(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20231012BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20231012BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20231012BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F3/04812
G06F3/0488
G06F3/041 580
(21)【出願番号】P 2021563821
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2020043060
(87)【国際公開番号】W WO2021117446
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2019225803
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊季
(72)【発明者】
【氏名】重高 寛
(72)【発明者】
【氏名】久我 拓史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 正博
(72)【発明者】
【氏名】萩原 康嗣
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/069392(WO,A1)
【文献】特開平02-153415(JP,A)
【文献】特開2006-236143(JP,A)
【文献】特開2014-219938(JP,A)
【文献】特開2006-107152(JP,A)
【文献】特許第6373537(JP,B1)
【文献】特開2014-178768(JP,A)
【文献】国際公開第2013/136391(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/041
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択可能な選択項目を表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目を確定する確定部と
を備え、
前記表示制御部は、
前記ホバー入力が行われているときに、前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離を表す表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させ、
前記表示制御部は、
前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離が近くなるにつれて、サイズが小さくなる枠状の前記表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させ、
前記確定部は、
前記表示オブジェクトの枠内に含まれている選択項目が1つになったとき、当該選択項目の選択を確定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択可能な選択項目を表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目の選択を確定する確定部と
を備え、
前記表示制御部は、
前記ホバー入力が行われているときに、前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離を表す表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させ、
前記表示制御部は、
前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離が近くなるにつれて、枠内の画像の拡大率が大きくなる枠状の前記表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させ、
前記確定部は、
前記表示オブジェクトの枠内に含まれている選択項目が1つになったとき、当該選択項目の選択を確定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択された選択項目を強調表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目の選択を確定する確定部と
を備え、
前記表示制御部は、
前記ホバー入力によって一の選択項目が選択された場合、当該一の選択項目に割り当てられている複数種類の入力をフリック操作により選択的に行うことが可能なフリック操作画面を前記表示装置に表示させ、
前記確定部は、
前記フリック操作画面に対するフリック操作がなされた場合、当該フリック操作に対応する入力を確定し、
前記フリック操作画面に対するフリック操作がなされなかった場合において、前記一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項4】
前記確定部は、
前記ホバー入力によって一の選択項目が選択されている状態の継続時間が所定時間に達する前に、当該一の選択項目に対する前記タッチ入力が検出された場合、当該一の選択項目の選択を確定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択可能な選択項目を表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定する確定部と
を備え、
前記確定部は、
前記継続時間が前記所定時間に達する前に、前記一の選択項目に対する前記タッチ入力が検出された場合、当該一の選択項目の選択を確定し、
前記確定部は、
前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離がより短いほど、前記選択項目の選択を確定するまでの前記所定時間をより短くする
ことを特徴とする入力装置。
【請求項6】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択可能な選択項目を表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定する確定部と
を備え、
前記確定部は、
前記継続時間が前記所定時間に達する前に、前記一の選択項目に対する前記タッチ入力が検出された場合、当該一の選択項目の選択を確定し、
前記確定部は、
前記ホバー入力による前記選択項目の選択の確定後、前記タッチ入力による1回目の前記選択項目の選択を無効化する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項7】
操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、
前記ホバー入力によって選択可能な選択項目を表示する表示制御部と、
前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定する確定部と
を備え、
前記確定部は、
前記継続時間が前記所定時間に達する前に、前記一の選択項目に対する前記タッチ入力が検出された場合、当該一の選択項目の選択を確定し、
前記確定部は、
前記ホバー入力による前記選択項目の選択の確定後の一定時間の間、前記タッチ入力による前記選択項目の選択を無効化する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項8】
前記確定部は、前記複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定し、
前記表示制御部は、
前記継続時間、および、前記継続時間が前記所定時間に達するまでの残り時間の少なくともいずれか一方を表す表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記継続時間に応じて前記継続時間を表す領域が変化する前記表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項8に記載の入力装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記継続時間が増加するにつれて前記継続時間を表す領域が徐々に減少する前記表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記確定部は、
前記ホバー入力または前記タッチ入力が継続している継続時間が所定時間に達する毎に、前記選択項目の選択を確定する
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項12】
前記確定部は、
前記ホバー入力と前記タッチ入力とで、前記所定時間を異ならせる
ことを特徴とする請求項11に記載の入力装置。
【請求項13】
前記確定部は、
1回目に前記一の選択項目の選択を確定する際の前記所定時間よりも、2回目以降に前記一の選択項目の選択を確定する際の前記所定時間を短くする
ことを特徴とする請求項11または12に記載の入力装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、
前記ホバー入力が行われているときに、前記操作体から前記タッチパネルの操作面までの距離を表す表示オブジェクトを、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、
前記タッチ入力が行われたことを示す表示オブジェクトを、
前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項16】
表示制御部は、
前記ホバー入力によって選択された選択項目の照度を他の選択項目よりも高めることによって強調表示する
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項17】
前記表示制御部は、
前記操作体の近接が検知されていない状態において、所定の待機画面を前記表示装置に表示させ、
前記操作体の近接が検知された状態において、前記複数の選択項目を含む操作画面を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作面に対するホバー入力可能な入力装置が知られている。ホバー入力とは、操作体を操作面に近接且つ離間させた状態(すなわち、非接触状態)で、入力操作を行うことである。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、表示デバイスに表示されている着信音一覧のうちの、いずれか一の項目の表示領域に対して、指を設定距離以内に近接させた状態を、予め定められた設定時間以上維持した場合に、当該項目の着信音のプレビュー再生を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のホバー入力可能な入力装置は、ホバー入力可能な選択項目の選択を確定するためには、選択項目がホバー入力された状態を所定時間継続させる必要があるため、ホバー入力が確定したときに実行される機能と同一の機能を、素早く実行することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の入力装置は、操作体によるタッチ入力およびホバー入力可能なタッチパネルと、複数の選択項目を表示可能な表示装置とを備えた入力装置であって、ホバー入力によって選択された選択項目を強調表示する表示制御部と、複数の選択項目のうちのいずれか一の選択項目がホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の選択項目の選択を確定する確定部とを備え、確定部は、継続時間が所定時間に達する前に、一の選択項目に対するタッチ入力が検出された場合、当該一の選択項目の選択を確定する。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態によれば、ホバー入力が確定したときに実行される機能と同一の機能を、素早く実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る入力装置の外観斜視図
【
図2】本発明の第1実施形態に係る入力装置による表示内容の一例を示す図
【
