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特許7365103営農支援システム、位置情報生成方法、コンピュータプログラムおよび処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】営農支援システム、位置情報生成方法、コンピュータプログラムおよび処理装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20231012BHJP
   A01D 85/00 20060101ALI20231012BHJP
   A01F 15/08 20060101ALI20231012BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20231012BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20231012BHJP
【FI】
A01B69/00 303F
A01D85/00
A01F15/08 R
A01B69/00 303Z
A01B69/00 301
A01B69/00 303M
G05D1/02 N
G06Q50/02
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020215365
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101030
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 博和
(72)【発明者】
【氏名】西田 康博
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183072(JP,A)
【文献】特開2019-118273(JP,A)
【文献】特開2018-185593(JP,A)
【文献】特開2018-185594(JP,A)
【文献】特開2017-046656(JP,A)
【文献】特開2018-055179(JP,A)
【文献】特開2017-212941(JP,A)
【文献】特開2019-016010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0118918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
A01D 85/00
A01F 15/08
G05D 1/02
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
地理座標系における前記レーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得し、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得し、
記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、形成された前記スワースの位置を示す地理座標と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置を示す地理座標とを関係付けた第1スワース情報を生成する、営農支援システム。
【請求項2】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
地理座標系における前記レーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記処理装置は、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得し、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得し、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成し、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項3】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
地理座標系における前記レーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記処理装置は、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得し、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得し、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記営農支援システムは、圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成し、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項4】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
前記レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備え、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記レーキ作業機の前記基準位置と前記基準点の位置との関係を示す第1情報を取得し、
前記レーキ作業機情報および前記第1情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、形成された前記スワースの位置を示す地理座標と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置を示す地理座標とを関係付けた第1スワース情報を生成する、営農支援システム。
【請求項5】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
前記レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記レーキ作業機の前記基準位置と前記基準点の位置との関係を示す第1情報を取得し、
前記レーキ作業機情報および前記第1情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成し、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項6】
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
前記レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記レーキ作業機の前記基準位置と前記基準点の位置との関係を示す第1情報を取得し、
前記レーキ作業機情報および前記第1情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記営農支援システムは、圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成し、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項7】
作業車両に設けられる第1測位装置と、
前記作業車両に連結されるレーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備え、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記基準点と前記作業車両の基準位置との関係を示す第2情報と、前記作業車両の前記基準位置と前記レーキ作業機の前記基準位置との関係を示す第3情報とを取得し、
前記レーキ作業機情報、前記第2情報および前記第3情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、形成された前記スワースの位置を示す地理座標と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置を示す地理座標とを関係付けた第1スワース情報を生成する、営農支援システム。
【請求項8】
作業車両に設けられる第1測位装置と、
前記作業車両に連結されるレーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記基準点と前記作業車両の基準位置との関係を示す第2情報と、前記作業車両の前記基準位置と前記レーキ作業機の前記基準位置との関係を示す第3情報とを取得し、
前記レーキ作業機情報、前記第2情報および前記第3情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成し、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項9】
作業車両に設けられる第1測位装置と、
前記作業車両に連結されるレーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得する処理装置と、
を備えた営農支援システムであって、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記基準点と前記作業車両の基準位置との関係を示す第2情報と、前記作業車両の前記基準位置と前記レーキ作業機の前記基準位置との関係を示す第3情報とを取得し、
前記レーキ作業機情報、前記第2情報および前記第3情報に基づいて、前記第1位置関係を示す前記第1位置関係情報を取得し、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得し、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成し、
前記営農支援システムは、圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成し、
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成し、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する、営農支援システム。
【請求項10】
前記処理装置は、前記スワース位置情報と圃場の地図情報とを関連付けたスワース地図情報を生成し、
前記スワース地図情報に基づいて、前記スワースの位置を示す圃場の地図を表示装置に表示する、請求項1から9のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項11】
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機に記憶されており、前記レーキ作業機から前記レーキ作業機に連結された前記作業車両に送出され、
前記処理装置は、前記作業車両から前記レーキ作業機情報を取得する、請求項1から10のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項12】
前記レーキ作業機の複数のモデルのレーキ作業機情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記レーキ作業機から前記レーキ作業機に連結された前記作業車両に、前記レーキ作業機のモデルを示すモデル情報が送出され、
前記処理装置は、
前記作業車両から前記モデル情報を取得し、
前記モデル情報が示すモデルに対応したレーキ作業機情報を前記記憶装置から取得する、請求項1から11のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項13】
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成する、請求項1、4、7のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項14】
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に設けられた第2測位装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得する、請求項1、4、7のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項15】
前記第2測位装置は、前記作業車両に設けられており、
前記第1測位装置と前記第2測位装置とは同一の測位装置である、請求項2、3、5、6、8、9、14のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項16】
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成する、請求項2、5、8のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項17】
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成し、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する、請求項14に記載の営農支援システム。
【請求項18】
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成し、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する、請求項16に記載の営農支援システム。
【請求項19】
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報は、前記ベールの成形開始時刻および成形終了時刻に関する情報を含み、
前記処理装置は、
前記成形開始時刻に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置を決定し、
前記成形終了時刻に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置に基づいて、前記ベールの前記成形終了位置を決定する、請求項17または18に記載の営農支援システム。
【請求項20】
前記処理装置は、前記スワース位置情報に基づいて、ベールを成形するベーラの走行経路を設定する、請求項1から19のいずれかに記載の営農支援システム。
【請求項21】
前記処理装置は、前記スワース位置情報に基づいて、形成された前記スワースの幅方向の中心位置を通るラインを、前記ベーラの走行経路に設定する、請求項20に記載の営農支援システム。
【請求項22】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する位置情報生成方法であって、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記位置情報生成方法は、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を実行し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記位置情報生成方法は、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成すること、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成すること、
