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特許7365426精神障害、行動障害、認知障害を処置するための医薬組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】精神障害、行動障害、認知障害を処置するための医薬組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/55 20060101AFI20231012BHJP
   A61K 31/13 20060101ALI20231012BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
A61K31/55
A61K31/13
A61P25/28
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021556914
(86)(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 US2019027293
(87)【国際公開番号】W WO2020209872
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】521434883
【氏名又は名称】ラ ファーマテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジャンミン
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,ゲピン
【審査官】高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-019113(JP,A)
【文献】Geriatr Gerontol Int,2008年,Vol.8,p.59-61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/55
A61K 31/13
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アゼラスチン又はアゼラスチンの薬学的に許容される塩;
メマンチン又はメマンチンの薬学的に許容される塩;及び
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤
を含む、アルツハイマー病を処置するための医薬組成物。
【請求項2】
前記アゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩が、約1mg~約50mgの範囲の量で前記医薬組成物中に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記メマンチン又は前記メマンチンの薬学的に許容される塩が、約1mg~約70mgの範囲の量で前記医薬組成物中に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記アゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩が、約1mg~約50mgの範囲の量で前記医薬組成物中に存在し;且つ
前記メマンチン又は前記メマンチンの薬学的に許容される塩が、約1mg~約70mgの範囲の量で前記医薬組成物中に存在する、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩が、アゼラスチン塩酸塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記メマンチンの薬学的に許容される塩が、メマンチン塩酸塩である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記アゼラスチン塩酸塩が、約2mg~約20mgの範囲の量で存在する、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記アゼラスチン塩酸塩が、約8mg~約16mgの範囲の量で存在する、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記メマンチン塩酸塩が、約2mg~約20mgの範囲の量で存在する、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が、経口医薬剤形として製剤化される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記経口医薬剤形が、固体又は液体の形態である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記アゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩が、約10mg~約50mgの範囲の量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記アゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩が、前記メマンチン又は前記メマンチンの薬学的に許容される塩の2、3、4、5、6、7、8、9または10倍の量で前記医薬組成物中に存在する;または
前記メマンチン又は前記メマンチンの薬学的に許容される塩が、前記アゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩の2、3、4、5、6、7、8、9または10倍の量で前記医薬組成物中に存在する、
