(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】光ガイド光学アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021182264
(22)【出願日】2021-11-09
(62)【分割の表示】P 2018510950の分割
【原出願日】2018-02-22
【審査請求日】2021-12-07
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダンジンガー,ヨチャイ
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-534597(JP,A)
【文献】国際公開第2006/098097(WO,A1)
【文献】特開2013-210633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0132914(US,A1)
【文献】特表2008-535032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00-30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的開口拡大のための装置であって、
(a)互いに平行な第1
の対の外部面、および前記第1
の対の外部面に対して
非平行
な、互いに平行な第2
の対の外部面を有する第1の光ガイドであって、前記第1
の対の外部面および前記第2
の対の外部面は、4回の内部反射によって光をガイドする、第1の光ガイド、
(b)内部反射によって光をガイドする、互いに平行な第3
の対の外部面を含む第2の光ガイド、
(c)4回の内部反射によって前記第1の光ガイド内に伝播するように、光を前記第1の光ガイドへと内連結するように展開される第1の回折光学部品、
(d)前記第1の光ガイドを少なくとも部分的に横断する、
前記第1の対の外部面に対して非平行な、互いに平行
で部分的に反射する
内部面のセットを含む反射光学部品であって
、前記反射光学部品は、
前記第1の光ガイド内に伝播する光を偏向させて前記第1の光ガイドを出て、前記第2の光ガイドに入るように
展開され、前記第3の対の外部面における内部反射によって前記第2の光ガイド内を伝播させる、反射光学部品、ならびに
(e)前記第1の回折光学部品とピッチが一致する第2の回折光学部品であって、前記光を前記第2の光ガイドから観察者の方へ外連結するために構成される、第2の回折光学部品
を含む、装置。
【請求項2】
(a)前記第1の回折光学部品は、前記第1の光ガイド内の拡大の第1の方向で、前記第1の光ガイドへと内連結された光を方向付けるために構成され、それによって、第1の拡大された光を生成し、
(b)前記反射光学部品は、拡大の第2の方向で、前記第1の拡大された光を前記第2の光ガイドへと連結するために構成され、それによって、第2の拡大された光を生成し、および
(c)前記第2の回折光学部品は、前記第2の拡大された光を、前記観察者の方へ外連結された光として第3の方向で外連結するために構成され、
(d)ここで、第1、第2および第3の方向は互いに平行ではない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の回折光学部品および前記第2の回折光学部品は、
それぞれの回析格子(パターン)が互いに平行ではないように
実装される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の回折光学部品は、前記第1の光ガイド内に埋め込まれるか、前記第1の光ガイドの表面上、からなる群から選択される位置で構成される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に光学アセンブリに関し、とりわけ、光学的開口の拡大に関係する。
【背景技術】
【0002】
図7のAを参照すると、導波路内で回折コンポーネントを使用する従来の光学的開口の拡大の大まかな略図が示されている。現在の図では、入射光(画像)はページの外からページまで垂直である。内連結(Coupling-in)要素(1001)は入射光を側方拡大要素(1002)へ連結し、側方拡大要素(1002)は光を側方に(現在の図で左から右まで)拡大する。その後、側方に拡大した光は垂直拡大要素(1003)へ連結して、垂直拡大要素(1003)は、光を垂直に(現在の図で上から下に)拡大し、その光をユーザー(ビューアーの目)に外連結する。
【0003】
従来の回折素子は、様々な波長を備えた光線が様々な角度で回折する色分散を導入する。色分散を減らすために狭帯域光源(レーザーなど)を使用することができる。より現実的な解決策は、互いの分散を打ち消すために回折コンポーネントを設計することである。
【0004】
図7のBを参照すると、角度領域(角度間隔)で伝播する光の
図7のAの回折方向の図が示されている。破線の矢印と実線の矢印は2つの様々な典型的な波長を示す。領域(1005)の開始角度は、光線が光ガイドへ連結される第1の回折素子(内連結要素(1001))にぶつかるときの、光線の角度を表わす。領域(1007)は、内連結要素(1001)の後の光線の方向を表し、領域(1009)は側方拡大要素(1002)後の光線の方向を表し、および領域(1005)はさらに、垂直的拡大要素(1003)によって光ガイドからの連結後の光線の角度を表す。光ガイドに入る光線の方向は、色分散を最小限に抑えるために光ガイドから連結された光線の方向と等しい。光の様々な波長が光ガイド内に伝播すると、様々な波長は異なる方向を有し、光ガイドから出力されるときと同じ方向を有する。
【0005】
基礎技術
図1は従来の先行技術の折り畳み式の光学構造を例示し、ここで、基板(2)は表示源(4)により照射される。表示はコリメート光学系(6)(例えばレンズ)によってコリメートされる。表示源(4)からの光は、主な光線(11)が基板平面と平行になるように、第1の反射面(8)によって基板(2)へ連結される。第2の反射面(12)は、基板からビューアーの目(14)へ光を連結する。この構造はコンパクトであるにもかかわらず、著しい欠点に苛まされている。とりわけ、非常に制限されたFOVだけしか達成することができない。
【0006】
ここで、
