(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】シュリンクフィルム包装容器の製造法
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
B65D77/20 S
(21)【出願番号】P 2020026112
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000161714
【氏名又は名称】救急薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 久信
(72)【発明者】
【氏名】米島 篤
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-026127(JP,A)
【文献】特開2002-249152(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0236195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65B 53/00
B65D 65/00-65/46
B23K 26/00-26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)熱可塑性樹脂製容器全体をシュリンクフィルムで被覆するシュリンク包装工程、次いで
(2)シュリンク包装した容器を覆うシュリンクフィルムの胴体部表面に、レーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける工程を有する易開封性シュリンクフィルム包装容器の製造法であって、
前記切り込み開封部におけるシュリンクフィルムと容器本体の隙間が2mm以下であり、
前記レーザー加工が、レーザー出力(W)、レーザーのスキャン速度(mm/秒)及びシュリンクフィルムの厚さ(μm)の関係から次式で得られるK値を1.15以上3.30以下とするレーザー加工であることを特徴とする易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【数1】
【請求項2】
前記切り込み開封部位が、容器の頭部から肩部に設けられる請求項1記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【請求項3】
前記シュリンクフィルムが、ポリプロピレン樹脂、又はポリプロピレン・ポリエチレン複合樹脂である請求項1又は2記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【請求項4】
前記レーザー加工によるマーカーパターンが、連続的なU字状又は円弧状のパターンである請求項1~3のいずれか1項記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【請求項5】
前記シュリンクフィルムの厚みが、10~20μmである請求項1~4のいずれか1項記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【請求項6】
前記レーザー出力が9~27Wであり、スキャン速度が400~1500mm/秒である請求項1~5のいずれか1項記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器胴体部に開封切り込み部を有するシュリンクフィルム包装容器の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の汚損を防止したり、外観を良くし商品性を高めたりする目的で、製品を熱収縮性プラスチックフィルムでラッピングする、シュリンク包装が汎用されている。シュリンク包装は、製品が未開封であることの担保の点でも有用である。
シュリンク包装を開封しやすくするため、フィルムにミシン目を設けたり(特許文献1)、フィルムに開封きっかけとなるU字型等の切り込みを設け、その上に開封時の持ち手となるテープを貼ったりする(特許文献2)等の工夫が行われている。
開封きっかけとなる切込み(以下、切り込み)を設け、その上から開封時の持ち手となるラベルを貼付するシュリンクフィルム包装方法は、次の様に行われていた(特許文献2)。(1)シュリンクフィルムに、切込みを設ける。(2)切込みに、ラベルを貼る 。(3)シュリンクフィルムで製品を包む。(4)熱処理を行い、シュリンクフィルムを収縮させる。
この方法では、(1)シュリンクフィルムとラベルの熱収縮性が異なるため、シュリンクフィルムにシワが発生し易い、(2)製品をシュリンクフィルムで包むときに、位置決めを行う必要がある、(3)一般的に、位置決めをするための光電管マークを設ける必要があり、シュリンクフィルムの価格が高くなる、(4)光電管マークの部分を商品に残らないように切り落とすので、ゴミが発生する、(5)処理速度が遅い、(6)熱処理時の熱の掛かり方により、切り込みの形状に歪が生じる場合がある、などの問題があった。これらの問題のうち、(1)や(6)の問題は、包装する製品が方形ではなく、製品の場所によりシュリンクフィルムが収縮する率が異なる場所がある形状、例えば上部に細い首部が存在し、胴体部が首部に比べて太いビン型の形状の製品では、上部の首部と下部の胴体部の収縮率が大きく異なるので、ラベルをシュリンク前に貼るとしわが発生し、問題は深刻である。
