(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】配線パターン生成装置、描画システム、配線パターン生成方法および配線パターン生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231012BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G03F7/20 505
G03F7/20 521
H05K3/00 D
(21)【出願番号】P 2020027816
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】北村 清志
(72)【発明者】
【氏名】中井 一博
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-011264(JP,A)
【文献】特開平1-215022(JP,A)
【文献】特開2013-058520(JP,A)
【文献】特開2013-004792(JP,A)
【文献】特開2017-067992(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0023584(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、前記電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得するデータ取得部と、
前記素子配置データが示す前記電気素子の位置と、前記パターンデータが示す前記電力配線パターンとに基づき、前記電気素子と前記電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、前記電力配線パターンおよび前記接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成するデータ補正部と
を備え、
前記データ補正部は、前記パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、前記接続配線パターンの少なくとも一部として前記電気素子と前記電力配線パターンとの間に配置することで、前記接続配線パターンを生成する配線パターン生成装置。
【請求項2】
前記電力配線パターンは、第1方向に平行に延設されており、
前記テンプレートパターンは、前記第1方向に垂直な第2方向に平行に延設されており、
前記電気素子の位置は、前記電力ラインより前記第2方向にずれており、
前記データ補正部は、前記第2方向において、前記テンプレートパターンの一端を前記電気素子上に配置するとともに、前記テンプレートパターンの他端を前記電力配線パターン上に配置することで、前記接続配線パターンを生成する請求項1に記載の配線パターン生成装置。
【請求項3】
前記素子配置データは、前記電気素子の基準角度からの回転角度をさらに示し、
前記データ補正部は、前記電気素子の回転角度が閾角度より大きい場合には、前記電気素子に対する前記テンプレートパターンの配置を行わない請求項2に記載の配線パターン生成装置。
【請求項4】
前記テンプレートパターンの配置が行われなかった前記電気素子と、前記電力配線パターンとを示す画像を表示する表示部をさらに備える請求項3に記載の配線パターン生成装置。
【請求項5】
ユーザの入力操作を受け付ける入力操作部をさらに備え、
前記データ補正部は、前記入力操作部への入力操作に応じて、前記接続配線パターンを生成する請求項4に記載の配線パターン生成装置。
【請求項6】
前記テンプレートパターンは、前記電気素子に対して配置された状態において、前記電気素子の電極に重なる接触部と、前記接触部から前記電気素子の外側まで延設された延設部とを有し、
前記データ補正部は、前記接触部を前記電気素子上に配置することで、前記接続配線パターンを生成する請求項1に記載の配線パターン生成装置。
【請求項7】
前記データ補正部は、前記延設部と前記電力配線パターンとの位置関係に基づき、前記延設部と前記電力配線パターンとの間を補完する補完配線パターンを、前記接続配線パターンの一部として算出することで、前記接続配線パターンを生成する請求項6に記載の配線パターン生成装置。
【請求項8】
前記電力配線パターンは、第1方向に平行に延設されており、
前記電気素子の位置は、前記電力ラインより前記第1方向に垂直な第2方向にずれており、
前記補完配線パターンは、前記第2方向に平行である請求項7に記載の配線パターン生成装置。
【請求項9】
前記素子配置データは、前記電気素子の基準角度からの回転角度をさらに示し、
前記データ補正部は、前記電気素子の前記回転角度に応じて、前記テンプレートパターンを配置する角度を調整する請求項6ないし8のいずれか一項に記載の配線パターン生成装置。
【請求項10】
前記電力ラインとして、電源ラインおよびグランドラインがそれぞれ設けられ、
前記パターンデータは、前記電源ラインの配線パターンである電源配線パターンおよび前記グランドラインの配線パターンであるグランド配線パターンのそれぞれを、前記電力配線パターンとして示し、
前記データ補正部は、前記電気素子と前記電源ラインとを接続する電源接続ラインの配線パターンである電源接続配線パターンおよび前記電気素子と前記グランドラインとを接続するグランド接続ラインの配線パターンであるグランド接続配線パターンのそれぞれを、前記接続配線パターンとして生成する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の配線パターン生成装置。
【請求項11】
前記電気素子は、発光ダイオード素子である請求項1ないし10のいずれか一項に記載の配線パターン生成装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の配線パターン生成装置と、
前記基板を露光する露光ヘッドと
を備え、
前記配線パターン生成装置により生成された前記補正パターンデータに基づき前記露光ヘッドにより前記基板を露光することで、前記電力配線パターンおよび前記接続配線パターンを前記基板に描画する描画システム。
【請求項13】
基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、前記電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得する工程と、
前記素子配置データが示す前記電気素子の位置と、前記パターンデータが示す前記電力配線パターンとに基づき、前記電気素子と前記電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、前記電力配線パターンおよび前記接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成する工程と
を備え、
前記パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、前記接続配線パターンの少なくとも一部として前記電気素子と前記電力配線パターンとの間に配置することで、前記接続配線パターンを生成する配線パターン生成方法。
【請求項14】
基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、前記電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得する工程と、
前記素子配置データが示す前記電気素子の位置と、前記パターンデータが示す前記電力配線パターンとに基づき、前記電気素子と前記電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、前記電力配線パターンおよび前記接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成する工程と
を、コンピュータに実行させて、
