(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/52 20060101AFI20231013BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20231013BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20231013BHJP
A47K 10/18 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B65D25/52 D
B65D83/08 B
A47K7/00 H
A47K10/18
(21)【出願番号】P 2020041434
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 達也
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-139301(JP,A)
【文献】特開2013-034803(JP,A)
【文献】特開2012-176790(JP,A)
【文献】特開2018-052525(JP,A)
【文献】特開2002-120830(JP,A)
【文献】実開昭54-106941(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0110920(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/52
B65D 83/08
A47K 7/00
A47K 10/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用薄葉紙収納容器であって、
上面が開口し、芯部側から取り出される
、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されたロール状の
ウエットシートである衛生用薄葉紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の上面を閉塞する蓋体と、
前記蓋体の略中央部に備えられ、前記容器本体の内部に収納された前記衛生用薄葉紙のシートを
前記ミシン目に沿って切り離して取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記衛生用薄葉紙が載置される載置部と、を備え、
前記載置部は、前記ロール状の衛生用薄葉紙の外縁部が当接する外側部に比べて、中心部を含む内側部の高さが低いことを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記載置部は、前記容器本体の外側部から内側部に向かって下方に傾斜した形状であることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記載置部は、前記容器本体の外側部から内側部の中心に向かって下方に傾斜した形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記載置部は、前記容器本体と一体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、あるいは人体などを拭くための、薬液が含浸された衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器として、開口部を有する容器本体の内部にロール状の衛生用薄葉紙を収納し、容器本体の開口部を覆うように取り付けられる蓋体の略中央部に設けられた孔部に、取出孔を備えた取出部を備え、当該取出孔によりミシン目が設けられた衛生用薄葉紙に抵抗を掛けて切り離す構成のものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-192962号公報
【文献】特許第5850521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような衛生用薄葉紙収納容器に収納される衛生用薄葉紙は、芯部側から使用するにつれてシートが蓋体の略中央部の取出孔から離れていくこととなる(
図11参照)。そのため、衛生用薄葉紙を切り離した際に、取出部がシートを保持しきれず、容器本体内部に落ち込んでしまうことがあるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたことで、ロール状の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器において、内部の衛生用薄葉紙が少なくなっても、落ち込みが発生しにくい衛生用薄葉紙収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
衛生用薄葉紙収納容器であって、
上面が開口し、芯部側から取り出される、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されたロール状のウエットシートである衛生用薄葉紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の上面を閉塞する蓋体と、
前記蓋体の略中央部に備えられ、前記容器本体の内部に収納された前記衛生用薄葉紙のシートを前記ミシン目に沿って切り離して取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記衛生用薄葉紙が載置される載置部と、を備え、
