(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】グアユールラテックス押出
(51)【国際特許分類】
C08C 1/15 20060101AFI20231013BHJP
C08L 7/02 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
C08C1/15
C08L7/02
(21)【出願番号】P 2019542596
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(86)【国際出願番号】 US2018018011
(87)【国際公開番号】W WO2018148731
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-02-12
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ソーティー、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】サンデー、ブリトニー
(72)【発明者】
【氏名】コルビン、ハワード
【審査官】南 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0213696(US,A1)
【文献】特開2015-007148(JP,A)
【文献】米国特許第04110843(US,A)
【文献】特開昭57-058831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
B60C 1/00-19/12
C08J 3/00-3/28
C08C 1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックス処理方法であって、
天然ゴムを含有するラテックス及び少なくとも1つの溶媒配合物を、複数の区域を有する押出機内で混合して、前記ラテックス中に見出される樹脂を除去し、前記ラテックスを凝固させて凝塊を形成するステップを含み、前記少なくとも1つの溶媒配合物が前記ラテックスを凝固させるように構成された第1の溶媒及び前記得られた凝塊を膨潤させるように構成された第2の溶媒を含み、
前記少なくとも1つの溶媒配合物が、天然ゴムを溶解させないが天然ゴムを膨潤させ、
しかも、前記少なくとも1つの溶媒配合物が一連の溶媒配合物を含み、前記一連の溶媒配合物が、前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒の別個の配合物を含み、
前記別個の配合物の各々が、前記押出機内の前記複数の区域の1つで導入され、そして、前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒を異なる比で有し、
前記一連の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が0%よりも多く53%までである、アセトンとヘキサンとの第1の溶媒配合物、及び、アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である、アセトンとヘキサンとの第2の溶媒配合物
を含み、
ヘキサンに対するアセトンの比は、前記一連の溶媒配合物を通して増加する、
前記のラテックス処理方法。
【請求項2】
前記ラテックスがグアユールラテックスである、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項3】
前記一連の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記アセトン中のヘキサン重 量分率が5%~20%である第3の溶媒配合物を含む、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項4】
ラテックス処理システムであって、
第1の端部及び第2の端部並びに少なくとも1個のスクリュを含む押出機であって、前記押出機が前記第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた複数の処理区域を含み、
前記複数の処理区域が、凝固区域、第1の洗浄区域及び第2の洗浄区域を含み、前記凝固区域がラテックス及び第1の溶媒配合物を収容して、前記ラテックスを凝固させて凝塊とするように構成され、前記第1の洗浄区域が前記凝固区域と連通し、前記凝塊と第2の溶媒配合物を収容するように構成され、並びに前記第2の洗浄区域が、前記第1の洗浄区域と連通し、前記凝塊及び第3の溶媒配合物を収容するように構成されている、押出機、
前記凝固区域と連通した第1のフィルタであって、前記凝固区域内の前記凝塊から前記第1の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成された、第1のフィルタ、
前記第1の洗浄区域と連通した第2のフィルタであって、前記第1の洗浄区域内の前記凝塊から前記第2の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている、第2のフィルタ、並びに
前記第2の洗浄区域と連通した第3のフィルタであって、前記第2の洗浄区域内の前記凝塊から前記第3の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている、第3のフィルタを備え、
しかも、前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物の各々が、前記ラテックスを凝固させるように構成された第1の溶媒及び前記得られた凝塊を膨潤させるように構成された第2の溶媒を含み、
前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物が、一連の溶媒配合物を形成し、
