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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20231012BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H01L29/78 301V
H01L29/78 301H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019124910
(22)【出願日】2019-07-04
(65)【公開番号】P2021012903
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(72)【発明者】
【氏名】西田 悠亮
(72)【発明者】
【氏名】森川 弦太郎
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-303962(JP,A)
【文献】特開2005-026664(JP,A)
【文献】特開平11-103058(JP,A)
【文献】特開平11-284187(JP,A)
【文献】特開2013-033799(JP,A)
【文献】特開2007-059710(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111218(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基板の表面に配置された第1導電型の第1ウェル領域と、
前記第1ウェル領域と第1方向に隣接して配置された第2導電型の第2ウェル領域と、
前記第1ウェル領域に配置された第2導電型のソース領域と、
前記第1ウェル領域に前記ソース領域と前記第1方向に直交する第2方向に隣接して配置された第1導電型のコンタクト領域と、
前記第2ウェル領域に配置された第2導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域及び前記コンタクト領域と前記第2ウェル領域との間に配置されたゲート電極と、
前記第1ウェル領域の表面から所定の深さまで達した溝内に配置されたトレンチゲート電極と
を備え、前記トレンチゲート電極は、前記コンタクト領域と前記第2ウェル領域との間に配置され
前記トレンチゲート電極の前記コンタクト領域に隣接する第2方向の長さは、前記コンタクト領域の第2方向の長さよりも長い、半導体装置。
【請求項2】
前記トレンチゲート電極の前記コンタクト領域に隣接する端部は、前記ソース領域まで延伸する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記トレンチゲート電極は、前記コンタクト領域にせり出して配置する、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記トレンチゲート電極は、前記ソース領域にせり出して配置する、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記トレンチゲート電極は、前記第2ウェル領域にせり出して配置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記トレンチゲート電極の第2方向の幅は、前記コンタクト領域から前記第2ウェル領域との間の第1方向に徐々に減少する、請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記トレンチゲート電極の前記コンタクト領域と前記第2ウェル領域との間の第1の辺が、前記トレンチゲート電極のコンタクト領域に隣接する第2の辺となす内角は、90度以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記トレンチゲート電極は、三角型形状、矩形型形状、半円形型形状、紡錘型形状、楔型形状、どんぐり型形状、及び台形型形状の群から選ばれる少なくとも1種類もしくは複数種類を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ソース領域に接続されるソースプラグ電極と、
前記コンタクト領域に接続されるコンタクトプラグ電極と、
前記ソースプラグ電極と前記コンタクトプラグ電極とを接続するソース配線電極と、
前記ドレイン領域に接続されるドレインプラグ電極と、
前記ドレインプラグ電極に接続されるドレイン配線電極と
を備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ゲート電極と前記トレンチゲート電極は同時に形成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低耐圧におけるスイッチング用の半導体装置として、横型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が知られている。横型MOSFETを大電流のスイッチングに用いた際には、オン状態における抵抗(オン抵抗)を低く抑えることが損失を抑制する上で重要である。横型MOSFETのオン抵抗はチャネル部の抵抗が大部分を占める。横型MOSFETのオン抵抗を低減する絶縁ゲート構造として、トレンチゲート構造の横型MOSFETも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-103058号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】Akio Nakagawa and Yusuke Kawaguchi “Improved 20V Lateral Trench Gate MOSFETs with Very Low On-resistance of 7.8 mΩ mm2.”, ISPSD’2000 Copyright 2000 by the IEEE. Catalog Number: 00CH37094C
