形態における第1特徴点は、例えば、図1において、撹拌羽収納部10に収納されている複数の撹拌羽100から1つの撹拌羽100を抽出した後、この抽出した撹拌羽100を撹拌モータ203A(図3図5参照)にチャック206(図3図5参照)を使用して自動で取り付ける点にある。これにより、本実施の形態における第1特徴点によれば、人手作業に頼ることなく、撹拌羽100の撹拌モータ(203A)への装着を実現することができる。つまり、本実施の形態では、チャック(206)とチャック回転部204A、204B(図3図5参照)を含む撹拌羽着脱部を設けて、この撹拌羽着脱部を制御部20で制御するように構成している。この結果、本実施の形態によれば、撹拌羽100の撹拌モータ(203A)への自動装着が可能となる。
【0062】
特に、本実施の形態では、撹拌羽100を撹拌モータ(203A)へ装着するためにチャック(206)を使用している点に大きな技術的意義がある。なぜなら、チャック(206)は、チャック(206)に撹拌羽100を挿入できれば、その後、チャック(206)の締め付けによって撹拌羽100を撹拌モータ(203A)に固定できるからである。つまり、撹拌羽100のチャック部105(図2参照)の径が相違しても、このチャック部(105)がチャック(206)に挿入できる範囲であれば、チャック(206)によって撹拌羽100を撹拌モータ(203A)に固定することができるからである。すなわち、本実施の形態では、径の異なる撹拌羽100Aと撹拌羽100Bとを同一のチャック(206)を使用して撹拌モータ(203A)に固定できる点で優れている。これにより、例えば、図1の撹拌羽収納部10にサイズの異なる撹拌羽100Aと撹拌羽100Bとを配置することができる。このことは、本実施の形態における第1特徴点によれば、容器110のサイズに応じて適切なサイズの撹拌羽100を選択することができることを意味する。このようにして、本実施の形態によれば、1つの撹拌装置1において、サイズの異なる容器110に注入された被撹拌液の撹拌羽100による撹拌を自動的にできる点で汎用性に優れているということができる。
【0063】
さらには、本実施の形態では、撹拌羽収納部10に収納されている複数の撹拌羽100から任意の1つの撹拌羽100を選択して、被撹拌液の撹拌に使用できる点に大きな利点がある。なぜなら、例えば、容器110に注入される被撹拌液は、それぞれの容器110で異なる成分となっていることが多い。この場合、例えば、ある容器110に注入されている被撹拌液の撹拌に使用した撹拌羽100を、異なる別の容器110に注入されている被撹拌液の撹拌に使用すると、撹拌羽に付着した成分の異なる被撹拌液が混入することになってしまう。この点に関し、本実施の形態では、複数の撹拌羽100から任意の1つの撹拌羽100を選択することができることから、選択基準として撹拌に使用していない未使用の撹拌羽100を選択することによって、撹拌羽100に付着した成分の異なる被撹拌液が混入することを防ぐことができる。したがって、本実施の形態によれば、複数の容器110のそれぞれに注入された被撹拌液の成分の独立性を保持しながら、複数の容器110の撹拌作業を自動で実現できる点で大きな技術的意義を有する。
【0064】
続いて、本実施の形態における第2特徴点は、例えば、図6に示すように、撹拌羽100を被撹拌液に浸漬した状態で、撹拌羽100と容器110とを一体的に搬送する点にある。これにより、撹拌羽100は、容器110に注入されている被撹拌液に浸漬した状態で、容器110と一緒に搬送されるため、撹拌羽100に付着した被撹拌液の液だれを防止することができる。つまり、例えば、被撹拌液が注入された容器110から撹拌羽100を取り出して、容器110と撹拌羽100とを別々に搬送する場合、撹拌羽100に付着した被撹拌液の液だれが生じる可能性がある。これに対し、本実施の形態における第2特徴点のように、撹拌羽100と容器110とを一体的に搬送する場合には、搬送動作中での撹拌羽100からの液だれは生じない。このことから、本実施の形態によれば、液だれに起因する撹拌装置1の汚染を抑制することができる。
【0065】
さらに、本実施の形態における第2特徴点のように、撹拌羽100と容器110とを一体的に搬送する場合には、再び、容器110の内部に注入されている被撹拌液に撹拌羽100を浸漬するための位置合わせが不要となる。このことは、制御部20による撹拌装置1の制御が複雑化することを抑制できることを意味し、これによって、制御複雑化に伴う撹拌装置1の動作不良を低減することができる。
【0066】
次に、本実施の形態における第3特徴点は、例えば、図6(左側)に示すように、容器110を一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持した状態で、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌する点にある。例えば、容器110を一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持しない状態で、容器110の内部に注入されている被撹拌液を撹拌羽100で撹拌すると、被撹拌液の粘性によって、容器110が撹拌羽100の回転動作と上下方向(z方向)の往復動作に引きずられる。この結果、撹拌羽100による撹拌動作の際に、容器110が動くことになり、撹拌動作をうまく実施することが困難となる。この点に関し、本実施の形態における第3特徴点によれば、撹拌羽100による被撹拌液の撹拌の際にも、容器110は、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで保持されている。このことから、本実施の形態では、撹拌羽100による撹拌動作の際に、容器110が動くことを防止できる。したがって、本実施の形態における第3特徴点によれば、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで容器110を固定しているため、容器110が動くことなく、撹拌羽100による被撹拌液の撹拌を確実に行なうことができる。さらに、本実施の形態では、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bで容器110を保持しながら、一対の容器保持部207Aと容器保持部207Bを水平方向(x方向+y方向)に振動させることもできる。そして、この場合、撹拌羽100を回転させながら上下方向(z方向)に往復運動させる動作と容器110を水平方向に振動させる動作との相乗効果によって、被撹拌液の撹拌を充分に実施することができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1 撹拌装置
10 撹拌羽収納部
11 容器収納部
12 被撹拌液注入部
13 待機ステージ
14 搬送機構
15 撹拌羽置き場
16 撹拌部
17 高温槽
18 低温槽
19 液体注入部
20 制御部
100 撹拌羽
100A 撹拌羽
100B 撹拌羽
101 受皿
102 ラック
103 羽部
104 引掛部
105 チャック部
110 容器
110A 容器
110B 容器
121 天秤
171 アダプタ
191 天秤
201 搬送レール
202 搬送部
203A 撹拌モータ
203B 撹拌羽駆動部
203C 全体駆動部
204A チャック回転部
204B チャック回転部
205A モータ
205B モータ
206 チャック
207A 容器保持部
207B 容器保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8