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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】巻取機
(51)【国際特許分類】
   B65H 54/36 20060101AFI20231012BHJP
   B65H 54/30 20060101ALI20231012BHJP
   B65H 54/28 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B65H54/36
B65H54/30
B65H54/28 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021511611
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2019072030
(87)【国際公開番号】W WO2020057875
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】18195553.5
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504433537
【氏名又は名称】ゲオルク・ザーム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】カウヴス,ゲルケン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンクラー,コンラート
(72)【発明者】
【氏名】クロネス,ホルガ
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-290869(JP,A)
【文献】特表2005-527448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0261206(US,A1)
【文献】特開昭48-054233(JP,A)
【文献】特開2005-035714(JP,A)
【文献】特開2002-145527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/36
B65H 54/30
B65H 54/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フレーム(2)、
a)スピンドル(3)、
b)糸ガイドユニット(4)であって、
ba)トラバースしながら駆動されるトラバース糸ガイド(9)、及び、
bb)前記スピンドル(3)上に巻取られる巻の外面に押圧される押圧手段(7)を有し、
bc)巻取り工程中に、巻の直径の増大に応じて水平の自由度(6)に沿った並進運動である補償運動(23)によって前記スピンドル(3)に対して可動である、糸ガイドユニット(4)、及び、
c)巻取り材料(11)の走行方向で前記トラバース糸ガイド(9)の上流側に備え付けられたヘッド糸ガイド(14)であってヘッド糸ガイド(14)は、前記フレーム(2)に糸ガイドユニット()から距離をおいて配置されていて、ヘッド糸ガイド(14)から前記巻取り材料(11)が直接前記糸ガイドユニット(4)に到達する、ヘッド糸ガイド(14)を、備え、
d)前記ヘッド糸ガイド(14)が前記補償運動(23)に関連して前記水平の自由度(6)に対して並行な自由度(19)で並進的に可動であるように、糸ガイドユニット(4)とヘッド糸ガイド(14)とが、機械的結合手段(20)を介して堅固に結合されていることを特徴とする巻取機(1)。
【請求項2】
前記巻取り材料(11)の入り口角度βが、前記トラバース糸ガイド(9)のトラバース軸に横方向に配向される面(x-z-面)中の前記糸ガイドユニットの中で変わらないように、前記ヘッド糸ガイド(14)の運動が行われることを特徴とする、請求項1に記載の巻取機(1)。
【請求項3】
前記トラバース糸ガイド(9)が前記巻取り材料(11)を滑動させて案内し、および/または偏向することを特徴とする、請求項1又は2に記載の巻取機(1)。
【請求項4】
前記巻取り材料(11)の長さが前記ヘッド糸ガイド(14)と前記トラバース糸ガイド(9)間で少なくとも300mmであることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の巻取機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それによって巻きによる巻取り材料の巻取りが、任意の巻付けパターンでよって行われ、この巻取りがスリーブの有無に関わらず行われることができるため、スプールが巻のみを、または巻およびスリーブを有しうる巻取機に関する。
【0002】
巻取機は、好ましくは「テクニカルヤーン」の形で、巻取り材料を巻取るために使用される。これは糸状またはテープ状の巻取り材料であり、それは
-柔軟に形成され、および/または
-シングルフィラメント、またはマルチフィラメント(例えば、12.000以上のシングルフィラメントから300.000までのシングルフィラメント)として形成され、 および/または
