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特許7365137プラグとキャビティアセンブリとを備えた電気コネクタアセンブリ、および超音波溶接の方法
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  • 特許-プラグとキャビティアセンブリとを備えた電気コネクタアセンブリ、および超音波溶接の方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】プラグとキャビティアセンブリとを備えた電気コネクタアセンブリ、および超音波溶接の方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20231012BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H01R13/52 B
H01R43/00 B
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019090588
(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公開番号】P2019207874
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】15/983,774
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508013489
【氏名又は名称】ヤザキ ノース アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】グラント マーク エス.
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-122331(JP,A)
【文献】特開2017-073204(JP,A)
【文献】特開2005-294146(JP,A)
【文献】特開2005-021939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの前端部において、該コネクタのキャビティ内に少なくとも部分的に配されたプラグを含み、
該プラグは、構成において、該コネクタに超音波溶接されており、
該プラグは、
該プラグのボディ内へ軸方向に延びる差し込み部分と、
該差し込み部分内に形成された凹部であって、外面を形成する第一の閉じた面を有し、かつ該プラグを該キャビティとアライメントさせるためのツールと係合するように構成された、該凹部と
を含み、
該プラグは、該キャビティが該構成において端子または電線を受けないように、該キャビティを第二の閉じた面で囲む、
アセンブリ。
【請求項2】
前記コネクタをさらに含む、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記コネクタは、前端部と、対向する後端部とを規定し、該コネクタは、その中に規定された複数のキャビティを有し、該複数のキャビティのそれぞれは、該前端部から該後端部まで延び、端子または電線の少なくとも1つを受けるように構成される、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記プラグは、前記コネクタのキャビティ内に少なくとも部分的に配された第一端部と、第一端部に対向する第二端部とをさらに含み、キャップが、第二端部に形成され、かつ前記ボディから輪状に外向きに延びる、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記プラグが前記コネクタのキャビティに配されたとき、前記キャップが該コネクタの前端部に接して配されかつ係合する、請求項4記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記プラグは、前記キャップから第一端部までで測定されるプラグ長さを規定し、前記キャビティは、キャビティ長さを規定し、プラグ長さは、キャビティ長さの半以下である、請求項4記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記プラグは、前記ボディの周りに輪状に形成されたカラーをさらに含み、該カラーは、前記コネクタの受け壁に係合するように構成され、かつカラー直径を規定し、該カラーは、該コネクタに超音波溶接されている、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項8】
カラーが、受け壁の輪郭と相補的な外輪郭を規定する、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
カラーは、前記ボディの第一端部に向かって内向きに延びる第一のテーパーを含み、該カラーは、該ボディの第二端部に向かって内向きに延びる第二のテーパーを含む、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項10】
第一のテーパーと第二のテーパーとの間に、点が形成され、該点の少なくとも一部が前記受け壁と係合する、請求項9記載のアセンブリ。
【請求項11】
コネクタの前端部において、該コネクタのキャビティ内に少なくとも部分的に配されたプラグを含み、
該プラグは、構成において、該コネクタに超音波溶接されており、
該プラグは、
該コネクタのキャビティに少なくとも部分的に配された第一端部と、
第一端部と対向する第二端部と、
第二端部に形成され、かつボディから輪状に外向きに延びる、キャップと
を含み、
該キャビティは、受け部分直径を規定する受け壁で形成された受け部分を含む、
コネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記コネクタをさらに含み、該コネクタは、前端部と、対向する後端部とを規定し、該コネクタは、その中に規定された複数のキャビティを有する、請求項11記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記プラグのボディの周りに輪状に形成されたカラーをさらに含み、該カラーは、前記受け壁に係合するように構成され、かつカラー直径を規定する、請求項11記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記カラーはカラー直径を規定し、該カラー直径は、受け部分直径と実質的に同じであるかまたはそれより大きい、請求項10記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記カラーが前記受け壁に超音波溶接される、請求項1記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
コネクタとプラグが異なるプラスチック材料で形成されており;かつ
該プラグの融点が該コネクタの融点より低い、
請求項1記載のコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前端部と、対向する後端部と、コネクタ内に規定されかつ該前端部から該後端部まで延びるキャビティとを規定する、該コネクタを提供する段階であって、該キャビティが、受け部分直径を規定する受け壁で形成された受け部分を含む、該段階;
プラグを該キャビティ内に少なくとも部分的に挿入する段階であって、該プラグが、該コネクタの該キャビティに少なくとも部分的に配された第一端部と、該第一端部と対向する第二端部と、該プラグのボディの周りに輪状に形成されたカラーとを含む、該段階;および
該プラグを該コネクタに超音波溶接する段階
を含む、電気コネクタアセンブリを組み立てる方法。
【請求項18】
前記プラグをコネクタに超音波溶接する段階が、前記カラーを前記受け部分に超音波溶接する段階をさらに含む、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
カラーと受け部分とをプレス嵌めで係合させる段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
プラグが、前記第二端部から半径方向外向きに延びているキャップを含み、
該プラグをコネクタに超音波溶接する段階が、該キャップを該コネクタの前端部に超音波溶接する段階をさらに含む、
請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概してワイヤ電気コネクタの分野に関し、より具体的には、電気コネクタにおけるキャビティを超音波溶接で密閉するためのプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、様々な電気コンポーネントを接続するために多数のワイヤを含有している場合がある。これらのワイヤは、自動車の組み立て中にオペレーターがコンポーネントを(例えば、雄雌式コネクタアセンブリで有線接続を形成するなどして)迅速かつ容易に電気接続できるよう電気コネクタを利用する、ワイヤハーネスにグループ化されることが一般的である。各コンポーネントが有する、マルチプロング式コネクタ(multi-prong connector)内の対応するキャビティに挿入されなければならないワイヤの数は、それぞれ異なっている可能性がある。その結果、標準化された電気コネクタが、それぞれワイヤの数が異なる様々なコンポーネントに使用される場合は、キャビティの一部が、ワイヤで充填されずに要素に露出されたままとなる可能性がある。未充填のキャビティを通じて有線電気接続が露出していると、電気コネクタアセンブリの損傷または機能不全につながる可能性がある。例えば、未充填のキャビティを通って電気コネクタアセンブリに入った水分が、有線接続を短絡させそして電気コンポーネントの機能不全を引き起こす可能性がある。同様に、未充填のキャビティを通って電気コネクタアセンブリに入ったデブリが有線接続に干渉する可能性がある。
【0003】
電気コネクタアセンブリにおける有線接続を保護するため、電気コネクタアセンブリは、アセンブリの内部部分が外部の要素から絶縁されるように密閉されてもよい。キャビティをカバーおよび保護するため、未充填のキャビティにプラグが挿入されてもよい。しかし、従来の電気コネクタアセンブリにおいて、プラグはキャビティに能動的に係合するわけではなく、したがって、自動車の寿命の間に、アセンブリの振動または動きの結果としてキャビティから脱落する可能性がある。一方、電気コネクタに能動的に係合するプラグは、余分の構造を含み、それは電気コネクタアセンブリの材料費を大きく増大させる。
【0004】
したがって、プラグをキャビティ内に超音波溶接することによって、プラグが、キャビティに能動的に係合しかつ材料の使用も最少化するよう、電気コネクタにおけるキャビティを密閉するためのプラグを提供することは、有利であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】US8647132B2
【文献】US8087948B2
【文献】US6290521B1
【文献】US5730626A
【文献】US5813882A
【文献】US5658168A
【文献】US5470258A
【文献】US5273456A
【文献】US7156698B2
【文献】US6494731B1
【文献】US5720629A
【文献】US4105278A
【文献】US7338304B2
【発明の概要】
【0006】
1つの態様は、前端部と、対向する後端部とを規定するコネクタを含む、電気コネクタアセンブリに関する。コネクタは、その中に規定されたキャビティを含み、該キャビティは、前端部から後端部まで延び、かつ端子または電線のうち少なくとも1つをその中に受けるよう構成されている。アセンブリは、キャビティ内に少なくとも部分的に配されかつコネクタに超音波溶接される、プラグをさらに含む。
【0007】
別の態様は、前端部と、対向する後端部と、コネクタ内に規定されかつ前端部から後端部まで延びるキャビティとを規定するコネクタを提供する段階を含む、電気コネクタアセンブリを組み立てる方法に関する。同方法は、プラグをキャビティ内に少なくとも部分的に挿入する段階、および、プラグをコネクタに超音波溶接する段階を、さらに含む。
