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  • 特許-吐出容器 図1
  • 特許-吐出容器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B65D47/34 BRL
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020092209
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021187464
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】先曽 洋一
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-21465(JP,U)
【文献】特開2002-68254(JP,A)
【文献】特開2012-116527(JP,A)
【文献】特開2002-224602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器体と、
前記容器体の口部に装着されるとともに、前記容器体内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、
前記中栓部材を前記中栓部材の上方から覆い、上方付勢状態で下方移動可能に設けられるとともに、前記連通孔に連通可能な吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備え、
前記押下ヘッドと前記中栓部材との間に、
上端部が前記押下ヘッドに支持され、前記押下ヘッドを上方に付勢する付勢部材と、
前記押下ヘッドを押下すると、前記連通孔を通過した内容物を前記吐出孔から吐出し、この押下を解除すると、前記容器体内の内容物を、前記連通孔を前記吐出孔側に向けて通過させるポンプ機構と、が設けられ、
前記押下ヘッドは、
前記容器体、および前記中栓部材に対する上方への離脱が規制された枠体と、
前記枠体の内側を閉塞し、前記枠体に離脱可能に設けられたヘッド本体と、を備えている、吐出容器。
【請求項2】
前記ヘッド本体は、外周面が外部に露呈した操作筒を備えている、請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記ヘッド本体は、頂壁部を有する有頂筒状に形成され、
前記頂壁部の下面は、前記付勢部材の上端部を支持している、請求項1または2に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器体と、容器体の口部に装着されるとともに、容器体内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、中栓部材を中栓部材の上方から覆い、上方付勢状態で下方移動可能に設けられるとともに、連通孔に連通可能な吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備え、押下ヘッドと中栓部材との間に、上端部が押下ヘッドに支持され、押下ヘッドを上方に付勢する付勢部材と、押下ヘッドを押下すると、連通孔を通過した内容物を吐出孔から吐出し、この押下を解除すると、容器体内の内容物を、連通孔を吐出孔側に向けて通過させるポンプ機構と、が設けられた吐出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-232780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の吐出容器では、押下ヘッドを上方に付勢する付勢部材を簡単に取り外すことができないという問題があった。
この場合、内容物を使い終わったときに、他と材質が異なる付勢部材を装着したまま吐出容器を廃棄せざるを得ず、例えば環境負荷の低減化、廃棄物の処理効率の向上化等に対応することができない。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、廃棄に際し、付勢部材を簡単に取り外すことができる吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の吐出容器は、内容物が収容される容器体と、前記容器体の口部に装着されるとともに、前記容器体内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、前記中栓部材を前記中栓部材の上方から覆い、上方付勢状態で下方移動可能に設けられるとともに、前記連通孔に連通可能な吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備え、前記押下ヘッドと前記中栓部材との間に、上端部が前記押下ヘッドに支持され、前記押下ヘッドを上方に付勢する付勢部材と、前記押下ヘッドを押下すると、前記連通孔を通過した内容物を前記吐出孔から吐出し、この押下を解除すると、前記容器体内の内容物を、前記連通孔を前記吐出孔側に向けて通過させるポンプ機構と、が設けられ、前記押下ヘッドは、前記容器体、および前記中栓部材に対する上方への離脱が規制された枠体と、前記枠体の内側を閉塞し、前記枠体に離脱可能に設けられたヘッド本体と、を備えてもよい。
【0007】