請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[001] 本発明は、実用医学の分野、すなわち、中枢神経系への様々な起源の器質的損傷の場合の精神的、行動的、認知的な障害の症状を軽減する向神経性作用を示す医薬組成物の併用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
[002] アルツハイマー病(AD)は進行性の慢性神経変性疾患であり、通常はゆっくりと始まり、時間の経過とともに徐々に悪化する。アルツハイマー病は、高齢者の認知症の最も一般的な原因である。認知症とは、人の日常生活及び活動に支障をきたす程度の、認知機能(思考、記憶、及び推論)及び行動能力の喪失である。初期の段階では記憶喪失は軽度であるが、後期のADでは、個人は会話を継続し、その環境に反応する能力を失う。未処置の場合、ADは最終的に死に至る。進行の速度は様々であるが、診断後の典型的な平均余命は3~9年である。
【0003】
[003] 学習及び記憶の中心的なメカニズムは長期増強(LTP)である。LTPは、NMDA受容体を介して神経伝達物質であるグルタメートによって媒介される。NMDA受容体は脳全体に拡散して見られ得る。しかし、それらは海馬及び大脳皮質(認知、学習、及び記憶に関与することが知られている領域)の錐体細胞の樹状突起に密集している。LTPと学習の関係に加えて、グルタミン酸レベルの上昇は興奮毒性と関連している。NMDA受容体アゴニストの慢性的な低用量投与はアポトーシスを誘発することが示されている一方、高用量は壊死を誘発する。グルタミン酸受容体の活性化は、グルタメートの放出を誘発することも見出されている。したがって、グルタメートの大量の蓄積が起こり、Ca2+の大量の蓄積を誘発し、アポトーシスを引き起こし得る。アミロイドベータ(AB)プラークは、興奮毒性に対するニューロンの脆弱性を高めることも指摘された。ADの病理学的特徴であるABプラークは、星状細胞の脱分極、グルタミン酸の細胞外蓄積、及びCa2+の細胞内沈着を誘発することが見出された。したがって、グルタミン酸誘発興奮毒性経路は、ADの治療のための優れた標的となった。
【0004】
[004] 生理学的条件下では、ニューロンによって放出されたグルタメートは代謝されるか、又は隣接する細胞に取り込まれる。これらの経路が破壊されると、蓄積されたグルタミン酸がNMDA受容体を過剰に刺激し、神経変性疾患に特徴的な病状を誘発する。NMDA受容体は、グリシン、グルタメート、及び/又はNMDAと結合すると活性化する、カルシウム[II]イオン(Ca2+)チャネルとして機能する。ただし、チャネルは、マグネシウム[II]イオン(Mg2+)によるチャネルの遮断により、細胞膜が脱分極した場合にのみ機能する。これは、ニューロンが静止している場合のCa2+の流入を防ぐ。慢性的に脱分極した膜などの病的状態下では、Mg2+がチャネルを離れ、神経細胞の代謝が阻害され、細胞死を引き起こす。これが起こると、Ca2+の流入は通常よりも長い期間にわたって非制限的となる。このCa2+の流入は、細胞機能の変化に寄与し、フリーラジカル又はミトコンドリアの過負荷のいずれかを介して細胞死を引き起こし、フリーラジカルの形成、カスパーゼの活性化、及びアポトーシス誘導因子の放出をもたらす。NMDAに対する拮抗剤は、親和性及び作用部位が変動するため、チャネルに異なる変化が生じる。作用のメカニズムにかかわらず、拮抗剤はチャネルの透過性を低下させ、Ca2+の流入を防ぐ。したがって、NMDA受容体拮抗剤は、可能な神経保護剤及び神経変性疾患の潜在的な治療法として注目されている。
【0005】
[005] 大半のNMDA拮抗剤は競合的拮抗剤であり、幻覚又は統合失調症タイプの症状を含み得る副作用のため、患者の耐容性は十分でない。副作用は、NMDA受容体の生理学的機能を遮断する競合的拮抗剤に起因する可能性がある。認知、記憶、学習におけるその役割のため、NMDA受容体を作用の標的として使用する薬剤はいずれも、治療上有用であるために生理学的機能を保つ必要がある。メマンチンは、受容体のチャネルに位置する部位に結合することにより、活性化されたNMDA受容体に作用する。
【0006】
[006] メマンチンは、擬一次様式でチャネルに結合する高速結合拮抗剤である。しかし、それはまた、受容体から迅速且つ濃度に依存しない方法で解離する。これにより、作用部位からのメマンチンの除去に影響を与えることなく、用量がメマンチンの結合に影響を与えることができ、最小限の副作用で効力を高めることができる。他の拮抗剤と比較して、メマンチンははるかに速い作用過程を有するため、生理学的メカニズムへの影響はより少ない。この理由から、メマンチンは、生理機能を保つため、神経変性疾患の治療に大きな期待が寄せられている。さらに、メマンチンの作用メカニズムの非競争的性質により、NMDA受容体が大量に活性化されている領域でその拮抗作用がより強力になる。メマンチンの作用メカニズムも電位依存性であり、これは膜の脱分極によるメマンチン遮断の除去につながる。これら全ての特徴により、メマンチンは興奮毒性によって誘発される病状を処置するための有力な候補となっている。いくつかの研究では、メマンチンは興奮毒性メカニズムを介して誘発される神経細胞死を防ぐことが見出された。
【0007】