前記コンピュータが、前記パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、前記接続配線パターンの少なくとも一部として前記電気素子と前記電力配線パターンとの間に配置することで、前記接続配線パターンを生成する配線パターン生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気素子に対する配線パターンを示すパターンデータを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、パターンデータに基づき露光ヘッドから基板に光を照射することで、パターンデータが示す配線パターンを基板に描画する技術が記載されている。特に特許文献1では、基板に配置された電気素子の実際の位置と基準位置(換言すれば、設計で定められた位置)とのずれに応じて、電気素子と電極との間の配線パターンが算出される。これによって、電気素子の位置ずれによらず、電気素子と電極との間の配線パターンを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-71022号公報
【文献】特開2013-4792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば特許文献2の発光装置のように、多数の電気素子(発光ダイオード)が配列された装置を製造する場合には、各電気素子への配線パターンを求める演算に長時間を要する場合があった。そのため、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることを可能とする技術が求められていた。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配線パターン生成装置は、基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得するデータ取得部と、素子配置データが示す電気素子の位置と、パターンデータが示す電力配線パターンとに基づき、電気素子と電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、電力配線パターンおよび接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成するデータ補正部とを備え、データ補正部は、パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、接続配線パターンの少なくとも一部として電気素子と電力配線パターンとの間に配置することで、接続配線パターンを生成する。
【0007】
本発明に係る配線パターン生成方法は、基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得する工程と、素子配置データが示す電気素子の位置と、パターンデータが示す電力配線パターンとに基づき、電気素子と電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、電力配線パターンおよび接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成する工程とを備え、パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、接続配線パターンの少なくとも一部として電気素子と電力配線パターンとの間に配置することで、接続配線パターンを生成する。
【0008】
本発明に係る配線パターン生成プログラムは、基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとを取得する工程と、素子配置データが示す電気素子の位置と、パターンデータが示す電力配線パターンとに基づき、電気素子と電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンを生成することで、電力配線パターンおよび接続配線パターンを示す補正パターンデータを生成する工程とを、コンピュータに実行させて、コンピュータが、パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、接続配線パターンの少なくとも一部として電気素子と電力配線パターンとの間に配置することで、接続配線パターンを生成する。
【0009】
このように構成された本発明(配線パターン生成装置、方法およびプログラム)によれば、基板に配置された電気素子の位置を示す素子配置データと、電気素子に電力を供給する電力ラインの配線パターンである電力配線パターンを示すパターンデータとが取得される。そして、素子配置データが示す電気素子の位置と、パターンデータが示す電力配線パターンとに基づき、電気素子と電力ラインとを接続する接続ラインの配線パターンである接続配線パターンが生成される。この際、パターンデータにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを、接続配線パターンの少なくとも一部として配置することで、接続配線パターンが生成される。このように、予め定められた所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンを配置するといった簡便な手法を用いることで、接続配線パターンの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0010】
また、電力配線パターンは、第1方向に平行に延設されており、テンプレートパターンは、第1方向に垂直な第2方向に平行に延設されており、電気素子の位置は、電力ラインより第2方向にずれており、データ補正部は、第2方向において、テンプレートパターンの一端を電気素子上に配置するとともに、テンプレートパターンの他端を電力配線パターン上に配置することで、接続配線パターンを生成するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、テンプレートパターンを配置するといった演算を実行するだけで、電気素子と電力ラインとを接続する接続ラインの接続配線パターンを簡便に生成できる。その結果、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0011】
また、素子配置データは、電気素子の基準角度からの回転角度をさらに示し、データ補正部は、電気素子の回転角度が閾角度より大きい場合には、電気素子に対するテンプレートパターンの配置を行わないように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、基準角度から閾角度より大きく回転した電気素子に対しては、テンプレートパターンの配置による接続配線パターンの生成が禁止される。そのため、大きく回転した電気素子に対して、テンプレートパターンの配置による無理な配線パターンの生成が行われることがなく、好適である。
【0012】
また、テンプレートパターンの配置が行われなかった電気素子と、電力配線パターンとを示す画像を表示する表示部をさらに備えるように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、テンプレートパターンの配置による接続配線パターンの生成が実行されなかった電気素子を、ユーザが確認することができる。
【0013】
また、ユーザの入力操作を受け付ける入力操作部をさらに備え、データ補正部は、入力操作部への入力操作に応じて、接続配線パターンを生成するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、テンプレートパターンの配置による接続配線パターンの生成が実行されなかった場合には、ユーザの入力操作によって接続配線パターンを適切に生成することができる。
【0014】
また、テンプレートパターンは、電気素子に対して配置された状態において、電気素子の電極に重なる接触部と、接触部から電気素子の外側まで延設された延設部とを有し、データ補正部は、接触部を電気素子上に配置することで、接続配線パターンを生成するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、テンプレートパターンを配置するといった簡便な手法を用いることで、電気素子の端子から電気素子の外側まで引き出される配線パターンの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0015】