本発明によれば、押下ヘッドが、容器体、および中栓部材に対する上方への離脱が規制された枠体と、枠体に離脱可能に設けられたヘッド本体と、を備えているので、内容物を使い終わったときに、ヘッド本体を枠体から離脱することで、押下ヘッドの内側が外部に開放されることとなり、上端部が押下ヘッドに支持された付勢部材を簡単に取り外すことができる。これにより、付勢部材と、その他の構成部材と、を容易に分別することが可能になり、環境負荷の低減化、廃棄物の処理効率の向上化等に対応することができる。
【0008】
前記ヘッド本体は、外周面が外部に露呈した操作筒を備えてもよい。
【0009】
この場合、ヘッド本体が、外周面が外部に露呈した操作筒を備えているので、内容物を使い終わったときに、操作筒を操作することで、ヘッド本体を枠体から容易に離脱することができる。
【0010】
前記ヘッド本体は、頂壁部を有する有頂筒状に形成され、前記頂壁部の下面は、前記付勢部材の上端部を支持してもよい。
【0011】
この場合、付勢部材の上端部が、ヘッド本体の頂壁部の下面に支持されているので、ヘッド本体を枠体から離脱したときに、付勢部材の少なくとも上端部が外部に露呈することとなり、付勢部材を簡単に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、廃棄に際し、付勢部材を簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る一実施形態として示した吐出容器の縦断面図である。
図2図1に示す吐出容器であって、ヘッド本体を枠体から離脱した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る吐出容器1は、図1に示されるように、容器体11、中栓部材12、および押下ヘッド13を備えている。吐出容器1の構成部材は、後述する付勢部材40を除く全て合成樹脂で形成されている。
【0015】
容器体11は、胴部の内径と口部の内径とが互いに同等とされた広口のジャー容器となっている。なお、容器体11として、胴部の内径が、口部の内径より大きい構成を採用してもよい。
容器体11は、容器本体21、係止筒22、および中皿23を備えている。
【0016】
容器本体21は有底筒状に形成されており、容器本体21、係止筒22、および中皿23は、共通軸Oと同軸に配設されている。以下、共通軸Oに沿う容器本体21の底壁部24側を下側といい、共通軸Oに沿う容器本体21の口部25側を上側といい、共通軸Oに沿う方向を上下方向という。上下方向から見て、共通軸Oに交差する方向を径方向といい、共通軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
容器本体21内に内容物が収容される。内容物としては、例えばクリーム状の化粧料等が挙げられる。容器本体21の底壁部24の表裏面は、上下方向を向いている。底壁部24に、容器本体21内に開口する外気導入孔24aが形成されている。容器本体21の口部25に、係止筒22が螺着された雄ねじ部が形成されている。
容器体11の口部は、容器本体21の口部25、および係止筒22により構成されている。
【0018】
係止筒22は、容器本体21の口部25に螺着された本体筒26と、本体筒26の内側に設けられ、本体筒26の上端部から下方に向けて延びる規制筒22aと、を備えている。
本体筒26において、下部の内周面に、容器本体21の口部25に螺着された雌ねじ部が形成され、上部は、容器本体21より上方に位置している。本体筒26の上部に、表裏面が上下方向を向く段部26aが形成されている。段部26aは、容器本体21の口部25の上端開口縁に対して上方に位置し、上下方向で対向している。本体筒26のうち、段部26aより上方に位置する上端部に、蓋体Cが着脱可能に外嵌されている。
中皿23は、容器本体21内に上方に向けて摺動可能に嵌合されている。中皿23は、容器本体21内において、中皿23より上方に位置する部分に収容された内容物の減少に伴い、上方に向けて移動する。中皿23は、有頂筒状に形成されている。
なお、中皿23を設けなくてもよい。
【0019】
中栓部材12は、容器体11の口部に装着されている。中栓部材12は、有底筒状に形成され、中栓周壁部27および中栓底壁部28を備えている。
【0020】
中栓周壁部27において、下部は、容器本体21の口部25内に挿入され、上部は、容器本体21より上方に位置し、本体筒26の上部内に嵌合されている。中栓周壁部27の上部に、径方向の外側に向けて突出し、容器本体21の口部25の上端開口縁に配置されたフランジ部27aが形成されている。フランジ部27aは、容器本体21の口部25の上端開口縁と、係止筒22の段部26aの下面と、により上下方向に挟まれて固定されている。中栓周壁部27内に、係止筒22の規制筒22aが挿入されている。
【0021】
中栓底壁部28は、中栓周壁部27の下端開口を閉塞している。中栓底壁部28に、上下方向に貫き、容器体11内に連通する連通孔29と、連通孔29を径方向の外側から囲い、上方に向けて突出するシリンダ筒31と、シリンダ筒31を径方向の外側から囲うガイド筒32と、が設けられている。連通孔29、シリンダ筒31、およびガイド筒32は、共通軸Oと同軸に配設されている。シリンダ筒31の内径は、連通孔29の内径より大きくなっている。
【0022】
