(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】光源装置及び投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20231013BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231013BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231013BHJP
F21V 9/20 20180101ALI20231013BHJP
F21V 9/35 20180101ALI20231013BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20231013BHJP
F21V 9/45 20180101ALI20231013BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231013BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20231013BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20231013BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231013BHJP
【FI】
G02B5/20
F21S2/00 340
F21V8/00 310
F21V8/00 357
F21V9/20
F21V9/35
F21V9/40 200
F21V9/45
G03B21/00 F
G03B21/14 A
H04N5/74 Z
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019061655
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】P 2018193432
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】西川 勇作
(72)【発明者】
【氏名】田中 佳樹
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-337219(JP,A)
【文献】特表2011-505658(JP,A)
【文献】特開2016-090850(JP,A)
【文献】特開2016-177272(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0143977(US,A1)
【文献】国際公開第2020/057106(WO,A1)
【文献】特開2016-033553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G03B 21/14
G03B 21/00
F21V 9/35
F21V 9/40
F21V 9/20
F21V 9/45
F21S 2/00
F21V 8/00
H04N 5/74
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の周りに回転可能な基板と、前記基板において前記回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の光学素子と、を有するホイール装置と、
前記ホイール装置の基板を回転させる駆動装置と、
ソース光を発生する光源素子と、
前記光源素子によって発生されたソース光を、前記ホイール装置の各光学素子への入射光として導く光学系と、を備え、
前記複数の光学素子の各領域は、直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各境界線の各直線区間は、前記基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差し、
前記ホイール装置は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の光束が入射する位置に配置され、
所定の回転位置にある前記ホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記光学系から前記各光学素子への入射光のスポット領域の
前記長手方向が複数の前記直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間が前記スポット領域の
前記長手方向と平行になるように、前記光学系に対して配置された、
光源装置。
【請求項2】
前記複数の光学素子は、
(1)複数の蛍光体であるか、又は、
(2)少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである、
請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
前記複数の光学素子は、
(1)複数のカラーフィルタであるか、又は、
(2)少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである、
請求項1記載の光源装置。
【請求項4】
請求項1~3のうちの1つに記載の光源装置と、
前記光源装置の各光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子とを備えた、
投写型映像表示装置。
【請求項5】
第1の回転軸の周りに回転可能な第1の基板を備えた第1のホイール装置であって、前記第1の基板に複数の第1の光学素子が形成された第1のホイール装置と、
前記第1の基板を回転させる第1の駆動装置と、
第2の回転軸の周りに回転可能な第2の基板を備えた第2のホイール装置であって、前記第2の基板に少なくとも1つの第2の光学素子が形成された第2のホイール装置と、
前記第2の基板を回転させる第2の駆動装置と、
ソース光を発生する光源素子と、
前記光源素子によって発生されたソース光を、前記第1の光学素子への入射光として導く第1の光学系と、
前記第1の光学素子の出射光を、前記第2の光学素子への入射光として導く第2の光学系とを備え、
前記第2の光学素子は少なくとも1つのカラーフィルタを含み、
前記複数の第1の光学素子は、前記第1の基板において前記第1の回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有し、
前記複数の第1の光学素子の各領域は、直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各境界線の各直線区間は、前記第1の基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差し、
前記複数の第1の光学素子は、
(1)複数の蛍光体であるか、又は、
(2)少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記第1のホイール装置は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の光束が入射する位置に配置され、
所定の回転位置にある前記第1のホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記第1の光学系から前記第1のホイール装置の各光学素子への入射光のスポット領域の
前記長手方向が複数の前記直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間が前記スポット領域の
前記長手方向と平行になるように、前記第1の光学系に対して配置された、
光源装置。
【請求項6】
第1の回転軸の周りに回転可能な第1の基板を備えた第1のホイール装置であって、前記第1の基板に少なくとも1つの第1の光学素子が形成された第1のホイール装置と、
前記第1の基板を回転させる第1の駆動装置と、
第2の回転軸の周りに回転可能な第2の基板を備えた第2のホイール装置であって、前記第2の基板に複数の第2の光学素子が形成された第2のホイール装置と、
前記第2の基板を回転させる第2の駆動装置と、
ソース光を発生する光源素子と、
前記光源素子によって発生されたソース光を、前記第1の光学素子への入射光として導く第1の光学系と、
前記第1の光学素子の出射光を、前記第2の光学素子への入射光として導く第2の光学系とを備え、
前記第1の光学素子は少なくとも1つの蛍光体を含み、
前記複数の第2の光学素子は、前記第2の基板において前記第2の回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有し、
前記複数の第2の光学素子の各領域は、直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各境界線の各直線区間は、前記第2の基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差し、
前記複数の第2の光学素子は、
(1)複数のカラーフィルタであるか、又は、
(2)少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記第2のホイール装置は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の光束が入射する位置に配置され、
所定の回転位置にある前記第2のホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記第2の光学系から前記第2のホイール装置の各光学素子への入射光のスポット領域の
前記長手方向が複数の前記直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間が前記スポット領域の
前記長手方向と平行になるように、前記第2の光学系に対して配置された、
光源装置。
【請求項7】
第1の回転軸の周りに回転可能な第1の基板を備えた第1のホイール装置であって、前記第1の基板に複数の第1の光学素子が形成された第1のホイール装置と、
前記第1のホイール装置の基板を回転させる第1の駆動装置と、
第2の回転軸の周りに回転可能な第2の基板を備えた第2のホイール装置であって、前記第2の基板に複数の第2の光学素子が形成された第2のホイール装置と、
前記第2のホイール装置の基板を回転させる第2の駆動装置と、
ソース光を発生する光源素子と、
前記光源素子によって発生されたソース光を、前記第1のホイール装置の光学素子への入射光として導く第1の光学系と、
前記第1のホイール装置の光学素子の出射光を、前記第2のホイール装置の光学素子への入射光として導く第2の光学系とを備え、
前記複数の第1の光学素子は、前記第1の基板において前記第1の回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有し、
前記複数の第1の光学素子の各領域は、第1の直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各第1の直線区間は、前記第1の基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第1の交差角度でそれぞれ交差し、
前記複数の第1の光学素子は、
(1)複数の蛍光体であるか、又は、
(2)少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記複数の第2の光学素子は、前記第2の基板において前記第2の回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有し、
前記複数の第2の光学素子の各領域は、第2の直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各第2の直線区間は、前記第2の基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第2の交差角度でそれぞれ交差し、
前記複数の第2の光学素子は、
(1)複数のカラーフィルタであるか、又は、
(2)少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記第1のホイール装置
は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の
第1の光束が入射する位置に配置され、
所定の回転位置にある前記
第1のホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記
第1の光学系から前記各
第1の光学素子への入射光の
第1のスポット領域の
前記長手方向が複数の前記
第1の直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの
第1の直線区間が前記
第1のスポット領域の
前記長手方向と平行になるように、前記
第1の光学系に対して配置され
、
前記第2のホイール装置は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の第2の光束が入射する位置に配置され、
所定の回転位置にある前記第2のホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記第2の光学系から前記各第2の光学素子への入射光の第2のスポット領域の前記長手方向が複数の前記第2の直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの第2の直線区間が前記第2のスポット領域の前記長手方向と平行になるように、前記第2の光学系に対して配置された、
光源装置。
【請求項8】
前記第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータを備え、
前記第2のホイール装置は、所定の回転位置にある前記第2のホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記ロッドインテグレータから前記第2のホイール装置の光学素子への入射光のスポット領域が複数の前記直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間が前記ロッドインテグレータの断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、前記ロッドインテグレータに対して配置された、
請求項6又は7記載の光源装置。
【請求項9】
請求項5~8のうちの1つに記載の光源装置と、
前記光源装置の第2のホイール装置の光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子とを備えた、
投写型映像表示装置。
【請求項10】
回転軸の周りに回転可能な基板
を備えたホイール装置であって、前記基板に複数の第1の光学素子及び複数の第2の光学素子が形成されたホイール装置と、
前記ホイール装置の基板を回転させる駆動装置と、
ソース光を発生する光源素子と、
前記光源素子によって発生されたソース光を、前記第1の光学素子への入射光として導く第1の光学系と、
前記第1の光学素子の出射光を、前記第2の光学素子への入射光として導く第2の光学系とを備え、
前記複数の第1の光学素子は、前記基板において前記回転軸から第1の半径を有する第1の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有
し、
前記複数の第2の光学素子は、前記基板において前記回転軸から前記第1の半径とは異なる第2の半径を有する第2の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有
し、
前記複数の第1の光学素子は、
(1)複数の蛍光体であるか、又は、
(2)少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記複数の第2の光学素子は、
(1)複数のカラーフィルタであるか、又は、
(2)少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせであり、
