(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】広告提供対象設定情報管理装置および方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20231013BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20231013BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/0241 446
(21)【出願番号】P 2021173509
(22)【出願日】2021-10-22
【審査請求日】2022-04-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500423444
【氏名又は名称】株式会社ソケッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】五十崎 正明
(72)【発明者】
【氏名】浦部 浩司
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-009307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0284119(US,A1)
【文献】特開2011-008420(JP,A)
【文献】特開2002-279206(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0088287(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告提供対象候補コンテンツに1または複数のメタワードを関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段と、
それぞれ広告のテーマ、広告のコンセプト、または広告のモチーフを単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句の各々に、当該広告特徴記述語句の各々を特徴付けるために予め準備された特徴付け語句グループをそれぞれ関連付ける広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータを保持する広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段と、
上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータと上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて少なくとも一部の上記広告提供対象候補コンテンツの各々に1または複数の上記広告特徴記述語句を関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付け手段と、
指定された広告に対して1または複数の上記広告特徴記述語句を取得する広告特徴記述語句取得手段と、
上記指定された広告に対して、上記広告特徴記述語句取得手段が取得した上記1または複数の広告特徴記述語句との関連付けに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象候補コンテンツ選択情報生成手段とを有し、
上記広告特徴記述語句取得手段は、
広告対象情報を入力する手段と、
入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段とを有し、
さらに、
ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と、
上記入力された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて合致度を出力する合致度出力手段とを有する
ことを特徴とする広告提供対象設定情報管理装置。
【請求項2】
上記広告特徴記述語句決定手段は、上記広告対象情報から1または複数の特徴語句を抽出し、当該特徴語句と、上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて、対応する広告特徴記述語句を決定する請求項1記載の広告提供対象設定情報管理装置。
【請求項3】
それぞれ広告のテーマ、広告のコンセプト、または広告のモチーフを単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句から選択された1または複数の広告特徴記述語句を広告提供対象候補コンテンツに関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段と、
広告対象情報を入力する広告情報入力手段と、
入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段と、
指定された広告に対して、上記広告特徴記述語句決定手段により決定された上記広告特徴記述語句と、広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータとに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象候補コンテンツ選択情報生成手段とを有し、
さらに、
ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と、
上記入力された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて合致度を出力する合致度出力手段とを有する
ことを特徴とする広告提供対象設定情報管理装置。
【請求項4】
広告提供対象候補コンテンツに1または複数のメタワードを関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段と、
それぞれ広告のテーマ、広告のコンセプト、または広告のモチーフを単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句の各々に、当該広告特徴記述語句の各々を特徴付けるために予め準備された特徴付け語句グループをそれぞれ関連付ける広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータを保持する広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段と、
上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータと上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて少なくとも一部の上記広告提供対象候補コンテンツの各々に1または複数の上記広告特徴記述語句を関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付け手段と、
指定された広告に対して1または複数の上記広告特徴記述語句を取得する広告特徴記述語句取得手段と、
