(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】釣竿用リールシート及び釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/06 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
A01K87/06 B
(21)【出願番号】P 2020180265
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓司
(72)【発明者】
【氏名】中畑 美徳
(72)【発明者】
【氏名】手代木 秀章
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-089310(JP,A)
【文献】特開2018-068227(JP,A)
【文献】特開2020-127414(JP,A)
【文献】特開2019-176777(JP,A)
【文献】特開2019-180271(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0040463(US,A1)
【文献】実開平01-058887(JP,U)
【文献】特開2016-021314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール脚が載置されるリール脚載置部と、係止溝を有する円筒状部と、が形成されたリールシート本体と、該円筒状部の係止溝に係止される係止突起を内面に有し、該円筒状部の外面に載置されるスクリュー部材と、内面で該スクリュー部材に螺合可能にされ、該リールシートの軸線方向に沿って移動可能に構成された筒状の移動フードと、を備えることを特徴とする、釣竿用リールシート。
【請求項2】
前記スクリュー部材は、樹脂材料で形成される、請求項1に記載の釣竿用リールシート。
【請求項3】
前記リールシート本体は、繊維強化樹脂材料で形成される、請求項1又は2に記載の釣竿用リールシート。
【請求項4】
前記スクリュー部材には、前記円筒状部の外面へ載置を行うためのスリットが設けられている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項5】
前記スリットは、前記スクリュー部材の少なくとも端部に形成されている、請求項4に記載の釣竿用リールシート。
【請求項6】
前記スリットは、前記スクリュー部材の延伸方向に沿って形成されている、請求項
4に記載の釣竿用リールシート。
【請求項7】
前記係止溝と前記係止突起は、直線状又は湾曲状に形成されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項8】
前記係止溝と前記係止突起は、それぞれ複数設けられる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項9】
前記係止溝の最大深さは、0.2-0.8mmである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項10】
前記係止突起の最大高さは、0.2-0.8mmである、請求項1から9までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシートを備えた釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿にリールを固定するための釣竿用リールシート及びこれを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿にリールを固定するための釣竿用リールシートとして、リールシート本体に外装される筒状の可動フードを備えたものが知られている。このようなリールシートでは、リールシート本体の上側又は下側にリール脚を載置するためのリール脚載置部が形成され、左右両側にはそれぞれ案内溝が形成される。
【0003】
このようなリールシートは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1では、釣り竿に形成した固定フードと、釣り竿のネジ部に対し、その内ネジ部を螺合させた回転型の可動フードとで、リールの脚部の両端部を支持するリールシートを構成すると共に、前記脚部の端部が嵌め込まれる部位における前記可動フードの内周面に対し、前記脚部の端部を案内するネジ状の案内溝を形成し、この内周面における前記内ネジ部の軸芯に沿った方向で前記固定フードが位置する側とは反対側位置に前記内ネジ部の軸芯の直交、若しくは、略直交する姿勢に、前記脚部の端縁と接触可能な接当面を形成してある釣り竿が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、補強繊維に熱硬化性合成樹脂を含侵して一体に形成しかつ軸方向に平坦部を設けた竿管に、リール取付脚の固定フードと移動フードを進退する雄螺子を別個に一体に固定し、前記雄螺子に螺合した緊締環に移動フードを回動自在に係着し、該移動フードには前記平坦面に当接する回り止め部を設けた釣竿が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実全平04-088269号公報
【文献】実全昭61-158161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、射出成型、一体成形及び切削加工のいずれにおいても、強度を維持するため、リールシート本体やスクリュー部の肉厚が必要となり、全体の重量が増加してしまうという問題があった。また、切削加工を行う場合、加工し難い部材を複雑な形状に加工する必要があるため、加工難度が高くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リール脚を確実に固定できる、リールシート本体に簡易かつ確実に固定可能なスクリュー部材を設けた釣竿用リールシート及びこれを備えた釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートは、リール脚が載置されるリール脚載置部と、係止溝を有する円筒状部と、が形成されたリールシート本体と、該円筒状部の係止溝に係止される係止突起を内面に有し、該円筒状部の外面に載置されるスクリュー部材と、内面で該スクリュー部材に螺合可能にされ、該リールシートの軸線方向に沿って移動可能に構成された筒状の移動フードと、を備えるように構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記スクリュー部材は、樹脂材料で形成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記リールシート本体は、繊維強化樹脂材料で形成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記スクリュー部材には、前記円筒状部の外面へ載置を行うためのスリットが設けられている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記スリットは、前記スクリュー部材の少なくとも端部に形成されている。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記スリットは、前記スクリュー部材の延伸方向に沿って形成されている。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記係止溝と前記係止突起は、直線状又は湾曲状に形成されている。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記係止溝と前記係止突起は、それぞれ複数設けられるように構成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記係止溝の最大深さは、0.2-0.8mmであるように構成される。