前記第1の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が0%よりも多く40%までである、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
前記第2の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
第3の溶媒配合物が、前記アセトン中のヘキサン重量分率が5%~20%である、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
ヘキサンに対するアセトンの比は、前記一連の溶媒配合物を通して増加する、
前記のラテックス処理システム。
【請求項5】
前記ラテックスがグアユールラテックスである、請求項4に記載のラテックス処理システム。
【請求項6】
ラテックス処理方法であって、
第1の端部及び第2の端部並びに少なくとも1個のスクリュを含む押出機であって、前記押出機が前記第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた複数の処理区域を含み、前記複数の処理区域が、凝固区域、第1の洗浄区域及び第2の洗浄区域を含み、前記凝固区域がラテックス及び第1の溶媒配合物を収容して、前記ラテックスを凝固させて凝塊とするように構成され、前記第1の洗浄区域が凝固区域と連通し、前記凝塊と第2の溶媒配合物を収容するように構成され、並びに前記第2の洗浄区域が前記第1の洗浄区域と連通し、前記凝塊及び第3の溶媒配合物を収容するように構成されている押出機、前記凝固区域と連通している第1のメカニカルフィルタを提供する、ステップであって、
しかも、前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物の各々が、前記ラテックスを凝固させるように構成された第1の溶媒及び前記得られた凝塊を膨潤させるように構成された第2の溶媒を含み、
前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物が、一連の溶媒配合物を形成し、
前記第1の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が0%よりも多く40%までである、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
前記第2の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
第3の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率が5%~20%である、アセトンとヘキサンとの配合物であり、
ヘキサンに対するアセトンの比は、前記一連の溶媒配合物を通して増加する、
前記のステップ、
前記ラテックスと前記第1の溶媒配合物を前記押出機の前記凝固区域で混合して前記凝塊を形成する、ステップ、
前記第1のメカニカルフィルタを使用して、前記凝固区域内の前記第1の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第1の洗浄区域にて前記凝塊を前記第2の溶媒配合物によって洗浄する、ステップ、
第2のメカニカルフィルタを使用して、前記第1の洗浄区域内の前記第2の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第2の洗浄区域にて前記凝塊を前記第3の溶媒配合物によって洗浄する、ステップ、
第3のメカニカルフィルタを使用して、前記第2の洗浄区域として前記第3の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物の残留量を抽出するために、前記第3のメカニカルフィルタの上流の位置にて前記押出機に真空を印加する、ステップ、並びに
天然ゴムを提供するために、前記押出機の前記第2の端部を通じて前記凝塊を押出す、ステップ、
を含む、ラテックス処理方法。
【請求項7】
前記ラテックスがグアユールラテックスである、請求項6に記載のラテックス処理方法。
【請求項8】
前記複数の区域が、凝固区域及び第1の洗浄区域を含み、
前記凝固区域及び前記第1の洗浄区域
の各々において、
前記凝塊の質量膨潤比が1.5~1.6
である、
請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項9】
前記凝固区域及び前記第1の洗浄区域の各々において、前記凝塊の質量膨潤比が1.5~1.6
である、請求項6に記載のラテックス処理方法。
【請求項10】
前記押出機がフィルタを含み、
前記第1の溶媒配合物及び前記第2の溶媒配合物の各々が、1.5~1.6の質量膨潤比で凝塊を膨潤させるように構成されており、
前記フィルタが凝塊を前記押出機のバレル内に保持するように構成されている、
請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項11】
前記第1の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率0%~40%を含み、
前記第2の溶媒配合物が、アセトン中のヘキサン重量分率5%~25%を含む、
請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項12】
前記一連の溶媒配合物が第3の溶媒配合物を含み、前記第3の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、アセトン中のヘキサン重量分率が5%~20%である、請求項11に記載のラテックス処理方法。
【請求項13】
