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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20231013BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20231013BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20231013BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/19
H05B47/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019125422
(22)【出願日】2019-07-04
(65)【公開番号】P2021012790
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 善宣
(72)【発明者】
【氏名】密島 康一
(72)【発明者】
【氏名】森 哲
(72)【発明者】
【氏名】山原 大輔
(72)【発明者】
【氏名】内田 行紀
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-048968(JP,A)
【文献】特開2012-089277(JP,A)
【文献】特開2008-109514(JP,A)
【文献】特開2017-107785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、当該各照明器具への電力の供給開始から所定時間内に、前記機器登録モードを実行するように構成されている、照明システム。
【請求項2】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、前記専用リモコンのID情報が既に取得されている場合に、前記機器登録モードを実行しないように構成されている、照明システム。
【請求項3】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、前記グループ設定操作部の操作に基づいて設定されたグループの情報を前記専用リモコンに送信するように構成されている、照明システム。
【請求項4】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し
前記複数の照明器具の各々の前記器具本体は、情報通信端末を用いたグループ設定が可能なグループフリーモードを設定するためのフリー設定操作部を有する、照明システム。
【請求項5】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し、
前記複数の照明器具の各々の前記器具本体は、前記機器登録により取得した前記専用リモコンのID情報を消去するためのリセット操作部を有する、照明システム。
【請求項6】
無線通信手段を有する複数の照明器具と、
前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンと、
を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具の各々の器具本体は、
前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、
前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置と、
を有し、
前記専用リモコンには、前記複数の照明器具の少なくとも1つにID情報が登録されたマスターリモコンと、サブリモコンとが含まれ、
前記マスターリモコンは、前記サブリモコンからシステムへの登録依頼信号を受信したときに、前記ID情報を前記サブリモコンに送信するように構成されている、照明システム。
【請求項7】
前記グループ設定操作部は、ディップスイッチ、またはロータリースイッチで構成される、請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具を操作するための無線リモコンを備えた照明システムが広く知られている。また、複数の照明器具を任意のグループに分けるグループ設定機能を有し、グループ単位で点灯状態を制御可能な照明システムも知られている。例えば、特許文献1には、所定のアプリケーションソフトウェア(単に「アプリ」とも呼ばれる)がインストールされたスマートフォン等の情報通信端末を用いて、グループ設定を行うことが可能な照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-191035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、グループ設定機能付きの照明システムを設置した施工者は、一般的にグループ単位で照明器具の点灯状態を確認するが、情報通信端末のみでグループ設定可能なシステムでは、施工者の端末に一旦所定のアプリをインストールしてグループ設定する必要があり、施工者にとって不便である。なお、照明システムの専用リモコンにグループ設定機能を追加することも考えられるが、この場合は、リモコンの製造コストが増加する等の課題がある。
【0005】