-100km以上(特に200km以上、300km以上600kmまで)の巻に巻取られた長さを有し、および/または
-10.000denから20.000den[g/9.000m]の範囲の重量/長さ(いわゆる「タイター」)(例えば、12.000denから16.000den)を有し、および/または
-横巻きとして巻取られ、および/または
-ドラムディスクの端側での支持なしで、横巻きとして巻取られ、および/または
-少なくとも10m/分(好ましくは30m/分以上または50m/分以上)のスプール速度で巻取られる。
【背景技術】
【0003】
汎用の巻取機は、例えば、国際公開第03/099695号明細書から公知である。この巻取機では、2つの巻取りスピンドルが、回転可能なタレットに回転可能に支承される。タレットの回転により、スピンドルをそれぞれ交互に、巻取り位置と交換位置に移動させることができ、スピンドルは巻取り位置で駆動装置に結合可能であり、巻取り位置で巻取り材料が巻に巻取られる。巻取機のフレーム上に、スイベルアームを介して糸ガイドユニットが枢動可能に支承され、これに向き合って、さらに押圧ローラが回転可能に支承される。押圧ローラを介して糸ガイドユニットは、巻取り位置でスピンドル上に巻取られたスプールの巻の外周面に押圧される。糸ガイドユニットは、トラバース糸ガイドを備える。トラバース糸ガイドはトラバース運動により駆動される。ここでトラバース糸ガイドは、トラバース運動を実行し、そのストロークは、本質的に、巻取り材料の敷設幅、すなわち巻の軸方向長さに相応し(例えばそれは、トラバース糸ガイドと堆積点間の抗力経路を通り、ストロークに対する敷設幅の短縮に繋がりうる)、そしてそれはスピンドルの長手軸および/または回転軸に平行に配向される。一方でのスピンドル、またはスプールの回転運動、およびもう一方でのトラバース糸ガイドのトラバース運動は、適切な制御によって互いに対して調整されるため、設定通りの巻取りパターンが生じる。巻取り材料は、ここではヘッド糸ガイドローラとして形成されている巻取機のフレームに支承されたヘッド糸ガイドから、直接トラバース糸ガイドに到達し、これによって押圧ローラを介して巻の外周面に敷設される。トラバース糸ガイドのトラバース運動の結果として、巻取り材料は、ヘッド糸ガイドから分配三角形の中のトラバース糸ガイドへと走行する。その長さは、分配三角形の頂点に配置されたヘッド糸ガイドのトラバース糸ガイドからの距離に関連し、その中でトラバース角度は、総トラバース角度α内のトラバース運動に伴って変化する。巻の直径が増大すると、押圧ローラのスピンドルの長手軸、および/または回転軸からの距離が変化し、それによって、糸ガイドユニットが保持された状態で、スイベルアームが回転する補償運動を引き起こす。
【0004】
さらなる汎用の巻取機は、申請者によって「SAHM830XE」の名称で販売されている(www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/sahm-830xe.html、検索日:2018年8月22日を参照)。この巻取機にはタレットはないが、巻取機のフレームに対して固定された長手軸および/または回転軸を有する単一のスピンドルがある。この巻取機では、糸ガイドユニットは、フレームに対して旋回可能に支承されたスイベルアームに支承されていない。ここではむしろ、糸ガイドユニットの補償運動は、糸ガイドユニットが水平かつ並進的に、スライド式に巻取機のフレームに案内されることで、巻の直径が増大することによって生じる。ここでも巻取り材料は、巻取機のフレームに支承されたヘッド糸ガイドローラから、糸ガイドユニットのトラバース糸ガイドに直接到達する。
【0005】
欧州特許第1656317号明細書は、まず、スイベルアームに旋回可能に支承され、それによって巻取り材料がヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間で偏向する、オーバーフローブラケットを担持する糸ガイドユニットを備えた実施形態を説明する。この実施形態では、ダンサーローラがヘッド糸ガイドの前に配置され、これは、ばねの与圧に対抗して偏向されることができ、巻取り材料中の張力を可能な限り一定に保つことに役立つ。巻取り材料中の張力の変化のためにダンサーローラの偏移が生じると、巻取り材料中の所定の張力を維持し、ダンサーローラの一定の平衡位置をもたらすために、この偏移を制御または調整に使用し、駆動装置の回転数の調整に利用することもできる。 この公知の従来技術について、欧州特許第1656317号明細書は、トラバース運動中に、分配三角形内での巻取り材料の長さが、高周波トラバース運動に対応する高周波によって変化し、これが巻取り材料中の望ましくない張力の変化につながることを説明している。これは場合により、ダンサーローラおよびスピンドル駆動装置の回転数の調整では補正できない。分配三角形内の糸の長さの変化をできるだけ小さく抑えるために、ヘッド糸ガイドの糸ガイドユニットからの距離を拡大するが、それは巻取機の設置スペース要件を増大させる。