(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】血小板由来成長因子受容体アルファの遺伝的異常に関連する癌の治療のための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアおよびアナログの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4375 20060101AFI20231012BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20231012BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231012BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231012BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
A61K31/4375 ZMD
A61K31/4188
A61K45/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61P35/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164421
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2019566831の分割
【原出願日】2017-05-30
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519425235
【氏名又は名称】デシフェラ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】フリン,ダニエル・エル
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン,マイケル・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ブライアン・ディー
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-506948(JP,A)
【文献】米国特許第08461179(US,B1)
【文献】特表2015-520186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回または2回投与するための、医薬。
【請求項2】
前記腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、またはPDGFRαの発癌性の遺伝子増幅のうちの一つまたは複数により引き起こされる、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現によって引き起こされる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
腫瘍増殖または腫瘍進行が、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異またはPDGFRαの発癌性の欠失突然変異により引き起こされる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項5】
腫瘍増殖または腫瘍進行が、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成またはPDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失により引き起こされる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項6】
腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項7】
前記腫瘍が、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項8】
前記腫瘍が、グリア芽腫である、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項9】
前記腫瘍が、消化管間質腫瘍である、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項10】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を、単剤として含む、または癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、化学療法剤、または他の癌標的治療剤である、一つまたは複数の追加的治療剤と組み合わせて含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項11】
前記追加的治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、
インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンからなる群から選択される請求項10に記載の医薬。
【請求項12】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(MEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF05082566;OX40アゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40アゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aからなる群から選択される、請求項10に記載の医薬。
【請求項13】
前記追加的治療剤がテモゾロミドである、請求項11に記載の医薬。
【請求項14】
方法が、電離放射線を与えることをさらに含む、請求項1に記載の医薬。
【請求項15】
方法が、テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項1に記載の
医薬。
【請求項16】
前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体からなる群から選択される、請求項10に記載の医薬。
【請求項17】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回投与するための、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項18】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に2回投与するための、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項19】
PDGFRキナーゼを阻害する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回または2回投与するための、医薬。
【請求項20】
前記PDGFRキナーゼが、PDGFRαまたはPDGFRβである、請求項19に記載の医薬。
【請求項21】
癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、化学療法剤、および他の癌標的治療剤を含む、一つまたは複数の追加的治療剤をさらに含む、請求項19に記載の医薬。
【請求項22】
前記追加的治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、
ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンからなる群から選択される請求項21に記載の医薬。
【請求項23】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(以前にはMEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブ(PF05082566);OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893、HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aからなる群から選択される、請求項21に記載の医薬。
【請求項24】
前記追加的治療剤がテモゾロミドである、請求項21に記載の医薬。
【請求項25】
方法が、電離放射線を与えることをさらに含む、請求項19に記載の医薬。
【請求項26】
方法が、テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項19に記載の医薬。
【請求項27】
前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体からなる群から選択される、請求項21に記載の医薬。
【請求項28】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回投与するための、請求項19~27のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項29】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に2回投与するための、請求項19~27のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項30】
グリア芽腫を治療する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回または2回投与するための、医薬。
【請求項31】
癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、化学療法剤、および他の癌標的治療剤を含む、一つまたは複数の追加的治療剤をさらに含む、請求項30に記載の医薬。
【請求項32】
前記追加的治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール
、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンからなる群から選択される請求項31に記載の医薬。
【請求項33】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(以前にはMEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF 05082566;OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aからなる群から選択される、請求項31に記載の医薬。
【請求項34】
前記追加的治療剤がテモゾロミドである、請求項32に記載の医薬。
【請求項35】
方法が、電離放射線を与えることをさらに含む、請求項30に記載の医薬。
【請求項36】
方法が、テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項30に記載の医薬。
【請求項37】
前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体からなる群から選択される、請求項31に記載の医薬。
【請求項38】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回投与するための、請求項30~37のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項39】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に2回投与するための、請求項30~37のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項40】
PDGFRα介在性の消化管間質腫瘍を治療する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回または2回投与するための、医薬。
【請求項41】
癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、化学療法剤、および他の癌標的治療剤を含む、一つまたは複数の追加的治療剤をさらに含む、請求項40に記載の医薬。
【請求項42】
前記追加的治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、
ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンからなる群から選択される請求項41に記載の医薬。