前記複数の第1の光学素子の各領域は、第1の直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各第1の直線区間は、前記基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第1の交差角度でそれぞれ交差し、
前記複数の第2の光学素子の各領域は、第2の直線区間を含む境界線を介して互いに隣接し、
前記各第2の直線区間は、前記基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第2の交差角度でそれぞれ交差し、
前記第1の直線区間における前記第2の光学素子側の端点と、前記第2の直線区間における前記第1の光学素子側の端点とは、異なる位置になるように構成され
、
前記ホイール装置は、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の第1の光束が入射し、所定の回転位置にある前記ホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記第1の光学系から前記各第1の光学素子への入射光の第1のスポット領域の前記長手方向が複数の前記第1の直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの第1の直線区間が前記第1のスポット領域の前記長手方向と平行になるように、前記第1の光学系に対して配置され、
長手方向と短手方向とを有する矩形状の第2の光束が入射し、所定の回転位置にある前記ホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記第2の光学系から前記各第2の光学素子への入射光の第2のスポット領域の前記長手方向が複数の前記第2の直線区間のうちの2つに重なり、かつ、当該2つの第2の直線区間が前記第2のスポット領域の前記長手方向と平行になるように、前記第2の光学系に対して配置された、
光源装置。
【請求項11】
前記第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータを備え、
前記ホイール装置は、所定の回転位置にある前記ホイール装置の表面を光軸に沿って見たとき、前記ロッドインテグレータから前記
第2の光学素子への入射光のスポット領域が複数の前記直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間が前記ロッドインテグレータの断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、前記ロッドインテグレータに対して配置された、
請求項
10記載の光源装置。
【請求項12】
請求項
10又は11記載の光源装置と、
前記光源装置の第2の光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子とを備えた、
投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、投写型映像表示装置の光源装置に使用される蛍光体又はカラーフィルタなどの光学素子を備えたホイール装置、並びに、そのようなホイール装置を備えた光源装置及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投写型映像表示装置(プロジェクタ)のための光源として、高輝度を有する高圧水銀ランプが使用されてきた。高圧水銀ランプには、瞬時に点灯できないこと、及び、光源の寿命が短いので頻繁なメンテナンスが必要になること、といった課題がある。一方、近年の固体発光素子(例えば、半導体レーザ素子、発光ダイオードなど)に開連した技術の進展に伴い、例えば特許文献1及び2に開示されるように、投写型映像表示装置のための光源素子として固体発光素子を用いることが提案されている。
【0003】
投写型映像表示装置は、例えば、1色の光(「ソース光」という)のみを発生する光源素子と、蛍光体を備えた蛍光体ホイールとを備えてもよい。この場合、投写型映像表示装置は、光源素子により所定の色成分(例えば青色光)を有するソース光を発生し、このソース光を蛍光体ホイールに入射させることにより他の色成分(例えば赤色光及び緑色光など)を含む蛍光を発生させる。次いで、投写型映像表示装置は、蛍光をフィルタリングしてその色成分(赤色光及び緑色光)を取り出し、これにより、赤色光、緑色光、及び青色光など、所望の各色成分を有する照明光を得る。
【0004】
投写型映像表示装置は、照明光をDMD(Digital Mirror Device)などの光変調素子に入射させる。光変調素子は、入力された映像信号に応じて照明光を空間的に変調して映像光を発生する。最後に、投写型映像表示装置は、映像光をスクリーンに投写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-160227号公報
【文献】特開2016-033553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した投写型映像表示装置などにおいて、回転可能な基板に形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の光学素子を備えたホイール装置を使用することがある。複数の光学素子は、ある入射光に応じて互いに異なる波長特性を有する出射光を発生する複数の蛍光体であってもよく、蛍光又は任意の入射光をフィルタリングする複数のカラーフィルタであってもよい。隣接する光学素子の境界(「スポーク」ともいう)の付近に光が入射すると、一方の光学素子の透過光と、他方の光学素子の透過光とが同時に発生し、従って、互いに異なる色成分の透過光が混合する。光変調素子は、予め決められた1つの色成分を有する照明光を変調するので、混合した複数の色成分を含む光は、光変調素子に入射させる照明光としては使用できない。
【0007】
このように、ホイール装置を透過した光の一部は、単一の色成分を有する光としては使用できず無駄になり(本明細書では「スポーク損失」ともいう)、最終的に、映像光の明るさを低減する。従って、映像光の明るさを向上するために、従来技術よりもスポーク損失の影響を低減することが求められる。
【0008】
本開示の目的は、従来技術よりもスポーク損失の影響を低減することができるホイール装置を提供することにある。本開示の目的は、さらに、そのようなホイール装置を備えた光源装置及び投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るホイール装置は、回転軸の周りに回転可能な基板と、基板において回転軸の周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の光学素子とを備える。複数の光学素子の各領域は、直線区間を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の各直線区間は、基板の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差する。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係るホイール装置によれば、従来技術よりもスポーク損失の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。
【
図2】
図1のホイール装置70の構成を示す側面図である。
【
図3】
図1のホイール装置70の構成を示す平面図である。
【
図4】第1の実施形態の第1の変形例に係るホイール装置70Aの構成を示す側面図である。
【
図5】
図4のホイール装置70Aの構成を示す平面図である。
【
図6】第1の実施形態の第1の変形例に係る投写型映像表示装置100Bの構成を示す概略図である。
【
図7】第1の実施形態の第2の変形例に係る投写型映像表示装置100Cの構成を示す概略図である。
【
図8】第1の実施形態の第3の変形例に係る投写型映像表示装置100Dの構成を示す概略図である。
【
図9】
図8のホイール装置70の構成を示す平面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る投写型映像表示装置100Eの構成を示す概略図である。
【
図11】
図10の蛍光体ホイール装置70Eの構成を示す側面図である。
【
図12】
図10の蛍光体ホイール装置70Eの構成を示す平面図である。
【
図13】
図10のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す側面図である。
【
図14】
図10のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す平面図である。
【
図15】第2の実施形態の第1の変形例に係る投写型映像表示装置100Fの構成を示す概略図である。
【
図16】第2の実施形態の第2の変形例に係る投写型映像表示装置100Gの構成を示す概略図である。
【
図17】第2の実施形態の第3の変形例に係る投写型映像表示装置100Hの構成を示す概略図である。
【
図18】
図17のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す平面図である。
【
図19】第3の実施形態に係るホイール装置70Iの構成を示す平面図である。
【
図20】第3の実施形態の変形例に係るホイール装置70Jの構成を示す平面図である。
【
図21】第4の実施形態に係る蛍光体ホイール装置70Kの構成を示す平面図である。
【
図22】第4の実施形態に係るカラーフィルタホイール装置80Kの構成を示す平面図である。
【
図23】第5の実施形態に係る投写型映像表示装置100Lの構成を示す概略図である。
【
図24】
図23のホイール装置70Lの構成を示す側面図である。
【
図25】
図23のホイール装置70Lの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
また、以下、本開示の実施形態に係るホイール装置、光源装置、及び投写型映像表示装置の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれる可能性がある。
【0014】
[第1の実施形態]
以下、
図1~
図9を参照して、第1の実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。
【0015】
(投写型映像表示装置100の概要)
図1は、第1の実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。
図1は、特に、投写型映像表示装置100の光学的な構成を示す。投写型映像表示装置100は、光源装置10、照明光学系11、変調装置12、及び投写光学系13を備える。
【0016】
光源装置10は、主に、所定波長のソース光を発生する光源20と、ソース光により励起された蛍光を発生するホイール装置70とを備える。ホイール装置70には、後述するように、蛍光体が形成されるとともに、蛍光の各色成分を取り出すダイクロイックフィルタが形成されている。これにより、光源装置10は、黄色光、赤色光、緑色光、及び青色光など、所望の各色成分を有する照明光を発生する。
【0017】
照明光学系11は、光源装置10によって発生された照明光を変調装置12に送る。
【0018】
変調装置12は、主に、入力された映像信号に応じて照明光を空間的に変調して映像光を発生する1つの光変調素子41を備える。
【0019】
投写光学系13は、映像光を、投写型映像表示装置100の外部のスクリーン(図示せず)へ拡大して投写する。
【0020】
(光源装置10の構成)
光源装置10は、光源20、コンデンサレンズ30、拡散板60、ホイール装置70、レンズ31及び32、ミラー61及び62、及びレンズ33を備える。
【0021】
光源20は、複数の光源素子21と、各光源素子21から出射されたソース光をほぼ平行な光にそれぞれ集光する複数のコリメータレンズ22とを備える。例示的な実施形態では、光源20は、高輝度の照明光を発生するために、互いに異なる長さの長辺及び短辺を有する矩形形状のアレイ23として配列された複数の光源素子21を備える。各光源素子21は、例えば半導体レーザ素子である。例示的な実施形態では、各光源素子として、RGBの3原色のうちで最も高い発光効率を有する青色のレーザ光(例えば、波長455nm)を発生する半導体レーザ素子を使用する。半導体レーザ素子は固体発光素子の一例である。また、光源20は、各光源素子21を冷却するために、例えば、各光源素子21に接触したヒートシンク(図示せず)を備え、各光源素子21を強制的に空冷する。
【0022】
光源20から出射したソース光は、コンデンサレンズ30によって集光されることで互いに重畳し、拡散板60に入射する。拡散板60は、光源20によって発生されたソース光の干渉性を低減させる。拡散板60を透過したソース光は、ホイール装置70に入射する。
【0023】
ホイール装置70は、入射したソース光によって励起されて、ソース光の波長とは異なる波長を有する蛍光を発生する蛍光体を備える。ホイール装置70はさらに、蛍光体の領域とは別の領域に形成され、入射したソース光を拡散する拡散膜を備える。ホイール装置70はさらに、入射した蛍光を透過し、入射したソース光を反射するダイクロイックフィルタを備える。ホイール装置70はさらに、ダイクロイックフィルタとは別の領域に形成され、入射したソース光を透過する透過窓を備える。ホイール装置70の詳細は後述する。
【0024】
ホイール装置70の蛍光体から出射した蛍光は、レンズ31及び32を含むコリメータレンズ群によりほぼ平行にされ、ミラー61及び62により反射され、レンズ33によって集光され、ホイール装置70のダイクロイックフィルタに入射する。ダイクロイックフィルタに入射した蛍光の各色成分が、ダイクロイックフィルタを透過して取り出される。同様に、ホイール装置70の拡散膜から出射したソース光は、レンズ31及び32によりほぼ平行にされ、ミラー61及び62により反射され、レンズ33によって集光され、ホイール装置70の透過窓を透過する。ダイクロイックフィルタを透過した各色成分の光(例えば、黄色光、赤色光、及び緑色光)及び透過窓を透過したソース光(すなわち青色光)は、光源装置10によって発生された照明光として照明光学系11に進む。光源装置10は、後述するように、照明光の各色成分の光(黄色光、赤色光、緑色光、及び青色光)を時分割で発生する。
【0025】
また、光源20からホイール装置70の蛍光体に入射したソース光の一部は、蛍光に変換されることなく蛍光体を通過し、レンズ31、32、ミラー61、62、及びレンズ33を介してホイール装置70のダイクロイックフィルタに入射する。このソース光は、ダイクロイックフィルタによって反射され、レンズ33、ミラー62、61、レンズ32、31を介してホイール装置70の蛍光体に再び入射する。
【0026】
(照明光学系11の構成)
照明光学系11は、ロッドインテグレータ34、レンズ35、レンズ36、及びレンズ37を備える。光源装置10によって発生された照明光は、ロッドインテグレータ34に入射する。ロッドインテグレータ34は、光源装置10から出射された照明光の強度分布を均一化する。ロッドインテグレータ34は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドであってもよく、又は、内壁がミラー面として構成された中空のロッドであってもよい。ロッドインテグレータ34は四辺形、例えば矩形の断面形状を有する。ロッドインテグレータ34から出射された照明光は、レンズ35、レンズ36、レンズ37を介して、変調装置12に送られる。
【0027】
(変調装置12の構成)
