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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】飲料抽出装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/00 20060101AFI20231013BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20231013BHJP
   A47J 31/32 20060101ALI20231013BHJP
   A47J 31/60 20060101ALI20231013BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A47J31/00 302
A47J31/06 410
A47J31/32
A47J31/60
G07F13/06 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020031956
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021132900
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 規朗
(72)【発明者】
【氏名】福島 直人
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-158455(JP,A)
【文献】特開2014-132981(JP,A)
【文献】特開昭63-085894(JP,A)
【文献】特開2006-228085(JP,A)
【文献】実開昭55-008457(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
G07F 13/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料及び飲用水が投入されるシリンダと、
前記シリンダの下方に設けられ、前記シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する上昇位置に配置され、または前記シリンダと当接しない下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロックと、
前記シリンダに洗浄水を投入する洗浄水投入口と、
制御部と、を備える飲料抽出装置であって、
前記制御部は、前記フィルターブロックを前記上昇位置から前記下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させ、
前記一時停止位置は、前記シリンダと前記フィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分と、前記シリンダと前記フィルターブロックとが当接しない空間部分と、のそれぞれが生じる高さであることを特徴とする飲料抽出装置。
【請求項2】
前記フィルターブロックは、前記フィルターブロックが前記一時停止位置にあるときに、前記フィルターブロックの上面が、前記シリンダの下面と比べて傾斜する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項3】
前記シリンダを振動させるたたき機構を備え、
前記制御部は、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させた後に、前記たたき機構により前記シリンダを振動させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の飲料抽出装置。
【請求項4】
原料及び飲用水が投入されるシリンダと、
前記シリンダの下方に設けられ、飲料抽出時には前記シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する上昇位置に配置され、前記原料の抽出滓搬送時には下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロックと、
飲料抽出後に前記シリンダに洗浄水を投入する洗浄水投入口と、を備える飲料抽出装置の制御方法であって、
飲料抽出後に、前記フィルターブロックを前記上昇位置から前記下降位置より上方に位置する一時停止位置であって、前記シリンダと前記フィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分と、前記シリンダと前記フィルターブロックとが当接しない空間部分と、のそれぞれが生じる高さである位置まで下降させ、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させる、ことを特徴とする飲料抽出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原料及び飲用水が投入されるシリンダと、シリンダの下方に設けられ昇降自在のフィルターブロックと、を備える飲料抽出装置が知られている。
この種の飲料抽出装置では、飲料抽出時にシリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介してフィルターブロックとがシールされる位置までフィルターブロックを上昇させる。また、飲料抽出後には、フィルターブロックを下降させる。そして、フィルターブロック上に残る原料の抽出滓が廃棄される。このとき、シリンダ内に原料の抽出滓が残ることがあり、これを抑制する必要がある。
