(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】電磁波を放出するモジュール
(51)【国際特許分類】
A61N 5/04 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
A61N5/04
(21)【出願番号】P 2020537050
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(86)【国際出願番号】 EP2018075232
(87)【国際公開番号】W WO2019053288
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-09-10
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520093045
【氏名又は名称】レメディ ラブズ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】シブエ ピエール-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】フォスター マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クロウツィアー デイビッド
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/022538(WO,A1)
【文献】特表2010-511459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/40
A61N 5/02 ― 5/04
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅器と周波数発振器とを有する少なくとも1つの集積回路を備える、電磁波送信モジュール(22;220;320;420)であって、該モジュールは、表面(60)に向けて配置されたとき、該表面(60)1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの電力束密度を有する電磁波を送信することができ、該モジュールは、4立方センチメートル未満
の全体積を有していること
を特徴とする、電磁波送信モジュール(22;220;320;420)。
【請求項2】
波が5~35mW/cm
2の表面電力密度値を有する、
請求項
1記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項3】
波が3~120ギガヘルツの周波数値を有する、
請求項
1または2記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項4】
充電式電池を含む、
請求項
1~3のいずれか一項記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項5】
少なくとも2.5平方センチメートルの表面(60)を同時に波に曝露することができる、
請求項
1~4のいずれか一項記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項6】
以下の要素:
- 可撓性材料;
- 相変化材料;
- サーマルバッファ;
- グラファイト;および
- エラストマー材料
の少なくとも1つを有するヒートシンク(46)を含む、
請求項
1~5のいずれか一項記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項7】
表面(60)がヒトまたは動物の皮膚であり、モジュールがヒト皮膚または動物の検出ユニット(44)を含み、該モジュールが、波に曝露されるべき皮膚の存在または非存在を知らせることができ、かつ好ましくは、該皮膚(60)と該モジュール(10;100;1000)とを隔てる距離を測定することができる、
請求項
1~6のいずれか一項記載のモジュール(22;220;320;420)。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか一項記載のモジュールを含むことを特徴とする、電磁波を送信するためのポータブル装置(10;100;1000)。
【請求項9】
少なくとも、以下の部位:
- 手首周囲;
- 脚表面;
- 足首表面;
- 背中表面;
- 耳表面;または
- 掌の上
の1つに装着されることができる、
請求項
8記載の装置(10;100;1000)。
【請求項10】
対象によって装着された請求項1~7のいずれか一項記載のモジュール(22;220;320;420)が、
表面(60)1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの表面電力密度を有する電磁波を該対象の
表面(60)に送信する、電磁波を送信するための方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの集積回路は、ボールグリッドアレイ(BGA)タイプハウジングに収容されている、請求項1記載のモジュール(22;220;320;420)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に痛みの治療のための電磁波の送信に関する。
