(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231013BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023024612
(22)【出願日】2023-02-20
【審査請求日】2023-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523060998
【氏名又は名称】株式会社Koiniwa
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】古川 貴博
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-018312(JP,A)
【文献】特開2022-163307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0219310(US,A1)
【文献】特開2002-85854(JP,A)
【文献】大槻,実世界で超頻出!二部マッチング (輸送問題、ネットワークフロー問題)の解法を総整理!,2019年04月16日,[検索日:2023.03.08], Internet<URL: https://web.archive.org/web/20190416095858/https://qiita.com/drke
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1属性を有する第1ユーザ群に属し第1マッチング可能数が付与された第1ユーザの数である第1ユーザ数と、第2属性を有する第2ユーザ群に属し第2マッチング可能数が付与された第2ユーザの数である第2ユーザ数とを計測するユーザ数計測部と、
前記第1ユーザ数及び前記第2ユーザ数に基づき、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数のうちユーザ数が少ない方を増加する又はユーザ数が多い方を減少するマッチング可能数補正を行うマッチング可能数補正部と、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとのマッチングを、前記マッチング可能数補正後の前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数に基づいて行うマッチング部と、
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記ユーザ数計測部により計測された前記第1ユーザ数と前記第2ユーザ数とのユーザ数比を算出するユーザ数比算出部を更に備え、
前記マッチング可能数補正部は、前記マッチング可能数補正を、前記ユーザ数比に基づいて行う請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのそれぞれの課金額を算出する課金額算出部を更に備え、
前記マッチング可能数補正部は、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数を、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのそれぞれの前記課金額に応じて増加する補正を行う請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記ユーザ数計測部により計測された前記第1ユーザ数と前記第2ユーザ数とのユーザ数比を算出するユーザ数比算出部を更に備え、
前記マッチング可能数補正部により前記課金額に応じて増加され
るマッチング数の最大数は、前記ユーザ数比に応じて変化する請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1属性及び前記第2属性とは異なる付帯属性が共通する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを抽出する共通付帯属性抽出部を更に備え、
前記マッチング可能数補正部は、前記付帯属性が共通する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザについて、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数を増加する補正を行う請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記付帯属性は、現在地、住所、出身地、出身校、職業、趣味及び年齢のうち少なくとも1つに関する属性である請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記第1ユーザが有する第1端末及び前記第2ユーザが有する第2端末に対して前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが共同でプレイすることが可能なゲームを提供するゲーム提供部と、
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザについて、前記ゲームのプレイ状況を示す状況データを収集するプレイ状況収集部と、