本開示の目的は、情報通信端末を使用することなくグループ設定が可能なシステムであって、製造コストの増加を抑制しつつ、施工者の利便性を向上させることができる照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明システムは、無線通信手段を有する複数の照明器具と、前記複数の照明器具との無線通信により、前記複数の照明器具を操作可能な専用リモコンとを備える。前記複数の照明器具の各々は、前記複数の照明器具をグループ分けするためのグループ設定操作部と、前記専用リモコンとの機器登録を行う機器登録モードを実行して、前記専用リモコンからID情報を取得する制御装置とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明システムによれば、情報通信端末を使用することなく、複数の照明器具を任意のグループに分けるグループ設定が可能であり、製造コストの増加を抑制しつつ、施工者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の一例である照明システムの全体構成を示す図である。
図2】実施形態の一例である照明システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態の一例である照明システムの機器登録モードにおける照明器具側の制御手順を示すフローチャートである。
図4】実施形態の一例である照明システムの機器登録モードにおける専用リモコン側の制御手順を示すフローチャートである。
図5】サブリモコンの登録方法を説明するための図である。
図6】実施形態の一例である照明システムにおいて、サブリモコン登録時の制御手順を示すフローチャートである。
図7】実施形態の一例である照明システムにおいて、情報通信端末を使用する場合の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明システムの実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下で説明する実施形態に限定されない。
【0010】
本開示のシステムの主体は、コンピュータを備える。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示のシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの機器に集約されていてもよく、複数の機器に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0011】
図1は、実施形態の一例である照明システム10の全体構成を示す図である。図1に例示するように、照明システム10は、無線通信手段を有する複数の照明器具11,40,41,42,43,44と、当該各照明器具との無線通信により、各照明器具を操作可能な専用リモコン20とを備える。詳しくは後述するが、複数の照明器具11,40,41,42,43,44の各々は、専用リモコン20との機器登録を行う機器登録モードを実行して、専用リモコン20のID情報を取得する制御装置19を有する。
【0012】
ここで、ID情報とは、ネットワーク(ネットワークを構成する複数の機器の各々)を識別するための情報であって、この情報が同じ機器間同士が相互に通信できるようにするために使われる情報を意味する。
【0013】
複数の照明器具11,40,41,42,43,44の各々は、スイッチ15,50,51,52,53,54を有する。本実施形態では、スイッチ15,50,51,52,53,54の形態が互いに同じであるものとして説明するが、これらは互いに異なっていてもよい。各スイッチは、グループ設定操作部16、フリー設定操作部17、およびリセット操作部18をそれぞれ含む。すなわち、複数の照明器具11,40,41,42,43,44の各々は、グループ設定操作部16、フリー設定操作部17、およびリセット操作部18を有する。
【0014】
スイッチ15,50,51,52,53,54の一例としては、複数のポジションP1~P6を有するディップスイッチ、またはロータリースイッチが挙げられる。なお、グループ設定操作部16、フリー設定操作部17、およびリセット操作部18はそれぞれ別のスイッチで構成されていてもよい。例えば、グループ設定操作部16は、フリー設定操作部17およびリセット操作部18と別のディップスイッチ、またはロータリースイッチで構成されていてもよい。
【0015】
グループ設定操作部16は、照明器具のグループ分けを行うための手段である。照明器具のグループは、例えば、専用リモコン20により一括して点灯状態を操作可能な単位であって、複数の照明器具が連動することで種々の照明シーンを実現する。なお、1つのグループを構成する複数の照明器具の点灯状態を個別に操作することも可能である。
【0016】
グループ設定操作部16の一例は、当該操作部が設置された照明器具が所属するグループを設定するためのスイッチであって、設定可能なグループの数に対応する複数のポジションを有する。各照明器具にグループ設定操作部16を設けることで、スマートフォン等の情報通信端末を使用することなくグループ設定を行うことが可能となる。
【0017】
フリー設定操作部17は、情報通信端末を用いたグループ設定が可能なグループフリーモードを設定するための手段である。各照明器具にフリー設定操作部17を設けることにより、スマートフォン等の情報通信端末を用いた照明器具のグループ設定も可能となる。リセット操作部18は、専用リモコン20との機器登録により取得した専用リモコン20のID情報などを消去するための手段である。
