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▶ ティーアールピー シーリング システムズ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器用ガスケット
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/00 20060101AFI20231013BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20231013BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20231013BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
F16J15/00 C
F16J15/00 D
F28D9/02
F28F3/08 311
F28F3/04 B
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020565283
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 GB2019051411
(87)【国際公開番号】W WO2019224537
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】1808395.6
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520450422
【氏名又は名称】ティーアールピー シーリング システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】チルドレン、サイモン
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00450188(EP,A1)
【文献】特表昭60-501568(JP,A)
【文献】特表2016-508591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/00 - 7/02
99/00
F28D 1/00 - 13/00
F16J 15/00 - 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート式熱交換器用ガスケットであって、
プレート式熱交換器のプレートに取り付けるためのループ状の本体であって、ループの少なくとも一方の側に沿って間隔をあけて配置され、本体とそれぞれ一体的に形成され、タブ接続手段をそれぞれ含む複数の周辺接続領域を含む本体と、
ガスケットをプレート上の所定位置に固定するための複数のタブであって、本体からそれぞれ離間しており、タブと本体とを一緒に接続するために本体の周辺接続領域の1つにあるタブ接続手段によって受け入れまたは係合可能なガスケット接続手段をそれぞれ含む複数のタブと、
を備え、
各タブは、ガスケット接続手段がタブ接続手段の軸に沿って整列しているときに、その軸に沿ってタブ全体を移動させることにより周辺接続領域の一つに接続可能であり、軸は、その周辺接続領域の平面および本体の平面に対して実質的に垂直である、
ガスケット。
【請求項2】
複数のタブは、それぞれ、所定の周辺接続領域の一つおよび本体の平面の片側でガスケットに着脱可能に取り付けられている請求項1に記載のガスケット
【請求項3】
タブは、本体に着脱可能に取り付けられている請求項1または2に記載のガスケット。
【請求項4】
各タブに設けられたガスケット接続手段は、それぞれの接続領域と押し込み型の接続を有する請求項1乃至3のいずれかに記載のガスケット。
【請求項5】
各タブまたは周辺接続領域の一つは突起を含み、各周辺接続領域またはタブの一つは突起を受け入れるための対応する凹部または開口部を含み、周辺接続領域の突起または凹部は、周辺接続領域の面に対して垂直な軸上に配置されている請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項6】
各タブ接続手段は、その周辺接続領域の長さに沿って約半分の長さで配置されている請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項7】
周辺接続領域は、ループの内周側および外周側に設けられている請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項8】
少なくとも1つの追加のループは、プレートを介して流路を封止するための本体に接続されており、または各追加のループは、タブに接続するための1つ以上の周辺接続領域を含む請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項9】
タブは、本体とは異なる材料で構成されている請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項10】
本体および接続領域はゴムのような材料で形成され、タブの一部または全部はプラスチックで形成されている請求項1乃至のいずれかに記載のガスケット。
【請求項11】
所定の周辺接続領域に接続された所定のタブについて、そのタブの長手方向軸は、その周辺接続領域の長手方向軸と実質的に平行である請求項1乃至10のいずれかに記載のガスケット。
【請求項12】
実質的に平面的な領域が各タブに設けられ、実質的に平面的な領域が各周辺接続領域に設けられ、所定のタブおよび接続領域上のそれぞれの平面的な領域は、そのタブがその周辺接続領域に接続されたときに隣接状態にある請求項1乃至1のいずれかに記載のガスケット。
【請求項13】
各タブは、プレートと係合するためのプレート接続手段を含む予め形成された本体と、タブ接続手段と接続するための相補的な接続システムの一部としてのガスケット接続手段とを含み、ガスケット接続手段は、予め形成された本体の面に対して実質的に垂直な軸に沿って配置されている請求項1乃至12のいずれかに記載のガスケット
【請求項14】
予め形成された本体は、実質的にT字形またはD字形であり、ガスケット接続手段は、T字形の主幹またはD字形の1または複数の枝の、1つの中または上に設けられている請求項1に記載のガスケット
【請求項15】
本体は、T字形であり、第1および第2の腕または指を含み、その一方または両方が段付き端部を含む請求項1または請求項1に記載のガスケット
【請求項16】
ガスケット接続手段は、ガスケットと係合するための突起、またはガスケット上の突起を受け入れるために予め形成された本体内にまたは本体を通って延びる凹部を含む請求項1乃至1のいずれかに記載のガスケット
【請求項17】
突起または凹部は、円形、長円形または楕円形の断面を含む請求項1に記載のガスケット
【請求項18】
タブは、プラスチック製のタブである請求項1乃至1のいずれかに記載のガスケット
【請求項19】
請求項1乃至1のいずれかに記載のガスケットを備えるプレート式熱交換器用プレート。
【請求項20】
請求項1乃至1のいずれかに記載の1以上のガスケットまたは請求項19に記載の1以上のプレートを備えるプレート式熱交換器。
【請求項21】
請求項1乃至18のいずれかに記載のプレート式熱交換器用ガスケットを製造する方法であって、
a) 第1の装置において、タブに接続するために構成された1つ以上の周辺接続領域を有するループとしてガスケット本体を形成するステップ、またはそうでなければ、そのようなガスケット本体を提供するステップと、
b) 第2の装置において、複数のタブを形成するステップと、またはそうでなければ、そのようなタブを提供するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