前記押出機が、98のムーニー粘度を与えるように構成されたrpm値で操作される、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項14】
天然ゴムを含有する前記ラテックスが、水分45%を含む、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項15】
凝塊から残留溶媒を抽出するために前記押出機に真空を印加することを更に含む、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【請求項16】
ダイフェースカッターにより凝塊を押出すことを更に含む、請求項1に記載のラテックス処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月13日に出願された米国仮特許出願第62/458,300号の利益を主張する。上記出願の全開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
分野
本開示は、非パラゴム(non-Hevea)植物から天然ゴムラテックスを抽出するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、グアユール低木から天然ゴムラテックスを抽出するための押出ベースのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
「パラゴムノキ(Hevea tree)」又は「ゴムノキ」としても知られる植物ヘベアブラジリエンシス(Hevea brasiliensis)は、周知の天然ゴム源である。米国における天然ゴムの消費量は、大部分がパラゴムノキから得られる。パラゴムノキ並びに他の植物、例えばフィカスエラスティカ(Ficus elastic)、即ち「インドゴムノキ」及びクリプトステジアグランディフローラ(Cryptostegia grandiflora)、即ち「マダガスカルゴムカズラ」などのゴム源はすべて、ゴムラテックスを含有する樹液の形態で天然ゴムを生じ、樹液は自発的に流れ、植物のタッピングによって回収することができる。
【0004】
様々な非パラゴム(non-Hevea)植物も、天然ゴムを含有することが既知である。しかし、そのゴムは通常、茎、根又は葉などの植物の個々の細胞内に貯蔵されている。これらの非パラゴム(non-Hevea)植物のラテックスは、タッピングによって入手できず、代わりに物理的又は他の手段によって細胞壁を破壊することによってのみ入手できる。このため、非パラゴム(non-Hevea)植物からゴムを除去する方法は、一般に、パラゴムノキ(Hevea tree)などの樹液生成源からゴムを収穫する方法よりも複雑である。
【0005】
ある非パラゴム(non-Hevea)植物は、グアユール低木としてよく知られるパルテニウムアルゲンタトゥム(Parthenium argentatum)である。歴史的に、米国によって輸入されたパラゴム(Hevea)由来の天然ゴムの圧倒的大部分は、インドネシア、マレーシア及びタイを原産としている。しかし、グアユール低木由来の天然ゴムは、米国南西部及びメキシコ北部での成長が可能であり、したがって米国では、パラゴム(Hevea)由来天然ゴムの国産代替物として望ましい。
【0006】
グアユール低木からグアユールゴムを単離する方法及び関連する変形法が、複数存在する。方法を3種類、即ちフローテーション、ラテックス法及び溶媒法に分類することができる。
【0007】
フローテーション法の一例は、Hooverらの米国特許第2,408,853号に見出され、どのようにして粉砕又は切断された落葉グアユール低木をスラリー中でペブル粉砕して、「ラバーワーム(rubber worm)」を形成し、フローテーションによりこれを分離する方法について記載している。Hooverらは、発酵法によるラバーワーム(rubber worm)の精製についても記載している。
【0008】
ラテックス法は、Cornishの米国特許第5,580,942号に記載されている。Cornishの特許は、水性媒体中で植物を均質化し、ホモジネートを濾過して、遠心分離によりゴム含有相を水性相から分離することによる、グアユールラテックスの調製方法について記載している。
【0009】
Buchananの米国特許第4,136,131号には、グアユール低木からグアユールゴムを抽出するためのプロトコルの形態で溶媒法を記載している。Buchanan法は、グアユール低木の破砕及び生成した粒子の成形、次いで、選択した溶媒による樹脂及びゴムの連続抽出を含む。
【0010】
ゴムラテックスからの天然ゴムの回収は、ラテックス抽出に使用した方法に関わらず、次いで凝固と後続の抽出によって行うことができる。例えば、Coleらの米国特許第8,815,965号は、非パラゴム(non-Hevea)ラテックスを有機溶剤と接触させて、ゴムに富む有機相とゴムの乏しい水相を生じる方法について記載している。有機相をさらに処理(例えば、抽出及び乾燥)することにより、固形グアユールゴムが得られる。
【0011】
従来法で処理したグアユールラテックスは、通常、Cornishの米国特許第5,580,942号で概説された技術を使用して、グアユール植物から得られる。ラテックスは少なくとも固形分50%まで濃縮され得るが、より低いレベルを使用することができる。ラテックスは、界面活性剤を不安定化して凝固させ、固形ゴムを形成する無機塩、通例、カルシウム塩の溶液と混合される。次いで、ポリマーを安定化させて酸化を防止し、乾燥させることができる。
【0012】
