IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大成建設株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図1
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図2
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図3
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図4
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図5
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図6
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図7
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図8
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図9
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図10
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図11
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図12
  • 特許-複数のセンサー間での時刻同期方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】複数のセンサー間での時刻同期方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/28 20060101AFI20231012BHJP
   G01H 1/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G01V1/28
G01H1/00 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020126907
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024375
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小寺 健三
(72)【発明者】
【氏名】廣石 恒二
(72)【発明者】
【氏名】欄木 龍大
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-100875(JP,A)
【文献】特開平11-44615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G01H 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物内に設置されて地震時の加速度データを取得する、複数のセンサー同士の時刻を同期させる方法であって、
第1センサーで取得される第1加速度データ、及び前記第1センサーとは異なる位置に設置される第2センサーで取得される第2加速度データを用いて、前記第1及び第2センサーの各々が設けられた位置間の1次固有振動数を算出する工程と、
前記第1及び第2加速度データの各々から、前記1次固有振動数以下の帯域を抽出し、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する工程と、
前記第1加速度帯域波の時間を調整して前記第1加速度帯域波を更新し、更新された前記第1加速度帯域波と前記第2加速度帯域波の相関係数を算出することを、繰り返して、複数の前記相関係数を取得する工程と、
複数の前記相関係数の中から、最も強い相関が得られた前記相関係数を取得し、これに対応する時間の総調整量を計算し、当該総調整量に基づいて、前記第1加速度データと前記第2加速度データとの間の時刻歴のずれを補正する工程と、
を含むことを特徴とする複数のセンサー間での時刻同期方法。
【請求項2】
前記第1加速度帯域波の更新において前記時間を調整する量は、最大値が前記第1及び第2センサーの計測時間間隔であることを特徴とする請求項1に記載の複数のセンサー間での時刻同期方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサー間での時刻同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物内に、地震時の加速度データを取得するセンサーを複数設置する場合、複数のセンサー同士の時刻を同期させる必要がある。
センサー同士の時刻を同期させる方法として、例えば、センサー間を有線または無線により接続したシステムを構築することが考えられる。しかし、通信環境に問題が生じた場合等においては、センサー間の同期がなされない可能性がある。また、例えば建築構造物が、スタジオやMRI(Magnetic Resonance Image)検査室、実験室等の、壁や床、天井等を電磁シールド構造とすることでシールド区画を形成しなければならないような室を含む場合等、通信環境の構築に制限が設けられると、上記のようなシステムを構築すること自体が困難である。更には、上記のようなシステムの構築には費用が嵩む。
