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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】孔版印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41L 13/04 20060101AFI20231013BHJP
   B41L 13/16 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B41L13/04 F
B41L13/16 B
B41L13/04 K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019158608
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021037628
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 常二
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 孝富
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-052175(JP,A)
【文献】特開2011-173389(JP,A)
【文献】特開2005-022139(JP,A)
【文献】特開2001-105712(JP,A)
【文献】特開平08-072380(JP,A)
【文献】国際公開第01/076874(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41L 13/04
B41L 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔版原紙を製版する製版部と、
回転軸まわりの外周面に前記製版部で製版された前記孔版原紙が巻装される版胴を有し、用紙を印刷可能な印刷部と、
前記版胴に巻装された前記孔版原紙を前記版胴から除去する排版部と
前記製版部、前記印刷部および前記排版部の各々を制御する制御装置と
を備え、
前記孔版原紙には、第1孔版原紙と前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙とが含まれ、
前記版胴が、前記第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第2孔版原紙を前記第1孔版原紙の前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成されている、孔版印刷装置であって、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙の数を取得する原紙数取得部を備え、
前記制御装置が、前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数に基づいて前記製版部、前記印刷部および前記排版部を制御する、孔版印刷装置。
【請求項2】
前記制御装置が、
前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数を報知する第1報知部を有する、請求項1の孔版印刷装置。
【請求項3】
前記版胴を前記回転軸まわりに回転させる駆動装置をさらに備え、
前記排版部は、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙の前記回転軸に対する周方向の一端を保持可能に構成され、前記周方向の一端を保持した状態で前記駆動装置により前記版胴を回転させて前記排版部が前記孔版原紙を引き込むことで、前記版胴から巻装されている前記孔版原紙が除去され、
前記制御装置は、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙を前記版胴から除去する場合、前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数に基づいて前記駆動装置を制御する、請求項1または2の孔版印刷装置。
【請求項4】
前記第1孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴に対して取り付けおよび取り外し可能な第1取付部材と、
前記第2孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴に対して取り付けおよび取り外し可能な第2取付部材と
をさらに備え、
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の各々は、前記版胴に取り付けられた状態では、前記第2孔版原紙が前記第1取付部材を覆っており、
前記版胴に取り付けられた状態の前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙を除去する場合、前記駆動装置により前記版胴を回転させて前記第2取付部材および前記第1取付部材の順に前記排版部に対向させ、前記第2取付部材により前記版胴に取り付けられた状態の前記第2孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴から取り外して前記排版部で保持すると共に、前記第1取付部材により前記版胴に取り付けられた状態の前記第1孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴から取り外して前記排版部で保持して、前記版胴を回転させて前記排版部に前記孔版原紙を引き込ませる、請求項3の孔版印刷装置。
【請求項5】
印刷モードとして、印刷画像が製版された前記第1孔版原紙のみが前記版胴に巻装された状態で印刷が行われる通常印刷モードと、前記版胴に印刷画像に対応する範囲がベタ製版された前記第1孔版原紙と印刷画像が製版された前記第2孔版原紙とが巻装された状態で印刷が行われる二重巻印刷モードとを有し、
印刷ジョブとして、前記通常印刷モードで印刷が実行される通常印刷ジョブと、前記二重巻印刷モードで印刷が実行される二重巻印刷ジョブとを有する、
請求項1から4のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項6】
前記印刷ジョブの開始前に、直前の前記印刷ジョブが前記通常印刷ジョブであった場合、前記排版部によって前記第1孔版原紙が前記版胴から除去され、直前の前記印刷ジョブが前記二重巻印刷モードであった場合、前記排版部によって前記第2孔版原紙のみ、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の両方が前記版胴から除去され、
前記制御装置が、
受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記印刷制御部は、
受け付けた複数の前記印刷ジョブの中に、複数の前記二重巻印刷ジョブが含まれていた場合、前記二重巻印刷ジョブを連続して実行する、請求項5の孔版印刷装置。
【請求項7】
前記印刷ジョブの開始前に、直前の前記印刷ジョブが前記通常印刷ジョブであった場合、前記排版部によって前記第1孔版原紙が前記版胴から除去され、直前の前記印刷ジョブが前記二重巻印刷モードであった場合、前記排版部によって前記第2孔版原紙のみ、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の両方が除去され、
前記制御装置が、
受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記印刷制御部は、
第1の前記通常印刷ジョブ、前記二重巻印刷ジョブおよび第2の前記通常印刷ジョブの順に印刷ジョブが受け付けられた場合、前記二重巻印刷ジョブで実行される印刷を前記通常印刷モードで実行する、請求項5の孔版印刷装置。
【請求項8】
前記制御装置が、
直前の前記印刷ジョブが前記二重巻印刷ジョブであった場合、直前の前記二重巻印刷ジョブで用いられた製版された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を取得するベタ製版情報取得部を有し、
前記ベタ製版情報取得部により取得された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズに基づいて、または、前記第1孔版原紙のベタ製版サイズおよびベタ製版位置に基づいて、前記製版部、前記印刷部および前記排版部を制御する、請求項5から7のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項9】
前記制御装置が、
前記ベタ製版情報取得部で取得された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を報知する第2報知部を有する、請求項8の孔版印刷装置。
【請求項10】
前記制御装置が、
新たな前記印刷ジョブとして前記通常印刷ジョブが受け付けられ、新たな前記印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が前記ベタ製版情報取得部により取得された前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まらない場合、受け付けられた新たな前記印刷ジョブの実行を保留しつつ、警告を発生させる第1警告発生部を有する、請求項8または9に記載の孔版印刷装置。
【請求項11】
前記制御装置が、受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記二重巻印刷ジョブとして、第1の二重巻印刷ジョブと、第2の二重巻印刷ジョブとを有し、
前記印刷制御部は、
前記第1の二重巻印刷ジョブと前記第2の二重巻印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、前記第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、前記第2の二重巻印刷ジョブが開始される前に前記版胴に巻装されている前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まる場合、前記第2の二重巻印刷ジョブの開始前に前記第1孔版原紙を前記版胴から除去させずに、前記第2の二重巻印刷ジョブにおいて前記第1の二重巻印刷ジョブで使用された前記第1孔版原紙を連続して使用させる、請求項6から10のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項12】
前記制御装置が、受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記印刷制御部は、