変調装置12は、光変調素子41及びプリズム42を備える。光変調素子41は、映像の各画素に対応する微小素子を配列した四辺形の変調領域を有する。光変調素子41は、例えば、複数の可動式の微小ミラーを有するDMD(Digital Mirror Device)である。プリズム42は、ダイクロイックミラー42aを備える。ダイクロイックミラー42aは、照明光学系11から入射した照明光を全反射して光変調素子41へ導く。光変調素子41は、投写型映像表示装置100の制御回路(図示せず)によって、映像信号に応じて、かつ、照明光のどの色成分の光が入力されているかに応じて制御され、照明光の各色成分の光を時分割で変調する。光変調素子41によって照明光を変調することにより発生した映像光の各色成分の光は、プリズム42を透過して投写光学系13へ送られる。
【0028】
(投写光学系13の構成)
投写光学系13は、1つ又は複数の投写レンズを備え、映像光を、投写型映像表示装置100の外部のスクリーン(図示せず)へ拡大して投写する。
【0029】
(ホイール装置70)
図2及び
図3を参照して、ホイール装置70の構成を説明する。
図2は、
図1のホイール装置70の構成を示す側面図である。
図3は、
図1のホイール装置70の構成を示す平面図である。
図2は、
図1と同じ方向からホイール装置70を見た場合の断面図を示す。
図3は、
図2の右側からホイール装置70を見た場合の平面図を示す。
【0030】
ホイール装置70は、基板71、ダイクロイックフィルタ72、蛍光体73a及び73b、拡散膜73c、駆動装置74、ダイクロイックフィルタ82a~82c、及び透過窓82dを備える。
【0031】
基板71は、透明材料からなり、回転軸74c(後述)の周りに回転可能である。基板71は、例えば円板の形状を有する。基板71は、例えば、高い熱伝導率を有するサファイア基板である。
【0032】
ダイクロイックフィルタ72は、基板71において、回転軸74cから半径r1を有する円周に沿った領域に形成される。ダイクロイックフィルタ72は、ソース光の波長を有する入射光を透過し、ソース光の波長とは異なる波長を有する入射光を反射する。例えば、ダイクロイックフィルタ72は、480nm以下の波長を有する可視域の入射光を透過し、480nmより長い波長を有する可視域の入射光を反射する。これにより、ダイクロイックフィルタ72は、光源20から入射したソース光を透過し、また、ソース光で蛍光体73a及び73bを励起することにより発生した蛍光を反射する。
【0033】
ホイール装置70は、基板71において回転軸74cから第1の半径r1を有する第1の円周の上に形成された少なくとも1つの第1の光学素子を備える。第1の光学素子は少なくとも1つの蛍光体を含む。
図2及び
図3の例では、第1の光学素子は、蛍光体73a及び73bと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である拡散膜73cとの組み合わせである。
【0034】
蛍光体73a及び73bは、基板71において、回転軸74cから半径r1を有する円周に沿った領域のうち、回転軸74cからみて所定の角度幅を有する領域にそれぞれ形成される。蛍光体73a及び73bは、ソース光の波長を有する入射光によって励起されて、ソース光の波長とは異なる波長を有する蛍光をそれぞれ発生する。
【0035】
拡散膜73cは、基板71において、回転軸74cから半径r1を有する円周に沿った領域のうち、蛍光体73a及び73bの領域とは別の領域に形成され、入射光を拡散する拡散材料を含む。
【0036】
図1に示すように、拡散板60の後段にホイール装置70が配置され、ホイール装置70の後段にはレンズ31が配置され、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの出射光はレンズ31に入射する。この光の光軸は、
図2及び
図3に示すように、ホイール装置70において、回転軸74cから半径r1を有する円周を通る。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、回転軸74cから半径r1を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。
【0037】
蛍光体によって発生された蛍光は、それ自体、空間的に拡散されている(すなわち、蛍光体から放射状に出射する)。従って、照明光の各色成分のうち、蛍光から抽出された各色成分の光(例えば、黄色光、赤色光、及び緑色光など;「蛍光成分光」という)もまた、空間的に拡散されて均一な強度分布を有する。一方、固体発光素子によって発生されたソース光は、細い光束を有する。従って、照明光の各色成分のうち、蛍光から抽出されたものではない色成分の光(例えば青色光;「非蛍光成分光」という)が、特定の領域に集中した空間的に不均一な強度分布を有するおそれがある。照明光のいずれかの色成分の光が空間的に不均一な強度分布を有する場合、映像光にムラが生じることになる。従って、ホイール装置70の前段に拡散板60を設けるとともに、ホイール装置70に拡散膜73cを設けることで、非蛍光成分光の空間的な強度分布を、蛍光成分光の空間的な強度分布に合わせて均一化する。これにより、映像光のムラを低減することができる。
【0038】
蛍光体73a,73b及び拡散膜73cは、例えば、
図2に示すように、ダイクロイックフィルタ72の上に形成される。また、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cは、基板71において、
図2及び
図3に示すようにダイクロイックフィルタ72と同じ側に形成されてもよく、逆の側に形成されてもよい。
【0039】
ホイール装置70は、基板71において回転軸74cから第1の半径r1とは異なる第2の半径r2を有する第2の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第2の光学素子を備える。複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるか、又は、少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
図2及び
図3の例では、複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるダイクロイックフィルタ82a~82cと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である透過窓82dとの組み合わせである。
【0040】
ダイクロイックフィルタ82a~82cは、基板71において、回転軸74cから半径r1より小さい半径r2を有する円周に沿った互いに異なる複数の領域であって、回転軸74cからみて所定の角度幅をそれぞれ有する複数の領域に形成される。ダイクロイックフィルタ82a~82cは、互いに異なる波長特性をそれぞれ有し、蛍光の所定の色成分の光の波長を有する入射光を透過し、ソース光の波長を有する入射光を反射する。尚、ダイクロイックフィルタ82a~82cのこのような波長特性は、光の波長を選択し透過または反射することから波長選択特性と呼ばれる。これにより、ダイクロイックフィルタ82a~82cは、蛍光体73a及び73bで発生した蛍光の所定の色成分の光を透過し、また、光源20からホイール装置70の蛍光体73a及び73bに入射し、蛍光に変換されることなく蛍光体73a及び73bを通過したソース光を反射する。
【0041】
透過窓82dは、基板71において、半径r2を有する円周に沿った領域のうち、ダイクロイックフィルタ82a~82cとは別の領域に形成され、入射光を透過する。
【0042】
図1に示すように、レンズ33の後段にホイール装置70が配置され、ホイール装置70の後段にはロッドインテグレータ34が配置され、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの出射光はロッドインテグレータ34に入射する。この光の光軸は、
図2及び
図3に示すように、ホイール装置70において、回転軸74cから半径r2を有する円周を通る。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、回転軸74cから半径r2を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、直線区間L1~L4を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の各直線区間L1~L4は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。
【0043】
ホイール装置70の前段の光学系(レンズ31~33及びミラー61,62)からダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する光は、
図3に示すように、スポット領域A1を形成する。
【0044】
駆動装置74は、投写型映像表示装置100の制御回路(図示せず)の制御下で、基板71を回転軸74cの周りに回転させる。駆動装置74は、モータ74a、取り付け具74b、及び回転軸74cを備える。基板71は、取り付け具74bを介してモータ74aに取り付けられる。取り付け具74bは、例えば、基板71をハブ及び抑え部材で挟み込み、基板71のネジ穴74dを介してネジで固定する。
【0045】
(蛍光体73a,73b及び拡散膜73c)
蛍光体73aは、回転軸74cからみて所定の角度幅を有する領域に塗布され、約455nmの波長を有する青色光によって励起され、例えば、約570nmの主波長を有する黄色光を含む黄色蛍光を発生する。蛍光体73bは、蛍光体73aの領域とは別の領域であって、回転軸74cからみて所定の角度幅を有する領域に塗布され、約455nmの波長を有する青色光によって励起され、例えば、約550nmの主波長を有する緑色光を含む緑色蛍光を発生する。蛍光体73aは、黄色蛍光を発生する黄色蛍光体と、バインダとの混合物で構成される。蛍光体73bは、緑色蛍光を発生する緑色蛍光体と、バインダとの混合物で構成される。黄色蛍光体は、例えばY3Al5O12:Ce3+である。緑色蛍光体は、例えばLu3Al5O12:Ce3+である。バインダは、透明材料、例えばシリコーン樹脂からなる。蛍光体73a及び73bの厚さ及び濃度は、入射するソース光のうち、所望の割合の光を透過するように調整される。
【0046】
拡散膜73cには、所定の屈折率を有する透明材料からなるバインダと、バインダの屈折率とは異なる屈折率を有する拡散材料との混合物が、回転軸74cからみて所定の角度幅を有する領域に塗布されている。バインダは、例えばシリコーン樹脂からなる。拡散材料は、例えばガラスビーズである。また、拡散膜73cの厚さ、拡散材料の屈折率及び濃度は、入射するソース光を所望の角度で拡散するように調整される。
【0047】
光源20によって発生されたソース光は、ホイール装置70に対して
図2の左側の面から入射し、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cに入射する。駆動装置74は、映像の1フレーム(例えば、1/60秒)に相当する時間で基板71を1回転させる。すなわち、光源210からホイール装置70に入射したソース光は、1フレームに相当する時間で、順に、蛍光体73aに入射し、蛍光体73bに入射し、拡散膜73cに入射する。
【0048】
蛍光体73aは、入射したソース光により励起され、黄色蛍光を等方的に発生する。蛍光体73bは、入射したソース光により励起され、緑色蛍光を等方的に発生する。蛍光体により発生した黄色蛍光及び緑色蛍光のうち、
図2の左向き(光源20からホイール装置70に入射したソース光の進行方向(右向き)とは逆の向き)に発生した部分は、ダイクロイックフィルタ72によって反射される。従って、
図2の左向きに発生した蛍光は、
図2の右向きに発生した蛍光とともに、ホイール装置70の右側の面から出射する。拡散膜73cに入射したソース光は、拡散材料により拡散され、ホイール装置70の右側の面から出射する。
【0049】
このように発生された黄色蛍光、緑色蛍光、及び拡散されたソース光は、レンズ31及び32、ミラー61及び62、及びレンズ33を含む光学系を介して、ホイール装置70のダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する。
【0050】
(ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82d)
ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82は、例えば
図3に示すように、回転軸74cの周りにそれぞれ形成される。ダイクロイックフィルタ82a及び82cは、例えば、480nmより長い波長を有する可視域の入射光を透過し、480nm以下の波長を有する可視域の入射光を反射する。ダイクロイックフィルタ82bは、例えば、600nmより長い波長を有する可視域の入射光を透過し、600nm以下の波長を有する可視域の入射光を反射する。透過窓82dは、拡散膜73cにより拡散されたソース光を透過する。透過窓82dは、透明材料からなる基板71において、例えば、ダイクロイックフィルタを形成せず、基板71自体を露出させた領域として形成される。透過窓82dは、基板71に形成された反射防止膜を有してもよい。
【0051】
ホイール装置70と、レンズ31及び32、ミラー61及び62、及びレンズ33を含む光学系とは、蛍光体73aによって発生した黄色蛍光が、ダイクロイックフィルタ82a及び82bに入射するように構成される。同様に、ホイール装置70及び関連付けられた光学系は、蛍光体73bによって発生した緑色蛍光が、ダイクロイックフィルタ82cに入射するように構成される。同様に、ホイール装置70及び関連付けられた光学系は、拡散膜73cの拡散材料によって拡散されたソース光が、透過窓82dに入射するように構成される。よって、ダイクロイックフィルタ82a及び82bの角度幅の和は、蛍光体73aの領域の角度幅に等しくなるように設定される。また、ダイクロイックフィルタ82cの角度幅は、蛍光体73bの領域の角度幅に等しくなるように設定される。また、透過窓82dの角度幅は、拡散膜73cの領域の角度幅に等しくなるように設定される。
【0052】
蛍光体73aからの黄色蛍光がダイクロイックフィルタ82aに入射するとき、ダイクロイックフィルタ82aは、480nmより長い波長を有する光を透過し、480nm以下の波長を有する光を反射するので、光源装置10は照明光として黄色光を出射する。一方、蛍光体73aからの黄色蛍光がダイクロイックフィルタ82bに入射するとき、ダイクロイックフィルタ82bは、600nmより長い波長を有する光を透過し、600nm以下の波長を有する光を反射するので、光源装置10は照明光として赤色光を出射する。また、蛍光体73bからの緑色蛍光がダイクロイックフィルタ82cに入射するとき、ダイクロイックフィルタ82cは、480nmより長い波長を有する光を透過し、480nm以下の波長を有する光を反射するので、光源装置10は照明光として緑色光を出射する。また、拡散膜73cからの拡散されたソース光(青色光)が透過窓82dに入射するとき、透過窓82dは青色光を透過し、光源装置10は照明光として青色光を出射する。
【0053】
(スポーク損失の低減)
黄色蛍光、緑色蛍光、及び拡散されたソース光が、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線(スポーク)の付近に入射するとき、前述のように、互いに異なる色成分の透過光が混合し、スポーク損失が生じる。次に、本実施形態に係るホイール装置70によるスポーク損失の低減について説明する。
【0054】
前述のように、複数の光源素子21が、互いに異なる長さの長辺及び短辺を有する矩形形状のアレイ23として配列される場合、スポット領域A1もまた矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状を有する。スポーク損失の影響を低減するために、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、基板71が回転するときに、スポークがスポット領域A1の上を通過する時間を短縮又は最短化するように形成される。このため、ホイール装置70は、所定の回転位置にあるホイール装置70の表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A1が複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なり、かつ、この直線区間がスポット領域A1の長手方向と平行になるように、ホイール装置70の前段の光学系に対して配置される。
