(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】接合装置
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
H02K5/22
(21)【出願番号】P 2020212968
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 聡士
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-099883(JP,U)
【文献】特開2017-130258(JP,A)
【文献】特開2011-041381(JP,A)
【文献】実開昭55-015958(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アースされた電動機のケースに導電性の外部装置を接合する接合装置であって、
頭部と、ネジ溝が形成された円柱状のネジ部と、前記頭部と前記ネジ部との間に介在され前記ネジ部に向けて先細りとなる略円錐状のテーパ部とを備えた導電性のボルトと、
中央に前記ボルトが挿入される孔が形成された平面状の外周部と、前記外周部から屈曲し前記孔に沿って形成された円筒状の立設部と、を備え、前記立設部に外周方向に突出する少なくとも一つの突起部を有する導電性のワッシャと、
を備え、
前記ワッシャを介して前記ボルトを前記外部装置に形成された切欠部に挿入し前記ボルトを前記ケースにネジ止めして前記ケースと前記外部装置を接合した際に、前記テーパ部が前記立設部に当接して前記立設部が外周方向に変形して前記突起部が前記切欠部の切欠面に当接し、前記ケースと前記外部装置が前記ボルトと前記ワッシャを介して電気的に導通させること、
を特徴とする接合装置。
【請求項2】
前記切欠部は塗装された塗装面を有しており、前記突起部は前記塗装面を噛みこんで前記切欠面と当接する、
請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記立設部の前記孔側は前記テーパ部に沿ったテーパ状である、
請求項1または2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記外部装置は、前記電動機の内部に設けられた、前記電動機を監視するためのセンサを接続する端子箱である、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機は、電磁力により回転力するロータを備える。そして、電動機には、電動機内の種々の状態を管理(例えば電動機内の温度の管理)するためのセンサ類が取り付けられている。このようなセンサは、電動機の外枠に取り付けられた端子箱を介して外部と接続されている。
【0003】
電動機は可燃性ガス雰囲気で使用されることがあること、また、センサ類は高電圧が印加されることがあるため、端子箱に漏れた電流が蓄積・放電され発火源となることがある。これを防止するために、端子箱と電動機とがアース線で接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、電動機の組み立てる際に電動機と端子箱をアース線で接続する作業が必要となり、電動機を組み立てる作業者の負担となっていた。また、設計者も設計検討が必要であった。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、電動機と外部装置とをアース接続する作業と設計検討を軽減した接合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施形態に係る接合装置は、アースされた電動機のケースに導電性の外部装置を接合する接合装置であって、頭部と、ネジ溝が形成された円柱状のネジ部と、前記頭部と前記ネジ部との間に介在され前記ネジ部に向けて先細りとなる略円錐状のテーパ部とを備えた導電性のボルトと、中央に前記ボルトが挿入される孔が形成された平面状の外周部と、前記外周部から屈曲し前記孔に沿って形成された円筒状の立設部と、を備え、前記立設部に外周方向に突出する少なくとも一つの突起部を有する導電性のワッシャと、を備え、前記ワッシャを介して前記ボルトを