【0002】
特に、焦点は、ミリメートル波、すなわち、3~300ギガヘルツの周波数帯域の波の送信を可能にする装置にある。
【0003】
これらの装置は、少なくとも1つの波発生器およびこれらの波の放射を可能にする1つのアンテナを含み、複雑なシステムへの組み込みから直接的な印加、たとえば患者の皮膚へのミリメートル波の送信による痛み、ストレスまたは睡眠障害の治療までの範囲に及ぶ様々な用途を有する。
【背景技術】
【0004】
「ガンダイオード」タイプの「個別」コンポーネントを含むタイプのミリメートル波発生器が公知である。しかし、5mW/cm2よりも大きい電力束密度の波を送信するためには、このタイプの製品は大きくならざるを得ない、すなわち、10立方センチメートル程度の体積を有さざるを得ない。加えて、低いエネルギー効率および高い温度上昇を有する。
【0005】
また、マイクロエレクトロニクス「CMOS」(「相補型金属酸化膜半導体」)技術が公知であるが、現在この技術によって販売され、製造されている波発生器は主にシリコンゲルマニウムまたはガリウムヒ素で製造され、電力レベルが低すぎると同時に高価格すぎ、主に、対応するアンテナなしで販売されている。
【0006】
公知のアンテナは、波を、空気中および遠距離場で送信するように設計されており、近距離場で、かつ皮膚に向けて送信するようには設計されていない。
【0007】
その結果、現在の送波モジュールは、患者の皮膚に波を送出するなどの特定の用途には適さない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記欠点を解消することである。
【発明の概要】
【0009】
この目的のために、本発明は、4立方センチメートル未満、好ましくは3立方センチメートル未満の全体積を有し、表面に配置されたとき、表面1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの表面電力密度を有する電磁波を送信することができる送波モジュールを提供する。
【0010】
したがって、小さなサイズのこのモジュールは、扱いやすい装置、たとえばスマートフォンまたはスマートウォッチなどのポータブル装置に組み込まれてもよいし、大きな数で、高い放射を生成するより複雑な装置に、装置内の大きな空間を占有することなく、組み込まれてもよい。加えて、0.5mW/cm2から出発して、痛みの治療における効果が得られることが公知であり(Rojavin MA、Radzievsky AA、Cowan A、Ziskin MCによる刊行物「Pain relief caused by millimeter waves in mice: results of cold water tail flick tests」を参照)、小さなサイズのこれらのモジュール1つだけでも、空間を占有することなく、コストを減らしながら、患者の治療を許す、または他の用途、たとえばストレス低下、幸福感の生成または睡眠障害の消散に働くことができる。
【0011】
好都合には、波は5~35mW/cm2の表面電力密度値を有する。
【0012】
したがって、送信される波は、ヒトの皮膚に向けられるその電力を制限する特定の規格に適合し、しかも、電力は、効果、たとえば痛みの減少または幸福感を得るのに十分なままである。
【0013】
好ましくは、波は3~120ギガヘルツの周波数値を有する。
【0014】
これは、ミリメートル波を使用する痛みの治療に特に効果的な周波数帯域である。事実、Radzievsky AA、Gordiienko OV、Alekseev S、Szabo I、Cowan A、Ziskin MCによる研究「Electromagnetic millimeter waves for pain therapy. Evid Based Complement Alternat Med」は、61.25GHz付近の周波数および約13mW/cm2の表面電力密度で、ミリメートル波治療の最適な効果が得られることを示す。
【0015】
好都合には、モジュールは充電式電池を含む。
【0016】
したがって、モジュールはワイヤレスで作動する。あるいはまた、モジュールは、より高い電力を印加する、またはより長い期間にわたり電力を印加するために、有線で作動してもよい。
【0017】
好ましくは、モジュールは、少なくとも2.5平方センチメートルの表面を同時に波に曝露することができる。したがって、モジュールは、2.5cm2の表面、特に皮膚を連続的に波に曝露することができる。あるいはまた、モジュールは、2.5cm2を、すなわち、いっしょになると2.5cm2の同時に照射される面となる、いくつかの異なる場所に分散したいくつかの表面部分を不連続的に波に曝露することもできる。
【0018】
「波に曝露する」とは「波を照射する」ともいう。
【0019】
たとえば、モジュールは、波を同時に送信するいくつかのアンテナを有し、すべてのアンテナ、ひいてはモジュールによってカバーされる患者の皮膚面積は、均一なやり方で照射される少なくとも2.5連続平方センチメートルとなる。これが、期待される生物学的応答を誘発するのに十分な連続被照射面を提供する。異なるアンテナによって送信される周波数が必ずしも同じではないということが留意されるべきである。異なるアンテナは、異なるASICによって供給を受けながら、異なる周波数を送信することができる。それにもかかわらず、周波数は関心対象の帯域内にとどまる。
