(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】査定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20231012BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
(21)【出願番号】P 2022112075
(22)【出願日】2022-07-12
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2021170519
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519337499
【氏名又は名称】株式会社じゃんぱら
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 直純
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520453(JP,A)
【文献】特開2020-021162(JP,A)
【文献】特表2020-526847(JP,A)
【文献】特開2020-126379(JP,A)
【文献】特開2019-105888(JP,A)
【文献】特表2013-531823(JP,A)
【文献】特開2006-195814(JP,A)
【文献】特開2006-127308(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0132840(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムであって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取手段と、
読み取ったコードを認証する認証手段と、
物品の買取額を査定する査定手段と
を備え、
認証手段によるコードの認証を条件として、査定手段による物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであ
り、
認証手段が、読み取ったコードから得られる情報に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報が含まれることに基づいて、コードの認証をする、
査定システム。
【請求項2】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムであって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取手段と、
読み取ったコードを認証する認証手段と、
物品の買取額を査定する査定手段と
を備え、
認証手段によるコードの認証を条件として、査定手段による物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであり、
コード読取手段が、紙面に印刷されたコード、又は、売却希望者が操作する端末に表示されたコードを読み取る、査定システム。
【請求項3】
物品と査定装置とを電磁的に接続することで、物品に関する物品情報を取得する物品情報取得手段と
を備え、
査定手段が、取得した物品情報をもとに、物品の買取額を査定するものであり、
認証手段によるコードの認証を条件として、物品情報取得手段による物品情報の取得が可能となる、請求項1又は2に記載の査定システム。
【請求項4】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであり、
認証ステップが、読み取ったコードから得られる情報に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報が含まれることに基づいて、コードの認証をする、
査定方法。
【請求項5】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであり、
コード読取ステップが、紙面に印刷されたコード、又は、売却希望者が操作する端末に表示されたコードを読み取る、
査定方法。
【請求項6】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであって、所定のデータに変換可能なように処理されたデータである、
査定方法。
【請求項7】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコード(身分証明書に表示されたコードを除く)を認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものである、
査定方法。
【請求項8】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであって、個人情報を含まないものである、
査定方法。
【請求項9】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであって、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであることを示す情報に変換可能なように処理されたデータである、
査定方法。
【請求項10】
少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、
物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、
読み取ったコードを認証する認証ステップと、
物品の買取額を査定する査定ステップと
を有し、
認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、
コードが、売却希望者が操作する端末から、売却希望者の本人確認書類に関するデータを、少なくとも1のコンピュータ装置を備える本人確認システムに送信し、該本人確認書類に関するデータに基づいて売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものである、
査定方法。
【請求項11】
少なくとも1のコンピュータ装置を備える本人確認システムと、少なくとも1の査定装置を備える査定システムとを備えるシステムであって、
本人確認システムが、
物品の売却を希望する売却希望者が操作する端末から、売却希望者の本人確認書類に関するデータを受信する受信手段と、
該本人確認書類に関するデータに基づいて売却希望者の本人確認を実行することに応じて、コードを発行するコード発行手段と
を備え、
査定システムが、