【0018】
図1では、照明システム10を構成する照明器具として、シーリングライト、ラインライト、フロアライト、スポットライト、およびペンダントライトが例示されているが、照明器具の種類、数、配置等は特に限定されない。
【0019】
照明システム10には、グループ設定操作部16の操作によって設定可能な照明器具のグループが複数含まれる。照明器具のグループは、1つの空間に複数設定されてもよく、リビング、ダイニング、キッチン、寝室など、空間毎に設定されてもよい。図1に示す例では、照明器具11,40,41,42によりグループ1が構成され、照明器具11,43,44によりグループ2が構成されている。グループを構成する照明器具の数は特に限定されず、1つの照明器具で1つのグループが構成されてもよい。
【0020】
以下、図1および図2を参照しながら、照明システム10の構成について更に詳説する。図2は、照明システム10の構成を示すブロック図であって、照明器具としてグループ1,2の両方に含まれる照明器具11を例示している。
【0021】
以下では、特に照明器具11を例に挙げて照明システム10の構成を説明するが、他の照明器具も、照明器具11と同様のブロック図で表され、グループ設定、機器登録、グループ情報の送信等に関して、照明器具11と同様に構成される。
【0022】
図2に例示するように、照明器具11は、光源ユニット12、点灯回路13、専用リモコン20との間で情報の送受信を行うための送受信部14、スイッチ15、および制御装置19を有する。照明器具11は、例えば円盤状ないし円柱状のシーリングライトであって、天井に取り付けられる。照明器具11は、光源ユニット12等を隠蔽するカバーを有していてもよい。
【0023】
光源ユニット12は、従来公知の光源を含み、好ましくはLED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を含む。点灯回路13は、例えば制御装置19の制御下で作動し、種々の照明シーンに対応する点灯モード、明るさ等に応じて光源ユニット12に供給する電力を制御する。
【0024】
送受信部14は、制御装置19により処理された情報を専用リモコン20に送信し、また専用リモコン20から送信される情報を受信する。送受信部14は、近距離無線通信方式を用いて無線データ通信を行うための無線通信モジュールである。近距離無線通信の一例としては、Bluetooth(登録商標)通信、ZigBee(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信、赤外線通信等が挙げられる。
【0025】
スイッチ15は、上述のように、グループ設定操作部16、フリー設定操作部17、およびリセット操作部18が一体化された構造を有する。スイッチ15は、照明器具11の外部、またはカバーに覆われた照明器具11の内部のいずれに設置されてもよく、設置場所は特に限定されない。スイッチ15は、例えば、複数のポジションP1~P6を有するディップスイッチ、またはロータリースイッチであるが、スイッチ15の構成は特に限定されず、押しボタン式のスイッチであってもよく、グループ番号等を入力可能なスイッチであってもよい。
【0026】
スイッチ15のグループ設定操作部16は、照明器具11が所属するグループを設定するための手段であって、設定可能なグループの数に対応する複数のポジションを有する。例えば、照明システム10が4つのグループを設定可能な構成である場合、グループ設定操作部16はグループ1~4を選択可能な4つのポジションP1~P4を有する(図1参照)。図1に例示するように、グループ設定操作部16のポジションがP1である場合、照明器具11の所属するグループが1に設定される(P2の場合は、グループは2)。
【0027】
グループ設定操作部16は、照明器具11への電力の供給前においても操作可能である。グループ設定操作部16を切り替えるだけで、専用リモコン20およびスマートフォン等の情報通信端末を使用することなく照明器具11のグループを簡単に変更できる。なお、グループ設定操作部16の操作に基づいて設定されるグループの情報は、制御装置19の記憶部19fに記憶される。グループ設定操作部16を切り替えた場合は、過去のグループ情報が消去され、新たなグループ情報が記憶される。
【0028】
スイッチ15のフリー設定操作部17は、上記グループフリーモードを設定するための手段である。スマートフォン等の情報通信端末を用いた照明器具の操作には強いニーズがあるため、照明システム10においても、情報通信端末を用いた照明器具の快適な操作を可能にすることは重要である。フリー設定操作部17を設けることで、情報通信端末を用いたグループ設定が可能なグループフリーモードを選択できる。
【0029】
フリー設定操作部17の操作によりグループフリーモードが選択されると、照明器具11が所属するグループがフリーに設定される。すなわち、照明器具11が所属するグループが特定されない状態となる。一方、照明システム10は、グループフリーモードが選択された場合であっても、初期値として所定のグループ(例えば、グループ1)が設定されるように構成されてもよい。この場合、照明システム10の操作に情報通信端末が使用されないときには、照明器具11をいちいち取り外すことなく、グループ1として操作できる。
