(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】 配車制御装置、および監視システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2019024402
(22)【出願日】2019-02-14
【審査請求日】2021-09-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 健
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204512(JP,A)
【文献】特開2011-048736(JP,A)
【文献】特開2018-142907(JP,A)
【文献】特開2013-206237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/00
H04N 21/00
G08B 13/00
G08B 25/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアを撮影する監視カメラ、および、走行機能および撮影機能を備えた車両と通信を行う通信部と、
所定の条件を満たす前記車両に対し、前記所定のエリア内において前記監視カメラが撮影不可能なエリアである死角エリアへの移動および前記死角エリアの撮影を指示する制御部と、
障害物の位置情報を含む地図情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、
前記地図情報および前記監視カメラにより撮影された画像データに基づいて、前記死角エリアを算出する、
配車制御装置。
【請求項2】
前記所定の条件を満たす前記車両は、
車両の使用状態、現在位置、バッテリー残量、最高速度、および使用開始予定日時のうち少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項1に記載の配車制御装置。
【請求項3】
前記所定の条件を満たす前記車両は、
非使用であるか、前記死角エリア内に存在していないか、現在位置から前記死角エリアまでの距離が所定距離未満であるか、現在日時から使用開始予定日時までの時間が所定時間以上であるか、のうち少なくとも1つに該当する車両、
または、使用者または使用予定者から配車を許可された車両である、
請求項2に記載の配車制御装置。
【請求項4】
前記通信部は、
前記監視カメラにより撮影された画像データ、および、前記車両により撮影された画像データを受信する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配車制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記死角エリアの位置を示す情報を含み、前記死角エリアへの移動および前記死角エリアの撮影を指示する指示情報を前記車両へ送信するように前記通信部を制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の配車制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記所定の条件を満たす前記車両に対し、さらに、前記死角エリアの周辺または前記死角エリア内を移動しながら前記死角エリアを撮影するように指示する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の配車制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記所定の条件を満たす前記車両に対し、さらに、複数の前記監視カメラそれぞれの前記死角エリアを順に移動しながら前記死角エリアを撮影するように指示する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の配車制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記死角エリアの撮影を実行中の前記車両に対し、さらに、該撮影を中止し、前記死角エリアで待機するように指示する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の配車制御装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の配車制御装
置を有する、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配車制御装置、車両、および監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラで撮影した画像データに基づいて所定のエリアを監視する監視装置が知られている。例えば、特許文献1には、カメラにより撮影された画像データから障害物を検知し、その障害物によって生じる死角エリアを特定し、その死角エリアへの進入者を検知する監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の監視装置は、死角エリアへの進入者の有無を検知するものであるので、死角エリア内(例えば、死角エリア内における進入者の行動等)を監視することはできなかった。
【0005】
本開示の一態様の目的は、死角エリア内を監視することができる配車制御装置、車両、および監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る配車制御装置は、所定のエリアを撮影する監視カメラ、および、走行機能および撮影機能を備えた車両と通信を行う通信部と、所定の条件を満たす前記車両に対し、前記所定のエリア内において前記監視カメラが撮影不可能なエリアである死角エリアへの移動および前記死角エリアの撮影を指示する制御部と、障害物の位置情報を含む地図情報を記憶する記憶部と、を有し、前記制御部は、前記地図情報および前記監視カメラにより撮影された画像データに基づいて、前記死角エリアを算出する。
