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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20231013BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
G06F13/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020180747
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071667
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸星 利弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 勇人
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-111674(JP,A)
【文献】特開2015-041351(JP,A)
【文献】特開2011-159051(JP,A)
【文献】特開2018-007158(JP,A)
【文献】特開2013-092811(JP,A)
【文献】特開2017-123518(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0083193(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器が発する環境に関する情報およびクラウド接続された外部装置が提供する環境に関する情報を取得する外部情報取得部と、
前記外部情報取得部が取得した環境に関する情報と所定のルールとに基づいて、前記家電機器の運転制御を行う必要の有無を判断する判断部と、
前記判断部が前記家電機器の運転制御が必要と判断した場合に、当該運転制御に関するユーザの意向を確認する確認部と、
前記外部情報取得部が取得した情報に基づいて一定期間内の環境の変化傾向を予測する傾向予測部と、
を備え
前記判断部は、前記傾向予測部の予測結果から、温度または湿度が変わることが予測される場合に、前記家電機器の運転制御が必要と判断す
情報処理装置。
【請求項2】
家電機器と情報の送受信を行うことにより当該家電機器を管理する情報処理システムであって、
前記家電機器が発する環境に関する情報およびクラウド接続された外部装置が提供する環境に関する情報を取得する外部情報取得部と、
前記外部情報取得部が取得した環境に関する情報と所定のルールとに基づいて、前記家電機器の運転制御を行う必要の有無を判断する判断部と、
前記判断部が前記家電機器の運転制御が必要と判断した場合に、当該運転制御に関するユーザの意向を確認する確認部と、
前記外部情報取得部が取得した情報に基づいて一定期間内の環境の変化傾向を予測する傾向予測部と、
を含み、
前記判断部は、前記傾向予測部の予測結果から、温度または湿度が変わることが予測される場合に、前記家電機器の運転制御が必要と判断する
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)機能を備えた家庭用電気機械器具(家電機器)、いわゆるスマート家電の普及が進んでいる(例えば特許文献1)。スマート家電は、ネットワーク経由で外部装置と連携することにより、運転状態等を制御するための指示を、他の装置経由で、受け付け可能としている。
【0003】
例えば、エアコンディショナー(エアコン)であれば、例えば、気温28℃で警告し30℃で自動的に運転を開始するというようなことは既に行われている。しかしながら、快適と感じる環境はユーザによって異なる場合がある。この場合、画一的な自動制御では、必ずしも、ユーザの満足を得ることは出来ない。したがって、この点において改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016- 44929号公報
【文献】特開2015-149795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、スマート家電の自動制御にユーザの意向を取り入れ、ユーザの意向を反映させた設定や条件で自動制御を行うことを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、家電機器が発する環境に関する情報およびクラウド接続された外部装置が提供する環境に関する情報を取得する外部情報取得部と、前記外部情報取得部が取得した環境に関する情報と所定のルールとに基づいて、前記家電機器の運転制御を行う必要の有無を判断する判断部と、前記判断部が前記家電機器の運転制御が必要と判断した場合に、当該運転制御に関するユーザの意向を確認する確認部と、前記外部情