[007] しかし、メマンチンはADを治癒することも、将来のある時点でこれらの能力の喪失を防ぐこともできない。したがって、ADには現在のところ治療法はなく、我々の努力は、疾患を後退させ、疾患の発症を遅らせ、予防するためのより良い方法を見出すことである。
【0008】
[008] 一方、ADに関連する遺伝的、細胞的、及び分子的変化は、活性化された免疫及び炎症プロセスが疾患の一部であるという証拠を裏付けている。また、疫学研究では、NSAIDの長期使用の強力な利点が示された。したがって、ADは部分的に炎症性疾患であり、炎症を抑制することはADを処置する一選択肢であることが一般的に認められている。
【0009】
[009] 炎症は明らかにAD脳の病理学的に脆弱な領域で発生し、局所的な末梢炎症反応の完全な複雑性を伴って発生する。末梢では、変性組織及び高度に不溶性の異常物質の沈着が炎症の古典的な刺激物である。同様に、AD脳では、損傷したニューロン及び神経突起、並びに高度に不溶性のアミロイドβペプチド沈着物及び神経原線維変化が炎症の明らかな刺激を提供する。これらの刺激は別々に微小局在化しており、ADの前臨床初期から終末期まで存在するため、補体、サイトカイン、急性期反応物、及びその他の炎症性メディエーターの局所的なアップレギュレーションも別々に微小局在化しており、慢性的である。長年にわたって蓄積された、ADの炎症メカニズムによる直接及びバイスタンダーの損傷は、それを引き起こした非常に病原性の高いプロセスを有意に悪化させる可能性がある。したがって、これまでの動物モデル及び臨床研究は、ADの炎症がADの病因に有意に寄与することを強く示唆している。ADの炎症及び免疫調節プロセスをよりよく理解することにより、この重篤な障害を後退させ、又はその発症を遅らせ、若しくは予防し得る抗炎症アプローチを開発することが可能になるはずである。
【0010】
[0010] アゼラスチンは薬理学的に第2世代の抗ヒスタミン薬として分類されており、H1受容体での比較的選択的で非鎮静型の競合的拮抗剤である。よりユニークなことに、抗ヒスタミン作用及び肥満細胞安定化作用に加えて、炎症性メディエーターの阻害により、アゼラスチンは、新世代の二重作用性抗炎症薬の1つと位置づけられる。アゼラスチンのH1受容体に対する高い親和性に加えて、炎症及びアレルギーの他のいくつかのメディエーターを改変するその能力は、その作用メカニズムに寄与している。インビトロ及びインビボ研究、並びに臨床試験は、炎症細胞の直接阻害及び安定化の二重の効果を裏付けている。インビトロのデータは、H1受容体に対するアゼラスチンの親和性が、第1世代のH1拮抗剤であるクロルフェニラミンの親和性の数倍大きいと推定されることを示す。アゼラスチンはH2受容体に対して弱い親和性しか有しない。肥満細胞からのヒスタミンの放出も、電位依存性L型カルシウムチャネルの可逆的阻害によって阻害される可能性がある。肥満細胞の脱顆粒を阻害すると、ロイコトリエン及びインターロイキン-1βなどの他の炎症性メディエーターの放出も減少し得る。アゼラスチンはまた、腫瘍壊死因子-α、ロイコトリエン、エンドセリン-1、及び血小板活性化因子などの、炎症の他のメディエーターに直接拮抗する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
[0011] 本発明は、2つの有効成分1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を含む。この医薬組成物は、アゼラスチン又はアゼラスチンの薬学的に許容される塩である第1の有効成分と、メマンチン又はメマンチンの薬学的に許容される塩である第2の有効成分とを含む。
【0012】
[0012] 本発明のいくつかの実施形態において、医薬組成物中のアゼラスチンの薬学的に許容される塩はアゼラスチン塩酸塩であり、この医薬組成物中のメマンチンの薬学的に許容される塩はメマンチン塩酸塩である。
【0013】
[0013] 本発明のいくつかの実施形態において、医薬組成物中のアゼラスチン塩酸塩(及び/又はその他の塩)は、約1mg~約20mgの量で提供され、及び/又はこの医薬組成物中のメマンチン塩酸塩(及び/又はその他の塩)は、約1mg~約30mgの量で提供される。
【0014】
[0014] 本発明はまた、固体形態又は液体形態である医薬組成物の経口医薬剤形を含む。
【0015】
[0015] 本発明は、アルツハイマー病、血管性認知症、又はパーキンソン病などの神経変性障害を有する患者への剤形の投与による医薬組成物の経口医薬剤形の医学的使用をさらに含む。
【0016】
[0016] 本発明のいくつかの実施形態において、アゼラスチン塩酸塩(及び/又はその他の塩)を約6mg~約12mgの量で含み、及び/又はメマンチン塩酸塩(及び/又はその他の塩)を約2mg~約6mgの量で含む医薬組成物の経口医薬剤形は、後期アルツハイマー病を有する患者に投与される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
[0017] 本発明の発明者らは、驚くべきことに、活性剤、塩形態のアゼラスチン及び塩形態のメマンチンを含む経口剤形を有する医薬組成物が、精神障害、行動障害、認知障害に罹患している患者を処置するのに適していることを見出した。
【0018】
[0018] 以下に提供される詳細な説明は、本発明の例の説明として意図されており、本発明の例が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。説明は、例の機能と、例を構築及び実施するための一連のステップを説明する。しかし、同じ又は同等の機能及び一連のステップは、異なる例によって達成してもよい。