上記指定された広告に対して、上記広告特徴記述語句取得手段が取得した上記1または複数の広告特徴記述語句との関連付けに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象候補コンテンツ選択情報生成手段とを有し、
上記広告特徴記述語句取得手段は、
広告対象情報を入力する手段と、
入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段とを有し、
さらに、
ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と、
上記入力された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて乖離度を出力する乖離度出力手段とを有する
ことを特徴とする広告提供対象設定情報管理装置。
【請求項5】
上記広告特徴記述語句決定手段は、上記広告対象情報から1または複数の特徴語句を抽出し、当該特徴語句と、上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて、対応する広告特徴記述語句を決定する請求項4記載の広告提供対象設定情報管理装置。
【請求項6】
それぞれ広告のテーマ、広告のコンセプト、または広告のモチーフを単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句から選択された1または複数の広告特徴記述語句を広告提供対象候補コンテンツに関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段と、
広告対象情報を入力する広告情報入力手段と、
入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段と、
指定された広告に対して、上記広告特徴記述語句決定手段により決定された上記広告特徴記述語句と、広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータとに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象候補コンテンツ選択情報生成手段とを有し、
さらに、
ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と、
上記入力された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて乖離度を出力する乖離度出力手段とを有する
ことを特徴とする広告提供対象設定情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広告を提供する広告提供対象の設定情報を管理する装置および方法に関し、とくに、広告主の広告意図に合致した抽象度の高い語句等を用いて広告提供対象を選択できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット広告の対費用効果を向上させるために、コンテンツ連動型広告が採用されている。コンテンツ連動型広告は、ディスプレイ広告とも呼ばれ、webサイトの内容に応じて、表示される広告が決まるネットワーク広告手法である。この広告手法は、コンテンツに興味がある閲覧ユーザに対して、潜在層としてアプローチすることができるという特徴がある。
図1はwebサイトの記事に対するコンテンツ連動型広告の例である。一般的に、広告はサイトの端や隅に表示される。このコンテンツ連動型広告については例えば特表2006-500698号公報に記載がある。
【0003】
このコンテンツ連動型広告においては、インターネット広告の対費用効果を向上させるために、コンテンツ(記事、ブログ、紹介情報、動画など)のカテゴリを、広告の印象(イメージ)に合ったものに限定したり、コンテンツに記載されているアイテムや商品、コンテンツの話題(テーマ)の内容が広告の印象にあったものに限定することが行われている。
【0004】
例えば、広告掲載先のコンテンツと、掲載対象の広告との関係は、それぞれのメタ情報で関係付けられ、この関係付けが広告主の設定によって決定、調整される。
【0005】
[1.コンテンツへのメタ情報付与]
コンテンツへのメタ情報の付与・管理はつぎのようなものである。すなわち、コンテンツごとに当該コンテンツの内容に応じて、属性、タグ付与を行い管理する。メタ情報は例えばカテゴリ情報および特徴語(以下、メタワードともいう)である。カテゴリ情報は、そのコンテンツの話題のカテゴリ(ジャンル)を意味する。例えば、ファッション、美容、グルメ、旅行といった分類方法がある。また、そのコンテンツが季節的な特徴があれば、「春・夏・秋・冬」、対象人物像「20代/30代...男性/女性/妊婦/ママ...」、場所「北海道、沖縄、北米、ヨーロッパ...」などのカテゴリがある。
【0006】
また、コンテンツのタイトルや本文から、そのコンテンツの特徴を示すワード(特徴語)を抽出して、メタ情報として管理する(メタ付与)。なお、このメタ情報の一部をタグ情報として、webコンテンツの関連情報として掲載し、クリックすることで同じタグ情報が付与されているコンテンツ情報を閲覧できるといったことも一般的に行われている。特徴語としては、例えば、夏、コーデ、白Tシャツ、カジュアル、サンダル、普段使い、おしゃれ、シンプル、清潔感、・・・がある。
【0007】
[2.対象広告へのメタ情報付与]
対象広告にもメタ情報付与を付与する。すなわち、広告する対象に対しても、その説明文等から同様に上述のようなメタ情報付与を行う。この際、対象広告から抽出された情報に加えて、広告主が意図的に対象広告に対する印象や特徴を表すワードをメタ情報として追加したり、広告を出したい記事に対する条件、例えば、ジャンル、季節設定、対象人物、重みつけ条件(含めたいワード、含めたくないワード))などを指定することもできる。
【0008】
[3.広告対象とコンテンツとの関係付け]
どのコンテンツに広告を掲載するかは広告対象とコンテンツとの関係付けに基づいて行われる。すなわち、これらの対象広告に付与されたメタ情報と、各コンテンツに付与されたメタ情報とを比較し、それらが一致した数や類以性の高いワードの数を元に、広告と記事とのマッチングスコアを計算し、このスコア値の高いコンテンツに広告を掲載する。
【0009】
このように1~3の手順により、広告主が、対象広告にあうコンテンツに当該広告を掲載することができる。
【0010】
ところで、[2.対象広告へのメタ情報付与]の際に、対象広告に対するメタ情報を、広告主の要望に合わせて調整設定することにより、対象広告を掲載するコンテンツの指定を細かく調整することができる。
【0011】
しかしながら、この方法では、例えば、広告主が対象広告を「ブレない価値観」という印象をユーザに与えられるように、「ブレない価値観」に関連するコンテンツに広告掲載させたい場合、[3.広告対象とコンテンツとの関係付け]において関連するコンテンツにマッチするように対象広告に付与されるメタ情報を追加、削除するなどの作業が必要となるけれども、その際、[2.対象広告へのメタ情報付与]および[3.広告対象とコンテンツとの関係付け]の手順を何度も繰り返しながら調整するといった煩雑な処理が必要になる。
【0012】