この抑制のためには、例えば、飲料抽出後に、シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介したフィルターブロックと、をシールしたままの状態で、リンス湯をシリンダ内に投入する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-179087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、飲料抽出後、シリンダにペーパーフィルタまたはパッキンを介してフィルターブロックをシールしたまま、リンス湯をシリンダ内に投入しても、シリンダ内に原料の抽出滓が残ってしまう場合があり、この点について未だ改善の余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、シリンダ内に原料の抽出滓が残ることを抑制できる飲料抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、原料及び飲用水が投入されるシリンダと、前記シリンダの下方に設けられ、前記シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する上昇位置に配置され、または前記シリンダと当接しない下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロックと、前記シリンダに洗浄水を投入する洗浄水投入口と、制御部と、を備える飲料抽出装置であって、前記制御部は、前記フィルターブロックを前記上昇位置から前記下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させ、前記一時停止位置は、前記シリンダと前記フィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分と、前記シリンダと前記フィルターブロックとが当接しない空間部分と、のそれぞれが生じる高さであることを特徴とする
【発明の効果】
【0006】
フィルターブロックを一時停止位置まで下降させるため、シリンダ内の抽出滓の大部分は、フィルターブロックとともに下降する。シリンダ内には、シリンダの側壁下部の内側に抽出滓がわずかに残ることとなる。この状態において、洗浄水をシリンダに投入するので、この発明によれば、シリンダの側壁の内側にわずかに残る抽出滓を、少量の洗浄水により、フィルターブロック上に排出でき、また、下降位置より上方に位置する一時停止位置までフィルターブロックを下降させるのみであるため、この少量の洗浄水がシリンダ外に漏れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る飲料抽出装置の正面図
図2】飲料抽出装置内部の斜視図
図3】待機状態における飲料抽出装置内部の模式図
図4】飲料の抽出過程を示す図
図5】飲料の抽出過程を示す図
図6図5(F)の一部を拡大した模式図
図7】飲料抽出装置の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の発明における飲料抽出装置は、原料及び飲用水が投入されるシリンダと、前記シリンダの下方に設けられ、前記シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する上昇位置に配置され、または前記シリンダと当接しない下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロックと、前記シリンダに洗浄水を投入する洗浄水投入口と、制御部と、を備える飲料抽出装置であって、前記制御部は、前記フィルターブロックを前記上昇位置から前記下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させる、ことを特徴とする。
フィルターブロックを一時停止位置まで下降させるため、シリンダ内の抽出滓の大部分は、フィルターブロックとともに下降する。シリンダ内には、シリンダの側壁下部の内側に抽出滓がわずかに残ることとなる。この状態において、洗浄水をシリンダに投入するので、この発明によれば、シリンダの側壁の内側にわずかに残る抽出滓を、少量の洗浄水により、フィルターブロック上に排出でき、また、下降位置より上方に位置する一時停止位置までフィルターブロックを下降させるのみであるため、この洗浄水がシリンダ外に漏れることを抑制できる。洗浄水がシリンダ外に漏れることを抑制できるため、洗浄水をシリンダの側壁の内側にわずかに残る抽出滓に含ませて、この抽出滓をシリンダから離間し易くできる。
【0009】
第2の発明における飲料抽出装置は、第1の発明において、前記一時停止位置は、前記シリンダと前記フィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分と、前記シリンダと前記フィルターブロックとが当接しない空間部分と、のそれぞれが生じる高さであることを特徴とする。
この発明によれば、フィルターブロックを一時停止位置まで下降させた場合であっても、
シリンダとフィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分からは洗浄水が漏れないため、シリンダ外への洗浄水の漏れをより抑制できる。
