(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】コンベア駆動ユニット及びローラコンベア装置
(51)【国際特許分類】
B65G 39/071 20060101AFI20231012BHJP
B65G 13/11 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
B65G39/071
B65G13/11
(21)【出願番号】P 2021552441
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2020038962
(87)【国際公開番号】W WO2021075510
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】P 2019188877
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】松本 文吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 裕一
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-202295(JP,A)
【文献】米国特許第04366899(US,A)
【文献】特開2018-172212(JP,A)
【文献】国際公開第2008/152718(WO,A1)
【文献】特開2003-226410(JP,A)
【文献】特開平04-125222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/00-13/12
B65G 39/00-39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記駆動側の第一のローラ列を構成するローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を、前記従動側の第二のローラ列を構成するローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記第一のローラ列を構成する第一のローラ体を有する第一の回転軸体と、
前記第一の回転軸体を軸支する第一のケーシングと、
前記第一の回転軸体の一方側に設けられ、前記第一の回転軸体と共に回転し、前記第一のローラ体を駆動させるための第一の回転体とを含む第一のローラユニットと、
前記第二のローラ列を構成する第二のローラ体を有する第二の回転軸体と、
前記第二の回転軸体を軸支する第二のケーシングと、
前記第二の回転軸体の一方側に設けられ、前記第二の回転軸体と共に回転し、前記第二のローラ体を駆動させるための第二の回転体とを含む第二のローラユニットと、
前記第一の回転軸体の回転を前記第二の回転軸体に伝達するシャフトと、
前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記第一及び第二のローラユニット間に設けられ、前記駆動源の前記回転駆動力を前記第一の回転軸体又は前記シャフトに伝達する伝達機構と、
前記シャフト、前記駆動源及び前記伝達機構を支持し、かつ前記第一のローラユニット及び前記第二のローラユニットに接続される筐体とを備えるコンベア駆動ユニット。
【請求項3】
前記伝達機構は、前記駆動源の出力軸と前記第一の回転軸体とを連結する回転伝達機構を有し、
前記駆動源の回転駆動力が、前記回転伝達機構を介して前記第一の回転軸体に伝達されると共に、前記第一の回転軸体に伝達された回転駆動力が、前記シャフトを介して前記第二の回転軸体に伝達される、請求項2に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項5】
前記第一のローラユニットには、前記第一の回転軸体に対して前記第二のローラユニットとは反対側に前記第一の回転体が設けられ、
前記第二のローラユニットには、前記第二の回転軸体に対して前記第一のローラユニットとは反対側に前記第二の回転体が設けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項6】
前記筐体を覆うカバーをさらに備え、
前記カバー内に前記伝達機構が収容されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項7】
前記駆動源の制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続され、前記駆動源の駆動を行う電源を供給する給電部と
をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項8】
前記第一のローラユニットは、前記第一のローラ体に対して前記第一のローラ列の延在する方向に並んで設けられる第一の補助ローラをさらに備え、
前記第二のローラユニットは、前記第二のローラ体に対して前記第二のローラ列の延在する方向に並んで設けられる第二の補助ローラをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項9】
一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列ユニットと、
それら二列の前記ローラ列ユニットの延在する方向に隣接して設けられる請求項1から8のいずれか1項に記載のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記ローラ列ユニットは、
第三のローラ体を有する第三の回転軸体と、
前記第三の回転軸体を軸支する第三のケーシングと、
前記第三の回転軸体の一方側にそれぞれ設けられ、前記第三の回転軸体と共に回転する第三の回転体とを含み、
前記第一のローラユニットに含まれる前記第一の回転体の回転を、前記二列のローラユニットの一方に含まれる前記第三の回転体に伝達する第一の伝達部と、
前記第二のローラユニットに含まれる前記第二の回転体の回転を、前記二列のローラユニットの他方に含まれる前記第三の回転体に伝達する第二の伝達部とをさらに備えるローラコンベア装置。
【請求項10】
一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記駆動側の
第一のローラ列を構成するローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を前記従動側の
第二のローラ列を構成するローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記第一のローラ列を構成する第一のローラ体を有する第一の回転軸体と、
前記第一の回転軸体を軸支する第一のケーシングとを含む第一のローラユニットと、
前記第二のローラ列を構成する第二のローラ体を有する第二の回転軸体と、
前記第二の回転軸体を軸支する第二のケーシングとを含む第二のローラユニットと、
前記第一の回転軸体の回転を前記第二の回転軸体に伝達するシャフトと、
前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記第一及び第二のローラユニット間に設けられ、前記駆動源の前記回転駆動力を前記シャフト又は前記第一
の回転軸体に伝達する伝達機構と、
前記シャフト、前記駆動源及び前記伝達機構を支持し、かつ前記第一のローラユニット及び前記第二のローラユニットに接続される筐体とを備えるコンベア駆動ユニット。
【請求項11】
一方が駆動側、他方が従動側となる二つのローラ列を規定する駆動側の第一のコンベアフレーム及び従動側の第二のコンベアフレームと、
前記第一のコンベアフレーム及び前記第二のコンベアフレーム上に載置されるローラ列ユニットと、
請求項10に記載の複数のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記第一のコンベアフレームは、前記コンベア駆動ユニットの前記第一のローラユニットが係合される第一の係合部を備え、
前記第二のコンベアフレームは、前記コンベア駆動ユニットの前記第二のローラユニットが係合される第二の係合部を備え、
前記複数のコンベア駆動ユニットは、前記第一のローラユニットを前記第一の係合部に係合させると共に前記第二のローラユニットを
前記第二の係合部に係合させて、かつ前記ローラ列ユニットの延在する方向に隣接させて設けられるローラコンベア装置。
【請求項12】
一列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記ローラ列を構成する駆動ローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を前記ローラ列の従動側のローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記ローラ列を構成する前記駆動ローラ体と、
前記駆動ローラ体を保持する軸体と、
前記軸体に保持された前記駆動ローラ体を回転可能に支持するケーシングと、
前記軸体に設けられ、
前記駆動ローラ体を保持する前記軸体を駆動させるための回転体とを含む駆動ローラユニットと、
前記駆動ローラ体とは別個に設けられ、前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記駆動源と前記軸体とを接続し、前記駆動源の前記回転駆動力を前記軸体に伝達する伝達機構とを備え、
前記駆動ローラユニットと前記駆動源と前記伝達機構とは、一体となってローラコンベア装置に装着されるコンベア駆動ユニット。
【請求項14】
前記軸体は、前記駆動ローラ体の一方の端部に設けられた第一の軸体と、前記駆動ローラ体の他方の端部に設けられた第二の軸体とを含み、