また、この方法では、対象広告に付与されているメタ情報に対して調整を行うため、対象広告の印象を意図的に大きくイメージチェンジするとか、対象広告のカテゴリ(ジャンル)と全く異なるカテゴリに関するコンテンツと関連付けさせるように調整することは困難である。
【0013】
この発明に関連する先行技術文献としては、特開2010-009307号公報がある。この先行技術文献は、「商品カテゴリ」に関連する特徴語を、学習用テキストから予め取得して、商品カテゴリを基準にして広告掲載先のウェブコンテンツを選択するために、広告提供対象のウェブコンテンツのキーワードと当該商品カテゴリに関連する特徴語とを突き合わせて、合致度の高いウェブコンテンツを、広告掲載先として決定するようにしている。
【0014】
なお、本発明は、上述の課題により限定的に理解されるべきでなく、その内容は特許請求の範囲に規定され、以下に実施例を用いて詳細に説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特表2006-500698号公報
【文献】特開2010-009307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
広告主の意図に合致した広告提供対象を簡易に選択できるようにする好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ここでは、発明を詳細に説明するのに先立って、特許請求の範囲の記載について補充的に説明を行う。なお、理解を容易にするために、図面の符号を併せて付すけれども、これは実施例に構成に限定する趣旨ではないことに留意されたい。
【0018】
この発明の一側面によれば、上述の目的を達成するために、広告提供対象設定情報管理装置(100)に:広告提供対象候補コンテンツに1または複数のメタワードを関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段(104A)と;それぞれ広告の特徴を単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句の各々に、当該広告特徴記述語句の各々を特徴付けるために予め準備された特徴付け語句グループをそれぞれ関連付ける広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータを保持する広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段(108)と;上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータと上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて少なくとも一部の上記広告提供対象候補コンテンツの各々に1または複数の上記広告特徴記述語句を関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付け手段(110)と;指定された広告に対して、対応する1または複数の上記広告特徴記述語句を取得して、取得した当該広告特徴記述語句との関連付けに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象コンテンツ選択情報生成手段(122)とを設けている。
【0019】
この構成によれば、広告の特徴を記述する広告特徴記述語句を媒介にして広告と広告提供対象のコンテンツとをマッピングさせる広告提供対象コンテンツ選択情報を簡易に生成できる。広告主は、広告特徴記述語句に基づいて広告意図に合致した広告提供対象の設定を行え、また、広告意図の変更・調節を行う際は広告特徴記述語句を変更して容易に対応可能である。
【0020】
広告特徴記述語句は、典型的には、広告のテーマであり、以下の実施例においては、「共感テーマ」と呼ぶことがある。この「共感テーマ」は、例えば100~200個準備することが好ましいけれども、これに限定されない。「共感テーマ」には、「夏におすすめ」、「おこもり生活を楽しむ」、「雨の日の快適ライフ」といった具体的な話題のテーマでもよいし、「自分らしく生きる」、「非日常体験」、「ブレない価値観」、「ほのぼのとした幸せ」といった抽象的な話題のテーマでもよい。広告のテーマに替えて、または、追加して広告のコンセプト(概念)や広告のモチーフ(素材)を用いても良い。
【0021】
この発明は、「広告主」がコンテンツに関連付けさせる形で商品もしくは企業イメージの広告を出す場合において、広告を出すコンテンツ先を選択するためのもので、広告を出す対象を選択する際に、広告主が広告対象の「印象」にあう広告特徴記述語句(「共感テーマ」)を選択することで、より簡単に広告先のコンテンツを選択することができる。この広告手法の適応例としては、例えばコンテンツ連動型広告が考えられるが、これに限定されない。
【0022】
また、この構成において、上記広告提供対象候補コンテンツは、ウェブに表示されるコンテンツであって良いけれども、これに限定されない。
【0023】
また、上記広告特徴記述語句は、語、句または文から構成されて良い。
【0024】
また、上記メタワードは語または句から構成されて対象に付与されて良い。メタワードは対象に関連するテキスト等から自動的に抽出・付与されて良い。
【0025】
また、上記特徴付け語句グループの構成要素である特徴付け語句は、語、句または文から構成されて良い。この特徴付け語句グループも、当該広告テーマに関連するテキスト等から自動的に抽出されて良い。設計者が別途準備し、または調整して良い。上記特徴付け語句グループ中の特徴付け語句は、上記メタワードと等価なもの、または代替的なものであってよい。特徴付け語句とメタワードは適宜に名寄せ処理等により同一性を判断して良い。
【0026】
また、上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータは、上記広告提供対象候補コンテンツの各々に対して、関連付けられる1または複数のメタワードおよびそれぞれの重要度(スコア)を特定するものであって良い。
【0027】
また、上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータは、上記広告特徴記述語句の各々に対して、関連付けられる特徴付け語句グループ中の語句およびそれぞれの重要度を特定するものであって良い。
【0028】
また、上記広告提供対象候補コンテンツの各々に関する情報に基づいて上記広告提供対象候補コンテンツ用メタワード関連付けデータを生成する手段をさらに有して良い。
【0029】
また、広告提供対象設定情報管理装置は、さらに、広告対象情報を入力する手段と;入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段とをさらに有して良い。
【0030】
また、上記広告特徴記述語句決定手段は、上記広告対象情報から1または複数の特徴語句を抽出し、当該特徴語句と、上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告特徴記述語句用特徴付け語句グループ関連付けデータとに基づいて、対応する広告テーマ記述語句を決定して良い。
【0031】
