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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】鉄筋用ロッド支持具
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/06 20060101AFI20231013BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20231013BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G01C15/06 Z
E04G21/12 105Z
E04G21/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023086210
(22)【出願日】2023-05-25
【審査請求日】2023-07-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522347531
【氏名又は名称】株式会社山城建設
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】山城 匡雄
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-008347(JP,A)
【文献】実開平01-168816(JP,U)
【文献】実開昭61-015513(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00-3/56
G01C 15/00-15/14
E04G 21/12、21/16
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状に形成され、現場記録写真の撮影の際に鉄筋に固定されてその基準とされるロッドのロッド本体に対し、着脱自在に取り付けられる鉄筋用ロッド支持具であって、
その内側で前記ロッド本体を支持する第1のフック部と、
その内側で前記鉄筋に係止する第2のフック部と、
前記第1のフック部および前記第2のフック部を連結する第1の連結部と、
前記第1のフック部の先端部または中央部に進退自在に螺設される締結ボルトと、を含み、
前記第1のフック部および前記第2のフック部は、板状、棒状または筒状に延在して形成され、
前記第1のフック部の先端部および前記第2のフック部の先端部は、前記第1の連結部を介して互いに反対方向に向いて配設され、
前記締結ボルトの先端が前記ロッド本体の表面を押圧して前記ロッド本体の裏面が前記第1の連結部の表面に係合することで、支持具本体が前記ロッド本体に固定され、
前記第2のフック部は、その基端部に配設され前記第1の連結部と連結する第1の屈曲部と、その先端部に配設されるとともに前記第1の屈曲部と比べて緩やかに曲がって形成される第1の湾曲部と、を有し、
前記第1の湾曲部は、その先端に行くに従って前記第1の連結部に近接するように湾曲して形成される、
鉄筋用ロッド支持具。
【請求項2】
前記第2のフック部は、平坦状に延在して形成され、前記第1の屈曲部および前記第1の湾曲部の間に配設され前記第1の屈曲部および前記第1の湾曲部のそれぞれの端部に連結する第2の連結部をさらに有する、
請求項1に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【請求項3】
前記第1のフック部は、その基端部に配設され前記第1の連結部と連結する第3の連結部と、平坦状に延在して形成され、かつ前記第3の連結部に連結するともに前記第1の連結部の延在方向に対して起立して配設される第1の平坦部と、前記第1の平坦部と連結する第4の連結部と、その先端部に配設されるとともに平坦状に延在して形成され、かつ前記第4の連結部に連結するとともに前記第1の連結部の延在方向に沿って配設される第2の平坦部と、を有する、
請求項1に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【請求項4】
前記第3の連結部、および前記第4の連結部は、屈曲して形成される、
請求項3に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【請求項5】
前記ロッド本体は、長板状に延在して形成されており、
前記ロッド本体の底面部が前記第1の平坦部に係合した状態において、前記締結ボルトの先端が前記ロッド本体を押圧するときの押圧点が、前記ロッド本体の、長手方向および厚さ方向ともに直交する方向である、高さ方向での寸法で1/2倍以上1倍未満の範囲に位置するように配設される、
請求項3に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【請求項6】
前記第1の連結部は平坦状に形成され、
前記第1のフック部と前記第2のフック部と前記第1の連結部とは、板状部材から一体形成される、