したがって、上記のようなシステムを構築するのではなく、各センサーから出力させたデータを比較することによって、センサー間の時刻のずれを計算し、このずれの量を基に、センサー間の時刻を同期させることが行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、建築構造物の互いに異なる位置に設置された複数の地震計によりそれぞれ求められた地震記録データの立ち上がり部分波形を抽出し、抽出した各地震記録データの立ち上がり部分波形を相互に比較して各地震記録データ間における同期点のずれ量を求める構成が開示されている。
特許文献1に開示されたような構成では、複数の地震計の地震記録データにおいて、振動の立ち上がり部分の波形を使用して時刻同期を行う。このため、振動の立ち上がり部分の記録が必須であり、何らかの原因で振動の立ち上がり部分の記録ができなかった場合には、時刻の同期に支障を来すことがある。また、地震記録データの立ち上がり部分の波形しか使用しないため、短い波形で時刻同期計算を行わねばならず、精度確保の面で改善の余地がある。さらに、地震記録データから立ち上がり部分波形を抽出する範囲の設定長さによって、時刻の同期結果が異なる可能性がある。
【0004】
また、特許文献2には、構造物の異なる位置に設置された複数の振動計が、構造物の振動系において、入力側に設置された第1振動計と、出力側に設置された第2振動計とを含み、第1振動計で測定された第1振動波形データと、第2振動計で測定された第2振動波形データとを取得し、構造物の振動特性である伝達関数を求め、第2振動波形データから伝達関数の影響を除去した第3振動波形データを求め、第1振動波形データと第3振動波形データとの相関に基づいて、第1振動波形データと第2振動波形データとの同期ずれ量を求める構成が開示されている。
特許文献2に開示されたような構成では、構造物の振動計の入力側における振動の計測を必須としている。また、入力側の第1振動波形データと、出力側の第2振動波形データとから求めた伝達関数の概念を利用するため、非線形を示す応答には対応しない。また、構造物が、1質点系以外に適応する場合には、構造物に応じた構造モデルによる伝達関数の算出が必要である。
【0005】
また、特許文献3には、木造建物の1階床付近又は床下基礎部分に設置された第1の住宅地震履歴計で得られた、時刻暦に沿ったX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の第1の加速度データと、木造建物の1階天井付近又は2階床付近に設置された第2の住宅地震履歴計で得られた、時刻暦に沿ったX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の第2の加速度データとを用い、第1の住宅地震履歴計からのZ軸方向の第1の加速度データと第2の住宅地震履歴計からのZ軸方向の第2の加速度データについて相関係数を算出し、その算出結果に基づいて第1の加速度データと第2の加速度データの間の時刻暦のずれを補正したうえで、木造建物が揺れた時の層間変位量の算出を行う構成が開示されている。
特許文献3に開示されたような構成は、木造建物を対象としたものである。鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造等からなるビルディング等の建築構造物は、鉛直方向の1次固有振動数が十分に大きい低層の木造建物と異なり、鉛直方向の1次固有振動数が小さい。このため、特許文献3に開示された構成をそのまま建築構造物に有効に適用しても、有効な時刻同期結果を得るのが難しい場合もある。
【0006】
このように、上記のような特許文献に記載に開示された構成においては、容易、かつ正確に、センサー間の時刻を同期させることが容易ではない場合がある。
より容易かつ正確に、センサー間の時刻を同期させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-327873号公報
【文献】特開2018-91824号公報
【文献】特開2018-100875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、センサー間で通信を行わずに、容易かつ正確にセンサー間の時刻を同期させることができる、複数のセンサー間での時刻同期方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の複数のセンサー間での時刻同期方法は、建築構造物内に設置されて地震時の加速度データを取得する、複数のセンサー同士の時刻を同期させる方法であって、第1センサーで取得される第1加速度データ、及び前記第1センサーとは異なる位置に設置される第2センサーで取得される第2加速度データを用いて、前記第1及び第2センサーの各々が設けられた位置間の1次固有振動数を算出する工程と、前記第1及び第2加速度データの各々から、前記1次固有振動数以下の帯域を抽出し、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する工程と、前記第1加速度帯域波の時間を調整して前記第1加速度帯域波を更新し、更新された前記第1加速度帯域波と前記第2加速度帯域波の相関係数を算出することを、繰り返して、複数の前記相関係数を取得する工程と、複数の前記相関係数の中から、最も強い相関が得られた前記相関係数を取得し、これに対応する時間の総調整量を計算し、当該総調整量に基づいて、前記第1加速度データと前記第2加速度データとの間の時刻歴のずれを補正する工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、第1センサー、第2センサーで取得される第1加速度データ、第2加速度データから、第1及び第2センサーの各々が設けられた位置間の1次固有振動数以下の帯域を抽出して、第1加速度帯域波、第2加速度帯域波を算出する。