報取得部が取得した情報に基づいて一定期間内の環境の変化傾向を予測する傾向予測部と、を備え、前記判断部は、前記傾向予測部の予測結果から、温度または湿度が変わることが予測される場合に、前記家電機器の運転制御が必要と判断する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概念図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るテレビジョン装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るレコメンドサーバの構成の一例および機能の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムに含まれる各部の接続関係およびテレビジョン装置の機能構成を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る通知情報を表示中のテレビジョン装置を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報処理システムの情報伝達について概略的に説明する図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る情報処理システムの情報伝達について概略的に説明する図である。
図8図8は、第3の実施形態に係る情報処理システムの情報伝達について概略的に説明する図である。
図9図9は、第4の実施形態に係る情報処理システムの情報伝達について概略的に説明する図である。
図10図10は、第5の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。
図11図11は、第6の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す概念図である。情報処理システム1は、家電管理サーバ200と、レコメンドサーバ300と、家H内の各機器(後述のテレビジョン装置10、家電機器20、無線LANルータ30)とを含み、それらが通信可能に接続されることにより構成される。また、情報処理システム1は、運転モードに応じて必要があるとき、外部クラウド400と通信可能に接続される。このような情報処理システム1は、家電機器20と情報の送受信を行うことにより、当該家電機器20を管理する。
【0009】
レコメンドサーバ300は、本実施形態における情報処理装置の一例である。なお、家電管理サーバ200、レコメンドサーバ300、および外部クラウド400は、図1では便宜上単一の装置として示されているが、実施にあたってはそのような構成に限らず、各々の機能が複数台の装置によって実現されていても構わない。また、家電管理サーバ200とレコメンドサーバ300とが、同じ装置によって実現されていても構わない。
【0010】
なお、家電管理サーバ200、レコメンドサーバ300、および外部クラウド400を構成する装置は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)或いはSSD(Solid State Drive)等を備える、一般的なコンピュータ構成の情報処理装置である。
【0011】
本実施形態においては、一般家庭の家Hにおいてテレビジョン装置(受信装置)10が使用される場合を例として説明する。なお、家Hは、一戸建てに限定されるものではなく、集合住宅の中の1つの住居であっても良い。
【0012】
家Hには、例えば、テレビジョン装置10と、洗濯機20aと、冷蔵庫20bと、エアコンディショナー(エアコン)20cと、無線LAN(Local Area Network)ルータ30とが設置されている。
【0013】
テレビジョン装置10と、洗濯機20aと、冷蔵庫20bと、エアコン20cとは、無線通信機能を備えるスマート家電(IoT(Internet of Things)家電とも言う)である。以下、洗濯機20aと、冷蔵庫20bと、エアコン20cとを総称する場合は、単に家電機器20という。
【0014】
無線LANルータ30は、テレビジョン装置10および家電機器20と無線接続可能であり、テレビジョン装置10および家電機器20とネットワークNとの通信接続を中継する。無線LANルータ30は、本実施形態における通信中継機器の一例である。なお、無線LANの規格は特に限定されるものではないが、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠するものとする。
【0015】
なお、無線LANルータ30は、有線LANルータとしての機能も有しても良い。また、無線LANルータ30は、モデムまたは光回線終端装置を兼ねても良いし、無線LANルータ30とは別個にモデムまたは光回線終端装置が設置されても良い。
【0016】