売却希望者が所有する前記コードを読み取るコード読取手段と、
読み取ったコードを認証する認証手段と、
物品の買取額を査定する査定手段と
を備え、
認証手段によるコードの認証を条件として、査定手段による物品の買取額の査定が可能となる、システム。
【請求項12】
コード発行手段が、コードから得られる情報に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報が含まれるようにコードを発行するものであり、
認証手段が、読み取ったコードから得られる情報に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報が含まれることに基づいて、コードの認証をする、
請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、査定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品の売却を希望する者の端末で必要情報を入力して売却を希望する物品を査定者へと送付するプロセスを介して物品の買取ができる物品買取サービスが提供されている。例えば、ユーザが物品の譲渡を確定したとき、物品譲渡用アプリケーションソフトウェア上のユーザのウォレットに買取金額情報を直接送信する物品買取システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの従来の物品買取システムでは、売却者から送付された物品の査定は、有人で行われている。そのため、従来の物品買取システムにおいては、有人で査定を行うために発生する人件費を相殺する分だけ物品の査金額を低く設定せざるを得なかった。
【0004】
また、上記の物品買取システムは、売却者が物品を送付して買取を依頼するものであるが、即日で物品を売却することを希望する希望人が実際に店舗に行って物品の買取を依頼する場合であっても、個人情報の提示や、有人で査定を行うことによる課題は存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的の一つは、物品の売却において売却を希望する希望者が個人情報を確認できる身分証明書などを対面で提示しなくとも物品の査定ができるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1の査定装置を備える査定システムであって、物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取手段と、読み取ったコードを認証する認証手段と、物品の買取額を査定する査定手段とを備え、認証手段によるコードの認証を条件として、査定手段による物品の買取額の査定が可能となり、コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものである、査定システム;
[2]コードが、所定のデータに変換可能なように処理されたデータである、前記[1]に記載の査定システム;
[3]コードが、身分証明書に表示されたコードを除く、前記[1]又は[2]に記載の査定システム;
[4]コードが、個人情報を含まないものである、前記[1]~[3]のいずれかに記載の査定システム;
[5]コードが、売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものであることを示す情報に変換可能なように処理されたデータである、前記[1]~[4]のいずれかに記載の査定システム;
[6]コードが、売却希望者が操作する端末から、売却希望者の本人確認書類に関するデータを、少なくとも1のコンピュータ装置を備える本人確認システムに送信し、該本人確認書類に関するデータに基づいて売却希望者の本人確認の手続きが実行されることにより発行されたものである、前記[1]~[5]のいずれかに記載の査定システム;
[7]物品と査定装置とを電磁的に接続することで、物品に関する物品情報を取得する物品情報取得手段とを備え、査定手段が、取得した物品情報をもとに、物品の買取額を査定するものであり、認証手段によるコードの認証を条件として、物品情報取得手段による物品情報の取得が可能となる、前記[1]~[6]のいずれかに記載の査定システム;
[8]コード読取手段が、紙面に印刷されたコード、又は、売却希望者の操作する端末に表示されたコードを読み取る、前記[1]~[7]のいずれかに記載の査定システム;
[9]少なくとも1の査定装置を備える査定システムであって、物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを受け付けるコード受付手段と、受け付けたコードを認証する認証手段と、物品の買取額を査定する査定手段とを備え、認証手段によるコードの認証を条件として、査定手段による物品の買取額の査定が可能となる、査定システム;
[10]コードが、売却希望者が本人であることを証明することが可能な情報である、前記[1]~[9]のいずれかに記載の査定システム;
[11]少なくとも1の査定装置を備える査定システムであって、物品と査定装置とを電磁的に接続することで、物品に関する物品情報を取得する物品情報取得手段と、取得した物品情報をもとに、物品の買取額を査定する査定手段とを備え、査定手段が、予め定められた物品情報と査定額との対応関係にしたがって査定した場合における査定額よりも、大きな額となるように物品の買取額を査定する、査定システム;
[12]売却希望者からの売却の意思を示す情報を受け付ける受付手段と、売却の意思を示す情報を受けると、買取額を受け取るための情報を売却希望者に通知する通知手段とを備える、前記[1]~[11]のいずれかに記載の査定システム;
[13]少なくとも1の査定装置を備える物品収容システムであって、物品を収容する物品収容手段と収容された物品が所定の数又は量まで収容されると、所定の端末へ、物品が収容されたことを示す情報を通知する通知手段とを備える、物品収容システム;
[14]物品が収容されたことを示す情報が、査定装置の設置された店舗名、又は、査定装置に収容された物品の数量を含む、前記[13]に記載の物品収容システム:
[15]少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、物品の売却を希望する売却希望者が所有するコードを読み取るコード読取ステップと、読み取ったコードを認証する認証ステップと、物品の買取額を査定する査定ステップとを有し、認証ステップによるコードの認証を条件として、査定ステップによる物品の買取額の査定が可能となり、コードが、売却希望者の本人確認手続きが実行されることにより発行されたものである、査定方法;