【0008】
より具体的には、本発明は以下を提供する:
[1] 前端部と、対向する後端部とを規定するコネクタであって、該コネクタは、その中に規定されたキャビティを有し、該キャビティは、該前端部から該後端部まで延び、かつ端子または電線のうち少なくとも1つをその中に受けるよう構成されている、コネクタ;および
該キャビティ内に少なくとも部分的に配され、かつ該コネクタに超音波溶接される、プラグ
を含む、電気コネクタアセンブリ;
[2] キャビティが、受け部分直径を規定する受け壁で形成された受け部分を含み;
プラグが、該受け部分内に配された第一端部と、対向する第二端部とを有するボディを含む、
[1]のアセンブリ;
[3] プラグのボディの周りに輪状に形成されたカラーをさらに含み、該カラーが、受け壁に係合するよう構成されかつカラー直径を規定する、[2]のアセンブリ;
[4] カラーが受け壁に超音波溶接される、[3]のアセンブリ;
[5] カラーが、前記ボディの第一端部に向かうにつれて内向きにテーパーしている、[3]のアセンブリ;
[6] カラー直径が受け直径と実質的に同じであるかまたはそれより大きい、[5]のアセンブリ;
[7] プラグのボディから半径方向外向きに延びているカラーをさらに含み、該カラーが、受け壁に係合するよう構成されている、[2]のアセンブリ;
[8] カラーが、受け壁の輪郭と相補的な外輪郭を規定する、[7]のアセンブリ;
[9] カラーが、コネクタの前端部における前方開口部の輪郭と相補的な外輪郭を規定する、[7]のアセンブリ;
[10] 前記ボディの第二端部から半径方向外向きに延びているキャップをさらに含む、[2]のアセンブリ;
[11] キャップがコネクタの前端部に係合する、[10]のアセンブリ;
[12] キャップがコネクタの前端部に超音波溶接される、[11]のアセンブリ;
[13] キャビティが、前方直径を規定する前方開口部をコネクタの前端部に含み;かつ
キャップが、該前方直径より大きなキャップ直径を規定する、
[10]のアセンブリ;
[14] キャビティが、コネクタの前端部から受け部分の後縁部までで測定される受け長さを規定し;
プラグが、キャップから該プラグの第一端部までで測定されるプラグ長さを規定し;かつ
該プラグ長さが該受け長さより短い、
[10]のアセンブリ;
[15] コネクタとプラグが同じプラスチック材料で形成されている、[1]のアセンブリ;
[16] コネクタとプラグが異なるプラスチック材料で形成されており;かつ
該プラグの融点が該コネクタの融点より低い、
[1]のアセンブリ;
[17] 前端部と、対向する後端部と、コネクタ内に規定されかつ該前端部から該後端部まで延びるキャビティとを規定する、該コネクタを提供する段階;
プラグを該キャビティ内に少なくとも部分的に挿入する段階;および
該プラグを該コネクタに超音波溶接する段階
を含む、電気コネクタアセンブリを組み立てる方法;
[18] キャビティが、受け部分直径を規定する受け壁で形成された受け部分を含み;
プラグが、該受け部分内に配された第一端部と、対向する第二端部と、該プラグのボディの周りに輪状に形成されたカラーとを有する、該ボディを含み;
該プラグをコネクタに超音波溶接する段階が、該カラーを該受け部分に超音波溶接する段階をさらに含む、
[17]の方法;
[19] カラーと受け部分とをプレス嵌めで係合させる段階をさらに含む、[18]の方法;および
[20] プラグが、第一端部と、対向する第二端部と、該第二端部から半径方向外向きに延びているキャップとを有するボディを含み、
該プラグをコネクタに超音波溶接する段階が、該キャップを該コネクタの前端部に超音波溶接する段階をさらに含む、
[17]の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】コネクタアセンブリの斜視図である。
図2】コネクタを密閉するためのプラグを含む、1つの態様に基づくコネクタの分解断面図である。
図3図2のコネクタの組立断面図である。
図4】コネクタを密閉するためのプラグを含む、別の態様に基づくコネクタの分解断面図である。
図5図4のコネクタの組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図面を全体的に参照すると、様々な態様に基づく電気コネクタアセンブリが示されている。コネクタアセンブリは、それぞれが接続用の複数のワイヤを受ける、2つの対応するコネクタの間に、雄雌式の接続を提供するよう構成される。より詳しく後述するように、コネクタアセンブリの内部部分における有線接続を保護するために内部部分を完全に閉鎖するため、未充填のキャビティ(例えば、その中にワイヤを受けていないキャビティ)がプラグで充填されてもよい。
【0011】
図1を参照すると、1つの態様に基づく電気コネクタアセンブリ8が示されている。コネクタアセンブリ8は、前端部(すなわち第一の端部)14と、対向する後端部(すなわち第二の端部)16とを規定する、実質的に長方形のボディ12を有する、第一コネクタ10(すなわち、コネクタ、電気コネクタなど)を含む。ボディ12は、上面15と、対向する下面17とを、さらに規定する。注意すべき点として、図1は長方形のボディ12を備えた第一コネクタ10を示しているが、他の態様においてボディ12が他の形状を規定してもよい。複数のキャビティ18が、前端部14内に形成されており、そしてボディ12を縦方向に通って後端部16までわたっている。具体的には、各キャビティ18は、ボディ12の前端部14内に形成された前方開口部20と、ボディ12の後端部16内に形成された、対向する後方開口部22(図2に示す)とを規定する。
【0012】