前記外部装置に形成された切欠部に挿入し前記ボルトを前記ケースにネジ止めして前記ケースと前記外部装置を接合した際に、前記テーパ部が前記立設部に当接して前記立設部が外周方向に変形して前記突起部が前記切欠部の切欠面に当接し、前記ケースと前記外部装置が前記ボルトと前記ワッシャを介して電気的に導通させること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電動機および端子箱を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、端子箱の中の構成を説明するための図である。
【
図3】
図3は、接合装置を説明するための斜視図である。
【
図4】
図4は、接合装置を用いて電動機と端子箱を接合する図である。
【
図5】
図5は、接合装置を用いて電動機と端子箱を接合した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して一つの実施形態について説明する。なお、この実施形態の説明によって本発明が限定されない。
【0010】
図1は、実施形態に係る電動機および端子箱を概略的に示す図である。
図1のモータフレーム1は両端面のそれぞれが開口するものであり、フレームに相当する。モータフレーム1は導電性のアルミニウムもしくは鉄の製缶品で成形されたものであり、複数の冷却フィン2を有している。モータフレーム1には脚が固定されている。これら脚のそれぞれは導電性を有するものであり、モータフレーム1の外周面から下へ突出している。これら脚のそれぞれにはネジが挿入されており、モータフレーム1はネジを設置面に螺合することで固定される。
【0011】
モータフレーム1内にはモータ本体が収納されている。モータ本体は固定子および回転子を有している。回転子は回転子鉄心に水平な回転軸を固定してなるものであり、固定子は固定子鉄心に三相の固定子巻線を巻装してなるものである。これらの固定子巻線のそれぞれには、
図1に示すように、口出し線6の一端部が接続されており、口出し線6のそれぞれの他端部には圧着端子7が接続されている。
【0012】
固定子鉄心はモータフレーム1の内周面に固定されたものであり、この固定子鉄心は焼き嵌めおよび鋲によってモータフレーム1内に固定されたものであり、回転子鉄心は固定子鉄心内に収納されている。
【0013】
モータフレーム1には、
図1に示すように、2つのブラケット8が固定されている。一方のブラケット8はモータフレーム1の一端面を軸方向から覆い、他方のブラケット8はモータフレーム1の他端面を軸方向から覆っている。これらのブラケット8のそれぞれには軸受が装着されており、一方の軸受は回転軸の一端部を回転可能に支持し、他方の軸受は回転軸の他端部を回転可能に支持している。
【0014】
モータフレーム1には、
図1に示すように、電動機のケースの一部である台座(図示せず)が固定されている。台座はアルミニウム等の導電性の金属を材料とするものであり、モータフレーム1の外周面にある。モータフレーム1には開口部10が形成されている。開口部10は台座をモータフレーム1内に接続するものであり、口出し線6はモータフレーム1内から開口部10を通して台座内に引き込まれている。なお、少なくともモータフレーム1が電動機のケースに相当し、モータフレーム1と台座は電気的にアースされている。また、モータフレーム1は接地面にアースされている。
【0015】
また、
図1に示すように、フレーム側ケース15がモータフレーム1のタップ穴に螺合されている。フレーム側ケース15は、端子台12間を取り付ける部材であり、後述する接合装置Sによってフレーム1に固定されている。フレーム側ケース15は導電性の金属を材料とするものであり、モータフレーム1とは反対側の一面が開口している。フレーム側ケース15には開口部16が形成されており、口出し線6はモータフレーム1内から開口部16を通してフレーム側ケース15内に挿入されている。
【0016】
フレーム側ケース15には、
図1に示すように、端子台12が固定されている。端子台12は絶縁性および難燃性の合成樹脂を材料に成形されたものである。
【0017】
モータフレーム1およびフレーム側ケース15間には、