【請求項43】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブのMEDI4736、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF05082566;OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、AMG382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aからなる群から選択される、請求項41に記載の医薬。
【請求項44】
前記追加的治療剤がテモゾロミドである、請求項42に記載の医薬。
【請求項45】
方法が、電離放射線を与えることをさらに含む、請求項40に記載の医薬。
【請求項46】
方法が、テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項40に記載の医薬。
【請求項47】
前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体からなる群から選択される、請求項41に記載の医薬。
【請求項48】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に1回投与するための、請求項40~47のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項49】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を150mgの量で一日に2回投与するための、請求項40~47のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項50】
PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩をテモゾロミドと組み合わせて投与するための、医薬。
【請求項51】
グリア芽腫を治療する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩をテモゾロミドと組み合わせて投与するための、医薬。
【請求項52】
PDGFRα介在性の消化管間質腫瘍を治療する方法に使用するための、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬であって、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩をテモゾロミドと組み合わせて投与するための、医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子的に提出されたテキストファイルの説明:
電子的に提出されたテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される:配列表のコンピュータ可読形式のコピー(ファイル名:DECP_073_00US_SeqList_ST25.txt、記録日:2017年5月30日、ファイルサイズ24キロバイト)。
【0002】
本開示は、癌の治療における、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたは1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアの使用に関する。具体的には、本開示は、PDGFRキナーゼを阻害する方法、および肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、好酸球性急性骨髄白血病(eosinophilia associated acute myeloid leukemia)、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫を含む、PDGFRキナーゼの阻害と関連する癌および障害を治療する方法を目的とする。
【背景技術】
【0003】
PDGFRαキナーゼの発癌性のゲノム変化、またはPDGFRαキナーゼの過剰発現は、ヒトの癌の原因となることが示されている。
【0004】
PDGFRαキナーゼのミスセンス突然変異は、GIST亜群の原因となることも示されている。PDGFRαの突然変異はおよそ8~10%のGISTで発癌の誘導要因となっている(Corless,Modern Pathology 2014;27:Sl-16)。PDGFRαの優性突然変異はエクソン18 D842Vであるが、D846Y、N848K、およびY849Kを含む他のエクソン18の突然変異、ならびにRD841-842KI、DI842-843-IM、およびHDSN845-848Pを含むエクソン18の挿入欠失突然変異(INDELs)も報告されている。さらに、PDGFRαのエクソン12および14には稀な突然変異も報告されている(Corless et al,J Clinical Oncology 2005;23:5357-64)。
【0005】
GISTにおいてPDGFRαのエクソン18の欠失突然変異であるΔD842-H845およびΔI843-D846が報告されている(Lasota et al,Laboratory Investigation 2004;84:874-83)。
【0006】
PDGRFαの増幅または突然変異は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)のヒト組織にも報告されている(Holtkamp et al,Carcinogenesis 2006;27:664-71)。
【0007】
PDGFRαの増幅は、未分化型多形性肉腫(Osio et al,J.Cutan
Pathol 2017;44:477-79)および内膜肉腫(Zhao et a
l,Genes Chromosomes and Cancer,2002;34:48-57;Dewaele et al,Cancer Res 2010;70:7304-14)の複数の皮膚病変で報告されている。
PDGFRαの増幅は肺癌患者の亜群と関連づけられている。4q12はPDGFRαの遺伝子座位を含有しており、肺腺腫の3~7%、肺扁平上皮細胞癌の8~10%で増幅されている(Ramos et al,Cancer Biol Ther.2009;8:2042---50;Heist et al,J Thorac Oncol.2012;7:924-33)。
【0008】
IDHタンパク質中の突然変異は新たな癌性代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸を産生し、これがTETファミリーの5’‐メチルシトシンヒドロキシラーゼを含む鉄依存性ヒドロキシラーゼと干渉する。TET酵素は、DNAメチル化の除去において重要な工程を触媒する。Flavahanらは、ヒトIDH突然変異型グリオーマが、DNAコヒーシン(cohesin)およびCCCTC結合因子(CTCF:CCCTC-binding factor)の結合部位で過剰メチル化を呈しており、それによりこのメチル化感受性の絶縁タンパク質の結合が損なわれていることを示した(Flavahan et al.,Nature 2016;529:110)。CTCF結合の低下は、トポロジー的なドメイン間の絶縁の消失および異常な遺伝子活性化と関連づけられている。具体的には、ドメイン境界でCTCFが消失することにより、構造エンハンサーが、重要なグリオーマ癌遺伝子である受容体チロシンキナーゼ遺伝子のPDGFRAと異常な相互作用をすることが可能となる。ゆえにIDHが変異した癌は、野生型PDGFRαの活性化および過剰発現を介して発癌性事象を介在しやすくなり得る。
【0009】
PDGFRα増幅は、小児および成人の高グレード星状細胞腫に普遍的であり、IDH1変異グリア芽腫において予後不良群を特定する。PDGFRα増幅は小児(29.3%)および成人(20.9%)の腫瘍において頻出していた。PDGFRα増幅は、IDH1変異デノボGBMにおいてグレードの上昇、そして特に、不良な予後と関連づけられることが報告されている(Phillips et al,Brain Pathology,2013;23:565-73)。
【0010】
このPDGFRα増幅グリオーマ中のPDGFRα座位は、PDGFRαのエクソン8,9の遺伝子内欠失再構成を呈することが示されている。この遺伝子内欠失は普遍的であり、PDGFRα増幅を呈する多形性グリア芽腫(GBM)の40%に存在する。この再構成を有する腫瘍は、乏突起膠腫の組織学的特性を呈し、PDGFRαエクソン8,9の遺伝子内欠失は、構造的なチロシンキナーゼ活性の上昇を示した(Ozawa et al,Genes and Development 2010;24:2205-18)。
【0011】
FIP1L1-PDGFRA融合タンパク質は、好酸球増多症候群を有する患者亜群において発癌性がある(Elling et al,Blood 2011;117;2935)。FIP1L1- PDGFRα 融合は、好酸球性急性骨髄性白血病、およびリンパ芽球性T細胞リンパ腫でも特定されている(Metzgeroth et al,Leukemia 2007;21:1183-88)。
【0012】
要約すると、PDGFRα遺伝子の突然変異、欠失、再構成および増幅は、多くの固形癌および血液癌と関連づけられている。PDGFRα遺伝子の複雑な機能と、様々な固形癌と血液癌の治療におけるPDGFRα阻害剤の潜在的な有用性を鑑みれば、良好な治療性能を有する阻害剤のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の一つの態様は、PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0014】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼを阻害する方法を目的とし、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0015】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼを阻害する方法、またはPDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療する方法に関する。当該方法は、その必要のある患者に対し、単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤と併用して、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、グリア芽腫を治療する方法を提供し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0017】
本発明の別の態様は、PDGFRα介在性の消化管間質腫瘍を治療する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0018】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0019】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼを阻害する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0020】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼを阻害する方法、またはPDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療する方法に関する。当該方法は、その必要のある患者に対し、単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤と併用して、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0021】
本発明のさらに別の態様は、グリア芽腫を治療する方法を提供し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0022】
本発明の別の態様は、PDGFRα介在性の消化管間質腫瘍を治療する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0023】
本発明の別の態様は、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア(化合物A)の経口投与後の、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレア(化合物B)のインビボ生合成的な形成に関する。
【0024】
本開示は、PDGFRキナーゼを阻害する方法、および肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫を含む、PDGFRキナーゼの阻害と関連する癌および障害を治療する方法を目的とする。
【0025】
本発明は、PDGFRαキナーゼ、PDGFRαの発癌性ミスセンス突然変異、PDGFRαの発癌性欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成、またはPDGFRα遺伝子の発癌性の増幅を阻害する方法も提供する。
【0026】