第1加速度帯域波の時間を調整して更新することと、更新した第1加速度帯域波と第2加速度帯域波との相関係数を算出することと、を繰り返し、最も強い相関が得られた相関係数に対応する時間の総調整量に基づいて、第1加速度データと第2加速度データとの時刻歴のずれを補正する。このように、建築構造物内に設置される第1センサー、第2センサー間の時刻歴のずれを、1次固有振動数以下の第1加速度帯域波、第2加速度帯域波を用いて補正することによって、複数のセンサー間での時刻を同期させることができる。1次固有振動数以下の周波数帯域においては、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波には、時刻歴が一致した場合において、振幅の増幅及び位相差が殆ど見られないため、これらセンサー間での時刻の同期を行うための指標として適切である。これにより、時刻同期の高精度化を図ることができる。したがって、より正確にセンサー間の時刻を同期させることができる。
また、複数のセンサー間の時刻の同期を図るには、第1センサー、第2センサーの第1加速度データ、第2加速度データのみを用い、建築構造物についての付加的情報は必要ではない。また、第1センサー、第2センサーにおける計測時に同期を行うわけではなく、計測終了後に、第1加速度データ、第2加速度データを用いることで、複数のセンサー間の時刻の同期を図ることができる。また、時刻の同期を図るための計算に人為的操作が必要なく、第1センサー、第2センサーで得られた第1加速度データ、第2加速度データに基づいて一義的な結果を得ることができる。
【0010】
本発明の一態様においては、本発明の複数のセンサー間での時刻同期方法は、前記第1加速度帯域波の更新において前記時間を調整する量は、最大値が前記第1及び第2センサーの計測時間間隔である。
このような構成によれば、複数のセンサー間での時刻同期方法を適切に実現可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサー間で通信を行わずに、容易かつ正確にセンサー間の時刻を同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る複数のセンサー間での時刻同期方法を実現するための時刻同期システムの一例を示す図である。
図2図1の時刻同期システムにおける、複数のセンサー間での時刻同期方法の流れを示すフローチャートである。
図3】第1センサーと第2センサーで取得した第1加速度データ、第2加速度データの一例を示す図である。
図4図3の第1加速度データ、第2加速度データの時間軸の一部を拡大して示した図である。
図5】第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがない場合に、これら加速度データから計算された伝達関数における周波数と振幅との関係を示す図である。
図6図5の伝達関数における周波数と位相差との関係を示す図である。
図7】各方向の1次固有振動数以下の帯域における、各センサーの波形である。
図8】各方向の1次固有振動数近傍の帯域における、各センサーの波形である。
図9】第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがある場合に、これら加速度データから計算された伝達関数における周波数と振幅との関係を示す図である。
図10図9の伝達関数に対して平均化処理を行った結果を示す図である。
図11図9の伝達関数における周波数と位相差との関係を示す図である。
図12】互いに時間のずれがある第1加速度帯域波と第2加速度帯域波と、を示す図である。
図13】第1センサーと、第1センサーに対し、0.5秒の時間だけずれた第2センサーから取得された第1加速度データ、第2加速度データに対し、上記の方法を適用した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、建築構造物内に設置される時刻同期の取れていない複数センサー同士において、計測された時刻歴波形データを用いて、センサー間で時刻を同期させる複数のセンサー間での時刻同期方法である。本発明の特徴は、建築構造物内で計測された複数の時刻歴波形データ(加速度記録など)において、両者間において振幅の増幅及び位相差が殆ど認められない、1次固有振動数以下の帯域波を使用して時刻同期を行う点である。
以下、添付図面を参照して、本発明による複数のセンサー間での時刻同期方法を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る複数のセンサー間での時刻同期方法を実現するための時刻同期システムの一例を示す図を図1に示す。