図3】本発明の第1実施形態に係る入力装置による表示内容の一例を示す図
【
図4】本発明の第1実施形態に係る入力装置の構成を示す図
【
図5】本発明の第1実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図
【
図6】本発明の第1実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図
【
図7】本発明の第1実施形態に係る制御装置によるメイン処理の一例(第1例)を示すフローチャート
【
図8】本発明の第1実施形態に係る制御装置によるホバー入力による選択の確定後の処理の一例(第1例)を示すフローチャート
【
図9】本発明の第1実施形態に係る制御装置によるタッチ入力による選択の確定後の処理の一例を示すフローチャート
【
図10】本発明の第1実施形態に係る制御装置による入力解除後の処理の一例を示すフローチャート
【
図11】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図12】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図13】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図14】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図15】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一変形例を示す図
【
図16】本発明の第1実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一変形例を示す図
【
図17】本発明の第2実施形態に係る制御装置によるメイン処理の一例を示すフローチャート
【
図18】本発明の第2実施形態に係る制御装置によるホバー入力による選択の確定後の処理の一例を示すフローチャート
【
図19】本発明の第2実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図20】本発明の第2実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図21】本発明の第3実施形態に係る制御装置によるメイン処理の一例を示すフローチャート
【
図22】本発明の第3実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図23】本発明の第3実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図24】本発明の第4実施形態に係る制御装置によるメイン処理の一例を示すフローチャート
【
図25】本発明の第4実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図26】本発明の第5実施形態に係る入力装置による選択確定動作の一例を示す図
【
図27】本発明の各実施形態に係るタッチパネルの構成の一例を示す図
【
図28】本発明の各実施形態に係るタッチパネルにおいて形成される静電容量を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0010】
〔第1実施形態〕
(入力装置100の概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係る入力装置100の外観斜視図である。
図1に示す入力装置100は、タッチ入力およびホバー入力が可能な装置である。入力装置100は、操作体の操作による入力を受け付けて、操作内容に応じて、制御対象装置の動作を制御する。入力装置100は、制御対象装置を遠隔操作するものであってもよく、制御対象装置に一体的に設けられたものであってもよい。また、入力装置100は、携帯可能であってもよく、壁面等に固定的に設置可能であってもよい。
【0011】
図1に示すように、入力装置100は、筐体110、表示装置120、およびタッチパネル130を備える。
【0012】
筐体110は、各種構成部品を収容および保持する箱状の部材である。
図1に示す例では、筐体110は、直方体形状を有する。但し、筐体110は、直方体形状以外の形状であってもよい。また、例えば、入力装置100は、筐体110を有さず、所定の設置場所に埋め込まれるように設置されてもよい。
【0013】
タッチパネル130は、平板状且つ薄型の装置である。タッチパネル130は、筐体110の上面に設けられている。タッチパネル130は、操作面130Aを有する。操作面130Aは、筐体110の上面から露出している。タッチパネル130は、操作体(例えば、操作者の手)による操作面130Aに対するタッチ入力(接触入力)およびホバー入力(非接触入力)が可能である。タッチパネル130には、静電容量式のタッチパネルが用いられる。
【0014】
表示装置120は、平板状且つ薄型の装置である。表示装置120は、タッチパネル130の下側に重ねて設けられている。表示装置120は、各種表示内容を表示する。表示装置120は、複数の選択項目を並べて表示可能である。表示装置120に表示された表示内容は、タッチパネル130を透過して、入力装置100の上方から操作者によって視認可能である。表示装置120には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が用いられる。なお、表示装置は、ビデオディスプレイに限らない。例えば、表示装置は、複数の選択項目に対応する複数のLEDが並べて設けられたものであってもよい。
【0015】
(入力装置100による表示内容の一例)
図2および
図3は、本発明の第1実施形態に係る入力装置100による表示内容の一例を示す図である。
図2は、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10(「操作体」の一例)が近接していないときの表示内容を表している。
図3は、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接したときの表示内容を表している。
【0016】
図2に示すように、入力装置100は、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接していない待機状態のとき、待機画面200を表示装置120に表示させる。待機画面200は、現在日時を表す日時情報201が表示されている。なお、入力装置100は、待機状態のとき、何も表示装置120に表示させないようにしてもよい。また、入力装置100は、待機状態のとき、日時情報201以外の情報を表示する待機画面200を表示装置120に表示させてもよい。
【0017】
一方、
図3に示すように、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10が近接すると、入力装置100は、この近接を検知して、操作画面300を表示装置120に表示させる。
図3に示す例では、操作画面300は、入力装置100をエアコン装置のリモコン装置として用いた場合の選択項目の一例として、入力キー301~308が、4列×2行のマトリクス状に並べて表示されている。入力キー301~308は、いずれも矩形状であり、互いに同一のサイズである。
【0018】
入力キー301は、エアコン装置のモードの切り替えを行う際に使用される。入力キー302は、エアコン装置の電源の切り替えを行う際に使用される。入力キー303は、エアコン装置の設定温度を高める際に使用される。入力キー304は、エアコン装置の設定温度を低める際に使用される。
【0019】
入力キー305は、エアコン装置の風量を強める際に使用される。入力キー306は、エアコン装置の風量を弱める際に使用される。入力キー307は、エアコン装置の風量を弱める際に使用される。入力キー307は、エアコン装置のタイマー機能を動作させる際に使用される。入力キー308は、エアコン装置をECOモードで動作させる際に使用される。
【0020】
入力装置100は、操作画面300が表示されているとき、タッチパネル130に対する、操作者の手10による入力キー301~308の入力操作を受け付ける。入力キー301~308の各々は、操作者の手10によるタッチ入力と、操作者の手10によるホバー入力との双方が可能である。
【0021】
例えば、入力キー301~308の各々は、操作者の手10によるホバー入力が行われた場合、ホバー入力がなされている状態が所定時間継続すると、入力が確定する。一方、入力キー301~308の各々は、操作者の手10によるタッチ入力が行われた場合、直ちに入力が確定する。
【0022】
また、操作画面300には、近接距離バー310およびインジケータ320が表示されている。
【0023】
近接距離バー310は、横長の棒状の表示オブジェクトであり、操作面130Aから手10までの距離を、スライダ311の左右方向の位置によって表す。近接距離バー310は、スライダ311の位置がより左側にあるほど、操作面130Aから手10までの距離がより大きいことを表す。
【0024】
インジケータ320は、複数(
図3に示す例では、10個)の目盛321が横方向に一列に並べて構成されている。インジケータ320は、複数の目盛321によって、ホバー入力の継続時間を表す。例えば、インジケータ320は、ホバー入力の継続時間のカウント数がiのとき、i個の目盛321が点灯状態となる。すなわち、インジケータ320は、「表示オブジェクト」の一例であり、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて、点灯状態にある目盛321(「継続時間を表す領域」の一例)が徐々に増加する。インジケータ320は、ホバー入力の継続時間が、ホバー入力が確定する所定時間に達した時、全ての目盛321が点灯した状態となる。すなわち、インジケータ320は、点灯状態にある目盛321が、ホバー入力の継続時間を表しており、消灯状態にある目盛321が、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまでの残り時間を表している。なお、インジケータ320は、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて、当該継続時間を表す領域が徐々に減少するものであってもよい。また、インジケータ320は、ホバー入力の継続時間および残り時間の少なくともいずれか一方を、数字等を用いて表すものであってもよい。
【0025】
(入力装置100の装置構成)
図4は、本発明の第1実施形態に係る入力装置100の装置構成を示す図である。
図4に示すように、入力装置100は、表示装置120、ディスプレイドライバ122、タッチパネル130、タッチパネルドライバ150、および制御装置140を備える。
【0026】
ディスプレイドライバ122は、制御装置140から供給された画像信号に応じて、表示装置120を駆動することにより、表示装置120に各種表示内容を表示させる。
【0027】
タッチパネルドライバ150は、タッチパネル130が備える検出電極(図示省略)を駆動して、タッチパネル130における静電容量を検出する。そして、タッチパネルドライバ150は、検出された静電容量の静電容量値を表す静電容量検出信号を、制御装置140へ出力する。
【0028】
制御装置140は、入力装置100の全体を制御する。例えば、制御装置140は、表示装置120による表示の制御、タッチパネル130による操作入力の制御、操作対象装置に対する操作信号の出力制御等を行う。制御装置140としては、例えば、マイコン等が用いられる。
【0029】
(制御装置140のハードウェア構成)
図5は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140のハードウェア構成を示す図である。
図5に示すように、制御装置140は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、および外部I/F(Interface)505を備える。各ハードウェアは、バス506を介して相互に接続されている。
【0030】