本発明は、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたは1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレアの使用方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1A~1Cは、PDGFRα増幅を呈するグリア芽腫を有する患者の脳のMRIスキャンを示す。
図1Aは、基準時の患者の脳のMRIスキャンを示す。
図1Bは、サイクル9後の腫瘍減少の証拠を示す。
図1Cは、サイクル12後の同じ脳のMRIスキャンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア(化合物A)および1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレア(化合物B)が予想外なことに野生型および発癌性タンパク質型のP
DGFRキナーゼを阻害することが判明した。本発明は、発癌性のPDGFRαキナーゼ介在性の腫瘍増殖または腫瘍進行を阻害することにより癌を治療する方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレア、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
定義
【0029】
本明細書において使用される場合、化合物Aおよび化合物Bとは、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア、および1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル1)-3-フェニルウレアを指す。化合物AおよびBの薬学的に許容可能な塩、互変異性体、水和物、および溶媒和物も本開示において予期される。化合物Aおよび化合物Bの構造を以下に示す:
【化1】
1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア(化合物A)
【化2】
1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレア(化合物B)
【0030】
化合物Aおよび化合物Bの製造方法は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれるUS8461179B1に開示されている。本発明の詳細は、以下の添付の記載において説明される。本明細書に記載されるものと類似した、または均等の方法および材料を、本発明の実施または検証に使用することができるが、ここでは実例としての方法および材料を記載する。本発明の他の特性、目的および利点は、明細書および請求の範囲から明らか
であろう。明細書および添付の請求の範囲において、文脈から別段であることが明白でない限り、単数形は複数形も含む。別段の規定がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって普遍的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0031】
本開示全体を通して、様々な特許、特許出願、および公表文献が参照される。これらの特許、特許出願および公表文献の開示内容はその全体で、本開示の日付において当分野の当業者に公知である当分野の状況をさらに詳細に解説するために、参照により本開示に組み込まれる。それら特許、特許出願および公表文献と本開示の間に何らかの不一致がある場合には、本開示が優先される。
【0032】
簡便性を目的として、本明細書、実施例および請求の範囲に採用される特定の用語を、ここに収集する。別段の規定がない限り、本開示で使用される全ての技術用語および科学用語は、本出願が属する分野の当業者によって普遍的に理解される意味と同じ意味を有する。本開示において提示される群または用語に対して提示される当初の定義は、別段の示唆が無い限り、本開示全体を通じて当該群または用語に対して個々に、または別の群の一部として適用される。
【0033】
「薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤」とは、ヒトまたは家畜における使用に許容可能であるとして、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)に承認された任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、色素/着色剤、香味剤、エンハンサー、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。「薬学的に許容可能な塩」としては、酸付加塩および塩基付加塩の両方が挙げられる。
【0034】
「薬学的に許容可能な酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的な有効性および特性を保持する塩を指し、それらは生物的なものでもなく、または別の意味でも望ましくないものでもなく、そして例えば限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成され、および例えば限定されないが、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、ショウノウ-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコへプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などなどの有機酸で形成される。
【0035】
「医薬組成物」とは、本発明の化合物と、生物学的に活性な化合物の哺乳類、例えばヒトへの送達に対し、当分野において一般的に受容されている媒の製剤を指す。ゆえにそのような媒としては、すべての薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤が挙げられる。
【0036】
本開示の化合物を用いた「治療を必要とする」対象または患者、または「PDGFRα
阻害を必要とする」患者としては、本開示化合物で治療し、有益な治療結果を得ることができる疾患および/または状態を有する患者が挙げられる。有益な転帰としては、客観的反応、無憎悪生存期間の延長、生存の上昇、安定的疾患状態の延長、および/または症状の重篤度の低下もしくは症状の発現の遅延が挙げられる。例えば治療を必要とする患者は、腫瘍増殖または腫瘍進行に苦しんでいる。当該患者は、限定されないが、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫などに罹患している。
【0037】
本明細書に開示される化合物の「有効量」(または「薬学的に有効な量」)は、本明細書で使用される場合、治療を行わない場合と比較して、当該化合物で治療された状態の有益な臨床的転帰がもたらされる量である。投与される化合物の量は、疾患または状態の程度、重篤度およびタイプ、所望される治療の量、ならびに医薬製剤の放出特性に依存するであろう。また、対象の健康状態、大きさ、重量、年齢、性別および薬剤に対する耐性にも依存するであろう。典型的には、化合物は、望ましい治療効果を実現するために充分な期間、投与される。
【0038】
「治療」、「治療する」および「治療すること」という用語は、「癌」を有する患者において、患者が罹患する腫瘍の増殖を予防する、および/または所与の治療に対し腫瘍が進行することを予防する意図をもって為される全ての範囲の介入を含むことを意味し、例えば、たとえ癌が実際には排除されなくとも、症状の内の一つまたは複数を軽減する、遅延させる、または反転させる、および癌の進行を遅延させる活性化合物の投与などがある。治療することは、障害を治癒、改善、または少なくとも部分的に向上させることであってもよい。
【0039】
本明細書に定義される「癌」とは、周囲の組織に浸潤する能力、転移する(他の臓器に拡散する)能力を有し、最終的には、もし治療しなかった場合に患者に死をもたらす新生物を指す。「癌」は、固形腫瘍または液状腫瘍であり得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、「腫瘍」とは塊を指す。これは、良性(一般的には無害)または悪性(癌性)の増殖を指す場合もあり得る用語である。悪性の増殖は、固形臓器または骨髄が起源であり得る。後者は多くの場合、液状腫瘍を指す。
【0041】
本明細書に定義される「腫瘍増殖」とは、PDGFRαキナーゼのゲノム改変により生じる塊の増殖を指す。
【0042】
本明細書に定義される「腫瘍進行」とは、既存のPDGFRα依存性の腫瘍の腫瘍増殖を指し、この場合において既存の塊の腫瘍増殖は、治療抵抗性のPDGFRαキナーゼのさらなるゲノム改変によって生じる。
【0043】
本発明の一つの態様は、PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレア(化合物A)またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0044】
一つの実施形態では、化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異、PDG
FRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/またはPDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる。一つの実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現によって引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRαの発癌性の遺伝子再構成により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる。
【0045】
別の実施形態では、化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において腫瘍増殖または腫瘍進行は、D842V突然変異PDGFRα、V561D突然変異PDGFRα、842~845欠失突然変異PDGFRαを含むエクソン18欠失突然変異PDGFRα、エクソン8、9のインフレーム欠失突然変異PDGFRα、FIP1L1- PDGFRαを含むPDGFRα融合またはPDGFRα増幅により引き起こされる。
【0046】
別の実施形態では、化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において当該癌は、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一つの実施形態では、癌はグリア芽腫である。別の実施形態では、癌は消化管間質腫瘍である。
【0047】
別の実施形態では、化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩は、単剤として癌患者に投与され、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤または化学療法剤と併用されて癌患者に投与される。
【0048】
本発明の別の態様は、PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法に関し、当該方法は、その必要のある患者に対し、1-(5-(7-アミノ-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルウレア(化合物B)またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む。
【0049】
一つの実施形態では、化合物Bまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/またはPDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる。一つの実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現によって引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRαの発癌性の遺伝子再構成により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失により引き起こされる。別の実施形態では、腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる。
【0050】
別の実施形態では、化合物Bまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において腫瘍増殖または腫瘍進行は、D842V突然変異PDGFRα、V561D突然変異PDGFRα、842~845欠失突然変異PDGFRαを含むエクソン18欠失突然変異PDGFRα、エクソン8、9のインフレーム欠失突然変異PDGFRα、FIP1L1-PDGFRαを含むPDGFRα融合またはPDGFRα増幅により引き起こされる。
【0051】