図1に示されるように、時刻同期システム10は、第1センサー11と、第2センサー12と、システム本体20と、を主に備えている。
第1センサー11、第2センサー12は、ビルディング等の建築構造物1に設置されている。第1センサー11と、第2センサー12は、建築構造物1において、水平方向Xと、水平面内でこれに直交する水平方向Y、及び鉛直方向Zの各々で、互いに異なる位置に配置されている。本実施形態において、第1センサー11は、例えば、建築構造物1の地上1階フロア1FLに設置されている。第2センサー12は、例えば、建築構造物1の屋上フロアRFLに設置されている。第1センサー11、第2センサー12は、それぞれ、加速度センサーである。第1センサー11は、地震発生時に、第1センサー11が設置された地上1階フロア1FLに生じた加速度の変化を示す、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々における、第1加速度データを取得する。第2センサー12は、地震発生時に、第2センサー12が設置された屋上フロアRFLに生じた加速度の変化を示す、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々における、第2加速度データを取得する。第1センサー11と第2センサー12は、それぞれ、取得した第1加速度データ、第2加速度データを、例えば、インターネット等の公衆無線網等の外部ネットワーク100を介し、外部に送信する。
【0014】
システム本体20は、コンピュータ装置からなるもので、予め設定されたコンピュータプログラムに基づいた処理を実行することで、複数のセンサー(第1センサー11、第2センサー12)間の時刻同期処理を自動的に行う。システム本体20は、例えばクラウドコンピュータであり、外部ネットワーク100に対し、無線又は有線により接続されている。システム本体20は、外部ネットワーク100を介して第1センサー11、第2センサー12から受信した加速度データ(第1加速度データ、第2加速度データ)に基づいて、第1センサー11と第2センサーとの間の時刻歴のずれを補正する処理を実行する。
システム本体20は、データ受信部21と、1次固有振動数算出部22と、加速度帯域波算出部23と、相関係数取得部24と、時刻歴ずれ補正部25と、を機能的に備えている。
【0015】
データ受信部21は、第1センサー11、第2センサー12で取得した第1加速度データ、第2加速度データを、外部ネットワーク100を介して受信する。
1次固有振動数算出部22は、第1センサー11と第2センサー12から取得された第1加速度データと第2加速度データを基に、第1及び第2センサー11、12の各々が設けられた位置間の1次固有振動数を算出する。
加速度帯域波算出部23は、第1加速度データ、及び第2加速度データの各々から、1次固有振動数以下の帯域を抽出し、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する。
相関係数取得部24は、第1加速度帯域波の時間を調整して第1加速度帯域波を更新し、更新された第1加速度帯域波と第2加速度帯域波の相関係数を算出することを、繰り返して、複数の相関係数を取得する。
時刻歴ずれ補正部25は、複数の相関係数の中から、最も強い相関が得られた相関係数を取得し、これに対応する時間の総調整量を計算し、総調整量に基づいて、第1加速度データと第2加速度データとの間の時刻歴のずれを補正する。
【0016】
次に、上記時刻同期システム10における複数のセンサー間での時刻同期方法について説明する。
図2は、時刻同期システムにおける、複数のセンサー間での時刻同期方法の流れを示すフローチャートである。
図2に示されるように、本実施形態における複数のセンサー間での時刻同期方法は、加速度データを受信する工程S1と、1次固有振動数を算出する工程S2と、加速度帯域波を算出する工程S3と、複数の相関係数を取得する工程S4と、時刻歴のずれを補正する工程S5と、を含む。
加速度データを受信する工程S1は、データ受信部21が、第1センサー11、第2センサー12で取得した第1加速度データ、第2加速度データを、外部ネットワーク100を介して受信する。図3は、これらセンサーで取得した第1加速度データ、第2加速度データの一例を示す図である。図4は、図3の第1加速度データ、第2加速度データの時間軸の一部を拡大して示した図である。図3図4、及び後に説明する図5以降の各図においては、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々における各種データが示されている。
図3図4に示すように、建築構造物1の地上1階フロア1FLで取得された第1加速度データよりも、屋上フロアRFLで取得された第2加速度データの方が、検出される加速度が大きい。
【0017】
1次固有振動数を算出する工程S2では、1次固有振動数算出部22が、建築構造物1の1次固有振動数を算出する。これには、1次固有振動数算出部22が、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々において、第1センサー11で取得される第1加速度データと、第2センサー12で取得される第2加速度データとの伝達関数を算出する。さらに、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々において算出された、振幅の伝達関数について、平均化処理を行う。平均化処理の結果、振幅が最大となる周波数が、第1センサー11が設けられた位置と、第2センサー12が設けられた位置との間の、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々における1次固有振動数Fx、Fy、Fzとなる。
