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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】規格撮影支援装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/24 20060101AFI20231013BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A61B1/24
A61B1/00 552
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022050888
(22)【出願日】2022-03-25
(65)【公開番号】P2023143478
(43)【公開日】2023-10-06
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石渡 聖浩
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-284428(JP,A)
【文献】中国実用新案第207101254(CN,U)
【文献】特開2019-155026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受診者の口腔内を撮影する規格撮影の撮影モードを備えユーザによる規格撮影を支援する規格撮影支援装置であって、
ユーザからの撮影モードの設定操作を受け付ける操作部と、
前記操作部で受け付けた設定操作に応じて同一受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位を撮像部によって撮像し、前記撮像したそれぞれの撮像画像を関連付ける規格撮影モードを実行する制御部と、
当該規格撮影支援装置と撮像対象との間の距離を測定する測距手段と、を備え、
前記制御部は、
ユーザ操作により、撮像対象を前記撮像部に撮像させる制御を行う撮像制御部と、
前記測距手段の測定結果に基づいて、前記撮像対象について取得しようとする撮像部位の撮像画像の拡大率を設定する拡大率設定部を有する画像拡大率調整部と、を備えることを特徴とする規格撮影支援装置。
【請求項2】
前記操作部は、
前記規格撮影モードを実行するための規格撮影モード実行指示が入力可能な規格撮影モードボタンを有している請求項1に記載の規格撮影支援装置。
【請求項3】
前記操作部は、
規格撮影の5枚法の撮像画像が取得される5枚法取得モードを実行するのか、または、規格撮影の9枚法の撮像画像が取得される9枚法取得モードを実行するのかを入力可能な取得枚数入力ボタンを有している請求項1または請求項2に記載の規格撮影支援装置。
【請求項4】
前記撮像部の基準姿勢に対する前記撮像部の3次元的な姿勢を検出するセンサをさらに備え、
前記制御部は、当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のどの撮像部位であるのかを前記センサの検出結果に基づいて判定する撮像部位判定部を備えている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の規格撮影支援装置。
【請求項5】
前記操作部は、当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のどの撮像部位であるのか、を報知するための特定部位情報報知領域を有している請求項4に記載の規格撮影支援装置。
【請求項6】
前記操作部は、
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のうちのどの撮像部位であるのか入力可能な特定部位設定部を有している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の規格撮影支援装置。
【請求項7】
前記画像拡大率調整部は、ユーザ操作により前記特定部位設定部に入力された撮像部位を示す情報に対応して、当該撮像部位について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する請求項6に記載の規格撮影支援装置。
【請求項8】
前記画像拡大率調整部は、報知された前記特定部位情報報知領域に対応して、前記取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する請求項5に記載の規格撮影支援装置。
【請求項9】
前記操作部は、
前記規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のうちのどの撮像部位のものなのかを、自動で設定するのか、または、手動で設定するのかを入力可能な撮像部位設定ボタンを有している請求項4、5又は8のいずれか一項に記載の規格撮影支援装置。
【請求項10】
前記撮像部と、
前記撮像部から出力される画像信号に基づいて撮像画像を生成する撮像画像生成部と、をさらに備え、
前記撮像画像生成部は、前記拡大率設定部で設定された拡大率により前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する請求項7または請求項8に記載の規格撮影支援装置。
【請求項11】
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該規格撮影支援装置が取得した撮像画像、を画面に表示する表示部と、前記操作部とが一体に構成された表示操作部を備え、
前記特定部位設定部を構成する各ボタンは、前記表示操作部の画面に表示される特定部位対応画像情報である請求項6に記載の規格撮影支援装置。
【請求項12】
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該規格撮影支援装置が取得した撮像画像、を画面に表示する表示部と、前記操作部とが一体に構成された表示操作部を備え、
前記特定部位情報報知領域を構成する各領域は、前記表示操作部に表示される特定部位対応画像情報である請求項5に記載の規格撮影支援装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記表示操作部の画面での表示内容を制御する表示内容制御部を備え、
前記表示内容制御部は、前記撮像部により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該撮像部位と対応する前記特定部位対応画像情報と置き換えて、前記表示操作部に表示させる請求項11または請求項12に記載の規格撮影支援装置。
【請求項14】
前記制御部は、接続された外部モニタの画面での表示内容を制御する表示内容制御部を備え、
前記表示内容制御部は、前記撮像部により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該撮像部位と対応する前記特定部位対応画像情報と置き換えて、前記外部モニタの画面に表示させる請求項11または請求項12に記載の規格撮影支援装置。
【請求項15】
前記表示内容制御部は、特定の撮像部位に対応した反転処理が施されている撮像画像を前記特定部位対応画像情報と置き換えさせる請求項13または請求項14に記載の規格撮影支援装置。
【請求項16】
前記拡大率設定部は、前記測距手段の測定結果に基づいて当該規格撮影支援装置と前記撮像対象との間の距離が異なっても当該撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率が同様となるように、ユーザ操作により予め設定された基準となる拡大率を補正して前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する請求項7または請求項8に記載の規格撮影支援装置。
【請求項17】
ユーザ操作により前記特定部位設定部に対して入力された撮像部位に対応して、当該撮像部位を撮像対象として取得した撮像画像に施すべき反転処理が、予め用意された複数の反転処理のうちのどれであるのかを判定する反転パターン判定部と、
前記反転パターン判定部の判定結果に基づいて、取得した撮像画像に対し反転処理を施して出力する撮像画像出力部と、をさらに備えている請求項7に記載の規格撮影支援装置。
【請求項18】
前記撮像部位判定部で判定された撮像部位に対応して、当該撮像部位を撮像対象として取得した撮像画像に施すべき反転処理が、予め用意された複数の反転処理のうちのどれであるのかを判定する反転パターン判定部と、
前記反転パターン判定部の判定結果に基づいて、取得された撮像画像に対し反転処理を施して出力する撮像画像出力部と、をさらに備えている請求項4に記載の規格撮影支援装置。
【請求項19】
前記出力された撮像画像のデータを記憶する記憶装置をさらに備えている請求項17または請求項18に記載の規格撮影支援装置。