また、データ補正部は、延設部と電力配線パターンとの位置関係に基づき、延設部と電力配線パターンとの間を補完する補完配線パターンを、接続配線パターンの一部として算出することで、接続配線パターンを生成するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。つまり、電気素子の外側まで引き出された延設部と電力配線パターンとを接続する補完配線パターンの演算は、比較的簡便に実行できる。そこで、かかる補完配線パターンは、テンプレートの配置によらずに算出して、生成するとよい。
【0016】
また、電力配線パターンは、第1方向に平行に延設されており、電気素子の位置は、電力ラインより第1方向に垂直な第2方向にずれており、補完配線パターンは、第2方向に平行であるように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、補完配線パターンは、電力配線パターンに直交する直線状の簡便な形状を有するため、補完配線パターンを簡便に生成することができる。
【0017】
また、素子配置データは、電気素子の基準角度からの回転角度をさらに示し、データ補正部は、電気素子の回転角度に応じて、テンプレートパターンを配置する角度を調整するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、電気素子の回転角度に応じてテンプレートパターンが的確に配置され、電気素子の端子から電気素子の外側まで引き出される配線パターンを適切に求めることができる。
【0018】
また、電力ラインとして、電源ラインおよびグランドラインがそれぞれ設けられ、パターンデータは、電源ラインの配線パターンである電源配線パターンおよびグランドラインの配線パターンであるグランド配線パターンのそれぞれを、電力配線パターンとして示し、 データ補正部は、電気素子と電源ラインとを接続する電源接続ラインの配線パターンである電源接続配線パターンおよび電気素子とグランドラインとを接続するグランド接続ラインの配線パターンであるグランド接続配線パターンのそれぞれを、接続配線パターンとして生成するように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、電源ラインと電気素子およびグランドラインと電気素子との間を接続する接続配線パターンを、高速に求めることができる。
【0019】
また、電気素子は、発光ダイオード素子であるように、配線パターン生成装置を構成してもよい。かかる構成では、発光ダイオードに対する配線パターンを高速に求めることが可能となる。
【0020】
本発明に係る描画システムは、上記の配線パターン生成装置と、基板を露光する露光ヘッドとを備え、配線パターン生成装置により生成された補正パターンデータに基づき露光ヘッドにより基板を露光することで、電力配線パターンおよび接続配線パターンを基板に描画する。したがって、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、電気素子に対する配線パターンを高速に求めることが可能となる。なお、本発明は、多数の電気素子に対する配線パターンを求める場合に特に特に好適であるが、1個あるいは数個の電気素子に対する配線パターンを求める場合にも当然のことながら適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る描画システムが備える描画装置の概略構成を模式的に示す正面図。
【
図2】本発明に係る描画システムを示すブロック図。
【
図3】基板に形成される配線の一例を模式的に示す平面図。
【
図4】露光データ生成方法の第1例を示すフローチャート。
【
図5】
図4のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図。
【
図6】露光データ生成方法の第2例を示すフローチャート。
【
図7】
図6のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図。
【
図8】
図6のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図。
【
図9】
図6のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図。
【
図10】露光データ生成の第2例で使用可能なテンプレートパターンの変形例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明に係る描画システムが備える描画装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
図1では、XYZ直交座標が示されている。ここで、XY平面が水平面を表し、Z方向が鉛直方向を表す。さらに、Z軸回りの回転方向をθ軸により表す。
【0024】
描画装置100は、レジストなどの感光材料の層が形成された基板Wの上面に光を照射して、配線パターンを描画する装置である。なお、基板Wとしては、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。図示例では円形の半導体基板の上面に形成された下層パターンに重ねて上層パターン(配線パターン)が描画される。
【0025】
描画装置100は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
【0026】
描画装置100の本体内部は、処理領域102と受け渡し領域103とに区分されている。これらの領域のうち処理領域102には、主として、ステージ10、ステージ移動機構20、光学ユニットU、アライメントユニット60が配置される。一方、受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送ロボットなどの搬送装置70が配置される。
【0027】
また、描画装置100の本体外部には、アライメントユニット60に照明光を供給する照明ユニット61が配置される。また、同本体には、描画装置100が備える装置各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御ユニット90が配置される。
【0028】
なお、描画装置100の本体外部で、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部104が配置される。また、カセット載置部104に対応し、本体内部の受け渡し領域103に配置された搬送装置70は、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入(ローディング)するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出(アンローディング)してカセットCに収容する。カセット載置部104に対するカセットCの受け渡しは、図示しない外部搬送装置によって行われる。この未処理基板Wのローディング処理および処理済基板Wのアンローディング処理は制御ユニット90からの指示に応じて搬送装置70が動作することで行われる。
【0029】
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ10の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を付与することによって、ステージ10上に載置された基板Wをステージ10の上面に固定保持することができるようになっている。そして、ステージ10はステージ移動機構20により移動させられる。
【0030】
ステージ移動機構20は、ステージ10を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、および回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる機構である。ステージ移動機構20は、ステージ10を回転可能に支持する支持プレート22を支持するベースプレート24と、支持プレート22を副走査方向に移動させる副走査機構23と、ベースプレート24を主走査方向に移動させる主走査機構25とを備える。副走査機構23および主走査機構25は、制御ユニット90からの指示に応じてステージ10を移動させる。
