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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20231012BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20231012BHJP
   F25D 23/04 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
F25D23/00 301K
F25D29/00 Z
F25D23/04 G
F25D23/00 301Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021518345
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2020017545
(87)【国際公開番号】W WO2020226068
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2019089180
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】臼井 弘敏
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152216(JP,A)
【文献】特開2012-042173(JP,A)
【文献】特開2003-090673(JP,A)
【文献】国際公開第2016/151814(WO,A1)
【文献】特開2017-161143(JP,A)
【文献】特表2009-525449(JP,A)
【文献】国際公開第2017/190946(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
G01F 1/00-25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の液体容器を格納可能であり、前記複数の液体容器の側面と接触する内壁に設けられた第1センサ電極を有するポケットと、
前記第1センサ電極の状態にもとづいて、前記第1センサ電極と接触する前記液体容器の残量を検出する検出器と、
を備え、
前記ポケットは、前記複数の液体容器を第1方向に並べて収容可能であり、
前記第1センサ電極が複数個、前記第1方向に離間して設けられ、
前記ポケットは、前記内壁の同じ高さに前記第1方向に密に並べられた複数の第3センサ電極をさらに備えることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1センサ電極は、前記液体容器の深さ方向に隣接する複数のサブ電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記ポケットは、
それぞれが1本の前記液体容器を収容可能な複数のカートリッジと、
前記複数のカートリッジが着脱可能なホルダーと、
を備え、
前記カートリッジごとに、前記第1センサ電極が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記液体容器は規格化されたサイズを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記液体容器の内容物は牛乳であることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ポケットは、隣接する前記液体容器の間に位置する絶縁体の仕切り板をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記仕切り板は、前記第1方向に移動可能であることを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記ポケットは、前記液体容器の底面と接触する面に設けられた複数の第2センサ電極をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記冷蔵庫の内部に設けられ、前記ポケットを撮影するカメラと、
前記冷蔵庫のドアに設けられ、前記カメラが撮影した画像を表示するディスプレイと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記ディスプレイは、前記画像に含まれる前記液体容器それぞれについて、残量を示す情報を表示することを特徴とする請求項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫内の液体残量の検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
容器やタンク内の液体の量、すなわち液位を検出するセンサとして、フロート(浮き)式のものや、光学式のものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、家電製品のIoT(Internet Of Things)化が進められており、冷蔵庫などの貯蔵庫も例外ではない。冷蔵庫には、水、牛乳やジュースなどの液体が、それぞれに固有の容器に収容された状態で保存される。
【0004】
容器には不透明のものがあるため、光学式のセンサを用いることができない。また容器の重量はさまざまであるから、重量にもとづいて残量を推定することも難しい。
【0005】
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、液体容器内の残量を検出可能な冷蔵庫の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。またこの概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、実施形態の欠くべからざる構成要素を限定するものではない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつ実施形態または複数の実施形態を指すものとして用いる場合がある。