前記状況データに基づき前記プレイ状況が近似する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを前記第1ユーザ群及び前記第2ユーザ群から抽出すると共に、抽出された前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのうち少なくとも一方に対して、他方の情報をマッチングの候補として提示するマッチング候補提示部と、
を更に備える請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
第1属性を有する第1ユーザ群に属し第1マッチング可能数が付与された第1ユーザの数である第1ユーザ数と、第2属性を有する第2ユーザ群に属し第2マッチング可能数が付与された第2ユーザの数である第2ユーザ数とを計測するユーザ数計測工程と、
前記第1ユーザ数及び前記第2ユーザ数に基づき、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数のうちユーザ数が少ない方を増加する又はユーザ数が多い方を減少するマッチング可能数補正を行うマッチング可能数補正工程と、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとのマッチングを、前記マッチング可能数補正後の前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数に基づいて行うマッチング工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間の交流を支援するサーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやPC等の端末にインストールされたプログラムを介してサーバにアクセスすることにより利用されるユーザ間のコミュニケーションツールが広く利用されている。
【0003】
このようなコミュニケーションツールの一つとして、ユーザ同士がゲームを通じて交流の機会を得ることができ、更にメッセージ交換をしたりすることにより親密度を高めたユーザ同士が互いに承認し合うことにより、他のユーザに対して行い得るコミュニケーションよりも更に自由度の高いコミュニケーションを行うことが可能な状態になる、所謂マッチング機能を有するものが提供されている。
【0004】
また、こうしたコミュニケーションツールでは、ユーザの性別や居住地、趣味、年代等、ユーザの属性に応じて当該属性にマッチする他のユーザを推定してユーザに提案することにより、新たな交流を促進して、マッチングの機会を増やすことが行われている。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のコミュニケーションツールでは、ユーザがマッチングできる人数に上限が設けられていることが多い。こうした制限下において、一方の属性を有するユーザの数が多く、他方の属性を有するユーザの数が少ない状態で、これら2つの異なる属性を有するユーザ間でマッチングを求める場合、数が少ない当該他方の属性を有するユーザが、数が多い当該一方の属性を有するユーザとマッチングをする機会は多く確保することができる。
【0007】
しかし、数が多い当該一方の属性を有するユーザが、数が少ない当該他方の属性を有するユーザとマッチングをする機会を十分に確保することは難しい。そのため、当該一方の属性を有するユーザの多くがマッチングをすることができなくなり、コミュニケーションツールの利用価値が下がってしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、異なる属性を有するユーザ間でマッチングを求める場合であって、双方の属性に含まれるユーザの数に偏りがある場合でも、ユーザ間のマッチングの機会を十分に確保することができるコミュニケーションツールを実現するサーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1属性を有する第1ユーザ群に属し第1マッチング可能数が付与された第1ユーザの数である第1ユーザ数と、第2属性を有する第2ユーザ群に属し第2マッチング可能数が付与された第2ユーザの数である第2ユーザ数とを計測するユーザ数計測部と、前記第1ユーザ数及び前記第2ユーザ数に基づき、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数のうちユーザ数が少ない方を増加する又はユーザ数が多い方を減少するマッチング可能数補正を行うマッチング可能数補正部と、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのマッチングを、前記マッチング可能数補正後の前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数に基づいて行うマッチング部と、を備えるサーバであることを特徴とする。
【0011】
上記サーバにおいて、前記ユーザ数計測部により計測された前記第1ユーザ数と前記第2ユーザ数とのユーザ数比を算出するユーザ数比算出部を更に備え、前記マッチング可能数補正部は、前記マッチング可能数補正を、前記ユーザ数比に基づいて行うことが好ましい。
【0012】
上記サーバにおいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのそれぞれの課金額を算出する課金額算出部を更に備え、前記マッチング可能数補正部は、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数を、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのそれぞれの前記課金額に応じて増加する補正を行うことが好ましい。
