(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】車両通信メッセージの通信
(51)【国際特許分類】
H04W 88/10 20090101AFI20231012BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20231012BHJP
H04W 80/00 20090101ALI20231012BHJP
【FI】
H04W88/10
H04W4/46
H04W80/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020139246
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2020-11-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】ペーテル シラージ
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】中木 努
【審判官】圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0045034(US,A1)
【文献】特表2019-522430(JP,A)
【文献】国際公開第2019/092944(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0253852(US,A1)
【文献】CATT,Discussion on PC5/Uu transport for V2I/N services,3GPP TSG RAN WG3 Meeting #90 R3-152471,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_90/Docs/R3-152471.zip>,2015年11月06日アップロード
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサ(30)と、コンピュータ・プログラム・コード(44)を含む少なくとも1つのメモリ(40)と、を備える、装置であって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、セルラ通信プロトコルスタックにしたがってセルラ通信システムのアクセス・ノード
が受信したセルラアクセスメッセージを処理させ(300)、
前記セルラ通信システムの端末デバイスとコアネットワークとの間の前記セルラアクセスメッセージを配信させ、
前記アクセス・ノード
が受信したブロードキャスト車両対車両メッセージを、V2X(車両対全て:vehicle-to-everything)通信のサイドリンク通信プロトコルスタックにしたがってキャプチャさせ(302)、アプリケーションサーバに前記
キャプチャされた車両対車両メッセージのペイロードを配信
させ、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの
プロトコル層のサブセットを動作させ
る
ように構成され、
前記装置は3GPP(登録商標)仕様のgNBの分散ユニット(410)用であり、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックのプロトコル層の前記サブセットは、前記サイドリンク通信プロトコルスタックのいくつかの最下位プロトコル層を含み、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、前記サイドリンク通信プロトコルスタックの少なくとも最上位プロトコル層を動作させる前記gNBの中央ユニット(420、422)
と、前記車両対車両メッセージを通信させるように構成される、
装置。
【請求項2】
前記セルラ通信プロトコルスタックと前記サイドリンク通信プロトコルスタックとの両方が、無線インタフェースを定義し、
前記セルラ通信プロトコルスタックによって定義される前記無線インタフェースは、前記サイドリンク通信プロトコルスタックによって定義される前記無線インタフェースとは異なる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記サイドリンク通信プロトコルスタックは、第1サイドリンク通信プロトコルスタックであり、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
第2のサイドリンク通信プロトコルスタックにしたがって、前記アクセス・ノード
が受信したさらなる車両対車両メッセージを処理させ、
前記第2のサイドリンク通信プロトコルスタックを介して、前記少なくとも1つの車両端末デバイスと前記アプリケーションサーバとの間で前記さらなる車両対車両メッセージを配信させるように構成される、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
サイドリンク通信プロトコルスタックは、IEEE802.11p仕様または3GPP仕様のPC5にしたがう、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記少なくとも1つの車両端末デバイスとのgNBのすべてのサイドリンク通信を終了させるように構成される、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記アプリケーションサーバの宛先アドレスの構成を前記gNBの中央ユニットから受信させ、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの物理レイヤを介して、車両対車両メッセージを受信させ(704)、
前記受信された車両対車両メッセージから前記サイドリンク通信プロトコルスタックのすべてのヘッダを抽出させ(706)、したがって、前記受信された車両対車両メッセージのペイロードを抽出し、
前記ペイロードに新しいヘッダを追加させ(708)、
前記新しいヘッダを有する前記ペイロードを前記アプリケーションサーバの前記宛先アドレスに送信させるように構成される、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの物理層を介して車両対車両メッセージを受信させ、
前記受信された車両対車両メッセージから前記サイドリンク通信プロトコルスタックのプロトコル層の前記サブセットの最高プロトコル層までのヘッダを抽出させ、したがって、前記受信された車両対車両メッセージのペイロードを抽出させ、
前記分散ユニットと前記中央ユニットとの間のインタフェースを介して前記ペイロードを前記gNBの中央ユニットに送信させるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
セルラ通信システムのアクセス・ノード(104)により、セルラ通信プロトコルスタックに従ったセルラアクセスメッセージを処理するステップと、
前記アクセス・ノードにより、前記セルラ通信システムの端末デバイスとコアネットワークとの間の前記セルラアクセスメッセージを配信するステップと、
前記アクセス・ノードにより、V2X(車両対全て:vehicle-to-everything)通信のサイドリンク通信プロトコルスタックにしたがいブロードキャスト車両対車両メッセージをキャプチャし(302)、前記アクセス・ノードにより、前記キャプチャされた車両対車両メッセージのペイロードをアプリケーションサーバに配信するステップと、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの
プロトコル層のサブセットを動作させるステップであって、
前記アクセス・ノードは3GPP仕様のgNBの分散ユニット(410)用であり、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックのプロトコル層の前記サブセットは、前記サイドリンク通信プロトコルスタックのいくつかの最下位プロトコル層を含む、
ステップと、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの少なくとも最上位プロトコル層を動作させる前記gNBの中央ユニット(420、422)
と、前記車両対車両メッセージを通信するステップと
を含む方法。
【請求項9】
コンピュータ・プログラム・コードを含むコンピュータ・プログラムであって、
前記コンピュータ・プログラム・コードは、コンピュータによって実行されるとき、
セルラ通信システムのアクセス・ノード(104)において、セルラ通信プロトコルスタックに従ったセルラアクセスメッセージを処理するステップ(300)と、
前記セルラ通信システムの端末デバイスとコアネットワークとの間で前記セルラアクセスメッセージを配信するステップと、
前記アクセス・ノードにおいて、ブロードキャスト車両対車両メッセージを、V2X(車両対全て:vehicle-to-everything)通信のサイドリンク通信プロトコルスタックにしたがってキャプチャし(302)、前記キャプチャされた車両対車両メッセージのペイロードをアプリケーションサーバに配信するステップと、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの
プロトコル層のサブセットを動作させるステップであって、
前記アクセス・ノードは3GPP仕様のgNBの分散ユニット(410)用であり、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックのプロトコル層の前記サブセットは、前記サイドリンク通信プロトコルスタックのいくつかの最下位プロトコル層を含む、
ステップと、
前記サイドリンク通信プロトコルスタックの少なくとも最上位プロトコル層を動作させる前記gNBの中央ユニット(420、422)
と、前記車両対車両メッセージを通信するステップと
を含むコンピュータプロセスを実行するように構成する、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両通信メッセージを処理する能力を備えた移動通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
車両通信システムとは、例えば、車両と道路側ユニット(RSU)とが通信ノードを表し、相互に安全警報や渋滞に関する情報を提供するネットワークを指す。車両通信を介してローカル警報システムを配備することは、交通衝突の過剰なコストを排除することを可能にする。車両対車両(V2V)技術とは、クルマ同士が通信できるようにする自動車技術のことである。V2Vは、車両アドホックネットワーク(VANET)とも呼ばれる。車両アドホックネットワークは、自動車によって形成されることができ、安全、ナビゲーション、および法執行を含む様々な用途に使用されることができる。
【0003】
車両対全て(V2X:Vehicle-to-everything)通信は、V2Vの一般化である。V2Xは、車両通信、例えば、車両対ネットワーク(V2N)、車両対歩行者(V2P)、車両対インフラストラクチャ(V2I)、および、車両対デバイス(V2D)の他の形態をカバーする。
【0004】