前記二重巻印刷ジョブと前記通常印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、前記通常印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が前記二重巻印刷ジョブで使用された前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まる場合、前記通常印刷ジョブで実行される印刷を前記二重巻印刷モードで実行する、請求項6から11のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項13】
前記版胴の種類を検出する版胴検出部をさらに備え、
前記版胴には、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙を巻装可能な二重巻対応版胴と、前記第1孔版原紙のみ巻装可能な二重巻非対応版胴とが含まれる、請求項1から12のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項14】
前記制御装置が、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類を報知する第3報知部を有する、請求項13の孔版印刷装置。
【請求項15】
前記制御装置は、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類が前記二重巻非対応版胴であった場合、前記二重巻印刷モードで印刷を実行しない、請求項5に従属する請求項13または14の孔版印刷装置。
【請求項16】
前記制御装置が、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類が前記二重巻非対応版胴であり、受け付けられた新たな前記印刷ジョブが前記二重巻印刷ジョブであった場合、受け付けられた新たな前記印刷ジョブを保留しつつ、警告を発生させる第2警告発生部を有する、請求項5に従属する請求項13から15のいずれか1つの孔版印刷装置。
【請求項17】
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される、孔版印刷装置の版胴であって、
第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙を前記第1孔版原紙における前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成され、
前記第1孔版原紙のみが巻装された状態で、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装された状態で、前記孔版印刷装置に装着可能に構成され
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装可能か否かを前記孔版印刷装置に検出させることが可能な被検出部を備える、版胴。
【請求項18】
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される、孔版印刷装置の版胴であって、
第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙を前記第1孔版原紙における前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成され、
前記第1孔版原紙のみが巻装された状態で、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装された状態で、前記孔版印刷装置に装着可能に構成され、
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が卷装された状態で印刷が実行できない前記孔版印刷装置に対する誤った装着を防止可能な誤装着防止部材を備える、版胴。
【請求項19】
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される、孔版印刷装置の版胴であって、
第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙を前記第1孔版原紙における前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成され、
前記第1孔版原紙のみが巻装された状態で、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装された状態で、前記孔版印刷装置に装着可能に構成され、
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装可能か否かを前記孔版印刷装置に検出させることが可能な被検出部と、
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が卷装された状態で印刷が実行できない前記孔版印刷装置に対する誤った装着を防止可能な誤装着防止部材と
を備える、版胴
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔版印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の印刷モードと第2の印刷モードとを有する孔版印刷装置が開示されている。この孔版印刷装置は、第1の印刷モードでは、製版後の孔版原紙を版胴の印刷領域の全周側面にわたって貼着し、この印刷領域に対応するサイズの印刷用紙を孔版原紙に圧接させる。また、第2の印刷モードでは、所定の印刷サイズの開口が開設されたプロテクタを版胴の印刷領域の全周側面にわたって貼着し、プロテクタの外部に開口に対応するサイズで印刷書画像に対応する書画像が製版されている孔版原紙を開口上に貼着して、この開口に対応するサイズの印刷用紙を孔版原紙に圧接させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-52175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記孔版印刷装置では、開口が穿孔された孔版原紙がプロテクタとして用いられており、版胴に複数枚の孔版原紙が卷装される。版胴に複数の孔版原紙が卷装されていると、例えば、新たな印刷を開始するにあたって版胴から直前の印刷で用いた孔版原紙を除去するときに、版胴を回転させて孔版原紙毎に決められた位置で停止させなければならない場合がある。この場合、版胴に卷装されている孔版原紙の枚数が把握できていないと、版胴を孔版原紙毎に決められた位置で停止させるのに時間がかかり、新たな印刷の開始が遅延する場合がある。
【0005】
本発明は、印刷開始の遅延を防止可能な孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の孔版印刷装置は、
孔版原紙を製版する製版部と、
回転軸まわりの外周面に前記製版部で製版された前記孔版原紙が巻装される版胴を有し、用紙を印刷可能な印刷部と、
前記版胴に巻装された前記孔版原紙を前記版胴から除去する排版部と
前記製版部、前記印刷部および前記排版部の各々を制御する制御装置と
を備え、
前記孔版原紙には、第1孔版原紙と前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙とが含まれ、
前記版胴が、前記第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第2孔版原紙を前記第1孔版原紙の前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成されている、孔版印刷装置であって、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙の数を検出する原紙数取得部を備え、
前記制御装置が、前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数に基づいて前記製版部、前記印刷部および前記排版部を制御する。
【0007】
前記態様の孔版印刷機は、さらに次のような構成を採用することができる。
(1)制御装置が、
前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数を報知する第1報知部を有する。
【0008】
(2)前記版胴を前記回転軸まわりに回転させる駆動装置をさらに備え、
前記排版部は、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙の前記回転軸に対する周方向の一端を保持可能に構成され、前記周方向の一端を保持した状態で前記駆動装置により前記版胴を回転させて前記排版部が前記孔版原紙を引き込むことで、前記版胴から巻装されている前記孔版原紙が除去され、
前記制御装置は、
前記版胴に巻装されている前記孔版原紙を前記版胴から除去する場合、前記原紙数取得部により取得された前記孔版原紙の数に基づいて前記駆動装置を制御する。
【0009】
(3)前記第1孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴に対して取り付けおよび取り外し可能な第1取付部材と、
前記第2孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴に対して取り付けおよび取り外し可能な第2取付部材と
をさらに備え、
前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の各々は、前記版胴に取り付けられた状態では、前記第2孔版原紙が前記第1取付部材を覆っており、
前記版胴に取り付けられた状態の前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙を除去する場合、前記駆動装置により前記版胴を回転させて前記第2取付部材および前記第1取付部材の順に前記排版部に対向させ、前記第2取付部材により前記版胴に取り付けられた状態の前記第2孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴から取り外して前記排版部で保持すると共に、前記第1取付部材により前記版胴に取り付けられた状態の前記第1孔版原紙の前記周方向の一端を前記版胴から取り外して前記排版部で保持して、前記版胴を回転させて前記排版部に前記孔版原紙を引き込ませる。
【0010】
(4)印刷モードとして、印刷画像が製版された前記第1孔版原紙のみが前記版胴に巻装された状態で印刷が行われる通常印刷モードと、前記版胴に印刷画像に対応する範囲がベタ製版された前記第1孔版原紙と印刷画像が製版された前記第2孔版原紙とが巻装された状態で印刷が行われる二重巻印刷モードとを有し、