【0030】
スイッチ15のリセット操作部18は、専用リモコン20との機器登録により取得した専用リモコン20のID情報を消去するための手段である。リセット操作部18を設けることで、例えば、機器登録された専用リモコン20が故障等により使用できなくなった場合に、過去のID情報を消去して新しい専用リモコン20を登録することが可能になる。過去のID情報は制御装置19の記憶部19fに記憶されているため、リセット操作部18によるリセット操作がなされると、記憶部19fから当該ID情報が消去される。また、照明システム10は、リセット操作部18の操作により、例えば記憶部19fに記憶されている照明器具の点灯モードの情報など、ID情報以外の情報についても消去されるように構成されていてもよい。
【0031】
制御装置19は、上述のように、専用リモコン20との機器登録を行う機器登録モードを実行して、専用リモコン20のID情報を取得するように構成されている。制御装置19は、記憶部19fを有し、専用リモコン20のID情報を記憶部19fに記憶する。照明器具11は、記憶部19fに記憶されたIDを持つ専用リモコン20により操作可能である。すなわち、ID情報が記憶部19fに記憶されることで専用リモコン20の機器登録が完了する。また、制御装置19は、機器登録された専用リモコン20の操作に基づいて、照明器具11の点灯状態を制御するように構成されている。
【0032】
専用リモコン20は、照明器具11を含む複数の照明器具を操作するための無線リモコンであって、スマートフォン、タブレット端末等の広域通信網に接続して使用される情報通信端末には該当しない機器である。専用リモコン20は、照明システム10以外の照明システム、空調システム、オーディオシステム等のリモコンとして兼用可能であってもよいが、好ましくは照明システム10のみに使用可能な構成を有する。なお、専用リモコン20は、時刻、照明器具の点灯状態、照明器具のグループ情報を含む各種設定情報等を表示するための表示部を有していてもよい。
【0033】
専用リモコン20は、例えば、正面視長方形状を有するカード型のリモコンである。専用リモコン20は、照明器具11を含む複数の照明器具を点灯させるための操作ボタン21を有する。例えば、操作ボタン21は、複数の操作ボタン21a,21b,21c,21dを含み、照明システム10は、各操作ボタンの操作によりグループ1,2,3,4を構成する照明器具がそれぞれ点灯するように構成されている。
【0034】
専用リモコン20は、全てのグループの照明器具を消灯させる全消灯ボタン22を有する。操作ボタン21および全消灯ボタン22は、例えば、専用リモコン20の表側に設けられる。また、専用リモコン20の表側には、後述のマスターリモコン20Aとサブリモコン20B(図5参照)を区別するための識別表示23、および仕様切り替えスイッチ24が設けられている(図1参照)。
【0035】
仕様切り替えスイッチ24は、例えば、操作ボタン21および全消灯ボタン22の操作対象を変更するための手段であって、グループ単位操作とグループ内操作を選択できる。グループ単位操作が選択された場合、図1に示す例では、操作ボタン21aによりグループ1を構成する照明器具11,40,41,42が、操作ボタン21bによりグループ2を構成する照明器具11,43,44がそれぞれグループ単位で操作される。
【0036】
操作ボタン21a,21b,21c,21dは、照明器具を消灯させる消灯ボタンとして使用されてもよい。例えば、照明システム10は、操作ボタンを単押し(例えば、押下時間0.5秒未満)したときにグループ単位で照明器具が点灯し、長押し(例えば、押下時間0.5秒以上)したときにグループ単位で照明器具が消灯するように構成される。或いは、操作ボタンを複数回操作することで、照明器具が消灯する、または点灯状態が変化するように構成されてもよい。
【0037】
具体例としては、操作ボタン21aを1回押下すると、グループ1を構成する照明器具11,40,41,42が全点灯し、2回~5回押下すると、当該照明器具の少なくとも1つの点灯状態が変化して複数の照明シーンが表現される。或いは、操作ボタン21aを2回~5回押下すると、照明の出力が次第に低下する。また、操作ボタン21aを6回押下すると、グループ1の全ての照明器具が消灯する。
【0038】
仕様切り替えスイッチ24の操作により上記グループ内操作が選択された場合、操作ボタン21a,21b,21c,21dは、1つのグループについて、照明シーン切り替えボタン、または調光ボタンとして機能する。具体例としては、操作ボタン21aがリラックスし易い「くつろぎシーン」に、操作ボタン21bが映画の視聴に適した「シアターシーン」に、操作ボタン21cが勉強に適した「勉強シーン」、操作ボタン21dが食事や会話、テレビの視聴等に適した「団らんシーン」をそれぞれ選択するボタンとなる。
【0039】
また、専用リモコン20は、グループ切り替えスイッチ27を有する(図1および後述の図5参照)。グループ切り替えスイッチ27は、例えば、上記グループ内操作が選択された場合に操作対象となるグループを選択するための手段であって、専用リモコン20の裏側に設置される。グループ切り替えスイッチ27は、設定可能なグループの数に対応する複数のポジションを含むスイッチで構成されてもよく、グループの数と同数のスイッチで構成されてもよい。
【0040】