【0010】
第3の発明における飲料抽出装置は、第1の発明または第2の発明において、フィルターブロックは、フィルターブロックの上面が、シリンダの下面と比べて傾斜する位置に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、フィルターブロックを一時停止位置まで下降させた場合に、シリンダとフィルターブロックとがペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する部分と、シリンダとフィルターブロックとが当接しない空間部分と、のそれぞれを生じさせることができ、シリンダ外への洗浄水の漏れをより抑制できる。
【0011】
第4の発明における飲料抽出装置は、第1の発明から第3の発明において、前記シリンダを振動させるたたき機構を備え、前記制御部は、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させた後に、前記たたき機構により前記シリンダを振動させることを特徴とする。
この発明によれば、たたき機構によりシリンダを振動させるため、シリンダの側壁の内側に抽出滓が残ることをより抑制できる。
【0012】
第5の発明における飲料抽出装置の制御方法は、原料及び飲用水が投入されるシリンダと、前記シリンダの下方に設けられ、飲料抽出時には前記シリンダとペーパーフィルタまたはパッキンを介して当接する上昇位置に配置され、前記原料の抽出滓搬送時には下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロックと、飲料抽出後に前記シリンダに洗浄水を投入する洗浄水投入口と、を備える飲料抽出装置の制御方法であって、飲料抽出後に、前記フィルターブロックを前記上昇位置から前記下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、前記洗浄水投入口から前記洗浄水を前記シリンダに投入させる、ことを特徴とする。
フィルターブロックを一時停止位置まで下降させるため、シリンダ内の抽出滓の大部分は、フィルターブロックとともに下降する。シリンダ内には、シリンダの側壁下部の内側に抽出滓がわずかに残ることとなる。この状態において、洗浄水をシリンダに投入するので、この発明によれば、シリンダの側壁の内側にわずかに残る抽出滓を、少量の洗浄水により、フィルターブロック上に排出でき、また、下降位置より上方に位置する一時停止位置までフィルターブロックを下降させるのみであるため、この少量の洗浄水がシリンダ外に漏れることを抑制できる。洗浄水がシリンダ外に漏れることを抑制できるため、洗浄水をシリンダの側壁の内側にわずかに残る抽出滓に含ませて、この抽出滓をシリンダから離間し易くできる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る飲料抽出装置1の正面図である。図2は、飲料抽出装置1内部の斜視図である。図3は、待機状態における飲料抽出装置1内部の模式図である。
図1における飲料抽出装置1の正面視を基準として、右側を右、左側を左、上側を上、下側を下、奥側を後、手前側を前、と定義する。また、飲料抽出装置1における前後の方向を前後方向とし、飲料抽出装置1における左右の方向を左右方向とし、飲料抽出装置1における上下の方向を高さ方向とする。
【0015】
以下、本実施の形態に係る飲料抽出装置1の構成を説明する。
本実施の形態に係る飲料抽出装置1は、ドリップによりコーヒー飲料を抽出する装置である。飲料抽出装置1は、フィルターブロック16上で、ペーパーフィルタ10を介してコーヒー飲料をドリップにより抽出可能であり、コーヒー飲料抽出後のペーパーフィルタ10は、搬送部60により搬送経路100に沿って移動し、飲料抽出装置1の下部に備えられる収容部30に蓄積される。
【0016】
図1および図2に示すように、飲料抽出装置1は、左上部にペーパーフィルタ収容部11を備える。このペーパーフィルタ収容部11には、ロール状に巻かれたペーパーフィルタ10が収容されている。ペーパーフィルタ収容部11の右側であって、飲料抽出装置1の中央部には、フィルターブロック16が備えられている。
【0017】
フィルターブロック16は、上下に昇降する機構を備えている。
フィルターブロック16の内部には、図3に示すように、上方に向けて広く開口するテーパー部48が形成されている。
フィルターブロック16の上面、換言するとテーパー部48の上端部には、その中央部にフィルタ部18が設けられている。図2に示すように、このフィルタ部18の周方向全周には、パッキン17が備えられている。
テーパー部48の下端部には、吐出口59が備えられている。
【0018】
フィルターブロック16の上方には、下方が開口したシリンダ21が備えられている。
シリンダ21は、胴部26と、頭部28と、胴部26および頭部28の間に設けられる凹部27と、を備える。胴部26の下端部は、フィルターブロック16が上昇したとき、ペーパーフィルタ10及びパッキン17を介して、フィルターブロック16と当接し、密着する。
シリンダ21の胴部26は、支持アーム22により、左右の2か所を支持されている。支持アーム22は、飲料抽出装置1内の後部に配置される筐体29に固定されている。
【0019】
シリンダ21の頭部28は、カバー部材40に覆われている。カバー部材40は、飲料抽出装置1内の後部に配置される筐体29に固定されている。