【0008】
本開示の一態様に係る監視システムは、本開示の一態様に係る配車制御装置を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、死角エリア内を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態に係る配車制御装置、監視カメラ、および車両の構成の一例を示すブロック図
【
図2】本開示の実施の形態に係る監視カメラの撮影エリアおよび死角エリアの一例を示す模式図
【
図3】本開示の実施の形態に係る配車制御装置の動作の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
まず、
図1を用いて、本開示の実施の形態に係る配車制御装置100、監視カメラ200、および車両300の構成について説明する。
【0013】
図1は、配車制御装置100、監視カメラ200、および車両300の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図1では、監視カメラ200および車両300を1つずつ図示しているが、それらは複数存在してもよい。
【0014】
監視カメラ200について説明する。
【0015】
監視カメラ200は、通信部210、記憶部220、撮像部230、および制御部240を有する。
【0016】
通信部210は、例えば、撮像部230により取得された画像データを、配車制御装置100へ送信する。
【0017】
また、通信部210は、例えば、記憶部220に記憶されているカメラ情報(詳細は後述)を、配車制御装置100へ送信する。
【0018】
記憶部220は、例えば、カメラ情報を記憶する。カメラ情報は、例えば、監視カメラ200の設置位置を示す情報、監視カメラ200の撮影方向を示す情報、および、監視カメラ200の画角を示す情報などを含む。
【0019】
また、記憶部220は、例えば、撮像部230により取得された画像データを記憶してもよい。
【0020】
撮像部230は、所定のエリア(以下、撮影エリアという)を撮影し、その画像データを取得する。撮影エリアは、屋内のエリアであってもよいし、屋外のエリアであってもよい。ただし、本実施の形態では、撮影エリアには、撮像部230が撮影不可能な死角エリアが含まれるものとする。なお、画像データは、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0021】
ここで、
図2を用いて、撮影エリアおよび死角エリアの一例について説明する。
図2は、撮影エリアおよび死角エリアを真上から見た模式図である。
【0022】
図2に示すように、撮像部230(監視カメラ200)の撮影方向が矢印aの方向であり、撮像エリアA1内に障害物Xが存在する場合、撮像部230が撮影不可能な死角エリアA2が生じる。障害物Xは、例えば、建物、壁、または柱等の固定物である。障害物Xの位置を示す情報は、記憶部120に記憶されている地図情報に含まれている。
【0023】
なお、ここでは、死角エリアが撮影エリア内である場合を例に挙げて説明したが、死角エリアは、例えば、
図2における撮影エリアA1の外側近傍の領域としてもよい。この場合、死角エリアの位置を示す情報は、カメラ情報により特定される撮影エリアA1と、記憶部120に記憶されている地図情報とに基づいて求めることができる。
【0024】
以上、撮影エリアおよび死角エリアの一例について説明した。以下、
図1の説明に戻る。
【0025】
制御部240は、通信部210、記憶部220、および撮像部230を制御する。
【0026】
例えば、制御部240は、撮像部230により取得された画像データに撮影日時情報(撮影が行われた日時を示す情報)を付し、その画像データを配車制御装置100へ送信するように通信部210を制御する。また、制御部240は、撮影日時情報を付した画像データを記憶部220に記憶させてもよい。
【0027】
また、例えば、制御部240は、通信部210が配車制御装置100からカメラ情報の要求を受信した場合、記憶部220からカメラ情報を読み出し、そのカメラ情報を配車制御装置100へ送信するように通信部210を制御する。
【0028】
以上、監視カメラ200について説明した。
【0029】
次に、配車制御装置100について説明する。
【0030】
配車制御装置100は、通信部110、記憶部120、操作部130、および制御部140を有する。
【0031】
通信部110は、監視カメラ200および車両300のそれぞれと通信を行う。
【0032】
例えば、通信部110は、監視カメラ200へカメラ情報の要求を送信したり、監視カメラ200からカメラ情報や画像データを受信したりする。ここでいう画像データは、監視カメラ200により撮影された画像データである。
【0033】
また、例えば、通信部110は、車両300へ指示情報を送信したり、車両300から画像データを受信したりする。ここでいう画像データは、車両300(撮像部330)により撮影された画像データである。また、指示情報とは、車両300の動作を指示する情報であり、例えば、死角エリアの位置を示す情報を含む。車両300の動作は、配車制御装置100からの指示情報に基づいて制御される。
【0034】
記憶部120は、例えば、地図情報および車両管理情報を記憶する。
【0035】
車両管理情報は、車両300を管理するための情報であり、例えば、車両300のID、車両300の使用状態(非使用または使用中)、車両300の現在位置、車両300の使用が開始される予定の日時(以下、使用開始予定日時という)、車両300のバッテリー残量、車両300に設定された最高速度などの情報を含む。
