(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】複合材構造体のボンドライン検査
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20231013BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20231013BHJP
【FI】
G01T1/20 C
G01T1/20 E
G01T1/20 G
G01T1/20 D
G01N23/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019181894
(22)【出願日】2019-10-02
【審査請求日】2022-09-27
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サファイ, モルテザ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07130375(US,B1)
【文献】米国特許第05245648(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0021376(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/04
G01T 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源ハウジング(140)内に位置決めされているX線源(106)、
X線シンチレータ(108)、
光検出器(110)、
前記X線シンチレータ(108)と前記光検出器(110)の間に位置決めされた第1の対物レンズ(112)、及び
前記第1の対物レンズ(112)と前記光検出器(110)の間に位置決めされた第2の対物レンズ(114)を備
え、
前記X線シンチレータ(108)、前記光検出器(110)、前記第1の対物レンズ(112)、及び前記第2の対物レンズ(114)が、検出器ハウジング(144)内に位置決めされており、
磁気位置合わせシステム(168)を更に備え、前記磁気位置合わせシステム(168)の第1の構成要素(170)が、前記X線源ハウジング(140)に連結され、前記磁気位置合わせシステム(168)の第2の構成要素(172)が、前記検出器ハウジング(144)に連結されている、X線検査システム(100)。
【請求項2】
前記第1の対物レンズ(112)が、前記X線シンチレータ(108)から第1の距離(116)にあるように位置決めされている、請求項1に記載のX線検査システム(100)。
【請求項3】
前記光検出器(110)が、電荷結合素子(CCD)画像検出器(134)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像検出器(136)のうちの一つを備える、請求項1又は2に記載のX線検査システム(100)。
【請求項4】
前記X線源ハウジング(140)が、検査される複合材構造体(104)の第1の表面(150)と接触するか、または前記検出器ハウジング(144)が、検査される前記複合材構造体(104)の第2の表面(152)と接触する、請求項1から3のいずれか一項に記載のX線検査システム(100)。
【請求項5】
前記第1の対物レンズ(112)が、前記X線シンチレータ(108)によって放出される光(124)の波長(122)を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティング(120)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のX線検査システム(100)。
【請求項6】
前記第2の対物レンズ(114)が、前記X線シンチレータ(108)によって放出される光(124)の波長(122)を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティング(126)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のX線検査システム(100)。
【請求項7】
前記X線シンチレータ(108)が、構造化シンチレータ(158)である、請求項1から6のいずれか一項に記載のX線検査システム(100)。
【請求項8】
複合材構造体(104)内のボンドライン(148)を検査する方法(400)であって、
前記複合材構造体(104)の第1の表面(150)に対してX線源ハウジング(140)を位置決めすること(414)、ここでX線源(106)が前記X線源ハウジング(140)内に位置決めされており、
前記複合材構造体(104)の第2の表面(152)に対して検出器ハウジング(144)を位置決めすること(416)、ここでX線シンチレータ(108)、光検出器(110)、第1の対物レンズ(112)、及び第2の対物レンズ(114)が、前記検出器ハウジング(144)内に位置決めされており、
位置合わせシステム(166)を使用して、前記X線源ハウジング(140)に対して前記検出器ハウジング(144)の位置合わせをすること(418)、ここで前記位置合わせシステム(166)が、前記X線源ハウジング(140)及び前記検出器ハウジング(144)と物理的に結合されており、
前記複合材構造体(104)の
前記第1の表面(150)の中に
前記X線源(106)からX線(154)を送ること(402)、
前記複合材構造体(104)の
前記第2の表面(152)から
前記X線シンチレータ(108)でX線(156)を受け取ること(404)、
前記X線シンチレータ(108)で受け取られた前記X線(156)から光(124)を生成すること(406)、
拡大された光(128)を形成するために、前記X線シンチレータ(108)で受け取られた前記X線(156)から生成された前記光(124)を
前記第1の対物レンズ(112)によって拡大すること(408)、
前記第2の対物レンズ(114)を使用して、前記拡大された光(128)を
前記光検出器(110)に向けること(410)
、ここで前記第1の対物レンズ(112)が前記X線シンチレータ(108)と前記光検出器(110)の間に位置決めされており、及び
前記光検出器(110)からの出力(160)を使用して、前記ボンドライン(148)が所望の品質を有するかどうか判定すること(412)を含む、方法(400)。
【請求項9】
前記複合材構造体(104)の前記第1の表面(150)の中に前記X線(154)を送る前に、前記複合材構造体(104)の前記第1の表面(150)
と接触するように前記X線源ハウジング(140)を位置決めすること(414)、
または
前記複合材構造体の前記第1の表面(150)の中に前記X線(154)を送る前に、前記複合材構造体(104)の前記第2の表面(152)
と接触するように前記検出器ハウジング(144)を位置決めすること(416)を更に含
む、請求項8に記載の方法(400)。
【請求項10】
前記複合材構造体(104)の前記第1の表面(150)の中に前記X線(154)を送ることが、0.1から0.25インチのボンドラインの厚さを有する、1から5インチの範囲内の表面エリアを有する前記複合材構造体(104)の一部分の中に前記X線(154)を送ること(420)を含む、請求項8又は9に記載の方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、複合材構造体を検査することに関し、特に、複合材構造体内のボンドラインを検査することに関する。より具体的には、本開示は、X線を使用して複合材構造体内のボンドラインを検査するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、複合材製造において正確で信頼できる付着強度を保証する方法はない。複合材構造体の製造中に、不整合(inconsistency)がボンドラインの中に導入されることがある。不整合は、不必要に大きな再作業及びスクラップ率をもたらし得る。
【0003】