別の実施形態では、化合物Bまたはその薬学的に許容可能な塩は、癌患者に投与され、この場合において当該癌は、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一つの実施形態では、癌はグリア芽腫である。別の実施形態では、癌は消化管間質腫瘍である。別の実施形態では、化合物Bまたはその薬学的に許容可能な塩は、単剤として癌患者に投与され、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤または化学療法剤と併用されて癌患者に投与される。
医薬組成物および治療方法
【0052】
さらに本開示は、本開示の化合物、またはかかる化合物を含む医薬組成物の投与を含む治療方法を対象とすることに留意されたい。本明細書に記載される医薬組成物または医薬調製物は、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫を含む、様々な癌の治療に対し、本開示に従い使用され得る。
【0053】
本開示の治療方法で利用される化合物、ならびに当該化合物を含む医薬組成物は、単独で適切に投与されてもよく、または他の有益な化合物(本明細書の別段にさらに詳述される)の投与または使用を含む治療プロトコルまたは治療レジメンの一部として適切に投与されてもよい。
【0054】
一部の実施形態では、本発明は、化合物AまたはB、および一つまたは複数の追加的治療剤を含む薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物を使用する方法に関する。追加的治療剤としては限定されないが、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチ
ルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、およびバルルビシンが挙げられる。
【0055】
他の実施形態では、本発明は、化合物AまたはB、および一つまたは複数の追加的治療剤を含む薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物を使用する方法に関する。追加的治療剤としては限定されないが、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、例えば限定されないが、トラメチニブ、セルメチニブおよびコビメチニブ、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体が挙げられる。
【0056】
他の実施形態では、本発明は、化合物Aまたは化合物B、および一つまたは複数の追加治療剤の治療有効量を含む薬学的に許容可能な担体、を含有する医薬組成物に関するものであり、この場合において当該追加的治療剤は免疫チェックポイント阻害剤であり、そしてCTLA4阻害剤、例えば限定されないがイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤、例えば限定されないがペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤、例えば限定されないがアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、MEDI4736、アベルマブ、PDR001;4 1BBまたは4 1BBリガンドの阻害剤、例えば限定されないがウレルマブおよびPF-05082566;rOX40リガンドアゴニスト、例えば限定されないがMEDI6469;GITR阻害剤、例えば限定されないがTRX518;CD27阻害剤、例えば限定されないがバルリルマブ;TNFRSF25またはTL1A阻害剤;CD40アゴニスト、例えば限定されないがCP-870893;HVEMまたはLIGHTまたはLTAまたはBTLAまたはCD160の阻害剤;LAG3阻害剤、例えば限定されないがBMS-986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSまたはICOSリガンドのアゴニスト;B7 H3阻害剤、例えば限定されないがMGA271;B7 H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2またはTMIGD2阻害剤;BTNL2阻害剤を含むブチロフィリン(Butyrophilins)の阻害剤;CD244またはCD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤、例えば限定されないがリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤、例えば限定されないがIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R
阻害剤、例えば限定されないがエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382、BLZ945;IDO阻害剤、例えば限定されないがINCB024360;TGFβ阻害剤、例えば限定されないがガルニセルチブ;アデノシンまたはCD39またはCD73の阻害剤;CXCR4またはCXCL12の阻害剤、例えば限定されないがウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤、例えば限定されないがバビツキシマブ;SIRPAまたはCD47阻害剤、例えば限定されないがCC-90002;VEGF阻害剤、例えば限定されないがベバシズマブ;およびニューロピリン阻害剤、例えば限定されないがMNRP1685Aからなる群から選択される。
【0057】
本明細書に記載される化合物の医薬組成物の使用において、薬学的に許容可能な担体は固体または液体のいずれかであり得る。固体形態としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェー、および座薬が挙げられる。粉末および錠剤は、約5~約95パーセントの活性成分から構成されてもよい。適切な固体担体は当分野に周知である。例えば炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースがある。錠剤、粉末、カシェーおよびカプセルは、経口投与に適した固形剤型として使用され得る。薬学的に許容可能な担体の例、および様々な組成物の製造方法の例は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれるA.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Paに見出され得る。
【0058】
液状形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例えば、非経口注射用には水または水-プロピレングリコール溶液、または経口の溶液、懸濁液およびエマルション用には甘味剤および乳白剤の添加など。液状形態の調製物としては、鼻腔内投与用の溶液も挙げられる。
【0059】
液体、特に注射用組成物は、例えば、溶解、分散などにより調製され得る。例えば、開示される化合物は、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒に溶解されるか、または混合され、それによって注射用の等張溶液または懸濁液が形成される。アルブミン、カイロミクロン粒子、または血清タンパク質などのタンパク質を使用して、開示される化合物を可溶化することができる。
【0060】
非経口注射投与は一般的に皮下注射、筋肉内注射、または静脈内注射および点滴用に対して使用される。注射物質は、溶液もしくは懸濁液、または注射前に液体に溶解させることに適した固体の形態のいずれかの従来的な形態で調製されることができる。
【0061】
吸入に適したエアロゾル調製物も使用され得る。これらの調製物は、溶液、および粉末形態の固体を含んでもよく、それらは例えば窒素などの不活性圧縮ガスなどの薬学的に許容可能な担体と併用される場合がある。
【0062】
また、使用に関して、経口投与または非経口投与のいずれかを目的とした液状調製物に
使用直前に転換させることを意図した固形調製物も予期される。そのような液状形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
併用療法
【0063】
前述のように、本明細書に記載の化合物は、単独でまたは他の剤と組み合わせて使用されることができる。例えば化合物は、癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤と共に投与されることができる。別の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、単独で、または単数で使用されることができる。剤は、併用療法において本明細書に記載される化合物とともに、またはそれら化合物と連続して投与されることができる。
【0064】
併用療法は、二つ以上の剤を投与することにより実現することができ、その場合、それら剤の各々は別個に製剤化されて投与され、または単一の製剤中で二つ以上の剤を投与することで実現することができる。他の組み合わせも併用療法に包含される。例えば二つの剤を一緒に製剤化し、第三の剤を含有する別個の製剤と併せて投与されることができる。併用療法において二つ以上の剤は同時に投与されることができるが、必須ではない。例えば、第一の剤(または剤の組み合わせ)の投与は、数分、数時間、数日、または数週間、第二の剤(または剤の組み合わせ)の投与に先行することができる。ゆえに二つ以上の剤は、互いに数分以内に投与されることができ、または互いに1、2、3、6、9、12、15、18、または24時間以内に投与されることができ、または互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14日以内に投与されることができ、または互いに2、3、4、5、6、7、8、9週間以内またそれ以上以内に投与されることができる。一部の場合では、さらに長い間隔も可能である。多くの場合、併用療法で使用される二つ以上の剤は、同時に患者の身体内に存在することが望ましいが、必須ではない。
【0065】
併用療法は、異なる順序で構成要素の剤を使用して、併用において使用される剤のうちの一つまたは複数の剤の2回以上の投与を含むこともできる。例えば剤Xと剤Yが併用で使用される場合、それらを任意の組み合わせで1回または複数回、連続的に投与することができる。例えばX-Y-X、X-X-Y、Y-X-Y、Y-Y-X、X-X-Y-Yなどの順序で投与することができる。
【0066】
一つの実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロ
ン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、およびバルルビシンから選択される治療剤との併用で、治療を必要とする患者に投与される。
【0067】
一つの実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、CTLA4阻害剤、例えば限定されないがイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤、例えば限定されないがペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤、例えば限定されないがアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、MEDI4736、アベルマブ、PDR001;4 1BBまたは4 1BBリガンドの阻害剤、例えば限定されないがウレルマブおよびPF-05082566;OX40リガンドアゴニスト、例えば限定されないがMEDI6469;GITR阻害剤、例えば限定されないがTRX518;CD27阻害剤、例えば限定されないがバルリルマブ;TNFRSF25またはTL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニスト、例えば限定されないがCP-870893;HVEMまたはLIGHTまたはLTAまたはBTLAまたはCD160の阻害剤;LAG3阻害剤、例えば限定されないがBMS-986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSまたはICOSリガンドの阻害剤;B7H3阻害剤、例えば限定されないがMGA271;B7H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2またはTMIGD2阻害剤;BTNL2阻害剤を含むブチロフィリン(Butyrophilins)の阻害剤;CD244またはCD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤、例えば限定されないがリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤、例えば限定されないがIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤、例えば限定されないがエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382、およびBLZ945;IDO阻害剤、例えば限定されないがINCB024360;TGFβ阻害剤、例えば限定されないがガルニセルチブ;アデノシンまたはCD39またはCD73の阻害剤;CXCR4またはCXCL12の阻害剤、例えば限定されないがウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤、例えば限定されないがバビツキシマブ;SIRPAまたはCD47阻害剤、例えば限定されないがCC-90002;VEGF阻害剤、例えば限定されないがベバシズマブ;またはニューロピリン阻害剤、例えば限定されないがMNRP1685A、から選択される免疫チェックポイント阻害剤と併用されて、治療の必要のある患者に投与される。