CPU501は、ROM502に記憶されている各種プログラムを実行することにより、制御装置140の動作を制御する。ROM502は、不揮発性メモリである。例えば、ROM502は、CPU501により実行されるプログラム、CPU501がプログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM503は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM503は、CPU501がプログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。外部I/F505は、外部(例えば、タッチパネルドライバ150、ディスプレイドライバ122、入力装置100による操作対象の装置等)に対するデータの入出力を制御する。
【0031】
(制御装置140の機能構成)
図6は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140の機能構成を示す図である。
図6に示すように、制御装置140は、検出信号取得部141、操作検出部142、表示制御部143、確定部144、および出力部145を備える。
【0032】
なお、
図6に示す制御装置140の各機能は、例えば、制御装置140において、ROM502に記憶されたプログラムを、CPU501が実行することにより実現される。このプログラムは、予め制御装置140に導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されて制御装置140に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
【0033】
検出信号取得部141は、タッチパネルドライバ150から出力された静電容量検出信号を取得する。例えば、タッチパネルドライバ150は、所定時間間隔で連続的に静電容量検出信号を出力する。これに応じて、検出信号取得部141は、静電容量検出信号を連続的に取得する。
【0034】
操作検出部142は、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号(すなわち、タッチパネル130における静電容量)に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体(例えば、手10)による入力を検出する。ここで、操作検出部142は、公知の技術を利用することにより、タッチパネル130における静電容量の大きさや、静電容量の分布等に基づいて、操作面130Aに対するホバー入力と、操作面130Aに対するタッチ入力とを区別して検出することができる。
【0035】
また、操作検出部142は、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作面130Aにおける操作位置を特定し、表示装置120において当該操作位置に表示されている選択項目を、選択された表示項目として特定することができる。
【0036】
表示制御部143は、ディスプレイドライバ122に画像信号を供給することにより、表示装置120に各種表示内容を表示させる。例えば、表示制御部143は、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検出されていないとき、
図2に示す待機画面200を表示装置120に表示させる。また、例えば、表示制御部143は、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検出された場合、
図3に示す操作画面300を表示装置120に表示させる。
【0037】
また、表示制御部143は、操作検出部142によって表示装置120に表示されている選択項目に対するホバー入力が検出された場合、当該選択項目を強調表示することができる。例えば、表示制御部143は、強調表示の一例として、ホバー入力されている選択項目を拡大表示することができる。
【0038】
また、表示制御部143は、ホバー入力の継続時間、および、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまでの残り時間の少なくともいずれか一方を表す表示オブジェクトを、表示装置120に表示させることができる。例えば、表示制御部143は、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて当該継続時間を表す領域が徐々に増加する、バー状のインジケータ320(
図3参照)、または、円環状のインジケータ320A(
図15~
図16参照)を、表示装置120に表示させることができる。
【0039】
確定部144は、操作検出部142によって表示装置120に表示されているいずれかの選択項目に対するホバー入力が検出された場合において、当該選択項目に対してホバー入力されている状態が所定時間継続した場合、当該選択項目の選択を確定する。
【0040】
また、確定部144は、操作検出部142によって表示装置120に表示されているいずれかの選択項目に対するホバー入力が検出された場合において、当該選択項目に対してホバー入力されている状態が所定時間継続する前に、操作検出部142によって当該選択項目に対するタッチ入力が検出された場合、当該選択項目の選択を確定する。
【0041】
また、確定部144は、操作検出部142によって表示装置120に表示されているいずれかの選択項目に対するタッチ入力が検出された場合、当該選択項目の選択を直ちに確定する。
【0042】
出力部145は、確定部144によって選択項目の選択が確定された場合、当該選択項目に応じた制御信号を、操作対象装置(例えば、エアコン装置)へ出力する。出力部145による制御信号の出力は、無線通信を介してもよく、有線通信を介してもよい。
【0043】
(制御装置140によるメイン処理の一例(第1例))
図7は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140によるメイン処理の一例(第1例)を示すフローチャートである。
【0044】
まず、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検知されたか否かを判断する(ステップS701)。
【0045】
ステップS701において、「操作体の近接が検知されていない」と判断された場合(ステップS701:No)、操作検出部142が、ステップS701の処理を再度実行する。
【0046】
一方、ステップS701において、「操作体の近接が検知された」と判断された場合(ステップS701:Yes)、表示制御部143が、
図3に示す操作画面300を表示装置120に表示させる(ステップS702)。
【0047】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308(
図3参照)のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS703)。
【0048】
ステップS703において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS703:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS712)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0049】
一方、ステップS703において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS703:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するホバー入力が検知されたか否かを判断する(ステップS704)。
【0050】
ステップS704において、「入力キー301~308のいずれかに対するホバー入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS704:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0051】
一方、ステップS704において、「入力キー301~308のいずれかに対するホバー入力が検知された」と判断された場合(ステップS704:Yes)、確定部144が、変数iに「0」を設定する(ステップS705)。変数iは、ホバー入力の継続時間のカウント数を表すものである。
【0052】
続いて、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS706)。
【0053】
ステップS706において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS706:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS712)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0054】
一方、ステップS706において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS706:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS704で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS707)。
【0055】
ステップS707において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS707:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0056】
一方、ステップS707において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS707:Yes)、確定部144が、変数iに「1」を加算する(ステップS708)。そして、表示制御部143が、操作画面300に表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS709)。
【0057】
さらに、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS710)。
【0058】
ステップS710において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS710:No)、制御装置140は、ステップS706へ処理を戻す。
【0059】
一方、ステップS710において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS710:Yes)、確定部144が、ホバー入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS711)。そして、制御装置140は、
図8のフローチャートにおけるステップS801に処理を進める。
【0060】
(制御装置140によるホバー入力による選択の確定後の処理の一例(第1例))
図8は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140によるホバー入力による選択の確定後の処理の一例(第1例)を示すフローチャートである。
【0061】
まず、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS801)。
【0062】
ステップS801において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS801:Yes)、確定部144が、当該タッチ入力を無効にする(ステップS810)。そして、制御装置140は、
図8に示す一連の処理を終了し、再びタッチ入力検知を判断する(ステップS703)。なお、ホバー入力による選択の確定後、2回目のタッチ入力は、有効になる(
図7のステップS703のYesおよびステップS712)。
【0063】
一方、ステップS801において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS801:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS704で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS802)。
【0064】