【0007】
一実施の形態に係る冷蔵庫は、複数の液体容器を格納可能であり、複数の液体容器の側面と接触する内壁に設けられた第1センサ電極を有するポケットと、第1センサ電極の状態にもとづいて、当該第1センサ電極と接触する液体容器の残量を検出する検出器と、を備える。
【0008】
第1センサ電極が液体容器との間に形成する静電容量を測定することにより、残量を検出することができる。
【0009】
一実施形態において、ポケットは、それぞれが1本の液体容器を収容可能な複数のカートリッジと、複数のカートリッジが着脱可能なホルダーと、を備えてもよい。ポケットにはカートリッジごとに、第1センサ電極が設けられてもよい。これにより、液体容器と第1センサ電極の位置ズレを防止できるため、残量を正確に検出できる。
【0010】
一実施形態において、液体容器は規格化されたサイズを有してもよい。この場合、規格で定められたサイズの容器に適合するように、ポケットを設計することにより、位置ズレなどを防止できるため、残量検出の精度を高めることができる。液体容器の内容物は牛乳であってもよい。
【0011】
一実施形態において、ポケットは、複数の液体容器を第1方向に並べて収容可能であり、第1センサ電極が複数個、第1方向に離間して設けられてもよい。
【0012】
一実施形態において、ポケットは、隣接する液体容器の間に位置する絶縁体の仕切り板をさらに備えてもよい。仕切り板によって、各液体容器を、対応する第1センサ電極と対向する位置に固定することができ、また、ひとつの第1センサ電極に、複数の液体容器が接触するのを防止できる。
【0013】
一実施形態において、仕切り板は、第1方向に移動可能であってもよい。これにより様々な大きさの液体容器に対応できる。
【0014】
一実施形態において、ポケットは、液体容器の底面と接触する面に設けられた複数の第2センサ電極をさらに備えてもよい。これにより、液体容器の有無を判定できる。
【0015】
一実施形態において、ポケットは、内壁の同じ高さに第1方向に密に並べられた複数の第3センサ電極をさらに備えてもよい。これにより、液体容器の断面形状を判定できる。
【0016】
一実施の形態に係る冷蔵庫は、複数の液体容器を格納可能であり、複数の液体容器の側面と接触する内壁にマトリクス状に設けられた複数のセンサ電極を有するポケットと、複数のセンサ電極の状態にもとづいて、複数の液体容器の残量および形状を検出する検出器と、を備える。
【0017】
一実施の形態において、冷蔵庫は、冷蔵庫の内部に設けられ、ポケットを撮影するカメラと、冷蔵庫のドアに設けられ、カメラが撮影した画像を表示するディスプレイと、をさらに備えてもよい。
【0018】
一実施の形態において、ディスプレイは、画像に含まれる液体容器それぞれについて、残量を示す情報を表示してもよい。これによりユーザは、冷蔵庫を開けなくても、直感的かつ視覚的に、どの液体容器にどの程度の残量があるのかを知ることができる。
【0019】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明のある態様によれば、さまざまな容器に収容される液体の残量を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態に係る冷蔵庫の内部を示す図である。
図2】ポケットの構造を説明する図である。
図3】残量検出の原理を説明する図である。
図4図4(a)、(b)は、複数のサブ電極の静電容量の例を示す図である。
図5図5(a)~(c)は、実施例1に係るポケットを示す図である。
図6図6(a)は、実施例2に係るポケットを上から見た平面図であり、図6(b)は仕切り板を有しないポケットを上から見た平面図である。
図7】実施例3に係るポケットを示す図である。
図8】実施例4に係るポケットを示す図である。
図9図9(a)、(b)は、図8のポケットの機能を説明する平面図である。
図10図10(a)、(b)は、図9(a)、図9(b)の状態において測定される複数の第3電極の静電容量を示す図である。
図11】実施例5に係るポケットを示す図である。
図12】変形例に係る冷蔵庫を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0023】
図1は、実施の形態に係る冷蔵庫100の内部を示す図である。冷蔵庫100は、複数の液体容器2を収容可能なポケット110を備える。その限りでないが、ポケット110はたとえばドア102の内側に設けられている。図1では、ポケット110は二列で構成されるが、一列であってもよい。冷蔵庫100は、ポケット110に収容される液体容器2の残量を検出可能である。
【0024】
図2は、ポケット110の構造を説明する図である。ポケット110は、第1センサ電極112を有する。第1センサ電極112は、液体容器2の側面と接触するポケット110の内壁114に設けられる。第1センサ電極112は露出していてもよいし、内壁114に埋め込まれていてもよい。第1センサ電極112の位置は限定されず、残量を検出したい液体容器2と接触する位置に配置すればよい。また第1センサ電極112の個数は特に限定されない。複数の第1センサ電極112は、検出器130と接続される。検出器130は、複数の第1センサ電極112が、検出対象の液体容器2との間に形成する静電容量Csを検出する。そして各第1センサ電極112の静電容量Csにもとづいて、液体容器2の残量を取得する。
【0025】
