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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】物品販売機の搬出機構
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/58 20060101AFI20231012BHJP
   G07F 9/02 20060101ALI20231012BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G07F11/58 F
G07F9/02 101A
B65G1/04 507
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018213258
(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公開番号】P2020080070
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-11-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 第
(72)【発明者】
【氏名】上畑 祐吾
(72)【発明者】
【氏名】木村 栄輝
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-246564(JP,A)
【文献】特開平11-292242(JP,A)
【文献】特開平09-124125(JP,A)
【文献】特開平11-011632(JP,A)
【文献】実開平03-091413(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00- 9/10
G07F 11/00-11/72
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する棚に設けられ、前記物品が前後方向に並べて載置されて、販売指令に基づいて駆動する駆動部と、前記駆動部によって駆動されて前記物品を前方に順次搬出する搬出ユニットと、を備えた物品販売機の搬出機構であって、
1台の前記搬出ユニットは、上面が前方に移動することで前記物品を前方に排出する複数本のベルトコンベアを有し、
前記複数本のベルトコンベアは、搬出方向に延在する支持部材の左右方向に並べて配置されて前記物品の左右下部を支持し、少なくとも1箇所で左右方向に互いに離間し、
前記複数本のベルトコンベアの左右方向の間に、前記ベルトコンベアに載置される物品の有無を検出し、前記支持部材に対して前後方向に移動可能な検知部を備えた
ことを特徴とする物品販売機の搬出機構。
【請求項2】
前記駆動部は、前記棚の後部に配置され、前記ベルトコンベアのベルトが掛け回されるベルト駆動軸をギヤを介して駆動するモータを備え、
前記ギヤは、偶数本並べられた前記ベルトコンベアの左右方向の中央に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の物品販売機の搬出機構。
【請求項3】
前記モータによって回転駆動される回転駆動軸と前記ベルト駆動軸とは互いに垂直に配置され、
前記回転駆動軸に中央部に凹部を有する第1のかさ歯車が設けられ、
前記ベルト駆動軸と平行に配置され、前記第1のかさ歯車と噛み合う第2のかさ歯車
と、前記ベルト駆動軸に設けられた前記ギヤと噛み合う中間軸ギヤと、を有する中間軸を備え、
前記中間軸ギヤの少なくとも一部が、前記第1のかさ歯車の凹部に位置することを特徴とする請求項2に記載の物品販売機の搬出機構。
【請求項4】
前記検知部は、偶数本並べられた前記ベルトコンベアの左右方向の中央に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の物品販売機の搬出機構。
【請求項5】
前記搬出ユニットは、前記棚に着脱可能に固定され、
前記回転駆動軸の前記棚に支持された部位と前記第1のかさ歯車との間に、着脱可能な接続部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の物品販売機の搬出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を自動的に販売する物品販売機において、棚に収納している物品を搬出する搬出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