印刷ジョブとして、前記通常印刷モードで印刷が実行される通常印刷ジョブと、前記二重巻印刷モードで印刷が実行される二重巻印刷ジョブとを有する。
【0011】
(5)前記印刷ジョブの開始前に、直前で実行された前記印刷ジョブが前記通常印刷ジョブであった場合、前記排版部によって前記第1孔版原紙が前記版胴から除去され、直前で実行された前記印刷ジョブが前記二重巻印刷モードであった場合、前記排版部によって前記第2孔版原紙のみ、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の両方が前記版胴から除去され、
前記制御装置が、
受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記印刷制御部は、
受け付けた複数の前記印刷ジョブの中に、複数の前記二重巻印刷ジョブが含まれていた場合、前記二重巻印刷ジョブを連続して実行する。
【0012】
(6)前記印刷ジョブの開始前に、直前で実行された前記印刷ジョブが前記通常印刷ジョブであった場合、前記排版部によって前記第1孔版原紙が前記版胴から除去され、直前で実行された前記印刷ジョブが前記二重巻印刷モードであった場合、前記排版部によって前記第2孔版原紙のみ、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙の両方が除去され、
前記制御装置が、
受け付けた複数の前記印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部を有し、
前記印刷制御部は、
第1の前記通常印刷ジョブ、前記二重巻印刷ジョブおよび第2の前記通常印刷ジョブの順に印刷ジョブが受け付けられた場合、前記二重巻印刷ジョブで実行される印刷を前記通常印刷モードで実行する。
【0013】
(7)前記制御装置が、
直前で実行された前記印刷ジョブが前記二重巻印刷ジョブであった場合、直前の前記二重巻印刷ジョブで用いられた製版された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を取得するベタ製版情報取得部を有し、
前記ベタ製版情報取得部により取得された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズに基づいて、または、前記第1孔版原紙のベタ製版サイズおよびベタ製版位置に基づいて、前記製版部、前記印刷部および前記排版部を制御する。
【0014】
(8)制御装置が、
前記ベタ製版情報取得部で取得された前記第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を報知する第2報知部を有する。
【0015】
(9)前記制御装置が、
新たな前記印刷ジョブとして前記通常印刷ジョブが受け付けられ、新たな前記印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が前記ベタ製版情報取得部により取得された前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まる場合、受け付けられた新たな前記印刷ジョブの実行を保留しつつ、警告を発生させる第1警告発生部を有する。
【0016】
(10)前記二重巻印刷ジョブとして、第1の二重巻印刷ジョブと、第2の二重巻印刷ジョブとを有し、
前記印刷制御部は、
前記第1の二重巻印刷ジョブと前記第2の二重巻印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、前記第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、前記第2の二重巻印刷ジョブが開始される前に前記版胴に巻装されている前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まる場合、前記第2の二重巻印刷ジョブの開始前に前記第1孔版原紙を前記版胴から除去させずに、前記第2の二重巻印刷ジョブにおいて前記第1の二重巻印刷ジョブで使用された前記第1孔版原紙を連続して使用させる。
【0017】
(11)前記印刷制御部は、
前記二重巻印刷ジョブと前記通常印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、前記通常印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が前記二重巻印刷ジョブで使用された前記第1孔版原紙のベタ製版の範囲に収まる場合、前記通常印刷ジョブで実行される印刷を前記二重巻印刷モードで実行する。
【0018】
(12)前記版胴の種類を検出する版胴検出部をさらに備え、
前記版胴には、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙を巻装可能な二重巻対応版胴と、前記第1孔版原紙のみ巻装可能な二重巻非対応版胴とが含まれる。
【0019】
(13)前記制御装置が、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類を報知する第3報知部を有する。
【0020】
(14)前記制御装置は、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類が前記二重巻非対応版胴であった場合、前記二重巻印刷モードで印刷を実行しない。
【0021】
(15)前記制御装置が、
前記版胴検出部により検出された前記版胴の種類が前記二重巻非対応版胴であり、受け付けられた新たな前記印刷ジョブが前記二重巻印刷ジョブであった場合、警告を発生させる第2警告発生部を有する。
【0022】
本発明の一態様の版胴は、
回転軸まわりの外周面に製版済の孔版原紙が巻装される、孔版印刷装置の版胴であって、
第1孔版原紙を巻装した状態で、前記第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙を前記第1孔版原紙における前記回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成され、
前記第1孔版原紙のみが巻装された状態で、または、前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装された状態で、前記孔版印刷装置に装着可能に構成されている。
【0023】
前記態様の版胴は、さらに次のような構成を採用することができる。
(16)前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が巻装可能か否かを前記孔版印刷装置に検出させることが可能な被検出部をさらに備える。
【0024】
(17)前記第1孔版原紙および前記第2孔版原紙が卷装された状態で印刷が実行できない前記孔版印刷装置に対する誤った装着を防止可能な誤装着防止部材をさらに備える。
【発明の効果】
【0025】
前記態様の孔版印刷装置によれば、版胴に巻装されている孔版原紙の数を検出する原紙数取得部を備え、制御装置が、原紙数取得部により取得された孔版原紙の数に基づいて製版部、印刷部および排版部を制御する。このような構成により、版胴に卷装されている孔版原紙の数に応じた最適な制御を行うことができるので、印刷開始の遅延を防止可能な孔版印刷装置を提供できる。
【0026】
前記構成(1)によれば、孔版原紙の数の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0027】
前記構成(2)によれば、孔版原紙の除去にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0028】
前記構成(3)によれば、例えば、版胴を1回転させる間に、第1孔版原紙および第2孔版原紙の両方を版胴から除去することができるので、孔版原紙の除去にかかる時間をさらに低減することができる。その結果、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0029】
前記構成(4)および(5)によれば、孔版原紙の製版回数を低減することができるので、孔版原紙を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0030】
前記構成(6)によれば、孔版原紙の製版回数を低減することができるので、孔版原紙を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0031】
前記構成(7)によれば、第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置に応じた最適な制御を行うことができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0032】
前記構成(8)によれば、第1孔版原紙のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0033】
前記構成(9)によれば、二重巻印刷モードで印刷が実行されるべきところ、通常印刷モードで印刷が実行されるのを防ぐことができる。これにより、非効率的な孔版原紙の製版が防止され、孔版原紙を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0034】
前記構成(10)によれば、第1の二重巻印刷ジョブから第2の二重巻印刷ジョブに印刷ジョブを切り替える際、第1孔版原紙の交換が行われない。これにより、孔版原紙を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0035】
前記構成(11)によれば、印刷ジョブを切り替える際、新たに受け付けられた印刷ジョブで第1孔版原紙を使用できる場合、第1孔版原紙の交換が行われない。これにより、孔版原紙を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0036】
前記構成(12)によれば、版胴の種類の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0037】
前記構成(13)によれば、版胴の種類の確認にかかる時間をより確実に低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0038】
前記構成(14)によれば、誤操作を防止して、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0039】
前記構成(15)によれば、誤操作を防止して、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0040】