請求項1または2に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場記録写真の撮影の際に鉄筋に固定されてその基準とされるロッド本体に対し、着脱自在に取り付けられる鉄筋用ロッド支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に関する鉄筋の工事現場において、その鉄筋の配筋が規定どおりに設置されているか否かを行政機関などが確認するために、その鉄筋の設置状況をその現場記録として写真撮影することが、法律的に義務づけられている。鉄筋は所定の間隔で配筋されていることを写真で記録する必要があり、この現場記録写真の撮影の際には配筋ロッド(標尺)が使用される。配筋ロッドは長尺状に形成されるとともにその長手方向に沿って目盛りが刻印されており、鉄筋に固定されることで写真撮影の目印(基準)とされる。
【0003】
その配筋ロッドの固定については、撮影の際、作業員が把持して鉄筋に対し固定して行われるのが一般的であり、その作業には複数の作業者が必要となっている。煩雑な作業となっており、従前よりその改善が求められていた。この撮影の作業を省人化または効率化を実現するため、その配筋ロッドを固定したり、または保持したりする鉄筋用ロッド支持具(以下「支持具」ともいう。)が複数提案されている。
【0004】
その従来の支持具の一例としては、現場記録写真の撮影の際に鉄筋に取り付けられて目印とされるマーカー本体を有し、このマーカー本体の正面側には、彩色が施された識別部が設けられるものが知られる(たとえば特許文献1参照)。また、この装具のマーカー本体の背面側には鉄筋を着脱可能に狭持する狭持部が設けられる。この狭持部は、鉄筋の節に係止可能な間隔で縦方向に並列される複数の狭持腕を有して設けられる。
【0005】
また、その装具の他の一例としては、ロッド本体に永久磁石が装架されるスライド金具をそのロッド本体の長手方向に摺動自在に装着することで、その永久磁石の吸着力を利用して、鉄筋にロッド本体を強固に固定しようとするものも知られる(たとえば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-008347号公報
【文献】実開昭63-031321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載の装具は、挟持部およびその挟持腕の構造を有し構造が複雑である上、工事現場において配筋ロッド本体への取り付けまたは取り外しも煩雑である可能性がある。前記特許文献2に記載の装具は、永久磁石の磁力(吸着力)によりロッド本体を鉄筋に固着させる構造であるが、その吸着力を大きくする必要があり、その磁力の大きさから現場での固着位置の調整作業が煩雑となる可能性がある。
【0008】
また、鉄筋が用いられる工事現場では、さまざまな径の鉄筋が横筋および縦筋として混在して配置され、さらにはその横筋が縦筋よりも前方(外側)に配置される場合、またその逆の場合など、鉄筋の径が異なるだけではなく、その横筋または縦筋の前後(内外)関係も適宜変更されて配筋され、これらが混在している状況となっている。このような状況下で、それら従来の支持具は工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋に適応できない場面が多々あった。
【0009】
そのように、それら従来の支持具は、構造の簡素化、および工事現場でのさまざまな経の鉄筋に対する取り付け作業性の点で、改善の余地があったといえる。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる鉄筋用ロッド支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前述した目的は、後記の構成により達成される。
[1]
長尺状に形成され、現場記録写真の撮影の際に鉄筋に固定されてその基準とされるロッドのロッド本体に対し、着脱自在に取り付けられる鉄筋用ロッド支持具であって、
その内側で前記ロッド本体を支持する第1のフック部と、
その内側で前記鉄筋に係止する第2のフック部と、
前記第1のフック部および前記第2のフック部を連結する第1の連結部と、
前記第1のフック部の先端部または中央部に進退自在に螺設される締結ボルトと、を含み、
前記第1のフック部および前記第2のフック部は、板状、棒状または筒状に延在して形成され、
前記第1のフック部の先端部および前記第2のフック部の先端部は、前記第1の連結部を介して互いに反対方向に向いて配設され、
前記締結ボルトの先端が前記ロッド本体の表面を押圧して前記ロッド本体の裏面が前記第1の連結部の表面および/または前記第1のフック部の内側の表面に係合することで、支持具本体が前記ロッド本体に固定され、
前記第2のフック部は、その基端部に配設され前記第1の連結部と連結する第1の屈曲部と、その先端部に配設されるとともに前記第1の屈曲部と比べて緩やかに曲がって形成される第1の湾曲部と、を有し、
前記第1の湾曲部は、その先端に行くに従って前記第1の連結部に近接するように湾曲して形成される、
鉄筋用ロッド支持具。
[2]
前記第2のフック部は、平坦状に延在して形成され、前記第1の屈曲部および前記第1の湾曲部の間に配設され前記第1の屈曲部および前記第1の湾曲部のそれぞれの端部に連結する第2の連結部をさらに有する、
[1]に記載の鉄筋用ロッド支持具。
[3]
前記第1のフック部は、その基端部に配設され前記第1の連結部と連結する第3の連結部と、平坦状に延在して形成され、かつ前記第3の連結部に連結するともに前記第1の連結部の延在方向に対して起立して配設される第1の平坦部と、前記第1の平坦部と連結する第4の連結部と、その先端部に配設されるとともに平坦状に延在して形成され、かつ前記第4の連結部に連結するとともに前記第1の連結部の延在方向に沿って配設される第2の平坦部と、を有する、