【0020】
好都合には、モジュールは、以下の要素:
- 可撓性材料;
- 相変化材料;
- サーマルバッファ;
- グラファイト;および
- エラストマー材料
の少なくとも1つを含むヒートシンクを含む。
【0021】
したがって、ヒートシンクは、特にモジュールが、患者の皮膚に適用される装置に組み込まれている場合、モジュールの加熱を最小化することを可能にする。これもまた、特定の規格に適合することを可能にするだけでなく、より簡単に、モジュールまたはモジュールが組み込まれることができる装置の過度な加熱を避けることを可能にする。
【0022】
好ましくは、表面はヒトまたは動物の皮膚であり、モジュールは、波に曝露されるべき皮膚の存在または非存在を知らせることができ、かつ好ましくは、皮膚とモジュールとを隔てる距離を測定することができる、皮膚検出ユニットを含む。
【0023】
したがって、モジュールは、皮膚が検出された場合のみ、対象の皮膚に向けて直接波を送信する。皮膚が検出されないならば、または、モジュールと皮膚との間の距離が大きすぎるならば、送信は起こらない。このようにして、任意の方向への送波は回避され、エネルギーが節約される。また、モジュールと皮膚との間の推定距離にしたがって、送信される波の電力または他のパラメータが適合され得る。
【0024】
本発明はさらに、上記モジュールを含む、電磁波を送信するためのポータブル装置を提供する。
【0025】
したがって、装置は、幸福感を生成するために、または任意の他の目的のために、ヒトまたは動物患者によって容易に装着され、波を、所定のやり方で、または命令を受けて、治療目的に送出することができる。送信モジュールは小さいため、装置はなおさら装着しやすい。
【0026】
好ましくは、装置は、少なくとも、以下の箇所:
- 手首周囲;
- 脚表面;
- 足首表面;
- 背中表面;
- 耳表面;
- 掌の上;または
- より一般的には、神経支配が強いゾーンを示す任意の箇所
の1つに装着されることができる。
【0027】
したがって、装置は、特に不都合なく患者によって装着されるように、これらの部位の1つに、たとえば腕時計のように手首に貼り付けられる。神経支配が強い区域に関しては、Radzievsky AA、Rojavin MA、Cowan A、Alekseev SI、Ziskin MCによる研究「Hypoalgesic effect of millimeter waves in mice: Dependence on the site of exposure. Life sciences. 2000; 66(21):2101-11」が、そのような区域に向けてミリメートル波を送出する有益な治療効果を実証している。
【0028】
また、本発明にしたがって、ヒトまたは動物対象によって装着された上記モジュールが、皮膚1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの電力束密度を有する電磁波を対象の皮膚に向けて送信する、電磁波送信方法が提供される。
[本発明1001]
4立方センチメートル未満、好ましくは3立方センチメートル未満の全体積を有していること、および、表面(60)において貼り付けられたとき、表面1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの電力束密度を有する電磁波を送信するのに適していることを特徴とする、電磁波送信モジュール(22;220;320;420)。
[本発明1002]
波が5~35mW/cm
2
の表面電力密度値を有する、前記本発明のモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1003]
波が3~120ギガヘルツの周波数値を有する、前記本発明のいずれかのモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1004]
充電式電池を含む、前記本発明のいずれかのモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1005]
少なくとも2.5平方センチメートルの表面(60)を同時に波に曝露することができる、前記本発明のいずれかのモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1006]
以下の要素:
- 可撓性材料;
- 相変化材料;
- サーマルバッファ;
- グラファイト;および
- エラストマー材料
の少なくとも1つを有するヒートシンク(46)を含む、前記本発明のいずれかのモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1007]
表面(60)がヒトまたは動物の皮膚であり、モジュールがヒト皮膚または動物の検出ユニット(44)を含み、該モジュールが、波に曝露されるべき皮膚の存在または非存在を知らせることができ、かつ好ましくは、該皮膚(60)と該モジュール(10;100;1000)とを隔てる距離を測定することができる、前記本発明のいずれかのモジュール(22;220;320;420)。
[本発明1008]