図2を参照すると、典型的な光誘導光学素子(LOE)の側面図が示されている。上記の制限を緩和するために、選択反射面のアレイを、光誘導光学素子(LOE)内で使用し、製造することができる。第1の反射面(16)は、デバイスの後ろに位置付けられる光源(図示せず)から発せられるコリメートされた表示光線(ビーム)(18)により照射される。図面の簡潔さのために、1つの光線、すなわち、入射光線(38)(「ビーム」あるいは「入射光線」とも呼ばれる)だけが一般に描かれている。ビーム(18A)と(18B)などの入射光の他の光線は、入射光瞳孔の左と右の縁などの入射瞳の縁を指定するために使用されることもある。一般に、画像が光線によって本明細書に表される場合はいつでも、光線は画像のサンプルビームであり、これは、画像の点またはピクセルに各々対応するわずかに異なる角度で複数のビームによって典型的に形成されることに注目されたい。特に画像の先端と呼ばれる場合を除いて、例示されるビームは典型的に画像の重心である。
【0007】
反射面(16)は光源からの入射光を反射し、入射光は内部全反射によって光ガイド(20)の内部で捕捉される。光ガイド(20)は「導波路」、「平面基板」、および「光伝送基板」とも呼ばれる。光ガイド(20)は、後(主)面(26)と前(主)面(26A)として図面で示されている、互いに平行な少なくとも2つの(主)面を含む。光ガイド(20)が通常対称的である(したがって、主面(26)、(26A)への言及を取り替えても同じ結果をもたらすことができる)ため、主面(26)と(26A)に対して「前」および「後ろ」との指示は参照の利便性のためであることに留意されたい。光ガイド(20)は本明細書の文脈では1次元(1D)導波路と呼ばれ、1つの対の平行な面(この場合、主面(26)、(26A))の間の1つだけの寸法で注入された画像をガイドする。
【0008】
入射光線(38)は、基板の近位端(図の右側)で基板に入る。光は、光ガイドと1つ以上のファセット、通常少なくとも複数のファセット、および典型的にはいくつかのファセットを通って、光ガイドの遠位端(図の左側)に向かって伝播する。光は、伝播の当初の伝播方向(28)と別の伝播方向(30)の両方において光ガイドを通って伝播する。
【0009】
基板(20)の表面からいくつかの反射の後、捕捉された波は選択反射面(22)のアレイに達し、これが基板からの光をビューアーの目(24)へ連結する。代替的な構造では、選択反射面(22)は、光線(18)の直後に、基板(20)の表面から最初に反射することなく、基板に入る。
【0010】
選択反射面(22)などの内部の部分反射面は一般に本明細書の文脈では「ファセット」と呼ばれる。極限では、ファセットは、完全反射型(100%の反射率あるいはミラー、例えば、基板の遠位端における最後のファセット)、あるいは最小限反射型であり得る。現実用途の強化のために、ファセットは部分反射型であり、現実世界からの光が上部表面(26A)を介して入り、ファセットを含む基板を横断し、および、基板を出て下部表面(26)を介してビューアーの目(24)に至ることを可能にする。仮想現実用途のために、ファセットは100%の反射率を有する第1の内連結ミラーなどの代替的な反射率を有することもある。なぜなら、現実世界からの画像光はこのミラーを横断する必要はないからである。内部部分反射面(22)は一般に、光ガイド(20)の伸長の方向に対して斜角(つまり、平行でも垂直でもない)で光ガイド(20)を少なくとも部分的に横断する。
【0011】
反射率への言及は一般に名目上の反射率に関するものである。名目上の反射率は、基板中の特定位置で必要とされる全反射である。例えば、ファセットの反射率が50%と言及される場合、これは一般に名目上の反射率の50%を指す。名目上の反射率が10%である場合、50%の反射率は5%のファセットの反射率をもたらす。当業者は使用の文脈から反射率の割合の使用を理解するであろう。部分反射は、限定されないが、ある割合の光の伝送あるいは偏光の使用を含む、様々な技術によって実行可能である。
【0012】
図3のAとBは、選択反射面の所望の反射率挙動を例示する。
図3のAでは、光線(32)はファセット(34)から部分的に反射され、基板(20)から連結される(38B)。
図3のBでは、光線(36)は顕著な反射なく、ファセット(34)を通って伝送される。
【0013】
図4のAは、光を基板に連結し、その後、光をビューアーの目へ連結する、選択反射面のアレイの詳細な断面図である。図に示すように、光源(4)からの光線(38)は第1の部分反射面にぶつかる。光線(41)の一部はもともとの方向を継続し、基板から連結される。光線(42)の別の部分は内部全反射によって基板へ連結される。捕捉された光線は、点(44)で他の2つの部分反射面(22)によって基板から徐々に外連結される。第1の反射面(16)のコーティング特性は、他の反射面(22)、(46)のコーティング特性に必ずしも類似しなければならないというわけではない。このコーティングは、金属性、二色性、またはハイブリッドの金属-二色性の、より簡易なビームスプリッターであり得る。同様に、非シースルー(non-see-through)システムの場合、最後の反射面(46)は簡易なミラーであり得る。
【0014】
図4のBは、反射面のアレイを含む装置の詳細な断面図であり、最後の反射面(46)が全反射ミラーである。最後の反射面(46)の最も左側の部分はこのような場合では光学的にアクティブではあり得ず、周辺光線(48)を基板から該連結することはできない。従って、デバイスの出力開口はわずかに小さくなる。しかしながら、光学効率ははるかに高くなり、LOEの製造プロセスははるかに簡素になり得る。
【0015】
図2で示された構造とは異なり、反射面(16)と(22)の配向に対する制約があるということに注目することは重要である。前の構造では、すべての光は反射面(16)によって基板の内部で連結される。従って、表面(16)は表面(22)と平行である必要はない。さらに、反射面は、光が入力波の方向とは正反対方向に基板から外連結されるように、配向されてもよい。
図4のAで例示された構造については、しかしながら、入力光の一部は表面(16)によって反射されないが、入力光(38)のもともとの方向に継続して、直ちに出力光(41)として基板から外連結される。従って、同じ平面波から始まるすべての光線が同じ出力方向を確実に有するように、すべての反射面(22)が互いに平行でなければならないだけでなく、表面(16)も同様に表面(22)に対して平行でなければならない。
【0016】
再度、
図4のAを参照すると、基板からの光を連結するための2つの反射面を有するシステムが示され、しかしながら、光学系の必要とされる出力開口と基板の厚さに従って任意の数の反射面を使用することができる。当然のことながら、1つの外連結面しか必要とされない場合がある。その場合、出力開口はシステムの入力開口のサイズの事実上2倍になる。最後の構造に必要とされる反射面だけは単純なビームスプリッターとミラーである。