そのことから欧州特許第1656317号明細書は、巻の直径が増大することにより、それに伴い、糸ガイドユニットが保持されたスイベルアームも、スイベルアームの旋回角度に関連して旋回することで、巻取り材料の長さが、ヘッド糸ガイドと糸ガイドユニットの間で、つまり、分配三角形の長さが変化する、という知見について説明している。これによっても、巻取り材料中の張力の変化が引き起こされるはずであり、その結果、巻取り材料は異なる張力で巻に敷設される。スプール端部とスプール中心部の間で巻取り材料の張力が変化する場合、欧州特許第1656317号明細書では、巻取り材料を巻の端部から解除し、スプールの芯に巻取ることができるが、それは機械の停止に繋がる可能性があるか、しかしまたはスプールを後に使用する場合にも、巻戻しの際に機械が停止するか、または機械の損傷につながる可能性がある。欧州特許第1656317号明細書は、ヘッド糸ガイドと偏向ブラケット間に、後付けのトラバース糸ガイドにより付加的な糸支持手段を設けることを提案する。これは、片持ちアームを介してトラバース糸ガイドからできるだけ大きい距離で偏向ブラケットによって保持される。この場合、分配三角形の頂点は、ヘッド糸ガイドではなく、追加のスレッドサポート手段によって設定される。糸支持手段は、スイベルアームおよび糸ガイドユニットの旋回と共に旋回するため、分配三角形の長さは巻の直径の増大と共に変化しない。巻取り材料の入口角度は、ヘッド糸ガイドと追加の糸支持手段との間で変化せず、トラバース運動とも無関連である。こうして、巻の直径の変化の分配三角形の長さに対する望ましくない影響を、糸支持手段を使用することにより回避する。分配三角形における巻取り材料の長さの変化および、それによって、トラバース運動およびトラバース運動とともに変化する分配三角形におけるトラバース角度に関連する巻取り材料中の張力の変動を回避するために、欧州特許第1656317号明細書は補完的に、湾曲したオーバーフローブラケットの使用を提案する。これは、糸ガイドユニットによって担持され、トラバース糸ガイドと付加的な糸支持手段の間で、巻取り材料の付加的な偏向を実行し、その程度はトラバース運動とともに変化する分配三角形におけるトラバース角度に関連して変化する。オーバーフローブラケットの輪郭は、糸サポート手段とトラバース糸ガイド間の巻取り材料の長さがトラバース糸ガイドの位置に無関係に、つまり分配三角形内のトラバース角度と関連なく変化しないように適合されている。この目的のために、オーバーフローブラケットを使用して、トラバース糸ガイドが端領域にある場合よりも、トラバース糸ガイドが中央にある場合に、巻取り材料のより強い偏向が生じる。欧州特許第1656317号明細書は、DMSが中に配置された片持ちアームを介して追加のローラが糸ガイドユニットに支持され、この付加的なローラが糸支持手段の前に配置される、さらなる実施形態をも開示している。糸ガイドユニットの質量と設計サイズを小さく抑えるために、糸支持手段が支持される片持ちアームの長さは強い制限を受けるが、これによって分配三角形の長さも短くなる。これにはまた、トラバース運動によって、巻取り材料中の張力が望ましくない程度に変化するか、または湾曲したオーバーフローブラケットの使用が必須になるという不利があるが、それは巻取り材料を損なう恐れのある付加的な偏向の結果として、望ましくない可能性がある。
【0006】
本申請者により「Carbon Star 850XE」の名称でも巻取機が販売されている(www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/carbonstar-ii.htmlを参照;検索日:2018年8月22日)。そこではトラバース糸ガイドを備えた糸ガイドユニットが、巻の直径が増大する結果としての補償運動により、ヘッド糸ガイドに向かって直線運動で移動される。このようにして、補償運動が、入口角度、および巻取り材料がヘッド糸ガイドを離れる角度、および巻取り材料が糸ガイドユニットに入る角度に変化をもたらすことはない。ただしこの実施形態では、補償運動により分配三角形の長さが短縮され、それは、補償運動により分配三角形の全トラバース角度αが拡大する結果をもたらし、それによってトラバース糸ガイドによる巻取り材料の必要な偏向の程度も拡大し、それは望ましいことではない。
【0007】
さらに本申請者は「SAHM 880XE」という名称の巻取機を販売している(www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/sahm-880xe.html参照;検索日:2018年8月22日)。ここではトラバース糸ガイドを備えた糸ガイドユニットが、巻取機のフレームに固定的に配置され、補償運動のためにスピンドルがその上に成形されたスプールとともに変位する。しかしこれは、特に重いスプールの場合、非常に安定した構造を必要とするため、この実施形態は好ましくは20kg以下の重量の軽いスプールのために使用される。
【0008】
さらなる従来技術は、欧州特許出願公開第1925580号明細書、米国特許第4076181号明細書、および独国特許出願公開2236025号明細書から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第03/099695号明細書