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施の形態は、オン抵抗を低減可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一態様によれば、半導体装置は、第1導電型の半導体基板の表面に配置された第1導電型の第1ウェル領域と、前記第1ウェル領域と第1方向に隣接して配置された第2導電型の第2ウェル領域と、前記第1ウェル領域に配置された第2導電型のソース領域と、前記第1ウェル領域に前記ソース領域と前記第1方向に直交する第2方向に隣接して配置された第1導電型のコンタクト領域と、前記第2ウェル領域に配置された第2導電型のドレイン領域と、前記ソース領域及び前記コンタクト領域と前記第2ウェル領域との間にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極と、前記第1ウェル領域の表面から所定の深さまで達した溝内にトレンチゲート絶縁膜を介して配置されたトレンチゲート電極とを備え、前記トレンチゲート電極は、前記コンタクト領域と前記第2ウェル領域との間に配置され、前記トレンチゲート電極の前記コンタクト領域に隣接する第2方向の長さは、前記コンタクト領域の第2方向の長さよりも長い
【発明の効果】
【0007】
本実施の形態によれば、オン抵抗を低減可能な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図2】(a)図1のI-I線に沿う模式的断面構造図、(b)図1のII-II線に沿う模式的断面構造図。
図3】比較例に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図4】(a)図3のIII-III線に沿う模式的断面構造図、(b)図3のIV-IV線に沿う模式的断面構造図。
図5】本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図6】(a)図5のV-V線に沿う模式的断面構造図、(b)図5のVI-VI線に沿う模式的断面構造図。
図7】本実施の形態の変形例2に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図8】本実施の形態の変形例3に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図9】本実施の形態の変形例4に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図10】本実施の形態の変形例5に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図11】本実施の形態の変形例6に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図12】本実施の形態の変形例7に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図13】本実施の形態の変形例8に係る半導体装置の模式的平面パターン構成図。
図14】本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法の3D-TCADシミュレーション結果であって、(a)トレンチ形成工程を示す鳥瞰構成図(その1)、(b)ゲート絶縁膜形成工程を示す鳥瞰構成図(その2)。
図15】本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法の3D-TCADシミュレーション結果であって、(a)トレンチ及び表面にゲート電極を形成する工程を示す鳥瞰構成図(その3)、(b)ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程を示す鳥瞰構成図(その4)。
図16】本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法の3D-TCADシミュレーション結果であって、ソース電極及びドレイン電極形成工程を示す鳥瞰構成図(その5)。
図17】比較例に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、(a)拡散分布を示す平面図、(b)電流密度分布を示す平面図。
図18】(a)図17(b)のVII-VII線に沿う模式的断面構造図、(b)図17(b)のVIII-VIII線に沿う模式的断面構造図。
図19】本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、(a)拡散分布を示す平面図、(b)電流密度分布を示す平面図。
図20】(a)図19(b)のIX-IX線に沿う模式的断面構造図、(b)図19(b)のX-X線に沿う模式的断面構造図。
図21】(a)本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程後を示す鳥瞰構成図、(b)。比較例に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程後を示す鳥瞰構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0010】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものではない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
[実施の形態]
本実施の形態に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図1に示すように表され、図1のI-I線に沿う模式的断面構造は、図2(a)に示すように表され、図1のII-II線に沿う模式的断面構造は、図2(b)に示すように表される。
【0012】
本実施の形態に係る半導体装置1は、図1図2(a)及び図2(b)に示すように、半導体基板10と、第1ウェル領域14と、第2ウェル領域12L、12Rと、ソース領域18と、コンタクト領域19と、ドレイン領域16L、16Rと、ゲート電極20と、トレンチゲート電極28TGとを備える。
【0013】
半導体基板10は、例えば、p型を備える。第1ウェル領域14は、半導体基板10の表面に配置され、例えば、p型を備える。第2ウェル領域12L、12Rは、半導体基板10の表面に、第1ウェル領域14とY方向に隣接して配置され、例えば、n型を備える。
【0014】
ソース領域18は、第1ウェル領域14に配置され、例えば、n+型を備える。コンタクト領域19は、第1ウェル領域14に、ソース領域18とY方向に直交するZ方向に隣接して配置され、例えば、p+型を備える。ドレイン領域16L、16Rは、第2ウェル領域12L、12Rに配置され、例えば、n+型を備える。
【0015】
ゲート電極20は、ソース領域18及びコンタクト領域19と第2ウェル領域12L、12Rとの間にゲート絶縁膜(21:図6参照)を介して配置される。