[16]少なくとも1の査定装置を備える査定システムにおいて実行される査定方法であって、物品と査定装置とを電磁的に接続することで、物品に関する物品情報を取得する物品情報取得ステップと、取得した物品情報をもとに、物品の買取額を査定する査定ステップとを備え、査定ステップが、予め定められた物品情報と査定額との対応関係にしたがって査定した場合における査定額よりも、大きな額となるように物品の買取額を査定する、査定方法;
[17]少なくとも1の査定装置を備える物品収容システムにおいて実行される物品収容方法であって、物品を収容する物品収容ステップと、収容された物品が所定の数又は量まで収容されると、所定の端末へ、物品が収容されたことを示す情報を通知する通知ステップとを備える、物品収容方法;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上述の発明が解決しようとする課題のうち、少なくとも一以上を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる査定システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる査定装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかるコード発行処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる物品買取処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる査定処理のフローチャートを示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる物品集荷処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0011】
本発明の実施の形態において、査定システムを利用した買取対象となる物品は、特に限定されない。例えば、買取対象となる物品には、スマートフォン、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータ、タブレット型端末、従来型の携帯電話などのデジタル端末や、冷蔵庫、ゲーム機、デジタルカメラ、DVDレコーダーなどのデジタル家電など、本発明の実施の形態における査定装置と電磁的に接続することができる製品が含まれる。買取対象となる物品は、食品類や文房具類など電磁的に接続できない製品であってもよい。
【0012】
(査定システム)
図1は、本発明の実施の形態にかかる査定システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、査定システムは、ユーザ端末1と、サーバ装置2と、査定装置3と、通信ネットワーク4とから構成されている。ユーザにより操作されるユーザ端末1は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2及び査定装置3と通信接続が可能である。
【0013】
ユーザ端末1は、物品の売却を希望する売却希望者が査定システムに対する操作を行なう端末であり、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されないが、ユーザが携帯できるものであることが好ましい。例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、ノート型のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態にかかるユーザ端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、グラフィックス処理部14、通信インタフェース15、インタフェース部16からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0015】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、ユーザ端末1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィックス処理部14に出力する。
【0016】
グラフィックス処理部14は表示部18に接続されている。表示部18は表示画面19を有している。制御部11が描画命令をグラフィックス処理部14に出力すると、グラフィックス処理部14は、表示画面19上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部18はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この表示部18のタッチパネルが入力部として機能する。
【0017】
通信インタフェース15は無線又は有線により通信ネットワーク4に接続が可能であり、通信ネットワーク4を介して、サーバ装置2とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース15を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。インタフェース部16には外部メモリ17(例えば、SDカード等)が接続されている。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0019】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、ユーザ端末1から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0020】
図4は、本発明の実施の形態にかかる査定装置の構成を示すブロック図である。査定装置3は、コード受付部40と物品情報取得部41を少なくとも備える。
【0021】
コード受付部40は、コード読取手段として、売却希望者が所有するコードを読み取り、受け付ける機能を有する。コードとは、例えば、一次元コードや二次元コードである。コード受付部40は、これらのコードを読み取り可能なコードリーダーを備え、コードリーダーでコードを読み取ることでコードを受け付ける。
【0022】
物品情報取得部41は、物品と査定装置3とを電磁的に接続して物品の物品情報を取得する機能を有する。電磁的に接続とは、例えば、Wi-Fiや、Bluetooth(登録商標)などの無線LANによる無線通信や、USBケーブルなどを用いた有線接続が挙げられる。査定装置3は、物品との無線と有線のいずれか又は両方による接続が可能であることが好ましい。物品の物品情報については後述する。