所定の接続領域におけるタブ接続手段の軸に沿ってタブのガスケット接続手段を整列させ、その軸に沿ってタブをタブ接続手段に向かって移動させ、タブ接続手段と係合することにより、タブの少なくとも1つを、その対応するタブ接続領域に接続して、タブ付きガスケットを形成するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項23】
タブは、射出成形または圧縮成形によって形成される請求項2乃至2のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート式熱交換器用のガスケット、そのガスケットの形成方法、ガスケットに接続可能なタブ、および複数のタブを受け入れるためのガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレート式熱交換器は、様々な用途で流体から熱エネルギーを移動させたり、回収したりするのに使用される。その用途は、船舶の海水淡水化や石油加熱装置から、化学処理、エンジン冷却、牛乳の低温殺菌のための製造工場での使用まで多岐にわたる。
【0003】
商業用途では、典型的なプレート式熱交換器は、ガスケットによって互いに密封された一連の薄い波形の金属プレートを含む。ガスケットは、多くの場合、ゴムとポリマーの混合物で作られている。流体は、ガスケットによって密封された領域で隣接するプレートの表面を通過する。大きな表面積は、対の隣接するプレートの間を流れる流体間の熱伝達を容易にする。
【0004】
しかし、ゴム製のガスケットは時間の経過とともに劣化しやすくなる。シールの故障や漏れを防ぐために、定期的に交換する必要がある。商業用熱交換器は比較的大きく、シールの取り扱いは困難である。特に困難なのは、シールが例えば隣接するプレートによって所定の位置に保持される前に、シールを熱交換器のプレート上の所定の位置に配置して保持することである。
【0005】
この問題を解決するために、ガスケットを所定の位置に接着することがある。接着されたガスケットを交換するためには、サービス技術者は、例えば、プレートを損傷しないように、慎重にそれを切り離す必要がある。これは、手間と時間のかかるプロセスであり、プレートの残留物を洗浄するためにさらに時間が必要になる場合がある。
【0006】
この問題に対処するために、プレートに接着されるのではなく、プレートのエッジを機械的にグリップするクリップオンガスケットを使用することができる。ガスケットは、一連のプレートが一緒に保持されているときには、通常通りプレートを密封するが、そのエッジの周りには、一連の一体成形されたクリップまたはタブがある。クリップは、製造時にガスケット本体と一体成形されており、プレート上にガスケットを配置したり、サービス中にガスケットを取り外したりするのが非常に簡単になる。
【0007】
既存のクリップタイプの例示的な図が図1A~1Fに示されている。図1Aは、本体から異なる長さに延びる2種類の「T」クリップを示している。Tクリップは、同じ/異なる長さのクロスバーに依存する腕(アーム)または指(フィンガー)を有する。腕は、ガスケットを所定の位置に保持するためにプレート上のエッジまたは突起の上に取り付けられる。これは、図1Gに示されている。
【0008】
他のタイプの利用可能なクリップは、同様の方法でガスケットをプレート上に保持する。図1Bは、「D」クリップ(D形状の一部はガスケット本体によって提供されている)を示しており、指はD形状の中央に伸びている。図1Cは、プレートの穴を通して押し込まれる「目(pip、ピップ)」を有するクリップを示す。図1Dおよび1Eは、ガスケットのシール部分の外側に配置された、プレートの穴に押し込まれるか、または穴を通して押し込まれる棒状のクリップのバリエーションを示している。図1Fは、プレートのエッジから内側に延びるスロットに取り付けられるスロットタイプのクリップを示す。
【0009】
しかし、クリップを使用することは接着されたガスケットに比べてメリットがあるが、ガスケットの製造工程がより難しく、時間とコストがかかる。また、より多くのゴムを必要とする。また、プレートに適切に配置された穴などを設ける必要があるかもしれない。
【0010】
ガスケットの製造では、ゴムはプレス機の中で加熱され、ガスケットの形状に成形される。冷えたゴムは、ガスケットが形成される溝のプレス板の下側に最初に敷き詰められる。メインシールを形成するために、長い円筒形のゴム片が使用される。多数の追加の個々のゴム片を、長いゴム片の隣の各クリップ位置に手動で配置しなければならず(図1Hに示すように)、これは時間がかかり、各ガスケットを製造するための平均時間を増加させる。さらに、個々のゴム片をメインガスケットに十分に接着するのに時間がかかるので、製造を急ぐことができず、そうでなければ、クリップの接続部が薄くなり、簡単に破損してしまう。
【0011】
プレスが作動しているときにクリップの位置が誤って空のままになっていると、プレートに適切に保持するのに十分なクリップがないため、できあがったガスケット全体を廃棄する必要がある。また、各ガスケットは、プレート式熱交換器で使用する前に、残留エッジング(または「はみ出し」)を除去する必要がある。クリップの損傷を避けるために慎重に除去する必要があるため、これは時間のかかる手作業である。残留材料を除去するためにガスケットを転がして除去するのは、ガスケットが絡まってしまうため実用的ではなく、転がした後にクリップをほぐすとクリップが破損してしまう可能性がある。
【0012】
本発明の目的は、上述した問題を低減または実質的に回避することである。
【発明の概要】
【0013】
本発明によれば、プレート式熱交換器のためのガスケットが提供され、そのガスケットは、
プレート式熱交換器のプレートに取り付けるためのループ状の本体であって、前記ループの少なくとも一方の側に沿って間隔をあけて配置され、前記本体とそれぞれ一体的に形成され、タブ接続手段をそれぞれ含む複数の周辺接続領域を含む本体と、
前記ガスケットをプレート上の所定位置に固定するための複数のタブであって、前記本体からそれぞれ離間しており、前記タブと前記本体とを一緒に接続するために接続領域の1つにある前記タブ接続手段によって受け入れまたは係合可能なガスケット接続手段をそれぞれ含む複数のタブと、
を備え、
各前記タブは、前記ガスケット接続手段が前記タブ接続手段の軸に沿って整列しているときに、その軸に沿ってタブを実質的に動かす(移動させる)ことにより前記接続領域の一つに接続可能であり、前記軸は、その接続領域の平面に対して実質的に垂直である、ガスケットである。
【0014】
任意の特徴は、従属請求項2から11に示されている。
【0015】
本発明は、ガスケットの製造に関連するいくつかの重要な利点を有する。周辺接続領域がガスケット本体を形成するために使用されるのと同じ材料から形成されるのに十分に小さいので、接続領域を形成するために、ガスケットを形成する前に金型内にゴムの追加の部分を配置する必要がない。これにより、ガスケット形成前の金型内への材料の充填を迅速に行うことができ、また、タブ材が誤って入れられなかったガスケットをスクラップにする必要がなくなる。
【0016】
ガスケットはタブがなく、代わりに製造後にタブが取り付けられるようになっているため、ガスケットの成形に必要な時間も短縮される。タブがガスケットと一体的に形成されていた場合、タブが金型を掴んでしまい、金型からガスケットを取り出すのに時間がかかっていた。ガスケット本体の製造時にタブを入れないことで、金型からのガスケットの取り出しが容易になる。これにより、サイクルタイムが短縮されるため、より迅速にガスケットを製造することができる。
【0017】
また、製造直後のガスケットにはタブがないため、ガスケット本体のエッジ周辺のはみ出し(ガスケット残材)を特に気にすることなく、すぐに剥がすことができる。したがって、ガスケット製造の全工程が現在よりも大幅に高速化される。例えば、技術者がプレート式熱交換器のプレートにガスケットを接続する際に、タブは別のステップでガスケットに追加され、接着は不要となる。タブを形成することは、ガスケット製造の速度をもはや制限するステップではない。
【0018】