【文献】欧州特許第1656317号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1925580号明細書
【文献】米国特許第4076181号明細書
【文献】独国特許出願公開2236025号明細書
【非特許文献】
【0010】
【文献】www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/sahm-830xe.html
【文献】www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/carbonstar-ii.html
【文献】www.sahmwinder.de/produkte/sahm-carbon-fiber-winders/sahm-880xe.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、
-その巻への途上での巻取り材料の偏向、および/または
-巻の直径の増大に伴う糸ガイドユニットの補正運動の影響、および/または
-トラバース角度の分配三角形内での影響、および/または
-補正運動の巻取り材料の偏向への(特にトラバース糸ガイドの領域での)影響、および/または
-全トラバース角度αが変わらない、または実質的に変わらないことの保障、および/または
-巻取り材料中の張力の変動の低減、および/または
-ダンサーローラのような装置の、および/または巻取り材料中の張力を一定に保つための駆動装置の調整に関する要件、および/または
-スプールによって巻取られるスプールの品質、および/または
-糸ガイドユニットの設計サイズ、
という観点で、改善された巻取機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題は、本発明による独立請求項の特徴によって解決される。本発明のさらなる好ましい実施形態は従属請求項に記載される。
【0013】
本発明の巻取機は、基本板、枠組みまたはハウジングとして形成されうるフレームを有する。巻取機は、巻取りの際にスプールの回転運動をもたらすために、例えば回転可能であるスピンドルを備え、または回転可能でなくともよく、そうであれば特にスプールの駆動が回転運動を引き起こすために、スプール体の駆動装置または巻の外周面と相互作用する摩擦駆動装置を介して行われることができる。本発明は、1つのスピンドルだけではなく、少なくとも2つのスピンドルが巻取機に設けられる実施形態も含む。ここでは、少なくとも2つのスピンドルがタレットに保持されることも可能である(冒頭に挙げられた従来技術、欧州特許出願公開第1507730号明細書を参照)。
【0014】
本発明の巻取機は、糸ガイドユニットを備える。糸ガイドユニットはトラバースしながら駆動されるトラバース糸ガイドを有する。糸ガイドユニットはスピンドル上に巻取られる巻の外周面に押圧される押圧手段を備える。押圧手段は好ましくは、回転可能に糸ガイドユニットの基体に支承される押圧ローラである。そのような押圧ローラは、糸ガイドユニットの巻での支持のために使われうる。付加的に押圧ローラを介して巻取り材料の巻の外周面への敷設を保障することも可能である。さらに、押圧ローラを介して巻の外周面への加圧力に応じて巻の圧縮を行うことも可能であり、それによってこれはより硬く形成されることができ、および/または巻の同じ直径中に、巻取り材料の別の長さを備蓄することができる。押圧ローラが巻取り工程に亘って、巻の外周面に変更可能な加圧力を行使することも可能である。さらに、押圧ローラの巻の外周面への加圧力の制御または調整は、過大な加圧力のために巻が膨らんだり、または巻の交差点で巻取り材料上にマーキングがされたりしないような方法で行われることが可能である。巻取り工程中、糸ガイドユニット(およびそれによってトラバース糸ガイド)は巻の増大した直径に応じて、スピンドルに対する補償運動によって移動可能であり、それは押圧手段の巻の外周面での支持によって保障される。
【0015】
巻取機はヘッド糸ガイドを有する。このヘッド糸ガイドは糸道中のトラバース糸ガイドの前に配置される。ヘッド糸ガイドは糸ガイドユニットから距離を置いてフレームに配置され、保持されおよび/または案内される。ヘッド糸ガイドから巻取り材料は直接、巻取り材料がヘッド糸ガイドと糸ガイドユニットの間の途上で巻取り材料の偏向を行うことなしに、糸ガイドユニットに到達する。ヘッド糸ガイドは分配三角形の頂点を設定する。
【0016】
従来技術はこれまでに、ヘッド糸ガイドが巻取機のフレームに固定的に配置されなければならず、同時に巻取り材料の道と偏向の影響に対する措置が、特に一方では補償運動との関連において、もう一方では、糸ガイドユニットの領域内以外の、分配三角形内でのトラバース運動との関連において講じられなければならない、という偏見から出立していた。
【0017】