【0068】
本発明の別の実施形態によると、追加的治療剤が、化合物Aまたは化合物Bと併用されて使用され得る。これらの剤としては限定されないが、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、例えば限定されないが、トラメチニブ、セルメチニブおよびコビメチニブ、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体が挙げられる。
投薬
【0069】
化合物Aまたは化合物Bが、治療プロトコルに関して他の剤と併用されて使用される一部の実施形態では、当該組成物は一緒に投与されてもよく、または「二重レジメン」で投与されてもよく、二重レジメンの場合において、二つの治療剤は別個に服用され、および投与される。化合物AまたはBおよび追加的な剤が別個に投薬される場合、治療を必要とする対象に投与される典型的な投薬量は、典型的には約5mg/日~約5000mg/日であり、他の実施形態では、約50mg/日~約1000mg/日である。その他の投薬量は、約10mmolから最大で約250mmol/日、約20mmol~約70mmol/日、または約30mmol~約60mmol/日であってもよい。
【0070】
本発明化合物および/またはその薬学的に許容可能な塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに治療される症状の重篤度などの因子を考慮し、担当医の判断に従い制御されるであろう。開示化合物の効果的な投薬量は、指定される効果に対して使用される場合、状態の治療の必要性に応じて、本開示化合物を約0.5 mg~約5000 mgの範囲である。インビボまたはインビトロでの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、または5000mgの本開示化合物を含有することができ、または用量のリスト中のある量から別の量の範囲の本開示化合物を含有することができる。経口投与に関し、典型的な推奨1日投薬レジメンは、一つの用量で、または二~四つに分割された用量で、約1mg/日~約500mg/日または1mg/日~200mg/日の範囲であってもよい。一つの実施形態では、典型的な1日投薬レジメンは150mgである。
【0071】
本明細書に記載される追加的な剤とともに、または追加的な剤は伴わずに、本開示化合物は任意の適切な経路で投与され得る。化合物は、カプセル、懸濁液、錠剤、丸薬、糖衣錠、液体、ゲル、シロップ、スラリーなどで、経口投与される(例えば食事で)ことができる。組成物を封入するための方法(硬質ゼラチンまたはシクロデキストランの被覆など)は、当技術分野で公知である(参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、Baker,et al,“Controlled Release of Biological Active Agents”,John Wiley and Sons,1986)。化合物は、医薬組成物の一部として許容可能な医薬担体と併せて対象に投与されることができる。医薬組成物の処方は、選択された投与経路に従って変化するであろう。適切な医薬担体は、化合物と相互作用しない不活性成分を含み得る。担体は生体適合性で
あり、すなわち非毒性、非炎症性、非免疫原性であり、投与部位で他の望ましくない反応を発生させない。
【0072】
例示的な医薬組成物は、本発明の化合物と、薬学的に許容可能な担体、例えばa)希釈剤、例えば精製水、トリグリセリド油、例えば水素化された、もしくは部分的に水素化された植物油またははそれらの混合物、トウモロコシ油、オリーブオイル、ヒマワリ油、サフラワー油、魚油、例えばEPAもしくはDHA、またはそれらのエステル、トリグリセリドまたは混合物、オメガ-3脂肪酸またはその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコースおよび/またはグリシン;b)潤滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび/またはポリエチレングリコール;錠剤用はまた;c)結合剤、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、例えばグルコースまたはベータ-ラクトースなどの天然糖類、トウモロコシ甘味料、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然ゴムおよび合成ゴム、ワックスおよび/またはポリビニルピロリドン、もし所望であれば;d)崩壊剤、例えばデンプン、アガー、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤;f)乳化剤または分散剤、例えばTween80、Labrasol、HPMC、DOSS、caproyl 909、labrafac、labrafil、peceol、transcutol、capmul MCM、capmul PG-12、captex 355、gelucire、ビタミンE TGPSまたは他の受容可能な乳化剤;および/または;g)例えばシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、PEG400、PEG200などの化合物の吸収を強化する剤、を含有する錠剤およびゼラチンカプセルである。
【0073】
固定された用量として製剤化される場合、かかる組み合わせ製品は、本明細書に記載される、または当業者に公知の投薬範囲内にある本発明化合物を使用する。
【0074】
本発明の化合物(化合物Aおよび化合物B)は、医薬組成物で使用することが意図されているため、当業者であれば、実質的に純粋な形態、例えば少なくとも60%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも85%純粋、および少なくとも98%純粋(w/w)な形態でそれらが提供され得ることを理解するであろう。医薬調製物は、単位剤型であってもよい。そのような形態では、調製物は、例えば本明細書に記載される望ましい目的を実現する有効量などの適切な量の化合物Aまたは化合物Bを含有する適切な大きさの単位用量に分割される。
セクション1-WO/2008/034008およびWO/2013/184119を用いた、生物活性に対する重要構造の比較。
【0075】
WO/2008/034008号は、様々な増殖性疾患の病態を引き起こす、または原因となる様々なキナーゼを記載しており、それらキナーゼとしては、BRaf、CRaf、Abl、KDR(VEGFR2)、EGFR/HER1、HER2、HER3、c-MET、FLT-3、PDGFR-α、PDGFR-β、p38、c-KIT、JAK2ファミリーが挙げられる。このPCT出願の開示内容は、本明細書に記載される化合物Aおよび化合物Bのアナログを使用して、BrafおよびCRafキナーゼに対する選択的阻害を明白に示している。同時に、WO/2013/184119は、化合物AおよびBを用いた突然変異型c-KITの阻害を記載している。しかしながらWO/2013/184119は、c-KITおよびPDGFRαの突然変異はGISTにおいて相互排他的で
あることも記載している。これは、ほとんどのGISTが、相互排他的な様式で、近縁のRTK c-KIT(GISTの75~80%)またはPDGFRα(非c-KIT変異GISTの8%)をコードする遺伝子において、主要活性化変異(primary activating mutation)を有しているためである。
【0076】
本出願において、GIST患者におけるc-KITとPDGFRαの突然変異間の不可避な相互排他性が調和され、化合物Aおよび化合物Bは両患者群を治療することができることが見出された。実際に、c-KIT突然変異体を阻害することが知られている化合物Aおよび化合物Bが、野生型および発癌性突然変異型のPDGFRキナーゼ、発癌性融合タンパク質型のPDGFRαキナーゼ、およびPDGFRα増幅型の癌も阻害することは予想外であり、WO/2008/034008およびWO/2013/184119の過去の開示内容とは正反対であった。以下に記載される実験データは、この発見をさらに補強するものである。本発見の直接的な適用は、本明細書に記載される抵抗性型の癌を発現し、およびPDGFR誘導型の癌患者亜群の治療である。
【実施例】
【0077】
生物学的データ
化合物Aおよび化合物Bが、野生型および発癌性突然変異型のPDGFRキナーゼ、発癌性融合タンパク質型のPDGFRαキナーゼ、ならびにPDGFRα突然変異型または増幅型の癌を阻害することは予想外の発見であった。この予想外の発見の解析を、生化学的アッセイ、細胞アッセイ、および癌患者におけるインビボ臨床評価において行った。
【0078】
本開示は、以下の実施例によってさらに解説されるが、それらは、本明細書に記載される具体的な手順に対し、範囲または主旨において本開示を限定するものとはみなされないものとする。実施例は、特定の実施形態を解説するために提示されるものであり、実施例により本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。さらに本開示の主旨、および/または添付の請求の範囲から逸脱することなく、当業者に示唆され得る様々な他の実施形態、改変および均等が再分類されることを理解されたい。
実施例1.野生型PDGFRαの酵素活性の阻害
PDGFRα(GenBankアクセッション番号 NP_006197) に対する生化学アッセイ
【0079】
PDGFRαキナーゼの活性は、NADHのATP加水分解依存性酸化を継続的にモニターするカップリング化ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼアッセイを使用して、分光法により決定した(例えば参照によりその全体で本明細書に組み込まれるSchindler et al.Science(2000) 289:1938-1942)。アッセイは、4.8nM PDGFRA(Decode Biostructure社、ワシントン州ベインブリッジ島)、5単位のピルビン酸キナーゼ、7単位の乳酸デヒドロゲナーゼ、1mM ピルビン酸ホスホエノール、0.28mM NADH、2.5mg/mL PolyEYおよび0.5mM ATPのアッセイ緩衝液(90mM Tris、pH7.5、18mM MgCl
2、1mM DTTおよび0.2%オクチル-グルコシド)溶液を使用して、384ウェルプレートにおいて実施された(最終体積は100μL)。連続希釈された被験化合物を添加した後にPDGFRAの阻害が測定された(1%DMSOの最終アッセイ濃度)。マルチモードマイクロプレートリーダー(BioTek社、ウィヌースキ、バーモント州)上で340nmでの吸収の減少が、30℃で6時間、連続的にモニターされた。反応速度は、1~2時間の時間枠を使用して計算された。化合物の各濃度での反応速度は、対照(すなわち被験化合物無しでの反応、および公知の阻害剤を用いた反応)を使用して阻害割合に変換された。IC
50値は、Prism(GraphPad社、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用したデータに対し、4パラメー
ターS字曲線に適合させることにより算出された。
PDGFRαのタンパク質配列(550~1089残基。N末端にGSTタグが付いている;Genbank 配列番号1)。
【化3】
【0080】
化合物Aは、組み換え野生型PDGFRαの酵素活性を、12nMのIC50値で阻害した。化合物Bは、組み換え野生型PDGFRαの酵素活性を、6nMのIC50値で阻害した。
実施例2.D842V突然変異型PDGFRαの酵素活性の阻害
PDGFRα D842V(GenBankアクセッション番号 NP_006197)に対する生化学アッセイ
【0081】
PDGFRα D842Vキナーゼの活性は、NADHのATP加水分解依存性酸化を継続的にモニターするカップリング化ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼアッセイを使用して、分光法により決定した(例えば参照によりその全体で本明細書に組み込まれるSchindler et al.Science(2000)289:1938-1942)。アッセイは、3nM PDGFRA D842V(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)、5単位のピルビン酸キナーゼ、7単位の乳酸デヒドロゲナーゼ、1mM ピルビン酸ホスホエノール、0.28mM NADH、2.5mg/mL PolyEYおよび0.5mM ATPのアッセイ緩衝液(90mM Tris、pH7.5、18mM MgCl