グアユールラテックスは通常、同量の樹脂を含むが、この樹脂は、天然ゴムに所望の物性を与えるために除去する必要がある。樹脂除去の処理を行う既知の方法としては、Clarkの米国特許第2,618,670号が挙げられ、その開示全体は参照により本明細書に組み入れられている。Clarkの特許は、抽出媒体としてメチルエチルケトン/水共沸混合物を使用することにより、グアユール樹脂をグアユールゴム含有材料から抽出する方法について記載している。Martinらの米国特許第9,273,153号も、押出機でのグアユールラテックスの処理について記載している。Martinらの特許では、グアユールラテックスを押出機に供給し、押出機でゴムを凝固、洗浄及び乾燥がすることが記載されている。溶媒及び溶媒の配合物についてはMartinらが述べているが、第1の溶媒がラテックスを凝固するように構成され、第2の溶媒が得られた凝塊を膨潤させるように構成されている、溶媒系(混合物)を具体的に選択することの重要性についての認識はない。実際に、凝塊の溶媒膨潤はMartinらによって開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
優れた天然ゴムの品質及び有用性をもたらす、グアユール低木などの非パラゴム(non-Hevea)源からゴムを得るための、より効率的で効果的な系及び方法が、引き続き求められている。望ましくは、この系及び方法によって、天然ゴムラテックスの凝固及び抽出が容易になる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
要約
本開示により、優れた天然ゴムの品質及び有用性をもたらし、天然ゴムラテックスの凝固及び抽出を容易にする、グアユール低木などの非パラゴム(non-Hevea)源からゴムを得るための、より効率的で効果的な系及び方法が、驚くべきことに見出されている。
【0015】
一実施形態において、ラテックス処理方法は、ラテックスと少なくとも1つの溶媒配合物を押出機内で混合するステップを含む。少なくとも1つの溶媒配合物は、ラテックス中に見出される樹脂を除去し、ラテックスを凝固させて凝塊を形成するように構成されている。少なくとも1つの溶媒配合物は第1の溶媒及び第2の溶媒を含む。第1の溶媒はラテックスを凝固させるように構成され、第2の溶媒は得られる凝塊を膨潤させるように構成されている溶媒である。溶媒配合物は、ゴムが溶媒相に混和しないように、膨潤が慎重に制御されるように、各種の溶解度パラメータを実現する。
【0016】
別の実施形態において、ラテックス処理方法は、ラテックスを凝固させて凝塊を形成させ、ラテックス中に見出される樹脂を除去するために、ラテックスと一連の溶媒配合物を押出機の長さに沿った異なる位置で混合することを含む。一連の溶媒配合物は、ラテックスを凝固させるように構成された第1の溶媒と、得られた凝塊を膨潤させるように構成された第2の溶媒とを含む。溶媒配合物は、凝塊が溶媒相に混和しないように、膨潤が慎重に制御されるように、各種の溶解度パラメータを実現する。一連の溶媒配合物は、異なる位置で導入され、第1の溶媒及び第2の溶媒を異なる比で有する、第1の溶媒及び第2の溶媒の別個の配合物を含む。
【0017】
さらに別の実施形態において、ラテックス処理システムは、第1のメカニカルフィルタ、第2のメカニカルフィルタ及び第3のメカニカルフィルタを有する押出機を含む。押出機は、第1の端部及び第2の端部並びに少なくとも1個のスクリュを有する。単一のスクリュが使用され得るが、ある実施形態においては、2軸押出機が好ましいことがある。押出機は、第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた複数の処理区域をさらに有する。複数の処理区域は凝固区域、第1洗浄区域及び第2洗浄区域を含む。凝固区域はラテックス及び第1の溶媒配合物を収容し、ラテックスを凝固させて凝塊にするように構成されている。第1の洗浄区域は凝固区域と連通し、凝塊及び第2の溶媒配合物を収容するように構成されている。第2の洗浄区域は第1の洗浄区域と連通し、凝塊及び第3の溶媒配合物を収容するように構成されている。第1のメカニカルフィルタは凝固区域と連通し、凝固区域内の凝塊から第1の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている。第2のメカニカルフィルタは第1の洗浄区域と連通し、第1の洗浄区域内の凝塊から第2の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている。第3のメカニカルフィルタは、第2の洗浄区域と連通し、第2の洗浄区域内の凝塊から第3の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている。
【0018】
さらなる実施形態において、ラテックス処理方法は、ラテックスと第1の溶媒配合物を押出機の凝固区域で混合して凝塊を形成するステップを含む。凝固区域内の第1の溶媒配合物の一部は、次いで、第1のメカニカルフィルタを使用して除去される。凝塊は次いで、第1の洗浄区域にて第2の溶媒配合物によって洗浄される。第2の溶媒配合物の一部は次いで、第1の洗浄区域にて第2のメカニカルフィルタを使用して除去される。凝塊は次いで、第2の洗浄区域にて第3の溶媒配合物によって洗浄される。第3の溶媒配合物の一部は次いで、第2の洗浄区域にて第3のメカニカルフィルタを使用して除去される。次いで、第1の溶媒配合物、第2の溶媒配合物及び第3の溶媒配合物の残留量を抽出するために、第3のメカニカルフィルタの下流の位置にて押出機に真空を印加する。凝塊を次いで、押出機の第2の端部を通じて押出して天然ゴムを得る。
【0019】
例示的な実施形態において、本開示は、樹脂を除去するためにスクリュ押出機及び溶媒配合物を使用して、グアユールラテックスからグアユール天然ゴムを調製する方法を含む。この方法は、押出機の凝固区域においてラテックスを溶媒配合物(例えばアセトン/ヘキサン)と混合することを含む。グアユール天然ゴムはヘキサンには可溶性であるが、アセトンには不溶性である。アセトンを使用して、ラテックスを凝固させてグアユール天然ゴムとする。より効率的な樹脂抽出のために、得られたグアユール天然ゴムをより柔軟にして、押出機とのその機械的相互作用を増大させるために、ヘキサンを使用して、得られたグアユール天然ゴムを膨潤させる。凝固区域の後に、樹脂はメカニカルフィルタを通じて大部分の溶媒と共に除去される。ゴムが最終用途のために押出機を出る前に、真空を使用して全揮発分を1%未満に減少させる。