【0003】
上記問題を解決する手段として、シュリンク後に、フィルムに切込みを設ける方法が考えられる。このようなシュリンク後に切り込みを設ける方法として、特許文献3では、容器全体をシュリンク包装した後に、高さ3mm以上の底上げ部を設けた容器の底部に低出力のレーザー加工によりミシン目や切込みを入れる方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-019017号公報
【文献】特開平06-247426号公報
【文献】特開2013-095468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3のように容器の底部に底上げ部を設けることは、カップ麺のような熱湯を注いで食する製品の場合にはよいが、医薬品やサプリメントなどの熱を加えないで使用する製品には、適していない。また、底部に3mmもの底上げ部を設けることから、シュリンクフィルムに形成した切り込みの上から、ラベルを貼付する場合、ラベルが上手く貼付できない問題がある。
ここで、ラベルはシュリンク包装を開封するときの持ち手部となること及び、異物等の侵入防止の2つの機能を担っている。したがって、ラベルは切り込み部に確実に貼付されている必要がある。
従って、本発明の課題は、シュリンクフィルム包装をしたのちに、切り込み部を設けるシュリンク包装容器の製造法であって、使用者が開封しやすい位置に確実にラベルを貼付できる切り込み部を設けることができる製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、食品、サプリメント、医薬品に多用される熱可塑性樹脂製容器の使用者が見えやすい位置に切り込み部を設けるシュリンクフィルム包装方法について種々検討した結果、まず、熱可塑性樹脂製容器全体をシュリンクフィルムで被覆するシュリンク包装工程を行い、次いでシュリンク包装した容器を覆うシュリンクフィルムの胴体部表面にレーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける工程を行うに際し、レーザー加工を、レーザー出力、レーザーのスキャン速度及びシュリンクフィルムの厚さとの関係を一定の範囲とすることにより、切り込み開封部におけるシュリンクフィルムと容器本体の隙間が2mm以下であっても、製品表面に損傷を与えることなく、容器の胴体部分のシュリンク包装したフィルムに切り込み部を確実に設けることができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の発明[1]~[6]を提供するものである。
[1](1)熱可塑性樹脂製容器全体をシュリンクフィルムで被覆するシュリンク包装工程、次いで
(2)シュリンク包装した容器を覆うシュリンクフィルムの胴体部表面に、レーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける工程を有する易開封性シュリンクフィルム包装容器の製造法であって、
前記切り込み開封部におけるシュリンクフィルムと容器本体の隙間が2mm以下であり、
前記レーザー加工が、レーザー出力(W)、レーザーのスキャン速度(mm/秒)及びシュリンクフィルムの厚さ(μm)の関係から次式で得られるK値を1.15以上3.30以下とするレーザー加工であることを特徴とする易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【0008】
【0009】
[2]前記切り込み開封部位が、容器の頭部から肩部に設けられる[1]記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
[3]前記シュリンクフィルムが、ポリプロピレン樹脂、又はポリプロピレン・ポリエチレン複合樹脂である[1]又は[2]記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
[4]前記レーザー加工によるマーカーパターンが、連続的なU字状又は円弧状のパターンである[1]~[3]のいずれかに記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
[5]前記シュリンクフィルムの厚みが、10~20μmである[1]~[4]のいずれかに記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
[6]前記レーザー出力が9~27Wであり、スキャン速度が400~1500mm/秒である[1]~[5]のいずれかに記載の易開封性シュリンク包装容器の製造法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用者がラベルを剥がしやすい容器の胴体部分であって、容器本体とシュリンクフィルムの隙間が2mm以下の部分にシュリンク包装を行った熱可塑性樹脂製容器本体に損傷を与えることなく、切込みを設けることができるようになった。