前記本発明のいずれかのモジュールを含むことを特徴とする、電磁波を送信するためのポータブル装置(10;100;1000)。
[本発明1009]
少なくとも、以下の部位:
- 手首周囲;
- 脚表面;
- 足首表面;
- 背中表面;
- 耳表面;または
- 掌の上
の1つに装着されることができる、前記本発明の装置(10;100;1000)。
[本発明1010]
ヒトまたは動物対象によって装着された本発明1001~1007のいずれかのモジュール(22;220;320;420)が、皮膚1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの表面電力密度を有する電磁波を該対象の皮膚(60)に送信する、電磁波を送信するための方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の態様を非限定的な例として示す。
【
図2】本発明の第一の態様のポータブル装置の説明である。
【
図3】本発明の第一の態様のポータブル装置の説明である。
【
図5】本発明の第一の態様のポータブル装置の説明である。
【
図6】本発明の第一の態様のポータブル装置の説明である。
【
図7】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図8】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図9】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図10】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図11】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図12】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図13】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図14】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図15】第一の態様の送波モジュールのコンポーネントの図である。
【
図16】そのようなモジュールの、それぞれヒートシンクを有する場合および有しない場合の説明である。
【
図17】そのようなモジュールの、それぞれヒートシンクを有する場合および有しない場合の説明である。
【
図21】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図22】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図23】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図24】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図25】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図26】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図27】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図28】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【
図29】本発明の他の態様のモジュールのコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明のおおよその枠組みを示す。患者1は慢性疼痛を抱えている。患者は、本発明の第一の態様および第一の遂行の装置10を装着し、この装置は、患者1の手首の皮膚にミリメートル電磁波を送信することによって痛みを治療する。この場合、この装置10は、概ね腕時計の形態にあり、時計と同じように手首に取り付けられる。装置10は、
図2に概略的に示し、
図3、5および6により詳細に示す制御モジュール20および送波モジュール22を含む。装置10は、概ね時計の形態にあるが、モジュール22および22が組み込まれている時計であってもよい。逆に、時計の機能が装置10に組み込まれてもよい。
【0031】
制御モジュール20は送信モジュール22を制御する。制御モジュール20は、患者によってアクティブ化されるが、患者または別のユーザにより、装置10上でボタン23によって直接、またはコンピュータ12などの端末を介して、プログラムされてもよい。ボタン23は、イベント、たとえば電池不足または実行中の特定のプログラムの動作を患者に示すためにアクティブ化されることができる発光ダイオードを備えている。制御モジュール20は装置10の上寄り部分に存在し、ミリメートル波送信モジュール22は下寄り部分に位置し、したがって、手首の下寄り部分の皮膚と接触するようになっている。
【0032】
以下、装置10に組み込まれた送波モジュール22を詳細に説明する。これは、第一の態様の送信モジュールである。このタイプのモジュールおよびそれの他の態様は、波を送信することを意図した任意のタイプの装置に組み込まれ得、腕時計の形態の装置10だけに組み込まれるわけではない。その用途は痛みの治療に限定されない。