タブがガスケットの一部として形成されている従来のガスケットとは異なり、本発明は、ガスケットと一体的に結合されていないタブを提供する。タブは、本体に着脱可能に取り付けられていてもよい。特定のタブが破損したり、劣化したりした場合には、ガスケット全体を交換する必要なく交換することができる。
【0019】
各タブは、ガスケットのシール部分には接続しない。各タブは、シール部分の外側にあるガスケットの所定の部分、すなわち周辺接続領域に接続する。
【0020】
ガスケットとタブの組立は、自動化されていてもよい。すなわち、ロボットまたは機械が、各タブをガスケットに接続するために使用されてもよい。ガスケットは、組み立ての間、プレート上の本来の位置にあってもよい。ロボットまたは機械は、第1の周辺接続領域への接続のために多数のタブから適切なタブを選択してもよいし、ロボットまたは機械が多数のタブからの選択を実行することなく、適切なタブを提供してもよい。タブが所定の位置に接続されると、このプロセスは、各タブおよび周辺接続領域について繰り返されてもよい。これは、ガスケットとタブを手で組み立てる場合と比較して、かなりの時間と労力を節約することができる。もちろん、必要に応じて手での組み立ても可能である。
【0021】
タブのないガスケットへの各タブの取り付けは、タブ接続手段とガスケット接続手段とが適切に位置合わせされているときに、タブを関連する接続領域に下向きに押し付けることによって行われる。これは、必須ではないが、ガスケットが上記のようにプレート式熱交換器のプレート上にある場合に行ってもよい。
【0022】
所与のタブを取り付ける際に、関連する接続領域は、移動させたり、操作したりする必要があってもよいし、なくてもよい。例えば、プレートのエッジの波型が取り付けを妨害する場合、接続領域をわずかに持ち上げ、持ち上げたときに接続領域に垂直な軸に沿って移動させることにより、タブを取り付けることができる。その後、タブと接続領域を下げてプレートと係合させることができる。これを可能にするために、ガスケットのタブ付き部分を操作する必要があるかもしれない。ガスケットまたは周辺接続領域に柔軟性があれば、これを補助することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、すべてのタブが実質的に同一であってもよく、任意のタブが任意の周辺接続領域に接続されていてもよい。他の例では、2つ以上の異なる形状のタブが提供されてもよく、そのため、正しいタブが所定の接続領域に接続されることを確実にする必要がある。各特定のタブが、使用中のガスケットの隣接するシール部分と干渉しないようにするために、異なるタブが必要とされてもよい。異なる形状のタブが提供されている場合には、組み立て中または先行するステップのいずれかで、特定の領域に対して正しい形状のタブを選択することが必要である。もちろん、複数のロボットまたは機械を使用してもよく、それぞれのロボットは、タブの形状のサブセット(または1種類のタブ)のみを取り付けることに特化している。
【0024】
周辺接続領域は、それ自体がガスケットをプレートに接続するのに適していないことに注意すべきである。別の言い方をすれば、各周辺接続領域は、ガスケット本体をプレートに接続したり、保持したりするのに適した一体的な構造を欠いているということである。離散的なタブ本体が関連する接続領域に接続されて初めて、それらの領域がプレートへの接続に適したものとなる。したがって、周辺接続領域は、周辺タブ接続領域である。
【0025】
各周辺接続領域は、本体から外向きに延びる指またはストリップ(または他の細長い部材)を含んでもよい。各周辺接続領域は、タブとの接続のために、その領域の面から離れて延びる突起またはピップ(目)を含んでもよい。各周辺接続領域は、細長い部材とタブ接続手段とから構成されていてもよい。
【0026】
各タブ接続手段は、タブをガスケットに接続するための単一の接続手段であってもよいし、それを提供してもよい。
【0027】
本明細書の目的のために、ループは、連続した本体または経路を含む形状であると考えられる。ループは、互いに突出しない内周縁および外周縁を含むものと考えられてもよい。その形状は、規則的な形状(例えば、円形または楕円形)であってもよいし、不規則な形状であってもよい。ループは、直線状および/または湾曲したエッジを有していてもよい。ループのエッジは、無限体を形成するために一緒にリンクしてもよい。ループは、例えば、角度を付けられた角または平滑化された角を含んでもよい。ループ内の領域は、プレート式熱交換器においてガスケットが2つのプレート間で圧縮されるときに、ループによって密封される。タブのための周辺接続領域は、ガスケットのシールまたはシール領域の外側に配置される。
【0028】
各タブは、本体に着脱可能に取り付けられていてもよい。これは、接続領域から離れた軸に沿ってタブを動かすことによって行われてもよい。各タブは、剛体を含んでもよい。
【0029】
各タブ接続手段は、それぞれの接続領域との押し込み型の接続を有してもよい。各タブ接続手段は、そのそれぞれの接続領域と噛み合ってもよいし、摩擦適合(friction-fit)接続を有してもよい。各タブは、ガスケットに対して独立して着脱可能であってもよい。
【0030】
各タブまたは接続領域は、突起またはピップを含んでもよい。突起は、その遠位端部にデテント(戻り止め)またはナブ(こぶ)を含んでもよい。各接続領域またはタブは、突起を受けるための対応する凹部または開口部を含んでもよい。好ましくは、タブは凹部を含み、周辺接続領域は、その周辺接続領域の面から垂直に離れて延びる突起を含む。
【0031】
相補的な接続機構を使用することは、各タブをガスケットに接続するための堅牢な方法であり、一連のタブをガスケット本体に迅速かつ容易に接続することができる。突起の端にナブを設けることで、突起が係合している凹部/開口部から誤って外れないように突起を固定することができる。
【0032】
各タブ接続手段は、その周辺接続領域の長さに沿って約半分の位置に配置されてもよい。すなわち、ガスケット本体のエッジと接続領域の遠位端(または自由端)との間の約半分である。
【0033】
所定の周辺接続領域に接続された所定のタブについては、そのタブの長手方向軸は、その周辺接続領域の長手方向軸と平行であってもよい。
【0034】
実質的に平面的な領域が各タブに設けられてもよい。実質的に平面的な領域は、例えば、タブの後面の一部または全部を形成してもよい。別の実質的に平面的な領域は、各周辺接続領域上に設けられてもよい。タブおよび接続領域上の平面領域は、異なる形状であってもよいが、好ましくは、それぞれ細長い形状である。所定のタブおよび接続領域上のそれぞれの平坦な領域は、そのタブがその周辺接続領域に接続されているときに、互いに隣接していてもよい。
【0035】
所定の周辺接続領域に接続された所定のタブについては、そのタブの長さまたは平面領域は、その周辺接続領域の長さまたは平面領域と実質的に同一の広がりを持っていてもよい。
【0036】
ループのバンドは、実質的に一定の幅を有してもよい。接続領域は、バンドの外側に配置された領域に設けられていてもよい。バンドは、プレートをシールするガスケットの部分である。典型的には、バンドは、ガスケットのシール特性を潜在的に損なうことになるので、タブに接続するように、またはタブを受け入れるように適合されていない。むしろ、タブのための接続領域は、バンドに隣接して、ガスケット本体の拡幅部として提供され得る。
【0037】
バンドは、必ずしも接続領域とは別個のものではない。接続領域は、好ましくは、バンドの拡張であるか、またはバンドと一体的に形成されている。バンドは、実質的に一定の幅のセクションを定義する、内側および外側のループを形成する想像上の平行な内側および外側の境界線によって定義されるガスケット本体の領域であると考えられてもよい。境界線は、ループを形成するために蛇行してもよいが、互いに実質的に平行なままである。ガスケット本体のいくつかのセクションは、想像上の内側および/または外側の境界線の外側に落ちてもよい。それらのセクションは、接続領域を含んでもよいし、形成してもよい。