【0020】
有利には、凝塊が処理される(即ち樹脂が抽出される)のに足るほど柔軟であるが、溶媒に溶解する又はフィルタを押し通されるほど柔軟ではないように、アセトン/ヘキサンの比が選択される。ヘキサン湿潤分率は、所望の量の膨潤を引き起こすのに十分な高さである。驚くべきことに、この目的のために、ヘキサン重量分率は、特に約1%~約53%、さらに詳細には約20%~約40%でなければならないことが見出されている。溶媒配合物中のヘキサン含有量の上昇と共に非線形関係で上昇する、質量膨潤比(即ち、平衡時の膨潤ゴムの重量/乾燥ゴムの重量)も1.3~2.5、詳細には1.4~2.0、より詳細には1.5~1.6である。詳細な例において、この質量膨潤比は、79~84%アセトン/21~16%ヘキサンの比によって得られる。
【0021】
さらに、処理中の押出機温度も、フィルタを通過する凝塊の損失を最小限にするために制御される。当業者は、必要に応じて、押出工程中に押出機に好適な温度又は温度範囲を選択し得る。
【0022】
アセトン/ヘキサン比も、処理及び樹脂の除去を最適化するために、押出機の長さに沿って変化させる。例えば、凝固区域では、凝固を促進するために、比は84/16とされ得て、第1の洗浄区域では、膨潤を促進するために、比は79/21とされ得て、第2の洗浄区域では、膨潤を維持し、さもなければフィルタを通じたゴムの損失を生じるゴムの過度の軟化又は溶解を防止するために、比は100/0になり得る。言い換えれば、100/0の比は、膨潤塊から、溶解した樹脂を含有する溶媒を排除するように膨潤を最小限に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面の簡単な記述
本開示の上記及び他の利点は、特に本明細書に記載の図面に照らして考慮すると、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかとなろう。
【0024】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、グアユール樹脂を除去して、グアユールゴムラテックスを凝固させて天然ゴムとするための、押出機システムの概略図である。
【0025】
【
図2】本開示の一実施形態による、グアユール樹脂を除去して、グアユールゴムラテックスを凝固させて天然ゴムとする方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な記述
以下の詳細な説明及び添付図面は、本発明の様々な実施形態を説明及び例示する。説明及び図面は、当業者が本発明を製造及び使用できるようにするのに役立ち、決して本発明の範囲を限定するものではない。開示された方法に関して、提示したステップは本質的に例示的なものであるため、ステップの順序は、別途開示しない限り、必要でも重要でもない。
【0027】
本開示は、押出機における樹脂の除去及びグアユールラテックスの凝固の両方のためのシステム及び方法を含む。本開示は、凝固工程中にグアユール樹脂を効果的かつ効率的に除去するために、押出機内の凝固剤及び洗浄溶媒に対する溶媒配合物の予想外の驚くべきことに発見されたクリティカリティ(criticality)並びに押出機のスクリュ速度を利用することを含む。
【0028】
図1は、押出機102の入口ポート106にてグアユールラテックス104を収容するための押出機102を含む、本開示の一実施形態によるシステム100の概略図を示す。押出機102は、第1の端部108及び第2の端部110並びに少なくとも1個のスクリュ112を有する。代表的な押出機構成を含む押出、凝固、及び揮発分除去操作の例示的な説明は、“Direct Extrusion of Polymer Latex Emulsions” by Russell Nichols, Richard Senn and Farokh Kheradi in Advances in Polymer Technology, vol. 3, n 1,p 41-49,1983に記載され、その開示全体は参照により本明細書に組み入れられている。ポリマーのエマルジョンを固体ポリマーに変換し、ポリマーを脱水し、ポリマーを乾燥させる方法も、Skidmoreの米国特許第3,742,093号に記載され、その開示全体は参照により本明細書に組み入れられている。
【0029】
特に、押出機102は、第1の端部108と第2の端部110との間に配置された、複数の処理区域をさらに有する。押出機102の複数の処理区域は、グアユールラテックス104が凝塊を形成するように処理される凝固区域114、第1の洗浄区域116及び第2の洗浄区域118を含む。凝固区域114、第1の洗浄区域116及び第2の洗浄区域118それぞれも、関連するフィルタ120、122、124を有する。様々な種類のフィルタが使用され得るが、メカニカルフィルタが本出願に特に有用であり得る。例示的なメカニカルフィルタ120、122、124は、Skidmoreの米国特許第4,110,843号及び“Direct Extrusion of Polymer Latex Emulsions” by Russell Nichols, Richard Senn and Farokh Kheradi in Advances in Polymer Technology, vol. 3, n 1,p 41-49,1983に記載され、その開示全体は参照により本明細書に組み入れられている。例えば、メカニカルフィルタ120、122、124は、過剰な溶媒の出口となるが、混入した固体を押出機102の主バレル内に押し戻す、小型2軸押出機であり得る。当業者は、要望通りに、本開示の範囲内で他の好適な種類のフィルタも使用してよい。