【0023】
以下、本実施の形態にかかる査定システムを利用した物品の買取処理について
図5及び
図6を参照し説明する。以下では、買取対象となる物品がスマートフォンである場合を例に、物品の売却を希望する売却希望者が、査定システムに対する操作を行なうユーザ端末1として端末(以下、「操作用端末」という)と、操作用端末とは別の売却用の端末(以下、「売却用端末」という)を所持していると想定し、売却用端末を、査定装置3の設置された店舗において売却し、代金を受け取る場合について説明をする。
【0024】
図5は、本実施の形態にかかるコード発行処理のフローチャートを示す図である。物品の売却を希望する売却希望者(ユーザ)は、査定システムを利用するに先立って、個人情報の登録が可能な本人確認システムに、操作用端末の表示部18に備えられた入力部であるタッチパネルを介して個人情報を登録する。登録する個人情報には、少なくとも古物営業法の定める非対面取引における本人確認の方法に必要とされる事項である、ユーザの氏名、住居(住所又は居所)及び生年月日が含まれる。個人情報としては、その他、個人情報保護法に規定される、その他特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号を含んでもよい。ここで本人確認システムは、サーバ装置2を備え、サーバ装置2により本人確認処理を実行するものであってもよく、サーバ装置2とは異なるサーバ装置を備え、このサーバ装置2とは異なるサーバ装置により本人確認処理を実行するものであってもよい。本査定システムを運営する運営者とは異なる事業者が、本人確認システムを管理していてもよい。入力された情報は、サーバ装置2で処理、記憶を実行する。または、ユーザ端末1に本人確認システムの専用アプリケーションをインストールし、サーバ装置2とは異なるサーバ装置にてサーバ装置2と連携して、処理と記憶を実行させる。
【0025】
上記サーバ装置2とは異なるサーバ装置は、例えば、サーバ装置2と同様の構成を有する。すなわち、サーバ装置2とは異なるサーバ装置は、制御部、RAM、ストレージ部及び通信インタフェースを少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0026】
サーバ装置2とは異なるサーバ装置の制御部は、CPUやROMから構成され、ストレージ部に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2とは異なるサーバ装置の制御を行う。また、サーバ装置2とは異なるサーバ装置の制御部は時間を計時する内部タイマを備えている。サーバ装置2とは異なるサーバ装置のRAMは、制御部のワークエリアである。また、サーバ装置2とは異なるサーバ装置のストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。サーバ装置2とは異なるサーバ装置の制御部は、プログラム及びデータをRAMから読み出し、ユーザ端末から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0027】
(コード発行処理)
まず、ユーザは、操作用端末であるユーザ端末1にて、本人確認システムを起動して、ログインし、会員ページから本人確認手続きの利用申し込みを行う(ステップS1)。コード発行処理において、本人確認手続きとは、買取処理の前に、本人確認書類をもとに、利用申込み者が売却希望者本人であることに間違いがないことを確認する手続きをいう。本人確認手続きの利用を申し込むと、操作用端末であるユーザ端末1の表示画面19に、ユーザの個人情報の確認のための本人確認データを送信するように要求する表示がなされる(ステップS2)。ユーザは、ユーザ端末1から本人確認データをサーバ装置に送信する(ステップS3)。
【0028】
本人確認データは、少なくとも古物営業法の定める非対面取引における本人確認の方法に必要とされるデータを含む。すなわち、本人確認データは、写真付き本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、特別永住者証明書、パスポート、及び住民基本台帳カードなどの身分証明書のいずれかであって写真付きのもの)の画像データと容貌の画像データ(売却希望者の顔を撮影した画像データ)、又は、ICチップ付き本人確認書類のIC情報のデータと容貌の画像データ(売却希望者の顔を撮影した画像データ)である。
【0029】
また、本人確認書類に写真が含まれない場合、本人確認データとしては、本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、特別永住者証明書、パスポート、健康保険証、及び住民基本台帳カードなどの身分証明書のいずれか)の画像データ又はICチップ付き本人確認書類のIC情報のデータと、銀行又はクレジットカード情報との照合データ、既存銀行口座への振込データ、若しくは公共料金の領収証書データとすることができる。
【0030】
上記本人確認書類に関するデータは、本人確認書類に記載された内容と、本人確認書類の厚みやパスポートのホログラムなどその他の特徴とがわかるものであって、本人確認時に本人確認書類の原本を撮影した画像データ、又は画像データをPDF形式化したデータが含まれる。また、本人確認書類は、上記例示に限られず、銀行の口座開設時に認められる、在留カードや、療育手帳などの顔写真付きの公的書類を写真付き本人確認書類として用いてもよく、国民年金手帳や児童扶養手当証書などの顔写真のない公的書類を本人確認書類に写真が含まれない場合の本人確認書類として用いてもよい。
【0031】
サーバ装置は、送信された本人確認データを受信する(ステップS4)。サーバ装置は、送信された本人確認データと、予めユーザが登録した個人情報とを照合して、本人確認データに基づいて売却希望者が本人であると認証可能かを判定する(ステップS5)。認証が可であれば、サーバ装置は、コードを発行し(ステップS6)、操作用端末へと送信する(ステップS7)。
【0032】
コードの種類としては、バーコードなどの一次元コードやQRコード(登録商標)などの二次元コードなどが挙げられる。ユーザ端末1にて、操作用端末にて送信されたコードを受信し(ステップS8)、コード発行処理のプロセスを終了する。
【0033】
