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特許7365504フローサイトメータ用のノズルシールおよび詰まり除去ステーション
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  • 特許-フローサイトメータ用のノズルシールおよび詰まり除去ステーション 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】フローサイトメータ用のノズルシールおよび詰まり除去ステーション
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
G01N15/14 F
G01N15/14 A
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2022521276
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 US2021032614
(87)【国際公開番号】W WO2021236466
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】63/027,016
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/184,998
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フォックス,ダニエル エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】フォックス,ネイサン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ロドニー シー.
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-124442(JP,A)
【文献】特表2016-521362(JP,A)
【文献】米国特許第04790653(US,A)
【文献】特開昭53-119086(JP,A)
【文献】米国特許第04165484(US,A)
【文献】特開2005-259477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータの詰まりを除去する方法であって、
ドッキング状態において、前記フローサイトメータのノズルシステムがドッキングステーションと位置合わせされるように、前記フローサイトメータを動作状態から前記ドッキング状態に変換することであって、
前記変換すること、前記ノズルシステムとドッキング位置との間の相対運動によって達成され、
前記ドッキング状態、前記ノズルシステムのノズル先端が前記ドッキングステーションの先端シーリングカップと係合して、前記先端シーリングカップと前記ノズル先端との間にシールを形成するような状態であり、
前記ノズル先端、前記ノズルシステムの少なくとも1つの流体経路と流体連通している、
前記変換することと、
すすぎ流体ポンプを用いて、前記ドッキングステーションから前記ノズル先端にすすぎ流体を伝達して、前記ノズル先端および前記少なくとも1つの流体経路の少なくとも一部をフラッシュすることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記フローサイトメータの動作が開始されるまで、前記ノズルシステムを前記ドッキング状態に維持することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フローサイトメータを前記ドッキング状態から前記動作状態に変換することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記フローサイトメータを前記動作状態から前記ドッキング状態に変換すること、および前記フローサイトメータを前記ドッキング状態から前記動作状態に変換することは、自動化された方式で達成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フローサイトメータが前記動作状態にあるときに、前記ノズルシステムの前記ノズル先端を出る流体に関連する少なくとも1つの信号を収集することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記信号、流体液滴の振幅、流体の流れの方向、またはそれらの任意の組み合わせを示す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ノズルシステムを前記動作状態から前記ドッキング状態に前記変換すること、前記少なくとも1つの信号への応答である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
(a)前記ノズル先端と流体連通するシース流体供給弁を閉じること、(b)前記ノズル先端と流体連通する廃棄弁を閉じることであって、前記廃棄弁前記ドッキングステーションから前記ノズル先端に伝達されるすすぎ流体の通過を許容するように構成されている、閉じること、または(c)(a)および(b)の両方、を行うことと、
前記ドッキングステーションから伝達されたすすぎ流体が、前記先端シーリングカップと前記ノズル先端との間の前記シールから漏れているかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記判定することが、前記すすぎ流体ポンプが前記すすぎ流体をポンピングするかどうかを検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記判定すること、前記すすぎ流体の圧力を検出することを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記先端シーリングカップと前記ノズル先端との間の前記シールに漏れが存在しないことを判定した後に、前記廃棄弁を開くことをさらに含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記相対運動、前記ノズルシステムの移動を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ノズルシステムの前記移動、5軸ムーバによって達成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの弾性部材が、前記ノズル先端と前記先端シーリングカップとの間の係合を維持する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記先端シーリングカップ、弾性材料を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