【0017】
本図に記載される装置において、表示源からの光は、基板の端部で基板へと連結されるが、対称システムを有することが好ましいシステムがある。すなわち、入力光は、基板の中央部で基板へと連結されるべきである。
【0018】
図4のCは、対称構造を有する側方の瞳孔拡張の一次元の(1D)光ガイドの詳細な断面図を例示するダイヤグラムである。本図は、対称な光モジュールを生成するために、2つの同一の基板を組み合わせる方法を例示している。見られるように、表示源(4)からの光の一部は、直接部分反射面を通り抜けて基板から出る。光の他の一部は、部分反射面(16R)および(16L)によって、それぞれ、基板の右側(20R)へと及び基板の左側(20L)へと連結される。その後、捕捉された光は、それぞれ、反射面(22R)および(22L)によって、徐々に外連結される。明らかに、出力開口は、システムの入力開口のサイズの3倍であり、
図5のBに記載されている倍率と同じ倍率である。しかしながら、前のシステムとは異なり、ここでのシステムは、右および左の基板の接合面(29)を中心に対称である。
【0019】
ここで
図5のAおよびBを参照すると、光ガイドに加えて(on top of)
図4のBおよびCの典型的な実装が示されている。
図4のBおよびCの構成は、入射画像を横に拡大したものである。
図4のBの装置は、
図5のAの第1のLOE(20a)を実装するために使用され、
図4のCの装置は、
図5のBの第1のLOE(20a’)を実装するために使用され、および
図2の装置は、第2のLOE(20b)を実装するために使用され得る。
【0020】
図5のAは、二重のLOE構成を利用する2つの軸に沿ったビームを拡大するための代替方法を例示する。入力波(90)は、第1の反射面(16a)によって、
図4のBにおいて例示された構造に類似した非対称の構造を有する、第1のLOE(20a)へと連結され、その後、η軸に沿って伝播する。部分反射面(22a)は、第1のLOE(20a)から出て光に連結し、その後、光は、反射面(16b)によって第2の非対称のLOE(20b)へと連結される。その後、光は、ξ軸に沿って伝播し、その後、選択反射面(22b)によって外連結される。示されるように、元のビーム(90)は両軸に沿って拡大され、ここで全体的な拡大は、要素(16a)および(22b)の横寸法間の比率によって判定される。
図5のAで与えられた構成は、単に二重のLOEセットアップの一例である。また、複雑な光学システムを形成するために2つ以上のLOEが一緒に組み合わせられる他の構成も可能である。
【0021】
ここで
図5のBを参照すると、二重のLOE構成を利用する2つの軸に沿ってビームを拡大するための別の方法を例示するダイヤグラムが示されている。通常、光が表面(16b)によって第2のLOE(20b)へと連結される領域は、外部光に対して透過性にはなり得ず、シースルー領域の一部ではない。したがって、第1のLOE(20a)は透過性である必要がない。結果として、シースルーのシステムに関してさえ、本図において見ることができるように、対称な構造を有するように第1のLOE(20a)を設計することは通常可能である。第2のLOE(20b)は、ユーザーが外部の様子を見ることを可能にする非対称の構造を有する。この構成では、入力ビーム(90)の一部は、元の方向(92)に沿って第2のLOE(20b)の内連結ミラー(16b)へと続き、一方で他の部分(94)は、反射面(16a)によって第1のLOE(20a’)へと連結し、η軸に沿って伝播し、その後、選択反射面(22a)によって第2のLOE(20b)へと連結される。その後、両方の部分は、反射面(16b)によって第2の非対称のLOE(20b)へと連結され、ξ軸に沿って伝播し、その後、選択反射面(22b)によって連結される。
【0022】
図6は、標準の眼鏡フレーム(107)に埋め込まれたLOE(20a)/(20a’)および(20b)の一例を例示している。表示源(4)、折り畳み式の光学系およびコリメート光学系(6)は、第2のLOE(20b)の縁部に位置する、LOE(20a)/(20a’)の真横の眼鏡フレームのアーム部分(112)の内部に組み立てられる。表示源が、小さなCRT、LCD、またはOLEDなどの、電子素子である場合については、表示源のための駆動電子機器(114)は、アーム(112)の後部部分の内部に組み立てられ得る。電源およびデータインターフェース(116)は、リード(118)、または無線または光の伝送を含む他の通信手段によってアーム(112)に接続可能である。代替的に、バッテリーおよび小型データリンク電子機器は、眼鏡フレームにおいて一体化され得る。本図は一例であり、表示源が、LOE平面と平行に、またはLOEの上部において取り付けられる、アセンブリを含む、他の考えられ得るヘッドマウントディスプレイの配置も構築され得る。
【0023】
この基礎技術の追加の詳細は、米国特許第7,643,214号、および公開されておらず、本発明に対する先行技術を構成しないPCT/IL2018/050025において見られ得る。
【発明の概要】
【0024】
本実施形態の教示によると、光学的開口の拡大のための装置が提供され、該装置は、少なくとも1つの光ガイド;少なくとも1つの光ガイドに関連付けられた1セットの3つの光学部品であって、1対の第1および第2の一致する回折光学部品;および複数の部分反射する、互いに平行な面の配列を含む反射光学部品を含む、1セットの3つの光学部品;および内連結された光を外連結された光に拡大するための協働する光学部品を含み、内連結された光は、少なくとも1つの光ガイドへと連結され、および拡大は二次元である。
【0025】
随意の実施形態では、該セットの第1の光学部品は、第1の光ガイド内の拡大の第1の方向で内連結された光を方向付けるために構成され、それによって、第1の拡大された光を生成し;該セットの第2の光学部品は、拡大の第2の方向で第1の拡大された光を第2の光ガイドへと連結するために構成され、それによって、第2の拡大された光を生成し;
および該セットの第3の光学部品は、第2の拡大された光を外連結された光として第3の方向で外連結するために構成され;ここで、第1、第2および第3の方向は互いに平行ではない。
【0026】
別の随意の実施形態は、光を内連結された光として少なくとも1つの光ガイドへと方向付けるように構成された非回折光学部品をさらに含み;ここで、少なくとも1つの光ガイドは1つの光ガイドであり、該1つの光ガイドは、1つの光ガイド内の拡大の第1の方向で内連結された光を方向付けるために構成され、それによって、第1の拡大された光を生成する、第1の回折光学部品;拡大の第2の方向で1つの光ガイドにおいて第1の拡大された光を拡大するために構成され、それによって、第2の拡大された光を生成する、第2の回折光学部品;および第2の拡大された光を外連結された光として第3の方向で外連結するために構成された反射光学部品を含み;ここで、第1、第2および第3の方向は互いに平行ではない。