を実行する、位置情報生成方法。
【請求項23】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記コンピュータプログラムは、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を前記コンピュータに実行させ、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記コンピュータプログラムは、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成すること、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成すること、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項24】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの動作を制御するコンピュータプログラムを記憶する記憶装置と、
を備え、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を実行し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成すること、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成すること、
を実行する、処理装置。
【請求項25】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する位置情報生成方法であって、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記位置情報生成方法は、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を実行し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記位置情報生成方法は、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を取得すること、
前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成すること、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成すること、
を実行する、位置情報生成方法。
【請求項26】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記コンピュータプログラムは、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を前記コンピュータに実行させ、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記コンピュータプログラムは、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を取得すること、
前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成すること、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成すること、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項27】
作業車両に連結されるレーキ作業機が形成するスワースの位置を示すスワース位置情報を生成する処理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの動作を制御するコンピュータプログラムを記憶する記憶装置と、
を備え、
前記作業車両および前記レーキ作業機の一方に第1測位装置が設けられており、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って、
前記作業車両のモデルを特定可能な固有情報を含む作業車両情報、前記レーキ作業機のモデルを特定可能な固有情報を含むレーキ作業機情報を取得すること、
予め生成された第1位置関係情報であって、互いに連結された前記作業車両情報が示す前記作業車両および前記レーキ作業機情報が示す前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成する前記スワースとの間の第1位置関係を示す第1位置関係情報を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係情報とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示す前記スワース位置情報を生成すること、
を実行し、
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に第2測位装置が設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って、
前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を示す第2位置関係情報を取得すること、
前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成すること、
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を取得すること、
前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成すること、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得すること、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係情報に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定すること、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成すること、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成すること、
を実行する、処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、営農支援システム、位置情報生成方法、コンピュータプログラムおよび処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代農業として、ICT(Information and Communication Technology)およびIoT(Internet of Things)を活用したスマート農業の研究開発が進められている。圃場に関する情報をクラウド上で一元管理し、クラウド上のデータを活用して農業を支援する営農支援システムの研究開発も進められている。営農支援システムを利用することによって、例えば、圃場管理、作業計画、作業記録、作業進捗の管理、作業車両の走行経路の決定などの農作業に必要な作業全般を効率的に行うことが可能となる。
【0003】
家畜の飼料などに用いられる牧草は、一般に圃場で栽培され、刈り取られて収穫される(例えば、特許文献1参照)。牧草の収穫作業においては、まず、モア(草刈機)が接続されたトラクタが圃場内を走行し、モアにより圃場に生える牧草が切断される。次に、テッダー(拡散装置)が接続されたトラクタが圃場内を走行し、切断された牧草はテッダーにより撹拌および拡散される。牧草が撹拌および拡散されることにより、牧草の乾燥が促進される。
【0004】
次に、レーキ作業機(集草装置)が接続されたトラクタが圃場内を走行し、レーキ作業機は牧草を集めてスワース(集草列)を形成する。その後、ベーラ(成形装置)が接続されたトラクタが圃場内を走行する。ベーラは、スワースに含まれる牧草をベーラ内に収集し、収集した牧草から所定の形状のベールを成形する。ベールは牧草の塊であり、例えば円柱状または直方体の形状を有する。ベールを成形することにより、収穫した牧草の圃場からの運び出しが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-004729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圃場内の牧草の管理を行う営農支援システムでは、圃場内のスワースの位置に関する情報を取得し活用することが求められる。
【0007】
本開示の実施形態は、圃場内のスワースの位置を示す位置情報を生成することが可能な営農支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の例示的な実施形態による営農支援システムは、作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、前記レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を取得する処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態によれば、作業車両およびレーキ作業機とともに移動するローカル座標系(移動体座標系)における基準点とスワースとの間の位置関係(ジオメトリ)を取得し、取得した位置関係と測位装置が検出した地理座標系における位置とに基づいて、形成されたスワースの地理座標系における位置を示すスワース位置情報を生成する。ローカル座標系における基準点とスワースとの間の位置関係が分かることで、測位装置を用いて、形成されたスワースの地理座標系における位置を示すスワース位置情報を生成することができる。形成されたスワースの地理座標系における位置が分かることで、スワースの位置を「可視化」でき、ベールの成形作業のための走行経路の設定を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のある実施形態に係る営農支援システムの構成例を示す模式図である。
図2】本開示のある実施形態に係るトラクタおよびレーキ作業機を模式的に示す側面図である。
図3】本開示のある実施形態に係るトラクタおよびレーキ作業機を模式的に示す平面図である。
図4】本開示のある実施形態に係るトラクタおよびベーラを模式的に示す側面図である。
図5】本開示のある実施形態に係るトラクタおよびベーラを模式的に示す平面図である。
図6】本開示のある実施形態に係る営農支援システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図7】本開示のある実施形態に係るトラクタ、レーキ作業機およびベーラのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8】本開示のある実施形態に係るスワースの位置情報を生成する処理の例を示すフローチャートである。
図9】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースとの間の位置関係を示す図である。
図10】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースの位置との間の位置関係を示す第1位置関係情報の例を示す図である。
図11】本開示のある実施形態に係る方位角情報、基準点位置情報、スワース位置情報の例を示す図である。
図12】本開示のある実施形態に係る2本のスワースを併せて形成した1本のスワースを示す図である。
図13】本開示のある実施形態に係るスワースの位置を示す圃場の地図を表示する表示装置を示す図である。
図14】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースとの間の位置関係を取得する別の方法を示す図である。
図15】本開示のある実施形態に係る作業車両情報およびレーキ作業機情報の例を示す図である。
図16】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースとの間の位置関係を取得するさらに別の方法を示す図である。
図17】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における二つの基準位置の間の位置関係を示す情報である基準位置間補正値の例を示す図である。
図18】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースとの間の位置関係を取得するさらに別の方法を示す図である。
図19】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点と基準位置との間の位置関係を示す情報である基準位置補正値の例を示す図である。
図20】本開示のある実施形態に係るスワースの幅方向における端部の地理座標および中心部の地理座標の例を示す図である。
図21】本開示のある実施形態に係るレーキ作業機が牧草を集める範囲を示す図である。
図22】本開示のある実施形態に係る牧草範囲情報を含むレーキ作業機情報の例を示す図である。
図23】本開示のある実施形態に係る第1スワース情報の例を示す図である。
図24】本開示のある実施形態に係るレーキ作業機のモデルごとの牧草範囲情報の例を示す図である。
図25】本開示のある実施形態に係る牧草情報の例を示す図である。
図26】本開示のある実施形態に係る圃場の地図および牧草情報を表示する表示装置を示す図である。
図27】本開示のある実施形態に係る第2スワース情報の例を示す図である。
図28】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースの位置S1との間の位置関係を示す図である。
図29】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とスワースの位置との間の位置関係を示す第1位置関係情報の例を示す図である。
図30】本開示のある実施形態に係る二つの集草機を備えるレーキ作業機が牧草を集める範囲を示す図である。
図31】本開示のある実施形態に係る牧草範囲情報を含むレーキ作業機情報の例を示す図である。
図32】本開示のある実施形態に係るトラクタおよびベーラの走行経路の例を示す図である。
図33】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点とベーラが牧草を取り入れる位置との間の位置関係を示す図である。
図34】本開示のある実施形態に係るローカル座標系における基準点と基準位置との間の位置関係を示す第2位置関係情報の例を示す図である。