ネットワークNは、例えばインターネットである。家電機器20は、無線LANルータ30と無線LANによって接続することにより、無線LANルータ30を介してネットワークNに接続する。家電機器20は、ネットワークNを介して、家電管理サーバ200により管理・監視される。
【0017】
また、家電機器20は、無線LANルータ30と無線接続されていない状態では、無線LANのアクセスポイントとして機能する。より詳細には、家電機器20は、無線LANルータ30と無線接続されていない状態では、家電機器20のSSID(Service Set Identifier)を含む信号を無線通信によって発信する。例えば、洗濯機20aは、洗濯機20aのSSID“yyyzzz_bb_xxxx”を発信する。SSIDは、本実施形態における家電機器20の識別情報の一例である。
【0018】
また、家電機器20は、無線LANルータ30と無線接続された状態では、無線LANのクライアントとして動作するため、周囲に対するSSIDの発信は行わない。
【0019】
なお、家Hに設置される無線LANルータ30および家電機器20の台数、および家電機器20の種類は、図1に示す例に限定されるものではない。
【0020】
テレビジョン装置10は、例えば、放送波またはインターネットを介して配信された各種の映像コンテンツを表示する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係るテレビジョン装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、テレビジョン装置10は、例えば、アンテナ101と、入力端子102aと、チューナ103と、デモジュレータ104と、デマルチプレクサ105と、入力端子102bおよび102cと、A/D(アナログ/デジタル)変換器106と、セレクタ107と、信号処理部108と、スピーカ109と、表示パネル(外部表示部)110と、操作部111と、受光部112と、無線通信装置113と、CPU114と、メモリ115と、ストレージ116とを備える。
【0022】
アンテナ101は、デジタル放送の放送信号を受信し、受信した放送信号を、入力端子102aを介してチューナ103に供給する。チューナ103は、アンテナ101から供給された放送信号から所望のチャンネルの放送信号を選局し、選局した放送信号をデモジュレータ104に供給する。放送信号は、放送波ともいう。
【0023】
デモジュレータ104は、チューナ103から供給された放送信号を復調し、復調した放送信号をデマルチプレクサ105に供給する。デマルチプレクサ105は、デモジュレータ104から供給された放送信号を分離して映像信号および音声信号を生成し、生成した映像信号および音声信号をセレクタ107に供給する。
【0024】
セレクタ107は、デマルチプレクサ105、A/D変換器106、および入力端子102cから供給される複数の信号から1つを選択し、選択した1つの信号を信号処理部108に供給するように構成されている。
【0025】
信号処理部108は、セレクタ107から供給される映像信号に所定の信号処理を施し、処理後の映像信号を表示パネル110に供給するように構成されている。また、信号処理部108は、セレクタ107から供給される音声信号に所定の信号処理を施し、処理後の音声信号をスピーカ109に供給するように構成されている。
【0026】
スピーカ109は、信号処理部108から供給される音声信号に基づいて音声、または各種の音を出力するように構成されている。また、スピーカ109は、CPU114による制御に基づいて、出力する音声または各種の音の音量を変更する。
【0027】
表示パネル110は、信号処理部108から供給される映像信号またはCPU114による制御に基づいて、静止画や動画などの映像を表示するように構成されている。表示パネル110は、表示部の一例である。
【0028】
入力端子102bは、外部から入力されるアナログ信号(映像信号および音声信号)を受け付ける。また、入力端子102cは、外部から入力されるデジタル信号(映像信号および音声信号)を受け付ける。A/D変換器106は、入力端子102bから供給されるアナログ信号にA/D変換を施すことにより生成したデジタル信号をセレクタ107に供給する。
【0029】
操作部111は、ユーザ(操作者)の操作入力を受け付ける。また、受光部112は、リモートコントローラ119からの赤外線を受光する。
【0030】
無線通信装置113は、無線LANルータ30と無線通信する。無線通信装置113は、例えば、無線LANモジュールである。
【0031】
また、無線通信装置113は、周囲の無線LANのアクセスポイントから発せられたSSIDを含む信号を検出する。例えば、無線通信装置113は、テレビジョン装置10の周囲の家電機器20から発せられた信号を検出する。無線通信装置113は、検出した信号に含まれる家電機器20のSSIDを、CPU114に送出する。無線通信装置113は、本実施形態における検出部の一例である。