本発明は(糸ガイドユニットの領域で講じられるこれらの公知の措置に対して代替的にまたは累積的に)初めて、ヘッド糸ガイドが巻取機のフレームに可動に保持され、案内されることを提案する。ここでは本発明の枠内で、ヘッド糸ガイドの運動が、糸ガイドユニットを巻の直径の変化と共に実施する補償運動との関連で実施される。ここではヘッド糸ガイドの運動が、補償運動の、ヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間の、巻取り材料の道への作用が、少なくとも抑制されるように生じる。特に本発明では巻取り材料のヘッド糸ガイドからの出口角度の、および/または巻取り材料のヘッド糸ガイドの領域での偏向角度の、および/または巻取り材料の糸ガイドユニットへの入り口角度の、および/または巻取り材料の糸ガイドユニットの領域、ここでは特にトラバース糸ガイドの領域での偏向角度の変化が、補償運動と関連して抑制されるか、または完全に消去される。
【0018】
基本的にヘッド糸ガイドの任意の運動が生じることができる。本発明のいくつかの非限定的な例を挙げれば、ヘッド糸ガイドは並進ガイド、湾曲ガイドまたはフレームに向き合う円弧ガイドを介して案内されうる。この変形は、糸ガイドユニットがフレームに対して並進的に案内されたときにも、糸ガイドユニットが例えば、スイベルアームを介してフレームに対して旋回可能に案内される場合にも使用されることができる。ここではヘッド糸ガイドの運動が好ましくは、これが方向および/または量という観点から、糸ガイドユニットの補償運動に相応するか、またはこの方向および/または量に近似するように生じる。本発明の特別な提案では、ヘッド糸ガイドの運動が、巻取り材料の糸ガイドユニットへの入り口角度βが、トラバース糸ガイドのトラバース軸へと横方向に配向された面で変化せず、特に+/-5.0°または+/-2.0°または+/-1.0°または+/-0.5°の入口角度βの変化をもなお、これに含めることができる。
【0019】
ヘッド糸ガイドの運動をもたらす方法には様々な可能性がある。本発明に含まれる変形の場合、ヘッド糸ガイドが、アクチュエータを介して運動可能であり、アクチュエータによって制御される運動は、補償運動に関連して生じる。本発明を限定しないいくつかの例のみを挙げれば、巻の直径は、センサーを使って直接的または間接的に検出されうる。例えば、センサーは、距離測定、蝕輪などを介して巻の直径を検出することができる。補償運動の結果としての糸ガイドユニットの運動を測定することにより、巻の直径を間接的に検出することも可能である。そこから巻の直径を算出することができる、巻取られた巻取り材料の長さを測定することにより、巻の直径を間接的に検出することも可能である。さらなる一例のみを挙げると、トラバース糸ガイドの運動の程度、特に実行されるストロークの数から、巻の直径を間接的に推測することができる。巻の直径を検出するための別の可能性は、スピンドル回転速度および/または巻取り材料の速度からそれを計算することにある。そのようにして例えば、(スピンドル回転速度の過程から計算することもできる)巻取り材料の速度の積分から、巻に巻取られる巻取り材料の長さを計算でき、そこから次にはまた、特性マップまたは機能依存性に基づいて、巻の直径を決定できる。巻の現在の直径に関して対応する信号が存在するとき、制御ユニットを使用してアクチュエータを駆動することができ、それはヘッド糸ガイドを必要な程度で移動させる。
【0020】
ヘッド糸ガイドの運動をもたらすための特に簡単であるが信頼できる可能性は、糸ガイドユニットの補償運動とヘッド糸ガイドの運動との機械的結合であり、そのため、ここでは受動的措置が採られる。最も単純なケースでは、糸ガイドユニットは、例えば結合ストラットなどの結合手段、または場合によりギア接続を介しても、ヘッド糸ガイドと機械的に結合され、それによって糸ガイドユニットの補償運動が、結合ストラットの、またはヘッド糸ガイドと、糸ガイドユニットの間に配置されたギア結合の運動学を介して、ヘッド糸ガイドの運動に変換される。
【0021】
例えば従来技術の様々な実施形態から知られているように、糸ガイドユニットでは任意のトラバース糸ガイドを使用することができる。本発明の巻取機では、好ましくは巻取り材料を滑動させて案内し、および/または偏向するトラバース糸ガイドが使用される。
【0022】
ヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間の巻取り材料の長さについては、本発明の枠内で多様な可能性がある。本発明の提案では、この長さは少なくとも300mmである(例えば、350mm以上、400mm以上、450mm以上、500mm以上、または600mm以上)。このような長さを選択すると、分配三角形も対応する長さを有することが結果的に生じ、それによって、巻取り材料の張力の変化を引き起こしうる、ヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間の巻取り材料の長さの変化が、比較的小さいため、場合により補償ブラケットの使用を省略することができる。一方、ヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間の巻取り材料の長さがこのように長いと、トラバース糸ガイドの領域で巻取り材料の偏向角度も縮小し、これにより巻取り材料への荷重が低減される。