【0027】
別の随意の実施形態は、1対の第3および第4の一致する回折光学部品;および1対の第5および第6の一致する回折光学部品をさらに含む。
【0028】
別の随意の実施形態では、整合する対の光学部品の各々は、他の整合する対の光学部品とは異なる回折間隔を有し、該回折間隔は、一致する対の光学部品の各々が、他の整合する対の光学部品から、類似した角度だけ異なる波長を偏向させるような回折間隔である。
【0029】
別の随意の実施形態では、波長は、赤色、緑色、および青色の光である。
【0030】
別の随意の実施形態では、少なくとも1つの光ガイドの第1の光ガイドは、対の第1および第2の一致する回折光学部品を含み;少なくとも1つの光ガイドの第2の光ガイドは、対の第3および第4の一致する回折光学部品を含み;および少なくとも1つの光ガイドの第3の光ガイドは、対の第5および第6の一致する回折光学部品を含む。
【0031】
別の随意の実施形態では、反射光学部品は、第1の光ガイド内の拡大の第1の方向で内連結された光を拡大するように構成され、それによって、第1の拡大された光を生成し;第1、第3、および第4の回折光学部品は、拡大の第2の方向でそれぞれの第1、第2、および第3の光ガイドにおいて第1の拡大された光のそれぞれの波長を拡大するために構成され、それによって、それぞれの第2の拡大された光を生成し;および第2、第4、および第6の回折光学部品は、それぞれの第2の拡大された光を外連結された光として第3の方向で外連結するために構成され;ここで、第1、第2および第3の方向は互いに平行ではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本実施形態は、添付の図面を参照して、ほんの一例として本明細書に記載されている。
【
図1】先行技術の折り畳み式の光学デバイスの側面視である。
【
図3】AおよびBは、2つの入射角の範囲に関する、選択反射面の所望の反射特性および透過率特性を例示する。
【
図4】Aは、光ガイド光学素子の典型的な構成を例示するダイヤグラムであり、Bは、光ガイド光学素子の別の構成を例示するダイヤグラムであり、Cは、対称構造を有する側方の瞳孔拡張一次元光ガイドの詳細な断面図を例示するダイヤグラムである。
【
図5】Aは、二重のLOE構成を活用する、2つの軸に沿って光線を拡大する方法を例示するダイヤグラムであり、Bは、二重のLOE構成を活用する、2つの軸に沿って光線を拡大する別の方法を例示するダイヤグラムである。
【
図6】標準的な眼鏡フレームに埋め込まれたLOEの例を示す。
【
図7】Aは、導波路において回折コンポーネントを用いる従来の光学的開口拡大の大まかな略図であり、Bは、
図7のAの、角度領域において伝播する光の回折方向のダイヤグラムである。
【
図8】AおよびBは、回折-反射-回折の典型的な実施形態のそれぞれの側面視および正面視の大まかな略図であり、Cは、反射-回折の典型的な実施形態の大まかな略図であり、Dは、
図8のAおよび
図8のBの、角度領域において伝播する光の回折方向のダイヤグラムである。
【
図9】AおよびBは、回折-回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図のそれぞれの側面視および正面視であり、Cは、
図9のAおよび
図9のBの、角度領域において伝播する光の回折方向のダイヤグラムである。
【
図10】AおよびBは、回折-反射の典型的な実施形態のそれぞれの側面視および正面視の大まかな略図である。
【
図11】AおよびBは、回折-回折-反射の典型的な実施形態のそれぞれの側面視および正面視の大まかな略図であり、Cは、重複する回折-反射-回折の典型的な実施形態の正面視の大まかな略図である。
【
図12】AおよびBは、回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図のそれぞれの側面視および正面視であり、Cは、回折-回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図の正面視である。
【
図13】AおよびBは、別個の回折の側方のエキスパンダを備えた、回折-回折-反射の典型的な実施形態のそれぞれの側面視および正面視の大まかな略図である。
【
図14】AおよびBは、回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図のそれぞれの側面視および正面視であり、Cは、回折-回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図の正面視である。
【
図15】A、B、およびCは、反射-回折-回折の典型的な実施形態の大まかな略図のそれぞれの側面視、正面視、および平面視であり、Dは、
図15のA、
図15のB、および
図15のCの、角度領域において伝播する光の回折方向のダイヤグラムである。
【0033】
略語および定義
引用の便宜上、このセクションは、本明細書において用いられる略語、頭字語、および短い定義の簡潔なリストを含んでいる。このセクションによって本発明が制限されるとみなすべきではない。より完全な説明は、以下において、および適用可能な規格において見出されうる。
1D - 一次元
2D - 二次元
CRT - 陰極線管
EMB - アイモーションボックス
FOV - 視野
HMD - ヘッドマウントディスプレイ
HUD - ヘッドアップディスプレイ
LCD - 液晶ディスプレイ
LOE - 光ガイド光学素子
OLED - 有機発光ダイオードアレイ
OPL - 光路長
SLM - 空間光変調器
TIR - 全内反射
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明-
図8のAから
図15のDまで
本実施形態に記載の装置の原理および操作は、図面および付随的な説明を参照して十分に理解されることもある。本発明は光学的開口拡大のための光学アセンブリである。その装置によって、回折技術(回折コンポーネント)とファセット反射技術(反射コンポーネント)が組み合わされる。回折コンポーネントを用いる革新的な実施形態は、相反する光パワー(一致)を有する少なくとも2つのコンポーネントを用い、その結果、第1の回折コンポーネントによってもたらされた波長分散が、その後、第2の回折コンポーネントによって取り消される。2つの回折コンポーネントは、(ニアアイディスプレイのための)反射光学部品と組み合わせて用いられ、それによってより効果的な開口拡大を達成し、歪みと雑音を低減する一方、従来の技術と比較して、システムおよび個別のコンポーネントにおける設計制約も低減している。
