(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】架橋ゴム組成物及びそれを用いたゴム製品
(51)【国際特許分類】
C08L 23/26 20060101AFI20231012BHJP
C08K 5/098 20060101ALI20231012BHJP
C08K 5/14 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
C08L23/26
C08K5/098
C08K5/14
(21)【出願番号】P 2020559244
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(86)【国際出願番号】 JP2019048223
(87)【国際公開番号】W WO2020122054
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2018231248
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 尚
(72)【発明者】
【氏名】森本 莉恵
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/047029(WO,A1)
【文献】特開2000-026674(JP,A)
【文献】特開平05-084330(JP,A)
【文献】特開平04-122771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン含量が40質量%以上70質量%以下のエチレン-α-オレフィンエラストマーのカルボン酸変性物を主体とするゴム成分と、α,β-不飽和有機酸金属塩と、を含有する架橋ゴム組成物。
【請求項2】
請求項1に記載された架橋ゴム組成物において、
前記カルボン酸変性物のカルボン酸変性が無水マレイン酸変性を含む架橋ゴム組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された架橋ゴム組成物において、
前記エチレン-α-オレフィンエラストマーにおけるα-オレフィン含量が30質量%以上50質量%以下である架橋ゴム組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
前記エチレン-α-オレフィンエラストマーにおけるエチレン含量のα-オレフィン含量に対する比が40/60以上70/30以下である架橋ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
前記エチレン-α-オレフィンエラストマーがエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体を含む架橋ゴム組成物。
【請求項6】
請求
項5に記載された架橋ゴム組成物において、
前記エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体のジエン成分がエチリデンノボルネンであり、且つ前記エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体のENB含量が1.9質量%以上7.4質量%以下である架橋ゴム組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
前記α,β-不飽和有機酸金属塩がジメタクリル酸亜鉛を含む架橋ゴム組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
前記α,β-不飽和有機酸金属塩の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、3質量部以上50質量部以下である架橋ゴム組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
前記ゴム成分は、有機過酸化物が用いられて架橋している架橋ゴム組成物。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載された架橋ゴム組成物で摺動部分が形成されたゴム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋ゴム組成物及びそれを用いたゴム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品に用いられる架橋ゴム組成物として、カルボン酸変性されたエチレン-α-オレフィンエラストマーをゴム成分とするものが知られている。例えば、特許文献1には、エチレン含量が10~60モル%であり且つカルボン酸で変性されたエチレン・プロピレン共重合体をゴム成分とする架橋ゴム組成物が開示されている。特許文献2には、エチレン含量が40~99モル%であり且つ不飽和カルボン酸で変性されたエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体をゴム成分とする架橋ゴム組成物が開示されている。特許文献3には、エチレン:プロピレンのモル比=30:70である無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体をゴム成分とする架橋ゴム組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5049422号公報