【0036】
また、記憶部120は、例えば、監視カメラ200から受信した画像データや、車両300から受信した画像データを記憶してもよい。
【0037】
操作部130は、ユーザの操作を受け付ける。ユーザの操作は、例えば、監視カメラ200を指定する操作が挙げられる。
【0038】
制御部140は、操作部130で受け付けた操作の内容に応じて、通信部110および記憶部120を制御する。制御部140の動作の詳細については、後述する。
【0039】
以上、配車制御装置100について説明した。
【0040】
次に、車両300について説明する。
【0041】
車両300は、例えば、個人または企業等によって管理される、自動走行可能な車両である。なお、本明細書でいう「車両」とは、地上または空中を自律移動することが可能な移動体を含む概念である。よって、車両300としては、例えば、自動車、二輪車、三輪車、ロボット、飛行体(例えば、ドローン)等が挙げられる。上述したとおり、車両300の動作は、配車制御装置100からの指示情報に基づいて、制御される。
【0042】
車両300は、通信部310、記憶部320、撮像部330、制御部340、および駆動部350を有する。
【0043】
通信部310は、例えば、撮像部330により取得された画像データを、配車制御装置100へ送信する。
【0044】
また、通信部310は、例えば、配車制御装置100からの指示情報を受信する。
【0045】
記憶部320は、例えば、地図情報を記憶する。この地図情報は、配車制御装置100の記憶部120に記憶されている地図情報の一部を含む。車両300の記憶部320に記憶されている地図情報と、配車制御装置100の記憶部120に記憶されている地図情報とは、少なくとも後述する撮影エリアや死角エリアを含む領域が共通して含まれていればよい。
【0046】
また、記憶部320は、例えば、車両300の現在位置を示す情報を記憶する。なお、車両300の現在位置は、通信部310(例えばWi-Fi(登録商標)のアクセスポイントのアドレス)によって認識するなど、公知の技術を用いることができる。また、車両300の現在位置は、配車制御装置100によって特定され、通信部310を介して受信することにより認識されてもよい。
【0047】
また、記憶部320は、例えば、撮像部330により取得された画像データを記憶してもよい。
【0048】
撮像部330は、死角エリアを撮影し、その画像データを取得する。なお、画像データは、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0049】
駆動部350は、制御部340の制御により、例えば、車輪(図示略)を回転させたり、車輪を転舵させたりして、車両300を走行させる。
【0050】
制御部340は、通信部310、記憶部320、撮像部330、および駆動部350を制御する。制御部340の動作の詳細については、後述する。
【0051】
以上、車両300について説明した。
【0052】
なお、
図1では図示を省略しているが、制御部140、240、340は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路等のハードウェアを有する。制御部140、240、340の各機能は、例えば、CPUが、メモリに格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、実現される。
【0053】
また、
図1に示した配車制御装置100および車両300を含むシステムは、「監視システム」の一例に相当する。
【0054】
次に、
図3を用いて、配車制御装置100、監視カメラ200、および車両300の動作について説明する。
【0055】
図3は、配車制御装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0056】
まず、配車制御装置100は、監視カメラ200からカメラ情報を取得する(ステップS1)。上述したとおり、カメラ情報は、例えば、監視カメラ200の設置位置を示す情報、監視カメラ200の撮影方向を示す情報、および、監視カメラ200の画角を示す情報などを含む。
【0057】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、操作部130が監視カメラ200を指定する操作を受け付けた場合、カメラ情報の要求を監視カメラ200へ送信するように通信部110を制御する。なお、制御部140は、例えば、通信部110が外部システム(操作部130以外の装置等)から監視カメラ200を指定する情報を受信した場合、または、制御部140において所定の時間毎に監視カメラ200を指定する設定がされている場合、カメラ情報の要求を監視カメラ200へ送信するように通信部110を制御してもよい。また、制御部140は、ように設定されてもよい。監視カメラ200の制御部240は、通信部210がカメラ情報の要求を受信すると、記憶部220からカメラ情報を読み出し、配車制御装置100へ送信するように通信部210を制御する。そして、配車制御装置100の通信部110はカメラ情報を受信する。
【0058】
次に、配車制御装置100は、監視カメラ200の撮影エリアの位置を算出する(ステップS2)。
【0059】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、記憶部120から地図情報を読み出す。そして、制御部140は、地図情報と、カメラ情報に示される監視カメラ200の設置位置、撮影方向、および画角とに基づいて、地図上における撮影エリア(例えば、
図2に示した撮影エリアA1)の範囲を算出し、その範囲の地図上の位置を算出する。
【0060】