フローサイトメータシステムであって、
ノズル先端とシース流体導管とを備えるノズルシステムであって、前記ノズル先端、それを介してシース流体を伝達するように構成され、前記ノズル先端、前記シース流体導管と連通している、ノズルシステムと、
前記ノズル先端とシース流体の供給物との間の流体連通を遮断するように構成されたシース供給弁と、
前記ノズル先端と流体連通している廃棄処分ポートと、
前記ノズル先端と前記廃棄処分ポートとの間の流体連通を遮断するように構成された廃棄弁と、
ドッキングステーションであって、
すすぎ流体導管と、
先端シーリングカップと、
すすぎ流体を前記すすぎ流体導管にもたらすように構成されたすすぎ流体ポンプと、を備え、
前記先端シーリングカップ、前記先端シーリングカップと前記ノズル先端との間にシールを形成するように、前記ノズル先端とシール可能に係合するように構成されている、
ドッキングステーションと、
前記ノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動するように構成されたノズルムーバであって、前記ドッキング位置において、前記廃棄弁が開きかつ前記シース供給弁が閉じているときに、前記すすぎ流体が前記ノズル先端を介して前記廃棄処分ポートに伝達され得るように、前記ノズル先端が前記先端シーリングカップと係合する、ノズルムーバと、を備える、
フローサイトメータシステム。
【請求項17】
前記シース供給弁および前記廃棄弁のうちの少なくとも1つが、電子的に作動されるマニホルド弁である、請求項16に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項18】
前記ノズルムーバ、5軸ムーバである、請求項16または17に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項19】
前記すすぎ流体ポンプによってポンピングされるすすぎ流体の圧力を監視するように構成された圧力変換器をさらに備える、請求項16~18のいずれか一項に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項20】
前記ノズル先端が前記動作位置にあるときに、前記ノズル先端がシステムを出る流体に関連する少なくとも1つの信号を収集するように構成された光学トレインをさらに備える、請求項16~19のいずれか一項に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項21】
前記信号、流体液滴の振幅、流体の流れの方向、またはそれらの任意の組み合わせを示す、請求項20に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項22】
前記ノズルムーバ、前記少なくとも1つの信号に応答して、前記ノズルシステムを前記動作位置から前記ドッキング位置に移動させるように構成されている、請求項20または21に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項23】
該フローサイトメータシステムは、前記ノズルムーバが、(a)所定のスケジュールに従って前記ノズルシステムを前記動作位置から前記ドッキング位置に移動させること、(b)所定のスケジュールに従って前記ノズルシステムを前記ドッキング位置から前記動作位置に移動させること、または(c)(a)とおよび(b)の両方、を行わせるように構成されている、請求項16~22のいずれか一項に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項24】
前記ノズル先端と前記先端シーリングカップとの間の係合を維持するように構成された弾性部材をさらに備える、請求項16~23のいずれか一項に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項25】
前記すすぎ流体ポンプ、前記ノズル先端、前記すすぎ流体導管、または前記ノズル先端と前記すすぎ流体導管の両方における障害物を除去するのに十分な所定の圧力で前記すすぎ流体を送達するように構成されている、請求項16~24のいずれか一項に記載のフローサイトメータシステム。
【請求項26】
請求項16~25のいずれか一項に記載のシステムを動作させることを含む、方法。
【請求項27】
方法であって、
(a1)動作状態にあるフローサイトメータにより、該フローサイトメータのオリフィスを出る第1の流体に関連する1つ以上の信号を収集することと、
(a2)なくとも1つの信号に応答して、前記フローサイトメータを前記動作状態から、前記オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通するドッキング状態に変換することと、
(a)所定のスケジュールに応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、前記オリフィスが前記すすぎ流体の供給源と流体連通するドッキング状態に変換することと、
(a)ユーザ入力に応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、前記オリフィスが前記すすぎ流体の供給源と流体連通するドッキング状態に変換することと、
(b)前記フローサイトメータが前記ドッキング状態にある間に、前記オリフィスを介して前記すすぎ流体を伝達することと、を含む、
方法。
【請求項28】
前記第1の流体、試料材料を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の流体1の方向に前記オリフィスを出るようにされ、前記すすぎ流体、前記第1の方向と本質的に反対の方向にもたらされる、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記オリフィスまたは前記オリフィスが流体連通している導管から障害物を除去するように前記すすぎ流体がもたらされる、請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記すすぎ流体の圧力を監視することをさらに含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記フローサイトメータを前記動作状態から前記ドッキング状態に変換すること、前記オリフィスと先端シーリングカップとの間の係合を含む、請求項27~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記係合、弾性部材によって少なくとも部分的に維持される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記フローサイトメータを前記ドッキング状態から前記動作状態に変換することをさらに含む、請求項27~33に記載のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記フローサイトメータを前記ドッキング状態から前記動作状態に変換すること、前記すすぎ流体が所定の期間、前記オリフィスを通して伝達された後に達成される、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フローサイトメータの分野および流体洗浄システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