【文献】国際公開第2009/123228号
【文献】特開2010-202784号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明は、エチレン含量が40質量%以上70質量%以下のエチレン-α-オレフィンエラストマーのカルボン酸変性物を主体とするゴム成分と、α,β-不飽和有機酸金属塩とを含有する架橋ゴム組成物である。
【0005】
本発明は、本発明の架橋ゴム組成物で摺動部分が形成されたゴム製品である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ジメタクリル酸亜鉛の含有量とtanδ(100℃)との関係を示すグラフである。
【
図2】ジメタクリル酸亜鉛の含有量と貯蔵弾性係数G’(100℃)との関係を示すグラフである。
【
図3】ジメタクリル酸亜鉛の含有量と硬さとの関係を示すグラフである。
【
図4】ジメタクリル酸亜鉛の含有量と100%伸び時における引張応力M
100との関係を示すグラフである。
【
図5】ジメタクリル酸亜鉛の含有量と引張強さT
Bとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0008】
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、エチレン含量が40質量%以上70質量%以下のエチレン-α-オレフィンエラストマーのカルボン酸変性物(以下「エラストマーA」ともいう。)を主体とするゴム成分と、α,β-不飽和有機酸金属塩とを含有する。
【0009】
実施形態に係る架橋ゴム組成物によれば、ゴム成分の主体がエラストマーAであり、且つα,β-不飽和有機酸金属塩を含有することにより、低tanδを得ることができる。したがって、これで摺動部分が形成されたゴム製品では、動的使用における発熱を抑制することができる。
【0010】
ここで、ゴム成分は、エラストマーAを主体として含むので、その含有量が50質量%よりも多い。ゴム成分におけるエラストマーAの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。なお、ゴム成分は、エラストマーA以外のエチレン-α-オレフィンエラストマーを含んでいてもよく、また、その他のクロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H-NBR)等を含んでいてもよい。
【0011】
エラストマーAの基本骨格のエチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体(以下「EPR」という。)、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(以下「EPDM」という。)、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・ブテン共重合体等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上のエチレン-α-オレフィンエラストマーを基本骨格とするエラストマーAを含むことが好ましく、EPR及びEPDMのうちの少なくとも一方を基本骨格とするエラストマーAを含むことがより好ましく、EPDMを基本骨格とするエラストマーAを含むことが更に好ましい。
【0012】
エラストマーAの基本骨格のエチレン-α-オレフィンエラストマーにおけるエチレン含量は、40質量%以上70質量%以下であって、低tanδを得る観点から、好ましくは51質量%以上66質量%以下、より好ましくは53質量%以上57質量%以下である。エラストマーAの基本骨格のエチレン-α-オレフィンエラストマーにおけるα-オレフィン含量は、低tanδを得る観点から、好ましくは30質量%以上50質量%以下、より好ましくは35質量%以上45質量%以下である。エチレン含量のα-オレフィン含量に対する比(エチレン含量/α-オレフィン含量)は、低tanδを得る観点から、好ましくは40/60以上70/30以下、より好ましくは50/50以上60/40以下である。
【0013】
エラストマーAの基本骨格のエチレン-α-オレフィンエラストマーがEPDMを含む場合、そのジエン成分としては、例えば、エチリデンノボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げられる。ジエン成分は、これらのうちのエチリデンノボルネン(ENB)が好ましい。この場合、EPDMにおけるENB含量は、低tanδを得る観点から、好ましくは1.9質量%以上7.4質量%以下、より好ましくは4.5質量%以上5.5質量%以下である。
【0014】
エラストマーAにおけるカルボン酸変性としては、例えば、無水マレイン酸変性、マレイン酸変性、無水イタコン酸変性、イタコン酸変性、フマル酸変性、メタクリル酸変性、アクリル酸変性等が挙げられる。エラストマーAにおけるカルボン酸変性は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、低tanδを得る観点から、無水マレイン酸変性を含むことがより好ましい。
【0015】