[1]に記載の鉄筋用ロッド支持具。
[4]
前記第3の連結部、および前記第4の連結部は、屈曲して形成される、
[3]に記載の鉄筋用ロッド支持具。
[5]
前記ロッド本体は、長板状に延在して形成されており、
前記ロッド本体の底面部が前記第1の平坦部に係合した状態において、前記締結ボルトの先端が前記ロッド本体を押圧するときの押圧点が、前記ロッド本体の、長手方向および厚さ方向ともに直交する方向である、高さ方向での寸法で1/2倍以上1倍未満の範囲に位置するように配設される、
[3]に記載の鉄筋用ロッド支持具。
[6]
前記第1の連結部は平坦状に形成され、
前記第1のフック部と前記第2のフック部と前記第1の連結部とは、板状部材から一体形成される、
[1]または[2]に記載の鉄筋用ロッド支持具。
【0012】
前記[1]の構成によれば、第1のフック部、第2のフック部、第1の連結部および締結ボルトを基本構造に有して固定するものであり簡易な構造で鉄筋への固定を実現することができる。また、締結ボルトの先端がロッド本体の表面を押圧してロッド本体の裏面が第1の連結部の表面に係合することで、支持具本体がロッド本体に固定されるため、支持具本体およびロッド本体を強固に固定しながらその取り付けが容易である。さらに、固定状態から締結ボルトをその螺合孔などに対し退避させることで支持具本体およびロッド本体の固定関係を解除してロッド本体の長手方向または高さ方向(鉛直方向)での位置調整を容易に実現することができる。また、第2のフック部は、その基端部に配設され第1の連結部と連結する第1の屈曲部と、第1の屈曲部と比べて緩やかに曲がって形成されるともにその先端部に配設される第1の湾曲部と、を有する。そして、第1の湾曲部は、その先端に行くに従って第1の連結部に近接するように湾曲して形成される。これにより、さまざまな径の鉄筋、またはその前後関係に関わりなく適応的に対応して安定して係合する。つまり、現場のそれぞれで鉄筋の径が異なって混在する場合にも、あるいは現場のそれぞれで横筋および縦筋が前後(外側または内側(奥側))が異なる場合であっても、それぞれの現場の状況に応じて、第2のフック部が適応的に対応してロッドが傾斜するのを防止して、ロッドを安定的に保持することができる。このように、簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる。
前記[2]の構成によれば、さまざまな径の鉄筋、またはたとえば鉄筋の横筋および縦筋の配置が前後(外側または内側(奥側))で異なった場合でもより適応的に対応して安定して係合することができる。
前記[3]の構成によれば、ロッド本体をその断面形状に応じて的確に支持してガタツキなく支持具本体に対して固定することができる。
前記[4]の構成によれば、ロッド本体をその断面形状に応じてより的確に支持することができる。
前記[5]の構成によれば、鉄筋の隣接する横筋の離間距離(縦方向(鉛直方向)の隙間寸法)に応じて、固定状態から締結ボルトをその螺合孔などに対し退避させ支持具本体およびロッド本体の固定関係を解除した上で、そのロッド本体の高さ方向での位置調整を容易に実現して適応的に保持および固定することができる。
前記[6]の構成によれば、板状部材から一体成形されるため、より簡易な構造を実現して製造コストを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来例の第2のフック部の構造を説明する模式図
図2】本発明の第2のフック部の構造を説明する模式図
図3】工事現場での梁の鉄筋配置図の一例
図4】工事現場での壁の鉄筋配置図の一例
図5】工事現場での柱の鉄筋配置図の一例
図6図3に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図
図7図4に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図
図8図5に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図
図9】本発明に係る第1実施形態の支持具が第1のロッドに取り付けられた状態の一例を示す正面図
図10図9に示す支持具の構造の一例を説明する拡大斜視図
図11図9に示す支持具の構造の一例を説明する拡大側面図
図12図9に示す支持具の使用状態の一例を説明する第1の模式図
図13図12に示す使用状態後の一例を説明する第2の模式図
図14図13に示す使用状態後の一例を説明する第3の模式図
図15図9示すロッド以外のロッドに対して図10に示す支持具が取り付けられる一例を説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明に係る技術的意義および本発明に係る鉄筋用ロッド支持具を具体的に開示する1つまたは複数の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、すでによく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、添付図面のそれぞれは符号の向きにしたがって参照するものとする。
【0019】
たとえば、以下の実施形態ではロッドの一例としてクロスロッドを採用した場合について説明するがこれに限定されない。単一のロッド、またはリボンテープ型のロッド(後述参照)などの、種々のタイプのロッドに対しても本発明を適用することが可能である。
【0020】