また、この発明の他の側面によれば、広告提供対象設定情報管理装置(100)に:それぞれ広告の特徴を単独で記述するために予め準備された複数の広告特徴記述語句から選択された1または複数の広告特徴記述語句を広告提供対象候補コンテンツに関連付ける広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータを保持する広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段(104B)と;広告対象情報を入力する広告情報入力手段(112)と;入力された上記広告対象情報に基づいて当該広告の広告特徴記述語句を決定する広告特徴記述語句決定手段(118)と;指定された広告に対して、上記広告特徴記述語句決定手段により決定された上記広告特徴記述語句と、広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータ保持手段に保持されている上記広告提供対象候補コンテンツ用広告特徴記述語句関連付けデータとに基づいて上記広告提供対象候補コンテンツを選択して広告提供対象候補コンテンツ選択情報を生成する広告提供対象候補コンテンツ選択情報生成手段(122)とを設けている。
【0032】
この構成によっても、広告の特徴を記述する広告特徴記述語句を媒介にして広告と広告提供対象のコンテンツとをマッピングさせる広告提供対象コンテンツ選択情報を簡易に生成できる。広告主は、広告特徴記述語句に基づいて広告意図に合致した広告提供対象の設定を行え、また、広告意図の変更・調節を行う際は広告特徴記述語句を変更して容易に対応可能である。
【0033】
また、この構成において、広告提供対象設定情報管理装置は、さらに、ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と;上記された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて合致度を出力する合致度出力手段とを有して良い。
【0034】
また、この構成において、広告提供対象設定情報管理装置は、さらに、ユーザが広告特徴記述語句を選択する選択手段と;上記された上記広告対象情報および上記選択手段により選択された上記広告特徴記述語句とに基づいて乖離度を出力する乖離度出力手段とを有して良い。
【0035】
また、この発明の他の側面によれば、コンテンツ連動型広告システムに:ユーザ装置と;先に説明した広告提供対象設定情報管理装置において生成された上記広告提供対象コンテンツ選択情報を上記ユーザ装置からの要求に基づいて上記ユーザに供給する広告提供対象設定情報供給サーバ装置と;上記ユーザ装置からの要求に基づいてコンテンツを上記コンテンツを上記ユーザ装置に供給するサーバとを設け;上記ユーザ装置は、上記サーバから供給されたコンテンツに加えて上記広告提供対象設定情報供給サーバ装置から供給された上記広告提供対象コンテンツ選択情報に基づいて広告の一覧を表示するようにしている。
【0036】
この構成によれば、広告特徴記述語句に基づいて広告提供先を決定できるので、広告主の意図に即したコンテンツ連動型広告システムの運用が容易になる。
【0037】
なお、この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品(コンピュータプログラム)もこの発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
【0038】
この発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され、以下、実施例等を用いて詳述される。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、広告主の意図に合致した広告提供対象を簡易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】従来のコンテンツ連動型広告の例を説明する図である。
【
図2】この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理サーバが使用される環境を説明する図である。
【
図3】この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理サーバが使用される環境における概略的な動作例を説明する図である。
【
図4】この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理サーバのコンピュータリソースを説明する図である。
【
図5】この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理の機能的な構成を説明する機能ブロック図である。
【
図6】この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理の動作例を説明するフロー図である。
【
図7】この発明の実施例で用いる共感テーマおよび構成要素情報の例である。
【
図8】この発明の実施例における共感テーマおよびコンテンツのマッピングを説明する図である。
【
図9】この発明の実施例における広告とコンテンツとの間の共感テーマを媒介にしたマッピングを説明する図である。
【
図10】この発明の実施例においてテキストからメタワードを取得する例を説明する図である。
【
図11】
図10の例におけるメタワード抽出の例を説明する図である。
【
図12】
図10の例におけるメタワードの重要度スコアの算出例を説明する図である。
【
図13】この発明の実施例においてコンテンツおよび広告へメタ情報を付与する例を説明する図である。
【
図14】この発明の実施例で用いる共感テーマの例を説明する図である。与する例を説明する図である。
【
図15】この発明の実施例における共感テーマおよび関連フレーズ(サブテーマ)の関係を説明する図である。
【
図16】この発明の実施例で用いるメタワードの例を説明する図である。
【
図17】この発明の実施例で用いる広告情報および広告に関連付けられる共感テーマの例を説明する図である。
【
図18】
図17の広告情報から抽出されたメタワードおよびスコア値の例を説明する図である。
【
図19】この発明の実施例における共感テーマ、関連フレーズ(サブテーマ)およびメタワードの例を説明する図である。
【
図20】この発明の実施例における共感テーマ(関連フレーズ)のメタ重みの表記例を説明する図である。
【
図21】この発明の実施例における広告と共感テーマ(関連フレーズ)とのマッチングの算出例を説明する図である。
【
図22】この発明の実施例の変形例の機能的な構成を説明する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理サーバおよびこれを利用したコンテンツ連動型広告システムについて説明する。
【0042】
図1は、先に説明したように、コンテンツ連動型広告の表示画面を示しており、例えば、記事タイトルA1および記事本文A2が閲覧しているコンテンツを構成する。このコンテンツに関連して広告1~8が下部領域A3に列挙され、所望の広告をクリックして対応するページへ移ることができる。
【0043】