【0016】
トレンチゲート電極28TGは、第1ウェル領域14の表面から所定の深さまで達したトレンチ(溝)内にトレンチゲート絶縁膜(21TG:図6参照)を介して配置され、ゲート電極20と同時形成可能である。図1図2(a)及び図2(b)では、ゲート絶縁膜(21)、トレンチゲート絶縁膜(21TG)は図示を省略している。
【0017】
ここで、トレンチゲート電極28TGは、図1図2(a)及び図2(b)に示すように、コンタクト領域19と第2ウェル領域12L、12Rとの間に配置される。
【0018】
また、図1に示すように、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接するZ方向の長さLTGは、コンタクト領域19のZ方向の長さLPよりも長く設定される。トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接するZ方向の長さLTGをコンタクト領域19のZ方向の長さLPよりも長く設定することで、n+型ソース領域18からpウェル領域14への電子注入効率を高め、オン抵抗に関係するチャネル抵抗を低減することができる。
【0019】
また、図1に示すように、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部EAは、ソース領域18まで延伸するように設定される。トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部EAをソース領域18まで延伸するように設定することで、n+型ソース領域18からpウェル領域14への電子注入効率を高め、オン抵抗に関係するチャネル抵抗を低減することができる。
【0020】
また、図1に示すように、トレンチゲート電極28TGのZ方向の幅LTGは、コンタクト領域19から第2ウェル領域12L、12Rとの間のY方向において、徐々に減少する。
【0021】
また、図1に示すように、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19と第2ウェル領域12L、12Rとの間の第1の辺が、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する第2の辺となす内角は、90度以下であっても良い。すなわち、トレンチゲート電極の側壁がコンタクト領域と接する内角は、90度以下であっても良い。
【0022】
また、図1に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19と第2ウェル領域12L、12Rとの間の第1の辺が、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する第2の辺となす内角は、鋭角であっても良い。すなわち、トレンチゲート電極28TGの側壁が第2ウェル領域12L、12Rと接する内角は鋭角であっても良い。
【0023】
また、図1図2(a)及び図2(b)に示すように、nソース領域18に接続されるソースプラグ電極26Nと、p+コンタクト領域19に接続されるコンタクトプラグ電極26Pとを備える。更に、ソースプラグ電極26Nとコンタクトプラグ電極26Pとを接続するソース配線電極(26W:図16参照)を備える。
【0024】
また、図1図2(a)及び図2(b)に示すように、nドレイン領域16L、16Rに接続されるドレインプラグ電極24L、24Rと、ドレインプラグ電極24L、24Rに接続されるドレイン配線電極(24W:図16参照)を備える。
【0025】
(比較例)
トレンチゲートを採用しない比較例に係る半導体装置1Aの模式的平面パターン構成は、図3に示すように表され、図3のIII-III線に沿う模式的断面構造は、図4(a)に示すように表され、図3のIV-IV線に沿う模式的断面構造は、図4(b)に示すように表される。
【0026】
比較例に係る半導体装置1Aは、図3図4(a)及び図4(b)に示すように、半導体基板10と、第1ウェル領域14と、第2ウェル領域12L、12Rと、ソース領域18と、コンタクト領域19と、ドレイン領域16L、16Rと、ゲート電極20とを備える。
【0027】
比較例に係る半導体装置1Aは、横型DMOSFETを備えており、ゲート電圧印加時チャネル領域CHが形成されるが、バッティング領域BR部分はn+ソース領域18が電子源として作用しない。
【0028】
ゲート電圧を印加することで、ウェハ表面にチャネル領域CHが形成され、ドレイン電圧を印加することで、n+ソース領域18から電子を引っ張りドレイン領域16L、16Rへ電子が流れる(電流が流れる)。バッティング領域BRではチャネルCHを形成してもソース端子位置がp+型のため、十分な電流は流れない。このため、わずかに抵抗を上げる要因となる。
【0029】
本実施の形態に係る半導体装置1においては、バッティング領域BRの電流を生み出せず無駄になる領域を、トレンチゲート電極28TGを備える構造にすることで、チャネル領域を深く形成させ電流量を増やすことができる。この際トレンチマスクの形状を工夫することで、ななめ方向の電流成分阻害を防止することができる。
【0030】
本実施の形態に係る半導体装置1においては、電流源(ソース)として寄与できないp+コンタクト領域19の横のバッティング領域BRにトレンチゲート電極28TG構造を形成し、バッティング領域BR部分近傍ではチャネルがより深く形成される。このため、流れる電流量が増大し、チャネル抵抗を減少可能である。
【0031】
本実施の形態に係る半導体装置1において、トレンチゲート電極28TGはバッティング領域BRより広く形成し、n+ソース領域18と接するように形成する。その際、ゲート電極20の配置パターンよりもn+ソース領域18及びp+コンタクト領域19にせり出して食い込んでn+ソース領域18及びp+コンタクト領域19の内側までトレンチ(溝)TRを掘ることで、n+ソース領域18と接する面積を増やすことで、電流供給能力をより高めている。
【0032】
また、トレンチゲート電極28TGはnウェル領域12L、12Rまで接するように形成する。
【0033】
また、トレンチゲート電極28TGの形状を上記のように、鋭角に配置することで、チャネル表面を走る電流減衰を抑制することができる。
【0034】
本実施の形態に係る半導体装置のトレンチゲート電極は、平面視において、三角型形状、矩形型形状、半円形型形状、紡錘型形状、楔型形状、どんぐり型形状、及び台形型形状の群から選ばれる少なくとも1種類もしくは複数種類を含む構成を備えていても良い。