カバー部材40は、平面視において、シリンダ21の頭部28の全体を覆う大きさを備えるメインカバー41を備える。また、カバー部材40は、メインカバー41と別部材で着脱可能なサブカバー49を備える。サブカバー49は、メインカバー41とシリンダ21の頭部28との間に備えられ、メインカバー41に沿ってスライド可能であり着脱自在とされている。
【0020】
メインカバー41は、シリンダ21内にコーヒー飲料の原料20である挽かれたコーヒー豆の粉を投入する原料投入口43と、シリンダ21内に湯を投入する湯投入口44(洗浄水投入口)と、シリンダ21内の湯気を引く湯気引き口45と、例えばコーヒー飲料を抽出するために飲料を循環撹拌させるときに用いられる循環撹拌投入口47と、を備える。循環撹拌投入口47には、上配管71が接続されている。
【0021】
湯投入口44は、上面視において、シリンダ21の凹部27の外周より外側であってシリンダ21の外周より内側となる位置に配置されている。これにより、湯投入口44からシリンダ21内に投入される湯は、シリンダ21の頭部28に衝突し、湯が投入された勢いにより、シリンダ21内の側壁の内側を一周するように流れながら下降する。
【0022】
筐体29の内部には、メインカバー41の原料投入口43およびサブカバー49の原料投入孔(図示せず)を開閉するシャッタ160が設けられている。シャッタ160は、不図示のシャッタ駆動モータを回転駆動させることにより、開閉する。
【0023】
循環撹拌投入口47は、シリンダ21の平面視において、シリンダ21の中央部に備えられる。また、循環撹拌投入口47は、シリンダ21の上部に位置している。
これにより、後述する循環撹拌を用いることで、抽出したコーヒー飲料は、平面視におけるシリンダ21の中央部に再投入される。シリンダ21の中央部に抽出された飲料が再投入されるため、シリンダ21内の飲料全体を効率よく撹拌できる。
【0024】
原料投入口43を介してシリンダ21内に投入される原料20をシリンダ21の中央部に堆積させるために、原料投入口43は、その下方をシリンダ21の中央部に向けて備えていてもよい。
【0025】
なお、シリンダ21内に堆積した原料20に向けて抽出したコーヒー飲料を再投入してもよい。この場合、循環撹拌投入口47の向きを、シリンダ内に原料20が堆積する箇所に向けて配置すればよい。
【0026】
図3に示すように、循環撹拌投入口47には、上配管71の他端が接続されている。上配管71の一端は、後述の飲料提供配管80に接続されている。
上配管71は、循環ピンチ72を備える。循環ピンチ72は、上配管71の開閉や、流量の調整を行える。循環ピンチ72には、例えば電磁弁などを用いることができる。
【0027】
飲料抽出装置1は、ポンプ46を備える。このポンプ46は、図1および図2に示すように、飲料抽出装置1の右下に配置されている。
図3に示すように、ポンプ46には、飲料提供配管80が接続されている。
飲料提供配管80は、抽出ピンチ82を備える。抽出ピンチ82は、飲料提供配管80の開閉や、流量の調整を行える。抽出ピンチ82には、例えば電磁弁などを用いることができる。
飲料提供配管80であって、ポンプ46と抽出ピンチ82との間には、前述の上配管71の一端が接続されている。
【0028】
ポンプ46には、下配管73の他端が接続されている。下配管73の一端は、吐出口59に接続されている。
下配管73には、高さが最も低い部分に廃液配管74が接続されている。廃液配管74は、廃液ピンチ75を備える。廃液ピンチ75は、廃液配管74の開閉や、流量の調整を行える。廃液ピンチ75には、例えば、電磁弁などを用いることができる。
【0029】
飲料抽出装置1は、第1撹拌混合部150を備える。
本実施の形態に係る第1撹拌混合部150は、シリンダ21と、シリンダ21内において抽出したコーヒー飲料を循環させるポンプ46と、ポンプ46に接続される飲料提供配管80と、一端が飲料提供配管80に接続され他端がシリンダ21の上部に配置される上配管71と、一端が吐出口59に接続され他端がポンプ46に接続される下配管73と、により構成される。
【0030】
ポンプ46は、ペーパーフィルタ10を介して抽出したコーヒー飲料を、下配管73、ポンプ46、飲料提供配管80、上配管71、シリンダ21の順に第1撹拌混合部150内に循環させる。
このように、ペーパーフィルタ10を介してコーヒー飲料を抽出し、この抽出したコーヒー飲料を第1撹拌混合部150に循環させることによりシリンダ21内に再投入し、この再投入したコーヒー飲料によりシリンダ21内の原料と湯を撹拌混合する方法を循環撹拌(飲料の循環による撹拌混合)とする。
第1撹拌混合部150は、循環撹拌を行う場合に用いることができる。
【0031】
本実施の形態に係る第1撹拌混合部150は、上配管71の一端を飲料提供配管80に接続することにより、既存の飲料提供配管80を利用している。
もっとも、第1撹拌混合部150は、必ずしもこの形態に限られるものではなく、抽出したコーヒー飲料をシリンダ21内に再投入するものであればよい。例えば、上配管71の一端は、ポンプ46に接続されていてもよい。
すなわち、例えば第1撹拌混合部150は、シリンダ21と、シリンダ21内において抽出したコーヒー飲料を循環させるポンプ46と、一端がポンプ46に接続され他端がシリンダ21の上部に配置される上配管71と、一端がシリンダ21の下部に接続され他端がポンプ46に接続される下配管73と、により構成されていてもよい。
【0032】
飲料抽出装置1は、第2撹拌混合部200を備える。