【0017】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、前記係止突起の最大高さは、0.2-0.8mmであるように構成される。
【0018】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかの釣竿用リールシートを備えるよう構成される。
【発明の効果】
【0019】
上記実施形態によれば、リール脚を確実に固定できる、リールシート本体に簡易かつ確実に固定可能なスクリュー部材を設けた釣竿用リールシート及びこれを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの円筒状部に設けるスクリュー部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0022】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2に釣竿用リールシート9を介して取り付けられたリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、釣竿用リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0023】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0024】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0025】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、釣竿用リールシート9に装着されるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられるが、詳細は省略する。
【0026】
次に、
図2を参照して、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9について説明する。本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9は、魚釣用リール6のリール脚6aが載置されるリール脚載置部12aをその軸方向に沿って有するリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、全体として筒状に形成されている。リールシート本体12は、例えば、60-160mmの長さを有するよう構成できるが、これに限られない。
【0027】
また、このリールシート本体12は、リール脚載置部12aの反対側を僅かに膨出させ、握持する手で握り込んだときに、母指球またはその近部を支えることで握持し易い湾曲形状の外面を有する握り部12bを形成してある。
【0028】
リールシート本体12には、他端(竿先側)に移動フード22が軸方向に移動自在に装着される。本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9の詳細は後述する。
【0029】
次に、
図3、4を参照して、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9についてさらに説明する。前述のように、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9は、魚釣用リール6のリール脚6aが載置されるリール脚載置部12aをその軸方向に沿って有するリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、全体として筒状に形成されている。また、リールシート本体12は、合成樹脂(例えばポリアミド系合成繊維やABS樹脂等)あるいは金属(例えばSUS、アルミニウム、チタン、真鍮等)等の適宜の材料から形成されている。
【0030】
リールシート本体12のリール脚載置部12aは、平坦または、リールシート本体12のリール脚載置部12aに隣接する他の周方向の部位(例えば握り部12b)よりも大きな曲率をもって略平坦に形成され、かつ、
図2および
図3に示す
上側にリールシート本体12の軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体12は、一端(竿先側)に固定フード14が一体的に配設されている。リールシート本体12のリール脚載置部12aの一端は、固定フード14の内部に配設されている。
【0031】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9は、リール脚6aが載置されるリール脚載置部12aと、係止溝8を有する円筒状部11と、が形成されたリールシート本体12と、該円筒状部11の係止溝8に係止される係止突起16を内面に有し、該円筒状部11の外面に載置されるスクリュー部材17と、内面で該スクリュー部材17に螺合可能にされ、該リールシート9の軸線方向に沿って移動可能に構成された筒状の移動フード22と、を備えるように構成される。
【0032】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9によれば、リール脚を確実に固定できる、リールシート本体に簡易かつ確実に固定可能なスクリュー部材を設けた釣竿用リールシートを提供することが可能となる。
【0033】
より具体的には、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9によれば、係止溝が閉じた溝構造を採用しているため、スクリュー部材をリールシート本体に固定後、遊動フードによるリール脚固定時にスクリュー部材や遊動フードが軸方向への移動や抜けを効果的に防止することが可能となる。ここで、リールシート本体に係止溝を設け、スクリュー部材に係止突起を設ける構成を前提として記載したが、リールシート本体に係止突起を設け、スクリュー部材に係止溝を設けるようにしてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該スクリュー部材17は、樹脂材料で形成される。当該スクリュー部材17の材料として、例えば、ABS、ナイロン又はCFRPを用いることができるが、これらに限られない。
【0035】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該リールシート本体12は、繊維強化樹脂材料で形成される。当該リールシート本体12の材料として、例えば、ABS、ナイロン又はCFRPを用いることができるが、これらに限られない。
【0036】
図4bに示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、前記スクリュー部材17には、当該円筒状部11の外面へ載置を行うためのスリット18が設けられている。より具体的には、スクリュー部材17をリールシート本体12に取り付ける(挿入する)際に、スリット18が拡径することで、スクリュー部材17の円筒状部11への取付けを簡易に行うことが可能となる。なお、スリット18の態様は様々に考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0037】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該スリット18は、当該スクリュー部材17の少なくとも端部に形成されている。このようにして、スクリュー部材17の円筒状部11への取付けを容易に行うことができるだけでなく、スクリュー部材17全体として強度を保持することができる。なお、円筒状部11にスクリュー部材17を取り付けることにより、円筒部材11とスクリュー部材17とが一体となり、スクリュー部材17が軽量化等の目的で薄肉化されても強度を保持可能である。また、スクリュー部材17の最小厚さ(d)は、0.2mm-0.5mmの範囲とすることができるが、当該範囲に限られない。