現在、複合材の付着強度は、従来の非破壊技術を使用して定量化できない。ボンドライン内の不整合は、視覚的に又は非破壊試験を使用することによって検出することが困難であり得る。微細孔、結晶化、及びキッシング剥離などの、複合材構造体のボンドライン内の不整合の幾つかの種類は、現在のところ非破壊検査技術を使用して検出可能ではないだろう。更に、ボンドラインの非破壊試験は、不必要に時間がかかるか又は不必要に費用がかかるうちの一つであり得る。したがって、少なくとも上述の問題点のうちの幾つかと、起こり得る他の問題点を考慮した方法及び装置を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例示的な一実施形態は、X線検査システムを提供する。X線検査システムは、X線源、X線シンチレータ、光検出器、第1の対物レンズ、及び第2の対物レンズを備える。第1の対物レンズは、X線シンチレータと光検出器の間に位置決めされている。第2の対物レンズは、第1の対物レンズと光検出器の間に位置決めされている。
【0005】
本開示の別の例示的な一実施形態は、ボンドライン検査システムを提供する。ボンドライン検査システムは、X線源アセンブリ、X線検出アセンブリ、及び位置合わせシステムを備える。X線検出アセンブリは、X線シンチレータ、少なくとも2つの対物レンズ、及び光検出器を備える。位置合わせシステムが、X線源アセンブリとX線検出アセンブリの両方に物理的に結合されている。
【0006】
本開示の更なる例示的な一実施形態は、複合材構造体内のボンドラインを検査する方法を提供する。X線は、複合材構造体の第1の表面の中に送られる。X線は、複合材構造体の第2の表面からX線シンチレータで受け取られる。X線シンチレータで受け取られたX線から光が生成される。X線シンチレータで受け取られたX線から生成された光は、第1の対物レンズによって拡大され、拡大された光を形成する。拡大された光は、第2の対物レンズを使用して光検出器に向けられる。光検出器からの出力を使用して、ボンドラインが所望の品質を有するかどうかが判定される。
【0007】
これらの特性及び機能は、本開示の様々な実施形態で独立して実現することもできるし、以下の説明及び図面に関連してさらなる詳細を理解することができる、さらに別の実施形態において組み合わされてもよい。
【0008】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規な特徴は、付随する特許請求の範囲に明記される。しかし、例示的な実施形態並びに好ましい使用モード、さらなる目的及びそれらの特徴は、添付図面を参照しつつ本開示の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な一実施形態による、検査環境のブロック図の例示である。
【
図2】例示的な一実施形態による、X線検査システムの図である。
【
図3】例示的な一実施形態による、X線検査システムの図である。
【
図4】例示的な一実施形態による、複合材構造体内のボンドラインを検査するための方法のフローチャートの例示である。
【
図5】例示的な一実施形態による、ブロック図の形態を採るデータ処理システムの図である。
【
図6】例示的な一実施形態による、ブロック図の形態を採る航空機の製造及び保守方法の図である。
【
図7】例示的な一実施形態が実装され得る、ブロック図の形態を採る航空機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態は、1以上の種々の検討事項を認識し考慮する。例えば、例示的な実施形態は、高周波数超音波などの従来の非破壊技術が、望ましくない硬化によるボンドライン内の小さいばらつきを特定しないことを、認識し考慮する。ボンドラインの完全性を判定するために、レーザーボンド検査デバイス(LBID)が使用されてよい。しかし、レーザーボンド検査デバイス(LBID)も、レーザーボンド検査プロセス中にボンドラインを不必要に破壊することがある。現在、ボンドラインの完全性を試験する唯一の方法は、破壊をもたらす引き抜き試験(pull test)によるものである。
【0011】
例示的な実施形態は、複合材構造体内のボンドラインが、ファスナを使用すること、複合材部分を共硬化すること、接合接着剤を硬化させることによって複合材部分を接着すること、又は他の所望の方法によって形成され得ることを、認識し考慮する。ファスナは、複合材構造体のボンドライン用の補強材として使用されてよい。ファスナは、ボンドラインを有する複合材構造体向けのフェイルセーフとして使用されてよい。従来の検査技術が、ボンドラインの強度測定を提供しないので、ファスナが、フェイルセーフとして使用される。
【0012】
例示的な実施形態は、ファスナが航空機の重量を増大させることを認識し考慮する。ファスナを取り除くことは、航空機の重量を低減させ、航空機の重量に依存する性能特徴を改善する。更に、例示的な実施形態は、ボンドライン向けの非破壊検査を提供することが、フェイルセーフファスナなしのボンドラインを可能にし得ることを、認識し考慮する。
【0013】
例示的な実施形態は、従来のX線検査が、複合材構造体内のボンドライン内の微細孔及び他の種類の不整合にとって望ましくないことを、認識し考慮する。従来のX線検査は、不必要に低い分解能を有する。
【0014】
例示的な実施形態は、X線検査の特性が、検出器のピクセルの数及びX線源からのX線のフラックスを含むことを、認識し考慮する。ピクセルの数を変更することなしに検出器のサイズを増加させることは、検査の分解能を低減させる。X線のフラックスを増加させることなしにピクセルの数を増加させることは、検出器からのデータのコントラストを低減させる。
【0015】
例示的な実施形態は、信号を増幅するために、X線検査においてマイクロチャネルプレートが使用されることを、認識し考慮する。環境光が、不必要にマイクロチャネルプレートに影響を与える。環境光は、マイクロチャネルプレートを事実上無効にし得る。
【0016】
例示的な実施形態は、X線シンチレータがX線を受け取り可視光を生成することを認識し考慮する。X線シンチレータは、構造化シンチレータ及び粉末シンチレータを含む。粉末シンチレータは、種々の配向を有する粉末を含む。粉末シンチレータは、粉末の配向により光を散乱させる。
【0017】
例示的な実施形態は、秩序構造にある材料を有する構造化シンチレータが、粉末シンチレータより光を散乱させないことを、認識し考慮する。構造化シンチレータは、結晶から形成されている。構造化シンチレータは、結晶シンチレータとも称され得る。秩序構造にある材料を有する構造化シンチレータは、粉末シンチレータより光を散乱させない。
【0018】
例示的な実施形態は、X線相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器が、歯科撮像及び他の小さい医療撮像において使用されることを、認識し考慮する。X線CMOS検出器は、より大きなエリアを撮像することにおいて望ましくないだろう。X線CMOS検出器を使用して大きなエリアを検査することは、不必要に長い時間を必要とし得る。
【0019】
例示的な実施形態は、X線撮像において幾何学的歪が生成されることを認識し考慮する。幾何学的歪は、複合材構造体のボンドライン内の不整合を検出することを困難にする。例示的な実施形態は、複合材構造体のX線検査における収差及び幾何学的歪を低減させることが望ましいことを認識し考慮する。
【0020】
例示的な実施形態は、光学システムが種々のレンズの種類を備えることを認識し考慮する。種々のレンズの種類は、種々の機能を実行する。例えば、画像を反転させ又はシステムの長さを延伸させるために、リレーレンズが使用される。別の一実施例として、光を集中させるために、対物レンズ又は一連の対物レンズが使用される。対物レンズは、歪を低減させ又は消去するために使用されてよい。
【0021】
例示的な実施例は、X線検査システムを提供する。X線検査システムは、X線源、X線シンチレータ、光検出器、及び少なくとも2つの対物レンズを備える。
【0022】
次に、
図1を参照すると、例示的な一実施形態による、検査環境のブロック図の例示が描かれている。X線検査システム100は、検査環境102内に存在する。X線検査システム100は、複合材構造体104を検査するために使用されてよい。ある例示的な実施例では、X線検査システム100が、ボンドライン検査システム105と称されてよい。
【0023】