また、シュリンクフィルムの厚みを変更した場合、生産ラインの速度(生産性)を変えることなく、切込みを設ける条件を容易に設定できる:切り込みの形状が変わった場合、即ち切り込みの長さが変わった場合の、切り込みを設ける条件を容易に設定できる:包装する製品が大きくなり、生産速度を落とす場合に、適切な切込みを設けるための条件を容易に設定できる、例えば、レーザー出力を下げ、機械の長寿命化、省エネルギー化できる条件を見つけやすい、などの効果も得られることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】切り込み開封部を設ける位置及び切り込み開封部の形状の例を示す図である。
【
図2】本発明方法により得られた易開封性シュリンクフィルム包装容器の状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、(1)熱可塑性樹脂製容器全体をシュリンクフィルムで被覆するシュリンク包装工程、次いで
(2)シュリンク包装した容器を覆うシュリンクフィルムの胴体部表面に、レーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける工程を有する易開封性シュリンクフィルム包装容器の製造法であって、
前記切り込み開封部におけるシュリンクフィルムと容器本体の隙間が2mm以下であり、
前記レーザー加工が、レーザー出力(W)、レーザーのスキャン速度(mm/秒)及びシュリンクフィルムの厚さ(μm)の関係から次式で得られるK値を1.15以上3.30以下とするレーザー加工であることを特徴とする。
【0013】
【0014】
本発明の易開封性シュリンクフィルム包装容器の製造法に用いられる容器は、熱可塑性樹脂製容器であるのが、好ましい。熱可塑性樹脂製容器の場合、シュリンクフィルム包装後に、レーザー加工などにより、切り込み開封部を設ける工程を行う場合に、容器に損傷が生じる可能性が高いので、本発明の適用は有用である。
このような熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン・ポリエチレン複合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル・スチレン複合樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。このうち、食品、医薬品、サプリメントなどの容器として汎用されているポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン・ポリエチレン複合樹脂が特に好ましい。更に、内容物が液体であり、容器の胴体部分を押して変形させることで使用したりする場合は、容器の復元性、柔らかさ、弾性の点からポリエチレン樹脂が好ましい。
【0015】
本発明のシュリンク包装に用いる、容器の形状は、方形や円柱型のような単純な形状でなく、上部に細い首部が存在し、胴体部が首部に比べて太いビン型の形状の容器であるのが、本発明の効果を十分に享受する観点で好ましい。
【0016】
工程(1)は、熱可塑性樹脂製容器全体をシュリンクフィルムで被覆するシュリンク包装工程である。
用いられるシュリンクフィルムは、熱収縮性プラスチックフィルムであればよく、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂及びこれらの混合樹脂等が挙げられる。中でも、環境負荷及びコストの点からポリプロピレン、ポリエチレン及びポリプロピレン・ポリエチレン複合樹脂(PP/PE)が好ましい。特にフィルムの透明性、防湿性、開封時のフィルムの破断性の点からポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0017】
シュリンクフィルムの厚みは、シュリンク前の厚みとして5~25μmが好ましい。厚いと、開封時の破断性等の問題がある。薄いと、包装時にシワが発生しやすい問題がある。10~20μmがより好ましい。包装時の作業性、開封時の破断性等を総合的に考慮すると10~15μmが特に好ましい。
【0018】
シュリンク温度(包装温度)は、70~200℃が好ましい。低いと製品保管時に自然収縮を起こす問題がある。また、高いと包装時に製品の内容物の変質・劣化の問題がある。100~180℃がより好ましい。包装時の作業性及び製品の変質・劣化を防止する点から130~170℃が特に好ましい。
【0019】
工程(2)は、シュリンク包装した容器を覆うシュリンクフィルムの胴体部表面に、レーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける工程である。
容器におけるレーザー加工により切り込み開封部を設ける部位は、容器の底部などではなく、ラベルの剥がしやすさ、見やすさなどの点から、容器の胴体部が好ましい。また、本発明に用いる容器は、前記のように、上部に細い首部が存在し、胴体部が首部に比べて太いビン型の形状の容器であるのが好ましいので、切り込み開封部は、そのようなビン型の容器の頭部から肩部に設けるのがより好ましく、
図1に示すように、容器の太さが変化する部分、すなわち容器の肩部に設けるのが特に好ましい。
【0020】
前記切り込み開封部におけるシュリンクフィルムと容器本体の隙間は、通常ほとんどないことが好ましいが、本発明においては、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。また、容器とシュリンクフィルムの間に隙間は実質的に0(ゼロ)であってもよい。
【0021】