図35】本開示のある実施形態に係るベールの識別情報、ベールの成形の開始時刻および終了時刻を示す時刻情報、およびベール位置情報を示す図である。
図36】本開示のある実施形態に係る第1ベール情報の例を示す図である。
図37】本開示のある実施形態に係る第2ベール情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似の機能を有する構成要素については、同じ参照符号を付している。
【0012】
以下の実施形態は例示であり、本開示による営農支援システムは、以下の実施形態に限定されない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、技術的に矛盾が生じない限りにおいて、一の態様と他の態様とを組み合わせることが可能である。
【0013】
(営農支援システム)
図1は、本実施形態に係る営農支援システム10の構成例を示す模式図である。営農支援システム10は、牧草に関する農作業を支援するための種々の機能を有する。営農支援システム10は、実質的に、コンピュータシステムとして実現される。営農支援システム10では、サーバコンピュータ100(以下、「サーバ100」と表記する)、1台以上のユーザ端末装置200、1台以上のトラクタなどの作業車両300が、ネットワーク20を介して互いに通信可能に接続され得る。ネットワーク20は例えばインターネットであるが、それに限定されない。ネットワーク20に接続されるユーザ端末装置200および作業車両300の台数は任意である。図1では、ラップトップPCおよびタブレットコンピュータなどの2台のユーザ端末装置200、および1台の作業車両300がネットワーク20に接続される例を示しているが、それに限定されない。以下では、作業車両300がトラクタである場合の例を説明し、作業車両300をトラクタ300と称する。
【0014】
本実施形態の営農支援システム10では、圃場で栽培される牧草に関する管理を行うことができる。上述したように、圃場に生える牧草の収穫作業においては、モアを用いた牧草の切断、テッダーを用いた牧草の撹拌および拡散、レーキ作業機を用いたスワースの形成、ベーラを用いたベールの成形が行われ得る。モアによる牧草の切断、テッダーによる牧草の撹拌および拡散は従来の方法を用いて行うことが可能であり、本明細書中ではそれらの詳細な説明は省略する。本実施形態の営農支援システム10では、レーキ作業機を用いて圃場内に形成したスワースの位置を示す位置情報を生成する。まず、トラクタおよびレーキ作業機について説明する。
【0015】
(トラクタおよびレーキ作業機)
図2は、トラクタ300およびレーキ作業機400を模式的に示す側面図である。図3は、トラクタ300およびレーキ作業機400を模式的に示す平面図である。本実施形態における前後、左右、上下とは、作業車両の運転席にユーザがステアリングホイールに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。なお、本開示における作業車両は、ユーザが乗車して運転する作業車両に限定されない。無人で自動走行するトラクタのような作業車両では、運転席およびステアリングホイールは必ずしも不可欠ではない。そのような作業車両における「前」および「後」は、それぞれ、操舵の中立方向として定義される方向における「前進の向き」および「後進の向き」を意味する。そして、「上」および「下」は、それぞれ、鉛直方向における「上の向き」および「下の向き」を意味する。「左」および「右」は、それぞれ、作業車両を上空から見た平面視において、作業車両の幾何学的中心を通り、かつ「前後」の方向に延びる直線を基準として、「左の向き」および「右の向き」を意味する。
【0016】
トラクタ300は、車両本体301と、原動機(エンジン)302と、変速装置(トランスミッション)303とを備える。車両本体301には、一対の前輪304F、一対の後輪304R、およびキャビン305が設けられている。キャビン305の内部には、操舵装置306、運転席307、および操作装置340が設けられている。キャビン305の上部におけるルーフ309には、測位装置350が設けられている。測位装置350は、地理座標系におけるトラクタ300の位置(後述する「基準点」の地理座標)を検出することができる。トラクタ300は、前輪304Fおよび後輪304Rの代わりにクローラを備えていてもよい。また、前輪304Fおよび後輪304Rの一方がクローラであってもよい。
【0017】
原動機302は、例えばディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジンに代えて電動モータが使用されてもよい。変速装置303は、変速によってトラクタ300の推進力および移動速度を変化させることができる。変速装置303は、トラクタ300の前進と後進とを切り換えることもできる。
【0018】
操舵装置306は、ステアリングホイールと、ステアリングホイールに接続された操舵軸と、ステアリングホイールによる操舵を補助するパワーステアリング装置とを含む。前輪304Fは操舵輪であり、その操舵角を変化させることにより、トラクタ300の走行方向を変化させることができる。前輪304Fの操舵角は、ステアリングホイールを操作することによって変化させることができる。パワーステアリング装置は、前輪304Fの操舵角を変化させるための補助力を供給する油圧装置または電動モータを含む。自動走行または自動操舵が行われるときには、トラクタ300内に配置された電子制御ユニット(ECU)からの制御により、油圧装置または電動モータの力によって操舵角が自動で調整され得る。
【0019】
車両本体301の後部には、連結装置308が設けられている。連結装置308は、例えば3点ヒッチ(3点リンクとも称する)、PTO(Power Take Off)軸およびユニバーサルジョイントを備える。連結装置308によって作業機(Implement)をトラクタ300に着脱することができる。図2および図3に示す例では、作業機はレーキ作業機400である。レーキ作業機400は、圃場内の牧草を集めてスワースを形成する。
【0020】
PTO軸およびユニバーサルジョイントを介してトラクタ300からレーキ作業機400に動力を伝達することができる。レーキ作業機400が3点ヒッチに装着されている場合、例えば油圧装置によって3点ヒッチを昇降させ、レーキ作業機400の位置または姿勢を制御することができる。レーキ作業機400は、トラクタ300に引かれて移動し、スワースを形成する。
【0021】
レーキ作業機400は、トラクタ300の連結装置308に連結するフレーム401と、集草機402と、一対の車輪409とを備える。集草機402は、フレーム401に取り付けられた本体403と、本体403に回転自在に支持された回転軸404と、回転軸404に接続された複数のタインアーム405と、車輪419とを備える。複数のタインアーム405のそれぞれには複数のタイン406が設けられている。タイン406は、例えば、先端が二叉に分かれた部材である。トラクタ300のPTO軸の回転は、フレーム401に支持された駆動軸を介して回転軸404に伝達され、これによって回転軸404が回転する。回転軸404の回転に伴って複数のタインアーム405が回転し、タイン406によって牧草が集められる。
【0022】
図3に示す例では、集草機402の左側に、集草機402と所定の間隔を空けてスクリーン408が配置されている。スクリーン408は、フレーム401から延びる支持アーム407によって支持されている。レーキ作業機400を上方から見た平面視において、集草機402の複数のタインアーム405は左回転しながら牧草を集める。スクリーン408は集草機402が集めた牧草を受け止め、集草機402とスクリーン408との間にスワースが形成される。
【0023】
レーキ作業機400は、上述した構造に限定されず、牧草を集めてスワースを形成する装置であればよい。例えば、レーキ作業機400は、集草機402を二つ以上備えていてもよい。集草機402は、回転軸404が前後左右方向に広がる平面に概ね平行に延びるロータリー型の装置であってもよいし、回転するベルトまたはチェーンに複数のタイン406を取付けたベルト/チェーン型の装置であってもよいし、その他の方式の装置であってもよい。
【0024】
(ベーラ)
次に、ベーラについて説明する。
【0025】
図4は、トラクタ300およびベーラ500を模式的に示す側面図である。図5は、トラクタ300およびベーラ500を模式的に示す平面図である。ベーラ500は、トラクタ300によって牽引されてスワースに含まれる牧草を収集し、収集した牧草を所定の形状に成形してベールを形成することができる。ベーラ500の例は、ロールベーラ、ホールクロップ、およびヘイベーラを含む。図4および図5では、ベーラ500としてロールベーラを例示している。
【0026】
ベーラ500は、トラクタ300の連結装置308に連結する車体502と、車体502に支持された取入部510とを備える。車体502には車輪504が設けられている。取入部510は、牧草を前方(トラクタ300側)から取り入れる装置であり、前方が開放されたケーシング511と、ケーシング511に支持された回転軸513と、回転軸513に固定された案内具512とを備える。案内具512が回転することにより圃場内の牧草をケーシング511内へ取り入れることができる。
【0027】
ベーラ500は、車体502に支持された収容部520と、収容部520内に配置された成形部530とをさらに備える。収容部520は、取入部510が取り入れた牧草を収容する。収容部520は、車体502に固定された第1ケース521と、第1ケース521に対して揺動自在な第2ケース522とを有している。第1ケース521と取入部510とは連通していて、収容部520内には、取入部510が取り入れた牧草が収容される。
【0028】
成形部530は、収容部520内に取り入れられた牧草を成形する。成形部530は、例えば、複数の回転ローラによってロール状のベール50を成形する。成形部530は、チェーンを用いて牧草をロール状に成形するチェーン式の装置であってもよいし、ベルトを用いて牧草をロール形状にするベルト式の装置であってもよいし、その他の方式の装置であってもよい。
【0029】
第1ケース521に対して第2ケース522を上方に揺動させると、第1ケース521と第2ケース522との間に排出口506が形成される。成形部530が成形したベール50は、排出口506から外部に排出される。
【0030】
なお、トラクタ300の連結装置308は、車両本体301の前方に設けられていてもよい。その場合、トラクタ300の前方にレーキ作業機およびベーラ等の作業機が接続される。
【0031】
次に、営農支援システム10のハードウェア構成例を説明する。図6は、営農支援システム10のハードウェア構成例を示すブロック図である。図7は、トラクタ300、レーキ作業機400およびベーラ500のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0032】
(サーバ)
サーバ100は、例えばクラウドサーバまたはエッジサーバなどの、トラクタ300から離れた場所に設置されたコンピュータであり得る。サーバ100は、処理装置110と、記憶装置120と、通信インタフェース(IF)130とを備える。サーバ100は、圃場に関する情報を一元管理し、管理するデータを活用して農業を支援するクラウドサーバとして機能する。
【0033】
処理装置110は、プロセッサ111と、ROM(Read Only Memory)112およびRAM(Random Access Memory)113などの記録媒体とを備える。ROM112には、プロセッサ111に処理を実行させるためのコンピュータプログラム(またはファームウェア)が実装され得る。コンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリまたは光ディスク等)または電気通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ100に提供され得る。そのようなコンピュータプログラムが、商用ソフトウェアとして販売されてもよい。
【0034】
プロセッサ111は、半導体集積回路であり、例えば中央演算処理装置(CPU)を含む。プロセッサ111は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラによって実現され得る。プロセッサ111は、各種処理を実行するための命令群を記述した、ROM112に格納されるコンピュータプログラムを逐次実行し、所望の処理を実現する。
【0035】
プロセッサ111は、CPUを搭載したFPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、または、これら回路の中から選択される二つ以上の回路の組み合わせであってもよい。
【0036】
ROM112は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、または読み出し専用のメモリである。ROM112は、プロセッサ111の動作を制御するコンピュータプログラムを記憶している。ROM112は、単一の記録媒体である必要はなく、複数の記録媒体の集合体であってもよい。複数の記録媒体の集合体の一部は取り外し可能なメモリであってもよい。
【0037】
RAM113は、ROM112に格納されたコンピュータプログラムをブート時に一旦展開するための作業領域を提供する。RAM113は、単一の記録媒体である必要はなく、複数の記録媒体の集合であってもよい。
【0038】
記憶装置120は、主としてデータベースのストレージとして機能する。記憶装置120の例はクラウドストレージである。記憶装置120は、例えば磁気記憶装置、光学記憶装置、半導体記憶装置またはそれらの組み合わせである。光学記憶装置の例は、光ディスクドライブまたは光磁気ディスク(MD)ドライブなどである。磁気記憶装置の例は、ハードディスクドライブ(HDD)である。半導体記憶装置の例は、ソリッドステートドライブ(SSD)である。記憶装置120は、サーバ100にネットワークを介して接続された外部の記憶装置であってもよい。記憶装置120は、後述する圃場の地図情報、レーキ作業機に関するレーキ作業機情報、スワースの位置を示す位置情報等の各種情報を記憶し得る。
【0039】
通信IF130は、ネットワーク20を介してユーザ端末装置200およびトラクタ300と通信するための通信モジュールである。通信IF130は、有線通信および/または無線通信を行うことができる。通信IF130は、例えば、USB、IEEE1394(登録商標)、またはイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠した有線通信を行うことができる。通信IF130は、例えば、Bluetooth(登録商標)規格および/またはWi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うことができる。いずれの規格も、2.4GHz帯または5.0GHz帯の周波数を利用した無線通信規格を含む。通信IF130は、携帯電話回線または人工衛星を経由する回線を利用した無線通信を行ってもよい。
【0040】
(ユーザ端末装置)