この実施例においては、コンテンツの閲覧ユーザが興味・関心、共感できる話題テーマ等の特徴を複数の「共感テーマ」として定義する。具体例において、この「共感テーマ」(以下、適宜に鍵括弧を省略する)はシステム運用者があらかじめ用意、定義している。具体的には、100~200個の共感テーマを予め準備している。共感テーマは、それに関連する広告を抽出するために使用でき、広告の特徴を記述する語句からなっている。広告の特徴を記述する語句(共感テーマ)は例えば広告のテーマであり、「ブレない価値観」、「ハッピーを届け続けたい」、「チャレンジを続ける積極性」、「ありのままでいること」、「うっとりする可憐さ」等である(後に
図14等に例を挙げて説明する)。
【0044】
例えば、実施例として、「ブレない価値観」という共感テーマについてコンテンツ(記事)および広告を関連付けすることを考える。「ブレない価値観」という共感テーマ自体には、
図7に示すように、共感テーマを構成する関連ワード(構成要素、要素ワード、メタワードともいう)が関連付けられ、また、各要素ワードには関連性に応じた重みスコア値があわせて定義されている。要素ワードは、語、句、文であって良い。1つの共感テーマに関連付けられた1グループの要素ワードは全体で当該共感テーマを特徴づけるものである。なお、共感テーマに加えて、または、これに替えて、1または複数の「関連フレーズ」(「サブテーマ」ともいう)を設けて良い。共感テーマは、関連フレーズを代表するものである。1つの共感テーマに複数の関連フレーズを設けて、より多面的に特徴付けを行うことができる。以下の例では、「関連フレーズ」がメタ情報(メタワードおよび重み値)を有するけれども、共感テーマ自体もメタ情報を含んで良い。すなわち、共感テーマがメタ情報を含まない場合には、関連フレーズが全体として記述対象の特徴を表し、関連フレーズの全体のタイトルを共感テーマの語句が表す(
図19)。共感テーマもメタ情報を含む場合には、共感テーマおよび関連フレーズが全体として記述対象の特徴を表し、共感テーマおよび関連フレーズの全体のタイトルを共感テーマの語句が表す。
【0045】
図2は、この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理サーバ100が使用される環境を説明するものであり、この図において、広告提供対象設定情報管理サーバ100が、通信ネットワーク400に接続されている。この通信ネットワーク400には、webサーバ200およびユーザ端末300が接続されている。webサーバ200およびユーザ端末300は1つしか示さないけれども、通常は複数個ある。webサーバ200に替えて種々のコンテンツ提供サーバを採用して良い。ユーザはユーザ端末300を用いてwebサーバ200からコンテンツの情報を取得して閲覧できる(
図1のA1およびA2の領域)。さらに、ユーザ端末300はコンテンツの閲覧に際して広告提供対象設定情報管理サーバ100から広告提供対象設定情報を取得して広告を表示可能にする(
図1のA3の領域)。
【0046】
図3は、広告提供対象設定情報管理サーバ100の実装構成を模式的に示すものであり、実装されるコンピュータ1000は、CPU1001、主メモリ1002、入出力インターフェース(入出力バス)1003、外部
記憶装置1004等を有して構成される。アプリケーション1005をコンピュータ1000にインストールすることにより広告提供対象設定情報管理サーバ100が構築される。なお、単に、設定情報管理サーバ100と呼ぶこともある。
【0047】
図4は、広告提供対象設定情報管理サーバ100の利用例を示すものであるけれども、これに限定されない。
図4において、ユーザ端末300からwebサーバに閲覧要求が送出されると(H1)、webサーバ200からコンテンツ文書を返す(H2)、ユーザ端末300はコンテンツ文書を取得して
図1に示すように領域A1、A2等に表示を行う。ユーザ端末300が閲覧要求をwebサーバ200に対して行うと(H1)、設定情報管理サーバ100に広告情報要求が送出され(H3)、設定情報管理サーバ100は、広告情報要求に応じて、当該コンテンツ文書に対する広告提供対象設定情報を取出し、広告提供対象を決定して、そのURLやサムネール等の広告表示用情報をユーザ端末300に返す(X4)。ユーザ端末300は、広告表示用情報に基づいて広告を領域A3(
図1)に表示する。ユーザが広告をクリックすると、それに応じて広告用の文書がユーザ端末300に送信され、またそのクリック動作が、管理用に設定情報管理サーバ100等に返される。
【0048】
図5は、この実施例の広告提供対象設定情報管理サーバ100の機能構成例を示しており、この図において、広告提供対象設定情報管理サーバ100は、コンテンツ用メタ情報抽出部102、コンテンツ用管理情報記憶部104、共感テーマ用構成要素情報抽出部106、共感テーマ用構成要素情報記憶部108、コンテンツ用共感テーマ決定部110、広告情報入力部112、広告特徴ワード抽出部114、設定情報調節部116、広告用共感テーマ決定部118、広告提供対象設定情報記憶部120、コンテンツ選択部122、および広告提供対象設定情報送出要求受信部124等を含んで構成されている。コンテンツ用管理情報記憶部104は、コンテンツ用のメタ情報を記憶するメタ情報記憶部104Aおよびコンテンツ用共感テーマを記憶する共感テーマ記憶部104Bを有しており、コンテンツごとに、メタ情報および共感テーマを管理可能である。メタ情報および共感テーマは同一のテーブル等を用いてコンテンツごとに統合的に管理されて良い。
【0049】
図5に示す広告提供対象設定情報管理サーバ100について、
図6等も参照して説明する。
図6は、この発明の実施例の広告提供対象設定情報管理の動作例を説明するものである。
【0050】
図5および
図6において、コンテンツ用メタ情報抽出部102は、コンテンツの内容に関する情報を取得して(X01)、特徴ワードを抽出し(X02)、コンテンツにメタ情報を付与する(X03)、コンテンツのメタ情報はコンテンツ用管理情報記憶部104のメタ情報記憶部104Aに記憶される。特徴ワードの抽出については後に一例を説明する。メタ情報は、典型的には、特徴ワード(メタワード)および重み付け、並びにワードカテゴリ(ジャンル)等である。
【0051】
なお、各共感テーマの構成要素情報は共感テーマ用構成要素情報記憶部108のデータベースもしくはストレージに保存されている。それらの各共感テーマの構成要素情報と、各コンテンツのメタ情報とを比較し、マッチングスコアの高いものを、コンテンツに関連性の高い共感テーマとして、そのマッチングスコアともにコンテンツ用管理情報記憶部104(共感テーマ記憶部104B)に登録する(X06)。
【0052】
この共感テーマに対するコンテンツ(および広告)間のマッチングは、コンテンツのメタ情報と共感テーマの構成要素情報を突き合わせて行って良いけれどもこれに限定されない。突き合わせは、コンテンツのメタ情報のそれぞれと共感テーマの構成要素情報のそれぞれとの間の一致または類似をチェックしても良いし、意味空間ワードベクトルの類似度に基づいてもよいし、両者を併用する方法でもよい。
【0053】