前記ケーシングは、前記第一の軸体を回転可能に支持する第一のケーシングと、前記第二の軸体を支持する第二のケーシングとを含み、前記駆動ローラ体は、前記第二の軸体に対して回転可能である、請求項12に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項15】
前記軸体は、前記駆動ローラ体の一方の端部に設けられた第一の軸体と、前記駆動ローラ体の他方の端部に設けられた第二の軸体とを含み、
前記ケーシングは、前記第一の軸体を回転可能に支持する第一のケーシングと、前記第二の軸体を回転可能に支持する第二のケーシングとを含む、請求項12に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項17】
一列のローラ列を有する従動ローラ列ユニットと、
前記ローラ列の延在する方向に隣接して設けられる請求項12から16のいずれか一項に記載のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記従動ローラ列ユニットは、
前記ローラ列を構成する従動ローラ体と、
前記従動ローラ体を保持する従動軸体と、
前記従動軸体を支持する従動支持部と、
前記従動ローラ体を保持する前記従動軸体を駆動させるための従動回転体と、を含み、
前記駆動ローラユニットに含まれる前記回転体の回転を、前記一列のローラ列ユニットに含まれる従動回転体に伝達する伝達部をさらに備えるローラコンベア装置。
【請求項19】
前記従動軸体は、前記従動ローラ体の一方の端部に設けられた第一の従動軸体と、前記従動ローラ体の他方の端部に設けられた第二の従動軸体とを含み、
前記従動支持部は、前記第一の従動軸体を回転可能に支持する第三のケーシングと、前記第二の従動軸体を支持する第四のケーシングとを含み、前記従動ローラ体は、前記第二の従動軸体に対して回転可能である、請求項17に記載のローラコンベア装置。
【請求項20】
前記従動軸体は、前記従動ローラ体の一方の端部に設けられた第一の従動軸体と、前記従動ローラ体の他方の端部に設けられた第二の従動軸体とを含み、
前記従動支持部は、前記第一の従動軸体を回転可能に支持する第一のケーシングと、前記第二の従動軸体を回転可能に支持する第二のケーシングとを含む、請求項17に記載のローラコンベア装置。
【請求項21】
前記ケーシングは、
前記駆動ローラユニットと前記駆動源と前記伝達機構とを一体に備えると共に、
前記駆動源を取り付ける駆動源取付部を備える、請求項12に記載のコンベア駆動ユニット。
【請求項22】
前記駆動源の制御ユニットと、
前記制御ユニットに接続され、前記駆動源の駆動を行う電源を供給する給電部と、をさらに備える、請求項12または21に記載のコンベア駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ列を駆動するコンベア駆動ユニット、及びこれを用いたローラコンベア装置に関する。本願は、2019年10月15日に出願された特願2019-188877号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
ローラコンベア装置は、間隔を空けて並ぶ複数のローラの上に物品を載せて搬送する装置である。例えば、特許文献1のローラコンベア装置は、物品を搬送すべき方向に配置された一列または複数列のコンベアフレームと、そのコンベアフレーム上に搬送方向に配設された複数のローラと、それら複数のローラの各々と軸を共有する複数の従動スプロケットと、複数のローラを駆動するためのモータと、そのモータの回転軸に固定された駆動スプロケットと、複数の従動スプロケット及び駆動スプロケットに掛けられたチェーンとを備えている。
モータにより駆動スプロケットを回転させると、チェーンを介して複数の従動スプロケットが回転し、それらと軸を共有する複数のローラが回転する。物品は、ローラの回転に伴いローラ列に沿って搬送される。
【0003】
特許文献2では、複数のローラ及び回転軸、スプロケットをコンベアフレームに対して個々に組み付けを行うと組み立て作業の煩雑さを招くことから、回転軸と、回転軸を共有するスプロケットとを有するひとつ又は複数のローラをユニットケースで囲繞し、コンベアフレームへの組み付けを容易にしたローラユニットが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5162906号公報
【文献】特許第5226811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のローラコンベア装置において、駆動部関係の部品をコンベアフレームへと組み付けを行う際には、モータ、モータ取り付け用のブラケット、ローラユニット、駆動シャフト、カバー等複数の部品を個々に組み付ける必要があり、組み付け作業が煩雑で作業効率を低下させる恐れがある。また、既設のローラコンベア装置においては、モータの交換作業が繁雑であり、交換作業に際して長時間ローラコンベア装置を停止させておく必要があり、その間は物品の搬送ができないため、搬送作業の効率を低下させてしまう。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、従来よりも容易にコンベアフレームへの装着作業を効率よく短時間で完了させることを可能としたコンベア駆動ユニット、及びそれを使用するローラコンベア装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記駆動側の第一のローラ列を構成するローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を、前記従動側の第二のローラ列を構成するローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記第一のローラ列を構成する第一のローラ体を有する第一の回転軸体と、
前記第一の回転軸体を軸支する第一のケーシングと、
前記第一の回転軸体の一方側に設けられ、前記第一の回転軸体と共に回転し、前記第一のローラ体を駆動させるための第一の回転体とを含む第一のローラユニットと、
前記第二のローラ列を構成する第二のローラ体を有する第二の回転軸体と、
前記第二の回転軸体を軸支する第二のケーシングと、
前記第二の回転軸体の一方側に設けられ、前記第二の回転軸体と共に回転し、前記第二のローラ体を駆動させるための第二の回転体とを含む第二のローラユニットと、
前記第一の回転軸体の回転を前記第二の回転軸体に伝達するシャフトと、
前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記第一及び第二のローラユニット間に設けられ、前記駆動源の前記回転駆動力を前記第一の回転軸体又は前記シャフトに伝達する伝達機構と、
前記シャフト、前記駆動源及び前記伝達機構を支持し、かつ前記第一のローラユニット及び前記第二のローラユニットに接続される筐体とを備える。
【0008】
本発明の第二の態様は、一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列ユニットと、
それら二列の前記ローラ列ユニットの延在する方向に隣接して設けられる前記第一の態様のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記ローラ列ユニットは、
第三のローラ体を有する第三の回転軸体と、
前記第三の回転軸体を軸支する第三のケーシングと、
前記第三の回転軸体の一方側にそれぞれ設けられ、前記第三の回転軸体と共に回転する第三の回転体とを含み、
前記ローラコンベア装置は、
前記第一のローラユニットに含まれる前記第一の回転体の回転を、前記二列のローラユニットの一方に含まれる前記第三の回転体に伝達する第一の伝達部と、
前記第二のローラユニットに含まれる前記第二の回転体の回転を、前記二列のローラユニットの他方に含まれる前記第三の回転体に伝達する第二の伝達部とをさらに備える。
【0009】
本発明の第三の態様は、一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記駆動側の第一のローラ列を構成するローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を前記従動側の
第二のローラ列を構成するローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記第一のローラ列を構成する第一のローラ体を有する第一の回転軸体と、
前記第一の回転軸体を軸支する第一のケーシングとを含む第一のローラユニットと、
前記第二のローラ列を構成する第二のローラ体を有する第二の回転軸体と、
前記第二の回転軸体を軸支する第二のケーシングとを含む第二のローラユニットと、
前記第一の回転軸体の回転を前記第二の回転軸体に伝達するシャフトと、
前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記第一及び第二のローラユニット間に設けられ、前記駆動源の前記回転駆動力を前記シャフト又は前記第一の回転軸体に伝達する伝達機構と、
前記シャフト、前記駆動源及び前記伝達機構を支持し、かつ前記第一のローラユニット及び前記第二のローラユニットに接続される筐体とを備える。
【0010】
本発明の第四の態様は、一方が駆動側、他方が従動側となる二つのローラ列を規定する駆動側の第一のコンベアフレーム及び従動側の第二のコンベアフレームと、前記第一のコンベアフレーム及び前記第二のコンベアフレーム上に載置されるローラ列ユニットと、前記第三の態様に記載の複数のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記第一のコンベアフレームは、前記コンベア駆動ユニットの前記第一のローラユニットが係合される第一の係合部を備え、