フローサイトメータは、細胞の選別と分析の両方にとって重要なツールであり、細胞に関する重要な情報を提供したり、様々な目的で選別された細胞を提供したりするのに役立つ。フローサイトメータは、シース流体およびその他のキャリア流体など、様々な作動流体を使用して動作する。これらの作動流体は、特定の条件下で蒸発して材料(塩など)を残す可能性があり、これがフローサイトメータの性能を阻害し、除去が必要になる。
【0003】
これまで、ノズル上またはノズル内に詰まりが形成されるのを防ぐために、多くの試みがなされてきた。例えば、使い捨てノズルは、システムを使用するたびにノズルを交換できるように作られている。しかしながら、このアプローチでは、ユーザに多大なコストがかかり、フローサイトメータを使用するたびにオペレータが先端を交換する必要がある。他のアプローチは、洗浄に使用するたび後に、オペレータが手動でノズル先端を取り外す必要があるが、同様に時間がかかり、オペレータの時間を費やしてしまい、フローサイトメータシステムのダウンタイムを生み出す。したがって、フローサイトメータおよび他の流体システムの詰まり除去のためのシステムおよび方法について、この分野で長い間切望されてきた必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、フローサイトメータのノズルの詰まりを除去し、シーリングする方法を含むことができ、この方法は、ドッキングステーションと位置合わせされた動作位置からフローサイトメータのノズルを移動することと、ノズルシステムのノズル先端がドッキングステーションの先端シーリングカップの中に挿入されるようにノズルシステムをドッキングステーションのドッキング位置に下げて、先端シーリングカップとノズル先端との間にシールを形成することと、ドッキングステーションからノズル先端を介して廃棄ポートにすすぎ流体をポンピングして、ノズルシステムに存在する障害物の詰まりを除去し、ノズルシステムからシース流体をフラッシュすることと、フローサイトメータの動作が開始されるまでノズルシステムをドッキング位置に保持することと、を含む。
【0005】
本発明は、フローサイトメータ内のノズルの詰まりを除去し、シーリングするためのシステムをさらに含み得、このシステムは、ノズル先端を介して流れるシース流体のストリームを作り出すノズルを備えるノズルシステムと、加圧シース流体の供給物をノズルに提供するシース供給ポートと、ノズルへのシース供給ポートを開閉するシース供給弁と、廃液の処分にアクセスを提供する廃棄処分ポートと、廃棄処分ポートを開閉する廃棄弁と、ドッキングステーションであって、所定の圧力を有するすすぎ流体供給と、すすぎ流体供給に結合される先端シーリングカップと、ノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動するノズルシステムに結合されているノズルムーバであって、廃棄弁が閉じられるとき、ノズル先端が先端シーリングカップの中に挿入されて、すすぎ流体供給がノズルを介して廃棄処分ポートにフラッシュされる、ドッキングステーションと、を備える。
【0006】
一態様では、本開示は、フローサイトメータの詰まりを除去する方法を提供し、この方法は、ドッキング状態において、フローサイトメータのノズルシステムがドッキングステーションと位置合わせされるように、フローサイトメータを動作状態からドッキング状態に変換することであって、変換することが、ノズルシステムとドッキング位置との間の相対運動によって達成され、ドッキング状態が、ノズルシステムのノズル先端がドッキングステーションの先端シーリングカップと係合して、先端シーリングカップとノズル先端との間にシールを形成するような状態であり、ノズル先端が、ノズルシステムの少なくとも1つの流体経路と流体連通している、変換すること、すすぎ流体ポンプを用いて、ドッキングステーションからノズル先端にすすぎ流体を伝達して、ノズル先端および少なくとも1つの流体経路の少なくとも一部をフラッシュすること、を含む。
【0007】
フローサイトメータシステムも提供され、このシステムは、ノズル先端とシース流体導管とを備えるノズルシステムであって、ノズル先端が、それを介してシース流体を伝達するように構成され、ノズル先端が、シース流体導管と連通している、ノズルシステムと、ノズル先端とシース流体の供給物との間の流体連通を遮断するように構成されたシース供給弁と、ノズル先端と流体連通している廃棄処分ポートと、ノズル先端と廃棄処分ポートとの間の流体連通を遮断するように構成された廃棄弁と、ドッキングステーションであって、すすぎ流体導管と、先端シーリングカップと、すすぎ流体をすすぎ流体導管にもたらすように構成されたすすぎ流体ポンプとを備え、先端シーリングカップが、先端シーリングカップとノズル先端との間にシールを形成するように、ノズル先端と密封可能に係合するように構成されている、ドッキングステーションと、ノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動するように構成されたノズルムーバであって、廃棄弁が開きかつシース供給弁が閉じているときに、すすぎ流体がノズル先端を介して廃棄処分ポートに伝達され得るように、ドッキング位置において、ノズル先端が、先端シーリングカップと係合している、ノズルムーバと、を備える。
【0008】
さらに開示されるのは、方法であって、(a1)動作状態にあるフローサイトメータにより、フローサイトメータのオリフィスを出る第1の流体に関連する1つ以上の信号を収集することと、少なくとも1つの信号に応答して、フローサイトメータを動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(a2)所定のスケジュールに応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(a3)ユーザ入力に応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(b)フローサイトメータがドッキング状態にある間、オリフィスを介してすすぎ流体を伝達することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面では、同じ数字が、異なる概観で同様の構成要素を表す場合がある。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表すことができる。図面は、例示として、しかし限定としてではなく、本文書で論じられている様々な態様を一般的に示している。図面において、