【請求項20】
前記測距手段は、測距センサであり、
前記測距センサは、前記撮像対象に対して有色光を照射する機能を有する請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の規格撮影支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規格撮影支援装置に係り、特に口腔内の規格撮影を支援する規格撮影支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科診察では、患者や検診者等(以下、これらをまとめて「受診者」ともいう。)の口腔内写真が撮影されることがある。口腔内写真とは、受診者の歯の表面、歯並び、歯肉の状態等をカメラで撮影したものをいう。口腔内写真は、通常、例えば5枚あるいは9枚といった複数枚の撮像画像から構成される。このような口腔内写真は、診断内容や症例報告等の記録物としての側面だけでなく、患者に対して治療方針を説明したり、医院間で患者の口腔内の状態を共有するために使用されたりする等、コミュニケーションツールとしての側面も有する。口腔内写真を構成している複数の撮像画像どうしでは、種々の撮影条件(例えば、カメラと被写体との間の距離、解像度、拡大率など)のうちの少なくとも1つが統一あるいは略統一されること、すなわち、規格化が必要とされる。
【0003】
口腔内写真の規格撮影では、規格撮影写真を構成する複数の撮像画像の各フレーム内に写さなければならない歯が予め決められた状態で、一眼レフカメラ等のカメラを用いて撮影が行われる。この規格撮影では、フレーム内に撮影対象の歯が入り込んだらカメラのシャッターを押すという撮影方法がとられている。そのようにして撮影された複数の撮像画像を2次元的に並べることで(具体的には、所謂5枚法あるいは9枚法に則って並べることで)、歯科医は、受診者の口腔内の状態を把握している。規格撮影写真は、例えば受診者の口腔内の治療前後の様子の経過観察等のために利用されている。
なお、規格撮影ではないが歯科医が口腔内カメラで患者の口腔内を撮影し、モニタに映し出された撮影画像を見ながら診療を行うことは知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-103048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の規格撮影では、受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位を撮像したそれぞれの撮像画像をユーザが確認し、ユーザは、それぞれの撮像画像がどの撮像部位についての撮像画像であるのかを判断し、同一受診者の複数の撮像画像を揃える必要があった。そのため、規格撮影を容易にできるような技術が望まれていた。
【0006】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、規格撮影を容易にできる規格撮影支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る規格撮影支援装置は、受診者の口腔内を撮影する規格撮影の撮影モードを備えユーザによる規格撮影を支援する規格撮影支援装置であって、ユーザからの撮影モードの設定操作を受け付ける操作部と、前記操作部で受け付けた設定操作に応じて同一受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位を撮像部によって撮像し、前記撮像したそれぞれの撮像画像を関連付ける規格撮影モードを実行する制御部と、当該規格撮影支援装置と撮像対象との間の距離を測定する測距手段と、を備え、前記制御部は、ユーザ操作により、撮像対象を前記撮像部に撮像させる制御を行う撮像制御部と、前記測距手段の測定結果に基づいて、前記撮像対象について取得しようとする撮像部位の撮像画像の拡大率を設定する拡大率設定部を有する画像拡大率調整部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、規格撮影を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る規格撮影支援装置を模式的に示すブロック図である。
図2図1の規格撮影支援装置の構成を模式的に示す概念図であって、(a)は正面の外観図、(b)は側方から視た撮影時の様子をそれぞれ示している。
図3図1の規格撮影支援装置を用いた上顎の撮影方法を示す模式図である。
図4】撮像対象の歯列と歯式番号との対応関係の模式図である。
図5】撮像部位と歯式番号との対応関係の模式図であって、(a)は5枚法の歯式番号、(b)は9枚法の歯式番号をそれぞれ示している。
図6】撮像部位の部位情報の模式図であって、(a)は5枚法の撮像部位の名称、(b)は9枚法の撮像部位の名称をそれぞれ示している。
図7】規格撮影モードにおける画面表示例であって、(a)は規格撮影モードボタン、(b)は取得枚数入力ボタン、(c)は撮像部位設定ボタンをそれぞれ示している。
図8】規格撮影モードにおける画面表示例であって、(a)は5枚法の特定部位設定部のボタン、(b)は9枚法の特定部位設定部のボタン、(c)は5枚法の特定部位情報報知領域、(d)は9枚法の特定部位情報報知領域をそれぞれ示している。
図9】撮像部位と姿勢検出センサ出力との対応関係の模式図であって、(a)は5枚法の姿勢検出センサ出力、(b)は9枚法の姿勢検出センサ出力をそれぞれ示している。
図10】撮像部位と反転処理との対応関係の模式図であって、(a)は5枚法の対応表、(b)は9枚法の対応表をそれぞれ示している。
図11】撮像部位と拡大率との対応関係の模式図であって、(a)は5枚法の拡大率、(b)は9枚法の拡大率をそれぞれ示している。
図12】本発明の実施形態に係る規格撮影支援装置の規格撮影モードの処理の流れを示すフローチャートである。
図13図12の撮像部位の手動設定の流れを示すフローチャートである。
図14図12の撮像部位の自動設定の流れを示すフローチャートである。
図15】本発明の第2実施形態に係る規格撮影支援装置を模式的に示すブロック図である。
図16】拡大率の補正についての説明図であって、(a)は距離に応じた補正値を示すグラフ、(b)は、領域用拡大率テーブルをそれぞれ示している。
図17】撮像部位と拡大率の補正値との対応関係の模式図であって、(a)は5枚法の拡大率の補正値、(b)は9枚法の拡大率の補正値をそれぞれ示している。
図18】5枚法の撮像画像の例であって、(a)はマスキング処理前の撮像画像、(b)はマスキング処理後の撮像画像をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る規格撮影支援装置を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0011】
(第1実施形態)
[規格撮影支援装置の構成]
図1に示す第1実施形態に係る規格撮影支援装置1は、受診者の口腔内を撮影する規格撮影の撮影モードを備えユーザによる規格撮影を支援する装置である。規格撮影支援装置1は、撮像部2と、撮像画像生成部3と、撮像画像出力部4と、姿勢検出センサ5と、記憶装置6と、表示部7と、操作部8と、フットコントローラ9と、制御部20と、を備えている。表示部7と操作部8を一体化して、タッチパネルからなる表示操作部10を構成してもよい。タッチパネルからなる表示操作部10を備える規格撮影支援装置1の一例を図2に示す。図2(a)は、規格撮影支援装置1の正面の外観図である。規格撮影支援装置1は、図2(a)に示すように、本体部31と、把持部32と、アーム接続部33と、を備えている。
【0012】
本体部31は、撮像部2、撮像画像生成部3および撮像画像出力部4(以下、これらを総称して単にカメラと呼ぶ)および制御部20を内蔵した筐体である。本体部31の正面には、表示操作部10が形成されており、本体部31の底部には、下方を向いた状態でカメラレンズや被写体を照らすライトが設けられている。表示操作部10は、例えばタッチパネルになっており、表示部7と操作部8とを兼ねている。
把持部32は、ユーザが規格撮影支援装置1を所望の位置に移動させるときに把持する湾曲した棒状のハンドルであり、本体部31の左の側面下部および右の側面下部に設けられている。把持部32には、主電源、カメラ電源、カメラ照明等の各種のボタン操作スイッチが配置されている。
アーム接続部33は、規格撮影支援装置1の本体部31を、所定高さのスタンドや吊り具に接続して固定するための手段である。
【0013】