【0023】
基本的に、冒頭でも説明したように、一方でヘッド糸ガイド、およびもう一方で糸ガイドユニットは、任意の自由度を有することができる。本発明の提案では、糸ガイドユニットおよびヘッド糸ガイドは、それぞれ並進的に案内され、糸ガイドユニットおよびヘッド糸ガイドの並進的な自由度は互いに対して平行に配向されている。ここでは好ましくは、一方で糸ガイドユニットの運動、およびもう一方でヘッド糸ガイドの運動は、平行な自由度に沿って同じ振幅で同期している。例えば、ヘッド糸ガイドが巻取機の下端領域に配置され、これがガイドを使って水平方向に並進的に案内されることが可能である。この場合、糸ガイドユニットが、同様に水平方向の並進自由度によって、巻取機のフレームの上端領域に配置されることができる。このように、巻取機のサイズが小さい場合でも、ヘッド糸ガイドとトラバース糸ガイド間の巻取り材料の十分な長さが、上記で説明され、ここで関連する利点と共に保証されることができる。
【0024】
本発明の有利な発展形態は、特許請求の範囲、明細書、および図面から明らかになる。明細書中に挙げられた特徴、および複数の特徴の組合せの利点は単に例示的なものであり、代替的または累積的に効果を表してもよく、その際、これらの利点が本発明による実施形態によって必ずしも達成される必要はない。これによって、添付の請求項の主題が変更されることなく、出願時の出願書類および特許の開示内容に関しては次のとおりである:さらなる特徴は、図面、-特に複数の構造要素の図示された形状および相対寸法、ならびにそれらの相対配置および作用結合から読み取れる。本発明の異なる実施形態の特徴、または異なる請求項の特徴の組合せが同様に、請求項の選択された引用との逸脱も可能であり、当該組み合わせによって示唆される。このことは、別個の図面に示されているか、またはこれらの図面の説明に挙げられた特徴にも関する。これらの特徴は、異なる請求項の特徴と組み合わせることもできる。同様に、特許請求の範囲に記載された本発明の他の実施形態に係る特徴が省略されてもよい。
【0025】
請求項および明細書に挙げられた特徴は、その数に関して、まさにその数または挙げられた数よりも大きい数が存在することと解されるべきである。その際に「少なくとも」という副詞の明示的な使用は必要でない。すなわち、例えば要素のことが問題である場合、これは正確に1つの要素、2つの要素、またはそれ以上の要素が存在し得ると解されるべきである。これらの特徴に別の特徴が補足されてもよいし、それぞれの成果物をなす特徴だけであってもよい。
【0026】
請求項に含まれる参照符号は、請求項により保護される対象の範囲を限定するものではない。これらの参照符号は、請求項を容易に理解する目的で用いられるにすぎない。
【0027】
以下に本発明が図示された好適な実施形態例を元にさらに解説され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、巻取機を斜め正面上から立体図で示す。
図2図2は、図1の巻取機を正面図で示す。
図3図3は、図1および図2の巻取機を正面図で示し、ここではフレームが部分的に分断されて示されているため、糸ガイドユニットとヘッド糸ガイド間の結合ストラットが見える。
図4図4は、図1から図3の巻取機を側面図で示す。
図5図5は、糸ガイドユニットの巻との接触領域における、図1から図4の巻取機の正面図の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、巻取り機1の立体図を示す。巻取機1は、カバープレート、ハウジング、枠組み等で形成されうるフレーム2を備える。フレーム2には、下記に挙げられる巻取機1の本質的な部材が、保持および/または案内される。
【0030】
巻取機1は、y軸に平行に配向された、ここでは固定式に配置された回転スピンドル3を備える。スピンドル3に平行に、およびy軸方向に、糸ガイドユニット4が延在する。糸ガイドユニット4は、ここでは水平自由度6を規定するガイド5を介してフレーム2に可動に支承される。糸ガイドユニット4は、ここでは押圧ローラ8である押圧手段7を有し、押圧ローラ8は回転可能にy軸に平行に糸ガイドユニット4の基体に支承される。ここでは示されていない適合したアクチュエータ、または重量力を介して、糸ガイドユニット4は、自由度6に沿ってスピンドル3の方向に印加されるため、糸ガイドユニット4は、押圧ローラ8を介して、所定の圧力でスピンドル3上で作成される巻の外面に支持される。糸ガイドユニット4は、トラバース糸ガイド9を備え、それは、トラバース運動10によりy軸に平行に往復運動をする。
【0031】
