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特許7365322排気ガス浄化機構及び廃棄物の熱処理装置
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  • 特許-排気ガス浄化機構及び廃棄物の熱処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】排気ガス浄化機構及び廃棄物の熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/38 20060101AFI20231012BHJP
   B01D 53/96 20060101ALI20231012BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20231012BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20231012BHJP
   B01D 15/02 20060101ALI20231012BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20231012BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20231012BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20231012BHJP
【FI】
B01D53/38 ZAB
B01D53/96
B01D53/78
B01D15/00 G
B01D15/02 103
A61L9/014
B09B3/35
B09B3/40
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020206058
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022093006
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-237527(JP,A)
【文献】特開2015-150521(JP,A)
【文献】特開平10-019238(JP,A)
【文献】国際公開第2010/076853(WO,A1)
【文献】特開2015-123442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D53/00-53/96
A61L9/00-9/22
B09B1/00-5/00
B01D15/00-15/42
B01D47/00-47/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤(1)を添加して廃棄物(2)の熱処理時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽(3)と、前記吸着剤(1)を引き出して賦活する加熱再生槽(4)とを有し、再生した吸着剤(1)を排気ガス浄化水槽(3)に戻すようにし、前記加熱再生槽(4)の排気ガスも排気ガス浄化水槽(3)に吹き込んで浄化するようにし、前記排気ガス浄化水槽(3)で吸着剤(1)を流動状態とするようにしたことを特徴とする排気ガス浄化機構。
【請求項2】
吸着剤(1)を添加して廃棄物(2)の熱処理時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽(3)と、前記吸着剤(1)を引き出して賦活する加熱再生槽(4)とを有し、再生した吸着剤(1)を排気ガス浄化水槽(3)に戻すようにし、前記加熱再生槽(4)の排気ガスも排気ガス浄化水槽(3)に吹き込んで浄化するようにし、前記排気ガス浄化水槽(3)に電解水を送るようにしたことを特徴とする排気ガス浄化機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の排気ガス浄化機構と、熱処理機構(9)を備え、前記熱処理機構(9)は廃棄物(2)の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解するようにした廃棄物の熱処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の排気ガス浄化機構と、熱処理機構(9)を備え、前記熱処理機構(9)は廃棄物(2)を間欠的に投入して熱分解するようにした廃棄物の熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排気ガス浄化機構及び廃棄物の熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりも効率良く分解することが出来る排気ガス浄化機構に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、この排気ガス浄化機構は、排水中の汚れ物質を吸着する活性炭吸着槽と槽内流動機構とを有し、前記活性炭吸着槽に電解水を供給すると共に、前記活性炭吸着槽内で槽内流動機構により排水と活性炭とを流動させるようにしたものである。