図2(b)は、規格撮影支援装置1を側方から視た撮影時の様子を示す模式図である。ユーザ101は、歯科医師や歯科衛生士等である。受診者102には、歯科用椅子に横たわって仰向けの状態で口をあけてもらう。ここでは、規格撮影支援装置1は、スタンド103から水平方向に延伸したアーム104の先に接続固定されている。スタンド103は、単独で立設されたスタンド、または図示しない歯科用ユニットに固定されたポールである。図3は、規格撮影支援装置1を用いた上顎の撮影方法を示す模式図である。このように、ユーザ101は、撮像部位によっては、ミラー105を使用し、ミラー105に写った像を撮影する。
【0014】
撮像部2は、カメラレンズと撮像素子とを備えている。撮像素子は例えばCCD(Charge-Coupled Device)撮像素子や、CMOS(Complementary MOS)撮像素子等である。撮像部2は、制御部20からの制御信号に応じて撮影を行う。撮像部2は、撮影した画像を電気信号(画像信号)に変換して撮像画像生成部3に出力する。
撮像画像生成部3は、撮像部2から出力される画像信号に基づいて撮像画像を生成するものである。撮像画像生成部3は、画像信号から生成した撮像画像を撮像画像出力部4に出力する。
【0015】
撮像画像出力部4は、取得した撮像画像に対し反転処理を施して表示部7、外部モニタ100、記憶装置6にそれぞれ出力する。撮像画像出力部4は、反転処理が施された撮像画像のデータを、取得した撮像対象の撮像部位に関する情報を含んだ形式で出力する。撮像対象の部位に関する情報を含んだ形式は、例えばDICOM形式である。なお、DICOMとは、“Digital Imaging and Communications in Medicine”の略称で、医用画像の画像規格及び通信プロトコルを定めた国際標準規格である。また、DICOMタグ(0008,2228)は、主要解剖学的構造シーケンスを表す。撮像画像出力部4は、規格撮影写真をDICOM形式で保存し、DICOMタグ(0008,2228)に、歯式番号(図4及び図5参照)を記録する。この歯式番号から、撮影部位を判断することができる。
【0016】
図4は、一例として、FDI方式(two-digit system)で歯式番号と撮像対象の歯列との対応関係を示している。図5(a)は5枚法の撮像部位と歯式番号との対応関係、図5(b)は9枚法の撮像部位と歯式番号との対応関係をそれぞれ示している。5枚法の場合、図6(a)に示す部位1から部位5の名称は、それぞれ、正面、左側側方、右側側方、上顎咬合面、下顎咬合面である。9枚法の場合、図6(b)に示す部位1から部位9の名称は、それぞれ、正面、左側側方、右側側方、上顎咬合面拡大、下顎咬合面拡大、左側口蓋側、左側舌側、右側口蓋側、右側舌側である。
【0017】
例えば、撮像対象の撮像部位が5枚法の正面の場合、正面画像は、図5(a)に示すように、歯式番号11~15、21~25、41~45、31~35の歯の撮影画像であるから、撮像画像出力部4は、DICOMタグ(0008,2228)に次の文字列を記録する。
「15\14\13\12\11\21\22\23\24\25\45\44\43\42\41\31\32\33\34\35」
上記の例では、全ての歯式番号を列挙したが、11、12など、一部の歯式番号のみを記録するようにしても良い。なお、FDI方式に限らず、アメリカ式(Universal system)やジグモンディ方式(Zsigmondy & Palmer system)を採用してもよい。
【0018】
姿勢検出センサ5は、撮像部2の基準姿勢に対する撮像部2の3次元的な姿勢を検出するものである。姿勢検出センサ5としては、3次元的な姿勢を検出する種々の方法の検出器を用いることができる。姿勢検出センサ5は、3軸の姿勢を検出できれば、例えばジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ等でもよい。また、姿勢検出センサ5は、例えばジャイロセンサと加速度センサとを組み合わせて構成してもよい。姿勢検出センサ5は、1つの半導体チップで構成されていてもよい。姿勢検出センサ5は、例えば撮像部2の近傍に設置されている。なお、姿勢検出センサ5の位置は、撮像部2の姿勢を検出できれば撮像部2の近傍に限定されるものではない。姿勢検出センサ5が検出する姿勢は、3次元の角度で表される。姿勢検出センサ5は、検出した角度を制御部20に出力する。
【0019】
記憶装置6は、撮像画像出力部4から出力された撮像画像のデータを記憶する。記憶装置6は、画像メモリである。記憶装置6は、例えば一般的なパーソナルコンピュータの記憶手段(HDD)、外部接続用HDD、または、ネットワークを介して規格撮影支援装置1に接続された画像記憶用サーバ等であってもよい。
表示部7は、撮像画像出力部4から出力された撮像画像を表示するものである。表示部7は、例えば液晶表示パネル等で構成されている。
【0020】
操作部8は、ユーザからの撮影モードの設定操作を受け付けるものである。操作部8は、ユーザ操作により、指示が入力可能なボタンを有している。ここで、操作部8がボタンを有しているとは、例えばタッチパネルからなる表示操作部10の場合、画面にボタンが表示されているときに、操作部8がボタンを備えていることは明らかである。さらに、タッチパネルは、画面からボタンの表示を解除したとしても再びボタンを表示することができ、ボタンの表示を解除していたとしてもボタンを実質的に備えている、と言える。
なお、操作部8のボタンは、タッチパネルに表示されたボタンのほかに、例えばメカニカルスイッチ(シートスイッチを含む)であってもよい。
以下、操作部8は、一例として、タッチパネルからなる表示操作部10と同じ意味であるものとして説明する。
【0021】
図7(a)~図7(c)は、タッチパネルからなる表示操作部10(操作部8)上に表示されたボタンの例である。図7(a)に示すように表示操作部10は、規格撮影モードボタンB02を有している。規格撮影モードボタンB02は、規格撮影モードを実行するための規格撮影モード実行指示が入力可能なボタンである。ここでは、表示操作部10の画面に、通常撮影モードボタンB01と、規格撮影モードボタンB02とを同時に表示している。なお、通常撮影モードボタンB01は、規格撮影以外の通常撮影を選択するボタンである。通常撮影は、例えば根管撮影や1歯の治療部位の撮影などである。
【0022】
図7(b)に示すように表示操作部10は、取得枚数入力ボタンB03,B04を有している。取得枚数入力ボタンB03,B04は、規格撮影の5枚法の撮像画像が取得される5枚法取得モードを実行するのか、または、規格撮影の9枚法の撮像画像が取得される9枚法取得モードを実行するのかを入力可能なボタンである。ここでは、取得枚数入力ボタンB03は、5枚法の規格撮影を選択するボタンであり、取得枚数入力ボタンB04は、9枚法の規格撮影を選択するボタンである。
【0023】
図7(c)に示すように表示操作部10は、撮像部位設定ボタンB05,B06を有している。撮像部位設定ボタンB05,B06は、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像の撮像部位が受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位のうちのどの撮像部位のものなのかを、自動で設定するのか、または、手動で設定するのかを入力可能なボタンである。ここでは、撮像部位設定ボタンB05は、姿勢検出センサ5による撮像部2の姿勢の検出結果によって撮像部位を自動設定する方法を選択するボタンである。撮像部位設定ボタンB06は、ユーザが撮像部位を特定(手動設定)する方法を選択するボタンである。
【0024】
図8(a)および図8(b)に示すように表示操作部10は、特定部位設定部81を有している。特定部位設定部81は、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像の撮像部位が受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位のうちのどの撮像部位であるのかをユーザ操作により入力可能な設定部である。特定部位設定部81は、図8(a)に示すように、規格撮影の5枚法の撮像部位にそれぞれ対応する5つのボタンから構成され、これらの5つのボタンは、十字状に配置される。これらの5つのボタンは、ユーザから見て十字状に配置されていればよい。ここでは、5つのボタンは例えば表示操作部10上で2次元的に十字状に配置される。
【0025】
また、特定部位設定部81は、図8(b)に示すように、規格撮影の9枚法の撮像部位にそれぞれ対応する9つのボタンから構成され、これらの9つのボタンは、例えば表示操作部10上で2次元的に縦3列かつ横3行のマトリックス状に配置される。特定部位設定部81を構成する各ボタンは、複数の撮像部位のそれぞれに対応する特定部位対応画像情報であり、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像、または、規格撮影支援装置1が取得した撮像画像、を表示する表示操作部10(表示部7)に表示される。
【0026】