第2撹拌混合部200は、シリンダ21と、エアーを搬送させるポンプ46と、一端が吐出口59に接続され他端がポンプ46に接続される下配管73と、により構成される。
【0033】
ポンプ46は、下配管73、吐出口59およびフィルタ部18を介して、シリンダ21内にエアーを搬送する。
このように、ポンプ46により下配管73を介してエアーをシリンダ21内に搬送し、このシリンダ21内に搬送したエアーによりシリンダ21内の原料と湯を撹拌混合する方法をエアー撹拌(エアーによる撹拌混合)とする。
第2撹拌混合部200は、エアー撹拌を行う場合に用いることができる。
【0034】
本実施の形態においては、第1撹拌混合部150と第2撹拌混合部200とを、同じ構成要素により実現している。すなわち、第2撹拌混合部において用いられるシリンダ21、ポンプ46、および一端がシリンダ21の下部に接続され他端がポンプ46に接続される下配管73は、第1撹拌混合部150においても用いられる。
これにより、飲料抽出装置1の部品点数を増やすことなく、飲料抽出装置1内に第1撹拌混合部150および第2撹拌混合部200を備えることができる。
【0035】
図3に示すように、飲料抽出装置1は、シリンダ21の側方に、シリンダ21を振動させるたたき機構90を備える。たたき機構90は、たたき機構90の下端の高さが、シリンダ21の下端の高さと略等しい高さとなるように配置されている。たたき機構90の下端部には、シリンダ21を打つ部分であるたたき部91が備えれている。たたき部91の高さは、シリンダ21の下端部の高さと略等しい高さとなっている。たたき部91は、たたき機構90を動作させることにより、シリンダ21の下端部をたたくことが可能となっている。
【0036】
飲料抽出装置1は、制御的な構成としてCPUなどからなる制御部300を備える。制御部300は、CPUが事前にインストールされた制御プログラムを読み出して実行することにより、飲料抽出装置1の各部を総括的に制御する。
【0037】
図4図5は、飲料の抽出過程を示す図である。図6は、図5(F)の一部を拡大した模式図である。図7は、飲料抽出装置1の動作を示すフローチャートである。
制御部300は、ポンプ46を制御する。
制御部300は、循環撹拌を行うにあたり、ポンプ46のモータの回転数を可変することにより、シリンダ21内に再投入する抽出したコーヒー飲料の流量を可変して設定できる。
また、制御部300は、エアー撹拌を行うにあたり、ポンプ46のモータの回転数を可変することにより、シリンダ21内に搬送するエアーの風量を可変して設定できる。
これらポンプ46のモータの回転数は、例えば、PWM制御や電圧制御により可変することができる。
【0038】
また、制御部300は、不図示のフィルターブロック駆動モータを制御する。制御部300がフィルターブロック駆動モータを制御することにより、フィルターブロック16は、昇降する。
また、制御部300は、不図示のシャッタ駆動モータを制御する。制御部300がシャッタ駆動モータを回転駆動させることにより、シャッタ160は、開閉する。
また、制御部300は、循環ピンチ72、抽出ピンチ82及び廃液ピンチ75の開閉および開度を調整する。
また、制御部300は、原料20の投入の可否及び投入量、湯(飲用水)の投入の可否及び投入量、リンス湯(洗浄水)の投入の可否及び投入量を制御する。
また、制御部300は、不図示のたたき機構駆動モータを制御する。制御部300がたたき機構駆動モータを制御することにより、たたき機構90は、動作する。
【0039】
飲料抽出装置1においてコーヒー飲料を抽出する工程の一例を示す。
飲料抽出装置1の使用者により、購入スイッチが押され、販売信号が発せられると(ST1)、まず、イニシャル処理が行われる(ST2)。
【0040】
次いで、制御部300は、フィルターブロック駆動モータを制御することにより、フィルターブロック16を上昇させる(ST3)。このとき、シリンダ21の下端部は、ペーパーフィルタ10及びパッキン17を介して、フィルターブロック16と当接し、密着する。この状態が、飲料抽出時にシリンダ21とフィルターブロック16とがペーパーフィルタ10またはパッキン17を介して当接している状態であるフィルターブロック16の上昇位置となる。
なお、本実施の形態では、シリンダ21の下端部は、ペーパーフィルタ10及びパッキン17を介して、フィルターブロック16と当接させたが、ペーパーフィルタ10またはパッキン17のいずれかを介してシリンダ21の下端部とフィルターブロック16とが当接していれば、当接となる。
【0041】
次いで、制御部300は、シャッタ駆動モータを制御することにより、シャッタ160を開とし、図4(A)に矢印で示すように、シリンダ21内に、原料投入口43から原料20を投入する(ST4)。また、シリンダ21内に、湯投入口44から湯(飲用水)を投入する(ST4)。
これにより、シリンダ21内に投入された湯の中で原料20が堆積した状態となり、シリンダ21内においてコーヒー飲料が抽出される。
このとき、制御部300は、循環ピンチ72を開とする。また、制御部300は、抽出ピンチ82を閉とする。制御部300は、廃液ピンチ75を閉とする。
【0042】
次いで、図4(B)に示すように、制御部300は、ポンプ46を正方向に稼働させる。このとき、循環ピンチ72は開とされる。また、抽出ピンチ82は閉とされる。また、廃液ピンチ75は閉とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