専用リモコン20は、コピーボタン25と、設定ボタン26とを有する。コピーボタン25は、照明器具11との機器登録の際、および後述のサブリモコン20B(図5参照)を登録する際に操作される。詳しくは後述するが、コピーボタン25を押下することにより、専用リモコン20は所定時間(例えば、5分間)、照明器具11またはサブリモコン20Bから発信される信号を受け付けるスキャン状態となる。設定ボタン26は、サブリモコン20Bを登録する際に使用される。コピーボタン25および設定ボタン26は、例えば、専用リモコン20の裏側であって背面カバーに覆われた部分に設けられる。
【0041】
専用リモコン20は、送受信部28と、リモコン制御部29とを有する。送受信部28は、リモコン制御部29により処理された情報を照明器具11に送信し、また照明器具11から送信される情報を受信する。送受信部28は、例えば、照明器具11の送受信部14と同様の無線通信モジュールで構成される。リモコン制御部29は、操作ボタン21等の操作に基づく操作信号を生成し、送受信部28を介して当該信号を照明器具11に送信する。リモコン制御部29は、例えばマイクロコンピュータで構成され、制御プログラム、ID情報等を記憶する記憶部を有する。
【0042】
なお、専用リモコン20は、上述の構成に限定されず、例えば全消灯ボタン22、識別表示23、仕様切り替えスイッチ24、コピーボタン25、設定ボタン26、およびグループ切り替えスイッチ27の少なくとも1つを有していなくてもよい。また、専用リモコン20には、より多くの操作ボタン21が設けられていてもよい。
【0043】
以下、制御装置19について詳説する。制御装置19は、例えばマイクロコンピュータで構成され、演算処理部であるプロセッサ19e、記憶部19f、および入出力ポートなどを有する。プロセッサ19eは、例えばCPUまたはGPUで構成され、記憶部19fにインストールされた制御プログラムを読み出して実行する機能を有する。一般的に、制御装置19の後述する各手段の機能は制御プログラムを実行することで実現される。記憶部19fは、ROM、HDD、SSD等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを含む。記憶部19f(不揮発性メモリ)は、制御プログラムの他に、照明器具11のグループ情報Ig11、専用リモコン20のID情報等を記憶する。
【0044】
制御装置19は、グループ設定操作部16の操作に基づいて照明器具11が所属するグループを設定するグループ設定手段19aと、専用リモコン20との機器登録を実行する機器登録実行手段19bとを有する。また、制御装置19は、設定された照明器具11のグループの情報Ig11を専用リモコン20に送信するグループ情報送信手段19cと、リセット手段19dとを有する。リセット手段19dは、リセット操作部18の操作に基づいて機器登録された専用リモコン20のID情報を消去する機能を有する。また、リセット手段19dは、リセット操作部18の操作に基づいて、照明器具11の点灯モードの情報など、ID情報以外の情報を消去してもよい。
【0045】
制御装置19の各手段の機能は、一般的に、記憶部19fにインストールされた制御プログラムにより実行される。本実施形態では、照明システム10の制御に使用されるプログラム、専用リモコン20のID等の情報が、制御装置および制御部の記憶部に記憶されているものとして説明するが、当該情報が記憶される記憶部は特に限定されない。
【0046】
グループ設定手段19aは、グループ設定操作部16の操作信号を取得し、当該信号に対応するグループを設定する。照明器具11のグループ情報Ig11は記憶部19fに記憶され、照明器具11の点灯制御に必要な情報として使用される。例えば、グループ設定操作部16のポジションがP1である場合、グループ設定手段19aは、照明器具11が所属するグループを1に設定し、その情報を記憶部19fに記憶する。
【0047】
グループ設定手段19aは、フリー設定操作部17が操作された場合(スイッチ15のポジションがP5である場合)に、照明器具11が所属するグループを情報通信端末によりグループ設定可能な状態であるグループフリーモードに設定する。この場合、グループ設定手段19aは、情報通信端末によるグループ設定が可能な状態としつつ、初期値として所定のグループ(例えば、グループ1)を設定してもよい。初期値を設定することで、照明システム10の操作に情報通信端末が使用されない場合に、照明器具11をグループ1として操作できる。
【0048】
グループ設定手段19aは、例えば、照明器具11への電力の供給が開始されたときに、グループ設定操作部16の操作信号に基づいて照明器具11のグループを設定する。照明器具11のグループ設定は、照明器具11への電力の供給開始後、専用リモコン20との機器登録が開始される前に実行されてもよく、機器登録と同時並行で実行されてもよい。また、照明器具11への電力の供給開始後にグループ設定操作部16が操作されてグループが変更になった場合、グループ設定手段19aは、グループ設定操作部16の操作信号に基づいて遅滞なくグループ設定を実行する。
【0049】
機器登録実行手段19bは、上述のように、専用リモコン20との機器登録を行う機器登録モードを実行して、専用リモコン20からID情報を取得する。専用リモコン20のID情報を取得して記憶部19fに記憶させることで、照明器具11と専用リモコン20の機器登録が完了する。機器登録実行手段19bは、照明器具11(送受信部14)から、連続的に、または所定間隔で登録依頼信号Sd11を発信させることにより、機器登録モードを開始させる。