前記態様の版胴によれば、第1孔版原紙を巻装した状態で、第1孔版原紙よりもサイズの小さい第2孔版原紙を第1孔版原紙における回転軸に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成されている。このような構成により、二重巻印刷モードに対応可能な版胴を実現できる。
【0041】
前記構成(16)によれば、二重巻印刷モードに対応可能か否かを確認する時間を低減することができるので、印刷開始の遅延を防止できる。
【0042】
前記構成(17)によれば、誤操作を防止して、印刷開始の遅延を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施形態の孔版印刷装置を示す概略図。
図2図1の孔版印刷装置の版胴を示す第1の概略図。
図3図1の孔版印刷装置の版胴を示す第2の概略図。
図4図1の孔版印刷装置のブロック図。
図5図1の孔版印刷装置の印刷制御を説明するためのフローチャート。
図6図1の孔版印刷装置の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙のベタ製版範囲を説明するための展開平面図。
図7図1の孔版印刷装置の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙のベタ製版範囲を説明するための展開側面図。
図8図1の孔版印刷装置の通常印刷ジョブにおける第1孔版原紙の製版範囲を説明するための展開平面図。
図9図1の孔版印刷装置の通常印刷ジョブにおける第1孔版原紙の製版範囲を説明するための展開側面図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、または、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0045】
本発明の一実施形態の孔版印刷装置1は、図1に示すように、製版部2、印刷部3および排版部6と、製版部2、印刷部3および排版部6を制御する制御装置100を備えている。この実施形態では、製版部2、印刷部3、排版部6および制御装置100は、装置本体10の内部に配置されている。また、孔版印刷装置1は、さらに、給紙部4および排紙部5を備えている。なお、装置本体10に対して用紙の給紙方向の下流側(すなわち、図1の右側)を「前側」とし、用紙の給紙の上流側(すなわち、図1の左側)を「後側」とする。
【0046】
製版部2は、図1に示すように、一例として、装置本体10内の前後方向の中央よりも後側に配置され、孔版原紙ロール11およびサーマルヘッド21等を有している。この製版部は、画像読取装置71(図4に示す)で生成した画像のデータに基づき、孔版原紙ロール11から引き出された孔版原紙にサーマルヘッド21で製版する。製版後の孔版原紙は、後述する印刷部3の版胴31の外周面312に装着される。
【0047】
印刷部3は、図1に示すように、一例として、装置本体10内の前後方向の略中央に配置され、円筒状の版胴31と、押圧ローラ32と、インク供給ローラ33とを有し、用紙200を印刷可能に構成されている。版胴31は、装置本体10に対して回転軸311まわりに回転可能に構成され、その回転軸311まわりの外周面312に製版された孔版原紙210が巻装される。すなわち、版胴31は、製版済の孔版原紙210が巻装された状態で、孔版印刷装置1に装着可能に構成されている。押圧ローラ32は、装置本体10に対して回転可能に構成され、その回転軸まわりの外周面が版胴31の外周面312に対向するように配置されている。インク供給ローラ33は、版胴31に内接しかつ押圧ローラ32に略対向するように配置されている。版胴31については、後に詳述する。
【0048】
給紙部4は、図1に示すように、一例として、装置本体10の後端に配置され、給紙台(図示せず)および給紙ローラ(図示せず)等を有している。この給紙部4は、給紙台に積載された用紙200を最上位から1枚ずつ取り出して、印刷部3へ供給可能に構成されている。
【0049】
排紙部5は、図1に示すように、一例として、装置本体10の前端に配置され、エア吸引式の搬送ベルト機構(図示せず)および排紙台51等を有している。この排紙部5は、印刷部3で印刷された用紙200をエア吸引しながら後方に搬送し、排紙台51上へ排出可能に構成されている。
【0050】
排版部6は、図1に示すように、一例として、装置本体10の装置本体10内の前後方向の中央よりも前側に配置され、引き込みローラ61および巻取ローラ63等を有している。この排版部6は、版胴31に巻装されている孔版原紙210の回転軸311に対する周方向の一端を引き込みローラ61で保持可能に構成されている。版胴31に巻装されている孔版原紙210は、引き込みローラ61により版胴31から除去されつつ排版部6内に引き込まれ、引き込まれた孔版原紙210が巻取ローラ63により巻き取られる。
【0051】
孔版印刷装置1は、次のように動作する。すなわち、孔版原紙210が孔版原紙ロール11から製版部2に供給され、製版部2においてサーマルヘッド21により加熱穿孔されることによって製版される。製版された孔版原紙210は、印刷部3へ供給され、版胴31に巻装される。このとき、製版された孔版原紙210は、クランプ35、36(図2に示す)のいずれか一方によって挟持されて、版胴31に取り付けられる。その後、用紙200が、給紙部4によって印刷部3へ給紙される。そして、印刷部3では、押圧ローラ32によって用紙200が、後述するスクリーン(図示せず)および製版された孔版原紙210が径方向の外側に向かって順に巻回された版胴31を介してインク供給ローラ33に押し付けられ、製版された孔版原紙210に基づいた印刷が行われる。印刷終了後、印刷された用紙200は、排紙部5の排紙台51へ送られ、印刷に使用された製版された孔版原紙(すなわち、排版原紙)210は、排版部6によって版胴31から剥ぎ取られて巻取ローラ63に巻き取られる。
【0052】
次に、図2を参照して、版胴31をより詳細に説明する。
【0053】
版胴31は、駆動装置75(図4に示す)により回転軸311まわりに回転可能であると共に、2つのサイズの異なる製版済の孔版原紙210を卷装可能に構成されている。この版胴31は、図2に示すように、一例として、ステンレスまたは樹脂で構成された胴部34と、この胴部34における回転軸311の径方向の外周面(すなわち、版胴31の外周面312)に設けられた2つのクランプ35、36(以下、第1クランプ35および第2クランプ36という。)とを有している。第1クランプ35および第2クランプ36は、取付部材の一例である。
【0054】
胴部34の外周面には、第1クランプ35および第2クランプ36が設置されている場所を除いて、多数のインク通過用の孔(図示せず)が形成されている。胴部34の回転軸311まわりの外周には、メッシュ状のスクリーン(図示せず)が巻回されている。スクリーンは、胴部34のインク通過用の孔が形成された領域341(以下、インク通過領域341という。)に配置され、このスクリーンの回転軸311まわりの外周に製版された孔版原紙210が巻装される。
【0055】
第1クランプ35および第2クランプ36は、胴部34の回転軸311に対する周方向において相互に隣接して配置されている。各クランプ35、36は、異なる製版された孔版原紙210(以下、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230という。)をそれぞれ挟持して、胴部34に取り付ける。
【0056】
詳しくは、第1クランプ35は、第1孔版原紙220の回転軸311に対する周方向の一端を胴部34に対して取り付け可能に構成され、第2クランプ36は、第2孔版原紙230の回転軸311に対する周方向の一端を胴部34に対して取り付け可能に構成されている。各クランプ35、36により胴部34に取り付けられた各孔版原紙220、230は、対応するクランプ35、36から図2の時計回りにそれぞれ延びている。すなわち、第2孔版原紙230は、第1クランプ35を覆いつつ、第1孔版原紙220の回転軸311に対する径方向の外側に重ねて卷装されている。また、各クランプ35、36は、開閉装置74(図4に示す)により開閉可能に構成されている。
【0057】
なお、第1孔版原紙220は、例えば、胴部34のインク通過領域341の全域を覆うサイズ(例えば、A3サイズ)を有している。また、第2孔版原紙230は、前記第1孔版原紙220よりも小さいサイズ(例えば、A4サイズ)を有している。第1孔版原紙220には、インク通過用の孔を通過したインクが供給される。また、第2孔版原紙230には、インク通過用の孔および第1孔版原紙220を通過したインクが供給される。
【0058】
後述する通常印刷モードでは、第1孔版原紙220の製版範囲121は、図6および図7に示すように、次に示す条件を全て満たすように決定される。
・インク通過領域341の範囲内
・第1孔版原紙220のサイズ内
【0059】
また、後述する二重巻印刷モードでは、第1孔版原紙220は、ベタ製版される。二重巻印刷モード時の第1孔版原紙220のベタ製版範囲221は、図8および図9に示すように、次に示す条件を全て満たすように決定される。
・インク通過領域341の範囲内
・第2孔版原紙230のサイズ内
・第2孔版原紙230の製版範囲131と同じか、それ以上
第2孔版原紙230の製版範囲131は、胴部34のインク通過領域341内でかつ第2孔版原紙230のサイズよりも小さくなるように設定されている。なお、ベタ製版とは、孔版原紙210の所定範囲の全面にわたって孔が形成された版を作ることを意味する。
【0060】
また、図示していないが、版胴31は、被検出部と、誤装着防止部材とを有している。被検出部は、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を巻装可能な版胴31であるか否かを孔版印刷装置1に検出させることができる。誤装着防止部材は、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230が巻装された状態で印刷が実行できない孔版印刷装置に対する版胴31の誤った装着を防止する。
【0061】
例えば、被検出部として、版胴31を装置本体10に接続するコネクタを用いることができる。第1孔版原紙220のみを巻装可能な版胴のコネクタと、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230の両方を巻装可能な版胴31のコネクタとで、相互に端子の形状等を変えることで、孔版印刷装置1に、版胴31が装着されていて第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を巻装可能であること(すなわち、二重巻対応版胴であること)を検出させることができる。
【0062】