【0035】
現在の、従来の光学的開口拡大は、(側方および垂直の)両方の拡大に関する単一の技術を用いる。本分野における現在の進歩は、これらの技術のいずれか1つを最適化し向上させることである。使用される2つの主要な技術は、以下の通りである:
1)傾斜しているコーティングされたファセットによる反射(例えば、Lumus,Ltd.に対する米国特許第7,457,040号)。この反射技術は広域スペクトルを有し、したがって、単一の光ガイドからの全ての可視スペクトルを投影することができる。このファセットによって、典型的には、伝播する光線を部分的に反射し、伝送することの両方が行われるが、本明細書における簡潔さのために、この技術は、「反射光学部品」によって実施されるように、一般的に引用される。この反射は、典型的には偏光依存性である。
2)光ガイド面における回折パターン。当技術分野において公知のように、回折格子(パターン)は、回折格子の構造に応じて、伝播する光線を反射する、または伝送する。本明細書における簡潔さのために、この技術は、「回折光学部品」によって実施されるように、一般的に引用される。この回折技術はスペクトルおよび角度の両方において限定される。しかしながら、この技術の偏光依存性は低い。
【0036】
様々な数量と順序(交互に、およびその逆もまた同様)の反射コンポーネントと回折コンポーネントの配列を使用することによって、偏光の管理の必要性が不要となる、および/または低減される一方、より広い視野が可能になる。加えて、その2つの技術の歪みのパターンは、相関しない(無相関である)ので、従来の単一技術の実施と比較して、実施形態によって不均一性を低減することができた。
【0037】
一般的に、光学的開口拡大のための装置は、少なくとも1つの光ガイドと、少なくとも1つの光ガイドに関連する1セットの3つの光学部品を含む。1セットの3つの光学部品は、1対の一致する回折光学部品と、反射光学部品を含む。反射光学部品は、複数の、少なくとも部分的に反射し、互いに平行な表面の配列を含む。それらの光学部品は、外連結された光の二次元拡大を達成するために協働するように構成される。言い換えれば、それらのコンポーネントは、内連結された光を、外連結された光まで拡大させるために協働する。内連結された光は、少なくとも1つの光ガイドへと連結される光であり、その拡大は二次元である。
【0038】
本説明の文脈において、回折光学部品に関する用語「一致する」は、一般的に、実質的に正確に同等な格子素子の格子および/または間隔を指し、したがって、回折コンポーネントの光パワーは同等であり、かつ通常は相反する。コンポーネントの全体的な物理的な寸法は異なってもよいが、同様な格子は、コンポーネントの一致する光パワーを結果としてもたらす。
【0039】
本説明の文脈において、用語「コンポーネント」は、光学素子、特に反射光学素子および回折光学素子のために使用される。反射コンポーネントおよび光学部品のための設計と生産技術は、当技術分野において公知である。本説明に基づいて、反射光学部品および回折光学部品の様々な形状とサイズで必要とされるように、コンポーネントを実装することができ、様々な操作パラメータは、波長、パワー、および角度を含む。
【0040】
本説明の文脈において「回折格子」および「回折パターン」とも呼ばれる回折光学部品は、光ガイドに埋め込まれるか、または光ガイドの表面(面)上に構成されるか、もしくは取り付けられることもある。例えば、回折光学部品は、回折格子またはホログラフィック素子として実装することができる。回折コンポーネントは、Horiba Scientific(Kyoto,Japan)などから入手可能であり、反射コンポーネントは、Lumus(Ness Ziona,Israel)のOE50などが入手可能である。
【0041】
ここで
図8のAとBを参照すると、回折-反射-回折の典型的な実施形態の側面視と正面視それぞれの大まかな略図が示されている。異なる光学部品の組み合わせが、異なる軸に沿って光を拡大する。光学光ガイド(10)は、「X軸」に対応するように本明細書で恣意的に例示される伸長方向を持つ、二次元(2D)光ガイドである。光ガイド(10)は、光ガイド(10)の内部の4つの矢印により
図8のAに示されるように、光ガイド(10)が2セットの平行面間での反射により二次元で注入画像をガイドするという意味で、2D導波路と称される。複数の内部の部分反射面(40)の配列は、伸長方向に対して斜角(即ち、平行でも垂直でもない)で光ガイド(10)を少なくとも部分的に横断する。
【0042】
入射光(38)は、回折コンポーネント(5)により光ガイド(10)に連結される。内連結された光は、第1の方向で第1の側方光ガイドエキスパンダとして作用する光ガイド(10)に進入する。光ガイド(10)から拡大光(38C)は光ガイド(2000)へと連結される。光学光ガイド(2000)は、主に「Y軸」に沿って光をガイドする。拡大光(38C)は、
図8のAの側面視における矢印により示されるように、第2の拡大方向(Y軸)に拡大する光ガイド(2000)内で反射し続ける。光ガイド(2000)中の光は、本明細書のこの文脈において第2の拡大光(38D)と称される。第2の拡大光(38D)は、回折パターン(25)に遭遇すると、観察者(47)に対して光ガイド(2000)を外連結する(38B)。本実施形態の特徴は、回折コンポーネントが互いに平行ではないという特徴である。
【0043】
通常、1セットの3つの光学部品は、第1の光ガイド(光ガイド(10))内で第1の拡大方向(X軸)に内連結された光(38)を方向付け、それにより第1の拡大光(38C)を生成するために構成された、第1の光学部品(回折コンポーネント(5))を含む。前記セットの第2の光学部品(部分反射面(40)の配列)は、第2の拡大方向(Y軸)において第1の拡大光(38C)を第2の光ガイド(2000)へと連結し、それにより第2の拡大光(38D)を生成するために構成される。前記セットの第3の光学部品(回折コンポーネント(25))は、外連結された光(38B)として第3の方向に第2の拡大光(38D)を外連結するために構成される。
【0044】
この記載の文脈において、用語「方向」は通常、典型的には光ガイドの光学軸(通常は長さ)に沿った光ガイド内の伝播の平均方向を指す。言い換えれば、全内反射(TIR)により光ガイドスラブにおいて捕えられる光が光ガイドスラブに沿って進むコース又は通常の道、即ち、光ガイドスラブの平面(光ガイドの基板中の伝播する光線の面内コンポーネント)における拡大のコースである。