図3は、残量検出の原理を説明する図である。たとえば第1センサ電極112は、液体容器2の深さ方向に隣接する複数のサブ電極Es1~Esnを含む。検出器130は、静電容量検出回路132および演算処理部134を備える。静電容量検出回路132は、複数のサブ電極Es1~Esnと接続され、各サブ電極Esの静電容量を検出可能に構成される。この例ではn=6である。複数のサブ電極Es1~Esnのうち、液体4の液位6よりも上側のサブ電極Esi(i=1,2,3)については、静電容量Csiが相対的に小さくなり、液位6よりも下側のサブ電極Esj(j=4~6)については、静電容量Csjが相対的に大きくなる。演算処理部134は、複数のサブ電極Es1~Esnの静電容量Cs1~Csnを示す検出データを受け、この検出データにもとづいて、液位6を取得する。
【0026】
図4(a)、(b)は、複数のサブ電極Es1~Es6の静電容量の例を示す図である。図4(a)の例では、サブ電極Es1~Es3の静電容量Cs1~Cs3が相対的に小さく、サブ電極Es4~Es6の静電容量Cs4~Cs6が相対的に大きくなっている。したがって、演算処理部134は、図3に示すように、3番目と4番目の間に、液位6があることと判定できる。
【0027】
図4(b)の例では、サブ電極Es1~Cs3の静電容量Cs1~Es3が相対的に小さく、サブ電極Es5~Es6の静電容量Cs5~Cs6が相対的に大きく、4番目のサブ電極Es4の静電容量Cs4が、中間的な値を示している。この場合、演算処理部134は、4番目のサブ電極Es4の範囲に液位6があると判定してもよい。演算処理部134は、静電容量Cs4の値にもとづいて、4番目のサブ電極Es4の範囲のどの位置に、液位6が存在するのかを推定してもよい。
【0028】
以上が冷蔵庫100の構成である。この冷蔵庫100によれば、液体容器2と接触するポケット110の内壁114に第1センサ電極112を設け、第1センサ電極112が液体容器2との間に形成する静電容量を測定することにより、残量を検出することができる。
【0029】
また図3のポケット110による液位の検出手法によれば、複数のサブ電極Es1~Esnの静電容量Cs1~Csnの相対的な関係にもとづいて、液位6すなわち残量を検出する。したがって、液体容器2の材質や、内容物の影響を受けずに、残量を正確に検出することができる。
【0030】
なお、液位の検出方法や電極の形状、配置はこれに限定されず、公知のさまざま手法を用いることができる。
【0031】
(実施例1)
図5(a)~(c)は、実施例1に係るポケット110Aを示す図である。図5(a)に示すように、ポケット110Aは、複数のカートリッジ120とホルダー122を備える。カートリッジ120は、1本の液体容器2を収容可能である。ホルダー122には、カートリッジ120が着脱および移動可能となっている。
【0032】
カートリッジ120は、液体容器2に適合する形状を有するとよい。たとえば液体容器2が牛乳パックである場合、その断面形状は実質的に規格化されており、70mm角が主流となっており、一部、57mm角のものも流通している。複数のカートリッジ120のうち、いくつかは牛乳パック専用に設計してもよい。また、水や清涼飲料水を収容するペットボトルの直径あるいは1辺の長さもおおよそ決まっている。したがって、カートリッジ120のうちいくつかは、ペットボトル専用に設計してもよい。
【0033】
図5(b)に示すように、カートリッジ120の液体容器2と対向する面S1には、複数のサブ電極Esからなる第1センサ電極112が設けられる。
【0034】
検出器130の動作には電源が必要であるため、検出器130は、カートリッジ120側でなく、ホルダー122あるいはホルダー122の外部に設けることが好ましい。この場合、カートリッジ120には、第1センサ電極112と、検出器130を接続するためのインタフェース124が設けられる。図5(c)に示すように、インタフェース124は、カートリッジ120の第1センサ電極112と反対の面S2に設けてもよい。
【0035】
図5(a)に示すように、ホルダー122は、複数のカートリッジ120側のインタフェース124_1~124_3と接触する複数のインタフェース126_1~126_3を有する。
【0036】
図5(c)に示すように、カートリッジ120_1~120_3は、それぞれ異なる高さにインタフェース124_1~124_3が形成される。また図5(a)に示すように、インタフェース126_1~126_3は、それぞれが対応するインタフェース124と接触するように、異なる高さに設けられる。複数のカートリッジ120_1~120_3が、第1方向(x方向)に配置されるとき、インタフェース126_1~126_3は、第1方向に伸びるレール状に形成される。そして、カートリッジ120_i(i=1,2,3)は、第1方向のいずれの箇所に置いたとしても、インタフェース124_iとインタフェース126_i同士が接触することが可能となっている。
【0037】
これにより、カートリッジ120_1~120_3の位置を入れ替えたりすることが可能となる。なお、インタフェース124を、カートリッジ120の底面に設けてもよい。この場合、ホルダー122側のインタフェース126の位置も変更すればよい。
【0038】
(実施例2)
図6(a)は、実施例2に係るポケット110Bを上から見た平面図である。実施例1では、カートリッジ形式のポケットを説明したが、図6(a)のポケット110Bは、カートリッジを用いず、直接、液体容器2を収容するダイレクト形式のポケットである。ポケット110Bには、複数の液体容器2が第1方向(図中、x方向)に並べて収容可能である。複数の第1センサ電極112は、第1方向に離間して設けられる。ポケット110Bは、隣接する液体容器2の間に位置する絶縁体の仕切り板140をさらに備える。この仕切り板140は、液体容器2の大きさや位置に応じて、第1方向に移動可能である。
【0039】