また、例えば、誤装着防止部材として、版胴31に設けられた突起を用いることができる。第1孔版原紙220および第2孔版原紙230の両方を卷装可能な版胴31に、孔版印刷装置1のみに対応する形状の突起を設ける一方、孔版印刷装置1に、この突起のみを嵌合可能な切欠等を設けることで、版胴31が孔版印刷装置1以外の孔版印刷装置に誤って装着されるのを防止できる。
【0063】
制御装置100は、一例として、演算等を行うCPU、孔版印刷装置1の作動に必要なプログラムまたはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、用紙の印刷を行うための制御を行う。この制御装置100は、図4に示すように、操作部7、画像読取装置71、孔版原紙検出部72等から出力された信号に基づいて、製版部2、印刷部3、給紙部4、排紙部5、排版部6、画像読取装置71、操作部7の表示部73、開閉装置74、印刷部3の駆動装置75等を制御する。
【0064】
なお、操作部7では、印刷ジョブ等の入力が行われる。表示部73は、入力された印刷ジョブまたは孔版印刷装置1の作動状態等を表示する。孔版原紙検出部72は、原紙数取得部の一例であり、例えば、フォトリフレクタまたはフォトインタラプタで構成され、図2に示すように、回転軸311に対する周方向における第1クランプ35と第2クランプ36との間に配置されている。
【0065】
孔版原紙検出部72は、次のように適切なタイミングで孔版原紙210の有無を検出することで版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を検出して取得する。まず、孔版原紙検出部72は、第1クランプ35と第2クランプ36の間の部分に向かって照射した光の反射率から第2孔版原紙230が版胴31に巻装されているか否かを検出し、第2孔版原紙230が版胴31に巻装されているか否かに基づいて、版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を検出する。例えば、第2孔版原紙230が版胴31に巻装されていることが検出された場合、孔版原紙検出部72は、版胴31に巻かれている孔版原紙210は2枚であると検出する。また、第2孔版原紙230が版胴31に巻装されていることが検出されない場合、孔版原紙検出部72は、版胴31に巻かれている孔版原紙210は1枚またはゼロ枚であると検出する。
【0066】
版胴31に巻かれている孔版原紙210が1枚またはゼロ枚であると検出された場合、制御装置100は、図3に示すように、版胴31を回転させて孔版原紙検出部72を第1クランプ35の周方向の上流側の位置に移動させる。そして、孔版原紙検出部72は、第1クランプ35の周方向の上流側の部分に向かって照射した光の反射率から第1孔版原紙230が版胴31に巻装されているか否かを検出する。これにより、版胴31に巻かれている孔版原紙210が1枚かゼロ枚かを判別できる。孔版原紙検出部72により検出された孔版原紙の数は、例えば、表示部73または外部装置(図示せず)に表示される。外部装置は、例えば、パソコン、スマートフォンまたはタブレットPCであり、インターネット等の通信手段を介して制御装置100に接続される。
【0067】
また、制御装置100は、図4に示すように、印刷制御部101、ベタ製版情報取得部102、警告発生部103、版胴検出部104、記憶部105および報知部106を有している。印刷制御部101、ベタ製版情報取得部102、警告発生部103、版胴検出部104、記憶部105および報知部106の各々は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0068】
印刷制御部101は、操作部7で入力された印刷ジョブを受け付けると共に、製版部2、印刷部3、排版部6および駆動装置75を制御して、受け付けた印刷ジョブを実行する。印刷モード、印刷される用紙のサイズおよび印刷画像のサイズ等の受け付けられた印刷ジョブに関する情報は、例えば、記憶部105に記憶される。
【0069】
複数の印刷ジョブが受け付けられている場合、印刷制御部101は、次の(1)~(4)に示すように、受け付けられている複数の印刷ジョブを連続して実行する。なお、ここでは一例として、孔版印刷装置1が、印刷モードとして、第1孔版原紙220のみが版胴31に巻装された状態で印刷が行われる通常印刷モードと、版胴31に第1孔版原紙220と第2孔版原紙230とが巻装された状態で印刷が行われる二重巻印刷モードとを有するとする。詳しくは、通常印刷モードでは、印刷画像が製版された第1孔版原紙220のみが版胴31に巻装された状態で印刷が行われる。また、二重巻印刷モードでは、版胴31に印刷画像に対応する範囲がベタ製版された第1孔版原紙220と印刷画像が製版された第2孔版原紙230とが巻装された状態で印刷が行われる。また、孔版印刷装置1が、印刷ジョブとして、通常印刷モードで印刷が実行される通常印刷ジョブと、二重巻印刷モードで印刷が実行される二重巻印刷ジョブとを有するとする。
【0070】
(1)例えば、以下の表1に示すように、複数の通常印刷ジョブと複数の二重巻印刷ジョブとが含まれる9つの印刷ジョブが1から9の順番で受け付けられたとすると、印刷制御部101は、以下の表2に示すように、二重巻印刷ジョブが連続して実行されるように、実行する印刷ジョブの順番を入れ替える。なお、二重巻印刷モードで、A4用紙へ印刷する場合、第2孔版原紙230のサイズは、第1孔版原紙220のおよそ半分のサイズになる。

【表1】

【表2】
【0071】
各印刷ジョブの開始前に、製版済の孔版原紙210が版胴31に巻装されている場合、排版部6によって、直前の印刷ジョブで用いた製版済の孔版原紙210の排版が行われる。原則として、直前の印刷ジョブで用いた製版済の孔版原紙210は、新たな印刷ジョブの開始前に全て排版される。ただし、二重巻印刷モードが連続する場合であって、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、後の二重巻印刷ジョブの開始前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合、言い換えると、回転軸311に対する径方向に沿って見たときに、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像全体が、先の二重巻印刷ジョブで用いられた第1孔版原紙220におけるベタ製版により形成された孔が空いている部分と重なっている場合、第1孔版原紙220を残して、第2孔版原紙230のみを排版する。具体的には、直前の印刷ジョブが通常印刷ジョブであった場合、排版部6によって第1孔版原紙220が版胴31から除去される。直前の印刷ジョブが二重巻印刷モードであった場合であって、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、後の二重巻印刷ジョブの開始前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合、排版部6によって第2孔版原紙230のみが版胴31から除去される。また、直前の印刷ジョブが二重巻印刷モードであった場合であって、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、後の二重巻印刷ジョブの開始前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まらない場合、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230の両方が版胴31から除去される。このため、表1に示す順番で印刷ジョブを実行した場合、A3サイズの孔版原紙210が9.5枚必要となるが、表2に示すように、二重巻印刷ジョブを連続して実行することで、必要な孔版原紙210の枚数を9.5枚から7.5枚に削減することができる。これにより、孔版原紙210の製版回数を低減することができる。
【0072】
後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、後の二重巻印刷ジョブの開始前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まるか否かの判定(以下、第1範囲判定という。)は、例えば、次のように実行される。すなわち、まず、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版の製版開始位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像の製版開始位置とが同じか否かを判定する。先の二重巻印刷ジョブにおける製版開始位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける製版開始位置とが同じ場合、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版サイズと、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像サイズ(または用紙サイズ)とに基づいて、第1範囲判定が行われる。また、先の二重巻印刷ジョブにおける製版開始位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける製版開始位置とが異なる場合、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版サイズおよびベタ製版位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像サイズ(または用紙サイズ)および印刷画像の製版位置とに基づいて、第1範囲判定が行われる。
【0073】
第1範囲判定は、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版の製版開始位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像の製版開始位置との間の距離が一定か否かを判定することにより行ってもよい。例えば、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版の製版開始位置が、図8に示すように、ベタ製版範囲221の周方向の左端S1であり、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像の製版開始位置が、第2孔版原紙230の印刷画像の製版範囲131の周方向の左端S2であるとする。この場合、製版開始位置S1と製版開始位置S2との間の距離は、A3で定められる。A3が一定(ゼロを含む)の場合、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版サイズ(すなわち、ベタ製版範囲221の周方向長さA1)と、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像サイズ(すなわち、印刷画像の製版範囲131の周方向長さA2)または用紙サイズとに基づいて、第1範囲判定が行われる。一方、A3が一定ではなく印刷ジョブ毎に変化する場合、先の二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版サイズ(すなわち、ベタ製版範囲221の周方向長さA1)およびベタ製版位置と、後の二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像サイズ(すなわち、印刷画像の製版範囲131の周方向長さA2)または用紙サイズおよび印刷画像位置とに基づいて、第1範囲判定が行われる。