次に、配車制御装置100は、撮影エリアにおける死角エリアの位置を算出する(ステップS3)。
【0061】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、算出された撮影エリアの位置と、地図情報とに基づいて、地図上における死角エリア(例えば、
図2に示した死角エリアA2)の範囲を算出し、その範囲の地図上の位置を算出する。ここで、制御部140は、地図情報に含まれる障害物(例えば、
図2に示した障害物X)の位置や、算出された撮影エリアの位置と地図情報とを照らし合わせたときの撮影エリアの外側近傍の領域などを参照する。なお、制御部140は、地図情報に含まれる障害物の位置から死角エリアの位置を算出する場合、カメラ情報に示される監視カメラ200の設置位置、撮影方向、画角をさらに参照してもよい。
【0062】
次に、配車制御装置100は、所定の条件を満たす車両300があるか否かを判定する(ステップS4)。
【0063】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、記憶部120から車両管理情報を読み出す。そして、制御部140は、算出された死角エリアの位置と、車両管理情報に示される使用状態(非使用または使用中)、現在位置、バッテリー残量、最高速度、および使用開始予定日時のうちの少なくとも1つに基づいて、所定の条件を満たす車両があるか否かを判定する。
【0064】
所定の条件を満たす車両とは、例えば、非使用である車両である。さらに好ましくは、非使用であり、現在位置から死角エリアまでの距離が所定距離未満である(または、複数の車両300のうち、死角エリアの最も近くに位置している)車両である。さらに好ましくは、非使用であり、死角エリア内に存在しておらず、現在位置から死角エリアまでの距離が所定距離未満である(または、複数の車両300のうち、死角エリアの最も近くに位置している)車両である。さらに好ましくは、非使用であり、死角エリア内に存在しておらず、現在位置から死角エリアまでの距離が所定距離未満であり(または、複数の車両300のうち、死角エリアの最も近くに位置しており)、現在日時から使用開始予定日時までの時間が所定時間以上である車両である。
【0065】
なお、使用開始予定日時が設定されている場合、配車制御装置100の制御部140は、車両300の使用予定者の装置(通信機能を備えたコンピュータ)へ配車の許可を示す情報を送信するように、通信部110を制御してもよい。また、使用状態が使用中であり、使用状態以外の少なくとも1つの条件を満たす車両300が存在する場合、配車制御装置100の制御部140は、車両300の使用予定者の装置へ配車の許可を示す情報を送信するように、通信部110を制御してもよい。
【0066】
所定の条件を満たす車両300がない場合(ステップS4:NO)、フローは終了する。なお、この場合、例えば、制御部140は、所定の表示装置(配車制御装置100が備える表示部でもよいし、配車制御装置100と電気的に接続される外部の表示装置でもよい)に、所定の条件を満たす車両がない旨を示す情報を表示させてもよい。
【0067】
一方、所定の条件を満たす車両300がある場合(ステップS4:YES)、制御部140は、その車両に対して死角エリアへの移動および死角エリアの撮影を指示する(ステップS5)。
【0068】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、死角エリアの位置を示す情報を含み、死角エリアへの移動および死角エリアの撮影を指示する指示情報を送信するように通信部110を制御する。
【0069】
ここで、上記指示情報を受信した車両300の動作について説明する。
【0070】
まず、車両300の制御部340は、通信部310が配車制御装置100から指示情報を受信すると、記憶部320から、地図情報と、車両300の現在位置を示す情報(以下、現在位置情報という)とを読み出す。
【0071】
次に、制御部340は、地図情報と、現在位置情報に示される車両300の現在位置と、指示情報に示される死角エリアの位置とに基づいて、地図上における車両300の現在位置から死角エリアの位置までの経路を算出する。
【0072】
次に、制御部340は、算出された経路に基づいて車両300が移動するように駆動部350を制御する。これにより、車両300は、死角エリアに向けて移動(走行)を開始する。
【0073】
車両300が死角エリアまたはその近傍に到着したら、制御部340は、死角エリアの撮影を実行するように撮像部330を制御する。
【0074】
次に、制御部340は、撮像部330により取得された画像データに撮影日時情報(撮影が行われた日時を示す情報)を付し、その画像データを配車制御装置100へ送信するように通信部310を制御する。なお、制御部340は、撮影日時情報を付した画像データを記憶部320に記憶させてもよい。
【0075】
以上、指示情報を受信した車両300の動作について説明した。以下、配車制御装置100の動作の説明に戻る。
【0076】
配車制御装置100は、ステップS5において指示情報を車両300へ送信した後、車両300からの画像データの受信を待機する(ステップS6:NO)。
【0077】
そして、配車制御装置100は、車両300から画像データを受信すると(ステップS6:YES)、その画像データを記憶する(ステップS7)。
【0078】
具体的には、配車制御装置100の制御部140は、通信部110が受信した画像データを、記憶部120に記憶させる。
【0079】
なお、ステップS7の後、制御部140は、記憶部120から死角エリアの画像データを読み出して、所定の装置(例えば、警備会社のコンピュータ等)に送信するように、通信部110を制御してもよい。
【0080】