ゴム成分は、分子間が架橋しているが、架橋剤として有機過酸化物が用いられて架橋していてもよく、また、架橋剤として硫黄が用いられて架橋していてもよく、さらに、それらが併用されて架橋していてもよい。また、ゴム成分は、電子線等が用いられて架橋していてもよい。ゴム成分は、低tanδを得る観点から、これらのうち架橋剤として有機過酸化物が用いられて架橋していることが好ましい。この場合、架橋前の未架橋ゴム組成物における有機過酸化物の配合量は、低tanδを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以上4.0質量部以下である。
【0016】
α,β-不飽和有機酸金属塩におけるα,β-不飽和有機酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、エタクリル酸、ビニル-アクリル酸、イタコン酸、メチルイタコン酸、アコニチン酸、メチルアコニチン酸、クロトン酸、アルファ-メチルクロトン酸、桂皮酸、2、4-ジヒドロキシ桂皮酸等が挙げられる。α,β-不飽和有機酸金属塩における金属としては、例えば、亜鉛、カドミウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム等が挙げられる。α,β-不飽和有機酸金属塩は、これらのうちの1種又は2種以上のα,β-不飽和有機酸と金属との組み合わせの塩を含むことが好ましく、低tanδを得る観点から、ジメタクリル酸亜鉛を含むことがより好ましい。
【0017】
実施形態に係る架橋ゴム組成物におけるα,β-不飽和有機酸金属塩の含有量は、低tanδを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上50質量部以下、より好ましくは5質量部以上40質量部以下であり、優れた耐摩耗性を得る観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。
【0018】
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、その他に、例えば、カーボンブラックや短繊維などの補強材、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進助剤、加硫促進剤等のゴム配合剤を含有していてもよい。
【0019】
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、低tanδであることから、動的使用における発熱を抑制することができるので、ゴム製品の摺動部分を形成するのに好適であり、具体的には、例えば伝動ベルトのプーリ接触面を形成するのに適している。
【0020】
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、ニーダー、バンバリーミキサー、オープンロール等のゴム混練機を用いて、ゴム成分及びα,β-不飽和有機酸金属塩、並びにその他のゴム配合剤を混練して未架橋ゴム組成物を調製し、その未架橋ゴム組成物を所定温度及び所定圧力で架橋させることにより得ることができる。
【実施例】
【0021】
[試験評価1]
(架橋ゴム組成物)
以下の実施例1~5及び比較例1~5のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。それぞれの構成は表1にも示す。
【0022】
<実施例1>
EPDM(Nordel IP 4640 Dow Chemical社製 エチレン含量:55質量%、プロピレン含量:40質量%、ENB含量:4.9質量%)に無水マレイン酸変性処理を施し、その無水マレイン酸変性EPDMをゴム成分として用い、このゴム成分100質量部に対して、ジメタクリル酸亜鉛(アクターZMA 川口化学社製)を5質量部、及び架橋剤の有機過酸化物(パークミルD 日本油脂社製、ジクミルパーオキサイド)を2.7質量部配合して混練した未架橋ゴム組成物を調製した。そして、この未架橋ゴム組成物をプレス成形することによりシート状の架橋ゴム組成物を得た。得られたシート状の架橋ゴム組成物を実施例1とした。
【0023】
<実施例2~5>
ジメタクリル酸亜鉛の配合量を、ゴム成分100質量部に対して、それぞれ20質量部、30質量部、40質量部、及び50質量部としたことを除いて、実施例1と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を得た。これらをそれぞれ実施例2~5とした。
【0024】
<比較例1~5>
無水マレイン酸変性EPDMに代えて、ゴム成分として酸変性していないEPDM(Nordel IP 4640 Dow Chemical社製)を用いたことを除いて、実施例1~5と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を得た。これらをそれぞれ比較例1~5とした。
【0025】
【0026】
(試験方法)
<動的粘弾性>
実施例1~5及び比較例1~5のそれぞれについて、JIS K6394:2007に基づいて、100℃でのtanδ(100℃)及び貯蔵弾性係数G’(100℃)を測定した。
【0027】
<硬さ>
実施例1~5及び比較例1~5のそれぞれについて、JIS K6253-3:2012に基づいて、タイプAデュロメータにより硬さを測定した。
【0028】
<引張特性>
実施例1~5及び比較例1~5のそれぞれについて、JIS K6251:2010に基づいて、25℃での100%伸び時における引張応力M100及び引張強さTBを測定した。