ステップS802において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS802:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0065】
一方、ステップS802において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS802:Yes)、確定部144が、変数iに「0」を設定する(ステップS803)。
【0066】
続いて、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS804)。
【0067】
ステップS804において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS804:Yes)、確定部144が、当該タッチ入力を無効にする(ステップS810)。そして、制御装置140は、
図8に示す一連の処理を終了し、再びタッチ入力検知を判断する(ステップS703)。なお、ホバー入力による選択の確定後、2回目のタッチ入力は、有効になる(
図7のステップS703のYesおよびステップS712)。
【0068】
一方、ステップS804において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS804:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS704で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS805)。
【0069】
ステップS805において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS805:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0070】
一方、ステップS805において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS805:Yes)、確定部144が、変数iに「2」を加算する(ステップS806)。そして、表示制御部143が、操作画面300に表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS807)。
【0071】
さらに、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS808)。
【0072】
ステップS808において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS808:No)、制御装置140は、ステップS804へ処理を戻す。
【0073】
一方、ステップS808において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS808:Yes)、確定部144が、ホバー入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS809)。そして、制御装置140は、ステップS801へ処理を戻す。
【0074】
(制御装置140によるタッチ入力による選択の確定後の処理の一例)
図9は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140によるタッチ入力による選択の確定後の処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
まず、確定部144が、変数jに「0」を設定する(ステップS901)。変数jは、タッチ入力の継続時間のカウント数を表すものである。
【0076】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS703またはS706で検知されたタッチ入力が継続しているか否かを判断する(ステップS902)。
【0077】
ステップS902において、「タッチ入力が継続していない」と判断された場合(ステップS902:No)、制御装置140は、
図7のフローチャートにおけるステップS703へ処理を戻す。
【0078】
一方、ステップS902において、「タッチ入力が継続している」と判断された場合(ステップS902:Yes)、確定部144が、変数jに「1」を加算する(ステップS903)。そして、確定部144が、変数jが「3」以上であるか否かを判断する(ステップS904)。
【0079】
ステップS904において、「変数jが「3」以上ではない」と判断された場合(ステップS904:No)、制御装置140は、ステップS902へ処理を戻す。
【0080】
一方、ステップS904において、「変数jが「3」以上である」と判断された場合(ステップS904:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS905)。そして、制御装置140は、ステップS901へ処理を戻す。
【0081】
(制御装置140による入力解除後の処理の一例)
図10は、本発明の第1実施形態に係る制御装置140による入力解除後の処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、確定部144が、変数kに「0」を設定する(ステップS1001)。変数kは、タッチ入力またはホバー入力が解除されてからの継続時間のカウント数を表すものである。
【0083】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が継続しているか否かを判断する(ステップS1002)。
【0084】
ステップS1002において、「操作体の近接が継続している」と判断された場合(ステップS1002:Yes)、
図7のフローチャートにおけるステップS703へ処理を戻す。
【0085】
一方、ステップS1002において、「操作体の近接が継続していない」と判断された場合(ステップS1002:No)、確定部144が、変数kに「1」を加算する(ステップS1003)。そして、確定部144が、変数kが「100」以上であるか否かを判断する(ステップS1004)。
【0086】
ステップS1004において、「変数kが「100」以上ではない」と判断された場合(ステップS1004:No)、制御装置140は、ステップS1002へ処理を戻す。
【0087】
一方、ステップS1004において、「変数kが「100」以上である」と判断された場合(ステップS1004:Yes)、表示制御部143が、
図2に示す待機画面200を表示装置120に表示させる(ステップS1005)。そして、制御装置140は、
図7~
図10に示す一連の処理を終了する。
【0088】
(入力装置100による選択確定動作の一例)
図11~
図14は、本発明の第1実施形態に係る入力装置100による選択確定動作の一例を示す図である。
図11~
図14は、
図3に示す操作画面300に対するホバー入力またはタッチ入力が行われたときの、操作画面300の表示例を表す。
【0089】
図11に示すように、操作者の手10によるホバー入力によって、操作画面300の入力キー305が選択された場合、制御装置140の表示制御部143が、入力キー305を拡大する。これにより、入力キー305が強調表示され、操作者は、入力キー305が選択されたことを視覚的に把握することができる。ここで、
図11に示す例では、操作面130Aから手10までの距離が、所定の第1の近接距離範囲内である。この場合、
図11に示すように、操作画面300の近接距離バー310では、スライダ311が第1の近接距離範囲に対応する領域(「Selecting」と示されている)内に位置し、入力装置100は、ホバー入力の継続時間のカウントを開始しない。
【0090】
一方、
図12に示すように、操作面130Aから手10までの距離が、所定の第2の近接距離範囲内である場合、操作画面300の近接距離バー310では、スライダ311が第2の近接距離範囲に対応する領域(「Selected」と示されている)内に位置し、入力装置100は、ホバー入力の継続時間のカウントを開始する。そして、操作画面300のインジケータ320では、ホバー入力が継続している間、目盛321が順次点灯する。すなわち、インジケータ320では、ホバー入力の継続時間に応じた数の目盛321が点灯状態になる。操作者は、インジケータ320により、ホバー入力の継続時間と、ホバー入力による選択が確定するまでの残り時間とを、視覚的に把握することができる。
【0091】
そして、
図13に示すように、ホバー入力の継続時間が所定時間(例えば、10カウント)に達したとき、インジケータ320の全ての目盛321が点灯状態となり、入力キー305の選択が確定される。これにより、入力装置100は、当該入力装置100による操作対象装置(例えば、エアコン装置)に対して、入力キー305に応じた制御信号(例えば、エアコン装置の風量を強めるための制御信号)を出力する。
【0092】
入力装置100は、入力キー305の選択が確定された後、なおも入力キー305に対するホバー入力が継続する場合、ホバー入力の継続時間のカウントを、リセットおよび再開する。この場合も、入力装置100は、ホバー入力の継続時間が所定時間に達したとき、入力キー305の選択を確定する。すなわち、入力装置100は、ホバー入力による入力キー305の選択を、連続的に複数回確定することができる。
【0093】
なお、
図14に示すように、操作者によって、入力キー305に対するタッチ入力が行われた場合、操作画面300の近接距離バー310では、スライダ311が接触位置に対応する領域(「Touch」と示されている)内に位置し、入力装置100は、タッチ入力による入力キー305の選択を、直ちに確定する。これにより、操作者は、ホバー入力の継続時間が所定の閾値に達するまで待機することなく、入力キー305の選択を直ちに確定させることができる。
【0094】
以上説明したように、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力によって選択項目が選択されている状態の継続時間が所定時間に達する前に、当該選択項目に対するタッチ入力が検出された場合、当該選択項目の選択を確定することができる。これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、必要に応じて、ホバー入力による選択項目の選択が確定する前に、当該選択項目に対するタッチ入力が行われることにより、当該選択項目の選択の確定を早めることができる。したがって、第1実施形態に係る入力装置100によれば、ホバー入力が確定したときに実行される機能と同一の機能を、タッチ入力によって素早く実行することができる。
【0095】
また、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力が継続している間、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて点灯状態にある目盛321(「継続時間を表す領域」の一例)が徐々に増加するインジケータ320を、表示装置120に表示させることができる。これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力による入力キーの選択が確定するまでの継続時間および残り時間の双方を、操作者に視覚的に把握させることができる。
【0096】
また、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力およびタッチ入力が継続している場合に、一定時間が経過する毎に入力キーの選択を確定することにより、入力キーの選択を連続して確定することができる。特に、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力とタッチ入力とで、入力キーが連続的に確定される時間間隔を異ならせることができる。さらに、第1実施形態に係る入力装置100は、タッチ入力の時間間隔を、ホバー入力の時間間隔よりも短くすることができる。これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力によって入力キーの選択を連続して確定する場合には、時間間隔を比較的長くすることで、誤入力を抑制することができる。また、第1実施形態に係る入力装置100は、タッチ入力によって入力キーの選択を連続して確定する場合には、時間間隔を比較的短くすることで、操作者に素早い連続入力を行わせることができる。