【0074】
二重巻印刷ジョブが連続する場合、第1孔版原紙220を残して、第2孔版原紙230のみを排版する条件としては、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、後の二重巻印刷ジョブの開始前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合に限らない。例えば、後の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、先の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像の範囲に収まる場合であってもよい。
【0075】
品質確保の観点から、第1孔版原紙220を連続して使用できる回数を予め定めておくことができる。すなわち、仮に、後の二重巻印刷ジョブの開始前に第1孔版原紙220を除去しない条件を満たすとしても、第1孔版原紙220が所定回数連続して除去されていない場合は、排版部6により第1孔版原紙220が版胴31から除去され、製版部2により新たな第1孔版原紙220が製版され、版胴31に巻装される。
【0076】
なお、「製版サイズ」、「画像サイズ」および「製版開始位置」は、回転軸311に対する径方向に沿って見た場合のサイズおよび位置であるとする。
【0077】
(2)例えば、印刷制御部101は、前述のように実行する印刷ジョブの順番を入れ替えることに代えて、次のように印刷ジョブを連続して実行することができる。すなわち、以下の表3に示すように、複数の通常印刷ジョブと複数の二重巻印刷ジョブとが含まれる9つの印刷ジョブが受け付けられたとする。この場合、印刷制御部101は、以下の表4に示すように、通常印刷ジョブで挟まれた二重巻印刷ジョブで実行される印刷を二重巻印刷モードではなく、通常印刷モードで実行する。

【表3】

【表4】
【0078】
表3に示す順番で印刷ジョブを実行した場合、A3サイズの孔版原紙210が11枚必要となるが、表4に示すように、通常印刷ジョブで挟まれた二重巻印刷ジョブで行われる印刷を通常印刷モードで実行することで、必要な孔版原紙210の枚数を11枚から9枚に削減することができる。これにより、孔版原紙210の製版回数を低減することができる。
【0079】
(3)例えば、第1の二重巻印刷ジョブと第2の二重巻印刷ジョブとがこの順に連続して実行され、第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が第1の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像の範囲に収まっているとする。この場合、印刷制御部101は、第2の二重巻印刷ジョブの開始前に第1孔版原紙220を版胴31から除去させずに、第2の二重巻印刷ジョブにおいて第1の二重巻印刷ジョブで使用された第1孔版原紙220を連続して使用させる。印刷ジョブを切り替える際に除去される製版済の孔版原紙210は、印刷画像が製版された孔版原紙210である。すなわち、第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が第1の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像の範囲に収まる場合、第2孔版原紙230のみ除去すればよい。このため、第2の二重巻印刷ジョブにおいて第1の二重巻印刷ジョブで使用された第1孔版原紙220を連続して使用させることで、必要な孔版原紙210の枚数を削減することができる。
【0080】
第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が第1の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像の範囲に収まるか否かの判定(以下、第2範囲判定という。)は、例えば、第1範囲判定と同様の方法で実行される。すなわち、第1の二重巻印刷ジョブの印刷画像の製版開始位置と第2の二重巻印刷ジョブの印刷画像の製版開始位置とが同じか否かを判定し、製版開始位置が同じ場合は、第1の二重巻印刷ジョブの印刷画像サイズまたは用紙サイズと、第2の二重巻印刷ジョブの印刷画像サイズまたは用紙のサイズに基づいて第2判定が行われる。また、製版開始位置が異なる場合は、第1の二重巻印刷ジョブの印刷画像サイズまたは用紙サイズおよび印刷画像の製版位置と、第2の二重巻印刷ジョブの印刷画像サイズまたは用紙のサイズおよび印刷画像の製版位置とに基づいて第2範囲判定が行われる。
【0081】
(4)例えば、以下の表5に示すように、二重巻印刷ジョブが受け付けられた後に、通常印刷ジョブが受け付けられたとする。印刷制御部101は、通常印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が二重巻印刷ジョブで使用された第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合には、通常印刷ジョブで実行される印刷を通常印刷モードではなく、二重巻印刷モードで実行する。

【表5】
【0082】
表5に示す順番で印刷ジョブを実行した場合、A3サイズの孔版原紙210が2.5枚必要となるが、通常印刷ジョブで行われる印刷を二重巻印刷モードで実行することで、必要な孔版原紙210の枚数を2.5枚から2枚に削減することができる。これにより、孔版原紙210の製版回数を低減することができる。
【0083】
(1)~(5)において、各印刷ジョブで用いられる印刷画像またはベタ製版の製版開始位置、通常印刷ジョブにおける第1孔版原紙220の印刷画像サイズおよび印刷画像位置、二重巻印刷ジョブにおける第1孔版原紙220のベタ製版サイズおよびベタ製版位置、二重巻印刷ジョブにおける第2孔版原紙230の印刷画像サイズおよび印刷画像位置等については、例えば、ベタ製版情報取得部102等によって記憶部105から取得される。
【0084】
印刷ジョブを連続して実行する際に、実行する印刷ジョブの順番を入れ替えるのか、または、二重巻印刷ジョブで実行される印刷を通常印刷モードで実行するのか(すなわち、(1)および(2)のいずれの処理を実行するのか)については、例えば、削減可能な孔版原紙210の枚数を基準に選択する。また、(1)~(4)の処理は、いずれか1つのみ実行することもできるし、いずれか2つ以上の処理を任意に組み合わせて実行することもできる。
【0085】
ベタ製版情報取得部102は、直前で実行された印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであった場合、直前の二重巻印刷ジョブで用いられた第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を取得する。なお、ベタ製版位置は、製版開始位置によって決定される第1孔版原紙220に対するベタ製版の位置をいう。
【0086】
直前で実行された印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであるか否かは、例えば、孔版原紙検出部72により検出された版胴31に巻装された製版済の孔版原紙210の数により判定される。また、直前の二重巻印刷ジョブで用いられた第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置については、例えば、記憶部105から取得する。また、記憶部105に、識別コードを含む版胴31に関する情報を予め記憶させておき、この版胴31に関する情報から、第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置が取得されるようにしてもよい。
【0087】
ベタ製版情報取得部102で取得された第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置は、例えば、表示部73または外部装置(図示せず)に表示される。外部装置は、一例として、インターネット等の通信手段を介して制御装置100に接続されるパソコン、スマートフォンまたはタブレットPCである。
【0088】
警告発生部103は、新たな印刷ジョブが受け付けられたときに、例えば、次の所定の条件を満たしていた場合、受け付けられた新たな印刷ジョブの実行を保留しつつ、表示部73または外部装置(図示せず)等を介して警告を発生させる。
・新たな印刷ジョブとして通常印刷ジョブが受け付けられ、新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像がベタ製版情報取得部102により取得された第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合(すなわち、二重巻印刷ジョブに変更することで、孔版原紙210の製版回数を低減可能な場合)。
・版胴検出部104により検出された版胴31の種類が二重巻非対応版胴であり、受け付けられた新たな印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであった場合。
【0089】
例えば、版胴検出部104により検出された版胴31の種類が二重巻非対応版胴であり、受け付けられた新たな印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであった場合、警告発生部103は、警告として、表示部73または外部装置にエラーを表示させると共に、表示部73を次のように動作させる。
・二重巻印刷ジョブの操作に関する表示を非表示にする。
・二重巻印刷ジョブの操作に関する表示を薄くする。
【0090】