X線検査システム100は、X線源106、X線シンチレータ108、光検出器110、第1の対物レンズ112、及び第2の対物レンズ114を備える。第1の対物レンズ112は、X線シンチレータ108と光検出器110の間に位置決めされている。第2の対物レンズ114は、第1の対物レンズ112と光検出器110の間に位置決めされている。
【0024】
第1の対物レンズ112がX線シンチレータ108から第1の距離116にあるように、第1の対物レンズ112が位置決めされている。第1の対物レンズ112が拡大118を提供するように、第1の距離116が選択されている。ある例示的な実施例では、第1の距離116が調整可能である。
【0025】
第1の対物レンズ112は、X線シンチレータ108によって放出される光124の全てを受け取るのに十分な直径を有する。第1の対物レンズ112は、X線シンチレータ108からの光124を集中させコリメートするのに十分な大きさである。
【0026】
第1の対物レンズ112は、X線シンチレータ108によって放出される光124の波長122を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティング120を有する。X線シンチレータ108によって放出される波長122は、特定のウィンドウ内にある。ある例示的な実施例では、X線シンチレータ108によって放出される波長122が、高周波数として説明される。ある例示的な実施例では、X線シンチレータ108によって放出される波長122が、可視光の緑領域内にあると説明される。
【0027】
反射防止用コーティング120は、波長122を有する光を選択的にブロックするように選択されている。反射防止用コーティング120は、第1の対物レンズ112から反射された光がX線シンチレータ108に戻ることを低減させ又は防止する。ある例示的な実施例では、反射防止用コーティング120が、X線検査システム100内のノイズを低減させる。ある例示的な実施例では、反射防止用コーティング120が、X線検査システム100の外側からの外部照明を低減させる。反射防止用コーティング120は、X線シンチレータ108内のゴースト像を低減させ又は防止する。
【0028】
第2の対物レンズ114は、X線シンチレータ108によって放出される光124の波長122を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティング126を有する。反射防止用コーティング126は、波長122を有する光を選択的にブロックするように選択されている。反射防止用コーティング126は、第2の対物レンズ114から反射された光がX線シンチレータ108に戻ることを低減させ又は防止する。ある例示的な実施例では、反射防止用コーティング126が、X線検査システム100内のノイズを低減させる。ある例示的な実施例では、反射防止用コーティング126が、X線検査システム100の外側からの外部照明を低減させる。反射防止用コーティング126は、X線シンチレータ108内のゴースト像を低減させ又は防止する。
【0029】
第1の対物レンズ112と第2の対物レンズ114は、X線シンチレータ108で受け取られたX線156から生成された光124を受け取り、拡大し、導くように構成されている。第1の対物レンズ112と第2の対物レンズ114は共に、光124をX線シンチレータ108の表面エリアより小さいエリア上に集中させる。第1の対物レンズ112は、X線シンチレータ108から受け取った光124を拡大して、拡大された光128を形成する。第2の対物レンズ114は、拡大された光128を受け取り圧縮(compact)する。
【0030】
第2の対物レンズ114は、拡大された光128の圧縮130を提供するように構成されている。拡大された光128の圧縮130は、改善された画像の品質を提供する。拡大された光128の圧縮130は、歪の低減を提供する。第2の対物レンズ114は、光124に対する第1の対物レンズ112の悪影響を低減させ又は消去する。例えば、第2の対物レンズ114は、ピンクッション、バレル歪、水平非線形性、及び垂直非線形性を低減させ又は消去して、改善された画像の品質を提供する。第2の対物レンズ114は、拡大された光128を圧縮し導いて、光検出器110に向けられた圧縮された光132を形成する。
【0031】
光検出器110は、電荷結合素子(CCD)画像検出器134又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像検出器136のうちの一つを備える。光検出器110は、少なくとも20ミクロンのピッチ138を有する。ここで、ミクロンはメートルの百万分の一である。ピッチ138は、光検出器110の1つのピクセルから別の1つのピクセルまでの測定された距離である。
【0032】
ある例示的な実施例では、X線源106が、X線源ハウジング140内に位置決めされている。X線源アセンブリ142が、X線源ハウジング140とX線源106を含む。
【0033】
ある例示的な実施例では、X線シンチレータ108、光検出器110、第1の対物レンズ112、及び第2の対物レンズ114が、検出器ハウジング144内に位置決めされている。X線検出アセンブリ146が、検出器ハウジング144と検出器ハウジング144内の構成要素とを含む。
【0034】
複合材構造体104のボンドライン148を検査するために、X線源アセンブリ142が、複合材構造体104の第1の表面150に対して位置決めされている。X線源アセンブリ142は、X線源106が第1の表面150に対面するように位置決めされている。ある例示的な実施例では、X線源アセンブリ142が、X線源ハウジング140が第1の表面150と接触するように位置決めされている。
【0035】
X線検出アセンブリ146は、複合材構造体104の第2の表面152に対して位置決めされている。第2の表面152は、複合材構造体104のボンドライン148の周りの、第1の表面150の反対側の表面である。ある例示的な実施例では、第2の表面152が、複合材構造体104の第2の側にあるとして説明され得る。
【0036】
X線検出アセンブリ146は、X線シンチレータ108が光検出器110と第2の表面152の間に位置決めされるように位置決めされている。ある例示的な実施例では、X線検出アセンブリ146が、検出器ハウジング144が第2の表面152と接触するように位置決めされている。
【0037】
ボンドライン148を検査するために、X線源106は、X線154を複合材構造体104の第1の表面150の中に向ける。ある例示的な実施例では、第1の表面150が、複合材構造体104の第1の側にあるとして説明され得る。
【0038】
X線源106は、任意の所望の形態を採る。ある例示的な実施例では、X線源106が、マクロX線源である。ある例示的な実施例では、X線源106が、微小焦点管を備える。ある例示的な実施例では、X線源106が、少なくとも1つの微小焦点管を備えるときに、光検出器110によって生成された画像に対する解像度が高められる。微小焦点管は、非常に小さい焦点サイズ、通常は50μm未満の直径を生成する。ある例示的な実施例では、X線源106が、微小焦点X線管である。
【0039】
X線シンチレータ108は、第1の表面150、ボンドライン148、及び第2の表面152を貫通して移動するX線156を受け取る。X線シンチレータ108は、受け取ったX線156から光124を生成する。
【0040】
ある例示的な実施例では、X線シンチレータ108が、構造化シンチレータ158である。構造化シンチレータ158は、構造化された形態で成長する結晶から形成されている。
【0041】
光124は、第1の対物レンズ112に移動する。第1の対物レンズ112は、光124を受け取り、拡大された光128を生成する。拡大された光128は、第2の対物レンズ114によって受け取られる。第2の対物レンズ114は、拡大された光128から圧縮された光132を形成する。
【0042】
光検出器110は、圧縮された光132を受け取り、出力160を生成する。出力160は、コンピュータ162に送られる。出力160を使用して、ボンドライン148が所望の品質を有するかどうかの判定が行われる。ある例示的な実施例では、出力160がセンサデータと称され得る。ある例示的な実施例では、出力160を使用して生成された画像が、コンピュータ162のディスプレイ163上に表示される。ある例示的な実施例では、ディスプレイ163上に表示された情報に基づいて判定が実行される。ある例示的な実施例では、ディスプレイ163上の画像に基づいて判定が実行される。