【0097】
また、第1実施形態に係る入力装置100は、ホバー入力またはタッチ入力の継続によって連続的に選択項目を確定する際に、1回目に選択項目の選択を確定する際の所定時間よりも、2回目以降に選択項目の選択を確定する際の前記所定時間を短くすることができる。これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、例えば、ホバー入力の継続によっても、2回目以降の場合は素早い連続入力を行うことが可能になる。
【0098】
また、第1実施形態に係る入力装置100において、確定部144は、ホバー入力による入力キーの選択の確定後、タッチ入力による1回目の当該入力キーの選択を無効化することができる(
図8のステップS810参照)。
【0099】
これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、操作者が、ホバー入力による入力キーの選択が確定したことに気付かずに、当該入力キーに対するタッチ入力を行った場合に、当該タッチ入力を無効化することで、同一の入力キーに対して誤って二重入力してしまうことを防止することができる。
【0100】
また、第1実施形態に係る入力装置100において、表示制御部143は、手10の近接が検知されていない状態において、所定の待機画面200を表示装置120に表示させ、手10の近接が検知された状態において、入力キー301~308を含む操作画面300を表示装置120に表示させることができる。
【0101】
これにより、第1実施形態に係る入力装置100は、例えば、待機状態における省電力化、待機状態における有用な情報の表示等を実現することができる。
【0102】
(入力装置100による選択確定動作の一変形例)
図15および
図16は、本発明の第1実施形態に係る入力装置100による選択確定動作の一変形例を示す図である。
図15および
図16に示す操作画面300Aは、インジケータ320の代わりにインジケータ320Aが表示されている点で、
図11~
図14に示す操作画面300と異なる。
【0103】
図15に示すように、操作面130Aから手10までの距離が、所定の第2の近接距離範囲内である場合、操作画面300のインジケータ320Aでは、ホバー入力が継続している間、操作画面300Aにおける入力キー305と重なる位置に、インジケータ320Aが、徐々に円環状となるように形成されてゆく。すなわち、インジケータ320Aは、「表示オブジェクト」の他の一例であり、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて、当該インジケータ320A(「継続時間を表す領域」の他の一例)の長さが徐々に長くなっていく。そして、
図16に示すように、ホバー入力の継続時間が所定時間に達したとき、インジケータ320Aは略円環状となり、入力キー305の選択が確定される。操作者は、インジケータ320Aにより、ホバー入力の継続時間と、ホバー入力による選択が確定するまでの残り時間とを、視覚的に把握することができる。
【0104】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る入力装置100Aについて説明する。なお、以下では、第2実施形態に係る入力装置100Aに関し、第1実施形態に係る入力装置100からの変更点についてのみ説明する。
【0105】
(メイン処理の一例)
図17は、本発明の第2実施形態に係る制御装置140によるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
まず、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検知されたか否かを判断する(ステップS1701)。
【0107】
ステップS1701において、「操作体の近接が検知されていない」と判断された場合(ステップS1701:No)、操作検出部142が、ステップS1701の処理を再度実行する。
【0108】
一方、ステップS1701において、「操作体の近接が検知された」と判断された場合(ステップS1701:Yes)、表示制御部143が、
図3に示す操作画面300を表示装置120に表示させる(ステップS1702)。
【0109】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308(
図3参照)のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS1703)。
【0110】
ステップS1703において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS1703:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS1715)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0111】
一方、ステップS1703において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS1703:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に対するホバー入力が検知されたか否かを判断する(ステップS1704)。
【0112】
ステップS1704において、「操作画面300に対するホバー入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS1704:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0113】
一方、ステップS1704において、「操作画面300に対するホバー入力が検知された」と判断された場合(ステップS1704:Yes)、確定部144が、変数iに「0」を設定する(ステップS1705)。変数iは、ホバー入力の継続時間のカウント数を表すものである。
【0114】
続いて、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS1706)。
【0115】
ステップS1706において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS1706:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS1715)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0116】
一方、ステップS1706において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS1706:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS1704で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS1707)。
【0117】
ステップS1707において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS1707:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0118】
一方、ステップS1707において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS1707:Yes)、操作検出部142が、タッチパネル130における静電容量値に基づいて、操作体からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を算出する(ステップS1708)。そして、操作検出部142が、ステップS1708で算出された距離に応じて、選択枠のサイズを算出する(ステップS1709)。ここでは、操作検出部142は、ステップS1708で算出された距離がより近いほど、選択枠のサイズをより小さく算出する。さらに、表示制御部143が、ステップS1709で算出されたサイズを有する選択枠の画像を、操作画面300に重ねて表示する(ステップS1710)。
【0119】
次に、操作検出部142が、選択枠内に含まれている入力キーが1つであるか否かを判断する(ステップS1711)。
【0120】
ステップS1711において、選択枠内に含まれている入力キーが1つであると判断された場合(ステップS1711:Yes)、確定部144が、選択枠内に含まれている1つの入力キーの選択を確定する(ステップS1715)。そして、制御装置140は、
図18のフローチャートにおけるステップS1801に処理を進める。
【0121】
一方、ステップS1711において、選択枠内に含まれている入力キーが1つではないと判断された場合(ステップS1711:No)、確定部144が、変数iに{int(定数/距離)}の算出値を加算する(ステップS1712)。そして、表示制御部143が、操作画面300に表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS1713)。
【0122】
さらに、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS1714)。
【0123】
ステップS1714において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS1714:No)、制御装置140は、ステップS1706へ処理を戻す。
【0124】
一方、ステップS1714において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS1714:Yes)、確定部144が、選択枠の中心にある1つの入力キーの選択を確定する(ステップS1715)。そして、制御装置140は、
図18のフローチャートにおけるステップS1801に処理を進める。
【0125】
(ホバー入力による選択の確定後の処理の一例)
図18は、本発明の第2実施形態に係る制御装置140によるホバー入力による選択の確定後の処理の一例を示すフローチャートである。
【0126】
まず、確定部144が、変数iおよび変数jの各々に「0」を設定する(ステップS1801)。次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS1802)。
【0127】
ステップS1802において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS1802:Yes)、確定部144が、変数jが「5」以上であるか否かを判断する(ステップS1806)。
【0128】
ステップS1806において、変数jが「5」以上であると判断された場合(ステップS1806:Yes)、タッチ入力による入力キーの選択を確定する(ステップS1809)。そして、制御装置140は、ステップS1801へ処理を戻す。
【0129】
一方、ステップS1806において、変数jが「5」以上ではないと判断された場合(ステップS1806:No)、制御装置140は、ステップS1807へ処理を進める。
【0130】
ステップS1802において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS1802:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS1803)。
【0131】
ステップS1803において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS1803:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0132】
一方、ステップS1803において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS1802:Yes)、確定部144が、変数iに「2」を加算する(ステップS1804)。そして、表示制御部143が、操作画面300に表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS1805)。そして、制御装置140は、ステップS1807へ処理を進める。
【0133】