2、1mM DTTおよび0.2%オクチル-グルコシド)溶液を使用して、384ウェルプレートにおいて実施された(最終体積は100μL)。連続希釈された被験化合物を添加した後にPDGFRA D842Vの阻害が測定された(1%DMSOの最終アッセイ濃度)。マルチモードマイクロプレートリーダー(BioTek社、ウィヌースキ、バーモント州)上で340nmでの吸収の減少が、30℃で6時間、連続的にモニターされた。反応速度は、2~3時間の時間枠を使用して算出された。化合物の各濃度での反応速度は、対照(すなわち被験化合物無しでの反応、および公知の阻害剤を用いた反応)を使用して阻害割合に変換された。IC
50値は、Prism(GraphPad社、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用したデータに対し、4パラメーターS字曲線に適合させることにより算出された。
PDGFRα D842Vのタンパク質配列(550~1089残基。N末端にHIS-GSTタグが付いている;Genbank 配列番号2)。
【化4】
【0082】
化合物Aは、組み換えD842V突然変異型PDGFRαの酵素活性を、42nMのIC50値で阻害した。化合物Bは、組み換えD842V突然変異型PDGFRαの酵素活性を、20nMのIC50値で阻害した。
実施例3.野生型PDGFRβの酵素活性の阻害
PDGFRB(GenBankアクセッション番号 NP_002600)に対する生化学アッセイ
【0083】
PDGFRβキナーゼの活性は、NADHのATP加水分解依存性酸化を継続的にモニターするカップリング化ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼアッセイを使用して、分光法により決定した(例えば参照によりその全体で本明細書に組み込まれるSchindler et al.Science(2000)289:1938-1942)。アッセイは、9nM PDGFRB(Decode Biostructure社、ワシントン州ベインブリッジ島)、5単位のピルビン酸キナーゼ、7単位の乳酸デヒドロゲナーゼ、1mM ピルビン酸ホスホエノール、0.28mM NADH、2.5mg/mL
PolyEYおよび0.5mM ATPのアッセイ緩衝液(90mM Tris、pH7.5、18mM MgCl
2、1mM DTTおよび0.2%オクチル-グルコシド)溶液を使用して、384ウェルプレートにおいて実施された(最終体積は100μL)。連続希釈された被験化合物を添加した後にPDGFRBの阻害が測定された(1%DMSOの最終アッセイ濃度)。マルチモードマイクロプレートリーダー(BioTek社、ウィヌースキ、バーモント州)上で340nmでの吸収の減少が、30℃で6時間、連続的にモニターされた。反応速度は、2~3時間の時間枠を使用して算出された。化合物の各濃度での反応速度は、対照(すなわち被験化合物無しでの反応、および公知の阻害剤を用いた反応)を使用して阻害割合に変換された。IC
50値は、Prism(GraphPad社、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用したデータに対し、4パラメーターS字曲線に適合させることにより算出された。
PDGFRβのタンパク質配列(557~1106残基。N末端にHIS-GST-タグが付いている;Genbank 配列番号3)
【化5】
【0084】
化合物Aは、組み換え野生型PDGFRβの酵素活性を、9nMのIC50値で阻害した。化合物Bは、組み換え野生型PDGFRβの酵素活性を、5nMのIC50値で阻害した。
実施例4.Ba/F3細胞で発現されたD842V突然変異型PDGFRαの増殖阻害
BaF3 PDGFRα D842Vの細胞培養
【0085】
D842V PDGFRαをコードする構築体でBaF3細胞をトランスフェクトし、IL-3非依存性に対して選択した。簡潔に述べると、細胞を、10%の特徴解析されたウシ胎仔血清(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)、1単位/mL ペニシリンG、1μg/mL ストレプトマイシン、および0.29mg/mL
L-グルタミンを補充されたRPMI1640培地中、37℃、5%CO2、湿度95%で増殖させた。
BaF3 PDGFRα D842V の細胞増殖アッセイ
【0086】
被験化合物の連続希釈物を、96ウェルの黒色透明底のプレート(Corning社、コーニング、ニューヨーク州)に分注した。1ウェル当たり1万個の細胞を、200μLの完全増殖培地中で添加した。プレートを37℃、5%CO2、湿度95%で67時間インキュベートした。インキュベーション期間の最後に、40μLの440μMレザズリン(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)のPBS溶液を各ウェルに加え、プレートを37℃、5%CO2、湿度95%でさらに5時間インキュベートした。プレートは、540nmの励起と600nmの発光を使用して、Synergy2リーダー(Biotek社、ウィヌースキ、バーモント州)上で読み取られた。Prismソフトウェア(GraphPad社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してデータを分析して、IC50値を算出した。
【0087】
化合物Aは、36nMのIC50値で、D842V突然変異型PDGFRαBaF3細胞の増殖を阻害した。化合物Bは、42nMのIC50値で、D842V突然変異型PDGFRαBaF3細胞の増殖を阻害した。
実施例5.BaF3細胞中で発現されたD842V突然変異型PDGFRαのリン酸化阻害
BaF3 PDGFRα D842Vの細胞培養
【0088】
D842V PDGFRαをコードする構築体でBaF3細胞をトランスフェクトし、IL-3非依存性に対して選択した。簡潔に述べると、細胞を、10%の特徴解析されたウシ胎仔血清(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)、1単位/mL ペニシリンG、1μg/mL ストレプトマイシン、および0.29mg/mL
L-グルタミンを補充されたRPMI1640培地中、37℃、5%CO2、湿度95%で増殖させた。
BaF3 PDGFRα D842V ウェスタンブロット
【0089】
無血清RPMI1640培地中に懸濁された細胞を、1ウェル当たり200万個で24ウェルの組織培養処置プレートに添加した。被験化合物の連続希釈を、細胞を入れたプレートに添加した。プレートを4時間、5%CO2、湿度95%、37℃でインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解させた。細胞溶解物をSDS-PAGEにより分離させ、PVDFにトランスファーさせた。ホスホ-PDGFRα(Tyr754)は、Cell Signaling Technology社(マサチューセッツ州ベバリー)の抗体、ECL Plus検出試薬(GE Healthcare社、ニュージャージー州ピスカタウェイ)およびMolecular Devices Storm 840 phosphorimagerを蛍光モードで使用して検出した。ブロットを剥がし、Cell Signaling Technology社(マサチューセッツ州ベバリー)の抗体を使用して総PDGFRαに対してプローブした。IC50値は、Prismソフトウェア(GraphPad社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して算出された。
【0090】
化合物Aは、BaF3細胞中で発現されたD842V突然変異型PDGFRαのリン酸化を、24nMのIC50値で阻害した。化合物Bは、BaF3細胞中で発現されたD842V突然変異型PDGFRαのリン酸化を、26nMのIC50値で阻害した。
実施例6.CHO細胞中で発現されたV561D突然変異型PDGFRαのリン酸化阻害チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に、pcDNA3.1プラスミド(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)へとクローニングされたV561D突然変異型PDGFRA cDNA構築体を一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、様々な濃度の化合物を用いて90分間処置した。細胞由来のタンパク質溶解物を調製し、抗PDGFRA抗体(SC-20、Santa Cruz Biotechnology社、カリフォルニア州サンタクルーズ)を使用して免疫沈降を行い、次いでモノクローナル抗体(PY-20、BD Transduction Labs社、メリーランド州スパークス)または総PDGFRα(SC-20、Santa Cruz Biotechnology社、カリフォルニア州サンタクルーズ)を使用して、ホスホチロシンに対して連続イムノブロッティングを行った。Photoshop5.1ソフトウェアを使用して濃度測定を実行し、薬剤効果を定量して、総タンパク質に対しホスホ-PDGFRαのレベルを標準化した。濃度測定実験の結果は、Calcusyn2.1ソフトウェア(Biosoft社、英国ケンブリッジ)を使用して分析し、数学的にIC50値を決定した。
【0091】
化合物Aは、CHO細胞中で発現されたV561D突然変異型PDGFR□のリン酸化を、25nMのIC50値で阻害した。
実施例7.CHO細胞中で発現されたエクソン18 842-845欠失突然変異型PDGFRαのリン酸化阻害
【0092】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に、pcDNA3.1プラスミド(Inv
itrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)へとクローニングされた突然変異型ΔD842-H845 PDGFRA cDNA構築体を一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、様々な濃度の化合物を用いて90分間処置した。細胞由来のタンパク質溶解物を調製し、抗PDGFRA抗体(SC-20、Santa
Cruz Biotechnology社、カリフォルニア州サンタクルーズ)を使用して免疫沈降を行い、次いでモノクローナル抗体(PY-20、BD Transduction Labs社、メリーランド州スパークス)または総PDGFRα(SC-20、Santa Cruz Biotechnology社、カリフォルニア州サンタクルーズ)を使用して、ホスホチロシンに対して連続イムノブロッティングを行った。Photoshop5.1ソフトウェアを使用して濃度測定を実行し、薬剤効果を定量して、総タンパク質に対しホスホ-PDGFRAのレベルを標準化した。濃度測定実験の結果は、Calcusyn2.1ソフトウェア(Biosoft社、英国ケンブリッジ)を使用して分析し、数学的にIC50値を決定した。
【0093】
化合物Aは、CHO細胞中で発現されたエクソン18 842-845欠失突然変異型PDGFRαのリン酸化を、77nMのIC50値で阻害した。
実施例8.EOL-1細胞におけるFIP1L1-PDGFRα融合体の増殖阻害
EOL-1(FIP1L1/PDGFRα融合体)細胞培養
【0094】
EOL-1細胞を、10%の特徴解析されたウシ胎仔血清(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)、1単位/mL ペニシリンG、1μg/mL ストレプトマイシン、および0.29mg/mL L-グルタミンを補充されたRPMI1640培地中、37℃、5%CO2、湿度95%で増殖させた。
EOL-1細胞増殖アッセイ
【0095】
被験化合物の連続希釈物を、96ウェルの黒色透明底のプレート(Corning社、コーニング、ニューヨーク州)に分注した。1ウェル当たり1万個の細胞を、200μLの完全増殖培地中で添加した。プレートを37℃、5%CO2、湿度95%で67時間インキュベートした。インキュベーション期間の最後に、40μLの440μMレザズリン(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)のPBS溶液を各ウェルに加え、プレートを37℃、5%CO2、湿度95%でさらに5時間インキュベートした。プレートは、540nmの励起と600nmの発光を使用して、Synergy2リーダー(Biotek社、ウィヌースキ、バーモント州)上で読み取られた。Prismソフトウェア(GraphPad社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してデータを分析して、IC50値を算出した。
【0096】