図8は共感テーマとそれに関連するコンテンツとの関係を示している。この例では、「コンテンツ1」には「共感テーマ1」が、「コンテンツ2」には「共感テーマ2」が、「コンテンツ3」には「共感テーマ1」と「共感テーマ2」が関連付けされていることを示している。コンテンツには複数の共感テーマが関連付けれて良く、また、共感テーマが関連付けられないコンテンツがあって良い。
【0054】
このマッチング処理は、共感テーマの追加、修正や、コンテンツの追加に対して、例えば1日に1回、バックエンド処理として実行される。各コンテンツに対してマッチング度が高い共感テーマの情報は、各コンテンツの属性情報として管理される。
【0055】
図6に示すフローのうち、X01~X06が共感テーマとコンテンツとの関連付け処理を示す。まず、コンテンツ用メタ情報抽出部102が、コンテンツの内容に関する情報を入力し(X01)、コンテンツから内容を表すワードを抽出し(X02)、抽出したワードの中から特徴的なワードを選別し、コンテンツにメタ情報として付与し(X03)、結果をデータベースなどのストレージに保存する(X04)。
【0056】
他方、共感テーマ用構成要素情報抽出部106は、共感テーマ(またはその関連フレーズ)ごとに関連するテキスト等を収集して、これから構成要素情報(特徴ワード情報)を抽出するする。これは、後に、コンテンツ用特徴ワードの抽出で説明される手法と同様に抽出可能である。共感テーマは上述したように例えば100~200個であり、人手により、その構成要素情報(特徴ワード情報)を準備しても良い。共感テーマ用構成要素情報は共感テーマ用構成要素情報記憶部108に記憶管理される。コンテンツ用共感テーマ決定部110は、共感テーマ用構成要素情報記憶部108の共感テーマ用構成要素情報とコンテンツ用管理情報記憶部104(メタ情報記憶部104A)のコンテンツ用メタ情報とを突き合わせて各コンテンツの共感テーマを決定していく(X05)。上述のとおり、共感テーマが割り当てられないコンテンツもあり、また複数の共感テーマが割り当てられるコンテンツもあって良い。コンテンツごとの共感テーマは、コンテンツ用管理情報記憶部104の共感テーマ記憶部104Bに記憶管理される(X06)。コンテンツと共感テーマとのマッピングの例は例えば
図9に示すようなものである。なお、メタ情報記憶部104Aおよび共感テーマ記憶部104Bは別のエンティティとして示されているけれども、1つのテーブルにまとめて管理されていて良い。
【0057】
広告情報入力部112は、広告の内容に関する情報を入力するものである(
図6、X11)。広告の内容に関する情報の例およびそれに対する処理は
図17および
図21等を参照して後に説明する。
【0058】
図6の動作例のX11~X17は、広告対象と共感テーマに関連するコンテンツとの関連付けの流れを示している。ここでの広告対象とは、特定の「商品」以外にも「ブランド」といった商品シリーズや「社名」といったものも含まれるけれども、これに限定されない。
【0059】
広告情報入力部112は、広告主が広告対象に対して登録した説明文や付帯情報等を入力する(X11)。広告特徴ワード抽出部114は、これら説明文や付帯情報等から、広告対象に関する特徴ワードを抜き出す(X12)。
【0060】
広告主は、設定情報調節部116を用いて、ステップX12において自動抽出された情報に対して、適切でないものを削除したり、広告主が意図的に広告対象に対する印象や特徴を表すワードを追加したりすることができる。また、広告を掲載したいコンテンツに対する条件、例えば、ジャンル、季節設定、対象人物、重み付け条件(含めたいワード、含めたくないワード)などを指定することもできる。このように、広告主によって編集された情報を広告対象のメタ情報として設定し(X13)、そののち、当該設定内容は広告提供対象設定情報記憶部120のデータベースもしくはストレージに保存される(X15)。
【0061】
広告用共感テーマ決定部118は、ステップX13で設定された広告対象のメタ情報から、それに関連する共感テーマ候補リストを得ることができる。例えば、広告対象のメタ情報(とくの特徴ワード)と各共感テーマの特徴ワードとを突き合わせてマッチング度を算出して、これに基づいて共感テーマ候補リストを得て良い。それぞれの共感テーマ候補リストに含まれる共感テーマに対して、関連する個々のコンテンツをコンテンツ用管理情報記憶部104(共感テーマ記憶部104B)のコンテンツ情報管理データベースを参照することで、確認できる。また、関連コンテンツの総数やジャンル比率といった統計情報を確認することができる(X14)。
【0062】
この処理において、共感テーマ候補リストを自動で取得する以外に、システムに登録されている共感テーマを検索して、またはリスト一覧から指定して選択して良い。このようにマニュアルで共感テーマを設定する場合、広告対象の実際の特徴、例えばテーマ、または広告情報から得たメタ情報とのミスマッチが想定されるため、ミスマッチ度合を示す乖離情報(ミスマッチ度の値など)が同時に提供されて良い。これについては後に詳述する。
【0063】
広告主は、それらの情報から、広告対象を関連付けする共感テーマを広告提供対象設定情報記憶部120に登録する(X15)。
【0064】
コンテンツ選択部122は、広告対象を関連付けした共感テーマに対して、同じ共感テーマが属性として付与されているコンテンツをコンテンツ用管理情報記憶部104(共感テーマ記憶部104B)のコンテンツ情報管理データベースを検索することで特定する。この際、ステップX13で設定した広告を出したいコンテンツに対する条件として、ジャンル指定、除外ジャンル、季節の設定、対象となる人物(重みを高くする)、含めたいメタワード(重みを高くする)、含めたくないワード(含むコンテンツを除外)を検索条件として考慮し、検索時のマッチングスコア値の高い順にN個、もしくはマッチング値が閾値以上のものを、広告対象を掲載するコンテンツとし、結果を広告提供対象設定情報記憶部120に登録する(X16)。
【0065】
図9は広告対象と、それに関連させる共感テーマとの関係を示している。広告対象に関連付けを行う共感テーマは複数設定することができる。ただし、広告出稿費用は、1個の広告対象に対して関連付けできる共感テーマもしくは、共感テーマに関連付けされているコンテンツの数によって変わることが想定される。この例では、「広告対象1」には「共感テーマ1」と「共感テーマ3」が、「広告対象2」には「共感テーマ2」が関連付けされていることを示している。その結果、この例では「広告対象1」は、「コンテンツ1、3、5」に、「広告対象2」は、「コンテンツ2、3」に掲載される。
【0066】
広告提供対象設定情報送出要求受信部124は、ユーザ端末300(
図2)からの要求に基づいて広告提供対象設定情報等をユーザ端末300に送出する(
図4のH4)。こうしてユーザ端末300(
図2)において、コンテンツ表示に加え広告掲載が可能になる(
図1参照)。
【0067】
図13は、コンテンツ(記事、C1~C9))、広告(A1)それぞれにおいてメタ情報を抽出した結果に対して、共感テーマ「ブレない価値観」とのマッチングスコア値が高いものをリストアップした例である。
【0068】
例えば、マッチングスコア値の計算例として、[記事 レストランAAA グルメ>創作料理]を例に挙げて説明する。このコンテンツC1のメタ情報は以下のとおりである。