【0013】
上記サーバにおいて、前記ユーザ数計測部により計測された前記第1ユーザ数と前記第2ユーザ数とのユーザ数比を算出するユーザ数比算出部を更に備え、前記マッチング可能数補正部により前記課金額に応じて増加されるマッチング数の最大数は、前記ユーザ数比に応じて変化することが好ましい。
【0014】
上記サーバにおいて、前記第1属性及び前記第2属性とは異なる付帯属性が共通する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを抽出する共通付帯属性抽出部を更に備え、前記マッチング可能数補正部は、前記付帯属性が共通する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザについて、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数を増加する補正を行うことが好ましい。
【0015】
上記サーバにおいて、前記付帯属性は、現在地、住所、出身地、出身校、職業、趣味及び年齢のうち少なくとも1つに関する属性であることが好ましい。
【0016】
上記サーバにおいて、前記第1ユーザが有する第1端末及び前記第2ユーザが有する第2端末に対して前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが共同でプレイすることが可能なゲームを提供するゲーム提供部と、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザについて、前記ゲームのプレイ状況を示す状況データを収集するプレイ状況収集部と、前記状況データに基づき前記プレイ状況が近似する前記第1ユーザ及び前記第2ユーザを前記第1ユーザ群及び前記第2ユーザ群から抽出すると共に、抽出された前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのうち少なくとも一方に対して、他方の情報をマッチングの候補として提示するマッチング候補提示部と、を更に備えることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、第1属性を有する第1ユーザ群に属し第1マッチング可能数が付与された第1ユーザの数である第1ユーザ数と、第2属性を有する第2ユーザ群に属し第2マッチング可能数が付与された第2ユーザの数である第2ユーザ数とを計測するユーザ数計測工程と、前記第1ユーザ数及び前記第2ユーザ数に基づき、前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数のうちユーザ数が少ない方を増加する又はユーザ数が多い方を減少するマッチング可能数補正を行うマッチング可能数補正工程と、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのマッチングを、前記マッチング可能数補正後の前記第1マッチング可能数及び前記第2マッチング可能数に基づいて行うマッチング工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上述した構成からなる本発明によれば、異なる属性を有するユーザ間でマッチングを求める場合であって、双方の属性に含まれるユーザの数に偏りがある場合でも、ユーザ間のマッチングの機会を十分に確保することができるコミュニケーションツールを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るサーバが適用されるコミュニケーションシステムを示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るサーバの構成ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るサーバの記憶手段に記憶されているユーザテーブルの具体例を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るサーバによる処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態に係るサーバと通信を行うユーザ端末に表示される画面の具体例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るサーバが適用されるコミュニケーションシステムについて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るサーバが適用されるコミュニケーションシステム1を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るコミュニケーションシステム1は、サーバ2と、サーバ2にネットワークNを介して接続された複数のユーザ端末3(3A、3B、3C、…、3N)を備えて構成されている。
【0022】
コミュニケーションシステム1は、本実施形態においてはユーザ同士がゲームを通じて交流の機会を得ることができ、更にメッセージ交換をしたりすることにより親密度を高めることができるものである。更に、コミュニケーションシステム1は、ゲーム内において親密度を高めたユーザのうちの一方がマッチング申請をして、他方のユーザが当該申請を承認することにより、その他のユーザに対して行い得るコミュニケーションよりも更に自由度の高いコミュニケーションを行うことや、その他のユーザが閲覧し得るユーザの個人情報よりも更に多くの個人情報の閲覧が可能な状態になる、マッチング機能を有するものである。本実施形態におけるコミュニケーションシステム1では、特に男女間のマッチングが念頭に置かれていて、男女間のマッチングを促進するための種々の機能を備えている。