なお、ステップS6にてコードを発行する場合、例えば、サーバ装置のストレージ部のデータテーブルには、例えば、利用申込み者の氏名とコード発行日時とを関連付けて記憶することができる。ステップS6にて発行されるコードは、これら利用申込者の氏名などの個人情報、コード発行日時、及び/又は、本人確認データに基づいて売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報をエンコードすることにより生成されるものとすることができる。また、ステップS6にて発行されるコードとして、個人情報やコード発行日時を用いずに、本人確認データに基づいて売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報をエンコードすることにより生成されるものを採用してもよい。コードとしては、1次元コード又は2次元コードがあげられる。
【0034】
前記コードは、所定の形式のデータに変換可能なように処理されたデータ、つまり、デコードにより元のデータに戻せるようにエンコードされたデータである。査定装置3にて読み取られたコードは、査定装置3にてデコードされる。デコードされたデータは、査定装置3からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2にて、デコードされたデータを受信し、サーバ装置2にて、読み取られたコード或いはデコードされたデータが、売却希望者の本人確認が実行されたことの認証を行うことができる。
【0035】
本人確認データに基づいて売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報として、例えば、特定の文字列や、特定のルールにしたがって生成される文字列があげられる。サーバ装置2における認証の際に、デコードされたデータに、これらの特定の文字列、又は、特定のルールにしたがって生成される文字列に関するデータが含まれる場合に、売却希望者の本人確認が実行されたことの認証を行うことができる。
【0036】
なお、サーバ装置2における認証は、本人確認システムにおけるサーバ装置と通信をし、本人確認システムにおけるサーバ装置のデータテーブルを参照することにより実行されることとしてもよい。サーバ装置2と、本人確認システムにおけるサーバ装置が同一である場合は、売却希望者の本人確認が実行されたことの認証は、サーバ装置2において、サーバ装置2のデータテーブルを参照することにより実行される。なお、データテーブルに格納される個人情報やコード発行日時などの情報は、本人確認システムにおけるサーバ装置からサーバ装置2に事前に送信しておき、サーバ装置2にて本人確認システムにおけるサーバ装置と通信接続することなく、データテーブルの参照を行うこともできる。
【0037】
例えば、査定装置3にてデコードされたデータに、利用申込者の氏名などの個人情報やコード発行日時などの情報が含まれるような場合に、これらの個人情報やコード発行日時などの情報が、本人確認システムにおけるサーバ装置のデータテーブルに記憶された個人情報やコード発行日時などの情報と一致するか否かの判定が実行される。デコードされたデータに含まれる個人情報、コード発行日時などの情報と、データテーブルに記憶された個人情報、コード発行日時などの情報が一致する場合に、認証可能とすることができる。
【0038】
コードは、身分証明書に表示されたコードを除くものであることが好ましい。また、コードは、個人情報を含まないものであることが好ましい。個人情報を含まないコードを用いることにより、売却希望者は、個人情報が利用することなく、査定を開始することができる。また、コードは、運転免許証などの身分証明書を含まない概念である。
【0039】
図5におけるコード発行処理のステップS1~S8は、ユーザが操作用端末であるユーザ端末1にて、査定装置3の設置された店舗内にて行ってもよいし、自宅や他の場所でおこなってもよい。また、これらのステップは、操作用端末以外の自宅PCなどで実行して、ユーザが予めコードを操作用端末に表示できるように取得した状態や、コードを紙面に印刷して査定装置3の設置された店舗に出向いてもよい。以降のステップは、査定装置3の設置された店舗においてユーザがおこなう。
【0040】
物品買取処理に先立って、ユーザの会員ページには、物品買取にかかる利用規約、売却希望者が売却のために準備すべき準備事項、売却物品の価格表、売却行為に係る同意事項などのうち1以上が表示され、ユーザはそれらを閲覧する。同意事項に同意すると、査定システムの利用申し込み情報を本人確認システムへと送信するというような同意のためのステップを含んでもよい。
【0041】
図6は、本発明の実施の形態にかかる物品買取処理のフローチャートを示す図である。査定装置3は、査定装置3自体に備えられた表示画面、又は外付けの表示画面を備え、表示画面に操作を開始するか否かのメッセージを表示し、操作の開始が選択されると、ユーザに対してコードを提示するように要求する(ステップS11)。コードの提示の要求は、査定装置3の表示画面に「コードを提示してください」という案内を表示する、音声によるによる案内を再生する方法があげられる。また、査定装置3が照明を備えており、コードを読み取るまで待機していることがわかるように照明を点滅させてもよい。
【0042】
ユーザは、ユーザ端末1の表示画面19に、コード発行処理において受信し、所有するコードを表示し、表示されたコードを査定装置3のコード受付部40へ提示する(ステップS12)。なお、ステップS12では、コード受付部40が、紙面に印刷されたコードを読み取るようにしてもよい。査定装置3は、提示されたコードをコード受付部40で読み取ることでコードを受け付け(ステップS13)、受け付けたコード又は受け付けたコードをデコードした情報をサーバ装置2へ送信する(ステップS14)。
【0043】
サーバ装置2が、送信されたコード又は受け付けたコードをデコードした情報を受信すると(ステップS15)、ストレージ部23に格納されたコード認証プログラムが開始され、受信したコード又はデコードした情報が認証可能かを判定する(ステップS16)。例えば、査定装置3で読み取られたコードがサーバ装置2に送信され、サーバ装置2が送信されたコードを受信すると、読み取られたコードがデコードされて、サーバ装置2にてコードの認証がなされる。サーバ装置2では、上で述べたように、デコードされて得られた情報に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことを示す情報が存在する場合に、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことの認証を行うことができる。また、この他、サーバ装置2が、本人確認システムにおけるサーバ装置のデータテーブルを参照し、デコードされて得られた情報と、データテーブルに記憶された情報とが一致することによって、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことの認証を行うことができる。受信したコード又はデコードした情報をもとに、本人確認の手続きが実行されたことの認証がされれば(ステップS16にて、Yes)、その結果を査定装置3へと送信する(ステップS17)。