前記載置部は、前記ロール状の衛生用薄葉紙の外縁部が当接する外側部に比べて、中心部を含む内側部の高さが低いことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記載置部は、前記容器本体の外側部から内側部に向かって下方に傾斜した形状であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記載置部は、前記容器本体の外側部から内側部の中心に向かって下方に傾斜した形状であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記載置部は、前記容器本体と一体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロール状の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器において、内部の衛生用薄葉紙が少なくなっても、落ち込みが発生しにくい衛生用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の上面部の斜視図である。
【
図3】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の底面部の断面図である。
【
図4】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の取出部の斜視図である。
【
図7】面取り部の形状を説明するための図であり、
図6のVII-VII部における断面図である。
【
図9】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器内のシートを取り出している状態を示す斜視図である。
【
図10】実施形態の変形例に係る衛生用薄葉紙収納容器の底面部の断面図である。
【
図11】従来の衛生用薄葉紙収納容器内のシートを取り出している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態である衛生用薄葉紙収納容器の具体的な態様について、
図1から
図10に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
なお、以下においては、
図1から
図10に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器100において、衛生用薄葉紙Pのシートが取り出される側を上、その反対側を下、衛生用薄葉紙収納容器100の平面視における手前側を前、その反対側を後、容器の前面を正面視した状態における右手側を右、容器の前面を正面視した状態における左手側を左とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0013】
[全体構成]
衛生用薄葉紙収納容器100は、
図1に示すように、衛生用薄葉紙Pを内部に収納する容器本体1と、開口部を覆うように容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋体2と、蓋体2の平面視略中央に取り付けられる取出部3と、を備えて構成されている。
蓋体2が、容器本体1に対して着脱自在に構成されているため、容器本体1から蓋体2を取り外した状態で、容器本体1の内部に衛生用薄葉紙Pを収納したり、取り出したりすることができる。
【0014】
[衛生用薄葉紙]
衛生用薄葉紙Pは、例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパーであり、Z軸方向(高さ方向)に沿ってロール状に巻かれた状態で容器本体1に収納されている。また、衛生用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、そのミシン目に沿って切り離されたシートを、ユーザが使用するようになっている。
なお、以下においては、シートがロールの芯部側から引き出される場合について説明する。
【0015】
[容器本体]
容器本体1は、
図1から
図3に示すように、衛生用薄葉紙Pを収納するための容器であり、有底円筒形に形成され、上面には開口部が設けられ、容器本体1の内面側の側面から底面にかけて載置部12が設けられている。また、側面の上端部の外面側には、
図2に示すように、周方向に沿って雄ネジ部11が設けられている。
【0016】
容器本体1は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
容器本体1は、平面視において、好ましくは直径60mm~250mm、より好ましくは65mm~235mmの円形となり、Z軸方向(高さ方向)に、好ましくは175mm~200mm、より好ましくは175mm~185mm、各面の厚みが、好ましくは0.05mm~10.00mm、より好ましくは0.10mm~5.00mmの円筒形状に形成されている。
【0017】
(載置部)
載置部12は、例えば
図3に示すように、衛生用薄葉紙Pの外縁部が当接する容器本体の外側部121から、傾斜角が5度~70度、好ましくは10度~50度となるように、容器本体1の底面部の中心部を含む内側部122に向かって下方に傾斜するように設けられた、底面部から略逆円錐を切り抜いたような斜面であり、ロール状の衛生用薄葉紙Pが載置可能に形成される。
なお、載置部12は、容器本体1と同一の原料により、一体的に形成されているのが製造工程の簡略化等の点から好ましいが、別体としてもよい。
【0018】
[蓋体]
蓋体2は、
図1及び
図2に示すように、蓋体本体21と、小蓋22と、から構成されている。
【0019】
(蓋体本体)
蓋体本体21は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されており、下面が開放された円筒形状をなし、天面部21aと、側面部21bと、天面部21aの平面視内周側に下方に向けて凹状に形成される凹部21cと、孔部21dと、凹部21c内において孔部21dを囲むように円筒形状に立設された本体側壁部21eと、を備えている。
蓋体本体21は、平面視において、好ましくは直径60mm~200mm、より好ましくは、65mm~110mmの円形となり、Z軸方向(高さ方向)に、好ましくは15mm~50mm、より好ましくは33mm~45mm、各面の厚みが、好ましくは0.05mm~10.00mm、より好ましくは、0.10mm~5.00mmの円筒形状に形成されている。