巻取り材料11は、例えば連続的または非連続的な製造プロセスに亘って提供され、糸ガイドユニット4、ここではトラバース糸ガイド9に、入口ローラ12、偏向ローラ13および、ここではヘッド糸ガイドローラ15として形成される、ヘッド糸ガイド14を介して供給される。ヘッド糸ガイド14と糸ガイドユニット4間に、それを介して巻取り材料11の案内または偏向が行われる、他のガイド要素は存在しない。全偏向角度αを有する分配三角形16が、ヘッド糸ガイド14と糸ガイドユニット4間に設定され(図4参照)、ヘッド糸ガイド14は、分配三角形16の頂点17を規定し、分配三角形16の長さは、ヘッド糸ガイド14とトラバース糸ガイド9の距離22に相応する。ヘッド糸ガイド14は、ここでは並進および水平の自由度19を有するガイド18を介してフレーム2に対して案内される。
【0032】
図の中で、x軸は、図示された実施形態例では、自由度6、19に平行に配向される水平方向を示す。y軸は、スピンドル3の長手軸および/または回転軸に平行に配向される。さらに、糸ガイドユニット4はy軸方向に延在し、トラバース糸ガイド9のトラバース運動10はy軸に平行に配向され、加圧ローラ8はy軸を中心に回転する。最後に、z軸は、巻取機1の垂直軸を示す。入口角度βは、z軸に対するx z面における巻取り材料11の角度を表す。
【0033】
図2は、巻取り工程の開始時、すなわちスピンドル3に巻を作成し始めたときの巻取機を示す。巻取り工程の開始時に、糸ガイドユニット4は、自由度6の方向に位置を設け、それはスピンドル3の長手軸、および回転軸からの最小の半径方向の距離を有する。巻取り工程の過程で、巻の直径が増大し、その結果、糸ガイドユニット4が自由度6に沿った補償運動23により、次第にスピンドル3の長手軸および/または回転軸から離れるように移動する。本発明の実施形態とは異なり、ヘッド糸ガイド14がフレーム2上に固定して配置された場合、糸ガイドユニット4のこの補償運動23は、入口角度βを変化させる(図示された実施形態例の場合:減少させる)結果となり、これは望ましくない。本発明では、自由度19に沿ったヘッド糸ガイド14の運動がもたらされ、ヘッド糸ガイド14の運動の程度は、糸ガイドユニット4の運動の程度に相応する。巻の直径および補償運動23に関係なく、この措置により、入口角度βは巻取り工程に亘って一定に保たれることができる。その結果、形状、特にヘッド糸ガイド14と糸ガイドユニット4間の分配三角形16の長さは、補償動作23によって変化しない。
【0034】
糸ガイドユニット4の運動とヘッド糸ガイド14の運動との結合は、図示された実施形態例では、ここでは糸ガイドユニット4をヘッド糸ガイド14と堅固に結合する結合ストラット21として形成される、機械的結合手段20を介して行われる(図3を参照)。この場合、結合ストラット21は、好ましくはフレームまたはハウジング2の内側に延び、そのためそれは外からは見えず、ハウジング壁によって覆われている。
【0035】
図5では、可能な形態において、トラバース糸ガイド9は板状に形成され、トラバース糸ガイド9はこの場合、例えば、巻取り材料11が通過するU字型の凹部を有することが見てとれる。すると、分配三角形16の中央で、巻取り材料11は、偏向なしでU字形の凹部を直線的に通過し、その際、中央位置からの偏移のために、偏向はトラバース糸ガイド9のUの側脚を通って行われ、中心位置からの距離が大きくなると、Uのこの側脚を通じ、さらに強い偏向が生じる。ここでは板状のトラバース糸ガイド9が、巻取り材料11の入口方向に対して垂直に配向されているため、トラバース糸ガイド9およびU字型の凹部の延在面も同様に、入口角度βの元でx-y面に対して傾斜している。
【0036】
本発明の実施形態は、特に固定ヘッド糸ガイド14を用いた従来技術から公知の解決法に対して、以下の(代替的または累積的な)差異および利点をもたらす:
【0037】
a)入口角度βは変化しないため、巻取り材料11のヘッド糸ガイド14との接触条件は、補償運動23およびスプールの巻の直径とは無関係である。
【0038】
b)ヘッド糸ガイド14がヘッド糸ガイドローラ15として形成される場合、本発明の実施形態は、ヘッド糸ガイドローラ15の巻付け角度が補償運動23によって変化しないか、または減少する程度に変化するという結果をももたらす。(特に巻取り材料11が補償運動23に平行にヘッド糸ガイドローラ15上で膨れ上がると、補正動作23によって変化しない巻付け角度が生じ、それに対して、巻取り材料11の別の巻取り方向の場合、ヘッド糸ガイドローラ15上に補償運動23により、巻付け角度の変化が生じうる。)
【0039】
c)さらに、巻取り材料11が糸ガイドユニット4、および特にトラバース糸ガイド9に供給される条件は、補償運動23には関連がなく、したがって、構築中にある巻の直径には関連しない。例えば本発明の措置により、入口角度βが変更されることによって、トラバース糸ガイド9のU字型の凹部の土台に巻取り材料11がより強く引き込まれると(入口角度βの拡大)、それによって巻取り材料11の偏向角度もトラバース糸ガイド9のU字型の凹部の領域で拡大することを防止することができる。本発明の措置により、縮小した入口角度βのために、巻取り材料11がトラバース糸ガイド9に入るときに、巻取り材料11が、変更された角度の元で、U字形の凹部の側脚からわずかに上方に引っ張られることを防止することもできる。
【0040】