【0050】
ここで、登録依頼信号とは、情報通信端末30と照明器具の機器登録モードを開始させるために、照明器具から情報通信端末30に向けて発信する信号をいう。登録依頼信号Sd11は、照明器具11から発信される登録依頼信号を意味する。
【0051】
機器登録実行手段19bは、例えば、照明器具11への電力の供給開始から所定時間内に、機器登録モードを実行するように構成されている。機器登録実行手段19bは、照明器具11への電力の供給が開始されたときに照明器具11から登録依頼信号Sd11を発信させ、予め定めた所定時間(例えば、15分間)が経過するまで、登録依頼信号Sd11の発信を継続させる。専用リモコン20が登録依頼信号Sd11を受信することにより、専用リモコン20からID情報が照明器具11に送信され、機器登録実行手段19bはこのID情報を記憶部19fに記憶させる。
【0052】
機器登録実行手段19bは、例えば、専用リモコン20のID情報が既に取得されている場合、機器登録モードを実行しないように構成されている。すなわち、機器登録実行手段19bは、専用リモコン20のID情報が記憶部19fに記憶されている場合に、照明器具11への電力の供給開始など、機器登録モードを開始させるトリガー信号を取得しても、機器登録モードを実行しない。これにより、不要な機器登録を防止できる。
【0053】
制御装置19は、グループ設定操作部16の操作に基づいて設定されたグループの情報を専用リモコン20に送信するように構成されている。グループ情報送信手段19cは、例えば、専用リモコン20との機器登録完了時、または機器登録と並行して記憶部19fに記憶されたグループ情報を専用リモコン20に送信する。照明器具11のグループ情報Ig11は、登録依頼信号Sd11と共に、専用リモコン20に送信されてもよい。
【0054】
グループ情報送信手段19cの機能より、専用リモコン20が液晶モニター等の表示部を有する場合に、照明器具11が所属するグループを確認することができる。グループ情報送信手段19cは、照明器具のグループが変更されたときに、新たなグループ情報を専用リモコン20に送信してもよい。
【0055】
制御装置19は、リセット操作部18が操作された場合(スイッチ15のポジションがP6である場合)に、専用リモコン20のID情報などを消去するように構成されている。リセット手段19dは、例えばリセット操作部18の操作信号に基づいて、専用リモコン20との機器登録により記憶部19fに記憶されたID情報などを消去する。
【0056】
リセット手段19dは、専用リモコン20のID情報などを消去したときに、光源ユニット12を点滅させるなど、ID情報などの消去をユーザーに知らせるための処理を実行することが好ましい。例えば、専用リモコン20の故障等により新しいリモコンの登録が必要になった場合に、リセット操作部18を操作することで過去の専用リモコン20のID情報を消去できる。
【0057】
ここで、図3および図4を参照しながら、照明器具11のグループ設定、および照明器具11と専用リモコン20の機器登録手順(機器登録モード)について説明する。機器登録モードにおいて、図3は照明器具11側の制御手順を示すフローチャートであり、図4は専用リモコン20側の制御手順を示すフローチャートである。図3では、専用リモコン20側の手順を鎖線で示す。
【0058】
なお、照明器具11以外の他の照明器具のグループ設定および機器登録についても、照明器具11の場合と同様の方法で実行できる。複数の照明器具との機器登録は同時並行で実行されてもよく、1台ずつ実行されてもよい。
【0059】
図3に例示するように、照明器具11への電力の供給が開始されたときに、照明器具11のグループが設定される(S10,S11)。照明器具11のグループの設定は、グループ設定操作部16の操作に基づいて、グループ設定手段19aの機能により実行される。また、照明器具11への電力の供給が開始されたときに、照明器具11から登録依頼信号Sd11が発信され、機器登録が開始される(S10,S12)。この手順は、機器登録実行手段19bの機能により実行される。S11とS12の先後は特に限定されず、S11とS12は並行して行われてもよい。
【0060】
続いて、専用リモコン20が登録依頼信号Sd11を受信したときに、専用リモコン20はそのID情報を照明器具11に送信する(S13,S14)。図4に例示するように、専用リモコン20は、コピーボタン25が操作されたときに登録依頼信号Sd11を受け付けるスキャン状態となる(S20,S21)。具体例としては、コピーボタン25が所定時間以上押下されたときに(例えば、2秒以上の長押し)、リモコン制御部29は専用リモコン20をスキャン状態とする。そして、リモコン制御部29は、登録依頼信号Sd11を受信したときに、ID情報を照明器具11に送信する(S22,S23)。
【0061】
続いて、照明器具11は、専用リモコン20から送信されたID情報を受信し、記憶部19fに記憶する(S15)。これにより、機器登録が完了する。この手順は、機器登録実行手段19bの機能により実行される。また、照明器具11は、グループ設定手段19aにより設定され、記憶部19fに記憶されたグループの情報Ig11を専用リモコン20に送信してもよい(S16)。この手順は、グループ情報送信手段19cの機能により実行される。