【0010】
図1】ノズルシステムが動作する位置にある、ノズルシステムとドッキングステーションの概略図である。
図2】ノズルシステムをドッキング位置にした図1の実施形態の概略図である。
図3】液滴の分離を監視するために使用されるカメラを示す、流体監視装置の描写を提供する図である。
図4】液滴および/または流れの方向を監視するように構成された流体監視装置の描写を提供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、所望の実施形態およびそこに含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0012】
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、技術分野の当業者のうちの一人によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含む、本文書が優先されるものとする。好ましい方法および材料は以下に記載されるが、本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料は、実践または試験で使用することができる。本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書で開示される材料、方法、および例は、例示のみであり、限定することを意図していない。
【0013】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別様に指示されない限り、複数形照応を含む。
【0014】
明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む」は、「からなる」および「本質的にからなる」実施形態を含み得る。本明細書で使用される用語「備える」、「含む」、「有する」、「有する」、「できる」、「包含する」、およびこれらの変形は、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する、制約のない暫定的な語句、用語、または語を意図する。しかしながら、そのような説明は、列挙された成分/ステップ「からなる」および「本質的にからなる」として、組成物またはプロセスを説明するものと解釈されるべきであり、これは、結果として生じる可能性のある混入物を伴う、指定された成分/ステップのみの存在を可能にし、かつ他の成分/ステップを排除するものである。
【0015】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、問題の量または値が、ほぼまたはほぼ同じ他の値と指定された値であり得ることを意味する。本明細書で使用される場合、それは、他に示されないかまたは推測されない限り、±10%の変動を示す公称値であると一般に理解されている。この用語は、類似の値が特許請求の範囲に記載された同等の結果または効果を促進することを伝えることを意図している。すなわち、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の量および特性は正確である必要はなく、正確である必要はないが、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて概算および/またはより大きくまたはより小さくすることができることが理解される。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、または他の量または特性は、そのように明示的に述べられているかどうかにかかわらず、「約」または「概算」である。量的値の前に「約」が使用される場合、特に明記しない限り、パラメータは特定の量的値自体も含むことが理解される。
【0016】
さらに、反対の指示がない限り、数値は、同じ有効数字桁数に減らしたときに同じである数値と、値を決定するための、本出願に記載されているタイプの通常の測定技術の実験誤差よりも少ない値だけ、記述された値とは異なる数値とを含むと理解されるべきである。
【0017】
本明細書に開示されるすべての範囲は、記載されたエンドポイントを含み、エンドポイントとは無関係である(例えば、「2グラムから10グラムの間であり、すべての中間値は2グラム、10グラム、およびすべての中間値を含む」)。本明細書に開示されている範囲の端点および任意の値は、正確な範囲または値に限定されず、それらの範囲および/または値を近似する値を含めるのに十分に曖昧である。すべての範囲を組み合わせることができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、近似用語は、関係する基本機能に変化をもたらすことなく変わり得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、特定された明確な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。修飾語「約」も、2つの端点の絶対値によって規定される範囲を開示していると見なされるべきである。例えば、表現「約2~約4」もまた「2~4」の範囲を開示する。用語「約」は、示された数の+または-10%を指し得る。例えば、「約10%」は9%~11%の範囲を示し得、「約1」は0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、四捨五入など、文脈から明らかであり得、例えば「約1」は0.5~1.4も意味し得る。さらに、「含む」という用語は、「含む」というその自由形式の意味を有すると理解されるべきであるが、この用語は、「からなる」という用語の閉じた意味も含む。例えば、成分AおよびBを含む組成物は、A、B、および他の成分を含む組成物であり得るが、AおよびBのみからなる組成物であり得る。本明細書で引用されるすべての文書は、その全体があらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれている。
【0019】

添付の図は例示にすぎず、本開示または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0020】