【0044】
査定装置3は、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことの認証がなされたことを受信すると(ステップS18)、ユーザに売却する物品の接続を要求する(ステップS19)。接続の要求は、査定装置3の表示画面に「物品を接続してください」という案内を表示させたり、音声による案内を再生するなどである。このように、査定システムにおいて、コードが認証されることを条件として、物品の査定処理を行うことで、有人による本人確認を行わなくとも、本人確認を確実にした古物取引が可能となる。
【0045】
ステップS19における接続要求を受けると、ユーザは、物品の接続要求に応じて、売却する物品を査定装置3へと接続する(ステップS20)。「物品を査定装置3に接続する」とは、査定装置3に物品を配置するスペースが設けられており、そのスペースに備えられたUSBケーブルとケーブルの端子に物品の受付端子とを有線接続したり、査定装置3に物品を配置するスペースが設けられており、そのスペースに物品を置くと、物品と査定装置3とが無線接続されて無線通信が開始することをいう。査定装置3に設けられる物品を配置するスペースとは、例えば、天面又は側面が解放可能なボックスである。ユーザは、解放された天面又は側面から物品を投入し、ボックス内に物品を配置することで、査定装置3へ物品を接続する。
【0046】
ステップS16において、コードの認証がされない場合は(ステップS16にて、No)、コードの認証ができなかったという結果が査定装置3へ通知され(ステップS21)、物品買取処理のプロセスを終了する。または、コードの認証ができなかったという結果が査定装置3へ通知されると、査定装置3がユーザにコードの再提示を要求して、コードの認証が可能となるまで、ステップS11~ステップS16を繰り返してもよい。再提示の要求としては、上述のコードの提示の要求のように、査定装置3やユーザ端末1の表示画面への表示や音声で案内することができる。
【0047】
物品が接続されると、物品情報取得部41にて査定装置3と物品とが電磁的に接続され、査定装置3は、物品に関する所定の物品情報を取得する(ステップS22)。
【0048】
物品情報は、スマートフォンなどの個体識別番号や電化製品の機器固有番号に基づく、物品の機種の情報、型番や品番、製造年月日などの物品を特定するための情報の少なくとも1以上の情報である。また、物品情報には、物品を構成する部品の情報や、バッテリーの情報など、物品を構成する部品の状態の情報を含めてもよい。なお、ステップS19において物品の接続がされているにもかかわらず、電磁的に接続されていることが検知できない場合は、物品の電磁的な接続の機能が損なわれていることを物品情報とする。
【0049】
物品情報には、物品の表面の損傷やへこみ傷の程度などの外観情報を含めてもよい。物品の外観情報を取得するために、査定装置3の物品を配置するスペース内部や、査定装置3に外付けのカメラを備えてもよい。外観情報は、カメラで撮像された画像により取得する。
【0050】
次に、査定装置3は、取得した物品情報をサーバ装置2に送信する(ステップS23)。サーバ装置2は、査定装置3から送信された物品情報を受信する(ステップS24)。受信した物品情報はサーバ装置2のストレージ部23に記憶される。このように引き取った物品情報を自動で所定のストレージ部に記憶させておくことで、引き取った物品を再販売する場合にデータの管理を簡易化することができる。サーバ装置2は、受信した物品情報に基づいて物品の査定をする(ステップS25)。
【0051】
ステップS14~S16では、査定装置3からサーバ装置2へ受け付けたコード又は受け付けたコードをデコードした情報を送信し、サーバ装置2にて、コードの認証(つまり、売却希望者の本人確認の手続きが実行されたことの認証)を行っているが、査定装置3にて、上で説明したのと同様の処理にてコードの認証を行うこともできる。
【0052】
(物品査定処理)
上記物品買取処理中の物品の査定処理(つまりステップS25における処理)について
図7を参照し、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態にかかる物品査定処理のフローチャートを示す図である。
【0053】
サーバ装置2は、査定装置3から受信した物品情報をもとに、物品の機種や型番を特定する(ステップS41)。物品の機種及び型番を特定すると、サーバ装置2は、ストレージ部23に記憶された査定用データテーブルを参照し、基本となる査定額を決定する(ステップS42)。査定用データテーブルには、予め定められた物品情報と査定額との対応関係が記憶されている。具体的には、物品のメーカー名、型番、製造年月、純正部品情報に対応付けて、査定額が記憶される。型番とは、型名、モデル名、機種名、品番など物品を特定できる情報のことをいう。例えば、サーバ装置2は物品情報からユーザの売却用スマートフォンの機種名と製造年月を特定し、査定用データテーブルを参照して、これらの情報に対応付けられた査定額を決定する。なお、査定用データテーブルの査定額は適宜更新することができる。査定システムを運営する運営者が操作する運営者端末を操作して、サーバ装置2にアクセスをし、査定額を適宜更新することができる。このため、物品の相場に応じた査定額を記憶させることができる。
【0054】
次に、サーバ装置2は、物品情報に含まれる物品を構成する部品の状態の情報に基づき、物品を構成する部品が純正部品であるかどうかを判定し、仮買取額を決定する(ステップS43)。例えば、ステップS43において、物品を構成する部品が純正部品である判定されると、記憶された査定額を維持し仮買取額として確定し、純正部品でないと判定されると、記憶された査定額から所定の額を減額した額を仮買取額として決定し、査定処理のプログラムを終了する。
【0055】
なお、ステップS43において、仮買取額には、さらに、物品の外観情報を査定に含めてもよい。すなわち、サーバ装置2のストレージ部23に、外観の損傷度合いを所定の区分けとし、区分けごとに、所定の減額分の金額を記憶したデータテーブルを記憶しておき、外観情報に基づいて、仮買取額に減額分の金額を反映させてもよい。外観の損傷度合いは、取得された外観情報を基に、公知の方法により傷の深さや長さを特定したり、外観情報の撮像された画像をもとにAI(人工知能)により特定することができる。