【0031】
アライメントユニット60は、基板Wの上面に形成された図示しないアライメントマークを撮像する。アライメントユニット60は、鏡筒、対物レンズ、およびCCDイメージセンサを有するアライメントカメラ601を備える。アライメントカメラ601が備えるCCDイメージセンサは、例えばエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成される。また、アライメントユニット60は、図示しない昇降機構によって所定の範囲内で昇降可能に支持されている。
【0032】
照明ユニット61は、鏡筒とファイバ611を介して接続され、アライメントユニット60に対して照明用の光を供給する。照明ユニット61から延びるファイバ611によって導かれる光は、アライメントカメラ601の鏡筒を介して基板Wの上面に導かれ、その反射光は、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面が撮像されて画像データが取得されることになる。アライメントカメラ601は制御ユニット90と電気的に接続されており、制御ユニット90からの指示に応じて画像データを取得し、取得した画像データを制御ユニット90に送信する。
【0033】
アライメントカメラ601から与えられる画像データに基づき、制御ユニット90は、基板Wの基準位置に設けられた基準マークを検出して光学ユニットUと基板Wとの相対位置を位置決めするアライメント処理を行う。そして、配線パターンに応じて変調されたレーザ光を光学ユニットUから基板Wの所定位置に照射することで、基板W(の感光材料)に配線パターンを描画する。
【0034】
光学ユニットUは、配線パターンに対応する露光データ(ストリップデータ)に基づいてレーザ光を変調する露光ヘッド4を、X軸方向に沿って2台並べた概略構成を具備する。なお、露光ヘッド4の台数はこれに限られない。また、これら露光ヘッド4は互いに同様の構成を具備するので、以下では1台の露光ヘッド4に関連する構成について説明を行う。
【0035】
光学ユニットUには、露光ヘッド4に対してレーザ光を照射する光照射部5が設けられている。光照射部5は、レーザ駆動部51、レーザ発振器52および照明光学系53を有する。そして、レーザ駆動部51の作動によりレーザ発振器52から射出されたレーザ光が、照明光学系53を介して露光ヘッド4へと照射される。露光ヘッド4は、光照射部5から照射されたレーザ光を空間光変調器によって変調して、露光ヘッド4の直下で移動する基板Wに対して落射する。これによって、未処理の基板Wに形成されていた下層パターンに対して、上層パターン(配線パターン)が重ねて露光される。
【0036】
図2は本発明に係る描画システムを示すブロック図である。描画システムSは、
図1に示す描画装置100と、コンピュータ200とを備える。描画装置100の制御ユニット90は、演算部901、記憶部902および通信部903を有する。演算部901は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、制御ユニット90での演算機能を担う。記憶部902は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、露光ヘッド4によるレーザ光の変調パターンを示す露光データDeや、アライメントカメラ601により撮像することで取得した画像データDi等を記憶する。また、通信部903は、コンピュータ200との通信機能を担う。
【0037】
コンピュータ200は、制御ユニット210、ディスプレイ220および入力操作器230を備える。制御ユニット210は、演算部211、記憶部212および通信部213を有する。演算部211は、例えばCPU等のプロセッサであり、制御ユニット210での演算機能を担う。記憶部212は、例えばHDD等の記憶装置であり、各種データDi、Dp、Dpa、DeおよびプログラムGを記憶する。また、通信部213は、描画装置100(の通信部903)との通信機能を担う。
【0038】
ディスプレイ220は、演算部211から指示された内容をユーザに対して表示する。また、入力操作器230は、キーボードやマウスで構成されて、ユーザによる入力操作を受け付け、演算部211は、入力操作器230に対する入力操作の内容に応じた演算を実行する。なお、ディスプレイ220と入力操作器230とを別々に構成する必要はなく、タッチパネルによってこれらを一体的に構成してもよい。
【0039】
後述するように、コンピュータ200は、露光データDeを生成して描画装置100に送信する。描画装置100は、露光データDeに基づき露光ヘッド4により変調したレーザ光を基板Wに照射することで、露光データDeに応じた配線パターンを基板Wの感光材料に描画する。配線パターンが描画された基板Wは、描画装置100から搬出された後に、現像処理およびエッチング処理を受ける。これによって、露光データDeに応じた配線(ライン)が基板Wに形成される。
【0040】
図3は基板に形成される配線の一例を模式的に示す平面図である。
図3および以下の図では、互いに直交する方向A1および方向A2が適宜示される。ここで、方向A1および方向A2は基板Wの表面の法線に直交し、いずれも水平方向である。
図3に示すように、基板W上では、複数の電気素子Eが方向A1に所定ピッチ(例えば、300μm~700μm)で一列に配列される。電気素子Eは、LED(Light Emitting Diode)チップであり、例えば50μm~100μm程度の辺を有する矩形状に形成されている。電気素子Eは、陽極端子Ta(アノード)と、陰極端子Tk(カソード)とをその両端に有し、陽極端子Taに電源電圧が与えられるとともに陰極端子Tkにグランド電圧が与えられると、電力供給を受けて発光する。例えば、車のヘッドライトや電光パネル等を製造する場合には、
図3に示すような電気素子Eの列が多数配置されて、10万個程度の電気素子Eがマトリックス状に配列される。
【0041】
また、基板W上では、方向A1にそれぞれ水平に延設された電源ラインLvとグランドラインLgとが配置されている。電源ラインLvとグランドラインLgとは、方向A2に間隔を空けて配置され、電源ラインLvとグランドラインLgとの間に複数の電気素子Eが一列に配列されている。さらに、電源ラインLvと電気素子Eの陽極端子Taとの間には電源接続ラインLcvが配置され、電源ラインLvと陽極端子Taとは電源接続ラインLcvによって電気的に接続される。また、グランドラインLgと電気素子Eの陰極端子Tkとの間にはグランド接続ラインLcgが配置され、グランドラインLgと陰極端子Tkとはグランド接続ラインLcgによって電気的に接続される。したがって、電源ラインLvに電源電圧を与えるとともにグランドラインLgにグランド電圧を与えることで、電気素子Eを発光させることができる。
【0042】
そして、
図2のコンピュータ200は、
図3に示す電気素子Eに対する各ラインLv、Lg、Lcv、Lcgの配線パターンを基板Wの感光材料に描画するための露光データDeを生成する。特にコンピュータ200は、電気素子Eの位置ずれに応じて露光データDeを生成することができる。つまり、基板W上における電気素子Eの位置は、設計値からずれる場合ある。これに対して、コンピュータ200は、設計値が示す位置に配置された電気素子Eに対してはもちろん、設計値が示す位置からずれて配置された電気素子Eに対しても、電源接続ラインLcvおよびグランド接続ラインLcgの配線パターンを適切に求めて、露光データDeを生成する。続いては、この点について詳述する。
【0043】
図4は露光データ生成方法の第1例を示すフローチャートであり、
図5は
図4のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図である。
図4のフローチャートは、露光データ生成プログラムG(
図2)に従って演算部211により実行される。
【0044】