【0035】
(変形例1)
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図5に示すように表され、図5のV-V線に沿う模式的断面構造は、図6(a)に示すように表され、図5のVI-VI線に沿う模式的断面構造は、図6(b)に示すように表される。
【0036】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置1においては、図5に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、略三角形状を備えるが、角部分が辺を備える六角形状とみることもできる。
【0037】
また、図5図6(a)及び図6(b)に示すように、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0038】
また、図5図6(a)及び図6(b)に示すように、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0039】
また、図5図6(a)及び図6(b)に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0040】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0041】
(変形例2)
本実施の形態の変形例2に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図7に示すように表される。
【0042】
本実施の形態の変形例2に係る半導体装置1においては、図7に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、矩形型形状を備える。
【0043】
また、図7に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0044】
また、図7に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0045】
また、図7に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0046】
本実施の形態の変形例2に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0047】
(変形例3)
本実施の形態の変形例3に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図8に示すように表される。
【0048】
本実施の形態の変形例3に係る半導体装置1においては、図8に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、三角型形状を備える。
【0049】
また、図8に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0050】
また、図8示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0051】
また、図8に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0052】
本実施の形態の変形例3に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0053】
(変形例4)
本実施の形態の変形例4に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図9に示すように表される。
【0054】
本実施の形態の変形例3に係る半導体装置1においては、図9に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、半円形型形状を備える。
【0055】
また、図9に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0056】
また、図9示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0057】
また、図9に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0058】
本実施の形態の変形例4に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0059】
(変形例5)
本実施の形態の変形例5に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図10に示すように表される。
【0060】
本実施の形態の変形例3に係る半導体装置1においては、図10に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、紡錘型形状を備える。
【0061】
また、図10に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0062】
また、図10示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0063】
また、図10に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0064】
本実施の形態の変形例5に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0065】
(変形例6)
本実施の形態の変形例6に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図11に示すように表される。
【0066】
本実施の形態の変形例6に係る半導体装置1においては、図11に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、楔型形状を備える。
【0067】
また、図11に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0068】
また、図11示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0069】
また、図11に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0070】