【0043】
ある例示的な実施例では、ボンドライン148内の不整合164が特定される。不整合164は、ボンドライン148内に存在する任意の種類の不整合を含む。ある例示的な実施例では、不整合164が微細孔を含む。ある例示的な実施例では、不整合164が結晶化を含む。ある例示的な実施例では、不整合164がキッシング剥離を含む。
【0044】
X線検出アセンブリ146は、収集されたフラックスを最大化するように構成されている。X線検出アセンブリ146は、X線156を受け取り処理して、X線156の損失を最小化するように構成されている。例えば、X線検出アセンブリ146は、第2の表面152を出て行く実質的に全てのX線156を収集するようにサイズ決定されている。X線検出アセンブリ146は、光124の生成中のX線156の損失を低減させるために、粉末シンチレータよりもむしろ構造化シンチレータ158を含む。
【0045】
第2の表面152を出て行く可能な限り多くのX線156を収集するために、X線検出アセンブリ146は、X線源アセンブリ142に対して一直線上に整列するように位置合わせされる。X線検査システム100は、位置合わせシステム166を有する。位置合わせシステム166は、任意の所望の形態を採る。位置合わせシステム166は、X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146を互いに対して位置合わせするように構成されている。
【0046】
ある例示的な実施例では、位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採る。位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採るときに、磁気位置合わせシステム168の第1の構成要素170が、X線源ハウジング140に連結され、磁気位置合わせシステム168の第2の構成要素172が、検出器ハウジング144に連結されている。
【0047】
位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採るときに、X線源ハウジング140又は検出器ハウジング144のうちの一つが、X線源ハウジング140又は検出器ハウジング144のうちの他方が動かされたときに、磁気位置合わせシステム168の磁力によって動かされてよい。磁気位置合わせシステム168の磁力は、X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146の位置合わせを可能にする。X線検出アセンブリ146に対するX線源アセンブリ142の位置合わせは、X線156の収集に影響を与える。X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146が、オフセットされている場合、X線検出アセンブリ146は、X線156の一部分のみを収集することになる。
【0048】
位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採るときに、X線検査システム100は、オペレータによって操作されてよい。位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採るときに、X線検査システム100の自動化された動きを単純化することができる。例えば、位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168の形態を採るときに、X線検出アセンブリ146が、磁気位置合わせシステム168の磁気による引き付けによって動かされている間に、X線源アセンブリ142が、自動化されたシステムによって操作されてよい。
【0049】
描かれているように、位置合わせシステム166は、磁気位置合わせシステム168又は基準位置合わせシステム174のうちの一つを備える。ある例示的な実施例では、位置合わせシステム166が、磁気位置合わせシステム168と基準位置合わせシステム174の組み合わせである。例えば、基準位置合わせシステム174は、X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146を、複合材構造体104に対して最初に位置決めするために使用されてよい。X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146を最初に位置決めした後で、磁気位置合わせシステム168が、X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146を、互いに対して精密に位置合わせするために使用されてよい。
【0050】
ある例示的な実施例では、位置合わせシステム166が、基準位置合わせシステム174の形態を採る。位置合わせシステム166が、基準位置合わせシステム174を備えるときに、基準(fiducial)176が、X線検査システム100の位置合わせのために、複合材構造体104上又は複合材構造体104の近くに位置付けられる。位置合わせシステム166が、基準位置合わせシステム174の形態を採るときに、X線検査システム100は、コントローラ178によって操作されてよい。
【0051】
コントローラ178は、X線源アセンブリ142に対して、X線検出アセンブリ146を位置決めするように構成されている。コントローラ178は、X線源106に対して、光検出器110を位置決めするように構成されている。コントローラ178は、ハードウェア又はソフトウェアのうちの少なくとも一つの中に実装されてよい。コントローラ178は、コンピュータシステム内のプロセッサユニットであるか、又は特定の実施態様に応じた専門回路(specialist circuit)であってよい。
【0052】
ボンドライン検査システム105は、X線源アセンブリ142、X線検出アセンブリ146、及び位置合わせシステム166を備える。X線検出アセンブリ146は、X線シンチレータ108、少なくとも2つの対物レンズ、及び光検出器110を備える。位置合わせシステム166は、X線源アセンブリ142とX線検出アセンブリ146とに物理的に結合されている。
【0053】
少なくとも2つの対物レンズを含むことにより、色収差を低減させ又は消去する。少なくとも2つの対物レンズは、X線シンチレータ108からの光124を拡大し圧縮するために、X線検出アセンブリ146内に位置決めされている。2つの対物レンズ、すなわち第1の対物レンズ112と第2の対物レンズ114が描かれているが、任意の所望の数の対物レンズが、ボンドライン検査システム105内に存在してよい。ある例示的な実施例では、2つより多くの対物レンズが、ボンドライン検査システム105内に存在する。ある例示的な実施例では、ボンドライン検査システム105が、3つの対物レンズ、4つの対物レンズ、又は4つより多くの対物レンズを有する。X線検出アセンブリ146内の対物レンズの数を増加させることにより、X線検出アセンブリ146内で提供される拡大を増加させる。対物レンズの数を増加させることにより、X線検出アセンブリ146の複雑さも増加する。
【0054】
第1の対物レンズ112に対して加えられた各対物レンズは、システム検出能力として画像の品質を改善するが、各加えられたレンズは、システムに更なる費用及び複雑さを追加する。ある例示的な実施例では、X線検出アセンブリ146内の対物レンズの数が、小さい微細孔、ボイド、又は他の小さい不整合に対する、ボンドライン148の検査向けの所望の画像の品質に基づいて選択される。
【0055】
X線検査システム100は、ボンドライン148を有する複合材構造体104の適格性に対する検査を提供するように構成されている。X線検査システム100は、第1の表面150の1から5インチの間の表面エリアの中に、X線154を送るように構成されている。X線検査システム100は、0.1から0.25インチの厚さを有するボンドライン148を有する、複合材構造体104に対する検査を提供するように構成されている。
【0056】