【0030】
押出機102には、処理区域の後に少なくとも1個のポート126、128、130も設けられ、このポートを介して酸化防止剤132などの追加の成分が押出機102内に注入され得るか、又はさらに溶媒を抽出し、グアユールラテックス104から形成された凝塊を乾燥させるために、このポートで真空134、136が引かれ得る。
【0031】
グアユールラテックス104は、第1の溶媒配合物138と共に入口ポート106を介して凝固区域114に導入することができる。第1の溶媒配合物138は、グアユールラテックス104を凝固させて凝塊を形成し、グアユールラテックス104中に天然に存在する樹脂を除去し、押出機102内での凝塊の処理を容易にするために、得られた凝塊の膨潤を誘発するように構成されている。第2の溶媒配合物140及び第3の溶媒配合物142は、それぞれポート144、146を通じて第1の洗浄区域116及び第2の洗浄区域118に導入される。
【0032】
第1の溶媒配合物138、第2の溶媒配合物140及び第3の溶媒配合物142は、ラテックス104の凝固によって生じる凝塊から残留樹脂を除去するようにさらに構成され、同時に処理を促進するレベルで凝塊の膨潤も維持して、凝塊が過度に軟化してメカニカルフィルタ120、122、126を介して押出機102から不用意に除去されることをさらに妨げる。
【0033】
特定の例において、第1、第2及び第3の溶媒配合物138、140、142は、アセトン及びヘキサンを各種の所定の比で含む。しかし、他の種類の溶媒及び配合物も本開示の範囲内にあると考えられ考慮される。3を超える異なる溶媒配合物も考えられる。当業者は、要望通りに、第1、第2及び第3の溶媒配合物138、140、142並びに他の混合物に好適な溶媒組成物を選択し得る。
【0034】
溶媒としてアセトンのみを使用すると、グアユールラテックス104から樹脂が効果的に除去されないことが、驚くべきことに見出された。溶媒配合物組成物のこのクリティカリティ(criticality)を、
図1を参照して記載される、表1に示す。
【表1】
【0035】
特定の理論に縛られることなく、グアユール天然ゴムはヘキサンに可溶性であるが、アセトンには不溶性である。グアユール天然ゴムが可溶性であるアセトン/ヘキサン配合物及びグアユール天然ゴムが不溶性である配合物が存在する。溶媒中のヘキサン重量分率が約53%より低いと、グアユール天然ゴムはアセトン/ヘキサン溶媒配合物に可溶性でないことが判明した。代わりに、ゴムはある程度まで膨潤し、ポリマー溶媒相互作用を反映している。質量膨潤比(即ち、平衡時の膨潤ゴムの重量/乾燥ゴムの重量)は、ヘキサン含有量の増加と共に上昇し、この関係は非線形である。
【0036】
本明細書で使用する場合、「抽出効率」という用語は、全樹脂含有量に対する、抽出によって除去された樹脂の比を意味する。表1の例では、初期樹脂含有量は乾燥基準で約15重量%であった。したがって、例#2の抽出効率は、純粋なアセトンを使用した試験官#1に関連する抽出効率よりも著しく高かった。純粋なアセトンは、本発明の前には、樹脂の抽出においてそれ自体で十分であると先に考えられていたという点で、このことは驚くべき予想外の結果であった。
【0037】
質量膨潤比が上昇するにつれて、材料の硬度及び粘度が低下し、それにより押出機内の材料の機械的相互作用に影響が及ぶ。アセトンとヘキサンの溶媒配合物を含む各種の質量膨潤比を以下の表2に示す。
【表2】
【0038】
凝塊からの効率的な樹脂抽出を実現するたには、凝塊が十分に柔軟でなければならないため、押出機102の(複数の)スクリュの機械的作用により、効率的な物質移動のために広範囲の表面の再生が誘発される。凝塊が柔軟すぎる場合、メカニカルフィルタ120、122、124は凝塊を押出機バレル内に保持することができない(即ち、損失)。凝固区域及び第1の洗浄区域における1.5~1.6の質量膨潤比が所望であることが確定されている。
【0039】
特定の実施形態において、押出機102の処理区域全体にわたって、アセトン中のヘキサン重量分率を約16%に維持することが好適であり得る。例えば、第1の溶媒配合物138は、アセトン中約0%~約40%のヘキサン重量分率を有し得て、第2の溶媒配合物140は、アセトン中約5%~約25%のヘキサン重量分率を有し得て、第3の溶媒配合物142は、アセトン中約10%から約20%のヘキサン重量分率を有し得る。当業者は、要望通りに、アセトン中のヘキサンの他の好適な重量分率を選択し得る。
【0040】
以下の表3に示すデータも、本開示のシステム及び方法に対する押出機スクリュ速度のクリティカリティ(criticality)を例示している。しかし、表3に与える詳細事項は非限定的であり、単に特定の種類の押出機の最適操作範囲の例として与えられているに過ぎないことを理解すべきである。当業者は、実際の最適操作範囲は、凝固及び樹脂除去工程のために選択した特定の押出機102の機能となることを理解する。
【表3】
【0041】
表3に関して、多くのパラメータが抽出効率に影響を及ぼすことも理解されるべきである。しかし、驚くべきことに、溶媒配合物組成物が主な要因であることが見出されている。他のパラメータは、スクリュ設計、スクリュ速度、流速及びバレル温度を含む。さらに、この工程の最適値は水分45%のラテックスに対して有効であると考えられる。
【0042】
操作にあたって、