【0038】
周辺接続領域は、ループの内側および/または外側に設けられていてもよい。接続領域がループの内側および外側の側面に設けられている場合、バンドは、中央のバンドとみなすことができる。接続領域は、ガスケットがプレートの外側エッジおよび内側エッジに引っ掛けることができるように、それぞれの側に設けられてもよい。
【0039】
少なくとも1つの追加のループは、プレートを介して流路を封止するために本体に接続されてもよい。または各追加のループは、タブに接続するための1つ以上の周辺接続領域を含んでもよい。接続領域および関連するタブに関連する他の特徴は、ガスケットの主な本体に提供されるものと同じであってもよい。副ループのための接続領域および/またはタブは、主なガスケット本体のそれよりもわずかに小さくてもよい。
【0040】
タブは、本体とは異なる材料で構成されていてもよい。例えば、タブまたはクリップは、プラスチックで構成されていてもよい。本体は、ゴムで構成されていてもよいし、ゴム化されたまたはゴムのような材料で構成されていてもよい。タブは、本発明の第2の側面にそれぞれ一致していてもよい。
【0041】
ガスケットは、プレート式熱交換器用のプレートに取り付けられていてもよいし、プレート式熱交換器に設けられていてもよい。
【0042】
本発明の第2の側面によれば、ガスケットに接続するためのタブが提供され、前記ガスケットは、プレート式熱交換器のプレートに取り付けるためのループ状の本体を含み、前記本体は、前記ループの少なくとも一方の側に沿って間隔をおいて配置された複数の周辺接続領域を含み、各周辺接続領域は、前記本体と一体的に形成され、タブ接続手段を含み、前記プレートと係合するためのプレート接続手段(第1接続手段)を含む予め形成された本体と、前記タブ接続手段と接続するための相補的な接続システムの一部としてのガスケット接続手段(第2接続手段)とを含み、前記ガスケット接続手段は、前記予め形成された本体の面に対して実質的に垂直な軸に沿って配置されている。
【0043】
任意の特徴は、従属請求項13から17に示されている。
【0044】
これ(および以下の任意の特徴)に関連する利点は、本発明の第1の側面に関して論じられる。所定のタブが欠陥を有する場合、欠陥を有するタブを含むガスケット全体ではなく、そのタブのみをスクラップするか、または交換する必要がある。
【0045】
ガスケットのタブ接続手段は、その接続領域の面に対して実質的に垂直な軸上に、またはそれに沿って配置されていてもよい。
【0046】
各タブは、独立したユニットとして提供され、すなわち、ガスケットの一部として一体的に形成されていない。予め形成された各タブは、ガスケット本体がプレスまたは成形された後にガスケットに取り付けることができる。各タブは、プレートと係合可能な部分と、ガスケットと係合可能な部分とを有する。
【0047】
本体は、実質的にT字形状であってもよいし、D字形状であってもよい。ガスケット接続手段は、T字形の主幹に設けられてもよいし、D字形の1または複数の枝に設けられてもよい。例えば、ガスケット接続手段は、タブ本体の遠位端に設けられてもよい。ガスケット接続手段は、ガスケットと係合するための突起であってもよいしそれを含んでもよい、またはガスケット上の突起を受け入れるために剛体の中にまたは剛体を通って延びる凹部であってもよいしそれを含んでもよい。すなわち、凹部は、(設けられている場合には)本体自体、例えば幹内にある。凹部は、本体の表面(例えば、平面または連続した表面)を遮るものとみなすことができる。
【0048】
突起または凹部は、長円形または楕円形の断面を含んでいてもよい。タブは、接続部に接続されたときに、その結果、タブ接続手段または突起に対して実質的に相対的に回転できない場合がある。タブをガスケットに接続するとき、タブは、タブ接続手段と同じ軸上にある必要があり、また、タブ接続手段との係合のためにタブ接続手段に対して正しい回転位置に維持される必要がある。
【0049】
ある態様では、他の材料(例えば、金属または合金)が好ましい場合もあるが、タブは、ゴムまたはプラスチックで作られていてもよい。好ましい実施形態では、タブはプラスチック製のタブである。
【0050】
タブは、実質的に剛体または柔軟性のない本体を有する剛体タブであってもよい。本体は、ある程度柔軟性であってもよいが、同等のゴム製本体よりも剛性が高くてもよい。
【0051】
本体がT字型である場合、第1及び第2の腕又は指を含んでもよい。腕または指は、本体のTバーに依存していてもよい。すなわち、腕または指は、T字型本体の中心軸に実質的に平行に走る軸に沿って延びてもよい。
【0052】
腕または指の一方または両方は、段付き端部を含んでもよい。腕または指は、プレート接続手段を提供してもよい。T字型タブの主幹は、段付き遠位端を含んでもよい。所定のタブの段付き遠位端は、熱交換器のプレートに対するタブの意図された位置のためにカスタマイズされてもよい。
【0053】
段付き端部(複数も含む)は、好ましくは、プレート間のガスケットによって提供されるシールと干渉しないように、対応するプレートを収容するための大きさおよび形状を有している。例えば、段付き端部(複数も含む)は、プレート上の1つまたは複数のシェブロン(山形紋)を収容するように構成されていてもよい。
【0054】
一つのガスケット上の各種タブの段付き端部は、全て同じであってもよいし、対応するプレートに応じて異なる形状であってもよい。例えば、プレートの上端用のタブの段付き端部は、対応するプレートに応じて異なる形状であってもよい。
【0055】
本体がD字型である場合、それは、プレートに接続するための腕また指(または複数の腕または指)を含んでもよい。腕または指(複数も含む)は、ガスケットへの接続のために、2つのより長い腕または指の間に実質的に配置されてもよい。単一の腕または指の場合、それは、より長い腕または指の間に実質的に中央に配置されてもよい。腕または指(複数も含む)は、(それぞれ)段付きの端部を含んでもよい。
【0056】
タブは、プレート式熱交換器のプレート上のガスケットに接続されていてもよいし、プレート式熱交換器に設けられていてもよい。
【0057】
1つまたは複数の剛体タブを製造するように適合された金型が提供されてもよい。金型は、単一のタブまたは連結されたタブを製造するための1つまたは複数の個別のまたは離散的な凹部またはセクションを含むことができる。金型は、成形後に互いに分離するために、一連の連結されたタブを製造するための1つまたは複数の細長い凹部またはセクションを含んでいてもよい。これにより、多くの個別の片や多数のタブ材を配置する必要がなくなる。細長い凹部(複数も含む)は、連結されたタブの分離を容易にするために、いくつかの狭くなったセクションまたはネックを有していてもよい。タブは、凹部の主幹の枝として形成されていてもよい。金型は、圧縮金型または射出成形金型であってもよい。
【0058】
タブがゴムから作られる場合、金型はまた、ガスケット本体またはループを製造するためのチャネルまたは凹部の両方を含んでいてもよい。その場合、タブの凹部は、そのチャネルに接続していなくてもよい。タブ凹部は、ガスケットチャネルの周囲に間隔をあけて配置されていてもよい。これにより、タブを別のステップで製造する必要を回避することができる。その代わりに、タブはガスケット本体と同時にプレスすることができ、製造のための全体的な時間を短縮することができる。
【0059】
代わりにタブがプラスチックから作られる場合、タブは、例えば射出成形または圧縮成形によって形成することができる。これは好ましく、一度形成された個々のタブから無駄なゴム材料を除去する必要がない。
【0060】