・新鮮な食材:0.9 地元産:0.85 四季折々:0.8 妥協しない:0.75 ブレのない:0.7 こだわり:0.6 シェフ:0.4
【0069】
共感テーマ「ブレない価値観」のうち、上述の記事のメタ情報に同義語となる構成要素ワードは(名寄せ等で処理する)、
ブレない:1.0 妥協のない:0.9 こだわりのある:0.9
であり、
マッチングスコア値=0.75×0.9(妥協しない)+1.0×0.7(ブレない)+0.6×0.9(こだわりのある)=1.915
と計算される。ただし、スコア値の計算方法はこれに限定されるものではない。
【0070】
ここで、例えば、広告主が
図13のA1の「バッグ・財布専門店」のお店の広告を掲載するコンテンツ先を共感テーマ「ブレない価値観」に関係するコンテンツにする場合を考える。
【0071】
何も制限を指定しなければ、マッチングスコア値が高い、
図13のC1~C9のすべてに掲載される。
【0072】
他方、この広告対象ファッション>バッグ・財布なので、広告主が、グルメジャンルの記事には広告を掲載したくないとした場合には、
図3の説明のステップX13における「除外ジャンル」として"グルメ"を指定することで、C3,C4,C,6,C7,C9に掲載される。もしくは、もしくは「除外ジャンル」の指定を"グルメ>魚介類"と細かく設定することで、C1-C7,C9に掲載させることができる。同様に「除外ジャンル」として"グルメ"、「対象人物」として"40代"、「除外ワード」として"アンティーク"と指定することでC4,C6,C7に掲載させることができる。なお、条件付けはこれに限定されない。
【0073】
ここでコンテンツにメタ情報を付加する方法について補充説明を行う。
【0074】
メタ情報をコンテンツに付加する方法としては、一般的には以下のような手法が用いられる。
(1)対象コンテンツ(例えば商品)の説明文、紹介記事、ブログ、投稿欄への書き込み、SNS(Social Networking Service)上での書き込みなどのテキスト情報に対して、形態素解析などの手法を用いて、ワードや、フレーズを抽出し、商品の特徴を表すものをタグとして管理する。
(2)音楽コンテンツの場合には、音楽コンテンツに関するテキスト情報(例えば歌詞の内容、紹介記事など)から得られるタグに加えて、例えば、音楽信号のテンポ、音の大きさの時系列変化、周波数スペクトラム成分の時系列変化といった情報、ジャンル情報、歌手の声質や歌い方の特徴などに関係する情報をタグとして管理する。
(3)映像コンテンツの場合には、映像コンテンツに関する記事やシナリオ等のテキスト情報から得られるタグに加えて、映像シーンの色彩の変化、演出、BGMの印象、出演者のキャラクタ設定やセリフ、声優、監督など複数の要素から判定された情報をタグとして管理する。
【0075】
図10はタグの自動付与システム例である。X101の入力テキストデータとしてはコンテンツに関する内容が記載された、説明文、紹介記事、掲示板上での評価コメント、SNS上でのコンテンツに関するコメントなどが想定される。また、同時に、コンテンツの種別、識別ID、コンテンツ名などの属性が付加されているものとする。このテキスト情報に対して、X102において、記号などの不要な文字の除去、大文字小文字、半角全角をそろえるといった前処理をおこなったのち、X103で形態素解析を行うことで、単語レベルでの切り出しが可能になる。ここで、形態素解析の例としてMeCab形態素解析エンジンによる出力例を説明する。例えば、入力テキストとして「このクッションはふわふわで可愛い」というテキスト(
図11(A))を形態素解析すると、
図11(B)という出力が得られるため、キーワード抽出X103において「名詞」「副詞」「形容詞」だけ抽出すると、「クッション」「ふわふわ」「可愛い」という単語がキーワード抽出X103の出力として抽出される(
図11(C))。キーワード抽出にはユーザ辞書X104が参照されて良い。
【0076】
文書中の単語の重要度を求める方法にはLDA(Latent Dirichlet Allocation)やワードの意味に合わせたベクトルを用いるなど、さまざまな方法がある。ここでは、TF-IDFという手法を用いた例を説明する(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/Tf-idf)。TF-IDFのTFは単語の出現頻度(文書の中で特定の単語が出現した回数)を、IDFは逆文書頻度(コーパス全体の中で文書を含んだ文書数の自然対数)を表し、それぞれ以下の意義がある。
TF:文書dd内で出現頻度が高い単語ほど、その文書の特徴を表すのに重要である
IDF:一般的にどの文書にも登場する「a」とか「the」などの単語は重要ではない
TF-IDFは、「文書ddにおける単語wwの重要度」を表している。このTF-IDFは、単語wと文書ddごとに決まる量なので、TF-IDF(w,d)とすると以下の式で定義される
TF-IDF(w,d)=TF(w,d)×IDF(w)
ここでは、コンテンツ種別ごとに出現するワードの重要度を求めるため、同じコンテンツ属性(pg)の文章は同じ文章として集計してTF-IDFの値を用いている。
TF-IDF(w,pg)=TF(w,pg)×IDF(w)
このようにして求められた重要度をそのコンテンツ種別におけるワードの重要度は数値が大きい程重要度が高いことを示す。
図10においては、統計情報の生成X105および重要度スコア値算出X106によってワードの重要度スコア値を算出する。
【0077】
各テキスト文章から抽出されたキーワードは、そのキーワードwが文中に出現した回数の値n_count(w)との関係とともに保存される(X107)。例えば「コンテンツ名A」に関するテキストからの抽出結果として、「クッション」「ふわふわ」「可愛い」のキーワードが1回ずつ抽出されたとする。その場合の
図10のキーワード抽出X3の出力例は
図12(A)に示すように以下のようになる。
コンテンツ名A:クッション:1,ふわふわ:1,可愛い:1
図10のタグ処理X107において、入力テキストX101に付加されているコンテンツ名単位で、抽出されたワードの回数を集計する。たとえば上記の抽出結果とは別の「コンテンツ名A」対するテキスト入力のキーワード抽出結果が
図12(B)に示すように
コンテンツ名A:ポーチ:1,柔らかい:1,可愛い:1,ふわふわ:2
とし、
sum_count(w)=Σn_count(w)
の計算を行うと(
図12(C))、タグ処理X107における集計結果は
図12(D)に示すように、つぎのようになる。
コンテンツ名A:ふわふわ:3,可愛い:2,軽い:1,クッション:1,ポーチ:1
さらに
図10の集計タグ付け処理X108では、このようコンテンツ名Aに関するキーワードの集計結果に対して、タグとして不要なワード、出現回数が一定値以下のものを削除し(フィルタ処理X109)、残ったワードwに対して、
図4の重要度スコア値算出処理X6で計算されたワードの重要度のスコア値weight_score(w)の値を用いたスコア値(word_score(w)=func(weight_score(w),sum_count(w))を用いて(
図12(E))、キーワードを決定する。例えば、各キーワードの重要度スコアをword_score(w)=func(weight_score(w)×sum_count(w)と計算し(