また、特段のことわりがない限り、この明細書および添付された請求項において使用されるパラメータ、反応条件および成分の濃度などを表す全ての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。従って、反対に指示されない限り、以下の明細書および添付の請求項において示された数的パラメータは、少なくとも特定の分析技法に依存して変化し得る近似である。
【0021】
<用語の説明>
「を含む」および「を含有する」と同義である用語「を含む」または「により特徴づけられる」は、包括的または開放型な意味で解釈されるものであり、追加の、挙げられていない要素または方法のステップを排除しない。「を含む」は、請求項の言語で使用される技術用語であり、それは名を挙げられた請求項要素は必須であるが、他の請求項要素が追加されて請求項の範囲内で構成物をさらに形成してもよいことを意味する。
【0022】
また、本明細書において「からなる」という語句が使用される場合、この「からなる」という語句は、請求項で特定されていない、いかなる要素、ステップまたは成分も排除する。語句「からなる(またはその変形)」が、プリアンブルの直後ではなくむしろ、請求項の本体の節に現れる場合、それは、その節において示された要素のみを限定し、他の要素が当該請求項全体から排除されるのではない。本明細書において使用する語句「から本質的になる」は、請求項の範囲を、特定された要素または方法ステップに加えて、請求された対象事物の主成分および新規な特徴(単数または複数)に実質的に影響しないものに限定する。
【0023】
用語「を含む」、「からなる」および「から本質的になる」に関して、これら3つの用語の1つが本明細書において使用される場合、本発明で開示されたおよび請求された対象事物は、他の2つの用語のいずれかの使用も含むこともある。従って、そうではないと明示的に挙げなかったいくつかの実施形態において、「を含む」の任意の場合が、「からなる」または「から本質的になる」によって置き換えられ得る。
【0024】
用語「工程」もしくは「ステップ」は、プロセスまたは方法の特徴に関連して、明示的に用いられ、または暗示的に用いられ得る。しかしながら、順番または手順について明記されない限り、このような明示的な工程もしくはステップの間、または暗示的な工程もしくはステップの間における、順番または手順は、限定されない。
【0025】
用語「屈曲」および「湾曲」に関して、これら2つの用語の1つのそれぞれが単独で本明細書の1つのセンテンスにおいて使用される場合、同義的に解釈され、たとえば、共通して物体または構造の所定の部分が何らかの方法で曲がっている、またはカーブしている状態を表現する。その一方、その両方が1つのセンテンスにおいて使用される場合、その文脈において相違があると理解され、その理解の1つとしてその曲がりまたはカーブの度合いが違うものと理解される。「屈曲」が「湾曲」よりもその度合いが高いものと理解される。
【0026】
<本発明の技術的意義>
図1図8に基づいて、本発明の技術的意義について第2のフック部に焦点を絞って説明する。理解を容易にするために従来例を挙げて本発明と従来例とを比較しながら説明する。
図1は、従来例の第2のフック部の構造を説明する模式図である。
図2は、本発明の第2のフック部の構造を説明する模式図である。
図3は、工事現場での梁の鉄筋配置図の一例である。
図4は、工事現場での壁の鉄筋配置図の一例である。
図5は、工事現場での柱の鉄筋配置図の一例である。
図6は、図3に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図である。
図7は、図4に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図である。
図8は、図5に示す鉄筋配置状態での本発明と従来例との比較図である。
【0027】
図1に示すように、従来例の第2のフック部は、曲率一定の円弧状に湾曲されて形成される。
【0028】
その一方、図2に示すように、本発明の第2のフック部は、その基端部に配設され第1の連結部と連結する第1の屈曲部と、その先端部に配設されるとともに第1の屈曲部と比べて緩やかに曲がって形成される第1の湾曲部と、を有する(以下「Aの構成」ともいう:詳細は後述参照)。そして、第1の湾曲部は、その先端に行くに従って第1の連結部に近接するように湾曲して形成される(以下「Bの構成」ともいう:詳細は後述参照)。
【0029】
そして、図3図5に示すように、鉄筋が用いられる工事現場では、さまざまな径の鉄筋が横筋および縦筋として混在して配置される。さらには、その横筋が縦筋よりも前方(外側)に配置される場合、またその逆の場合があるなど、鉄筋の径が異なるだけではなく、その横筋または縦筋の前後(内外)関係も適宜変更されて配筋され、これらが混在している状況なっている。
なお、前述のように、図3は、工事現場での梁の鉄筋配置の一例を示す。図4は、工事現場での壁の鉄筋配置の一例を示す。図5は、工事現場での柱の鉄筋配置の一例を示す。
【0030】
図6図8に示すように、そのような状況下で鉄筋用ロッド支持具を用いてロッドを鉄筋に固定する際、従来例で前述のように第2のフック部は曲率一定の円弧状に湾曲されて形成される場合には、ロッド本体の重量によりロッド本体が傾斜した状態で鉄筋に保持される可能性がある。その一方、前述のように本発明は、Aの構成およびBの構成を含んで構成されるため、さまざまな径の鉄筋、またはその前後関係に関わりなく適応的に対応して安定して係合する。