図3の例は、スポット領域A1のエッジが直線区間L2に重なるとき、直線区間L2がスポット領域A1の長手方向と平行になる場合を示す。このようにホイール装置70及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0055】
ホイール装置70は、スポット領域A1が他の位置(例えば中心など)において複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なるとき、この直線区間がスポット領域A1の長手方向と平行になるように、ホイール装置70の前段の光学系に対して配置されてもよい。
【0056】
スポット領域A1は、矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状に限らず、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)のであれば、楕円形など、他の形状を有してもよい。
【0057】
前述のように、各境界線の各直線区間L1~L4は、基板71の半径に沿った各直線に対して互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。従って、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線のうち、スポット領域A1がどの境界線の上を通過するときであっても、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0058】
(第1の実施形態の効果)
本実施形態に係るホイール装置70によれば、
図2及び
図3に示すように、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、ホイール装置70及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。これにより、本実施形態に係るホイール装置70を備えた光源装置10及び投写型映像表示装置100は、従来技術よりも映像光の明るさを向上することができる。
【0059】
投写型映像表示装置100の筐体の寸法が制限されている場合、ホイール装置70及びその前段の光学系の配置は制約を受ける可能性がある。このような場合であっても、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を適切に形成することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。従って、ホイール装置70及びその前段の光学系の配置の自由度が向上し、小型の投写型映像表示装置100を実現することができる。
【0060】
(第1の実施形態の第1の変形例)
図4は、第1の実施形態の第1の変形例に係るホイール装置70Aの構成を示す側面図である。
図5は、
図4のホイール装置70Aの構成を示す平面図である。
図2及び
図3の例では、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dは、基板71において、ダイクロイックフィルタ72、蛍光体73a,73b、及び拡散膜73cよりも内側に形成されている。それに代わって、
図4及び
図5に示すように、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dは、基板71において、ダイクロイックフィルタ72、蛍光体73a,73b、及び拡散膜73cよりも外側に形成されてもよい。
図4及び
図5の例では、ダイクロイックフィルタ72、蛍光体73a,73b、及び拡散膜73cは、基板71において、回転軸74cから半径r1Aを有する円周に沿った領域に形成される。また、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dは、基板71において、回転軸74cから半径r1Aより大きい半径r2Aを有する円周に沿った領域に形成される。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dを透過してロッドインテグレータ34に入射する光の光軸は、ホイール装置70Aにおいて、回転軸74cから半径r2Aを有する円周を通る。ホイール装置70Aの前段の光学系からダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する光は、
図5に示すように、スポット領域A2を形成する。
【0061】
図4及び
図5のホイール装置70Aもまた、
図2及び
図3のホイール装置70と同様に、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0062】
(第1の実施形態の第2の変形例)
図6は、第1の実施形態の第1の変形例に係る投写型映像表示装置100Bの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Bは、
図1の照明光学系11に代えて、照明光学系11Bを備える。
【0063】
照明光学系11Bは、
図1のロッドインテグレータ34に代えて、レンズ35,36の間にフライアイレンズ38を備える。レンズ35は、ホイール装置70を透過した光をほぼ平行にする。フライアイレンズ38は、複数の微小なレンズからなるアレイであり、ロッドインテグレータ34と同様に、光源装置10から出射された照明光の強度分布を均一化する。フライアイレンズ38から出射された照明光は、レンズ36及び37を介して、変調装置12に送られる。
【0064】
図6の投写型映像表示装置100Bもまた、
図1の投写型映像表示装置100と同様に、ホイール装置70によるスポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0065】
(第1の実施形態の第3の変形例)
図7は、第1の実施形態の第2の変形例に係る投写型映像表示装置100Cの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Cは、
図1の光源装置10及び照明光学系11に代えて、光源装置10C及び照明光学系11Cを備える。
【0066】
光源装置10Cは、
図1の光源装置10の各構成要素に加えて、レンズ32,33の間にフライアイレンズ38を備える。照明光学系11Cは、
図1の照明光学系11のレンズ35~37のみを備える。
【0067】
図7に示すようにホイール装置70の前段にフライアイレンズ38が配置されても、ホイール装置70への入射光のスポット領域は、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)ことがある。従って、
図7の投写型映像表示装置100Bもまた、
図1の投写型映像表示装置100と同様に、ホイール装置70によるスポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0068】
(第1の実施形態の第4の変形例)
図8は、第1の実施形態の第3の変形例に係る投写型映像表示装置100Dの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Dは、
図7の光源装置10Cに代えて、光源装置10Dを備える。
【0069】
光源装置10Dは、
図7の光源装置10Cのフライアイレンズ38に代えて、レンズ33及びホイール装置70の間にロッドインテグレータ34を備える。
【0070】
図9は、
図8のホイール装置70の構成を示す平面図である。
図9のホイール装置70は、
図1のホイール装置70と同様に構成される。ただし、ロッドインテグレータ34からホイール装置70のダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する光は、
図9に示すように、スポット領域A3を形成する。スポット領域A3の輪郭は、ロッドインテグレータ34の断面の輪郭と同じ形状を有する。
【0071】
ホイール装置70は、所定の回転位置にあるホイール装置70の表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A3が複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なり、かつ、1つの直線区間L1~L4がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置される。
図9の例は、スポット領域A3の一辺が直線区間L2に重なるとき、直線区間L2がスポット領域A3の長手方向と平行になる場合を示す。このようにホイール装置70及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0072】
ロッドインテグレータ34の断面は、矩形以外の形状を有してもよい。ロッドインテグレータ34の断面形状は、例えば、光変調素子41の表面を光軸に沿って見たときの光変調素子41の輪郭形状に相似であってもよい。照明光が光変調素子41の表面に対してほぼ垂直に入射する場合、ロッドインテグレータ34の断面は矩形形状を有してもよい。また、照明光が光変調素子41の表面に対して斜めに入射する場合、ロッドインテグレータ34の断面は、平行四辺形、台形、又は他の四辺形の形状を有してもよい。ロッドインテグレータ34の断面がどのような形状を有する場合であっても、所定の回転位置にあるホイール装置70の表面を光軸に沿って見たとき、1つの境界線の直線区間L1~L4が、ロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行でありかつ互いに重なるように、ロッドインテグレータ34をホイール装置70に対して配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0073】
(第1の実施形態のまとめ)
本明細書において、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cを「第1の光学素子」ともいい、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dを「第2の光学素子」ともいう。
【0074】
また、本明細書において、光源素子21によって発生されたソース光を蛍光体73a,73b及び拡散膜73c(第1の光学素子)への入射光として導くコリメータレンズ22、コンデンサレンズ30、及び拡散板60を、「第1の光学系」ともいう。また、本明細書において、蛍光体73a,73b及び拡散膜73c(第1の光学素子)の出射光を、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82d(第2の光学素子)への入射光として導くレンズ31~33及びミラー61,62を、「第2の光学系」ともいう。
図7及び
図8に示すように、第2の光学系は、フライアイレンズ38又はロッドインテグレータ34を備えてもよい。
【0075】
第1の実施形態に係るホイール装置、光源装置、及び投写型映像表示装置は、以下の構成を備える。
【0076】
第1の実施形態に係るホイール装置によれば、ホイール装置70,70Aは、回転軸74cの周りに回転可能な基板71と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1を有する第1の円周の上に形成された少なくとも1つの第1の光学素子と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1とは異なる第2の半径r2を有する第2の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第2の光学素子とを備える。第1の光学素子は少なくとも1つの蛍光体73a及び73bを含む。複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるか、又は、少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。複数の第2の光学素子の各領域は、直線区間L1~L4,L11~L14を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の直線区間L1~L4,L11~L14は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。
【0077】
これにより、上述のようにダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、上述のようにホイール装置70及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。また、これにより、蛍光体及びカラーフィルタの両方を備えるホイール装置を提供することができる。
【0078】
第1の実施形態に係る光源装置によれば、光源装置10,10Cは、ホイール装置70,70Aと、ホイール装置70,70Aの基板71を回転させる駆動装置74と、ソース光を発生する光源素子21と、第1の光学系と、第2の光学系とを備える。
【0079】
これにより、ホイール装置70,70Aを備えた光源装置10,10Cにおいて、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0080】
第1の実施形態に係る光源装置によれば、ホイール装置70,70Aは、所定の回転位置にあるホイール装置70,70Aの表面を光軸に沿って見たとき、第2の光学系から各第2の光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L1~L4,L11~L14のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L1~L4,L11~L14がスポット領域の長手方向と平行になるように、第2の光学系に対して配置されてもよい。
【0081】
これにより、上述のようにホイール装置70及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0082】
第1の実施形態に係る光源装置によれば、第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータ34を備えてもよい。ホイール装置70,70Aは、所定の回転位置にあるホイール装置70,70Aの表面を光軸に沿って見たとき、ロッドインテグレータ34から光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L1~L4,L11~L14のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L1~L4,L11~L14がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置される。
【0083】
これにより、上述のようにホイール装置70及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0084】
第1の実施形態に係る投写型映像表示装置によれば、投写型映像表示装置100、100B~100Dは、光源装置10、10B、又は10Cと、光源装置の第2の光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子41とを備える。
【0085】
これにより、ホイール装置70を備えた投写型映像表示装置100、100B~100Dにおいて、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0086】
[第2の実施形態]
以下、
図10~