図8(c)および図8(d)に示すように表示操作部10は、特定部位情報報知領域71を有している。特定部位情報報知領域71は、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像、または、当該撮像画像の撮像部位が受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位のどの撮像部位であるのか、を報知するための領域である。
【0027】
図8(c)および図8(d)においては、特定部位情報報知領域71を構成する各領域は、複数の撮像部位にそれぞれ対応する画像情報であり、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像、または、規格撮影支援装置1が取得した撮像画像、を表示する表示部7に表示される。
【0028】
特定部位情報報知領域71は、図8(c)に示すように、規格撮影の5枚法の撮像部位にそれぞれ対応する5つの領域から構成され、これらの5つの領域は、例えば表示操作部10上で2次元的に十字状に配置される。図8(c)は、特定部位情報報知領域71が、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像部位が正面の撮像部位であることを識別できるように報知した例である。特定部位情報報知領域71は、特定の領域について、例えば表示色を変える、光強度を強くする、点滅させるなどによって、特定の領域を識別できるようにしてもよい。
【0029】
特定部位情報報知領域71は、図8(d)に示すように、規格撮影の9枚法の撮像部位にそれぞれ対応する9つの領域から構成され、これらの9つの領域は、例えば表示操作部10上で2次元的に縦3列かつ横3行のマトリックス状に配置される。なお、図8(d)も、特定部位情報報知領域71が、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像部位が正面の撮像部位であることを識別できるように報知した例である。
【0030】
フットコントローラ9は、規格撮影支援装置1に所定の指示を入力するものである。フットコントローラ9は、ペダルを備え、ユーザがペダルを踏みこむことで、例えば撮影開始の指示を入力するようにしてもよい。フットコントローラ9は、例えば撮像部位の選択や決定の指示を入力するようにしてもよい。フットコントローラ9は、手を使わずに操作をすることができるので、衛生的である。
【0031】
制御部20は、規格撮影モードを実行するものである。制御部20は、図1に示すように、一時記憶部21と、撮影モード選択部22と、撮像部位判定部23と、反転パターン判定部24と、表示内容制御部25と、画像拡大率調整部26と、撮像制御部27と、を備えている。
一時記憶部21は、制御部20の各部で計算された計算結果を一時的に記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)等とされる。
【0032】
撮影モード選択部22は、操作部8で受け付けた撮影モードの設定操作を判定する処理と、この判定処理に応じた各種の対応画像情報を表示操作部10に表示させる処理と、を行うものである。撮影モード選択部22は、例えば、通常撮影モードボタンB01、規格撮影モードボタンB02、取得枚数入力ボタンB03,B04、撮像部位設定ボタンB05,B06、特定部位設定部81等を表示操作部10に表示させる。また、撮影モード選択部22は、撮像部位判定部23から、撮像しようとする撮像部位の情報が通知された場合、特定部位情報報知領域71において該当の撮像部位に対応した領域が識別できるように表示操作部10に表示させる。
【0033】
撮像部位判定部23は、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像の撮像部位が受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位のどの撮像部位であるのかを姿勢検出センサ5の検出結果に基づいて判定するものである。撮像部位判定部23は、撮影ごとに、姿勢検出センサ5の検出結果と、予め定められた判定条件とに基づき、撮像しようとする部位を判定する。例えば、図9に示す判定条件を採用してもよい。図9(a)は5枚法の判定条件、図9(b)は9枚法の判定条件を示す。
【0034】
通常は初めに部位1(正面)を撮影するので、そのときに姿勢検出センサ5の検出結果を撮像部2の基準姿勢とする(姿勢検出基準位置;X=0°,Y=0°)。以降の撮影では、基準姿勢に対する3次元的な姿勢(姿勢検出センサ5からの出力の差分)によってどの部位を撮像しようとしているのかを識別することができる。
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≧+30°かつ-25°<Y<+5°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位2であると判定する。この場合、撮像部位判定部23は、撮像部位の判定結果(撮像しようとする部位が部位2であるとの情報)を撮影モード選択部22に通知する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≦-30°かつ-25°<Y<+5°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位3であると判定する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分が-30°<X<+30°かつY≧+5°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位4であると判定する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分が-30°<X<+30°かつY≦-25°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位5であると判定する。
【0035】
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≧+30°かつY≧+5°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位6であると判定する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≧+30°かつY≦-25°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位7であると判定する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≦-30°かつY≧+5°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位8であると判定する。
姿勢検出センサ5からの出力の差分がX≦-30°かつY≦-25°である場合、撮像部位判定部23は、撮像部位が部位9であると判定する。
【0036】
反転パターン判定部24は、5枚法や9枚法の撮影ごとに、任意の撮像部位を撮像対象として取得した撮像画像に施すべき反転処理が予め定められた複数の反転処理のうちのどれであるのかを判定する。複数の反転処理として例えば、図10に示す対応表を採用してもよい。図10(a)は5枚法の対応表、図10(b)は9枚法の対応表を示す。各対応表において、FLIPは上下反転処理を示し、REVは左右反転処理を示す。
【0037】
反転パターン判定部24は、ユーザ操作により表示操作部10の特定部位設定部81に対して、口腔内の部位1(正面)が選択されている場合、選択されている撮像部位の撮像画像には、上下および左右の反転処理(FLIP&REV)が必要であると判定する。
反転パターン判定部24は、撮像部位判定部23の判定結果が、口腔内の部位2(左側側方)を特定している場合、特定されている撮像部位の撮像画像には、上下の反転処理(FLIP)が必要であると判定する。
【0038】
反転パターン判定部24は、判定結果(撮像部位の反転処理内容またはその反転処理内容を特定する情報)を、例えば撮像制御部27を経由して、あるいは直接的に撮像画像出力部4に出力する。撮像画像出力部4は、反転パターン判定部24の判定結果に基づいて、取得した撮像画像に対し反転処理を施して出力する。撮像画像出力部4は、反転処理が施された撮像画像を表示操作部10、外部モニタ100、記憶装置6にそれぞれ出力する。なお、撮影手法によっては反転処理が不要な撮像部位が生じる場合も考えられるが、実施形態では、そのような反転処理をしない撮像部位がある場合も含めて反転処理と呼んでいる。
【0039】