切り込み開封部の形状は、切込みの上にラベルを貼付し、ラベルの一端を持って、フィルムを上手く剥がすことができる形状であれば、特に問わない。例えばいわゆる、「U」、「V」及び「コ」の字型の形状が上げられる。中でも加工性の点から、
図1に示すような角(頂点)が無い「U」の字型が好ましい。
切り込みの高さは、6~60mmが好ましく、10~22mmがより好ましく、14~18mmがより好ましい。切り込みの幅は、5~55mmが好ましく、8~20mmがより好ましく、10~14mmがより好ましい。切り込みの高さ(H)と幅(W)の比(W/H)は、0.2~1.2が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~0.8がより好ましい。
【0022】
切り込み開封部を設ける手段は、製品を傷つけず、確実に切り込みを設けることができる方法であれば、特に限定されず、一般的には、ダイロールカッターを用いる方法、レーザー加工が挙げられる。中でも、本発明では、容器の材質が熱可塑性樹脂である点、刃型を準備する必要が無い点、開封きっかけとなる切り込み部の形状を自由に変更できる点、切込みを設ける加工による切り屑が発生しない点から、レーザー加工が良い。すなわち、レーザー加工してレーザーパターンによる切り込み開封部を設ける。
レーザーの種類は、固体レーザー、半導体レーザー、液体レーザー、気体レーザー等があるが、レーザーの発振効率が良く、高い連続出力を得ることができる点から気体レーザーが好ましい。更に、気体レーザーの中でも、表面に傷がつきにくい点でCO2レーザーが良い。
【0023】
本発明においては、前記レーザー加工は、レーザー出力(W)、レーザーのスキャン速度(mm/秒)及びシュリンクフィルムの厚さ(μm)の関係から次式で得られるK値を1.15以上3.30以下とするのが、容器を損傷させず、正確に切り込み開封部を設ける観点から、好ましい。
【0024】
【0025】
レーザー出力は、通常、5~30Wが好ましく、9~27Wがより好ましいが、K値が1.15以上3.30以下の値となる範囲であれば特に制限は無い。レーザー出力がこの範囲より高い場合及び低い場合でも、スキャン速度を調整することによりK値を一定範囲とすれば、問題なく切り込みを設けることができる。
【0026】
レーザー出力部(プローブ)のスキャン速度は、通常、300~1500mm/秒が好ましく、450~1500mm/秒がより好ましく、500~1200mm/秒が特に好ましいが、K値が1.15以上3.30以下の値となる範囲であれば特に制限は無い。
【0027】
シュリンクフィルムの厚みは、前記のとおりであり、5~25μmが好ましく、10~20μmがより好ましく、10~15μmがさらに好ましい。
本発明では、工程(1)で設けられたシュリンクフィルムの厚みに応じて、前記K値が1.15以上3.30以下になるように、レーザー出力とスキャン速度を調整する。容器を損傷させず、切り込み部を確実に設ける点から、より好ましいK値は、1.20以上3.22以下であり、さらに好ましいK値は、1.40以上3.00以下であり、特に好ましいK値は、1.50以上2.90以下である。
【0028】
また、レーザー加工の焦点距離は、 製品に傷をつけない点、フィルムを確実に切る点から、100~300mmが好ましく、150~250mmがより好ましく、170~200mmがより好ましい。
【0029】
前記の手段によって設けられた切り込み開封部には、ラベルが貼付される。
ラベルはシュリンク包装を開封するときの持ち手部となること及び、異物等の侵入防止の2つの機能を担っている。切り込み部に着実に貼付され、上記2つの機能を果たすことができるものであれば、材料や厚み等は特に限定されない。
【実施例】
【0030】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例 1~18及び比較例1~6
(1)シュリンクフィルム
シュリンクフィルムの材料にはポリプロピレン(PP)又は、ポリプロピレンとポリエチレンの複合(PP/PE)を用いた。試験に用いたシュリンクフィルムの材料と厚みは下記表1のとおりである。
尚、シュリンクフィルムの厚みはシュリンク前の値である。
【0032】
【0033】
(2)試験方法
図1に示したようなポリエチレン製容器を、微小脱気孔を設けたシュリンクフィルムで包んだ後、熱処理することによりシュリンク包装を行った。尚、熱処理条件は150℃、6秒とした。シュリンク包装後における、シュリンクフィルムと容器との隙間は、切り込みを設けようとした箇所で0.05mm以下であった。
シュリンク包装したものを、機械にセットし、レーザーマーカー(LP-430U CO2LASER MARKER、パナソニック社)を用いて、シュリンクフィルムに切り込みを設けた。尚、レーザーの焦点距離は185mmとした。
切込みを設けた後、容器への傷の有無(傷)、シュリンクフィルムの切れの有無(切れ)、切り込み形成部のフィルムの縮みの有無(縮み)を目視評価した。評価は表2記載のスコアにしたがって行った。結果を表3に示す。また、実施例で得られたシュリンクフィルム包装された容器の形態を示す写真を
図2に示す。
【0034】
【0035】
【0036】
表3から明らかなように、容器全体をシュリンクフィルムで被覆した後、前記のK値が1.15~3.30になるような条件でレーザー加工して切り込みを設ければ、切り込みが正確に達成でき、かつ容器に損傷が生じない。