【0032】
なお、テレビジョン装置10は、有線接続用のネットワークインタフェースを有しても良い。また、無線LANルータ30が有線LANルータとしての機能も有する場合、テレビジョン装置10は、無線LANルータ30と有線接続しても良い。また、本実施形態においては、テレビジョン装置10は、無線LANルータ30以外のルータ、モデム、または光回線終端装置と接続しても良い。
【0033】
メモリ115は、CPU114が実行する各種コンピュータプログラムを格納するROM、またはCPU114に作業エリアを提供するRAM等である。
【0034】
また、ストレージ116は、HDD、またはSSD等である。ストレージ116は、例えば、セレクタ107により選択された信号を録画データとして記録する。また、メモリ115およびストレージ116は、CPU114が処理の実行に使用する各種の情報を記憶する。
【0035】
CPU114は、メモリ115が記憶するプログラムを実行することにより、テレビジョン装置10全体を制御する制御部として機能する。
【0036】
テレビジョン装置10の制御部は、表示制御部として機能する。表示制御部は、レコメンドサーバ300から受信した情報を、表示中の映像コンテンツ(放送波またはインターネットを介して配信されたもの)に重ねて、表示部(表示パネル110)に表示させる。
【0037】
ここで、本実施形態では、テレビジョン装置10を、他のスマート家電に関する情報を表示する表示装置として利用するが、実施にあたっては、他のスマート家電のうち表示器を備えるものを、テレビジョン装置10に代えて当該用途に適用してもよい。或いは、ユーザが所持するスマートフォン等の表示部を備える端末装置を、テレビジョン装置10に代えて当該用途に適用してもよい。
【0038】
なお、図2に示すテレビジョン装置10のハードウェア構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0039】
図1に戻り、エアコン20cは、温度センサおよび湿度センサを備えている。エアコン20cは、温度センサおよび湿度センサの測定値(環境値、環境に関する情報)を、定期的に出力する。エアコン20cが出力した情報は、無線LANルータ30およびネットワークNを介して、家電管理サーバ200に送信される。
【0040】
家電管理サーバ200は、ネットワークNおよび無線LANルータ30を介して各家電機器20と通信可能に接続され、各家電機器20を管理・監視する。また、家電管理サーバ200は、家電機器20が発した環境に関する情報を受信すると、当該情報をレコメンドサーバ300に転送する。
【0041】
図3は、第1の実施形態に係るレコメンドサーバ300の構成の一例および機能の一例を示すブロック図である。レコメンドサーバ300は、家電機器20が発した環境に関する情報(例えば温度や湿度)を家電管理サーバ200経由で取得し、エアコン20cの運転に関して、所定のルール(後述のレコメンドルール322)に基づくレコメンド通知を、テレビジョン装置10によって行う。より具体的には、レコメンドサーバ300は、従来自動的に行っていたエアコン20cの運転制御に先立ち、ユーザの意向を確認するための通知(レコメンド通知)を行う。
【0042】
レコメンドサーバ300は、制御部310と、記憶部320と、通信I/F(Interface)301とを備える。通信I/F301は、ネットワークNを介して、情報処理システム1が含む他の装置と、ネットワークNを介して通信可能に接続する。
【0043】
レコメンドサーバ300のCPUは、ROMやHDDが記憶するプログラムを実行することにより、制御部310が備える各種機能部311~315を実現する。記憶部320は、HDD(或いはSSD)等である。
【0044】
記憶部320は、閾値情報321と、レコメンドルール322と、IoT Web APIプログラム(以降単にAPIプログラムと記す)323を記憶する。閾値情報321は、レコメンド通知を行うかの判断に用いる各種閾値を記憶したものである。レコメンドルール322は、レコメンド通知を行うかの判断に用いる各種条件である。APIプログラム323は、制御部310が実行することにより、IoT対応機器(つまり家電機器20)との通信や操作制御をWeb経由で行うためのAPI(Application Programming Interface)機能を提供するプログラムである。
【0045】
レコメンドルール322は、例えば下記(1)の場合にレコメンド通知を実行する旨を定めている。
(1)入力された環境に関する情報(環境値)に基づく指数が、所定の上限閾値を上回った(或いは下限閾値を下回った)。