本実施の形態の変形例6に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0071】
(変形例7)
本実施の形態の変形例7に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図12に示すように表される。
【0072】
本実施の形態の変形例7に係る半導体装置1においては、図12に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、どんぐり型形状を備える。
【0073】
また、図12に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0074】
また、図12に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0075】
また、図12に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0076】
本実施の形態の変形例7に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0077】
(変形例8)
本実施の形態の変形例8に係る半導体装置1の模式的平面パターン構成は、図13に示すように表される。
【0078】
本実施の形態の変形例8に係る半導体装置1においては、図13に示すように、トレンチゲート電極28TGの形状は、平面視において、台形型形状を備える。
【0079】
また、図13に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、コンタクト領域19にせり出して配置されている。
【0080】
また、図13に示すように、平面視において、トレンチゲート電極28TGのコンタクト領域19に隣接する端部は、ソース領域18にせり出して配置されている。
【0081】
また、図13に示すように、トレンチゲート電極28TGは、nウェル領域12L、12Rにせり出して配置されている。その他の構成は、本実施の形態に係る半導体装置1と同様である。
【0082】
本実施の形態の変形例8に係る半導体装置においても電流増幅を見込むことができ、オン抵抗を低減可能である。
【0083】
(製造方法_3D-TCADシミュレーション結果)
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置1においてトレンチゲート形成プロセスの3D-TCADシミュレーションによる検証結果を以下に示す。
【0084】
(A)本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法であって、トレンチ溝形成工程を示す鳥瞰構成は、図14(a)に示すように表される。
【0085】
まず、図14(a)に示すように、p型のシリコン半導体基板10に対して、pウェル領域14及びnウェル領域12Rを形成後、pウェル領域14に対して所定の深さまで、トレンチTRをシリコンのドライエッチング技術を用いて形成する。本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチTRは図5に示すように三角型形状を備えるが、図14(a)では、トレンチTRの構造が明確化されるように、Y-X面で切断された構造が示されている。
【0086】
(B)ゲート絶縁膜形成工程を示す鳥瞰構成は、図14(b)に示すように表される。
【0087】
図14(b)に示すように、トレンチTRを形成した半導体基板10の表面にゲート絶縁膜21、トレンチゲート絶縁膜21TGを形成する。ゲート絶縁膜21、トレンチゲート絶縁膜21TGとしては、例えば、シリコン酸化膜を適用可能である。ゲート絶縁膜21及びトレンチゲート絶縁膜21TGの形成工程は、半導体基板10の表面の同時酸化により形成される。
【0088】
(C)トレンチTR及び半導体基板10の表面にゲート電極20及びトレンチゲート電極28TGを形成する工程を示す鳥瞰構成は、図15(a)に示すように表される。
【0089】
ゲート絶縁膜21及びトレンチゲート絶縁膜21TGを形成した半導体基板10の表面に対して、化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いて、ポリシリコンを堆積し、パターニングする。ゲート電極20及びトレンチゲート電極28TGは、例えば、高濃度にドーピングされたポリシリコンを形成する工程により、同時に形成可能である。
【0090】
(D)ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程を示す鳥瞰構成は、図15(b)に示すように表される。
【0091】
ゲート電極20及びトレンチゲート電極28TGを形成後、ポリシリコンゲート電極20の側壁部にゲート側壁絶縁膜21SWを形成する。ゲート側壁絶縁膜21SWとしては、例えばシリコン窒化膜を形成する。
【0092】
次に、例えば、AsもしくはPをドーパントとするイオン注入技術を適用して、n+ソース領域18及びn+ドレイン領域16Rを形成する。この時、LDD(Lightly Doped Drain)プロセス技術を用いても良い。
【0093】
次に、例えば、Bをドーパントとするイオン注入技術を適用して、コンタクト領域19を形成する。コンタクト領域19はp+高濃度にドープされる。
【0094】
(E)ソース電極及びドレイン電極の形成工程を示す鳥瞰構成は、図16に示すように表される。
【0095】
+ソース領域18及びn+ドレイン領域16Rに対して、ソースプラグ電極26N及びドレインプラグ電極24Rを形成し、コンタクト領域19に対して、コンタクトプラグ電極26Pを形成する。
【0096】
次に、ソースプラグ電極26Nとコンタクトプラグ電極26Pとを接続するソース配線電極26Wを形成し、ドレインプラグ電極24Rと接続するドレインプラグ電極24Rを形成する。
【0097】
(拡散分布、電流密度分布)
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置1においてトレンチゲートを採用することにより、深い部分の電流経路が成立することを、3D-TCADシミュレーシンにより検証した結果を以下に示す。
【0098】
トレンチゲートを採用しない比較例に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、拡散分布を示す平面図は、図17(a)に示すように表され、電流密度分布を示す平面図は、図17(b)に示すように表される。