米国特許出願公開第2019/037448号は、車両対全て(V2X)通信認証の実施形態を開示している。いくつかの実施形態では、V2X通信を構成し、第5世代システム(5GS)および/または5GSと第4世代システム(4GS)の組み合わせ内で動作するように構成されたユーザ機器(UE)は、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)などのネットワークエンティティに送信するための要求メッセージにおいてV2X機能表示を符号化することができる。V2X機能表示は、PC5基準点を介したV2X通信のためのUEの機能を示すことができ、要求メッセージは、無線アクセス技術(RAT)の表示をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、AMFは、UEがPC5基準点を介してV2X通信を使用することを許可されているかどうか、および、UEが要求メッセージに示されるRATを使用することを許可されているかどうかを決定することができる。したがって、AMFは、V2Xサービス認証を、次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)に伝送することができる。
国際公開第2018/125686号は、アップリンク無線送信をネットワークアクセス・ノードに転送し、アップリンク無線送信を衝突から保護するために、アップリンク無線送信を第2の波形フォーマットのプリアンブルを用いて無線チャネル上でネットワークアクセス・ノードに伝送するように通信デバイスに命令する、端末デバイスから、第1の波形フォーマットのアップリンク無線伝送を無線チャネル上で、受信するように構成されたプロセッサを含むことができる通信デバイスを開示する。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、独立請求項の主題が提供される。いくつかの実施形態は、従属請求項において定義される。
【0006】
独立請求項の技術的範囲に含まれない本明細書に記載された実施形態および特徴は、もしあれば、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な例として解釈されるべきである。本開示のいくつかの態様は、独立請求項によって定義される。
【0007】
一態様によれば、セルラ通信プロトコル・スタックにしたがってセルラ通信システムのアクセス・ノードにおいてセルラクセスメッセージを処理し、セルラ通信システムの端末デバイスとコア・ネットワークとの間でセルラクセスメッセージを配信するステップと、V2X通信のサイドリンク通信プロトコル・スタックにしたがってアクセス・ノードにおいてV2Xメッセージを処理し、少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間でV2Xメッセージを配信するステップと、を実行する手段を含む装置が提供される。
【0008】
1つの実施形態では、前記セルラ通信プロトコル・スタックと前記サイドリンク通信プロトコル・スタックの両方が無線インタフェースを定義し、前記セルラ通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースがサイドリンク通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースとは異なる。
【0009】
一実施形態では、サイドリンク通信プロトコル・スタックが第1のサイドリンク通信プロトコル・スタックであり、その手段は、第2のサイドリンク通信プロトコル・スタックにしたがってアクセス・ノード内のさらなるV2Xメッセージを処理し、前記少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間でさらなるV2Xメッセージを配信するようにさらに構成される。一実施形態では、サイドリンク通信プロトコル・スタックがIEEE802.11p仕様または3GPP仕様のPC5にしたがう。
【0010】
一実施形態では、この手段は、アプリケーションレイヤの下の少なくとも車両端末デバイスとのすべてのサイドリンク通信のためのエンドデバイスとして動作するように構成される。
【0011】
一実施形態では、この手段は、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理レイヤを介してV2Xメッセージを受信し、受信したV2Xメッセージからサイドリンク通信プロトコル・スタックのすべてのヘッダを抽出し、したがって、受信したV2Xメッセージのペイロードを抽出し、ペイロードに新しいヘッダを追加し、新しいヘッダを有するペイロードをアプリケーション・サーバに送信するように構成される。
【0012】
一実施形態では、この装置が3GPP仕様のgNBの分散ユニット用である。
【0013】
一実施形態では、この手段がサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットを動作させるように構成される。
【0014】
一実施形態では、装置は、3GPP仕様のgNBの分散ユニット用であり、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットはサイドリンク通信プロトコル・スタックのいくつかの最下位プロトコル層を含み、この手段は、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも最上位プロトコル層を動作させるgNBの中央ユニットとV2Xメッセージを通信するように構成される。
【0015】
一実施形態では、この手段は、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介してV2Xメッセージを受信し、受信したV2Xメッセージから、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最高プロトコル層までのヘッダを抽出し、したがって、受信したV2Xメッセージのペイロードを抽出し、分散ユニットと中央ユニットとの間のインタフェースを介して、ペイロードをgNBの中央ユニットに送信するように構成される。
【0016】
一実施形態では、装置が3GPP仕様書のgNBの中央ユニット用であり、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットはサイドリンク通信プロトコル・スタックのいくつかの最上位プロトコル層を含み、この手段は、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも最下位プロトコル層を動作させるgNBの分散ユニットとV2Xメッセージを通信するように構成される。
【0017】
一実施形態では、この手段が、中央ユニットによってサポートされるサイドリンク通信プロトコル・スタックの最下位層上のgNBの分散ユニットから車両対すべてメッセージのペイロードを受信し、受信した車両対すべてメッセージから、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最上位プロトコル層までの残りのヘッダを抽出し、したがって、受信した車両対すべてメッセージのペイロードを抽出し、ペイロードに新しいヘッダを追加し、新しいヘッダを有するペイロードをアプリケーション・サーバに送信するように構成される。
【0018】
一実施形態では、この手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つの記憶装置とを含み、前記少なくとも1つの記憶装置と、前記コンピュータ・プログラム・コードとが、前記少なくとも1つのプロセッサによって構成されて、前記装置の性能をもたらす。
【0019】
一態様によれば、セルラ通信システムのアクセス・ノードによって、セルラ通信プロトコル・スタックによるセルラ・アクセス・メッセージを処理し、アクセス・ノードによって、セルラ通信システムの端末デバイスとコア・ネットワークとの間でセルラ・アクセス・メッセージを配信するステップと、アクセス・ノードによって、車両対すべて通信のサイドリンク通信プロトコル・スタックによる車両対すべてメッセージを処理し、アクセス・ノードによって、少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間で車両対すべてメッセージを配信するステップとを含む方法が提供される。
【0020】
実施形態では、前記セルラ通信プロトコル・スタックと前記サイドリンク通信プロトコル・スタックの両方が無線インタフェースを定義し、前記セルラ通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースがサイドリンク通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースとは異なる。
【0021】
一実施形態では、サイドリンク通信プロトコル・スタックが第1のサイドリンク通信プロトコル・スタックであり、アクセス・ノードは第2のサイドリンク通信プロトコル・スタックにしたがって、さらなるV2Xメッセージを処理し、前記少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間でさらなるV2Xメッセージを配信する。
【0022】
一実施形態では、サイドリンク通信プロトコル・スタックは、IEEE 802.11p仕様または3GPP仕様のPC5にしたがう。
【0023】
一実施形態では、アクセス・ノードがアプリケーション層の下の少なくとも車両端末デバイスとのすべてのサイドリンク通信のためのエンドデバイスとして動作する。
【0024】
一実施形態では、アクセス・ノードは、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介して車両対全て(V2X:vehicle-to-everything)メッセージを受信し、受信したV2Xメッセージからサイドリンク通信プロトコル・スタックのすべてのヘッダを抽出し、したがって、受信したV2Xメッセージのペイロードを抽出し、新しいヘッダをペイロードに追加し、新しいヘッダと共にペイロードをアプリケーション・サーバに送信する。
【0025】
一実施形態では、装置は、3GPP仕様のgNBの分散ユニット用である。
【0026】
一実施形態では、アクセス・ノードがサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットを操作する。
【0027】
一実施形態では、アクセス・ノードが3GPP仕様のgNBの分散ユニットであり、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットはサイドリンク通信プロトコル・スタックのいくつかの最下位プロトコル層を含み、アクセス・ノードは、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも最上位プロトコル層を動作させるgNBの中央ユニットとV2Xメッセージを通信する。
【0028】
一実施形態では、アクセス・ノードが、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介してV2Xメッセージを受信し、受信したV2Xメッセージから、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最上位プロトコル層までのヘッダを抽出し、したがって、受信した車両対全て(V2X:vehicle-to-everything)メッセージのペイロードを抽出し、分散ユニットと中央ユニットとの間のインタフェースを介して、ペイロードをgNBの中央ユニットに送信する。