各キャビティ18は、ワイヤから後端部16の端子まで電気を通すため、金属端子(図には示していない)をその中に受け、かつ、ワイヤの露出端を端子内に受けるよう、構成される。例えば、金属端子は、ワイヤの露出端上に圧着されるかまたは他の好適な方式でワイヤに電気的に結合(例えば、はんだ付け、溶接、巻線など)される部分を含んでいてもよい。端子は次に、端子の少なくとも一部分をキャビティ18の前方開口部20に通すことによって、第一コネクタ10の前端部14を通ってキャビティ18に挿入される。端子がキャビティ18に完全に挿入されかつその中に固定されたとき、端子の少なくとも一部分は、ボディ12の後端部16の近傍に配されるか、または、(例えば前端部14から遠ざかって)後端部16の対応する後方開口部22を通ってボディ12から外に延びる。端子は、キャビティ18を形成する壁に対する、端子による干渉嵌めまたはプレス嵌めによって、キャビティ18内に保持されてもよいが、他の方式によって端子がキャビティ18内の所定の位置に保持されてもよい。
【0013】
別の態様において、端子がキャビティ18に挿入され、そして次に、ワイヤの端部が中に受けられそして上述のように端子に電気的に結合されてもよい。また別の態様において、ワイヤとキャビティ18の壁との間でキャビティ18内に配される端子を伴わずに、ワイヤの露出端がキャビティ18内に受けられてもよい。この構成において、ワイヤは、キャビティ18に、またはコネクタアセンブリ8の別の部分に、直接結合されてもよい。
【0014】
図1をさらに参照すると、コネクタアセンブリ8は、第一コネクタ10に電気的に係合するよう構成された第二コネクタ30をさらに含む。第二コネクタ30は、前端部(すなわち第一の端部)34と、対向する後端部(すなわち第二の端部)36とを規定する、実質的に長方形のボディ32を含めて、第一コネクタ10と実質的に同様であってもよい。ボディ32は、上面35と、対向する下面37とをさらに規定する。注意すべき点として、図1は長方形のボディ32を備えた第二コネクタ30を示しているが、他の態様において、ボディ32の形状が第一コネクタ10のボディ12の形状と対応するよう、ボディ32が他の形状を規定してもよい。具体的には、コネクタアセンブリ8は、雌コンポーネントと、雌コンポーネント内に受けられるよう構成された雄コンポーネントとで、構成されてもよい。例えば、第一または第二コネクタ10, 30のうち1つが、雌コンポーネントとして構成されてもよい第一または第二コネクタ10, 30の他方の中に受けられるよう構成された、雄コンポーネントとして構成されてもよい。
【0015】
図1に示すように、第二コネクタ30は、前端部34内に形成されそしてボディ32を横方向に通って後端部36までわたっている、複数のキャビティ38を含む。キャビティ38は、上述のように、第一コネクタ10におけるキャビティ18と実質的に同様であるかまたは同じであってもよい。各キャビティ38は、ボディ12の前端部14内に形成された前方開口部(図には示していない)と、ボディ32の後端部36内に形成された、対向する後方開口部42とを規定してもよい。コネクタアセンブリ8が組み立てられた構成にある時、第一コネクタ10の後端部16は、第二コネクタ30の後端部36の一部分に接して配され、かつ、それを受けるかまたはそれの中に受けられてもよい。コネクタアセンブリ8において、第一コネクタ10においてキャビティ18を通って延びている端子および/またはワイヤは、第一および第二コネクタ10, 30内のワイヤ間で電気を伝えるため、第二コネクタ30における対応する端子および/またはワイヤと接触ししたがってこれに電気的に係合してもよい。
【0016】
図1をさらに参照すると、複数のキャビティ18は、ボディ12の前端部14に形成されたグリッドとして編成されてもよい。注意されるべき点として、図1は8つのキャビティ18が2行あるグリッドを示しているが、このグリッドは1つの態様を示すものであり、そして、第一コネクタ10は、キャビティ18の行および/または列がより多いかまたはより少ないことも含めて、より多いかまたはより少ないキャビティ18をボディ12に含んでいてもよい。さらに、他の態様において、キャビティ18は長方形のグリッドパターンを伴わずに形成されてもよく、そして、他の形状を有するグリッドとして形成されるか、またはグリッドをまったく伴わずに形成されてもよい。
【0017】
コネクタアセンブリ8が完全に組み立てられたときに、第一コネクタ10における各キャビティ18の後方開口部22が、第二コネクタ30における各キャビティ38の対応する後方開口部42とアライメントするように構成されるよう、第二コネクタ30は、第一コネクタ10におけるキャビティ18と実質的に同じグリッドとなるようキャビティ38を規定してもよい。しかし、グリッドが横方向および垂直方向の両方において対称的ではない構成において、第二コネクタ30の前端部34上のキャビティ38のグリッドは、第一コネクタ10の前端部14と同一平面上に規定される横軸または垂直軸のうち1つまたは両方について転置された、第一コネクタ10の前端部14上のキャビティ18のグリッドと実施的に同じであってもよい。
【0018】
1つの態様において、第二コネクタ30は、第一コネクタ10におけるキャビティ18の数と異なる数のキャビティ38を含んでいてもよい。例えば、第二コネクタ30が、第一コネクタ10より少ないキャビティ38を含んでいてもよい。より詳しく後述するように、この構成において、第二コネクタ30におけるキャビティ38と対応していない、第一コネクタ10におけるキャビティ18が、プラグで充填されてもよい。同様に、第一コネクタ10が、第二コネクタ30より少ないキャビティ18を含んでいてもよい。この構成において、第一コネクタ10におけるキャビティ18と対応していない、第二コネクタ30におけるキャビティ38が、プラグで充填されてもよい。いずれの構成においても、第一および第二コネクタ10, 30は、同じ数の電線をその中に受けるように構成されてもよい。
【0019】
図2~5を全体的に参照すると、様々な態様に基づく、コネクタアセンブリ8における第一コネクタ10が示されている。ただし、注意されるべき点として、図2~5はコネクタを第一コネクタ10として示しているが、第二コネクタ30が第一コネクタ10と実質的に同じように構成されてもよく、そして、コネクタ10, 30の雄または雌の構成が、その中の対応するキャビティ18を密閉するためのプラグの使用を限定するわけではない。さらに、図2~5は1つのプラグのみを示しているが、理解されるべき点として、未充填の各キャビティ18に対応するため、そして、第二コネクタ30における未充填のキャビティ18に対応するためにも、少なくとも1つのプラグが提供されてもよい。