版胴検出部104は、孔版印刷装置1の版胴の種類を検出する。版胴には、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を巻装可能な二重巻対応版胴(すなわち、版胴31)と、第1孔版原紙220のみ巻装可能な二重巻非対応版胴とが含まれる。孔版印刷装置1の版胴の種類は、前述した版胴31の被検出部に基づいて検出される。すなわち、版胴31に特有の端子形状を有するコネクタが装置本体10に接続されている場合、版胴検出部104は、孔版印刷装置1の版胴の種類が二重巻対応版胴の版胴31であることを検出する。
【0091】
なお、版胴検出部104により検出された版胴の種類が二重巻非対応版胴であった場合、印刷制御部101は、二重巻印刷モードで印刷を実行しない。
【0092】
記憶部105は、受け付けられた印刷ジョブに関する情報および版胴31に関する情報等が記憶されている。
【0093】
報知部106は、孔版原紙検出部72により取得された版胴31に巻装されている孔版原紙210の数、ベタ製版情報取得部102で取得された直前の二重巻印刷ジョブで用いられた第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置と、版胴検出部104で検出された版胴31の種類とを報知する。これらの報知は、例えば、表示部73または外部装置(図示せず)への表示を介して行われる。
【0094】
続いて、孔版印刷装置1の印刷処理について、図5を参照して説明する。なお、以下に説明する制御処理は、制御装置100が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0095】
図5に示すように、印刷制御部101は、印刷ジョブを受け付けると(ステップS1)、受け付けた印刷ジョブで実行される印刷の印刷モードが通常印刷ジョブか、または、二重巻印刷モードかを判定する(ステップS2)。
【0096】
ステップS2において受け付けた印刷ジョブの印刷モードが通常印刷モードであると判定された場合、孔版原紙検出部72が、版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数を検出する(ステップS3)。
【0097】
ステップS3で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数がゼロ枚であった場合、制御装置100は、排版を行わず、製版部2を制御して第1孔版原紙220を製版し(ステップS4)、印刷制御部101が印刷ジョブを開始する(ステップS13)。なお、ステップS4において、第1孔版原紙220を製版する前に、排版部6を空動作させてもよい。
【0098】
ステップS3で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数が1枚であった場合、制御装置100は、排版部6を制御して版胴31に巻装されている第1孔版原紙220を除去した後、製版部2を制御して第1孔版原紙220に印刷画像を製版する(ステップS5)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0099】
ステップS3で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数が2枚であった場合、制御装置100は、排版部6を制御して版胴31に巻装されている第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を除去した後、製版部2を制御して第1孔版原紙220に印刷画像を製版する(ステップS6)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0100】
ステップS2において受け付けた印刷ジョブの印刷モードが二重巻印刷モードであると判定された場合も、受け付けた印刷ジョブの印刷モードが通常印刷モードであると判定された場合と同様に、孔版原紙検出部72が、版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数を検出する(ステップS7)。
【0101】
ステップS7で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数がゼロ枚であった場合、制御装置100は、排版を行わず、製版部2を制御して第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を製版する(ステップS8)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0102】
ステップS7で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数が1枚であった場合、制御装置100は、排版部6を制御して版胴31に巻装されている第1孔版原紙220を除去した後、製版部2を制御して第1孔版原紙220にベタ製版を行い第2孔版原紙230に印刷画像を製版する(ステップS9)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0103】
ステップS7で検出された版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数が2枚であった場合、印刷制御部101は、新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まるか否かを判定する(ステップS10)。
【0104】
新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まると判定された場合、制御装置100は、排版部6を制御して第2孔版原紙230を除去した後、製版部2を制御して第2孔版原紙230を製版する(ステップS11)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0105】
新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像のサイズまたは用紙のサイズが、版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まると判定されなかった場合(言い換えると、新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まらないと判定された場合)、制御装置100は、排版部6を制御して第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を除去した後、製版部2を制御して第1孔版原紙220にベタ製版を行い第2孔版原紙230に印刷画像を製版する(ステップS12)。その後、印刷制御部101によって印刷ジョブが開始される(ステップS13)。
【0106】
印刷ジョブの終了後(ステップS14)、印刷制御部101は、受け付けた印刷ジョブが残っているか否かを判定する(ステップS15)。受け付けた印刷ジョブが残っていると判定された場合、ステップS2に戻って、受け付けた印刷ジョブで実行される印刷の印刷モードが通常印刷ジョブか、または、二重巻印刷モードかが判定される。また、受け付けた印刷ジョブが残っていないと判定された場合、孔版印刷装置1の印刷制御を終了する。
【0107】
なお、ステップS6およびステップS12において、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を除去する場合、次のように行う。すなわち、まず、制御装置100は、駆動装置75を制御して、第2孔版原紙230を版胴31に対して取り付けている第2クランプ36が排版部6の引き込みローラ61に対向する位置まで版胴31を回転させる。そして、制御装置100は、開閉装置74を制御して第2クランプ36を開放し第2孔版原紙230を版胴31から取り外し、第2クランプ36で挟持されていた第2孔版原紙230の一端を引き込みローラ61に保持させる。次に、制御装置100は、駆動装置75を制御して、第1孔版原紙220を版胴31に対して取り付けている第1クランプ35が排版部6の引き込みローラ61に対向する位置まで版胴31を回転させる。そして、制御装置100は、開閉装置74を制御して第1クランプ35を開放して第1孔版原紙220を版胴31から取り外し、第1クランプ35で挟持されていた第1孔版原紙220の一端を引き込みローラ61に保持させる。続いて、制御装置100は、第1孔版原紙220の一端および第2孔版原紙230の一端が引き込みローラ61に保持された状態で駆動装置75を制御して、版胴31を回転させて第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を同時に排版部6内に引き込ませて、巻取ローラ63に巻き取らせる。
【0108】
本実施形態の孔版印刷装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0109】
孔版印刷装置1では、版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数を検出する原紙数取得部の一例の孔版原紙検出部72を備え、制御装置100が、孔版原紙検出部72により検出された製版済の孔版原紙210の数に基づいて製版部2、印刷部3および排版部6を制御する。このような構成により、版胴31に巻装されている製版済の孔版原紙210の数に応じた最適な制御を行うことができるので、印刷開始の遅延を防止可能な孔版印刷装置1を提供できる。
【0110】
制御装置100が、孔版原紙検出部72により検出された孔版原紙210の数を報知する第1報知部106を有する。このような構成により、孔版原紙210の数の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0111】
制御装置100は、版胴31に巻装されている孔版原紙210を版胴31から除去する場合、孔版原紙検出部72により検出された孔版原紙210の数に基づいて駆動装置75を制御する。このような構成により、孔版原紙210の除去にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0112】
第1孔版原紙220の周方向の一端を版胴31に対して取り付けおよび取り外し可能な第1クランプ35と、第1クランプ35に対して周方向に隣接する位置に配置され、第2孔版原紙230の周方向の一端を版胴31に対して取り付けおよび取り外し可能な第2クランプ36とをさらに備える。このような構成により、例えば、第1クランプ35および第2クランプ36に加えて、排版部6の制御および版胴31の回転制御を組わせることにより、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230を同時に排版することができる。
【0113】