【0023】
ユーザ端末3は、通信機能、操作機能及び表示機能を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末及びPC等、インストールされたプログラムを介してサーバ2にアクセスすることにより他のユーザ端末3と共にゲームをプレイすることができると共にメッセージ交換を行い、またマッチング操作を行うことができる端末である。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係るサーバ2の構成ブロック図である。
図2に示すように、サーバ2は、サーバ2の全体を制御する制御部21と、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0025】
制御部21は、制御部21全体を制御するCPU22と、CPU22上で動作する制御プログラム等を格納したROM23と、各種データを一時的に格納するためのRAM24とを備えて構成されている。
【0026】
図3は、本発明の実施形態に係るサーバ2の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御部21は、CPU22がROM23に格納されているプログラムをRAM24に展開して実行することにより、ユーザ数計測部221、ユーザ数比算出部222、マッチング可能数補正部223、マッチング部224、課金額算出部225、ゲーム提供部226、プレイ状況収集部227、共通付帯属性抽出部228及びマッチング候補提示部229として機能する。
【0027】
ユーザ数計測部221は、ユーザ端末3A、3B、3C、…、3Nを介してコミュニケーションシステム1を利用しているユーザの全体数を計測する。また、ユーザ数計測部221は、特定の属性を有するユーザについてユーザ群として分類し、それぞれのユーザ群に属するユーザの数を計測する。
【0028】
ここで、ユーザの属性とは、一のユーザが他のユーザとのマッチングを希望する際に相手を選ぶ必須の基準とされる属性であって、男女間のマッチングを念頭に置く本実施形態に係るコミュニケーションシステム1では、ユーザの性別(男性、女性)が想定されている。そして、ユーザの属性が性別である場合には、ユーザ群は、男性ユーザの集合体及び女性ユーザの集合体のそれぞれを示す。このユーザ群は、属性毎に異なるユーザの集合体により形成される。なお、本実施形態においては属性の簡潔な例示として男性と女性を挙げているが、属性としての性別には、男性と女性以外の他の性別(LGBTQ)を含むものであってもよいことは言うまでもない。
【0029】
ユーザ数比算出部222は、ユーザ数計測部により計測された一のユーザ群に属するユーザ数と、他のユーザ群に属するユーザ数とのユーザ数比を算出する。例えば、ユーザ群が男性ユーザの集合体と女性ユーザの集合体である場合には、ユーザ数比算出部222は、コミュニケーションシステム1を利用する男性ユーザ数と、女性ユーザ数とのユーザ数比を算出する。また、ユーザ数比算出部222は、算出されたユーザ比の偏りの有無を判定する。
【0030】
マッチング可能数補正部223は、ユーザ数比に基づき、ユーザ毎に割り振られているマッチング可能数を補正するマッチング可能数補正を行う。また、マッチング可能数補正部223は、各ユーザによる課金額に応じてマッチング可能数を増加する補正も行うが、課金額に応じて増加されるマッチング数の最大値は、ユーザ数比に応じて変化する。更に、マッチング可能数補正部223は、後述するように、共通付帯属性抽出部228が抽出した、性別等の必須の属性以外の属性である付帯属性が共通するユーザのそれぞれについて、当該付帯属性が共通するユーザ同士のみに使用可能なマッチング可能数(特定マッチング可能数)を付与することで、マッチング可能数を増加する補正も行う。
【0031】
マッチング部224は、ユーザ毎のマッチング可能数に応じた数だけ、ユーザ間のマッチングを行う。また、ユーザの当初のマッチング可能数がマッチング可能数補正部223により増加された場合には、マッチング部224は、増加後のマッチング可能数に応じてユーザ間のマッチングを行う。
【0032】
課金額算出部225は、ユーザ毎のゲーム内における課金額を算出する。なお、ゲーム内における課金とは、例えばゲーム中に生成されるユーザ毎のアバターA(
図6参照)に使用される有料の衣装やヘアスタイル等の購入金額や、ゲーム内のサブスクリプション制のサービス利用料等、ユーザが任意で行えるものであって、課金を行わなくてもゲームをすることも可能である。サブスクリプション制のサービス料については、月毎のサービス料の額であったり、あるいは過去のサービス料の積算額であったりしてもよい。
【0033】
ゲーム提供部226は、それぞれのユーザが有するユーザ端末3A、3B、…、3Nに対して、それぞれのユーザが共同でプレイすることが可能なゲームを提供する。コミュニケーションシステム1では、当該ゲーム内での共同作業を通じてユーザ同士が親密度を高められるようになっていて、例えば一緒に畑を管理して収穫物を収穫することで互いに報酬を得たり、特定の課題を一緒にクリアすることでプレイヤーがレベルアップしたり、アバターの装飾を増やしたりすることができるゲームである。