シリンダ21内において抽出されたコーヒー飲料は、ポンプ46により、シリンダ21内から下配管73、ポンプ46、飲料提供配管80、上配管71と流れ、循環撹拌投入口47から再びシリンダ21内に投入される。
この図4(B)に示す工程が、循環撹拌である(ST5)。
【0043】
次いで、循環撹拌が終了すると、図4(C)に示すように、制御部300は、上配管71に溜まった抽出されたコーヒー飲料を吐出口59からシリンダ21内に戻すようにポンプ46を逆方向に稼働させる循環配管戻しを行う(ST6)。
循環配管戻しにより上配管71内に溜まった抽出されたコーヒー飲料をシリンダ21内に戻しておくことにより、抽出されたコーヒー飲料が上配管71内に残留することを抑制する。これにより、上配管71内にコーヒー飲料が残留することによる衛生面を改善できる。
このとき、循環ピンチ72は開とされる。また、抽出ピンチ82は閉とされる。また、廃液ピンチ75は閉とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
【0044】
次いで、循環配管戻しが終了すると、図4(D)に示すように、制御部300は、ポンプ46を逆方向に稼働させ、下配管73、吐出口59およびフィルタ部18を介して、シリンダ21内にエアーを搬送する(ST7)。
これにより、循環撹拌によりシリンダ21内において原料20と抽出されたコーヒー飲料とを十分に撹拌した後、さらに原料20と抽出されたコーヒー飲料とを撹拌するため、原料20の堆積する箇所が偏るなどした場合にも、シリンダ21内全体の効率よい撹拌を促進できる。
また、循環撹拌の後にエアー撹拌を行うことにより、ペーパーフィルタ10に空隙バラツキが存在したとしても、循環撹拌にて一度ペーパーフィルタ10を飲料が通過するため、エアーを均一にシリンダ21内に噴出できる。そのため、シリンダ21内の原料20と湯との混合バラつきを低減できる。
このとき、循環ピンチ72は開とされる。また、抽出ピンチ82は閉とされる。また、廃液ピンチ75は閉とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
この図4(D)に示す工程が、エアー撹拌である。
【0045】
循環撹拌およびエアー撹拌を行う順序および回数は、適宜に変更可能である。
【0046】
エアー撹拌が終了すると、次いで、制御部300は、湯投入口44から、シリンダ21内に、湯(飲用水)を投入する(ST8)。これにより、循環撹拌およびエアー撹拌により飛散した原料20を洗い流す。
【0047】
次いで、コーヒー飲料の抽出過程が終了すると、図4(E)に示すように、循環ピンチ72は閉とされ、抽出ピンチ82は開とされる。なお、廃液ピンチ75は閉とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
制御部300は、ポンプ46を正方向に稼働し、シリンダ21内の飲料を、飲料提供配管80を介して、飲料抽出装置1の使用者に提供する(ST9)。これを1回目抽出とする。
【0048】
大容量の飲料を販売する際には、シリンダ21の容量を超える量の湯(飲用水)が必要となる場合がある。この場合、1回目抽出に次いで、制御部300は、湯投入口44から、シリンダ21内に、追加の湯(飲用水)を投入する(S10)。追加の湯の量は、1回目抽出によりシリンダに入りきらない量である。
【0049】
次いで、制御部300は、ポンプ46を正方向に稼働し、シリンダ21内の飲料を、飲料提供配管80を介して、飲料抽出装置1の使用者に提供する(ST11)。このとき、循環ピンチ72は閉とされ、抽出ピンチ82は開とされる。なお、廃液ピンチ75は閉とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
このように、飲料を、複数回に分けてポンプ液送することも可能である。
【0050】
次いで、図5(F)に示すように、制御部300は、フィルターブロック駆動モータを制御することにより、フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させ、フィルターブロック16を停止させる(ST12)。一時停止位置とは、図5(H)に示す後述する下降位置より上方に位置する位置である。
このとき、循環ピンチ72は閉とされる。また、抽出ピンチ82は開とされる。また、廃液ピンチ75は開とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
【0051】
図6に示すように、中空円筒状のシリンダ21には、円筒状の下端を結ぶ下層面93(シリンダの下面)を観念できる。フィルターブロック16は、フィルターブロック16の上面16Aが、下層面93と比べて傾斜する位置に配置されている。
【0052】
本実施の形態では、フィルターブロック16を一時停止位置に停止させたとき、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接する部分94と、シリンダ21とフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1と、が生じる。
すなわち、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接する部分94においては、シリンダ21とパッキン17とがシールされている。シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1においては、シリンダ21とパッキン17とがシールされていない。