押下ヘッド13は、中栓部材12を中栓部材12の上方から覆い、上方付勢状態で下方移動可能に設けられるとともに、連通孔29に連通可能な吐出孔30を有している。押下ヘッド13は、容器体11、および中栓部材12に対する上方への離脱が規制された枠体33と、枠体33の内側を閉塞し、枠体33に離脱可能に設けられたヘッド本体34と、を備えている。
【0023】
枠体33は、係止筒22の規制筒22a内、および中栓周壁部27内に一体に挿入された外筒35と、外筒35の内側に設けられ、外筒35の上端部から下方に向けて延びる雌ねじ筒36と、を備えている。
【0024】
雌ねじ筒36の内周面に雌ねじ部が形成されている。雌ねじ筒36および外筒35それぞれの下端開口縁は、中栓底壁部28の上面より上方に位置している。外筒35のうち、上端部は、上端部より下方に位置する部分より縮径している。外筒35の上端部は、容器体11より上方に位置している。外筒35の外周面、および規制筒22aの内周面に、互いが周方向に係合することで、枠体33および容器体11の周方向の相対回転を規制する回り止め部が各別に形成されている。
【0025】
外筒35に、径方向の外側に向けて突出し、係止筒22の規制筒22aの下端開口縁に、係止筒22の下方から当接可能な被係止部35aが形成されている。被係止部35aは、規制筒22aの下端開口縁から下方に離れている。なお、被係止部35aは、規制筒22aの下端開口縁に当接していてもよい。被係止部35aが、規制筒22aの下端開口縁に当接することで、枠体33が、容器体11、および中栓部材12に対して上方に離脱することが規制される。なお、被係止部35aは、例えば、中栓周壁部27の内周面に形成した突起等に、この突起の下方から当接可能であってもよい。
【0026】
ヘッド本体34は、頂壁部34aを有する有頂筒状に形成されている。頂壁部34aは、枠体33の上端開口を含む枠体33の全体を、枠体33の上方から覆っている。頂壁部34aに、上下方向に貫く吐出孔30が形成されている。吐出孔30は、頂壁部34aにおける中央部に形成されている。頂壁部34aの上面は、吐出孔30に向かうに従い、下方に向けて延びる凹曲面状に形成されている。吐出孔30内に、吐出孔30を通した頂壁部34aの下方から上方への流通を許容し、かつその逆向きの流通を阻止する開閉弁39が嵌合されている。なお、開閉弁39は設けなくてもよい。
ヘッド本体34は、嵌合筒41、雄ねじ筒42、および操作筒38を有している。
【0027】
嵌合筒41は、頂壁部34aの下面における吐出孔30の開口周縁部から下方に向けて突出している。嵌合筒41は、シリンダ筒31内に挿入されている。
雄ねじ筒42の外周面に雄ねじ部が形成されている。雄ねじ筒42は、頂壁部34aから下方に向けて突出し、中栓部材12のガイド筒32より径方向の外側に位置している。雄ねじ筒42の下端部は、ガイド筒32の上端部より下方で、かつ中栓底壁部28の上面より上方に位置している。雄ねじ筒42は、枠体33の雌ねじ筒36内に離脱可能に螺着されている。雄ねじ筒42および雌ねじ筒36と、容器本体21の口部25および係止筒22と、では、ねじの向きが左右逆になっている。なお、これらのねじの向きを左右同じ向きにしてもよい。
操作筒38は、雄ねじ筒42および雌ねじ筒36より径方向の外側に位置している。操作筒38は、頂壁部34aの外周縁部から下方に向けて突出し、枠体33の外筒35の上端部に回転可能に外嵌されている。操作筒38は、容器体11および中栓部材12より上方に位置し、外周面が外部に露呈している。操作筒38の外周面に、上下方向に延びる、滑り止め用の縦リブが、周方向に連ねられて設けられている。なお、操作筒38は、設けなくてもよい。
【0028】
押下ヘッド13と中栓部材12との間に、付勢部材40、およびポンプ機構45が設けられている。
【0029】
付勢部材40は、金属製のコイルスプリングとされ、共通軸Oと同軸に配設されている。付勢部材40は、押下ヘッド13の雄ねじ筒42の内周面と、中栓部材12のガイド筒32の外周面と、の間に差し込まれている。付勢部材40は、雄ねじ筒42の内周面、およびガイド筒32の外周面に当接、若しくは近接している。付勢部材40の上端部は、頂壁部34aの下面に支持され、付勢部材40の下端部は、中栓底壁部28の上面に支持されている。付勢部材40は、押下ヘッド13を上方に付勢している。
ポンプ機構45は、ピストン46、ピストンガイド47、および吐出弁48を備えている。
【0030】
ピストン46は、筒状に形成され、共通軸Oと同軸に配設されている。ピストン46は、シリンダ筒31内に上下摺動可能に嵌合されている。ピストン46と、押下ヘッド13の嵌合筒41の下端開口縁と、の間に上下方向の隙間が設けられている。ピストン46は、シリンダ筒31の上端部内に嵌合されて固定されたピストン押え37に、ピストン46の上方から当接している。これにより、ピストン46のこれ以上の上方移動が規制されている。
【0031】
ピストンガイド47は有底筒状に形成され、ピストン46内に挿入されている。ピストンガイド47の外周面と、ピストン46の内周面と、の間に、径方向の隙間が設けられている。ピストンガイド47において、ピストン46の内周面と径方向で対向する部分に、径方向に貫く連絡孔47bが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0032】