図2に示すように、本開示のラテックス処理方法200は、グアユールラテックス104が押出機102の第1の端部108にて第1の溶媒配合物138と混合される、第1のステップ202を含む。第1の溶媒配合物138は、グアユールラテックス104を凝固させて凝塊を形成するように構成されている。有利には、第1の溶媒配合物138は、グアユールラテックス104中に天然に存在する樹脂の少なくとも一部を抽出するようにも構成されている。特定の実施形態において、第1の溶媒配合物138は、約71%のアセトン及び約29%のヘキサンの混合物である。
【0043】
凝塊と第1の溶媒配合物138の得られた混合物は次いで、押出機102の長さに沿って凝固区域114を通過して第1のメカニカルフィルタ120まで進む。グアユールラテックス104から抽出された樹脂を含有する、第1の溶媒配合物138の少なくとも一部は次いで、ステップ204において、第1のメカニカルフィルタ120を通じて押出機102から除去される。
【0044】
凝塊及び第1の溶媒配合物138の残留量は次いで、押出機102を通過して第1の洗浄区域116まで進む。凝塊は混合され、それによりステップ206において、第1の洗浄区域116にて第2の溶媒配合物140によって「洗浄」される。膨潤した凝塊と相互作用する押出機内のスクリュの機械的作用が、洗浄中に凝塊をさらに撹拌又は粉砕するように機能することを認識されたい。この段階の機械的撹拌を最適化するために、押出機スクリュの速度も制御される。凝塊のこの機械的撹拌により、凝塊中のいずれの残留樹脂の除去もさらに一層容易となり、残留樹脂の第2の溶媒配合物140による抽出が可能となる。
【0045】
凝塊と第2の溶媒配合物140の得られた混合物は次いで、押出機102の長さに沿って第1の洗浄区域116を通過して第2のメカニカルフィルタ122まで進む。凝塊から抽出された樹脂を含有する、第2の溶媒配合物140の少なくとも一部は次いで、ステップ208において、第2のメカニカルフィルタ122を通じて押出機102から除去される。
【0046】
凝塊及び第2の溶媒配合物140の残留量は次いで、押出機102を通過して第2の洗浄区域118まで進む。凝塊は混合され、それによりステップ210において、第2の洗浄区域118にて第3の溶媒配合物142によって「洗浄」される。ステップ206の洗浄と同様に、膨潤した凝塊と相互作用する押出機102内の機械的作用が、ステップ210の洗浄中に凝塊をさらに撹拌するように機能することを認識されたい。この段階の機械的撹拌を最適化するために、押出機スクリュの速度も制御される。凝塊のこの機械的撹拌により、凝塊中のいずれの残留樹脂の除去もさらに一層容易となり、残留樹脂の第3の溶媒配合物142による抽出が可能となる。
【0047】
凝塊と第3の溶媒配合物142の得られた混合物は次いで、押出機102の長さに沿って第2の洗浄区域116を通過して第3のメカニカルフィルタ124まで進む。凝塊から抽出された樹脂を含む第3の溶媒配合物142の少なくとも一部は次いで、ステップ212において、第3のメカニカルフィルタ124を通じて押出機102から除去される。
【0048】
この段階で、凝塊が、例えば下記の表4に示すように、さもなければ本来天然に存在する樹脂をグアユールラテックス104中に実質的に含まないことを認識されたい。
【表4】
【0049】
非限定的な例としての酸化防止剤などの、得られた凝塊の特性調節又は調整するさらなる成分は、ステップ214にて押出機に任意に注入される。
【0050】
ステップ216では、ステップ218においてダイフェースカッターによる押出の前に、残留溶媒を抽出し、さらに凝塊を乾燥させるために、真空134、136が押出機102に印加され得る。次いで、凝塊又は天然ゴムは、例えば後の最終用途向けのさらなる処理又は包装のために、流動空気床に送達され得る。
【0051】
有利には、本開示のシステム100及び方法200は、グアユール低木などの非パラゴム(non-Hevea)源からゴムを抽出するために、より効率的で効果的である。これにより、優れた天然ゴムの品質と有用性がもたらされる。
【0052】
本発明を例証する目的で、ある代表的な実施形態及び詳細事項を示したが、添付の特許請求の範囲にさらに記載されている本開示の範囲から逸脱することなく、各種の変更が加えられ得ることは、当業者には明らかである。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
ラテックス処理方法であって、ラテックス及び少なくとも1つの溶媒配合物を押出機内で混合して、前記ラテックス中に見出される樹脂を除去し、前記ラテックスを凝固させて凝塊を形成するステップを含み、前記少なくとも1つの溶媒配合物が前記ラテックスを凝固させるように構成された第1の溶媒及び前記得られた凝塊を膨潤させるように構成された第2の溶媒を含み、前記少なくとも1つの溶媒配合物が、天然ゴムを溶解させないが天然ゴムを膨潤させる、ラテックス処理方法。
[2]
前記ラテックスがグアユールラテックスである、[1]に記載のラテックス処理方法。
[3]
前記少なくとも1つの溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記アセトン中のヘキサン重量分率が0%~53%である第1の溶媒配合物を含む、[1]に記載のラテックス処理方法。
[4]
前記少なくとも1つの溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である第2の溶媒配合物を含む、[1]に記載のラテックス処理方法。
[5]
前記少なくとも1つの溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記作用におけるヘキサン重量分率が10%~20%である第3の溶媒配合物を含む、[1]に記載のラテックス処理方法。
[6]
前記少なくとも1つの溶媒配合物が一連の溶媒配合物であり、前記一連の溶媒配合物が、異なる位置で導入され、前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒を異なる比で有する、前記第1の溶媒及び前記第2の溶媒の別個の配合物を含む、[1]に記載のラテックス処理方法。