ステップS1807では、確定部144が、変数jに「1」を加算する。続いて、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS1808)。
【0134】
ステップS1808において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS1808:No)、制御装置140は、ステップS1802へ処理を戻す。
【0135】
一方、ステップS1808において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS1808:Yes)、確定部144が、ホバー入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS1809)。そして、制御装置140は、ステップS1801へ処理を戻す。
【0136】
(選択確定動作の一例)
図19および
図20は、本発明の第2実施形態に係る入力装置100Aによる選択確定動作の一例を示す図である。
図19および
図20に示す操作画面300Bは、近接距離バー310を有しない点で、
図11~
図14に示す操作画面300と異なる。また、操作画面300Bには、矩形枠状の選択枠330Aが重ねて表示されている。
【0137】
選択枠330Aは、手10によるホバー入力が行われているときに、操作画面300Bにおけるホバー入力の検出位置に重ねて表示される。選択枠330Aは、タッチパネル130の操作面130Aと、手10との間の距離に応じて、サイズが変化する。選択枠330Aは、操作面130Aと手10との間の距離がより短いほど、サイズがより小さくなる。また、選択枠330Aは、手10の操作画面300Bと平行な方向への移動に伴い、操作画面300Bにおける表示位置が移動する。これにより、選択枠330Aは、その中心位置が、常に手10の検出位置と重なるようになっている。
【0138】
図19に示す例では、ホバー入力を行っている手10が、操作面130Aから比較的離れているため、選択枠330Aのサイズが比較的大きくなっている。一方、
図20に示す例では、ホバー入力を行っている手10が、操作面130Aに比較的近いため、選択枠330Aのサイズが比較的小さくなっている。
【0139】
図19に示す例では、選択枠330A内に複数の入力キーが含まれているため、入力装置100Aは、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまで、入力キーの選択を確定しない。この場合、入力装置100Aは、ホバー入力の継続時間が所定時間に達したとき、選択枠330Aの中心にある一の入力キーの選択を確定する。
【0140】
一方、
図20に示す例では、選択枠330A内に一の入力キー305のみが含まれているため、入力装置100Aは、その時点で一の入力キー305の選択を確定する。すなわち、操作者は、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまで待たなくとも、所望する一の入力キーのみが選択枠330A内に含まれるように、手10を所望する一の入力キーに近づけて選択枠330Aのサイズを縮小するだけで、所望する一の入力キーの選択を確定させることができる。
【0141】
以上説明したように、第2実施形態に係る入力装置100Aにおいて、表示制御部143は、ホバー入力が行われているときに、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を、自身のサイズによって表す選択枠330Aを、表示装置120に表示させることができる。
【0142】
これにより、第2実施形態に係る入力装置100Aは、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を、操作者に視覚的に把握させることができる。
【0143】
特に、第2実施形態に係る入力装置100Aにおいて、表示制御部143は、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離が近くなるにつれて、自身のサイズが小さくなる枠状の選択枠330Aを、表示装置120に表示させることができる。
そして、確定部144は、選択枠330A内に含まれている入力キーが1つになったとき、当該入力キーの選択を確定することができる。
【0144】
これにより、第2実施形態に係る入力装置100Aは、ホバー入力による入力キーの選択を素早く確定することができる。
【0145】
また、第2実施形態に係る入力装置100Aにおいて、確定部144は、手10からタッチパネル130の操作面130Aがより短いほど、入力キーの選択を確定するまでの所定時間をより短くすることができる(
図17のステップS1712参照)。
【0146】
これにより、第2実施形態に係る入力装置100Aは、手10からタッチパネル130の操作面130Aがより短い場合には、ホバー入力の誤入力の可能性がより低くなるため、誤入力を抑制しつつ、より短時間で、入力キーの選択を確定させることができる。
【0147】
また、第2実施形態に係る入力装置100Aにおいて、確定部144は、ホバー入力による入力キーの選択の確定後の一定時間の間、タッチ入力による当該入力キーの選択を無効化することができる(
図18のステップS1806参照)。
【0148】
これにより、第2実施形態に係る入力装置100Aは、操作者が、ホバー入力による入力キーの選択が確定したことに気付かずに、当該入力キーに対するタッチ入力を行った場合に、当該タッチ入力を無効化することで、同一の入力キーに対して誤って二重入力してしまうことを防止することができる。
【0149】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る入力装置100Bについて説明する。なお、以下では、第3実施形態に係る入力装置100Bに関し、第1実施形態に係る入力装置100からの変更点についてのみ説明する。
【0150】
(メイン処理の一例)
図21は、本発明の第3実施形態に係る制御装置140によるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0151】
まず、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検知されたか否かを判断する(ステップS2101)。
【0152】
ステップS2101において、「操作体の近接が検知されていない」と判断された場合(ステップS2101:No)、操作検出部142が、ステップS2101の処理を再度実行する。
【0153】
一方、ステップS2101において、「操作体の近接が検知された」と判断された場合(ステップS2101:Yes)、表示制御部143が、
図3に示す操作画面300を表示装置120に表示させる(ステップS2102)。
【0154】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308(
図3参照)のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2103)。
【0155】
ステップS2103において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS2103:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS2115)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0156】
一方、ステップS2103において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2103:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に対するホバー入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2104)。
【0157】
ステップS2104において、「操作画面300に対するホバー入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2104:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0158】
一方、ステップS2104において、「操作画面300に対するホバー入力が検知された」と判断された場合(ステップS2104:Yes)、確定部144が、変数iに「0」を設定する(ステップS2105)。変数iは、ホバー入力の継続時間のカウント数を表すものである。
【0159】
続いて、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300に表示されている入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2106)。
【0160】
ステップS2106において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS2106:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キー301~308のいずれかの選択を確定する(ステップS2115)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0161】
一方、ステップS2106において、「入力キー301~308のいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2106:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS2104で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS2107)。
【0162】
ステップS2107において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS2107:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0163】
一方、ステップS2107において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS2107:Yes)、操作検出部142が、タッチパネル130における静電容量値に基づいて、操作体からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を算出する(ステップS2108)。そして、操作検出部142が、ステップS2108で算出された距離に応じて、選択枠内に写し出される画像の拡大率を算出する(ステップS2109)。ここでは、操作検出部142は、ステップS2108で算出された距離がより近いほど、選択枠内に写し出される画像の拡大率をより高く算出する。さらに、表示制御部143が、所定のサイズの選択枠を操作画面300に重ねて表示するとともに、当該選択枠内に写し出されている操作画面300の一部の画像を、ステップS2109で算出された拡大率で拡大表示する(ステップS2110)。
【0164】
次に、操作検出部142が、選択枠内に含まれている入力キーが1つであるか否かを判断する(ステップS2111)。
【0165】
ステップS2111において、選択枠内に含まれている入力キーが1つであると判断された場合(ステップS2111:Yes)、確定部144が、選択枠内に含まれている1つの入力キーの選択を確定する(ステップS2115)。そして、制御装置140は、
図18のフローチャートにおけるステップS1801に処理を進める。
【0166】
一方、ステップS2111において、選択枠内に含まれている入力キーが1つではないと判断された場合(ステップS2111:No)、確定部144が、変数iに{int(定数/距離)}の算出値を加算する(ステップS2112)。そして、表示制御部143が、操作画面300に表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS2113)。
【0167】
さらに、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS2114)。
【0168】