【0029】
一実施形態では、アクセス・ノードが3GPP仕様のgNBの中央ユニットであり、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットはサイドリンク通信プロトコル・スタックのいくつかの最上位プロトコル層を含み、アクセス・ノードは、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも最下位プロトコル層を動作させるgNBの分散ユニットとV2Xメッセージを通信する。
【0030】
一実施形態では、アクセス・ノードが、中央ユニットによってサポートされるサイドリンク通信プロトコル・スタックの最下位層上のgNBの分散ユニットから車両対すべてメッセージのペイロードを受信し、受信された車両対すべてメッセージから、サイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最上位プロトコル層までの残りのヘッダを抽出し、したがって、受信された車両対すべてメッセージのペイロードを抽出し、ペイロードに新しいヘッダを追加し、新しいヘッダを有するペイロードをアプリケーション・サーバに送信する。
【0031】
一態様によれば、コンピュータによって読み取り可能な配布媒体上に具現化されたコンピュータ・プログラム・コードを備えたコンピュータ・プログラム製品であって、コンピュータ・プログラム・コードは、コンピュータによって実行されるとき、セルラ通信システムのアクセス・ノードにおいて、セルラ通信プロトコル・スタックにしたがってセルラクセスメッセージを処理し、セルラ通信システムのコア・ネットワークとの間でセルラクセスメッセージを配布することと、アクセス・ノードにおいて、車両間通信のサイドリンク通信プロトコル・スタックにしたがって車両間通信を処理し、少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間で車両間通信メッセージを配布することと、を含むコンピュータプロセスを実行するように構成する、コンピュータ・プログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下では添付の図面を参照していくつかの実施形態を説明する。
【
図1】
図1は本発明の実施形態を適用することができる無線ネットワークの一例を示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態を適用することができる移動通信ネットワークの要素を示す。
【
図3】
図3は、車両ブロードキャストメッセージを通信するための実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるアクセス・ノードのブロック図を示す。
【
図5A】
図5Aおよび
図5Bは、いくつかの実施形態による、機能分割を使用するアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックを示す。
【
図5B】
図5Aおよび
図5Bは、いくつかの実施形態による、機能分割を使用するアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックを示す。
【
図6A】
図6Aおよび
図6Bは、他の実施形態による、機能分割を使用するアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックを示す。
【
図6B】
図6Aおよび
図6Bは、他の実施形態による、機能分割を使用するアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックを示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、アクセス・ノードにおけるV2X通信のセットアップおよび動作のシグナリング図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による、アクセス・ノードにおけるV2X通信のセットアップおよび動作のシグナリング図を示す。
【
図9】
図9は本発明の一実施形態によるアクセス・ノードにおけるメッセージを処理するフロー図を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態による装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の実施形態は例示的なものである。本明細書は本文のいくつかの場所で「1つの(an)」、「1つの(one)」、または「いくつかの(some)」実施形態を指すことがあるが、これは必ずしも、各参照が同じ実施形態になされること、または特定の特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて、他の実施形態を提供することもできる。
【0034】
以下では、実施形態が適用され得るアクセスアーキテクチャの一例として、実施形態をそのようなアーキテクチャに限定することなく、ロングタームエボリューションアドバンスト(LTE Advanced、LTE-A)または新しい無線(NR)(または5Gと呼ぶことができる)に基づく無線アクセスアーキテクチャを使用して、複数の例示的な実施形態を説明する。当業者には明らかなように、本実施形態は、パラメータおよび手順を適切に調整することによって、好適な手段を有する他の種類の通信ネットワークにも適用することができる。適切なシステムのための他のオプションのいくつかの例は、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)無線アクセス・ネットワーク(UTRANまたはE-UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAと同じ)、無線ローカルエリアネットワーク(WLANまたはWiFi)、マイクロ波アクセスのためのワールドワイドインターオペラビリティ(WiMAX)、ブルートゥース(登録商標)、パーソナルコミュニケーションサービス(PCS)、ZigBee(登録商標)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、超広帯域(UWB)技術を使用するシステム、センサネットワーク、モバイルアドホックネットワーク(MANET)、およびインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0035】
図1は単純化されたシステムアーキテクチャの例を示しており、いくつかの要素と機能エンティティを示しているだけであり、すべてが論理ユニットであり、その実装は示されているものとは異なる可能性がある。
図1に示す接続は論理接続である。実際の物理接続は異なる場合がある。システムは、典型的には
図1に示されたもの以外の他の機能および構造も含むことは当業者には明らかである。
【0036】
しかしながら、実施形態は一例として与えられたシステムに限定されるものではなく、当業者は必要な特性を備えた他の通信システムにこの解決策を適用することができる。
【0037】
図1の例は、例示的な無線アクセス・ネットワークの一部を示す。
【0038】
図1は、セル内の1つ以上の通信チャネル上で、セルを提供するアクセス・ノード104(e/g)NodeBなど)と無線接続するように構成されたユーザデバイス100および102を示す。ユーザデバイスから(e/g)NodeBへの物理リンクはアップリンク(UL)またはリバースリンクと呼ばれ、(e/g)NodeBからユーザデバイスへの物理リンクはダウンリンクまたはフォワードリンクと呼ばれる。(e/g)NodeBまたはそれらの機能は、そのような用法に適した任意のノード、ホスト、サーバまたはアクセスポイントなどのエンティティを使用することによって実装されることができることが理解されるべきである。前記ノード104は、より広い意味で、ネットワークノード104またはネットワーク要素104と呼ぶことができる。
【0039】
通信システムは典型的には複数の(e/g)ノードBを含み、この場合、(e/g)ノードBは、目的のために設計されたリンク、有線または無線を介して互いに通信するように構成されることができる。これらのリンクは、シグナリング目的のために使用されることができる。(e/g)NodeBは、それが結合されている通信システムの無線リソースを制御するように構成された計算デバイスである。(e/g)ノードBは、トランシーバを含むか、またはトランシーバに結合される。(e/g)ノードBのトランシーバから、ユーザデバイスへの双方向無線リンクを確立するアンテナユニットへの接続が提供される。アンテナユニットは、複数のアンテナまたはアンテナ素子を備えることができる。(e/g)NodeBはさらに、コア・ネットワーク110(CNまたは次世代コアNGC)に接続される。システムに応じて、CN側の対応物は、ユーザプレーン機能(UPF)(これは4Gのサービングゲートウェイ(S-GW)に対応する5Gゲートウェイとすることができる)またはアクセスおよびモビリティ機能(AMF)(これは4Gのモバイル管理エンティティ(MME)に対応することができる)とすることができる。
【0040】
ユーザデバイス100、102(UE、ユーザデバイス、ユーザ端末、端末デバイス、モバイル端末などとも呼ばれる)は、エアインタフェース上のリソースが割り当てられ、割り当てられる1つのタイプの装置を示し、したがって、ユーザデバイスを用いて本明細書で説明される任意の機能は、中継ノードの一部などの対応する装置を用いて実装され得る。そのような中継ノードの例は、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノード(別名、自己バックホール中継)である。
【0041】
ユーザデバイスは、典型的には、加入者識別モジュール(SIM)を伴って、または伴わずに動作するワイヤレスモバイル通信デバイスを含むポータブルコンピューティングデバイスを指し、以下のタイプのデバイス、すなわち、移動局(携帯電話)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ハンドセット、ワイヤレスモデムを使用するデバイス(アラームまたは測定デバイスなど)、ラップトップおよび/またはタッチスクリーンコンピュータ、タブレット、ゲームコンソール、ノートブック、およびマルチメディアデバイスを含むが、これらに限定されない。ユーザデバイスは、ほぼ排他的なアップリンク専用デバイスであることができ、その一例はネットワークに画像またはビデオクリップをロードするカメラまたはビデオカメラであることを理解されたい。ユーザデバイスは、また、物のインターネット(IoT)ネットワークにおいて動作する能力を有するデバイスであることができ、これは、人間対人間または人間対コンピュータの対話を必要とせずに、ネットワークを介してデータを転送する能力をオブジェクトに提供するシナリオである。ユーザデバイス(または、いくつかの実施形態では中継ノードの情報処理装置(MT)部分)がユーザデバイス機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。ユーザデバイスは、単にいくつかの名前または装置を挙げるだけで、加入者ユニット、移動局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、またはユーザ装置(UE)とも呼ばれ得る。