図5は、第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがない場合に、これら加速度データから計算された伝達関数における周波数と振幅との関係を示す図である。図5においては、伝達関数に加え、当該伝達関数を平均化処理した波形も示されている。
図6は、図5の伝達関数における周波数と位相差との関係を示す図である。図6においては、図5における平均化処理した波形のピークに相当する、水平方向Xの1次固有振動数Fx、水平方向Yの1次固有振動数Fy、及び鉛直方向Zの1次固有振動数Fzが、同時に示されている。
【0018】
1次固有振動数は、図5図6に示されるような、第1センサー11と第2センサー12の間の時刻歴のずれが無い場合に計算されてもよいが、第1センサー11と第2センサー12の間の時刻歴のずれが有る場合に計算されてもよい。第1センサー11と第2センサー12の間の時刻歴のずれが有る場合においても、1次固有振動数算出部22は、ずれが無い場合と同様に、1次固有振動数を計算する。
より具体的には、1次固有振動数算出部22は、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々において、互いに時刻歴のずれが有る第1加速度データと第2加速度データとの伝達関数を算出する(後述の図9参照)。さらに、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々において算出された、振幅の伝達関数について、平均化処理を行う(後述の図10参照)。平均化処理の結果、振幅が最大となる周波数が、第1センサー11が設けられた位置と、第2センサー12が設けられた位置との間の1次固有振動数Fx、Fy、Fzとなる(後述の図10参照)。
【0019】
次に、加速度帯域波を算出する工程S3を説明する。
図7は、各方向X、Y、Zの1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の帯域における、各センサー11、12の波形である。本図は、特に、第1加速度データと第2加速度データの各々を、0.1Hz以上0.5Hz以下の周波数帯域でバンドパスフィルタ処理を行った結果を示すものである。
図8は、各方向X、Y、Zの1次固有振動数Fx、Fy、Fz近傍の帯域における、各センサー11、12の波形である。本図は、特に、第1加速度データと第2加速度データの各々を、方向X、Yにおいては1.0Hz以上1.6Hz以下の周波数帯域で、及び鉛直方向Zにおいては9.0Hz以上13.0Hz以下の周波数帯域で、それぞれバンドパスフィルタ処理を行った結果を示すものである。
図9は、第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがある場合に、これら加速度データから計算された伝達関数における周波数と振幅との関係を示す図である。図9においては、時間のずれが無い場合の伝達関数に、0.5秒の時間のずれが有る場合の伝達関数が、重ねて示されている。
図10は、図9の、時間のずれが有る場合の伝達関数に対して、平均化処理を行った結果を示す図である。
図11は、第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがある場合に、これら加速度データから計算された伝達関数における周波数と位相差との関係を示す図である。図11においては、時間のずれが無い場合の伝達関数に、0.5秒の時間のずれが有る場合の伝達関数が、重ねて示されている。
【0020】
図9図11に示されるように、第1加速度データと第2加速度データに時間のずれがあっても、振幅の伝達関数はほぼ同じであるが、位相に関しては大きく異なっている。このため、実際に第1センサー11と第2センサー12の時間のずれの量を推定する際には、第1加速度データと第2加速度データの位相のずれを観察するのが効果的であると考えられる。
この位相のずれに関し、図6図8に示すように、X、Y、Zの各方向において、1次固有振動数Fx、Fy、Fz近傍、あるいはそれ以上の周波数域では、第1加速度データと第2加速度データとの間に位相差がある。これに対し、図6図7に示すように、1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の周波数域では、第1加速度データと第2加速度データとの間の位相差が小さい。
このため、本実施形態においては、実際に第1センサー11と第2センサー12の時間のずれの量を推定する際には、後に説明するように、第1加速度データ、及び第2加速度データの各々から1次固有振動数以下の帯域を抽出し、この抽出された帯域波の時間をずらして波形の一致を観測することにより、時間のずれの量を推定する。
ここで、水平方向X、Yにおける1次固有振動数Fx、Fyは、特に図5図10に示されるように、鉛直方向Zにおける1次固有振動数Fzよりも大幅に低くなっている。すなわち、鉛直方向Zにおいては、水平方向X、Yと比較すると、1次固有振動数Fz以下の、位相差のばらつきが小さい周波数域が広くなっている。このため、鉛直方向Zにおいて、1次固有振動数Fz以下の第1加速度帯域波、第2加速度帯域波の波形が一致するように、時刻歴のずれを補正すれば、上記のような波形の一致を観測する処理に使用可能な周波数帯域が広くなるため、精度が良い同期処理が可能となる。