図18を参照して、第2の実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。以下では、主に、第1の実施形態に係る投写型映像表示装置との相違点について説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な重複説明を省略する。
【0087】
(投写型映像表示装置100Eの概要)
図10は、第2の実施形態に係る投写型映像表示装置100Eの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Eは、
図1の光源装置10に代えて、光源装置10Eを備える。光源装置10Eは、
図1のホイール装置70に代えて、蛍光体ホイール装置70E及びカラーフィルタホイール装置80を備える。
【0088】
第1の実施形態は、1つのホイール装置70に蛍光体73a及び73bが形成されるとともに、蛍光の各色成分を取り出すダイクロイックフィルタ82a~82cが形成される場合を示し、これは、光学系を小型化するために有効な構成である。一方、第2の実施形態では、蛍光体を形成した蛍光体ホイール装置70Eとは別に、蛍光の各色成分を取り出すダイクロイックフィルタを形成したカラーフィルタホイール装置80を設ける場合を示す。
【0089】
(光源装置10Eの構成)
光源装置10Eは、光源20、コンデンサレンズ30、拡散板60、蛍光体ホイール装置70E、レンズ31、レンズ32、レンズ33、カラーフィルタホイール装置80を備える。
【0090】
光源20から出射したソース光は、コンデンサレンズ30及び拡散板60を介して、蛍光体ホイール装置70Eに入射する。
【0091】
蛍光体ホイール装置70Eは、入射したソース光によって励起されて、ソース光の波長とは異なる波長を有する蛍光を発生する蛍光体を備える。蛍光体ホイール装置70Eはさらに、蛍光体の領域とは別の領域に形成され、入射したソース光を拡散する拡散膜を備える。蛍光体ホイール装置70Eの詳細は後述する。
【0092】
蛍光体ホイール装置70Eの蛍光体から出射した蛍光は、レンズ31及び32、ミラー61及び62、レンズ33を介して、カラーフィルタホイール装置80に入射する。同様に、蛍光体ホイール装置70Eの拡散膜から出射したソース光は、レンズ31及び32、ミラー61及び62、レンズ33を介して、カラーフィルタホイール装置80に入射する。
【0093】
カラーフィルタホイール装置80は、入射した蛍光を透過し、入射したソース光を反射するダイクロイックフィルタを備える。カラーフィルタホイール装置80はさらに、ダイクロイックフィルタとは別の領域に形成され、入射したソース光を透過する透過窓を備える。カラーフィルタホイール装置80の詳細は後述する。
【0094】
カラーフィルタホイール装置80のダイクロイックフィルタに入射した蛍光の各色成分が、ダイクロイックフィルタを透過して取り出される。蛍光体ホイール装置70Eの拡散膜から出射してカラーフィルタホイール装置80に入射したソース光は、カラーフィルタホイール装置80の透過窓を透過する。ダイクロイックフィルタを透過した各色成分の光(例えば、黄色光、赤色光、及び緑色光)及び透過窓を透過したソース光(すなわち青色光)は、光源装置10Eによって発生された照明光として照明光学系11に進む。
【0095】
図10の照明光学系11、変調装置12、及び投写光学系13は、
図1の対応する構成要素と同様に構成され、同様に動作する。
【0096】
(蛍光体ホイール装置70Eの構成)
図11及び
図12を参照して、蛍光体ホイール装置70Eの構成を説明する。
図11は、
図10の蛍光体ホイール装置70Eの構成を示す側面図である。
図12は、
図10の蛍光体ホイール装置70Eの構成を示す平面図である。
図11は、
図10と同じ方向から蛍光体ホイール装置70Eを見た場合の断面図を示す。
図12は、
図10の左側から蛍光体ホイール装置70Eを見た場合の平面図を示す。
【0097】
蛍光体ホイール装置70Eは、基板71、ダイクロイックフィルタ72、蛍光体73a及び73b、拡散膜73c、及び駆動装置74を備える。
【0098】
蛍光体ホイール装置70Eは、基板71において回転軸74cから半径r3を有する円周の上に形成された少なくとも1つの第1の光学素子を備える。第1の光学素子は少なくとも1つの蛍光体を含む。
図2及び
図3の例では、第1の光学素子は、蛍光体73a及び73bと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である拡散膜73cとの組み合わせである。
【0099】
蛍光体ホイール装置70Eは、
図2及び
図3のホイール装置70からダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dを除去した構成を有する。
【0100】
図10に示すように、拡散板60の後段に蛍光体ホイール装置70Eが配置され、蛍光体ホイール装置70Eの後段にはレンズ31が配置され、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの出射光はレンズ31に入射する。この光の光軸は、
図11及び
図12に示すように、蛍光体ホイール装置70Eにおいて、回転軸74cから半径r3を有する円周を通る。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、回転軸74cから半径r3を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。
【0101】
(カラーフィルタホイール装置80)
図13及び
図14を参照して、カラーフィルタホイール装置80の構成を説明する。
図13は、
図10のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す側面図である。
図14は、
図10のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す平面図である。
図13は、
図10と同じ方向からカラーフィルタホイール装置80を見た場合の断面図を示す。
図14は、
図10の右側からカラーフィルタホイール装置80を見た場合の平面図を示す。
【0102】
カラーフィルタホイール装置80は、基板81、ダイクロイックフィルタ82a~82c、透過窓82d、反射防止膜83、及び駆動装置84を備える。
【0103】
ホイール装置70は、基板71において回転軸74cから半径r4を有する円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第2の光学素子を備える。複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるか、又は、少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
図13及び
図14の例では、複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるダイクロイックフィルタ82a~82cと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である透過窓82dとの組み合わせである。
【0104】
基板81は、透明材料からなり、回転軸84c(後述)の周りに回転可能である。基板81は、例えば円板の形状を有する。基板81は、例えば、可視光の全帯域にわたって高い透過性を有するガラス基板である。
【0105】
ダイクロイックフィルタ82a~82cは、基板81において、回転軸84cの周りの互いに異なる複数の領域に形成される。ダイクロイックフィルタ82a~82cは、蛍光の所定の色成分の光の波長を有する入射光を透過し、ソース光の波長を有する入射光を反射する。これにより、ダイクロイックフィルタ82a~82cは、蛍光体73a及び73bで発生した蛍光の所定の色成分の光を透過し、また、光源20からホイール装置70の蛍光体73a及び73bに入射し、蛍光に変換されることなく蛍光体73a及び73bを通過したソース光を反射する。
【0106】
透過窓82dは、基板81において、ダイクロイックフィルタ82a~82cとは別の領域に形成され、入射光を透過する。
【0107】
図10に示すように、レンズ33の後段にホイール装置70が配置され、カラーフィルタホイール装置80の後段にはロッドインテグレータ34が配置され、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの出射光はロッドインテグレータ34に入射する。この光の光軸は、
図13及び
図14に示すように、カラーフィルタホイール装置80において、回転軸84cから半径r4を有する円周を通る。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、回転軸84cから半径r4を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、直線区間L21~L24を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の各直線区間L21~L24は、
図3の場合と同様に、基板81の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。
【0108】
カラーフィルタホイール装置80の前段の光学系(レンズ31~33)からダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する光は、
図14に示すように、スポット領域A4を形成する。
【0109】
カラーフィルタホイール装置80のダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dは、実質的に、
図2及び
図3の対応する構成要素と同様に構成される。
【0110】
反射防止膜83は、ダイクロイックフィルタ82a~82cを透過した各色成分の光及び透過窓82dを透過したソース光を透過して、カラーフィルタホイール装置80から出射させる。カラーフィルタホイール装置80において、反射防止膜83は、ダイクロイックフィルタ82a~82cとは逆の側の面に形成される。例えば、カラーフィルタホイール装置80において、蛍光体ホイール装置70Eから蛍光及びソース光が入射する側の面(すなわち、
図13の右側の面)にダイクロイックフィルタ82a~82cを形成し、ダイクロイックフィルタ82a~82cを透過した各色成分の光及び透過窓82dを透過したソース光が出射する面(すなわち、
図13の左側の面)に反射防止膜83を形成してもよい。
【0111】
駆動装置84は、投写型映像表示装置100Eの制御回路(図示せず)の制御下で、基板81を回転軸84cの周りに回転させる。駆動装置84は、モータ84a、取り付け具84b、及び回転軸84cを備える。基板81は、取り付け具84bを介してモータ84aに取り付けられる。取り付け具84bは、例えば、基板81をハブ及び抑え部材で挟み込み、基板81のネジ穴84dを介してネジで固定する。
【0112】
光源装置10Eは、蛍光体73aによって発生した黄色蛍光がダイクロイックフィルタ82a及び82bに入射し、かつ、蛍光体73bによって発生した緑色蛍光がダイクロイックフィルタ82cに入射し、かつ、拡散膜73cの拡散材料によって拡散されたソース光が透過窓82dに入射するように構成される。このため、第1の実施形態と同様に、ダイクロイックフィルタ82a及び82bの角度幅の和は、蛍光体73aの領域の角度幅に等しくなるように設定される。また、ダイクロイックフィルタ82cの角度幅は、蛍光体73bの領域の角度幅に等しくなるように設定される。また、透過窓82dの角度幅は、拡散膜73cの領域の角度幅に等しくなるように設定される。さらに、蛍光体ホイール装置70E及びカラーフィルタホイール装置80は、互いに予め決められた位相差を有して、互いに同じ回転数で同期して回転される。
【0113】
(スポーク損失の低減)
スポーク損失の影響を低減するために、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、基板81が回転するときに、スポークがスポット領域A4の上を通過する時間を短縮又は最短化するように形成される。このため、カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A4が複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なり、かつ、この直線区間がスポット領域の長手方向と平行になるように、カラーフィルタホイール装置80の前段の光学系に対して配置される。
図10の例は、スポット領域A4のエッジが直線区間L2に重なるとき、直線区間L2がスポット領域A4の長手方向と平行になる場合を示す。このようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0114】
カラーフィルタホイール装置80は、スポット領域A4が他の位置(例えば中心など)において複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なるとき、この直線区間がスポット領域A4の長手方向と平行になるように、カラーフィルタホイール装置80の前段の光学系に対して配置されてもよい。
【0115】
スポット領域A4は、矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状に限らず、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)のであれば、楕円形など、他の形状を有してもよい。
【0116】
前述のように、各境界線の各直線区間L21~L24は、基板81の半径に沿った各直線に対して互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。従って、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線のうち、スポット領域A4がどの境界線の上を通過するときであっても、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0117】
(第2の実施形態の効果)
本実施形態に係るカラーフィルタホイール装置80によれば、
図13及び
図14に示すように、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、カラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。これにより、本実施形態に係るカラーフィルタホイール装置80を備えた光源装置10E及び投写型映像表示装置100Eは、従来技術よりも映像光の明るさを向上することができる。
【0118】
カラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系の配置が制約を受ける場合であっても、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を適切に形成することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。従って、カラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系の配置の自由度が向上し、小型の投写型映像表示装置100Eを実現することができる。
【0119】
(第2の実施形態の第1の変形例)
図15は、第2の実施形態の第1の変形例に係る投写型映像表示装置100Fの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Fは、
図10の照明光学系11に代えて、照明光学系11Bを備える。
図15の照明光学系11Bは、
図6の照明光学系11Bと同様に構成される。
図15の投写型映像表示装置100Fもまた、
図10の投写型映像表示装置100Eと同様に、カラーフィルタホイール装置80によるスポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0120】
(第2の実施形態の第2の変形例)