ユーザ端末装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、スマートフォン、またはPDA(Personal digital assistant)である。図1では、ユーザ端末装置200の例として、ラップトップPCおよびタブレットコンピュータが示されている。
【0041】
図6に例示するように、ユーザ端末装置200は、処理装置210、記憶装置220、通信IF230、入力装置240および表示装置250を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。
【0042】
処理装置210は、プロセッサ211、ROM212およびRAM213を備える。プロセッサ211、ROM212、RAM213および記憶装置220の詳細は、サーバ100のプロセッサ111、ROM112、RAM113および記憶装置120と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0043】
入力装置240は、ユーザからの指示をデータに変換してコンピュータに入力するための装置である。入力装置240は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルまたはそれらの組み合わせである。表示装置250は、例えば、液晶ディスプレイまたはOLED(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイである。
【0044】
通信IF230は、ネットワーク20を介してサーバ100およびトラクタ300と通信するための通信モジュールである。通信IF130は、有線通信および/または無線通信を行うことができる。例えば、通信IF230は、通信IF130と同様に、USB、IEEE1394(登録商標)、またはイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠した有線通信を行うことができる。通信IF230は、通信IF130と同様に、Bluetooth(登録商標)規格および/またはWi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うことができる。通信IF230は、BLE(Bluetooth Low Energy)またはLPWA(Low Power Wide Area)の通信方式に準拠した無線通信を行うことが可能な通信モジュールであってもよい。BLEまたはLPWAなどの通信方式を利用することにより、低消費電力で長距離かつ広範囲の通信を実現することができる。通信IF230は、携帯電話回線または人工衛星を経由する回線を利用した無線通信を行ってもよい。
【0045】
(トラクタ)
図6に例示するように、トラクタ300は、処理装置310、記憶装置320、通信IF330、操作装置340、測位装置350、慣性計測装置(IMU)360、電子制御ユニット370、駆動装置380および通信IF390を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。
【0046】
処理装置310は、プロセッサ311、ROM312およびRAM313を備える。プロセッサ311、ROM312、RAM313および記憶装置220の詳細は、サーバ100のプロセッサ111、ROM112、RAM113および記憶装置120と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0047】
通信IF330は、ネットワーク20を介してサーバ100およびユーザ端末装置200と通信するための通信モジュールである。通信IF330は、例えば、Bluetooth(登録商標)規格および/またはWi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うことができる。通信IF330は、BLEまたはLPWAの通信方式に準拠した無線通信を行うことが可能な通信モジュールであってもよい。通信IF330は、携帯電話回線または人工衛星を経由する回線を利用した無線通信を行ってもよい。
【0048】
操作装置340は、トラクタ300の各種動作に関する操作をユーザが行うための装置である。操作装置340は、バーチャルターミナル(VT)を含み得る。例えば、ユーザは、操作装置340を用いてトラクタ300の自動走行または自動操舵に関する操作を行う。操作装置340は、タッチスクリーンなどの表示装置および/または一つ以上のスイッチを備え得る。ユーザは、操作装置340を操作することにより、例えば自動走行モードまたは自動操舵モードのオン/オフの切り替え、トラクタ300の初期位置の設定、経路の設定、環境地図の記録または編集、および作業機(implement)が行う作業のオン/オフの切り替えなどの種々の操作を実行することができる。また、操作装置340には、作業車両および作業機の動作状態などの種々の情報が表示され得る。
【0049】
測位装置350は、地理座標系におけるトラクタ300の位置(地理座標)を検出することができる。「地理座標」は、例えば、地球上の位置を緯度と経度とで表現する地理座標系、または、地球上の3次元座標を2次元平面に投影し、地球上の位置をXY座標で表現する投影座標系における位置を意味する。日本国においては、地理座標は、測量法によって規定された平面直角座標系における座標で表される場合がある。
【0050】
測位装置350は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信するアンテナと、処理回路とを備える。測位装置350は、GNSS衛星から送信されるGNSS信号を受信し、GNSS信号に基づいて測位を行う。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System、例えばみちびき)、GLONASS、Galileo、およびBeiDouなどの衛星測位システムの総称である。
【0051】
測位装置350は、例えば、RTK(Real Time Kinematic GPS)などの干渉測位を行う。RTK測位を行う場合、測位装置350は、RTK受信機を備える。測位装置350は、GNSS衛星から送信されるGNSS信号および基準局から送信される補正信号を受信し、これらの信号に基づいて測位を行う。RTK測位などの干渉測位を用いることで、誤差数cmの精度で測位を行うことが可能である。緯度、経度および高度の情報を含む位置情報が、高精度の測位により生成される。
【0052】
測位方法として、必要な精度の位置情報が得られる任意の測位方法(干渉測位法または相対測位法など)が採用され得る。例えば、VRS(Virtual Reference Station)またはDGPS(Differential Global Positioning System)を利用した測位を行ってもよい。また、基準局から送信される補正信号を用いなくても必要な精度の位置情報が得られる場合は、補正信号を用いずに位置情報を生成してもよい。
【0053】
IMU360は、加速度センサ、角加速度センサおよび磁気センサを備え、移動量、向きおよび姿勢を示す信号を出力する。例えば、IMU360は、3軸加速度センサ、3軸ジャイロスコープを備える。IMU360は、モーションセンサとして機能し、トラクタ300の加速度、速度、変位、向きおよび姿勢などの諸量を示す信号を出力することができる。IMU360は、例えば1秒間に数十回から数千回程度の頻度で、当該信号を出力する。IMU360に代えて、3軸加速度センサ、3軸ジャイロスコープおよび磁気センサを別々に設けてもよい。また、測位装置350とIMU360とが一体化されて、一つのユニットとしてトラクタ300に設けられてもよい。
【0054】
駆動装置380は、トラクタ300の原動機302、変速装置303、操舵装置306および連結装置308などの、トラクタ300の走行および作業機400、500の駆動に必要な各種の装置を含む。原動機302は、例えばディーゼル機関などの内燃機関を備える。駆動装置380は、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関とともに、トラクション用の電動モータを備えていてもよい。
【0055】
ECU370は、駆動装置380の動作を制御する。ECU370は、測位装置350およびIMU360の出力信号、および予め設定された走行予定経路などに基づいて駆動装置380の動作を制御する。ECU370は、複数のECUによって実現されてもよい。また、処理装置310はECU370に含まれていてもよい。
【0056】
(作業機)
図7に例示するように、レーキ作業機400は、処理装置410および通信IF430を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。処理装置410は、プロセッサ411、ROM412およびRAM413を備える。プロセッサ411、ROM412、RAM413の詳細は、トラクタ300のプロセッサ311、ROM312、RAM313と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0057】
トラクタ300の通信IF390およびレーキ作業機400の通信IF430は、トラクタ300とレーキ作業機400との間で通信するための通信モジュールである。例えば、ISO 11783に基づくISOBUSなどの通信制御規格に準拠した通信を行う場合は、トラクタ300とレーキ作業機400との間で双方向に通信を行うことが可能である。トラクタ300とレーキ作業機400が、例えばISOBUS-TIMなどの、トラクタ-インプルメントマネジメント(TIM)システムに対応している場合には、トラクタ300からレーキ作業機400への制御、およびレーキ作業機400からトラクタ300への制御が可能である。これらの通信は有線通信で行われ得るが、無線通信により行われてもよい。
【0058】
レーキ作業機400と同様に、ベーラ500も処理装置410および通信IF430を備える。レーキ作業機400と同様に、ベーラ500もトラクタ300との間で、上記のISOBUSなどの通信制御規格に準拠した通信を行う通信を行ってもよい。また、トラクタ300およびベーラ500が、上記のTIMシステムに対応している場合には、トラクタ300からベーラ500への制御、およびベーラ500からトラクタ300への制御が可能である。
【0059】
次に、営農支援システム10の動作の詳細を説明する。まず、スワースの位置を示すスワース位置情報を生成する動作を説明する。
【0060】
(スワースの位置情報の生成処理)
図2および図3を参照しながら説明したように、トラクタ300には測位装置350が設けられている。本実施形態の測位装置350は、GNSS衛星から送信されるGNSS信号および基準局から送信される補正信号に基づいて測位を行い、位置情報を生成する。測位装置350が検出する位置は、測位装置350の配置位置などのトラクタ300内の所定の位置(基準点)である。図3を参照しながら説明したように、スワースはレーキ作業機400の集草機402とスクリーン408との間に形成される。測位装置350が検出する位置とレーキ作業機400が形成するスワースの位置との間にはズレがあるため、本実施形態では、スワースの位置を特定するために、測位装置350が出力した位置情報の補正を行う。
【0061】
トラクタ300には複数種類のレーキ作業機が接続され得る。複数種類のレーキ作業機は、本体サイズおよびスワースを形成する位置が互いに異なるため、レーキ作業機のモデルごとに位置情報の補正の仕方を異ならせ得る。
【0062】
レーキ作業機400がスワースを形成した後、ベーラ500(図4)がベール50を成形する。圃場内のスワースの位置情報を取得できていれば、その位置情報を用いてトラクタ300およびベーラ500の走行経路(ガイダンスライン)を設定することができる。また、表示装置に表示する圃場の地図にスワースの位置を併せて表示することで、ユーザはスワースの位置を視覚的に把握することができる。
【0063】
図8は、スワースの位置情報を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図8に示す処理は、主にサーバ100の処理装置110(図6)が実行する。処理装置110は、まず、トラクタ300に関する作業車両情報と、トラクタ300に連結されたレーキ作業機400に関するレーキ作業機情報を取得する(ステップS10)。作業車両情報は、例えばトラクタ300のモデルを特定することが可能な固有情報を含む。固有情報は、例えばトラクタ300の型番を含む。レーキ作業機情報は、例えばレーキ作業機400のモデルを特定することが可能な固有情報を含む。固有情報は、例えばレーキ作業機400の型番を含む。
【0065】
レーキ作業機情報は、レーキ作業機400内の記憶装置、例えばROM412(図7)に予め記憶されている。上述したように、トラクタ300とレーキ作業機400とは、ISOBUSなどの通信制御規格に準拠した通信を行うことが可能である。
【0066】
レーキ作業機400がトラクタ300に連結されると、プロセッサ411は、ROM412からレーキ作業機情報を読み出し、通信IF430に出力する。レーキ作業機情報は、通信IF430からトラクタ300の通信IF390に送信される。通信IF390はレーキ作業機情報を受信してプロセッサ311に出力する。プロセッサ311は、受信したレーキ作業機情報を、通信IF330を介してサーバ100(図6)に出力する。
【0067】
作業車両情報は、トラクタ300内の記憶装置、例えばROM312または記憶装置320に予め記憶されている。プロセッサ311は、ROM312または記憶装置320から作業車両情報を読み出し、通信IF330を介して作業車両情報をサーバ100に出力する。サーバ100のプロセッサ111は、受け取った作業車両情報およびレーキ作業機情報を記憶装置120に記憶する。
【0068】
プロセッサ111は、作業車両情報およびレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結されたトラクタ300およびレーキ作業機400のローカル座標系における、測位装置350による測位の対象となる基準点と、レーキ作業機400が形成するスワース40との間の位置関係を示す情報を取得する(ステップS11)。ローカル座標系は、トラクタ300およびレーキ作業機400とともに移動し、移動体座標系とも呼ばれる。
【0069】
図9は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係を示す図である。本開示におけるローカル座標系では、互いに連結されたトラクタ300およびレーキ作業機400が平坦地を直進走行する状態における、車両の前後方向をX方向、左右方向をY方向とする。後方から前方に向かう方向を+X方向、左から右に向かう方向を+Y方向とする。ISO 11783では、デバイスジオメトリについて、「X軸は、通常の走行方向を正として指定する」、および「Y軸は、通常の走行方向に対して、デバイスの右側を正として指定する」と定義されている。そのデバイスジオメトリの定義に基づいて本開示のローカル座標系におけるX方向およびY方向が定義される。ローカル座標系の座標値の単位は任意であり、一例としてここではミリメートルとする。
【0070】