図1は、例示的なノズルシステム102およびドッキングステーション126を示している。ノズルシステム102は、ノズル106およびノズル先端108を5つの軸、すなわち、前後、左右、垂直、および2方向に傾斜して動かす5軸ムーバと、を備えることができる。この関節運動により、ノズル先端108は、ストリーム122を、ノズル先端108を介してレーザ交差部120に向けることができる。ノズル106内の、またはノズル106と機械的に連絡しているバイブレータ(図示せず)は、ストリーム122を液滴124に分離するのを助ける振動を提供することができる。ストリーム122は、例えば、分析中の生細胞または他の材料と混合されるシース供給ポート116から得られるシース流体のストリームであり得る。
【0021】
シース流体は、例えば、生理食塩水またはシース流体と混合される生細胞の生存能力を保護する他の溶液であり得る。シース流体は、ノズル先端108の小さなノズルオリフィスから噴射することができる。通常、オリフィスの範囲は50~200ミクロンである。例えば、ノズル先端108は、例えば、50、70、100、120、150および200ミクロンの開口部を有することができる。
【0022】
ノズル先端は塩水と細胞の混合物を伝達する比較的小さなオリフィスであるため、細胞が凝集してオリフィスを塞ぐ可能性があり、フローサイトメータのオペレータはノズル先端108の詰まりを除去するためにかなりの時間と労力を費やさなければならない場合がある。フローサイトメータの動作の結果として発生する可能性のある詰まりに加えて、ノズルシステム102を数時間(例えば一晩)放置すると、シース流体が蒸発し、ノズル先端108および/またはノズル本体110内の他の場所に塩結晶が残る可能性があり、この結晶化はまた、ノズルシステム102の動作に影響を与える詰まりまたは部分的な詰まりを引き起こす可能性がある。
【0023】
本明細書で説明するように、本開示技術では、結晶形成を防止し、細胞の凝集塊に起因する詰まりを除去または除去する自動化された方法を提供する。開示されるように、これは、ノズルシステム102(図1)とドッキングステーション126との間の相対運動を達成し、ノズル先端108が先端シーリングカップ130に挿入されるようにすることによって達成することができる。これは、例えば、ノズル先端108が先端シーリングカップ130と係合するようにノズルシステム102を動かすことによって達成することができる。
【0024】
次に、すすぎ流体(例えば、加圧された脱イオン水)128が、ノズル先端108を通って逆方向にもたらされるが、この流体は、次に、ノズル先端108内の詰まりをフラッシュして、廃棄処分ポート118を通して外に出される。脱イオン水以外のすすぎ流体(例えば、エタノール、メタノール、アセトン)を使用できる。ノズル先端108は、再び使用されるまで、ドッキング位置に留まることができ、このようにして、ノズル先端108の周りの流体は蒸発できず、塩の結晶を形成することができない。
【0025】
図1に示されるように、ノズルシステム102は、細胞選別または細胞分析が起こり得るように、動作位置(または第1の状態)に載置され得る。示されるように、シース供給ポート116は、シース供給弁112が開位置にある状態で、シース流体のストリーム122がノズル106を通してポンピングされ得るように、ノズル本体110およびノズル先端108に接続され得る。ノズルムーバ104は、ノズル先端108を前後方向、左右方向、垂直方向に動かすように構成された5軸ムーバであり得、ノズル先端108を2軸で傾けることができる。これにより、次に、ノズル先端108から噴射されるストリーム122を、レーザ交差部120に正しく向けることができ、交差部120に位置する流体(例えば、ストリームまたは液滴として存在する)を1つ以上のレーザが照合することができる。(ただし、ノズルムーバは5軸未満でノズル先端108を動かすように構成することができるので、ノズルムーバ104は5軸ムーバである必要はないことを理解されたい。一例として、ノズルムーバ104は、ノズル先端を2方向または3方向に動かすことができ、ノズル先端108をゼロ、1方向、または2方向に傾けることもできる。)示されるように(かつ本明細書の他の場所で説明されるように)、ストリーム122が液滴124に分離するように、振動がノズル106内で生成され得る。ただし、液滴の存在と同様に、振動の存在は任意選択である。
【0026】
図1または図2には示されていないが、本開示によるシステムはまた、ストリーム122および/または液滴124に関連する情報(例えば、視覚情報)を収集するように構成されたカメラまたは他の光学系を含むことができる。一例として、本開示によるシステムは、液滴124が予想通りストリーム122から分離しているかどうかを判定するように構成された1つ以上の光学トレインを含むことができる。
【0027】
いくつかの例として、システムは、例えば、視覚的画像化を介して、液滴の振幅を測定する光学トレインを含むことができる。液滴の振幅が事前に決定された値から逸脱している場合(または事前に決定された範囲外にある場合)、システムは、予期しないまたは仕様外の液滴の形成をユーザに警告するように構成できる。ストリーム122の出口角度は、ノズルシステム102内の障害材料の存在を示すことができるので、光学トレインを使用して、ストリーム122がノズル先端108を出る角度を評価することもできる。説明したように、光学トレインは、視覚カメラ、赤外線カメラ、および1つ以上のミラーのうちの任意の1つ以上を含むことができる。
【0028】
1つ以上のミラーは、ストリーム122および/または液滴124に関連する情報の判定を可能にするように配設することができる。前述の非限定的な例として、1つ以上のミラーは、第1の平面におけるストリーム122の方向、および第1の平面に対してある角度での第2の平面におけるストリーム122の方向の評価を可能にするように配設することができる。同様に、1つ以上のミラーは、第1の平面および第2の平面において第1の平面に対してある角度で液滴124(例えば、方向、サイズ、振幅)の評価を可能にするように配設することができる。
【0029】
シース供給ポート116は、シース供給弁112を介してノズル本体106およびノズル先端108に接続することができ、この弁は電子的に動作することができる。同様に、廃棄処分ポート118は、廃棄弁114を介してノズル106に接続することができ、この弁は電子的に動作することができる。動作状態(または第1の状態)では、シース供給弁112が開いており、廃棄弁114が閉じている。
【0030】
図1にも示されているように、ドッキングステーション126は、ノズルシステム102の近くに位置することができる。ドッキングステーション126は、すすぎ流体供給部128を含む(または接続する)ことができ、この流体供給部は、ポンプ136によって所定の圧力に加圧することができ、このポンプは、例えば、蠕動ポンプであり得る。圧力変換器(要素138)を使用して、すすぎ流体供給部128の圧力を監視することができる。