【0042】
本明細書で説明する様々な技法を、サイバー物理システム(CPS)(物理エンティティを制御する協働する計算要素のシステム)に適用することもできる。CPSは、異なる位置の物理的オブジェクトに埋め込まれた大量の相互接続されたデバイス(センサ、アクチュエータ、プロセッサマイクロコントローラなど)の実装および活用を可能にすることができる。問題の物理システムが固有のモビリティを有するモバイルサイバー物理システムは、サイバー物理システムのサブカテゴリである。移動物理システムの例には、移動ロボット工学、および人間または動物によって輸送される電子デバイスが含まれる。
【0043】
図1において、ユーザデバイスは、1つ以上のアンテナを有する可能性があることが理解されるべきである。受信および/または送信アンテナの数は、現行の実装にしたがって自然に変化し得る。
【0044】
さらに、装置は単一のエンティティとして示されているが、複数のユニット、プロセッサ、および/またはメモリユニット(すべてが
図1に示されているわけではない)を実装することができる。
【0045】
5Gは、複数入力-複数出力(MIMO)アンテナ、LTEよりもはるかに多くの基地局またはノード(いわゆるスモールセル概念)を使用することを可能にし、これには、より小さい局と協働して動作し、サービスの必要性、使用事例、および/または利用可能なスペクトルに応じて様々な無線技術を使用するマクロサイトが含まれる。5G移動通信は、ビデオストリーミング、拡張現実、データ共有の異なる方法、および、車両の安全性、異なるセンサ、およびリアルタイム制御を含む様々な形態の機械タイプアプリケーションを含む広範囲のユースケースおよび関連アプリケーションをサポートする。5Gは、複数の無線インタフェース、すなわち6GHz未満、cm波およびmm波を有することが期待され、LTEなどの既存のレガシー無線アクセス技術にも適用可能である。LTEとの統合は、少なくとも初期段階において、マクロカバレージがLTEによって提供され、5G無線インタフェースアクセスがLTEへのアグリゲーションによって小セルから来るシステムとして実装され得る。つまり、5Gは、相互RAT運用性(LTE-5Gなど)と相互RI運用性(6GHz以下-cm波、6GHz以下-cm波-mm波などの相互無線インタフェースの運用性)の双方をサポートする計画である。5Gネットワークで使用されると考えられる概念の1つは、複数の独立した専用の仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)を同じインフラストラクチャ内に作成して、待ち時間、信頼性、スループット、およびモビリティに関する異なる要件を持つサービスを実行できるネットワークスライシングである。
【0046】
LTEネットワークにおける現在のアーキテクチャは、無線において完全に分散され、コア・ネットワークにおいて完全に集中される。5Gにおける低遅延アプリケーションとサービスは、ローカルブレークアウトとマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)につながる無線に含有率を近づけることを要求する。5Gは、分析および知識生成がデータのソースで行われることを可能にする。このアプローチは、ラップトップ、スマートフォン、タブレットおよびセンサのようなネットワークに連続的に接続されないリソースを活用することを必要とする。MECは、アプリケーションおよびサービスホスティングのための分散コンピューティング環境を提供する。それはまた、より速い応答時間のために、セルラ加入者に近接してコンテンツを記憶し、処理する能力を有する。MECは、ワイヤレスセンサネットワーク、モバイルデータ取得、モバイルシグネチャ分析、協調分散ピアツーピアアアドホックネットワーキングおよび処理、自律車両、交通安全、リアルタイム分析、タイムクリティカル制御、およびヘルスケアアプリケーションなどの広範囲の技術をカバーする。MECの基本的な概念は、アプリケーションレベルのクラウドコンピューティング能力、情報技術サービスなどが移動通信ネットワークのエッジで提供されることである。エッジとは、
図1のコア・ネットワーク110またはアプリケーション・サーバ112よりも端末デバイスに近い無線アクセス・ネットワークおよび/または他のネットワーク要素を指し、MECはアプリケーションによって活用することができる無線ネットワーク情報へのリアルタイム・アクセスと同様に、超短待ち時間および高帯域幅を特徴とする。MECコンセプトによれば、モバイルネットワークオペレータは許可された第三者に無線アクセス・ネットワークエッジを開くことができ、モバイル加入者、企業、および垂直セグメントに向けて革新的なアプリケーションおよびサービスを柔軟かつ迅速に配備することを可能にする。MECの恩恵を受けることができるアプリケーションには、ビデオ分析、位置ベースのサービス、物のインターネット(IoT)、拡張現実、ローカルコンテンツ配信、データキャッシング、および自動車アプリケーションが含まれる。MECはソフトウェアアプリケーションがローカルコンテンツにアクセスし、ローカルアクセス・ネットワーク条件に関するリアルタイム情報にアクセスすることを可能にする。また、MECは、端末デバイスの近くで高レベルアプリケーション処理を実行することによって、無線アクセス・ネットワークとコア・ネットワークとの間のトラフィックを低減することができる。
【0047】
通信システムはまた、公衆交換電話網やインターネット112のような他のネットワークと通信したり、それらによって提供されるサービスを利用したりすることも可能である。通信ネットワークはクラウド・サービスの使用をサポートすることもでき、例えば、コア・ネットワーク動作の少なくとも一部は、クラウド・サービスとして実行することができる(これは
図1では「クラウド」114によって示されている)。通信システムはまた、例えばスペクトル共有において協働するための複数の操作者のネットワークのための設備を提供する、中央制御エンティティなどを備えてもよい。
【0048】
エッジクラウドはネットワーク機能仮想化(NVF)とソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)を利用することにより、無線アクセス・ネットワーク(RAN)に持ち込むことができる。エッジクラウドを使用することは、無線部分を備える遠隔無線ヘッドまたは基地局に動作可能に結合されたサーバ、ホスト、またはノードにおいて、少なくとも部分的に実行されるアクセス・ノード動作を意味することができる。ノード操作は、複数のサーバ、ノード、またはホストの間で分散されることも可能である。クラウドRANアーキテクチャの適用は、RAN側で実行されるRANリアルタイム機能と、集中的に実行される非リアルタイム機能とを可能にする。
【0049】
コア・ネットワークオペレーションと基地局オペレーションとの間の労力の分配は、LTEのそれとは異なってもよく、または存在しなくてもよいことも理解されるべきである。おそらく使用される他の技術進歩のいくつかは、ビッグデータとオールIPであり、これはネットワークの構築と管理方法を変更する可能性がある。5G(または新しい無線、NR)ネットワークは、コアと基地局またはノードB(gNB)の間にMECサーバを配置できる複数の階層をサポートするように設計されている。MECは、4Gネットワークにも適用できることを理解されたい。
【0050】
5Gはまた、例えばバックホールを提供することによって、5Gサービスのカバレージを強化または補完するために衛星通信を利用することができる。可能なユースケースは、機械対機械(M2M)または物のインターネット(IoT)デバイス、または乗り物に乗っている乗客のためのサービス連続性を提供すること、または重要な通信、および将来の鉄道/海上/航空通信のためのサービス利用可能性を保証することである。衛星通信は静止地球軌道(GEO)衛星システムを利用することができるが、低地球軌道(LEO)衛星システム、特にメガコンステレーション(数百の(ナノ)衛星が配備されるシステム)も利用できる。メガコンスタレーション内の各サテライト106は、地上セルを作成するいくつかの衛星対応ネットワークエンティティをカバーすることができる。地上セルは、地上中継ノードを介して、または地上または衛星内に位置するgNBによって生成され得る。
【0051】
図示のシステムは無線アクセスシステムの一部の例に過ぎず、実際には、システムが複数の(e/g)ノードBを備えることができ、ユーザデバイスは複数の無線セルへのアクセスを有することができ、システムは物理層中継ノードまたは他のネットワーク素子などの他の装置も備えることができることは当業者には明らかである。(e/g)ノードBのうちの少なくとも1つは、ホーム(e/g)ノードBであることができる。また、無線通信システムの地理的領域には、複数の無線セルだけでなく、複数の異なる種類の無線セルが設けられていてもよい。無線セルは、通常数十キロメートルまでの直径を有する大きなセルであるマクロセル(またはアンブレラセル)、またはマイクロセル、フェムトセル、またはピコセルなどのより小さなセルとすることができる。
図1(e/g)ノードBは、任意の種類のこれらのセルを提供することができる。セルラ無線システムは、いくつかの種類のセルを含む多層ネットワークとして実装されることができる。典型的には、多層ネットワークでは1つのアクセス・ノードが1つの種類のセルを提供し、したがって、そのようなネットワーク構造を提供するために複数の(e/g)ノードBが必要とされる。
【0052】
通信システムの展開と性能を向上させる必要性を満たすために、「プラグアンドプレイ(plug-and-play)」(e/g)NodeBsという概念が導入されているが、典型的には、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBsを使用できるネットワークには、ホーム(e/g)NodeBs(H(e/g)nodeBs)に加えて、ホームnodeBgateway、またはHNB-GW(
図1に図示せず)が含まれる。通常、操作者のネットワーク内にインストールされるHNBゲートウェイ(HNB-GW)は、多数のHNBからコア・ネットワークに戻るトラフィックを集約することができる。
【0053】
図2は、5G移動通信ネットワークにおけるいくつかのネットワーク要素およびそれらの相互接続のブロック図を示す。
図2を参照すると、端末デバイス100(UE)は
図2のクラウドによって示される無線アクセス・ネットワーク212に接続され、無線アクセス・ネットワークはマルチアクセスエッジコンピューティングを実行する移動通信ネットワークのマルチアクセスエッジまたはモバイルエッジを含むか、またはその中に含まれてもよい。マルチアクセスエッジは、固定および移動基地局を含む無線アクセス・ネットワーク212の様々なアクセス・ノード、WiFi(IEEE802.11ネットワーク)、ケーブルモデム終端システム(CMTS)、光ネットワークの端末、Zigbee、WiFi、またはMuLTEfireなどの他の無線ネットワークのアクセスポイント、ルータ、およびスイッチなどの他の無線アクセス技術と相互接続するための5Gシステムの無線ネットワークコントローラの1つまたは複数のネットワーク要素を含むことができる。無線アクセス・ネットワーク(RAN)内の、またはコア・ネットワーク110よりも端末デバイスに近い、アプリケーションデータ処理能力を有する、実質的に任意のネットワーク要素を、マルチアクセスエッジコンピューティングのために利用することができる。