【0020】
図2を参照すると、1つの態様に基づく第一コネクタ10の分解断面図が示されている。キャビティ18は、前方開口部20の近傍に形成された受け部分50(すなわち第一の部分)と、後方開口部22の近傍に形成された接続部分52(すなわち第二の部分)と、それらの間にわたる移行部分54(すなわち第三の部分)とを規定する。受け部分50は、前方開口部20においてキャビティ18を密閉するため、プラグ56をその中に受けかつ固定するよう構成される。接続部分52は、第二コネクタ30と電気接続するため、端子またはワイヤのうち少なくとも1つを所定の位置に係合しかつ固定するよう構成される。
【0021】
前方開口部20は、前縁部58と、対向する後縁部60と、それらの間にわたる表面62とを規定する。表面62は、前端部14から遠ざかり後端部16に向かうにつれて、直径および/または断面積が減少する。例えば、前縁部58は前方直径D1(すなわち第一の直径)を規定し、そして後縁部60は、前方直径D1より小さい後方直径D2(すなわち第二の直径)を規定する。図2に示すように、表面62は、実質的に直線の断面輪郭を規定して、前縁部58と後縁部60との間で面取り部を形成する。しかし他の態様において、表面62は、他の断面輪郭(例えばフィレットもしくは他の曲面)を規定してもよく、またはねじ切りされていてもよい。別の態様において、前方開口部20が前縁部58と後縁部60との間で実質的に一定である断面積を規定するよう、前方直径D1が後方直径D2と実質的に同じであってもよい。図1および図2に示す構成において、前方開口部20は実質的に円形の輪郭を有するが、認識されるべき点として、前方開口部20は、プラグ56の形状に対応した他の形状を規定してもよい。
【0022】
受け部分50は、前方開口部20の後縁部60から、前端部14から遠ざかり接続部分52そして後端部16に向かって延びている。受け部分50は、前縁部64と、対向する後縁部66と、それらの間にわたる受け壁68(すなわち、壁、表面など)とを規定する。前縁部64は前方直径D3(すなわち第三の直径)を規定し、そして後縁部66は後方直径D4(すなわち第四の直径)を規定する。受け部分50は、前縁部64と後縁部66との間で、実質的に一定であり、かつ、前方直径D3および/または後方直径D4と実質的に同じである、受け直径D5(すなわち第五の直径)を規定する。図2に示すように、キャビティ18が前方開口部20の後縁部60と受け部分50の後縁部66との間で実質的に一定である直径および断面積を規定するよう、受け直径D5は前方開口部20の後方直径D2と実質的に同じである。図1および図2に示す構成において、受け部分50は輪状の形状であり、かつ実質的に円形の輪郭を有するが、認識されるべき点として、受け部分50がプラグ56と実質的に同じ輪郭を規定し、これによってそれらの間に締まり嵌めが確保されるよう、受け部分50は、プラグ56に対応した他の形状を規定してもよい。同様に、受け部分50は、前方開口部20と実質的に同じ形状または異なる形状を規定してもよい。
【0023】
別の態様において、前方開口部20の後縁部60から受け部分50の前縁部64まで直径が急激に増大または減少するよう、受け直径D5が前方開口部20の後方直径D2と異なっていてもよい。また別の態様において、受け直径D5が前縁部64と後縁部66との間で変動していてもよく、かつ/または、前方直径D3が後方直径D4と異なっていてもよい。例えば、受け部分50が、その中にプラグ56が挿入される際に、プレス嵌めのアレンジメントによってプラグ56に係合するように構成されるよう、受け直径D5が、前縁部64から遠ざかり後縁部66に向かうにつれて減少してもよい。具体的には、プラグ56は、受け壁68に係合しそしてプラグ56の一部分が受け壁68によって圧迫されるまで、受け部分50の中にさらに挿入される。
【0024】
図2をさらに参照すると、第一コネクタ10は、ボディ12内にありかつ後端部16の近傍に形成された内部部分70を規定する。内部部分70は、コネクタアセンブリ8を電気的に接続するため、第一コネクタ10と第二コネクタ30との間に空隙を提供するよう構成される。図2は、第一コネクタ10のボディ12内のみに形成された内部部分70を示しているが、理解されるべき点として、コネクタアセンブリ8が完全に組み立てられたとき、内部部分70は、後端部16の近傍である、第一コネクタ10のボディ12内と、後端部36の近傍である、第二コネクタ30のボディ32内との、両方にわたる。内部部分70は、(例えばその接続部分52において)キャビティ18, 38の少なくとも一部分を含んでいてもよい。この構成または他の構成において、内部部分70は、第一コネクタ10の前端部14と、第二コネクタ30の後端部36との間で、ボディ12, 32内に規定される。
【0025】
第一コネクタ10は、第一および第二コネクタ10, 30の各々における端子の電気接続を含めて、コネクタアセンブリ8の内部部分70を密閉および保護するため、第二コネクタ30に密閉的に係合してもよい。防水性のコネクタアセンブリ8を提供するため、水分がコネクタアセンブリ8の内部部分70に入ることを防ぐために、前方開口部20の近傍で端子がキャビティ18, 38内にさらに密閉されてもよい。
【0026】