【0045】
第1、第2、及び第3の方向は互いに平行ではない。
【0046】
ここで
図8のDを参照すると、
図8のAとBにおける、角度領域(角度間隔)において伝播する光の回折方向のダイヤグラムが示されている。点線と実線は、2つの異なる例示的な波長を示す。方向領域(1005)は、
図7のBに関して記載されるような入射角である。領域(1007)は、側方の拡大、及び部分反射面(40)の配列による反射の後の、光線(又は単に「光線」)の方向を表わす。部分反射面(40)は、領域(1011)へと光線の方向を転換する。しかし、この領域(1007)から領域(1011)への反射は、余分な分散を導入せず、ミラー方向(鎖線(1008)として示される)の周囲の伝播の方向を映すだけである。ミラー方向(1008)は、部分反射面(40)の傾斜により決定される。最後の回折素子(25)は、領域(1013)へと光線を回折する。光線が補償的な様式で回折コンポーネント(5)へと回折されると、その後、出力方向(1013)は分散しないが、(1005)を重複させる必要はない。この実施形態において、分散は排除されるが、外連結された光(38B)の出力角度は、内連結された光(38)の入力角度と一致しなくてもよい。
【0047】
ここで
図8のCを参照すると、反射-回折の典型的な実施形態の大まかな略図が示されている。本図は、入射光(38)が(回折コンポーネント(5)の代わりに)傾斜されたプリズム(7)により光ガイド(10)に連結されることを除いて、
図8のA及びBと同様である。本実施形態は回折素子(回折素子(25))を1つしか含まないため、2つの一致する回折素子((5)と(25))を含む
図8のAとBの実施形態と比べて、色分散は著しいものとなる。色分散(収差)は狭帯域光源の使用により減少され得る。
【0048】
ここで
図9のAとBを参照すると、回折-回折-反射の典型的な実施形態の大まかな略図の側面視と正面視がそれぞれ示されている。光ガイド(2010)は2D光ガイドである。本実施形態において、前記セットの第1の光学部品は、光ガイド(2010)内で第1の拡大方向(X軸)に内連結された光(38)を方向付け、それにより第1の拡大光(38C)を生成するために構成された、回折コンポーネント(5A)により実装される。前記セットの第2の光学部品は、第2の拡大方向(Y軸)において第1の拡大光(38C)を光ガイド(20)に連結し、それにより第2の拡大光(38D)を生成するために構成される、回折コンポーネント(370)により実装される。前記セットの第3の光学部品は、外連結された光(38B)として第3の方向に第2の拡大光(38D)を外連結するために構成される、好ましくは光ガイド(20)の面に対し斜角にある光ガイド(20)を少なくとも部分的に横断する、複数の部分反射面(ファセット)(45)の配列により実装される。
【0049】
ここで
図9のCを参照すると、
図9のAとBにおける、角度領域(角度間隔)において伝播する光の回折方向のダイヤグラムが示されている。角度のベクトルも示されており、(1005)は進入方向であり、第1の素子(5A)の後の方向は(1007)である。回折素子(370)は相対する光パワーを持ち、それ故、光は、光ガイド(2010)から、同じ方向を持つが色分散(重複(1005))を持たない光ガイド(20)へと連結される。ファセット(45)は、色分散の無い好ましい方向(1013)へと、分散無しに光を反射する。幾つかの色分散は、反射コンポーネントにより導入され得、残りの回折はこれを補うことができる。
【0050】
ここで
図10のAとBを参照すると、回折-反射の典型的な実施形態の側面視と正面視それぞれの大まかな略図が示されている。光ガイド(2011)は2D光ガイドである。側方の拡大が回折コンポーネントにより行われる一方、垂直的拡大は反射ファセットにより行われる。光ガイド(2011)へと連結する方法は表されない。光は、光ガイド(2011)内を伝播し、回折表面(コンポーネント)(35)に当たり、光ガイド(20)の方へ回折される。回折コンポーネント(35)は、(上部に表される、本図における)光ガイド(2011)の任意の表面にあり得る。光は、光ガイド(20)内を伝播すると、ファセット(45)により目(47)の方へ外連結される(38B)。この構成は、光ガイド(2011)と光ガイド(20)との間の偏光の管理を必要としない。光の注入された偏光は、ファセット(45)を必要とするものに一致するように配向され得る。
【0051】
ここで
図11のAとBを参照すると、回折-回折-反射の典型的な実施形態の側面視と正面視それぞれの大まかな略図が示されている。非回折光学部品(501)は、光(38)として示される内連結された光として、光ガイド(2002)へと光を方向付けるように構成される。本実施形態において、単一の光ガイド(2002)が使用され、2つの回折コンポーネントが光ガイド(2002)の部品として実装された。第1の回折光学部品(502)は、1つの光ガイド(2002)内で第1の拡大方向(X軸)に内連結された光(38)を方向付け、それにより第1の拡大光(38C)を生成するために構成される。第2の回折光学部品(50)は、第2の拡大方向(Y軸)に1つの光ガイド(2002)における第1の拡大光(38C)を拡大し、それにより第2の拡大光(38D)を生成するために構成される。反射光学部品(複数のファセット(45)の配列)は、外連結された光(38B)として第3の方向に第2の拡大光(38D)を外連結するために構成される。上記実施形態におけるように、第1、第2、及び第3の方向は互いに平行ではない。
【0052】
この実施形態の特徴は、単一の一次元光ガイドの使用である。光ガイドへの連結は、非回折コンポーネント(501)によるものであり、光は強固な回折パターン(502)により転換される。光は一次元でガイドされ、それ故、別の次元で拡大しつつ、回折コンポーネント(50)に沿って左から右へと伝播する。光が回折パターン(50)に遭遇すると、光は下方へも転換される。下方へ伝播している間、光は、(
図11のAの側面視に表される)反射ファセット(45)により観察者(47)の方へと反射される。この構成は単一の光ガイドを含み、偏光管理を必要としない(光ガイドに注入された光の偏光は、反射ファセット(45)に適切であり得る)。回折パターン(502)と回折パターン(50)の組み合わせは、結果として色分散をもたらさない。
【0053】
ここで