そして、槽内が流動することにより一定の場所に停滞する部位が減少して電解水の洗浄作用を万遍なく活性炭に及ぼすことが出来るので、従来よりも効率良く吸着物を洗浄再生することができる、というものである。
これに対し、排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行いたいという要望が出てきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-123442
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができる排気ガス浄化機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の排気ガス浄化機構は、吸着剤を添加して廃棄物の熱処理時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽と、前記吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽とを有し、再生した吸着剤を排気ガス浄化水槽に戻すようにし、前記加熱再生槽の排気ガスも排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化するようにしたことを特徴とする。
この排気ガス浄化機構は、吸着剤を添加して廃棄物の熱処理時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽を有するので、廃棄物の熱処理時の排気ガスを、排気ガス浄化水槽に添加した吸着剤によって吸着・浄化することが出来る。
【0006】
また、前記吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽を有するので、吸着剤が排気ガスによって累積汚染されてくると加熱再生槽に引き出して賦活することが出来る。
さらに、再生した吸着剤を排気ガス浄化水槽に戻すようにしたので、(2)排気ガスによって累積汚染された吸着剤を再生して排気ガス浄化水槽で再利用することが出来る。
そして、前記加熱再生槽の排気ガスも排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化するようにしたので、(1)吸着剤の賦活時に発生する加熱再生槽の排気ガスを排気ガス浄化水槽に吹き込んで、(3)廃棄物の熱処理時の排気ガスと一緒に浄化することが出来る。
【0007】
ここで、前記廃棄物(処理の対象物)として、大型の廃プラスチック類 例えば食品・食器類のラップ・フィルム(EVA)の不良品の廃ロールやウレタン・フォーム品の廃板材、またPETボトルなどを破砕・粉砕した廃プラスチック片、さらに脱水汚泥(含水率40~80%)などを例示することが出来る。
前記吸着剤として、活性炭を例示することが出来る。前記吸着剤の加熱再生槽の処理として、例えば900℃に加熱・昇温して所定時間をかけ賦活することが出来る。前記加熱再生槽の排気ガスは、排気ガス浄化水槽(の下方)に曝気して(気泡として)吹き込むことが出来る。
吸着剤を添加する排気ガス浄化水槽は、固定床として濾過吸着処理することもできるし、流動床として吸着処理することも出来る(請求項2参照)。
吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽は、吸着剤との間の隔壁を介して、(LNGやLPG)ガス・バーナーの熱風を吹き込んで加熱したり、電気ヒーター(例えばセラミック・ヒーター)により周囲から加熱したりすることが出来る。
【0008】
(2)前記排気ガス浄化水槽で吸着剤を流動状態とするようにしてもよい。
このように、排気ガス浄化水槽で吸着剤を流動状態(槽中での吸着剤粒子の浮遊状態など)とするようにすると、吸着剤を固定床(SV値により規制される)とした場合によりも排水との接触時間が長くとれるようになるので(例えばバッチ式処理)、その分 排気ガス浄化水槽中の排気ガス成分の吸着・除去性を向上させることが出来る。
【0009】