【0033】
図7に回路図として示すこの送信モジュール22は、いくつかの回路/アンテナ対42、ヒートシンク46、皮膚センサ44、電力入力45、デジタル制御ユニット47、基準クロック48および温度センサ49を示す。
【0034】
各回路/アンテナ対42(その1つが
図8に示されている)は、制御モジュール20と接続した制御インタフェース24と、ASIC(「特定用途向け集積回路」)26と、アンテナ28とを示す。インタフェース24は制御モジュール20内に位置し得る。
図8に示すASIC26は、発振器32と、電力増幅器34と、コンポーネントを設定し、制御するためのデジタル部分36とを含む。また、
図9にさらに詳細に示すように、周波数分割器31、通信バス35、PWM(「パルス幅変調」)制御ユニット37および周波数コンパレータ38を含む。発振器32は、ASIC動作周波数を生成することを可能にする。増幅器はこの信号を増幅して、所望の電力がコンポーネント出力で得られるようにする。この電力は0~20mWで調節可能である。おそらくは難なく60mWまで高められ得る。周波数コンパレータおよび分割器は、動作周波数をチェックすることを可能にする。電力管理回路は、コンポーネントの機能のすべてに正しく給電することを可能にする。最後に、「PWM」制御ユニットは、HF出力信号を連続的または不連続的に送信することを可能にする。ASICの枠組みが
図12に示されている。このASIC 26は、当業者には公知であり、したがって詳細には説明しない相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を使用して製造される。より具体的には、トランジスタは「CMOS 65ナノメータ」タイプである。あるいはまた、シリコンゲルマニウム(SiGe)またはガリウムヒ素(GaAs)で開発されたものであることもできる。他方、「ガンダイオード」タイプの技術は、所望の最小サイズおよびコストの達成を許さない。したがって、ASIC26は、ASIC26のために特注された、当業者には周知のタイプであるボールグリッドアレイ(BGA)タイプハウジング37(ボール(「バンプ」とも呼ばれる)35を含む)に収容されたシリコン集積回路33を含む。
図13に示すように、回路33は、高周波数での電磁放射線の損失を最小化することを可能にする「フリップチップ」として知られる配置を有する、たとえばRogers社によって製造されるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)RO3003製「HF」基板39の2つの層71および72に溶着されている。RO3003に代わるものは、MT77(たとえばIsola社の)含浸ガラス繊維織物またはRF301(Taconic社)もしくは前述のものと同じ技術的利点を提供する任意の他の材料であることができる。2つの層71および72は、RO4450Fの層73ならびに銅層74、75、76および77によって隔てられている。加えて、ビア81、82、83および84が、異なる基板層の間の接続を形成する。当然、層のタイプおよびそれらの数は様々であることができる。
【0035】
周波数発振器32は、生成された周波数を乱さない、ハウジング37内の空洞(図示せず)に配置される。このBGAハウジング37のサイズは、この場合、2.2×2.2×0.9ミリメートルである。アンテナ28への接続は「ボール」43によって達成される。このコンポーネントのセットは、電磁波の損失を最小化することを可能にする。電磁波を患者1の皮膚に送信するのはこのアンテナ28である。いうまでもなく、送信モジュール内のASIC、制御インタフェースおよびアンテナの配置は異なってもよい。
【0036】
ASIC26とそのアンテナ28との間の端子接続41が
図14に見てとれる。したがって、同軸接続41が電力増幅器34とアンテナ28との間の波の送信を保証する。アンテナとは、概して、平坦であるという条件で、任意の形態の放射要素をいう。このタイプの放射要素は「パッチ」と呼ばれる。
【0037】
図15に示すように、ASIC26およびアンテナ28は基板39のどちらの側にも配置される。
【0038】
アンテナ28のセットは、
図10に示すようなアンテナのアレイを形成する。患者1の皮膚に当てて、またはそれから短い距離で配置されるための、ここでは長方形のこのアンテナアレイは長さ約2.5cm×幅約1cmである。アンテナアレイは、この場合、互いに対して垂直かつ水平に整列した9×3のアンテナ配列に基づく、近距離場で作動する27の放射要素28を備えている。これらの数量およびこれらの配置は非限定的であり、他を考慮してもよい。以下に記すわずかに異なる態様においては、
図22に示すように、
図7および
図9の他の要素、特に温度センサ49、皮膚センサ44、クロック48および電力モジュール45が、アクティブエリアとも呼ばれるこのアンテナアレイの周囲に配置されている。これらの要素および内側に位置するアクティブエリアによって形成されるアセンブリは、37×20mmの大きさであり、ブレスレットなどの装置に組み込まれ得る送信モジュール22を形成する。
【0039】
この配置は、アクティブエリアが2.5平方センチメートルの皮膚に波を均一に送信することを許す。「均一」とは、皮膚に達する波の強さが、ある地点におけるその最大値と別の地点におけるその最小値との間で約30%よりも大きい偏差を示さないことをいう。