【0019】
[0019] 定義
[0020] 本明細書で使用される場合、以下の語及び句は、それらが使用される文脈が別の意味を示す場合を除いて、一般に、以下に記載される意味を有することを意図している。
【0020】
[0021] 精神障害、行動障害、認知障害には、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、及びそれらのいずれかと他の神経変性障害との組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0021】
[0022] 本明細書で使用される場合、「メマンチン」という用語は、メマンチン遊離塩基、1-アミノ-3,5-ジメチルアダマンタン、1,3-ジメチル-5-アダマンタンアミン、3,5-ジメチル-1-アダマンタンアミン、又は3,5-ジメチルトリシクロ(3.3.1.1(3,7))デカン-1-アミンを指す。特定の実施形態において、メマンチンは、塩酸塩又はHCl塩などの任意の薬学的に許容される塩も含む。好ましくは、本明細書に記載される本発明の任意の実施形態において、メマンチンは、メマンチン塩酸塩又はメマンチンHClのような、その塩酸塩の形態である。より好ましくは、本明細書に記載の本発明の任意の実施形態において、経口剤形中のメマンチンの量及び投与量範囲への言及は、メマンチン塩酸塩の量及び投与量範囲への言及である。
【0022】
[0023] 本明細書で使用される場合、「アゼラスチン」という用語は、アゼラスチン遊離塩基、又は4-(p-クロロベンジル)-2-(ヘキサヒドロ-1-メチル-1H-アゼピン-4-イル)-1-(2H)-フタラジノンを指す。特定の実施形態において、アゼラスチンは、塩酸塩又はHCl塩などの任意の薬学的に許容される塩も含む。好ましくは、本明細書に記載される本発明の任意の実施形態において、アゼラスチンは、アゼラスチン塩酸塩又はアゼラスチンHClのような、その塩酸塩の形態である。より好ましくは、本明細書に記載の本発明の任意の実施形態において、固体経口剤形中のアゼラスチンの量及び投与量範囲への言及は、アゼラスチン塩酸塩の量及び投与量範囲への言及である。
【0023】
[0024] 本明細書で使用される場合、「処置すること」又は「処置」は、完全な治癒又は不完全な治癒を意味するか、又は基礎疾患又は関連する状態の症状が少なくとも軽減及び/又は遅延されること、及び/又は症状を引き起こす1つ以上の基礎となる細胞的、生理学的、又は生化学的原因又はメカニズムが軽減、遅延、及び/又は排除されることを意味する。この文脈で使用される場合、軽減又は遅延は、未処置の疾患の生理学的状態だけでなく、未処置の疾患の分子的状態を含む、未処置の疾患の状態に関連することを意味すると理解される。
【0024】
[0025] 「有効量」という用語は、そのような処置を必要とする哺乳動物に投与された場合に、以下に定義されるように、処置をもたらすのに十分な量を指す。治療有効量は、処置される患者、患者の体重及び年齢、病状の重症度、投与方法などに応じて変化し、これらは当業者が容易に決定することができる。医薬組成物は、経口投与によって単回投与又は複数回投与のいずれかで投与してもよい。投与は、カプセル、錠剤などによるものであってもよい。
【0025】
[0026] 定量的測定の文脈で本明細書において使用される「約」という用語は、示された量±10%を意味する。例えば、±10%の範囲では、「約5mg」は4.5~5.5mgを意味する。
【0026】
[0027] 医薬組成物は、当技術分野で知られている方法、例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems Tenth(Loyd Allen著、2013)及びHandbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations(第1~6巻、Sarfaraz K. Niazi著)を使用して、医薬用途のために製剤化することができる。したがって、活性化合物と、制御された、又は徐放性のマトリックスとの組み込みが実施され得る。
【0027】
[0028] 液体又は固体の単位剤形は、経口投与用に容易に調製することができる。例えば、リン酸二カルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、デンプン、タルク、ラクトース、アカシア、メチルセルロース、及び医薬賦形剤又は担体と機能的に類似した材料などの従来の成分と混合される。任意選択により、徐放性製剤を使用してもよい。高齢又は一貫性のない対象では、徐放性製剤が好ましい場合さえもある。カプセルは、化合物を不活性である医薬希釈剤と混合し、この混合物を適切なサイズを有する硬質ゼラチンカプセルに挿入することによって製剤化してもよい。ソフトカプセルが望ましい場合は、許容される植物油、軽質油、又はその他の不活性油を含む化合物のスラリーを、ゼラチンカプセルへと成形することによってカプセル化することができる。
【0028】
[0029] 懸濁液、シロップ及びエリキシル剤は、経口投与又は液体単位剤形に使用してもよい。油溶性形態には、油を含む液体調製物を使用してもよい。例えば、コーン油、ピーナッツ油、花精油などの植物油は、香料、甘味料、及び任意の防腐剤とともに、許容される液体製剤を生成する。界面活性剤を水に加えて、液体単位投与量のシロップを形成してもよい。砂糖、サッカリン又は生物学的甘味料などの許容される甘味料、及びエリキシル剤の形態の香料を有する水アルコール医薬調製物を使用してもよい。