【0053】
フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させるとき、フィルターブロック16に溜まった抽出滓20Aの大部分は、フィルターブロック16とともに重力により下降し、シリンダ21の側壁の内側に張り付いた抽出滓20Aのみが、シリンダ21の内側にとどまることになる。
【0054】
本実施の形態では、フィルターブロック16に溜まる抽出滓20Aの高さH1は、空間部分S1の高さH2よりも高い。
これにより、後述するリンス湯をシリンダ21内に投入した際に、リンス湯が空間部分S1からシリンダ21の外に飛び散ることが抑制される。
フィルターブロック16に溜まる抽出滓20Aの高さH1が、シリンダ21とペーパーフィルタ10またはパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1の高さH2より高くなるように、用いる原料20の量との関係において、一時停止位置を決定できる。
【0055】
なお、本実施の形態に係る上昇位置においては、シリンダ21の下部がフィルターブロックの上面16Aに食い込むことによりシールされている。シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1の高さH2は、1~2mmとなっている。
【0056】
次いで、図5(G)に示すように、制御部300は、湯投入口44から、リンス湯(洗浄水)をシリンダ21に投入する(ST13)。
このとき、循環ピンチ72は閉とされる。また、抽出ピンチ82は開とされる。また、廃液ピンチ75は開とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
【0057】
湯投入口44からシリンダ21内に投入されるリンス湯は、シリンダ21の頭部28に衝突する。このリンス湯は、投入された勢いにより、シリンダ21内の側壁の内側を一周するように流れながら下降する。シリンダ21内の側壁に沿ってリンス湯が下降し、このリンス湯は、シリンダ21の側壁の内側に張り付いた抽出滓20Aをフィルターブロック16上に落下させる。
これにより、シリンダ21の側壁の内側にわずかに残る抽出滓20Aを、少量のリンス湯により、フィルターブロック16上に排出できる。また、フィルターブロック16に溜まる抽出滓20Aの高さH1が、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1の高さH2より高いため、リンス湯がシリンダ21の外に漏れることが抑制される。リンス湯がシリンダ21外に漏れることを抑制できるため、リンス湯をシリンダ21の側壁の内側にわずかに残る抽出滓20Aに含ませて、この抽出滓20Aをシリンダ21から離間し易くできる。
【0058】
次いで、図5(H)に示すように、制御部300は、不図示のたたき機構駆動モータを制御することにより、たたき機構90を動作させる(ST14)。このとき、循環ピンチ72は閉とされる。また、抽出ピンチ82は開とされる。また、廃液ピンチ75は開とされる。また、シャッタ160は閉とされる。
【0059】
たたき機構90は、その下部がシリンダ21の側に移動するように制御され、たたき機構90の下端部に備えられるたたき部91が、シリンダ21の下端部をたたく。本実施の形態では、この動作を3回繰り返す。
これにより、仮に、リンス湯投入(ST13)の後にシリンダ21の側壁の内側に抽出滓20Aが残っていたとしても、この抽出滓20Aをフィルターブロック16上に落下させることができ、シリンダ21内に抽出滓20Aが残ることがより抑制される。
【0060】
次いで、図5(H)に示すように、制御部300は、フィルターブロック16を下降位置まで下降させる(ST15)。
次いで、フィルターブロック16上の抽出滓20Aは、ペーパーフィルタ10とともに搬送部60により搬送され、収容部30に廃棄される(ST16)。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態に係る飲料抽出装置1は、原料20及び湯(飲用水)が投入されるシリンダ21と、シリンダ21の下方に設けられ、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介して当接する上昇位置に配置され、またはシリンダ21と当接しない下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロック16と、シリンダ21にリンス湯(洗浄水)を投入する湯投入口44(洗浄水投入口)と、制御部300と、を備え、制御部300は、フィルターブロック16を上昇位置から下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、湯投入口44からリンス湯をシリンダ21に投入させる。
フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させるため、シリンダ21内の抽出滓20Aの大部分は、フィルターブロック16とともに下降する。シリンダ21内には、シリンダ21の側壁下部の内側に抽出滓20Aがわずかに残ることとなる。この状態において、リンス湯をシリンダ21に投入するので、抽出滓20Aを、少量のリンス湯により、フィルターブロック16上に排出でき、また、下降位置より上方に位置する一時停止位置までフィルターブロック16を下降させるのみであるため、このリンス湯がシリンダ21外に漏れることを抑制できる。また、リンス湯がシリンダ21外に漏れることを抑制できるため、リンス湯をシリンダ21の側壁の内側にわずかに残る抽出滓20Aに含ませて、この抽出滓20Aをシリンダ21から離間し易くできる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、一時停止位置は、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接する部分94と、シリンダ21とフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1と、のそれぞれが生じる高さである。
これによれば、フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させた場合であっても、
シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接する部分94からはリンス湯が漏れないため、シリンダ21外へのリンス湯の漏れをより抑制できる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、フィルターブロック16は、フィルターブロック16の上面16Aが、下層面93(シリンダの下面)と比べて傾斜する位置に配置されている。
これによれば、フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させた場合に、シリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介してフィルターブロック16とが当接する部分94と、シリンダ21とフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1と、のそれぞれを生じさせることができ、シリンダ21外へのリンス湯の漏れをより抑制できる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、シリンダ21を振動させるたたき機構90を備え、制御部300は、湯投入口44(洗浄水投入口)からリンス湯(洗浄水)をシリンダ21に投入させた後に、たたき機構90によりシリンダ21を振動させる。
これによれば、たたき機構90によりシリンダ21を振動させるため、シリンダ21の側壁の内側に抽出滓20Aが残ることをより抑制できる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、原料20及び湯(飲用水)が投入されるシリンダ21と、シリンダ21の下方に設けられ、飲料抽出時にはシリンダ21とペーパーフィルタ10及びパッキン17を介して当接する上昇位置に配置され、原料20の抽出滓20A搬送時には下降位置に配置される、昇降自在のフィルターブロック16と、飲料抽出後にシリンダ21にリンス湯(洗浄水)を投入する湯投入口44(洗浄水投入口)と、を備え、飲料抽出後に、フィルターブロック16を上昇位置から下降位置より上方に位置する一時停止位置まで下降させ、湯投入口44からリンス湯をシリンダ21に投入させる制御方法をとっている。
フィルターブロック16を一時停止位置まで下降させるため、シリンダ21内の抽出滓20Aの大部分は、フィルターブロック16とともに下降する。シリンダ21内には、シリンダ21の側壁下部の内側に抽出滓20Aがわずかに残ることとなる。この状態において、リンス湯をシリンダ21に投入するので、抽出滓20Aを、少量のリンス湯により、フィルターブロック16上に排出でき、また、下降位置より上方に位置する一時停止位置までフィルターブロック16を下降させるのみであるため、このリンス湯がシリンダ21外に漏れることを抑制できる。また、リンス湯がシリンダ21外に漏れることを抑制できるため、リンス湯をシリンダ21の側壁の内側にわずかに残る抽出滓20Aに含ませて、この抽出滓20Aをシリンダ21から離間し易くできる。
【0066】
以上、本実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、リンス湯の投入(ST13)とたたき機構90の動作(ST15)を繰り返してもよい。また、例えば、フィルターブロック下降(ST12)と同時に。リンス湯の投入(ST13)を開始してもよい。また、例えば、リンス湯の投入と同時に、たたき機構90の動作(ST14)を開始してもよい。
【0067】
また、例えば、シリンダ21とフィルターブロック16とが当接しない空間部分S1の高さH2が、フィルターブロック16に溜まる抽出滓20Aの高さH1より高くなるよう
に一時停止位置を設定することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 飲料抽出装置
16 フィルターブロック
16A フィルターブロックの上面
20 原料
20A 抽出滓
21 シリンダ
28 頭部
43 原料投入口
44 湯投入口
90 たたき機構
91 たたき部
93 下層面(シリンダの下面)
94 シリンダとフィルターブロックとが当接する部分
300 制御部
H1 フィルターブロックに溜まる抽出滓の高さ
H2 空間部分の高さ
S1 シリンダとフィルターブロックとが当接しない空間部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7