ここで、環境値は、例えば、温度センサおよび湿度センサの測定値である。また、指数は、例えば、暑さ指数(湿球黒球温度、WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)や、不快指数である。
【0046】
なお、ここでは温度と湿度との両方を参照して行う例について説明するが、実施にあたっては、温度または湿度のいずれかのみを参照してレコメンド通知を行うのであってもよい。
【0047】
制御部310が備える各機能部311~315の説明に先立ち、情報処理システム1に含まれる各部の接続関係について説明する。図4は、情報処理システム1に含まれる各部の接続関係およびテレビジョン装置10の機能構成を示す図である。ここで、テレビジョン装置10は、BT(Bluetooth(登録商標))IF(Interface)117やMIC(microphone、マイク)118を、さらに備えている。BTIF117は、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠する家電機器20とテレビジョン装置10との無線接続を可能にするものである。MIC118は、入力される音声を電気信号に変換して制御部(CPU114)に出力する。
【0048】
また、本実施形態では、家電機器20としてさらに、IoTセンサ20dや、IoTリモコン20eを用いる。IoTセンサ20dは、温度や湿度に応じた出力を行う。当該出力は、無線LANルータ30(或いはBTIF117)、ネットワークN、および家電管理サーバ200を介して、レコメンドサーバ300に伝達される。また、IoTリモコン20eは、ネットワークNおよび無線LANルータ30(或いはBTIF117)経由でレコメンドサーバ300からの指示を受信し、家電機器20を制御するための信号を出力する。
【0049】
テレビジョン装置10の制御部は、プログラムの実行により、スマートホームアプリ(アプリケーション)120を実現する。スマートホームアプリ120は、家電機器20を制御ないし監視するためのアプリケーションソフトウェアであって、例えば、VUI(Voice User Interface)121、通知表示機能122、IoT連携設定機能123、IoT機器BT接続機能124を備えている。
【0050】
通知表示機能122は、家電機器20が発する環境に関する情報(環境値)と所定のルール(レコメンドルール322)とに基づいて、家電機器20の運転制御が必要と判断された場合に、当該運転制御に先立ってユーザの意向を確認するためのユーザインタフェースを提供するUI提供部の、一例である。また、VUI121は、UI提供部(通知表示機能122)が提供したユーザインタフェース(レコメンド通知)を介してユーザの意向を示す操作を受け付ける操作受付部の、一例である。
【0051】
具体的には、通知表示機能122は、表示パネル110に画像や文字を表示させることにより、レコメンド通知をユーザに示す。VUI121は、ユーザが声によって判断・操作等を行うためのユーザインタフェースである。VUI121は、MIC118を介してユーザの音声を取り入れる。
【0052】
また、IoT連携設定機能123およびIoT機器BT接続機能124は、操作受付部(VUI121)が受け付けた操作に応じた家電機器20の運転制御に関する指示があった場合、当該指示を、家電機器20に伝達可能な所定の経路で転送する指示転送部の、一例である。具体的には、IoT連携設定機能123は、各IoT機器(家電機器20)との連携に用いる設定を行う。IoT機器BT接続機能124は、各IoT機器(家電機器20)とBTIF117によるBluetooth接続を行う。
【0053】
図3に戻り、制御部310は、外部情報取得部311、指数算出部312、判断部313、確認部314、指示部315などを備える。
【0054】
外部情報取得部311は、家電機器20が発する環境に関する情報を取得する。具体的には、外部情報取得部311は、エアコン20cが備える温度センサ・湿度センサや、他のセンサ(温度・湿度センサであるIoTセンサ20d)等が出力する測定値(環境値)を、ネットワークNを介して家電管理サーバ200から取得する。なお、この取得は、外部情報取得部311が所定のタイミングで家電管理サーバ200に要求して得た応答によるものであってもよいし、また、家電管理サーバ200が任意あるいは所定のタイミングで送信してくることによるものであってもよい。
【0055】
指数算出部312は、外部情報取得部311が取得した環境値に基づいて、指数を算出する。指数は、例えば、暑さ指数(WBGT)や不快指数である。
【0056】
判断部313は、環境値から算出された指数と所定のルール(レコメンドルール322)とに基づいて、家電機器20の運転制御を行う必要の有無を判断する。具体的には、判断部313は、温度や湿度の測定値から算出された指数と閾値とを比較することにより、エアコン20cの運転制御の要否を判断する。