トラクタ300単独におけるローカル座標系、およびレーキ作業機400単独におけるローカル座標系においても、上記と同様にXY方向および座標値の単位が定義される。
【0071】
ローカル座標系における基準点R1は、トラクタ300の任意の位置に設定され得る。図9に示す例では、基準点R1は測位装置350の配置位置に設定されている。スワース40は、レーキ作業機400の集草機402とスクリーン408との間に形成される。図9に示す例では、スクリーン408の集草機402と対向する位置にスワース40の位置S1が設定されている。
【0072】
図9に例示するように、スワース40の位置S1は、基準点R1よりも長さL1Xだけ後方に位置し、長さL1Yだけ左方に位置している。これらL1XおよびL1Yの値が分かれば、測位装置350が検出した基準点R1の位置情報から、地理座標系におけるスワース40の位置を演算することができる。
【0073】
図10は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係(第1位置関係)を示す第1位置関係情報の例を示す図である。第1位置関係情報は、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されている。トラクタのモデルおよびレーキ作業機のモデルが分かれば、L1XおよびL1Yの値を予め特定しておくことは可能である。複数のトラクタのモデルと複数のレーキ作業機のモデルとの組合せごとに、L1XおよびL1Yの値を予め特定しておくことができる。L1XおよびL1Yの値は実測により取得してもよいし、設計値に基づいて演算してもよい。トラクタそれぞれのモデルおよびレーキ作業機それぞれのモデルは、例えば型番を用いて表される。図10に示す第1位置関係情報は、複数のトラクタのモデルと複数のレーキ作業機のモデルとの組合せごとの位置関係を示している。位置関係は基準点R1を基準としているため、L1XおよびL1Yは負の値となっている。
【0074】
例えば、トラクタ300の型番が“M12312G”、レーキ作業機400の型番が“R13513A”である場合、プロセッサ111は、これらの型番の組合せに関連付けられた第1位置関係情報を記憶装置120から読み出す。トラクタ300の型番が“M12312G”、レーキ作業機400の型番が“R13513A”である場合、位置関係は(L1X, L1Y)=(-4560, -2850)となる。この位置関係は、ローカル座標系において、スワース40の位置S1は、基準点R1よりも4560mmだけ後方に位置し、2850mmだけ左方に位置していることを意味している。
【0075】
レーキ作業機400を用いたスワース40の形成作業中に、測位装置350は地理座標系における基準点R1の位置を検出するとともに、IMU360(図6)はトラクタ300の進行方向の方位角を検出する。地理座標系における位置は、例えば緯度および経度で表される。方位角は、例えば真北の方向を基準とした時計回りの角度で表される。トラクタ300のプロセッサ311は、測位装置350およびIMU360の出力信号を用いて、基準点R1の位置を示す基準点位置情報および進行方向の方位角を示す方位角情報を生成する。プロセッサ311は、それら基準点位置情報および方位角情報を、基準点R1の位置および進行方向の方位角を検出した時刻を示す時刻情報と共にサーバ100に出力する。時刻情報は、例えばプロセッサ311が生成するが、他のデバイスが生成してもよい。サーバ100のプロセッサ111は、受け取った基準点位置情報、方位角情報および時刻情報を記憶装置120に記憶する(図8のステップS12)。
【0076】
プロセッサ111は、基準点位置情報、方位角情報、第1位置関係情報(図10)を用いて、地理座標系におけるスワース40の位置S1を演算し、地理座標系におけるスワース40の位置を示すスワース位置情報を生成する(ステップS13)。
【0077】
図11は、方位角情報、基準点位置情報、スワース位置情報の例を示す図である。分かりやすく説明するために、図11では、1秒ごとの方位角、基準点R1の位置、スワース40の位置S1を示している。
【0078】
測位装置350が位置を検出する周期は任意であり、例えば1秒であるがそれに限定されない。測位装置350が位置を検出する周期は1秒より小さくてもよいし大きくてもよい。測位装置350が位置を検出してから次に位置を検出するまでの間は、IMU360の出力信号を用いて位置を推定して基準点位置情報を補完してもよい。
【0079】
上述したようにIMU360はトラクタ300の姿勢を示す信号を出力することができる。走行経路上に起伏や傾斜がある場合、トラクタ300およびレーキ作業機400の姿勢が傾き、測位装置350が検出する地理座標にズレが発生し得る。プロセッサ111は、IMU360の出力信号から得られるトラクタ300の傾きの大きさに応じて、地理座標を補正してもよい。
【0080】
プロセッサ111は、方位角情報を用いて、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係(図10)を、地理座標系における位置関係に変換する。プロセッサ111は、変換した位置関係および基準点R1の緯度および経度を用いて、スワース40の位置S1の緯度および経度を演算することができる。スワース位置情報は、演算したスワース40の位置S1の緯度および経度を示している。ある時刻における基準点R1の緯度および経度の情報を用いて、同じ時刻におけるスワース40の位置S1の緯度および経度を演算することができる。
【0081】
図9に示すレーキ作業機400は、スワース40をレーキ作業機400の左側に形成する。圃場で1本のスワース40を形成した後、トラクタ300およびレーキ作業機400は左旋回し、直前に形成したスワース40に沿って走行しながら新たなスワース40を形成する場合、2本のスワースを併せた1本のスワースを形成することができる。
【0082】
図12は、2本のスワース40iおよび40jを併せて形成した1本のスワース40aを示す図である。図12に示すスワース40iを形成した後、トラクタ300およびレーキ作業機400は左旋回する。スクリーン408をスワース40iの端部に接触させながら、新たにスワース40jを形成することで、スワース40iとスワース40jを併せた1本のスワース40aを形成することができる。
【0083】
スワース40aのスワース位置情報としては、スワース40iおよび40jのいずれかのスワース位置情報が採用され得る。プロセッサ111は、スワース位置情報が示すスワース40iの位置およびスワース40jの位置の間の位置を演算し、スワース40aのスワース位置情報を生成してもよい。
【0084】
図8のステップS10からS13に示す処理は、スワース40を形成する作業中に行ってもよいし、スワース40の形成作業の終了後に行ってもよい。スワース40の形成作業の終了後にそれらの処理を行う場合、トラクタ300のプロセッサ311(図6)は、基準点位置情報、方位角情報、時刻情報を記憶装置320に記憶させておく。スワース40の形成作業の終了後に、プロセッサ311は、作業車両情報、レーキ作業機情報、基準点位置情報、方位角情報および時刻情報を記憶装置320から読み出し、サーバ100に出力する。サーバ100のプロセッサ111は、受け取ったそれらの情報を用いて上述の処理を行い、スワース位置情報を生成してもよい。
【0085】
上述したように、本実施形態では、トラクタ300およびレーキ作業機400とともに移動するローカル座標系(移動体座標系)における基準点R1とスワース40との間の位置関係(ジオメトリ)を取得し、取得した位置関係と測位装置350が検出した地理座標系における位置とに基づいて、形成されたスワース40の地理座標系における位置を示すスワース位置情報を生成する。ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係が分かることで、測位装置350を用いて、形成されたスワース40の地理座標系における位置を示すスワース位置情報を生成することができる。
【0086】
形成されたスワース40の地理座標系における位置が分かることで、スワース40の位置を「可視化」でき、ベール50の成形作業のための走行経路の設定を容易にできる。
【0087】
スワース40の形成作業中に測位装置350が検出した位置の情報を用いてスワース位置情報を取得することができるため、スワース40の形成後に改めてセンサおよびカメラ等を用いてスワース40の位置を測定する作業を行わなくてもよい。
【0088】
また、ユーザ端末装置200の表示装置250(図6)に、スワースの位置を示す圃場の地図を表示することで、ユーザはスワースの位置を視覚的に把握することができる。
【0089】
図13は、スワース40の位置を示す圃場の地図260を表示する表示装置250を示す図である。サーバ100の記憶装置120には、圃場の地図情報が予め記憶されている。地図情報は、地図が示すエリアの地理座標の情報を含む。プロセッサ111は、スワース位置情報が示す座標を地図情報に関連付けることで、スワースの位置を視覚的に示すためのスワース地図情報を生成する。プロセッサ111は、生成したスワース地図情報を記憶装置120に記憶させる。
【0090】
ユーザ端末装置200のプロセッサ211は、サーバ100からスワース地図情報をダウンロードし、記憶装置220に記憶させる。プロセッサ211は、入力装置240を介したユーザからの指示に応じて、スワース地図情報を記憶装置220から読み出し、スワース40の位置を示す圃場の地図260を表示装置250に表示させる。圃場の地図260上にスワース40の位置が表示されることにより、ユーザはスワース40の位置を視覚的に把握することができる。
【0091】
図12を用いて説明したように、2本のスワースを併せて1本のスワース40aを形成した場合は、圃場の地図260上にはスワース40aの位置が表示される。2本のスワースを併せて形成したスワースと、2本のスワースを併せていないスワースとには、互いに異なる種類の識別情報を付すことで、両者を容易に区別することができる。
【0092】
次に、ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係を取得する別の方法を説明する。図14は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係を示す図である。
【0093】
図14に示す例では、基準点R1とは別にトラクタ300の基準位置R2が設定されている。基準位置R2は、トラクタ300の任意の位置に設定される。この例では、基準位置R2は、連結装置308のうちのレーキ作業機400が接続される位置に設定されている。レーキ作業機400には、レーキ作業機400の基準位置R3が設定されている。基準位置R3は、レーキ作業機400の任意の位置に設定される。この例では、基準位置R3は、フレーム401のうちの連結装置308に連結される位置に設定されている。
【0094】
互いに連結されたトラクタ300およびレーキ作業機400のローカル座標系において、基準位置R2と基準位置R3とは、実質的に同じ位置であってもよい。例えば、連結装置308のうちのヒッチピンが通る位置に基準位置R2が設定され、フレーム401のうちのそのヒッチピンが通る位置に基準位置R3が設定されている場合、基準位置R2と基準位置R3とは実質的に同じ位置になる。ヒッチピンは、連結装置308にフレーム401を連結するときに、連結装置308およびフレーム401の両方に通すピンである。ここでは、基準位置R2と基準位置R3とは同じ位置であるとして説明する。
【0095】
図14に例示するように、基準位置R2は、基準点R1よりも長さL2Yだけ左方に位置し、長さL2Xだけ後方に位置している。スワース40の位置S1は、基準位置R3よりも長さL3Xだけ後方に位置し、長さL3Yだけ左方に位置している。
【0096】
図15は、作業車両情報およびレーキ作業機情報の例を示す図である。図15に示す例では、作業車両情報は、トラクタ300の型番、およびローカル座標系における基準点R1と基準位置R2との位置関係を示す情報であるトラクタ補正値を含んでいる。レーキ作業機情報は、レーキ作業機400の型番、およびローカル座標系における基準位置R3とスワース40の位置S1との位置関係を示す情報である作業機補正値を含んでいる。
【0097】
レーキ作業機400はレーキ作業機情報をトラクタ300に出力し、トラクタ300は、作業車両情報およびレーキ作業機情報をサーバ100に出力する。サーバ100のプロセッサ111は、作業車両情報およびレーキ作業機情報を用いて、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係(第1位置関係)を演算することができる。
【0098】
複数のトラクタのモデルごとのトラクタ補正値、および複数のレーキ作業機のモデルごとの作業機補正値が、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されていてもよい。サーバ100のプロセッサ111は、トラクタ300の型番に対応するトラクタ補正値、およびレーキ作業機400の型番に対応する作業機補正値を記憶装置120から読み出し、第1位置関係を演算してもよい。
【0099】
図16は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係を取得するさらに別の方法を示す図である。図16に示す例では、基準位置R2はトラクタ300の左右方向における中心位置に設定されている。基準位置R3は、レーキ作業機400のフレーム401の左右方向における中心位置に設定されている。
【0100】
トラクタのモデルごとに、ローカル座標系における基準位置R2を予め特定しておくことは可能である。レーキ作業機のモデルごとに、ローカル座標系における基準位置R3を予め特定しておくことは可能である。また、トラクタのモデルおよびレーキ作業機のモデルが分かれば、基準位置R2と基準位置R3との間の位置関係を予め特定しておくことは可能である。
【0101】
図16に例示するように、基準位置R3は、基準位置R2よりも長さL4Xだけ後方に位置している。スワース40の位置S1は、基準位置R3よりも長さL3Yだけ左方に位置している。
【0102】
図17は、ローカル座標系における基準位置R2と基準位置R3との間の位置関係を示す情報である基準位置間補正値の例を示す図である。基準位置間補正値は、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されている。
【0103】
サーバ100のプロセッサ111は、トラクタ300の型番およびトラクタ補正値を含む作業車両情報、レーキ作業機400の型番および作業機補正値を含むレーキ作業機情報、基準位置間補正値を用いて、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を演算することができる。
【0104】
図18は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40との間の位置関係を取得するさらに別の方法を示す図である。図18に示す例では、基準点R1はトラクタ300の左右方向における中心位置に設定されている。基準位置R3は、レーキ作業機400のフレーム401の左右方向における中心位置に設定されている。トラクタのモデルおよびレーキ作業機のモデルが分かれば、基準点R1と基準位置R3との間の位置関係を予め特定しておくことは可能である。図18に例示するように、基準位置R3は、基準点R1よりも長さL5Xだけ後方に位置している。