図11のCを参照すると、重複する回折-反射-回折の典型的な実施形態の正面視の大まかな略図が示されている。異なる技術により、回折及び反射の素子は、同じ光ガイド上で互いに重なり合って位置付けられ得る。本図において、回折格子コンポーネント(1110)は、第1の拡大光(38C)を作り出すために第1の方向に内連結された光(38)を拡大する。側方の開口の拡大は、前後で光を側方に連結する斜線のファセット(1114)を重複させ、色収差を導入することなく第2の方向(38D)に光を拡大することにより、実施される。回折パターン(1112)は導波路から光を連結するために使用される。
【0054】
ここで
図12のAおよび
図12のBを参照すると、回折-反射の例示的な実施形態の側面視および正面視それぞれの大まかな略図が示される。側方拡大は一次元の光ガイド(2012)に基づく(例えば、Lumus Ltd.の米国特許第7,643,214号を参照)。
図12のBでは、光ガイド(2012)への連結は、高度に反射する(すなわち部分反射型であり、かつエネルギーの大部分を反射する)内部ファセット(65)によって行なわれ、内部ファセットは内連結された光(38)の大部分を光ガイド(2012)の左右の側面に反射し、一方で、内連結された光(38)の一部は、内部ファセット(65)を通って光ガイド(20)へと至る。本実施形態が1つしか回折素子を含んでいないとき、以下の
図12のCの実施形態と比較して、色分散が重要になる。色分散(収差)は、狭帯域の光源を使用することで低減することができる。
【0055】
ここで
図12のCを参照すると、回折-回折-反射の例示的な実施形態の正面視の大まかな略図が示される。この実施形態では、光ガイド(2013)への連結は、高度な性能を有する回折コンポーネント(66)によって行なわれ、回折コンポーネントは、内連結された光(38)の大部分を光ガイド(2013)の左右の側面に反射し、一方で、内連結された光(38)の一部は、回折コンポーネント(66)を通って光ガイド(20)へと至る。
【0056】
図9のBの説明に似ているが、第1の拡大光(38C)は、
図12のBでは回折コンポーネント(67)によって回折され、
図12のCでは回折コンポーネント(68)によって回折されて、第2の拡大光(38D)を光ガイド(20)中に生成する。
【0057】
例示的な実施形態から確認できるように、回折コンポーネントは、一般に光ガイドの任意の側部に配置できる。前の実施形態でのように、適切な偏光の注入によって、装置にあわせたさらなる管理の必要はない。
【0058】
異なる光の波長は、異なる方向の回折パターンによって異なる方向に偏向させられる。この現象は、例えばニアアイディスプレイにより、各波長用の個別の光ガイドを実装することで、使用することができる。例示的な実施形態は3つの光ガイドであり、それぞれ、赤(R)、緑(G)および青(B)着色光に対応する波長のためのものである。個別の回折側方開口エキスパンダ(各色につき1つ)は単一の垂直反射開口エキスパンダに結合されている。
【0059】
ここで
図13のAおよび
図13のBを参照すると、個別の回折側方エキスパンダを備えた、回折-回折-反射の例示的な実施形態の側面視および正面視それぞれの大まかな略図が示される。本実施形態は、
図9のAおよび
図9のBに関して上述される実施形態に基づいている。
図9のBの光ガイド(2010)は光ガイド(103)、(102)および(101)のセットと取り替えられる。各光ガイドのセットは、この例の赤、緑および青における特定の波長のために構成された、第1の回折コンポーネント(それぞれ(133R)、(133G)、(133B))を有する。各光ガイドのセットは、第1の回折コンポーネントと一致する、第2の回折コンポーネント(それぞれ(134R)、(134G)、(134B))を有する。内連結された光(38)は、第1の回折コンポーネントに通って注入される。これらの第1の回折コンポーネントの各々は波長特異的(wavelength specific)であり、特定の関連する光の波長を回折し、光の他の波長を通過させる。波長の各光ガイドへの特異的な回折は、二色反射器(dichroic reflector)(それぞれ(133R1)、(133G1)、(133B1))のセットをそれぞれの第1の回折コンポーネント(133R)、(133G)、(133B)の後に追加することにより、改善されうる。二色反射器はコーティング反射器または回折反射器をベースにすることが可能であり、したがって、異なる波長は異なるそれぞれの光ガイド(103)、(102)、および(101)に連結される。第1の回折コンポーネント(133R)、(133G)、(133B)によって回折された光の波長は、それぞれの第1の拡大光(38CR)、(38CG)、(38CB)として、それぞれの光ガイド(103)、(102)、および(101)において、側方に拡大し伝播する。各光ガイド(103)、(102)、(101)は、それぞれの第1の拡大光(38CR)、(38CG)、(38CB)を光ガイド(20)の方へ回折させる、それぞれの第2の回折コンポーネント(134R)、(134G)、(134B)を有する。第2の回折コンポーネント(134G)、(134B)が波長選択的であるか、または他の波長についての回折効率が低いため、上部の光ガイドからの光は歪みが最も小さい下部の光ガイドを通過する。光ガイド(20)では、複数の部分反射面(45)の配列は、目(47)へと全ての波長を反射する。
【0060】
本実施形態の代替的な記載としては、第1の(133R)および第2の(134R)の整合する回折光学部品の対が、1)一対の第3の(133G)および第4の(134G)の一致する回折光学部品と、2)一対の第5の(133B)および第6の(134B)の一致する回折光学部品と、で増大される、というものである。一致する対の光学部品の各々の回折間隔は、他の一致する対の光学部品とは異なっている。回折間隔は、一致する対の光学部品の各々が、他の一致する対の光学部品からの、類似の角度によって異なる波長の光を偏向させるようになっている。第1の光ガイド(103)は、一対の第1の(133R)および第2の(134R)の一致する回折光学部品を含む。第2の光ガイド(103)は、一対の第4の(133G)および第4の(134G)の一致する回折光学部品を含む。第3の光ガイド(103)は、一対の第5の(133B)および第6の(134B)の一致する回折光学部品を含む。
【0061】
本構成では、1つの光ガイドが目(47)の前にある場合があり、光ガイド(103)、(102)、(101)、および(20)の間の偏光を随意に管理することができない。この構成では、光ガイドは、互いの上に直接配置されうる(典型的には、空隙がTIRを維持するために光ガイド間で使用される)。