【0054】
無線アクセス・ネットワークは、端末デバイスと確立されたPDU(protocol data unit)セッションのアンカーポイントとなるUPF(user plane function)210に接続されている。UPFは、データパケットルーティングやQoS(quality of service)管理機能などを提供する。UPFは、適切なトラフィック・ルーティングのためにUPF210のためのトラフィック・ステアリング構成を提供するセッション管理機能(SMF)208によって制御される。また、SMFは、セッションの確立、変更、および解放、UEインターネットプロトコル(IP)アドレスの割り当てと管理、およびその他のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能、セッション管理に関連するNAS(non-access stratum)信号の終了などのセッション管理も実行する。
【0055】
アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)214は、端末デバイスのモビリティを管理することができる。ネットワークは、多くのAMFインスタンスを含むことができる。AMFは、RAN制御プレーンを終了させ、暗号化および完全性保護アルゴリズムを実装することができる。ある観点から、AMFは、LTEシステムのモビリティ管理エンティティ(MME)のタスクと同様のいくつかのタスクを実行する。
【0056】
ポリシー制御機能(PCF)200は、移動通信ネットワークの挙動を支配する統一されたポリシーフレームワークを担当する。PCFは、ユーザプレーンおよび制御プレーン機能にポリシールールを提供する。PCFはポリシーを作成または変更するときに、統合データリポジトリ204(UDR)にアクセスすることができる。UDR204は、例えば、端末デバイス痛関連する加入者情報を記憶し、PCFによって決定されたポリシーに影響を与える可能性がある加入者のいくつかの選好を定義することができる。ネットワーク露出機能(NEF)202は、5Gコア・ネットワーク要素(例えば、PCFおよびUPF)とアプリケーション・サーバ206との間のサービスおよびフィーチャの安全な露出を可能にする適応または露出機能を提供する。NEF202は、コア・ネットワーク要素とアプリケーション・サーバとの間の能力およびイベントに関する情報を仲介することができ、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)の形態で情報に対する変換機能を提供することができる。NEF202は、5Gコア・ネットワークの外部のアプリケーション・サーバまたは機能がコア・ネットワークのネットワーク要素と通信することを可能にするサービス認識境界ゲートウェイとして記述することができる。
【0057】
ユーザプレーン接続は、アプリケーションデータを転送する目的で、UPF210とアプリケーション・サーバ206との間に提供されることができる。
【0058】
統合データ管理(UDM)機能は、LTEネットワークのホームサブスクライバサーバ(HSS)機能と同様のタスクを実行する。このような手順には、認証と鍵合意(AKA)クレデンシャルの生成、UEまたはユーザの識別、アクセス許可、およびサブスクリプション管理が含まれる。
【0059】
V2V通信では、車両端末デバイスが互いに直接メッセージを送信する。
図2は、UE100、102間のV2Vリンクを示す。さらに、車両UE100、102はセルラ接続、例えば、LTEまたは5G無線リソース制御(RRC)接続を介してRAN212に接続することができる。セルラ接続は、LTEおよび5GシステムではUuインタフェースと呼ばれる無線インタフェースを介して確立され得る。V2Vリンクは、セルラ接続の通信プロトコルとは複数の通信プロトコルをサポートすることができる。V2V通信プロトコルの例には、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11pプロトコルおよびPC5プロトコルが含まれる。PC5は、3GPP(rdジェネレーションパートナーシッププロジェクト)で開発された。802.11pは、いくつかの文献では直接または専用短距離通信(DSRC)と呼ばれている。異なるプロトコルのために、セルラ通信システムの従来のアクセス・ノードは、車両UE100、102間で交換されるV2Vメッセージを受信または検出することができない。類似の特性はいくつかの他のV2X通信、例えば、V2Pに適用することができる。しかしながら、セルラネットワークにおけるそのようなV2Xメッセージに含まれる情報を獲得することは有益であることができる。V2Xメッセージは、セルラ通信システムの構成に使用できるトラフィック、事故、警告などに関する情報を運ぶことがある。同様に、アプリケーション・サーバから車両端末デバイスにメッセージを通信することが有益であることができる。
【0060】
図3は、セルラ通信システムのアクセス・ノードが他のネットワークへのセルラクセスを端末デバイスに提供するという主な機能に加えて、車両端末デバイス100、102とアプリケーション・サーバ206との間でV2Xメッセージを通信するための実施形態を示す。アプリケーション・サーバは、1つ以上のMECサーバを含むことができる。
図3は、セルラ通信プロトコル・スタックにしたがってセルラ通信システムのアクセス・ノードにおいてセルラクセスメッセージを処理するステップ(ブロック300)と、セルラ通信システムの端末デバイスとコア・ネットワークとの間でセルラクセスメッセージを配信するステップと、V2X通信のサイドリンク通信プロトコル・スタックにしたがってアクセス・ノードにおいてV2Xメッセージを処理するステップ(ブロック302)と、少なくとも1つの車両端末デバイスとアプリケーション・サーバとの間でV2Xメッセージを配信するステップとを含む、アクセス・ノードのための手順を示す。
【0061】
上述の実施形態は、車両ブロードキャストメッセージをキャプチャするようにアクセス・ノードを構成する。アクセス・ノードに能力を実装することによって、別個の専用キャプチャデバイスの設計および設置を回避または低減することができ、したがって、システムの運用費用および複雑さを低減する。
【0062】
ブロードキャストV2Xメッセージを伝達および受信するために使用されるプロトコルはUEのために設計されることができ、すなわち、V2Xメッセージの伝達機および受信機の両方が、UEであるように設計される。したがって、UEプロトコルをサポートしない従来のアクセス・ノードは、V2Xメッセージを検出できない。一実施形態では、アクセス・ノードが、必要なプロトコルをサポートする仮想端末デバイスを確立し、仮想端末デバイスを使用してブロードキャストメッセージをキャプチャするように構成される。仮想端末デバイスは、車両UEの1つまたは複数の通信プロトコルをサポートすることができる。
【0063】
一実施形態では、仮想端末デバイスがアクセス・ノードのセルラ接続管理機能とは異なるプロトコルメッセージを処理するように構成される。言い換えると、アクセス・ノードは少なくとも2つの異なるプロトコル・スタックをサポートすることができる。1つは仮想UE用であり、もう1つは従来のアクセス・ノード機能用である。
【0064】
一実施形態では、アプリケーション・サーバがモバイル・エッジ・コンピューティングのサーバである。アプリケーション・サーバは、セルラ通信システムのコア・ネットワーク内、またはアクセス・ノードの観点からコア・ネットワークを越えるネットワーク内に存在することができる。アプリケーション・サーバは、物理サーバ、仮想サーバ、またはクラウドサーバのいずれかである。
【0065】
図3に示すように、アクセス・ノードは、ブロック300、302を並列処理で実行することができる。言い換えれば、ブロック300、302は同時に、かつ互いに独立して実行されることができる。
【0066】
図4は、
図3のプロセスの一実施形態にしたがって動作する5Gアクセス・ノード(gNB)104のブロック図を示す。3GPP仕様に定義されているように、gNBは中央ユニット(CU)および分散ユニット(DU)を含むことができ、gNBの機能は、CUとDU410との間で分割される。CPはさらに、制御プレーンCU(CUーCP)420とユーザプレーンCU(CU-UP)422とに分割される。CU-CPとCU-UP間のインタフェースはE1インタフェースであるが、DUは
図4に示すようにF1-C(制御プレーン)とF1-U(ユーザプレーン)インタフェースを介してCU に接続する。CU-CPは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層やサービスデータアダプテーションプロトコル(SDAP)層などのセルラ接続の無線リソース制御と上位プロトコル層を管理することができ、DUは無線リンク制御(RLC)層、メディアアクセス制御(MAC)層、物理層などの下位プロトコル層を管理する。しかしながら、機能的分割は柔軟であり、複数の分割が想定されている。各分割は、その利点および欠点を有する。
【0067】
さらに
図4を参照すると、gNB DUは、端末デバイスのためにgNBによって提供されるセルラクセスのための5G無線モデム(新しい無線、NR)400を備えることができる。さらに、gNBは、サイドリンク通信のための少なくとも1つの無線モデム402、404を備えることができる。サイドリンク通信用の少なくとも1つの無線モデム402、404は、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも一部を実装することができる。
図4は、DU410がNRモデム410およびサイドリンク無線モデム402、404を含む実施形態を示す。別の実施形態では、gNBが各無線モデムのための専用DUを含む。言い換えると、NRモデム400およびサイドリンクモデム402または404のために別個のDUが提供されることができる。したがって、そのような実施形態は、各無線モデム400~404に対して別個のDUが提供されるという意味で、
図4の修正である。各DUは当然、CU-UP420とCU-CP422に接続する。サイドリンク通信プロトコル・スタックは、IEEE802.11p仕様または3GPP仕様のPC5に準拠することができる。したがって、
図4の実施形態によれば、gNBには、従来の端末デバイス(UE100)のためのセルラクセスを提供する能力、さらに、1つまたは複数のサイドリンク通信プロトコル・スタックを介して車両UE120、122とV2Xペイロードを通信する能力が提供される。
【0068】
サイドリンクの定義に関して、この用語は、文献中のこの用語が意味するものに類似している。サイドリンクは、アクセス・ノードを介さずに端末デバイス間で直接通信を可能にする無線規格の適応である。サイドリンクは、典型的には少なくとも物理層上で基本規格とは異なる。例えば、802.11pは802.11仕様に基づいているが、物理層上にいくつかの固有の特性を有する。同様に、PC5は、3GPP仕様(LTE、5G)に基づいているが、直接的なデバイス対デバイス通信と、デバイス対e/gNB通信との差に関連したいくつかの固有の特徴を有している。サイドリンクは通常、V2V、文献において一般にV2X通信に関連する。
【0069】