以上の理由により、本実施形態においては、実際に第1センサー11と第2センサー12の時間のずれの量を推定する際には、鉛直方向Zの、第1加速度データ、及び第2加速度データの各々から、特に鉛直方向Zの1次固有振動数Fz以下の帯域を抽出し、これを基にして各処理を実行している。また、本実施形態においては、鉛直方向Zにおいて、第1加速度データ、第2加速度データのいずれか一方または双方が計測されておらず、水平方向X、Yのいずれかにおいて第1加速度データ、第2加速度データが計測されている場合には、水平方向X、Yのいずれか一方または双方の、第1加速度データ、第2加速度データの各々から、水平方向X、Yの1次固有振動数Fx、Fy以下の帯域を抽出し、これを基にして各処理を実行する。このように、各処理は水平方向X、Y、及び鉛直方向Zのいずれにおいても実行される可能性があるため、以下の説明では、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zのいずれにおいても処理が行われることを想定して説明する。
【0021】
より具体的には、実際に第1センサー11と第2センサー12の時間のずれの量を推定する際には、加速度帯域波を算出する工程S3において、加速度帯域波算出部23が、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する。これには、加速度帯域波算出部23が、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの、第1加速度データ、及び第2加速度データの各々において、工程S2で算出した1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の帯域を、例えばバンドパスフィルタを用いて抽出し、これを、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波として算出する。本実施形態では、これら第1加速度データ、及び第2加速度データの各々において、1次固有振動数Fzの例えば0.8倍(Fz×0.8)以下の帯域を抽出し、これを、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波として算出する。
図12は、このように算出された、互いに時間のずれがある、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を示す図である。
【0022】
複数の相関係数を取得する工程S4では、相関係数取得部24が、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波の相関係数を複数取得する。
まず、相関係数取得部24は、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波に対し、次の式で表される誤差rを評価する。
【数1】
上式において、Nは、図12に示されるような時刻歴波形上での時刻の数、y1FL、iはi番目の時刻における第1加速度帯域波の値、yRFL、iはi番目の時刻における第2加速度帯域波の値である。
上式の誤差rは、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波の、各時刻における差の積算であり、この誤差rが小さければ小さいほど、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波が近い形状となっている。したがって、誤差rは、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波の相関係数であるといえる。
相関係数取得部24は、上式により計算された誤差rを、相関係数として保存する。
【0023】
次に、相関係数取得部24は、第1加速度帯域波の時間を調整して、第1加速度帯域波を更新する。調整した第1加速度帯域波は、調整後の第1加速度帯域波として更新する。更新後、更新された第1加速度帯域波と第2加速度帯域波との相関係数を算出する。このようにして、第1加速度帯域波の時間を、第2加速度帯域波に対して所定時間ずつ順次ずらして更新し、それぞれ、時間をずらして更新した第1加速度帯域波と第2加速度帯域波との相関係数を算出する。ここで、第1加速度帯域波の時間を順次ずらして調整する量は、一般的な加速度計の計測時間間隔である100Hz(0.01秒)刻みで時間増分を行い、センサー間で時刻同期する。よって、時間を調整する最大値が0.01秒となるようにするのが好ましい。
このようにして、工程S4では、第1加速度帯域波の時間を順次ずらして調整し、調整後の第1加速度帯域波と第2加速度帯域波との相関関数を算出することで、複数の相関係数が得られる。
【0024】