前記第二のコンベアフレームは、前記コンベア駆動ユニットの前記第二のローラユニットが係合される第二の係合部を備え、
前記複数のコンベア駆動ユニットは、前記第一のローラユニットを前記第一の係合部に係合させると共に前記第二のローラユニットを前記第二の係合部に係合させて、かつ前記ローラ列ユニットの延在する方向に隣接させて設けられる。
【0011】
本発明の第五の態様は、一列のローラ列を有するローラコンベア装置に設けられ、前記ローラ列を構成する駆動ローラ体に回転駆動力を付与すると共に、該回転駆動力を前記ローラ列の従動側のローラ体に伝達するコンベア駆動ユニットであって、
前記ローラ列を構成する前記駆動ローラ体と、
前記駆動ローラ体を保持する軸体と、
前記軸体に保持された前記駆動ローラ体を回転可能に支持するケーシングと、
前記軸体に設けられ、
前記駆動ローラ体を保持する前記軸体を駆動させるための回転体とを含む駆動ローラユニットと、
前記駆動ローラ体とは別個に設けられ、前記回転駆動力を供給する駆動源と、
前記駆動源と前記軸体とを接続し、前記駆動源の前記回転駆動力を前記軸体に伝達する伝達機構とを備え、
前記駆動ローラユニットと前記駆動源と前記伝達機構とは、一体となってローラコンベア装置に装着される。
【0012】
本発明の第六の態様は、一列のローラ列を有する従動ローラ列ユニットと、
前記ローラ列の延在する方向に隣接して設けられる前記第五の態様に記載のコンベア駆動ユニットとを備えるローラコンベア装置であって、
前記従動ローラ列ユニットは、
前記ローラ列を構成する従動ローラ体と、
前記従動ローラ体を保持する従動軸体と、
前記従動軸体を支持する従動支持部と、
前記従動ローラ体を保持する前記従動軸体を駆動させるための従動回転体と、を含み、
前記ローラコンベア装置は、
前記駆動ローラユニットに含まれる前記回転体の回転を、前記一列のローラ列ユニットに含まれる従動回転体に伝達する伝達部をさらに備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来型のローラコンベア装置とは異なり、モータを含むローラ体の駆動機構がユニット化されているので、ローラコンベア装置への駆動機構の装着作業の工数及び作業時間が減少し、換装作業の効率が向上する。その結果、ローラコンベア装置の運転を停止させておく時間を短くすることができ、ローラコンベア装置を導入した施設における物品搬送の効率低下をできる限り少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】コンベア駆動ユニットを含むローラコンベア装置(第一の実施形態)の斜視図である。
【
図2】ローラコンベア装置を構成するコンベア駆動ユニットに含まれる従動ローラユニットの断面図である。
【
図3】コンベア駆動ユニット(ただしカバーを除く)の斜視図である。
【
図5】
図4中に示された一方の駆動ローラユニットを拡大視した断面図である。
【
図6】
図4中に示された他方の駆動ローラユニットを拡大視した断面図である。
【
図7】コンベア駆動ユニットをコンベアフレームに換装する際のプロセスを示す斜視図である。
【
図8】
図7と同じく、コンベア駆動ユニットをコンベアフレームに換装する際のプロセスを示す斜視図である。
【
図9】コンベア駆動ユニット(第一の実施形態の変形例)を含むローラコンベア装置を示す斜視図である。
【
図10】コンベア駆動ユニット(第一の実施形態の変形例)の断面図である。
【
図11】コンベア駆動ユニットを含むローラコンベア装置(第二の実施形態)の斜視図である。
【
図12】コンベア駆動ユニット(第二の実施形態)の断面図である。
【
図13】コンベア駆動ユニットを含むローラコンベア装置(第三の実施形態)の斜視図である。
【
図14】コンベア駆動ユニット(第三の実施形態)の断面図である。
【
図15】ローラコンベア装置(第三の実施形態)を二つ組み合わせたローラコンベア装置の断面図である、
【
図16】コンベア駆動ユニット(第四の実施形態)を含むローラコンベア装置を示す斜視図である。
【
図17】ローラ列ユニット(第四の実施形態)の断面図である。
【
図18】コンベア駆動ユニット(第四の実施形態)の断面図である。
【
図19】
図17中に示されたローラ駆動ユニットを拡大視した断面図である。
【
図20】
図17中に示されたローラ支持ユニットを拡大視した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るコンベア駆動ユニット、及びそのコンベア駆動ユニットを含むローラコンベア装置について以下に説明する。
(第一の実施形態)
一方が駆動側、他方が従動側となる二列のローラ列を有するローラコンベア装置1、及びローラコンベア装置1に用いられるコンベア駆動ユニット50の実施形態を
図1から
図8に示す。
本実施形態のローラコンベア装置1は、
図1に示すように、二列に並ぶ第一及び第二のコンベアフレーム10、20と、コンベアフレーム10、20のそれぞれに該フレームの長手方向に沿って連続的に配置されたローラ列ユニット40と、各従動ローラユニット40を駆動するコンベア駆動ユニット50とを備えている。第一及び第二のコンベアフレーム10、20は、ローラコンベア装置1を導入した施設内の所定の領域に、図示しない支持ベースを介して設置されている。
【0016】
駆動側となる一方の列の第一のコンベアフレーム10には、長手方向に延在し、ローラ列ユニット40が配置される第一の載置部11と、第一の載置部11の一方端部から垂直に起立する第一の側壁部12とが形成されている。第一の側壁部12の上部12aには、第一の上部部材13が着脱可能に構成され、不図示の固定部材により固定されている。第一の上部部材13は、
図5に示すように、一方の側縁が上部12aに固定され、他方の側縁がローラ列ユニット40及び後述の駆動側の第一のローラユニット51の上方に突出しそれらの一部と重なるように所定の幅を有している。第一の載置部11には、ローラ列ユニット40及び第一のローラユニット51を固定するためのT形溝11aが、長手方向に沿って形成される。第一の載置部11は、駆動側のローラ列ユニット40が並ぶ配列路をなす。本実施形態では、T形溝11aは第一の載置部11の左右に一列ずつ形成されており、そのT形溝11aにローラ列ユニット40及び第一のローラユニット51が固定されている。
【0017】
従動側となる他方の列の第二のコンベアフレーム20には、長手方向に延在し、ローラ列ユニット40が配置される第二の載置部21と、第二の載置部21の他方端部から垂直に起立する第二の側壁部22とが形成されている。第二の側壁部22の上部22aには、第二の上部部材23が着脱可能に構成され、不図示の固定部材により固定されている。第二の上部部材23は、
図6に示すように、一方の側縁が上部22aに固定され、他方の側縁がローラ列ユニット40及び後述の従動側の第二のローラユニット52の上方の一部と重なるように所定の幅を有している。第二の載置部21には、ローラ列ユニット40及び第二のローラユニット52を固定するためのT形溝21aが、長手方向に沿って形成される。第二の載置部21は、従動側のローラ列ユニット40が並ぶ配列路をなす。本実施形態では、T形溝21aは第二の載置部21の左右に一列ずつ形成されており、そのT形溝21aにローラ列ユニット40及び第二のローラユニット52が固定されている。
【0018】
第一の載置部11には、複数のローラ列ユニット40と、コンベア駆動ユニット50の駆動側となる第一のローラユニット51とが、後述する第一のローラ体67及び第三のローラ体42を一列に並べて配置されることにより、第一のコンベアフレーム10上に駆動側の第一のローラ列が形成される。また、第二の載置部21には、複数のローラ列ユニット40と、コンベア駆動ユニット50の従動側となる第二のローラユニット52とが、後述する第二のローラ体72及び第三のローラ体42を一列に並べて配置されることにより、第二のコンベアフレーム20上に従動側の第二のローラ列が形成される。なお、ローラ列ユニット40は、第一及び第二の載置部11、21にひとつずつ設けられてもよい。
【0019】
ローラ列ユニット40は、
図2に示すように、略直方体形状のユニットケース(第三のケーシング)41と、ユニットケース41に回転可能に設けられた複数の第三のローラ体42と、ローラ体42に対して回転駆動力を伝達する第三の回転軸体43と、回転軸体43と一体となって回転可能に支持されている従動スプロケット(第三の回転体)44とを有している。従動スプロケット44は、第三の回転軸体43の一端に固定されており、後述する伝達部材(例えばチェーン)により駆動される。なお、本実施形態のローラ列ユニット40においては、ユニットケース41が列方向に延びて形成されており、第三のローラ体42、第三の回転軸体43及び従動スプロケット44の組が列方向に所定の間隔を空けて複数配置される。なお、ローラ列ユニット40の他の構成として、第三のローラ体42、第三の回転軸体43及び従動スプロケット44の組がひとつだけ設けられてもよい。
【0020】
ユニットケース41はアルミニウム合金の鋳造品であり、一方の半割体41aと他方の半割体41bとからなるツーピース構造が採用される。また、第三のローラ体42は、半割体41aと半割体41bとの間に配置されている。一方の半割体41aに形成されたポケット部41cには、第三の回転軸体43の中央部分を支持する軸受45aが嵌合され、他方の半割体41bに形成されたポケット部41dには、第三の回転軸体43の他端を支持する軸受45bが嵌合されている。
【0021】
第三のローラ体42の回転軸心が設定される中央には、第三の回転軸体43を挿通される孔42aが形成されている。そして、ローラ列ユニット40は、従動スプロケット44を介して回転軸体43が回転されたとき、第三のローラ体42と第三の回転軸体43との間に作用する摩擦力によって第三の回転軸体43の回転駆動力が第三のローラ体42へ伝達されることで、第三のローラ体42と第三の回転軸体43とが一緒に回転することが可能な構造(いわゆるフリクション駆動機構)が採用されている。