【0029】
【0030】
これらによれば、
図1より、酸変性したEPDMを用いた実施例1~5は、酸変性していないEPDMを用いた比較例1~5と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、tanδ(100℃)が低いことが分かる。また、その差は、ジメタクリル酸亜鉛の含有量がゴム成分100質量部に対して40質量部以下では、その含有量とともに拡大するが、40質量部よりも大きくなると、縮小する傾向が認められる。
【0031】
図2より、酸変性したEPDMを用いた実施例1~5は、酸変性していないEPDMを用いた比較例1~5と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、貯蔵弾性係数G’(100℃)が高いことが分かる。これも、tanδ(100℃)の場合と同様、その差は、ジメタクリル酸亜鉛の含有量がゴム成分100質量部に対して40質量部以下では、その含有量とともに拡大するが、40質量部よりも大きくなると、縮小する傾向が認められる。
【0032】
図3~5より、酸変性したEPDMを用いた実施例1~5は、酸変性していないEPDMを用いた比較例1~5と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、硬さ、100%伸び時における引張応力M
100、及び引っ張り強さT
Bが高いことが分かる。その差は、ジメタクリル酸亜鉛の含有量とともに縮小する傾向が認められる。
【0033】
[試験評価2]
(架橋ゴム組成物)
以下の実施例6~8及び比較例6~8のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。それぞれの構成は表2にも示す。
【0034】
<実施例6>
EPDM(Nordel IP 4640 Dow Chemical社製 エチレン含量:55質量%、プロピレン含量:40質量%、ENB含量:4.9質量%)に無水マレイン酸変性処理を施し、その無水マレイン酸変性EPDMをゴム成分として用い、このゴム成分100質量部に対して、ジメタクリル酸亜鉛(M-CP 浅田化学工業社製)を15質量部、ステアリン酸を0.5質量部、酸化亜鉛を5質量部、及び架橋剤の有機過酸化物(パークミルD 日本油脂社製、ジクミルパーオキサイド)を3.2質量部配合して混練した未架橋ゴム組成物を調製した。そして、この未架橋ゴム組成物をプレス成形することによりシート状の架橋ゴム組成物を得た。得られたシート状の架橋ゴム組成物を実施例6とした。
【0035】
<実施例7及び8>
ジメタクリル酸亜鉛の配合量を、ゴム成分100質量部に対して、それぞれ25質量部及び35質量部としたことを除いて、実施例1と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を得た。これらをそれぞれ実施例7及び8とした。
【0036】
<比較例6~8>
無水マレイン酸変性EPDMに代えて、ゴム成分として酸変性していないEPDM(Nordel IP 4640 Dow Chemical社製)を用いたことを除いて、実施例6~8と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を得た。これらをそれぞれ比較例6~8とした。
【0037】
【0038】
(試験方法)
<動的粘弾性・引張特性>
実施例6~8及び比較例6~8のそれぞれについて、[試験評価1]と同様にして、100℃でのtanδ(100℃)及び貯蔵弾性係数G’(100℃)、並びに25℃での100%伸び時における引張応力M100及び引張強さTBを測定した。また、引張特性については、切断時伸びEBも測定した。
【0039】
<耐摩耗性>
実施例6~8及び比較例6~8のそれぞれについて、JIS K6264-2:2005に基づくDIN摩耗試験により比摩耗体積を測定した。
【0040】
(試験結果)
試験結果を表2に示す。表2より、試験評価1と同様、酸変性したEPDMを用いた実施例6~8は、酸変性していないEPDMを用いた比較例6~8と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、tanδ(100℃)が低いことが分かる。また、酸変性したEPDMを用いた実施例6~8は、酸変性していないEPDMを用いた比較例6~8と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、貯蔵弾性係数G’(100℃)が高いことが分かる。
【0041】
酸変性したEPDMを用いた実施例6~8は、酸変性していないEPDMを用いた比較例6~8と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、100%伸び時における引張応力M100、及び引っ張り強さTBが高いことが分かる。
【0042】
酸変性したEPDMを用い且つゴム成分のEPDM100質量部に対するジメタクリル酸亜鉛の含有量が30質量部以下である実施例6及び7は、酸変性していないEPDMを用いた比較例6及び7と比較して、ジメタクリル酸亜鉛の含有量が同じ場合、比摩耗体積が小さく、耐摩耗性が優れることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、架橋ゴム組成物及びそれを用いたゴム製品の技術分野について有用である。