(3)前記排気ガス浄化水槽に電解水を送るようにしてもよい。
このように、排気ガス浄化水槽に(電解装置で生成させた)電解水(例えば塩化物イオンCl-の共存下で電気分解して生成する電解HOCl含有水)を送るようにすると(例えば循環)、排気ガス浄化水槽中の汚れ成分や排気ガスの汚れ成分に酸化作用を及ぼして酸化分解し浄化することが出来る。
【0010】
また、排気ガス浄化水槽の表面から揮発した排気ガスに電解水をシャワー(噴霧)してトラップして気相から液相に戻し、再度 排気ガスに酸化分解作用を及ぼすようにすることが出来る。
ここで、排気ガス中に臭気成分がある場合として、インドール、スカトール、メチルメルカプタン、硫化水素等の成分を例示でき、これらを排気ガス浄化水槽内の電解水の酸化分解作用により脱臭・浄化することが出来る。
【0011】
(4)この廃棄物の熱処理装置は、前記いずれかに記載の排気ガス浄化機構と、熱処理機構を備えるようにしてもよい。
このように、前記排気ガス浄化機構と、熱処理機構を備えるようにした廃棄物の熱処理装置によると、熱処理機構の排気ガスを大気中に開放して環境汚染するとなく排気ガス浄化機構で浄化しつつ廃棄物を熱処理することが出来る。
前記熱処理の種類として、廃棄物の乾燥処理、廃棄物の熱分解炭化処理、廃棄物の焼却処理を例示することが出来る。具体的には、廃棄物の含有水分の乾燥、廃棄物の600~900℃等での炭化(無酸素や窒素雰囲気下で熱分解)、廃棄物の火炎による燃焼(有酸素で焼却)を例示することが出来る。
ここで、熱処理装置において廃棄物の乾燥処理や廃棄物の熱分解炭化処理の場合は有機物から揮発した可燃性ガス(比較的に低温から気化し排気ガス浄化機構で処理する)が発生し、廃棄物の火炎による燃焼の場合は有機物の燃焼ガス(CO2、H2O、N2)が発生する。
【0012】
(5)前記熱処理機構は廃棄物の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解するようにしてもよい。
このように、熱処理機構は廃棄物の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解(例えば600~900℃に加熱)するように(設定)すると、廃棄物を破砕・粉砕して細分化することにより効率的に炭化することが出来る。
ここで、熱処理機構に廃棄物の破砕・粉砕物を連続的に供給し所定量を投入した後に一旦閉じて(該機構内への空気の出入りを遮断して)、間欠的に熱分解するようにすることもできる。
前記廃棄物として、PETボトルを破砕・粉砕した廃プラスチック片などを例示することが出来る。
【0013】
(6)前記熱処理機構は廃棄物を間欠的に投入して熱分解するようにしてもよい。
このように、熱処理機構は廃棄物を間欠的に投入して熱分解(例えば600~900℃に加熱)するように(設定)すると、大型の廃棄物でも投入した後に一旦閉じて、(該機構内への空気の出入りを遮断して)バッチ式で適宜時間をかけて炭化することが出来る。また、熱処理機構の内部で廃棄物を細分化するようにすることも出来る。
前記廃棄物として、食品・食器類のラップ・フィルム(EVA)の不良品の廃ロールや、ウレタン・フォーム品の廃板材などを例示することが出来る。
【0014】
(7)前記熱処理機構の熱処理時の内圧により排気ガスを排気ガス浄化機構に送るようにしてもよい。
このように、熱処理機構の熱処理時の内圧により排気ガスを排気ガス浄化機構に送るようにすると、該機構では熱処理時に内部で気体が熱膨張して内圧が掛かるので排気ガスを排気ガス浄化機構に送るのにポンプを要らなくすることが出来る。
【発明の効果】
【0015】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
吸着剤の賦活時に発生する加熱再生槽の排気ガスを排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化することができ、排気ガスによって累積汚染された吸着剤を再生して排気ガス浄化水槽で再利用することができると共に、廃棄物の熱処理時の排気ガスと一緒に加熱再生槽の排気ガスも浄化することができるので、排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができる排気ガス浄化機構を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の廃棄物の熱処理装置の実施形態1を説明するシステム・フロー図。
図2】この発明に係る熱処理機構の実施形態2を説明する正面視の断面図。
図3】この発明に係る熱処理機構の実施形態2を説明する平面視の断面図。