図12(F))、その値が一定値以上で、該当するキーワードの数が上限数以内のものを情報タグとして付加する。付加する際には、スコア値の高い順に並べたり、付加されるキーワードのスコア値を合計値が1になるように正規化して良い。タグは例えば
図12(G)に示すように以下のとおりタグとして出力される(X110)。
コンテンツ名A:ふわふわ:0.53,可愛い:0.32,軽い:0.15
【0078】
これらメタ情報を利用してコンテンツの検索を行うことができる。この実施例では、このメタ情報に基づいて共感テーマをコンテンツに割り付ける。
【0079】
広告対象の特徴ワードや、共感テーマの構成要素情報も同様の手法により生成できるけれども、これに限定されない。
【0080】
つぎに、この実施例の共感テーマの具体例をあげて補足的に説明する。
図14は共感テーマの具体例を複数列挙している。この例では、各共感テーマに対して、総合的にメタ情報(メタワード)を割り当てているけれども、各共感テーマを一般、グルメ、旅行等のジャンルに分け、ジャンルごとにメタ情報を割り当てて特徴づけて良い。このようにしてコンテンツおよび広告とのマッチングの際にこれらのジャンルに応じてメタワードセットを選択して良い。
【0081】
図15は、共感テーマと別途に関連フレーズ(サブテーマ)を設けて柔軟な処理を可能にしている。関連フレーズ(サブテーマ)についてもコンテンツおよび広告とマッチングを行い、例えば、サブテーマについてマッチングスコアが大きい場合には、当該サブテーマに関連する共感テーマを選択して良い。なお、実施例においては、共感テーマは、関連する一群の関連フレーズを代表する処理用の名称(語句、文章)であり、共感テーマ自体には、タグ情報がなくても良いし、タグ情報を付与しても良い。
図15の例では、共感テーマが「ブレない価値観」であり、関連フレーズ(サブテーマ)が、「ブレない価値観」(共感テーマと同一)、「揺るぎない自分」、「周りに流されない」、「理想に向かって頑張れる」等である。関連フレーズ(サブテーマ)を複数設けて多面的な特徴づけが可能になり、またジャンル等の条件に応じて切り替えても良い。
【0082】
図16は、メタワードの例を示す、メタワードはその属性およびカテゴリを付与することができる。ワード速成やカテゴリを用いてコンテンツに適合的に採用して良い。
【0083】
図17は広告情報の例を説明する図である。この例では、広告情報は、広告タイトル及び広告説明文からなっている。この例では、スコア値は各共通テーマの関連フレーズとのマッチングスコアの最大値とするが、各関連フレーズのスコア値に対して各関連フレーズに重みを考慮した平均値でもよい。
図17の広告に対してはマッチング度に基づいて「内側からきれいになりたい」、「ダイエットしたい」、および「食生活は基本に忠実に」が関連付けられている。
【0084】
図18は広告情報から得られたメタワードおよびスコア値の例である。説明文等から抽出されたメタワードに対して例えば広告のジャンルごとのTF-IDF等の手法により各ジャンルに対する特徴的なワードのスコア値が高くなるように計算されたものでこの例では(メタワードスコア値)の形式で表されている。
【0085】
図19は、共感テーマおよび関連フレーズの例を示す。共感テーマ:「内側からきれいになりたい」に対して「体の中からきれいになる」、「内面を磨く」という2つの関連フレーズが定義されている例であり、記事や広告が「関連タグ」のどちらかにマッチングされた場合には、その親である共感タグにもマッチングされたとみなされる。また、共感テーマ:「ダイエットしたい」に、関連フレーズ「無理なく痩せる」が定義され、共感テーマ:「食生活は基本に忠実に」に、関連フレーズ「規則正しい食生活」が定義されている。それら関連フレーズにメタワードが付与されている。
【0086】
図20は、関連フレーズ「体の中からきれいになる」のメタ情報の記述例が示されている。
図20(A)においては、「体の中からきれいになる」に付与されているメタワードは、関連性の高い順に並んでいて、スコア値は別途定義された並び順に対する重み関数によって定義され、例えば先頭からの順序ごとに行列として関連付けて良い。また、
図20(B)に示すようにテーブルとして明示されて良く、また、
図20(C)に示すように、メタワードおよび重みのペアを明示的に表示させて良い。
【0087】
図21はマッチングスコアの計算例を、共感テーマ「内側からきれいになりたい」/関連フレーズ「体の中からきれいになる」の例、共感テーマ「ダイエットしたい」/関連フレーズ「無理なく痩せる」の例、および、共感テーマ「無理なく痩せる」/関連フレーズ「規則正しい食生活」の例を挙げて説明する。マッチングスコアは
図21(A)、(B)、(C)に示すように算出されて良い。マッチングスコア値は大きいほどマッチ度が高い(値は1以上になる場合がある)。乖離値(乖離スコア値)は大きいほどマッチ度が低い。
【0088】
この実施例によれば、広告主による広告に対するメタ情報の細かい調整設定をしなくても、広告主が掲載したい共感テーマを選択することで、そのテーマにあったコンテンツを特定して、掲載させることができる。
【0089】
つぎにこの発明の変形例について説明する。
図22はこの変形例を模式的に示しており、この図において
図5と対応する箇所には対応する符号を付して説明を省略する。
図22においては、広告用共感テーマ指定部126から広告主が共感テーマを指定する。この指定は検索手段を用いて良く、またメニューを用いても良い。一致度・乖離度算出部127は、
図21に示す手法で一致度・乖離度を算出して広告主に表示するものであるけれども、これに限定されない。広告主は、この一致度・乖離度を参照して共感テーマを確定し、また、共感テーマを再入力して良い。確定された共感テーマは広告提供対象設定情報記憶部120に他の設定情報とともに登録される。
【0090】
この変形例によっても、広告主による広告に対するメタ情報の細かい調整設定をしなくても、広告主が掲載したい共感テーマを選択することで、そのテーマにあったコンテンツを特定して、掲載させることができる。
【0091】
以上で実施例の説明を終了する。
【0092】
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
100 広告提供対象設定情報管理サーバ
102 コンテンツ用メタ情報抽出部
104 コンテンツ用管理情報記憶部
104A メタ情報記憶部
104B 共感テーマ記憶部
106 共感テーマ用構成要素情報抽出部
108 共感テーマ用構成要素情報記憶部
110 コンテンツ用共感テーマ決定部
112 広告情報入力部
114 広告特徴ワード抽出部
116 広告提供対象設定情報調節部
118 広告用共感テーマ決定部
120 広告提供対象設定情報記憶部
122 コンテンツ選択部
124 広告提供対象設定情報送出要求受信部
126 広告用共感テーマ指定部
127 一致度・乖離度算出部
200 webサーバ
300 ユーザ端末
400 通信ネットワーク
1000 コンピュータ
1001 CPU
1002 主メモリ
1003 入出力インターフェース(入出力バス)
1004 外部記憶装置
1005 アプリケーション