【0029】
[0030] 本開示の固体経口剤形は、錠剤、カプレット、二層錠剤、フィルムコーティング錠、ピル、カプセルなどの形態を意味する。本開示による錠剤は、医薬製剤業界で周知の任意の混合及び打錠技術によって調製することができる。いくつかの例において、剤形は、それぞれ調製された徐放部分及び即時放出部分を、回転式打錠プレスに取り付けられたパンチ及びダイによって直接圧縮すること、射出又は圧縮成形又は造粒後圧縮することによって製造される。
【0030】
[0031] 本開示に従って提供される医薬組成物は、通常、経口投与される。したがって、本開示は、本明細書に記載されるようなアゼラスチン及びメマンチンを含む固体分散体、並びに不活性固体希釈剤及び充填剤、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む希釈剤、浸透促進剤、可溶化剤、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、流動促進剤、アジュバント、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。そのような組成物は、製薬分野でよく知られている方法(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems Tenth(Loyd Allen著、2013)及びHandbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations(第1~6巻、Sarfaraz K. Niazi著)参照)で調製される。
【0031】
[0032] 医薬組成物は、希釈剤、結合剤、充填剤、流動促進剤、崩壊剤、潤滑剤、可溶化剤、及びそれらの組み合わせなどの医薬賦形剤をさらに含んでもよい。適切な賦形剤のいくつかの例が本明細書に記載されている。医薬組成物が錠剤に処方される場合、錠剤は、コーティングされていないものであってもよく、又はマイクロカプセル化を含む公知の技術によってコーティングされて、胃腸管での崩壊及び吸着を遅らせ、それによって長期間にわたって持続作用を提供するものであってもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が、単独で又はワックスとともに使用され得る。
【0032】
[0033] 実施形態において、医薬組成物は、a)約1mg~50mgのアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)及び/又はb)約1mg~70mgのメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)、又はa)約2mg~20mgのアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)及び/又はb)約2mg~30mgのメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)、又はa)約8mg~16mgのアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)及び/又はb)約2mg~5mgのメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)を含み得る。例えば、組成物は、a)約12mgのアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)及び/又はb)約3mgのメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)を含み得る。さらに、例えば、本発明の組成物は、約1mg~約50mgの範囲の量で存在するアゼラスチン又は前記アゼラスチンの薬学的に許容される塩、及び/又は約1mg~約70mgの範囲の量で存在するメマンチン又は前記メマンチンの薬学的に許容される塩を含み得る。実施形態において、組成物中に存在するアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)の量は、組成物中に存在するメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)の量に等しいか、それより多いか、又はそれより少ないものであり得る。実施形態において、組成物中に存在するアゼラスチンHCl(及び/又はその他の塩)の量は、組成物中に存在するメマンチンHCl(及び/又はその他の塩)の量の2倍、3倍、又は4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、若しくは1,000倍、又はその逆であり得る。本発明の任意の1つ以上の組成物は、本明細書に開示される本発明の任意の1つ以上の方法、又は組成物を使用する他の方法とともに使用することができる。
【0033】
[0034] 実際に投与されるアゼラスチンHCl及びメマンチンHClを含む医薬組成物の量は、処置される状態、選択された投与経路、投与された実際の化合物及びその相対的活性、個々の患者の年齢、体重及び反応、患者の症状の重症度などを含む、関連する状況に照らし、通常、医師によって決定されることが理解されよう。
【0034】