図6(b)は仕切り板140を有しないポケット110を示す図である。仕切り板140が存在しないと、ひとつの第1センサ電極112_2に、複数の液体容器2_2,2_3が同時に接触することとなる。この場合、第1センサ電極112_2の出力にもとづく残量検出は不確かなものとなる。また、図1に示すようにポケット110をドアの内側に設ける場合、ドアの開閉によって、液体容器2の位置が移動するおそれがある。
【0040】
図6(a)に示すように、仕切り板140を設けることにより、1個の第1センサ電極112に、複数の液体容器2が接触する状態を回避することができる。またドアの開閉によって液体容器2が移動することを防止できる。
【0041】
図6(a)に示すように、ポケット110Bは、x方向と垂直な面に設けられた第1センサ電極112Bを備えてもよい。仕切り板140_1を左側に寄せることにより、液体容器2_1と第1センサ電極112Bを隙間なく密着させることができる。これにより、液体容器2_1の残量を正確に測定できる。第1センサ電極112Bを設ける場合、第1センサ電極112_1は省略してもよい。
【0042】
(実施例3)
図7は、実施例3に係るポケット110Cを示す図である。図7のポケット110Cも、カートリッジを用いないダイレクト方式である。ポケット110Cは、液体容器2の底面と接触する面S3に設けられた複数の第2センサ電極150を有する。第2センサ電極150のx方向の位置は、第1センサ電極112の位置と揃えてもよい。
【0043】
検出器130は、複数の第1センサ電極112に加えて、複数の第2センサ電極150が図示しない液体容器との間に形成する静電容量を検出する。第2センサ電極150の静電容量が大きい場合、その上に液体容器2が存在することが推定され、静電容量が小さい場合、液体容器2は存在しないと推定することができる。
【0044】
なお、第2センサ電極150を、実施例1で説明したカートリッジの底面に設け、カートリッジ毎に液体容器の有無を判定してもよい。
【0045】
(実施例4)
図8は、実施例4に係るポケット110Dを示す図である。図8のポケット110Dも、カートリッジを用いないダイレクト方式である。このポケット110Dは、液体容器2の断面形状を検出する構成を説明する。ポケット110Dは、第1センサ電極112に加えて、内壁114の同じ高さに第1方向(x方向)に密に並べられた複数の第3電極160_1~160_m(図8ではm=10)を有する。検出器130は、複数の第3電極160_1~160_mが形成する静電容量(図9のCe1~Cem)を検出可能である。
【0046】
図9(a)、(b)は、図8のポケット110Dの機能を説明する平面図である。図9(a)には、ポケット110Dに、断面が四角形の液体容器2が収容される様子が示され、図9(b)には、ポケット110Dに、断面が円形の液体容器2が収容される様子が示される。
【0047】
図10(a)、(b)は、図9(a)、図9(b)の状態において測定される複数の第3電極160の静電容量Ce1~Ce10を示す図である。液体容器2の断面が矩形の場合、図10(a)に示すように静電容量Ce1~Ce10はフラットになる。液体容器2の断面が円形の場合、静電容量Ce1~Ce10は図10(b)に示すように、ある電極位置でピークを有し、そこから離れるに従って小さくなる。
【0048】
このようにポケット110Dによれば、液体容器2の断面形状を測定できる。
【0049】
なお、複数の第3センサ電極160を、実施例1で説明したカートリッジの側面に設け、カートリッジ毎に液体容器の形状を測定してもよい。
【0050】
(実施例5)
図11は、実施例5に係るポケット110Eを示す図である。図11のポケット110Eも、カートリッジを用いないダイレクト方式である。ポケット110Eは、複数の液体容器2の側面と接触する内壁114にマトリクス状に設けられた複数のセンサ電極170を有する。このセンサ電極170は、残量を検出するための第1センサ電極112と、断面形状を測定するための第3電極160を兼ねている。検出器130は、複数のセンサ電極170それぞれが液体容器2との間に形成する静電容量を検出する。
【0051】
検出器130は、複数のセンサ電極170の状態にもとづいて、複数の液体容器2の残量および形状を検出することができる。
【0052】
なお、複数のセンサ電極170を、実施例1で説明したカートリッジごとに設け、カートリッジ毎に液体容器の残量と形状とを測定してもよい。
【0053】
図12は、変形例に係る冷蔵庫100Fを示す図である。冷蔵庫100Fは、冷蔵庫100Fの内部のポケット110を撮影するカメラ180を備える。ディスプレイ190は、冷蔵庫100Fのドア102の表側に設けられ、カメラ180が撮影した画像IMGを表示する。
【0054】
ディスプレイ190は、画像IMGに含まれる液体容器2x,2yそれぞれについて、残量を示す情報を表示する。残量の表示方法は特に限定されないが、たとえば図12に示すように残量を、ハッチングで示すようなインジケータ192を用いてグラフィカルに示してもよい。
【0055】
ユーザは、冷蔵庫100Fを開けなくても、直感的かつ視覚的に、どの液体容器にどの程度の残量があるのかを知ることができる。
【0056】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、冷蔵庫内の液体残量の検出技術に関する。
【符号の説明】
【0058】
2 液体容器
4 液体
6 液位
100 冷蔵庫
102 ドア
110 ポケット
112 第1センサ電極
Es サブ電極
114 内壁
120 カートリッジ
122 ホルダー
124,126 インタフェース
130 検出器
132 静電容量検出回路
134 演算処理部
140 仕切り板
150 第2センサ電極
160 第3電極
170 センサ電極
180 カメラ
190 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12