【0062】
ここで
図14のAおよび
図14のBを参照すると、回折-反射の例示的な実施形態の側面視および正面視それぞれの大まかな略図が示される。本実施形態は
図12のAおよび
図12のBに関して記述された操作に類似しており、光ガイド(2012)は、取り換えられ/増大させている(3つの光ガイド(160R)、(160G)および(160B)と取り替えられる)。各光ガイド(160R)、(160G)、(160B)への光(38)の内連結は、それぞれの、高度に反射する内部ファセット/中央スプリッティングミラー(central splitting mirrors)(165R)、(165G)、(165B)による。横への(側方の)拡大は各光ガイド(160R)、(160G)、(160B)において回折性であり、次に、第1の拡大光(38C)はユーザーの目(47)へと外連結するために光ガイド(20)へ回折され/転換される。
【0063】
ここで
図14のCを参照すると、回折-回折-反射の例示的な実施形態の正面視の大まかな略図が示される。本実施形態は、
図12のCに関して記述された操作に似ており、回折コンポーネント(66)は、回折コンポーネント(133R)、(133G)、(133B)のセットにより取り替えられ/増大させられ、および、それぞれの各光ガイド(159R)、(159G)、(159B)の中心にある第1の各回折コンポーネント(133R)、(133G)、(133B)の後に二色反射器(それぞれ(133R1)、(133G1)、(133B1))が連係している。一致する回折素子(134R)、(134G)、(134B)は、中央の回折コンポーネント(133R)、(133G)、(133B)のいずれか一方の側部上の複数の回折素子(134R1)、(134R2)、(134G1)、(134G2)、(134B1)、(134B2)と取り替えられる。
【0064】
ここで
図15のA、
図15のBおよび
図15のCを参照すると、回折-反射-反射の例示的な実施形態の側面視、正面視、および上面視のそれぞれの大まかな略図が示される。
本実施形態では、反射開口エキスパンダは回折エキスパンダの前にある。4つの光ガイドが使用され、それらは反射コンポーネント(201)、および3つの回折コンポーネント(205)、(206)および(207)である。反射コンポーネント(201)は反射を側方に拡大する光ガイドである。この反射光ガイド(201)は、1D光ガイド(
図4のAの光ガイド(20)に類似)、または2D光ガイド(
図8のCの光ガイド(10)に類似)であってもよい。反射光ガイド(201)へと連結する光は、内連結された光(38)の波長をすべて含み、したがって、反射光ガイド(201)は反射器(
図4のAの反射面(16)など)、またはプリズム(
図8のCの傾斜されたプリズム(7)など)を含みうる。
【0065】
ファセット(203)(平面図である
図15のCで描写されている)は、ガイドされた光を、前方へ、かつ、光ガイド(201)から光ガイド(205)、(206)および(207)へ転換させる。光ガイド(205)、(206)および(207)のそれぞれは、それぞれの内連結格子(209R)、(209G)、(209B)を有する。これらの内連結格子(209R)、(209G)、(209B)は、各光ガイドごとに異なる周期を持ち、したがって、異なる波長はそれぞれの内連結格子によって、それぞれに関連する光ガイドへ、連結されるだろう。
【0066】
光は光ガイド(205)、(206)および(207)内で伝播して、各光ガイド内の波長に応じて設計され、かつそれぞれの内連結格子(209R)、(209G)、(209B)に一致させられたそれぞれの格子(25R)、(25G)、(25B)によって観察者(47)の方へ外連結(38B)する。
【0067】
一般に、反射光学部品(ファセット(203))は第1の光ガイド(201)内の拡大の第1の方向に内連結光(38)を拡大するように構成され、それによって、第1の拡大光(38C)を生成する。第1の回折光学部品(209R)、第3の回折光学部品(209G)、および第4の回折光学部品(209B)は、それぞれ、第1の光ガイド(205)、第2の光ガイド(206)および第3の光ガイド(207)中で、第1の拡大光のそれぞれの波長を連結するように構成される。第2の回折光学部品(25R)、第4の回折光学部品(25G)、および第6の回折光学部品(25B)は、外連結された光(38B)として第3の方向にそれぞれの光を拡大し外連結するように構成される。
【0068】
ここで
図15のDを参照すると、角度領域(角度間隔)の中で伝播する光についての
図15のA、
図15のBおよび
図15のCの回折の方向のダイヤグラムが示される。
図15のA-
図15のCで示される単一の光ガイドの角度の方向の正面図は、
図15のDで示される。光は方向(1005)に連結され、反射ミラー(203)が光線を分散させることなく、方向(1007)へと転換させる。回折内連結コンポーネント((209R)、(209G)、(209B)のうちの1つ)は、光線を分散させながら下方へと転換させ、一方で、回折コンポーネント(格子(25R)、(25G)、(25B)のうちの1つ)は相対する光パワーを有しており、したがって、光は分散せずに(重なる方向(1007))へと連結する。
【0069】
この構成は強い反分散特性を持っており、したがって、少ない数のコンポーネントで使用して、狭い場(角スペクトル)で1つ以上のカラーチャンネル(R、G、B)を伝達できる。例えば、3つの光ガイド(205)、(206)および(207)を単一の光ガイドとして実装することができ、または、2つのカラーチャンネルの組み合わせを単一の光ガイド中で実装できる({赤および緑、青}または{赤、緑および青}のセットなど)。
【0070】
上述の例、使用された符号、および例示的な計算は、この実施形態の説明を支援するものであることを留意されたい。不注意な誤字、数学的な誤差、および/または、単純化した計算を使用しても、本発明の有用性および基礎的な利点は損なわれない。
【0071】
添付された請求項が複数の従属関係なしに起草された点について、これは、単にそのような複数の従属関係を許容しない法的管轄区域において方式要件に対応するために行われた。請求項を複合的に従属させるようにすることにより意味される特徴のあらゆる組み合わせが、明示的に想定され、本発明の一部として考慮されるべきであることを留意されたい。
【0072】
上記の説明は例としてのみ提供されることを意図しており、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲内で他の多くの実施形態が可能であることを理解されるであろう。