また、その際、制御部140は、死角エリアの画像データとともに、監視カメラ200から受信した撮影エリアの画像データ(死角エリアの画像データに付与された撮影日時情報と同じ撮影日時情報が付与された撮影エリアの画像データ)を所定の装置へ送信するように通信部110を制御してもよい。
【0081】
以上、配車制御装置100、監視カメラ200、および車両300の動作について説明した。
【0082】
ここまで詳述したように、本実施の形態の配車制御装置100は、所定のエリアを撮影する監視カメラ200、および、自動走行機能および撮影機能を備えた車両300と通信を行い、所定の条件を満たす車両300に対し、所定のエリア内において監視カメラ200が撮影不可能なエリアである死角エリアへの移動および死角エリアの撮影を指示することを特徴とする。よって、死角エリア内を監視することができる。
【0083】
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0084】
[変形例1]
実施の形態では、配車制御装置100が、監視カメラ200からカメラ情報を取得し、そのカメラ情報および地図情報に基づいて撮影エリアの位置および死角エリアの位置を算出する場合(
図3のステップS1~S3)を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0085】
例えば、監視カメラ200の記憶部220または図示しない他の装置に撮影エリアの位置を示す情報(以下、撮影エリア位置情報という)が記憶されている場合、配車制御装置100は、通信により撮影エリア位置情報を取得してもよい。
【0086】
また、例えば、監視カメラ200の記憶部220または図示しない他の装置に死角エリアの位置を示す情報(以下、死角エリア位置情報という)が記憶されている場合、配車制御装置100は、通信により死角エリア位置情報を取得してもよい。
【0087】
または、例えば、配車制御装置100の記憶部120が、監視カメラ200毎の撮影エリア位置情報および/または死角エリア位置情報を記憶していてもよい。
【0088】
[変形例2]
実施の形態では、撮影エリア内の障害物が固定物である場合を例に挙げて説明したが、障害物は、移動体(例えば、車両等)であってもよい。
【0089】
その場合、例えば、制御部140は、監視カメラ200から画像データおよびカメラ情報を取得し、記憶部120から地図情報を読み出す。次に、制御部140は、画像データ、カメラ情報、および地図情報に基づいて、地図上の移動体の位置を算出する。そして、制御部140は、その移動体の位置と、撮影エリアの位置と、カメラ情報に示される監視カメラ200の設置位置、撮影方向、画角とに基づいて、地図上における死角エリアの範囲を算出し、その範囲の地図上の位置を算出する。
【0090】
[変形例3]
配車制御装置100の制御部140は、所定の条件を満たす車両200に対し、さらに、死角エリアの周辺または死角エリア内を移動しながら死角エリアを撮影するように指示してもよい。その場合、車両300の制御部340は、車両300が死角エリアの周辺または死角エリア内を移動しながら死角エリアを撮影するように駆動部350(車両300)を制御する。
【0091】
[変形例4]
配車制御装置100の制御部140は、所定の条件を満たす車両200に対し、さらに、複数の監視カメラ200それぞれの死角エリアを順に移動しながら各死角エリアを撮影するように指示してもよい。その場合、車両300の制御部340は、車両300が複数の監視カメラ200それぞれの死角エリアを順に移動しながら各死角エリアを撮影するように駆動部350(車両300)を制御する。
【0092】
[変形例5]
配車制御装置100の制御部140は、死角エリアの撮影を実行中の車両300に対し、さらに、その撮影を中止し、死角エリアで待機するように指示してもよい。その場合、車両300の制御部340は、死角エリアの撮影を実行中に配車制御装置100から撮影の中止の指示を受けた場合、撮影を中止し、死角エリアで待機するように駆動部350(車両300)を制御する。
【0093】
[変形例6]
配車制御装置100の制御部140は、記憶部120に記憶されている地図情報と、車両管理情報に示される車両300の現在位置と、算出した死角エリアの位置とに基づいて、地図上における車両300の現在位置から死角エリアの位置までの経路を算出してもよい。そして、配車制御装置100の制御部140は、算出した経路に関する情報をさらに含み、死角エリアへの移動および死角エリアの撮影を指示する指示情報を送信するように、通信部110を制御してもよい。この場合、車両300の記憶部320は、車両300の現在位置を示す情報を記憶しなくてもよい。指示情報を受信した車両300は、指示された経路に基づいて死角エリアまで移動し、到着後に死角エリアの撮影を実行する。
【0094】
[変形例7]
車両300は、運転者の操作によって動作してもよい。この場合、車両300は、必ずしも自動走行機能を有していなくともよい。例えば、配車制御装置100は、運転者の端末装置へ、死角エリアへの移動および死角エリアの撮影を指示する情報を送信する。その情報は、運転者の端末装置に表示される。運転者は、表示された情報に基づいて車両300を動作させる操作(例えば、運転操作)を行う。このとき、車両300は、算出した地図上における車両300の現在位置から死角エリアの位置までの経路を、カーナビ等に表示させることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示の配車制御装置、車両、および監視システムは、所定のエリアの監視に有用である。
【符号の説明】
【0096】
100 配車制御装置
110、210、310 通信部
120、220、320 記憶部
130 操作部
140、240、340 制御部
200 監視カメラ
230、330 撮像部
300 車両
350 駆動部