化合物Aは、0.029nMのIC50値で、EOL-1細胞中のFIP1L1-PDGFRα融合体の増殖を阻害した。化合物Bは、0.018nMのIC50値で、EOL-1細胞中のFIP1L1-PDGFRα融合体の増殖を阻害した。
実施例9.EOL-1細胞におけるFIP1L1-PDGFRα融合体のリン酸化阻害
EOL-1(FIP1L1/PDGFRα融合体)細胞培養
【0097】
EOL-1細胞を、10%の特徴解析されたウシ胎仔血清(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)、1単位/mL ペニシリンG、1μg/mL ストレプトマイシン、および0.29mg/mL L-グルタミンを補充されたRPMI1640培地中、37℃、5%CO2、湿度95%で増殖させた。
EOL-1ウェスタンブロット
【0098】
無血清RPMI1640培地中に懸濁された細胞を、1ウェル当たり200万個で24ウェルの組織培養処置プレートに添加した。被験化合物の連続希釈を細胞を入れたプレートに添加した。プレートを4時間、5%CO2、湿度95%、37℃でインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解させた。細胞溶解物をSDS-PAGEにより分離させ、PVDFにトランスファーさせた。ホスホ-PDGFRα(Tyr754)は、Cell Signaling Technology社(マサチューセッツ州ベバリー)の抗体、ECL Plus検出試薬(GE Healthcare社、ニュージャージー州ピスカタウェイ)およびMolecular Devices Storm 840
phosphorimagerを蛍光モードで使用して検出した。ブロットを剥がし、Cell Signaling Technology社(マサチューセッツ州ベバリー)の抗体を使用して総PDGFRαに対してプローブした。IC50値は、Prismソフトウェア(GraphPad社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して算出された。
【0099】
化合物Aは、0.12nMのIC50値で、EOL-1細胞中のFIP1L1-PDGFRα融合体のリン酸化を阻害した。化合物Bは、0.1nM未満のIC50値で、EOL-1細胞中のFIP1L1-PDGFRα融合体のリン酸化を阻害した。
実施例10.PDGFRα D842V突然変異を有するヒト癌患者の治療
【0100】
臨床試験プロトコルDCC-2618-01-001“進行性悪性腫瘍を有する患者における安全性、忍容性および薬物動態に関し化合物Aを評価する多施設第I相非盲検試験”は、化合物Aに関する最初のヒト試験である(ClinicalTrials.gov
Identifier:NCT02571036)。この用量漸増試験の目的は、化合物Aの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)および予備的な抗腫瘍活性を評価することである。治験薬は、20mg BIDから200mg BIDの範囲内で用量を漸増させ、1日1回または1日2回のいずれかで経口投与される。予備的な抗腫瘍活性は、RECIST 1.1に従って1サイクルおきに(56日ごと)CTスキャンにより測定された。薬力学的効果は、無細胞血漿(cf)DNA中の突然変異型アレル頻度(MAF:mutation allele frequency)の減少として測定され、Guardant 360 v2.9またはv2.10(Guardant Health社、カリフォルニア州レッドウッドシティ)、73遺伝子の次世代シーケンシングパネルを用いて分析された。
【0101】
すべての患者は、標準治療に対して進行性疾患を有するものとし、治療を行わなければ直ちに進行するであろう。PDGFRα突然変異型消化管間質腫瘍(GIST)を有する3名の患者を本試験に登録した。PDGFRα D842V突然変異は、腫瘍生検によって各患者において特定された。非臨床データ、およびDCC-2618-01-001試験から入手可能な薬物動態データに基づけば、≧50mg BID(1日投与量は100mgに等しい)の用量レベルで、腫瘍制御、すなわちGISTに罹患する患者のPDGFRα D842V突然変異依存性腫瘍のこれら進行性肉腫における増殖停止をもたらすのに充分であった。評価可能な患者3名のうち、2名が標的有効用量レベル(150mg QD、および100mg BID)以上で登録された。その他の患者は30mg BIDで登録され、28日間の2治療サイクル後に進行した。100mg BIDの患者はサイクル11(>40週間)で現在進行中であり、治療からの利益を受け続けている。最新の腫瘍評価は、RECIST 1.1に従い「安定疾患」を確認した。試験全体を通した腫瘍評価は、サイクル9(36週)後の最も直近の評価を含み、いくらかの腫瘍減少(5~10%)を明らかにした。150mg QDの用量レベルで治療された患者はサイクル6
(>20週)で現在進行中であり、RECISTでの安定疾患であり、なんらかの腫瘍減少が観察された。この2名の患者はそれぞれ過去にチロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療を1回および3回受けている。
【0102】
今日までのところ、血漿中のPDGFRα D842V突然変異アレル頻度に関するcfDNAフォローアップデータは、100mg BIDの患者のみ利用可能である。PDGFRα D842V突然変異は、基準時にはcfDNAで検出されなかった。しかしサイクル3の治療後1日目(8週)で、0.59%の頻度が検出された。基準時にD842V突然変異が検出されなかったのは、データ解釈性能の限界である可能性がある。しかし腫瘍組織中に存在する突然変異が「検出不可能」である、すなわち2回の連続的解析ポイント(サイクル5の1日目(16週)およびサイクル7の1日目(24週))で検出限界以下であるという事実は、化合物Aを用いてヒト癌患者を治療することによって、このPDGFRα D842V突然変異が抑制されたことを強く支持するものである。
実施例11.PDGFRα増幅を伴うヒトグリア芽腫患者の治療
【0103】
臨床試験プロトコルDCC-2618-01-001“進行性悪性腫瘍を有する患者における安全性、忍容性および薬物動態に関し化合物Aを評価する多施設第I相非盲検試験”は、化合物Aに関する最初のヒト試験である(ClinicalTrials.gov
Identifier:NCT02571036)。この用量漸増試験の目的は、化合物Aの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)および予備的な抗腫瘍活性を評価することである。治験薬は、20mg BIDから200mg BIDの範囲内で用量を漸増させ、1日1回または1日2回のいずれかで経口投与される。予備的な抗腫瘍活性は、RANO(Revised Assessment in Neuro-Oncology)基準に従い、1サイクルおきにCTスキャンにより測定され、その後3サイクルごとに測定された(56日または84日ごと)。薬力学的効果は、循環腫瘍細胞(CTC)の減少として測定された。全血は、OncoQuickチューブ中でCTC用に富化された。CTC層は、高レベルのテロメラーゼを有する細胞中でGFPを複製し、発現するアデノウイルスとともにインキュベートされた(Oncolys BioPharma
Inc.)。次いで、細胞を蛍光標識抗体とインキュベートし、固定して、DAPI染色を行った。DAPI、GFP、PDGFRαおよびGFAP蛍光に関して陽性の細胞は、BioTek Cytation 5撮像装置を使用して、循環グリア芽腫腫瘍細胞として計数された。グリア線維酸性タンパク質(GFAP:glial fibrillary acidic protein)は、グリア細胞に明確に起因する。
【0104】
すべての患者は、標準治療に対して進行性疾患を有するものとし、治療を行わなければ直ちに進行するであろう。PDGFRα増幅グリア芽腫(GBM;6x増幅、12コピー)を有する1名の患者を、20mg BIDの用量レベルで本試験に登録した。患者は放射線-化学療法の併用を用いて最初に治療された後、テモゾロミド単独で治療され、3カ月後に進行した。GBM患者はサイクル19(>17か月、試験中)で現在進行中であり、治療からの利益を受け続けている。サイクル12(48週間)後の腫瘍評価以降、患者はRANO基準による「部分奏功」を有している。
図1は、基準時(
図1A)およびサイクル12後(
図1C)のMRIスキャンを示す。
図1Bは、サイクル9後の腫瘍減少に関する追加的な立証を提供した。
【0105】
PDGFRα増幅の関連性を、小児および成人のグリア芽腫を含む高グレード星状細胞腫(HGA)において評価した。当初のヒト組織に対する大規模試験では、PDGFRαが増幅したHGAの有意な関連性が提唱されており、PDGFRα増幅がグレードを高め、IDH1突然変異型デノボGBMにおいて良好な予後が少ないことと関連性があると示唆されていた(その全体で参照により本明細書に組み込まれるPhilips et a
l.,Brain Pathol.(2013)23(5):565-73)。Dunnらは、PDGFRα増幅が、GBMのゲノム改変の誘導要因であることの追加的な照明を提供している(Dunn et al.,Genes Dev.(2012)26(8):756-84)。これらの発見に基づくと、化合物Aを用いた治療後にGBM患者において観察されたCTCの減少として測定された薬力学的な効果は、GBM患者で観察された部分奏功が、化合物Aを用いてPDGFRα増幅腫瘍を治療した結果であることを強く支持するものである。二重陽性CTC(PDGFRα+/GFAP+)はサイクル7(28週)で最初に測定され、頻度は2.22 CTC/mLであった。サイクル13(52週)およびサイクル17(68週)で頻度はそれぞれ1.11および0.58 CTC/mLにまで低下した。
実施例12 化合物Bは、化合物Aの経口投与後に生合成的に形成される。
【0106】
臨床試験プロトコルDCC-2618-01-001“進行性悪性腫瘍を有する患者における安全性、忍容性および薬物動態に関し化合物Aを評価する多施設第I相非盲検試験”は、化合物Aに関する最初のヒト試験である(ClinicalTrials.gov
Identifier:NCT02571036)。この用量漸増試験の目的は、化合物Aの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)および予備的な抗腫瘍活性を評価することである。治験薬は、20mg BIDから200mg BIDの範囲内で用量を漸増させ、1日1回または1日2回のいずれかで経口投与される。化合物Aを患者に経口投与することにより、化合物Aの全身暴露と、インビボN-脱メチル化による化合物Aから化合物Bへの生体内変化が生じる。薬物動態(PK)解析については、サイクル1、15日目に化合物Aを午前中に投与する直前に、および投与後0.5、1、2、4、6、8、および10~12時間後に、血液サンプルが採取された。化合物A、およびその活性代謝物である化合物Bを、認証された生物分析法を使用して評価した。Phoenix
WinNonlin バージョン6.3を使用して時間データに対する血漿濃度を分析し、標準的なノンコンパートメントPKパラメーターを算出した。すべてのPK算出は、予定上のサンプル採取時間を使用して完了させた。
【0107】
例としては、化合物Aを1日2回150mgまたは1日1回150mgの投与量で患者コホートに投与すると、以下の表に示されるように化合物Aに対し、そして化合物Bに対しても、サイクル1、15日目で安定的な暴露状態が生じる。
【0108】
5名の患者コホートに対し、150mg用量の化合物AをBID(1日2回)で15日間、経口投与することにより、平均Cmax=1,500ng/mLおよび平均曲線下面積(AUC)=11,400ng*h/mLの化合物Aに対する暴露がもたらされた。この15日間の投与により、平均Cmax=1,520ng/mLおよび平均AUC=15,100ng*h/mLで化合物Bへの生体内変化が生じた。4名の患者コホートに対し、150mg用量の化合物AをQD(1日1回)で15日間、経口投与することにより、平均Cmax=861ng/mLおよび平均曲線下面積(AUC)=8,070ng*h/mLの化合物Aに対する暴露がもたらされた。この15日間の投与により、平均Cmax=794ng/mLおよび平均AUC=8,600ng*h/mLで化合物Bへの生体内変化が生じた。
表1
【表1】
【0109】
均等
当分野の当業者であれば、本開示に具体的に記載される特定の実施形態に対する多数の均等を、通常の実験の範囲内で認識することができ、または確認することができるであろう。かかる均等は、以下の請求の範囲に包含されることが意図される。
出願時の特許請求の範囲
〔項1〕 PDGFRキナーゼ介在性の腫瘍増殖もしくは腫瘍進行を治療または予防する方法であって、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む、方法。
〔項2〕 前記腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異、PDGFRαの発癌性の欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、またはPDGFRαの発癌性の遺伝子増幅のうちの一つまたは複数により引き起こされる、請求項1に記載の方法。