【0038】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該スリット18は、当該スクリュー部材17の延伸方向に沿って形成されている。このようにして、係止突起が形成されたスクリュー部材でもリールシート本体に簡易に取り付けることが可能となる。
【0039】
次に、
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の係止突起16の詳細について説明する。
【0040】
図5aは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の一態様を示すものである。図示のように、3つの円形の係止突起が直線状に配置され、合計3列の突起群が形成されている。図示しないが、これらの係止突起と係合するリールシート本体12の円筒状部11の係止溝8が同様に設けられる。ここで、スリット18がスクリュー部材17の下端に設けられており、図示の例では完全に切り欠かれているが、スリット18の延伸方向でみていずれかの端部のみにスリット18を設けるようにしてもよい。
【0041】
図5bは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の一態様を示すものである。図示のように、係止突起が直線状に形成され、合計3列の直線状の突起群が形成されている。図示しないが、これらの係止突起と係合するリールシート本体12の円筒状部11の係止溝8が同様に設けられる。ここで、同様に、スリット18がスクリュー部材17の下端に設けられており、図示の例では完全に切り欠かれているが、スリット18の延伸方向でみていずれかの端部のみにスリット18を設けるようにしてもよい。
【0042】
次に、
図5cは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の一態様を示すものである。図示のように、係止突起がスクリュー部材17の延伸方向(軸方向)に対して傾斜しかつ湾曲状に形成されている。図示しないが、これらの係止突起と係合するリールシート本体12の円筒状部11の係止溝8が同様に設けられる。ここで、同様に、スリット18がスクリュー部材17の下端に設けられており、図示の例では完全に切り欠かれているが、スリット18の延伸方向でみていずれかの端部のみにスリット18を設けるようにしてもよい。
【0043】
次に、
図5dは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の一態様を示すものである。図示のように、係止突起がスクリュー部材17の周方向に沿ってほぼ1周するように形成され、このような係止突起が合計2列形成され突起群を構成している。図示しないが、これらの係止突起と係合するリールシート本体12の円筒状部11の係止溝8が同様に設けられる。ここで、同様に、スリット18がスクリュー部材17の下端に設けられており、図示の例では完全に切り欠かれているが、スリット18の延伸方向でみていずれかの端部のみにスリット18を設けるようにしてもよい。
【0044】
さらに、
図5eは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけるスクリュー部材17の一態様を示すものである。図示のように、係止突起が直線状に1列形成されている。図示しないが、これらの係止突起と係合するリールシート本体12の円筒状部11の係止溝8が同様に設けられる。ここで、同様に、スリット18がスクリュー部材17の下端に設けられており、図示の例では完全に切り欠かれているが、スリット18の延伸方向でみていずれかの端部のみにスリット18を設けるようにしてもよい。
【0045】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該係止溝8と当該係止突起16は、直線状又は湾曲状に形成されている。また、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該係止溝8と当該係止突起16は、それぞれ複数設けられるように構成される。これらが複数設けられる場合、形状や寸法がそれぞれ異なるように形成しても構わない。
【0046】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該係止溝8の最大深さは、0.2-0.8mmであるように構成される。
【0047】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該係止突起16の最大高さは、0.2-0.8mmであるように構成される。
【0048】
本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかの釣竿用リールシート9を備えるよう構成される。
【0049】
本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、リール脚を確実に固定できる、リールシート本体に簡易かつ確実に固定可能なスクリュー部材を設けた釣竿用リールシートを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【0050】
次に、再度
図2、3を参照して、釣竿用ハンドル部材20について簡単に説明する。ここで、釣竿用ハンドル部材20とは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9のリールシート本体12と、該リールシート本体12に隣接して形成されたグリップ4を含むものとする。なお、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9と、該グリップ4を含めて釣竿用ハンドル部材20と呼んでも構わない。
【0051】
図示のように、釣竿用ハンドル部材20において、リール脚6bが載置されるリール脚載置部12aが形成されたリールシート本体12と、該リールシート本体12に接続されるグリップ4とが一体成形されるよう構成してもよい。
【0052】
また、
図4a、4bを参照して、既述の釣竿用ハンドル部材20について説明する。図示のように、釣竿用ハンドル部材20において、該釣竿用ハンドル部材は中空に形成してもよい。ここで、当該釣竿用ハンドル部材20は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成されるよう構成される。また、該釣竿用ハンドル部材20の材料として、CFRTP(連続繊維)、CFRTP(不連続繊維)又はハイブリッドで形成するようにしてもよい。
【0053】
また、
図4a、4bに示すように、釣竿用ハンドル部材20において、釣竿用竿体3の端部13が、該リールシート本体12の一方の端部であって、該グリップ4とは反対側の端部に取付けられるよう構成される。
【0054】
ここで、釣竿用竿体3の端部13の釣竿用ハンドル部材20への取付方法は、例えば、勘合(圧入)、接着又は締結が考えられる、これらに限られない。ここで挙げた取付方法により、竿体とハンドル部材の着脱がより容易となるといった利点がある。
【0055】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
4 グリップ
5 中竿
6 リール
6a リール脚
7 穂先竿
8 係止溝
9 釣竿用リールシート
10 釣糸ガイド
11 筒状部
12 リールシート本体
12a リール脚載置部
13 端部
14 固定フード
16 係止突起
17 スクリュー部材
18 スリット
20 釣竿用ハンドル部材
22 移動フード