【0031】
示されるように、すすぎ流体供給部128は、先端シーリングカップ130と流体連通することができる。先端シーリングカップ130は、例えば、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)管材の短いセグメント、またはノズル先端108とシールを形成することができる他の任意の適合材料から構築することができる。1つの非限定的な例として、先端シーリングカップ130に使用されるFEP管材は、1/8インチの外径および1/16インチの内径を有することができる。特定の理論または実施形態に拘束されることなく、FEP管材は、適合性があり、耐久性があり、ノズル先端108が先端シーリングカップ130と係合したときにノズル先端108の周りにシールを作成することができるので、先端シーリングカップ130としての使用に特に適していると考えられる。先端シーリングカップ130は、構成が円錐形(または円錐台状)であり得るが、構成において円筒形でもあり得る。
【0032】
図2は、ノズル先端108が先端シーリングカップ130の中に載置されたドッキング位置(または第2の状態)にあるノズルシステム102の概略図である。図2に示されるように、ノズルムーバ104は、ノズルシステム102をドッキング位置に動かし、ノズル106を下げて、ノズル先端108が先端シーリングカップ130としっかりと係合するようにすることができる。ノズル先端108は、開示されるように、ノズルムーバ104によって5軸で動かされて、ノズル先端108が先端シーリングカップ130に確実に係合するようにすることができる。供給弁112は(例えば、電子制御を介して)閉じられ、廃棄弁114は閉じた位置に留まる。供給部128からのすすぎ流体は、ノズル先端108が先端シーリングカップ130にしっかりと位置決めされた状態で、先端シーリングカップ130を介してもたらされる。ポンプ136は、圧力変換器138によって監視される所定の圧力ですすぎ流体をもたらすことができる。シース供給弁112と電子的に動作される廃棄弁114の両方が閉位置にある場合、すすぎ流体は、別途ノズル106から出る経路を持たない。(シース供給弁112および廃棄弁114は、それぞれ制御ワイヤ132および134によって動作することができる。)先端シーリングカップ130とノズル先端108との間に漏れがない場合、すすぎ流体128の流量はゼロである。その場合、すすぎ流体128をポンピングするポンプ136が、ポンピングしていないことを判定するというポンプ136の確認は、ノズル先端108と先端シーリングカップ130との間に漏れが存在しないことの指標を提供する。圧力変換器138によって検出された圧力のチェックはまた、ノズル先端/先端シーリングキャップ交差部に漏れが存在することの指標を提供することができる。このアプローチは、ポンプ136の動作を確認する代わりに、またはポンプ136の動作を確認することと組み合わせて使用することができる。
【0033】
蠕動ポンプ136がポンピングしていないこと、および/または圧力変換器138によって圧力降下が検出されないことを確認した後、廃棄弁114を開いて、すすぎ流体がすすぎ流体供給部128から先端シーリングカップ130を通って、およびノズル先端108およびノズル本体106を通って廃棄ポート118に流れることができるようにすることができる。ノズル先端108を通して加えられる、すすぎ流体供給部128からの圧力は、ノズル先端108からの詰まりおよびノズル106内の障害物を取り除くのに十分である。これは次に、そのような障害物を廃棄処分ポート118を通してフラッシュする。(本明細書の他の場所で説明するように、すすぎ流体供給部128の圧力は、蠕動ポンプ136および圧力変換器138によって調整される。)すすぎ流体供給部128(非塩、例えば、脱イオン水であり得る)の使用は、塩結晶を溶解し、かつノズルシステム102を、塩分および他の障害物、例えば、細胞の凝集塊を除去するためにフラッシュするように機能する。すすぎ流体の流れが、システム動作中にシース流体が流れる方向と反対の方向であるように生じることのできる、すすぎ流体のフラッシング流は、細胞の凝集塊または結晶性塩から障害物のないノズル先端108およびノズル本体106を備えたクリーンなシステムを作り出す。
【0034】
ノズルシステム102は、細胞を選別するかまたは細胞を分析するために、システムが再び使用できるようになるまで、図2に示されるドッキング位置に留まることができる。いくつかの例として、ノズルシステム102は、試料実行の間、一晩、またはシステムのダウンタイムの他の期間中、ドッキング位置に留まることができる。ノズルシステム102は、図2に示されるドッキング位置に長期間留まることができ、ノズルシステム102は、脱イオン水でフラッシュされ、ノズル先端108は、先端シーリングカップ130にシールされ、ノズル先端108は、乾燥せず、塩結晶は、ノズル先端108またはノズル先端108の外面に形成されない。
【0035】
フローサイトメータの動作が開始されると、ノズルシステム102は、ノズルムーバ104によって図1に示される動作位置に移動することができる。細胞の塩分および凝集塊の洗浄と詰まり除去は自動的に行われるため、オペレータはフローサイトメータシステムの動作を開始するだけで済み、ノズルの交換またはその他の手動手順を実行する必要はない。図1および2に示されるシステムは、起動シーケンスの開始時に、(自動化された方式で)図1に示される動作位置(または第1の状態)に変換することができる。本開示によるシステムは、ユーザによる要求に応じて(例えば、実験実行中の一時停止中または実行間でさえ)動作位置とドッキング位置との間で変換可能であるように構成することができるが、例えば、毎晩午後6時、週末、または他のユーザが決定したスケジュールのような、スケジュールに従って、動作位置とドケッティング位置の間で変換可能でもあり得る。
【0036】
システムがドッキング位置にある場合、システムは、DI水、クリーナ、およびその他の汚染除去流体の供給に関連する1つ以上のプロファイルを使用して動作できる。ユーザは、必要な動作に最も適していると思われるプロファイルを選択したり、独自にカスタマイズした設定を利用したりすることもできる。1つ以上のDI、クリーナ、およびその他の汚染除去流体の供給は、事前設定された時間またはユーザが設定した期間に従って行うことができる。ユーザは、洗浄のためにノズルから送られる流体を選択することもできる。システムは、洗浄流体(例えば、システムがドッキング位置にあるときにノズルにもたらされるDI水)に関連する流量を検出するように構成され得、流量が予想範囲外の場合、システムはユーザにアドバイス、および/またはノズルに加えられる流体の流れ(圧力、脈動性)を変更できる。システムは、洗浄流体および汚染除去流体とは別にDI水を供給するように構成できるが、これらの流体を同時に供給するように構成することもできる。システムは、例えば、DI水を供給し、続いて洗浄および/または汚染除去流体、続いてさらにDI水を供給するように構成することができる。流体供給の他の順序(例えば、洗浄および/または汚染除去流体とそれに続くDI水)も使用することができる。流体は、一定の流れおよび/または脈動流で送達することができる。流体は、様々な流量で供給することができる(例えば、DI水は洗浄および/または汚染除去流体よりも高い流量で供給される)。同様に、流体は異なる脈動で送達することができる。
