(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】可食紐の製造方法、可食ベルトの製造方法、可食シートの製造方法及び可食網の製造方法並びに可食紐及び可食網
(51)【国際特許分類】
A23L 19/00 20160101AFI20231012BHJP
【FI】
A23L19/00 A
(21)【出願番号】P 2021542895
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(86)【国際出願番号】 JP2020031859
(87)【国際公開番号】W WO2021039726
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2019152581
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519274769
【氏名又は名称】株式会社MET
(74)【代理人】
【識別番号】100124017
【氏名又は名称】大野 晃秀
(72)【発明者】
【氏名】間藤 卓
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-072381(JP,U)
【文献】特開2016-220560(JP,A)
【文献】特開昭60-203149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウリ科の植物を細長く分け、細長物を得る工程と、
前記細長物からなるシートを形成する工程と、
前記シートに対して切込み孔を形成する工程と、
前記シートの切込みの伸びる方向と交差する方向から、前記シートを両側に引っ張る工程とを含む、可食網の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人または動物が食べることが可能な可食体の製造方法および可食体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウリ科の植物のかんぴょうを粉状にし、その粉を食品に利用する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ウリ科の植物を利用した新規な可食紐の製造方法、可食ベルトの製造方法、可食シートの製造方法及び可食網の製造方法並びに可食紐及び可食網を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の可食紐の製造方法は、
ウリ科の植物を細長く分け、細長物を得る工程(A-1)と、
前記細長物を撚る工程(A-2)と、を含む。
【0006】
可食ベルトの製造方法は、
ウリ科の植物を糸状に細片化し、細長物を得る工程(B-1)と、
前記細長物からベルトを得る工程(B-2)と、を含む。
【0007】
本発明において、前記工程(B-2)で得られたベルトを複数用意し、複数のベルトを編む工程(B-3)を含むことができる。
【0008】
本発明の可食網の製造方法は、
ウリ科の植物を細長く分け、細長物を得る工程と、
前記細長物からなるシートを形成する工程と、
前記シートに対して切込み孔を形成する工程と、
前記シートの切込みの伸びる方向と交差する方向から、前記シートを両側に引っ張る工程とを含む。
【0009】
本発明の可食紐は、ウリ科の植物の細長物を撚って得られたものである。
【0010】
本発明の可食網は、ウリ科の植物の細長物を含んで構成されるシートに切込みを入れ、当該シートを延ばして得られたものである。
【0011】
可食体とは、人または動物が食べることができるものをいう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態に係る可食シートを模式的に示す平面図である。
【
図2】実施の形態に係る可食網の製造方法を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
1.可食紐の製造方法
本実施の形態に係る可食紐の製造方法は、ウリ科の植物を細長く分け、細長物を得る工程(A-1)と、細長物を撚る工程(A-2)と、を含む。
【0014】
2.可食ベルトおよび可食シートの製造方法
本実施の形態に係る可食ベルトの製造方法は、ウリ科の植物を糸状に細片化し、細長物を得る工程(B-1)と、細長物からベルトを得る工程(B-2)と、を含む。
【0015】
本実施の形態に係る可食シートの製造方法は、工程(B-2)で得られたベルトを複数用意し、複数のベルトを編む工程(B-3)を含む。これにより、
図1に示すような可食シートを得ることができる。
【0016】
3.可食網の製造方法
実施の形態に係る可食網の製造方法は、ウリ科の植物を細長く分け、細長物を得る工程と、細長物からなるシートを形成する工程と、シートに対して切込み孔を形成する工程と、シートの切込みの伸びる方向と交差する方向から、シートを両側に引っ張る工程とを含む。具体的には、
図2(A)に示すように可食シート12に切込み22aを入れ、
図2(B)に示すように切込み22aが伸びる方向に対して垂直方向に伸ばし孔22bを設ける。これにより、切込み22aが孔22bとして開いた可食網20を得ることができる。
【0017】
4.ウリ科の植物について
ウリ科の植物としては、ゆうがお、かんぴょう、へちま、ひょうたんを挙げることができる。特に、ウリ科の植物を乾燥して得られるものを用いて細片化または糸状にして、可食紐、可食ベルト、可食シートまたは可食網を製造することが好ましい。
【0018】
5.かんぴょうを利用した具体例について
(1)可食性の紐状物
かんぴょうを細く裂くことで、長い紐状物を作り、それを編むことにより、より長い、強度のある、紐状の食べることができる素材を作ることができる。自由な太さに調整可能である。
【0019】
(2)可食性の編み物
かんぴょうを細く裂いて紐状にした後、それを網目の形状が三角形、四角形、六角形などになるように網状に編むことで、食べられる袋を作ることができる。この袋の中に、散逸しやすい食材をいれて、加熱したり、晒したり調理をすることが可能となり、これまでにない料理を提供することができる。
【0020】
ミックスベジタブル状の細かい食材を入れた、比較的目の細かい小さな袋を作れば、食べる際も中の食材ごと食べられる料理が作れる。
【0021】
(3)揚げ物
かんぴょうの紐状物または網状物を油で上げて、塩、砂糖、そのた調味料をふりかけてチップスとすることもできる。
【0022】
(4)缶詰入りかんぴょう
紐状のかんぴょうを缶詰に入れ、調味料を含む液体にて味付けをしてもよい。長い紐状のかんぴょうを同心円状に巻いて入れてもよい。かんぴょうは味付け済みとすることもでき、同心円状に巻いてかんぴょうを入れるという発想がないことから、形状的に面白いものである。蓋を開けたときに、想定外の形状であることから、予想とはギャップを感じ、楽しさを提供できる。また、適当な長さに切断して、料理に簡単に用いることができる。
【0023】
本実施の形態は、本発明の範囲内において種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 可食ベルト
12 可食シート
20 可食網
22a 切込み
22b 孔