既に説明したように、鉛直方向Zにおいては、水平方向X、Yと比較すると、1次固有振動数Fz以下の、位相差のばらつきが小さい周波数域が広くなっており、鉛直方向Zにおける波形を用いると、波形の一致を観測する処理に使用可能な周波数帯域が広くなるため、精度が良い同期処理が可能となる。したがって、本実施形態においては、工程S4における上記のような処理は、基本的には、鉛直方向Zの第1加速度帯域波と第2加速度帯域波に対して行われる。また、本実施形態においては、鉛直方向Zにおいて、第1加速度データ、第2加速度データのいずれか一方または双方が計測されておらず、水平方向X、Yのいずれかにおいて第1加速度データ、第2加速度データが計測されている場合には、工程S4における上記のような処理は、水平方向X、Yのいずれかにおける、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波に対して行われる。
【0025】
時刻歴のずれを補正する工程S5では、時刻歴ずれ補正部25が、複数の相関係数の中から、最も強い相関が得られた相関係数を取得し、これに対応する時間の総調整量を計算し、総調整量に基づいて、第1加速度データと第2加速度データとの間の時刻歴のずれを補正する。具体的には、相関係数すなわち誤差rが最も小さいものを、最も強い相関が得られた相関係数として取得する。そして、この相関係数が得られた、更新された第1加速度帯域波は、相関係数取得部24において、最初の第1加速度帯域波からどれだけの時間がずらされた結果として更新されたのか、そのずらされた時間の総量を、時間の総調整量として計算する。
時刻歴のずれを補正する工程S5では、このようにして特定された、第1加速度データと第2加速度データとの間の時刻歴のずれ量、すなわち総調整量に基づいて、第1加速度データまたは第2加速度データの時刻歴を調整する。より詳細には、時刻歴ずれ補正部25が、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zの各々に対し、第1加速度データまたは第2加速度データの、時刻歴を、第1加速度データと第2加速度データの相関が最も強くなる方向に、総調整量分だけずらすことで、第1加速度データまたは第2加速度データの時刻歴を調整する。
調整された第1加速度データと第2加速度データは、地震の記録として使用される。また、上記総調整量に基づいて、第1センサー11、第2センサー12間での時刻同期を図る。
【0026】
図13は、第1センサー11と、第1センサー11に対し、0.5秒の時間だけずれた第2センサー12から取得された第1加速度データ、第2加速度データに対し、上記の方法を適用した結果を示す図である。図13においては、鉛直方向Zに加え、水平方向X、Yの各々に対しても、同様の処理を適用した結果を、比較例として示している。各図において、相関係数すなわち誤差rは、最大値が1となるように正規化されている。
図13において、水平方向X、Yの各々の加速度データに対して処理を行った結果として、時間のずれはそれぞれ0.49秒、0.49秒として算出された。これに対し、鉛直方向Zに関しては、時間のずれは0.50秒と算出されている。すなわち、鉛直方向Zにおいては、水平方向X、Yよりも高い精度で時間のずれ量が算出されている。これは、既に説明したように、鉛直方向Zにおいては使用可能な帯域が水平方向X、Yよりも広いことに起因している。
【0027】
上述したような複数のセンサー間での時刻同期方法によれば、建築構造物1内に設置されて地震時の加速度データを取得する、複数のセンサー11、12同士の時刻を同期させる方法であって、第1センサー11で取得される第1加速度データ、及び第1センサー11とは異なる位置に設置される第2センサー12で取得される第2加速度データを用いて、第1及び第2センサー11、12の各々が設けられた位置間の1次固有振動数Fx、Fy、Fzを算出する工程S2と、第1及び第2加速度データの各々から、1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の帯域を抽出し、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する工程S3と、第1加速度帯域波の時間を調整して第1加速度帯域波を更新し、更新された第1加速度帯域波と第2加速度帯域波の相関係数を算出することを、繰り返して、複数の相関係数を取得する工程S4と、複数の相関係数の中から、最も強い相関が得られた相関係数を取得し、これに対応する時間の総調整量を計算し、総調整量に基づいて、第1加速度データと第2加速度データとの間の時刻歴のずれを補正する工程S5と、を含む。
このような構成によれば、第1センサー11、第2センサー12で取得される第1加速度データ、第2加速度データから、第1及び第2センサー11、12の各々が設けられた位置間の1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の帯域を抽出して、第1加速度帯域波、第2加速度帯域波を算出する。第1加速度帯域波の時間を調整して更新することと、更新した第1加速度帯域波と第2加速度帯域波との相関係数を算出することと、を繰り返し、最も強い相関が得られた相関係数に対応する時間の総調整量に基づいて、第1加速度データと第2加速度データとの時刻歴のずれを補正する。このように、建築構造物1内に設置される第1センサー11、第2センサー12間の時刻歴のずれを、1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の第1加速度帯域波、第2加速度帯域波を用いて補正することによって、複数のセンサー11、12間での時刻を同期させることができる。