【0031】
すなわち、現場のそれぞれで鉄筋の径が異なって混在する場合にも、あるいは現場のそれぞれで横筋および縦筋が前後(外側または内側(奥側))が異なる場合でも、それぞれの現場の状況に応じて、本発明の第2のフック部が適応的に対応してロッドが傾斜するのを防止して、ロッドを安定的に保持することが可能となる。
【0032】
具体的には、図6および図7に示すように、縦筋が外側に配置されかつ横筋がその内側(奥側)に配置される場合、本発明の前述のAの構成およびBの構成によれば、その第2のフック部の第1の湾曲部で鉄筋に係合してロッド本体を傾けることなく安定して保持することが可能となる。
【0033】
また、図8に示すように、縦筋が奥側に配置され横筋がその外側に配置される場合、本発明の前述のAの構成およびBの構成によれば、その第2のフック部の第2の湾曲部で鉄筋に係合してロッド本体を傾けることなく安定して保持することが可能となる。
【0034】
そのように、本発明は、従来技術に見られない特徴的部分を含んでおり、その具体的態様として以下に説明する1つまたは複数の実施形態に例示されるような特有の技術的思想を構成する。
【0035】
<第1実施形態>
図9図15に基づいて、本発明に係る鉄筋用ロッド支持具10(以下「支持具」ともいう。)の第1実施形態について説明する。
【0036】
[・支持具の全体概要および取付状態について]
図9を参照しながら、支持具10の全体概要および取付状態の一例について説明する。
図9は、本実施形態の支持具10が第1のロッド31に取り付けられた状態の一例を示す正面図である。
【0037】
図1に示すように、本実施形態の支持具10は、ロッド30に取り付けられる。
【0038】
本実施形態のロッド30は、いわゆるクロスロッド型であり、第1のロッド31(ロッド本体の一例)および第2のロッド32を含んで構成される。また、第1のロッド31および第2のロッド32は、長尺状の平板部材からなり、その中心部で重ね合わされておりかつ互いに回動自在に枢着される。工事現場の作業者は、第1のロッド31および第2のロッド32を、任意の位置で直交した状態で保持することが可能である。
【0039】
また、第1のロッド31および第2のロッド32の表面において、その一対の長辺部のそれぞれには、その長手方向に沿って目盛り33が刻印される。この刻印される目盛り33に基づいて、工事現場で実施される鉄筋40の配筋ピッチ(設置された鉄筋40の間隔)が測定可能にされる。
【0040】
つまり、工事現場で格子状に配筋される鉄筋40に対し、第1のロッド31は横方向(水平方向)に配筋される鉄筋42(以下「横筋」ともいう。)に沿って配置される。そして、第2のロッド32は第1のロッド31に対し回動されることで、縦方向(鉛直方向)に配筋される鉄筋41(以下「縦筋」ともいう。)に沿って配置される。そのように第1のロッド31および第2のロッド32が直交して配置された状態で、現場記録写真が撮影される。その撮影された現場記録写真によって、水平方向および鉛直方向の鉄筋40の配筋ピッチが把握および記録されることになる。
【0041】
また、本実施形態では、第1のロッド31において長手方向両端部のそれぞれにおいて、本発明に係る支持具10が取り付けられる。
【0042】
支持具10は、長尺状に形成され、現場記録写真の撮影の際に鉄筋40に固定されて、その基準とされる、ロッド30の第1のロッド31に対し、着脱自在に取り付けられる。支持具10は、後述のように第1のフック部11および第2のフック部16を含んで構成される。支持具10は、第1のフック部11で第1のロッド31を支持する。支持具10は、第2のフック部16で鉄筋40のうち横筋42に係止する。
【0043】
[・支持具10の構造について]
図10および図11を参照しながら、支持具10の構造の一例について説明する。
図10は、図9に示す支持具10の構造の一例を説明する拡大斜視図である。
図11は、図9に示す支持具10の構造の一例を説明する拡大側面図である。
【0044】
図10および図11に示すように、本実施形態の支持具10は、第1のフック部11と、第2のフック部16と、第1の連結部20と、締結ボルト21を、を含んで構成される。
【0045】
第1のフック部11、第2のフック部16および第1の連結部20のそれぞれは平板状に形成される。すなわち、第1のフック部11、第2のフック部16および第1の連結部20のそれぞれは板状部材からなり、たとえばプレス加工などにより板状部材から一体形成される。第1の連結部20は、第1のフック部11および第2のフック部16を連結して配設される。工事現場での支持具10使用時などにおいて、第1の連結部20は、鉛直方向(重力方向)に沿って延在して配置される(後述参照)。
【0046】
第1のフック部11および第2のフック部16のそれぞれは、フックとして機能するように互いに全体としてカーブして形成される。そして、第1のフック部11の先端部および第2のフック部16の先端部は、第1の連結部20を介して互いに反対方向に向いて(背を向けて)配設される。
【0047】
なお、本実施形態では、第1のフック部11、第2のフック部16および第1の連結部20のそれぞれは、板状に延在して形成されるが、これに限定されない。その他に、第1のフック部11、第2のフック部16および第1の連結部20のそれぞれは、棒状または筒状に延在して形成されてもよい。
【0048】