受け部分50の後縁部66の近傍において、ボディ12から、第一コネクタ10の後端部16に向かって、アーム72が延びている。接続部分52はアーム72とボディ12との間で規定される。図2に示すように、接続部分52は、アーム72と、ボディ12の上面15との間で規定される。(例えばアーム72の後端部76の近傍において)アーム72からホーン74が延びている。ホーン74は、第一コネクタ10の後端部16に向かいかつ前端部14から遠ざかるよう角度が付いていてもよい。この構成において、端子または他の構造がキャビティ18に挿入されたとき、端子の少なくとも一部分がホーン74に能動的に係合してもよい。アーム72(例えばホーン74の反対側)とボディ12の下面17との間でチャネル78が規定される。アーム72は、(例えば塑性変形下で)ボディ12の上面15から遠ざかりチャネル78内へと偏向するように構成される。例えば、端子がキャビティ18に挿入されたとき、端子がホーン74に係合して、説明したようにアーム72を偏向させる。端子がキャビティ18に完全に挿入されたとき、アーム72は元のポジションに戻り、そして、ホーン74が干渉嵌めを提供しこれにより端子がキャビティ18から引き抜かれることを防ぐよう、端子の相補的特徴がホーン74に能動的に係合する。他の態様において、従来式プラグをキャビティ18内に能動的に保持するため、ホーン74が、従来式プラグの対応する特徴に係合するよう構成されてもよい。この構成において、第一コネクタ10は、従来式プラグまたは本出願に説明するプラグ56のいずれをも互換的に受けるよう構成され、これによって、特定のアセンブリにおいて使用されるプラグに応じて必要となる、部品の数を減少させる。
【0027】
図2は、第一コネクタのアーム72と上面15との間で規定される接続部分52を示しているが、他の態様において、接続部分52がアーム72と下面17との間で規定されるよう、キャビティ18が下面17の近傍で延びていてもよい。同様に、この構成において、端子または他の構造がホーン74に係合したときに、アーム72が下面17から遠ざかり上面15に向かって偏向するように構成されるよう、チャネル78が上面15とアーム72との間で規定されてもよい。他の態様において、端子がアーム72の他の部分に係合したときにアーム72が偏向してもよい。
【0028】
接続部分52は、受け部分50の断面積より小さい断面積を規定する。キャビティ18の移行部分54は、受け部分50から遠ざかり接続部分52に向かうにつれて断面積が減少する、テーパーを規定する。移行部分54においてキャビティ18の直径が減少するよう、移行部分54および/または接続部分52は実質的に円形の輪郭を規定してもよい。他の態様において、接続部分52は他の輪郭形状を規定し、そして、移行部分54は、受け部分50の円形の輪郭形状と接続部分52の非円形輪郭との間に滑らかな移行を提供する。
【0029】
図2をさらに参照すると、1つの態様に基づくプラグ56が示されている。プラグ56は、前方開口部20を通ってキャビティ18内に受けられるよう構成された第一端部82と、対向する第二端部84とを有する、実質的に輪状のボディ80を含む。ボディ80をキャビティ18の受け部分50内に配することができるよう、ボディ80は、受け直径D5と実質的に同じであるかまたはそれより小さいプラグ直径D6(すなわち第六の直径)を規定する。図2は、輪状のボディ80を有するプラグ56を示しているが、理解されるべき点として、他の態様において、ボディ80は、受け部分50の形状に対応しかつこれと実質的に同じである他の形状を有していてもよい。
【0030】
キャップ86が、第二端部84に形成され、かつ、ボディ80から半径方向外向きに延びている。キャップ86は、プラグ直径D6および前方開口部20の前方直径D1より大きなキャップ直径D7(すなわち第七の直径)を規定する。次に図3を参照すると、プラグ56がキャビティ18の受け部分50に挿入されたとき、キャップ86は第一コネクタ10の前端部14に接して配されかつこれに係合する。前方直径D1とキャップ直径D7との間の直径の差により、プラグ56がキャビティ18内に装着されたとき、キャップ86は対応するキャビティ18を見えないよう完全に隠す。
【0031】
図2を再び参照すると、差し込み部分88(例えば孔)がキャップ86内に規定され、そして軸方向にボディ80内まで延びている。理解されるべき点として、本明細書において用いる「軸方向に(axially)」という用語は、ボディ80の第一端部82と第二端部84との間に延び、そして同様にキャビティ18の受け部分50に沿って延びる、方向を指しうる。差し込み部分88は、キャビティ18とアライメントさせかつその中に挿入するためにツールがプラグ56をホールドできるよう、ツールに係合するように構成された輪郭を規定してもよい。例えば、差し込み部分88は、六角形の形状を有してもよく、スロットであってもよく、または、対応する形状を有するツールを受けるよう構成された他の輪郭形状を規定してもよい。別の態様において、キャップ86は実質的に平らであってもよく、そして、差し込み部分88を含んでいなくてもよい。
【0032】
プラグ56は、第一端部82とキャップ86との間でボディ80から半径方向外向きに延びているカラー90を含む。カラー90は、受け直径D5とほぼ等しいカラー直径D8(すなわち第八の直径)を規定する。例えば、プラグ56がキャビティ18に挿入されたときにカラー90が受け壁68に摩擦的に係合するように構成されるよう、カラー直径D8は受け直径D5と実質的に同じであるかまたはそれより大きくてもよい。図2に示すように、カラー90はカラー直径D8において点を形成し、かつ、プラグ56の第一端部82および第二端部84の両方に向かって内向きにテーパーしている。他の態様において、カラー90は、1つの方向においてのみ(例えば第一端部82に向かうかまたは第二端部84に向かって)内向きにテーパーしていてもよい。同様に、プラグ56の第一端部82をキャビティ18の前方開口部20内に位置させる能力を高めるため、プラグ56の第一端部82がベベルを規定してもよい。
【0033】
図2は、輪状の輪郭を有するカラー90を含むプラグ56を示しているが、他の態様においてプラグ56および/またはカラー90が他の輪郭を有していてもよい。具体的には、キャビティ18の一部分(例えば受け部分50)が、輪状でない(例えば正方形、長方形などの)輪郭を規定してもよい。この構成において、プラグ56がキャビティ18内に受けられることができるよう、プラグ56自体またはより具体的にはカラー90のうち1つまたは両方が、キャビティ18の輪郭、またはより具体的には受け部分50を形成する受け壁68の輪郭と、相補的または同じである、外輪郭を規定する。同様に、カラー90の外輪郭は、前方開口部20を形成する表面62の輪郭と相補的であってもよい。