【0020】
(天面部)
天面部21aは、
図1及び
図2に示すように、円筒形状に形成された蓋体本体21の上面のうち、凹部21c以外の外周側の部分である。
【0021】
(側面部)
側面部21bは、
図1及び
図2に示すように、円筒形状に形成された蓋体本体21の側面を形成する部分である。
側面部21bの下端部の内面側には、容器本体1の雄ネジ部11と螺合する雌ネジ部211が設けられている。これによって、
図2に示すように容器本体1と蓋体2は、雄ネジ部11と雌ネジ部211を介した着脱自在な連結構造をとり、容器本体1から蓋体2を取り外すことが可能となっている。
【0022】
(凹部)
凹部21cは、閉塞時の小蓋22と平面視における形状が略一致し、小蓋22を嵌めることができるように形成されている。また、凹部21cは、前端部が平面視において小蓋22よりも大きく、小蓋22が嵌め込まれた状態でも若干の隙間が残るように形成されている。これによって、当該隙間を利用して小蓋22に指を掛けることが可能となる。
【0023】
(孔部)
孔部21dは、蓋体本体21の平面視略中央に平面視円形に形成された、容器本体1の内部に通じる孔であり、平面視において、取出部3より僅かに小さく形成され、後述のように孔部21dには取出部3が固定される。
【0024】
(本体側壁部)
本体側壁部21eは、孔部21dの周囲を囲むように、凹部21c内において、円筒形状に上方に向けて延出するように形成されている。本体側壁部21eは、外径が小蓋22に形成される小蓋側壁部22aの内径と同一か、ごく僅かに小さくなるように形成されている。
【0025】
(小蓋)
小蓋22は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成され、閉塞時における下面から突出した小蓋側壁部22aを備える。小蓋22は、閉塞時の平面視における形状が凹部21cと略一致し、閉塞時に凹部21cに嵌めることができるように形成されている。
【0026】
(小蓋側壁部)
小蓋側壁部22aは、小蓋22の閉塞時において下方に向けて延出する円筒形状に形成されている。また、小蓋側壁部22aは、内径が本体側壁部21eの外径と同一か、ごく僅かに大きくなるように形成されている。また、この小蓋側壁部22aは小蓋22の閉塞時において、凹部21cの上面と接触するようになっている。これによって、小蓋22の閉塞時に、小蓋側壁部22aと本体側壁部21eとが嵌合し、小蓋側壁部22aと本体側壁部21eとで囲まれた空間、ひいては当該空間と孔部21dを介して繋がる容器本体1の内部の気密性を保つことができる。
【0027】
なお、本実施形態では、本体側壁部21eと小蓋側壁部22aとを嵌合させることによって、容器本体1の内部の気密性を保つように構成されているが、容器本体1の内部の気密性を保つことができれば、上記と異なる構成とすることも可能である。
【0028】
[取出部]
取出部3は、
図4及び
図5に示すように、平面視において円形となる略円柱状に形成された弾性変形可能な部材である。なお、
図5は取出部3の底面図であり、
図4の取出部3を下方から見た態様を示している。
具体的に、取出部3は、平面視中央部に形成された内部底面3aを有する凹部31と、側面に形成された括れ部32と、凹部31(内部底面3a)の平面視略中央に形成された取出孔33と、下面3bにおいて取出孔33の周縁部を面取りして形成された面取り部34と、を備えている。
また、取出部3における括れ部32よりも下のZ軸方向の厚み(内部底面3aと下面3bの間の寸法)R1(
図6参照)は、1.0mm~5.0mm、好ましくは1.5mm~3.0mmとなるように形成されている。
【0029】
(凹部)
凹部31は、取出部3の上面において、周縁部を残して、平面視円形状に下方に向けて凹状となるように形成されている。また、凹部31は、その内部底面3aが平面となるように形成されている。
また、凹部31は、その内部底面3aが平面となるように形成されている。
【0030】
(括れ部)
括れ部32は、取出部3の側面の上下方向略中央部を周方向に沿って周回するようにして、平面視において取出部3の直径の20分の1以上、10分の1以下の深さとなるように径方向に凹んだ溝状に形成される。上記のように取出部3は、平面視において孔部21dより僅かに大きく形成されているため、この括れ部32に孔部21dの縁を嵌め込むことによって、取出部3を蓋体本体21に固定することが可能となる。
【0031】
(取出孔)
取出孔33は、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための孔である。
取出孔33は、下面3b側から挿通されたシートを、その先端が取出部3の上面(凹部31の内部底面3a)から突出した状態として保持する。
シートの先端が取出部3の上面から突出した状態であるとき、その突出量としては、5mm~39mm、好ましくは13mm~20mmである。突出量が5mm以上であることで、一般的なユーザの手指で摘みやすく、取り出し作業を容易に行うことができる。また、突出量が39mm以下であることで、蓋体2の閉塞時に蓋体2からシートの端部が飛び出さない。
【0032】
また、取出孔33は、取出部3の平面視略中央に2本の直線が十字状に交差した切り込み部330により形成される。
切り込み部330は、例えば、
図5に示すように、4本の直線部331と、その直線部331の一端が交差する部分に設けられた第1円形部332と、直線部331の他端に設けられ、第1円形部332よりも直径が小さい第2円形部333と、を有する。
切り込み部330の全長としては、5mm~30mm、好ましくは10mm~15mmに形成され、例えば、一般的なユーザの人差し指の幅以上となる15mm程度に設定されている。このように、切り込み部330を十字状の切り込みにより形成することで、切り込み部330におけるシートの保持の確実性をより高めることができる。