図4】この発明の廃棄物の熱処理装置の実施形態3を説明するシステム・フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
〔実施形態1〕
図1に示すように、この実施形態の排気ガス浄化機構は、吸着剤1を添加して、廃棄物2の熱処理時の排気ガス(後述)を浄化する排気ガス浄化水槽3を有する。具体的には、排気ガス浄化水槽3の右側の配管で上方から下方に向けて吸着剤1を添加するようにしている。前記吸着剤1として、活性炭を用いた。
また、前記吸着剤1を引き出して賦活する加熱再生槽4を有する。前記吸着剤1の加熱再生槽4の処理として、900℃に加熱・昇温して所定時間(3時間)をかけ賦活した。前記加熱再生槽4の排気ガスは、排気ガス浄化水槽3の下方(下端から四分の一くらいの位置)に曝気して気泡5として吹き込んだ。
【0018】
排気ガス浄化水槽3の下端から配管で吸着剤1を引き出して賦活する加熱再生槽4は(引き出した吸着剤1を、配管を介して上端から投入する)、吸着剤1との間の隔壁を介して電気ヒーター6(セラミック・ヒーター)により周囲から加熱するようにしている。ここで、前記隔壁間にLNGガス・バーナーの熱風を吹き込んで加熱することも出来る。そして、再生した吸着剤1を、排気ガス浄化水槽3の右側の配管を介して上方から下方に向けて戻すようにしている。
前記加熱再生槽4の排気ガスも、排気ガス浄化水槽3の下方(下端から四分の一くらいの位置)に曝気して気泡5として吹き込んで浄化するようにしている。
最終的に、浄化された排気ガスは活性炭濾過機構を介して大気開放するようにしている。なお、図中 LBPはルーツブロワーポンプを意味する。
【0019】
吸着剤1を添加する排気ガス浄化水槽3は、流動床(槽中での吸着剤1粒子が浮遊状態)として吸着処理した。具体的には、前記排気ガス浄化水槽3で吸着剤1を流動状態とするようにした。
このように、排気ガス浄化水槽3で吸着剤1を流動状態としたので、吸着剤1を固定床とした場合によりも排水との接触時間が長くとれるようになり、その分 排気ガス浄化水槽3中の排気ガス成分の吸着・除去性を向上させることが出来た。なお、固定床(SV値により規制される)として濾過吸着処理することもできる。
【0020】
前記排気ガス浄化水槽3に、電解水を送るようにした。すなわち、排気ガス浄化水槽3に、電解装置7で生成させた電解水(塩化物イオンCl-の共存下で電気分解して生成する電解HOCl含有水)を送るようにしており(排気ガス浄化水槽3と電解装置との間で循環させた)、排気ガス浄化水槽3中の汚れ成分や排気ガスの汚れ成分に酸化作用を及ぼして酸化分解し浄化することが出来た。
また、排気ガス浄化水槽3の表面から揮発した排気ガスに電解水をシャワー8(噴霧)してトラップして気相から液相に戻し、再度 排気ガスに酸化分解作用を及ぼすようにした。
【0021】
この廃棄物の熱処理装置は、排気ガス浄化機構と熱処理機構9を備えるようにした。前記廃棄物2として、PETボトルを破砕・粉砕した廃プラスチック片を処理した。この熱処理機構9は、吸着剤1を引き出して賦活する加熱再生槽4と同じ構造とした。ここで、加熱再生槽4では吸着剤1を引き出して賦活するものであり、廃棄物の熱処理装置はPETボトルを破砕・粉砕した廃プラスチック片を熱分解して炭化するようにしている。
このように、前記排気ガス浄化機構と、熱処理機構9を備えるようにした廃棄物の熱処理装置により、熱処理機構9の排気ガスを大気中に開放して環境汚染するとなく排気ガス浄化機構で浄化しつつ廃棄物2を熱処理することが出来た。
【0022】
前記熱処理の種類として、廃棄物2の乾燥処理、廃棄物2の熱分解炭化処理を行った。具体的には、廃棄物2の含有水分の乾燥、廃棄物2の600~900℃での炭化(無酸素や窒素雰囲気下で熱分解)を行った。
熱処理装置において、廃棄物2の乾燥処理や廃棄物2の熱分解炭化処理では有機物から揮発した可燃性ガスが発生した。比較的に低温から気化し、排気ガス浄化機構で処理した。
【0023】
前記熱処理機構9は、廃棄物2の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解するようにしている。このように、熱処理機構9は廃棄物2の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解(600~900℃に加熱)するようにしたので、廃棄物2を破砕・粉砕して細分化することにより効率的に炭化することが出来た。
なお、排気ガス中に臭気成分がある場合として、インドール、スカトール、メチルメルカプタン、硫化水素等の成分があり、これらを排気ガス浄化水槽内の電解水の酸化分解作用により脱臭・浄化することが出来る。
【0024】