第1のフック部11は、前述のように全体としてカーブして形成されており、その内側で第1のロッド31を支持する。また、第1のフック部11は、第2の屈曲部12(第3の連結部の一例)と、第1の平坦部13と、第3の屈曲部14(第4の連結部の一例)と、第2の平坦部15と、を有する。
【0049】
第2の屈曲部12は、略直角状にカーブして形成され、第1のフック部11の基端部に配設され、第1の連結部20の基端部(下端部)に対し第2の屈曲部12の基端部で連結する。第1の平坦部13は、平坦状に延在して形成され、かつその基端部で第2の屈曲部12に連結するともに第1の連結部20の延在方向に対して起立して配設される。つまり、第1の平坦部13は、支持部使用時などにおいて、水平方向に沿って延在して形成される。
【0050】
第3の屈曲部14は、略直角状にカーブして形成され、第1の平坦部13の先端部に対し第3の屈曲部14の基端部で連結する。第2の平坦部15は、第1のフック部11の先端部に配置されるとともに、平坦状に延在して形成される。また、第2の平坦部15は、第3の屈曲部14の先端部に対し第2の平坦部15の基端部で連結するとともに、第1の連結部20の延在方向に沿って配設される。第2の平坦部15の先端は、自由端とされる。
【0051】
なお、本実施形態では、第2の屈曲部12および第3の屈曲部14は、屈曲して形成されるが、この形状に限定されない。その隣接する部分を連結することが可能であれば、すなわち連結する機能を有するものであれば、その形状は種々のものを採用することが可能であり任意である。また、第2の平坦部15は、その先端に行くに従って第1の連結部20に離間して延設されるように、換言すれば、第1の連結部20の延在方向に対して外方に傾斜して形成されてもよい。
【0052】
第2のフック部16は、前述のように第1のフック部11とは反対方向で全体としてカーブして形成されており、その内側で鉄筋40(横筋42)に係止する。また、第2のフック部16は、第1の屈曲部17と、第3の平坦部18(第2の連結部の一例)と、第1の湾曲部19と、を有する。
【0053】
第1の屈曲部17は、鋭角(略45度程度)にカーブして形成され、第2のフック部16の基端部に配設され第1の連結部20の先端部(上端部)に対し第1の屈曲部17の基端部で連結する。第1の湾曲部19は、その先端部に配設されるとともに第1の屈曲部17と比べて緩やかに曲がって形成される。また、第1の湾曲部19は、その先端に行くに従って第1の連結部20に近接するように湾曲して形成される。第1の湾曲部19の先端は、自由端とされる。第3の平坦部18は、平坦状に延在して形成され、第1の屈曲部17および第1の湾曲部19の間に配設され第1の屈曲部17および第1の湾曲部19のそれぞれの端部に連結する。
【0054】
また、本実施形態では、第1のフック部11の先端部には螺合孔22が形成されており、締結ボルト21がこの螺合孔22に対し進退自在に螺合(螺設)される。第1のフック部11の内側に第1のロッド31が配置された状態で、締結ボルト21の先端が第1のロッド31(ロッド本体の一例)の表面を押圧して、第1のロッド31の裏面が第1の連結部20の表面に係合する。それにより、支持具10本体が第1のロッド31に強固に固定される。
【0055】
さらに、本実施形態では、ロッド本体の底面部が第1のフック部11の第1の平坦面に係合した状態において、締結ボルト21の先端が第1のロッド31(ロッド本体の一例)を押圧するときの押圧点が、第1のロッド31の、長手方向および厚さ方向ともに直交する方向である、高さ方向での寸法で1/2倍以上1倍未満の範囲に位置するように配設される。すなわち、そのように実現されるように、第1のフック部11の第2の平坦部15の長さ寸法、および螺合孔22の位置などが調整および/または設計される。
【0056】
なお、本実施形態の締結ボルト21は蝶ボルトとされる。それにより、工事現場に工具がなくてもその蝶部分を用いて作業者が容易に締結ボルト21を進退させて第1のロッド31との固定状態を強めたり(より強固に締結したり)または緩めたり(解除したり)することが可能である。ただし、これに限らず、六角ボルトなどの種々のボルトも採用することも可能である。
【0057】
また、締結ボルト21の先端に弾性体(たとえば樹脂部材またはゴム部材)のチップを配設したり、あるいは締結ボルト21の先端面よりも大きい面積を有する平板を取り付けたりしてもよい。この場合、締結ボルト21によって締結する際、締結による第1のロッド31の破損または損傷(キズなど)を防止することが可能となる。
【0058】
[・支持具の使用方法について]
図12図14を参照しながら、本実施形態の支持具10の使用方法の一例について説明する。
図12は、図9に示す支持具10の使用状態の一例を説明する第1の模式図である。
図13は、図12に示す使用状態後の一例を説明する第2の模式図である。
図14は、図13に示す使用状態後の一例を説明する第3の模式図である。
【0059】
図12に示すように、作業者(不図示)は、ロッド30の第1のロッド31の長手方向一方側に本実施形態の支持具10を取り付け、締結ボルト21を螺合孔22に対しその奥側に進行するようにその蝶部分を用いて回動して締結していく。その回動の結果、締結ボルト21の先端が第1のロッド31の表面を押圧して、第1のロッド31の裏面が第1の連結部20の表面に係合することで、支持具10の本体が第1のロッド31に固定される。
【0060】