ステップS101では、基板W上における複数の電気素子Eを撮像した画像データDiが取得される。具体的には、演算部211は、画像データDiの取得を指示する画像撮像指示を、通信部213を介して描画装置100の通信部903に送信する。描画装置100では、通信部903による画像撮像指示の受信を受けて、演算部901がアライメントカメラ601に基板Wの表面を撮像させることで画像データDiを取得する。なお、画像撮像指示には、電気素子Eの配置位置(設計値)が含まれており、アライメントカメラ601はこの配置位置を撮像して、画像データDiを取得する。この画像データDiは、通信部903を介してコンピュータ200の通信部213に送信され、コンピュータ200では、通信部213により受信された画像データDiが記憶部212に記憶される。こうして、コンピュータ200は画像データDiを取得する。
【0045】
ステップS102では、パターンデータDpが取得される。このパターンデータDpは、設計値が示す位置に理想的に配置された複数の電気素子Eに対する各ラインLv、Lg、Lcv、Lcgの配線パターンを示すCAD(Computer Aided Design)データであり、具体的にはGDS(Graphic Data System)データである。かかるパターンデータDpの取得は、例えばコンピュータ200に接続されたUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶装置から記憶部212にパターンデータDpを読み込むことで実行してもよいし、外部装置から通信部213によりパターンデータDpを受信して記憶部212に保存することで実行してもよい。
【0046】
ちなみに、ステップS101、S102の実行順序はこれに限られず、これの逆でも構わない。また、複数の同種の基板Wに対して順番に描画を実行する場合、画像データDiの取得は、描画装置100に基板Wが搬入される度に実行する必要があるのに対して、パターンデータDpの取得は、描画装置100への最初の基板Wの搬入の前、途中あるいは後に一度実行すれば足りる。
【0047】
ステップS103では、基板W上に設けられた電気素子Eの配置位置をカウントするためのカウント値Nがゼロにリセットされ、ステップS104では、カウント値Nが1だけインクリメントされる。
【0048】
ステップS105、S106では、N番目の配置位置の電気素子Eに対する接続ラインLcv、Lcgの配線パターンが求められる。
図5の「実行前」の欄に示すように、ステップS105、S106の実行前では、電源ラインLvの配線パターンである電源配線パターンPvと、グランドラインLgの配線パターンであるグランド配線パターンPgとの間に、N番目の配置位置の電気素子Eが位置しており、配線パターンPv、Pgと電気素子Eとは接続されていない。なお、電源配線パターンPvおよびグランド配線パターンPgの配置は、パターンデータDpに基づき認識され、電気素子Eの配置は画像データDiに基づき認識される。
【0049】
そこで、ステップS105では、電源接続ラインLcvの配線パターンである電源接続配線パターンPcvが、テンプレートパターンPtvの配置により生成される。つまり、露光データ生成プログラムGの実行に伴って、電源接続用のテンプレートパターンPtvが記憶部212に展開・記憶される。ここの例では、テンプレートパターンPtvは、方向A2に平行に延設された形状を有しており、方向A1に所定幅を有するとともに方向A2に所定長さを有する。そして、テンプレートパターンPtvの一端を電気素子Eの陽極端子Ta上に配置するとともに、テンプレートパターンPtvの他端を電源配線パターンPv上に配置する演算が実行される。こうしてテンプレートパターンPtvにより構成される電源接続配線パターンPcvが生成される。かかる演算をパターンデータDpに対して実行することで、設計通りに配置された電源接続配線パターンが電気素子Eの実際の位置に応じた電源接続配線パターンPcvに変換されて、パターンデータDpが補正される。
【0050】
また、ステップS106では、グランド接続ラインLcgの配線パターンであるグランド接続配線パターンPcgが、テンプレートパターンPtgの配置により生成される。つまり、露光データ生成プログラムGの実行に伴って、グランド接続用のテンプレートパターンPtgが記憶部212に展開・記憶される。ここの例では、テンプレートパターンPtgは、方向A2に平行に延設された形状を有しており、方向A1に所定幅を有するとともに方向A2に所定長さを有する。そして、テンプレートパターンPtgの一端を電気素子Eの陰極端子Tk上に配置するとともに、テンプレートパターンPtgの他端をグランド配線パターンPg上に配置する演算が実行される。こうしてテンプレートパターンPtgにより構成されるグランド接続配線パターンPcgが生成される。かかる演算をパターンデータDpに対して実行することで、設計通りに配置されたグランド配線パターンが電気素子Eの実際の位置に応じて配置されたグランド接続配線パターンPcgに変換されて、パターンデータDpが補正される。なお、ステップS105、S106の実行順序はこれに限られず、この逆でも構わない。
【0051】
ここで、テンプレートパターンPtvは、設計通りに配置された電気素子Eと電源配線パターンPvとの方向A2における距離に所定のマージンを加算した長さを有し、テンプレートパターンPtgは、設計通りに配置された電気素子Eとグランド配線パターンPgとの方向A2における距離に所定のマージンを加算した長さを有する。また、ここの例では、電気素子Eが電源配線パターンPvとグランド配線パターンPgとの中間に位置するように設計されていることから、テンプレートパターンPtv、Ptgは同一の長さを有する。ただし、テンプレートパターンPtv、Ptgは同一の長さを有する必要はなく、互いに異なる長さを有していてもよい。特に、電源配線パターンPvとグランド配線パターンPgとの中間からずれて電気素子Eが位置するように設計されている場合には、これらの長さは異なる。
【0052】
ステップS107では、Nx個の配置位置の全てについて、ステップS105、S106を実行したが判断される。ここで、Nxは、基板Wにおける電気素子Eの配置位置の個数である。そして、全ての配置位置についてステップS105、S106が完了するまで(ステップS107で「YES」と判断されるまで)、ステップS104~S106が繰り返される。全ての配置位置についてステップS105、S106が完了すると(ステップS107で「YES」)、補正パターンデータDpaの生成が完了したこととなる。ここで、補正パターンデータDpaは、基板W上に実際に配置されたNx個の電気素子Eに対する配線パターンを示すGDSデータである。
【0053】
ステップS108では、補正パターンデータDpaがラスタライズされて、露光データDeが生成され、ステップS109では、露光データDeが通信部213を介して、描画装置100に出力される。したがって、描画装置100は、この露光データDeに基づき露光を行うことで、補正パターンデータDpaが示す配線パターンを基板Wに描画することができる。
【0054】
以上の実施形態では、基板Wに配置された電気素子Eの位置を示す画像データDi(素子配置データ)と、電気素子Eに電力を供給する電源ラインLv(電力ライン)の配線パターンである電源配線パターンPv(電力配線パターン)を示すパターンデータDpが取得される(ステップS101、S102)。そして、画像データDiが示す電気素子Eの位置と、パターンデータDpが示す電源配線パターンPvとに基づき、電気素子Eと電源ラインLvとを接続する電源接続ラインLcv(接続ライン)の配線パターンである電源接続配線パターンPcv(接続配線パターン)が生成される。この際、パターンデータDpにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtvを、電源接続配線パターンPcvとして配置する演算により、電源接続配線パターンPcvが生成される(ステップS105)。このように、予め定められた所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtvを配置するといった簡便な手法を用いることで、電源接続配線パターンPcvの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0055】