図1に示すように、パッキン17が介在されている。パッキン17は絶縁性のゴムを材料とするものであり、四角環状をなしている。パッキン17は接合装置Sの締結力で弾性的に圧潰されたものであり、モータフレーム1およびフレーム側ケース15のそれぞれに弾性復元力で密着している。
【0018】
端子台12には、
図2に示すように、三相の端子板18が装着されている。これら三相の端子板18のそれぞれにはタップ孔が形成されており、三相の口出し線6のそれぞれはネジ19をモータフレーム1とは反対側から圧着端子7を通して端子板18のタップ孔に螺合することに応じて端子板18に接続されている。これら三相の端子板18のそれぞれはネジ20が螺合されたものであり、三相の外部電源線のそれぞれはネジ20を介して端子板18に接続される。これら三相の端子板18のそれぞれは端子に相当する。
【0019】
フレーム側ケース15には、
図1に示すように、端子箱カバー21が固定されている。この端子箱カバー21は導電性の金属を材料とするものであり、複数のネジによって端子箱カバー21を通してフレーム側ケース15に螺合することでフレーム側ケース15に接合されている。フレーム側ケース15および端子箱カバー21は中空状の端子箱23(外部装置の一例)を構成するものであり、端子台12は端子箱23内に収納され、複数の口出し線6のそれぞれの他端部は端子箱23内で端子台12の端子板18に接続されている。端子箱23は、例えば、モータフレーム1の内部に取り付けられた、電動機を監視するためのセンサ(図示せず、例えば、モータフレーム1の内部や電動機の内部の温度を監視するためのセンサ)を接続するための端子箱である。
【0020】
ここからは、接合装置Sについて説明する。
図3は、接合装置Sを説明するための斜視図である。接合装置Sは、端子箱23をモータフレーム1に接合して固定する。
図3に示すように、接合装置Sは、ボルトBとワッシャWとを有する。接合装置Sは、例えば鉄やアルミニウム等の導電性材料で形成されている。
【0021】
ボルトBは、頭部B1、テーパ部B2、ネジ部B3が一体的に構成され、頭部B1とネジ部B3の間にテーパ部B2を介在させた形状である。
【0022】
頭部B1は、例えばドライバー等を差し込んでボルトBを回転させるための回転穴(図示せず、プラス形状、またはマイナス形状、6角ボルト、6角穴付ボルト)が形成されている。
【0023】
ネジ部B3は、円柱状の形状であり、外周部にボルトBをねじ込ませるためのらせん状のネジ溝B31(
図4、
図5を参照)が形成されている。
【0024】
テーパ部B2は、頭部B1側からネジ部B3側に向けて直径が小さくなる先細りとなる傾斜面B21を有する略円錐形状を有する。すなわち、テーパ部B2は、頭部B1と接する側の直径が、ネジ部B3と接する側の直径より大きい。
【0025】
ワッシャWは、平面から見ると円形形状である。ワッシャWは、外周部W1と立設部W2とを有する。外周部W1は、円形状の平面板であり、中央部に円形の孔W4を有する。孔W4には、ボルトBのネジ部B3とテーパ部B2が挿入される。立設部W2は円筒状の形状であり、その外周面W22には、少なくとも一つ(実施形態では4個)の突起部W3が形成されている。突起部W3は、外周面W22から外側(外周方向)に向けて突出する形状に形成されている。
【0026】
詳細は
図4で後述するが、ボルトBがねじ込まれると、テーパ部B2がワッシャWに当接し、さらにボルトBがねじ込まれると、テーパ部B2の外周方向への広がりによってワッシャWは外周方向に広がるように塑性変形する。すると、突起部W3は外周方向に移動する。
【0027】
ここからは、接合装置Sを用いて電動機のケースと端子箱23の接合について説明する。
図4は、接合装置Sを用いて電動機と端子箱23を接合する図である。なお、
図4は、ボルトBを端子箱23の内部側からモータフレーム1側に差し込んで、端子箱23をモータフレーム1に接合する状態を示す。
図4は、接合装置Sをフレーム側ケース15にセットした状態であり、まだボルトBをモータフレーム1に完全にネジ止めしていない状態である。
【0028】