【0062】
なお、照明器具11からの登録依頼信号Sd11の発信は、専用リモコン20のID情報を取得した時点で停止してもよい。或いは、専用リモコン20のID情報を取得した場合であっても、照明器具11への電力の供給開始から所定時間、登録依頼信号Sd11の発信を継続してもよい。
【0063】
上述の構成を備えた照明システム10によれば、情報通信端末および専用リモコン20を使用することなく、各照明器具に設けられたグループ設定操作部16の操作により各照明器具のグループ設定が可能となる。これにより、システムの施工者の情報通信端末に一旦アプリをインストールしてグループ設定する必要がなくなり、施工者の利便性が向上する。また、照明システム10は、情報通信端末の操作に不慣れなユーザーにとっても有用である。
【0064】
ここで、図5を参照しながら、照明器具11を含む複数の照明器具と専用リモコン20の機器登録完了後、照明システム10に別の専用リモコン20を登録する方法、すなわち別の専用リモコン20で照明器具の操作を可能にするための方法について説明する。図5は、各リモコンの表裏を示す(図示しない背面カバーを取り外した状態)。
【0065】
図5に例示するように、サブリモコン20Bの登録は、マスターリモコン20AのIDをサブリモコン20Bにコピーすることで行われる。本明細書では、機器登録が完了した専用リモコン20を「マスターリモコン20A」、新たに登録しようとする別の専用リモコン20を「サブリモコン20B」とする。すなわち、照明器具11を含む複数の照明器具の制御装置19には、マスターリモコン20AのID情報が記憶された状態である。
【0066】
マスターリモコン20Aおよびサブリモコン20Bは、互いに同じ構造を有するが、初期状態においてIDは互いに異なる。このため、初期状態のサブリモコン20Bでは照明器具を操作することはできないが、マスターリモコン20AのIDをサブリモコン20Bにコピーすることで、照明器具の操作にサブリモコン20Bを使用できるようになる。識別表示23は、マスターリモコン20Aとサブリモコン20Bを区別するための表示である。例えば、サブリモコン20Bからのコピーが制限される場合、識別表示23を用いて両者を識別容易にすることは有用である。
【0067】
マスターリモコン20Aおよびサブリモコン20Bは、上述のように、コピーボタン25および設定ボタン26をそれぞれ有する。サブリモコン20Bは設定ボタン26の操作により登録依頼信号Sdを発信し、マスターリモコン20Aはコピーボタン25の操作により登録依頼信号Sdを受け付けるスキャン状態となる。そして、マスターリモコン20Aは、登録依頼信号Sdを取得したときに、サブリモコン20Bに自身のID情報を送信する。ここで、登録依頼信号Sdとは、サブリモコン20Bを照明システム10で使用できるようにするために、サブリモコン20Bからマスターリモコン20Aに向けて発信される信号である。
【0068】
本実施形態において、サブリモコン20Bのリモコン制御部29Bは、設定ボタン26が所定時間以上押下されたときに(例えば、2秒以上の長押し)、登録依頼信号Sdを発信させるように構成されている。また、マスターリモコン20Aのリモコン制御部29Aは、コピーボタン25が所定時間以上押下されたときに(例えば、2秒以上の長押し)、登録依頼信号Sdを受信可能なスキャン状態とするように構成されている。
【0069】
リモコン制御部29Aは、登録依頼信号Sdの受信を条件として、マスターリモコン20AのID情報をサブリモコン20Bに送信するように構成されている。そして、リモコン制御部29Bは、当該ID情報を受信したときに、初期のIDを記憶部から消去し、マスターリモコン20AのIDを記憶部に記憶する。すなわち、リモコン制御部29Bは、初期のIDをマスターリモコン20AのIDで上書きするように構成されている。
【0070】
図6は、サブリモコン20Bの登録時の制御手順を示すフローチャートである。図6では、マスターリモコン20A側の手順を実線で、サブリモコン20B側の手順を鎖線で示している。
【0071】
図6に例示するように、マスターリモコン20Aのリモコン制御部29Aは、コピーボタン25が押下(例えば、2秒以上の長押し)されたとき、すなわちコピーボタン25の操作信号を取得したときに、マスターリモコン20Aをスキャン状態とする(S30,S31)。一方、サブリモコン20Bのリモコン制御部29Bは、設定ボタン26が押下(例えば、2秒以上の長押し)されたとき、すなわち設定ボタン26の操作信号を取得したときに、サブリモコン20Bから登録依頼信号Sdを発信させる(S32,S33)。
【0072】
リモコン制御部29Aは、登録依頼信号Sdを受信したときに、マスターリモコン20AのID情報をサブリモコン20Bに送信する(S34,S35)。そして、サブリモコン20Bは、マスターリモコン20AのID情報を受信し、初期のIDをマスターリモコン20AのIDで上書きする。以上の手順により、サブリモコン20Bを用いて照明システム10を構成する複数の照明器具が操作可能となる。
【0073】
図7は、照明システム10において、情報通信端末30を使用する場合の構成を説明するための図である。情報通信端末30は、所定のアプリがインストールされることで、専用リモコン20と同様に複数の照明器具を操作可能な無線リモコンとして使用できる。
【0074】