図1の検査環境102の図は、例示的な一実施形態が実装され得るやり方に対して、物理的な又は構造的な限定を示唆することを意図していない。示されている構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素が使用されてよい。幾つかの構成要素は不要であってよい。更に、一部の機能構成要素を図示するために、ブロックが提示されている。例示的な実施形態に実装されるときに、これらのブロックのうちの1以上が、結合され、分割され、又は結合且つ分割されて異なるブロックになってよい。
【0057】
例えば、基準176及び基準位置合わせシステム174が描かれているが、位置合わせシステム166は、任意の所望の形態を採ってよい。例えば、位置合わせシステム166は、レーザー追跡位置合わせシステムの形態を採ってよい。
【0058】
描かれていないある実施例では、X線検査システム100が、第3の対物レンズを備える。描かれていないこれらの実施例では、第3の対物レンズが、第2の対物レンズ114と光検出器110との間に位置決めされている。描かれていない他の一部の実施例では、X線検査システム100が、第3の対物レンズと光検出器110との間に第4の対物レンズを更に備える。
【0059】
次に、
図2を参照すると、例示的な一実施形態による、X線検査システムの図が描かれている。X線検査システム200は、
図1のX線検査システム100の物理的な一実施態様である。X線検査システム200は、X線源アセンブリ202及びX線検出アセンブリ204を備える。X線源アセンブリ202は、
図1のX線源アセンブリ142の物理的な一実施態様である。
【0060】
X線源アセンブリ202は、複合材構造体208の第1の表面206に対して位置決めされている。X線源アセンブリ202は、複合材構造体208の第1の表面206の中にX線(図示せず)を送るように構成されている。X線源(図示せず)は、X線源アセンブリ202のハウジング209内に存在する。
【0061】
X線検出アセンブリ204は、
図1のX線検出アセンブリ146の物理的な一実施態様である。X線検出アセンブリ204は、複合材構造体208の第2の表面210に対して位置決めされている。X線検出アセンブリ204は、複合材構造体208を貫通して移動するX線(図示せず)を受け取る。
【0062】
X線シンチレータ(図示せず)、少なくとも2つの対物レンズ(図示せず)、及び光検出器(図示せず)が、X線検出アセンブリ204の検出器ハウジング212の内側に存在する。X線検出アセンブリ204は、コンピュータシステム214と電子通信する。
【0063】
描かれているように、コンピュータシステム214のディスプレイ216が、画像218を表示している。画像218は、X線検出アセンブリ204の光検出器の出力から生成される。画像218は、ボンドライン222内に不整合が存在するかどうかを判定するために使用されてよい。画像218は、ボンドライン222にとって所望の品質が存在するかどうかを判定するために使用されてよい。
【0064】
描かれているように、複合材構造体208のボンドライン222内に不整合220が存在する。X線源アセンブリ202とX線検出アセンブリ204は、不整合220を有するボンドライン222の部分224を検査するように位置決めされている。不整合220は、画像218内で視認可能である。
【0065】
次に、
図3を参照すると、例示的な一実施形態による、X線検査システムの図が描かれている。X線検査システム300は、
図1のX線検査システム100の物理的な一実施態様である。X線検査システム300は、X線源302、X線シンチレータ304、光検出器306、第1の対物レンズ308、及び第2の対物レンズ310を備える。第1の対物レンズ308は、X線シンチレータ304と光検出器306の間に位置決めされている。第2の対物レンズ310は、第1の対物レンズ308と光検出器306の間に位置決めされている。
【0066】
図(view)312は、
図1のX線検査システム100の簡略化された図である。
図312で描かれていないが、X線検査システム100は、少なくとも幾つかのハウジング、コントローラ、位置合わせシステム、又は任意の他の所望な構成要素などの、他の構成要素を更に備えてよい。
【0067】
X線源302は、複合材構造体318の第1の表面316の中にX線314を向ける。X線314は、複合材構造体318に入り、複合材構造体318を貫通して移動する。X線シンチレータ304は、第2の表面322で複合材構造体318を出て行くX線320を受け取る。
【0068】
X線シンチレータ304は、X線320を受け取り、光324を生成する。第1の対物レンズ308は、X線シンチレータ304で受け取られたX線320から生成された光324を拡大する。第2の対物レンズ310は、第1の対物レンズ308からの拡大された光を集中させる。
【0069】
第2の対物レンズ310は、光検出器306に圧縮された光を向ける。光検出器306の出力(図示せず)が、複合材構造体318のボンドライン326において所望の品質が存在するかどうかを判定するために使用される。
【0070】
X線検査システム300は、複合材構造体318のボンドライン326内の不整合を検出するのに十分な解像度を有する画像を提供する。X線検査システム300は、ボンドライン326内のキッシング剥離、微細孔、結晶化、又は他の種類の不整合を検出するのに十分な解像度及び十分なコントラストを提供するように構成されている。
【0071】
十分な解像度を提供するために、十分な拡大を提供し、X線の実質的に全てを収集し、生成された光の収集を最大化するように、構成要素の間の距離が設定されている。所望の拡大を提供するために、X線源302と試験片330との間の距離328と、試験片330とX線シンチレータ304との間の距離332との比が選択されている。
【0072】
図3のX線検査システム300の図は、例示的な一実施形態が実装され得るやり方に対して、物理的な又は構造的な限定を示唆することを意図していない。示されている構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素が使用されてよい。例えば、描かれていないある例示的な実施例では、X線検査システム300が、2つより多くの対物レンズを含んでよい。
【0073】
描かれていないある実施例では、X線検査システム300が、第3の対物レンズを備える。描かれていないこれらの実施例では、第3の対物レンズが、第2の対物レンズ310と光検出器306との間に位置決めされている。描かれていない他の一部の実施例では、X線検査システム300が、第3の対物レンズと光検出器306との間に第4の対物レンズを更に備える。
【0074】
図2~
図3で示されている種々の構成要素は、
図1の構成要素と組み合わされてよく、
図1の構成要素と共に使用されてよく、又はこれらの2つの組み合わせであってよい。加えて、
図2~
図3の構成要素の一部は、
図1のブロック形式で示されている構成要素が、どのようにして物理的構造物として実装され得るかについての例示的な実施例であってよい。
【0075】
次に、
図4を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材構造体内のボンドラインを検査するための方法のフローチャートの例示が描かれている。方法400は、
図1の複合材構造体104内のボンドライン148を検査する方法である。方法400は、
図1のX線検査システム100を使用して実行されてよい。方法400は、
図2の複合材構造体208内のボンドライン222を検査するために使用されてよい。方法400は、
図2のX線検査システム200を使用して実行されてよい。方法400は、
図3の複合材構造体318内のボンドライン326を検査するために使用されてよい。方法400は、
図3のX線検査システム300を使用して実行されてよい。
【0076】
方法400は、複合材構造体の第1の表面の中にX線を送る(動作402)。方法400は、複合材構造体の第2の表面からのX線を、X線シンチレータで受け取る(動作404)。方法400は、X線シンチレータで受け取られたX線から光を生成する(動作406)。方法400は、X線シンチレータで受け取られたX線から生成された光を第1の対物レンズによって拡大し、拡大された光を形成する(動作408)。方法400は、第2の対物レンズを使用して、光検出器に拡大された光を向ける(動作410)。方法400は、光検出器からの出力を使用して、ボンドラインが所望の品質を有するかどうか判定する(動作412)。その後、方法400は終了する。
【0077】