表示内容制御部25は、表示操作部10の画面での表示内容を制御するものである。表示内容制御部25は、撮像部2により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該特定の撮像部位と対応する特定部位対応画像情報と置き換えて表示操作部10に表示させる。ここで、特定部位対応画像情報は、口腔内の例えば正面の撮像部位を示すボタンの画像等を意味する。なお、表示内容制御部25は、撮像画像出力部4から出力された撮像画像を取得する。この取得する撮像画像は、撮像対象の特定の撮像部位についての撮像画像である。
【0040】
規格撮影支援装置1は、本実施形態では、外部モニタ100に接続されており、表示内容制御部25は、規格撮影支援装置1に接続された外部モニタ100の画面100aでの表示内容を制御することもできる。この場合、表示内容制御部25は、撮像部2により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該特定の撮像部位と対応する特定部位対応画像情報と置き換えて外部モニタ100の画面100aに表示させる。外部モニタ100は、高画質の大型モニタである。外部モニタ100は、例えば4K以上、50型以上のモニタであることが好ましい。このようにすることで、ユーザにとっては、外部モニタ100の画面100aの表示内容が手元の表示操作部10の画面の表示内容よりも見やすくなる。
【0041】
表示内容制御部25は、特定の撮像部位に対応した反転処理が施されている撮像画像を特定部位対応画像情報と置き換えさせる。具体的には、規格撮影の5枚法の撮像画像が取得される場合、図8(a)に示す特定部位設定部81のうち、口腔内の部位1(正面)に対応したボタンを示す部位対応画像情報は、上下反転処理および左右反転処理が施された正面の撮像画像と置き換えられて、表示操作部10の画面に表示される。また、同様の画像が外部モニタ100の画面100aにも表示される。
【0042】
画像拡大率調整部26は、規格撮影モードにおいて、撮影ごとに、5枚法または9枚法の撮像部位に応じて、撮像画像の拡大率を調整するものである。規格撮影の5枚法の撮像画像の拡大率は、図11(a)に示すように8倍であるものとする。規格撮影の9枚法の撮像画像の拡大率は、図11(b)に示すように、撮像部位に応じて12倍または16倍であるものとする。
【0043】
画像拡大率調整部26は、ユーザ操作により特定部位設定部81に入力された撮像部位を示す情報に対応して、当該撮像部位について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する。例えば9枚法が選択され、かつ表示操作部10の特定部位設定部81に対して、口腔内の部位1(正面)が選択されている場合には、選択されている撮像部位についての撮像画像の拡大率を12倍に調整する。
【0044】
また、画像拡大率調整部26は、報知された特定部位情報報知領域71に対応して、規格撮影支援装置1が取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する。
例えば9枚法が選択され、かつ撮像部位判定部23によって撮像部位が口腔内の部位4(上顎咬合面拡大)であると判定した場合、表示操作部10の特定部位情報報知領域71において口腔内の部位4に対応した領域が識別可能に報知される。この場合、画像拡大率調整部26は、口腔内の部位4に対応した撮像領域についての撮像画像の拡大率を16倍に調整する。
【0045】
撮像制御部27は、ユーザ操作により、撮像対象を撮像部2に撮像させる制御を行うものである。撮像制御部27は、撮像部2、撮像画像生成部3、撮像画像出力部4、および記憶装置6に制御信号をそれぞれ出力し、撮像部2、撮像画像生成部3、撮像画像出力部4、および記憶装置6の動作をそれぞれ制御する。
【0046】
[規格撮影モードの処理の流れ]
次に、規格撮影支援装置1の規格撮影モードの処理の流れについて図12を参照(適宜図1図7および図8参照)して説明する。規格撮影支援装置1は、制御部20の撮影モード選択部22によって、規格撮影モードボタンB02を表示操作部10に表示させ(ステップS1)、規格撮影を実行する指示が入力されたか否かを判別する(ステップS2)。規格撮影以外を実行する指示が入力された場合(ステップS2:No)、撮影モード選択部22は、その他の撮影モードの設定を行う(ステップS9)。その他の撮影モードは、例えば通常撮影モード等を指す。
【0047】
一方、ユーザによって、規格撮影モードボタンB02が操作されると(ステップS2:Yes)、撮影モード選択部22は、取得枚数入力ボタンB03,B04を表示操作部10に表示させ(ステップS3)、取得枚数入力ボタンB03,B04のいずれのボタンが操作されたか判別する(ステップS4)。ユーザによって、取得枚数入力ボタンB03,B04のいずれかが操作されると、撮影モード選択部22は、撮像部位設定ボタンB05,B06を表示操作部10に表示させる(ステップS5)。そして、撮影モード選択部22は、撮像部位設定ボタンB05,B06のいずれのボタンが操作されたか判別する(ステップS6)。
【0048】
ユーザによって、例えば5枚法が選択されているときに、手動設定を指示する撮像部位設定ボタンB06が操作された場合、撮影モード選択部22は、5枚法の撮像部位の手動設定を行う(ステップS7A)。また、9枚法が選択されているときに、手動設定を指示する撮像部位設定ボタンB06が操作された場合、撮影モード選択部22は、9枚法の撮像部位の手動設定を行う(ステップS7B)。これらのステップS7A,S7Bの詳細は後記する。
【0049】
一方、ユーザによって5枚法が選択されているときに、自動設定を指示する撮像部位設定ボタンB05が操作された場合、撮影モード選択部22は、5枚法の撮像部位の自動設定を行う(ステップS8A)。また、9枚法が選択されているときに、自動設定を指示する撮像部位設定ボタンB05が操作された場合、撮影モード選択部22は、9枚法の撮像部位の自動設定を行う(ステップS8B)。これらのステップS8A,S8Bの詳細は後記する。
【0050】
(撮像部位の手動設定)
次に、図12のステップS7Aの流れについて図13を参照(適宜図1図8(a)および図8(b)参照)して説明する。撮影モード選択部22は、表示操作部10に特定部位設定部81として5つのボタンを表示させる(ステップS12)。ユーザが、表示操作部10の特定部位設定部81の中から任意のボタンを操作して撮像部位を特定すると、撮影モード選択部22は、表示操作部10に、特定された撮像部位に対応したボタンを識別できるように表示させる(ステップS14)。そして、ユーザが受診者の撮像部位を撮像すると、撮影モード選択部22は、このときの撮像部位と撮像画像を関連付ける(ステップS16)。
【0051】
なお、規格撮影支援装置1は、制御部20(反転パターン判定部24および表示内容制御部25)や撮像画像出力部4の処理によって、撮像画像に、その撮像部位に対応した反転処理を施した上で、反転処理が施された撮像画像を例えば表示操作部10に表示する。
【0052】
そして、撮影モード選択部22は、所定の終了条件が満たされたか否かを判別する(ステップS18)。例えば5枚法の撮像部位と5枚の撮像画像とがそれぞれ関連付けられ場合や撮影終了指示が入力された場合に、終了条件が満たされる。終了条件が満たされていない場合(ステップS18:No)、撮影モード選択部22は、ステップS12に戻る。終了条件が満たされた場合(ステップS18:Yes)、撮影モード選択部22は、撮像部位の設定を終了する。
一方、9枚法の撮像部位の手動設定(ステップS7B)は、その流れが図13に示した流れと同様なので説明を省略する。なお、9枚法の撮像部位の手動設定においては、表示操作部10に特定部位設定部81のボタンとして9つのボタンが表示される。
【0053】
(撮像部位の自動設定)
次に、図12のステップS8Aの流れについて図14を参照(適宜図1図8(c)および図8(d)参照)して説明する。規格撮影支援装置1は、制御部20の撮像部位判定部23によって、姿勢検出センサ5の検出結果を取得し(ステップS21)、姿勢検出センサ5の検出結果から撮像部位を判定し(ステップS22)、判定された撮像部位の情報を撮影モード選択部22に出力する。なお、撮像部位判定部23は、正面撮影時に取得した姿勢検出センサ5の検出結果を基準値として記憶する。
【0054】
そして、撮影モード選択部22は、表示操作部10に特定部位情報報知領域71として5つの領域を表示させると共に、姿勢検出センサ5の検出結果から特定された撮像部位の領域を識別できるように表示させる(ステップS23)。ユーザが、特定部位情報報知領域71を見て、手動操作により、特定された撮像部位を修正した場合(ステップS24:Yes)、撮影モード選択部22は、修正された撮像部位を受け付け(ステップS25)、修正された撮像部位と撮像画像とを関連付ける(ステップS16)。