また、基板Wに配置された電気素子Eの位置を示す画像データDi(素子配置データ)と、電気素子Eに電力を供給するグランドラインLg(電力ライン)の配線パターンであるグランド配線パターンPg(電力配線パターン)を示すパターンデータDpが取得される(ステップS101、S102)。そして、画像データDiが示す電気素子Eの位置と、パターンデータDpが示すグランド配線パターンPgとに基づき、電気素子EとグランドラインLgとを接続するグランド接続ラインLcg(接続ライン)の配線パターンであるグランド接続配線パターンPcg(接続配線パターン)が生成される。この際、パターンデータDpにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtgを、グランド接続配線パターンPcgとして配置する演算により、グランド接続配線パターンPcgが生成される(ステップS106)。このように、予め定められた所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtgを配置するといった簡便な手法を用いることで、グランド接続配線パターンPcgの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0056】
また、電源配線パターンPvは方向A1(第1方向)に平行に延設されており、電気素子Eの位置は、電源配線パターンPvより方向A2(第2方向)にずれている。これに対して、テンプレートパターンPtvは、方向A2に平行に延設されている。そして、演算部211は、方向A2において、テンプレートパターンPtvの一端を電気素子E上に配置するとともに、テンプレートパターンPtvの他端を電源配線パターンPv上に配置する演算により、電源接続配線パターンPcvを生成する。かかる構成では、テンプレートパターンPtvを配置するといった演算を実行するだけで、電気素子Eと電源ラインLvとを接続する電源接続ラインLcvの電源接続配線パターンPcvを簡便に生成できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0057】
また、グランド配線パターンPgは方向A1に平行に延設されており、電気素子Eの位置は、グランド配線パターンPgより方向A2(第2方向)にずれている。これに対して、テンプレートパターンPtgは、方向A2に平行に延設されている。そして、演算部211は、方向A2において、テンプレートパターンPtgの一端を電気素子E上に配置するとともに、テンプレートパターンPtgの他端をグランド配線パターンPg上に配置する演算により、グランド接続配線パターンPcgを生成する。かかる構成では、テンプレートパターンPtgを配置するといった演算を実行するだけで、電気素子EとグランドラインLgとを接続するグランド接続ラインLcgのグランド接続配線パターンPcgを簡便に生成できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0058】
また、電源ラインLvおよびグランドラインLgのそれぞれに対して、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置による配線パターンの生成が実行されている。したがって、電源ラインLvと電気素子EおよびグランドラインLgと電気素子Eとの間を接続する電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgを、高速に求めることができる。
【0059】
また、電気素子EはLEDチップである。かかる構成では、LEDチップに対する配線パターンを高速に求めることが可能となる。
【0060】
図6は露光データ生成方法の第2例を示すフローチャートであり、
図7、
図8および
図9は
図6のフローチャートに従って実行される演算の内容を模式的に示す図である。
図6のフローチャートは、露光データ生成プログラムG(
図2)に従って演算部211により実行される。なお、以下では、
図4の第1例との差異点を中心に説明し、第1例との共通点については相当符号を付して説明を適宜省略する。
【0061】
図6の第2例においても、第1例と同様にステップS101~S104が実行される。そして、N番目の配置位置の電気素子Eに対して、ステップS201が実行される。ステップS201では、画像データDiが示す電気素子Eの回転角度θrが閾角度θtより大きいか否かが判断される。つまり、
図7の「θr=0」の欄に示すように、電気素子Eが設計値通りに配置された場合の電気素子Eの回転角度θrが0度(基準角度)に設定される。そして、
図7の「θr≦θt」の欄に示すように、基準角度に対する電気素子Eの回転角度θrが閾角度θt(例えば、35度)以下であれば、ステップS201で「NO」と判断される。一方、
図7の「θr>θt」の欄に示すように、基準角度に対する電気素子Eの回転角度θrが閾角度θtより大きければ、ステップS201で「YES」と判断される。なお、
図7では、電気素子Eが反時計回りに回転した場合を示したが、電気素子Eが時計回りに回転した場合も同様である。
【0062】
N番目の配置箇所の電気素子Eの回転角度θrが閾角度θtより大きければ(ステップS201で「YES」)、この電気素子Eに対する電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgの生成(ステップS202~S205)を実行せずに、ステップS104に戻る。これによって、インクリメントされたN番目の配置箇所の電気素子Eに対してステップS201が実行される。
【0063】
N番目の配置箇所の電気素子Eの回転角度θrが閾角度θt以下であれば(ステップS201で「NO」)、この電気素子Eに対してステップS202~S205が実行されて、N番目の配置位置の電気素子Eに対する接続ラインLcv、Lcgの配線パターンが求められる。
図9の「実行前」の欄に示すように、ステップS202~S205の実行前では、電源配線パターンPvとグランド配線パターンPgとの間に、N番目の配置位置の電気素子Eが位置しており、配線パターンPv、Pgと電気素子Eとは接続されていない。
【0064】
これに対して、ステップS202~S205では、
図8に示すテンプレートパターンPtv、Ptgを用いて、電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgが生成される。ここで、
図8では、回転角度θrがゼロであるテンプレートパターンPtv、Ptgが示されている。テンプレートパターンPtvは、方向A1に平行に延設された接触部Hcと、接触部Hcから電源配線パターンPv側(同図の上側)に方向A2に延設された台形状の延設部Heとを有する。テンプレートパターンPtgは、方向A1に平行に延設された接触部Hcと、接触部Hcからグランド配線パターンPg側(同図の下側)に方向A2に延設された台形状の延設部Heとを有する。
【0065】
ステップS202では、電気素子Eの回転角度θrに応じて回転させたテンプレートパターンPtvを電気素子Eの陽極端子Taに対して配置する演算が実行される。これによって、テンプレートパターンPtvの接触部Hcは、電気素子Eの陽極端子Ta上に配置されて、電気素子Eの陽極端子Taに重なる。また、テンプレートパターンPtvの延設部Heは、接触部Hcから電気素子Eの外側まで引き出されて、電気素子Eから電源配線パターンPv側に突出する。
【0066】
ステップS203では、電気素子Eの回転角度θrに応じて回転させたテンプレートパターンPtgが電気素子Eの陰極端子Tkに対して配置する演算が実行される。これによって、テンプレートパターンPtgの接触部Hcは、電気素子Eの陰極端子Tk上に配置されて、電気素子Eの陰極端子Tkに重なる。また、テンプレートパターンPtgの延設部Heは、接触部Hcから電気素子Eの外側まで引き出されて、電気素子Eからグランド配線パターンPg側に突出する。
【0067】
ステップS204では、電源配線パターンPvと、テンプレートパターンPtvの延設部Heの先端(方向A2における電源配線パターンPv側の端)との間を補完する補完配線パターンPsvを、これらの位置関係に基づき算出する演算が実行される。この補完配線パターンPsvは、方向A2に平行な形状を有し、テンプレートパターンを用いずに算出によって求められる。この補完配線パターンPsvによって、電源配線パターンPvとテンプレートパターンPtvの延設部Heの先端とが接続される。こうして、電源配線パターンPvと電気素子Eの陽極端子Taとを接続する電源接続配線パターンPcvが、テンプレートパターンPtvと補完配線パターンPsvとによって構成される。