d)ヘッド糸ガイド14のトラバース糸ガイド9(図2を参照)からの距離22は、少なくとも300mmである。ヘッド糸ガイド14のトラバース糸ガイド9からの比較的大きい距離により、ヘッド糸ガイド14とトラバース糸ガイド9間の巻取り材料11の長さの、トラバース運動10のストローク中の変化はわずかのみであり、そのため場合により、補償ブラケットの使用のような補償措置23は不要となる。ここでは、距離22は、分配三角形16の長さと相関する。
【0041】
e)本発明では、巻取り工程に亘って変化する巻取り材料11の接触条件の結果としての、巻取り材料11の品質の低下の回避または低減、および巻取機に対する巻取りの品質の改善が生じる。この場合、入口角度βが巻取り工程に亘って、分配三角形16の、場合によってここで結果として生じる、変更された全体的なトラバース角度αとともに変化する。
【0042】
f)本発明では場合により、巻取り材料11の巻付けが行われず、巻取り材料11の案内のみがスピンドル3の長手軸および/または回転軸に平行に行われるときにも、トラバース糸ガイド9の使用が行われうる。この実施形態では巻取り材料11が、巻付けの省略による曲げ荷重の減少の結果保護されうる。
【0043】
本発明は、ヘッド糸ガイド14の運動が、糸ガイドユニット4の補償運動23のみに関連する実施形態も、ヘッド糸ガイド14の運動が、糸ガイドユニット4の補償運動23との関連に加えて、少なくとももう1つの駆動規模に関連する実施形態をも含む。
【0044】
さらに本発明は、ヘッド糸ガイド14の運動が、ストローク全体に亘ってではなく、補償運動23の部分ストロークに亘ってのみ、糸ガイドユニット4の運動に結合される実施形態を含む。ヘッド糸ガイド14の運動と糸ガイドユニット4の運動との結合は、ここでは、任意の線形または非線形の関連を介して行われることができる。
【0045】
そのことから本発明は、ヘッド糸ガイド14の運動が糸ガイドユニット4の運動との関連で生じるだけでなく、これが付加的に他の目的のためにも起こりうる実施形態を含む。例えば、ヘッド糸ガイド14がアクチュエータを介して運動する場合、ヘッド糸ガイド14の運動を、巻取り材料11の張力を少なくとも一時的に制御または調整するために利用することもできる。もう1つの非限定的な例のみを挙げれば、ヘッド糸ガイド14の運動は、例えば巻取り材料11の把持または切断をサポートし、または可能にするために、またはこの特別な駆動状態のために有利な巻取機1の構成をもたらすために、巻取り工程の開始時、巻取り工程の終了時、またはスプールを交換するために行われることができる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
a)フレーム(2)、
a)スピンドル(3)、
b)糸ガイドユニット(4)であって、
ba)トラバースしながら駆動されるトラバース糸ガイド(9)、及び、
bb)前記スピンドル(3)上に巻取られる巻の外面に押圧される押圧手段(7)を有し、
bc)巻取り工程中に、巻の直径の増大に応じて補償運動(23)によって前記スピンドル(3)に対して可動である、糸ガイドユニット(4)、及び、
c)前記トラバース糸ガイド(9)に前もって備え付けられ、前記フレーム(2)に糸ガイドユニット(14)から距離をおいて配置され、それによって前記巻取り材料(11)が直接前記糸ガイドユニット(4)に到達する、ヘッド糸ガイド(14)を、備え、
d)前記ヘッド糸ガイド(14)が前記補償運動(23)に関連して可動であることを特徴とする巻取機(1)。
2.
前記巻取り材料(11)の入り口角度βが、前記トラバース糸ガイド(9)のトラバース軸に横方向に配向される面(x-z-面)中の前記糸ガイドユニットの中で変わらないように、前記ヘッド糸ガイド(14)の運動が行われることを特徴とする、上記1の巻取機(1)。
3.
前記ヘッド糸ガイド(14)がアクチュエータを介して、前記補償運動(23)と関連して可動であることを特徴とする、上記1または請求書2の巻取機(1)。
4.
前記糸ガイドユニット(4)の前記補償運動(23)が機械的に前記糸ヘッド糸ガイド(14)の運動と結合されることを特徴とする、上記1または請求書2の巻取機(1)。
5.
前記トラバース糸ガイド(9)が前記巻取り材料(11)を滑動させて案内し、および/または偏向することを特徴とする、上記1~4のいずれか一つの巻取機(1)。
6.
前記巻取り材料(11)の長さが前記ヘッド糸ガイド(14)と前記トラバース糸ガイド(9)間で少なくとも300mmであることを特徴とする、上記1~5のいずれか一つの巻取機(1)。
7.
前記糸ガイドユニット(4)および前記ヘッド糸ガイド(14)が並行な自由度(6、19)でそれぞれ並進的に案内されることを特徴とする、上記1~6のいずれか一つの巻取機(1)。
【符号の説明】
【0046】
1 巻取機
2 フレーム
3 スピンドル
4 糸ガイドユニット
5 ガイド
6 自由度
7 押圧手段
8 押圧ローラ
9 トラバース糸ガイド
10 トラバース運動
11 巻取り材料
12 入口ローラ
13 偏向ローラ
14 ヘッド糸ガイド
15 ヘッド糸ガイドローラ
16 分配三角形
17 頂点
18 ガイド
19 自由度
20 機械的結合手段
21 結合ストラット
22 距離
23 補償運動
図1
図2
図3
図4
図5