〔項3〕 腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現によって引き起こされる、請求項1または2に記載の方法。
〔項4〕 腫瘍増殖または腫瘍進行が、PDGFRαの発癌性のミスセンス突然変異またはPDGFRαの発癌性の欠失突然変異により引き起こされる、請求項1または2に記載の方法。
〔項5〕 腫瘍増殖または腫瘍進行が、PDGFRα融合タンパク質を生じさせるPDGFRα遺伝子の発癌性の再構成またはPDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失により引き起こされる、請求項1または2に記載の方法。
〔項6〕 腫瘍増殖または腫瘍進行は、PDGFRαの発癌性の遺伝子増幅により引き起こされる、請求項1または2に記載の方法。
〔項7〕 前記腫瘍が、肺腺腫、扁平上皮細胞肺癌、グリア芽腫、小児グリオーマ、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄白血病またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
〔項8〕 前記腫瘍が、グリア芽腫である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
〔項9〕 前記腫瘍が、消化管間質腫瘍である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
〔項10〕 1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩が、単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤と併用して投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
〔項11〕 前記治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンから選択される請求項10に記載の方法。
〔項12〕 前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(MEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF05082566;OX40アゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40アゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aから選択される、請求項10に記載の方法。
〔項13〕 前記治療剤がテモゾロミドである、請求項11に記載の方法。
〔項14〕 電離放射線を与えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
〔項15〕 テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
〔項16〕 前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体から選択される、請求項10に記載の方法。
〔項17〕 PDGFRキナーゼを阻害する方法であって、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む、方法。
〔項18〕 前記PDGFRキナーゼが、PDGFRαまたはPDGFRβである、請求項17に記載の方法。
〔項19〕 癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤を投与することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
〔項20〕 前記治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンから選択される請求項19に記載の方法。
〔項21〕 前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(以前にはMEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブ(PF05082566);OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893、HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aから選択される、請求項19に記載の方法。
〔項22〕 前記治療剤がテモゾロミドである、請求項19に記載の方法。
〔項23〕 電離放射線を与えることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
〔項24〕 テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
〔項25〕 前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体から選択される、請求項19に記載の方法。
〔項26〕 グリア芽腫を治療する方法であって、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む、方法。
〔項27〕 癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤を投与することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
〔項28〕 前記治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1Hイミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンから選択される請求項27に記載の方法。
〔項29〕 前記免疫チェックポイントタンパク質が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブ(以前にはMEDI4736)、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF 05082566;OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aから選択される、請求項27に記載の方法。
〔項30〕 前記治療剤がテモゾロミドである、請求項28に記載の方法。
〔項31〕 電離放射線を与えることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
〔項32〕 テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
〔項33〕 前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体から選択される、請求項27に記載の方法。
〔項34〕 PDGFRα介在性の消化管間質腫瘍を治療する方法であって、その必要のある患者に対し、1-[4-ブロモ-5-[1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル]-2-フルオロフェニル]-3-フェニルウレアまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む、前記方法。
〔項35〕 癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤を投与することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
〔項36〕 前記治療剤が、細胞障害剤のシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、アロマターゼの組み合わせ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、テストラクトン、メゲストロール酢酸塩、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、フルタミド、トレミフェンクエン酸塩、ゴセレリン酢酸塩、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミソール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオTEPA、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、またはバルルビシンから選択される請求項35に記載の方法。
〔項37〕 前記免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA4阻害剤のイピリムマブおよびトレメリムマブ;PD1阻害剤のペムブロリズマブおよびニボルマブ;PDL1阻害剤のアテゾリズマブ(以前にはMPDL3280A)、デュルバルマブのMEDI4736、アベルマブ、およびモノクローナル抗体のPDR001;4-1BBリガンド阻害剤のウレルマブおよびウトミルマブのPF05082566;OX40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体MEDI6469;グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)阻害剤のモノクローナル抗体TRX518;CD27阻害剤のバルリルマブ;TNFRSF25-TL1A阻害剤;CD40リガンドアゴニストのモノクローナル抗体CP870893;HVEM-LIGHT-LTAおよびHVEM-BTLA-CD160の阻害剤;LAG3阻害剤のモノクローナル抗体BMS986016;TIM3阻害剤;シグレック(Siglecs)阻害剤;ICOSリガンドのアゴニスト;B7-H3阻害剤のエノブリツズマブMGA271;B7-H4阻害剤;VISTA阻害剤;HHLA2-TMIGD2阻害剤;ブチロフィリン(Butyrophilins)阻害剤;BTNL2阻害剤;CD244-CD48の阻害剤;TIGITおよびPVRのファミリーメンバーの阻害剤;KIR阻害剤のリリルマブ;ILTおよびLIRの阻害剤;NKG2DおよびNKG2Aの阻害剤のモナリズマブIPH2201;MICAおよびMICBの阻害剤;CD244阻害剤;CSF1R阻害剤のエマクツズマブ、カビラリズマブ、ペキシダルチニブ、AMG382およびBLZ945;IDO阻害剤の(3E)-3-[(3-ブロモ-4-フルオロアニリノ)-ニトロソメチリデン]-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール、INCB024360;TGFβ阻害剤のガルニセルチブ;アデノシン-CD39-CD73の阻害剤;CXCR4-CXCL12の阻害剤のウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロロ[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミド BKT140;ホスファチジルセリン阻害剤のバビツキシマブ;SIRPA-CD47阻害剤のモノクローナル抗体CC90002;VEGF阻害剤のベバシズマブ;および、またはニューロピリン阻害剤のモノクローナル抗体MNRP1685Aから選択される、請求項35に記載の方法。
〔項38〕 前記治療剤がテモゾロミドである、請求項36に記載の方法。
〔項39〕 電離放射線を与えることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
〔項40〕 テモゾロミドおよび電離放射線を与えることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
〔項41〕 前記追加的治療剤が、AKT阻害剤、アルキル化剤、オール-トランスレチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ERK阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、HDM2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、IKKβ阻害剤、免疫調節剤(IMiD)、インゲノール、電離放射線、ITK阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MEK阻害剤、ミドスタウリン、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、二重PI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCアゴニスト、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体から選択される、請求項35に記載の方法。
【配列表】