【0068】
ステップS205では、グランド配線パターンPgと、テンプレートパターンPtgの延設部Heの先端(方向A2におけるグランド配線パターンPg側の端)との間を補完する補完配線パターンPsgを算出する演算が実行される。この補完配線パターンPsgは、方向A2に平行な形状を有し、テンプレートパターンを用いずに算出によって求められる。この補完配線パターンPsgによって、グランド配線パターンPgとテンプレートパターンPtgの延設部Heの先端とが接続される。こうして、グランド配線パターンPgと電気素子Eの陰極端子Tkとを接続するグランド接続配線パターンPcgが、テンプレートパターンPtgと補完配線パターンPsgとによって構成される。
【0069】
なお、ステップS202、S203の実行順序はこれに限られず、これの逆でもよく、ステップS204、S205の実行順序はこれに限られず、これの逆でもよい。また、ステップS204、S205を実行してから、ステップS202、S203を実行してもよい。つまり、電気素子Eの回転角度θrが分かれば、電気素子Eに対してテンプレートパターンPtv、Ptgを配置した場合の延設部Heの先端の位置は分かる。したがって、ステップS202、S203の前にステップS204、S205を実行することはできる。
【0070】
ステップS206では、Nx個の配置位置の全てについて、ステップS201(さらにはステップS202~S205)を実行したが判断される。そして、全ての配置位置について該当のステップが完了するまで(ステップS206で「YES」と判断されるまで)、該当のステップが繰り返される。
【0071】
全ての配置位置について該当のステップが完了すると(ステップS206で「YES」)、ステップS207において非配線素子の有無が確認される。つまり、ステップS201で「YES」と判断された電気素子Eは、電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgが生成されていない非配線素子Eと判断される。非配線素子が無い場合(ステップS207で「NO」の場合)には、補正パターンデータDpaの生成が完了したこととなる。そこで、ステップS108、S109が実行される。
【0072】
一方、非配線素子が有る場合(ステップS207で「YES」)の場合には、非配線素子E、電源配線パターンPvおよびグランド配線パターンPgを含む画面がディスプレイ220に表示される。これによって、ユーザは、ディスプレイ220に表示された当該画面を確認しつつ入力操作器230を操作することで、非配線素子Eに対する電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgを入力することができる。換言すれば、演算部211は、ユーザによる入力操作器230への入力操作に応じて、非配線素子Eに対する電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgを生成する演算を実行する。
【0073】
そして、全ての非配線素子Eに対する電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgの生成が完了すると(ステップS209で「YES」)、補正パターンデータDpaの生成が完了したこととなる。そこで、ステップS108、S109が実行される。
【0074】
以上の実施形態では、基板Wに配置された電気素子Eの位置を示す画像データDiと、電気素子Eに電力を供給する電源ラインLvの配線パターンである電源配線パターンPvを示すパターンデータDpとが取得される(ステップS101、S102)。そして、画像データDiが示す電気素子Eの位置と、パターンデータDpが示す電源配線パターンPvとに基づき、電気素子Eと電源ラインLvとを接続する電源接続ラインLcvの配線パターンである電源接続配線パターンPcvが生成される。この際、パターンデータDpにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtvを、電源接続配線パターンPcvの少なくとも一部として配置することで、電源接続配線パターンPcvが生成される。このように、予め定められた所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtvを配置するといった簡便な手法を用いることで、電源接続配線パターンPcvの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0075】
また、基板Wに配置された電気素子Eの位置を示す画像データDiと、電気素子Eに電力を供給するグランドラインLgの配線パターンであるグランド配線パターンPgを示すパターンデータDpとが取得される(ステップS101、S102)。そして、画像データDiが示す電気素子Eの位置と、パターンデータDpが示すグランド配線パターンPgとに基づき、電気素子EとグランドラインLgとを接続するグランド接続ラインLcgの配線パターンであるグランド接続配線パターンPcgが生成される。この際、パターンデータDpにおいて、所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtgを、グランド接続配線パターンPcgの少なくとも一部として配置することで、グランド接続配線パターンPcgが生成される。このように、予め定められた所定の形状および寸法を有するテンプレートパターンPtgを配置するといった簡便な手法を用いることで、グランド接続配線パターンPcgの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0076】
また、画像データDiは、電気素子Eの回転角度θrをさらに示す。そして、演算部211(データ補正部)は、電気素子Eの回転角度θrが閾角度θtより大きい場合(ステップS201で「YES」の場合)には、電気素子Eに対するテンプレートパターンPtv、Ptgの配置を行わない。かかる構成では、閾角度θtより大きく回転した電気素子Eに対しては、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置による電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgの生成が禁止される。そのため、大きく回転した電気素子Eに対して、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置による無理な配線パターンの生成が行われることがなく、好適である。
【0077】
また、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置が行われなかった電気素子E、電源配線パターンPvおよびグランド配線パターンPgを示す画像を表示するディスプレイ220が具備されている。かかる構成では、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置による電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgの生成が実行されなかった電気素子Eを、ユーザが確認することができる。
【0078】
また、ユーザの入力操作を受け付ける入力操作器230が具備されている。そして、演算部211は、入力操作器230への入力操作に応じて、電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgを生成する。かかる構成では、テンプレートパターンPtv、Ptgの配置による電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgの生成が実行されなかった場合には、ユーザの入力操作によって電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgを適切に生成することができる。
【0079】