本発明の別の側面によれば、プレート式熱交換器のプレートを取り付けるためのループ状の本体を備えるガスケット(またはタブのないガスケット)が提供されてもよい。本体は、ループの少なくとも一方の側に沿って間隔をあけて配置された複数の周辺接続領域を含んでもよい。各周辺接続領域は、本体と一体的に形成されていてもよい。周辺接続領域の一部/全部は、タブ接続手段を含んでもよい。周辺接続領域の一部/全部は、プレート接続手段を含んでいなくてもよく、別の言い方をすれば、一体的に形成されたプレート接続手段を含んでいなくてもよい。より具体的には、ガスケットは、一体的に形成されたタブまたはクリップを含んでいなくてもよい。各周辺接続領域は、細長い部材(ガスケットをプレートに固定するのに不適)と、タブ接続手段とから構成されてもよい。細長い部材は、本体の平面内で、本体から離れて延びていてもよい。細長い部材は、約2cmまでの長さであってもよい。本発明の第2の側面のタブは、そのガスケットに接続されていてもよい。
【0061】
本発明の第3の側面によれば、本発明の第2の側面の複数のタブのそれぞれを含むキットが提供される。キットは、任意に、タブのないガスケットを含んでもよい。
【0062】
本発明の第1の側面のガスケット、または本発明の第2の側面のタブ、または本発明の第3の側面のキットからなるプレート式熱交換器用プレートが提供されてもよい。
【0063】
本発明の第1の側面のガスケット、または本発明の第2の側面の剛性タブ、または本発明の第3の側面のキットからなるプレート式熱交換器が提供されてもよく、またはそのようなガスケット、タブ、またはキットを含む1つ以上のプレートを備えるプレート式熱交換器が提供されてもよい。
【0064】
本発明の第4の側面によれば、プレート式熱交換器のガスケットを製造する方法が提供され、この方法は、以下のステップを含む。
a) 第1の装置またはモールドにおいて、タブに接続するように構成された1つ以上の周辺接続領域を有するループとして形成するステップであり、前記接続領域は、前記ループの少なくとも1つの側面に沿って間隔をあけて配置され、各周辺接続領域は、ガスケット本体と一体的に形成され、各周辺接続領域は、タブ接続手段を含む、ステップと、
b) 第2の(または別の)装置または金型において、ガスケット本体から離間した複数のタブを形成するステップであり、それぞれが、本体上の周辺接続領域上のタブ接続手段と協働または係合するように適合された接続手段を含むステップ。
【0065】
任意の特徴は、従属請求項24から26に示されている。
【0066】
ガスケット本体をタブとは別物として成形することは、本発明の第1の側面について論じたものと同様の利点を有する。
【0067】
ステップ(a)は、ゴムの各ピースの各端部が別のゴムのピースに隣接して配置されている金型内にゴムのピースを多数提供することを含んでもよい。各ピースは、原料の単一の「糸状のもの」または円筒である。これは、成形されたときに、ゴム片の端部のどれもが、一体型タブを形成する場合のような「自由端」を形成しないことを意味する。その代わりに、各ゴム片の端部は、1つまたは複数のループおよび任意にブリッジング片を形成するが一体型タブなしで、隣接するゴム片と一緒に連結される。
【0068】
方法は、少なくとも1つのタブをその対応する接続領域に接続して、タブ付きガスケットを形成するステップを含んでもよい。好ましくは、これは、各タブについて行われる。これは、所定のタブのガスケット接続手段を、所定の接続領域におけるタブ接続手段の軸に沿って整列させることによって行われてもよく、軸は、その接続領域の面に対して実質的に垂直である。次いで、タブは、その軸に沿って、タブ接続手段に向かって、かつタブ接続手段との係合に向けて動かす(すなわち移動)させることができる。
【0069】
次いで、ガスケット本体は、従来の方法でプレート式熱交換器用プレートに取り付けられてもよい。あるいは、ガスケット本体は、プレート式熱交換器用プレート上に配置されてもよい。次いで、タブは、ガスケットを所定の位置に固定するために、接続領域およびプレートにそれぞれ接続されてもよい。
【0070】
各タブは、本発明の第2の側面に従った剛性タブであってもよい。
【0071】
タブは、射出成形によって形成されてもよいし、圧縮成形によって形成されてもよい。好ましくは、これは、タブがプラスチックで作られている場合に行われる。あるいは、ガスケット本体とタブは、同じ金型またはプレス機の離散的な領域で形成されてもよい。タブとガスケットの両方がゴムで作られている場合、製造時の時間とコストを節約することができる。
【0072】
本発明の別の側面において、プレート式熱交換器のためのガスケットが提供され、ガスケットは、プレート式熱交換器のプレートに取り付けるためのループ状の本体と、ガスケットをプレートの所定の位置に固定するための複数のタブと、を備え、本体は、ループの少なくとも一方の側に沿って間隔をあけて配置された複数の周辺接続領域を含み、各タブは本体から離散的であり、各タブは、タブと本体とを一緒に接続するための接続領域のうちの1つにより受け入れ可能であるかまたは係合可能な接続手段を含む。任意の先行または後続のガスケット関連および/またはタブ関連の特徴が含まれてもよい。例えば、各周辺接続領域は、本体と一体的に形成されてもよい。各周辺接続領域は、タブ接続手段を含む。
【0073】
本発明の別の側面において、発明の上記の側面のガスケットに接続するためのタブが提供され、このタブは、プレートと係合するための第1の接続手段と、ガスケットの対応する部分と接続するための相補的な接続システムの一部としての第2の接続手段とを含む予備成形された本体を備える。任意の先行または後続のガスケット関連および/またはタブ関連の特徴が含まれてもよい。例えば、タブはプラスチック製であってもよい。タブは、剛性であってもよい。
【0074】
本発明の別の側面において、プレート式熱交換器のためのガスケットを製造する方法が提供され、この方法は、(a)タブに接続するように構成された1つ以上の周辺接続領域を有するループとしてのガスケット本体を形成するステップと、(b)ガスケット本体から離間した複数のタブを形成するステップと、を含み、接続領域はループの少なくとも一方の側に沿って離間しており、本体上の接続領域と協働または係合するように適合された接続手段を含む。任意の先行または後続のガスケット関連、タブ関連および/または方法関連の特徴が含まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
本発明をより良く理解するために、また、本発明がどのようにして効果的に実施され得るかをより明確に示すために、添付の図面を例としてのみ参照する。
図1Aは、ガスケットの一部に取り付けられた公知のTクリップの平面図である。
図1Bは、ガスケットの一部に取り付けられた公知のDクリップの平面図である。
図1Cは、ガスケットの一部に取り付けられた第3のタイプの公知のクリップの平面図である。
図1Dは、ガスケットの一部に取り付けられた第4のタイプの公知のクリップの平面図である。
図1Eは、ガスケットの一部に取り付けられた第5のタイプの公知のクリップの平面図である。
図1Fは、ガスケットの一部に取り付けられた第6のタイプの公知のクリップの平面図である。
図1Gは、プレート式熱交換器用の公知のプレートの平面図であり、図1Aに示すタイプのTクリップを使用してプレートに取り付けられたガスケットを示す。
図1Hは、図1Gに示すようなガスケットを製造するために使用される金型の一部の斜視図である。
図2は、ガスケットの一部に設けられた突起と係合するタブの第1実施形態の断面図である。
図3は、ガスケットの一部と係合するタブの第2実施形態の断面図である。
図4Aは、図2のガスケットに設けられた突起の側面図である。
図4Bは、ガスケット上の突起の第2の実施形態の側面図である。
図5は、凹部を含むガスケットの一部の別の実施形態の平面図である。
図6Aは、ガスケットの一部に設けられた突起と係合するタブの第3実施形態の断面図である。
図6Bは、図6Aのガスケットに設けられた突起の側面図である。
図7は、ガスケットの一部に設けられた突起と係合するタブの第4実施形態の断面図である。
図8は、本発明のガスケット(部分)およびタブの別の実施形態の平面図である。