【0034】
次に図3を参照すると、第一コネクタ10が、キャビティ18に挿入されたプラグ56とともに示されている。図3に示すように、カラー直径D8は受け直径D5と実質的に同じである。この構成において、プラグ56がキャビティ18の受け部分50内へと軸方向に動く際に、プラグ56に対する外力の印加を伴うことなく、カラー90と受け壁68との間の摩擦が、キャビティ18内におけるプラグ56の動きを限定または防止する。
【0035】
別の態様において、カラー直径D8が受け直径D5より大きいとき、カラー90は前方開口部20の表面62に係合し、これにより、カラー90は塑性変形下で偏向または変形する(例えば曲がるかかつ/または圧迫される)。プラグ56がキャビティ18の受け部分50内にプレス嵌めされ、これにより、プラグ56に対する外力の印加を伴うことなくプラグ56の動きが限定されるよう、プラグ56がキャビティ18に完全に挿入されかつカラー90が受け壁68に係合すると、カラー90と受け壁68との間の法線力が、それらの間の摩擦を増大させる。カラー90のテーパーは、カラー90の外周部に存在する材料の量を減少させ、これによって、カラー90の剛性を低下させ、そして、カラー90が前方開口部20および受け壁68に係合したときに塑性変形することを可能にする。
【0036】
プラグ56がキャビティ18に完全に挿入されかつプラグ56の少なくとも一部分が第一コネクタ10に係合したら、プラグ56は第一コネクタ10に超音波溶接される。高周波音波(すなわち音響振動)が、いずれもプラスチックで形成されているプラグ56または第一コネクタ10のうち、少なくとも1つに印加される。プラグ56および第一コネクタ10の、互いに対する振動が、それらの間に摩擦熱を生じさせ、これにより、プラグ56が第一コネクタ10に係合している場所で、プラグ56または第一コネクタ10のうち1つまたは両方のプラスチックの一部分が溶ける。振動が止まると、溶けたプラスチックが冷えて固化し、プラグ56を第一コネクタ10に結合する硬化したプラスチックが形成される。1つの態様において、プラグ56および第一コネクタ10の両方が同じ融点を有するよう、プラグ56および第一コネクタ10の各々が同じプラスチック材料で形成される。この構成において、プラグ56が第一コネクタ10に係合している場所で、プラグ56および第一コネクタ10の両方が溶ける。別の態様において、超音波溶接中に第一コネクタ10より前かまたはその代わりにプラグ56が溶けるように、融点がより低い、第一コネクタ10と異なるプラスチック材料でプラグ56が形成されてもよい。
【0037】
上述のように、図3に示す構成において、カラー90は受け壁68に係合する。この構成において、超音波溶接の工程中に、カラー90が溶け、かつ/または、受け壁68の一部分が溶け、そして、カラー90は受け壁68に直接結合される。カラー90は、カラー90の外周部に沿った特定の離散的な(すなわち別々の)点において、受け壁68に超音波溶接されてもよい。この構成において、カラー90と受け部分50との間のプレス嵌めがそれらの間に水密性の密閉を提供し、それによって水分が内部部分70に入ることを防いでもよく、そして、プラグ56が受け部分50内で軸方向に動くこと、または、振動もしくは他の外力によってキャビティ18から取り外されることを、超音波溶接が防ぐ。別の態様において、溶接それ自体がカラー90と受け壁68との間に水密性の密閉を形成するよう、カラー90の実質的に外周部全体の周りで超音波溶接が形成されてもよい。
【0038】
別の態様において、キャップ86は、プラグ56の残りの部分とともに、同じプラスチック材料で一体式に形成される。キャップ86が第一コネクタ10の前端部14に直接結合され、かつ、プラグ56が第一コネクタ10の外面で第一コネクタ10に結合されるように、超音波溶接の工程中にキャップ86および/または前端部14のうち1つの少なくとも一部分が溶けてもよい。他の態様において、プラグ56は、1つより多い位置で第一コネクタ10に超音波溶接されてもよい。これらの位置の各々において、溶接それ自体による密閉の形成を伴わずにプラグ56の動きを防ぐため、離散的な点において溶接が形成されてもよい。他の態様において、プラグ56と第一コネクタ10との間で溶接が水密性の密閉を形成するよう、実質的にプラグ56全体の周りで輪状に溶接が形成されてもよい。
【0039】
プラグ56は超音波溶接によって第一コネクタ10にプラスチック溶接されてもよいが、認識されるべき点として、プラグ56は他の方式で第一コネクタ10に溶接されてもよい。例えば、カラー90と受け壁68との間に摩擦を生じさせるため、プラグ56がキャビティ18内で回転されてもよく、その摩擦は、カラー90および受け壁68のうち少なくとも1つを形成するプラスチックが溶けるまで、カラー90および受け壁68のうち1つまたは両方の温度を上昇させる。次に、超音波溶接の場合と同様に、アセンブリ8が冷え、プラスチック溶接によってプラグ56が受け壁68に結合される。この構成において、受け直径D5に対してカラー直径D8が大きいほど、カラー90と受け壁68との間の摩擦力が大きくなり、それは、回転中に摩擦から生じる熱を増大させてプラスチックの溶融を加速させる。同様に、超音波溶接に関して前述したように、キャップ86と第一コネクタ10の前端部14との間の摩擦が、それらの間にプラスチック溶接を形成してもよい。プラグ56をキャビティ18内で素早く回転させるため、プラグ56の差し込み部分88にツールが係合してもよい。
【0040】