図18は、通常動作モードで装置によって患者の皮膚に放出された放射を示す。黒い形は5~15mW/cm
2の放射に相当し、白い形は5mW/cm
2未満の放射に相当する。表面の75%が5~15mW/cm
2の密度の波を照射されていることが認められる。概して、電力密度は35mW/cm
2を超えることもできるが、装置は、使用される電力範囲が、通常動作で、特に30分間の連続送波の場合で、5~35mW/cm
2のオーダになるように設計されている。以下に記すように、この動作モードは事実、もっとも普通である。
【0040】
図11は、患者1の皮膚60に向けて波を送信する場合のモジュール22の適用を示す。この場合、3mmの距離がモジュールを患者の皮膚から隔てる。目的は装置を皮膚に取り付けることであるが、皮膚と装置との間にわずかな空間ができることがあってもよい。さらには、さらなる快適さおよび生体適合性の理由のため、シリコーン層52がアンテナを皮膚から隔てて、皮膚がアンテナを直接的には支えないようにしている。あるいはまた、ミリメートル波を透過させる別の材料、たとえばポリカーボネートであってもよい。シリコーン層52は1~2ミリメートルの厚さであり得、アンテナの設計が、層52が、放出される波にほとんどまたはまったく干渉しないことを許す。
【0041】
全体的に、ミリメートルモジュール(波はその周波数の観点で「ミリメートル」といわれる)またはミリメートルカードとも呼ぶことができるこの送波モジュール22は、この態様において、長さ37ミリメートル、幅20ミリメートル、厚さ3ミリメートルである。したがって、ミリメートルモジュールの体積は2.96立方センチメートルである。したがって、
図16に示すように、モジュールは、4立方センチメートル未満、さらには3立方センチメートル未満であり、軽くて体積の小さい装置、たとえば腕時計の形態の装置10にそれを挿入することを可能にする。この体積ならびに27のアンテナと、展開され、アンテナ28に結合されたASIC26とを示す前記配置を有することは、ミリメートルモジュールが、3~300ギガヘルツ、好ましくは30~120ギガヘルツの周波数の波を送信することを許す。好ましい周波数は61.25GHz±250MHzである。すべての場合において、電力束密度は1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットであり、波は2.5平方センチメートルの皮膚表面に同時に送信される。しかし、ミリメートル波治療は、好ましくは少なくとも1平方センチメートルの表面上、1平方センチメートルあたり0.5ミリワットの電力密度から効果的になる。したがって、開示されたモジュールは、その小さな体積のおかげで任意の装置に容易に組み込まれるため、治療を実施することを可能にする。
【0042】
ASIC、アンテナおよびミリメートルモジュール22全体は異なる体積、数および配置を有してもよいことが理解される。
【0043】
したがって、
図21~23に示す第二の態様において、モジュールの性能は同一である。違いは、ASICが10×6.25mmの表面上で4つのアンテナに結合されていることである。したがって、このASIC/アンテナ対は、厚さ1mmのPCB基板上で0.625cm
2の皮膚表面を覆う。4つのASICは、
図21~23に示すミリメートルモジュール中で横並びに4つ繰り返されながら、それぞれ、2.2mm×2.2mm×1mmのサイズである異なる「BGA」ハウジング中に配置されている。すると、8つのアンテナおよび4つのASIC(4つのハウジング)の列を2つ含むモジュールは、2.5cm
2の皮膚表面に連続的に照射することを可能にする。
【0044】
この態様のアンテナアレイ91が
図21に示されている。「共振空洞」アレイといわれるアレイ91は4つの層を含む。層92はデジタルおよび電力信号のルーティングを許す。第二の層93はアンテナへのアクセスラインとなる。第三の層94は結合ラインとなる。最後に、第四の層95は、波が送出される層である。このアンテナアレイはまた、前記態様においても実現され、唯一の違いはアンテナおよびASICの数、ひいてはこれらの要素の配置である。
【0045】
あるいはまた、ASIC/4つのアンテナの対を患者の皮膚上の異なる場所に別々に配置することにより、この2.5cm2の表面はいくつかの別個の区域として照射を受ける。同様に、より高い快適さを保証するために、またはより小さな表面、ひいてはより低い電力しか要しない用途に組み込まれるために、これらの対それぞれが独立して使用されてもよい。
【0046】
記載される態様の皮膚センサ44は、患者の皮膚がミリメートルモジュール22の近くに配置されていることを決定することを可能にする容量タイプ測定を使用する。その構造は当業者に公知であり、容量測定に限定されず、任意の小型化可能な皮膚センサが許される。皮膚センサ44は、制御インタフェース24および/または制御モジュール20に接続されて、ヒトまたは動物の皮膚の存在または非存在を決定する。また、皮膚とミリメートルモジュールとの間の距離を測定することができる。3ミリメートル以下で、送波が許される。そうでなければ、制御モジュール20は送波を防ぐことができる。ここでの目的は、一方では、送信される波の方向を制御し、他方では、エネルギーを節約するために、非効率的な送波を防ぐことである。第一の態様において、皮膚センサ44は、モジュールの外、装置10の側面に位置する。