【0037】
システムは、システムの起動の一部として最初のフラッシング動作が自動化されるように構成できる。その最初の動作に続いて、ユーザはいつ詰まりを除去するか、およびストリーム設定を再開するかを決定できる。代替的に、システムが仕様外のストリームまたは液滴の流れを検出したときに、システムが自動的にドッキングモードに入ることができるように、システムを完全に自動化することができる。システムは、仕様外のストリームまたは液滴の流れが検出されたときにユーザに通知するように自動化することもできる。
【0038】
特定の理論または実施形態に拘束されることなく、液滴の対称性(液滴の形成に必要な振幅および流れの出口角度を除く)は、システム状態の別の指標である。いくつかの例では、詰まりを視覚的に検出するのは難しいかもしれないが、信号の減少および/または測定の変動性の増加によって、レーザからの実際の粒子測定に現れる可能性がある。システムは、較正粒子(例えば、ビーズ)を使用して動作を確認でき、検出された強度が低すぎるか、変動が大きすぎる場合、検出された強度は部分的な詰まりを示している可能性がある。
【0039】
図3は、流体監視トレインの図を提供する。示されるように、液滴カメラ300を使用して、ストリーム302およびストリーム302から分離する液滴304を見ることができる。液滴カメラ300は、液滴形成と同期してストロボ赤外線を使用して、分離ポイントを監視することができる。示されるように、トレインは、赤外線LED308(支持体310によって支持される)の列を含むことができ、その赤外線LEDは、カメラからストリームの真向かいにあるそれらの前に拡散器306を有することができる。したがって、この配置では、ストリーム302がバックライトされているため、カメラ302は実際にストリーム302を見ている。このようにして、カメラ300を使用して液滴形成を監視することができ、この液滴形成を使用して、流体の流れシステム内、例えば、ノズル先端(図示せず)で詰まりが発生したかどうかを評価することができる。
【0040】
追加のトレインが図4に示されている。このトレインは、図3に示すトレインのさらに下流に載置することができ、液滴が選別のために静電偏向によって偏向されるときに液滴を観察するために使用することができる。ノズル先端から下流の距離にある追加のトレインの位置は、出口角度を観察するための有用なポイントを提供する。図4(左側のパネルは側面図であり、右側のパネルは上面図である)に示されるように、追加のトレインは、照らされたストリームと偏向された液滴を視覚化するために、赤外線LED(408、支持体410によって支持される)を使用して、LEDと同じ側のカメラ(400)を伴って後からストリーム402(および存在する場合、液滴404)を照明することができる。ブロッキングバックグラウンド414を使用して、迷光がカメラ400に到達するのを防ぐことができる。ミラー412は、例えば、45度の角度で背景の一部に追加することができ、その結果、ストリーム402(および液滴402)は、前後の角度で観察することができる。このようにして、カメラ400を使用して、流体を左右および前後の両方で観察することができ、流れの出口角度を検出することができる。
【0041】
本発明の前述の説明は、例示および説明の目的で提示された。網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして他の修正および変形が可能であり得る。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するために選択され、記載され、それにより、当業者が、企図される特定の使用に適するように様々な実施形態および様々な修正において本発明を最もよく利用できるようにする。添付の特許請求の範囲は、先行技術によって制限される場合を除いて、本発明の他の代替の実施形態を含むと解釈されることが意図されている。
【0042】
態様
以下の態様は例示にすぎず、本開示または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0043】
態様1.フローサイトメータの詰まりを取り除く方法であって、ドッキング状態において、フローサイトメータのノズルシステムがドッキングステーションと位置合わせされるように、フローサイトメータを動作状態からドッキング状態に変換することであって、変換することが、ノズルシステムとドッキング位置との間の相対運動によって達成され、ドッキング状態が、ノズルシステムのノズル先端がドッキングステーションの先端シーリングカップと係合して、先端シーリングカップとノズル先端との間にシールを形成するような状態であり、ノズル先端が、ノズルシステムの少なくとも1つの流体経路と流体連通している、変換すること、すすぎ流体ポンプを用いて、ドッキングステーションからノズル先端にすすぎ流体を伝達して、ノズル先端および少なくとも1つの流体経路の少なくとも一部をフラッシュすること、を含む、方法。
【0044】
態様2.フローサイトメータの動作が開始されるまで、ノズルシステムをドッキング状態に維持することをさらに含む、態様1に記載の方法。
【0045】
態様3.フローサイトメータをドッキング状態から動作状態に変換することをさらに含む、態様1または2に記載の方法。
【0046】
態様4.変換することが、自動化された方式で達成される、態様3に記載の方法。
【0047】
態様5.フローサイトメータが動作状態にあるときに、ノズルシステムのノズル先端を出る流体に関連する少なくとも1つの信号を収集することをさらに含む、態様1~4のいずれか一態様に記載の方法。
【0048】
態様6.信号が、流体液滴の振幅、流体の流れの方向、またはそれらの任意の組み合わせを示す、態様5に記載の方法。
【0049】
態様7.システムを動作状態からドッキング状態に変換することが、少なくとも1つの信号への応答である、態様5または6に記載の方法。
【0050】
態様8.態様1の方法は、(a)ノズル先端と流体連通するシース流体供給弁を閉じること、(b)ノズル先端と流体連通する廃棄弁を閉じることであって、廃棄弁がドッキングステーションからノズル先端に伝達されるすすぎ流体の通過を許容するように構成されている、閉じること、または(c)(a)および(b)の両方、を行うことと、ドッキングステーションから伝達されたすすぎ流体が、先端シーリングカップとノズル先端との間のシールから漏れているかどうかを判定することと、をさらに含む、態様1に記載の方法。