第1円形部332の直径としては、2.5mm~4.0mmに形成され、このように第1円形部を設けることで、シートを取り出した後に取出部3が把持する目出しを長くすることができる。また、第2円形部を設けることで、より小さい力でシートを取り出すことができる。
【0033】
なお、
図5では、十字状に取出孔33を形成した場合について図示して説明したが、取出孔33の形状としてはこれに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば任意の形状を選択可能である。すなわち、3本以上の直線状の切り込みにより、放射状の切り込みが形成されていてもよい。また、取出孔33としては、一の直線状の切り込みによって形成されてもよいし、円形状、楕円形状、略星型等の形状であっても良い。
【0034】
(面取り部)
面取り部34は、
図5及び
図6に示すように、取出部3の下面3bと、取出孔33の孔壁33aとにより形成される角を面取りした領域である。
具体的には、面取り部34は、取出部3の下面3bにおいて取出孔33の孔壁33aの縁部を傾斜する平面で面取りした平面面取り部であって、これにより、取出孔33は、その下端側の開口面積が、上端側の開口面積より大きくなる形状となっている。
面取り部34のサイズとしては、
図7に示すように、取出孔33の孔壁33aから取出孔33のXY平面方向の長さL1が0.5mm~1.0mmの範囲内、取出孔33の下端からZ軸方向の長さL2が0.5mm~1.0mmの範囲内となるように設定されることが好ましい。
【0035】
なお、ここでは、平面で面取りすることで面取り部34を形成した場合について図示して説明したが、面取り部34としては、
図8に示すように、取出部3の下面3bと、取出孔33の孔壁33aとにより形成される角を、凸曲面となるよう面取りした曲面面取り部であっても良い。
【0036】
上記した取出部3は、孔部21d内に挿入できると共に、衛生用薄葉紙収納容器100の使用時において、蓋体本体21から外れないものである必要があり、かつ、取出孔33に指でシートを押し込むことができる必要があることから、一定の弾力性を有する材料を用いて形成されている必要がある。具体的には、硬度が50から70であることが望ましく、具体的には、例えば、スチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等のエラストマーを用いることができ、射出成型により形成される。なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメーター)によって測定されたものである。
【0037】
また、取出部3に色を付ける場合は、例えば、PE(ポリエチレン)などの樹脂に任意の顔料を混ぜたものをエラストマーと混合する(顔料添加工程)。このとき、エラストマーと樹脂であるPEの混合割合を変更することにより、取出部3によるシートの取り出し性能を調整することができる。
ここで、エラストマーに混合する樹脂は、エラストマーよりも硬度が高いものであればよい。
【0038】
また、取出部3において、シートを引き出すときに必要な力として、digital force gauge(IMADA製:型番DS2-200N)を用いて5回測定しその平均値を抵抗値として規定した場合、かかる抵抗値の値は、5N~12Nの範囲内であることが好ましく、6N~10Nであることがより好ましい。
また、一本のロール状に巻かれた衛生用薄葉紙P(例えば、80枚のシートが連なったもので、79本のミシン目を有するもの)を引き出した際に、ミシン目が切れずに後続のシートが続けて出てしまう回数(連なり回数)の許容範囲としては、10回以内であり、7回以内であることが好ましい。
【0039】
(本実施形態の効果)
本実施形態においては、例えば
図3に示すように、衛生用薄葉紙Pの外縁部が当接する容器本体の外側部121に比べて、容器本体1の底面部の中心部を含む内側部122の高さが低くなるように形成された載置部12が容器本体1に設けられ、ロール状の衛生用薄葉紙Pが当該載置部12上に載置されることで、ロール上部は側面から中心に向かう力を受けるようになる。
このような容器本体1において、衛生用薄葉紙Pを芯部側から順に取り出して使用すると、ロールの内径が広がるにつれて衛生用薄葉紙Pの形状保持力が低くなるため、
図9に示すように、ロール上部が中心に向かって撓むようになり、容器本体1の頂面の略中央に設けられた取出孔33に近付くようになる。
このように、シートの量が少なくなった場合でも、ロール上部は取出孔33近傍に位置し続けるため、取出部3が衛生用薄葉紙Pの端部を保持しやすくなり、容器本体1内に落ち込みにくくなる。
【0040】
[変形例]
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0041】
例えば、載置部12は
図3、
図9に示すように、底面部の中心部に向かって傾斜する形状に限られず、容器本体1の外側部121と、内側部122とにおいて高低差が設けられており、載置部12上に載置されたロール状の衛生用薄葉紙Pの上部が側面から中心に向かう力を受けるような形状であればよく、例えば
図10に示すような、容器本体1の外側部121から内側部122に向かって下方に傾斜する、底面部から略逆円錐台を切り抜いたような形状であっても構わない。
このようにすることで、載置部12の形成に必要な部材の量を減らすことができる
。
【0042】
また、衛生用薄葉紙収納容器100の形状としては、必ずしも円筒形状でなくともよく、例えば、平面視において五角形、六角形等となる角柱状に形成されていてもよい。
また、取出部3は蓋体2に着脱自在であっても、固定されていてもよい。
また、衛生用薄葉紙Pは薬液が含浸されたウェットシートであっても、ドライシートであっても構わない。
【符号の説明】
【0043】
100 衛生用薄葉紙収納容器
1 容器本体
12 載置部
121 外側部
122 内側部
3 取出部
33 取出孔
P 衛生用薄葉紙