【0047】
ミリメートルモジュール22はさらに、充電式電池を含み得る。好ましくは、モジュール22を含む装置アセンブリ、たとえば装置10は、制御モジュール20と送波モジュール22の両方に給電する電池を有する。この電池は、普通に幹線から、または他の方法で充電することができる。当然、痛みを治療することを意図した患者のポータブル装置がより使いやすいよう、その自律性が数時間、さらには数日であることは関心対象である。
【0048】
いうまでもなく、モジュールコンポーネントのいくつかは、モジュールを含む装置、たとえば電池とより良くインタフェースするために、その外側に配置されてもよい。
【0049】
制御モジュール20、ミリメートルモジュール22および皮膚センサ44とは別に、装置10は、以下に説明する他のコンポーネントを含む。
【0050】
図3のバンド58は、通常の腕時計ストラップがそうであるように、フレキシブルであり、手首の形およびサイズに適合することを意図する。
【0051】
装置10はまた、ミリメートルモジュール22の一部とみなされ得る、
図5に示すディシペータ46を含む。この場合、ディシペータは、このモジュールの外に位置し、フレキシブルバンド47およびサーマルバッファ48を含み、これら2つのコンポーネントは装置10のストラップ内に挿入されている。バンド47はグラファイトおよびゴムと関連している。ゴムは、バンドがフレキシブルになり、したがってストラップに適合することを許す。グラファイトは軽く、良好な熱伝導率を有する。バンド47は、ゴムとは別のエラストマー材料でできていてもよい。また、装置の形状に適合するために、フレキシブルである必要がある、完全に異なる材料でできていてもよい。バッファ48は相変化材料を含む。したがって、装置の動作による放熱中、相変化材料は、生成される熱量の一部を吸収し、全体の温度を維持することを可能にする。ディシペータは、約30分の装置の連続動作中、体の周辺区域の温度を43℃未満に維持するために、装置内に配置される。この43℃の温度は、当局によって規定された最高温度基準に一致し、これが、装置がこれらの規格と適合するように設計されている理由である。したがって、最高認可温度がより高いならば、異なるふうに設計されることもできる。温度はミリメートルモジュール22の温度センサによってモニタされる。
【0052】
装置10はさらに、皮膚のインピーダンスを測定するためのユニット(図示せず)を含む。このユニットはミリメートルモジュール22の一部であり得る。
【0053】
効果的な治療のためには、モジュール22を介して装置10によって送信される波の周波数は3~300ギガヘルツであり得る。しかし、開示される装置の周波数は、好ましくは30~120ギガヘルツで異なり、好ましい周波数は60ギガヘルツ周辺、特に61.25ギガヘルツ周辺である。
【0054】
モジュール22および装置10の設計のためには、各コンポーネントの誘電特性、たとえばその誘電率、導電率および損失正接を考慮に入れなければならなかった。65nm CMOSタイプASICトランジスタの公称動作範囲の外でのシミュレーションおよび試験が実施され、以下に開示されるミリメートル波治療の遂行に関してコンポーネントの寿命を疑問視しない。
【0055】
次に、患者における疼痛治療の遂行を開示する。
【0056】
この治療は、波を患者の皮膚の区域に向けて送信することを意図する。送信は概して、1日1回~2回、1回30分間継続する。好ましくは30~120ギガヘルツの周波数が所定である。周波数はおそらく送信中に変化することがあり、電力束密度もまた、概して5~35mW/cm2で変化し得るが、この範囲よりも低いことあるし、高いこともある。いうまでもなく、任意の他のタイプの治療、特に、より長い送信および/またはより頻繁な送信による治療が可能である。
【0057】
第一の態様において、波は、腕時計の形態の装置10に組み込まれたモジュール22によって手首、すなわち神経支配が強い区域に向けて送信され、既知の経穴である、
図4において参照した経穴PC6に配置され得る。事実、経穴への波の送信が痛みの治療において特に効果的であることが示されている。加えて、特に神経支配が強い区域に関して非常に良好な結果が達成されている。事実、皮膚の下に位置する神経終末の刺激は、「全身性応答」と呼ばれる一連の生理学的作用を誘発し、この作用が他方で、痛みの減少の原因である内因性オピオイド(エンケファリンを含む)の合成を誘発する。したがって、神経終末の密度が高い区域で起こる送波が多ければ多いほど、治療はより効果的になる可能性が高い。PC6は、同時に、神経終末が多い区域に位置する経穴でもある。したがって、この区域に向けて波を送信する装置が最大の関心対象である。
【0058】
さらには、このオピオイド合成の増加と関連する、文献に記載されている他の潜在的恩恵、たとえば心拍数およびストレスの低下、睡眠の改善または多幸効果が知られている。したがって、そのような恩恵を装置10から導き出すことができる。
【0059】
波の周波数、持続時間および電力は装置10のモジュール20によってパラメータ化されることができる。