【0056】
図6の物品買取処理のフローチャートの説明に戻る。サーバ装置2は、査定を完了すると、査定結果を査定装置3に送信する(ステップS26)。査定装置3は、送信された査定結果を受信し(ステップS27)、査定結果と売却の意思を確認する表示を、査定装置3の表示画面に表示する(ステップS28)。「査定結果」とは、例えば、物品の買取額のみであってもよく、買取額となった情報、例えば、純正部品が用いられて異なことによる減額分や、外観情報に基づく減額分などを合わせて表示してもよい。また、「売却の意思を確認する表示」とは、「売却しますか?」の表示とともに「はい」「いいえ」の二択を表示したり、「売却します」「売却しません」の二択を表示して、いずれかをユーザに選択させることでユーザの意思を確認するものである。
【0057】
査定装置3にて、ユーザによる売却の意思を示す情報の入力を受け付けると(ステップS29)、査定装置3は物品の収容要求を表示画面に表示する(ステップS30)。物品の収容要求とは、例えば、表示画面に、「物品を所定のスペースに配置してください」と表示することでおこなう。ステップS29において、ユーザによる売却の意思を示す情報の入力の受け付けがない場合は、物品買取処理のプログラムを終了する。
【0058】
次に、査定装置3は、配置された物品を収容する(ステップS31)。物品を収容するとは、査定装置3の物品を配置するスペースの解放可能な天面又は側面をシャッターなどで物理的に遮断したり、物品を査定装置3がさらに、物品を配置するスペースの底面に連続可能に備えた物品引取り用のスペースを備え、物品を配置するスペースの底面が傾くことで、物品引取り用のスペースと連続して物品を物品引取り用スペースへと移動させることをいう。その他、ユーザが査定装置3の所定の物品引取り用スペースへ物品を配置したり、査定装置3とは別の、複数の物品引取り用スペースを有するロッカーの1つに物品を配置し、ロッカーの扉が占められると自動的に施錠することでも物品を収容することができる。
【0059】
物品を収容する際に、査定時に電磁的方法によって接続された物品と、実際に収容される物品とのすり替えを防止するために、以下の態様を採用することができる。すなわち、査定装置3は、ステップS22において、物品情報取得部41にて物品とを電磁的に接続することで物品に関する所定の物品情報を取得する際に、物品情報として、物品が製造された際に物品に固有に登録されている番号である物品固有IDを取得するようにしておく。取得した物品固有IDは、査定装置3又はサーバ装置2にて記憶する。ステップS31において物品を収容するときに、再び、物品と査定装置3とを電磁的方法によって接続し、収容する物品の物品固有IDを取得して、記憶された物品固有IDと照合する。
【0060】
照合した物品固有IDが収容時と一致する場合は、物品の収容を完了し、後述の送金ステップへとすすむ。照合した物品固有IDが収容時と一致しない場合は、査定装置3の表示画面に、物品固有IDが一致しないことを表示し、直ちに買取処理を終了する案内をしたり、物品固有IDが一致する物品を収容させるために、査定した物品と同一の物品を査定装置3の所定のスペースに配置するように案内を表示し、物品が配置されると、再度物品固有IDの照合ステップを実行する。
【0061】
また、物品を収容する際に、査定装置3と物品とが有線により接続されている場合は、査定装置3やユーザ端末1の表示画面に、有線接続を解除するように表示して、ユーザに有線接続を解除させる。査定装置3は有線接続が解除されたことを確認した後に、所定の物品引取り用スペースへ物品を配置する。
【0062】
次いで、査定装置3は、サーバ装置2にユーザによる売却の意思を示す情報の入力を受け付けた情報と、物品を収容したことに関する情報とを送信する(ステップS32)。サーバ装置2は、これらの情報を受信すると(ステップS33)、ストレージ部に記憶された送金管理プログラムを起動し、ユーザに買取額をユーザである売却希望者が受け取るための所定の情報をユーザ端末1に送信して、ユーザ端末1にて受信すると(ステップS34及びステップS35)、処理を終了する。ユーザによる、買取額の送金受け取り処理については後述する。
【0063】
(買取額の受け取り処理)
以下、ユーザによる買取額の送金受け取り処理について説明する。ステップS35において、ユーザ端末1が買取額を受け取るための所定の情報の通知を受領すると、サーバ装置2の送金管理プログラムは、買取額の送金受け取り用URLを発行し、査定システムの売却希望者の会員ページにて提示したり、発行した送金受け取り用URLをメールに記載または添付して、売却希望者であるユーザのユーザ端末1に通知する。ユーザは、送金受け取り用URLを用いて、買取額の送金を受け取る。受け取り方法としては、買取額の銀行振り込み、銀行ATMでの受け取り、又は、コンビニエンスストアに設置されたATMでの受け取りなどが挙げられる。上記においては、送金管理プログラムはサーバ装置2にて実行する例を示したが、公知のサーバ装置外部の送金サービスを利用するものであってもよい。
【0064】
(加算処理)
本実施の形態の査定システムにおいて、査定額に所定の金額を加算する態様としてもよい。例えば、査定装置3において物品情報を取得している間に、サーバ装置2の制御部21を介して、査定装置3の表示画面に、所定の数値やマークの記載されたルーレットが回る様子や、じゃんけんをする様子を表示させる。ルーレットが停止した際に表示される数値やマーク、じゃんけんの勝敗結果に応じて、サーバ装置2は、予め定められた物品情報と査定額の対応関係にしたがって査定した場合における査定額に、所定の金額を加算した金額を買取額として、ステップS26における査定結果を査定装置3に送信する。
【0065】
ルーレットが停止した際に表示される数値やマーク、じゃんけんの勝敗は、サーバ装置2の制御部21において乱数を発生させ、乱数に基づいてランダムに決定する。または、サーバ装置2のストレージ部23には、ルーレットの数値やマーク、じゃんけんの勝敗に、所定の金額を対応付けて記憶しておき、結果に基づいた加算分の所定の金額を決定する。なお、所定の金額には、予め定められた物品情報と査定額の対応関係にしたがって査定した場合における査定額よりも大きな額に限らず、ゼロ円の場合も含まれる。
【0066】
加算処理を含む態様によると、ユーザは、売却しようとする物品の市場価値以上の金額で売却をすることができうるので、当該システムを再度利用したり、他者へのプロモーションをする動機付けとなることが考えられる。その結果、本実施の形態の査定システムの利用を促進することができる。