【0051】
態様9.判定することが、すすぎ流体ポンプがすすぎ流体をポンピングするかどうかを検出することを含む、態様8に記載の方法。
【0052】
態様10.判定することが、すすぎ液の圧力を検出することを含む、態様8または9に記載の方法。
【0053】
態様11.先端シーリングカップとノズル先端との間のシールに漏れが存在しないことを判定した後に、廃棄弁を開くことをさらに含む、態様8~10のいずれか一態様に記載の方法。
【0054】
態様12.相対運動がノズルシステムの移動を含む、態様1~11のいずれか一態様に記載の方法。
【0055】
態様13.ノズルシステムの移動が5軸ムーバによって達成される、態様12に記載の方法。
【0056】
態様14.少なくとも1つの弾性部材が、ノズル先端と先端シーリングカップとの間の係合を維持する、態様1~13のいずれか一態様に記載の方法。
【0057】
態様15.先端チップシーリングカップが、弾性材料を含む、態様1~14のいずれか一態様に記載の方法。
【0058】
態様16.フローサイトメータシステムであって、ノズル先端とシース流体導管とを備えるノズルシステムであって、ノズル先端が、それを介してシース流体を伝達するように構成され、ノズル先端が、シース流体導管と連通している、ノズルシステムと、ノズル先端とシース流体供給との間の流体連通を遮断するように構成されたシース供給弁と、ノズル先端と流体連通している廃棄処分ポートと、ノズル先端と廃棄処分ポートとの間の流体連通を遮断するように構成された廃棄物弁と、ドッキングステーションであって、すすぎ流体導管と、先端シーリングカップと、すすぎ流体をすすぎ流体導管にもたらすように構成されたすすぎ流体ポンプと、を備え、先端シーリングカップが、先端シーリングカップとノズル先端との間にシールを形成するように、ノズル先端とシール可能に係合するように構成されている、ドッキングステーションと、ノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動するように構成されたノズルムーバであって、廃棄物弁が開きかつ前記シース供給弁が閉じているときに、すすぎ流体がノズル先端を介して廃棄処分ポートに伝達され得るように、ドッキング位置において、ノズル先端が、先端シーリングカップと係合している、ノズルムーバと、を備える、フローサイトメータシステム。
【0059】
態様17.シース供給弁および廃棄弁のうちの少なくとも1つが、電子的に動作されるマニホルド弁である、態様16に記載のシステム。
【0060】
態様18.ノズルムーバが、5軸ムーバである、態様16~17のいずれか一態様に記載のシステム。
【0061】
態様19.ポンプによってポンピングされるすすぎ流体の圧力を監視するように構成された圧力変換器をさらに備える、態様16~18のいずれか一態様に記載のシステム。
【0062】
態様20.ノズル先端が動作位置にあるときに、ノズル先端システムを出る流体に関連する少なくとも1つの信号を収集するように構成された光学トレインをさらに備える、態様16~19のいずれか一態様に記載のシステム。
【0063】
態様21.信号が、流体液滴の振幅、流体の流れの方向、またはそれらの任意の組み合わせを示す、態様20に記載のシステム。
【0064】
態様22.ノズルムーバが、少なくとも1つの信号に応答してノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動させるように構成されている、態様20または21に記載のシステム。
【0065】
態様23.システムは、ノズルムーバが、(a)所定のスケジュールに従ってノズルシステムを動作位置からドッキング位置に移動させ、(b)所定のスケジュールに従ってノズルシステムをドッキング位置から動作位置に移動させ、または(c)(a)と(b)の両方を行わせるように構成されている、態様16~22のいずれか一態様に記載のシステム。
【0066】
態様24.ノズル先端と先端シーリングカップとの間の係合を維持するように構成された弾性部材をさらに備える、態様16~23のいずれか一態様に記載のシステム。
【0067】
態様25.ポンプが、ノズル先端、導管、またはノズル先端と導管の両方における障害物を除去するのに十分な所定の圧力ですすぎ流体を送達するように構成されている、態様16~24のいずれか一態様に記載のシステム。
【0068】
態様26.態様16~25のいずれか一態様に記載のシステムを動作させることを含む、方法。
【0069】
態様27.方法であって、(a1)動作状態にあるフローサイトメータにより、フローサイトメータのオリフィスを出る第1の流体に関連する1つ以上の信号を収集することと、少なくとも1つの信号に応答して、フローサイトメータを動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(a2)所定のスケジュールに応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(a3)ユーザ入力に応答して、オリフィスを有するフローサイトメータを、動作状態から、オリフィスがすすぎ流体の供給源と流体連通しているドッキング状態に変換することと、(b)フローサイトメータがドッキング状態にある間、オリフィスを介してすすぎ流体を伝達することと、を含む、方法。
【0070】
態様28.第1の流体が試料材料を含む、態様27に記載の方法。
【0071】
態様29.第1の流体が、第1の方向にオリフィスを出て、すすぎ流体が第1の方向と本質的に反対の方向にもたらされる、態様27または28に記載の方法。
【0072】
態様30.オリフィスまたはオリフィスが流体連通している導管から障害物を除去するようにすすぎ流体がもたらされる、態様27~29のいずれか一態様に記載の方法。
【0073】
態様31.すすぎ液の圧力を監視することをさらに含む、態様27~30のいずれか一態様に記載の方法。
【0074】
態様32.フローサイトメータを動作状態からドッキング状態に変換することが、オリフィスと先端シーリングカップとの間の係合を含む、態様27~31のいずれか一態様に記載の方法。
【0075】
態様33.係合が、弾性部材によって少なくとも部分的に維持される、態様32に記載の方法。
【0076】
態様34.フローサイトメータをドッキング状態から動作状態に変換することをさらに含む、態様27~33のいずれか一態様に記載の方法。
【0077】
態様35.フローサイトメータをドッキング状態から動作状態に変換することが、すすぎ流体が所定の期間、オリフィスを通して伝達された後に達成される、態様34に記載の方法。
図1
図2
図3
図4