【0105】
図19は、ローカル座標系における基準点R1と基準位置R3との間の位置関係を示す情報である基準位置補正値の例を示す図である。基準位置補正値は、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されている。
【0106】
サーバ100のプロセッサ111は、トラクタ300の型番を含む作業車両情報、レーキ作業機400の型番および作業機補正値を含むレーキ作業機情報、基準位置補正値を用いて、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を演算することができる。
【0107】
上述したように、スワース40はレーキ作業機400の集草機402とスクリーン408との間に形成される。上記の例では、スワース40の位置S1は、スクリーン408(図14)の集草機402と対向する位置に設定したが、別の位置に設定してもよい。例えば、位置S1は、集草機402のスクリーン408と対向する位置に設定してもよいし、スワース40の幅方向(ローカル座標系のY方向)における中心位置に設定してもよい。スワース40の幅方向は、圃場においてスワース40が延びる方向に垂直な方向となる。
【0108】
スワース40の幅は、レーキ作業機400のモデルごとに予め特定することが可能である。幅方向におけるスワース40の任意の位置の地理座標が分かれば、幅方向における他の位置の地理座標を演算することは可能である。図20は、スワース40の幅方向における端部の地理座標および中心部の地理座標の例を示す図である。スワース第1端部は、スクリーン408の集草機402と対向する位置に対応しており、スワース第1端部の位置情報は、図11に示すスワース位置情報と同じである。このスワース位置情報から、スワース40の中央部の位置、および第1端部と反対側の端部である第2端部の位置を演算することができる。
【0109】
(牧草の位置)
次に、スワース40の位置とスワース40を形成するときに集める牧草の位置とを関連付ける処理を説明する。
【0110】
図21は、レーキ作業機400が牧草を集める範囲W1を示す図である。上述したように、レーキ作業機400の集草機402は回転しながら牧草を集める。スクリーン408は集草機402が集めた牧草を受け止め、集草機402とスクリーン408との間にスワース40を形成する。レーキ作業機400の左右方向(Y方向)において、スクリーン408の集草機402と対向する位置P1と、集草機402のスクリーン408とは反対側の端部の位置P2との間の範囲が、牧草を集める範囲W1となる。
【0111】
上述の位置S1をスクリーン408の集草機402と対向する位置に設定した場合、位置P1は位置S1と同じ位置になり得る。
【0112】
図22は、牧草範囲情報を含むレーキ作業機情報を示す図である。牧草範囲情報は、ローカル座標系における牧草を集める範囲W1のY方向の長さを示している。レーキ作業機情報は、レーキ作業機400内のROM412(図7)に予め記憶されている。上述したように、レーキ作業機情報は、トラクタ300を介してサーバ100に出力される。サーバ100のプロセッサ111は、スワース位置情報および牧草範囲情報を用いて、地理座標系における牧草の位置P1およびP2を演算する。プロセッサ111は、地理座標系におけるスワース40の位置とスワース40を形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成する。
【0113】
図23は、第1スワース情報の例を示す図である。図23に示す例では、位置P1は位置S1と同じ位置としている。位置P1の地理座標と位置P2の地理座標との間の範囲が地理座標系における牧草を集める範囲W1となる。
【0114】
スワース40の位置とスワース40を形成するときに集めた牧草の位置との関係が分かることで、形成されたスワース40のうちの特定の位置にあるスワース40に含まれる牧草が、圃場のどの位置の牧草であるのかを把握することができる。
【0115】
複数のレーキ作業機のモデルごとの牧草範囲情報が、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されていてもよい。図24は、レーキ作業機のモデルごとの牧草範囲情報を示す図である。プロセッサ111は、トラクタ300に連結されたレーキ作業機400の型番に関連付けられた牧草範囲情報を記憶装置120から読み出し、上記の第1スワース情報を生成してもよい。
【0116】
2本のスワース40iおよび40jを併せて1本のスワース40a(図12)を形成した場合は、プロセッサ111は、スワース40iの第1スワース情報とスワース40jの第1スワース情報とを併せることで、スワース40aの第1スワース情報を生成する。スワース40aの第1スワース情報は、スワース40iを形成するときに集めた牧草の位置の情報と、スワース40jを形成するときに集めた牧草の位置の情報との両方を含む。
【0117】
(牧草情報)
次に、スワース40の位置と牧草に関する牧草情報とを関連付ける処理を説明する。
【0118】
サーバ100の記憶装置120には、圃場の所定の領域ごとの牧草に関する牧草情報(第1牧草情報)が予め記憶されている。例えば、牧草情報は、所定の領域ごとの牧草の種類、水分量、生育状態を示す。牧草情報は、圃場内の牧草をドローン等の無人航空機により観測して取得してもよいし、トラクタ等の車両が圃場内を走行しながら牧草の観測を行って取得してもよい。例えば、上述のモアを用いた牧草の切断作業時に、牧草の観測を行ってもよい。
【0119】
図25は、牧草情報の例を示す図である。図26は、圃場の地図および牧草情報を表示する表示装置250を示す図である。圃場は複数の領域270に分割され、領域270ごとに牧草情報が割り当てられている。牧草情報は、領域270の識別情報、領域270の位置、牧草の種類、水分量、生育状態等の情報を含む。例えば、領域270の形状が矩形である場合、領域の位置は4個の頂点の地理座標で表され得る。上記の牧草の観測で得られた各情報を領域270ごとに割り当てることで牧草情報は生成される。牧草情報は、牧草の種類、水分量、生育状態等の観測を行った日時の情報を含んでいてもよい。
【0120】
複数の領域270を示す圃場の地図とともに牧草情報を表示装置250に表示することで、ユーザは領域270ごとの牧草の状態を確認することができる。表示装置250に表示された複数の領域270のうちの一つをユーザが選択すると、選択した領域270の識別情報、牧草の種類、水分量、生育状態等が表示装置250に表示される。
【0121】
上述したように、圃場の地図情報は地理座標の情報を含む。プロセッサ111は、第1スワース情報(図23)が示す位置P1と位置P2との間の範囲W1に該当する領域270の牧草情報を抽出する。プロセッサ111は、抽出した牧草情報と、第1スワース情報(図23)が示すスワースの位置情報とを用いて、スワース40の位置と牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成する。
【0122】
範囲W1が二つ以上の領域270にまたがる場合は、プロセッサ111は、それら二つ以上の領域270の牧草情報を抽出する。その場合、プロセッサ111は、二つ以上の領域270の牧草情報を併せた第2スワース情報を生成する。
【0123】
図27は、第2スワース情報の例を示す図である。第2スワース情報は、スワース40の位置ごとの牧草の種類、水分量、生育状態を示している。第2スワース情報は、牧草の種類、水分量、生育状態等の観測を行った日時の情報を含んでいてもよい。
【0124】
スワース40の位置と牧草情報とを関連付けることで、形成されたスワース40のうちの特定の位置にあるスワース40に含まれる牧草に関する情報を把握することができる。例えば、上記のようにスワース40に含まれる牧草の種類、水分量、生育状態などを把握することができる。
【0125】
図13に例示するように、表示装置250が表示する圃場の地図260には、スワース40が示されている。ユーザが表示されている複数のスワース40のうちの一つを選択すると、その選択したスワース40の識別情報、牧草の種類、水分量、生育状態などが表示される。これにより、ユーザはスワース40ごとの牧草の状態を確認することができる。
【0126】
次に、レーキ作業機400が二つ以上の集草機402を備える形態を説明する。
【0127】
上述のローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を取得する方法は、集草機402を二つ以上備えるレーキ作業機400にも適用できる。図28は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を示す図である。図28に示す例では、レーキ作業機400は二つの集草機402を備えている。
【0128】
図28に示すレーキ作業機400では、スワース40は、二つの集草機402の間に形成される。二つの集草機402が集めた牧草から一本のスワース40が形成される。例えば、スワース40の幅方向(ローカル座標系のY方向)における中心位置は、レーキ作業機400の左右方向における中心位置と概ね同じになり得る。スクリーン408は、レーキ作業機400の左右方向における中心位置に配置されている。スワース40の位置S1は、平面視においてスクリーン408と重なる位置に設定されている。
【0129】
図28に例示するように、スワース40の位置S1は、基準点R1よりも長さL7Yだけ左方に位置し、長さL7Xだけ後方に位置している。これらL7XおよびL7Yの値が分かれば、測位装置350が検出した基準点R1の位置情報から、地理座標系におけるスワース40の位置を演算することができる。
【0130】
図29は、ローカル座標系における基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係(第1位置関係)を示す第1位置関係情報の例を示す図である。図29に示す第1位置関係情報は、複数のトラクタのモデルと複数のレーキ作業機のモデルとの組合せごとの位置関係を示している。
【0131】
上述したように、サーバ100のプロセッサ111は、基準点位置情報、方位角情報、第1位置関係情報を用いて、地理座標系におけるスワース40の位置S1を演算し、地理座標系におけるスワース40の位置を示すスワース位置情報を生成することができる。
【0132】
基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を取得する方法として、図28および図29を参照しながら説明した方法と別の方法が用いられてもよい。例えば、図14から図19を参照しながら説明した方法と同様の方法を用いて、基準点R1とスワース40の位置S1との間の位置関係を取得してもよい。
【0133】
図30は、二つの集草機402を備えるレーキ作業機400が牧草を集める範囲W2を示す図である。レーキ作業機400の左右方向(Y方向)において、一方の集草機402の左端部の位置P1と他方の集草機402の右端部の位置P2との間の範囲が、牧草を集める範囲W2となる。
【0134】
図31は、牧草範囲情報を含むレーキ作業機情報を示す図である。牧草範囲情報は、ローカル座標系における牧草を集める範囲W2のY方向の長さを示している。上述したように、サーバ100のプロセッサ111は、スワース位置情報および牧草範囲情報を用いて、地理座標系における牧草の位置P1およびP2を演算する。プロセッサ111は、地理座標系におけるスワース40の位置とスワース40を形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成することができる。また、プロセッサ111は、上述の牧草情報と、第1スワース情報とを用いて、スワース40の位置と牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成することができる。
【0135】
図8から図31を用いて説明した各種処理は、主にサーバ100の処理装置110(図6)が実行するとして説明したが、サーバ100以外の装置が備える処理装置が実行してもよい。例えば、ユーザ端末装置200の処理装置210またはトラクタ300の処理装置310が実行してもよい。
【0136】
上述の実施形態では、トラクタ300に設けられた測位装置350が検出した基準点R1の位置情報を用いて、スワース40の位置S1の位置情報を取得したが、レーキ作業機400に測位装置が設けられている場合は、レーキ作業機400に設けられた測位装置を用いてスワース40の位置S1の位置情報を取得してもよい。この場合、基準点および/または基準位置をレーキ作業機400に設定することで、上記と同様の方法でスワース40の位置S1の位置情報を取得することができる。
【0137】
(走行経路の設定)
次に、トラクタ300およびベーラ500(図4)の走行経路の設定について説明する。上述したように、レーキ作業機400がスワース40を形成した後、ベーラ500はスワース40に含まれる牧草を収集してベール50を成形する。ベール50の成形作業において、ベーラ500を牽引するトラクタ300は、自動走行または自動操舵で移動し得る。
【0138】
営農支援システム10では、上述の方法により、圃場内に形成されたスワース40の地理座標系における位置を示すスワース位置情報を取得することができる。圃場内のスワース40の地理座標が分かることで、ベール50の成形作業のためのトラクタ300およびベーラ500の走行経路を容易に設定することができる。
【0139】
図32は、トラクタ300およびベーラ500の走行経路の一例を示す図である。図32に示す例では、トラクタ300およびベーラ500の走行経路41は、スワース40の幅方向の中心部を通っている。スワース40の幅方向は、圃場においてスワース40が延びる方向に垂直な方向である。
【0140】
図20を参照しながら説明したように、スワース40の幅方向における任意の位置の地理座標が分かれば、幅方向における他の位置の地理座標を演算することができる。サーバ100のプロセッサ111は、スワース位置情報を用いてスワース40の幅方向の中心部の地理座標を演算する。プロセッサ111は、演算した複数の中心部の地理座標を通るラインを走行経路41に設定する。例えば、プロセッサ111は、図20に示すスワース40の中心部の地理座標のそれぞれを通るラインを走行経路41に設定する。これにより、スワース40の幅方向の概ね中心を通る走行経路41が設定される。
【0141】
2本のスワース40iおよび40jを併せて1本のスワース40a(図12)を形成した場合は、プロセッサ111は、スワース40iおよび40jのいずれかのスワース位置情報を採用し得る。図12から分かるように、レーキ作業機400のスクリーン408が通る位置は、スワース40aの幅方向の概ね中心位置になる。すなわち、スクリーン408の集草機402と対向する位置にスワース40の位置S1を設定した場合は、その位置S1がスワース40aの幅方向の概ね中心位置になる。この場合は、位置S1の地理座標をスワース40aの幅方向の中心部の地理座標として採用することができる。