また、テンプレートパターンPtvは、電気素子Eに対して配置された状態において、電気素子Eの陽極端子Ta(電極)に重なる接触部Hcと、接触部Hcから電気素子Eの外側まで延設された延設部Heとを有する。そして、演算部211は、接触部Hcを電気素子E上に配置することで、電源接続配線パターンPcvを生成する。かかる構成では、テンプレートパターンPtvを配置するといった簡便な手法を用いることで、電気素子Eの陽極端子Taから電気素子Eの外側まで引き出される配線パターンの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0080】
また、テンプレートパターンPtgは、電気素子Eに対して配置された状態において、電気素子Eの陰極端子Tk(電極)に重なる接触部Hcと、接触部Hcから電気素子Eの外側まで延設された延設部Heとを有する。そして、演算部211は、接触部Hcを電気素子E上に配置することで、グランド接続配線パターンPcgを生成する。かかる構成では、テンプレートパターンPtgを配置するといった簡便な手法を用いることで、電気素子Eの陰極端子Tkから電気素子Eの外側まで引き出される配線パターンの生成に要する演算を簡略化できる。その結果、電気素子Eに対する配線パターンを高速に求めることが可能となっている。
【0081】
また、演算部211は、延設部Heと電源配線パターンPvとの位置関係に基づき、延設部Heと電源配線パターンPvとの間を補完する補完配線パターンPsvを、電源接続配線パターンPcvの一部として算出することで、電源接続配線パターンPcvを生成する。つまり、電気素子Eの外側まで引き出された延設部Heと電源配線パターンPvとを接続する補完配線パターンPsvを算出する演算は、比較的簡便に実行できる。そこで、かかる補完配線パターンPsvは、テンプレートパターンPtvの配置によらずに算出して、生成するとよい。
【0082】
また、演算部211は、延設部Heとグランド配線パターンPgとの位置関係に基づき、延設部Heとグランド配線パターンPgとの間を補完する補完配線パターンPsgを、グランド接続配線パターンPcgの一部として算出することで、グランド接続配線パターンPcgを生成する。つまり、電気素子Eの外側まで引き出された延設部Heとグランド配線パターンPgとを接続する補完配線パターンPsgを算出する演算は、比較的簡便に実行できる。そこで、かかる補完配線パターンPsgは、テンプレートパターンPtgの配置によらずに算出して、生成するとよい。
【0083】
また、電源配線パターンPvは、方向A1に平行に延設されており、電気素子Eの位置は、電源配線パターンPvより方向A2にずれている。これに対して、補完配線パターンPsvは、方向A2に平行である。かかる構成では、補完配線パターンPsvは、電源配線パターンPvに直交する直線状の簡便な形状を有するため、補完配線パターンPsvを簡便に生成することができる。
【0084】
また、グランド配線パターンPgは、方向A1に平行に延設されており、電気素子Eの位置は、グランド配線パターンPgより方向A2にずれている。これに対して、補完配線パターンPsgは、方向A2に平行である。かかる構成では、補完配線パターンPsgは、グランド配線パターンPgに直交する直線状の簡便な形状を有するため、補完配線パターンPsgを簡便に生成することができる。
【0085】
また、画像データDiは、電気素子Eの回転角度θrをさらに示し、演算部211は、電気素子Eの回転角度θrに応じて、テンプレートパターンPtv、Ptgの回転角度を調整してを配置する。かかる構成では、電気素子Eの回転角度θrに応じてテンプレートパターンPtv、Ptgが的確に配置され、電気素子Eの陽極端子Taあるいは陰極端子Tkから電気素子Eの外側まで引き出される配線パターンを適切に求めることができる。
【0086】
以上に説明した実施形態では、方向A1が本発明の「第1方向」の一例に相当し、方向A2が本発明の「第2方向」の一例に相当し、画像データDiが本発明の「素子配置データ」の一例に相当し、パターンデータDpが本発明の「パターンデータ」の一例に相当し、補正パターンデータDpaが本発明の「補正パターンデータ」の一例に相当し、露光データ生成プログラムGが本発明の「配線パターン生成プログラム」の一例に相当し、接触部Hcが本発明の「接触部」の一例に相当し、延設部Heが本発明の「延設部」の一例に相当し、電源配線パターンPvおよびグランド配線パターンPgが本発明の「電力配線パターン」の一例に相当し、電源接続配線パターンPcvおよびグランド接続配線パターンPcgが本発明の「接続配線パターン」の一例に相当し、補完配線パターンPsvおよび補完配線パターンPsgが本発明の「補完配線パターン」の一例に相当し、テンプレートパターンPtvおよびテンプレートパターンPtgが本発明の「テンプレートパターン」の一例に相当し、描画システムSが本発明の「描画システム」の一例に相当し、露光ヘッド4が本発明の「露光ヘッド」の一例に相当し、コンピュータ200が本発明の「配線パターン生成装置」あるいは「コンピュータ」の一例に相当し、演算部211が本発明の「データ補正部」の一例に相当し、記憶部212が本発明の「データ取得部」の一例に相当し、ディスプレイ220が本発明の「表示部」の一例に相当し、入力操作器230が本発明の「入力操作部」の一例に相当し、回転角度θrが本発明の「回転角度」の一例に相当し、閾角度θtが本発明の「閾角度」の一例に相当する。
【0087】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、電気素子EはLEDチップに限られない。
【0088】
また、電気素子Eの配置を示すデータとして利用できるのは、画像データDiに限られない。したがって、電気素子Eが配置された基板Wの検査装置で取得したデータを利用してもよい。
【0089】
また、基板W上の全ての電気素子Eに対する配線パターンを上記の実施例に基づき生成する必要はない。つまり、設計値から所定距離以上ずれた位置に配置された電気素子Eに対しては上記の実施例に基づき配線パターンを生成する一方、設計値から所定距離未満に配置された電気素子Eに対しては、パターンデータDpにもともと含まれている配線パターンを利用すればよい。
【0090】
また、ステップS102で取得するパターンデータDpは、電源接続配線パターンおよびグランド接続配線パターンを含んでいなくてもよい。
【0091】
また、露光データ生成の第1例と第2例とを併用してもよい。つまり、基板W上に配置された複数の電気素子Eのうち、回転角度θrが所定の判定角度未満の電気素子Eに対しては第1例を実行する一方、回転角度θrが判定角度以上の電気素子Eに対しては第2例を実行してもよい。なお、判定角度は、閾角度θt未満となる。
【0092】
また、露光データ生成の第2例で使用されるテンプレートパターンPtv、Ptgの具体的な形状は
図8の例に限られず、テンプレートパターンPtv、Ptgは、例えば
図10に示す形状を有してもよい。ここで、
図10は露光データ生成の第2例で使用可能なテンプレートパターンの変形例を模式的に示す図である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、基板に配置された電気素子に対する配線パターンを生成しる技術全般に好適に利用でき、特に基板Wの感光材料に配線パターンを描画する技術に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0094】
4…露光ヘッド
200…コンピュータ(配線パターン生成装置)
211…演算部(データ補正部)
212…記憶部(データ取得部)
220…ディスプレイ(表示部)
230…入力操作器(入力操作部)
A1…方向(第1方向)
A2…方向(第2方向)
Di…画像データ(素子配置データ)
Dp…パターンデータ(パターンデータ)
Dpa…補正パターンデータ
G…露光データ生成プログラム(配線パターン生成プログラム)
Hc…接触部
He…延設部
Pv…電源配線パターン(電力配線パターン)
Pg…グランド配線パターン(電力配線パターン)
Pcv…電源接続配線パターン(接続配線パターン)
Pcg…グランド接続配線パターン(接続配線パターン)
Psv…補完配線パターン
Psg…補完配線パターン
Ptv…テンプレートパターン
Ptg…テンプレートパターン
S…描画システム
θr…回転角度
θt…閾角度