図1に示すように、それは、任意の電気通信ネットワーク、たとえばBluetoothまたはWi-Fiタイプリンク18によってそれと通信することができる端末、たとえばコンピュータ12によって事前にプログラムされることができる。コンピュータ12は、本発明とのリンクを有するプロセスを遂行するプログラム16ならびに本発明の遂行を可能にする様々なデータ、特に患者1によって入力されたデータおよび装置10によって得られたデータが記録されているデータベース14を含む。
【0060】
加えて、インピーダンス検出ユニットを使用して皮膚のインピーダンスを測定することにより、インピーダンス検出ユニットは、患者の皮膚の特徴的なデータを制御モジュール20に転送する。そして、モジュール22によって送信された波のパラメータを、プログラム16のおかげで制御ユニット20を介して自動的に、または患者もしくは別のユーザによって手動的に、変更することができる。したがって、装置10は患者の皮膚に適合する。換言するならば、生成される電磁場は皮膚の特徴によって制御される。また、皮膚検出器44によって皮膚と装置との間で測定される距離に基づいて変更されることもできる。装置は、送信される波のパラメータ、たとえば電力、周波数および送信の持続時間を適合させるように働くことができる、患者から直に得られる他のデータを測定し、処理する他のユニットを含み得る。
【0061】
送信モジュールの他の態様が
図24~29に示されている。これらの態様は、ASICおよびアンテナの数が前記態様とは異なる。したがって、
図24のモジュールは8つのASICを含む。加えて、1つまたは複数の放射要素がASICに対応し得る。したがって、モジュール320は、ASIC1つあたり放射要素2つの割合で、8つの放射要素のための4つのASICを含む。最後に、モジュール420は6つのASICおよび6つの放射要素を含む。
【0062】
さらに、送信モジュールはまた、たとえば患者によって体の別の部分に装着されるための別の装置に組み込まれてもよい。したがって、
図19は、足首に配置された制御および送信モジュールを含む第二の態様の装置100を示し、
図20は、ふくらはぎに配置された第三の態様のそのような装置1000を示す。したがって、これら第二および第三の態様において、波は、本質的に皮膚の標的区域に適合するための、装置10とは異なる装置により、患者の体の他の区域に送信される。すべての場合において、モジュールの小型化は、装置を軽くし、かさを減らすことを可能にして、装置が装着しやすく、過度な負担にならないようにする。
【0063】
この送信モジュール内で変更が可能である。たとえば、アンテナアレイの構造が異なり、「マイクロリボン」タイプ供給ラインまたは同軸プローブを示してもよい。アンテナは長いスロットアンテナであってもよい。
【0064】
制御モジュールはまた、電磁波送信モジュールに組み込まれてもよい。
【0065】
したがって、すべてが、表面1平方センチメートルあたり少なくとも0.5ミリワットの表面電力密度と、3~120ギガヘルツの周波数値とを有する電磁波の送信を、同時に少なくとも2.5平方センチメートルの表面上、連続的に、または表面のいくつかの別々の部分で分散的に許す、いくつかの態様および遂行モードが示された。
【0066】
任意の疼痛治療とは別に、送波モジュールは、おそらく制御モジュールとともに、特に小型化され、したがって軽量であるため、他の目的、たとえば睡眠の改善のために波を送信する場合にも関心対象であり得る。その結果、ミリメートル波を表面または任意の方向に送出する必要があるとき、任意の装置に組み込まれることができる。
【0067】
さらに、送信モジュールもしくは制御モジュールおよび/またはこれらのモジュールを組み込む装置は、端末、たとえばコンピュータから遠隔制御されてもよいし、モバイル端末から遠隔制御されてもよい。たとえば、疼痛治療プログラムを含むモバイルアプリケーションがモバイル端末に保存されて、患者が、自らの治療、たとえば送波の電力、周波数、持続時間およびタイミングを自らプログラムする、または患者の担当医もしくは医療アシスタントがこれらのパラメータを遠隔プログラムするようにしてもよい。この場合、端末は、端末のユーザが装置を構成することを許す1つまたは複数のインタフェースを示すソフトウェアを含む。本発明の遂行を可能にするプログラムは、電気通信ネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0068】
送信モジュールおよびそれを含む装置はまた、患者のストレスを減らす、または幸福感をもたらすために使用され得るということが付け加えられ得る。
【0069】
当然の結果として、患者によって知覚される、解決されるべき問題の改善のプログラムの枠組み内で電磁波の送信の使用を考えることができる。プログラムは、曝露パラメータ(周波数、電力など)の進展とともに一連の管理下での治療の使用における確約からなり得る。発見セッションと、それに続く、患者の感覚および知覚された効果の電力に適合されたセッションとを考えることができる。後続のセッションはまた、前記効果の測定に基づいて(センサがその測定を許すならば)適合されることもできる。最後に、治療セッションは、ユーザによってプログラムを通して発動されることもできるし、センサがその必要性を推し量ることを許すならば、自動的に発動されることもできる。
【0070】
当然、発明の範囲を逸脱することなく、発明に対していくつかの変更を加え得る。