【0067】
(物品集荷処理)
本実施の形態の査定システムにおいては、査定装置3により無人での査定と、物品を収容が可能であるが、収容した物品が物品引取り用スペースに集積すると、新たな物品の収容が不可となる場合がある。したがって、物品引取り用スペースに収容された物品を集荷することが必要となる。
【0068】
以下では、査定装置3にて収容された物品の集荷処理について詳述する。
図8は、本発明の実施の形態にかかる物品集荷処理のフローチャートを示す図である。査定装置3は、ユーザからの物品を売却する意思を示す情報を受け付けて、査定装置3の所定の物品引取り用スペースに収容された売却物品が所定の数又は量まで収容されたか否かを検知する(ステップS50)。
【0069】
収容された売却物品が所定の数又は量まで収容されたか否かの検知は、収容された物品数を査定装置3又はサーバ装置2のストレージ部にて記憶し、所定の数にまで数字が増えたかどうかを制御部によって判定する方法があげられる。また、物品引取り用スペースに赤外線センサやカメラなどのセンサを備え、これらのセンサによって物品全体のスペースに対する収容割合が所定の割合になったかどうかを判定する方法があげられる。その他、物品引取り用スペースに重量を測定する重量計を備え、所定の重量であるかを判定する方法があげられる。また、複数の物品引取り用スペースを有するロッカーに物品を配置して物品を収容する場合は、施錠されたロッカーの数が所定の数字まで増えたかを判定する方法が挙げられる。例えば、10個のスペースを有するロッカーについて、8個の扉が施錠されると、所定の数まで収容されたと判定するなどである。
【0070】
所定の物品引取り用スペースに収容された売却物品が所定の数又は量まで収容されたと検知すると(ステップS50)、査定装置3は、サーバ装置2を介して所定の端末に所定の内容を通知し(ステップS51)、処理を終了する。所定の端末とは、査定装置3を設置している店舗や、査定システムの運営者や、収容した物品を集荷する配送企業の有する端末などである。通知される所定の内容は、売却物品が所定の数又は量まで収容された査定装置3の設置された店舗名や、実際に収容された数量などである。通知を受けた配送企業は、査定装置3が配置された店舗において、収容された物品を集荷し、査定装置3による査定システムを運営する運営企業、事業団体へ配送する。
【0071】
所定の物品引取り用スペースに収容された売却物品が所定の数又は量まで収容されたと検知されない場合は、所定の数又は量まで収容されたと検知されるまで検知ステップを継続する。検知は、所定の時間間隔や所定の時間に実施すればよい。
【0072】
上記本発明の実施の形態において、ユーザの会員ページへの本人の個人情報および本人確認データは、サーバ装置2に記憶することで、本人確認システムに登録しておく態様としてもよい。このように個人情報を登録しておくことで、所定の期間においては、会員ページへのログイン操作だけで、本人確認の認証を可能としてもよい。このような態様とすることで、ユーザにとって個人情報の本人確認情報を何度も提出する手間がなくなるので利便性がある。
【0073】
上記本実施の形態において、査定装置3が物品情報を取得する物品情報取得手段を1つ備えた態様を説明したが、1の査定装置3に複数の物品情報取得手段を備えるように構成してもよい。具体的には、査定装置3に、物品情報を取得するUSBケーブルを複数備え、同時に複数の物品について物品情報を取得するようにしてもよい。
【0074】
本発明の実施の形態によれば、査定システムは、本人確認をコードによる認証により実施するので、古物回収における本人確認のプロセスを無人で実施することができる。
【0075】
本発明の実施の形態によれば、査定システムは、物品と査定装置とを電磁的に接続して物品の物品情報を取得する手段を備えるので、売却する物品の情報の集荷を機械処理とすることができる。また、取得した物品情報により査定を行うので、データに基づいた査定が可能となる。さらに、取得した物品情報により装置において査定を行うので、査定処理のプロセスを無人で実施することができる。
【0076】
本発明の実施の形態によれば、物品の買取及び査定を無人化することができるので、買取及び査定にかかる人件費を削減することができる。この削減分を、査定システムにおける所定の金額を加算する手段によって、査定額の上昇という形で売却希望者へ還元することができる。
【0077】
また、本発明の実施の形態によれば、売却の意思を示す情報を受けると、買取額を売却希望者が受け取るための所定の情報を売却希望者へと通知する手段を備えるので、買取額の送金プロセスを、ユーザの操作により行うことができ、査定システムを運営する企業側は、物品の受付、査定、送金の一連の物品買取処理を無人で実施することができる。
【0078】
本実施の形態の査定システムによれば、査定装置3が物品収容スペースを備えるので、ユーザが、売却することが決定した物品を郵送などで買取企業に送付する手間を省略することができる。また、査定装置3において査定が決定すると、買取額を直ちにユーザ端末1で受領できるように、買取額を売却希望者が受け取るための所定の情報を売却希望者へと通知するので、無人であっても、リアルタイムに物品の査定と売却とを行うことができる。
【0079】
本実施の形態によれば、売却された物品を収容する物品収容手段と収容された物品が所定の数又は量まで収容されたことを、所定の端末へ通知するので、査定システムの実施者は、物品の収容の上限に至るまえに、物品の集荷を手配することができる。その結果、査定システムを実施する効率及び利便性が向上する。
【0080】
本実施の形態によれば、物品買取処理における人力による店頭業務の省略化が実現される。従来は、人の手で物品の傷の有無を1つずつ確認していたため、売却希望者が査定者へと査定金額を上げるように交渉をするケースがあった。時には、人間同士のやり取りのためにトラブルに発展するケースもあり、古物買い取り業務における業務の非効率化につながっていた。本実施の形態によれば、査定処理はすべて機械が自動的に行うため、取得したデータに基づいて査定額が決定するので、店頭業務の効率化が実現される。
【符号の説明】
【0081】
1 ユーザ端末、2 サーバ装置、3 査定装置、4 通信ネットワーク、
11 制御部、12 RAM、13 ストレージ部、
14 グラフィックス処理部、15 通信インタフェース、
16 インタフェース部、17 外部メモリ、18 表示部、
19 表示画面、21 制御部、22 RAM、23 ストレージ部、
24 通信インタフェース、40 コード受付部、41 物品情報取得部