一実施形態では、前記セルラ通信プロトコル・スタックと前記サイドリンク通信プロトコル・スタックの両方が物理層を含む無線インタフェースを定義し、前記セルラ通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースはサイドリンク通信プロトコル・スタックによって定義される無線インタフェースとは異なる。
【0070】
図5A~
図6Bは、いくつかの実施形態によるプロトコル・スタックを示す。
図5Aおよび
図6Aは、PC5をサポートするアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックをサイドリンクとして示し、
図6Aおよび
図6Bは、IEEE802.11pをサポートするアクセス・ノードのためのプロトコル・スタックを示す。
【0071】
図5から
図6Bに示すように、アクセス・ノードは、車両端末デバイスと通信するための第1のプロトコル・スタックと、コア・ネットワークおよびアプリケーション・サーバに向けて通信するための第2のプロトコル・スタックとを採用することができる。最初のプロトコル・スタックは、上述のサイドリンク通信プロトコル・スタックであることができる。次に、プロトコル・スタックをより詳細に説明する。
【0072】
図5A~
図6Bに示すように、車両UEは、PC5プロトコル(
図5Aおよび
図6A)またはIEEE802.11pプロトコル(
図5Bおよび
図6B)のプロトコル・スタックをサポートする。アプリケーション層は、V2Xペイロードを配信するために使用される下位プロトコル層を介して送受信されるV2Xペイロードデータを生成または処理する。
図5Aおよび
図6Aを参照すると、下位プロトコル層は、オプションの層であるPC5インターネットプロトコル(IP)バージョン6層を含むことができる。5Gでは、サービス品質(QoS)フローとデータ無線ベアラ間のマッピングを実行するサービスデータ適応プロトコル(SDAP)層がさらに存在する。SDAPの下には、データパケットの順序変更や重複検出、暗号化などのタスクを実行するパケットデータ収束プロトコル(PDCP)層がある。PDCPの下では、無線リンク制御(RLC)層がパケットの(再)セグメント化、誤り訂正などのタスクを管理する。RLCの下で、媒体アクセス制御(MAC)層は、データパケットの(de)多重化、誤り訂正、パディングなどのタスクを実行する。MACの下では、物理レイヤがペイロードデータを伝送する無線信号の変調と送受信を行う。アクセス・ノードまたはDUはアプリケーション層を除き、実際の車両UEと同じプロトコル層の少なくとも一部を含むことができる。アプリケーション層は、アクセス・ノードがキャプチャされたメッセージを転送するアプリケーション・サーバ内に提供されることができる。
【0073】
アプリケーション・サーバと通信するための第2のプロトコル・スタックに関して、アクセス・ノードは、キャプチャされたメッセージの含有率をアプリケーション・サーバに配信するためのプロトコル・スタックをさらに含むことができる。メッセージは、UPF(5G)またはパケットデータネットワークゲートウェイ(LTE内のP-GW)を介して配信され得る。UPF/P-GWはいくつかのプロトコル層をサポートすることができ、UPF/P-GWと通信するために、アクセス・ノードは、同じプロトコル層をサポートすることができる。その層には、L1(物理)およびL2(MAC)層、IP層、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)層、およびユーザデータ用の一般的なパケット無線サービストンネリングプロトコル(GTP-U)を含めることができる。UPF/P-GW は、アプリケーション・サーバとの間に別のセッションを確立し、UPF/P-GWがメッセージをアプリケーション・サーバ(アプリケーション・サーバとUPF/P-GW間のL1とL2)に転送できるように、2つのセッション間のリンクを持つ場合がある。アプリケーション・サーバはMECアプリケーションのIP層をサポートすることができ、アクセス・ノードは同じ層(IP MEC APP)を持ってもよい。MEC IP層の上で、アプリケーション・サーバのアプリケーション層はキャプチャされたメッセージの受信ペイロードを処理することができる。
【0074】
図6を参照すると、IEEE802.11pをサポートするプロトコル・スタックは同様であり、唯一の変化は、車両UEとアクセス・ノードとの間のインタフェースの層にある。802.11pはWi-Fiネットワークの無線インタフェース上に構築されており、物理レイヤとMACレイヤには対応する機能がある。MAC層の上に、論理リンク制御(LLC)層が設けられてもよい。LLCは、上位層にインタフェースするデータを統一するソフトウェアモジュールであっても同様、RLCによって実行されるものと同様の機能を少なくともいくつか実行することができる。LLCの上に、UDP/TCP(トランスポート制御プロトコル)/IP層が設けられてもよい。
【0075】
上記のように、アクセス・ノードの機能はCUとDUの間で分割されることができる。
図5A~
図6Bは、2つのサイドリンクプロトコルのための分割を実施するためのいくつかの実施形態を示す。
図5Aおよび5Bは、DUがサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層の1つのサブセットを動作させ、一方、CU、例えばCU-UPがサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層の別のサブセットを動作させる実施形態を示す。
図6Aおよび6Bは、DUがアプリケーション層の下の少なくとも車両端末デバイスとのすべてのサイドリンク通信のためのエンドデバイスとして動作する実施形態を示す。
図5Aおよび
図5Bの実施形態では、サイドリンク通信プロトコル・スタックの最下位プロトコル層の判定された数がDUによって操作される。少なくとも物理層が、物理層を実装するために必要とされる無線周波数成分のうちの少なくともいくつかを含むDUによって動作されることは当然である。さらに、DUは、MAC層(802.11pにおける上側のMAC層および下側MAC層)を実装することができる。図示された実施形態では、DUがMAC層の真上の層、例えば、RLC(
図5A)およびLLC(
図5B)層をさらに動作させる。DUによってサポートされているサイシンクの最高プロトコル層を処理すると、DUはこのようにして抽出されたV2Xペイロードを、例えば、GTP-Uパケットに、CU-Uに送達するのに適したメッセージにまとめることができる。次に、メッセージはサイドリンク通信プロトコル・スタックの上位プロトコル層、例えばPDCPとSDAP(
図5A)またはDSRC IPとUDP/TCP(
図5B)で処理するためにCU-UPに送信される。その結果、CUは、V2Xペイロードデータをサイドリンク通信プロトコル・スタックから、コア・ネットワークとアプリケーション・サーバに向けてV2Xペイロードを配信するための2番目のプロトコル・スタックに転送する。
【0076】
図5Aおよび
図5Bの実施形態において、CU-UPは、CU-UPがV2Xペイロードを適切なアプリケーション・サーバに送信できるように、アプリケーション・サーバの目的地(IP(MEC APP)レイヤ上)と共に構成されている。
【0077】
図5Aおよび
図5Bの実施形態はDUをより単純にすることができ、DUのコストおよび複雑さを低減するという利点を有する。DUの数が非常に多い配置では、
図5Aまたは
図5Bの実施形態が有利であり得る。
【0078】
上述のように、DUは、
図6Aおよび6Bの実施形態において、車両UEとのgNBのすべてのサイドリンク通信を終了する。その結果、DUはV2Xペイロードデータをサイドリンク通信プロトコル・スタックから、コア・ネットワークとアプリケーション・サーバに向けて、V2Xペイロードを配信するプロトコル・スタックに転送するものである。
図6Aおよび
図6Bの実施形態では、DUは、DUがV2Xペイロードを適切なアプリケーション・サーバに送信できるように、アプリケーション・サーバの宛先アドレス(IP(MEC APP)層上)で構成される。CU-UPはサイドリンク通信プロトコル・スタックのどのプロトコル層も終端しないため、CU-UPはF1-UインタフェースからIP(MEC APP)パケットとして受信したV2XペイロードをN3インタフェースに直接リレーする。したがって、V2Xペイロードを運ぶIPデータグラムは、セルラ通信システムのN3およびN6インタフェースを介してアプリケーション・サーバに転送される。
【0079】
図6Aおよび6Bの実施形態は、サイドリンク能力を有する新しいDUがCUの制御下でインストールされるときに、CUが修正を必要としないという利点を有する。このように、DUは独立したサイドインク機能を提供する。その結果、サイドリンク機能を有する新しいDUのインストールを簡略化することができる。
【0080】
図6Aおよび
図6Bの実施形態では、DUが、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介してV2Xメッセージを受信し、受信したV2Xメッセージからサイドリンク通信プロトコル・スタックのすべてのヘッダを抽出し、したがって、受信したV2Xメッセージのペイロードを抽出し、ペイロードに新しいヘッダを追加し、新しいヘッダを有するペイロードをアプリケーション・サーバに送信するように構成される。
図7は、そのような手順のシグナリング図を示す。
【0081】
図7を参照すると、手順は、アプリケーション・サーバ(MEC)がオフロード要求メッセージを送信することから始まる場合がある(ステップ700)。この要求は、最初にNEFに送信されることができる。オフロード要求メッセージは「AF ME V2Vオフロード要求」メッセージと呼ぶことができ、AFはアプリケーション機能を指し、MEはモバイルエッジを指す。このメッセージには、少なくとも、アプリケーション・サーバの(IP)アドレスと新しいV2X構成の仕様が含まれている可能性がある。V2X構成は例えば、PC5または802.11p(またはこれらの任意の組み合わせ)がアクティブ化されるように要求されるかどうかなど、メッセージをキャプチャするために使用されるプロトコル・スタックを含むことができる。メッセージには、サイドリンク通信の追加設定情報が含まれる場合がある。要求に含まれるさらなる設定情報は、アプリケーション・サーバが転送されるV2Xメッセージを要求する地理的領域の定義を含むことがある。NEFはキャプチャを設定するためのパラメータの少なくとも一部と一緒に、オフロード要求を1つ以上のAMFに転送する場合がある。MECがV2Xメッセージの通信を要求する地理的領域をオフロード要求に示した場合、NEFは地理的領域に関する情報を使用して、その領域を担当するAMFを選択することができる。AMFは、NEFから転送されたオフロード要求を受信すると、(V2X設定でアプリケーション・サーバによって要求された場合、または操作者によって設定された他のポリシーから派生した場合)地理的領域を担当するアクセス・ノードを選択する。AMFは選択された各アクセス・ノードに要求を転送し、その結果、CU-CPは要求を受信する(ステップ700)。したがって、ステップ700は、セルラ通信システムの様々な論理エンティティによって実行されるいくつかの機能を含むことができる。その後、CU-CPは、サイドリンク通信プロトコル・スタックがまだ作成/初期化されていない場合、それをDUに作成/初期化し、サイドリンクをV2X設定で設定することができる(ステップ702)。ステップ702は、DUに対するアプリケーション・サーバの宛先アドレスを少なくとも構成することを含むことができる。アクセス・ノードが例えば、PC5および802.11pの両方の多重サイドリンク通信プロトコルをサポートする場合、CU-CPは、また、発動されるサポートされたサイドリンク通信プロトコルの1つまたは複数を構成することもできる。