【0055】
一方、ユーザが、特定された撮像部位を修正しない場合(ステップS24:No)、撮影モード選択部22は、前記ステップS16へ進み、特定された撮像部位と撮像画像とを関連付ける。そして、撮影モード選択部22は、所定の終了条件が満たされたか否かを判別する(ステップS18)。終了条件が満たされていない場合(ステップS18:No)、規格撮影支援装置1は、ステップS21に戻る。終了条件が満たされた場合(ステップS18:Yes)、規格撮影支援装置1は、撮像部位の設定を終了する。
一方、9枚法の撮像部位の自動設定(ステップS8B)は、その流れが図14に示した流れと同様なので説明を省略する。なお、9枚法の撮像部位の自動設定においては、表示操作部10に特定部位情報報知領域71として9つの領域が表示される。
【0056】
(第2実施形態)
次に、図15を参照して、第2実施形態に係る規格撮影支援装置1Bについて説明する。なお、図1に示す規格撮影支援装置1と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。規格撮影支援装置1Bは、測距手段60を備えていると共に、制御部20Bに拡大率設定部28を備えている点が規格撮影支援装置1と相違する。
【0057】
測距手段60は、規格撮影支援装置1Bと撮像対象との間の距離を測定するものである。なお、「距離を測定する」こととは、規格撮影支援装置1Bと撮像対象との間の実距離を測定することだけでなく、例えば、画像認識により規格撮影支援装置1Bと撮像対象との間の距離を推定することも含む。
測距手段60は、例えば測距センサ(超音波方式、レーザ光方式)、画像認識手段(カメラ、画像処理部、制御部等)、またはAF(オートフォーカス)機構(制御部を含む)などを指す。
測距手段60が測距センサである場合、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離とは、測距センサと撮像対象との間の距離である。
測距手段60が画像認識手段である場合、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離は、カメラのレンズと撮像対象との間の距離である。
測距手段60がAF機構(制御部を含む)である場合、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離は、カメラのレンズと撮像対象との間の距離、または、AFセンサと撮像対象との間の距離等を指す。
測距手段60は、測定した距離を画像拡大率調整部26(拡大率設定部28)に出力する。
【0058】
本実施形態において、測距手段60は、測距センサとされており、測距センサは、撮像対象に対して有色光を照射する機能を有している。測距センサが有色光により撮像箇所をポイント表示することにより、ユーザは、表示操作部10の画面や外部モニタ100の画面100aをわざわざ覗かなくても、受診者の口腔内を観るだけで、測距手段60の光軸方向(有色光の出射方向)、すなわち、撮像部2の光軸方向を容易に把握することができる。測距センサから出射される有色光は、例えばレーザ光やLED光である。なお、測距センサは、例えば専用の半導体ICチップで構成されていてもよい。
【0059】
図15に示すように、制御部20Bの画像拡大率調整部26は、拡大率設定部28を備えている。本実施形態において、拡大率設定部28は、測距手段60の測定結果に基づいて、撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する。拡大率設定部28は、測距手段60の測定結果に基づいて規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離が異なっても当該撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率が同様となるように、基準となる拡大率を補正して設定する。ここで、基準となる拡大率は、ユーザ操作により予め設定されている。撮像画像生成部3は、拡大率設定部28で設定された拡大率により、撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する。
【0060】
拡大率設定部28が撮像画像の拡大率を補正して設定する具体例について図16を参照して説明する。図16(a)は、規格撮影支援装置1と被写体との間の距離を300mm、400mm、500mmとして口腔内の部位1(正面)をそれぞれ撮影する場合の距離と補正値との対応関係を示す。この一例では、撮像部2の撮影可能距離が300~500mmであり、また、基準となる拡大率が8倍であるものとした。拡大率設定部28は、基準となる拡大率(例えば8倍)に補正値を掛け合わせた結果を拡大率として設定する。なお、撮像部2の撮影可能距離が最小(300mm)のときの補正値を1(基準値)とした。
【0061】
図16(a)のグラフから、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離と設定される拡大率との関係式が、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離が増加するに伴いリニアに減少する1次関数で表されることが分かる。このため、例えば、拡大率設定部28は、撮像するにあたってその都度、この1次関数を用いた演算により、拡大率を算出する。
【0062】
なお、拡大率設定部28は、上記1次関数を用いて拡大率を設定することに限定されるものではない。例えば、測距手段60によって測定可能な距離範囲が分割されて複数の領域が設定されてもよく、かつ、規格撮影支援装置1と撮像対象との間の距離が増加するに伴い減少するように、複数の領域の各々に、1つの領域用拡大率を設定してもよい。その場合、拡大率設定部28は、測距手段60の測定結果に基づいて、領域用拡大率のいずれかを用いて、撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する。また、領域用拡大率が領域用拡大率テーブルに設定されている場合、拡大率設定部28は、領域用拡大率が予め格納されている領域用拡大率テーブルを参照して撮像対象についての撮像画像の拡大率を設定する。
図16(b)は、領域用拡大率テーブルを示す。この領域用拡大率テーブルは、撮影可能距離を10mmごとの領域に区切って領域用拡大率を予め格納している。この例では、撮像部2の撮影可能距離が300~500mmであり、また、基準となる拡大率が8倍であるものとした。この領域用拡大率テーブルにおいて、領域1(距離Lが300~310mmの場合)の領域用拡大率は、8×1である。領域11(距離Lが400~410mmの場合)の領域用拡大率は、8×0.904である。領域21(距離Lが500~510mmの場合)の領域用拡大率は、8×0.817である。
【0063】
ここでは、口腔内の部位1(正面)についての撮像画像の拡大率を説明したが、他の撮像部位についての撮像画像の拡大率も同様に設定することができる。
画像拡大率調整部26は、撮像部位に応じて、基準となる拡大率に基づいて撮像画像の拡大率を調整する。規格撮影において5枚法の撮像画像の基準となる拡大率は、図17(a)に示すように8倍であるものとする。規格撮影において9枚法の撮像画像の基準となる拡大率は、図17(b)に示すように、撮像部位に応じて12倍または16倍であるものとする。
拡大率設定部28は、撮像部位に応じた基準となる拡大率を補正するために、撮像部位に応じた補正値を用いる。図17(a)に示す補正値1~補正値5は、口腔内の部位1~部位5に対する補正値である。また、9枚法の場合、図17(b)に示す補正値1~補正値9は、口腔内の部位1~部位9に対する補正値である。
【0064】
なお、簡易的には、図17(a)に示す補正値1~補正値5を同一の値である所定値αとしてもよい。また、図17(b)に示す補正値1~補正値3を同一の値である所定値βとしてもよい。同様に図17(b)に示す補正値4~補正値9を同一の値である所定値γとしてもよい。
【0065】
従来の規格撮影にはいくつか問題があった。従来の規格撮影では、一眼レフカメラ等のカメラを用いてフレーム内に撮影対象の歯が入り込んだらカメラのシャッターを押すという撮影方法がとられているため、複数の撮像画像どうしの間で拡大率の統一を図ることが難しい。また、拡大率の調整は、撮影毎に行わなければならず、撮影者にとっては、その作業が煩雑なものとなる。また、患者の負担にならないように各撮像部位をせいぜい数分以内に撮影を完了させなければならない。またさらに、そのようにして撮影された複数の撮像画像を5枚法または9枚法に則って並べることで、歯科医が受診者の口腔内の状態を把握しようとしても、各撮像画像の拡大率が不揃いとなってしまうことがある。すなわち、口腔内写真の品質を所定以上の品質とすることは難しい。また、各撮像画像の拡大率を予め固定して撮影する場合であっても、各撮像画像では、フレーム内に撮像対象となる部位全体が入り込むように撮影されている必要があるため、この点でも、各撮像画像の拡大率を揃えることは容易ではない。