図7に例示するように、情報通信端末30は、液晶モニター等で構成される表示部31と、照明器具を操作するための操作部32と、操作部32の操作に基づき操作信号を生成する端末制御部33とを有する。専用のアプリがインストールされた情報通信端末30には、操作部32の操作によりユーザーが任意のIDを設定することができる。照明システム10を構成する複数の照明器具は、機器登録により登録されたIDを持つ情報通信端末30により操作可能である。
【0075】
情報通信端末30は、例えばスマートフォンであって、表示部31および操作部32を構成するタッチパネルを有する。タッチパネルには、専用アプリの機能により操作部32が表示される。操作部32の構成は特に限定されず、操作部32には、全灯ボタン、消灯ボタン、常夜灯ボタン、調光ボタン、および照明シーン切り替えボタン等が含まれていてもよい。複数の照明器具は、グループ単位で操作されると共に、1つのグループを構成する照明器具単位でも操作可能である。
【0076】
情報通信端末30は、専用リモコン20と同様の方法で、複数の照明器具11,40,41,42,43,44との機器登録を行うことができる。情報通信端末30は、操作部32の操作により、所定時間(例えば、5分間)、照明器具から発信される登録依頼信号を受け付けるスキャン状態となる。情報通信端末30は、照明器具から登録依頼信号を受信したときに、設定したID情報を照明器具に送信するように構成されている。このとき、表示部31に機器登録可能な照明器具が表示され、ユーザーが機器登録を実行する照明器具を指定可能であってもよい。
【0077】
照明器具11は、情報通信端末30からID情報を受信したときに、ID情報を記憶部19fに記憶する(他の照明器具についても同様)。これにより、照明器具11と情報通信端末30の機器登録が完了する。制御装置19の機器登録実行手段19b(図2参照)は、例えば、照明器具11への電力の供給が開始されたときに照明器具11から登録依頼信号Sd11を発信させ、予め定めた所定時間(例えば、15分間)が経過するまで、所定間隔で登録依頼信号Sd11を発信させる。
【0078】
情報通信端末30は、グループ設定操作部16の操作により照明器具11が所属するグループが既に設定されている場合、グループ情報を照明器具11から取得する。例えば、制御装置19のグループ情報送信手段19cは、機器登録完了時、または機器登録と並行して、グループ情報を情報通信端末30に送信する。情報通信端末30の端末制御部33は、受信したグループ情報を記憶部に記憶させるように構成されている。他の照明器具も同様に、設定済みのグループの情報を情報通信端末30に送信する。各照明器具のグループ情報は、図7に例示するように表示部31に表示される。
【0079】
情報通信端末30は、グループ設定操作部16の操作により照明器具のグループが変更された場合に、照明器具からグループ情報を取得することが好ましい。グループ情報送信手段19cは、例えば、グループ設定操作部16の操作によりグループが変更されたときに、新たなグループ情報を情報通信端末30に送信する。或いは、グループ情報送信手段19cは、情報通信端末30に対して定期的に、または情報通信端末30からの情報要求に基づいて、グループ情報を送信してもよい。
【0080】
フリー設定操作部17の操作により照明器具がフリーモードに設定されている場合は、従来と同様に、情報通信端末30を用いて照明器具のグループ設定を行うことができる。表示部31には、例えば、機器登録が完了した複数の照明器具が表示され、操作部32の操作により各照明器具を任意のグループに設定できる。制御装置19のグループ設定手段19aは、グループフリーモードにおいて、情報通信端末30の操作に基づいて照明器具11のグループを設定する。すなわち、グループ設定手段19aは、情報通信端末30からグループ設定信号を取得したときに、当該信号に応じたグループを設定する。
【0081】
なお、上記実施形態は、本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、照明器具は、フリー設定操作部17およびリセット操作部18の少なくとも一方を有していなくてもよい。また、グループ設定操作部16の操作に基づいて設定されたグループの情報が、専用リモコン20に送信されなくてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 照明システム、11,40,41,42,43,44 照明器具、12 光源ユニット、13 点灯回路、14,28 送受信部、15,50,51,52,53,54 スイッチ、16 グループ設定操作部、17 フリー設定操作部、18 リセット操作部、19 制御装置、19a グループ設定手段、19b 機器登録実行手段、19c グループ情報送信手段、19d リセット手段、19e プロセッサ、19f 記憶部、20 専用リモコン、20A マスターリモコン、20B サブリモコン、21,21a,21b,21c,21d 操作ボタン、22 全消灯ボタン、23 識別表示、24 仕様切り替えスイッチ、25 コピーボタン、26 設定ボタン、27 グループ切り替えスイッチ、29 リモコン制御部、30 情報通信端末、31 表示部、32 操作部、33 端末制御部、P1,P2,P3,P4,P5,P6 ポジション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7