ある例示的な実施例では、方法400が、X線源ハウジング内に位置決めされたX線源を使用して複合材構造体の第1の表面の中にX線を送る前に、複合材構造体の第1の表面に対してX線源ハウジングを位置決めする(動作414)。ある例示的な実施例では、方法400が、複合材構造体の第1の表面の中にX線を送る前に、複合材構造体の第2の表面に対して検出器ハウジングを位置決めすることを更に含む。その場合、X線シンチレータ、光検出器、第1の対物レンズ、及び第2の対物レンズは、検出器ハウジング内に位置決めされる(動作416)。
【0078】
ある例示的な実施例では、方法400が、複合材構造体の第2の表面に対して検出器ハウジングを位置決めすることが、X線源ハウジングに対して検出器ハウジングを位置合わせすることを含む、ことを更に含む(動作418)。
【0079】
ある例示的な実施例では、方法400が、複合材構造体の第1の表面の中にX線を送ることが、0.1から0.25インチのボンドラインの厚さを有する、1から5インチの範囲内の表面エリアを有する複合材構造体の一部分の中にX線を送ることを含むことを、更に含む(動作420)。
【0080】
図示した種々の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な一実施形態における、装置及び方法の幾つかの可能な実施態様の構造、機能、及び動作を示している。これに関し、フロー図又はブロック図内の各ブロックは、1つの工程又はステップの、モジュール、セグメント、機能、及び/又は部分を表わしていることがある。
【0081】
例示的な一実施形態の幾つかの代替的な実施態様では、ブロック内に記載された1以上の機能は、図中に記載された順序を逸脱して出現し得る。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックが実質的に同時に実行されること、又は時には含まれる機能に応じてブロックが逆順に実施されることもあり得る。また、フローチャート又はブロック図に示されているブロックに加えて、他のブロックが追加されることもある。幾つかのブロックは、任意選択的であってよい。例えば、方法400では、動作414から420は、任意選択的であってよい。
【0082】
次に、
図5を参照すると、例示的な一実施形態による、ブロック図の形態を採るデータ処理システムの図が描かれている。
図1のコンピュータ162又はコントローラ178のうちの少なくとも一つを実装するために、データ処理システム500が使用されてよい。
【0083】
この例示的な実施例では、データ処理システム500が通信ファブリック502を含む。通信ファブリック502は、プロセッサユニット504、メモリ506、固定記憶域508、通信ユニット510、入出力(I/O)ユニット512、及びディスプレイ514の間での通信を提供する。メモリ506、固定記憶域508、通信ユニット510、入出力(I/O)ユニット512、及びディスプレイ514は、通信ファブリック502を介してプロセッサユニット504によってアクセス可能なリソースの実施例である。
【0084】
プロセッサユニット504は、メモリ506に読み込まれるソフトウェアの指示命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット504は、特定の実施態様に応じて、任意の数のプロセッサであるか、マルチプロセッサコアであるか、又は他の何らかの種類のプロセッサであってよい。更に、プロセッサユニット504は、単一チップ上でメインプロセッサが二次プロセッサと共存する幾つかの異種プロセッサシステムを使用して実装され得る。別の実施例として、プロセッサユニット504は、同じタイプのプロセッサを複数個含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0085】
メモリ506及び固定記憶域508は、記憶デバイス516の実施例である。記憶デバイスは、一時的に若しくは恒久的に情報を記憶することが可能な任意のハードウェアであり、この情報は、例えば非限定的な例として、データ、機能的形態のプログラムコード、及び他の好適な情報などである。記憶デバイス516は、これらの実施例では、コンピュータ可読記憶デバイスとも称され得る。これらの実施例で、メモリ506は、例えばランダムアクセスメモリ、又は任意の他の適切な揮発性或いは不揮発性の記憶デバイスであってもよい。固定記憶域508は、特定の実施態様に応じて様々な形態を採ってよい。
【0086】
例えば、固定記憶域508は、1以上の構成要素又はデバイスを包含してよい。例えば、固定記憶域508は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え可能光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はこれらの何らかの組み合わせであってよい。固定記憶域508によって使用される媒体は、着脱可能であってよい。例えば、着脱可能なハードドライブが、固定記憶域508に使用されてよい。
【0087】
通信ユニット510は、これらの実施例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信ユニット510は、ネットワークインターフェースカードである。通信ユニット510は、物理的通信リンク及び無線通信リンクの何れか又はそれら両方を使用することによって、通信を提供してよい。
【0088】
入出力(I/O)ユニット512により、データ処理システム500に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力(I/O)ユニット512は、キーボード、マウス、及び/又は他の何らかの好適な入力デバイスを通じて、ユーザ入力のための接続を提供してよい。更に、入出力(I/O)ユニット512は、プリンタに出力を送信し得る。ディスプレイ514は、ユーザに情報を表示するための仕組みを提供する。
【0089】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する指示命令は記憶デバイス516の上に配置可能で、この記憶デバイス516は通信ファブリック502を介してプロセッサユニット504と通信を行う。これらの実施例では、指示命令が、固定記憶域508上で機能的形態を採る。これらの指示命令は、プロセッサユニット504による実行のためにメモリ506に読み込まれてよい。種々の実施形態の工程は、メモリ506などのメモリに配置され得る指示命令を実装したコンピュータを使用して、プロセッサユニット504によって実施することができる。
【0090】
これらの指示命令は、プログラム指示命令、プログラムコード、コンピュータ可用プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット504内のプロセッサによって読み込まれて実行される。種々の実施形態におけるプログラムコードは、メモリ506又は固定記憶域508などの、種々の物理的又はコンピュータ可読記憶媒体で具現化されてよい。
【0091】
プログラムコード518は、選択的に着脱可能なコンピュータ可読媒体520に機能的な形態で配置され、且つ、プロセッサユニット504による実行のためにデータ処理システム500に読み込まれ得るか又は送信され得る。これらの実施例では、プログラムコード518及びコンピュータ可読媒体520は、コンピュータプログラム製品522を形成する。一実施例では、コンピュータ可読媒体520は、コンピュータ可読記憶媒体524又はコンピュータ可読信号媒体526とすることができる。
【0092】
コンピュータ可読記憶媒体524は、例えば、固定記憶域508の部品であるハードディスクなどのように、記憶デバイス上に転送するための固定記憶域508の部品であるドライブ又は他のデバイスに挿入又は配置される光ディスク又は磁気ディスクなどを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体524はまた、データ処理システム500に接続された固定記憶域(例えば、ハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリ)の形態をとってよい。幾つかの例では、コンピュータ可読記憶媒体524は、データ処理システム500から着脱可能でなくてもよい。