【0082】
CU-CPは、通信されるV2Xメッセージに少なくとも1 つの制限を設定できる。制限はどのタイプのV2Xメッセージ、例えば、V2V、V2I、または別のタイプのメッセージが通信されるべきかを指定することができる。その結果、DUは少なくとも1つの制限に準拠するメッセージのみを通信し、少なくとも1つの制限に準拠しないメッセージを通信することはできない。この制限は、例えば、メッセージが通信されるべき車両UEのセット、キャプチャされるべきメッセージのタイプ(例えば、交通情報または警告を搬送するメッセージ)などを指定することができる。その結果、アクセス・ノードは、様々なメッセージを検出し送信することが可能であるにもかかわらず、制限にしたがって、メッセージのサブセットのみを通信することができる。
【0083】
DUとCU-UPとがサイドリンク通信プロトコルの機能のアダプティブスプリットをサポートしている場合、CU-CPはサポートされている機能のスプリットの1つを選択して設定することもできる。サポートされる分割は、サイドリンク通信プロトコルによって異なる場合がある。たとえば、サポートされているサイドリンク通信プロトコルの1つだけが、すべてのサイドリンク通信を終端するDUをサポートしている場合がある。したがって、ステップ702は、そのようなサイドリンク通信プロトコル・スタックの選択を含むことができる。
【0084】
また、CU-CPは、アクセス・ノードとV2Xペイロードの転送のためのUPF/P-GWとの間に新しいPDUセッションを設定することができる。V2Vメッセージをキャプチャするための仮想UEのセットアップが完了すると、アクセス・ノードは、V2Xペイロードの転送を開始するためのすべての準備が完了したことを確認する。アクセス・ノードはAMFへのセットアップの完了を肯定応答することができ(ステップ810)、AMFはメッセージをNEFに転送することができる(ステップ812)。肯定応答において、AMFは、V2Vオフロードサービスがアクティブ化されたRANアクセス・ノードのリストをNEFに示すことができる。NEFは、ステップ814において、肯定応答をアプリケーション・サーバに転送する。
【0085】
サイドリンク通信プロトコル・スタックが設定されると、DUは、サイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介してV2Xメッセージを受信する準備が整う(ブロック704)。ブロック706において、DUは受信したV2XメッセージからV2Xペイロードを抽出し、サイドリンク通信プロトコルのすべてのヘッダを除去する。ブロック708で、DUはV2XペイロードをIPデータグラムにカプセル化し、IPヘッダをIPデータグラムに追加する。アプリケーション・サーバのIPアドレスは、IPデータグラム内の宛先アドレスとして追加される可能性がある。その後、IPデータグラムはDUからアプリケーション・サーバに向けて送信される。IPデータグラムは、最初にF1-Uインタフェースを介してCU-UPに送信され、CU-UPは単にN3インタフェースを介してUPFにパケットを転送し、さらにアクセス・ノードとUPF/P-GWの間で確立されたPDUセッションを介してアプリケーション・サーバに転送することができる。
【0086】
図8は、サイドリンク通信の機能がDUとCU-UPの間で分割される場合の、
図5Aおよび
図5Bの実施形態のためのシグナル図を示している。
図8を参照すると、DUはサイドリンク通信プロトコル・スタックの最下位プロトコル層を多数操作し、サイドリンク通信プロトコル・スタックの最上位プロトコル層以上を操作するCU-UPとV2Xメッセージを通信する。CU-UPは、サイドリンク通信プロトコル・スタックの最上位プロトコル層を多数操作し、サイドリンク通信プロトコル・スタックの最下位プロトコル層以上を動作するDUとV2Xメッセージを通信する。
【0087】
図8において、
図7と同じ参照番号で示される動作は、同じまたは実質的に同様の動作を表す。したがって、サイドリンク通信のセットアップは、上述の原理にしたがうことができる(ステップ700および800)。唯一の違いは、CU-CPが複数の方法で機能の分割を設定することである、例えば、サイドリンク通信プロトコル・スタックの少なくとも1つのプロトコル層をDUおよびCU-UPの各々に設定することであり得る(ステップ800)。上述したように、DUは少なくともサイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層通信を管理することができ、CU-UPは少なくともサイドリンク通信プロトコル・スタックの最上位プロトコル層を管理することができる。物理層を介してV2Xパケット(ブロック704)を受信すると、DUは受信メッセージから、DUによってサポートされる最上位プロトコル層(ブロック802)のヘッダ、例えば、
図5Aの実施形態におけるRLCまたは
図5Bの実施形態におけるLLCのヘッダまで、V2Xペイロードを抽出することができる。その後、DUはこのようにして封止されたV2XペイロードをGTP-Uメッセージに抽出し、ステップ804でGTP-UパケットをCU-UPに送信することができる。ステップ804でGTP-Uメッセージを受信すると、CU-UPOはV2Xペイロードとサイドリンク通信プロトコル・スタックの残りのヘッダを抽出し(ブロック806)、ヘッダ内のアプリケーション・サーバの宛先アドレスを持つIPヘッダをV2Xペイロードに追加し、IPデータグラムをアプリケーション・サーバに送信する(ステップ708および710)。
【0088】
すなわち、DUはサイドリンク通信プロトコル・スタックの物理層を介してV2Xメッセージを受信し、受信した車両から全部メッセージから、DUがサポートするサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最上位プロトコル層までのヘッダを抽出し、これにより受信した車両から全部メッセージのペイロードを抽出し、F1-Uインタフェースを介してCU-UPにペイロードを送信する。CU-UP はペイロードを受信し、受信したペイロードから、CU-UPによってサポートされているサイドリンク通信プロトコル・スタックのプロトコル層のサブセットの最上位プロトコル層までのサイドリンク通信プロトコル・スタックの残りのヘッダを抽出する。したがって、V2XアプリケーションデータをV2Xペイロードとして抽出し、新しい(IP)ヘッダをペイロードに追加し、新しいヘッダを含むペイロードをアプリケーション・サーバに送信する。
【0089】
図9は、各種(アップリンク)メッセージを処理するときのアクセス・ノードの動作の流れ図を示す。
図9の処理は、DU、CU-UP、またはgNBのアクセス・ノード一般によって実行されることができる。
図9を参照すると、アクセス・ノードの無線モデムによってメッセージが受信される(ブロック900)。メッセージのプロトコル・ヘッダがチェックされ、メッセージ・タイプがブロック902で識別される。メッセージがセルラ接続のために(Uu)インタフェースを介して受信される場合、プロセスはブロック904に進み、PDCPおよびSDAPヘッダを含むセルラフレームの適切なヘッダが除去される。その後、メッセージは、N3インタフェース内の適切なGTPトンネルまたはポートに送信され得る(ブロック710)。
【0090】
メッセージがサイドリンク無線インタフェースを介して受信される場合、プロセスは、V2Xフレームの適切なヘッダが除去されるブロック906に進むことができる。サイドリンク無線インタフェースがPC5インタフェースの場合、削除されるヘッダにはPDCP、SDAP、およびPC5ヘッダが含まれることがある。サイドリンク無線インタフェースが802.11の場合、削除されるヘッダにはDSRCヘッダとTCP/UDPヘッダが含まれることがある。その後、IPヘッダは抽出されたV2Xペイロード(ブロック708)に追加される。ここで、宛先IPアドレスは、コア・ネットワークを越えて存在する可能性があるアプリケーション・サーバのIPアドレスである。その後、メッセージは、N3インタフェース内の適切なGTPトンネルまたはポートに送信され得る(ブロック710)。
【0091】
DUが複数のサイドリンク通信プロトコル・スタックをサポートする実施形態では、別個のPDUセッションおよび別個のGTPトンネルが各サイドリンク通信プロトコル・スタックに対して、例えば、PC5無線モデムに対して1つ、802.11pインタフェースに対して1つ確立されることができる。このような場合、DUはV2Xペイロードが受信された無線インタフェースの識別子を、V2Xペイロードを運ぶ各アップリンクメッセージに追加することができる。その結果、CU-UPはV2XメッセージをN3インタフェースの適切なPDUセッションまたはGTPトンネルにマッピングすることができる。
【0092】
DUが複数のサイドリンク通信プロトコル・スタックをサポートする実施形態では、異なるサイドリンク通信プロトコル・スタックがDUとCU-UPとの間で異なる機能分割を使用するように構成されることができる。例えば、PC5インタフェースは
図5Aに準拠することができ、802.11インタフェースは、
図6Bの実施形態に準拠する。別の例として、第1のPC5インタフェースは
図5Aに準拠することができ、別のPC5インタフェースは、
図6Aの実施形態に準拠する。さらに別の例として、CUに接続された1つのDUは
図5Aの実施形態に準拠し、CUに接続された別のDUは、
図5Bの実施形態に準拠する。このような実施形態では、DUがV2Xペイロードを運ぶ各アップリンクメッセージに、V2Xメッセージが処理された無線通信プロトコル・スタックを示す識別子を追加することができる。このようなマーキングは、同じCUに接続された異なるタイプのDUの共存を可能にする。
【0093】
受信したメッセージがIPメッセージである場合、例えば、サイドリンクを終端するDUからCU-UPによって受信された場合、プロセスはブロック902からブロック710に直接進むことができる。
【0094】
図10は、少なくとも1つのプロセッサまたは処理回路30と、コンピュータ・プログラム・コード(ソフトウェア)44を含む少なくとも1つの記憶デバイス40とを備える装置を示し、少なくとも1つの記憶デバイスおよびコンピュータ・プログラム・コード(ソフトウェア)は、少なくとも1つのプロセッサとともに、それぞれの装置に上述の実施形態のいずれか1つを実行させるように構成される。装置は上述したように、アクセス・ノード機能と、V2XメッセージおよびV2Xペイロードを通信するための機能とを実装することができる。装置は、アクセス・ノードを備えてもよく、またはアクセス・ノードを備えてもよく、またはアクセス・ノードに適用可能であることができる。
図10の装置は、電子デバイスであることができる。
【0095】