【0022】
ところで、第三のローラ体42によって搬送される物品Wがなんらかの事情(例えば、ストッパにより物品の移動が阻止されること)によりコンベア上で搬送されずに止まってしまうことが起こり得る。この場合、物品Wの停止に伴い第三のローラ体42の回転が阻まれるが、上記のフリクション駆動機構により、第三のローラ体42に対して第三の回転軸体43又は従動スプロケット44が空転し、ローラ列ユニット40に過剰な機械的負荷が掛からないようになっている。
【0023】
ユニットケース41の上面には、第三のローラ体42の外周面の一部を露出させる開口を含む開口部41eが形成されており、物品Wは、上部の開口部41eの開口から露出する第三のローラ体42の外周面に支持され搬送される。
【0024】
また、ユニットケース41の一方を構成する半割体41aの側面41fは、第三のローラ体42と従動スプロケット44との間に位置し、第一及び第二のコンベアフレーム10、20と共に従動スプロケット44が配置される収容空間をそれぞれ形成する。これらの収容空間に伝達部材がそれぞれ配置される。
【0025】
ローラ列ユニット40は、第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11、及び第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21にそれぞれ載置され、第一の載置部11のT形溝11a及び第二の載置部21のT形溝21aに、ボルト及びT形溝ナットを介して固定されている。ローラ列ユニット40のユニットケース41には、ユニットケース41を上下に貫く貫通孔41gが形成されている。ローラ列ユニット40を、ユニットケース41に形成された貫通孔41gがT形溝11a、21aに連通するように第一及び第二の載置部11、21上に配置する。そして、ユニットケース41の上方からその貫通孔41gにボルトを挿通し、T形溝11a、21aに配置したT形溝ナットに螺着させて締結する。これにより、ローラ列ユニット40が第一及び第二の載置部11、21に固定される。なお、後述するコンベア駆動ユニット50も、ローラ列ユニット40と同様に第一及び第二の載置部11、21に固定される。
【0026】
コンベア駆動ユニット50は、第一のコンベアフレーム10にローラ列ユニット40と並んで載置される第一のローラユニット51と、第二のコンベアフレーム20にローラ列ユニット40と並んで載置される第二のローラユニット52と、第一及び第二のローラユニット51、52を連結する後述のベースフレーム(筐体)59と、第一のローラユニット51と第二のローラユニット52との間に設けられ、それぞれの間で駆動力を伝達するシャフト60とを備えている。
【0027】
第一のローラユニット51は、
図3、
図4及び
図5に示すように、略直方体形状のユニットケース(第一のケーシング)53と、ユニットケース53に回転可能に設けられた駆動側のローラ列を形成する第一のローラ体67と、ローラ体67に対して回転駆動力を伝達する第一の回転軸体55と、回転軸体55の一方側に設けられ、第一の回転軸体55と一体となって回転可能に支持されている駆動側の駆動スプロケット(第一の回転体)54とを有している。第一の回転軸体55は、第一のローラ体67及び駆動側の駆動スプロケット54に対して回転駆動力を伝達する。また、第一のローラユニット51は、補助ローラ68を有する。
【0028】
駆動側の駆動スプロケット54は、第一の回転軸体55の一端に固定されており、回転軸体55と共に回転し、後述する伝達部材(例えばチェーン)75を介して、駆動側のローラ列を形成する駆動側のローラ列ユニット40に含まれる従動スプロケット44を駆動させる。
【0029】
ユニットケース53もアルミニウム合金の鋳造品であり、
図3及び
図5に示すように、一方の半割体53aと他方の半割体53bとからなるツーピース構造が採用され、第一のローラ体67は、半割体53aと半割体53bとの間に配置されている。一方の半割体53aに形成されたポケット部53cには、第一の回転軸体55の軸方向の第一の中間部分を支持する軸受69bが嵌合され、他方の半割体53bに形成されたポケット部53dには、第一の回転軸体55の第二の中間部分を支持する軸受69cが嵌合されている。
【0030】
第一のローラユニット51の他方の半割体53bは、板状のサブフレーム(筐体連結部)59aを含み、サブフレーム59aはベースフレーム59を支持する。なお、他方の半割体53bはサブフレーム59aと一体に形成された一つの部材としていてもよいし、別々の部材を連結して一体に構成してもよい。
【0031】
第一のローラ体67の回転軸心を含む中央には、第一の回転軸体55が挿通される孔67aが形成されている。第一のローラ体67と第一の回転軸体55との間には、ローラ列ユニット40でも採用されるフリクション駆動機構が採用されている。これにより、第一のローラ体67は第一の回転軸体55と共に回転する。
【0032】
ところで、第一のローラ体67によって搬送される物品Wがなんらかの事情(例えば、ストッパにより物品の移動が阻止されること)によりコンベア上に止まってしまうことが起こり得る。この場合、物品Wの停止に伴い第一のローラ体67の回転が阻まれるが、上記のフリクション駆動機構により、第一のローラ体67に対して第一の回転軸体55又は駆動側の駆動スプロケット54が空転するようになっている。
【0033】
第一のローラ体67は、半割体53a、53b間に配置され、第一の回転軸体55は、第一のローラ体67の両側二箇所においてふたつの軸受69b、69cにより支持されている。半割体53a、53bどうしが固定されることにより、第一のローラ体67は半割体53a、53bにより囲繞され、第一のローラ体67及び第一の回転軸体55が、ユニットケース53に対して回転可能に支持されている。ユニットケース53の上面には、第一のローラ体67の外周面の一部を露出させる開口を含む開口部53eが形成されており、物品Wは、上部の開口部53eの開口から露出する第一のローラ体67の外周面に支持されつつ搬送される。
【0034】
ユニットケース53の一方を構成する半割体53aの側面53gは、第一のローラ体67と駆動側の駆動スプロケット54との間に位置し、第一のコンベアフレーム10と共に第一のローラ体67が配置される収容空間を形成すると共に、第一のコンベアフレーム10と共に駆動スプロケット54が配置される収容空間を形成する。この収容空間に、上記伝達部材が配置される。
【0035】
第二のローラユニット52は、
図3、
図4及び
図6に示すように、略直方体形状のユニットケース(第二のケーシング)56と、ユニットケース56に回転可能に設けられた従動側のローラ列を形成する第二のローラ体72と、ローラ体72に対して回転駆動力を伝達する第二の回転軸体58と、回転軸体58の一方側に設けられ、第二の回転軸体58と一体となって回転可能に支持されている従動側の駆動スプロケット(第二の回転体)57とを有している。第二の回転軸体58は、第二のローラ体72及び従動側の駆動スプロケット57に対して回転駆動力を伝達する。また、第二のローラユニット52は、補助ローラ73を有する。
【0036】
従動側の駆動スプロケット57は、第二の回転軸体58の一端に固定されており、回転軸体58と共に回転し、後述する伝達部材(例えばチェーン)76を介して、従動側のローラ列を形成する従動側のローラ列ユニット40に含まれる従動スプロケット44を駆動する。
【0037】
ユニットケース56もアルミニウム合金の鋳造品であり、
図3及び
図6に示すように、一方の半割体56aと他方の半割体56bとからなるツーピース構造が採用され、第二のローラ体72は、半割体56aと半割体56bとの間に配置されている。一方の半割体56aに形成されたポケット部56cには、第二の回転軸体58の軸方向の第一の中央部分を支持する軸受74aが嵌合され、他方の半割体56bに形成されたポケット部56dには、第二の回転軸体58の他方の端部部分を支持する軸受74bが嵌合されている。
【0038】
第二のローラユニット52の他方の半割体56bは、板状のサブフレーム(筐体連結部)59bを含み、サブフレーム59bはベースフレーム59を支持する。なお、他方の半割体56bはサブフレーム59bと一体に形成された一つの部材としていてもよいし、別々の部材を連結して一体に構成してもよい。
【0039】
第二のローラ体72の回転軸心を含む中央には、第二の回転軸体58が挿通される孔72aが形成されている。第二のローラ体72と第二の回転軸体58との間には、ローラ列ユニット40でも採用されるフリクション駆動機構が採用されている。これにより、第二のローラ体72は第二の回転軸体58と共に回転する。
【0040】
ところで、第二のローラ体72によって搬送される物品Wがなんらかの事情(例えば、ストッパにより物品の移動が阻止されること)によりコンベア上に止まってしまうことが起こり得る。この場合、物品Wの停止に伴い第二のローラ体72の回転が阻まれるが、上記のフリクション駆動機構により、第二のローラ体72に対して第二の回転軸体58又は従動側の駆動スプロケット57が空転するようになっている。
【0041】
第二のローラ体72は、半割体56a、56b間に配置され、第二の回転軸体58は、第二のローラ体72の両側二箇所においてふたつの軸受74a、74bにより支持されている。半割体56a、56bどうしが固定されることにより、第二のローラ体72は半割体53a、53bにより囲繞され、第二のローラ体72及び第二の回転軸体58が、ユニットケース56に対して回転可能に支持されている。ユニットケース56の上面には、第二のローラ体72の外周面の一部を露出させる開口を含む開口部56eが形成されており、物品Wは、上部の開口部56eの開口から露出する第二のローラ体72の外周面に支持されつつ搬送される。