【0034】
プレイ状況収集部227は、各ユーザのゲームのプレイ状況を示す状況データを収集する。状況データには、例えばプレイ時間帯や、ゲームの進捗度等が含まれる。
【0035】
共通付帯属性抽出部228は、男性や女性等の必須の基準となる属性とは異なる、住所や趣味等の付帯属性が共通するユーザを抽出する。
【0036】
マッチング候補提示部229は、一のユーザに対して、所定の条件を満たす他のユーザの情報を抽出して提示する。例えば、マッチング候補提示部229は、状況データに基づき、プレイ時間帯等のプレイ状況が近似する2人のユーザを抽出すると共に、抽出された当該2人のユーザのうち少なくとも一方のユーザに対して、他方のユーザの情報をマッチング候補として提示する。また、マッチング候補提示部229は、例えばユーザ情報として住所を入力している男性ユーザに対して、同じ住所に住む他の女性ユーザの情報をマッチング候補として提示する。
【0037】
図2に戻り、サーバ2は、制御部21に加えて、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0038】
記憶手段25は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されている。記憶手段25は、サーバ2が機能するために必要になる、ユーザテーブル等の各種のテーブルを記憶する。
【0039】
図4は、本発明の実施形態に係るサーバ2の記憶手段25に記憶されているユーザテーブルの具体例を示す模式図である。ユーザテーブルは、複数のユーザレコード71を有する。ユーザレコードは、例えばユーザID、ユーザ属性、当初マッチング可能数、マッチング補正数、マッチングID_1、マッチングID_2、マッチングID_3、…、マッチングID_N、課金額及び付帯属性を含んでいる。
【0040】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別情報であり、全てのユーザ間で重複しないようになっている。
【0041】
ユーザ属性は、マッチングの際にマッチング相手を選ぶ必須の基準となるユーザの属性であり、本実施形態においては性別(男性、女性)がこれに該当する。なお、本発明においては、属性は性別に限らず、他の属性を用いてマッチングの必須の基準としてもよい。
【0042】
当初マッチング可能数は、ユーザがコミュニケーションシステム1に参加した際に最初に付与されるマッチング可能数であり、本実施形態に係るコミュニケーションシステム1では、男性、女性共に2とされている。マッチング可能数が2であることにより、例えば男性は、最大2名の女性とマッチングを行うことが可能になっている。
【0043】
マッチング補正数は、上述したマッチング可能数補正部223により追加されたマッチング数である。また、本実施形態において追加されるマッチング数には、全ての異性に対してマッチングを行うことができるマッチング数(通常マッチング数)の他に、付帯属性が共通するユーザ同士のみに使用可能な特定マッチング可能数があり、
図4のマッチング補正数の欄においては特定マッチング可能数を括弧付きで示している。例えば、ユーザIDが001の女性のマッチング補正数は、通常マッチング数の2に、特定マッチング可能数である1を加えて、合計3になっている。このユーザIDが001の女性は、当初マッチング可能数が2であり、更にマッチング補正数が3であるため、マッチング可能数の総計は5になっている。
【0044】
マッチング数は、ユーザが現在マッチングを行っている他のユーザの数である。ユーザIDが001の女性の場合、マッチング数は3であり、3人の他の男性ユーザとマッチングを行っている状態になっている。
【0045】
マッチングID_1、マッチングID_2、マッチングID_3、…、マッチングID_Nは、ユーザが現在マッチングを行っている他のユーザのユーザIDであり、ユーザIDが小さい数字から順に並んだ状態になっている。ユーザIDが001の女性の場合は、3人の男性ユーザとマッチングしているが、そのマッチング相手のIDである004、006及び012が、それぞれマッチングID_1、マッチングID_2及びマッチングID_3に書き込まれている。
【0046】
課金額は、ユーザ毎の課金額情報が記載されていて、単位は100円になっている。ユーザIDが006の男性の場合には、課金額が100と記載されていることから、10,000円を課金している状態であることが分かる。
【0047】
付帯属性は、マッチング相手を選ぶ際の必須の基準となる性別等の属性とは異なる、任意の基準となる属性であり、本実施形態では、ユーザ端末3に内蔵されているGPSにより測定される現在地や、事前に任意でユーザ端末3を介して入力される住所、出身地、出身校、職業、趣味及び年齢が含まれている。ユーザがそれぞれ付帯属性を入力することにより、同じ付帯属性を有する他のユーザを自ら検索することが可能になると共に、共通付帯属性抽出部228により抽出することが可能になり、より自らの好みに近かったり、親密になれる可能性が高かったりするユーザとマッチングする確率を高めることができる。
【0048】
図4に示すユーザテーブルでは、ユーザIDが001の女性とユーザIDが010の男性は、付帯属性として趣味の欄にアニメ(アニメ鑑賞を示す)と入力している。また、ユーザIDが003の女性とユーザIDが008の男性は、住所として船橋と入力している。そして、これらの付帯属性が共通するユーザ同士は、自らゲーム内の検索機能を用いて検索したり、共通付帯属性抽出部228により抽出されて提示されたりすることにより、マッチングする確率が高まることになる。