次に、この実施形態の排気ガス浄化機構の使用状態を説明する。
この排気ガス浄化機構は、吸着剤1を添加して廃棄物2の熱処理時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽3を有するので、廃棄物2の熱処理時の排気ガスを、排気ガス浄化水槽3に添加した吸着剤1によって吸着・浄化することが出来た。
【0025】
また、前記吸着剤1を引き出して賦活する加熱再生槽4を有するので、吸着剤1が排気ガスによって累積汚染されてくると加熱再生槽4に引き出して賦活することが出来た。
さらに、再生した吸着剤1を排気ガス浄化水槽3に戻すようにしたので、排気ガスによって累積汚染された吸着剤1を再生して排気ガス浄化水槽3で再利用することが出来た。
【0026】
そして、前記加熱再生槽4の排気ガスも排気ガス浄化水槽3に吹き込んで浄化するようにしたので、吸着剤1の賦活時に発生する加熱再生槽4の排気ガスを排気ガス浄化水槽3に吹き込んで、廃棄物2の熱処理時の排気ガスと一緒に浄化することが出来た。
以上のように、吸着剤1の賦活時に発生する加熱再生槽4の排気ガスを排気ガス浄化水槽3に吹き込んで浄化することができ、排気ガスによって累積汚染された吸着剤1を再生して排気ガス浄化水槽3で再利用することができると共に、廃棄物2の熱処理時の排気ガスと一緒に加熱再生槽4の排気ガスも浄化することができるので、排気ガスの浄化と共に吸着剤1の再生を効率的に行うことができた。
【0027】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図2及び図3に示すように、この実施形態では、熱処理機構9の熱分解炉10に廃棄物2の破砕・粉砕物を連続的に供給して熱分解するようにした。
具体的には、熱風発生装置11により1,200℃の火炎フレームを発生させ、熱分解炉の下方に熱風を送り込んで全体を600℃雰囲気とした。この熱分解炉内には火炎フレーム自体は全く届かない構造としており、廃棄物2の燃焼・焼却は起こらない。
【0028】
また、5mm3以下くらいに粉砕された廃棄物2(PETボトルを破砕・粉砕した廃プラスチック片)の粉砕原料を、モータM(図示左上)で駆動されるスクリューコンベアによって、熱分解炉の内部の網12の上に連続的に供給されるようにしている。粉砕された廃棄物2は、モータM(図示上方)により回転駆動される上下三連の十字状の回転羽根13により撹拌されつつ、網の下方から吹き上げられる熱風(600℃)にさらされて熱分解されて炭化される。
【0029】
最終の炭化物は、モータM(図示右下)で駆動されるスクリューコンベアによって、排出されるようにしている。
そして、排気ガスは、電気ヒーターにより加熱される900℃ゾーンを介してダイオキシン成分があっても熱分解され、次工程の排気ガス浄化水槽3に送られて浄化されることとなる。
【0030】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、この実施形態では、熱処理機構9は廃棄物2を熱分解炉10内の網12の上に間欠的に投入・載置し蓋を閉めて、熱風発生装置11により900℃の火炎フレームを発生させ、熱分解(無酸素や窒素雰囲気下で炭化)させるようにした。
この熱分解炉内には、火炎フレーム自体は全く届かない構造としており、廃棄物2の燃焼・焼却は起こらない。廃棄物2として、ウレタン・フォーム品の廃板材を処理した。
熱処理機構9は、廃棄物2を間欠的に投入して熱分解(600~900℃に加熱)するようにしており、大型の廃棄物2でも投入した後に一旦閉じて、該機構内への空気の出入りを遮断して、バッチ式で適宜時間をかけて炭化することが出来た。網12の間から落下した炭化物は、熱分解炉10の下端から取り出せるようにした。
【0031】
そして、前記熱処理機構9の熱処理時の内圧により排気ガスを排気ガス浄化機構の排気ガス浄化水槽3に送るようにした。このように、熱処理機構9の熱処理時の内圧により排気ガスを排気ガス浄化機構に送るようにしたので、熱処理機構では熱処理時に内部で気体が熱膨張して内圧が掛かり、排気ガスを排気ガス浄化機構に送るのにポンプを要らなくすることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0032】
排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができることによって、排気ガス浄化機構の用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 吸着剤
2 廃棄物
3 排気ガス浄化水槽
4 加熱再生槽
9 熱処理機構
図1
図2
図3
図4