既に説明したように、1次固有振動数Fx、Fy、Fz以下の周波数帯域においては、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波には、時刻が一致した場合において、振幅の増幅及び位相差が殆ど見られないため、これらセンサー11、12間での時刻の同期を行うための指標として適切である。これにより、時刻同期の高精度化を図ることができる。したがって、より正確にセンサー11、12間の時刻を同期させることができる。
また、複数のセンサー11、12間の時刻の同期を図るには、第1センサー11、第2センサー12の第1加速度データ、第2加速度データのみが必要であり、建築構造物1についての付加的情報は必要ではない。また、第1センサー11、第2センサー12における計測時に同期を行うわけではなく、計測終了後に、第1加速度データ、第2加速度データを用いることで、複数のセンサー11、12間の時刻の同期を図ることができる。また、時刻の同期を図るための計算に人為的操作が必要なく、第1センサー11、第2センサー12で得られた第1加速度データ、第2加速度データに基づいて一義的な結果を得ることができる。
【0028】
特に本実施形態においては、1次固有振動数Fx、Fy、Fzを算出する工程S2においては、鉛直方向Zの1次固有振動数Fzを算出し、第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する工程S3においては、鉛直方向Zの第1及び第2加速度データの各々から、鉛直方向Zの1次固有振動数Fz以下の帯域を抽出し、鉛直方向Zの第1加速度帯域波及び第2加速度帯域波を算出する。
既に説明したように、鉛直方向Zの1次固有振動数Fzは、水平方向X、Yの1次固有振動数Fx、Fyよりも大きな値となるため、センサー11、12間での時刻の同期を行うための指標として使用可能な周波数帯域が水平方向よりも広くなる。
特に、建築構造物1が超高層ビルディング等である場合、水平方向X、Yの1次固有振動数Fx、Fyが小さくなり、振動が長周期化する傾向にあり、時刻同期に使用できる帯域が少ない。これに対し、鉛直方向Zにおいては、建築構造物1の1次固有振動数Fzがより大きくなり、時刻同期に使用できる帯域も広くなり、時刻同期の高精度化に繋がる。また、大地震時において、建築構造物1が損傷する等して水平方向X、Yに非線形化した場合において、建築構造物1は鉛直方向Zに非線形化する可能性は低い。
以上の理由により、鉛直方向Zの加速度データから、特に1次固有振動数Fz以下の帯域を抽出して使用することによって、建築構造物1が水平方向に非線形化するような大地震時においても、時刻同期の高精度化を図ることができる。
【0029】
また、第1加速度帯域波の更新において時間を調整する量は、最大値が第1及び第2センサー11、12の計測時間間隔である。
このような構成によれば、複数のセンサー11、12間での時刻同期方法を適切に実現可能である。
【0030】
なお、本発明の複数のセンサー間での時刻同期方法は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、建築構造物1の地上1階フロア1FLに設置されたセンサーを第1センサー11とし、屋上フロアRFLに設置されたセンサーを第2センサー12として、第1センサー11から取得した第1加速度データを基にした第1加速度帯域波に対してその時間を更新、調整し、第2センサー12から取得した第2加速度データを基にした第2加速度帯域波に対する相関係数を算出したが、これに限られない。例えば、建築構造物1の屋上フロアRFLに設置されたセンサーを第1センサー11とし、地上1階フロア1FLに設置されたセンサーを第2センサー12として、第1センサー11から取得した第1加速度データを基にした第1加速度帯域波に対してその時間を更新、調整し、第2センサー12から取得した第2加速度データを基にした第2加速度帯域波に対する相関係数を算出してもよい。
また、上記実施形態においては、第1センサー11は建築構造物1の地上1階フロア1FLに設置され、第2センサー12は屋上フロアRFLに設置されていたが、これに限られず、地上1階フロア1FL、屋上フロアRFL以外の階層に設けられても構わない。
また、上記実施形態においては、各処理は、基本的には、鉛直方向Zの第1加速度帯域波と第2加速度帯域波に対して行われ、鉛直方向Zにおいて、第1加速度データ、第2加速度データのいずれか一方または双方が計測されていない場合には、水平方向X、Yのいずれかにおける、第1加速度帯域波と第2加速度帯域波に対して行われる。このため、結果的に、水平方向X、Y、及び鉛直方向Zのいずれにおいても各処理が実行されていたが、これに限られず、これら方向のいずれか1つ、またはいずれか2つの組み合わせに対してのみ、各処理が実行されてもよい。いずれの場合であっても、処理の対象として鉛直方向Zを含むように、方向を選択するのが望ましいのは言うまでもない。
また、上記実施形態では、複数のセンサー間での時間調整の最大値を0.01秒としたが、0.01秒に限定するものではなく、最大値は、各センサーの計測時間の最小時間間隔としてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…建築構造物 12…第2センサー
11…第1センサー Fx、Fy、Fz…1次固有振動数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13