これに対して、第2実施形態に係る規格撮影支援装置1Bは、当該規格撮影支援装置1Bと撮像対象との間の距離に応じて、各撮像画像の拡大率を補正して設定するので、複数の撮像画像どうしの間で拡大率の統一を図る作業の手間を低減することができる。
【0066】
なお、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更されたものなども含まれる。測距手段60は、撮像対象に対して有色光を照射する測距センサであるものとしたが、測距センサを備えていない構成であってもよいし、測距センサを有していない構成であってもよい。測距センサを有していないとは、測距センサを取り付け可能であるが取り外した状態となっていることを意味する。規格撮影支援装置1が測距センサを備えていない構成または有していない構成の場合には、AF機能を利用して測距センサの代用としたり、あるいは、画像認識により撮像対象までの距離を推定したりすればよい。
【0067】
規格撮影支援装置1Bが測距手段60を有していない場合、撮像部2は、予め撮像範囲を規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広く撮像してもよい。その場合、画像拡大率調整部26は、撮像部2が予め撮像範囲を規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広く撮像した撮像画像に対してトリミング処理を施すようにしてもよい。
このようにすることで、たとえ測距手段60を有していなくても、複数の撮像画像どうしの間で拡大率の統一を図る作業の手間を従来よりも低減するこができる。
【0068】
さらに、撮像部2が予め撮像範囲を規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広く撮像した撮像画像に対して画像拡大率調整部26がトリミング処理を施すとき、画像拡大率調整部26の拡大率設定部28は、次のように拡大率を設定してもよい。すなわち、拡大率設定部28は、撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を、撮像範囲が規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広くなるように設定してもよい。
【0069】
撮像部位判定部23は、9枚法の撮像部位を判定する場合に、図9(b)のマトリックスにおいて中央部分および上下左右部分に対応する撮像部位を撮像した後であれば、以下のように判定してもよい。撮像部位判定部23は、マトリックスの四隅部分に対応する撮像部位を撮像する際に、姿勢検出センサ5の検出結果が基準位置から少しでも斜めに傾いたら、傾いた方向に位置する隅部に対応した撮像部位を特定してもよい。具体的には、例えば、右上に少しでも傾いたら、未撮像の四隅のうち右上の位置であると判断してもよい。
【0070】
図18(a)に示すように、規格撮影において、撮像画像にミラー91が写り込むことがある。そこで、撮像画像出力部4は、撮像画像において、ミラー91が写り込みそうな箇所をマスキング処理するようにしてもよい。この場合、撮像画像出力部4は、図18(b)に示すように、口腔内の例えば部位4(上顎咬合面)の撮像画像や部位5(下顎咬合面)の撮像画像について、画像の左端部分92や右端部分93をマスキング処理する。マスキング処理は、ミラー91の縁部が写り込みそうな箇所を隠すことができればよく、例えば口腔内の色に類似した色や目立たない色で塗りつぶす処理でもよい。ここで、口腔内の色に類似した色は、例えば赤や肌色等であり、目立たない色は、例えばグレー等である。
【0071】
規格撮影支援装置1,1Bは、表示操作部10を備えるものとして説明したが、表示部7は液晶表示パネルであることが必須ではなく、操作部8はタッチパネルであることは必須ではない。操作部8のボタンは、タッチパネルに表示されたボタンではない場合、例えばメカニカルスイッチ(シートスイッチを含む)であってもよい。操作部8のボタンがメカニカルスイッチである場合、図12図13のフローチャートにおいてボタンを表示するすべてのステップを削除して動作させるようにしてもよい。操作部8のボタンがメカニカルスイッチである場合や曲面ディスプレイに表示されるボタンである場合、特定部位設定部81を構成する5つのボタンが曲面上に設けられていたとしても、それらの5つのボタンが、ユーザから見たときに十字状に見えるように配置されていればよい。
【0072】
特定部位情報報知領域71は、操作表示部10の画面に表示されるものとして説明したが、これに限らず、特定部位情報報知領域71は、例えば、9枚法の各撮像部位に対応させて縦3列かつ横3行のマトリックス状に配置された9個のLEDランプ等で構成されていてもよい。この場合、撮影モード選択部22は、撮像部位判定部23から、撮像しようとする撮像部位の情報が通知された場合、特定部位情報報知領域71において該当の撮像部位に対応したLEDランプを識別できるように点灯させる。
【0073】
規格撮影支援装置1,1Bは、5枚法または9枚法の撮像部位を自動設定する場合、当該規格撮影支援装置1,1Bが取得しようとする撮像画像の撮像部位が受診者の口腔内における複数の撮像部位のどの撮像部位であるのかを音声で報知するようにしてもよい。
【0074】
以上の実施形態では、規格撮影支援装置1,1Bは、撮像部2と、撮像画像生成部3と、撮像画像出力部4と、姿勢検出センサ5と、記憶装置6と、表示部7と、フットコントローラ9と、を備えたものとしたが、いずれも必須構成ではない。規格撮影支援装置1,1Bは、少なくとも操作部8と、制御部20,20Bとを備えていれば、操作部8で受け付けた設定操作に応じて規格撮影モードを実行するので、従来よりも規格撮影を容易にすることができる。
【0075】
また、規格撮影支援装置1,1Bは、操作部8と、制御部20,20Bとを備えていれば、撮像部2が別体とされてもよく、例えば、撮像部2が接続されたパーソナルコンピュータで構成してもよい。この場合、パーソナルコンピュータの制御部20,20Bは、撮像部2から撮像画像を取得し、例えばマウスやキーボード等の操作部8で受け付けた設定操作に応じて規格撮影モードを実行する。
【0076】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0077】
(付記1)
受診者の口腔内を撮影する規格撮影の撮影モードを備えユーザによる規格撮影を支援する規格撮影支援装置であって、
ユーザからの撮影モードの設定操作を受け付ける操作部と、
前記操作部で受け付けた設定操作に応じて同一受診者の口腔内で特定される複数の撮像部位を撮像部によって撮像したそれぞれの撮像画像を関連付ける規格撮影モードを実行する制御部と、を備えることを特徴とする規格撮影支援装置。
(付記2)
前記操作部は、
前記規格撮影モードを実行するための規格撮影モード実行指示が入力可能な規格撮影モードボタンを有している付記1に記載の規格撮影支援装置。
(付記3)
前記操作部は、
規格撮影の5枚法の撮像画像が取得される5枚法取得モードを実行するのか、または、規格撮影の9枚法の撮像画像が取得される9枚法取得モードを実行するのかを入力可能な取得枚数入力ボタンを有している付記1又は2に記載の規格撮影支援装置。
(付記4)
前記撮像部の基準姿勢に対する前記撮像部の3次元的な姿勢を検出するセンサをさらに備え、
前記制御部は、当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のどの撮像部位であるのかを前記センサの検出結果に基づいて判定する撮像部位判定部を備えている付記1、2又は3に記載の規格撮影支援装置。
(付記5)
前記操作部は、当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のどの撮像部位であるのか、を報知するための特定部位情報報知領域を有している付記4に記載の規格撮影支援装置。
(付記6)
前記特定部位情報報知領域は、規格撮影の5枚法の撮像部位にそれぞれ対応する5つの領域から構成され、
前記5つの領域は、十字状に配置される付記5に記載の規格撮影支援装置。
(付記7)
前記特定部位情報報知領域は、規格撮影の9枚法の撮像部位にそれぞれ対応する9つの領域から構成され、
前記9つの領域は、縦3列かつ横3行のマトリックス状に配置される付記5に記載の規格撮影支援装置。
(付記8)
前記操作部は、
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のうちのどの撮像部位であるのか入力可能な特定部位設定部を有している付記1、2又は3に記載の規格撮影支援装置。