図9Aは、図8のタブのうちの1つのタブの平面図である。
図9Bは、図9Aのタブの側面斜視図である。
図10は、図8のガスケットの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
最初に図1A~1Gを参照すると、様々な一体型タブタイプの先行技術の実施形態が示されている。ガスケットの一部に設けられたTクリップ12は、一般的に10に示されている。ガスケットの一部にあるDクリップは、一般的に20で示されている。他のタイプのクリップは、一般的に30、40、50、60で示されている。これらのクリップは、背景のセクションで説明されている。
【0077】
図1Gでは、プレート式熱交換器用プレート70が一般的に示されている。プレート70は、従来の形状である。プレート70は、波型の表面を有する。プレート70はまた、キャステラ状またはジグザグ状のエッジを含む。ガスケット72は、プレート70に取り付けられ、ガスケット受けチャネルまたは領域内に載っている。ガスケット72は、図1Aに示されたものと同様に、複数のTクリップ12'を含む。Tクリップの自由端は、従来の方法でプレート70のエッジの上に係合する。
【0078】
図1Hは、一般に80で示されるガスケットを製造するための先行技術の配置の一部を示す。この配置は、金型82の一部分、すなわち上下の機械加工されたプレートの下側プレートを含む。金型82は、一連の主チャネルまたは溝82aを有する。別のチャネル82a'は、プレート式熱交換器用のプレート内のポートまたは流路のために提供され、ガスケットの一部が使用中のポートの周縁部をシールするようにする。
【0079】
ゴムの細長片84は、ガスケットを形成するためにプレスされ、加熱される準備ができているチャネル82a内に配置されている。ゴム片の一部はまた、主チャネル82a内のゴム片の間に両端で接続されたブリッジング部分を形成する。金型82はまた、タブを形成するための副チャネル82bを含む。ゴムの短尺片86は、副チャネル82b内に独立して配置されている。各短尺片の一端は、主チャネル82aの一方に隣接しているが、他方の端は自由端であり、別のゴム片には隣接していない。これにより、短尺片をクリップとして成形することができる。
【0080】
次に、図2から図7をより詳細に説明する。異なる実施形態が記載されている場合、それらの実施形態では、同等の部品にラベルを付けるために、同じような参照符号が使用される。例えば、ある部品が最初の実施形態で150とラベル付けされている場合、その後の実施形態では、同等の部品は250または350とラベル付けされる。
【0081】
最初に図2を参照すると、ガスケットの第1の実施形態が、一般的に100で示されている。配置100は、ガスケット本体110を含み、その一部のみが示されている。ガスケット本体110は、製造時には「タブレス」であり、すなわち、一体型タブを含まない。ガスケット本体110は、連続またはエンドレスのループを含む。ループは、ほぼ台形のような形状をしており、上部および下部の平行片を有し、一方が他方よりも長くなっている。追加のループ(図示せず)も提供される。ガスケット本体110は、図1Gに示されたガスケット72と同様の形状にすることができる。
【0082】
ガスケット本体110は、平行な側面を有するストリップ状の材料で形成されている。これにより、一般に112で示されるバンドが提供される。バンド112は、主に、両側面の平行な部分によって画定される。図2に見られるように、本体110のエッジは、いくつかの場所で平行である。想像上の線112aが参考のために示されている。バンド112は、ループ内で実質的に一定の幅を有する領域である。
【0083】
本体110はまた、リッジ(畝部)112bを含む。リッジ112bは、その頂点でわずかに丸みを帯びている。リッジ112bは、本実施形態では、バンド112の長さに沿って提供される。角張った表面は、リッジ112bの各側面から離れて延びている。本体110の他方の側面は実質的に平坦である。2つのプレートの間で圧縮されると、リッジ112bは平らになり、プレートの一方に対してシールを確立するのに役立ち、他方の平坦面は他方のプレートに対してシールする。
【0084】
ガスケット本体110はまた、タブ係合部114を含む。タブ係合部114は、タブを係合させるための周辺領域である。タブ係合部分114は、本体110と一体的に形成されている。図2のタブ係合部分114は、本体112の膨らみまたは湾曲した延長部としての形状をしている。それは、それに取り付けられるタブの最大幅と同じくらいの幅である。タブ係合部114は、本体110の延長部または拡幅部とみなすことができる。図3も参照して、ガスケットの変形例が、一般的には200で示されている。この実施形態では、タブ係合部分114は、図2のものよりも狭くなっている。ガスケット200は、他の点では第1のガスケット100と同じである。
【0085】
再び図2を参照すると、1つの部分114のみが示されているが、多数のタブ係合部分114がガスケット本体110に設けられている。別段の記載がない限り、本実施形態の各タブ係合部分114は、他の部分と実質的に同一であり、図2に示された単一の例を参照して説明されている。
【0086】
部分114は、本体110のそれぞれのエッジ(縁)に沿って互いに間隔をあけて配置されている。これにより、ガスケット本体110の各エッジに起伏のあるエッジ(図示せず)が生じる。例えば、ガスケット本体110の上側または下側の平行部分の周囲を考慮すると、ある直線部分から離れてカーブし、別の直線部分に戻ってカーブする湾曲した逸脱によって中断された一連の同一線上の直線部分が存在する。各エッジの起伏部分は、必ずしも位相が一致しているわけではない。
【0087】
ガスケット本体110を受け入れるように適合されたプレート(図示せず)は、ガスケット100によって作成されたシールを損なうことなく、タブ係合部分114を収容するように形状されるべきである。したがって、ガスケット本体110の中央領域は、その全長に沿って実質的に途切れない領域を有する。
【0088】
タブ係合部分114は、本実施形態では、ガスケット本体110の両エッジに設けられている。しかしながら、いくつかの実施形態では、片側のみに部分114を提供してもよいことが理解されるであろう。これは、プレート式熱交換器におけるプレートの形状(例えば、波型領域)を損なうことを避けるために、それが全体的な運転効率を低下させる場合に必要とされてもよい。
【0089】
タブ係合部114は、突起116を含む。突起116は、バンド112の外側に配置されている。突起116は、相補的なタブ接続システムまたはタブ係合システムの一部分である。突起116は、タブ係合部分114と一体的に形成されている。突起116は、本実施形態では、上から見て実質的に正方形のプロファイルを有する。側面プロファイルは、図4Aでは実質的に正方形であることが分かる。突起のプロファイルのいずれかまたは両方が長方形であり得ることが理解されるであろう。正方形または長方形の突起プロファイルを使用することにより、ガスケット本体110に取り付けられたタブが、タブがプレートと係合する前に、ガスケット本体110に対して相対的に回転しないことが保証される。
【0090】
図4Bも参照して、代替的な突起316が、ガスケット310の一部として示されている。突起316は、ナブまたは拡幅端318を含む。タブの開口部を介して係合すると、ナブ318は、タブの離脱に対する障壁を提供する。
【0091】
再び図2を参照すると、配置100はまた、タブ120を含む。タブ120は、T字形状である。タブ120は、予め形成された本体を有し、すなわち、ガスケット本体110の一部として共形成されるのではなく、離散的な構成要素である。1つのタブ120のみが示されているが、多数の他のタブ120が提供されているが、図示されていないことが理解されるであろう。各タブ120は、上述した多数のタブ係合部114のうちの1つに係合可能である。別段の記載がない限り、本実施形態のタブ120は、すべて実質的に同一であり、図2に示された単一の例を参照して説明されている。