その一方、第1のロッド31の長手方向他方側にも同様に支持具10が取り付けられる。すなわち、第1のロッド31に対し一対の支持具10が取り付けられる。このとき、その長手方向他方側の支持具10においてその本体および第1のロッド31が仮固定される程度に、締結ボルト21は螺合孔22に螺合され強固に締結されない。換言すれば、この時点では、長手方向他方側の支持具10は、第1のロッド31との間に遊びを有しており、その長手方向および鉛直方向に摺動自在(可能)に取り付けられる。このとき、作業者は、長手方向一方側の支持具10の第2のフック部16で横筋42に係止させる。
【0061】
またこのとき、図13に示すように、作業者は、長手方向他方側の支持具10をその長手方向で摺動させて、縦筋41と物理的に干渉しない位置に調整する。
【0062】
さらに、図14に示すように、第1のロッド31が横筋42の一部を覆い隠しており、その状態を解消するため、第1のロッド31の長方向一方側の締結ボルト21の締結状態(押圧状態)を緩める。そして、両方の締結ボルト21の締結状態が緩解された状態、かつ一対の支持具10がその第2のフック部16で係止した状態で、第1のロッド31のみを鉛直方向上方に移動させる。
【0063】
つまり、作業者は、第1のロッド31の底面部が第1のフック部11の第1の平坦面に係合した状態から上方に離間移動して、隠れた鉄筋40が視認可能となる位置にまで第1のロッド31を位置させる。その位置調整の上で、作業者は、両方の締結ボルト21を再度回動操作することで締結し、支持具10を第1のロッド31に強固に固定する。作業者は、一対の支持具10の第2のフックを横筋42に係止させ、ロッド30の全体を鉄筋40に対して安定的かつ適応的に保持させることが可能となる。
【0064】
[・本実施形態の特徴および利点について]
以上説明したように本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、長尺状に形成され、現場記録写真の撮影の際に鉄筋40に固定されてその基準とされるロッド30のロッド本体に対し、着脱自在に取り付けられる鉄筋用ロッド支持具10である。鉄筋用ロッド支持具10は、その内側でロッド本体を支持する第1のフック部11と、その内側で鉄筋40に係止する第2のフック部16と、第1のフック部11および第2のフック部16を連結する第1の連結部20と、第1のフック部11の先端部または中央部に進退自在に螺設される締結ボルト21と、を含む。第1のフック部11および第2のフック部16は、板状、棒状または筒状に延在して形成される。第1のフック部11の先端部および第2のフック部16の先端部は、第1の連結部20を介して互いに反対方向に向いて配設される。締結ボルト21の先端がロッド本体の表面を押圧してロッド本体の裏面が第1の連結部20の表面および/または第1のフック部11の内側の表面に係合することで、支持具10本体がロッド本体に固定される。第2のフック部16は、その基端部に配設され第1の連結部20と連結する第1の屈曲部17と、その先端部に配設されるとともに第1の屈曲部17と比べて緩やかに曲がって形成される第1の湾曲部19と、を有する。第1の湾曲部19は、その先端に行くに従って第1の連結部20に近接するように湾曲して形成される。
【0065】
このため、第1のフック部11、第2のフック部16、第1の連結部20および締結ボルト21を基本構造に有して固定するものであり簡易な構造で鉄筋40への固定を実現することができる。また、締結ボルト21の先端が第1のロッド31(ロッド本体の一例)の表面を押圧してロッド本体の裏面が第1の連結部20の表面に係合することで、支持具10本体が第1のロッド31(ロッド本体の一例)に固定される。これにより、支持具10の本体および第1のロッド31を強固に固定しながらその取り付けが容易となる。
【0066】
さらに、固定状態から締結ボルト21をその螺合孔22などに対し退避させることで支持具10の本体および第1のロッド31(ロッド本体の一例)の固定関係を解除して第1のロッド31の長手方向または高さ方向(鉛直方向)での位置調整を容易に実現することができる。
【0067】
また、第2のフック部16は、その基端部に配設され第1の連結部20と連結する第1の屈曲部17と、第1の屈曲部17と比べて緩やかに曲がって形成されるともにその先端部に配設される第1の湾曲部19と、を有する。そして、第1の湾曲部19は、その先端に行くに従って第1の連結部20に近接するように湾曲して形成される。これにより、前述のように、さまざまな径の鉄筋40、またはその前後関係に関わりなく適応的に対応して安定して係合する。
【0068】
つまり、現場のそれぞれで鉄筋40の径が異なって混在する場合にも、あるいは現場のそれぞれで横筋42および縦筋41が前後(外側または内側(奥側))が異なる場合であっても、それぞれの現場の状況に応じて、第2のフック部16が適応的に対応してロッド30が傾斜するのを防止して、ロッド30を安定的に保持することができる。
【0069】
このように、簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋40にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋40への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる。
【0070】