ステップS2114において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS2114:No)、制御装置140は、ステップS2106へ処理を戻す。
【0169】
一方、ステップS2114において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS2114:Yes)、確定部144が、選択枠の中心にある1つの入力キーの選択を確定する(ステップS2115)。そして、制御装置140は、
図18のフローチャートにおけるステップS1801に処理を進める。
【0170】
(選択確定動作の一例)
図22および
図23は、本発明の第3実施形態に係る入力装置100Bによる選択確定動作の一例を示す図である。
図22および
図23に示す操作画面300Cは、近接距離バー310を有しない点で、
図11~
図14に示す操作画面300と異なる。また、操作画面300Cには、矩形枠状の選択枠330Bが重ねて表示されている。
【0171】
選択枠330Bは、手10によるホバー入力が行われているときに、操作画面300Cにおけるホバー入力の検出位置に重ねて表示される。選択枠330Bのサイズは固定である。選択枠330Bは、操作面130Aと手10との間の距離がより短いほど、当該選択枠330B内に表示される操作画面300Cの一部の画像の拡大率が大きくなる。また、選択枠330Bは、手10の操作画面300Cと平行な方向への移動に伴い、操作画面300Cにおける表示位置が移動する。これにより、選択枠330Bは、その中心位置が、常に手10の検出位置と重なるようになっている。
【0172】
図22に示す例では、ホバー入力を行っている手10が、操作面130Aから比較的離れているため、選択枠330B内の画像の拡大率が比較的小さくなっている。一方、
図23に示す例では、ホバー入力を行っている手10が、操作面130Aに比較的近いため、選択枠330B内の画像の拡大率が比較的大きくなっている。
【0173】
図22に示す例では、選択枠330B内に複数の入力キーが含まれているため、入力装置100Bは、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまで、入力キーの選択を確定しない。この場合、入力装置100Bは、ホバー入力の継続時間が所定時間に達したとき、選択枠330Bの中心にある一の入力キーの選択を確定する。
【0174】
一方、
図23に示す例では、選択枠330B内に一の入力キー305のみが含まれているため、入力装置100Bは、その時点で一の入力キー305の選択を確定する。すなわち、操作者は、ホバー入力の継続時間が所定時間に達するまで待たなくとも、所望する一の入力キーのみが選択枠330B内に含まれるように、手10を所望する一の入力キーに近づけて選択枠330B内の画像を拡大するだけで、所望する一の入力キーの選択を確定させることができる。
【0175】
以上説明したように、第3実施形態に係る入力装置100Bにおいて、表示制御部143は、ホバー入力が行われているときに、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を、自身に表示される画像の拡大率によって表す選択枠330Bを、表示装置120に表示させることができる。
【0176】
これにより、第3実施形態に係る入力装置100Bは、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離を、操作者に視覚的に把握させることができる。
【0177】
特に、第3実施形態に係る入力装置100Bにおいて、表示制御部143は、手10からタッチパネル130の操作面130Aまでの距離が近くなるにつれて、枠内の画像の拡大率が大きくなる枠状の選択枠330Bを、表示装置120に表示させることができる。そして、確定部144は、選択枠330B内に含まれている入力キーが1つになったとき、当該入力キーの選択を確定することができる。
【0178】
これにより、第3実施形態に係る入力装置100Bは、ホバー入力による入力キーの選択を素早く確定することができる。
【0179】
また、第3実施形態に係る入力装置100Bにおいて、確定部144は、手10からタッチパネル130の操作面130Aがより短いほど、入力キーの選択を確定するまでの所定時間をより短くすることができる(
図21のステップS2112参照)。
【0180】
これにより、第2実施形態に係る入力装置100Aは、手10からタッチパネル130の操作面130Aがより短い場合には、ホバー入力の誤入力の可能性がより低くなるため、誤入力を抑制しつつ、より短時間で、入力キーの選択を確定させることができる。
【0181】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る入力装置100Cについて説明する。なお、以下では、第4実施形態に係る入力装置100Cに関し、第1実施形態に係る入力装置100からの変更点についてのみ説明する。
【0182】
(メイン処理の一例)
図24は、本発明の第4実施形態に係る制御装置140によるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0183】
まず、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、タッチパネル130の操作面130Aに対する操作体の近接が検知されたか否かを判断する(ステップS2401)。
【0184】
ステップS2401において、「操作体の近接が検知されていない」と判断された場合(ステップS2401:No)、操作検出部142が、ステップS2401の処理を再度実行する。
【0185】
一方、ステップS2401において、「操作体の近接が検知された」と判断された場合(ステップS2401:Yes)、表示制御部143が、
図25に示す操作画面300Dを表示装置120に表示させる(ステップS2402)。
【0186】
次に、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300Dに表示されている複数の入力キー(
図25参照)のいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2403)。
【0187】
ステップS2403において、「複数の入力キーのいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS2403:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キーの選択を確定する(ステップS2415)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0188】
一方、ステップS2403において、「複数の入力キーのいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2403:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300Dに表示されている複数の入力キーのいずれかに対するホバー入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2404)。
【0189】
ステップS2404において、「複数の入力キーのいずれかに対するホバー入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2404:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0190】
一方、ステップS2404において、「複数の入力キーのいずれかに対するホバー入力が検知された」と判断された場合(ステップS2404:Yes)、表示制御部143が、
図25に示すフリック操作画面300Eを操作画面300Dに重ねて表示装置120に表示させる(ステップS2405)。このフリック操作画面300Eは、ホバー入力が検知された入力キーの機能を、フリック操作可能に拡張するものである。そして、確定部144が、変数iに「0」を設定する(ステップS2406)。変数iは、ホバー入力の継続時間のカウント数を表すものである。
【0191】
続いて、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、操作画面300Dに表示されている複数の入力キーのいずれかに対するタッチ入力が検知されたか否かを判断する(ステップS2407)。
【0192】
ステップS2407において、「複数の入力キーのいずれかに対するタッチ入力が検知された」と判断された場合(ステップS2407:Yes)、確定部144が、タッチ入力がなされた入力キーの選択を確定する(ステップS2415)。そして、制御装置140は、
図9のフローチャートにおけるステップS901に処理を進める。
【0193】
一方、ステップS2407において、「複数の入力キーのいずれかに対するタッチ入力が検知されていない」と判断された場合(ステップS2407:No)、操作検出部142が、検出信号取得部141によって取得された静電容量検出信号に基づいて、ステップS2404で検知されたホバー入力が継続しているか否かを判断する(ステップS2408)。
【0194】
ステップS2408において、「ホバー入力が継続していない」と判断された場合(ステップS2408:No)、制御装置140は、
図10のフローチャートにおけるステップS1001へ処理を進める。
【0195】
一方、ステップS2408において、「ホバー入力が継続している」と判断された場合(ステップS2408:Yes)、操作検出部142が、タッチパネル130における静電容量値の変化に基づいて、フリック操作画面300Eに対するフリック操作がなされたか否を判断する(ステップS2409)。
【0196】
ステップS2409において、「フリック操作がなされた」と判断された場合(ステップS2409:Yes)、確定部144が、フリック操作を確定する(ステップS2410)。そして、制御装置140は、ステップS2403へ処理を戻す。
【0197】
一方、ステップS2409において、「フリック操作がなされていない」と判断された場合(ステップS2409:No)、確定部144が、変数iに「1」を加算する(ステップS2411)。そして、表示制御部143が、操作画面300Dに表示されているi個の目盛321を点灯状態にする(ステップS2412)。
【0198】
さらに、確定部144が、変数iが「10」以上であるか否かを判断する(ステップS2413)。
【0199】
ステップS2413において、「変数iが「10」以上ではない」と判断された場合(ステップS2413:No)、制御装置140は、ステップS2407へ処理を戻す。
【0200】
一方、ステップS2413において、「変数iが「10」以上である」と判断された場合(ステップS2413:Yes)、確定部144が、ホバー入力によって選択されている入力キーの選択を確定する(ステップS2414)。そして、制御装置140は、ステップS2403へ処理を戻す。
【0201】
(選択確定動作の一例)
図25は、本発明の第4実施形態に係る入力装置100Cによる選択確定動作の一例を示す図である。
【0202】
図25(a)は、第4実施形態に係る入力装置100Cにおいて、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10が近接していないときの表示内容を表している。
図25(a)に示すように、第4実施形態に係る入力装置100Cは、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接していない待機状態のとき、何も表示装置120に表示させない。
【0203】
図25(b)は、第4実施形態に係る入力装置100Cにおいて、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接したときの表示内容を表している。
図25(b)に示すように、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10が近接すると、入力装置100は、文字入力を行うための操作画面300Dを、表示装置120に表示させる。