【0092】
この実施形態では、各タブ120は、ガスケット本体110と同様にゴム製である。しかしながら、1つの配合またはタイプのゴムが本体110に使用されてもよく、異なる配合またはタイプのゴムがタブ120に使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0093】
タブ120は、主幹122を含む。主幹122の端部に向かって接続開口122aが設けられている。開口部122aは、幹122の端部からはめ込まれている。開口部122aは、本実施形態では、幹122の長手方向軸上に中央に位置している。
【0094】
クロスバー124は、主幹122の別の端部を横切って連結されている。2つの副幹または腕126が、クロスバー124のいずれの端部にも接続されている。腕126は、主幹と実質的に平行に走る。腕126は、クロスバー124の主幹122と同じ側に延びている。腕126は、主幹122よりも短い。腕126は、従来の方法でプレートのエッジの上に取り付けることができる。
【0095】
接続開口122aは、タブ係合部114上の突起116と共働可能または相補的に構成されている。接続開口122aは、突起116の上に係合するか、または突起116と係合するように構成されている。これにより、タブ120がガスケット本体110に固定される。この実施形態では、タブ120がガスケット本体110上の所定の位置に保持されることを確実にするためには、摩擦適合で十分である。
【0096】
タブ120が突起116と係合すると、幹122の遠位端の一部がバンド112の上に横たわる。この実施形態では、タブ120の遠位端を受け入れるために、バンド112の関連部分に凹部112cが設けられている。これにより、使用中にガスケット100のシール効果を低下させる可能性のある、各タブ位置におけるガスケット100の有効厚さの増加を回避することができる。しかしながら、これは必須ではない。ガスケット100は、凹部112cがなくても、依然として十分な性能を発揮することができる。代替的に、タブ120は、ガスケット本体110に平坦に取り付けるために、厚さを減少させてもよいし、遠位端でテーパーを形成してもよい。
【0097】
タブ120をガスケット本体110に追加して、タブ付きガスケット100を提供することができ、ガスケット100は、その後、プレートに取り付けられる。代替的に、ガスケット本体110をプレートに取り付けることができ、タブ120は、その後、ガスケット本体110およびプレートのそれぞれに接続される。
【0098】
タブ120は、サービスのためにガスケット本体110から取り外すことができる。ガスケット本体とタブの両方が良好な状態であれば、ガスケット100をプレートに再接続するために、タブ120を再装着することができる。部品の一方または他方が摩耗している場合には、必要に応じて交換される。
【0099】
ガスケット100を作製するために、金型(図示せず)が用いられる。金型は、プレート式熱交換器用のプレートの形状に対応する2つの部分を有する。金型は、ガスケット本体110のループに対応する主チャネルと、プレートのポート用の追加のループを形成するための2つの副チャネルとを有する。副チャネルは、主チャネルに連結されている。この配置は、図1Gに示されたものと類似している。主チャネルは、タブのための周辺接続領域に対応する領域を含む。副チャネルはまた、そのような領域を含むことができる。しかし、タブを形成するためのマイナーな溝またはチャネルは、主チャネルまたは副チャネルの分岐点として提供されない。言い換えれば、タブ形成用チャネルまたはクリップ形成用チャネルは、ガスケット形成用チャネルに連結されていない。
【0100】
代わりに、タブ形成チャネルは、主チャネルまたは副チャネルから隔離された金型のセクションに提供されてもよい。例えば、金型の中央部に、主チャネルがタブ形成チャネルを取り囲むように設けられる。これにより、ガスケット本体と同じステップでタブを形成することができる。
【0101】
円筒状のゴム片(または他の適切な材料)が、すべてのチャンネルに端から端まで配置される。金型は加熱され、ゴム片を圧縮するために使用され、ゴム片は流動し、タブのない単一のガスケット本体を形成し、任意的にガスケット本体から分離された複数の離散タブを備えている。必要な秒数だけ圧縮された後、金型を開き、圧縮空気を使用して、ガスケット本体とあらかじめ形成されたタブのそれぞれを型から外す。残留しているゴムの縁取りを剥がす。タブは、先に論じたように、ガスケット本体110に個別に取り付けることができる。
【0102】
他の実施形態では、タブは、別個に成形することができ、例えば、プラスチックから射出成形することができる。タブは、フランジ可能なブリッジング片によって連結され、その後、互いに分離されるか、または単に個々のユニットとして成形されることができる。
【0103】
次に図5を参照すると、ガスケット410の別の実施形態が示されている。この実施形態では、周辺接続領域414は、開口部416を含む。開口部416は、実質的に楕円形である。接続領域414と係合するタブは、開口部414内に、または開口部414を介して取り付けられるように形成された対応する突起を含むことが理解されるであろう。
【0104】
次に図6Aおよび6Bを参照すると、ガスケットの別の実施形態が、一般的に500で示されている。他に示されている場合を除いて、このガスケットの特徴は、図2に関して説明した実施形態と同じである。
【0105】
この場合、ガスケット本体510は、隣接する接続領域514a、514bを含む。接続領域514a、514bは、タブの幅に対応する距離だけ間隔をあけて配置されている。各接続領域514a,514bは、対応する突起516a,516bを含む。突起516aの一方は、正方形の端部を含む。突起516bの他方は、丸みを帯びたまたは楕円形の端部と、ナブ518とを含む。突起516a、516bの側面プロファイルは、図6Bに示されている(明確にするために、ガスケット本体510のみが示されている)。
【0106】
突起516a,516bの各々には、D字形のタブ520が連結されている。タブ520は、一端がクロスバー524に連結された中間腕522を含む。第1および第2の幹526が、クロスバー524の各端部に設けられている。各幹526は、突起516a,516bのうちの1つの突起の上および周囲に適合する開口部526a,526bを含む。第1の開口部526aは正方形状である。第2の開口部526bは楕円形である。
【0107】
本実施形態では、ガスケット510上のすべてのタブがD字型タブ520である場合、タブに対する接続領域の比率は2:1である。しかし、D字型タブとT字型タブの組み合わせを使用することが適切である場合があり、その場合には、接続領域の対応する数が存在することになる。また、本実施形態の変形例では、両方の突起が同じ形状を有していてもよいことが理解されるであろう。
【0108】
次に図7を参照すると、ガスケットの別の実施形態が一般的に600で示されている。この実施形態は、図5~6Bの実施形態と類似している。しかし、以下に説明するように、いくつかの相違点がある。
【0109】
ガスケット本体610は、接続領域614を含む。接続領域614は、ガスケット本体610から曲線ではなく一定の角度で延びている。言い換えれば、接続領域614のエッジは、ガスケット本体610のエッジに滑らかに遷移しない。接続領域614は、2つの突起616a、616bを含む。突起616a、616bは、タブに対応する距離だけ間隔をあけて配置されている。
【0110】
D字形のタブ620は、タブ620の中央部に沿って間隔をあけて配置された3つの腕622を含む。各腕622は、プレート式熱交換器用のプレートのエッジと係合するための自由端を有する。タブ620は、図5について説明したものと同様の方法でガスケット610に接続されている。
【0111】