【0042】
ユニットケース56の一方を構成する半割体56aの側面56gは、第二のローラ体72と従動側の駆動スプロケット57との間に位置し、第二のコンベアフレーム20と共に駆動スプロケット57が配置される収容空間を形成する。この収容空間に、上記伝達部材が配置される。
【0043】
コンベア駆動ユニット50は、
図3及び
図4に示すように、第一のローラユニット51と第二のローラユニット52とを一体に接続する長方形かつ板状のベースフレーム59と、第一の回転軸体55と第二の回転軸体58とを連結するシャフト60と、第一及び第二の回転軸体55、58を回転させるモータ(駆動源)61と、シャフト60を介して連結された第一及び第二の回転軸体55、58にモータ61の回転駆動力を伝達する伝達機構62と、ベースフレーム59との間でシャフト60、モータ61及び伝達機構62を含む各機器を覆うカバー63とを含んでいる。
【0044】
ベースフレーム59は、シャフト60を介して連結された第一及び第二のローラユニット51、52と一体的に接続されている。ベースフレーム59の一端は、サブフレーム59aを介して第一のローラユニット51と接続されている。また、ベースフレーム59の他端は、サブフレーム59bを介して第二のローラユニット52と接続されている。
【0045】
モータ61は、サブフレーム59aに取り付けられた駆動源取付部70aに、減速機65を介して取り付けられている。本実施形態では、
図4に示すように、モータ61の出力軸61a、減速機65、モータ61が直線状に配設され、出力軸61aは、シャフト60と平行に位置している。なお、駆動源取付部70aはサブフレーム59bとは別の部材であるが、駆動源取付部70aをサブフレーム59bと一体に構成してもよい。
【0046】
伝達機構62は、
図5に示すように、回転伝達機構として、減速機65の出力軸61aに固定されたプーリ77と、第一のローラユニット51の第一の回転軸体55に固定されたプーリ78と、プーリ77、78間に掛けられたタイミングベルト79とを含んでいる。
【0047】
シャフト60は、
図3及び
図4に示すように、カップリング60aを介して第一の回転軸体55及び第二の回転軸体58と連結されている。本実施形態では、シャフト60は第一の回転軸体55と一体形成されており、カップリング60aを介して第二の回転軸体58と連結されている。なお、シャフト60は第一の回転軸体55と分離していてもよい。その場合、シャフト60は、その両端に配置されたふたつのカップリング60aを介して第一の回転軸体55及び第二の回転軸体58と連結される。
本実施形態では、コンベア駆動ユニット50のモータ61を作動させると、出力軸61aの回転駆動力が伝達機構62の回転伝達機構を介して第一の回転軸体55に伝達され、さらにシャフト60を介して第一の回転軸体55とカップリング60aを介して連結された第二の回転軸体58に伝達される。
【0048】
第一のコンベアフレーム10側では、第一の回転軸体55と共に第一のローラ体67及び駆動側の駆動スプロケット54が回転し、第一の伝達部材(例えばチェーン)75を介して、駆動側となる一方のローラ列に沿って並ぶ各従動スプロケット44を駆動する。第二のコンベアフレーム20側では、第二の回転軸体58と共に第二のローラ体72及び従動側の駆動スプロケット57が回転し、第二の伝達部材(例えばチェーン)76を介して、従動側となる他方のローラ列に沿って並ぶ各従動スプロケット44を駆動する。駆動側および従動側のそれぞれの各従動スプロケット44が回転すると、その回転駆動力がそれぞれの回転軸体43を介してそれぞれのローラ体42に伝達される。
物品Wは、同期して回転する第一及び第二のローラ体67、72並びに駆動側及び従動側のそれぞれのローラ列ユニット40の各ローラ体42の外周面に支持され搬送される。
【0049】
コンベア駆動ユニット50は、筐体を覆うカバー63を備える。カバー63は、シャフト60の長手方向から見ると断面がU字型をなしており、内側にシャフト60、伝達機構62、減速機65及びモータ61を収容してベースフレーム59に取り付けられる。ベースフレーム59には、カバー63内の過熱を抑制するための冷却ファン80が設けられてもよい。
【0050】
本実施形態では、モータ61には直流モータが採用されており、ベースフレーム59には、モータ61の動作を制御する制御基板(制御ユニット)64と、制御基板64に接続されているモータ61への給電ソケット(給電部)64aとが設けられている。給電ソケット64aにおけるプラグの挿入端は、ベースフレーム59の下面に露出しており、給電ケーブルのプラグは給電ソケット64aに対して上向きに接続される。なお、モータ61に交流モータを採用する場合もある。その場合、制御基板はベースフレーム59に設けられないこともある。
【0051】
補助ローラ68は、第一のローラ体67と同様に半割体53a、53b間に配置され、補助ローラ68を支持する不図示の軸が補助ローラ68の両側二箇所において半割体53a、53bに設けられる補助支持部53a1、53b1により支持される。そのうえで、半割体53a、53bが互いに連結され固定されることにより、補助ローラ68がユニットケース53に対して回転可能に支持される。ユニットケース53の上面と一方の側面とが交差する部分には、補助ローラ68の一部を露出させる開口を有する開口部53fが形成されている。補助ローラ68は、物品Wがコンベア上を搬送される過程で、状況に応じて物品Wを支持することで移動を補助する。補助ローラ68は、第一のローラ体67と並んで配置されるか、又はローラ体67の両側のどちらか一方に配置される。なお、コンベア駆動ユニット50が配置される場所によっては、第一のローラユニット51に補助ローラ68を設けない場合もある。
【0052】
補助ローラ73は、第二のローラ体72と同様に半割体56a、56b間に配置され、補助ローラ73を支持する不図示の軸が補助ローラ73の両側二箇所において半割体56a、56bに設けられる補助支持部56a1、56b1により支持される。そのうえで、半割体56a、56bが互いに連結され固定されることにより、補助ローラ73がユニットケース56に対して回転可能に支持される。ユニットケース56の上面と一方の側面とが交差する部分には、補助ローラ73の一部を露出させる開口を有する開口部56fが形成されている。補助ローラ73は、物品Wがコンベア上を搬送される過程で、状況に応じて物品Wを支持することで移動を補助する。補助ローラ73は、第二のローラ体72と並んで配置されるか、又はローラ体72の両側のどちらか一方に配置される。なお、コンベア駆動ユニット50が配置される場所によっては、第二のローラユニット52に補助ローラ73を設けない場合もある。
【0053】
第一のローラユニット51、及び第二のローラユニット52は、第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11、及び第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21にそれぞれ載置され、第一の載置部11のT形溝11a及び第二の載置部21のT形溝21aに、ボルト及びT形溝ナットを介して固定されている。第一及び第二のローラユニット51、52のユニットケース53、56には、ユニットケース41と同様にユニットケース53、56を上下に貫く貫通孔53i、56iが形成されている(それぞれのケースに4個又は2個)。第一及び第二の載置部11、21上にローラユニット51、52を載置したとき、ユニットケース53、56に形成された貫通孔53i、56iはT形溝11a、21aに連通するので、ユニットケース53、56の上方から貫通孔53i、56iにボルト84、85を挿通させ、T形溝11a、21aに配置したT形溝ナット82に螺着させて締結する。これにより、第一及び第二のローラユニット51、52が第一及び第二の載置部11、21に固定され、コンベア駆動ユニット50が第一及び第二のコンベアフレーム10、20間に亘って取り付けられる。
【0054】
第一のコンベアフレーム10側のローラ列に沿って並ぶ複数の従動スプロケット44と、駆動側の第一のローラユニット51に設けられた駆動スプロケット54との間には、チェーン(第一の伝達部材)75が掛けられ、第二のコンベアフレーム20側のローラ列に沿って並ぶ複数の従動スプロケット44と、従動側の第二のローラユニット52に設けられた駆動スプロケット57との間には、チェーン(第二の伝達部材)76が掛けられている。モータ61の回転駆動力は、チェーン75を介して駆動スプロケット54から第一のコンベアフレーム10のローラ列を構成する各従動スプロケット44へと伝達され、チェーン76を介して駆動スプロケット57から第二のコンベアフレーム20のローラ列を構成する各従動スプロケット44へと伝達される。なお、従動スプロケット44は、第一及び第二のコンベアフレーム10、20上にひとつずつ設けられてもよい。
【0055】
以下では、第一及び第二のコンベアフレーム10、20に取り付けられた既設のコンベア駆動ユニットを、新たなコンベア駆動ユニット50に換装する工程について説明する。
まず、既設のコンベア駆動ユニットの給電ソケット64aから給電ケーブルのプラグを外す。次に、第一の側壁部12から第一の上部部材13を外し、第二の側壁部22から第二の上部部材23を外す。次に、チェーン75を駆動スプロケット54から外し、チェーン76を駆動スプロケット57から外す。
【0056】
第一のローラユニット51のユニットケース53を第一の載置部11に固定していたボルト84を外し、第二のローラユニット52のユニットケース56を第二の載置部21に固定していたボルト85を外す。そして、