【0142】
図32に示すスワース40は直線状に伸びる形状を有しているが、スワース40の少なくとも一部はカーブ形状を有していてもよい。カーブ形状の部分も同様に、スワース位置情報が示す地理座標ごとにスワース40の中心部の地理座標を演算し、それら中心部の地理座標を通る走行経路を設定することで、スワース40のカーブ形状に追従するようにトラクタ300およびベーラ500を走行させることができる。
【0143】
プロセッサ111は、設定した走行経路41の地理座標を示す走行経路情報を生成し、トラクタ300に出力する。トラクタ300のプロセッサ311(図6)は、受け取った走行経路情報を記憶装置320またはROM312に記憶させる。
【0144】
(牧草を取り入れる位置の特定)
次に、地理座標系におけるベーラ500が牧草を取り入れる位置を特定する処理を説明する。ベーラ500が成形したベール50が、圃場内のどの位置のスワース40の牧草を含んでいるか特定するために、地理座標系におけるベーラ500が牧草を取り入れる位置を示す位置情報を生成する。その位置情報とベール50とを対応付けることで、ベール50が、圃場内のどの位置のスワース40の牧草を含んでいるかを特定することができる。
【0145】
図4を参照しながら説明したように、ベーラ500は、取入部510から牧草を取り入れる。トラクタ300に設けられた測位装置350が検出する位置(基準点R1)とベーラ500が牧草を取り入れる位置との間にはズレがあるため、本実施形態では、牧草を取り入れる位置を特定するために、測位装置350が出力した位置情報の補正を行う。
【0146】
トラクタ300には複数種類のベーラが接続され得る。複数種類のベーラは、本体サイズおよび牧草を取り入れる位置が互いに異なるため、ベーラのモデルごとに位置情報の補正の仕方を異ならせ得る。
【0147】
図33は、ローカル座標系における基準点R1とベーラ500が牧草を取り入れる位置(基準位置B1)との間の位置関係を示す図である。ベーラ500の取入部510は、左右方向における所定の範囲の牧草を取り入れる。基準位置B1は、その左右方向における所定の範囲の中心に設定されている。基準位置B1は、ベーラ500の左右方向における中心位置と同じ位置であり得る。
【0148】
図33に例示するように、基準位置B1は、基準点R1よりも長さL9Yだけ左方に位置し、長さL9Xだけ後方に位置している。これらL9XおよびL9Yの値が分かれば、測位装置350が検出した基準点R1の位置情報から、基準位置B1の地理座標を演算することができる。
【0149】
サーバ100のプロセッサ111は、まず、トラクタ300に関する作業車両情報と、トラクタ300に連結されたベーラ500に関するベーラ情報を取得する。ベーラ情報は、例えばベーラ500のモデルを特定することが可能な固有情報を含む。固有情報は、例えばベーラ500の型番を含む。
【0150】
ベーラ情報は、ベーラ500内の記憶装置、例えばROM412(図7)に予め記憶されている。上述したように、トラクタ300とベーラ500とは、ISOBUSなどの通信制御規格に準拠した通信を行うことが可能である。
【0151】
ベーラ500がトラクタ300に連結されると、ベーラ500のプロセッサ411は、ROM412からベーラ情報を読み出し、通信IF430に出力する。ベーラ情報は、通信IF430からトラクタ300の通信IF390に送信される。通信IF390はベーラ情報を受信してプロセッサ311に出力する。プロセッサ311は、受信したベーラ情報を、通信IF330を介してサーバ100に出力する。
【0152】
プロセッサ111は、作業車両情報およびベーラ情報に基づいて、互いに連結されたトラクタ300およびベーラ500のローカル座標系における基準点R1と、ベーラ500の基準位置B1との間の位置関係を示す情報を取得する。
【0153】
図34は、ローカル座標系における基準点R1と基準位置B1との間の位置関係(第2位置関係)を示す第2位置関係情報の例を示す図である。第2位置関係情報は、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されている。トラクタのモデルおよびベーラのモデルが分かれば、L9XおよびL9Yの値を予め特定しておくことは可能である。複数のトラクタのモデルと複数のベーラのモデルとの組合せごとに、L9XおよびL9Yの値を予め特定しておくことができる。L9XおよびL9Yの値は実測により取得してもよいし、設計値に基づいて演算してもよい。トラクタそれぞれのモデルおよびベーラそれぞれのモデルは、例えば型番を用いて表される。図34に示す第2位置関係情報は、複数のトラクタのモデルと複数のレーキ作業機のモデルとの組合せごとの位置関係を示している。位置関係は基準点R1を基準としているため、L9XおよびL9Yは負の値となっている。
【0154】
ベーラ500を用いたベール50の成形作業中に、測位装置350は地理座標系における基準点R1の位置を検出するとともに、IMU360(図6)はトラクタ300の進行方向の方位角を検出する。トラクタ300のプロセッサ311は、測位装置350およびIMU360の出力信号を用いて、基準点R1の位置を示す基準点位置情報および進行方向の方位角を示す方位角情報を生成する。
【0155】
プロセッサ311は、基準点位置情報、方位角情報、第2位置関係情報(図34)を用いて、基準位置B1の地理座標を演算する。
【0156】
トラクタ300のプロセッサ311および/またはECU370(図6)は、ベーラ500の基準位置B1が、走行経路情報が示す地理座標の位置を通るように、トラクタ300の駆動装置380の動作を制御する。
【0157】
互いに連結されたトラクタ300およびベーラ500が直進走行する状態では、図33に例示するように、左右方向におけるトラクタ300中心位置(基準位置R2)と基準位置B1とは概ね一致する。このため、トラクタ300の基準位置R2が、走行経路情報が示す地理座標の位置を通るように、駆動装置380の動作を制御することで、ベーラ500の基準位置B1が、走行経路情報が示す地理座標の位置を通るように走行させることができる。
【0158】
カーブ形状のスワース40に追従する場合は、カーブ走行時の基準位置R2と基準位置B1との位置関係を演算して、基準位置B1が走行経路41の位置を通るようにトラクタ300を走行させ得る。例えば、トラクタ300の操舵角、基準位置R2および基準位置B1の関係を示す情報が、サーバ100の記憶装置120に予め記憶されていてもよい。トラクタ300のプロセッサ311は、サーバ100からその情報を受け取り、操舵角に応じた基準位置R2と基準位置B1の位置関係を取得してもよい。
【0159】
トラクタ300の操舵制御および速度制御として、例えば、PID制御(Proportional-Integral-Derivative Controller)またはMPC(Model Predictive Control)などの制御技術が用いられ得る。これらの制御技術を用いることにより、トラクタ300を走行経路41に追従させる制御を滑らかにすることができる。
【0160】
スワース40の幅方向の中心部を通る走行経路41をベーラ500が走行することで、ベーラ500とスワース40との適切な位置関係を維持でき、効率良くベール50を成形することができる。
【0161】
ローカル座標系における基準点R1と基準位置B1との間の位置関係を取得する方法として、図33および図34を参照しながら説明した方法と別の方法が用いられてもよい。例えば、図14から図19を参照しながら説明した方法と同様の方法を用いて、基準点R1と基準位置B1との間の位置関係を取得してもよい。
【0162】
(ベールと牧草の位置との関連付け)
次に、ベール50と牧草の位置とを関連付ける処理を説明する。ベール50に含まれる牧草が、圃場のどの位置の牧草であるのかが把握できることで、トレーサビリティを実現することができる。また、ユーザは、ベール50に含まれる牧草の状態を確認することで、圃場内の位置と牧草の生育状態との関係を把握することができる。
【0163】
ベール50の成形作業において、ベーラ500を牽引するトラクタ300は、設定された走行経路41に沿って走行する。ベーラ500がベール50を成形する動作の制御は、ベーラ500のプロセッサ411(図6)および/またはベーラ500が備えるECUが行い得る。プロセッサ411は、ベール50の成形を開始するタイミングで、ベール50の成形開始を示す開始信号を、通信IF430を介してトラクタ300に送信する。また、プロセッサ411は、ベール50の成形を終了するタイミングで、ベール50の成形終了を示す終了信号を、通信IF430を介してトラクタ300に送信する。
【0164】
トラクタ300のプロセッサ311は、開始信号を受け取った時刻を示す成形開始時刻情報を生成して記憶装置320またはROM312に記憶させる。また、プロセッサ311は、終了信号を受け取った時刻を示す成形終了時刻情報を生成して記憶装置320またはROM312に記憶させる。プロセッサ311は、成形開始時刻情報および成形終了時刻情報を、通信IF330を介してサーバ100に出力する。
【0165】
ベール50の成形作業中、測位装置350は地理座標系における基準点R1の位置を検出するとともに、IMU360はトラクタ300の進行方向の方位角を検出する。プロセッサ311は、測位装置350およびIMU360の出力信号を用いて、基準点R1の位置を示す基準点位置情報および進行方向の方位角を示す方位角情報を生成する。プロセッサ311は、それら基準点位置情報および方位角情報を、基準点R1の位置および進行方向の方位角を検出した時刻を示す時刻情報と共にサーバ100に出力する。
【0166】
サーバ100のプロセッサ111は、成形開始時刻情報が示す時刻における基準点R1の地理座標を、基準点位置情報を用いて取得する。例えば、プロセッサ111は、基準点位置情報が示す複数の地理座標とそれら地理座標が検出された時刻とに基づいて、成形開始時刻情報が示す時刻における基準点R1の地理座標を演算する。プロセッサ111は、演算した基準点R1の地理座標、方位角情報、第2位置関係情報(図34)を用いて、基準位置B1の地理座標を演算する。この基準位置B1の地理座標は、ベーラ500がベール50の成形を開始する位置の地理座標に該当する。
【0167】
同様に、プロセッサ111は、成形終了時刻情報が示す時刻における基準点R1の地理座標を、基準点位置情報を用いて取得する。プロセッサ111は、基準点R1の地理座標、方位角情報、第2位置関係情報を用いて、基準位置B1の地理座標を演算する。この基準位置B1の地理座標は、ベーラ500がベール50の成形を終了する位置の地理座標に該当する。
【0168】
プロセッサ111は、ベール50の成形の開始位置の地理座標、およびベール50の成形の終了位置の地理座標を示すベール位置情報を生成する。
【0169】
図35は、ベール50の識別情報、ベール50の成形の開始時刻および終了時刻を示す時刻情報、およびベール位置情報を示す図である。ベーラ500によるベール50の成形開始から成形終了までの一連の動作で一つのベール50が成形される。上述したように、成形されたベール50は、ベーラ500の排出口506(図4)から外部に排出される。ベーラ500は、ベール50を排出した後、別のベール50の成形を開始する。プロセッサ111は、ベール50ごとに識別情報を付与する。ベール50の識別情報とベール位置情報とを関連付けることで、ベール50のそれぞれについて圃場内のどの位置で成形されたかを特定することができる。
【0170】
上述したように、走行経路上に起伏や傾斜がある場合、トラクタ300およびベーラ500の姿勢が傾き、測位装置350が検出する地理座標にズレが発生し得る。プロセッサ111は、IMU360の出力信号から得られるトラクタ300の傾きの大きさに応じて、地理座標を補正してもよい。
【0171】
次に、プロセッサ111は、ベール50と牧草の位置とを関連付ける処理を行う。
【0172】
ベール50を成形した位置が分かれば、上述の第1スワース情報(図23)を用いて、ベール50と牧草の位置とを関連付けることができる。第1スワース情報は、地理座標系におけるスワース40の位置とスワース40を形成するときに集めた牧草の位置との関係を示している。
【0173】
例えば、プロセッサ111は、第1スワース情報から、ベール50の成形開始位置の地理座標に一番近いスワース40の地理座標を抽出し、ベール50の成形開始位置に関連付ける。同様に、プロセッサ111は、第1スワース情報から、ベール50の成形終了位置の地理座標に一番近いスワース40の地理座標を抽出し、ベール50の成形終了位置に関連付ける。
【0174】
プロセッサ111は、成形開始位置に関連付けたスワース40の地理座標と成形終了位置に関連付けたスワース40の地理座標との間にあるスワース40の地理座標を、第1スワース情報から抽出する。プロセッサ111は、これら抽出したスワース40の地理座標に関連付けられた牧草の位置の地理座標を第1スワース情報から抽出する。プロセッサ111は、抽出したスワース40の地理座標と、抽出した牧草の位置の地理座標とを含む牧草位置情報を生成する。牧草位置情報は、ベール50の成形開始位置と成形終了位置との間に対応する位置にあるスワース40に関連付けられた牧草の位置を示している。
【0175】
プロセッサ111は、牧草位置情報と、成形開始位置および成形終了位置に割り当てられたベール50の識別情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する。
【0176】
図36は、第1ベール情報の例を示す図である。牧草位置情報は、牧草の第1端部の地理座標および第2端部の地理座標を含む。牧草の第1端部は、スワース40を形成するときに牧草を集めた範囲の一方の端部、第2端部は他方の端部を示している。第1ベール情報は、ベール50の成形に用いたスワース40が形成された日時の情報を含んでいてもよい。図36に示す例では、上述のスワース40a(図12)を形成するときに牧草を集めた範囲の第1端部および第2端部それぞれの地理座標を示している。上述したように、2本のスワース40iおよび40jを併せて1本のスワース40aを形成した場合は、スワース40iの第1スワース情報とスワース40jの第1スワース情報とを併せることで、スワース40aの第1スワース情報を生成することができる。スワース40aの第1スワース情報は、スワース40iを形成するときに集めた牧草の位置の情報と、スワース40jを形成するときに集めた牧草の位置の情報との両方を含む。
【0177】
ベール50の識別情報と、ベール50の成形に用いた牧草の位置とを関連付けることで、ベール50に含まれる牧草が、圃場のどの位置の牧草であるのかを把握することができ、トレーサビリティを実現することができる。また、ユーザは、ベール50に含まれる牧草の状態を確認することで、圃場内の位置と牧草の生育状態との関係を把握することができる。
【0178】
(ベールと牧草情報との関連付け)
次に、ベール50と牧草情報とを関連付ける処理を説明する。上述したように、牧草情報は、牧草の種類、水分量、生育状態等の情報を含んでいる。ベール50と牧草情報とを関連付けることで、ユーザはベール50に含まれる牧草の詳細を把握することができる。