箱状のキャビネット内に設けられた棚に複数の種類の物品を収納し、購入者が選択した物品を自動的に搬出する物品販売機が知られている。例えば、特許文献1に記載された物品販売機(自動販売機)では、キャビネット内で上下方向に複数並べて配置された棚の前方を上下方向に移動するバケット(キャッチャーバケット)を備え、購入者が選択した物品を搬出機構によって棚から前方に押し出し、当該棚の前方に移動したバケットに物品を搬出する。そして、物品を載せたバケットを物品販売機の下部に位置する物品取出口に相対する位置まで移動して、当該物品取出口から購入者が物品を取り出す構造となっている。
【0003】
特許文献1に記載された物品販売機には、棚に載置した物品を前方に搬出する搬出機構として、らせん棒状の部品であるスパイラルを備えたスパイラル式搬出機構と、ベルトコンベア式搬出機構が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示されたベルトコンベア式搬出機構は、フレームに設けられた前後方向に互いに離間した一対のシャフト間を無端状のベルトを掛けまわして構成されたベルトコンベアを有し、フレームの後部に設けられたモータによって後部シャフトを駆動して、ベルトの上面を後方から前方に移動させる構成になっている。
【0005】
また、ベルトコンベア式搬出機構においては、ベルト上に物品を前後方向に並べて載置し、物品の1個分ベルトを駆動することで、ベルトの前方へ物品を順次搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国実用新案公告第203966241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ベルトコンベア式搬出機構において、当該ベルト上に物品が無くなったことを検出する売り切れ検知装置を備えたものがある。売り切れ検知装置は、例えばベルトの前端部近傍にベルト上の物品によって押されるレバースイッチを備え、当該レバースイッチの検出結果に基づいて、当該ベルト上の物品が売り切れか否かを検出する。
【0008】
しかしながら、特許文献1のようなベルトコンベア式搬出機構において、レバースイッチを備えた場合、ベルトに干渉しないように、レバースイッチをベルトの側方に配置しなければならなくなってしまう。したがって、物品の形状や載置位置によっては、ベルト上に載置され前方に移動したとしても、レバースイッチが押されない可能性があり、売り切れを正確に検出することが困難となる虞がある。また、モータ等の出力軸からベルトが掛けまわされる駆動軸に動力を伝達する際に、当該駆動軸の一端部に設けられベルトの側方に位置するギヤを介して動力が伝達される。したがって、ベルトを駆動する駆動軸が偏荷重を受けて、ベルトと駆動軸とがスリップする可能性があるとともに、搬出機構全体の左右方向寸法が拡大してしまう虞もある。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、物品販売機の棚に備えられたベルトコンベア式の搬出機構であって、ベルト以外の関連部品を容易かつコンパクトに設置できる物品販売機のベルトコンベア式の搬出機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の物品販売機の搬出機構は、物品を収納する棚に設けられ、前記物品が前後方向に並べて載置されて、販売指令に基づいて駆動する駆動部と、前記駆動部によって駆動されて前記物品を前方に順次搬出する搬出ユニットと、を備えた物品販売機の搬出機構であって、1台の前記搬出ユニットは、上面が前方に移動することで前記上面に載置された前記物品を前方に排出する複数本のベルトコンベアを有し、前記複数本のベルトコンベアは搬出方向に延在する支持部材の左右方向に並べて配置され少なくとも1箇所で左右方向に互いに離間し、前記複数本のベルトコンベアの左右方向の間に、前記ベルトコンベアに載置される物品の有無を検出し、前記支持部材に対して前後方向に移動可能な検知部を備えたことを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記駆動部は、前記棚の後部に配置され、前記ベルトコンベアのベルトが掛け回されるベルト駆動軸をギヤを介して駆動するモータを備え、前記ギヤを、偶数本並べられた前記ベルトコンベアの左右方向の中央に配置するとよい。
【0012】
好ましくは、前記モータによって回転駆動される回転軸と前記ベルト駆動軸とは互いに垂直に配置され、前記回転駆動軸に中央部に凹部を有する第1のかさ歯車が設けられ、前記ベルト駆動軸と平行に配置され、前記第1のかさ歯車と噛み合う第2のかさ歯車と、前記ベルト駆動軸に設けられた前記ギヤと噛み合う中間軸ギヤと、を有する中間軸を備え、前記中間軸ギヤの少なくとも一部が、前記第1のかさ歯車の凹部に位置するとよい。
【0013】
ましくは、前記検知部を、偶数本並べられた前記ベルトコンベアの左右方向の中央に配置するとよい。
【0014】