【0057】
確認部314は、判断部313が家電機器20の運転制御が必要と判断した場合に、当該運転制御に関するユーザの意向を確認する。具体的には、確認部314は、判断部313により運転制御が必要と判断されると、状況に適する通知情報を生成し、これをテレビジョン装置10により報知する。図5は、通知情報を表示中のテレビジョン装置10を示す図である。
【0058】
テレビジョン装置10は、受信した通知情報を受信すると、表示パネル110に表示中の画像に重ねて、通知情報の内容を表示する。通知情報は、例えば、アイコン1101と、吹出し1102と、ユーザによる操作を受け付ける操作子としてのボタン1103と、を含む。アイコン1101は、当該通知の発信元を示す。吹出し1102は、通知内容を表示する。通知内容は、例えば、「熱中症対策が必要な状態です。エアコンをつけて温度調整しませんか?『エアコンをつけて』と発話してください。」である。ボタン1103は、運転制御を行わず当該通知を閉じる操作を受け付ける。
【0059】
レコメンドサーバ300の制御部310は、テレビジョン装置10がユーザの応答(すなわち音声やボタン1103への操作)を受け付けると、これを取得し、指示部315として、ユーザの応答の内容に応じた処理を行う。ユーザの応答がエアコン20cを運転させる旨を告げる音声であった場合には、指示部315は、エアコン20cの運転を開始させるよう指示する信号を出力する。
【0060】
このような構成の情報処理システム1は、以下のように動作する。図6は、情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。
【0061】
まず、レコメンドサーバ300の制御部310は、外部情報取得部311として、エアコン20cやIoTセンサ20dが出力した温度や湿度を取得する(ステップS1-1,S1-2)。なお、ステップS1-1では、エアコン20cの現在の運転状況も、併せて提供される。これにより、レコメンドサーバ300は、エアコン20cの現在の運転状況を認識可能である。
【0062】
次に、レコメンドサーバ300の制御部310は、指数算出部312として、取得した温度や湿度に基づいて暑さ指数や不快指数を算出する(ステップS2)。
【0063】
暑さ指数および不快指数のうち少なくともいずれかの指数が当該指数の上限閾値を上回らない(或いは下限閾値を下回らない)場合には、制御部310は、判断部313として、エアコン20cの運転制御は不要と判断し、レコメンド通知を行わずに本処理を終了する。
【0064】
暑さ指数および不快指数のうち少なくともいずれかの指数が当該指数の上限閾値を上回った(或いは下限閾値を下回った)場合には、制御部310は、判断部313として、エアコン20cの運転制御が必要と判断し、通知情報を生成し、テレビジョン装置10に出力する(ステップS3)。テレビジョン装置10が通知情報を受信すると、通知表示機能122が、表示パネル110に表示中の画像に重ねて、レコメンド通知の内容(通知情報)を表示する(ステップS4)。
【0065】
次に、レコメンド通知を見たユーザが、『エアコンをつけて』などと音声による指示を行うと、これをVUI121が受け付け、レコメンドサーバ300に出力する(ステップS5)。
【0066】
ユーザが音声により指示した内容が入力されたレコメンドサーバ300は、指示部315として、ユーザの応答の内容に応じた処理を行う(ステップS6)。このとき、指示部315は、例えば、エアコン20cに対し、無線LANルータ30を介して、運転を開始させるよう指示する信号を出力する。
【0067】
なお、ステップS6において、エアコン20cがIoT家電でなかった場合、レコメンドサーバ300の指示部315は、無線LANルータ30を介して、IoTリモコン20eの赤外線コントローラを制御する信号を出力する(ステップS7)。当該信号を受信したIoTリモコン20eは、赤外線コントローラからIrコマンドを出力する(ステップS8)。また、レコメンドサーバ300からIoTリモコン20eへの信号出力を、テレビジョン装置10が仲介してもよい(ステップS9,S10)。
【0068】
このような情報処理システム1によれば、自動的運転制御に先立って当該制御に関するユーザの意向を取り入れることができる。これにより、従来は画一的に自動で行っていた運転制御では反映されなかったユーザの意向を、運転制御に反映させることができる。これにより、ユーザの好みに応じた運転制御が可能となるので、ユーザの満足を得やすくすることができる。
【0069】
なお、本実施形態では、テレビジョン装置10の表示パネル110を、レコメンド通知を行う表示部とする例について説明したが、実施にあたっては、表示部は、例えばスマートフォンやタブレット等の情報処理システム1と通信可能な装置が備える表示パネルであってもよい。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であるので、第1の実施形態と同じ部分については詳細な説明を省略し、同じ符号を用いる。