制御装置100が、受け付けた複数の印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部101を有し、この印刷制御部101は、受け付けた複数の印刷ジョブの中に、複数の二重巻印刷ジョブが含まれていた場合、二重巻印刷ジョブを連続して実行する。このような構成により、孔版原紙210の製版回数を低減することができるので、孔版原紙210を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0114】
制御装置100が、受け付けた複数の印刷ジョブを連続して実行する印刷制御部101を有し、この印刷制御部101は、第1の通常印刷ジョブ、二重巻印刷ジョブおよび第2の通常印刷ジョブの順に印刷ジョブが受け付けられた場合、二重巻印刷ジョブで実行される印刷を通常印刷モードで実行する。このような構成により、孔版原紙210の製版回数を低減することができるので、孔版原紙210を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0115】
制御装置100が、直前で実行された印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであった場合、直前の二重巻印刷ジョブで用いられた第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を取得するベタ製版情報取得部102を有し、ベタ製版情報取得部102により取得された第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置に基づいて製版部2、印刷部3および排版部6を制御する。このような構成により、孔版原紙210のサイズに応じた最適な制御を行うことができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0116】
制御装置100が、ベタ製版情報取得部102で取得された第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置を報知する第2報知部106を有する。このような構成により、第1孔版原紙220のベタ製版サイズ、または、ベタ製版サイズおよびベタ製版位置の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0117】
制御装置100が、新たな印刷ジョブとして通常印刷ジョブが受け付けられ、新たな印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像がベタ製版情報取得部102により取得された第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合、受け付けられた新たな印刷ジョブの実行を保留しつつ、警告を発生させる第1警告発生部103を有する。このような構成により、二重巻印刷モードで印刷が実行されるべきところ、通常印刷モードで印刷が実行されるのを防ぐことができる。これにより、非効率的な孔版原紙210の製版が防止され、孔版原紙210を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0118】
印刷制御部101は、第1の二重巻印刷ジョブと第2の二重巻印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、第2の二重巻印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像が、第2の二重巻印刷ジョブが開始される前に版胴31に巻装されている第1孔版原紙220のベタ製版の範囲に収まる場合、第2の二重巻印刷ジョブの開始前に第1孔版原紙220を版胴31から除去させずに、第2の二重巻印刷ジョブにおいて第1の二重巻印刷ジョブで使用された第1孔版原紙220を連続して使用させる。このような構成により、第1の二重巻印刷ジョブから第2の二重巻印刷ジョブに印刷ジョブを切り替える際、第1孔版原紙220の交換が行われない。これにより、孔版原紙210を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0119】
印刷制御部101は、二重巻印刷ジョブと通常印刷ジョブとが連続して実行される場合であって、通常印刷ジョブで実行される印刷の印刷画像を第2孔版原紙230に製版可能である場合、通常印刷ジョブで実行される印刷を二重巻印刷モードで実行する。このような構成により、印刷ジョブを切り替える際、新たに受け付けられた印刷ジョブで第1孔版原紙220を使用できる場合、第1孔版原紙220の交換が行われない。これにより、孔版原紙210を節約しつつ、印刷開始の遅延を防止することができる。
【0120】
版胴31の種類を検出する版胴検出部104をさらに備える。このような構成により、版胴31の種類の確認にかかる時間を低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0121】
制御装置100が、版胴検出部104により検出された版胴31の種類を報知する第3報知部106を有する。版胴31の種類の確認にかかる時間をより確実に低減することができるので、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0122】
制御装置100は、版胴検出部104により検出された版胴31の種類が二重巻非対応版胴であった場合、二重巻印刷モードで印刷を実行しない。このような構成により、誤操作を防止して、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0123】
制御装置100が、版胴検出部104により検出された版胴31の種類が二重巻非対応版胴であり、受け付けられた新たな印刷ジョブが二重巻印刷ジョブであった場合、警告を発生させる第2警告発生部103を有する。このような構成により、誤操作を防止して、印刷開始の遅延をより確実に防止できる。
【0124】
版胴31は、第1孔版原紙220を巻装した状態で、第1孔版原紙220よりもサイズの小さい第2孔版原紙230を第1孔版原紙220における回転軸311に対する径方向の外側に重ねて巻装可能に構成され、第1孔版原紙220のみが巻装された状態で、または、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230が巻装された状態で、孔版印刷装置1に装着可能に構成されている。このような構成により、二重巻印刷モードに対応可能な版胴31を実現できる。
【0125】
版胴31が、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230が巻装可能か否かを孔版印刷装置1に検出させることが可能な被検出部をさらに備える。このような構成により、二重巻印刷モードに対応可能か否かを確認する時間を低減することができるので、印刷開始の遅延を防止できる。
【0126】
版胴31が、第1孔版原紙220および第2孔版原紙230が巻装された状態で印刷が実行できない孔版印刷装置に対する誤った装着を防止可能な誤装着防止部材をさらに備える。このような構成により、誤操作を防止して、印刷開始の遅延を防止できる。
【0127】
なお、孔版印刷装置1は、製版部2、印刷部3、排版部6および制御装置100に加えて、原紙数取得部を備え、制御装置100が、原紙数取得部により取得された製版済の孔版原紙210の数に基づいて製版部2、印刷部3および排版部6を制御するように構成されていればよく、その他の構成は、任意に付加および削除することができる。
【0128】
例えば、印刷制御部101、ベタ製版情報取得部102、警告発生部103、版胴検出部104、記憶部105および報知部106の各々は、必要に応じて省略することができる。また、前述の印刷処理とは異なる制御処理で印刷ジョブを実行するように構成することもできる。
【0129】
原紙数取得部は、孔版原紙検出部72に限らず、版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を取得可能な任意の構成を採用できる。例えば、版胴31に直前の印刷ジョブに関する情報が記憶される記憶部を設け、この記憶部に記憶された情報から、版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を取得してもよい。版胴31の記憶部に、識別コードを含む版胴31に関する情報を予め記憶させておき、この版胴31に関する情報から、版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を取得してもよい。また、制御装置100の記憶部105に記憶されている直前の印刷ジョブに関する情報および識別コードを含む版胴31に関する情報から、版胴31に巻装されている孔版原紙210の数を取得してもよい。
【0130】
取付部材は、クランプ35、36に限らず、製版済の孔版原紙210を版胴31に取り付けおよび取り外し可能な任意の部材を採用できる。
【0131】
第1クランプ35および第2クランプ36の位置は、前記実施形態に限らない。例えば、第1クランプ35および第2クランプ36の位置を入れ替えてもよいし、第1クランプ35および第2クランプ36を回転軸311に対する径方向に並べて配置してもよい。
【0132】
報知部106は、第1報知部、第2報知部および第3報知部を兼ねているが、これに限らず、第1~第3報知部の各々に対応する独立した構成部を設けてもよい。同様に、警告発生部103は、第1警告発生部および第2警告発生部を兼ねているが、これに限らず、第1および第2警告発生部の各々に対応する独立した構成部を設けてもよい。
【0133】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明では、構成および作業手順を複雑にすることなく、印刷をしない用紙を排紙部へ円滑に搬送できる孔版印刷装置を提供できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0135】
1 孔版印刷装置
2 製版部
3 印刷部
4 給紙部
5 排紙部
6 排版部
7 操作部
10 装置本体
11 孔版原紙ロール
21 サーマルヘッド
31 版胴
311 回転軸
312 外周面
32 押圧ローラ
33 インク供給ローラ
34 胴部
341 インク通過領域
35、36 クランプ
51 排紙台
61 引き込みローラ
63 巻取ローラ
71 画像読取装置
72 孔版原紙検出部
73 表示部
74 開閉装置
75 駆動装置
100 制御装置
101 印刷制御部
102 ベタ製版情報取得部
103 警告発生部
104 版胴検出部
105 記憶部
106 報知部
121、131 製版範囲
200 用紙
210 孔版原紙
220 第1孔版原紙
221 ベタ製版範囲
230 第2孔版原紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9