好ましくは、前記搬出ユニットは、前記棚に着脱可能に固定され、前記回転駆動軸の前記棚に支持された部位と前記第1のかさ歯車との間に、着脱可能な接続部を備えるとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、棚に設けられ載置された物品を前方に順次搬出する搬出ユニットが、複数本のベルトコンベアを左右に並べて構成されているので、複数本のベルトコンベアに載置した物品の左右下部を支持し、複数本のベルトコンベアの駆動によって、物品の前方への搬出性を高めることができる。
【0016】
また、複数本のベルトコンベアは少なくとも1箇所で左右に互いに離間して並べて配置されているので、離間したベルトコンベアの間に物品の検知装置や駆動ギヤ等の関連部品を配置することができる。したがって、これらの関連部品が、物品の重心に近い左右位置に配置され、当該関連部品の機能性を高めるとともに、関連部品を含めた搬出機構をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の物品販売機の概略外部形状を示す斜視図である。
図2】本実施形態の物品販売機の内部構造を示す縦断面図である。
図3】物品収納部の棚の構造を示す斜視図である。
図4】ベルトコンベアユニットの構造を示す斜視図である。
図5】ベルトコンベアユニットのギヤ部の内部構造を示す前方斜視図である。
図6】ベルトコンベアユニットのギヤ部の内部構造を示す後方斜視図である。
図7】ベルトコンベアユニットのギヤ部の内部構造を示す縦断面図である。
図8】ベルトコンベアユニットの前端部の構造を示す斜視図である。
図9A】物品が小さい場合の検知ユニットの構造を示す斜視図である。
図9B】物品が大きい場合の検知ユニットの構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の物品販売機の概略外部形状を示す斜視図である。図2は、物品販売機の内部構造を示す縦断面図である。
【0020】
図1に示すように、物品販売機1は、物品を収納する本体ユニット2と、操作ユニット3を備えている。
【0021】
本体ユニット2は、前面を開口した箱型に形成され、前面開口を開閉自在に覆うドア5を備えた箱状のキャビネット4を有している。また、キャビネット4の内部には、物品を収納する物品収納部6が設けられている。
【0022】
操作ユニット3は、本体ユニット2の側方に隣接して配置され、物品の選択スイッチと、紙幣、硬貨等による料金の受容や払い出し、あるいはカードによる決済を行う課金部とを備えている。操作ユニット3は、課金部において料金の支払いが行われ、選択スイッチにより物品の選択操作がされることで、販売指令を本体ユニット2に送信する。
【0023】
図1、2に示すように、本体ユニット2のドア5の前面上部には、透明のガラスや樹脂によって形成された透明板10によって内部が視認可能な構成になっている。ドア5の下部には、矩形状の物品取出口11(取出口)が備えられている。物品取出口11には、矩形板状の取出口シャッター12が設けられている。取出口シャッター12は、物品取出口11の上部縁部に前後方向に揺動可能に支持されている。取出口シャッター12は、上下方向に延びる閉塞位置で物品取出口11を閉塞し、この閉塞位置から下部を後方に揺動させることで、物品取出口11が開口する。
【0024】
キャビネット4の内部の物品収納部6は、上下方向に間隔をおき、前部を開口した複数個(例えば6個)の棚13a~13fが配置されて構成されている。物品収納部6における最下段の棚13fは、例えばペットボトル飲料のように上下方向に比較的大きい物品を収納し、最上段の棚13aは上下方向に比較的小さい物品を収納する。
【0025】
棚13a~13fの前端部とドア5の前面である透明板10との間には前後方向に、バケット30が移動するスペース(以降、バケット移動空間21と言う)が設けられている。
【0026】
バケット30は、棚13a~13fの左右方向と略同一の長さで構成され、バケット移動空間21を上下方向に移動可能に構成されている。バケット30は、キャビネット4の内部に設けられた図示しないアクチュエータによって上下方向に移動し、バケット30の底板31の後端部が各棚13a~13fの底板の上下位置に移動可能であるとともに、最下方に移動した際に最下段の棚13fの下面よりも下方に位置するように移動可能となっている。なお、最下方に移動したバケット30の位置が待機・取出位置であり、この待機・取出位置において、バケット30の前面に物品取出口11が位置し、取出口シャッター12を開けることで、バケット30内に手を入れることが可能となっている。
【0027】
本体ユニット2の内部には、物品収納部6の下方に機械室22が備えられている。機械室22には、冷凍サイクルによる冷却機器の凝縮器23a、凝縮器用のファン23b、圧縮機23cが備えられている。機械室22の前部及び後部は、外部と連通している。また、機械室22と最下段の棚13fとの間には、下部ダクト24が備えられている。下部ダクト24には、冷却機器の蒸発器23d及び蒸発器23d用のファン23eが備えられている。ファン23eは、下部ダクト24の前方から後方に向けて蒸発器23dを通過させる空気の流れを発生させる。