図7に示すように、第一及び第二のコンベアフレーム10、20から既設のコンベア駆動ユニットを取り外す。
【0057】
新たなコンベア駆動ユニット50を用意し、第一のローラユニット51を第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11上に配置し、第二のローラユニット52を第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21上に配置する。そして、
図8に示すように、ユニットケース53、56の上方から貫通孔53i、56iにボルト84、85を挿入し、T形溝11a、21aに配置したT形溝ナット82に螺着する。これにより、第一及び第二のローラユニット51、52が、第一及び第二のコンベアフレーム10、20の第一及び第二の載置部11、21に固定される。
【0058】
チェーン75を駆動スプロケット54に掛け、チェーン76を駆動スプロケット57に掛ける。次に、第一の側壁部12に第一の上部部材13を固定し、第二の側壁部22に第二の上部部材23を固定する。最後に、給電ソケット64aに給電ケーブルのプラグを接続する。
【0059】
上記のように構成されたローラコンベア装置1によれば、従来型のローラコンベア装置とは異なり、モータ61を含むローラの駆動機構が、コンベア駆動ユニット50としてユニット化されているので、従来型の駆動部よりも容易に取り外しおよび組付けを行うことができる。また、既設のコンベア駆動ユニットから新たなコンベア駆動ユニット50への換装作業が簡単に行える。そのため、ローラコンベア装置の組立から運転開始までの時間と、駆動源の換装作業時に運転を停止させておく時間を短くすることができ、ローラコンベア装置を導入した施設における物品搬送の効率低下をできる限り少なくすることができる。
【0060】
ところで、本実施形態では、出力軸の回転を、プーリとタイミングベルトとを組み合わせた伝達機構62を介して第一の回転軸体55に伝達する構造を採用したが、出力軸をもつ一般的な構造のモータに代えて、中空ロータリモータを採用してもよい。中空ロータリモータは、回転子を第一の回転軸体55に直に装着するので、その場合はコンベア駆動ユニット50に伝達機構62を設ける必要はない。
【0061】
(変形例)
上記第一の実施形態に含まれるコンベア駆動ユニットの変形例を
図9及び
図10に示す。
本変形例のコンベア駆動ユニット100は、第一のコンベアフレーム10にローラ列ユニット40と並んで載置される第三のローラユニット51Aと、第二のコンベアフレーム20にローラ列ユニット40と並んで載置される第四のローラユニット52Aと、第三のローラユニット51Aと第四のローラユニット52Aとの間に設けられ、双方間で駆動力を伝達するシャフト60と、第三のローラユニット51Aの第一の回転軸体55及び第四のローラユニット52Aの第二の回転軸体58を回転させるモータ(駆動源)61と、第一の回転軸体55にモータ61の回転駆動力を伝達する伝達機構62Aと、シャフト60を介してモータ61の出力軸61aと連結される従動軸体61bと、第二の回転軸体58に従動軸体61bの回転駆動力を伝達する伝達機構62Bとを備えている。また、第三のローラユニット51Aと第四のローラユニット52Aとを一体に接続する長方形かつ板状のベースフレーム59を備える。
【0062】
モータ61及び減速機65は、第一のコンベアフレーム10の下方に位置している。第三のローラユニット51Aのサブフレーム(筐体連結部)59cは、第一のコンベアフレーム10の底面よりも下方に向かって突出し、第四のローラユニット52Aのサブフレーム(筐体連結部)59dは、第二のコンベアフレーム20の底面よりも下方に向かって突出している。モータ61及び減速機65は、サブフレーム59cの外側の面に、モータ61の長手方向が第一のコンベアフレーム10の長手方向と平行になるように配置されている。
【0063】
モータ61の出力軸61aは、第一の回転軸体55の下方に、第一の回転軸体55と平行に配置されている。従動軸体61bは、第二の回転軸体58の下方に、第二の回転軸体58と平行に、かつ出力軸61aと軸心が一致するように配置されている。シャフト60は出力軸61aと一体形成されており、カップリング60aを介して従動軸体61bと連結されている。シャフト60は、第一の回転軸体55及び第二の回転軸体58よりも下方に配置されている。シャフト60の一端は、サブフレーム59cに設けられたシャフト支持部66aに回転可能に支持されており、シャフト60の他端は、サブフレーム59dに設けられたシャフト支持部66bに回転可能に支持されている。なお、シャフト60は出力軸61aと分離していてもよい。その場合、シャフト60は、その両端に配置されたふたつのカップリング60aを介して第一の回転軸体55及び第二の回転軸体58と連結される。
【0064】
伝達機構62Aは、出力軸61aに固定されたプーリ77aと、第一の回転軸体55に固定されたプーリ78aと、プーリ77a、78a間に掛けられたタイミングベルト79aとを含んでいる。サブフレーム59cは、水平方向の断面で見ると、第三のローラユニット51Aを背にして第四のローラユニット52Aに向かって開くU字形の形状を有しており、そのU字形の内側に、プーリ77a、78a及びタイミングベルト79aが収まるように配置されている。
伝達機構62Bは、従動軸体61bに固定されたプーリ77bと、第二の回転軸体58に固定されたプーリ78bと、プーリ77b、78b間に掛けられたタイミングベルト79bとを含んでいる。サブフレーム59dは、水平方向の断面で見ると、第四のローラユニット52Aを背にして第三のローラユニット51Aに向かって開くU字形の形状を有しており、そのU字形の内側に、プーリ77b、78b及びタイミングベルト79bが収まるように配置されている。
【0065】
モータ61を作動させると、モータ61の出力軸61aの回転駆動力が伝達機構62Aを介して第一の回転軸体55に伝達されると共に、シャフト60を介して出力軸61aと連結された従動軸体61bに伝達され、その回転駆動力が伝達機構62Bを介して第二の回転軸体58に伝達される。第一のコンベアフレーム10側では、第一の回転軸体55と共に第一のローラ体67及び駆動スプロケット54が回転し、チェーン75を介して、一方のローラ列に沿って並ぶ各従動スプロケット44を駆動する。第二のコンベアフレーム20側では、第二の回転軸体58と共に第二のローラ体72及び駆動スプロケット57が回転しチェーン76を介して、他方のローラ列に沿って並ぶ各従動スプロケット44を駆動する。各従動スプロケット44が回転すると、その回転駆動力が回転軸体43を介してローラ体42に伝達される。
物品Wは、同期して回転する第一及び第二のローラ体67、72並びにローラ列ユニット40の複数のローラ体42上を搬送される。
【0066】
本変形例におけるコンベア駆動ユニット100においては、上記第一の実施形態におけるコンベア駆動ユニット50とは異なり、第一の回転軸体55の下方に配置されたモータ61の出力軸61aと、第二の回転軸体58の下方に配置された従動軸体61bとが、シャフト60を介して連結されている。つまり、本変形例では、第一の回転軸体55と第二の回転軸体58との間にシャフト60は設けられていない。
【0067】
第一の実施形態では、搬送すべき物品Wが、物品Wと第一及び第二のローラ体67、72とが接する底面よりも下に突き出した形状であると、その突き出した部分が、第一の回転軸体55と第二の回転軸体58との間に配置されたシャフト60に干渉する。そのため、底面の一部が下に突き出した形状の物品Wを搬送することが不可能であったが、本変形例によれば、シャフト60が、第一の回転軸体55の下方に配置された出力軸61aと、第二の回転軸体58の下方に配置された従動軸体61bとの間に配置されるので、底面の一部が下に突き出した形状の物品Wであっても搬送が可能である。
【0068】
(第二の実施形態)
二列のローラ列を有するローラコンベア装置のもうひとつの実施形態を
図11及び
図12に示す。
本実施形態のローラコンベア装置2は、第一及び第二のコンベアフレーム10a、20aと、第一及び第二のコンベアフレーム10a、20aのそれぞれに該フレームの長手方向に沿って連続的に配置された複数のコンベア駆動ユニット110とを備えている。
ところで、本実施形態のローラコンベア装置2はローラ列ユニット40を含まず、複数のコンベア駆動ユニット110は、第一及び第二のコンベアフレーム10a、20aの長手方向に、各々が並列に配置されている。そして、第一のコンベアフレーム10aに固定された複数の第一のローラユニット51の第一のローラ体67が一方のローラ列をなし、第二のコンベアフレーム20aに固定された複数の第二のローラユニット52の第二のローラ体72が他方のローラ列をなしている。
【0069】
本実施形態のローラコンベア装置2はローラ列ユニット40を含んでおらず、コンベア駆動ユニット110がローラ列ユニット40の従動スプロケット44を駆動する必要がない。そのため、本実施形態におけるコンベア駆動ユニット110は、上記第一の実施形態におけるコンベア駆動ユニット50とは異なり、第一のローラユニット51が駆動スプロケット54を含んではおらず、第二のローラユニット52も駆動スプロケット57を含んではいない。そのため、本実施形態のローラコンベア装置2は、チェーン75、76を含んでもいない。
また、第一のコンベアフレーム10aには第一の側壁部12が設けられておらず、第二のコンベアフレーム20aには第二の側壁部22が設けられてはいない。ただし、側壁部12、22は、搬送物のガイドとしての機能も有するので、コンベア装置に求められる条件によっては、第一の実施形態と同様に側壁部12、22が設けられていてもよい。
【0070】