(付記9)
前記特定部位設定部は、規格撮影の5枚法の撮像部位にそれぞれ対応する5つのボタンから構成され、
前記5つのボタンは、十字状に配置される付記8に記載の規格撮影支援装置。
(付記10)
前記特定部位設定部は、規格撮影の9枚法の撮像部位にそれぞれ対応する9つのボタンから構成され、
前記9つのボタンは、縦3列かつ横3行のマトリックス状に配置される付記8に記載の規格撮影支援装置。
(付記11)
前記制御部は、
ユーザ操作により、撮像対象を前記撮像部に撮像させる制御を行う撮像制御部と、
ユーザ操作により前記特定部位設定部に入力された撮像部位を示す情報に対応して、当該撮像部位について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する画像拡大率調整部を備える付記8、9又は10に記載の規格撮影支援装置。
(付記12)
前記制御部は、
ユーザ操作により、撮像対象を前記撮像部に撮像させる制御を行う撮像制御部と、
報知された前記特定部位情報報知領域に対応して、前記取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する画像拡大率調整部を備える付記5、6又は7に記載の規格撮影支援装置。
(付記13)
前記操作部は、
前記規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像の撮像部位が前記複数の撮像部位のうちのどの撮像部位のものなのかを、自動で設定するのか、または、手動で設定するのかを入力可能な撮像部位設定ボタンを有している付記4、5、6、7又は12に記載の規格撮影支援装置。
(付記14)
当該規格撮影支援装置と撮像対象との間の距離を測定する測距手段をさらに備え、
前記画像拡大率調整部は、
前記測距手段の測定結果に基づいて、前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する拡大率設定部を有する付記11又は12に記載の規格撮影支援装置。
(付記15)
前記画像拡大率調整部は、
前記撮像部が予め撮像範囲を規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広く撮像した撮像画像に対してトリミング処理を施す付記11又は12に記載の規格撮影支援装置。
(付記16)
前記画像拡大率調整部は、
前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を、撮像範囲が前記規格撮影で用いられる撮像画像の撮像範囲よりも広くなるように設定する拡大率設定部を有する付記15に記載の規格撮影支援装置。
(付記17)
前記撮像部と、
前記撮像部から出力される画像信号に基づいて撮像画像を生成する撮像画像生成部と、をさらに備え、
前記撮像画像生成部は、前記拡大率設定部で設定された拡大率により前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を調整する付記14又は16に記載の規格撮影支援装置。
(付記18)
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該規格撮影支援装置が取得した撮像画像、を画面に表示する表示部と、前記操作部とが一体に構成された表示操作部を備え、
前記特定部位設定部を構成する各ボタンは、前記表示操作部の画面に表示される特定部位対応画像情報である付記9又は10に記載の規格撮影支援装置。
(付記19)
当該規格撮影支援装置が取得しようとする撮像画像、または、当該規格撮影支援装置が取得した撮像画像、を画面に表示する表示部と、前記操作部とが一体に構成された表示操作部を備え、
前記特定部位情報報知領域を構成する各領域は、前記表示操作部に表示される特定部位対応画像情報である付記6又は7に記載の規格撮影支援装置。
(付記20)
前記制御部は、前記表示操作部の画面での表示内容を制御する表示内容制御部を備え、
前記表示内容制御部は、前記撮像部により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該撮像部位と対応する前記特定部位対応画像情報と置き換えて、前記表示操作部に表示させる付記18又は19に記載の規格撮影支援装置。
(付記21)
前記制御部は、接続された外部モニタの画面での表示内容を制御する表示内容制御部を備え、
前記表示内容制御部は、前記撮像部により取得した特定の撮像部位についての撮像画像を、当該撮像部位と対応する前記特定部位対応画像情報と置き換えて、前記外部モニタの画面に表示させる付記18又は19に記載の規格撮影支援装置。
(付記22)
前記表示内容制御部は、特定の撮像部位に対応した反転処理が施されている撮像画像を前記特定部位対応画像情報と置き換えさせる付記20又は21に記載の規格撮影支援装置。
(付記23)
前記拡大率設定部は、前記測距手段の測定結果に基づいて当該規格撮影支援装置と前記撮像対象との間の距離が異なっても当該撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率が同様となるように、ユーザ操作により予め設定された基準となる拡大率を補正して前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する付記14に記載の規格撮影支援装置。
(付記24)
前記測距手段によって測定可能な距離範囲が分割されて複数の領域が設定され、
当該規格撮影支援装置と前記撮像対象との間の距離が増加するに伴い減少するように、前記複数の領域の各々に、1つの領域用拡大率が設定されており、
前記拡大率設定部は、前記測距手段の測定結果に基づいて、前記領域用拡大率のいずれかを用いて、前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する付記23に記載の規格撮影支援装置。
(付記25)
前記拡大率設定部は、前記領域用拡大率が予め格納されている領域用拡大率テーブルを参照して前記撮像対象について取得しようとする撮像画像の拡大率を設定する付記24に記載の規格撮影支援装置。
(付記26)
当該規格撮影支援装置と前記撮像対象との間の距離と前記設定される拡大率との間の関係式は、当該規格撮影支援装置と前記撮像対象との間の距離が増加するに伴いリニアに減少する1次関数で表され、
前記拡大率設定部は、撮像するにあたって前記1次関数を用いた演算により、前記設定される拡大率を算出する付記23に記載の規格撮影支援装置。
(付記27)
ユーザ操作により前記特定部位設定部に対して入力された撮像部位に対応して、当該撮像部位を撮像対象として取得した撮像画像に施すべき反転処理が、予め用意された複数の反転処理のうちのどれであるのかを判定する反転パターン判定部と、
前記反転パターン判定部の判定結果に基づいて、取得した撮像画像に対し反転処理を施して出力する撮像画像出力部と、をさらに備えている付記9、10又は11に記載の規格撮影支援装置。
(付記28)
前記撮像部位判定部で判定された撮像部位に対応して、当該撮像部位を撮像対象として取得した撮像画像に施すべき反転処理が、予め用意された複数の反転処理のうちのどれであるのかを判定する反転パターン判定部と、
前記反転パターン判定部の判定結果に基づいて、取得された撮像画像に対し反転処理を施して出力する撮像画像出力部と、をさらに備えている付記4に記載の規格撮影支援装置。
(付記29)
前記撮像画像出力部は、前記反転処理が施された撮像画像のデータを、前記取得した撮像対象の撮像部位に関する情報を含んだ形式で出力する付記27又は28に記載の規格撮影支援装置。
(付記30)
前記出力された撮像画像のデータを記憶する記憶装置をさらに備えている付記27、28又は29に記載の規格撮影支援装置。
(付記31)
前記測距手段は、測距センサであり、
前記測距センサは、前記撮像対象に対して有色光を照射する機能を有する付記14、23、24、25又は26に記載の規格撮影支援装置。
【符号の説明】
【0078】
1,1B 規格撮影支援装置
2 撮像部
3 撮像画像生成部
4 撮像画像出力部
5 姿勢検出センサ
6 記憶装置
7 表示部
8 操作部
9 フットコントローラ
10 表示操作部
20,20B 制御部
21 一時記憶部
22 撮影モード選択部
23 撮像部位判定部
24 反転パターン判定部
25 表示内容制御部
26,26B 画像拡大率調整部
27 撮像制御部
28 拡大率設定部
31 本体部
32 把持部
60 測距手段
71 特定部位情報報知領域
81 特定部位設定部
100 外部モニタ
100a 画面
B01 通常撮影モードボタン
B02 規格撮影モードボタン
B03,B04 取得枚数入力ボタン
B05,B06 撮像部位設定ボタン
図1
図2
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