【0028】
下部ダクト24の後部は、物品収納部6の後方を上下方向に延びる後部ダクト25と連通している。更に物品収納部6の上方には、前後方向に延びる上部ダクト26が備えられている。
【0029】
上部ダクト26の前方の開口部は、バケット移動空間21の上部に向けて開口している。更に、上部ダクトの前方の開口部の上部縁部には、前方に向かって下方に例えば45度の角度で傾斜する導風板27が設けられている。
【0030】
一方、下部ダクト24の前端部には、バックパネル28が設けられている。バックパネル28は、上下方向に延びて、下部ダクト24とその前方のバケット移動空間21とを区画する。更に、バックパネル28の上部の傾斜部28aには、直径数mm程度の通気孔28cが略1cm間隔で上下左右に複数個並べて設けられている。
【0031】
図2中の矢印で示すように、冷却機器の各機器を作動させ、特に下部ダクト24内のファン23eを作動させることで、蒸発器23dを通過して冷却された冷却風が、下部ダクト24から、後部ダクト25、上部ダクト26、バケット移動空間21、そして下部ダクト24の順番に冷却風が循環する。なお、後部ダクト25から冷却風の一部は棚13a~13fの間を前方に移動して、棚13a~13fに収納した物品Cを冷却する。
【0032】
上部ダクト26からバケット移動空間21に冷却風が移動する際に、導風板27によって冷却風はバケット移動空間21の後部を下方に向けて移動し、バックパネル28の通気孔28cから下部ダクト24に冷却風が移動する。したがって、冷却風によって棚13a~13fの前面にエアカーテンが形成される。これにより、冷却風がドア5の透明板10に接触することが抑制され、ドア5の透明板10の曇りを抑制することができる。
【0033】
図3は、物品収納部6の棚13の構造を示す斜視図である。
【0034】
図3に示すように、棚13(13a~13f)は、底板51と左右の側板52と背面板53とを有し、上方及び前方が開口した箱状に形成されている。また、棚13には、搬出機構55と図示しない仕切板とが備えられている。
【0035】
搬出機構55は、棚13の底板51上に配置されるベルトコンベアユニット57(搬出ユニット)と、棚13の背面板53に固定される駆動部60と、により構成されている。ベルトコンベアユニット57は、底板51の前後長さと略同一であり、図示しない仕切板の間、あるいは仕切板と側板52との間に夫々配置される。
【0036】
仕切板は、底板51の上に、前後方向に延び、左右の側板52の間を互いに左右方向に間隔をおいて複数配置される。仕切板は、棚の底板51及び背面板53に、着脱可能に固定される。
【0037】
駆動部60は、モータ61、変速機部62、ギヤシャフト63(回転駆動軸)を備えている。
【0038】
変速機部62は、変速ギヤを内蔵しており、棚13の背面板53の後面側に配置されている。変速機部62の上部の後面側にはモータ61が固定されている。変速機部62の下部には、前後方向に延びるギヤシャフト63の後部が挿入されて回転可能に支持されている。ギヤシャフト63は、円柱状のシャフトの前端部に、円板状の歯車67を固定して形成されている。ギヤシャフト63の前端部は背面板53より前方に突出しており、歯車67は背面板53に近接して前面側に配置されている。
【0039】
歯車67の前面には、ベルトコンベアユニット57の入力軸が着脱可能に接続される接続部67aが備えられている。ベルトコンベアユニット57は、ギヤシャフト63の軸線と同一の左右位置に、棚13の底板51に載置され、前端部が底板51の前端部に、後端部が背面板53に着脱可能に固定される。
【0040】
図4は、ベルトコンベアユニット57の構造を示す斜視図である。図5は、ベルトコンベアユニット57のギヤ部69の内部構造を示す前方斜視図である。図6は、ベルトコンベアユニット57のギヤ部69の内部構造を示す後方斜視図である。図7は、ベルトコンベアユニット57のギヤ部69の内部構造を示す縦断面図である。なお、図5、6においては、カバー77及び左右一方の縦板74bを省略している。
【0041】
図4、5に示すように、ベルトコンベアユニット57は、棚13の前後方向に延びるように形成された支持部材70と、支持部材70に互いに平行に設けられた一対のベルトコンベア71と、支持部材70の後端部に設けられるギヤ部69と、を備えている。
【0042】
支持部材70は、前後方向長さが底板51より数cm短く、左右方向長さが例えば数cmの部材である。
【0043】
支持部材70の前端部には、左右方向に延びる前回転軸72が回転可能に支持されている。支持部材70の後端部には、前回転軸72と平行に略同一の上下位置で左右方向に延びる後回転軸73(ベルト駆動軸)が回転可能に支持されている。