【0049】
通信部26は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介してユーザ端末3と通信する。通信部26は、ユーザ端末3から受信したデータを制御部21に渡すと共に、制御部21が生成したデータをユーザ端末3に送信する。
【0050】
次に、上述した構成及び機能を有するサーバ2の動作についてフローチャートを用いて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るサーバ2による処理を示すフローチャートである。
【0051】
サーバ2がゲームを通じて交流しているユーザ同士をマッチングする際には、まずユーザ数計測部221が、ユーザ端末3A、3B、3C、…、3Nを介してコミュニケーションシステム1を利用しているユーザについて、特定の属性を有するユーザをユーザ群として分類し、それぞれのユーザ群に属するユーザの数を計測する(ステップS1)。本実施形態において属性は性別(男性、女性)であり、ユーザ数計測部221は、ユーザを女性群、男性群に分類し、それぞれに属するユーザの数を計測する。
【0052】
次に、ユーザ数比算出部222が、ユーザ数計測部221により計測された各ユーザ群に属するユーザ数の比であるユーザ数比を算出する(ステップS2)と共に、算出されたユーザ比の偏りの有無を判定する(ステップS3)。本実施形態においては、ユーザ数比算出部222は、女性群に属するユーザ数と、男性群に属するユーザ数のユーザ数比を算出し、偏りの有無(すなわち、1:1になるか否か)の判定を行う。なお、本実施形態においては、ユーザ数比算出部222は各ユーザ群に属するユーザ数の比であるユーザ数比を算出しているが、本発明においてはこれに限らず、例えばユーザ数比算出部222が男性ユーザの比率(例えば70%)及び女性ユーザの比率(例えば30%)を算出し、これらの比率を比較することで偏りの有無の判定を行ってもよい。
【0053】
そして、ユーザ数比に偏りがある場合(ステップS4:YES)、マッチング可能数補正部223がユーザ数比に基づき、ユーザ毎に割り振られているマッチング可能数を補正するマッチング可能数補正を行う(ステップS5)。このマッチング可能数補正は、ユーザ数が少ないユーザ群のユーザについて、マッチング可能数を増加するように行われる。マッチング可能数の増加数は、例えば、各ユーザ群を構成するユーザ数に当該ユーザ群を構成する各ユーザの増加後のマッチング可能数を掛けた値について、ユーザ群間で最も差が少なくなるようにして求められる。
【0054】
具体的には、例えば女性群を構成する女性ユーザ数が3人であり、男性群を構成する男性ユーザ数が9人である場合には、ユーザ数比(女性ユーザ数:男性ユーザ数)は1:3になる。このとき、マッチング可能数について、ユーザ数比の逆、すなわち女性ユーザのマッチング可能数:男性ユーザのマッチング可能数が3:1になるように(女性ユーザのマッチング可能数が男性ユーザの3倍になるように)女性ユーザのマッチング可能数を増加することにより、女性ユーザの数が少なくてもその分多くの男性ユーザとマッチングが可能になる。これにより、ユーザ数が多い男性群の男性ユーザがカップリングできず余ってしまうという状況を改善することが可能になる。なお、ユーザ数比に偏りがない場合(ステップS4:NO)、ステップS6に移行する。
【0055】
次に、課金額算出部225が、ユーザ毎のゲーム内における課金額を算出する(ステップS6)。
【0056】
ユーザが課金を行っている場合には(ステップS7:YES)、マッチング可能数補正部223は、ユーザの課金額に応じて当該ユーザのマッチング可能数を増加する(ステップS8)。例えば、マッチング可能数補正部223は、1万円の課金毎に、当該課金を行ったユーザのマッチング可能数を1つ増やす。なお、ユーザが課金を行っていない場合(ステップS7:NO)、ステップS9に移行する。
【0057】
次に、共通付帯属性抽出部228が、付帯属性が共通するユーザを抽出する(ステップS9)。
【0058】
そして、共通付帯属性抽出部228が、付帯属性が共通するユーザを抽出した場合(ステップS10:YES)、マッチング可能数補正部223は、当該ユーザに対して、付帯属性が共通するユーザ同士のみに使用可能な特定マッチング可能数を付与する(ステップS11)。なお、付帯属性が共通するユーザが抽出されなかった場合(ステップS10:NO)、ステップS12に移行する。
【0059】
次に、マッチング候補提示部229が、抽出されたマッチング候補に関する情報を生成し、通信部26を介してユーザ端末3に送信することで、マッチング候補の提示が行われる(ステップS12)。マッチング候補提示部229は、プレイ状況収集部227が収集したプレイ状況が近いユーザや、共通付帯属性抽出部228が抽出した共通する付帯属性を有するユーザ等を、マッチング候補として提示する。
【0060】
次に、マッチング部224は、増加後のマッチング可能数に応じてユーザ間のマッチングを行う(ステップS13)。マッチングは、メッセージ交換をしたりすることにより親密度を高めた1組のユーザのうち少なくとも一方が他方のユーザにマッチングリクエストを送信し、マッチングリクエストを受診したユーザが承認操作を行うことにより行われ、一連の動作が終了する。