タブ620は、スロット628aを有するクロスバー624を含む。本実施形態では、クロスバー624の延長部628が、スロット628aを画定するために提供される。これにより、スロット628aは、クロスバー624の本体の外側に位置することができる。スロット628aは、例えばプレート上の突起の上に係合することができる。
【0112】
次に図8から図10を参照すると、ガスケットおよびタブの別の実施形態が、一般的に700で示されている。ガスケットおよびタブの特徴は、別段の記載がない限り、本発明の様々な先行する実施形態と類似している。
【0113】
ガスケット710が設けられている。ガスケットの一部のみが図8および図10に示されている。ガスケット710は、プレート式熱交換器のプレートに取り付けるのに適したループ状に形成されていることが理解されるであろう。示されたガスケット710の上側は、実質的に平坦または平面である。下側(見えない)は、以前の実施形態について説明したように、リッジで会合する2つの角度のついた表面を有する。
【0114】
ガスケット710は、複数の周辺タブ接続領域714を含む。各周辺接続領域714は、ガスケット本体の平面内に実質的に配置される。周辺接続領域714は、ガスケット710と一体的に形成されている。周辺接続領域714は、一体的に形成されたタブまたはクリップを含まない。すなわち、それらは、それ自体でプレートに接続するのに適していない。
【0115】
タブ接続領域714のうちの2つが図8に示されているが、他のものは、ここでは図示されていないガスケット710の他の部分に沿って間隔をあけて配置されていることが理解されるであろう。各周辺接続領域714は、ガスケット710から離れて延びる細長い部材(または指)を含む。細長い部材は、実質的に矩形の周縁を有する。各細長い部材は、ガスケット本体よりも薄い(本実施形態では約半分以下の厚さ)。各細長い部材は、実質的に平坦なまたは平面的な上面を有する(後述する突起を除く)。細長い部材は、ガスケット本体と接合する領域において、ガスケット本体710の長手方向軸から実質的に垂直に延びている。各細長い部材は、ガスケット710の角張った面の1つに実質的に向かってまたはガスケット710の角張った面の1つで、ガスケット710に接合される。
【0116】
各細長い部材は、所定のプレートに要求される位置に応じて、任意の適切な角度でガスケットから離れて延びることができることが理解されるであろう。様々な実施形態では、細長い部材の一部/全部は、ガスケット軸に対して垂直であってもよく、細長い部材の一部/全部は、ガスケット軸に対して斜めの角度であってもよい。
【0117】
突起716は、細長い部材から延在している。本実施形態では、突起は、ガスケット710の平坦側の平面方向に延びている。突起716は、実質的に円筒形である。この実施形態では、突起716は、幅よりもわずかに長い(示された実施形態では、より長い部分が細長い部材に沿って配置されている)。したがって、突起716は、実質的に長円形である断面を有する。突起716の高さは、この実施形態では約2mmである。タブと係合するのに十分であれば、任意の適切な高さが使用されてもよい。突起の高さおよび細長い部材の厚さは、ガスケット本体の厚さと実質的に等しい。
【0118】
タブ720は、720で示されている。別のタブが720'で示されており、周辺接続領域714に取り付けられていることを示している。タブ720、720'は、ガスケット710に着脱可能に取り付けられる。各タブ720は実質的に同一である。1つのタブ720のみを説明するが、記述は、本実施形態で使用される任意の追加のタブに適用されることが期待される。
【0119】
本実施形態では、タブは剛性であり、すなわち実質的に柔軟性がない。本実施形態では、タブはプラスチック製である。タブは、例えば圧縮成形によって一体的に形成されている。タブ720は、本実施形態では実質的にT字形である。タブ720のエッジは丸みを帯びている。タブ720は、主幹722を含む。幹722の自由端(または遠位端)722bは、実質的に平坦または平面である。平坦化された端部722bは、幹722の残りの部分よりもわずかに狭い。自由端は、一般的に722cで示されているように、段付き端(または段差を含む)とみなすことができる。
【0120】
主幹722aの中央部には、開口部722aが設けられている。開口部722aは、突起716の大きさおよび形状を補完するような形状を有している。したがって、開口部722aは、実質的に長円形の断面を有する。開口部722aの深さは、突起部716の高さとほぼ同じか、またはそれよりもわずかに大きい。
【0121】
クロスバー724は主幹722の一端に接合されている。主幹722と接触するクロスバー724の長さは、周辺接続領域714の細長い部材の長さと実質的に同じである。主幹722の長さ及び幅は、接続領域714の細長い部材の長さ及び幅と実質的に等しい。
【0122】
2つの副幹または腕726は、クロスバー724のいずれかの端部に接続されている。副幹または腕は、クロスバー724のそれぞれの端部からわずかに差し込まれている。クロスバーおよび幹/腕726の端部は丸みを帯びている。各副幹または腕は、一般的に726aで示される段付きの端部(または段差)を含む。腕726は、主幹と実質的に平行に走る。腕726は、クロスバー724の主幹722と同じ側に延びている。腕726は、主幹722よりも短い。腕726は、プレート式熱交換器のプレートのエッジに適合するように成形することができる。
【0123】
開口部722aは、周辺接続領域714上の突起716と共働可能または相補的に構成されている。主幹722の後面(図示せず)は、細長い部材の上面に隣接するための実質的に平坦なまたは平面的な領域を含む。開口部722aと突起部716を同一軸上に整列させることにより、開口部722aは、タブ720をガスケット本体110に固定するために突起部716に押し込まれるか、または押し付けられることができる。長円形の断面形状のため、タブをガスケットに接続する前に、突起716に対するタブ720の回転方向も正しくする必要がある。
【0124】
一緒に接続されると、突起716は、開口部722aを通って実質的に大部分またはすべてで延びる。言い換えれば、突起の体積は、開口部の体積とほぼ等しい。この実施形態では、開口部722aの深さは、突起716の高さをわずかに上回る。
【0125】
異なる実施形態からの他の変形または特徴の組み合わせが、請求された本発明の範囲内で自由に組み合わされてもよいことが理解されるであろう。
【0126】
突起/貫通開口接続部の使用は、ガスケット上にタブを配置するための適切な接続手段の一例に過ぎない。タブが「差し込まれる」凹部、例えば、ガスケット本体またはタブの一方に閉じた端部を有する穴、およびそれに取り付ける他方の部分に突起を有することが適切であるかもしれない。他の実施形態では、フックの配置があってもよい。例えば、D字形のタブの幹は、ガスケット本体の一部の周りにフックされていてもよい。
【0127】
例えば、上述したように、ガスケットは、タブのない本体として形成されてもよく、この本体にはタブが追加される。しかしながら、ガスケットはまた、特定の位置に選択されたタブを有する本体として形成されてもよく、これに補助的なタブが付加されることが理解されるであろう。これは必ずしも好ましいものではないが、特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。例えば、周辺接続領域を提供して収容することがプレート式熱交換器の一部としてのプレートの性能を混乱させたり、低下させたりするであろういくつかの位置に、一体化されたタブを有することが適切であるかもしれない。
【0128】
上述の実施形態は、例示のためだけに提供され、様々な変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当技術に熟練した者に明らかになるであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10