【0179】
ベール50を成形した位置が分かれば、上述の第2スワース情報(図27)を用いて、ベール50と牧草情報とを関連付けることができる。第2スワース情報は、地理座標系におけるスワース40の位置と牧草情報との関係を示している。
【0180】
ベール50の成形開始位置の地理座標、およびベール50の成形終了位置の地理座標は、上述の方法を用いて取得することができる。
【0181】
プロセッサ111は、例えば、第2スワース情報から、ベール50の成形開始位置の地理座標に一番近いスワース40の地理座標を抽出し、ベール50の成形開始位置に関連付ける。同様に、プロセッサ111は、第2スワース情報から、ベール50の成形終了位置の地理座標に一番近いスワース40の地理座標を抽出し、ベール50の成形終了位置に関連付ける。
【0182】
プロセッサ111は、成形開始位置に関連付けたスワース40の地理座標と成形終了位置に関連付けたスワース40の地理座標との間にあるスワース40の地理座標を、第2スワース情報から抽出する。プロセッサ111は、これら抽出したスワース40の地理座標に関連付けられた牧草の内容を第2スワース情報から抽出する。プロセッサ111は、抽出したスワース40の地理座標と、抽出した牧草の内容とを含む牧草情報(第2牧草情報)を生成する。この牧草情報は、ベール50の成形開始位置と成形終了位置との間に対応する位置にあるスワース40に関連付けられた牧草に関する情報を示している。
【0183】
プロセッサ111は、成形開始位置および成形終了位置の組ごとに割り当てられたベール50の識別情報と、生成した牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する。
【0184】
図37は、第2ベール情報の例を示す図である。第2ベール情報は、ベール50ごとの識別情報、ベール50の成形に用いたスワース40の位置、それらスワース40の位置に関連付けられた牧草の内容を含んでいる。スワース40の位置に関連付けられた牧草の内容は、ベール50に含まれる牧草の内容に該当する。第2ベール情報は、牧草の種類、水分量、生育状態等の観測を行った日時の情報を含んでいてもよい。また、第2ベール情報は、ベール50の成形に用いたスワース40が形成された日時の情報を含んでいてもよい。
【0185】
ベール50の識別情報と、ベール50の成形に用いた牧草の情報とを関連付けることで、ユーザは、ベール50に含まれる牧草がどのような牧草であるのかを把握することができる。例えば、ベール50に含まれる牧草の種類、水分量、生育状態などを把握することができる。
【0186】
上述の地理座標系におけるベール50の成形開始位置および成形終了位置を取得する処理、ベール50と牧草の位置とを関連付ける処理、およびベール50と牧草情報とを関連付ける処理は、ベール50の成形作業中に行ってもよいし、ベール50の成形作業の終了後に行ってもよい。ベール50の成形作業の終了後にそれらの処理を行う場合、トラクタ300のプロセッサ311(図6)は、成形開始時刻情報、成形終了時刻情報、基準点位置情報、方位角情報、時刻情報等の各種情報を記憶装置320に記憶させておく。ベール50の成形作業の終了後に、プロセッサ311は、それらの情報を記憶装置320から読み出し、サーバ100に出力する。サーバ100のプロセッサ111は、受け取ったそれらの情報を用いて上述の処理を行ってもよい。
【0187】
図32から図37を用いて説明した各種処理は、主にサーバ100の処理装置110(図6)が実行するとして説明したが、サーバ100以外の装置が備える処理装置が実行してもよい。例えば、ユーザ端末装置200の処理装置210またはトラクタ300の処理装置310が実行してもよい。
【0188】
上述の実施形態では、トラクタ300に設けられた測位装置350が検出した基準点R1の位置情報を用いて、ベーラ500の基準位置B1の位置情報を取得したが、ベーラ500に測位装置が設けられている場合は、ベーラ500に設けられた測位装置を用いて基準位置B1の位置情報を取得してもよい。この場合も、基準点および/または基準位置をベーラ500に設定することで、上記と同様の方法で基準位置B1の位置情報を取得することができる。
【0189】
レーキ作業機400が連結されるトラクタ300と、ベーラ500が連結されるトラクタ300とは互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。同じトラクタ300を用いる場合は、トラクタ300に設けられた測位装置350を、スワース40の形成作業およびベール50の成形作業とで併用することができる。
【0190】
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の営農支援システム、位置情報生成方法、コンピュータプログラムおよび処理装置を含む。
[項目1]
作業車両および前記作業車両に連結されるレーキ作業機の一方に設けられる第1測位装置と、
前記レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を取得する処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成する、営農支援システム。
[項目2]
前記処理装置は、前記スワース位置情報と圃場の地図情報とを関連付けたスワース地図情報を生成し、
前記スワース地図情報に基づいて、前記スワースの位置を示す圃場の地図を表示装置に表示する、項目1に記載の営農支援システム。
[項目3]
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記レーキ作業機の前記基準位置と前記基準点の位置との関係を示す第1情報を取得し、
前記レーキ作業機情報および前記第1情報に基づいて、前記第1位置関係を決定する、項目1または2に記載の営農支援システム。
[項目4]
前記第1測位装置は、前記作業車両に設けられており、
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における前記レーキ作業機の基準位置と前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、
前記基準点と前記作業車両の基準位置との関係を示す第2情報と、前記作業車両の前記基準位置と前記レーキ作業機の前記基準位置との関係を示す第3情報とを取得し、
前記レーキ作業機情報、前記第2情報および前記第3情報に基づいて、前記第1位置関係を決定する、項目1または2に記載の営農支援システム。
[項目5]
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機に記憶されており、前記レーキ作業機から前記レーキ作業機に連結された前記作業車両に送出され、
前記処理装置は、前記作業車両から前記レーキ作業機情報を取得する、項目1から4のいずれかに記載の営農支援システム。
[項目6]
前記レーキ作業機の複数のモデルのレーキ作業機情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記レーキ作業機から前記レーキ作業機に連結された前記作業車両に、前記レーキ作業機のモデルを示すモデル情報が送出され、
前記処理装置は、
前記作業車両から前記モデル情報を取得し、
前記モデル情報が示すモデルに対応したレーキ作業機情報を前記記憶装置から取得する、項目1から4のいずれかに記載の営農支援システム。
[項目7]
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成する、項目1から6のいずれかに記載の営農支援システム。
[項目8]
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成する、項目7に記載の営農支援システム。
[項目9]
前記作業車両および前記作業車両に連結されるベーラの一方に設けられた第2測位装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記ベーラに関するベーラ情報に基づいて、互いに連結された前記作業車両および前記ベーラのローカル座標系における、前記第2測位装置による測位の対象となる基準点と、前記ベーラが前記スワースを取り込む位置との間の第2位置関係を取得する、項目1から8のいずれかに記載の営農支援システム。
[項目10]
前記第2測位装置は、前記作業車両に設けられており、
前記第1測位装置と前記第2測位装置とは同一の測位装置である、項目9に記載の営農支援システム。
[項目11]
前記レーキ作業機情報は、前記レーキ作業機のローカル座標系における、前記レーキ作業機が形成する前記スワースの位置と、前記スワースの形成のために前記レーキ作業機が牧草を集める範囲との関係を示す情報を含み、
前記処理装置は、前記スワース位置情報および前記レーキ作業機情報に基づいて、地理座標系における形成された前記スワースの位置と前記スワースを形成するときに集めた牧草の位置との関係を示す第1スワース情報を生成する、項目9または10に記載の営農支援システム。
[項目12]
圃場の所定の領域ごとの牧草に関する第1牧草情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記処理装置は、前記第1スワース情報および前記第1牧草情報に基づいて、形成された前記スワースの位置と前記第1牧草情報とを関連付けた第2スワース情報を生成する、項目11に記載の営農支援システム。
[項目13]
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第1スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草の位置を示す牧草位置情報を生成し、
前記ベールと前記牧草位置情報とを関連付けた第1ベール情報を生成する、項目11に記載の営農支援システム。
[項目14]
前記処理装置は、
前記ベーラが成形するベールの成形開始および成形終了に関する情報、および前記ベールの成形作業中に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す基準点情報を取得し、
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報、前記基準点情報、前記第2位置関係に基づいて、地理座標系における前記ベールの成形開始位置および成形終了位置を決定し、
前記第2スワース情報に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置と前記成形終了位置との間に対応する位置にあるスワースに関連付けられた牧草に関する第2牧草情報を生成し、
前記ベールと前記第2牧草情報とを関連付けた第2ベール情報を生成する、項目12に記載の営農支援システム。
[項目15]
前記ベールの成形開始および成形終了に関する情報は、前記ベールの成形開始時刻および成形終了時刻に関する情報を含み、
前記処理装置は、
前記成形開始時刻に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置に基づいて、前記ベールの前記成形開始位置を決定し、
前記成形終了時刻に前記第2測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置に基づいて、前記ベールの前記成形終了位置を決定する、項目13または14に記載の営農支援システム。
[項目16]
前記処理装置は、前記スワース位置情報に基づいて、ベールを成形するベーラの走行経路を設定する、項目1から15のいずれかに記載の営農支援システム。
[項目17]
前記処理装置は、前記スワース位置情報に基づいて、形成された前記スワースの幅方向の中心位置を通るラインを、前記ベーラの走行経路に設定する、項目16に記載の営農支援システム。
[項目18]
スワースの位置を示す位置情報を生成する位置情報生成方法であって、
レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成すること、
を実行する、位置情報生成方法。
[項目19]
スワースの位置を示す位置情報を生成する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、
レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成すること、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
[項目20]
スワースの位置を示す位置情報を生成する処理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの動作を制御するコンピュータプログラムを記憶する記憶装置と、
を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って、
レーキ作業機に関するレーキ作業機情報に基づいて、互いに連結された作業車両および前記レーキ作業機のローカル座標系における、第1測位装置による測位の対象となる基準点と、前記レーキ作業機が形成するスワースとの間の第1位置関係を取得すること、
前記スワースの形成作業中に前記第1測位装置が検出した地理座標系における前記基準点の位置を示す情報と、前記第1位置関係とに基づいて、地理座標系における前記スワースの位置を示すスワース位置情報を生成すること、
を実行する、処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0191】
本開示の実施形態は、例えば牧草に関する農作業を支援するための営農支援システムに利用され得る。
【符号の説明】
【0192】
10:営農支援システム
20:ネットワーク
40:スワース
50:ベール
100:サーバ
110:処理装置
111:プロセッサ
112:ROM
113:RAM
120:記憶装置
130:通信IF
200:ユーザ端末装置
210:処理装置
211:プロセッサ
212:ROM
213:RAM
220:記憶装置
230:通信IF
240:入力装置
250:表示装置
260:地図
270:圃場の所定の領域
300:トラクタ(作業車両)
301:車両本体
302:原動機
303:変速装置
304F:前輪
304R:後輪
305:キャビン
306:操舵装置
307:運転席
308:連結装置
309:ルーフ
310:処理装置
311:プロセッサ
312:ROM
313:RAM
320:記憶装置
330:通信IF
340:入力装置
350:操作装置
360:IMU
370:ECU
380:駆動装置
390:通信IF
400:レーキ作業機
401:フレーム
402:集草機
403:本体
404:回転軸
405:タインアーム
406:タイン
407:支持アーム
408:スクリーン
409:車輪
410:処理装置
411:プロセッサ
412:ROM
413:RAM
430:通信IF
500:ベーラ
502:車体
504:車輪
506:排出口
510:取り入れ部
520:収容部
530:成形部
図1
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