ここで、ワッシャWについてさらに詳細に説明する。ワッシャWの立設部W2は、外周部W1からボルトBの挿入方向に延出した略円筒状の中空形状であり、孔W4に面した内周面W21と反対側の外周面W22とを有する。内周面W21は、孔W4を形成するとともに、外周部W1に近い側から外周部W1に遠い側に向けて、孔W4の直径が徐々に小さくなるような傾斜面である。この内周面W21の傾斜角度は、テーパ部B2の傾斜角度と略一致している。そのため、ボルトBがネジ止めされる過程において、テーパ部B2と内周面W21は面接触状態となる。また、外周面W22は、略円柱形状の面である。なお、内周面W21における内周面W21に連通する傾斜面が、外周部W1に形成された孔W4の内面に形成されている。
【0029】
図4において、フレーム側ケース15のモータフレーム1に対向する位置に孔である切欠部15bが形成されている。フレーム側ケース15の、切欠部15bを空けた断面が切欠面15cである。すなわち切欠面15cは、切欠部15bの側面に形成されている。また、フレーム側ケース15の表面は、切欠面15cを含めて、非導電性物質で塗装された塗装面15aが形成(被膜)されている。そのため、フレーム側ケース15は通電されない。
【0030】
また、
図4において、フレーム側ケース15より上側が端子箱23の内部であり、ワッシャWは、端子箱23の内側からフレーム側ケース15にセットされている。ワッシャWの外周部W1は、フレーム側ケース15の内面側に形成された塗装面15aに接触している。また、ワッシャWの立設部W2は、切欠部15bの内部に入り込んでいる。立設部W2の内周面W21は、
図4において、上側(外周部W1側)から下側(外周部W1から離れた側)に向かうに連れて孔W4の直径が徐々に小さくなるように傾斜している。また、立設部W2の外周面W22は、切欠面15cと略平行な面を有している。
【0031】
外周面W22には、4個の突起部W3が形成されている。突起部W3は、例えば略円錐状のとがった形状であり、いずれの突起部W3も、当該突起部W3と対向する位置の切欠面15cに向けて突出している。すなわち、突起部W3は、外周面W22の外周方向に突出している。実施形態の場合、4個の突起部W3は外周面W22から放射方向に突出している。
【0032】
また、
図4において、ボルトBはワッシャWに挿入されている。この状態で、ボルトBのネジ部B3は孔W4に挿入されているが、テーパ部B2はまだ孔W4に挿入されていない。そのため、
図4の状態では、4個の突起部W3は、フレーム側ケース15に接触していないか、接触している場合であっても、塗装面15aに接触している状態である。すなわち、この状態では突起部W3と切欠面15cとは接触しておらず、突起部W3と切欠面15cは導通状態ではない。
【0033】
ボルトBのテーパ部B2における最大直径は、孔W4の最大直径より大きい。そのため、
図4の状態からボルトBを回転させ、ネジ部B3がモータフレーム1にねじ込まれると、ボルトBは回転しながら矢印Y1方向に移動する。すると、ボルトBのテーパ部B2が孔W4に挿入して内周面W21に当接する。さらにボルトBを回転させると、テーパ部B2から内周面W21に外周向きの力が加わり、内周面W21を外周方向(矢印Y2方向)に押し広げる。そのため、ワッシャWは外周方向(矢印Y2方向)に広がるように塑性変形する。
【0034】
ワッシャWが外周方向に塑性変形すると、突起部W3は外周方向に移動する。移動した突起部W3は、塗装面15aに噛み込んで切欠面15cと当接する。
【0035】
図5は、ボルトBがモータフレーム1にしっかりねじ込まれ、突起部W3が塗装面15aに噛み込んで切欠面15cと当接した状態を示す図である。すなわち、
図5は、接合装置Sを用いて電動機と端子箱23を接合した図である。
図5に示すように、この状態において、突起部W3と切欠面15cと当接しているため、ワッシャWとフレーム側ケース15は電気的に接続された導通状態となる。すると、フレーム側ケース15とモータフレーム1は、ワッシャWとボルトBを介して導通状態となる。そのため、端子箱23に蓄積された漏れ電流は、ワッシャWとボルトBを介してモータフレーム1へと流れ、モータフレーム1はアースされているため、端子箱23に蓄積された漏れ電流は外部に放電される。
【0036】