【0044】
一対のベルトコンベア71は、前回転軸72と後回転軸73との間に、左右方向に所定距離(例えば10mm程度)間隔をおいて互いに平行に掛け回された、左右幅が同一の無端状のベルトである。
【0045】
図5~7に示すように、ギヤ部69は、支持部材70の後端部に固定されるギヤ支持部材74と、第1のギヤシャフト75(回転駆動軸)、第2のギヤシャフト76(中間軸)、カバー77を備えている。
【0046】
ギヤ支持部材74は、後部が開口した矩形箱状の箱部材74aと、上下方向に延び互いに左右方向に間隔をおいて配置され、箱部材74aの前面の左右端部と支持部材70の左右後端部とを夫々接続する一対の縦板74bとを備えている。
【0047】
第1のギヤシャフト75は、箱部材74aの前壁の中央部に設けられた穴に回転可能に支持され、前後方向に延びるように設けられている。第1のギヤシャフト75には、前壁の前方側に第1のかさ歯車75aが固定されている一方、箱部材74aの前壁の後側に接続部75bが備えられている。接続部75bは、駆動部60の歯車67の接続部67aに前方から挿入されて接続して、駆動部60のギヤシャフト63と第1のギヤシャフト75との間で回転を伝達する。第1のかさ歯車75aは、前面が後方側に凹んで凹部75cが形成されている。
【0048】
第2のギヤシャフト76は、一対の縦板74bに設けられた穴に回転可能に支持され、左右方向に、即ち第1のギヤシャフト75とは垂直に延びるように形成されている。第2のギヤシャフト76は、第1のギヤシャフト75と上下位置が略同一で前方に間隔をおいて配置されるとともに、後回転軸73とは平行に配置されている。
【0049】
第2のギヤシャフト76の左右方向の端部近傍には、第1のギヤシャフト75の第1のかさ歯車75aと噛み合う第2のかさ歯車76aが固定されている。第2のギヤシャフト76の左右方向中央部には、平歯車76b(中間軸ギヤ)が固定されている。
【0050】
また、後回転軸73の左右方向中央部で2つのベルトコンベア71の間には第2のギヤシャフト76の平歯車76bと噛み合う平歯車73a(ギヤ)が固定されている。
【0051】
したがって、ベルトコンベアユニット57を底板51の上に設置し、接続部75bを駆動部60の歯車67に接続して、駆動部60のモータ61を駆動させることで、第1のギヤシャフト75、第2のギヤシャフト76を介して後回転軸73が回転し、ベルトコンベア71が回転駆動する。これにより、ベルトコンベア71に載置している物品を前方に移動させて前方に搬出させることができる。
【0052】
カバー77は、左右の縦板74bの間を覆い、第1のギヤシャフト75(回転軸)及び第2のギヤシャフト76、後回転軸73の平歯車73aを覆うように設けられ、支持部材70の後端部にネジ等により締結されている。
【0053】
図8は、ベルトコンベアユニット57の前端部の構造を示す斜視図である。図9は、検知ユニット100(検知部)の構造を示す斜視図である。(A)は、物品が小さい場合、(B)は物品が大きい場合を示す。
【0054】
図8に示すように、ベルトコンベアユニット57の前端部には、物品検知装置の検知ユニット100が備えられている。
【0055】
物品検知装置は、各棚13の各搬出機構55において物品の有無を検出する装置であり、各搬出機構55で前後方向に並べて載置される物品の列の前方において物品の有無を検知することにより物品の通過を検出する。なお、この物品検知装置による検出情報は、例えば当該搬出機構55における物品の売り切れ判定に使用される。
【0056】
図9に示すように、検知ユニット100は、支持部材110と検知レバー111(レバー部)を備えている。
【0057】
検知レバー111は、前後方向に延びる爪板状の検知部111bと、検知部111bの後端部に左右方向に延びる軸部111aを備えている。
【0058】
支持部材110は、前後方向に延び、後部に検知レバー111の軸部111aを回動可能に支持するレバー支持孔112を備えている。
【0059】
検知レバー111の下方には、支持部材110に対して検知レバー111の検知部111bを上方に付勢する図示しない付勢部材と、検知レバー111の検知部111bの下方への回動を検出する図示しないマイクロスイッチを備えている。
【0060】
そして、検知レバー111に物品が載置されている場合には、付勢部材による付勢に抗して検知レバー111の前端が支持部材70の上面と同一の上下位置まで下方に回動する。このとき、検知ユニット100のマイクロスイッチがONとなるようにする。
【0061】
また、検知レバー111に物品が載置されていない場合には、付勢部材によって付勢されて検知レバー111の後端が支持部材70の上面よりも上方へ突出する。このとき、検知ユニット100のマイクロスイッチがOFFとなるようにする。
【0062】