ピストンガイド47は、押下ヘッド13の嵌合筒41内に嵌合され、下部が嵌合筒41およびピストン46から下方に突出している。ピストンガイド47の下部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ状の当接部47aが形成されている。当接部47aは、ピストン46に、ピストン46の下方から離反可能に当接している。ピストン46は、当接部47aとピストン押え37とにより上下方向に挟まれている。これにより、押下ヘッド13のこれ以上の上方移動が規制されている。
【0033】
吐出弁48は、シリンダ筒31の下端部内に設けられ、連通孔29を通した、容器体11内からシリンダ筒31内への流通を許容し、かつその逆向きの流通を阻止する。吐出弁48は、中栓底壁部28の上面において、連通孔29とシリンダ筒31との間に位置する部分に、上方に向けて離反可能に着座している。吐出弁48は3点弁となっている。吐出弁48として、例えば1点弁等を採用してもよい。
【0034】
以上の構成において、付勢部材40の上方付勢力に抗して、押下ヘッド13を押下すると、ピストンガイド47が、ピストン46およびシリンダ筒31に対して下降し、当接部47aがピストン46から下方に離間して、シリンダ筒31内において、ピストンガイド47より下方に位置する部分と、連絡孔47bと、が、ピストン46の内周面と、ピストンガイド47の外周面と、の間の隙間を通して連通する。この際、嵌合筒41の下端開口縁が、ピストン46に突き当たるので、押下ヘッド13の押下を継続すると、ピストン46もシリンダ筒31内を下降する。これにより、シリンダ筒31内において、ピストンガイド47より下方に位置する部分の内容物が、加圧されて、ピストン46の内周面と、ピストンガイド47の外周面と、の間の隙間、連絡孔47b、並びに、ピストンガイド47内を通過して吐出孔30に到達し、開閉弁39を開き、吐出孔30から頂壁部34a上に吐出される。この過程において、吐出弁48は、中栓底壁部28の上面において、連通孔29とシリンダ筒31との間に位置する部分に着座したままの状態となり、シリンダ筒31内と連通孔29との連通を遮断する。
【0035】
次に、押下ヘッド13の押下を解除すると、付勢部材40の上方付勢力により、ピストンガイド47が押下ヘッド13とともに上昇し、当接部47aがピストン46に当接し、シリンダ筒31内において、ピストンガイド47より下方に位置する部分と、連絡孔47bと、の連通が遮断される。その後、ピストン46がピストンガイド47とともに上方に復元移動すると、シリンダ筒31内において、ピストンガイド47より下方に位置する部分が負圧になり、吐出弁48が、中栓底壁部28の上面において、連通孔29とシリンダ筒31との間に位置する部分から上方に離反し、シリンダ筒31内と連通孔29とが連通する。この際、容器体11内の内容物が、連通孔29を通過してシリンダ筒31内に流入し、これに伴い、中皿23が、容器本体21内を上方に向けて摺動する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態による吐出容器1によれば、押下ヘッド13が、容器体11、および中栓部材12に対する上方への離脱が規制された枠体33と、枠体33に離脱可能に設けられたヘッド本体34と、を備えているので、内容物を使い終わったときに、図2に示されるように、ヘッド本体34を枠体33から離脱することで、押下ヘッド13の内側が外部に開放されることとなり、上端部が押下ヘッド13に支持された付勢部材40を簡単に取り外すことができる。これにより、付勢部材40と、その他の構成部材と、を容易に分別することが可能になり、環境負荷の低減化、廃棄物の処理効率の向上化等に対応することができる。
【0037】
ヘッド本体34が、外周面が外部に露呈した操作筒38を備えているので、内容物を使い終わったときに、操作筒38を操作することで、ヘッド本体34を枠体33から容易に離脱することができる。
図示の例では、ヘッド本体34を枠体33から離脱する際、操作筒38を把持して、ヘッド本体34を、枠体33および容器体11に対して、雄ねじ筒42および雌ねじ筒36の、周方向に沿う緩み側に回転させる。
【0038】
付勢部材40の上端部が、ヘッド本体34の頂壁部34aの下面に支持されているので、ヘッド本体34を枠体33から離脱したときに、図2に示されるように、付勢部材40の少なくとも上端部が外部に露呈することとなり、付勢部材40を簡単に取り外すことができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
ヘッド本体34を枠体33の内側に設け、外筒35および雌ねじ筒36の各上端部を、外部に露出させてもよい。
ヘッド本体34を枠体33に螺着せず、例えば、ヘッド本体34を枠体33に離脱可能に嵌合する等してもよい。
付勢部材40の上端部は、例えば枠体33、若しくは雄ねじ筒42等に支持されてもよい。
【0041】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 吐出容器
11 容器体
12 中栓部材
13 押下ヘッド
22 係止筒(容器体の口部)
25 容器本体の口部(容器体の口部)
29 連通孔
30 吐出孔
33 枠体
34 ヘッド本体
34a 頂壁部
38 操作筒
40 付勢部材
45 ポンプ機構
図1
図2