電動機を組み立てる作業者は、電動機に端子箱23を取り付ける作業をするだけで端子箱23にアース線を取り付けたと同様の状態にすることができる。そのため、別途端子箱23にアース線を取り付ける作業を行う必要がなく、電動機にアース線を接続する作業を軽減することができる。
【0037】
なお、ロータが回転することで電動機は振動を発生する。発生した振動によってボルトBがネジ止め状態から緩むことがある。このような場合であっても、外周方向に塑性変形したワッシャWはフレーム側ケース15と導通した状態を維持するため、端子箱23とモータフレーム1との導通状態を維持することができる。また、突起部W3は、切欠面15cにおける塗装面15aに噛み込んで、切欠面15cに当接している。そのため、ボルトBが電動機の振動で緩んでも、ボルトBとワッシャWが接触状態であるならば、フレーム側ケース15とモータフレーム1は、ワッシャWとボルトBを介して導通状態を維持することができる。
【0038】
また、切欠面15cにおいて突起部W3が塗装面15aに噛み込むことで塗装面15aを傷付けることになるが、切欠面15cは人の目からは見難い位置であるため、端子箱23をモータフレーム1から取り外した場合に、塗装面15aの傷が目立たない。
【0039】
以上説明したように、実施形態の接合装置Sは、アースされた電動機のモータフレーム1に導電性の端子箱23を接合する接合装置Sであって、頭部B1と、ネジ溝B31が形成された円柱状のネジ部B3と、頭部B1とネジ部B3との間に介在されネジ部B3に向けて先細りとなる略円錐状のテーパ部B2とを備えた導電性のボルトBと、中央にボルトBが挿入される孔W4が形成された平面状の外周部W1と、外周部W1から屈曲し孔W4に沿って形成された円筒状の立設部W2と、を備え、立設部W2に外周方向に突出する少なくとも一つの突起部W3を有する導電性のワッシャWと、を備え、ワッシャWを介してボルトBを端子箱23に形成された切欠部15bに挿入しボルトBをモータフレーム1にネジ止めしてモータフレーム1と端子箱23を接合した際に、テーパ部B2が立設部W2に当接して立設部W2が外周方向に変形して突起部W3が切欠部15bの切欠面15cに当接し、モータフレーム1と端子箱23がボルトBとワッシャWを介して電気的に導通させること、を特徴とする。
【0040】
このような特徴を備えた接合装置Sは、ボルトBをモータフレーム1にネジ止めするだけで端子箱23とモータフレーム1が電気的に導通状態になる。そのため、電動機を組み立てる際の電動機と端子箱23とをアース接続する作業を軽減させることができる。
【0041】
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであってもよい。
【0042】
例えば、実施形態では、端子箱23を外部装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば、電動機のモータフレーム1に設けられた電動機の内部を覗くための金属製の窓を外部装置としてもよい。窓は、モータフレーム1から外側に回動して開放可能に設けられる。この場合、接合装置Sによって窓はモータフレーム1と導電性を有する状態となる。窓は人が電動機の内部を覗くために触る。窓には比較的高電圧の計装品をつけることがあるため、また、窓の内側に防音目的のウール消音材を取り付けることがあるため、窓は帯電しやすい。そのため、感電を防止するために、接合装置Sによって窓に帯電した電流を外部に放出することができる。
【0043】
また、実施形態では、突起部W3を略円錐状の尖った形状とした。しかしながらこれに限らず、突起部W3は、例えば略三角錐や略四角推のような角錐形状であってもよい。
【0044】
また、実施形態では、4個の突起部W3を用いて説明した。しかしながらこれに限らず、突起部W3は、少なくとも1個であればよい。
【符号の説明】
【0045】
1 モータフレーム
6 口出し線
10 開口部
12 端子台
15 フレーム側ケース
15a 塗装面
15b 切欠部
15c 切欠面
16 開口部
18 端子板
21 端子箱カバー
23 端子箱
B ボルト
B1 頭部
B2 テーパ部
B21 傾斜面
B3 ネジ部
B31 ネジ溝
S 接合装置
W ワッシャ
W1 外周部
W2 立設部
W3 突起部
W4 孔
W21 内周面
W22 外周面