各コンベア駆動ユニット110のモータ61を作動させると、モータ61の出力軸61aの回転駆動力が伝達機構62を介して第一の回転軸体55に伝達され、さらにシャフト60を介して第一の回転軸体55と連結された第二の回転軸体58に伝達される。第一のコンベアフレーム10側では、第一の回転軸体55と共に第一のローラ体67が回転し、第二のコンベアフレーム20側では、第二の回転軸体58と共に第二のローラ体72回転する。
物品Wは、各々のコンベア駆動ユニット110の、第一及び第二のローラ体67、72の回転動作によって搬送される。なお、第一、第二ローラ体67、72の回転速度は、予め設定した速度で同じ速度で動作するように構成させても良く、また、不図示の制御ユニットにより同期制御させて同じ速度で動作させるようにしても良い。
【0071】
上記のように構成されたローラコンベア装置によれば、チェーン75、76を介してローラ列ユニット40のローラ体42を回転させる第一の実施形態とは異なり、各コンベア駆動ユニット110の第一及び第二のローラ体67、72が個別に回転して物品Wを搬送するので、物品Wの搬送力を分散させて搬送することができ、モータの出力を小さくすることが可能となり、コンベア駆動ユニットを軽量化することができる。また、チェーン75,76を介して動作させる伝達機構も不要となるので、コンベア駆動ユニットの交換作業が更に容易になる。
【0072】
(第三の実施形態)
一列のローラ列を有するローラコンベア装置の実施形態を
図13及び14に示す。
本実施形態のローラコンベア装置3は、第一のコンベアフレーム10と、コンベアフレーム10にその長手方向に沿って連続的に配列されたローラ列ユニット40と、ローラ列ユニット40を駆動するコンベア駆動ユニット120とを備えている。第一のコンベアフレーム10は、ローラコンベア装置を導入した施設内の所定の領域に、図示しない支持ベースを介して設置されている。
以下では、第一の実施形態において既に説明した部分には同じ符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
【0073】
コンベア駆動ユニット120は、第一のコンベアフレーム10にローラ列ユニット40と並んで載置された第一のローラユニット51と、ローラユニット51の第一の回転軸体55を回転させるモータ61と、モータ61の回転駆動力を、第一の回転軸体55に伝達する伝達機構62とを備えている。
【0074】
第一のローラユニット51の他方の半割体53bは、サブフレーム59aを含み、モータ61は、サブフレーム59aに取り付けられた駆動源取付部70aに、減速機65を介して支持されている。なお、他方の半割体53bはサブフレーム59aと一体に形成された一つの部材としていてもよいし、別々の部材を連結して一体に構成してもよい。
【0075】
上記のように構成されたコンベア駆動ユニット120は、第一のローラユニット51をコンベアフレーム10の第一の載置部11に固定されることにより、ローラコンベア装置に取り付けられる。
【0076】
第一のコンベアフレーム10では、第一の回転軸体55と共に第一のローラ体67及び駆動側の駆動スプロケット54が回転し、第一の伝達部材75を介して、ローラ列に沿って並ぶ各従動スプロケット44を駆動する。各従動スプロケット44が回転すると、その回転駆動力がそれぞれの回転軸体43を介してそれぞれのローラ体42に伝達される。
物品Wは、同期して回転する第一のローラ体67及びローラ列ユニット40の各ローラ体42の外周面に支持され搬送される。
【0077】
以下では、従来型の一列のローラコンベア装置において、モータを含む駆動機構を上記のコンベア駆動ユニット120に換装する工程について説明する。
まず、既設のコンベア駆動ユニットから給電ケーブルのプラグを外す。次に、第一の側壁部12から第一の上部部材13を外す。次に、チェーン75を駆動スプロケット54から外す。
新たなコンベア駆動ユニット120を用意し、第一のローラユニット51を第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11上に配置する。そして、ユニットケース53の上方から貫通孔53iにボルト84を挿入し、T形溝11aに配置したT形溝ナット82に螺着する。これにより、第一のローラユニット51が、第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11に固定される。
チェーン75を駆動スプロケット54に掛ける。次に、第一の側壁部12に第一の上部部材13を固定する。最後に、コンベア駆動ユニット120に給電ケーブルのプラグを接続する。
【0078】
上記のように構成されたコンベア駆動ユニット120によれば、従来型のローラコンベア装置とは異なり、モータ61を含むローラの駆動機構がユニット化されているので、従来型の駆動部よりも容易に組付けを行うことができる。また、既設のコンベア駆動ユニットから新たなコンベア駆動ユニット120への換装作業が簡単に行える。そのため、ローラコンベア装置の組立から運転開始までの時間と、駆動源の換装作業時に運転を停止させておく時間を短くすることができ、ローラコンベア装置を導入した施設における物品搬送の効率低下をできる限り少なくすることができる。
【0079】
ところで、本実施形態では、コンベア駆動ユニット120とローラ列ユニット40を一列の第一のコンベアフレーム10のみに設けることを想定しているが、
図15に示すように、搬送方向に延びる線対象に配置された一対のコンベアフレーム10、20に、駆動ローラ(ローラ体67)を含むコンベア駆動ユニットと不図示のローラ列ユニットをそれぞれ配置し、二つのコンベア駆動ユニット120のモータ61を駆動させて駆動ローラ(ローラ体67)および各ローラ体42により物品Wを搬送するようにしてもよい。2つのコンベア駆動ユニット120のそれぞれのモータ61を駆動させて物品Wを搬送することで、ローラコンベア装置の搬送力を向上させることができる。
【0080】
(第四の実施形態)
一列のローラ列を有するローラコンベア装置のもうひとつの実施形態を
図16から
図20に示す。
本実施形態のローラコンベア装置4は、
図16に示すように、二列に並ぶ第一及び第二のコンベアフレーム10、20と、コンベアフレーム10、20間に該フレームの長手方向に沿って連続的に配置されたローラ列ユニット140と、ローラ列ユニット140を駆動するコンベア駆動ユニット150とを備えている。第一及び第二のコンベアフレーム10、20は、ローラコンベア装置4を導入した施設内の所定の領域に、図示しない支持ベースを介して設置されている。
【0081】
ローラ列ユニット140は、
図17に示すように、ローラ列を構成する従動ローラ体141と、従動ローラ体141を保持する軸体142と、軸体142を支持する第一及び第二の従動支持部143、144とを備えている。軸体142は、従動ローラ体141の一方の端部に設けられた第一の軸体142aと、従動ローラ体141の他方の端部に設けられた第二の軸体142bとを含み、第一の軸体142aの一方の端部には、第一の軸体142aと一体となって回転可能に支持されている従動スプロケット(従動回転体)145が固定されている。従動ローラ体141は中空の円筒体であり、従動ローラ体141の一方の端部に第一の軸体142aが接続され、他方の端部に第二の軸体142bが接続されている。第一の従動支持部143は、第一の軸体142aを回転可能に支持し、第二の従動支持部144は、第二の軸体142bを支持している。第二の軸体142bは第二の従動支持部144に固定されており、従動ローラ体141は、軸受146を介して第二の軸体142bに回転可能に支持されている。
【0082】
第一の従動支持部143は、第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11に配置され、第一の載置部11のT形溝11aに、ボルト及びT形溝ナットを介して固定されている。第一の従動支持部143には、第一の軸体142aの従動スプロケット145側の端部を回転可能に支持する軸受143aが設けられると共に、第一の軸体142aのローラ体141側の端部を回転可能に支持する軸受143bが設けられている。第一の従動支持部143と第一のコンベアフレーム10との間に、従動スプロケット145が配置される収容空間が形成され、この収容空間にチェーン等の伝達部材が配置される。
第二の従動支持部144は、第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21に配置され、第二の載置部21のT形溝21aに、ボルト及びT形溝ナットを介して固定されている。第二の従動支持部144には、第二の軸体142bを第二の従動支持部144に対して不動となるように固定する固定部144aが設けられている。
【0083】
従動スプロケット145は、第一の軸体142aの一方の端部に固定されており、チェーン等の伝達部材により駆動される。本実施形態のローラ列ユニット140においては、従動スプロケット145、第一の軸体142a、従動ローラ体141、軸受146及び第二の軸体142bからなるローラアセンブリが、物品の搬送方向、すなわちローラ列ユニット140の列方向に所定の間隔を空けて複数配置される。
【0084】
第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11には、コンベア駆動ユニット150の駆動側となるローラ駆動ユニット153(後述)が配置され、さらにそのローラ駆動ユニット153に続いて、ローラ列ユニット140の第一の従動支持部143が一列に配置されている。また、第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21には、コンベア駆動ユニット150の従動側となるローラ支持ユニット154(後述)が配置され、さらにそのローラ支持ユニット154に続いて、ローラ列ユニット140の第二の従動支持部144が一列に配置されている。