図10を参照すると、メモリ40は、半導体ベースの記憶デバイス、フラッシュメモリ、磁気記憶デバイスおよびシステム、光記憶デバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得る。メモリは設定パラメータ、例えば、V2Xメッセージ用のサイドリンク通信プロトコル・スタックの機能分割を記憶するための設定データベース46を含むことができる。
【0096】
この装置は、1つ以上の通信プロトコルにしたがって通信接続性を実現するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む通信インタフェース42をさらに備えることができる。アクセス・ノードの機能に関して、通信インタフェース42は、無線インタフェースを介して端末デバイスとの通信能力を装置に提供することができる。したがって、通信インタフェースは、例えば、Uuインタフェースなど無線インタフェースの機能の少なくとも一部をサポートすることができる。さらに、通信インタフェース42は、アクセス・ノードがRANの他のネットワークノードおよび/またはセルラ通信システムのコア・ネットワーク、例えばUPFおよびAMFと通信する他のインタフェースの機能の少なくとも一部をサポートすることができ、上述したように、アクセス・ノードにおけるサイドリンク通信の機能に関しては、通信インタフェースがサイドリンク通信プロトコル・スタックの上述したプロトコル層の少なくとも一部を実装することができる。通信インタフェースは、アプリケーション・サーバへのインタフェース、例えば、IP、UDP、GTP-Uのためのプロトコル層をさらに確立することができる。したがって、通信インタフェースは、そのような通信を実施するために必要なデジタルおよびアナログコンポーネントを備えることができる。
【0097】
処理回路30は、アクセス・ノード機能、例えば、装置を備えるアクセス・ノードによる端末デバイスサーバとのRRC接続の確立および動作を管理する回路38を備えることができる。回路38は、アクセス・ノードに利用可能な無線資源を管理するRRC回路36を備えることができる。RRC回路は、無線リソースをアクセス・ノード機能38のみに割り当てることができるが、V2X機能32には割り当てることができない。仮想UEがV2X伝達を実行するように構成されている実施形態でさえもできない。
【0098】
処理回路は、V2X機能、例えば、上述の実施形態によるV2Xペイロードを搬送するメッセージの受信、処理、および送信を実行する回路32、をさらに備えることができる。回路32は、コア・ネットワークとの間でV2Xメッセージを通信するためのPDUセッション確立および管理を実行するように構成されたPDUセッション管理回路33を備えることができる。回路32は、V2Xメッセージを受信および/または送信し、V2Xメッセージを処理するようにインタフェース42を構成するV2Xメッセージ処理回路34をさらに備えることができる。回路34は、例えば、ブロック704の実施形態にしたがって、キャプチャされたメッセージの転送ポリシーを決定するように構成された転送ポリシーチェック回路35を備えることができる。その決定は、例えば、アプリケーション・サーバのIPアドレスのための構成データベース46へのアクセスを含むことができる。
【0099】
実施形態において、
図10の装置の少なくともいくつかの機能は2つの物理的に分離した装置、例えば、DUとCU-UPの間で共有される。したがって、この装置は、例えば、DU、CU-CPおよびCU-UPに関して説明されているプロセスの少なくとも一部を実行するための、1つ以上の物理的に分離したデバイスから成る稼働主体を描写することができる。この装置は、ハードウェアとソフトウェアのネットワークリソースとネットワーク機能性を組み合わせた仮想ネットワークを、単一のソフトウェアベースの管理エンティティである仮想ネットワークを生成することができる。この仮想ネットワークは、コア・ネットワーク、無線アクセス・ネットワーク、アプリケーション・サーバ、および/または端末デバイスの物理リソースを使用することができる。換言すれば、実施の観点から実現可能と考えられる場合には、計算の一部または全部を端末デバイスにも外部委託することができる。ネットワーク仮想化には、プラットフォーム仮想化が含まれる場合があり、多くの場合、リソース仮想化と組み合わされる。ネットワーク仮想化は、多くのネットワークまたはネットワークの一部をサーバコンピュータまたはホストコンピュータに結合する外部仮想ネットワークとして分類される場合がある。外部ネットワーク仮想化は、最適化されたネットワーク共有を対象としている。別のカテゴリは、単一システム上のソフトウェア容器にネットワークのような機能を提供する内部仮想ネットワークである。
【0100】
本出願で使用されるように、「回路」という用語は、
(a)アナログおよび/またはデジタル回路のみにおける実装のようなハードウェアのみの回路実装、および
(b)(適用可能なものとして)回路およびソフトウェア(および/またはファームウェア)の組み合わせ、例えば、(i)プロセッサ(複数可)または(ii)デジタル信号プロセッサ(複数可)、ソフトウェア、および記憶デバイス(複数可)を含むプロセッサ(複数可)の部分の組み合わせ、デバイスに様々な機能を実行させるように協働するソフトウェア、および(複数可)記憶デバイス、ならびに
(c)ソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しない場合であっても、動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサ(複数可)またはマイクロプロセッサ(複数可)の部分のような回路のすべてを指す。
「回路」のこの定義は、本出願におけるこの用語の全ての使用に適用される。さらなる例として、本出願で使用されるように、「回路」という用語は、単にプロセッサ(または複数のプロセッサ)、またはプロセッサの一部、およびその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装をも包含する。用語「回路」はまた、例えば、特定の要素、ベースバンド集積回路、または携帯電話のためのアプリケーションプロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラネットワークデバイス、または別のネットワークデバイス内の同様の集積回路に適用可能である場合には、それらを包含する。
【0101】
一実施形態では、
図3~9に関連して記載されたプロセスの少なくともいくつかは、記載されたプロセスの少なくともいくつかを実行するための対応する手段を備える装置によって実行されることができる。プロセスを実行するためのいくつかの例示的な手段は、検出器、プロセッサ(デュアルコアおよびマルチコアプロセッサを含む)、デジタルシグナルプロセッサ、コントローラ、受信機、送信機、エンコーダ、デコーダ、記憶デバイス、RAM、ROM、ソフトウェア、ファームウェア、ディスプレイ、ユーザインタフェース、ディスプレイ回路、ユーザインタフェース回路、ユーザインタフェースソフトウェア、ディスプレイソフトウェア、回路、アンテナ、アンテナ回路、および回路のうちの少なくとも1つを含み得る。一実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ、記憶デバイス、およびコンピュータ・プログラム・コードは、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つによる1つまたは複数の動作を実行するための処理手段を形成するか、または1つまたは複数のコンピュータ・プログラム・コード部分を備える。
【0102】
さらに別の実施形態によれば、実施形態を実行する装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを含む少なくとも1つの記憶デバイスとを含む回路を備える。回路は、起動されると、
図3~
図9の実施形態のうちのいずれか1つによる機能、またはその動作のうちの少なくともいくつかを装置に実行させる。
【0103】
本明細書で説明される技法および方法は、様々な手段によって実装され得る。例えば、これらの技法は、ハードウェア(1つまたは複数のデバイス)、ファームウェア(1つまたは複数のデバイス)、ソフトウェア(1つまたは複数のモジュール)、またはそれらの組み合わせで実装され得る。ハードウェア実装の場合、実施形態の装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ内で実装され得る。ファームウェアまたはソフトウェアの場合、実施は本明細書に記載する機能を実行する少なくとも1つのチップセット(例えば、手順、機能など)のモジュールを介して実行することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって実行されることができる。メモリユニットは、プロセッサ内で、またはプロセッサの外部で実現することができる。後者の場合、当技術分野で知られているように、様々な手段を介してプロセッサに通信可能に結合することができる。さらに、本明細書で説明されるシステムの構成要素は、それに関して説明される様々な態様などの達成を容易にするために、追加の構成要素によって再配置および/または補完されることができ、それらは、当業者によって理解されるように、所与の図で説明される正確な構成に限定されない。
【0104】
説明した実施形態は、コンピュータ・プログラムまたはその一部によって定義されるコンピュータプロセスの形態で実行することもできる。
図3~
図9に関連して説明した方法の実施形態は、対応する命令を含むコンピュータ・プログラムの少なくとも一部を実行することによって実行することができる。コンピュータ・プログラムは、ソース・コード形成、オブジェクト・コード形成、または何らかの中間形成であることができ、プログラムを運ぶことができる任意のエンティティまたはデバイスであることができる何らかの種類の搬送波に記憶されることができる。例えば、コンピュータ・プログラムは、コンピュータまたはプロセッサによって読み取り可能なコンピュータ・プログラム配布媒体に格納することができる。コンピュータ・プログラム媒体は、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ、電気搬送波信号、電気通信信号、およびソフトウェア配信パッケージであることができるが、これらに限定されない。コンピュータ・プログラム媒体は例えば、一時的でない媒体であることができる。ここに示され、説明されたような実施形態を実行するためのソフトウェアのコード化は、十分に当業者の範囲内である。一実施形態では、コンピュータ可読媒体が前記コンピュータ・プログラムを含む。
【0105】
本発明は添付の図面による例を参照して上述されたが、本発明はそれに限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内でいくつかの方法で修正され得ることが明らかである。したがって、すべての単語および発現は広く解釈されるべきであり、それらは、実施形態を限定するためではなく、例示することを意図している。当業者には、技術が進歩することにつれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることが明らかであろう。さらに、記載された実施形態は様々な方法で他の実施形態と組み合わせることができるが、必ずしもそう必要はないことが、当業者には明らかである。