図16は、第2の実施形態の第2の変形例に係る投写型映像表示装置100Gの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Gは、
図10の光源装置10E及び照明光学系11に代えて、光源装置10G及び照明光学系11Cを備える。光源装置10Gは、
図10の光源装置10Eの各構成要素に加えて、レンズ32,33の間にフライアイレンズ38を備える。
図16の照明光学系11Cは、
図7の照明光学系11Cと同様に構成される。
図16の投写型映像表示装置100Gもまた、
図10の投写型映像表示装置100Eと同様に、カラーフィルタホイール装置80によるスポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0121】
(第2の実施形態の第3の変形例)
図17は、第2の実施形態の第3の変形例に係る投写型映像表示装置100Hの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Hは、
図16の光源装置10Gに代えて、光源装置10Hを備える。
【0122】
光源装置10Hは、
図16の光源装置10Gのフライアイレンズ38に代えて、レンズ33及びカラーフィルタホイール装置80の間にロッドインテグレータ34を備える。
【0123】
図18は、
図17のカラーフィルタホイール装置80の構成を示す平面図である。
図18のカラーフィルタホイール装置80は、
図10のカラーフィルタホイール装置80と同様に構成される。ただし、ロッドインテグレータ34からカラーフィルタホイール装置80のダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dに入射する光は、
図18に示すように、スポット領域A5を形成する。スポット領域A5の輪郭は、ロッドインテグレータ34の断面の輪郭と同じ形状を有する。
【0124】
カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A5が複数の直線区間L1~L4のうちの1つに重なり、かつ、1つの直線区間L1~L4がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置される。
図18の例は、スポット領域A5の一辺が直線区間L2に重なるとき、直線区間L2がスポット領域A5の長手方向と平行になる場合を示す。このようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0125】
(第2の実施形態のまとめ)
第2の実施形態において、蛍光体ホイール装置70Eを「第1のホイール装置」ともいい、カラーフィルタホイール装置80を「第2のホイール装置」又は単に「ホイール装置」ともいう。
【0126】
第2の実施形態に係るホイール装置、光源装置、及び投写型映像表示装置は、以下の構成を備える。
【0127】
第2の実施形態に係るホイール装置によれば、カラーフィルタホイール装置80は、回転軸84cの周りに回転可能な基板81と、基板81において回転軸84cの周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の光学素子とを備える。複数の光学素子の各領域は、直線区間L21~L24を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の各直線区間L21~L24は、基板81の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ1でそれぞれ交差する。複数の光学素子は、複数のカラーフィルタであるか、又は、少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
【0128】
これにより、上述のようにダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、上述のようにカラーフィルタホイール装置80及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0129】
第2の実施形態に係る光源装置によれば、光源装置10E,10G,10Hは、蛍光体ホイール装置70Eと、駆動装置74と、カラーフィルタホイール装置80と、駆動装置84と、ソース光を発生する光源素子21と、第1の光学系と、第2の光学系とを備える。蛍光体ホイール装置70Eは、回転軸74cの周りに回転可能な基板71を備え、基板71に少なくとも1つの第1の光学素子が形成される。第1の光学素子は少なくとも1つの蛍光体を含む。駆動装置74は蛍光体ホイール装置70Eの基板71を回転させる。駆動装置84はカラーフィルタホイール装置80の基板81を回転させる。
【0130】
これにより、カラーフィルタホイール装置80を備えた光源装置10E,10G,10Hにおいて、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0131】
第2の実施形態に係る光源装置によれば、カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、第2の光学系からカラーフィルタホイール装置80の光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L21~L24のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L21~L24がスポット領域の長手方向と平行になるように、第2の光学系に対して配置されてもよい。
【0132】
これにより、上述のようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0133】
第2の実施形態に係る光源装置によれば、第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータ34を備えてもよい。カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、ロッドインテグレータ34からカラーフィルタホイール装置80の光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L21~L24のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L21~L24がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置されてもよい。
【0134】
これにより、上述のようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0135】
第2の実施形態に係る投写型映像表示装置によれば、投写型映像表示装置100E~100Gは、光源装置10E,10G,10Hと、光源装置10E,10G,10Hのカラーフィルタホイール装置80の光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子41とを備える。
【0136】
これにより、カラーフィルタホイール装置80を備えた投写型映像表示装置100E~100Gにおいて、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0137】
[第3の実施形態]
以下、
図19及び
図20を参照して、第3の実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。以下では、主に、第1の実施形態に係る投写型映像表示装置との相違点について説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な重複説明を省略する。
【0138】
(投写型映像表示装置の概要)
図19は、第3の実施形態に係るホイール装置70Iの構成を示す平面図である。第3の実施形態に係る投写型映像表示装置は、
図1のホイール装置70に代えて、ホイール装置70Iを備える。
【0139】
第1の実施形態では、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82d(第2の光学素子)の各領域の境界線において生じるスポーク損失の影響を低減又は最小化することを目的としている。一方、第3の実施形態では、代替又は追加として、蛍光体73a,73b及び拡散膜73c(第1の光学素子)の各領域の境界線において生じるスポーク損失の影響を低減又は最小化することを目的とする。
【0140】
(ホイール装置70Iの構成)
図19のホイール装置70Iは、基板71、ダイクロイックフィルタ72(図示せず)、蛍光体73a及び73b、拡散膜73c、駆動装置74、ダイクロイックフィルタ82a~82c、及び透過窓82dを備える。
【0141】
ホイール装置70Iは、基板71において回転軸74cから第1の半径r1を有する第1の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第1の光学素子を備える。複数の第1の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
図19の例では、第1の光学素子は、蛍光体73a及び73bと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である拡散膜73cとの組み合わせである。
【0142】
蛍光体73a,73b及び拡散膜73cへの入射光の光軸は、ホイール装置70Iにおいて、回転軸74cから半径r1を有する円周を通る。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、回転軸74cから半径r1を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、直線区間L31~L33を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の直線区間L31~L33は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。
【0143】
また、ホイール装置70Iは、基板71において回転軸74cから第2の半径r2を有する第2の円周の上に形成された少なくとも1つの第2の光学素子を備える。第2の光学素子は少なくとも1つのカラーフィルタを含む。
図19の例では、第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるダイクロイックフィルタ82a~82cと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である透過窓82dとの組み合わせである。
【0144】
ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dへの入射光の光軸は、ホイール装置70Iにおいて、回転軸74cから半径r2を有する円周を通る。ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、回転軸74cから半径r2を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。
図19の例では、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域は、扇形に形成される。
【0145】
ホイール装置70Iの前段の光学系(レンズ30及び拡散板60)から蛍光体73a,73b及び拡散膜73cに入射する光は、
図19に示すように、スポット領域A6を形成する。
【0146】
他の点では、
図19のホイール装置70Iは、
図2及び
図3のホイール装置70と同様に構成される。
【0147】
(スポーク損失の低減)
スポーク損失の影響を低減するために、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、基板71が回転するときに、スポークがスポット領域A6の上を通過する時間を短縮又は最短化するように形成される。このため、ホイール装置70Iは、所定の回転位置にあるホイール装置70Iの表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A6が複数の境界線L31~L33のうちの1つに重なり、かつ、この直線区間がスポット領域A6の長手方向と平行になるように、ホイール装置70Iの前段の光学系に対して配置される。
図19の例は、スポット領域A6のエッジが境界線L32に重なるとき、境界線L32がスポット領域A6の長手方向と平行になる場合を示す。このようにホイール装置70I及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0148】
ホイール装置70Iは、スポット領域A6が他の位置(例えば中心など)において複数の境界線L31~L33のうちの1つに重なるとき、この直線区間がスポット領域A6の長手方向と平行になるように、ホイール装置70Iの前段の光学系に対して配置されてもよい。
【0149】
スポット領域A6は、矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状に限らず、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)のであれば、楕円形など、他の形状を有してもよい。
【0150】
前述のように、各境界線L31~L33は、基板71の半径に沿った各直線に対して互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。従って、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線のうち、スポット領域A6がどの境界線の上を通過するときであっても、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0151】
(第3の実施形態の効果)
本実施形態に係るホイール装置70Iによれば、
図19に示すように、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線を形成し、ホイール装置70I及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。これにより、本実施形態に係るホイール装置70Iを備えた光源装置及び投写型映像表示装置は、従来技術よりも映像光の明るさを向上することができる。
【0152】
(第3の実施形態の変形例)
図20は、第3の実施形態の変形例に係るホイール装置70Jの構成を示す平面図である。第1の実施形態に係る構成と、第3の実施形態に係る構成とを組み合わせてもよい。
図20のホイール装置70Jにおいて、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線の直線区間L31~L33は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差する。また、
図20のホイール装置70Jにおいて、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線の各直線区間L1~L4は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差する。これにより、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線と、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線との両方において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0153】
(第3の実施形態のまとめ)
第3の実施形態に係るホイール装置、光源装置、及び投写型映像表示装置は、以下の構成を備える。
【0154】