【0085】
第一の軸体142aの他方の端部には、フリクション駆動機構を構成する一方の摩擦板147aが設けられ、従動ローラ体141の一方の端部には、他方の摩擦板147bが設けられている。また、従動ローラ体141の他方の端部と第二の軸体142bとの間には、スプリング147cが設けられている。スプリング147cには、従動ローラ体141を第二の従動支持部144から第一の従動支持部143に向かって押推する付勢力が導入されており、他方の摩擦板147bは、スプリング147cの付勢力により一方の摩擦板147aに常時押し付けられている。これにより、双方の摩擦板147a、147bの間には摩擦力が作用しており、第一の軸体142aの回転に伴い従動ローラ体141が回転する。
【0086】
コンベア駆動ユニット150は、
図18、
図19及び
図20に示すように、従動ローラ体141と共にローラ列を構成する駆動ローラ体151と、駆動ローラ体151を保持する軸体152と、第一のコンベアフレーム10にローラ列ユニット140と並んで載置され、軸体152を回転駆動するローラ駆動ユニット153と、第二のコンベアフレーム20にローラ列ユニット140と並んで載置され、軸体152を支持するローラ支持ユニット154と、ローラ駆動ユニット153とローラ支持ユニット154とを連結するベースフレーム(筐体)155と、軸体152を回転させるモータ(駆動源)61と、軸体152にモータ61の回転駆動力を伝達する伝達機構62を備えている。軸体152は、駆動ローラ体151の一方の端部に設けられた第一の軸体152aと、駆動ローラ体151の他方の端部に設けられた第二の軸体152bとを含み、第一の軸体152aの一方の端部には、第一の軸体152aと一体となって回転可能に支持されている駆動スプロケット(回転体)158が固定されている。駆動ローラ体151も、従動ローラ体141と同じく中空の円筒体であり、駆動ローラ体151の一方の端部に第一の軸体152aが接続され、他方の端部に第二の軸体152bが接続されている。ローラ駆動ユニット153は、第一の軸体152aを回転可能に支持し、ローラ支持ユニット154は、第二の軸体152bを支持している。第二の軸体142bはローラ支持ユニット154に固定されており、駆動ローラ体151は、軸受156を介して第二の軸体152bに回転可能に支持されている。つまり、ローラ駆動ユニット153及びローラ支持ユニット154は、駆動スプロケット158、第一の軸体152a、駆動ローラ体151、軸受156及び第二の軸体152bからなるローラアセンブリを回転可能に支持している。
【0087】
ローラ駆動ユニット153は、第一の軸体152aを回転可能に支持する略直方体形状のユニットケース(第四のケーシング)153aを含み、第一のコンベアフレーム10の第一の載置部11に、ローラ列ユニット140と同様に固定されている。ローラ駆動ユニット153には、第一の軸体152aの駆動スプロケット158の端部を回転可能に支持する軸受153bが設けられると共に、第一の軸体152aの駆動ローラ体151側の端部を回転可能に支持する軸受153cが設けられている。ローラ駆動ユニット153と第一のコンベアフレーム10との間に、駆動スプロケット158が配置される収容空間が形成され、この収容空間にチェーン等の伝達部材が配置される。
ローラ支持ユニット154は、第二の軸体152bを支持する略直方体形状のユニットケース(第五のケーシング)154aを含み、第二のコンベアフレーム20の第二の載置部21に、ローラ列ユニット140と同様に固定されている。ユニットケース154aには、第二の軸体152bをローラ支持ユニット154に対して不動となるように固定する固定部154bが設けられている。
【0088】
伝達機構62は、減速機65の出力軸61aに固定されたプーリ77と、ローラ駆動ユニット153の第一の軸体152aに固定されたプーリ78と、プーリ77、78間に掛けられたタイミングベルト79とを含んでいる。
【0089】
第一の軸体152aの他方の端部には、上記フリクション駆動機構を構成する一方の摩擦板159aが設けられ、駆動ローラ体151の一方の端部には、他方の摩擦板159bが設けられている。また、駆動ローラ体151の他方の端部と第二の軸体152bと間には、スプリング159cが設けられている。スプリング159cには、駆動ローラ体151をローラ支持ユニット154からローラ駆動ユニット153に向かって押推する付勢力が導入されており、他方の摩擦板15は、スプリング159cの付勢力により一方の摩擦板159aに常時押し付けられている。これにより、双方の摩擦板159a、159bの間には摩擦力が作用しており、第一の軸体152aの回転に伴い駆動ローラ体151が回転する。
【0090】
従動ローラ体141及び駆動ローラ体151によって搬送される物品Wが、なんらかの事情によりコンベア上に止まってしまったとしても、上記のフリクション駆動機構により、従動ローラ体141に対して第一及び第二の軸体142a、142bが空転し、駆動ローラ体151に対して第一及び第二の軸体142a、142bが空転する。
【0091】
本実施形態では、コンベア駆動ユニット150のモータ61を作動させると、出力軸61aの回転駆動力が伝達機構62の回転伝達機構を介して第一の軸体152aに伝達され、駆動ローラ体151が回転する。同時に、第一の回転軸体55と共に第一のローラ体67及び駆動側の駆動スプロケット54が回転し、第一の伝達部材(例えばチェーン)75を介して、ローラ列ユニット140に沿って並ぶ各従動スプロケット145を駆動する。各従動スプロケット145が回転すると、その回転駆動力が第一の軸体142aに伝達され、それぞれの従動ローラ体141が回転する。
物品Wは、同期して回転する駆動ローラ体151及び従動ローラ体141の外周面に支持され搬送される。
【0092】
上記のように構成されたコンベア駆動ユニット150によれば、従来型のローラコンベア装置とは異なり、モータ61を含むローラの駆動機構がユニット化されているので、従来型の駆動部よりも容易に組付けを行うことができる。また、既設のコンベア駆動ユニットから新たなコンベア駆動ユニット120への換装作業が簡単に行える。そのため、ローラコンベア装置の組立から運転開始までの時間と、駆動源の換装作業時に運転を停止させておく時間を短くすることができ、ローラコンベア装置を導入した施設における物品搬送の効率低下をできる限り少なくすることができる。
【0093】
ところで、本実施形態では、ローラ列ユニット140における第二の軸体142bが第二の従動支持部144に固定されており、従動ローラ体141は、軸受146を介して第二の軸体142bに回転可能に支持されているが、第二の軸体142bを第二の従動支持部144に回転可能に支持してもよい。その場合、従動ローラ体141と第二の軸体142bとの間に軸受を設ける必要はない。
同様に、本実施形態では、駆動ローラ体151を保持する軸体152が第一及び第二の軸体152a、152bを含み、第二の軸体152bは固定部154bによりローラ支持ユニット154に対して不動となるように固定されているが、第二の軸体152bをローラ支持ユニット154に回転可能に支持してもよい。その場合、駆動ローラ体151と第二の軸体152bとの間に軸受けを設ける必要はなく、スプリング159cは駆動ローラ体151の他方の端部とローラ支持ユニット154との間に設けられる。
【0094】
また、本実施形態では、従動ローラ体141を保持する軸体142が第一及び第二の軸体142a、142bを含み、これら第一及び第二の軸体142a、142bが、従動ローラ体141を介して接続されているが、軸体142を分割せずに1本の部品とし、中空の従動ローラ体141の内部に挿通したうえで従動ローラ体141を保持させてもよい。その場合、第二の軸体142bに相当する軸体142の他方の端部は、第二の従動支持部144に回転可能に支持される。
同様に、本実施形態では、駆動ローラ体151を保持する軸体152が第一及び第二の軸体152a、152bを含むが、軸体152を分割せずに1本の部品とし、中空の駆動ローラ体151の内部に挿通したうえで駆動ローラ体151を保持させてもよい。その場合、第二の軸体152bに相当する軸体152の他方の端部は、ローラ支持ユニット154に回転可能に支持される。
【0095】
以上、本発明に係るコンベア駆動ユニット、及びローラコンベア装置について、第一から第四の実施形態、さらにそれらの変形例について説明したが、発明の実施にあたっては、これらの実施形態に示したコンベア駆動ユニット並びにローラ列ユニットを複数組み合わせてローラコンベア装置を構成してもよい。例えば、第三の実施形態に示したコンベア駆動ユニット120を第一のコンベアフレーム10上に設置してローラ列ユニット40と組み合わせると共に、もうひとつのコンベア駆動ユニット120を第二のコンベアフレーム20上に設置してローラ列ユニット40と組み合わせ、二列のローラ列を駆動するローラコンベア装置を構成してもよい(
図15参照)。また、第一の実施形態に示したローラコンベア装置1と、第三の実施形態に示したコンベア駆動ユニット120とローラ列ユニット40とを含むローラコンベア装置3とを組み合わせ、三列のローラ列を有し、うち二列のローラ列を駆動するローラコンベア装置を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、ローラ列を駆動するコンベア駆動ユニット、及びこれを用いたローラコンベア装置に関する。本発明によれば、ローラコンベア装置への駆動機構の装着作業の工数及び作業時間が減少し、換装作業の効率が向上する。その結果、ローラコンベア装置の運転を停止させておく時間を短くすることができ、ローラコンベア装置を導入した施設における物品搬送の効率低下をできる限り少なくすることができる。