【0061】
図6は、本発明の実施形態に係るサーバ2と通信を行うユーザ端末3に表示される画面の具体例を示す模式図である。上述した実施形態に係るサーバ2によりマッチングが行われると、ユーザ端末3の表示部(ディスプレイやタッチパネル等)には、ユーザ自身の情報の他に、マッチングしたユーザに関する情報や、マッチング候補に関する情報が表示される。
【0062】
図6に示す画面では、
図4に示すユーザテーブルの情報に基づく表示が行われていて、ユーザ自身の情報として、アイコン、ユーザID(008)、ゲーム上で用いられる名前であるハンドルネーム(はると)、付帯属性として入力された住所(船橋)、及び他の情報を入力するための入力ボタン(その他の入力)が表示されている。また、ユーザのアイコンをクリックすることにより、他のユーザとやり取りするメッセージの管理画面や、マッチングリクエストの操作画面等に移行することができる。
【0063】
また、マッチング中のユーザの情報として、当該ユーザのアイコン、ハンドルネーム(ひなた)、ユーザID(002)が表示されている。このユーザのアイコンをクリックすることにより、当該ユーザとのメッセージの管理画面等に移行することができる。
図6に示す例では、
図4のユーザテーブルと同様に、はるとはひなたとしかカップリングをしていないため、マッチング中のユーザとしてひなただけが表示されているが、カップリングしているユーザが複数いる場合には、当該複数のユーザの情報が並んで表示される。
【0064】
また、残りのマッチング可能な人数についての表示(
図6における「あと1人マッチングできます!」の表示)を行うことでマッチングを促しつつ、マッチング候補提示部229が抽出したマッチング候補となる他のユーザを「おすすめのお相手」として表示する。この他のユーザの情報として、
図6に示す例では、当該ユーザのアイコン、ハンドルネーム(あおい)、ユーザID(003)が表示されている。ユーザはこの他のユーザのアイコンをクリックすることにより、当該ユーザとのメッセージの管理画面や、マッチングリクエストの操作画面等に移行することができる。
図6に示す例では、
図4のユーザテーブルと同様に、はるとはあおいとしか共通する付帯属性を有していないため、おすすめの相手としてあおいだけが表示されているが、共通する付帯属性を有するユーザやプレイ状況が近いユーザが複数いる場合には、当該複数のユーザの情報が並んで表示される。
【0065】
上述した本実施形態に係るサーバ2によれば、異なる属性を有するユーザ間でマッチングを求める場合であって、双方の属性に含まれるユーザの数に偏りがある場合でも、ユーザ間のマッチングの機会を十分に確保することができるコミュニケーションツールを実現することが可能になる。
【0066】
なお、本願発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0067】
例えば、上述した実施形態においてはユーザの属性として性別を例に説明したが、本発明においてはこれに限らず、例えばコミュニケーションシステム1をビジネスマッチングに用いる場合には、属性は業種等であってもよい。
【0068】
また、上述した実施形態においては男女ユーザのマッチングの実施例を説明したが、本発明はこれに限らず、A属性のユーザ群と、B属性のユーザ群と、C属性のユーザ群と、の間でマッチングを行ってもよい。この場合、各ユーザ群のユーザ数比が不一致の場合、偏りありと判定してもよい。偏りありの場合、A属性のユーザ群と、B属性のユーザ群と、C属性のユーザ群のうち、ユーザ数比が少ないユーザ群の各ユーザのマッチング可能数を増加させる。
【0069】
また、上述した実施形態においてはユーザ数が少ないユーザ群のユーザについて、マッチング可能数を増加する補正を行う例について説明したが、本発明はこれに限らず、例えばユーザ数が多いユーザ群のユーザについて、マッチング可能数を減少させる補正を行ってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1:コミュニケーションシステム
2:サーバ
3、3A、3B、3C、3N:ユーザ端末
21:制御部
22:CPU
23:ROM
24:RAM
25:記憶手段
26:通信部
71:ユーザレコード
221:ユーザ数計測部
222:ユーザ数比算出部
223:マッチング可能数補正部
224:マッチング部
225:課金額算出部
226:ゲーム提供部
227:プレイ状況収集部
228:共通付帯属性抽出部
229:マッチング候補提示部
N:ネットワーク
【要約】
【課題】異なる属性を有するユーザ間でマッチングを求める場合であって、双方の属性に含まれるユーザの数に偏りがある場合でも、ユーザ間のマッチングの機会を十分に確保することができるサーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】第1属性を有する第1ユーザ群に属し第1マッチング可能数が付与された第1ユーザの数である第1ユーザ数と、第2属性を有する第2ユーザ群に属し第2マッチング可能数が付与された第2ユーザの数である第2ユーザ数とを計測するユーザ数計測部221と、前記第1ユーザ数及び前記第2ユーザ数に基づきマッチング可能数補正を行うマッチング可能数補正部223と、第1ユーザと第2ユーザとのマッチングを、マッチング可能数補正後の第1マッチング可能数及び第2マッチング可能数に基づいて行うマッチング部224と、を備えるサーバ2。
【選択図】
図3