図25(b)に示す例では、操作画面300Dは、文字入力を行うための複数の入力キーが、3列×3行のマトリクス状に並べて表示されている。これら複数の入力キーは、いずれも矩形状であり、互いに同一のサイズである。また、操作画面300Dには、第1~第3実施形態と同様に、インジケータ320が表示されている。
【0204】
図25(c)は、第4実施形態に係る入力装置100Cにおいて、操作画面300Dの一の入力キーがホバー入力によって選択されたときの表示内容を表している。
図25(c)に示す例では、操作画面300Dにおいて、「wxyz9」と記された入力キー309がホバー入力によって選択されており、これにより、当該入力キー309の近傍に、フリック操作画面300Eが表示されている。フリック操作画面300Eは、ホバー入力によって選択された入力キー309に割り当てられた文字「x」,「y」,「z」,「9」を、フリック操作によって入力可能にするものである。
【0205】
操作者は、フリック操作画面300Eが表示され、且つ、ホバー入力の継続時間が所定時間(
図25に示す例では、10カウント)に達するまでの間、フリック操作画面300Eに対するフリック操作を行うことにより、文字「x」,「y」,「z」,「9」のいずれかを入力することができる。
【0206】
一方、フリック操作画面300Eが表示された状態のまま、フリック操作がなされずに、ホバー入力の継続時間が所定時間に達した場合(すなわち、インジケータ320の全ての目盛321が点灯した場合)、ホバー入力による入力キー309の選択が確定する。
【0207】
すなわち、操作者は、インジケータ320によって示されている残り時間を、フリック操作画面300Eに対するフリック操作可能な時間として、視覚的に把握することができる。
【0208】
以上説明したように、第4実施形態に係る入力装置100Cにおいて、表示制御部143は、ホバー入力によって一の入力キーが選択された場合、当該一の入力キーに割り当てられている複数種類の入力をフリック操作により選択的に行うことが可能なフリック操作画面300Eを表示装置120に表示させることができる。そして、確定部144は、フリック操作画面300Eに対するフリック操作がなされた場合、当該フリック操作に割り当てられている入力を確定し、フリック操作画面300Eに対するフリック操作がなされなかった場合において、一の入力キーがホバー入力によって選択されている状態の継続時間が所定時間に達した場合、当該一の入力キーの選択を確定することができる。
【0209】
これにより、第4実施形態に係る入力装置100Cは、1つの入力キーに対するホバー入力による選択機能を維持しつつ、当該1つの入力キーに対して、フリック操作による複数の入力機能を割り当てることができる。
【0210】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る入力装置100Dについて説明する。なお、以下では、第5実施形態に係る入力装置100Dに関し、第1実施形態に係る入力装置100からの変更点についてのみ説明する。
【0211】
図26は、本発明の第5実施形態に係る入力装置100Dによる選択確定動作の一例を示す図である。
図26に示すように、第5実施形態に係る入力装置100Dは、「複数の選択項目を表示可能な表示装置」として、セグメントディスプレイ125を用いている。
【0212】
図26(a)は、第5実施形態に係る入力装置100Dにおいて、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10が近接していないときの表示内容を表している。
図26(a)に示すように、第5実施形態に係る入力装置100Dは、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接していない待機状態のとき、何もセグメントディスプレイ125に表示させない。
【0213】
図26(b)は、第5実施形態に係る入力装置100Dにおいて、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手が近接したときの表示内容を表している。
図26(b)に示すように、タッチパネル130の操作面130Aに操作者の手10が近接すると、入力装置100は、3列×4行のマトリクス状に配置された複数の入力キーを、セグメントディスプレイ125にランダムに表示させる。
図26(b)に示す例では、セグメントディスプレイ125は、暗証番号入力を行うための、0~9までの数字を含む複数の入力キーを、3列×4行のマトリクス状に並べてランダムに表示している。これら複数の入力キーは、いずれも入力される文字そのものがデジタル表示されたものであり、互いに同一のサイズである。
【0214】
図26(c)は、第5実施形態に係る入力装置100Dにおいて、一の入力キーがホバー入力によって選択されたときの表示内容を表している。
図26(c)に示す例では、操作画面300Dにおいて、「8」と記された入力キー341がホバー入力によって選択されており、これにより、当該入力キー341は、他の入力キーよりも照度が高められて強調表示されている。
【0215】
入力装置100Dは、入力キー341がホバー入力によって選択されると、
図26(c)、(d)、(e)に示すように、セグメントディスプレイ125の左下に設けられたインジケータ320Bが、ホバー入力の継続時間が増加するにつれて、長方形を描くかの如く、点灯するセグメントの数が徐々に増加するように変化する。そして、入力装置100Dは、入力キー341がホバー入力によって選択されてからの継続時間が所定時間に達した場合、インジケータ320Bを構成する6つのセグメントが点灯した状態となり、インジケータ320Bが“0”を表示することとなる。また、入力装置100Dは、入力キー341がホバー入力によって選択されてからの継続時間が所定時間に達した場合、当該入力キー341の選択を確定することができる。また、入力装置100Dは、入力キー341がホバー入力によって選択されてからの継続時間が所定時間に達するまでの間に、当該入力キー341がタッチ入力によって選択された場合、当該入力キー341の選択を直ちに確定することができる。
【0216】
以上説明したように、第5実施形態に係る入力装置100Dにおいて、表示制御部143は、ホバー入力によって選択された入力キーの照度を他の入力キーよりも高めることによって強調表示することができる。これにより、第5実施形態に係る入力装置100Dは、ホバー入力によって入力キー選択されたことを、操作者に容易に把握させることができる。
【0217】
(タッチパネル130の構成の一例)
図27は、本発明の各実施形態に係るタッチパネル130の構成の一例を示す図である。
図27に示すように、タッチパネル130は、図中上方から(操作面130A側から)順に、天板136、センサ部130B、および基板135を備えて構成されている。
【0218】
天板136は、タッチパネル130の最上層(センサ部130Bの上側)に設けられる、透明且つ薄板状の部材である。すなわち、天板136の上面は、タッチパネル130の操作面130Aとなる。天板136は、薄板状のガラスの表面に対して、光透過性を有する加飾フィルムが貼付されて構成されている。加飾フィルムは、タッチパネル130の裏側に設けられる表示装置120が非表示のときに、タッチパネル130の表面に特定の表面模様(例えば、木目模様、金属模様等)を呈する。
【0219】
センサ部130Bは、天板136と基板135との間に設けられる。センサ部130Bは、ガラス板137の上面に、センサフィルム134(PET(Polyethyleneterephthalate)フィルム)が重ねて構成されている。センサフィルム134には、いずれも導線性を有する薄膜状の素材(例えば、銅箔、導電性高分子等)から形成される、タッチ検出電極131A~131L、近接センサ電極132、およびノイズ検知電極133が設けられている。なお、ガラス板137の下面には、アクティブシールド電極ASが重ねて設けられている。アクティブシールド電極ASは、タッチパネルドライバ150(
図4参照)によって駆動され、タッチ検出電極131A~131Lおよび近接センサ電極132からのグラウンドへの電流の流出を阻止することで、タッチ検出電極131A~131Lおよび近接センサ電極132によって検出可能な静電容量を増やすために設けられている。
【0220】
タッチ検出電極131A~131Lは、複数の入力キーの各々に対応して設けられている。
図27に示す例では、タッチ検出電極131A~131Lは、
図26に示すセグメントディスプレイ125に表示される複数の入力キーに対応して、3列×4行のマトリクス状に配置されている。タッチ検出電極131A~131Lの各々は、対応する入力キーに対するタッチ入力およびホバー入力を、静電容量の変化によって検知するために設けられている。
【0221】
近接センサ電極132は、センサフィルム134の比較的広範囲にわたって、タッチ検出電極131A~131Lの隙間を埋める形状を有する。近接センサ電極132は、操作面130Aに対する操作体の近接を、静電容量の変化によって検出するために設けられている。
【0222】
ノイズ検知電極133は、センサフィルム134の外周に沿って延在する、細長い帯状の電極である。ノイズ検知電極133は、タッチパネル130に侵入したノイズを検出するために設けられている。
【0223】
基板135は、タッチパネル130の最下層(センサ部130Bの下側)に設けられる、薄板状の部材である。基板135の上面には、センサ部130Bが形成される。基板135としては、例えば、PWB(Printed Wiring Board)が用いられる。
【0224】
図28は、本発明の各実施形態に係るタッチパネル130において形成される静電容量を示す図である。
【0225】
図28に示すように、タッチパネル130において、各検出電極RX(すなわち、タッチ検出電極131A~131L、近接センサ電極132、およびノイズ検知電極133)と手10(操作体)との間には、静電容量Crgが形成される。
【0226】
また、タッチパネル130において、各検出電極RXとアクティブシールド電極ASとの間には、静電容量Crsが形成される。
【0227】
また、タッチパネル130において、アクティブシールド電極ASとグラウンドとの間には、静電容量Csgが形成される。
【0228】
また、タッチパネル130において、各検出電極RXとグラウンドとの間には、寄生容量Crglが形成される。
【0229】
タッチパネル130は、検出電極RXと手10との間に形成される静電容量Crgを検出することにより、操作面130Aに対する手10の近接、ホバー入力、およびタッチ入力を検出することができる。
【0230】
ここで、タッチパネル130においては、近接センサ電極132のCrg+近接センサ電極132のCrglと、ノイズ検知電極133のCrg+ノイズ検知電極133のCrglとが等しくなるように、ノイズ検知電極133の、位置、電極幅、長さの設計が行われている。これにより、タッチパネル130は、近接センサ電極132とノイズ検知電極133とが、互いに同相且つ同量のノイズを受けるように設計されている。このため、タッチパネル130は、近接センサ電極132の変化量からノイズ検知電極133の出力を減算することによって、ノイズをより高精度に除去することができる。
【0231】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0232】
本国際出願は、2019年12月13日に出願した日本国特許出願第2019-225803号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0233】
10 手(操作体)
100 入力装置
110 筐体
120 表示装置
122 ディスプレイドライバ
125 セグメントディスプレイ(表示装置)
130 タッチパネル
130A 操作面
130B センサ部
131A~131L タッチ検出電極
132 近接センサ電極
133 ノイズ検知電極
134 センサフィルム
135 基板
136 天板
137 ガラス板
140 制御装置
141 検出信号取得部
142 操作検出部
143 表示制御部
144 確定部
145 出力部
150 タッチパネルドライバ
200 待機画面
300,300A,300B,300C,300D 操作画面
300E フリック操作画面
301~309,341 入力キー
310 近接距離バー
311 スライダ
320,320A,320B インジケータ
321 目盛
330A,330B 選択枠
AS アクティブシールド電極
RX 検出電極