[7]
前記ラテックスがグアユールラテックスである、[6]に記載のラテックス処理方法。
[8]
前記一連の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記アセトン中のヘキサン重量分率が0%~53%である第1の溶媒配合物を含む、[7]に記載のラテックス処理方法。
[9]
前記一連の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である第2の溶媒配合物を含む、[8]に記載のラテックス処理方法。
[10]
前記一連の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを有し、前記作用におけるヘキサン重量分率が10%~20%である第3の溶媒配合物を含む、[9]に記載のラテックス処理方法。
[11]
ラテックス処理システムであって、
第1の端部及び第2の端部並びに少なくとも1個のスクリュを含む押出機であって、前記押出機が前記第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた複数の処理区域を含み、前記複数の処理区域が、凝固区域、第1の洗浄区域及び第2の洗浄区域を含み、前記凝固区域がラテックス及び第1の溶媒配合物を収容して、前記ラテックスを凝固させて凝塊とするように構成され、前記第1の洗浄区域が前記凝固区域と連通し、前記凝塊と前記第2の溶媒配合物を収容するように構成され、並びに前記第2の洗浄区域が、前記第1の洗浄区域と連通し、前記凝塊及び第3の溶媒配合物を収容するように構成されている、押出機、
前記凝固区域と連通した第1のフィルタであって、前記凝固区域内の前記凝塊から前記第1の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成された、第1のフィルタ、
前記第1の洗浄区域と連通した第2のフィルタであって、前記第1の洗浄区域内の前記凝塊から前記第2の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている、第2のフィルタ、並びに
前記第2の洗浄区域と連通した第3のフィルタであって、前記第2の洗浄区域内の前記凝塊から前記第3の溶媒配合物の少なくとも一部を除去するように構成されている、第3のフィルタを備える、ラテックス処理システム。
[12]
前記ラテックスがグアユールラテックスである、[11]に記載のラテックス処理システム。
[13]
前記第1の溶媒配合物がアセトン及びヘキサンを含み、前記アセトン中のヘキサン重量分率が0%~40%である、[11]に記載のラテックス処理システム。
[14]
前記第2の溶媒配合物がアセトン及びヘキサンを含み、前記アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である、[11]に記載のラテックス処理システム。
[15]
前記第3の溶媒配合物がアセトン及びヘキサンを含み、前記作用におけるヘキサンの重量分率が10%~20%である、[11]に記載のラテックス処理システム。
[16]
ラテックス処理方法であって、
第1の端部及び第2の端部並びに少なくとも1個のスクリュを含む押出機であって、前記押出機が前記第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた複数の処理区域を含み、前記複数の処理区域が、凝固区域、第1の洗浄区域及び第2の洗浄区域を含み、前記凝固区域がラテックス及び第1の溶媒配合物を収容して、前記ラテックスを凝固させて凝塊とするように構成され、前記第1の洗浄区域が凝固区域と連通し、前記凝塊と第2の溶媒配合物を収容するように構成され、並びに前記第2の洗浄区域が前記第1の洗浄区域と連通し、前記凝塊及び第3の溶媒配合物を収容するように構成されている押出機、前記凝固区域と連通している第1のメカニカルフィルタを提供する、ステップ、
前記ラテックスと前記第1の溶媒配合物を前記押出機の前記凝固区域で混合して前記凝塊を形成する、ステップ、
前記第1のメカニカルフィルタを使用して、前記凝固区域内の前記第1の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第1の洗浄区域にて前記凝塊を前記第2の溶媒配合物によって洗浄する、ステップ、
第2のメカニカルフィルタを使用して、前記第1の洗浄区域内の前記第2の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第2の洗浄区域にて前記凝塊を前記第3の溶媒配合物によって洗浄する、ステップ、
第3のメカニカルフィルタを使用して、前記第2の洗浄区域として前記第3の溶媒配合物の一部を除去する、ステップ、
前記第1の溶媒配合物、前記第2の溶媒配合物及び前記第3の溶媒配合物の残留量を抽出するために、前記第3のメカニカルフィルタの上流の位置にて前記押出機に真空を印加する、ステップ、並びに
天然ゴムを提供するために、前記押出機の前記第2の端部を通じて前記凝塊を押出す、ステップ、
を含む、ラテックス処理方法。
[17]
前記ラテックスがグアユールラテックスである、[16]に記載のラテックス処理方法。
[18]
前記第1の溶媒配合物がアセトン及びヘキサンを含み、前記アセトン中のヘキサン重量分率が0%~40%である、[16]に記載のラテックス処理方法。
[19]
前記第2の溶媒配合物がアセトン及びヘキサンを含み、前記アセトン中のヘキサン重量分率が5%~25%である、[16]に記載のラテックス処理方法。
[20]
前記第3の溶媒配合物が、アセトン及びヘキサンを含み、前記作用におけるヘキサンの重量分率が10%~20%である、[16]に記載のラテックス処理方法。