更に、図9(A)及び(B)に示すように、支持部材110は、支持部材70に対して前後方向に移動可能であり、かつ、例えば支持部材70に複数設けられた凹部に支持部材110に設けた爪部が嵌合するようにして、支持部材70に対して支持部材110が10mm~20mm毎に固定可能に構成されている。
【0063】
以上のように、本実施形態では、物品販売機1の棚13に設けられた搬出機構55において、載置された物品を前方に順次搬出するベルトコンベアユニット57が、2本のベルトコンベア71を左右に並べて構成されているので、ベルトコンベア71に載置した物品の左右下部を支持し、2つのベルトコンベア71の駆動によって、物品の前方への搬出性を高めることができる。
【0064】
また、2本のベルトコンベア71は左右に互いに離間して並べて配置されているので、2つのベルトコンベア71の間に検知ユニット100やベルトコンベア71のベルトを駆動するための平歯車73aを配置することができる。したがって、検知ユニット100や平歯車73a等のベルトコンベア71の関連部品が、物品の重心に近い左右位置に配置され、検知ユニット100や平歯車73a等の関連部品機能性を高めるとともに、関連部品を含めたベルトコンベアユニット57及び搬出機構55をコンパクトに構成することができる。
【0065】
また、ベルトコンベアユニット57は、棚13に対して着脱可能に構成されており、必要に応じて、当該ベルトコンベアユニット57の代わりにスパイラルコンベアユニットを取り付け可能となっている。スパイラルコンベアユニットは、直径数mmの金属棒を螺旋状に形成したスパイラル部と、スパイラル部の下方を当該スパイラル部の軸線と平行に前後方向に延び、スパイラル部のピッチ間に設置される部品を支持する台座を備えて構成されている。スパイラル部は、後端が歯車67の前面の接続部67aに着脱可能に構成されている。したがって、駆動部60を共通化して、ベルトコンベアユニット57とスパイラルコンベアユニットを必要に応じて、容易に交換することができる。
【0066】
なお、本発明は上記の実施形態に限定するものではない。例えば、ベルトコンベアユニット57のギヤ部69の詳細な構造については、適宜変更してもよい。検知ユニット100の前後方向の長さが異なる検知レバー111を複数用意しておき、物品の大きさに応じて適宜検知レバーを付け替えるようにしてもよい。これにより、検知レバー111の検知部111bの先端の前後位置を変更することが可能となる。
【0067】
また、上記の実施形態では、ギヤシャフト63に設けられた歯車67の前面の接続部67aと、第1のギヤシャフト75の後端の接続部75bとが接続されるが、ギヤシャフト63から歯車67を取り外せる場合には、ギヤシャフト63と第1のギヤシャフト75とを直接接続できるような構成にしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、2本のベルトコンベア71が同一の幅であるが、異なる幅であってもよい。また、上記実施形態では、ベルトコンベアユニット57にベルトコンベア71が2本備えられているが、ベルトコンベア71を複数本備えたベルトコンベアユニットに本発明を適用することができる。例えば4本等の偶数本のベルトコンベア71を備えたベルトコンベアユニットにおいては、2本のベルトコンベア71と2本のベルトコンベア71との間に間隔をおき、この間に、即ちベルトコンベアユニットの左右方向中央に平歯車73aや検知レバー111を配置するとよい。
但し、4本等のように2本より多くベルトコンベア71を備えたベルトコンベアユニットでは、ベルトの長さの精度によっては張力にバラツキが発生してスリップが発生する可能性がある。したがって、上記実施形態のように2本のベルトコンベア71を備えたベルトコンベアユニット57の方が、2本より多くベルトコンベア71を備えたベルトコンベアユニットよりも動作上バランスが良く好ましい。
【0069】
また、上記実施形態における検知ユニット100の詳細な構造については、適宜変更してもよい。
【0070】
本発明は、棚に1列に並べて収納された物品を、搬出機構によって順次移動させて、棚から1つずつ搬出させる構成の物品販売機において、広く採用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 物品販売機
13 棚
55 搬出機構
57 ベルトコンベアユニット(搬出ユニット)
60 駆動部
61 モータ
63 ギヤシャフト(回転駆動軸)
67a 接続部
71 ベルトコンベア
73 後回転軸(ベルト駆動軸)
73a 平歯車(ギヤ)
75 第1のギヤシャフト(回転駆動軸)
75a 第1のかさ歯車
75b 接続部
75c 凹部
76 第2のギヤシャフト(中間軸)
76a 第2のかさ歯車
76b 平歯車(中間軸ギヤ)
100 検知ユニット(検知部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B