第3の実施形態に係るホイール装置によれば、ホイール装置70Iは、回転軸74cの周りに回転可能な基板71と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1を有する第1の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第1の光学素子と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1とは異なる第2の半径r2を有する第2の円周の上に形成された少なくとも1つの第2の光学素子とを備える。複数の第1の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。第2の光学素子は少なくとも1つのカラーフィルタを含む。複数の第1の光学素子の各領域は、第1の直線区間L31~L33を含む境界線を介して互いに隣接する。各第1の直線区間L31~L33は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。
【0155】
これにより、上述のように蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの境界線を形成し、上述のようにホイール装置70I及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。また、これにより、蛍光体及びカラーフィルタの両方を備えるホイール装置を提供することができる。
【0156】
第3の実施形態に係るホイール装置によれば、ホイール装置70Jは、回転軸74cの周りに回転可能な基板71と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1を有する第1の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第1の光学素子と、基板71において回転軸74cから第1の半径r1とは異なる第2の半径r2を有する第2の円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第2の光学素子とを備える。複数の第1の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。複数の第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるか、又は、少なくとも1つのカラーフィルタと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。複数の第1の光学素子の各領域は、第1の直線区間L31~L33を含む境界線を介して互いに隣接する。各第1の直線区間L31~L33は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第1の交差角度θ2でそれぞれ交差する。複数の第2の光学素子の各領域は、第2の直線区間L1~L4を含む境界線を介して互いに隣接する。各第2の直線区間L1~L4は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の第2の交差角度θ1でそれぞれ交差する。
【0157】
これにより、上述のように蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの境界線を形成し、上述のようにダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、上述のようにホイール装置70J及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。また、これにより、蛍光体及びカラーフィルタの両方を備えるホイール装置を提供することができる。
【0158】
第3の実施形態に係る光源装置によれば、光源装置は、ホイール装置70I,70Jと、ホイール装置70I,70Jの基板71を回転させる駆動装置74と、ソース光を発生する光源素子21と、光源素子21によって発生されたソース光を、第1の光学素子への入射光として導く第1の光学系と、第1の光学素子の出射光を、第2の光学素子への入射光として導く第2の光学系とを備える。
【0159】
これにより、ホイール装置70I,70Jを備えた光源装置において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0160】
第3の実施形態に係る光源装置によれば、ホイール装置70I,70Jは、所定の回転位置にあるホイール装置70I,70Jの表面を光軸に沿って見たとき、第1の光学系から各第1の光学素子への入射光のスポット領域が複数の第1の直線区間L31~L33のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの第1の直線区間L31~L33がスポット領域の長手方向と平行になるように、第1の光学系に対して配置されてもよい。
【0161】
これにより、上述のようにホイール装置70I,70J及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0162】
第3の実施形態に係る光源装置によれば、ホイール装置70Jは、所定の回転位置にあるホイール装置70Jの表面を光軸に沿って見たとき、第2の光学系から各第2の光学素子への入射光のスポット領域が複数の第2の直線区間L1~L4のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの第2の直線区間L1~L4がスポット領域の長手方向と平行になるように、第2の光学系に対して配置されてもよい。
【0163】
これにより、上述のようにホイール装置70J及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0164】
第3の実施形態に係る光源装置によれば、第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータ34を備えてもよい。ホイール装置70Jは、所定の回転位置にあるホイール装置70Jの表面を光軸に沿って見たとき、ロッドインテグレータ34から光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置される。
【0165】
これにより、上述のようにホイール装置70J及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0166】
第3の実施形態に係る投写型映像表示装置によれば、投写型映像表示装置は、光源装置と、光源装置の第2の光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子41とを備える。
【0167】
これにより、ホイール装置70I,70Jを備えた投写型映像表示装置において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0168】
[第4の実施形態]
以下、
図21~
図22を参照して、第4の実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。以下では、主に、第2の実施形態に係る投写型映像表示装置との相違点について説明する。尚、第2の実施形態と同様の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な重複説明を省略する。
【0169】
(投写型映像表示装置の概要)
図21は、第4の実施形態に係る蛍光体ホイール装置70Kの構成を示す平面図である。
図22は、第4の実施形態に係るカラーフィルタホイール装置80Kの構成を示す平面図である。第4の実施形態に係る投写型映像表示装置は、
図10のホイール装置70E及びカラーフィルタホイール装置80に代えて、ホイール装置70K及びカラーフィルタホイール装置80Kを備える。
【0170】
第2の実施形態では、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82d(第2の光学素子)の各領域の境界線において生じるスポーク損失の影響を低減又は最小化することを目的としている。一方、第4の実施形態では、代替又は追加として、蛍光体73a,73b及び拡散膜73c(第1の光学素子)の各領域の境界線において生じるスポーク損失の影響を低減又は最小化することを目的とする。
【0171】
(蛍光体ホイール装置70Kの構成)
蛍光体ホイール装置70Kは、基板71、ダイクロイックフィルタ72(図示せず)、蛍光体73a及び73b、拡散膜73c、及び駆動装置74を備える。
【0172】
蛍光体ホイール装置70Kは、基板71において回転軸74cから半径r3を有する円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第1の光学素子を備える。複数の第1の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
図21の例では、第1の光学素子は、蛍光体73a及び73bと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である拡散膜73cとの組み合わせである。
【0173】
蛍光体73a,73b及び拡散膜73cへの入射光の光軸は、蛍光体ホイール装置70Kにおいて、回転軸74cから半径r3を有する円周を通る。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、回転軸74cから半径r3を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、直線区間L41~L43を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の直線区間L41~L43は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。
【0174】
ホイール装置70Kの前段の光学系(レンズ30及び拡散板60)から蛍光体73a,73b及び拡散膜73cに入射する光は、
図21に示すように、スポット領域A7を形成する。
【0175】
他の点では、
図21の蛍光体ホイール装置70Kは、
図11及び
図12の蛍光体ホイール装置70Eと同様に構成される。
【0176】
(カラーフィルタホイール装置80Kの構成)
カラーフィルタホイール装置80Kは、基板81、ダイクロイックフィルタ82a~82c、透過窓82d、反射防止膜83(図示せず)、及び駆動装置84を備える。
【0177】
ホイール装置70は、基板71において回転軸74cから半径r4を有する円周の上に形成された少なくとも1つの第2の光学素子を備える。第2の光学素子は少なくとも1つのカラーフィルタを含む。
図22の例では、第2の光学素子は、複数のカラーフィルタであるダイクロイックフィルタ82Ka~82Kcと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である透過窓82Kdとの組み合わせである。
【0178】
ダイクロイックフィルタ82Ka~82Kc及び透過窓82Kdへの入射光の光軸は、カラーフィルタホイール装置80Kにおいて、回転軸84cから半径r4を有する円周を通る。ダイクロイックフィルタ82Ka~82Kc及び透過窓82Kdの各領域は、回転軸84cから半径r4を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。
図22の例では、ダイクロイックフィルタ82Ka~82Kc及び透過窓82Kdの各領域は、扇形に形成される。
【0179】
他の点では、
図22のカラーフィルタホイール装置80Kは、
図13及び
図14のカラーフィルタホイール装置80と同様に構成される。
【0180】
(スポーク損失の低減)
スポーク損失の影響を低減するために、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域は、基板71が回転するときに、スポークがスポット領域A7の上を通過する時間を短縮又は最短化するように形成される。このため、蛍光体ホイール装置70Kは、所定の回転位置にある蛍光体ホイール装置70Kの表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A7が複数の直線区間L41~L43のうちの1つに重なり、かつ、この直線区間がスポット領域の長手方向と平行になるように、蛍光体ホイール装置70Kの前段の光学系に対して配置される。
図21の例は、スポット領域A7のエッジが直線区間L2に重なるとき、直線区間L2がスポット領域A7の長手方向と平行になる場合を示す。このように蛍光体ホイール装置70K及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0181】
蛍光体ホイール装置70Kは、スポット領域A7が他の位置(例えば中心など)において複数の直線区間L41~L43のうちの1つに重なるとき、この直線区間がスポット領域A7の長手方向と平行になるように、蛍光体ホイール装置70Kの前段の光学系に対して配置されてもよい。
【0182】
スポット領域A7は、矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状に限らず、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)のであれば、楕円形など、他の形状を有してもよい。
【0183】
前述のように、各境界線の各直線区間L21~L24は、基板71の半径に沿った各直線に対して互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。従って、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線のうち、スポット領域A7がどの境界線の上を通過するときであっても、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0184】
(第4の実施形態の効果)
本実施形態に係るホイール装置70Kによれば、
図21に示すように、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線を形成し、ホイール装置70K及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。これにより、本実施形態に係るホイール装置70Kを備えた光源装置及び投写型映像表示装置は、従来技術よりも映像光の明るさを向上することができる。
【0185】
(第4の実施形態の変形例)
第2の実施形態に係るカラーフィルタホイール装置80と、第4の実施形態に係る蛍光体ホイール装置70Kとを組み合わせてもよい。すなわち、
図10の投写型映像表示装置100Eは、蛍光体ホイール装置70Eに代えて、
図21の蛍光体ホイール装置70Kを備えてもよい。これにより、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線と、ダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線との両方において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0186】
(第4の実施形態のまとめ)
第4の実施形態において、蛍光体ホイール装置70Kを「第1のホイール装置」又は単に「ホイール装置」ともいい、カラーフィルタホイール装置80Kを「第2のホイール装置」ともいう。
【0187】
第4の実施形態に係るホイール装置、光源装置、及び投写型映像表示装置は、以下の構成を備える。
【0188】
第4の実施形態に係るホイール装置によれば、蛍光体ホイール装置70Kは、回転軸74cの周りに回転可能な基板71と、基板71において回転軸74cの周りの互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の光学素子とを備える。複数の光学素子の各領域は、直線区間L41~L43を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の各直線区間L41~L43は、基板71の半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。複数の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