[0035] 本明細書に記載のアゼラスチンHCl及びメマンチンHClを含有する医薬組成物、医薬剤形、及び錠剤は、アルツハイマー病などの神経変性障害に罹患している患者に、1日1回、1日2回、隔日1回、週に2回、週に3回、週に4回、又は週に5回の経口投与によって投与される。
【0035】
[0036] 実施形態において、本明細書に記載のアゼラスチンHCl及びメマンチンHClを含有する医薬組成物の医薬剤形及び錠剤は、約6~24週間で後期アルツハイマー病の患者の症状を後退させるのに有効である。
【0036】
[0037] 以下の実施例は例示的なものであり、特許請求される主題の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例
【0037】
[0038] 実施例1
[0039] 79歳、体重51キログラムの女性が後期アルツハイマー病と診断され、メマンチン(10mg)で5年間処置された。しかし、女性の記憶力及び認知能力は悪化し続けた。女性はほとんど何も覚えることができず、数語しか話せなかった。女性は最終的に日常活動及びパーソナルケアで24時間の補助を受けていた。女性は補助を伴っても10歩を超えて歩行することができなかった。この段階で、女性は、12mgのアゼラスチンHCl及び5mgのメマンチンHClを含有する特許請求された医薬組成物の液体経口形態での1日1回の処置を開始した。わずか1ヶ月半後、女性は補助を伴って歩行できた。3ヶ月後、女性は顔及び目の表情があり、数分間話すことができ、軽度の補助のみで歩行できた。処置の6ヶ月後、女性は自由に話し、歌を歌い、独立して歩行することができた。6ヶ月の処置中に、女性の体重は5キログラム増加した。
【0038】
[0040] 実施例2
[0041] 81歳、体重55キログラムの女性が後期アルツハイマー病と診断された。女性は、パーソナルケア、食事、ウォーキングなどの日常活動で24時間体制の補助があった。女性は5語未満しか話すことができず、不規則な睡眠パターンを有していた。女性は、12mgのアゼラスチンHCl及び5mgのメマンチンHClを含有する特許請求された医薬組成物の液体経口形態で処置された。わずか1ヶ月半後、女性の24時間体制の補助は約50%削減された。3ヶ月後、女性は自分で基本的なパーソナルケア活動を行うことができ、10語を超えて話すことができた。
【0039】
[0042] 実施例3
[0043] 77歳、体重66キログラムの男性が後期アルツハイマー病と診断された。男性は数語しか話せなかった。男性は睡眠に困難があった。男性の性格は、非論理的又は非合理的、不安又は過敏、及び攻撃的又は敵対的であると説明された。男性はほとんどの時間非協力的であった。男性は歩行に軽度の補助が必要であった。男性は24時間補助者によって監視されていた。男性は、14mgのアゼラスチンHCl及び5mgのメマンチンHClを含有する医薬組成物の錠剤で処置された。1ヶ月半後、男性の性格は、より理性的であり、敵意なく攻撃性がはるかに少ないと説明された。3ヶ月後、男性は定期的に眠ることができ、24時間体制の補助は必要でなくなった。男性は1分以上話すことができた。
【0040】
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[00119]Sarfaraz K. Niazi, Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations Volumes 1-6.
【0041】
[00120] 本発明は、様々な特徴を有する特定の実施形態を参照して説明された。上記に提供された開示に照らし、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の実施において様々な修正及び変形を行うことができることは当業者には明らかであろう。当業者は、開示された特徴が、所与の用途又は設計の要件及び仕様に基づいて、単独で、任意の組み合わせで、又は省略されて使用され得ることを認識するであろう。一実施形態が特定の特徴を「含む」ことに言及する場合、実施形態は、代替的に、任意の1つ以上の特徴「からなる」又は「から本質的になる」ことができることを理解されたい。本明細書に開示される方法はいずれも、本明細書に開示される組成物のいずれか又は他の任意の組成物とともに使用することができる。同様に、開示された組成物はいずれも、本明細書に開示された方法のいずれか又は他の任意の方法で使用することができる。本発明の他の実施形態は、本発明の明細書及び実施を考慮すると当業者には明らかであろう。
【0042】
[00121] 特に、本明細書で値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限との間の各値も具体的に開示されていることに留意されたい。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して範囲に含めてもよく、除外してもよい。単数形の「a」、「an」、及び「the」には、文脈で明確に指示されていない限り、複数の指示対象が含まれる。明細書及び実施例は、本質的に例示的なものと見なされ、本発明の本質から逸脱しない変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本開示で引用される全ての参考文献は、それぞれ個別に参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、したがって、本発明を実施可能にする開示を補足する効率的な方法を提供するとともに、当業者のレベルを詳述する背景を提供することが意図されている。