図3をさらに参照すると、プラグ56は、プラグ56のキャップ86から第一端部82までで測定されるプラグ長さL1(すなわち第一の長さ)を規定する。キャビティ18は、第一コネクタ10の前端部14から受け部分50の後縁部66までで測定される受け長さL2(すなわち第二の長さ)を規定する。図3に示すように、プラグ長さL1は受け長さL2より短い。具体的には、プラグ長さL1は受け長さL2の半分より短くてもよい。特に、プラグ長さL1が短いほど、プラグ56の形成に必要な材料が少なくなり、これによりコネクタアセンブリ8の材料費が減少する。従来式プラグでは、キャビティ内の対応する特徴(例えばホーン74)に能動的に係合するため、プラグの第一端部からキャビティ18の接続部分52内までいっぱいに部材がわたっている必要がある。対照的に、プラグ56と第一コネクタ10との間の超音波溶接は、プラグ56と第一コネクタ10との間に能動的な係合を提供し、これにより、コネクタアセンブリ8の材料使用および費用を最少にする。
【0041】
次に図4を参照すると、別の態様に基づくプラグ56が示されている。プラグ56は、図2および図3に示したプラグ56と実質的に同じである。しかし、図4に示すように、カラー90は、長方形の断面輪郭を有する実質的に輪状の(すなわち円柱形の)形状を規定し、平らな外周部を規定している。この構成において、カラー90の外周部における厚さは、受け壁68に係合するときのカラー90の変形を限定する。図5を参照すると、カラー90を損傷することを避けるため、カラー直径D8は受け直径D5と実質的に同じであってもよい。この構成において、カラー90を受け壁68に超音波溶接するために利用できる、カラー90の外周部における表面積は、テーパーしたカラー90の場合より大きい。利用可能な表面積が大きくなることにより、プラグ56を受け壁68に確実に溶接するための、超音波溶接の工程における振動は、カラー90の特定部分(例えば、テーパーしたカラー90のとがった縁部)に対するほどには精密に印加されなくてもよい。同様に、図3および図5は受け壁68に係合したカラー90を示しているが、別の態様においてプラグ56はカラー90を伴わずに形成されてもよい。この構成において、プラグ直径D6は受け直径D5と実質的に同じであり、そして、ボディ80は受け壁68に直接接して配されかつこれに超音波溶接される。
【0042】
本明細書において使用する、「約(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、および同様の用語は、本開示の内容に関係する分野の当業者によって受け入れられかつ一般的である用法と調和した、広い意味を有することが意図されている。本開示を検討する当業者に理解されるべき点として、これらの用語は、説明および特許請求される特定の特徴について、その範囲を提供される精密な数値範囲に制限することなく、説明することを可能にすることが意図されている。したがって、これらの用語は、説明および特許請求される内容に対する、実質的でないかまたは重大でない改変または変更は、添付の特許請求の範囲において記載される本開示の範囲内に入ることを示すものとして解釈されるべきである。
【0043】
注意されるべき点として、様々な態様を説明するために本明細書において用いる「例示的な(exemplary)」という用語は、そのような態様が、可能な態様についての可能な例、代表、および/または例示であることを示すことが意図されている(そして、そのような用語は、そのような態様が必ずしも非凡なまたは最上の例であることを暗示することは意図されていない)。
【0044】
本明細書において用いる「結合された(coupled)」および「接続された(connected)」などの用語は、2つの部材を互いに直接的または間接的に連結することを意味する。そのような連結は、静的(例えば永久的)であってもよく、または可動(例えば取り外し可能もしくは解放可能)であってもよい。そのような連結は、その2つの部材、もしくは、その2つの部材と任意の追加的な中間部材とが、単一の単位ボディとして互いに一体式に形成されることによって、実現されてもよく;または、その2つの部材、もしくは、その2つの部材と任意の追加的な中間部材とが、互いに取り付けられることによって、実現されてもよい。
【0045】
本明細書における、要素のポジションに対する参照(例えば、「最上部(top)」、「最下部(bottom)」、「上(above)」、「下(below)」など)は、図面中の様々な要素の配向を説明するために用いられるにすぎない。注意されるべき点として、様々な要素の配向は他の例示的態様において異なっていてもよく、そして、そのようなバリエーションは本開示に包含されることが意図されている。
【0046】
理解されるべき点として、以上に本発明をその好ましい態様に関して説明したが、当業者には、本発明の範囲および精神に含まれる様々な他の態様および変異形が考えられる可能性があり、そのような他の態様および変異形は、対応する請求項の対象となることが意図されている。当業者には、本明細書に説明する内容の新規の教示および利点から著しく逸脱することなく、多数の改変(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、マウントのアレンジメント、材料の使用、配向、製造工程などにおけるバリエーション)が可能であることが、容易に理解されるであろう。例えば、任意の工程または方法の段階の、順序またはシーケンスが、代替的態様において変更または並び替えされてもよい。様々な例示的態様の設計、作動条件、およびアレンジメントにおける、他の代用、改変、変更、および省略もまた、本開示の範囲から逸脱することなく行われうる。
【符号の説明】
【0047】
8 コネクタアセンブリ
10 第一コネクタ
12 ボディ
14 前端部
15 上面
16 後端部
17 下面
18 キャビティ
20 前方開口部
22 後方開口部
30 第二コネクタ
32 ボディ
34 前端部
35 上面
36 後端部
37 下面
38 キャビティ
42 後方開口部
50 受け部分
52 接続部分
54 移行部分
56 プラグ
58 前縁部
60 後縁部
62 表面
64 前縁部
66 後縁部
68 受け壁
70 内部部分
72 アーム
74 ホーン
76 後端部
78 チャネル
80 ボディ
82 第一端部
84 第二端部
86 キャップ
88 差し込み部分
90 カラー
図1
図2
図3
図4
図5