【0189】
これにより、上述のように蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの各領域の境界線を形成し、上述のように蛍光体ホイール装置70K及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0190】
第4の実施形態に係る光源装置によれば、光源装置は、蛍光体ホイール装置70Kと、駆動装置74と、カラーフィルタホイール装置80Kと、駆動装置84と、ソース光を発生する光源素子21と、第1の光学系と、第2の光学系とを備える。カラーフィルタホイール装置80Kは、回転軸84cの周りに回転可能な基板81を備え、基板81に少なくとも1つの第2の光学素子が形成される。第2の光学素子は少なくとも1つのカラーフィルタを含む。駆動装置74は蛍光体ホイール装置70Kの基板71を回転させる。駆動装置84はカラーフィルタホイール装置80Kの基板81を回転させる。
【0191】
これにより、蛍光体ホイール装置70Kを備えた光源装置において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0192】
第4の実施形態に係る光源装置によれば、光源装置は、蛍光体ホイール装置70Kと、駆動装置74と、カラーフィルタホイール装置80と、駆動装置84と、ソース光を発生する光源素子21と、第1の光学系と、第2の光学系とを備える。
【0193】
これにより、上述のように蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの境界線を形成し、上述のようにダイクロイックフィルタ82a~82c及び透過窓82dの各領域の境界線を形成し、上述のように蛍光体ホイール装置70K、カラーフィルタホイール装置80、及び他のレンズ等を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0194】
第4の実施形態に係る光源装置によれば、蛍光体ホイール装置70Kは、所定の回転位置にある蛍光体ホイール装置70Kの表面を光軸に沿って見たとき、第1の光学系から蛍光体ホイール装置70Kの各光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L41~L43のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L41~L43がスポット領域の長手方向と平行になるように、第1の光学系に対して配置されてもよい。
【0195】
これにより、上述のように蛍光体ホイール装置70K及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0196】
第4の実施形態に係る光源装置によれば、カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、第2の光学系からカラーフィルタホイール装置80の光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L21~L24のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L21~L24がスポット領域の長手方向と平行になるように、第2の光学系に対して配置されてもよい。
【0197】
これにより、上述のようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0198】
第4の実施形態に係る光源装置によれば、第2の光学系は、四辺形の断面形状を有するロッドインテグレータ34を備えてもよい。カラーフィルタホイール装置80は、所定の回転位置にあるカラーフィルタホイール装置80の表面を光軸に沿って見たとき、ロッドインテグレータ34からカラーフィルタホイール装置80の光学素子への入射光のスポット領域が複数の直線区間L21~L24のうちの1つに重なり、かつ、当該1つの直線区間L21~L24がロッドインテグレータ34の断面の四辺のうち最も長い一辺と平行になるように、ロッドインテグレータ34に対して配置される。
【0199】
これにより、上述のようにカラーフィルタホイール装置80及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0200】
第4の実施形態に係る投写型映像表示装置によれば、投写型映像表示装置は、蛍光体ホイール装置70Kを備えた光源装置と、蛍光体ホイール装置70Kの光学素子の出射光を空間的に変調する光変調素子とを備える。
【0201】
これにより、蛍光体ホイール装置70Kを備えた投写型映像表示装置において、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0202】
[第5の実施形態]
以下、
図23~
図25を参照して、第5の実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。以下では、主に、第2の実施形態に係る投写型映像表示装置との相違点について説明する。尚、第2の実施形態と同様の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な重複説明を省略する。
【0203】
(投写型映像表示装置100Lの概要)
図23は、第5の実施形態に係る投写型映像表示装置100Lの構成を示す概略図である。投写型映像表示装置100Lは、
図10の光源装置10Eに代えて、光源装置10Lを備える。光源装置10Lは、
図10の蛍光体ホイール装置70Eに代えて、蛍光体ホイール装置70Lを備える。蛍光体ホイール装置70Lは、透明材料からなる基板71に代えて、反射材料からなる基板71Lを備える。基板71Lは、その上に拡散膜73cが形成される代わりに、入射光をそのまま透過する開口73dを備える。
【0204】
第2の実施形態では、基板71が透明材料からなり、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの出射光が、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cへの入射光の向きと同じ向きを有する場合を示した。一方、第5の実施形態では、基板71Lが、金属など、耐光性が高く光を反射する反射材料からなり、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cの出射光が、蛍光体73a,73b及び拡散膜73cへの入射光の向きと逆の向きを有する場合を示す。これは、第2の実施形態よりもソース光の光強度を増大させ、投写光の輝度を高くするための構成である。
【0205】
(光源装置10Lの構成)
光源装置10Lは、光源20、蛍光体ホイール装置70L、カラーフィルタホイール装置80、コンデンサレンズ30、レンズ30,51~57、拡散板63、ダイクロイックミラー64、ミラー65,66,68、拡散板67を備える。ここで、ダイクロイックミラー64は、ソース光の波長を有する入射光を反射し、蛍光の波長を有する入射光を透過する。
【0206】
光源20から出射したソース光は、コンデンサレンズ30、レンズ50、拡散板63を介してダイクロイックミラー64に入射する。その後、ソース光は、ダイクロイックミラー64により反射され、レンズ51及び52を介して蛍光体ホイール装置70Lに入射する。
【0207】
蛍光体ホイール装置70Lは、入射したソース光によって励起されて、ソース光の波長とは異なる波長を有する蛍光を発生する蛍光体を備える。蛍光体ホイール装置70Lはさらに、蛍光体の領域とは別の領域に形成され、入射したソース光を通過させる開口を備える。蛍光体ホイール装置70Lの詳細は後述する。
【0208】
蛍光体ホイール装置70Eの蛍光体から出射した蛍光は、基板71Lにより反射され、レンズ51及び51を介して、ダイクロイックミラー64に入射する。その後、蛍光は、ダイクロイックミラー64を透過し、レンズ33を介してカラーフィルタホイール装置80に入射する。
【0209】
一方、蛍光体ホイール装置70Lの開口73dを通過したソース光は、レンズ53、レンズ54、ミラー65、レンズ55、ミラー66、レンズ56を介して拡散板67に入射する。拡散板67は、第2の実施形態の拡散膜73cと同様に、ソース光を拡散させる。拡散板67によって拡散されたソース光は、ミラー68及びレンズ57を介してダイクロイックミラー64に入射し、ダイクロイックミラー64により反射された後、レンズ33を介してカラーフィルタホイール装置80に入射する。
【0210】
図20のカラーフィルタホイール装置80、照明光学系11、変調装置12、及び投写光学系13は、
図10の対応する構成要素と同様に構成され、同様に動作する。
【0211】
(蛍光体ホイール装置70Lの構成)
図24及び
図25を参照して、蛍光体ホイール装置70Lの構成を説明する。
図24は、
図23のホイール装置70Lの構成を示す側面図である。
図25は、
図23のホイール装置70Lの構成を示す平面図である。
図24は、
図23と同じ方向から蛍光体ホイール装置70Lを見た場合の断面図を示す。
図25は、
図23の左側から蛍光体ホイール装置70Lを見た場合の平面図を示す。
【0212】
蛍光体ホイール装置70Lは、基板71L、蛍光体73a及び73b、開口73d、及び駆動装置74を備える。蛍光体ホイール装置70Lは、
図11及び
図12のホイール装置70Eの基板71を基板71Lで置き換え、ダイクロイックフィルタ72及び拡散膜73cを除去した構成を有する。
【0213】
基板71Lは、反射材料からなり、
図12の拡散膜73cに対応する領域に開口73dを備える。基板71Lは、基板71と同様に、回転軸74cの周りに回転可能である。基板71Lは、例えば円板の形状を有する。基板71Lは、例えば、可視光の全帯域にわたって高い反射性を有するアルミニウム基板である。
【0214】
蛍光体73a及び73bは、
図24に示すように基板71Lの上に直接に形成されてもよく、反射性を高めるために反射層を介して形成されてもよい。反射層は、例えば、酸化チタンとバインダとの混合物からなる。
【0215】
蛍光体ホイール装置70Lは、基板71Lにおいて回転軸74cから半径r3を有する円周に沿った互いに異なる複数の領域にそれぞれ形成され、互いに異なる波長特性を有する複数の第1の光学素子を備える。複数の第1の光学素子は、複数の蛍光体であるか、又は、少なくとも1つの蛍光体と、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子との組み合わせである。
図25の例では、第1の光学素子は、蛍光体73a及び73bと、入射光の波長特性と同じ波長特性を有する出射光を発生する素子である開口73dとの組み合わせである。
【0216】
蛍光体73a,73b及び開口73dへの入射光の光軸は、蛍光体ホイール装置70Lにおいて、回転軸74cから半径r3を有する円周を通る。蛍光体73a,73b及び開口73dの各領域は、回転軸74cから半径r3を有する円周のうち、互いに異なる弧の部分をそれぞれ含むように形成される。蛍光体73a,73b及び開口73dの各領域は、直線区間L51~L53を含む境界線を介して互いに隣接する。各境界線の直線区間L51~L53は、基板71Lの半径に沿った各直線に対して0度よりも大きくかつ90度よりも小さい互いに同一の交差角度でそれぞれ交差する。
【0217】
ホイール装置70Lの前段の光学系(レンズ51及び52)から蛍光体73a,73b及び開口73dに入射する光は、
図21に示すように、スポット領域A8を形成する。
【0218】
他の点では、
図24及び
図25の蛍光体ホイール装置70Lは、
図21の蛍光体ホイール装置70Kと同様に構成される。
【0219】
(スポーク損失の低減)
スポーク損失の影響を低減するために、蛍光体73a,73b及び開口73dの各領域は、基板71Lが回転するときに、スポークがスポット領域A8の上を通過する時間を短縮又は最短化するように形成される。このため、蛍光体ホイール装置70Lは、所定の回転位置にある蛍光体ホイール装置70Lの表面を光軸に沿って見たとき、スポット領域A8が複数の境界線L51~L53のうちの1つに重なり、かつ、この直線区間がスポット領域A8の長手方向と平行になるように、蛍光体ホイール装置70Lの前段の光学系に対して配置される。
図25の例は、スポット領域A8のエッジが境界線L52に重なるとき、境界線L52がスポット領域A8の長手方向と平行になる場合を示す。このように蛍光体ホイール装置70L及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0220】
蛍光体ホイール装置70Lは、スポット領域A8が他の位置(例えば中心など)において複数の境界線L51~L53のうちの1つに重なるとき、この直線区間がスポット領域A6の長手方向と平行になるように、蛍光体ホイール装置70Lの前段の光学系に対して配置されてもよい。
【0221】
スポット領域A8は、矩形形状又は丸められたコーナーを有する矩形形状に限らず、互いに異なる縦及び横の長さを有する(すなわち長手方向を有する)のであれば、楕円形など、他の形状を有してもよい。
【0222】
前述のように、各境界線L51~L53は、基板71Lの半径に沿った各直線に対して互いに同一の交差角度θ2でそれぞれ交差する。従って、蛍光体73a,73b及び開口73dの各領域の境界線のうち、スポット領域A8がどの境界線の上を通過するときであっても、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。
【0223】
(第5の実施形態の効果)
本実施形態に係る蛍光体ホイール装置70Lによれば、
図25に示すように、蛍光体73a,73b及び開口73dの各領域の境界線を形成し、蛍光体ホイール装置70L及びその前段の光学系を配置することにより、スポーク損失の影響を低減又は最小化することができる。これにより、本実施形態に係る蛍光体ホイール装置70Lを備えた光源装置10L及び投写型映像表示装置100Lは、従来技術よりも映像光の明るさを向上することができる。
【0224】
[他の変形例]
本開示の各態様は、1つのホイール装置のみを備え、当該ホイール装置に蛍光体及びカラーフィルタのうちの一方のみが形成された光源装置及び投写型映像表示装置にも適用可能である。また、本開示の各態様は、蛍光体及びカラーフィルタとは異なる光学素子であって、同じ入射光に応じて互いに異なる波長域の出射光を生じる複数の光学素子が形成されたホイール装置を備えた光源装置及び投写型映像表示装置にも適用可能である。
【0225】
本開示の実施形態に係るホイール装置は、光変調素子としてDMDに代えて液晶素子を備えた投写型映像表示装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0226】
本開示の態様に係るホイール装置は、光源装置及び投写型映像表示装置に適用可能である。
【0227】
本開示の一例として、投写型映像表示装置の光源装置を参照して説明したが、本開示の態様に係る光源装置はこれに限定されるものではなく、例えばヘッドランプなどの照明装置であってもよい。
【0228】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、第1~第5の実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【符号の説明】
【0229】
10,10C,10D,10L…光源装置、
20…光源、
70,70A,70I,70J…ホイール装置、
70E,70K…蛍光体ホイール装置、
71,71L…基板、
72…ダイクロイックフィルタ、
73a,73b…蛍光体、
73c…拡散膜、
73d…開口、
80,80K…カラーフィルタホイール装置、
81…基板、
82a~82c…ダイクロイックフィルタ、
82d…透過窓、
83…反射防止膜、
100,100B~100H,100L…投写型映像表示装置。