【0071】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。本実施形態は、図5に示すようなレコメンド通知を見たユーザが、テレビジョン装置10に音声等で意向を返すのでなく、自身でエアコン20cのリモコン等を操作して直接、エアコン20cを操作した場合(ステップS81)についてのものである。この場合、エアコン20cは、レコメンドサーバ300に対し、フィードバック情報を返す(ステップS82)。フィードバック情報は、ユーザがリモコン等で行った操作の内容である。レコメンドサーバ300の制御部310は、エアコン20cからフィードバック情報が入力されると、その直前に行ったレコメンド通知に対応するものであると認識する。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であるので、第1の実施形態と同じ部分については詳細な説明を省略し、同じ符号を用いる。
【0073】
図8は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。本実施形態は、レコメンド通知(ステップS4)後、ユーザからの反応がない場合に、ユーザまたはその関係者に対し、新たな通知を行う(ステップS51)。
【0074】
ここで、ユーザからの反応がない場合とは、ステップS5のような音声等での回答や、或いは第2の実施形態のようなユーザ操作(ステップS81)を起因としたエアコン20cからのフィードバック(ステップS82)である。これらのようなユーザからの反応が無い場合は、ユーザがレコメンドに気付かなかった可能性が考えられることから、一定時間後に、例えば、ユーザに関連付けられたスマートフォンなどの端末装置への通知や、ユーザに関連付けられたメールアドレスや電話番号への連絡、或いは家族への見守り通知などを、行う。見守り通知とは、ユーザに関連付けて登録された家族のメールアドレスや電話番号への連絡により、行われる。
【0075】
これにより、ユーザにレコメンド通知を確実に届けることが可能となるので、利便性が向上する。また、万一、ユーザがレコメンド通知に反応できない状況などであった場合に、ユーザに関連付けられた家族に見守り通知を届けることができる。
【0076】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第2の実施形態の変形例であるので、第2の実施形態と同じ部分については詳細な説明を省略し、同じ符号を用いる。
【0077】
図9は、第4の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。まず、本実施形態は、第2の実施形態に対し、洗濯機20aを、自動制御および当該自動制御に先立ってのユーザの意向確認(レコメンド通知)の対象として、追加している。
【0078】
また、本実施形態のレコメンドサーバ300の外部情報取得部311は、外部クラウド400から、天気情報を取得する(ステップS1-3)。なお、この場合の外部クラウド400は、例えば、天気予報の情報を提供するインターネット上のWebサイトなどである。
【0079】
さらに、本実施形態のレコメンドサーバ300の制御部310は、傾向予測部316(図3参照)を、さらに備える。傾向予測部316は、外部から取得した情報に基づいて、一定期間内の環境の変化傾向を、予測する。本実施形態の傾向予測部316は、ステップS1-3で取得した天気情報に基づいて、この後の温度・湿度の傾向を予測する(ステップS21)。
【0080】
また、本実施形態では、レコメンド通知(ステップS4)を見たユーザが、洗濯機20aに対して操作を行い(ステップS83)、洗濯機20aがレコメンドサーバ300にフィードバック情報を返す(ステップS84)ことを想定している。
【0081】
この構成によれば、例えば、この後、洗濯に適さない温度や湿度に急変する等が予測されるのであれば、ユーザへのレコメンド通知(ステップS41)として、洗濯の予約時間の変更を勧める旨の情報を提示するなどが可能となる。これにより、天気情報など、外部クラウド400から取得可能な情報を考えに入れて、家電機器20の運転予約を変更することが可能である。
【0082】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、第4の実施形態の変形例であるので、第4の実施形態と同じ部分については詳細な説明を省略し、同じ符号を用いる。
【0083】