【0093】
これらの実施例では、コンピュータ可読記憶媒体524は、プログラムコード518を伝搬又は転送する媒体ではなく、プログラムコード518を記憶するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。コンピュータ可読記憶媒体524は、コンピュータ可読有形記憶デバイス又はコンピュータ可読物理記憶デバイスと呼ばれることもある。換言すると、コンピュータ可読記憶媒体524は、人が触れることのできる媒体である。
【0094】
代替的に、プログラムコード518は、コンピュータ可読信号媒体526を使用して、データ処理システム500に伝送されてよい。コンピュータ可読信号媒体526は、例えば、プログラムコード518を包含する被伝播データ信号であってよい。例えば、コンピュータ可読信号媒体526は、電磁信号、光信号、及び/又は他の任意の適切な種類の信号であってよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線などの通信リンク、及び/又は他の任意の適切な種類の通信リンクによって伝送されてよい。すなわち、実施例では、通信リンク及び/又は接続は、物理的なもの又は無線によるものになってよい。
【0095】
幾つかの例示的な実施形態では、プログラムコード518は、データ処理システム500内で使用するため、コンピュータ可読信号媒体526を通して、別のデバイス又はデータ処理システムからネットワークを介して固定記憶域508へダウンロードされてよい。例えば、サーバデータ処理システム内のコンピュータ可読記憶媒体に保存されているプログラムコードは、ネットワークを介してサーバからデータ処理システム500にダウンロードしてよい。プログラムコード518を提供するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード518を記憶及び送信できるその他のデバイスであってもよい。
【0096】
データ処理システム500に関して例示されている種々の構成要素は、種々の実施形態が実施され得るやり方に構造的な限定をもたらすことを意図するものではない。種々の例示的な実施形態は、データ処理システム500に関して例示されている構成要素の、追加的な、及び/又は代替的な構成要素を含むデータ処理システムにおいて実施されてよい。
図5に示した他の構成要素は、図示した実施例とは異なる可能性がある。種々の実施形態は、プログラムコードを実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを用いて実行されてよい。一実施例として、データ処理システム500は、無機構成要素と統合された有機構成要素を含むことができる、及び/又は人間を除く有機構成要素全体からなるとしてもよい。例えば、記憶デバイスは有機半導体で構成されてよい。
【0097】
別の実施例では、プロセッサユニット504は、特定用途のために製造又は構成された回路を有するハードウェア装置の形態をとってよい。この種のハードウェアは、プログラムコードを記憶デバイスからメモリに読み込んで工程を実行するように構成する必要なく、工程を実行してよい。
【0098】
例えば、プロセッサユニット504がハードウェアユニットの形態をとる場合、プロセッサユニット504は回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の操作を実施するために構成された他の適切な形式のハードウェアであってよい。プログラマブル論理デバイスにより、デバイスは任意の数の工程を実行するように構成されている。デバイスは、後で再構成してよく、又は数々の動作を実行するように恒久的に構成してよい。プログラム可能論理デバイスの例には、例えば、プログラム可能論理アレイ、プログラム可能アレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。この種の実施態様の場合、種々の実施形態のための工程がハードウェアユニット内で実行されることから、プログラムコード518は省略されてよい。
【0099】
更に別の例示的な実施例では、プロセッサユニット504は、コンピュータ及びハードウェアユニットの中に見られるプロセッサの組み合わせを使用して実装可能である。プロセッサユニット504は、プログラムコード518を実行するように構成された幾つかのハードウェアユニット及び幾つかのプロセッサを有してよい。図示した実施例の場合、幾つかのハードウェアユニットにおいて幾つかの工程を実施することができ、幾つかのプロセッサにおいてその他の工程を実施することができる。
【0100】
別の実施例では、バスシステムは、通信ファブリック502を実装するために使用することができ、システムバス又は入出力バスなどの1以上のバスを含むことができる。当然ながらバスシステムは、バスシステムに取り付けられた種々の構成要素又はデバイスの間でのデータ伝送を行う任意の適切な種類のアーキテクチャを使用して実装することができる。
【0101】
加えて、通信ユニット510は、データの送信、データの受信、又はデータの送受信を行う任意の数のデバイスを含んでよい。通信ユニット510は、例えば、モデム又はネットワークアダプタ、2つのネットワークアダプタ、又はこれらの何らかの組み合わせであってよい。更に、メモリは、例えば、メモリ506、又はインターフェースに見られるようなキャッシュ、及び通信ファブリック502の中に存在するメモリコントローラハブであってもよい。
【0102】
本開示の例示的な実施形態は、
図6に示す航空機の製造及び保守方法600、及び
図7に示す航空機700に関連して説明され得る。まず
図6を参照すると、航空機の製造及び保守方法が、例示的な実施形態に従って図示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法600は、
図7の航空機700の仕様及び設計602、並びに材料の調達604を含んでよい。
【0103】
製造段階では、航空機700の、構成要素及びサブアセンブリの製造606とシステムインテグレーション608とが行われる。その後、航空機700は、認可及び納品610を経て運航612に供される。顧客による運航612中、航空機700には、定期的な整備及び保守614(改造、再構成、改修、又はその他の整備及び保守を含み得る)が予定される。
【0104】
航空機の製造及び保守方法600の各プロセスは、システム組立業者、第三者、及び/又は作業員によって実施又は実行されてよい。これらの例では、作業員は顧客であってよい。この明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでよいが、それらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでよいが、それらに限定されるわけではなく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0105】
次に、
図7を参照すると、例示的な一実施形態が実装可能な航空機の図が示されている。この例では、航空機700は、
図6の航空機の製造及び保守方法600によって製造され、複数のシステム704及び内装706を有する機体702を含んでよい。システム704の実施例は、推進システム708、電気システム710、油圧システム712、及び環境システム714のうちの1以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれてよい。航空宇宙産業の例が示されているが、種々の例示的な実施形態が、自動車産業といった他の産業に適用されてよい。
【0106】
本明細書で具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法600のうちの少なくとも1つの段階で用いられてよい。本明細書で使用される場合、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。換言すると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせ、及び幾つかのアイテムが、列挙された中から使用され得ることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要となる訳ではないことを意味する。アイテムとは、特定の対象物、物品、又はカテゴリであってよい。