【0099】
また、図17(b)のVII-VII線に沿う模式的断面構造は、図18(a)に示すように表され、図17(b)のVIII-VIII線に沿う模式的断面構造は、図18(b)に示すように表される。
【0100】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、拡散分布を示す平面は、図19(a)に示すように表され、電流密度分布を示す平面図は、図19(b)に示すように表される。
【0101】
また、図19(b)のIX-IX線に沿う模式的断面構造は、図20(a)に示すように表され、図19(b)のX-X線に沿う模式的断面構造は、図20(b)に示すように表される。ここで、図20(a)において、トレンチTRが示されているが、トレンチTR内に示される矢印は、トレンチゲート電極の側壁に沿って流れる電流の向きを模式的に示している。
【0102】
図17(a)及び図17(b)と図19(a)及び図19(b)に示される平面図を比較しても電流量の増加を判断することは難しいが、図18(a)と図20(a)を比較すると、トレンチゲート形成することで、コンタクト領域19の横のトレンチ側壁近傍の深い領域にも電流経路が形成されることがわかる。トレンチゲートを形成することにより、トレンチに沿う深い領域にも電流経路が形成される。これにより電流量が増える。図18(a)と図20(a)の断面構造を比較すると、トレンチゲートがある場合はp+コンタクト領域19の内部にも電流経路が形成されていることがわかる。
【0103】
トレンチゲートを採用することにより、深い部分の電流経路が成立することを、3D-TCADシミュレーシンにより検証した。
【0104】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程後を示す鳥瞰構成は、図21(a)に示すように表される。一方、比較例に係る半導体装置の3D-TCADシミュレーション結果であって、ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程後を示す鳥瞰構成は、図21(b))に示すように表される。
【0105】
比較例に係る半導体装置では、トレンチゲート電極28TGはp+コンタクト領域19と接する部分において、p+コンタクト領域19へのせり出しは存在しない。また、トレンチゲート電極28TGの形状は、Y方向に延伸する直線的な形状を備えている。
【0106】
一方、本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチゲート電極28TGはp+コンタクト領域19と接する部分において、p+コンタクト領域19へせり出した構造を有する。
【0107】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチゲート電極28TGをゲート電極20よりもY方向にせり出させることで、トレンチゲート側壁をより強くn+ソース領域18と接続できる構成を備えている。トレンチゲート側壁に接するn+ソース領域18が増えるため、ドレイン電圧印加時に効率的に電子を引き出すことができる。デバイスオン時のトレンチゲート部分の電子源としてはトレンチゲート側壁に接するn+ソース領域18が作用する。トレンチゲート横の領域がn+領域である場合、n+領域は多くが無駄である。その領域をp+コンタクト領域19とすることで、寄生バイポーラ(npn)動作を抑える領域として作用する。静電破壊耐量はチャネル領域に近い位置にp+コンタクト領域19がある方が強い。
【0108】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチゲート電極28TGに隣接して横にp+コンタクト領域19があるため、静電破壊に強い構造となる。
【0109】
また、本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチゲート電極28TGの側壁形状は、Y方向に延伸する方向に傾斜する鋭角的な形状を備えている。素子動作時には、ソースからドレインのコンタクトプラグに向けて電子が流れることになる。この時トレンチゲートをコンタクトプラグへ向かって斜めに配置することで、ソースからコンタクトプラグまで一直線に電子が走ることになるため、電流効率が良い。またトレンチゲート側壁への極端な電流集中を防ぐことができる。
【0110】
本実施の形態の変形例1に係る半導体装置では、トレンチゲート側壁の形状を鋭角にすることで、チャネル表面の電流経路阻害を最小限にすることができ、同時にトレンチゲート側壁の電流集中を防ぐこともできる。
【0111】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、オン抵抗を低減可能な半導体装置を提供することができる。
【0112】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述及び図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0113】
以上の説明において、p型とn型を反転させて形成した半導体装置も適用可能である。
【0114】
このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含む。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本実施の形態の半導体装置は、低耐圧におけるスイッチング用の高効率パワー半導体装置等幅広い応用分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0116】
1、1A…半導体装置、10…半導体基板、12L、12R…nウェル領域、14…pウェル領域、16L、16R…n+ドレイン領域、18…n+ソース領域、19…p+コンタクト領域、20…ゲート電極、21…ゲート絶縁膜、21TG…トレンチゲート絶縁膜、21SW…ゲート側壁絶縁膜、24L、24R…ドレインプラグ電極、24W…ドレイン配線電極、26N…ソースプラグ電極、26P…コンタクトプラグ電極、26W…ソース配線電極、28TG…トレンチゲート電極、TR…トレンチ(溝)、BR…バッティング領域、CH…チャネル領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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