また、本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、第2のフック部16は、平坦状に延在して形成され、第1の屈曲部17および第1の湾曲部19の間に配設され第1の屈曲部17および第1の湾曲部19のそれぞれの端部に連結する第3の平坦部18(第2の連結部の一例)をさらに有する。
【0071】
このため、さまざまな径の鉄筋40、またはたとえば鉄筋40の横筋42および縦筋41の配置が前後(外側または内側(奥側))で異なった場合でもより適応的に対応して安定して係合することができる。
【0072】
また、本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、第1のフック部11は、その基端部に配設され第1の連結部20と連結する第2の屈曲部12(第3の連結部の一例)と、平坦状に延在して形成され、かつ第2の屈曲部12に連結するともに第1の連結部20の延在方向に対して起立して配設される第1の平坦部13と、第1の平坦部13と連結する第3の屈曲部14(第4の連結部の一例)と、その先端部に配設されるとともに平坦状に延在して形成され、かつ第3の屈曲部14に連結するとともに第1の連結部20の延在方向に沿って配設される第2の平坦部15と、を有する。
【0073】
このため、第1のロッド31(ロッド本体の一例)をその断面形状に応じて的確に支持してガタツキなく支持具10の本体に対して固定することができる。
【0074】
また、本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、第2の屈曲部12(第3の連結部の一例)、および第3の屈曲部14(第4の連結部の一例)は、屈曲して形成される。
【0075】
このため、第1のロッド31(ロッド本体の一例)をその断面形状に応じてより的確に支持することができる。
【0076】
また、本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、第1のロッド31(ロッド本体の一例)は、長板状に延在して形成されており、第1のロッド31の底面部が第1の平坦面に係合した状態において、締結ボルト21の先端が第1のロッド31を押圧するときの押圧点が、第1のロッド31の、長手方向および厚さ方向ともに直交する方向である、高さ方向での寸法で1/2倍以上1倍未満の範囲に位置するように配設される。
【0077】
このため、鉄筋40の隣接する横筋42の離間距離(縦方向(鉛直方向)の隙間寸法)に応じて、固定状態から締結ボルト21をその螺合孔22などに対し退避させ支持具10本体および第1のロッド31(ロッド本体の一例)の固定関係を解除した上で、その第1のロッド31の高さ方向での位置調整を容易に実現して支持具10本体を適応的に保持および固定することができる。
【0078】
また、本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10によれば、第1の連結部20は平坦状に形成され、第1のフック部11と第2のフック部16と第1の連結部20とは、板状部材から一体形成される。
【0079】
このため、板状部材から一体成形されるため、より簡易な構造を実現して製造コストを抑制することができる。
【0080】
[・本実施形態の第1変形例について]
図15を参照しながら、本実施形態の第1変形例について説明する。
図15は、図9示すロッド30以外のロッド50に対して図10に示す支持具10が取り付けられる一例を説明する斜視図である。
【0081】
図15に示すように、前述の支持具10は、リボンテープ型のロッド50にも同様に取り付けることが可能である。この場合にも、前述の実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0082】
<さいごに>
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる鉄筋用ロッド支持具として有用である。
【符号の説明】
【0084】
10 :鉄筋用ロッド支持具(支持具)
11 :第1のフック部
12 :第2の屈曲部
13 :第1の平坦部
14 :第3の屈曲部
15 :第2の平坦部
16 :第2のフック部
17 :第1の屈曲部
18 :第3の平坦部
19 :第1の湾曲部
20 :第1の連結部
21 :締結ボルト
22 :螺合孔
30 :ロッド
31 :第1のロッド
32 :第2のロッド
33 :目盛り
40 :鉄筋
41 :縦筋(鉄筋)
42 :鉄筋(横筋)
50 :ロッド
【要約】
【課題】簡易な構造でありながら、工事現場で存在するさまざまな径の鉄筋にも適応的に対応して安定して係合することができ、鉄筋への取り付けおよび位置調整を容易とするとともに現場での取り付け作業性を向上することができる鉄筋用ロッド支持具を提供する。
【解決手段】本実施形態の鉄筋用ロッド支持具10は、鉄筋用ロッド支持具10は、その内側でロッド本体を支持する第1のフック部11と、その内側で鉄筋40に係止する第2のフック部16と、第1のフック部11および第2のフック部16を連結する第1の連結部20と、第1のフック部11の先端部または中央部に進退自在に螺設される締結ボルト21と、を含む。第1のフック部11および第2のフック部16は、板状、棒状または筒状に延在して形成される。第1のフック部11の先端部および第2のフック部16の先端部は、第1の連結部20を介して互いに反対方向に向いて配設される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15