【0107】
例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、アイテムA、アイテムA及びアイテムB、若しくはアイテムBを含みうる。この例はまた、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、若しくはアイテムB及びアイテムCも含み得る。言うまでもなく、これらのアイテムのいずれかの組み合わせが存在し得る。他の例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB及び7個のアイテムC」、又は他の適切な組み合わせであり得る。
【0108】
1以上の例示的な実施形態は、
図6の構成要素及びサブアセンブリの製造606、システムインテグレーション608、又は整備及び保守614のうちの少なくとも1つの間に使用されてよい。例えば、
図1のX線検査システム100は、
図1の複合材構造体104を検査するために、構成要素及びサブアセンブリの製造606中に使用されてよい。X線検査システム100は、機体702や内装706の部分などの、航空機700の部分を検査するために使用されてよい。
【0109】
例示的な実施形態は、複合材構造体を検査するためのX線検査システム及び方法を提供する。例示的な実施形態は、接合された複合材構造体のボンドラインの完全性を非破壊的に検証するための方法を提供する。
【0110】
例示的な実施形態は、顕微鏡撮像及び高解像度ナノ焦点X線技術に組み合わされた、位相差撮像を使用する。例示的な実施形態は、超高解像度X線撮像及び顕微鏡使用によってボンドラインの完全性を抜き取り検査(spot check)するためのシステムを提供する。例示的な実施形態は、微細孔、結晶化、又はキッシング剥離などの、硬化後のボンドライン内の小さい異常及び変化を検出することができる。例示的な実施形態は、ナノ焦点X線拡大及び光学シンチレーション拡大を利用する。
【0111】
例示的な実施例のX線検査システムは、広いエリアの検査に対して不必要に時間がかかることがある。例示的な実施例のX線検査システムは、三次元画像を生成するために使用されてよい。立体撮像によって、ボンドライン接着剤の三次元画像が生成されてよい。ボンドラインの完全性を検証するために、三次元撮像が使用されてよい。工程制御の検証を提供するために、三次元撮像が使用されてよい。
【0112】
更に本発明は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1:
X線源、X線シンチレータ、光検出器、前記X線シンチレータと前記光検出器の間に位置決めされた第1の対物レンズ、及び前記第1の対物レンズと前記光検出器の間に位置決めされた第2の対物レンズを備える、X線検査システム。
条項2:
前記第1の対物レンズが、前記X線シンチレータから第1の距離にあるように位置決めされている、条項1に記載のX線検査システム。
条項3:
前記第1の距離が、前記第1の対物レンズが拡大を提供するように選択されている、条項2に記載のX線検査システム。
条項4:
前記光検出器が、電荷結合素子(CCD)画像検出器又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像検出器のうちの一つを備える、条項1に記載のX線検査システム。
条項5:
X線源ハウジングであって、前記X線源が前記X線源ハウジング内に位置決めされている、X線源ハウジング、並びに、検出器ハウジングであって、前記X線シンチレータ、前記光検出器、前記第1の対物レンズ、及び前記第2の対物レンズが、前記検出器ハウジング内に位置決めされている、検出器ハウジングを更に備える、条項1に記載のX線検査システム。
条項6:
磁気位置合わせシステムを更に備え、前記磁気位置合わせシステムの第1の構成要素が、前記X線源ハウジングに連結され、前記磁気位置合わせシステムの第2の構成要素が、前記検出器ハウジングに連結されている、条項5に記載のX線検査システム。
条項7:
前記第1の対物レンズが、前記X線シンチレータによって放出される光の波長を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティングを有する、条項1に記載のX線検査システム。
条項8:
前記第2の対物レンズが、前記X線シンチレータによって放出される光の波長を有する光を選択的にブロックするように構成された反射防止用コーティングを有する、条項1に記載のX線検査システム。
条項9:
前記X線シンチレータが、構造化シンチレータである、条項1に記載のX線検査システム。
条項10:
前記光検出器が、少なくとも20ミクロンのピッチを有する、条項1に記載のX線検査システム。
条項11:
前記X線源に対して前記光検出器を位置決めするように構成されたコントローラを更に備える、条項1に記載のX線検査システム。
条項12:
X線源アセンブリと、X線シンチレータ、少なくとも2つの対物レンズ、及び光検出器を備えた、X線検出アセンブリと、前記X線源アセンブリ及び前記X線検出アセンブリの両方に物理的に結合された、位置合わせシステムとを備える、ボンドライン検査システム。
条項13:
前記位置合わせシステムが、磁気位置合わせシステム又は基準位置合わせシステムのうちの一つを備える、条項12に記載のボンドライン検査システム。
条項14:
前記X線源アセンブリに対して前記X線検出アセンブリを位置決めするように構成されたコントローラを更に備える、条項12に記載のボンドライン検査システム。
条項15:
前記X線シンチレータが、構造化シンチレータである、条項12に記載のボンドライン検査システム。
条項16:
前記少なくとも2つの対物レンズが、前記X線シンチレータからの光を拡大し圧縮するために、前記X線検出アセンブリ内に位置決めされている、条項12に記載のボンドライン検査システム。
条項17:
複合材構造体内のボンドラインを検査する方法であって、前記複合材構造体の第1の表面の中にX線を送ること、前記複合材構造体の第2の表面からX線シンチレータでX線を受け取ること、前記X線シンチレータで受け取られた前記X線から光を生成すること、拡大された光を形成するために、前記X線シンチレータで受け取られた前記X線から生成された前記光を第1の対物レンズによって拡大すること、第2の対物レンズを使用して、前記拡大された光を光検出器に向けること、及び、前記光検出器からの出力を使用して、前記ボンドラインが所望の品質を有するかどうか判定することを含む、方法。
条項18:
X線源ハウジング内に位置決めされたX線源を使用して前記複合材構造体の前記第1の表面の中に前記X線を送る前に、前記複合材構造体の前記第1の表面に対して前記X線源ハウジングを位置決めすること、並びに、前記複合材構造体の前記第1の表面の中に前記X線を送る前に、前記複合材構造体の前記第2の表面に対して検出器ハウジングを位置決めすることを更に含み、前記X線シンチレータ、前記光検出器、前記第1の対物レンズ、及び前記第2の対物レンズが、前記検出器ハウジング内に位置決めされている、条項17に記載の方法。
条項19:
前記複合材構造体の前記第2の表面に対して前記検出器ハウジングを位置決めすることが、前記X線源ハウジングに対して前記検出器ハウジングを位置合わせすることを含む、条項18に記載の方法。
条項20:
前記複合材構造体の前記第1の表面の中に前記X線を送ることが、0.1から0.25インチのボンドラインの厚さを有する、1から5インチの範囲内の表面エリアを有する前記複合材構造体の一部分の中に前記X線を送ることを含む、条項17に記載の方法。
【0113】
種々の例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は開示された形態の実施形態に限定することは意図されていない。当業者には、多くの修正例及び変形例が自明となろう。更に、種々の例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して、異なる特徴を提供してよい。選択された1以上の実施形態は、実施形態の原理と実際の応用を最もよく説明するため、及び、他の当業者が、様々な改変例を伴う様々な実施形態の開示内容は想定される特定の用途に適すると理解することを可能にするために、選ばれ、且つ説明されている。