図10は、第5の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。まず、本実施形態は、第4の実施形態に対し、VUI121による応答(ステップS52)が追加されている。本実施形態では、レコメンド通知(ステップS41)を見たユーザが、『洗濯を始めて』などと音声による指示を行うと、これをVUI121が受け付け、レコメンドサーバ300に出力する(ステップS51)。
【0084】
ユーザが音声により指示した内容が入力されたレコメンドサーバ300は、指示部315として、ユーザの応答の内容に応じた処理を行う(ステップS61)。このとき、指示部315は、例えば、洗濯機20aに対し、無線LANルータ30を介して、運転を開始させるよう指示する信号を出力する。
【0085】
この構成によっても、前実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。本実施形態は、上記他の実施形態の変形例であるので、上記他の実施形態と同じ部分については詳細な説明を省略し、同じ符号を用いる。
【0087】
図11は、第6の実施形態に係る情報処理システム1の情報伝達について概略的に説明する図である。本実施形態のレコメンドサーバ300の制御部310は、ルール更新部317(図3参照)を、さらに備える。ルール更新部317は、自動操作に対する修正の検出(ステップS23)と快適度学習(ステップS24)とによりユーザの個人プロファイルを作成し(ステップS25)、レコメンドルール322を更新する。
【0088】
具体的には、自動制御の結果、例えばエアコン20cの設定温度が0.5℃下げられ、この後所定時間以内に、ユーザが、設定温度を0.5℃上げた、といった事例が、所定の頻度(所定期間内に所定回数)で発生したとする。この場合、ステップS23において、事例の発生が検出され、また、当該事例の発生頻度が算出される。またこの場合、ステップS24において、例えば、当該ユーザに適する設定温度は、標準よりも0.5℃高めであると学習する。そして、ステップS25において、環境値に対するユーザの快適指数を算出し、ユーザの個人プロファイルとして記憶部320に記録する。そして、記録された個人プロファイルにより、レコメンドルール322を更新して、次回動作に用いる。
【0089】
本実施形態によれば、他の実施形態が奏する効果に加え、ユーザの好みに応じたレコメンド通知を行うことが可能となる。
【0090】
なお、上述の第1から第6の実施形態および変形例の情報処理システム1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0091】
上述の第1から第6の実施形態および変形例の情報処理システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0092】
さらに、上述の第1から第6の実施形態および変形例の情報処理システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述の第1から第6の実施形態および変形例の情報処理システム1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0093】
上述の第1から第6の実施形態および変形例の情報処理システム1で実行されるプログラムは、上述した各部(外部情報取得部311、指数算出部312、判断部313、確認部314、指示部315、傾向予測部316、ルール更新部317)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、外部情報取得部311、指数算出部312、判断部313、確認部314、指示部315、傾向予測部316、ルール更新部317が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 …情報処理システム
10 …テレビジョン装置(受信装置)
110…表示パネル(外部表示部)
113…無線通信装置
114…CPU、115…メモリ、116…ストレージ、
117…BTIF、118…MIC、119…リモートコントローラ
120…スマートホームアプリ
121…VUI、122…通知表示機能、
123…IoT連携設定機能、124…IoT機器BT接続機能
20 …家電機器、20a…洗濯機、20c…エアコン、
20d…IoTセンサ、20e…IoTリモコン
30 …無線LANルータ
200…家電管理サーバ
300…レコメンドサーバ
310…制御部
311…外部情報取得部、312…指数算出部、
313…判断部、314…確認部、315…指示部、
316…傾向予測部、317…ルール更新部
320…記憶部
321…閾値情報、322…レコメンドルール、323…APIプログラム
400…外部クラウド
1101…アイコン、1102…吹出し、1103…ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11